1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年三月十五日(木曜日)
午前十一時一分開会
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委員の異動
三月十日委員高木正夫君辞任につき、
その補欠として森田義衞君を議長にお
いて指名した。
三月十二日委員亀田得治君辞任につ
き、その補欠として藤原道子君を議長
において指名した。
三月十三日委員榊原亨君辞任につき、
その補欠として笹森順造君を議長にお
いて指名した。
三月十四日委員笹森順造君辞任につ
き、その補欠として榊原亨君を議長に
おいて指名した。
本日委員藤原道子君辞任につき、その
補欠として吉田法晴君を議長において
指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 重盛 壽治君
理事
高野 一夫君
谷口弥三郎君
山下 義信君
常岡 一郎君
委員
草葉 隆圓君
紅露 みつ君
榊原 亨君
寺本 広作君
横山 フク君
相馬 助治君
竹中 勝男君
吉田 法晴君
田村 文吉君
森田 義衞君
国務大臣
厚 生 大 臣 小林 英三君
政府委員
厚生省医務局長 曾田 長宗君
厚生省医務局次
長 河野 鎭雄君
厚生省薬務局長 森本 潔君
厚生省保険局長 高田 正巳君
事務局側
常任委員会専門
員 多田 仁已君
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本日の会議に付した案件
○国務大臣の出席要求に関する件
○社会保障制度に関する調査の件
(新医療費体系に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/0
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001・重盛壽治
○委員長(重盛壽治君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
委員の異動を御報告申し上げます。三月十日付高木正夫君が辞任、森田義衞君補欠選任、三月十二日付亀田得治君が辞任、藤原道子君補欠選任、三月十三日付榊原亨君辞任、笹森順造君補欠選任、三月十四日付笹森順造君辞任、榊原享君が補欠選任せられました。御報告申し上げます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/1
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002・重盛壽治
○委員長(重盛壽治君) 次に、三月八日の当委員会におきまして、目下調査中の新医療費体系に関する件について、厚生省が世論を十分取り入れて、直すべきものは直そうとする具体的な最終案を厚生大臣から御発表願うということで、小林厚生大臣の出席を要求しておりましたところ、同日の各新聞には詳細に発表されておるにもかかわらず、当委員会に出席なく、再三交渉いたしましたが、出席するとの回答のみで出席されなかったのであります。委員会は開会後やむを得ず一時休憩して大臣の出席を待ち、この間も再三至急出席方を申し入れていたのでありますが、その後衆議院社会労働委員会に出席されたとのことであって、衆議院の方が済んでから当委員会に出席するとのことであったのであります。申すまでもなく、当委員会といたしましては、三月一日の委員会終了後直ちに連絡をとり、三月八日の委員会において厚生大臣の最終的な統一見解を発表できる機会を与えるために、同大臣の出席を求め、再々にわたり出席の確約を得ていたにもかかわらず、中途からこれを変更して、衆議院の委員会に出席して、当委員会に出席されなかったのであります。なお委員長はやむを得ず委員会を再開いたしましたところ、委員からかかる事態を惹起いたしましたことは、厚生大臣の不誠意に基くものである、本日の委員会においては、新医療費体系に関する大臣の最終的な見解を発表することになっておるのに、他の委員会に出席していて当委員会に出席しないということは、当委員会のみならず、参議院を軽視するものであって、厚生省自体がこういう態度では、新医療費体系並びに関係諸法案の審議が遅延することは厚生省に責任があることを明らかにして、本日は散会すべきとの意見と動議が提出され、委員会においてはこれの決定をみたのであります。さらに委員長理事会において協議の結果、厚生大臣から本日の委員会欠席の事情を釈明して、委員会が了承するまでは、今後厚生省関係の諸法案、その他の審査は一時停止することに決定したのであります。その後、小林厚生大臣から当委員会において釈明いたしたいとの申し入れがあり、三月九日の委員会にこれを諮ったところ、次回の委員会、すなわち本日の当委員会において釈明をすることに決定いたしました。よって委員長は、文書をもって議長を経由して正式に小林厚生大臣の出席を要求して本日出席を願っております。ただいまから小林厚生大臣より、三月八日の当委員会の欠席の釈明を聴取することにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/2
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003・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 去る三月八日におきまして、いろいろの事情からいたしまして、参議院の当委員会の審議に支障を及ぼすようになりましたことはまことに遺憾千万に存じ、申しわけないと存じております。ちょうど私は、かねて当委員会等におきましても、新医療費体系の問題については三月の初旬ころには何かの結論を得て、委員会等におきまして、私のこれに対する所信を求められました場合には、いたすだけの心がまえをいたしたいというので、各方面の意見も徴し、またかたがた今日新医療費体系の諮問をいたしておりました中央社会信保医療協議会等の審議の運営状態に対しましても非常に関心を持っておったのであります。ちょうど三月の七日でございますが、私は大体この辺で、四月一日からスタートいたすことになっておりまする医薬分業の問題に関連をいたしまして、厚生省といたしましての今後の方針等につきまして相談をいたしたい、省議をまとめたい、こう考えまして、ちょうど前日の七日の日の午後にいろいろ省内の関係官を寄せまして、慎重にこの問題につきまして相談をいたしたのでございます。その結論といたしまして、いろいろの医療協議会の審議の模様、その他あるいはいろいろな問題等考えまして、四月一日からスタートいたしまする医薬分業に対して、今日の客観情勢から考えましても、新医療費体系に対して最後の断案を下すという時期ではまだない、それに至っていないと、こういうような見通しからいたしまして、このただいま医療協議会に諮問をいたしておりまする基本的な問題につきましては、これをさらに継続をいたして審議をすることといたしまして、とりあえず、四月一日からの医薬分業に間に合う程度の暫定的の処置をいたそうではないか、こういう方向だけを定めたのでありまして、この問題につきましては、もちろん内閣、あるいは事が重要であればあるだけに、私といたしましては内閣、党等にも諮りまして、最後の決定をいたして適当な発表時期を求めたい、こういうふうに考えておったのでありまして、ところが、ちょうど御承知のように、三月の八日の朝刊の各紙に御承知のような記事が載ったのでありまして、これは私どもの意想外なことでございまして、方向だけきめて、その内容については全然触れていなかったのでありますが、各新聞によりましては、同じような歩調の内容を書いたのもありましたし、また別の内容を書いたのもありました。いずれにいたしましても、当日ああいうような記事が載りまして、実はわれわれといたしましても意外に存じ、ちょうど午前十時半ごろと思いますが、党の政策審議会、政審にも参りまして、いろいろこの問題について質疑もあり、ちょうど私は当日、今委員長から御発表になりましたような、参議院の当委員会におきまする委員会を開会することもよく承知いたしておりました。かたがた衆議院におきましても、ほとんど同時刻に委員会が開かれることも承知いたしておったのであります。私といたしましては、ああいうような記事が出ますというと、やはり世間に誤解を招いてはいかぬ。ことに当委員会におきましては、新医療費体系についての審議をなさるということを聞いておりましたので、もちろん当委員会にまず出まして、そうして事の経過等につきましても釈明をいたしたい、こう考えておったのであります。ちょうど政審に衆議院の委員長も来ておられまして、参議院も衆議院も同時にやるのだが、とりあえずちょっとでいいから私の方へ来てくれないかというような話がございました。同時に私簡単に済むことだと思って参りましたのですが、ちょうど当委員会の委員部の齋藤君もみえまして、早くこちらへ来てくれというような話も確かに受けているのであります。委員長とも相談いたしまして、三十分くらいで済むだろうという話でありまして、ちょうど私が参りまして開会いたしますと同時に、新聞に関する議事進行に対しての質問がありました。それが済んでこちらへ参りたい、こういうことに考えて、その後またさらに他の委員からのこれに関する質問がございまして、思わず時間が相当延びたのであります。そういういきさつでございまして、私が済みましたときはすでに当委員会は散会。まことに当委員会の審議に支障を来たさせましたことは遺憾千万に存じておるのでございます。この問題につきましては、私の出席に関する態度といいますか、考え方、これに行き違いがあったように考えます。どうかそういうような次第でございまするから、今後厚生省のすべての事案等についても引き続いて御審議願いますようにお願い申し上げます。
簡単でございまするが、経過を釈明いたす次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/3
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004・重盛壽治
○委員長(重盛壽治君) 厚生大臣の釈明に対して何か御意見のある方は一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/4
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005・相馬助治
○相馬助治君 意見というよりもただしておきたいと思いますが、三月一日の日に新医療費体系について各委員から質問をいたしました。ところが、厚生省の統一意見が明確でなかったために、三月八日の委員会を期して厚生省の統一した見解を承わって、しかるのち当委員会の態度を決定したいと、こういう事情で三月八日委員会を持っていたわけです。で、その辺の事情については、厚生大臣もよくわかっていたということが今のお話で明確になりました。
そこでお尋ねをしたいのは、衆議院の方に呼ばれたときには、どういう案件で呼ばれたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/5
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006・小林英三
○国務大臣(小林英三君) まあ衆議院の社労の委員長の考え方は、これは私の仄聞で、考え方でありまするが、やはり党といたしまして、いろいろ今の新聞記事をめぐりまして議論が出たわけであります。多分やはりそういうふうな問題につきまして一応ただすというような意味があったかと思うのでありますが、衆議院の委員会というものはいわゆる保険三法の日程であったのであります。私もすぐ済むことだからという話でありましたので、それではというので行って、それが先ほど申し上げましたように、相当の時間がかかった、こういうことになるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/6
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007・相馬助治
○相馬助治君 衆議院の方の議案が保険三法に関することであることは、私どもも公報で承知しておるのです。お尋ねしたいのは、厚生大臣が向うへ行く場合にどんな経緯で行かれたのかということです。それで衆議院の社労の委員長がちょっと来てくれと、そのちょっとという内容は、議案になっている健保関係法案なのか、それとも突発的に、けさ——三月八日ですね、出た新聞記事にからんで、新医療費体系の問題について若干質問があると、こういうことで呼ばれたのか、どちらですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/7
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008・小林英三
○国務大臣(小林英三君) それは、私としては意図しなかったのでありますが、やはり委員長が政策審議会にも来ておられましたものですから、それで私の方はすぐ済むからちょっと顔を出してくれと、こういうようなわけで行って参りました。ところが今の議事進行についての質疑があったと、こういう結果であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/8
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009・相馬助治
○相馬助治君 厚生大臣がここへ出られない理由を、委員長から報告になったときに、私どもはお待ちする気になった理由は、大臣は政党出身なのですし、それで予想したかしないか知らないけれども、ああいう新聞が出たと、従って党自体の中に問題があるらしいと、それで党の方に了解をつけてしかる後この委員会に出たいと、こういうふうに察したものですから、われわれは待つ気になって待ったわけです。従ってその待っているうちに、だんだん状況がわかって参りました。ところが、衆議院の社労の委員長に引っぱっていかれて、向うに行ってしまったというので、こちらの委員会の空気がただならない気分に変って参ったわけです。ちょっとで済むわけというが、そのちょっとで済むわけということを、案件も聞かずには行かないわけです。しかもちょっとで済むということならば、何の事ならばちょっとで済むのであるか、その案件がわからなければ、ちょっとで済むか済まぬかもわからないわけで、新医療費体系に関連することかなということで行ったのですか、それともやはり新医療費体系に関連することだと言われて行ったんですか。そこは非常に大事な点ですから、もう一回お聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/9
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010・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 新医療費体系についてということを言われて行ったわけじゃないのでありますが、やはり両方に委員会がありましたし、私の気持としてはこちらへ出ようと、こういう気持でおったのでありますが、やはり委員長がそばにおられまして、おれの方の委員会はすぐ済むからちょっとでいいいから来てくれと、こういうことでありましたから、やはり大臣といたしましては、日程としては両方とも出ていたものですから、ここへ出なければいけないというようなわけで参ったわけでありますが、それが私が先ほど申し上げましたように、はからずも当委員会の審議に支障を来たすということにつきましては、はなはだ遺憾千万に存ずるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/10
