1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年二月二十八日(火曜日)
午後二時二十七分開議
出席委員
農林水産委員会
委員長 村松 久義君
理事 吉川 久衛君 理事 笹山茂太郎君
理事 白浜 仁吉君 理事 助川 良平君
理事 田口長治郎君 理事 中村 時雄君
理事 芳賀 貢君
足立 篤郎君 安藤 覺君
石坂 繁君 木村 文男君
楠美 省吾君 小枝 一雄君
綱島 正興君 原 捨思君
赤路 友藏君 淡谷 悠藏君
伊瀬幸太郎君 神田 大作君
中村 英男君 日野 吉夫君
久保田 豊君
大蔵委員会
委員長 松原喜之次君
理事 有馬 英治君 理事 黒金 泰美君
理事 小山 長規君 理事 藤枝 泉介君
理事 石村 英雄君 理事 春日 一幸君
生田 宏一君 大平 正芳君
加藤 高藏君 吉川 久衛君
杉浦 武雄君 竹内 俊吉君
夏堀源三郎君 古川 丈吉君
坊 秀男君 前田房之助君
山本 勝市君 有馬 輝武君
石山 權作君 井上 良二君
木原津與志君 竹谷源太郎君
平岡忠次郎君 横錢 重吉君
横山 利秋君 石野 久男君
出席政府委員
大蔵政務次官 山手 滿男君
大蔵事務官 東條 猛猪君
(銀行局長)
農林政務次官 大石 武一君
農林事務官
(農林経済局
長) 安田善一郎君
農林事務官
(農地局長) 小倉 武一君
委員外の出席者
農林事務官
(農林経済局金
融課長) 和田 正明君
農林漁業金融公
庫総裁 山添 利作君
大蔵委員会専門
員 椎木 文也君
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本日の会議に付した案件
開拓者資金融通法の一部を改正する法律案(内
閣提出第三〇号)
農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案(
内閣提出第三三号)
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〔村松農林委員長委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/0
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001・村松久義
○村松委員長 これより農林水産委員会、大蔵委員会連合審査会を開会いたします。
私が連合審査会の委員長の職務を行いますから御了承願います。
開拓者資金融通法の一部を改正する法律案及び農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案の両案について審査を進めます。両案の趣旨につきましては、お手元に配付いたしました説明書によってごらんを願うことにいたしまして、これより直ちに質疑に入ります。大蔵委員石山權作君。
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002・石山權作
○石山委員 農林漁業金融公庫のことについて質問いたします。この説明書の中に、「農林漁業の生産力を維持増進するために必要な資金を、長期かつ低利で融通して参りました」というふうなことと、農林中金の立場というものをあわせて考えてみた場合、現在の立場から見て、この金融公庫と農林中金の両者は、われわれから見ると、やや同じような性格を持っているように考えます。一つは政府機関、一つは民間機関というふうに区別はできるけれども、同じような性格を持っておるものではないか、こう思っておりますが、どういうふうにお考えになっていられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/2
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003・山添利作
○山添説明員 これは貸付の相手方から見ますると、同じく農林漁業者であります。同じようでありますが、資金の対象と申しますか、公庫資金の方は施設資金でございます。土地改良でありまするとか、林道でありまするとか、あるいは漁港、漁船、こういう長期の資金を融通しております。農林中央金庫の方は組合金融でありまして、むろん漁船等にも貸しますけれども、その主たるものは運転資金ということになっておるわけでございます。そういう資金の分野において相違があり、両々相待って農林漁業の生産力の増強に役立っておる、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/3
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004・石山權作
○石山委員 これの窓口営業はどういうふうな系統を通じてなされておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/4
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005・山添利作
○山添説明員 農林漁業金融公庫は、御承知のように、直接貸付を現在いたしておりません。それぞれ委託金融機関を通じてやっておりますが、その委託金融機関と申しますのは、農林中央金庫、これ炉一番大品であります。それから信用組合連合会、それから地方銀行であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/5
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006・石山權作
○石山委員 私たち大蔵委員として金融財政一般から見た場合に、日本の金融の地位あるいは利子の問題に関しましては、日本産業全般から見て非常に利子が重要視されてくる。この利子上下の問題は、もちろんコストと関係をしてくるのでございますが、われわれ考えますには、類似したような性格を持ち、うらはらのような系統の金融機関はやはり一本化した方が金利にたいへんいい、コスト安をば招来するのではないか、こういうふうに思っております。特に私たち聞くところによりますと、この金融公庫の窓口営業の場合は、農林中金がほとんど九割以上を占めている。農林中金の実態が即金融公庫のような印象をさえ受けているのでございますが、この点はいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/6
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007・山添利作
○山添説明員 御承知のように、政府の資金によります融資は昭和二十六年度から始まっておりますが、始まりました当初は、ほとんど農林中央金庫の取扱いでございました。おおむね八五%が農林中央金庫、一五%が地方銀行でございました。最近の状況におきましては、新しい資金につきましては農林中央金庫が約五割、信用組合連合会が約三割、地銀が二割、こういう見当でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/7
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008・石山權作
○石山委員 私はこの金融公庫と農林中金の立場から見て、銀行局長にちょっとお聞きしたいと思いますが、去年の年末、農林中金に、十九日だと新聞には出ておりますが、五十億だけ日歩二銭で十九日から日銀が持っておる商業手形を売り渡した。これが市況に与える影響は当然——当時一銭五厘程度と予想していたのが、二銭に押えられてしまったというような新聞の批評が出ておりますが、時あたかもちょうど大蔵省が一月から三月までの予定として一銭五厘で市況を押える、こういうふうなことを発表しておきながら、農林中金に五十億を二銭でやったというのは、どういう理由からでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/8
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009・東條猛猪
○東條政府委員 申し上げるまでもなく、この農林中央金庫の資金繰りは、季節によりまして、繁閑を呈する次第でございます。米の集荷が始まりました場合におきましては、食管特別会計から資金は相当交付されまして、それが米の買上代金として農家に渡り、それがまた預金に歩どまりまして逆に農林中金の相当の預金と申しますか、資金となって参りますことは、今さら申し上げるまでもないわけであります。さような短期の資金の調節のために、農林中金といたしましては比較的短期資金の運用をはかって参るという必要炉生じて参るわけであります。日本銀行は、中央銀行としての立場上、市中金融機関の一つとしての農林中央金庫からの話し合いがあります場合におきましては、全体の金融情勢を考えまして、日本銀行の持っておりまする商業手形あるいはその他の有価証券の売買に応ずるわけであります。当時日本銀行の手持ちにありました商業手形といたしましては、日歩二銭に回りますものが相当保育せらせておったわけであります。これを農林中央金庫に対して二銭によって売り応ずるということは、中央銀行としての金融操作といたしまして私ども適当なことであると考えておるわけであります。
なお今御質問にございました、日歩一銭五厘によるいわゆる短期の売りオペレーションを考えておったのではないかという御質疑が一つの重点でありますが、当時農林中金が日本銀行との取引をいたした場合におきましては、御承知のように、まだ一銭五厘の政府証券による短期売買の金融操作は行われておらないわけでありまして、従いまして時期的にも農林中金と日本銀行との間で二銭の商業手形の売買が行われ、しばらく時を置きまして、この一銭五厘の政府証券の売買が行われたということでありまして、一連の中央銀行による金融調節手段といたしまして、この間に矛盾がないものである、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/9
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010・石山權作
○石山委員 農林中金でたとえば非常に余裕の金ができた。そういうような場合に、貸借関係のある金融公庫はどういうような立場にありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/10
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011・山添利作
○山添説明員 別に関係はないのでありまして、この資金が相互に交流するということはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/11
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012・石山權作
○石山委員 私は、これが大蔵省だけでなく、公団とか公庫とか、いろいろ公けの名前のつく政府機関に対しては非常に疑問を持つものの一人でございますが、農林中金の場合、強引に二銭に歩合いをもちまして、市中に対して再割りのできるようなやり方をとった処置に対して、金融全般の問題から見て私は決して正常なものではないと思うのですが、局長に言わせると、中央の日銀としては当然だというようなことを言っておりますが、当然とか当然でないという判定の材料は、日銀が持つんですか、それとも大蔵省の銀行局が持つんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/12
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013・東條猛猪
○東條政府委員 日本銀行が売買操作の当事者でございますので、日本銀行といたしましても、いろいろ判断をいたすわけでありますが、相当重要なことであり、また金融操作として大事な問題である場合におきましては、大蔵省に相談があるわけであります。この場合におきましても、農林中央金庫の一時的な余裕資金の運用操作として、全体の金融情勢とにらみ合せて、どういう方途が適切であるかという全般的な方針につきましては、大蔵省と日本銀行との間で十分相談いたしました結果でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/13
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014・石山權作
○石山委員 私はこの中央金庫と金融公庫が一本建をしても可なりな性格を持っているということを先ほど申し上げたのですが、こういうことは大蔵省の銀行局としては考えたことがございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/14
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015・東條猛猪
○東條政府委員 先ほども公庫の総裁からお答えを申し上げた点でありますが、やはり今日の性格におきましては、農林中央金庫はいわば農林関係の組合金融をその最も重い使命としておる金融機関であります。農林漁業金融公庫につきましては、これまた申し上げるまでもなく公庫法の第一条に「農林漁業者に対し、農林漁業の生産力の維持増進に必要な長期且つ低利の資金で、農林中央金庫その他一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通することを目的とする。」ということで示されておりますように、あくまでも補完的な金融機能を営む政府関係機関である、かように考えておるわけでありまして、その意味におきまして、農林中央金庫と農林漁業金融公庫との統合というような問題はただいまのところ考えておらない次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/15
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016・石山權作
○石山委員 私はただ機械的に統合せよというのではなくして、両者がうらはらであって、同じような性格から、もし窓口から窓口へ流されるとするならばコストが高くなるということを私は指摘しているわけでございます。これがコストを安くすることは即農民漁民に対しては、それこそ低利長期の融資がなおさらできると私は考えておるものですから、同じような性格を持つものであって、ただたまたまそれが民間の組合を主体としたもの、あるいは政府機関であるというようなことは——しかし政府の金融の一つの政策から見て、今の農林中金の場合は必ずしも民間だからといって民間の企業のような形ではない。特にやり方を見た場合には政府の意思が相当強く政策的に現われているということを私は言いたいのでございます。この問題は今後とも一つ十分研究していただいて、同じような性格の機関、公団とかあるいは公庫とかいうようなものを幾つも設けるべき筋合いではないのではないかということを言っているのであります。
一つ総裁にお聞きしたいのでございますが、昭和三十年度から新たに自作農維持創設資金の貸付も始めておるのでありますが、すでに当初計画額のうち相当額の貸付を完了いたしております、と説明されております。この制度は大へんよろしいが、その運営に当っては必ずしも所期の目的を果していないとわれわれは見ております。一つこの経過を説明していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/16
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017・山添利作
○山添説明員 これは昨年法律ができましてから準備を始めまして、それぞれ地方で打合会をもち、昨年の私になりましてから実際の申し込みをいただいておるのであります。何しろ初年度でございますから予定よりも進捗状況は遅れておりますけれども、最近二月の二十日現在ですか、約半分の十一億だけは決定をいたしましたが、残りはむろんこの年度内に完了する予定でございます。ただいま公庫には二十億ちょっと越しただけの申し込みが参っておりますが、これはもちろん年度内に処理をされるのであります。初めてのことでございますからその手続等におきましていろいろむずかしいこと等があろうと思いますが、これらは漸次改善をしていきたい、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/17
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018・石山權作
○石山委員 この自作農維持の問題については農民は非常に喜んだのでございますけれども、さて実際実行に移された今になってみますと、その手続が大へんにめんどうで、農家自身ではとても記入手続ができない、商売人の手をかりなければ手続ができないというふうな性格を持っていると言われていますが、その通りでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/18
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019・山添利作
○山添説明員 借り入れの申し込みをいたしますのにつきましては、まず安定計画を作成して知事のところへ出しまして認定を受けるわけであります。そこで適格ということになりまして初めて公庫の貸付の対象になるのでございますが、その安定計画が非常にむずかしいというのでございます。これはなるほど収入、支出をつけなければなりません。今の日本の農家の事情におきましては、ほとんど帳簿をつけておりませんのでありますから、はなはだむずかしいと思います。しかしこういう機会に自分の農業経営、農家経済というものをよく反省をしてもらって、そして安定計画を立てて将来の更生を期そうというわけでございますから、多少そこに苦労の要りますことは当然と言うと言葉が過ぎるかもしれませんが、これはまた必要なことと思うのであります。しかし現在の様式におきまして非常にむずかしいという非難は、この国会におきましても伺っている次第であります。それらの点につきましては従来の経験、実績等にもかんがみまして、今後十分研究をして簡易化をはかっていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/19
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020・石山權作