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011・相馬助治
○相馬助治君 まことに遺憾だと思うのです。これは参議院の社労の委員長が私どもの党出身の方ですが、非常に公平をもって鳴っておりますし、また議事進行についても努めて公平を期し、またわれわれとしても山下、竹中委員を初めとして、この委員長の態度を推して、この委員会を公正に進めて今日まで至ったわけです。ところが衆議院の方から社労の委員長がきて、ちょっと来いというので、両方に委員会があることを承知していたが、向うへ出てしまったというのですが、これは普通の委員会と違って、三月一日に片づくべき筋のものだが、厚生省側の意見が統一されていないために、やむなく三月八日に延期して、大臣の出席を待っていたのです。その辺の事情を忘れたというならばいざ知らず、よく承知していた、それでちょっと来いというので、向うへ行ってしまった、これはまことにどうも参議院軽視と言われてもやむを得ないことではないかと思うのですが、その辺のことを今どういうふうにお考えでありますか、先ほど申し述べましたが、重ねてお尋ねしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/11
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012・小林英三
○国務大臣(小林英三君) これは、そのでき上りました結果といたしましては、非常に遺憾にたえないことになつているわけです。私といたしましては、従来の関係からいたしまして、まあ参議院の方といたされましては、新医療費体系について、十分に当日は御質問もあるでありましょうと思いまして、簡単に済むことなら、向うを早く済まして、ゆっくりとこちらへきた方がいいだろうというようないろいろな考え方も働きまして、参りましたわけでありますが、それが案外三十分では済まない、相当時間をかけましたということは、まことに遺憾に存じておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/12
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013・相馬助治
○相馬助治君 しかもその衆議院の社労の委員会に行きまして、滝井委員の質問に答えて、あなたはこのような答弁をしていることが速記録で明らかでございますが、しかとさようですか。すなわち新医療費体系の取扱いについては、法律二百四十五号との関連において、四月一日より施行することが不可能な場合には、国会あるいは医療協議会等の意思は無視してもやらざるを得ないことがあるかもしれない、こういうことをおっしゃっているようでございまするが、しかとさようでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/13
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014・山下義信
○山下義信君 相馬委員の質問に関連して、私が質問したいのでありますが、厚生大臣の不出席の問題を相馬君質問しておいでになったのですが、関連して伺おうと思っておりました。続いてその問題の質問の御継続かと思っておりましたら、今衆議院の方で御答弁になりましたことについての御質疑のようであります。あるいはこのことが厚生大臣不出席の、先ほどの御質疑の御継続の一部になるのかもわかりませんけれども、私は前段の今の大臣の釈明について伺っておきたいと思います。
承わっておりますと、はなはだ遺憾であったということはおっしゃるのであります。どうもあの日におとりになった御行動は、当りまえのことをなさったように繰り返しておっしゃっているように思うのです。要するところ、何となく行ったのだ、ちょっと来いというから、もうすぐ済むことかと思って、何のことかわからぬけれども、両方の委員会が開会しているから、どっちへ行ったっていいのだ、同じ時刻の開会だ、衆議院も行かなくちゃならぬのだ、だからちょっと来い、すぐ済むと思ったから行ったのだということを繰り返しされて、そのことは当然の経緯であるというような御説明でありますと、私どもといたしましては、これは了承いたすというわけには参りません。それで一つのからだを二つに分けろというような無理なことを申し上げているのではないのでありまして、私は参議院の方にどうしても行かなくちゃならぬ、ことに新医療費体系についての最終的な意見を求めているから行かなくちゃならぬ、どっちへ行こうというときには、参議院の方へ先へ行かなくちゃならぬのだという、そういうお気持で、かりにあったとするならば、衆議院の方へつい何げなく行ったということは、あなたのミステークと言わなければならぬ。それでそれは自分の誤まりであった、悪かったとおっしゃるならば話がわかる。われわれが承わりたいのは、その出席する経緯を承わっているのじゃない。大臣がこの委員会に対して、誠意を持っているか、誠意を持っていないのかということを私どもは確かめさえすればいいのです。ですから厚生省に関する限りの法案は全部ストップするという、従来にない私どもがそういう考えを持つに至りましたのは、この厚生大臣の本委員会に対する誠意の有無、これを確認するまでは、これは誠意のない大臣の所管するその省の法案を審議することはできないのは、当然の国会の態度でありまするから、私はこれは、そのときに十分大臣としての考慮が足りなかった、おれは悪かったとおっしゃるなら、その気持を率直に私は吐露していただきたい。ただ弁明なさったり、ただ当りまえのことをしたのでやむを得なかったのだから了承せい、了承せいとおっしゃったのでは、この問題に段落をつけるというわけには参りませんので、少しは私の発言も不穏当の点があるかもわかりませんけれども、私は遠慮なく言うので、同じ参議院の同僚でありますから、ですから誠意の有無を私はお尋ねしたいので、誤まったなら誤まったでいいのですから、その意味のことを一つ御陳謝下さるなら下さって、事を済ませて先にいく。どうしても当りまえのことをしたというのなら、私はその程度の御釈明なら、本日の議事をこのまま進めていいか悪いか、暫時休憩して、理事会を開いて御協議していかなければ、そのままずるずると議事を進めていくというわけには参りませんから、あらためて、私は相馬委員の質問に関連いたしまして、大臣の心持ちを率直に承わりたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/14
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015・相馬助治
○相馬助治君 私も山下委員が申しておることを申そうと思って、その前提として申し上げたので、やはり山下委員が尋ねていることが、私が目途とした聞きたいことですから、やはり兼ねてここで発言をして一緒に答弁を願いたいと思うのです。というのは、滝井委員に答弁をしていること自体は、国会を軽視していることだと私は思わざるを得ないということが一点と、しかも参議院のこの委員会の決定というものを厚生省自体が、厚生大臣自体が無視しておるというこの事態、国会軽視の精神にプラスして参議院を軽視しているというこういう事態、これはわれわれとしては、何としても了承できないのでありまするから、厚生大臣はこれらについてどのような反省を持たれ、そうしてまた真実に悪いと思っているのかどうか、こういうことを尋ねたいと思ったのでございます。従って私の発言したことと、山下委員の発言したことを両方まぜて一つの質問として、厚生大臣から御所見を承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/15
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016・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 相馬委員並びに山下委員のただいまの御意見ごもっともだと思います。私が先ほどからいろいろ経過についての御説明を申し上げておりましたが、私も最初言葉が足りなかった、私の当日におきまする処置に対しまして、当委員会に非常な審議の差しつかえを生じ、皆様方に御迷惑をかけましたことにつきましては、深く陳謝をいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/16
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017・山下義信
○山下義信君 厚生大臣の不出席の問題につきまして、ただいま明確に大臣が陳謝の意を表されましたので、自後、当委員会がどういう措置に出ますかということは、あげて後刻の理事会で御処理を願いまして、議事は御進行願いたいと思います。お諮りを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/17
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018・竹中勝男
○竹中勝男君 議事の進行といいますと、新医療費体系の問題についての議事のことを言われるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/18
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019・山下義信
○山下義信君 そうであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/19
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020・竹中勝男
○竹中勝男君 まだこの委員会は厚生省の意思統一に関するところの医療費体系に関しての問題を取り上げるということが順当なのでありますが、その前に衆議院で発言されたことについてのお考えは変りないかどうかということをお伺いしたい。厚生大臣……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/20
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021・山下義信
○山下義信君 私議事進行の意見を出しているのですから、お諮り願います。今竹中委員、相馬委員の御質問が出ましたから、それをお取り上げ願って、その上で私の議事進行の運び方をお諮り願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/21
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022・竹中勝男
○竹中勝男君 もし、参議院及び衆議院の社会労働委員会に諮問してもしなくても、厚生大臣はこの新医療費体系の問題は処理すると言われるのであれば、もうこれは取り上げる必要もなくなるわけです。われわれが幾ら真剣にこれを討議し審議しても、もうそんなものはあってもなくてもいいというような態度であるならば。だからそれはもう打ち切ってもいいわけじゃないかと私は思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/22
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023・相馬助治
○相馬助治君 私はやはり議事進行で山下委員の申されたことを諮っていただきたいと思うのです。その次にやはり一つ残っているわけです。厚生省関係の議案はやらないということになっているから、それもやるかやらぬかもきめなくちゃならないと思うのです。それから竹中委員の言っているような厚生省の態度なら、打切るのじゃなくて、問題はむしろ別であって、私はそれを取り上げて徹底的にこれをたたきのめさなくちゃならないので、私はそうなれば、打切るなんというのは全く反対なので、これは別途にもっていかなくちゃならない。従って山下委員の議事進行上の発言を取り上げて、委員長において処置して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/23
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024・重盛壽治
○委員長(重盛壽治君) ほかに、厚生大臣の八日の日の態度に対しての問題に対する御質疑はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/24
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025・山下義信
○山下義信君 では、私の議事進行についての提案をもう一度わかるように申し上げますと、厚生大臣の不出席の問題について、今大臣から陳謝の意を表して、それでそのことでこの問題を片づけていいか、どうしていいかということを理事会で一つ後刻開いてきめていただきたい、こういうことをまず議事の進行上提案をした。その点をお諮りを願いたい。それでそのことは別に、本日の委員会の議題には、社会保障制度に関する調査と事項があげてあるのでありますから、議事をそのままやって差しつかえないのでありますから、新医療費体系に対する政府の最終的方針を聞くという前回の案件も残っておるのでありますから、その最終的方針を聞くということは、これは新医療費体系の問題を審議する一部ではあるようでありますけれども、考え方によっては別なんです。でありまするから、これは新医療費体系に対する厚生省当局のいわゆる最終的態度というものをここで質疑をなすってよろしいのではないかと思うのであります。で、新医療費体系を国会が審議することの効果があるかないか、あるいはそういうことについての厚生省の態度いかん等によっては、審議する必要もあるかないかということは、これは別途の問題でありまして、この際、この問題に対する厚生省の最終的態度をこの機会にただしておくということは、これは当然委員会としてしなければならぬ過程でありまするから、その御審議を、議事をお続け願いたい、かように議事の進行の発言をしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/25
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026・重盛壽治
○委員長(重盛壽治君) 私からあなたに質問するのはおかしいが、そうすると、八日の大臣が当委員会に出席できなかった事情は了承した、従って八日の日にこの委員会において発表しようとした厚生省の考え方をここに引き続いて発表するような方法でいったらどうか、こういうお考えなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/26
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027・山下義信
○山下義信君 私は了承したと言っているのじゃありません。それで、厚生大臣の不出席の問題について、厚生大臣がただいまのような釈明なり陳謝の意を表したから、この問題に対する委員会の態度をどうするかということは、あげて理事会で検討していただきたい、こういうことならです。それに関連しては、厚生省の諸法案の審議をしないという委員会の態度が付随しておりましたから、それらの諸問題の取り扱いもしなくちゃなりません。言いかえれば、ただいまの厚生大臣の答弁で、釈明、陳謝でよろしいかどうかということを検討しなくちゃなりません。それは理事会でお諮りを願いたい。今、これは法案の審議じゃありませんから、これは厚生省関係の諸問題はストップといえば、やはりこれも入りますけれども、一応法案ではありませんから、この機会に新医療費体系の最終的な厚生省の態度をただすという議事はお続けしていただいていいのじゃないか、こういうふうに私考えて、お諮り願ったわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/27
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028・高野一夫
○高野一夫君 私もただいまの山下委員の御発言の通りに、厚生大臣の釈明の問題については、後刻理事会で適当に御相談を願うといたしまして、引き続いてこの席においては、新医療費体系の問題ついて審議を進めていただきたいと思います。私も八日の衆議院の社会労働委員会における、大臣その他の御発言に対してただしたいところもありますし、さらになお不明確な点について、十分御見解を伺っておきたいと思うことがございますので、この機会に引き続いて新医療費体系の審議にお移りになるように、私も同様にお願いを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/28
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029・重盛壽治
○委員長(重盛壽治君) 私がどうも発言をするのはどうかと思うのですが、ただ、私が今お聞きしておって、厚生大臣が八日の日に出席できなかったという相馬委員に対する答弁の中で、いろいろ納得のいかない点があります。特に衆議院の社会労働委員会に出席するのに、ちょっと来いというので行った。しかもその内容が何であったか意図しなかったというようなことは、どういうお考えで行ったのか。ほんとうに何であったか意図しなかったということになれば、どうも失礼だけれども、大臣の御認識を疑わざるを得ないと私は思います。そういった点もありますことで、私どもはほんとうに誠意をもって——あのような新聞記事が出たとすれば、これは党と厚生省あるいは大臣としての立場等からかなり政治的な折衝等もあろうけれども従来のいきさつからいって、当然あの新聞記事が出れば、私どもの方で呼ばなんでも当委員会にかけつけてきて、そのこと自体を釈明しそうしてわびしてから、あの問題の審議に移ってもらうというのが、良識ある大臣としての処置だと考える。そうしたすべての手続等を考慮する場合に、まことに悪かったということだけでは、委員会の正式な取り扱い方としては、私は若干まだ不足しているように考えられますが、委員の諸君が、理事会でこの問題を処理するということであるならば私もそれで、私一人が突っぱるものではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/29
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030・相馬助治
○相馬助治君 委員長が持っているような疑念、不満はいまだ委員の中においても解消していないと思う。そうして山下委員の提案はそれらを含めていると思う。これで片づきましたからというので理事会にまかせたのではなくて、片づかないからどういうふうに片づけるか、どういうふうに措置するかという相当の幅のあるものが理事会にまかせられたのでございますから、その委員長の今の意思なんかも含めて、一つお取り扱い下さるということでわれわれは了解したわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/30
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031・山下義信
○山下義信君 たびたび発言を求めて恐縮でありますが、私が議事進行で提案をいたしました理由の一つは、この大臣の釈明の経緯についてまだ納得のいかない委員諸君があられれば、これはお続け願わなければなりません。私の議事進行の提議は撤回いたします。まだそれについての質疑も残り、議論も残っておるのに、これを議事進行で私が理事会でその措置をやってもらおうと申しましたことは早計であります。でありますから、御議論がありましたら十分重ねていただかなければなりません。私議事進行で、この問題の扱いを理事会で一つ検討したらどうですかと提案したのは、大臣が最後に陳謝したからです。経緯がいかにあろうと、何であろうと、要するところ悪かったということの結論が出たから、悪かったというここで陳謝をしたらば、われわれはどういう態度をとったらいいかということは、理事会で一つ諮ってもらいたい。これが私の提案であります。すなわちこの席でこの大臣の陳謝、速記に残っておるこの態度でわれわれはこれを了承するか、またこれで足れりとせずして、たとえばここで陳謝文を読んでもらう、あるいはわれわれの警告を決議するか、不信任をするか、まあ不信任は参議院ではできない。できなければ問責でもよろしい、勧告でもよろしい、警告でもよい、反省を促す決議でもよい、そういうことをするか、陳謝をする、悪かったというところでこの答弁を得た以上は、これをどうするかということは、これは理事会で諮らなくちゃならぬと、こう思うのです。言いかえれば、結局大臣の方からは陳謝という結論を出している。それが足れりとしないというなら議論を続けていただかなければならぬ。途中の経緯の質疑が問題ではないのであって、とにかく経緯を引っくるめて悪かったと、こういうのでありますから、私は大臣の態度の表明としてはまず結論が出たと思う。この結論が出た以上は、相手方の委員会はこれを了承するか、また足れりとしないかということを協議するのは当然であると思いまして、提議をしたのであります。しかしながら、まだこの大臣の態度、釈明、この結論、この陳謝ではまだ何か不明な点があるというなら、どうか御審議をお続けを願いたい。私の議事進行の提案は撤回してもよろしいのであります。しかし私はさような所見で一つあげて、一応理事会にこれを移して、そして委員会の今後の態度をどうするか、この程度で了承するかどうするかということを諮っていただいて、新医療費体系に関する厚生省の最終態度については、どうか質疑を、別個の問題としてお続け願いたいと、こういう提案をしたのであります。私の真意を重ねて申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/31
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032・榊原亨
○榊原亨君 先ほどから伺っておりますと、山下委員は一応陳謝ということを大臣がされましたから、これによって理事会においていろいろ協議をしたらどうかというお考えのようでありますが、相馬委員並びに委員長はまだこの問題についてただすべきところがある、あるいは聞かなければならぬところがあるというような御発言でありますので、そういう御発言を残しておいて、そういう御疑義があって残しておいて、ここで理事会へ持ち込むということは何でありますから、一応その問題についての御質問あるいは御意見等があれば十分ここで尽して、そうしてそれが尽きたときに一応理事会をお開き下すって、そこでこの問題についてどうするということをしていただいたらどうかと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/32
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033・竹中勝男
○竹中勝男君 私も榊原委員の意見に大体賛成です。これは相当重大問題だと私どもは考えております。山下委員がそのときに、この三月八日の委員会で発言された言葉は、これは国会始まって以来の委員会の侮辱だというような意味の発言がありました。私もそういうように感じております。とにかく、十数回の委員会を重ねて審議した医療費体系の最終的な段階にきて、厚生省の統一したそれに対する意見を聞こう。そうしてそれを最終的に審議しようとまで考えて集まっておった委員会を全く無視して、衆議院の委員会に行ったということについては、これは山下議員の言葉のように、非常にこれは問題だと思うのです。こういう状態でいかなる問題を審議しても意味がないと私は考えますので、これは一応委員会を休憩にでもして、そうして理事会にもう一度これは諮って、この取り扱いを考えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/33
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034・山下義信
○山下義信君 先ほど提案をいたしましたが、榊原委員の御発言もありますし、竹中委員の御発言もありますから、私の議事進行の提案は一応撤回することにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/34
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035・相馬助治
○相馬助治君 山下議員が撤回されてしまったあとで発言してちょっと妙ですが、私は大臣が陳謝したということは、これは事実なんですから、私はその事態の上に立って、理事会に一任ということを了解して、山下提案と同じ気持だったのです。で、ただ委員長がそこでいろいろ疑義があると言うから、それは委員長の立場から、その理事会のメンバーですからそこでお聞きになったらどうかということを、ただ私自身が老婆心から申し添えただけなので、私は撤回されてしまったのですけれども、もう一度山下提案を出していただいて、そのように御処置願いたいと思うのです。だから榊原委員が、相馬君もまだ文句がありそうだから云々と言うから、私の話が言い足りないか、榊原委員が聞き間違えたかどちらかで、私はそういう意味ではないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/35
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036・榊原亨
○榊原亨君 この問題に疑義がありまして、そうしてそれをそのまま理事会に持ち込まれましても、またもう一度それをこの委員会へ差し戻してさせなければならぬということになりますとあれでありますので、もしも疑義がございますならば、この際その疑義をこれはただされて、そこで理事会へ持ち込んでいただいた方がスムースにいくのではないかということで、私が申し上げたのでありますので、誤解のないようにお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/36
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037・高野一夫
○高野一夫君 私は最初の山下委員のお考えと大体同じで、先ほど申し上げた通りであります。それは衆議院における政府間の答弁なり説明なりというものについてなお確かめたい点がある。私は出席、不出席については先ほど来陳謝されたのでありますから、この問題の取り扱い方は別個に理事会できめるといたしまして、八日の衆議院の委員会におけるいろんな見解の発表についてただしたい。こういうようなことに当然この問題は引っかかって参りまするので、そこでこの新医療費体系の最終的の審議という方面に、この委員会を本日はお向けを願った方がいいのではないか、こういうふうに考えるのであって、もし皆さんの御了解を得られるならば、もう一ぺん山下委員の動議を復活していただいて話を進めていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/37
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038・重盛壽治
○委員長(重盛壽治君) ちょっと速記をとめて。
午前十一時四十九分速記中止
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午後零時十八分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/38
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039・重盛壽治
○委員長(重盛壽治君) 速記を始めて。
委員の異動報告をいたします。三月十五日付をもって藤原道子君が辞任し、補欠として吉田法晴君が選任されました。
しばらく休憩いたします。
午後零時十九分休憩
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午後一時一分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/39
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040・重盛壽治
○委員長(重盛壽治君) それでは社会労働委員会を再開いたします。
去る三月八日に当委員会に小林厚生大臣の出席できなかった事情の釈明につきましては、先ほど来いろいろ釈明がありましたが、これをどう扱うかという問題につきましては、委員長理事に御一任願えれば幸いと存じますが、いかがでございましょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/40
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041・重盛壽治
○委員長(重盛壽治君) 御異議ないと認めまして、さように取り計らわしていただきます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/41
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042・重盛壽治
○委員長(重盛壽治君) 次に、社会保障制度に関する調査の一環として、新医療費体系に関する件を議題といたしまして、小林厚生大臣より、本問題に対する厚生省の最終的な見解を聴取いたしたいと存じますが、よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/42
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043・竹中勝男
○竹中勝男君 それはどこまでも三月八日に承わる分をここできよう便宜上承わるという、その点は確認しておいてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/43
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044・重盛壽治
○委員長(重盛壽治君) 竹中委員の言われますように、三月八日に私どもがここでお聞きしようとした結論を、一つ厚生大臣からお聞きしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/44