○石山委員 私は総裁の農民に対する思いやりは非常にありがたいことだと思うのですが、農家経営に対する精神の持ち方とか、帳簿のつけ方まで総裁が責任を持つものだとは考えておりませんし、教育機関でもないように思われます。要は公庫としては、低利長期に農民に金融するというのが趣旨だと思うのです。農家はあなたが考えられているほど数字とか帳簿とか記録とかいうものを持っていないと思いますし、またやることを非常に煩雑に感じている階層でございます。それに対していろいろむずかしいことをおっしゃっても——もちろんこれは金融機関でございますから、安全を考えてのことと思いますから私は何もそこまでは言いませんけれども、それにしても二十種類くらいのものが必要だといわれておりますが、その通りでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/20
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021・山添利作
○山添説明員 二十種類といろのではなくて、安定計画の表が、たとえば土地を幾ら持っておる、その土地は田、畑、一毛作、二毛作であるとか、あるいは家畜を幾ら持っておる、そういう表がたくさんあるわけでございます。収支としては結局どうなるか、将来の償還計画はどうなるか、こういうのであります。これによりまして全体の農家計画がその機会に反省されるという仕組みに相なっております。その機構といたしましては、公庫自身が現地の事情を把握するという手段はございませんし、それは不可能でございます。安定計画は知事のもとで認定を受けますけれども、実のところ地元におる農業委員会の書記の人たちあるいは改良普及員等の、現実にその人を知った人でなければほんとうのところはよくわからないと思うのであります。そういう人たちによくやっていただき、またそういう人たちを信頼していくというのが方向であろうとは考えているのでありますけれども、何しろこの安定計画書なるものは法律に記載事項もございますし、またこれは農林省の通牒をもって出されておることでございまして、行政の分野で直接公庫というわけではないのでありますが、便宜私がお答えをいたしておるのであります。御趣旨の点につきましては、公庫の意見も十分尽して、今後農林省と相談いたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/21
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022・石山權作
○石山委員 総裁はまだお金を全部使っておらないと言われました。年度内というような言葉を使いましたが、これは三月三十一日でございますか、五月三十一日でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/22
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023・山添利作
○山添説明員 三月末であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/23
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024・石山權作
○石山委員 次官に伺いますが、あなたの方の悪口を言うのじゃないけれども、どうもあなたの方の農林行政を見ていますと、ちょっぴり農民に味方をしたようなことを出しております。この自作農設置もそうだろうし、農山漁村建設の問題もそうだろうと思うのだが、一番農民の問題を実態的に知っているはずである農林省の方が、そんなとほうもないむずかしい記帳をしなければならないという法律、省令を出されるというのはどういう意味ですか。私ははなはだ疑っているわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/24
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025・大石武一
○大石(武)政府委員 お答えいたします。われわれ農林省の役人は、農村の方々の生活が少しでも早くよくなるようにということを第一義と考えて、一生懸命働いておるわけでございます。それでただいまのお尋ねは、確かにむずかしい、実際農民にとりましてはなかなかできないようなむずかしい省令であるということを承わっております。これはやはりできるだけ早く簡単なものにしてあげたい、こう考えてはいるのでございます。元来日本の書類というのは昔からむずかしいと思うのです。これに限らず、ほかもみなむずかしいと思うのです。これは日本の行政機構が非常によくないのじゃないかと思うのです。それでこれに限らず、何でも簡便にして国民の扱いやすいようにしなければならないと思いますし、今山添総裁の言われた理由ももっともでありますので、できる限り努力いたしまして、これのみならず全体の行政機構をもっと簡単にして、国民の親しみやすいものにしなければならぬ、こういうように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/25
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026・石山權作
○石山委員 次官はなかなか政務次官だから答弁がうまくて、あっちこっち回しているようでございますが、私はけさほどの大豆の輸入の問題、砂糖の問題等いろいろあるだろうと思いますけれども、政府の考えている食管の問題などいろいろからみ合せて考えてみますと、非常に矛盾と撞着に満ちていると思います。これは去年、三十年に出した法律でございますよ。何年もたっているというならわかるけれども、去年出して今年のこともわからぬような農林省の役人というのは、実にけしからぬと思うのです。農民の生活とか農民の慣習というものがわからないで、行政がどうして行われるでしょうかと言いたいのだ。ですから政治というものはもちろん現実に即したことをやるわけなんですから、農民がこのくらいのことをやさしく書けるかどうか、書けなかった場合の措置をどこで押えればよろしいか、返還はどうすれ、はよろしいかということをほんとうに考えるべきだろうと思うのです。去年出したものが今年わからぬというようなやり方は、次官として反省もしてもらわなければならぬし、勉強してもらわなければならぬと思うのです。どうしてそういうむずかしい法律を出されたのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/26
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027・大石武一
○大石(武)政府委員 どうもおしかりを受けて申しわけないのでございますが、事実今までの日本の行政事務の慣習に従いまして、こんなようなむずかしいものができてしまったと思うのであります。これはまことにおっしゃる通り困ることでございます。でございますから、去年初めてやったことでございますから、この悪いところは漸次是正いたしまして、できるだけ御期待に沿うような、農民に便利なものに変えて参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/27
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028・石山權作
○石山委員 次官が誠意をもって、早急にそういう省令なりによって、行政指導をして早く簡素化をする。そのことによって救われる人が私たくさん出るのではないかと思います。
それからもう一つは、やはり全般から見て金額が少いと聞いております。これも一つ私は増額方を努力してもらいたいと思います。それから金融全般から見た場合あるいは財政から見た場合、中金と公庫の性格が違うといいながらも、何か私は似ているというふうに言いたい。そういうようなことの一本化あるいは補助金の集中的な配分、こういうようなことも私は農林次官に大いに考えてもらいたいと思うのです。私が社会党だからというので聞いてもらっちゃ困るのですよ。世上一般から見ても、一軒に百円か二百円渡るような補助金制度なんというものは今ごろあり得ない。ですから、私は、農民あるいは漁民を皆さんからあたたかく見てもらうのはたいへんありがたいことだけれども、羊頭を掲げて狗肉を売るような、そういうやり方であっては自民党の農業政策というものは私は疑われると思うのです。ほんとうにやっていただけるならば、実のあるような補助金の配分の仕方をやっていただきたいし、また私はこれは農林省から強く希望されて、農林中金の売オペの問題などが私は出たと思うのです。一省がそのなわ張りによって自分たちの政策を維持するために日本全般の金融財政を乱すということはけしからぬと思う。なぜかというと、去年度から一銭五厘でできて市中のコストが下るというときに、この農林中金の売オペのために二銭にすえ置かれている。農林委員の皆さんには怒られるかもしれないけれども、こういうことを言わざるを得ないと思うのです。日本全般から見て、財政金融というものをきめていただかなければ、やはりどこかで非常に無理が生じてそれがあらゆる産業のコスト高、金利高になるということが指摘されるわけでございますから、特にたいへん補助金を使い、国の財政の中枢になる農林行政に対しては、私は誠心誠意考えていただきたいということをこの際要望しまして、私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/28
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029・村松久義