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045・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 新医療費体系に基きます点数表につきましては、昨年の暮れに中央社会保険医療協議会に諮問いたしましてから、すでに去る八日までの間におきまして十二回にわたって審議が行われておるのでありまして、またこの点数表に対しまして各方面からのいろいろの御意見が寄せられて参っておるのであります。私自身といたしましても、あらゆる機会に各方面の意見も徴しつつあったのでございます。もちろん国会の御意見等につきましては、十分にこれを私どもの最も重要な参考意見といたしまして、また御所見といたしまして、今日まで参っておったのでありますが、まだ結論が得られるという見通しがつくに至らなかったのでございます。ただ問題といたしましては、医療費の体系を物と技術とに分離いたしまするいわゆる新しい医療費体系の基本的な考え方につきましては、今日はすでに大方の理解と賛成が得られておるのでありまして、このように医療費の体系を合理的な組み立てに改善して参ります努力につきましては、われわれといたしまして、今後あくまでもいたす所存でございます。しかしながら何分にも、従来のわが国の医療費を全面的に変更することになりまするので、その影響するところはきわめて広範でございまして、従いまして、私がこの委員会においてたびたび申し上げますように、無理にその実施を早急にはかるようなことはいたすべきではないと考えておるのであります。医療協議会の審議につきましても、さらに将来慎重に継続していただくとともに、今後具体的意見につきましても、広く各方面にわたって聞きまして、関係者の十分な納得がいただけるような結論が得られることを期待いたしておるのであります。ただ先ほども釈明の中に申し上げましたように、四月一日からの分業の実施に支障を来たすようなことがありましてはならないと思いまして、分業を円滑に実施するに必要な範囲の改正を早急にいたいたしますために、医療協議会の審議も取りあえずその方向にやっていただくように、促進をはかって参りたい、こういうことを現在考えておりまして、現に去る九日と考えますが、私も医療協議会の会合に出席いたしまして、ただいまの私どもの考えておりますことを、医療協議会の諸君にも伝達をいたし、また今日厚生省が諮問いたしております新しい医療の体系、点数表につきましても、今後慎重に引き続きこれを御審議を願うように、ただ取りあえずの問題といたしまして、暫定的に四月一日からの医薬分業に間に合うように、点数表を慎重審議の上に作成していただくようにということをお願いして以来、医療協議会におかれましても、ただいまそれに即応するような方向に御審議を願っている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/45
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046・相馬助治
○相馬助治君 議事進行上の発言で、ちょっと委員長にお伺いしたいと思うのですが、今議題になっておる新医療費体系というこの問題は、政治的な重大問題であるとともに、きわめて具体的な専門的な知識内容を必要とするものでございます。厚生大臣がおいでになっているのでございますから、政治的責任の問題等については、これはもう十分でございますが、事務局が、医務局長も保険局長も出ていないということは、これはどういうわけですか、またこれで差しつかえないのですか、具体的なことを大臣に聞いても。ちょっと委員長にお尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/46
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047・重盛壽治
○委員長(重盛壽治君) 先ほど相馬委員おられなかったのですけれども、きょうは、八日に大臣が新医療費体系の最終的厚生省の統一意見を発表するということだけを、取りあえずお聞きしようということをしておったわけでありますが、先刻まで二人ともおったのですが、皆さん衆議院の方に回られたそうでございまして。こういう状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/47
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048・相馬助治
○相馬助治君 形上委員長に尋ねる以外に道がないから、委員長に尋ねているのですが、きわめて専門的な具体的なことを、いろいろ質問していくのだが、それで差しつかえないかと念を押しているのですから、厚生省の方によく念を押されて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/48
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049・重盛壽治
○委員長(重盛壽治君) 医務局は次長が来ております。保険局長も見えました。
〔委員長退席、理事谷口弥三郎君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/49
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050・山下義信
○山下義信君 私は一、二伺いますが、そうすると、新医療費体系というものはどういうお取扱いにこれからなるのでございましようか。それで今の御説明でありますと、これは続いて審議を継続するのである、こういうふうな御説明でありましたのですが、続いて審議をするその審議のしぶりですね、どういうふうな扱い方をなさるのでしょうか、それを一つ明確に願いたいのです。当分たな上げですか、やはり審議はほんとうに続けるのですか、どういういき方をなさるのですか、その点がきわめて不明瞭でありますから、一つ明確にお示しを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/50
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051・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 先ほど申し上げましたように、四月一日からの医薬分業に間に合いますような、いわゆる暫定的な問題につきましては、今月中にわれわれが告示ができますように敏速にやっていきたいと思っております。それから基本的な新医療費体系と申しますか、新しい医療費の問題につきましては、これは暫定的なものでなしに、基本的な問題につきましては、それが済みまして引き続き、できるだけ早く結論を出していただくようにお願いをいたしておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/51
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052・山下義信
○山下義信君 わかりました。そうすると、新医療費体系の審議はずっと今の状態でお続けになる。ただ暫定的な措置を御検討になる間だけが休みで、ずっと続けておやりになる、こういうことですね。そこで暫定的措置というものと新医療費体系による新点数表といいますか、略して新医療費体系との関係はどういう取扱いになるのですか、どういう関係ぶりになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/52
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053・小林英三
○国務大臣(小林英三君) これは先ほど申し上げましたように、医薬分業に間に合う程度の暫定的な点数表でございますが、これをどこで線を引いて医療と技術とに分けるかにつきましても、すべて専門家の集まりでありまする医療協議会におまかせをして、そうしてスタートをいたしたい、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/53
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054・山下義信
○山下義信君 私のお尋ね申し上げているのは、新医療費体系の審議は暫定措置を考究する間は休むんだ、それが済んでから新医療費体系の審議は続けるのだ、中間を休むのだとおっしゃった。それで暫定措置案と新医療費体系案との関係は、そうするとどういう関係になるのですかと伺ったのです。それは具体的にそれじゃ伺う場所を申し上げると、中央医療協議会における扱い方というものは、この新医療費体系と暫定措置案との関係はどういうことになるのですか。こう伺ってみましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/54
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055・小林英三
○国務大臣(小林英三君) この問題につきましては、暫定的の措置ができましたあとは、これはあくまでも暫定的なものでございまするから、基本的な新しい医療費の体系につきましては、引き続いてやっていただくというのでございまして、あくまでも四月一日から間に合う程度の暫定的な点数表でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/55
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056・山下義信
○山下義信君 私が質疑で確認いたしましたことは、新医療費体系はあくまでも審議を継続するのである。その継続は暫定措置案の検討が済んだあと引き続いてやるのだ。その間は休むだけだということが、新医療費体系の審議の継続ぶりについて御方針が明確になったのであります。それで私はその暫定措置案と新医療費体系との関係はどういう関係をもっていくことになるのですか。具体的に申し上げますと、中央医療協議会の扱い方、これはどういうふうになるのでありますか。中央医療協議会の扱い方を聞きますことは、即厚生省の御方針にもなるわけでありますからこれは聞くのです。それではただいまの答弁ではその点がわかりませんので承わりますが、暫定措置案というものは新医療費体系の修正案ですか。新医療費体系の審議中に派生した副産物ですか。新医療費体系の審議中の中間報告ですか。その暫定措置案というのと、この新医療費体系案というものとのこの中央医療協議会における扱い方の関係はどういうふうに規定されていくのですか。規定なさる考え方でありますか。これは別個のものですか、新医療費体系と別個のものですか、あるいは新医療費体系の修正案ですか。あるいは新医療費体系の答申の中間報告の形になるのですか。派生的の副産物ですか。その扱い方はどういうふうになさるのですか。その関係を一つ明確にお示しを願いたい。こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/56
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057・小林英三
○国務大臣(小林英三君) つまり私どもの考えておりますことは、新しい医療費の体系を作るということは、これは非常に画期的な問題でございますので、これはとうてい四月一日まで間に合いそうにもない、こういう判断のもとに引き続いてこれの根本的な案を出していただくということは先ほど申し上げた通りでありますが、さてそれでは四月一日からの医薬分業に間に合う程度の暫定的な措置、点数表というものにつきましては、これはいろいろの考え方があると思います。たとえば厚生省みずからが何か一つの暫定案を作って、これに対して一つどうかというような御審議を願うようなこともまあ考えられると思うのでありますけれども、これはやはり医療協議会といたしまして現在の根本的な新しい医療費の体系を今御審議中でありまして、この問題を短時間のうちに御答申を願うということがあらゆる客観的情勢から見ましても無理である。そこで医療協議会の方で四月一日からスタートできる程度の案を作成をしてもらいたいということでございまして、その内容等につきましても、協議会の委員各位で十分相談をされて、そうして御答申を願えるように、こういうふうに考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/57
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058・山下義信
○山下義信君 私のお尋ねは、その暫定案の作り方を別の角度から伺っておるのですが、それじゃこうしましょうか、話を進めますので。どうして政府は暫定案の成案をお示しになりまして御諮問になりません。つまり正規のいき方をなぜなさいません。新医療費体系の修正ではなくして、これは検討を続けていくのだ、別途に暫定措置が要るんだということになれば、なぜ政府みずから成案をお作りになってこれを並行して御諮問になられません。暫定案の作らせ方というもの、こういう方法をお取りになりました理由は、どういうわけでそういう方法をお取りになりましたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/58
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059・小林英三
○国務大臣(小林英三君) そういう考え方もあり得ると思うのであります。政府みずからが一つの暫定案を作って、これをさらに審議していただくという一つの考え方があると思うのであります。私どもが考えましたことは、現に相当長い間現在の基本的な問題について御審議を願っておるわけでありまして、四月一日からスタートする程度の暫定的な案を作っていただくにつきましては、比較的スムースにそういう案が医療協議会の皆さんによって答申を願うということがよろしいと、こういう見解に立っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/59
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060・山下義信
○山下義信君 これはいけません。それは政府がなぜ提案なさらないかというと、政府が提案せぬ方がスムースにいくとおっしゃったんじゃ、新医療費体系も政府がお作りにならぬ方がスムースにいくのでありまして、このもろもろの診療方針をおきめになるときには、法律の定むるところによって、法の定むるところによって、正当なあなた方の出処進退は、政府が原案を出して、これを中央医療協議会に諮問するということが法律の明記してあるところであります。すなわち、これは政府の責任を明らかにし、政府の責任を要求しているのです。それで、政府の方で原案をお作りにならずして、中央医療協議会の方に作らした方がスムースにいくとおっしゃったのでは、法律の正当な順序の方が間違っておるので、それじゃ法律を改正して、これは諮問でなくて、この中央医療協議会というものを診療報酬の決定機関にした方がよろしいので、これはほかに政府が原案をお作りにならずして、その暫定案というものを中央医療協議会で作って、ざっくばらんに言えば、作ってくれといってまかしたような形になっているのは、政府の方で作る御方針があったのですか、それともまたうるさい方があったらいかぬ、こういうので責任をおのがれになられるのですか、何かこれは正当な法律の定むるところによらずして、こういうふうな非公式的な方法をお取りになったについては理由がなくちゃならぬ、新医療費体系というあれだけの天下を騒がせたものを引っ込めて、これを延期して、暫定措置を作るということ、たとえ暫定措置の法案であっても、その作らせ方、その中央医療協議会へのかけ方というものは、これを明確になさらなければなりません。これは政府の出処進退、国のやり方がきわめて理由薄弱なあいまいな、思いつきの、いいかげんな程度でお運びになる程度では私はないと思います。でありますから、中央医療協議会で作ったものでも、その方が都合がよろしいというだけじゃ、これは下世話でいうところの、そんなような卑俗なことをいうのでありまして、国の政府がこういう方式でやる、こういうやり方でやるというのには何か重大な理由がなくちゃならない、どういう理由によられたのでありましょうか。責任を中央医療協議会に持たせるというお考えですか、あるいは政府に原案を作る自信がない、作ることができない、こういうことでしょうか、いずれかでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/60
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061・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 政府の方で一つの暫定原案を作りまして、そして御審議を願うということも一つの方法でありましょう。しかし私は今日の段階におきまして、医療協議会にはあらゆる角度から専門家がお集まりになっておりましょうし、もちろん暫定的な案でございますから、これらの案をお作りになる上におきましても、従来のいろいろなこの審議の経過から見ましても、こういう案であれば暫定的な案としてよいというような案が諮問として出て参ると、答申として出てくる、こういう医療協議会の答申を得て、それによってやって参りたい、こういうことで諮問をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/61
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062・山下義信
○山下義信君 医療協議会の答申をお待ちになるというお言葉が出たのですが、これは暫定案の諮問をなさったんですか。今諮問しておるのだという言葉が最後にかすかにあったようですが、暫定案の諮問はいつなさいましたか。暫定案というものは答申の形になるわけですか、諮問がなくして答申ということはおかしいと思うのですが、中央医療協議会のこれの扱い方というものは、これは非常に私はあとで尾を引きますから、これはどういう形で暫定案というものをかりに作業をしても出てくるというのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/62
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063・小林英三
○国務大臣(小林英三君) これは私も先般九日でありましたか、医療協議会にも参りましたし、また厚生省の事務当局にも参りまして暫定案の作成をしていただきまする意味あるいは方針等につきましても十分に説明をして参りました。医療協議会に参りまして今の基本的な新医療費体系の暫定案、あくまでも暫定案として一つのそれに基く答申が得られる、こういうふうに……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/63
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064・山下義信
○山下義信君 先ほどからこういうやり方は一つの方法だとおっしゃいましたが、こういう方法をとることは、法律のどこに許されてございましょうか。私が先ほど言うように、政府が原案を作って、これを諮問するのが正当の筋道であって、それに対して医療協議会が答申をするという定めに法律がなっておる、諮問を出さないで答申ということはありませんから、諮問を出さないで中央医療協議会でその案を作らせるということは、どういう筋道によってその方法をとることになったんですかということを聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/64
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065・小林英三
○国務大臣(小林英三君) これはやはり政府の方といたしまして、現在基本的な諮問をいたしておるわけでありますが、医療協議会といたしましても、今日客観的情勢を見て、これの審議というものは相当ひまがかかるという意味から、暫定的なこういうふうな案で四月一日からスタートすべきじゃないか、こういうふうな答申もできると思いますし、また諮問機関でありますと同時に、管理をるすこともできる機関でありますから、そういうような意味におきまして、私どもの方で医療協議会にこれを取扱い方について説明もし、お願いもしてきておりますから、そういう方向に向って一にの暫定案の答申が得られるものである、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/65
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066・山下義信
○山下義信君 だいぶわかって参りました。しかし前段の、今諮問しておる新医療費体系の答申の形というのは、これは筋が立たぬと思う、諮問という形が出ておりますから、それは筋が立っておるようでありますけれども、これは一時中止すると言ったじゃありませんか。中止しておいて答申ということはあり得ない。ですから、おそらく後段は建議とか、勧告とか、これも法律で許されておる医療協議会の機能として、おそらく勧告とかいう形でするのでしょう、私は形式にこだわるのでないけれども、おそらくこれは新例でしょう、これは医療協議会が診療報酬に対して、独自の自主的な立場で政府に勧告をして、その案をとって暫定的案であろうと何であろうとわが国の医療報酬としてこれを採択して実施するということはかってそういう前例がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/66
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067・高田正巳
○政府委員(高田正巳君) 私従来の前例を、詳しく正確に調べておりませんのでございますが、あるいはさような例はあったとしましても割り方少いのではないか。ことに新しい点数の改正というものにつきまして、積極的にこういうふうにしたらいいというふうなことは、比較的少いのではないかと想像いたします。なおその先例につきましては、もう少し取り調べましてまたお答えを申し上げたいと思います。
それから先ほど来、山下先生の御質問ごもっともな御質問と拝聴いたしております。大臣がお答えになりました通りでございます。若干敷衍をさしていただきますれば、ただいま厚生省といたしましては、四月一日から実施される前提となるべきいわゆる新医療費体系に基く点数表というものを医療協議会に諮問をいたしております。それで厚生省としましては、これが最善のものであるという自分たちの考えのもとに諮問をいたしておるわけでございます。医療協議会におかれましては、非常に長い間御審議を熱心にやっていただいておりまするけれども、いまだこれに対して今のところの見込みではいいとも悪いとも、返上するとかあるいはこれをのむとか、あるいはまたこの辺をこういうふうに直したらどうかというふうな、いずれの御結論も出ておらないわけでございます。従いまして四月一日にはちょっと間に合いそうもない情勢であるわけでございます。従いまして、これは協議会の方であるいは四月一日に間に合うように、その前に御答申を基本的なものについて、あるいは議をまとめて、あるいはばらばらな答申であったとしても、こういう意見もある、ああいう意見もあるという答申も出てくるかもしれません。しかし医療協議会のことでございますから、向うの御審議の模様によりましてはどういうことになるかわからないのでございまするけれども、今日の情勢では出そうもない。しかしこの諮問をいたてしおりますその基本的なもの、そのものについてまだこれはいかぬという否定の意見も出ておらない。こういうふうな状態でございまするので、四月一日に迫っておりまする分業というものと、それからこの審議の状態とをにらみ合せまして、厚生大臣の方から先ほど来お話がございますように、九日の医療協議会でとりあえずの暫定案でもお考えを、御協議をいただきたいというふうな要請をなすったわけでございます。その要請に対しまして医療協議会は、それではそういう方向でやろうということで、今盛んに御検討をいただいておる最中でございます。この御検討いただきましてまとまりましたものが、どういう扱いで、あるいは先ほど御指摘のように建議というふうな形になって出て参りますか、あるいは厚生省から諮問を受けておるあの問題については引き続き検討するけれども、日にちの関係もあってなかなか十分に議が尽せないから、しかし分業は四月一日に迫っておるし、とりあえずこういう方向でやっておいたらどうだというふうな答申に対する中間御報告的なものになって出て参りますか、その辺の形式の問題につきましては、私どももまだ確定的に伺っておらないわけでございまするけれども、しかしその厚生大臣の要請に対しましは、これを快く受けていただきまして、ただいま応急的なと申しますか、暫定的なものについて検討をいただいているような段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/67
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068・山下義信
○山下義信君 私は中央医療協議会が暫定案を作ることをいけないと言っているのじゃない。しかし私は、この行き方は重大視するのです。それでこの扱い方について二つの点を指摘しました。一つは、厚生省が原案を作らなかったということです。これは責任を免がれようとするのか、責任の逃避か、原案を作る能力がないのか知りませんけれども、これは非常に問題です。新医療費体系のような膨大な作業すらもした厚生省が、一局部の暫定案が作れぬということは道理が合わぬ。何がゆえに、分業に必要な部分的な暫定案というものが作れぬのか。暫定案を作る能力がなくして、全体の新医療費体系を作る能力があるというのはおかしい。全体の新医療費体系を作る能力があるならば、暫定案を作る能力がなかったとは言えぬのである。しかるにその暫定案を、政府原案を作らずして、そうしてその責任を他に転嫁して、中央医療協議会で作ってくれというような出方というのは、私は問題があると思う。
それからいま一つは、私はその点は追及しませんが、他の委員の質問がありますから時間を省略しますが、私は中央医療協議会が自主的に案をみずから作って、それは途中のプロセスは、厚生省が頼んだのであろうと、何であろうと、形の上においては、中央医療協議会が自主的に一案を作って、おそらく法律に定むところは勧告とあるから、建議じうない勧告案としてやるでしょう。私は新医療費体系の答申案ということはこれも筋が通らぬと思いますが、勧告案という、それを採用するという一つの新例、これは私はある意味においていいと思う。この一つの新例はこれは言うまでもなく一つの不文法である。この道を開く、厚生大臣が官僚的に一方的に作ったものを押しつげるというのじゃなくて、座具を投げて、私どもの国では座具を投げたと言うのですが、ホールド・アップしてそれで処置なしで一つやってくれというので、自分みずから能力を喪失して、中央医療協議会が一つの案を自主的に作って、そうして政府当局はこれをのまざるを得ない、この一つの新例、今後私はこの例を追うだろうと思う。私はいい例だと思うのであります。でありますから、それは悪いと言うのじゃありませんけれども、私はそこに一つの問題があると思うのでありまして、政府の出処進退を聞いたのでありまするが、議論になりますからその点でとでめておきますが、私が続いてお尋ねしたいのは、暫定措置というのはいつまでの暫定措置ですか。承わるところによりますと、新医療費体系の答申は、六月末日までにやってくれということをおっしゃったそうですが、暫定措置というのはいつまでの期間ですか。あらためて伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/68
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069・小林英三
○国務大臣(小林英三君) これはやはり基本的な新しい医療費体系ができるまでの間でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/69
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070・山下義信
○山下義信君 それは無期限ということですね。言葉にはなっておりますが、しかしほんとうの時間という現実についてみるというと、期限がありませんね。期限がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/70
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071・小林英三
○国務大臣(小林英三君) これは先ほどから申し上げておりますように、非常に画期的な案件の決定でございまするから、私どもの方といたしましては医療協議会に対しまして、できるだけ早く基本的な問題の御答申を願いたいということは希望いたしたのでございます。日限を何月何日までにやってくれということは、これはまた医療協議会に対しまする仕事に対しまして好ましいと考えませんし、またそういう問題でもないと考えまして、期限は切らなかったのであります。ただ、たまたま今山下委員から御質問がございましたから、この機会に申し上げたいと思いますが、私どもこれをいろいろできるだけ早く一つ御審議願いたい、その前にまた暫定的な案も御作成を願いたい、こういうことを申し上げたのでありますが、相当多数の委員諸君、協議会の委員諸君の中から、厚生省として大体時日を示したらどうか、こういうような御議論も三、四拝聴いたしたのであります。しかしそれに対しましても、私はそういう期限を切るということは、われわれの方としては遠慮をすべきであるということを申し上げたのであります。いろいろそういうその期限の問題については、便宜上一つ期限を切ってくれというような希望も相当出たのですが、そこで私が、まあそういうお話しがあるといたしまするならば、かりに厚生省の希望を聞いておきたいという御意見であれば、一応まあ希望だけは申し上げることにいたしましょう。こういうわけで、私から暫定案につきましては、四月の一日からスタートするのに間に合うように、まあでき得れば二十日前後にはお願いしたい。これはもう期限が目の前に見えておることでありますから、ぜひ二十日前後にはお願いしたい。それから基本的な問題につきましては、これは暫定案の問題がありまするし、これはもうほんとうの、皆さんから希望を言えといえば希望を申し上げます。できるだけ早ければいいのでありますが、六月とか、六月の末とか、あるいは七月とかいうように、できるだけ早くお願い申し上げたい。こういうことを私からたとえばの意味で申し上げたわけでございまして、六月の末までに必ずやってくれというようなことは、最初からの私どもの考え方といたしましては出さなかったのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/71
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072・山下義信