○村松委員長 久保田豊君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/29
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030・久保田豊
○久保田(豊)委員 私はまず第一にお伺いしたいと思うのですが、農林省と公庫の総裁にお伺いいたします。ことしの当初の計画では、公庫の方では大体本年度の貸付資金として政府のいわゆる無利子の出資金を二百億、それからいわゆる預金部その他の六分五厘ですかの利子のついたやつを二百億、回収金二百億、こういう要求をされたように聞いております。ところがそれの結果がどうなったかというと、大体政府の無利子の出資は十億になっておる。それから資金運用部の方からの借入金が二百億、回収金が八十億、総計二百九十億ということになったわけです。公庫の貸付の金利は一番安いものが大体四分くらいと思います。高いものが七分五厘くらいだと思う。今度のこれでもって平均をしますと、五分六厘か五分七厘くらいが公庫のいわゆる原資になろうと思うのです。ところが今度決定したものによりますと、回収金の問題は別といたしまして、これは相当原資が高くなる。少くとも六分二厘ないし六分三厘になるのじゃないかと私は思うのです。この矛盾をそのまま公庫がもし超過引当金その他を順調にやっていくならば、あるいは公庫の受託機関に対する受託料を切り下げるか、あるいは公庫の経費を切り下げるか、いずれかにしなければこれは資金コストが高くなるのは当然だと思う。しかもこれをもっと長期に見ますと、自民党の皆さんが政権をとられて以来二十九年度までは無利子の金が、当初公庫が出発した二十六年には九十六億出ており、次は六十五億、その次は二百十一億千四百万出ておる。二十九年は九十五億出ておる。ところが三十年になって十億、三十一年になって十億、そしていわゆる利子のつく金だけが非常にふえてきておる。これで金利を上げずにやっていけるかどうか、これがやはり第一の問題だと思います。今石山さんからお話がありましたが、農業関係の長期資金というものはできるだけ低コストでなければやっていけないことは明らかです。本来日本の農民の大部分は大体償還能力がない、はっきりそう言えると思う。少くとも日本の農民の七割は償還能力を持っておりません。それはなぜかというと、家計費が農業所得だけでまかなえないのが大部分であります。農林省の調査でも、五反歩以下の者は農業による家計費の充足率は大体二六%、一町歩以下でも四八%幾らです。一町歩以上の者でも八六%くらいです。従って農業所得だけでは家計費の補充もできないというのが今の日本の農民の全部の状況です。農林省の経済調査を見ても、例の一町一反四畝ということでは償還能力は八千円くらいしかない。こういう零細な、償還能力がなく、労働所得その他によって家計費をまかなってやっているその農民に対して、少くとも長期資金にこういうふうな無利子の政府出資をだんだん少くして、利子がつく金をだんだんよけいにする、こういうことでもって公庫がやっていけるかどうか。公庫本来の使命が達成できるかどうか。この基本の問題を政府はどんなふうにお考えになっておるか。私どもに言わせれば、今までの政府のやり方というものは、全く自民党さんの財政経済政策そのものが少くとも長期金融に関して間違っておる。短期の金融については、私は機会があったらお話を申し上げたいと思う。農業に対するこの基本の問題を政府としてはどう考えておるか。また総裁としてはこういうことが年々蓄積していった場合にどういうふうにおやりになるのか。どこかを検討しなければならぬ。公庫のいわゆる財政的基礎といいますか、そういうものをくずしてくるか、あるいは受託機関に対しまする手数料なり何なりを落してくるか。これもおそらくできますまい。今わずかに二厘か三厘でしょう。実際には多少いろいろ裏があるように私は聞いておる。これは別としましても、おそらく私は、長期資金がま一すます利高になっていくと思う。これに対して総裁としては具体的にどのようにお考えになっておるか。政府丁としてはこの長期金融の基本問題をどんなふうに解決されるか。少くとも三十年度、三十一年度に現われた金においては、政府は農業に対しまする長期金融というような基本政策と逆行しておる、こうはっきり言えると思う。この点どのように考えておるか。今後この点をどう変えようとするか。ことしだけの問題ではない。もう二年実績を出しておる。ことしのような全般の財政計画を立てていかれる限り、この傾向は来年はもっとひどくなる。必ずそうなる。この点をはっきり一つ政府と総裁にお伺い上たい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/30
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031・大石武一
○大石(武)政府委員 まことにごもっともな御質問でございます。政府といたしましては、もちろん農民の生活が早くよくなるようにいたしたいと思います。自立できるようにでき得る限り補助並びに金融の道を講じて参りたいと思います。その場合にはもちろん負担をできるだけ軽いものにしたい、こういう方針でございます。なおむずかしい御質問でございますので、正確な答弁は総裁並びに政府委員からいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/31
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032・山添利作
○山添説明員 仰せのように三十年度並びに三十一生度はそれぞれ出資が十億円ずつでございまして、はなはだ少いのであります。私どもはこういうふうに考えておるのであります。そういうふうにいたしますとだんだんコストは上ってくるわけでありますが、貸付金利は上げない。それから三十一年度におきましては手数料は若干下げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/32
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033・久保田豊
○久保田(豊)委員 それは受託機関の手数料ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/33
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034・山添利作
○山添説明員 そうです。それからそういうふうにいたしましても、この償却といいますか、滞り貸しの引当金が予算上三十一年度末に一億二千万円ばかりでございますが、これは本来ならば私どもはもっと大きい方がいい、こういうことを考えておるわけであります。いずれにいたしましても出資の総額、すなわち一年度限りでなくてずっと累積した出資、それと借入金の累積があるバランスを持っていなければならぬわけでありますから、三十年度、三十一年度におきまして出資が少くても、ともかく公庫として運営できますものは、過去における出資がある。そのウェイトが大きいがゆえにやっていける、こういうのでございます。もちろん将来のことといたしましては、一定率の、公庫の採算がとれますような出資の割合を希望いたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/34
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035・安田善一郎
○安田(善)政府委員 政務次官並びに山添公庫総裁からお答えしたことに尽きると思いますが、お話のありました中に多少補足をいたしますと、当初四百五十数億の金を予定して、一般会計から二百億出資をしておったじゃないかというお話がありましたが、これは予算編成及び公庫資金調達の政府部内の措置でありまして研究案であります。相なるべくは土地開発、土地改良、共同施設あるいは漁港その他各種の措置、自作農創設、奄美大島の復興まで入れまして、政府の低利長期な資金を、農林漁業にはその性質にかんがみまして注ぎ込むべきものである。その方法によりまして一般会計による国営、県営の事業とか、あるいは団体営の事業ないしは補助事業、こういうものに注ぎまして、日本の農業を中心として、及び農林漁業のあるいは塩業の生産力の拡充と経営の安定をはかるために、おのおのそういう時期には役所のプラン——第一プランがあるわけであります。それに応じまして補助金がふえれば従来の融資率及びその利率ではどのくらいの金がいるだろうかを絶えず計算しておるのでありますが、そのうちの最も希望とする第一の事務当局案をお述べになったものと思います。あわせまして、政務次官及び公庫総裁のお答えと同じでありますが、無利子の原資と有利子の借入金とのバランスは、現行の融資対象の率を変えない範囲ならば、第一には公庫で事務費の合理化できる点は合理化したい。償却積立金も必要最少限度はできる分でしたい。あるいは委託費を節減する等、工夫をこらしながら必要なバランスをとらなければならぬと思う。三十一年度の提案理由あるいはまた御審議いただいておりますこの公庫法案によりますると、三十年度よりは三十一年度は末端の貸付利率を上げることはしないという原則は貫いていますが、有利子、無利子の割合とか、いわんや資金がもっと多い方がいいんじゃないかという点においては、必ずしもまだ十分ではないのであります。かつその上に三十年度から三十一年度の傾向を、単に傾向として見れば、無利子の金の投資の割合が減ったということはあるのであります。しかし他方公庫には最初の三−四年の間に一般会計から出資をしましたものが原則になっておりまして、それがやがて償還期になって参りますと、その償還金は原資であったものと同様でありますから、利子がないわけで無利子の金がいくわけであります。そういったわけで、それとのコンビネーションで金利は上げるべからず、経営は合理化すべし、貸し倒れの積立金は、必要額は法律で定められた範囲及び金融機関として当然必要な範囲ではやるべしという原則によりまして、来年度以降はどうだということにつきましては、やはりもっと資金を豊富に、農家の産業、農林漁業の産業にも合い、その経営にも合いますような長期、低利の融資を豊富に供給することを目的として、その金の事業対象を考えて予算等を組みますならば、これに照応して原資調達率は去年の通りとか、ことしの通りとか、あるいは三十年度から三十一年度に現われている傾向のようでいいということではないと思います。従いまして私のあるいは農林省が考えておりますのは、貸し倒れ準備金に当りますところなどはぎりぎりのところにされているが、まあこのくらいあればよかろう、もっと多くして公庫の経営を確実にすべきである、また事業を拡大して、事業内容の種類にもよりますが、全般的に申し上げますれば、将来は運用部資金とか、簡保資金とかいうものの借り入れと、一般会計からの繰り入れ、あるいは産投会計からの出資というようなものとの割合は、農林漁業の性質にかんがみた長期低利融資をこの公庫は担当するということを基礎にいたしまして、総額を検討し、原資の比率を考え、金利を考えて間に合うようにしていくつもりである。そういう意味で本年度は了承しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/35
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036・久保田豊
○久保田(豊)委員 なかなか経済局長むずかしいいろいろのうまい答弁をやっておりますが、農林省の事務当局としてのお考えはそうだろうと思うし、またそうなくちゃならぬと思うが、これは政府の全体の財政投融資計画が決定するのです。そういう線が三十年度、三十一年度に出ておる。そこで農林事務当局の案もさることながら、農林次官にお聞きしたいのは、こういう農林漁業の長期の融資に対して、ほかの財政投融資と同じように、ことしの予算編成でやったような、ああいうことをおそらく来年もやらざるを得なくなってくると思う。そうすると今農林当局がいろいろ言われたことは画餅に帰します。一方において協同組合等の借金の跡始末をして、穴のあいたものは利子補給してただにしてやる。しかも農家の直接借りるようなこういう資金については、だんだん原資は高いような方向に財政金融政策全体としてとっておる。この点がはっきり政治的に割り切ってこない限り、今経済局長が話されたようなことは、技術的ないろいろな仕事をやったって、これはものにならないと思う。ざっくばらんに言って、いかにそういう案を出してきても、大臣から一喝食えばそれまでだ。それでは何にもならないと思う。この点について詳しいことは、御趣旨ごもっともでなるべく安いようにやります、これはどの政府だって言います。農民に高い金を貸しましょうなんて言ったら票が減ります。そのくらいなことは百も承知でうまいことを言っておるけれども、やっておることは逆なんです。だからそれに対して今後政府としては、基本的にどういう政策をとっていくつもりかということをお聞きしておるわけです。それと同時に、政府委員からもお話がありました通り、この長期資金というものは今後ますますふえていかなければならぬし、またいかざるを得ないと思う。一例をとってみれば、なるほどことしの予算は、表面上は土地改良費等はあまり減ってない。ところがあれだって実際は十一億というものは見返り資金で出るというのですから、幾らか減っておるのです。現実はどうか。現地の百姓にやることは、地方財政が困難になってきたから今まで県の補助事業は団体営に切りかえよう、非補助に切りかえようとしてどんどんやられておる。そういう場合にはこういう資金を借りざるを得ない。ことしの二百九十億はよけいかといいますと、よけいではありません。私はそういう例を出せと言われればたくさん出しますよ。あとでいずれ具体的な問題で討論したいと思いますが、そういう実情なんです。そういうところに原資関係は逆に逆にとコスト高になっておる。こういう基本政策について、私は政府としてもっと本気に考えてもらわなければ困る。公庫の総裁には、今お話の通り、なるほど初年度公庫出発当時からみると、無利子の資金が相当入っております。従ってこういう事業計画、事業団体がふえてくるに従って無利子の原資と有利子の原資とがどういう比率を保っていったならば——ぜいたくする必要はないと思いますけれども、公庫としても最低限の安全性を確保しながらやっていけるか。その比率については、今いろいろお話がありましたけれども、現在のような逆さや関係であっちこっちして今年は間に合わせるということだろう、来年度の見通しはまだ立っていないことだろうと思いますけれども、どの程度にやったらば、逆さや関係をやって正常なしかも安い資金を安全に出せるかということを、どういうふうにお考えになっておるか。具体的な点を政府と両方にお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/36
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037・山添利作
○山添説明員 具体的に申しますと、私のただいまの見込みによりましては、いろいろ諸経費の合理化をはかりまして無利子の出資が全体の運用資金のうちの四五%、借入金が五五%、そういうことであればけっこうであるとただいま考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/37
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038・大石武一
○大石(武)政府委員 本年度の利子のことにつきましては、先ほど総裁と政府委員から御説明を申し上げたので、それで御了承いただきたいと思います。来年度はやはり十分に御趣旨の通りわれわれも考えております。ぜひともこの方面の融資の利子が高くならないように、十分に一般会計その他からも無利子の原資をよけい繰り入れたいと考えております。来年度はおそらくことしよりももっと拡大された予算が——これはわかりませんけれども、そういう予想のもとにわれわれは考えておるわけでございます。なお具体的なことは今総裁が申し上げたと同じように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/38
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039・久保田豊
○久保田(豊)委員 その次にお伺いしますが、大体ことしの回収金が八十億、ところがさっき経済局長の話では、第一案、第二案と政府内であったということですが、最初のあれでは五十億、それが八十億にふえた。このことは百姓の立場からいうとどういうことか、繰り上げの償還をよけいやるということです。これではたまらないのです。この点はどうなっておるのか。最初五十億というものを予算編成の過程においてこういうふうに三十億もふやされた。繰り上げ償還というものは当然出てくる。この当初の五十億をはじき出した基礎はどこにあるか、また八十億にした基礎はどこにあるか。私は無理な繰り上げ償還等が必ず出てくると思う。具体的にどうという材料をまだ私は持っておりませんけれども、この八十億は、最初の五十億とどういう違いから、どういうはっきりした根拠から繰り上げ償還等はなくて済むというふうにやられたのか、これをはっきり聞かしていただきたい。どうも私の見ておった過程ではそうでない、財政計画の上でしょうがない、足りないから、こっちをよけいふやせということで、五十億のやつをとたんに八十億にふやされたというふうにこれは見ざるを得ない。この見方が不十分かもしれませんが、その危険は十分ある。農民の立場からいえばこれが一つの大きな心配です。この点はどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/39
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040・山添利作
○山添説明員 全然御心配は要らないのでありまして、繰り上げ償還は別に強制したり特別に奨励したりいたしません。補助金をもらったのを返してもらうとか、あるいはほんとうに返せるのを返してもらう、こういう態度にどうも変りはございません。ただいま数字の点でございましたが、初め五十億といいますのは実は六十五億、そのうち十億返すから五十五億新しい資金に使う、ところがふえたじゃないか、このふえたのは、ここに回収金と書いてございますが、正確にいいますと回収金等でございます。等とは何ぞやといいますと、これは三十一年度の回収金並びに三十年度によけい回収金がございまして、それを充てるので、こういうことで八十億になるわけでありまして、別段回収にやっきになるというわけではございませんから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/40