○山下義信君 私は困るのですね、そういう態度をおとりになったのでは……。非常に済みませんけれども、六月の末までに一つ新医療費体系の審議をまとめてもらいたいという希望は、何か厚生次官御表明になり、また厚生大臣もそういうことの御希望を述べられたのでありますけれども、漠然たる方針では困る。関係者は困るということですね。一方から言えば、これは表裏でありますが、この暫定案は、実は一体暫定というのは、いつまでこういう暫定措置でいこうかという御方針がなくちゃ、無期限の暫定なんてあり得ない。従って新医療費体系の審議が終るまでと言うなら、これも一つの期日です。これは明確な期日です。期日があります。新医療費体系の審議、中央医療協議会の答申が終るまでと言うならば、これは一つの明確な、何月何日という実数の計算のできる一つの期日です。いつということもないけれども、まあまあなるべくとか、まあたとえばとかいうような御表現でありますと、無期限です。暫定という以上には、これは一定の、ある暫定の期間がなくちゃならぬ。これは一体無期限を意味するのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/72
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073・小林英三
○国務大臣(小林英三君) これはちょっと私の申し上げることが足りなかったかと思いまするが、今、山下委員のおっしゃる暫定の措置というのは、新医療費体系の答申の終るまでの間のことであります。基本的な問題もできるだけ早く、それまでの間の、できるまでの間の暫定措置と、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/73
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074・山下義信
○山下義信君 私はその根本案の新医療費体系の審議が終るまでといえば、期間が明確だと申し上げた。しかしそれは長いのです。ということが予想されるのです。新医療費体系の審議がずいぶん長くかかっても、この間は暫定案でいくというお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/74
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075・小林英三
○国務大臣(小林英三君) これは私が参りましたときも、いろいろ協議会の委員諸君からも、暫定案あるいは基本的な新しい医療費の体系の問題、こういう問題につきましてもいろいろ御質問もあり、また御意見もあったのであります。この基本的な新しい医療費の体系がいつごろできるかということ、たとえば一カ月くらいすればできるということ、これはやはり協議会それ自体の今後の審議の模様によってもきまることでありまするし、また今までの御協議願いました経過からいたしまして、お感じになっておりまするような考え方によっても日にちはきまることだろうと思います。いずれにいたしましても、基本的な審議が終了するまでの間の暫定措置でありまするから、御答申といいますか、あるいは勧告といいますか、そういう暫定措置につきましての御答申と、基本的な問題との間には、それを審議する上におきましても、私は相当の関連があるのではなかろうか、私自身はそう思っているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/75
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076・山下義信
○山下義信君 私は関連があることについては同感です。その通りです。関連があればこそ伺っているのです。ですから暫定措置というのは、だれが考えても当分の、ちょっとの、臨時のちょっとの間の、間に合せの措置と、こういうことなんです。すみやかに本格的なものに移るべきはずのものです。暫定的措置とはいいながら、新医療費体系の審議が済むまでということになれば、すぐその期間というのは、実際の期間があります。しかしながらその期間は、あるいは非常に長い期間になるかもわかりまん。そうなると、暫定措置と言ったって、暫定にならぬじゃありませんか。従って新医療費の審議が済むまでということは、これで議論としてはよろしい。実際には期間がありますが、方針としては、この暫定措置である以上は、およそいつまでの暫定措置にするんだ、本格的なものはいつからやるんだ、少くともやりたいという御方針がなくちゃならぬ。私は今の御説明では、ちっとも当局においてはそういうことについて確たる御方針がないように伺える。ないのならないでよろしゅうございます。でありますから、それで私の質問に対するお答えにはなるのです。暫定措置というのは、新医療費体系の答申が済むまでだ、こういうことになる。ところがその答申が非常に長いことかかったら、やはり長うてもいいのじゃないか、暫定でもいいんじゃないか。これは名前から非難することになるが、しかしながら暫定で行くんだ、本格的な審議が済むまでだというなら答えにはなります。答えにはなりますが、しかし暫定措置という当局の方針とは実際には莫然たるもの、無方針ということになる。やはり暫定措置である以上には、この暫定というのは、およそこのくらいでもって新医療費体系の本格的なものは、少くともこれこれの間には仕上げるなら仕上げるという、一定の御方針がなくちゃならぬが、そういう御方針はお持ちでしょうか。あるいは御方針がないのでしょうか。その辺を明確に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/76
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077・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 今のこの医療協議会の委員の諸君といたしましても、やはり暫定措置の点数表をお作りになります上におきましては、基本的な問題についての考え方が、これは大体今までの審議の経過からいたしまして、どのくらいかかるだろうかというような問題もあわせて最初から御検討願う、そういうことにも私は関連すると思うのでありまして、ですから私どもといたしましては、五月までにやるとか、六月までにやるということでなしに、私どもの期待はできるだけ早く、希望は大月と申し上げましたけれども、六月までにできればけっこうだ。それまでの暫定的の措置と、こういうふうに御説明を申し上げ、また期待をいたしているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/77
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078・山下義信
○山下義信君 六月までを希望せられたというのは、何か目安があるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/78
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079・小林英三
○国務大臣(小林英三君) これはまあ大体四、五、六と、今月一ぱいはいろいろ暫定的な、点数表について御審議を願うので間がない、期日がありませんから。まあ今まで十二月の末に、二十日ごろに発表いたしまして、一月、二月、三月ときております。まあ大体三カ月くらいすれば相当審議ができるというような、まあそういう御希望もありましたものでございますから、とっさの場合に、六月の末までにまとめなければならないということを申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/79
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080・山下義信
○山下義信君 六月の末までに医療協議会は少くともある程度の答申案というか、審議が進捗するという見通しを持っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/80
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081・高田正巳
○政府委員(高田正巳君) 医療協議会は、大臣の大体のまあ希望をいいますか、そういうふうな先ほど来お話のようないきさつで、その六月というものが出たのでありますが、そういう大臣の希望の表明を受けられまして、まあただいまの、当座としては暫定的なものについて御審議を願っているわけでございますが、その大臣の希望に対して、格別それは非常に長過ぎるとか、短か過ぎるとかいう御意見も今のところは出ていないように拝承いたします。果して六月の末までに医療協議会が確実に結論を出していただけるかどうか、これは非常に私は疑問だと思いますけれども、それを目安に御審議をいただくという方向で、皆さんお考えをいただいているように私は承わっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/81
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082・山下義信
○山下義信君 六月の末までということが何かの目安があって、当局には確たる方針があって、これはまたたとえば、そのときには国会が済む、たとえば選挙が済む、うるさいことがないから一つその辺ではっきりやろう、しっかりやろうとでもいうような御方針があるならば多少の意呼もあるが、そういうこともなくして、まあいつまででも御審議下さいといってもおられぬから、まあ暫定的措置という以上、ここに答申案もできるだけ早くということで、おざなりに六月とか、七月とかいう数字を借りてきたというようないいかげんのことでは、一国の政治として私はどうかと思うんですね。まあ六月ごろになればそろそろ夏ですから、死んだと思ったお富さんが、死んだと思った医療費体系が幽霊に化けて出るかもしれませんけれども、(笑声)そういう無意味なことを、私は当局に方針のないようなことじゃ私は困ると思うので、この点は私はまあこの程度にしておきます。
最後に、もう一つ伺っておきたいと思うんですが、この新医療費体系の審議については、一つ本格的な審議の機関を整備して、聞くべきものは聞き、学界の人にも耳を傾け、また当委員会においてお約束下すったのは、医療協議会の専門委員の制度があるから、一つ専門家の人も委員に入っていただいてやろうということもおっしゃったのであります。そういうように、いろいろな新たなる角度から審議していただくこの機関というか、組織というか、構成というか、そういうものについても格段の工夫を加えていくお考えがありますかどうか、この点伺っておきましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/82
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083・小林英三
○国務大臣(小林英三君) もちろん十分に慎重を期する意味におきまして、医療協議会に専門部会等を設けまして、慎重に審議していきたいと存じているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/83
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084・山下義信
○山下義信君 私は以前から私の説として質疑の間に申し上げてあり、また先般本会議で同僚の寺本議員の質疑もあり、私も伺ったのでありますが、私どもの考えでは、やはり医療担当者というか、保険医というか、この医師会の団体との接触ですね、今後そういう関係者といろいろ折衝をして、そういうことについても十分一つ当局が従来の経験等に照されて端的に、いわば医師会側との協力の方法、協力の態勢というようなものについて十分考慮をなさるべきであるということを申し上げ、また当局もそういう点についての御配慮のある意を漏らされたことも一再ならずあるのであります。将来この日本医師会等と当局との関係につきまして、何かこの協力していくというような方向をおとりになる考えがあるかどうか、また協力していく、十分話し合っていくというならば、相手方の団体のあり方、相手方の出方等々につきましても、当局側から見て何らか希望せられるような点があるかどうか。この種の紛議といいますか、不円滑といいますか、こういう状態を一掃して、先ほど申されたようなスムーズな行き方をする上において、医師関係の団体等と当局とのこの協力の上に、何らか新しい態勢についてお考えの点があるかどうかという点を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/84
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085・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 私はこの大臣に就任いたしました当時におきまして、昨年の八月でありましたか、何か現在の日本医師会の役員の改選がたしか八月に何かあったかと思います、あるいはその後であったかもしれません。私が就任前にたしかあったわけであります。そのときに、今度の新しい役員の会長である小畑さんですが、医師会会長就任の第一声として、医師会は今日まで厚生省とけんかばかりしておった、しかし今後けんかをしないで協力をして日本の医学のためにやっていきたいと、こういうような第一声のあったことを間接に聞きまして、小畑さんに会いましたときに確かめたところ、その通りだという話を承わりまして、私も今日まで医師会の諸君が厚生省とけんかをしておられたということは知らなかったけれども、少くともお互いにこちらは行政である、片方は医務であるが、仲よくやっていくということは、きわめて欣快にたえないということを申し上げたのであります。今山下委員のお説の通り、われわれは、今の日本医師会の幹部の諸君とも、こういう新医療費体系というものはもちろんでありますが、この問題についてはできるだけお互いに意見の交換をし、意見を聞き合って、そうしてできるだけお互いが納得するような方向に進めて持っていきたいと思っております。ただ問題といたしましては、今山下さんの御指摘になりましたように、今日の医師会がこれはもちろん任意団体でございますけれども、やはり医師会というものが全国の各府県にも医師会がございまして、東京は連合体でございますが、全国の各府県の医師会の代表の意見をりっぱに統合されて、そうして一つわれわれに向いましても、厚生省に向いましても、われわれの希望はこうなんだ、われわれはこう思うということが系統的に強く反映するようなことができまするならばなおけっこうだと思うのであります。今日の姿のままにおきましても、われわれはあらゆる意見の交換をしてやっていきたいと思っております。さらに医師会自体といたしましても、そういう全国のすべての意見を十分医師会が代表したような行き方で、名実ともにそういうふうなものが将来医師会自体にしても改革されていくということでありますれば、私どもはすベての問題につきまして非常に便宜でありまたお互いに利益である、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/85
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086・山下義信