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041・久保田豊
○久保田(豊)委員 なるほどあなたの方から見れば、東京で金庫の番をしていればそういうことになる。しかしどうです、現実にはたとえば災害復旧のために出た営農資金、そういうものが農民の手に渡らずに、今までの借金の棒引きにどんどんとられておるではないか。そういうのがあなたの方では非常に償還率がいいとかなんとかいうことになるわけです。今のように十億ぐらいの開きはあったかもしれませんけれども、そういうことのないようにしていただかなければ、この経費全体の持っている意味が農民の立場からなくなる。災害復旧のための営農資金あるいはことしあたりの、たとえば米の予約金が出た場合でも、農協や何かは何をやっているかというと、大体まず第一に借金の差引をする。その中には長期の借金も入っている。こういうことをやっておるのが実情ですから、今のお話では十五億ばかり開きがあるということですが、それにしましても私はその心配が非常にあると思う。一つその点も十分お考えをいただいて運用していただきたいということを申し上げておるわけであります。
時間がありませんから、その次にもう一つお伺いいたします。これは今年度の河野農政の一番大きな問題ですが、これはいずれあとで詳しくやろうと思いますが、ことしはいわゆる新農村建設なるものに政府は約十四億幾らの補助金を出す、と同時に十五億の資金を出すことになっておる。今までの河野さんの説明では、計画というものはすべて下から自主的に持ってきて、そして上げてきて、それを県段階、中央段階でそれぞれ審査して、いいというものには補助金をやる、同時にいわゆる資金もつける、その資金が十五億あるわけです。この資金はどういうふうな形で貸し出すものか、これらについての具体的な計画が立っておるのか立ってないのか、これは特に河野さんの強調されるのは共同施設、ところが今まで私どもが聞いた範囲では、土地改良、いわゆる耕地整理をする、あるいは交換分合をする、そのための土地改良をやるのに貸してやるという、これははっきり生産力の発展として残ります。ところがあとのいいかげんなものは、共同々々といってやったら結局は補助金は使ってしまって借金だけが残る、こういう結果が至るところに出るのであります。現実にそうなんです。かって戦争前に自力更生運動というものがありました。そのときも補助金も出た、資金も出たが、結局農民は何らの大した恩恵をこうむらぬうちに、それが二年ばかりがしゃがしゃ騒いでやったら、あと残ったものは借金ばかりだ。そうして腐ったような役に立たないような施設があちこちに出てきた、そういう実情があると思う。これは公庫の総裁として大ワク十五億というものを農林省と決定されたのだろうが、補助の対象がはっきりしていない。従って資金もこれまた非常に危なくなる形勢がある。これをどんなような具体的な形において、どういう事業にどういう形で貸し出すのか、これに対する利子その他はどうなるのかということを一つ明確にお答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/41
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042・大石武一
○大石(武)政府委員 新農村建設につきましては、今いろいろと具体的な実施の面について研究しておりまして、大体見当がついて参りましたので、その概略について政府委員よりお答えさせたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/42
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043・安田善一郎
○安田(善)政府委員 先般も小川豊明先生にお答え申し上げましたが、それは公庫資金を出すその基礎となり外貌となることを申し上げて、ワク及び用途を公庫資金について申し上げたのであります。だんだん計画が進んできたから、事務当局をして説明というほどに御説明する段階ではございません。この間申し上げました通り、各種農業団体を中心に意見を出していただいて、市町村またはこれに準ずるような経済地域につきまして、農山漁村の計画でありますが、一口に言えば農村計画を立ててもらいまして、それは総合的に各種の施設を講じますれば、一つ一つの項目ごとの補助や融資をばらばらとするよりは、その農業地域または経済地域の農業振興には、一足す一は二になるというよりは、一足す一は二以上になるというように効果が上りますようなことをねらいまして、そうして村の篤農家、青年あるいは各種団体の知恵をかりまして、市町村長の指導や認定も経まして、それをだんだん県の段階、国の段階へ上げまして、その中で、適地適産など問題になったこともありますが、おのずから、日本の要請されておりまする農産物、水産物その他の増産目標というものもございますので、増産目標の中にいかに適地適産を織り込んで、経営合理化等を織り込んで、いかなる共同施設や土地条件の整備等を行うかを、五年ぐらいの目標で全日本の農村地域に立てていただこう、その方法をただいまのようにいたしまして、十五億の金を中心にした計画の設計費も三十一年度としては予定しますし、三十一年度としては、どこの村とはまだきまっておりませんけれども、一県約五カ町村ぐらい最終に補助及び公庫融資の対象にするような村についてやっていただく、その活動なり事業の普及も行う、そういう建前によりまして、そのうちの公庫融資としましては、過般御説明しましたように農業地の交換分合、整備のものとしましては五億、共同施設その他の各種の適当な農山漁村の総合建設事業、特に施設でありますが、そういうものに対しましては十億を予定しまして、その計画がそういう方向へ上ってくるのを待っていて融資しようということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/43
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044・久保田豊
○久保田(豊)委員 そうすると土地の整備、これは借りてもはっきりします、百姓も納得しますよ。金がどこかへ行ったというわけじゃないんだから、使い方さえうまくやればいい。ところが共同施設というのは——補助の方はいい、農林省もいざとなればただくれるつもりだろうからこれはいいでしょうが、借金はあと返さなければならぬ。その金の対象は個人ですか団体ですか何ですか。その点がはっきりしなければ貸せられまい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/44
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045・安田善一郎
○安田(善)政府委員 従来の公庫事業としてやっておりまする政府的な金融という性質と、公庫に組みました十五億という組み方からおのずからわかっていただけまするように、これは共同施設を原則といたしておるものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/45
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046・久保田豊
○久保田(豊)委員 共同施設というのはどこがやるんですか。部落がやるんですか。任意組合がやる共同施設もありますよ。たとえば私の村の例をとってみれば、トマトを作って出そうというときには各村全部はいきませんよ。任意組合があるんです。任意組合にも貸せるんですか。そういう場合には協同組合に貸してやるのか、あるいは村に貸せるのか、それが各個人に責任関係がどうねるかということがはっきりしなければ借りられませんよ。あとで返さないでもいいというなら幾らでも借りますがどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/46
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047・安田善一郎
○安田(善)政府委員 公庫の融資といえども返していただく金でございますので、他の公庫融資が行われるような条件を備えたものならばいいだろう。従いましてどこへ融資するかといえば、まず第一番には共同施設を設けて動かす事業主体であります。もし市町村や県がその事業を行う場合については問題はありますが、これは研究中であります。県そのもの、町村そのものには貸さないのが公庫融資としましてはほんとうであろうと思います。ただし任意団体でいいかどうかということにつきましては、他の共同施設その他が公庫融資されると同じ条件のものとか、新たに生まれても償還能力があって事業も動かし得るとか、責任者も明確である、自己負担の一部にも耐え得るというような、新しい小さいまとまりでありましてもこれが事業体として貸付対象として適当ならばいいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/47
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048・久保田豊
○久保田(豊)委員 貸せる方だけはそれでいいでしょう。しかしこれは返さなければならぬですよ。そこに問題があるわけです。今のように任意団体へ公庫はどんどん貸せますか。これは今までの金の貸し方から言えば、私は非常に大きなあれだと思う。任意団体というのは最後は強制力はありませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/48
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049・安田善一郎
○安田(善)政府委員 だから先ほども申しましたように、公庫の中に組んだ資金でありまして、ほかの従来の公庫事業として行う融資と同じようなものでなくてはいかぬということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/49
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050・久保田豊
○久保田(豊)委員 それだというと、公的な任意ではなくて、協同組合とかあるいは土地改良区とかある程度はっきりした性格を持ったものでなければ出せないということですね。そういうことになると、せんだってから河野さんの言ったことはみんなまず資金面でくずれてくる。だからくずすことがいいことじゃないんで、ほんとうに公庫の方で腹をきめて、任意団体に貸せるというなら貸したらいい。それには政府はそれだけのはっきりした措置をしなければ、あんな見せびらかしではだめだということを言っているのです。この点はこれ以上追及してもしょうがないでしょうから、あとの機会にやりますが、大いに研究をしてもらいたい。ただ今ちょっとお話のありましたように県段階のものに貸せるということはどういう意味か私にはわからぬ。村を単位にして下からというものに今度は県段階にやるといったそういうところの金は県段階で借りてもまた末端の方はふらふらして、何が何だかわからぬうちに変な施設ができてしまって、今のように土地改良に借金しましても、結局農民は借金だけ最後になって背負わされるという結果が出てくる。例をとって一つお話しましょう。たとえば昨年の三月と五月に茨城県の北浦の近くのある村では、土地改良のために金を借りて村長と組合長が自殺しています。いいですか、私はこの問題はいつかはっきり言って責任を追及しようと思っている。なぜかというと、土地改良をやって千五、六百万円の金が消えている、それから公庫の金は千百万出ていますが、その金が途中でいわゆる政治家、県の役人、それとくっついたところの村のボス連中が変なことをしちゃって、土地改良の効果がない、にもかかわらず最後には農民が知らないうちに文書偽造をして一反当り五万円の返済を要求してきたのです。その連中が耐えかねて私のところに来て、これは今農民組合を作って返さないといっています。その結果間に立って一番困った土地改良の責任者である村長と協同組合長が二人とも自殺をしております。私のところにはっきり遺書の写しが来ております。こういう例が至るところにある、特に今度のような新農村あたりのようなことになりますと、県段階とかあるいは郡段階とかいうことになると、最後は、何をやったかわからぬが借金だけは百姓の方に負わされるという危険性がある。ですから必ずしも公の性格を持ったものだけに貸せるということがいいことではありません、しかし今経済局長の言われるように、任意団体にも貸せるというならば、貸せるような腹がまえをして、それに対するはっきりした措置をすることが必要だ。特に県段階とか上の方の段階で扱う金は、多くはそういう団体が変なことになりはせぬかと私は思うので、これは最初の趣旨ともだいぶ違っておるようだから、この点はもう一つ考えてほしいということを申し上げておる。
時間がありませんからもう一点だけお伺いしておきます。それはさっきもお話が出ましたが、自作農維持資金は、全体としては私はワクが足りないと思う。大体昨年度二十億、本年度が二十五億、合計四十五億、ところが農林省の調査でも、土地を担保にした農民の借金は大体において三百億から三百八十億くらいあるということなのです。しかも最近の農林省の統計でも、経営や生活に行き詰まって土地を売る人の数というものは非常にふえてきておる、二十八年度ではたしか四十何万件だったと思います。二十九年度ではこれが六十九万件くらいにふえておる。しかもあれは表に出たものばかりです。おそらくあれの三倍は下りますまい、実際上の土地を担保にした借金というものは非常にふえております。われわれは農民と一緒にいろいろやっておりますので、こういう事情を部分的に聞くわけですが、こういう状況から見ると、たとえば第一期の資金のごときは、賀茂郡という大体十九カ町村ばかりあるところに百八十万来ておる、一カ町村にせいぜい二件です、こういう資金で今の土地を確保するという農民の要求が満たされるはずがない、かりに四十五億になってもこれではとうていだめであります。いろいろ手続の点でめんどうな点がありますけれども、一番根本の点は、この資金を早急にふやしていくということ、このことが農地改革の効果をつなぎとめる一番根本の問題だと思う。この点については去年は二十億で初めてやった。ことしは二十五億にしたがどうだ、ちっとはふえたからよかろうというような安易な考えでなくて、農林省もこれについてはいろいろ調査をされておるはずだ。これはぜひ早急にこの資金のワクを大きくするということが先決問題だと私は思うのですが、これについては、政府としてはことし二十五億ばかりにしたが、今後はどういうふうなつもりでこの問題に対処していくつもりかということを、私はこの際お聞きをしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/50
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051・安田善一郎
○安田(善)政府委員 先の方のお質問でございますが、よく事情に明るい久保田委員の御意見を尊重して運用いたしたい。来年にも対処いたしたいと思っております。ただ公庫の融資は、任意組合でありましても適当のものでありますと、先ほど私が申し上げました条件を持ちまして、組合員の連帯保証があってしっかりしておるものならば、現在の制度で貸してもいいということになっております。しかしそれを主として使うべきものではないと考えておりますこと、御指摘の通りであります。御了承願いたいと思います。
自作農維持資金に対する態度あるいは資金のワクとか、現在の農地を手放そうとしておるものについて、農地改革の成果をいかに維持したり、零細農に対する対策をこの面からとるかということにつきましては、つとに農林省の調査等についても御了知の久保田委員と何も違った意見を持っておりません。本年は遺憾ながら五億を増すことでまあやってみようということになりました。ただ多少の——その中に計数的なものは山添総裁から申されましたように、こういう施設を設けようという運動はずっと前からありまして、法案のいかんを問わず、また法律施行は、十月十日だったと思いますが、その日はおくれましたが、かねて自作農協会その他から準備もなされておりまして、その前には特別会計による一種の融資もいたしましたので、公庫総裁が申されましたように、十月以降年度末までに約二十億をちょっとこえるところというものは、私はこの制度ではやはり年間でも二十億前後ではないか。手続の煩瑣とか、やり方が周知徹底していないとか、使い方が下手だとか、まだいろいろあると思います。金利やワクも少いという点もあろうと思います。従ってもう一年は二割五分増しの二十五億でいいじゃないか。しかしたとえば公庫融資のうちの特別のワクに伐調資金というものがあります。伐採調整資金というワクがありますが、これは非常な低利なものでございますが、これなどについては若干の問題——といっても悪いという問題じゃありませんが、もう少しいい資金の貸し方も将来は考えなくちゃならぬと同時に、ワクも必ずしもそれが十分それだけ要求があるかどうか、多少疑問に思っておりますので、公庫内部の対象需要別の融資は、最後には調整をいたしてよろしいと思います。貸付金の金利その他に影響がなければいいと思いますので、必要に応じまして農地局にもよく話しまして、大蔵省にもよく話しまして、その必要なワクに近づけるように努力はしたいと思います。また長期にわたりましては、この制度を昨年初めて創設していただくように法案を提出いたしました場合は、当時の農地法に基く農地局の統計から推定すれば、その後経済事情が変ると違いますけれども、やはり二百億の原資を持っておれば、はなはだしい情勢の変化がなければ自転をする。二百億の金を持っておれば、同じ融資条件でぐるぐる回って償還が始まり、また償還金から貸してやるという制度を考えておったのです。それは一挙にはむずかしいので、現在でもその後の情勢の変化を加味しながら、このくらいそれを若干修正したもので一応この制度を完成したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/51
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052・村松久義
○村松委員長 久保田君に申し上げますが、発言の時間はなるべく大蔵委員の方に譲りたいと思いますので、この程度でいかがでしょう。どうぞ簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/52
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053・久保田豊