○山下義信君 医師会に対する政府当局の御方針というものを、初めてただいまある程度明快にされたのでありまするが、私はその方針は、方向は非常に好ましいことに思い、けっこうに思うのです。しかしただ単にそういう方針というだけでは私はいかぬのじゃないか、この段階では。昔は日本医師会法あるいは歯科医師会法、その他の団体の特殊性格を認めた法律がありましたことは御承知の通りであります。一つの強制団体でありますが、今日は任意団体でありますが、将来やはり医師会というものと政府当局と、すべて療養担当者との間に物事が話し合いができるということについて、相手方の団体の強化、こういうものが必然的に必要になってくるということになれば、やはり政府が、これは相手方の団体がただいま大臣の言われたように、それぞれの意見が統一され、筋が通って、そうして全体の意思が明確に政府側にも打ち出されてこられ、また政府と話しあったことは、全般の医師にこれがよく徹底して、約束したことは守られていえということの関係が成り立つためには、医師会の強化ということが当然ここに問題になってくる。それには特殊法人とか法律とかいうようなものによってその団体を組織させるとかということよりは、そういうことも一つの課題ではありましょうが、やはり政府がこの医師会という一つの団体に、強化のできるような、そういう組織が、十分にその新組織のできるように、今日でもあるいは保険医の指導等については医師会にやらせておる。しかしその他ごく差しつかえのない程度の医療行政の一部をこれに委譲する、そしてまた不正保険医等については自粛自戒させるというような、やはり政府が、相手方の団体がそれを契機として、組織の改善というか、改革というか、強化のできるようなやはり方法も御考究になる点もあるのじゃないかという点を、われわれは考えるのでありますが、そういう点につきまして、厚生大臣の御方針をいま一度承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/86
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087・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 本日はたまたま山下委員からして非常に有益なといいますか、啓蒙的な御意見といいますか、拝聴いたしましたが、私がたとえば、医師会なら医師会という団体に対する態度は今申し上げた通りでございます。将来こういう問題につきましても、十分に一つ検討して参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/87
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088・山下義信
○山下義信君 私の質問はこれで終りますが、大臣が大局の方針を示しましたから、関係の保険局長並びに医務局長から、この日本医師会という団体、これと同様に薬剤師会の団体というものにおいても同様の問題があろうかと思いますが、これらの団体を相手にしてなければ、今後の円滑なる話し合いをするにおいては、相手方の団体について、こうあるべきである、またこういうようなことが望ましい、また当局としても、事務当局としても、こういう点については、この団体の新組織というか、強化については、こういう支援を与える点もあるというような点のお考えがあれば、若干ここでお示しを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/88
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089・高田正巳
○政府委員(高田正巳君) 基本的な線につきましては、今大臣がお答えになりました通りでございまして、それは私ども事務当局もそれを実は強く希望いたしておるのであります。医務局長には行政上のお考えがあるだろうと思いますが、私は保険行政に携わる者といたしまして、保険の運営というのは、この医療団体、診療担当者の方々のもう万全の御協力を得なければ、保険というものはうまく参りません。従ってその意味におきまして、これらの診療担当者の団体が、ただいま大臣が申されましたような線、山下先生が仰せになりましたような線が強くなっていたことを、私どもは事実の上から非常に実は希望いたしているわけでございます。根本的には、先生が御指摘のように、いろいろな法制の問題等もございましようけれども、私どもはさしあたりできるだけこの医師会なり、薬剤師協会なり、歯科医師会なりというものとお話し合いをしまして、できるだけその御意見を私どもが取り入れてゆくというふうな方向で仕事をやりますれば、おのずからそこにそれらの団体の力というものが出て参ると思います。具体的な例を申し上げてみますれば、これはまだ当委員会では御審議をいただいておりませんけれども、ただいま健康保険法の改正を出しておりますが、その中のこの医療機関の指定というふうなこと等につきましても、これだけではございませんけれども、医療機関の指定をやる場合には、そういうような団体の御推薦を得てやりたいと、まあこれは一つの例でございますが、これは法律的には、たとえば指定を拒むような場合には、この医療協議会の議によるということになっておりまして、諮問ではなく、行政当局はそれに従わなければならぬ、こういう法律的に非常に強い縛り方がしてございますけれども、それは法律の問題でございまして、行政上の実際の運営としましては、これらの診療担当者の団体の御推薦によって、こういうふうなことも運用して参りたい、さような実は意図を、希望を強く持っているわけであります。さような実際上の措置によりまして、できるだけわれわれの保険に協力をしていただきます診療担当者の団体の力というものを、力と申しますかそういうふうなものを強くしていっていただきまして、私どもとして御協力をしていただく上に便宜になればという気持を持っているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/89
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090・谷口弥三郎
○理事(谷口弥三郎君) ちょっとお諮りいたします。厚生大臣は、予算委員会の方でしきりと早く来てもらいたいということを言ってきておられるそうでございますから、厚生大臣に特に御発言があれば、その方を先にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/90
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091・竹中勝男
○竹中勝男君 今の山下委員の御質問に、御意見に関連することで、厚生大臣の御返事も関係するのですが、今保険局長のお返事で大体はっきりしてきたような点もありますけれども、私はこれは山下議員の質問は、さしあたりこの暫定措置の点数の問題などは、医療協議会あるいは医療担当者に深い関係があるから、それを十分強化して、重んじてくれと言われたということはよくわかるのです。それでまた厚生大臣が、そうすると大へんありがたい意見だと言われたのですが、私はただ医師会だけがここで問題になるのじゃないと思うのです。これは薬剤師の診療体系あるいは健康保険の問題としても、薬剤師協会にしても、あるいは労働組合にしても、この被保険者の利益を代表する団体などはことに大事だと思うのですが、で、医師会を強化されていくということはむろん大事だと思いますが、同時に他の日本の医療行政に関係する団体も尊重し、強化するということも考えなければ、私は大臣は手落ちだと思いますが、大臣、どうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/91
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092・小林英三
○国務大臣(小林英三君) そういうふうな問題につきましても、十分に一つ検討してみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/92
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093・竹中勝男
○竹中勝男君 検討されるというだけですか、大臣。それは先ほどの医療担当関係の団体だけを強化することには賛成だ、あとは考えるということなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/93
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094・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 私が山下さんの御質問にお答えしまして、いろいろ御意見を申し上げた、これは医療担当者の問題になると思います。もちろん薬剤師等にも関係します。医療の問題につきましては薬剤師、歯科医師、日本医師会ですか、こういうふうな団体があるわけでありまして、そういうふうな問題につきましても御意見を申し上げたのでありまして、ただ今回のような新医療費体系、あるいはそれに関連したいろいろな行政的な問題につきましても、全国を打って一丸としたようなそれらの業界の意見を聞き、またこちらも意見を伝え、お互いにこういう問題について検討していく。まあ法案だけの問題でなしに、すべての行政面におきましてそういうふうな意見の交換をして、ともに日本の医療のために進んでいくということはまことにけっこうだろうと思って御意見を申し上げておいたのですが、今の竹中さんの御質問のありました被保険者の問題も多分そうだろうと思います。被保険者の問題につきましても、どういう団体ができるかどうかということはわかりませんが、もちろん被保険者に利害関係のある問題でありますれば、そういうことも聞く機会もあるかと思いますが、ばく然と私が申し上げるわけに参りませんから、そういう問題につきましても検討いたしたいと、こういうことを申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/94
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095・竹中勝男
○竹中勝男君 今の御返事で十分に私は納得できませんけれども、被保険者の代表というものはやはり審議会にあるのです。これは健康保険審議会にも、社会保障審議会にも、労働組合の代表が出る。被保険者の代表があるのですから、ちゃんとした団体に代表者がいるのですから、それらも同じく医療担当者の意見と同じように重要な意見だと私どもは考えているのです。その点に十分注意しておいていただきたいと思います。
それからその医療費体系に対して暫定的な点数を、新点数を四月一日に間に合うように準備しておられると言うが、いつごろそれができますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/95
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096・小林英三
○国務大臣(小林英三君) これは先ほどちょっと申し上げましたように、四月一日からスタートするわけでございますから、それに間に合わせますために、率直に私どもは希望申し上げます。この場合は暫定的な問題につきましては、現実に四月一日ということがはっきりきまっておるのでございますから、これは二十日前後には一つお願いいたしたいということを申し上げておるわけでございます。従いまして、その前後には御答申と申しますか、あるいは警告と申しますか、勧告と申しますか、そういうものが出てくることを期待いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/96
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097・竹中勝男
○竹中勝男君 その二十日ごろに大体そういう答申が得られる、一応医療協議会の答申が得られる、それについて政府はそれをまあうのみにしてというと語弊がありますけれども、一応医療協議会が答申したものを直ちに政府の案と考えられるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/97
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098・小林英三
○国務大臣(小林英三君) そういう案が、答申が得られましたならば、それにつきまして厚生省にいたしましても、私の責任におきまして十分に検討いたしまして、それで医薬分業の実施につきまして差しつかえないということがわかりました場合におきまして、告示をいたしまして実施をいたしたい、こういうふうに考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/98
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099・竹中勝男
○竹中勝男君 その場合、今まで医薬分業、新医療費体系を審議してきたところの参議院の委員会、あるいは衆議院の社会労働委員会に対してはどういうふうにされますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/99
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100・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 私は、たびたびこの当委員会並びに衆議院におきまする当該委員会におきましても、これらの新医療費の体系を決定いたしますには、衆参両院におきまする当該委員会の御意見も十分尊重いたしまして、そうしてきめたいということはたびたび申し上げておる通りでございます。ただたまたまこの問題を衆議院の社会労働委員会におきまして、ある議員の方から四月の一日に医薬分業を実施するまでの間において、大臣は尊重すると言っておるけれども、国会のこれに対する議がまとまらないというのですか、意見がきまらないといいますか、そういう場合にどうするかという御質問がいろいろ質問の結果押し詰まってそういうことになったものであろうと思いますが、その際には、私は厚生大臣といたしまして、四月の一日に間に合うようにきめたいということを申し上げたのでありまして、国会のこういうふうな医薬分業、新医療費体系に対しまするいろいろな御高見につきましては常に尊重していきたいということは変りないつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/100
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101・竹中勝男
○竹中勝男君 大臣急いでおられますから、なるたけ早く切り上げたいと思いますが、両院の委員会でこれに対する議がまとまらない場合には、まとめられるようにされるという意味ですか。まとまらなければ、もう委員会の意見は無視するという意味なんですか、その点を一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/101
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102・小林英三
○国務大臣(小林英三君) この新医療費体系の問題につきましては、私はたびたび申し上げておりまするように、大臣といたしまして最後の断案を下すという場合におきましては、国会におきまする委員会等の御意見あるいは御方針というような問題につきましては、十分に尊重いたしたいというつもりで参っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/102
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103・竹中勝男
○竹中勝男君 まあこれ以上押し問答になりますからここで切り上げましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/103