○久保田(豊)委員 皆さんに御迷惑をかけて済みません。今の自作農資金のワク二百億というのは、私ども大体そのくらいあればまずとりあえずはいいのではないかと思います。しかしこれは早期にやらなければ何にもならぬと思うのです。今だんだん土地の売り渡しがよけいになっているのですから、これを早急にやってもらいたい。この調子では何年かかるかわからない。さっきも出ましたが、今の安定計画なんというものはやめたらどうですか。あんなものはみな役場の吏員の作文ですよ。その作文のために今農業委員会の書記と改良普及員がどれだけ手数を取られておるかわかりません。あんなものは書いて出した御本人が知りませんよ、わかりませんよ。ああいうくだらない書類ばかりよけい作ることはやめて、もっと端的に明確な簡単な基準を作ってやることの方がよっぽどいい。あんなくだらない作文を、作文料を出して書いてもらって出した御本人が何にもわからないようなものを、あなたの方で一生懸命めくら判を押して何になりますか。そういうくだらない繁文縟礼は、お役人さんには仕事がふえていいかもしれぬが、お百姓のためには、償還を確実にする意味においても何の役にも立ちません。そういう意味においても、農民は金を借りて返さないということを考えている人は一人もありません。ですからそういう点に端的に触れた、もっと簡単なものにする。今改良普及員は盛んに技術の指導を本気にやらなければならぬ。ところがあの仕事を押しつけられたところの改良普及員は、あればかり書いていますよ。農業委員会の書記もそればかり書いている。こういうつまらないことはやめて、もっと実際の農民の生活に触れた——農民は金を借りたら返そうという気持は持っております。そんなに計画通りにうまくはいきませんよ。それをもっと端的なものにして、農民が自分でも納得できるような計画にして、手続を簡便にするようにお願いしたいと思います。
以上、ほかにも二、三申し上げたいことがありますが、大へん御迷惑をおかけしました。これで終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/53
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054・村松久義
○村松委員長 赤路君。赤路君に申し上げますが、大蔵委員にまだ質疑の通告がありますが、あなたの発言を許しますから、きわめて簡単にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/54
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055・赤路友藏
○赤路委員 この問題は公庫の原資構成については、今の久保田君の質問したことが大体のポイントだと思います。そこで私非常に不安な点が一つ残るので総裁にお伺いをしたいと思います。
大臣の提案理由の説明の中では、三十億増額して、二百五十億の融資を行うこととし、その強化をはかりますとともに云々とこう言っておるわけであります。ところが今までの質問の過程ではっきりしてきたことは、これは非常に水増しであって、八十億という回収金をまぜて二百九十億になっているのですね。三十年度は五十五億、そのことがただいま総裁の答弁の中にあったように、手数料を下げるということによって公庫の経営を維持していく、こういうことに結果はなると思います。そのことはやはりサービスの低下であるということを私は非常に心配するわけです。サービスが低下してきはしないか、要するに政府の金融機関としての本質を踏み違えた方向にいく懸念があるのではないか、こういうふうな心配をするわけであります。そこでお尋ねしたいのは、この借り入れ金利よりも低額な融資総額はどの程度になるとお考えになっておるのか、それをおわかりであったらちょっとお教え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/55
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056・山添利作
○山添説明員 ちょっと御質問の御趣旨がわかりかねるのでありますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/56
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057・赤路友藏
○赤路委員 運用部と簡保資金、これが二百億になっておりますね。これの借り入れ金利よりも低額で融資する部面があるわけなんです。それは何%くらいに上るという見通しを持っておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/57
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058・山添利作
○山添説明員 これは土地改良等は補助のものが六分五厘、非補助のものが五分、大体公共事業系統のものは安くしてあります。しかし実際比べますのは一年だけで比べるのじゃないのでありまして、公庫としては過去からの累積をとりまして、資金原価が幾らになるか、収入増が幾らになるか計算をいたしておるわけであります。そこで一年ごとのものだけを比べますと、なるほど一年だけで申しますればほとんど出資の割合は少いのでありますから、全体の採算はとれない、こういうことになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/58
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059・赤路友藏
○赤路委員 歴年はずっと継続のものだから、繰り回しはつく。一年だけであればこれがやっていけないという形のものが出てくる。歴年だからやっていける、一年ならやっていけないのだということになれば、歴年だって一年一年が積み重なっているのだから、これはやはり無理がいくのではないか、その無理がいくことが手数料引き下げというところに来ているのではないか、こういうふうに考えるわけであります。ここのところは政府の方で将来考えてもらわなければならぬ。やはり何といっても政府資金の貸し出しの六分五厘というところに問題がある。この調子でやっていけば、公庫はおそらく事業運営に支障を来たしていく、このことははっきり言えると思う。これは将来考えてもらわねばならぬことだと思う。かりに手数料を何分お下げになるつもりか伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/59
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060・山添利作
○山添説明員 年率にしまして平均一分八厘でありましたものを、二厘下げるということに予算上いたしているわけであります。もちろんただいまの御議論ことごとく、実は私の方から申しますれば同感でありますが、財政は三十年、三十一年の特別の財政事情でありまして、今後ともこの調子でいくというふうには私どもは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/60
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061・赤路友藏
○赤路委員 この点については申しませんが、総裁は特別の財政事情と申しておりますが、来年も特別になる、これははっきりしている。鳩山内閣が続く限りにおいては特別になると私は考えている。ですから、その点きょうのこの委員会で論議された点を十分一つお考えおきを願いたい。
もう一つ総裁にお伺いいたしたいのは、三十年度の回収金の当初見込みは五十五億、まだ三十年度は済んでおりませんが、現在までの回収金はどの程度であるか伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/61
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062・山添利作
○山添説明員 実はこれは予算のときにおきましては、私どももできるだけ資金の運用上の弾力性を持ちたいという考えで、回収金は低く見たわけであります。本年におきましても、実は資金は予算の当初におきまして予定されました資金よりも十八億ばかりふくらまして貸し出しをいたしております。言いかえてみますと、それ以上に回収金があるわけであります。総額八十億くらいになるかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/62
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063・村松久義
○村松委員長 大蔵委員の発言の通告者が、ただいま見えておりません。これで質疑を終了するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/63
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064・村松久義
○村松委員長 御異議なければ、連合審査会はこれをもって散会いたします。
午後三時五十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405034X00119560228/64
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