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104・高野一夫
○高野一夫君 私は先ほどの山下委員の御質問に関連して、三点お伺いしたいのでありますが、大臣お急ぎのようでありますから、あとの二点は事務当局に伺いたいと思います。一点だけ伺いたいと思いますが、先ほど来基本的の新体系につきましていつごろでき上るかということで、山下委員から非常にやかましく御質疑が出ておるのであります。大臣の御答弁を聞きまするというと、全くどうも不安でならないのであります。まず六月か七月までにはなるべく一つ出してもらいたい、こういうことである。協議会の運営いかんによることであるからということにもなるでありましょうが、この暫定的の措置というものはいわゆる間に合せでありますから、きわめて短期間でおしまいにすべきものだと私は考える。この間に合せの不完全な暫定的の措置でもって、医薬分業に突入して果して医薬分業関係者も、その医療担当者双方が円滑に実施ができるであろうかどうかという点を私は非常におそれるわけなんです。そこで間に合せでありますから、医師の方でも、薬剤師の方でも、歯科医師の方でもきわめて短期間ならばこれで一つがまんして、いろんな不備な点があるけれどもがまんしよう。そのうちにいいのができるだろう、こういうふうの楽しみもあるでしょうけれども、六月か七月か、あるいはそれ以上引っかかるかもしれない。過去のこの新医療費体系に対する協議会の審議の状況から考えましても、そう簡単に結論が出そうにも思われない。こういう事態を考えますれば、私どもは、この医薬分業に突入させて非常に不安な感じがするのであります。どうか一つこれはあらためて大臣にお願いをして、ここで御見解を伺いたいのでありますが、この暫定の間に合せだからきわめて短時日にこれは打ち切らなければならぬ、こういう強い厚生省としての決意をお持ちになって、私は協議会に要請していただきたいと思いますが、これはいかがでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/104
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105・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 今の高野さんの御質問はごもっともだと思います。私が先ほど山下委員の御質問に対しましてるる御答弁申し上げました通りに、正式的にはこれは医療協議会に五月までにやれとか、あるいは六月までにやれとかいうことは、私どもそれを期限づけられる性質のものじゃないと思いますから御遠慮申し上げておったのであります。たまたまそういう相当たくさんの人たちの御希望もありましたので、私が先ほど申し上げましたような希望を申し上げたのでありますが、今しかし医療協議会の諸君といたしましても、暫定的の処置の問題をいつまでも継続していこうというようなお考えは毛頭持っておられないと思いまして、こういう問題につきましては、十分に運営なさっておられまする方々に対しましても、厚生省としてできるだけ早くしていただくということは、始終連絡をしてお願いをして参りたいと思っておりまするから、私は医療協議会の諸君が、暫定的なものをいつまでも長く引っぱっていくのでなしに、基本的な問題とにらみ合して暫定的な措置を作るべきだ。そしてそれは先ほど申し上げましたように、基本的な問題がほんとうに近い将来にでき上るまでの暫定的措置である、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/105
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106・高野一夫
○高野一夫君 先ほどの山下委員に対する御答弁、それを一つ医務局長からしていただいて、そのあとで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/106
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107・曾田長宗
○政府委員(曾田長宗君) 先ほど山下委員から御質問がございましたが、それに対して私ども医務局としての考え方を若干申し上げてみたいと思います。根本的には大臣が申されましたことで、それに特につけ加えることはないのでございますが、今日におきましても、できるだけ御協力をお願いいたしており、また事実いろいろお骨折りを願っておるわけであります。そのおもなものを上げるといたしますれば、今日におきましても、たとえば医道審議会あるいは医師の国家試験関係の審議会あるいは医療審議会というのもございますのですが、かようなところにおきまして、いろいろな重要問題を議します場合に、医師会からも御参加を願っていろいろ御意見を拝聴しておるのであります。ことに医道審議会の中におきましては、医師の身分に関する事項が審議されます。特別な事件でもございまして、この医師あるいは歯科医師、おそらく薬剤師さんも同様だろうと思っておりますが、かような人々につきまして、行政処分の必要となったようなこの事態の生じましたとき等には、必ず医師会の方の御意見も伺うというようなことにいたしておるわけであります。またいろいろ医療機関の整備の方針というようなもの、特に公立病院の整備方針というようなものを立てますときにも、特に医師会とはよく連絡をいたしておるような次第でございます。同様に新しい法令を作ります、あるいは改正するというような場合にも、できるだけ早く案をお示しいたしまして、そしていろいろと御検討を願うというようなことをやっておる次第でございます。なおそのほか、この医師自身と申しますか、お医者さんたち、あるいは医師の方々の間におけるいろいろな相互の補習教育の問題、医師の技術向上というような点、あるいは診療介補者の養成、かような点につきましても、医師会から非常に力強い御協力を得ておる次第でございます。診療上の融資問題というようなことにつきましても、その適正を期するというような意味におきまして、医師会方面の御意見をいろいろと伺い、ことに医療機関の整備の問題でありますとか、あるいは医師相互の間の補習教育の問題とか、あるいは診療介補者の養成、あるいは融資の適正を期するというような問題につきましては、これはただ単に中央の医師会とだけ御相談申し上げているのでは足らぬと思うのであります。これは円滑にいっているところもあれば、必ずしも十分スムースにいっていると考えられないところもあるかもしれませんが、各都道府県、あるいは大きい市等、現地々々におきましても御協力をいただいておるような状況であります。御承知のように、ただいまのところは、一本にまとまっております医師会がございますので、私どもとしては非常に便宜をいたしておるわけであります。十分医師会の筋を通しまして、そうして私どもがお願いいたすこと、あるいは私どもに聞かせていただく意見というようなものが、円滑に相互の間にかわされますということは、私どもとしても、また日本の医療行政が滞りなく実施されるという意味において、望ましいものというふうに考えられます。私どもとしても、医師会が十分充実して、会員の各位の信頼を得られまして、そうして一つのまとまった意見というものとして、私どもの方にも聞かせていただき、またこちらからもお話がよく末端まで届くというようなことを希望いたしておる次第でありまして、ただいま申し上げましたようなのが大体の現状でございますけれども、これも今日において、必ずしも十分円滑にいっているとも言い切れない点もあるかと思います。今後は私どもとしましても十分注意もし、また努力をいたしまして、この面についてよく連絡をとり、また私どももお願いをいたすのでありますが、私どもとしても、できるだけの御援助、御協力をいたしたい、こういうように考えている次第でありまして、そのほかに厚生省としましては、おそらく公衆衛生局におきましても、あるいはまた児童局等におきましても、あるいはただいま保険局の方からお話がございましたが、同じような性格をもちました社会局の方におきましても、かずかずいろいろと御協力をいただいておると思うのであります。またそれに対しまして、私どもとしてもできるだけの御援助は申し上げなければならぬ、こういうように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/107
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108・高野一夫
○高野一夫君 私は保険局長に伺いたかったのですが、今の問題と関連した問題がありますので、曾田さんに伺いたい。
この参議院の社労委員会が、まだ厚生委員会であった一昨年の春の国会で、ちょうど山下委員が小委員長になられて、社会保険のあり方についてあらゆる検討を加えたのであります。そのときに厚生省に決議を出したのであります。それは医師会法、歯科医師会法、薬剤師会法なるものを作るべきであるというかたい決議をして、厚生省に出した。この問題については、その後御報告がないので、この委員会において私は二度、三度お尋ねをしたことがある。それから個人的にもあなたに、あの問題は一体研究しておられるのかということを伺ったことがある。それでこの席で先ほど来問題が出ましたから、あらためて伺いたいのでありますが、一昨年われわれが決議して厚生省に渡した医師会法、歯科医師会法、薬剤師会法案の制定作成についてその後どういう研究と申しますか、操作と申しますか、何かそういうことをやられたのでありますかどうか。それとも忙しくてまだそこまで手が伸びないと、こういう状況であるかどうか。われわれも決議をしっ放しになっておりますから、はっきりその後の厚生省の様子をお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/108
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109・曾田長宗
○政府委員(曾田長宗君) ほかの所でも同様な事情があるかもしれませんが、私どもの方の関係といたしましては、医師会と歯科医師会でございます。そのほかいろいろ診療介補者の団体もございます。かようなものにつきまして、戦争前のような法令に基いた特殊な団体というようなものに考えてみたらどうかという御意見のございましたことは、私どもも承知いたしておりました。また一部のそれぞれの団体の会員の方からも非公式にさような希望を述べられたこともあるのであります。結局私どももその問題を検討はいたしておるのであります。しかしながら、かような同じような職域にある方方が、団体を作られるというこの団体を、特に法令に基いて、もちろん今だってある程度基いておるのでありましょうけれども、特別な戦争前にございましたように、例の戦争直前といいますか、もう少し前になるかもしれませんが、医師会令とかあるいは歯科医師会令とかいったような形のものでかような団体ができますことは、非常に事情が戦前と戦後と変っておりますので、この姿をいかような姿にいたすかという具体的な問題につきましていろいろめんどうな問題が起って参りまして、まだ成案を得ておらないというような状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/109
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110・高野一夫
○高野一夫君 この問題は当委員会が十分検討した上で、決議として厚生省にお渡ししてあるのでありますから、それでこのわれわれの決議が採用されない、あるいは不適格である、そういう決議をわれわれがしたのだということになりますと、これはわれわれ当委員会の非常な権威にかかわることであると思う。これは非常にきわめて重大なことでありますから、ただ決議だからしっ放しでいいだろう、聞きっ放しでいいだろうと、こういうものではないはずでありますから、こういうことについてもう少し次回ごろまでに、十分思想統一をされ、検討を加えられた上で、はっきりした御答弁を願いたいと思います。
それからもう一つ時間がありませんから、高田さんにちょっと簡単に伺いたいのでありますが、先ほど暫定案については協議会の方で案を作ってもらうということで、その希望を表明したというお話でありましたが、その暫定案なるものについては、厚生当局は案を作らなくても大体のお考えをお持ちだろうと思いますが、どういうふうな点が、一体その分業に支障を来たさない暫定措置とお考えになっておるのであるか。ことにまた、私はこの暫定措置には二通りの考え方があると思う。新体系を修正する意味の暫定措置か、あるいは単なる現行点数の改訂による暫定措置か、あるいはそういうもののちゃぽんなものか、また別個の全然新しいものなのかどうか、こういう点についての考え方も一応伺っておきたい。これは案はあなた方お作りにならないで、協議会でお作りになるわけでありましょうが、希望を表明されて、そうしてあなた方として、これを実施される責任者である厚生省としての一応のお考えがあるはずだと思うので、その辺のことをざっと一つ簡単でけっこうでございますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/110
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111・高田正巳
○政府委員(高田正巳君) 御指摘のように、医薬分業に必要な範囲の暫定案と申しましてもなかなかいろいろな考え方があろうかと思います。そこで結論的にはこれもおしかりを受けるかもしれませんが、医療協議会で今まで基本的なものについて御審議をいただいておりましたので、それに関連をして一つ何かお取りまとめ願いたいという基本的な態度でございまして、私どもとして特にこういうことというふうに希望は申し上げておらないわけでございます。しかしながら、今高野先生の御指摘のように、お前たちは責任者であるから何か自分の考え方はあるであろうというような御質問でございますが、それは実は分業をいたしまするには、やはり最小限度のところは、少くとも薬治料というものについてはまあ分けなければ、新医療費体系のような考え方で分けなければいけないのではないか、薬治料を分けた場合に、一体どういうふうなあとが姿になるかというふうなことで、いろいろ問題が起るかと存じますけれども、そこはどうしても分けなければならぬのじゃないかと私は実は考えておるわけでございます。しかし薬治料だけを分けて、ほかのものを放っておいたらどうかというふうな、いつかも当委員会で御指摘ございましたように、医療費の点数表は非常に有機的なものでございますので、一部分をいじくった場合に、木に竹を継いだようなものになるおそれがあるというふうなことで、もう少し手を広げなければならぬという御意見もこれは必ず出てくることが予想されるわけでございます。理屈の上からもそういうことになるかと存じます。しかしながら何さま日がもう迫っておりますので、相当広い範囲の点数表の改訂というものを考えますことは、それによって医療費にどういう影響を及ぼすかとか、あるいは各科の受け取られる側の各科の収入といいますかに、どういうふうな影響があるかとか、いろいろこの検討をいたすに非常な時日を要するようなことでありますと、時間的にこれは間に合わない、従ってそういうふうな現実問題の制約から、私はそんなに広いものになるよとはちょっとむずかしいのではないかという観測をいたしておるわけございます。なお従いまして、そういうわけでございますので、いわゆる基本的な新医療費体系に基く点数表の修正という格寄好なるならば、あるいは現行の点数表の一部を変更するというふうに姿がなるか、その辺のところも、これはおそらく日にちの制約からいって一定の線が出て参って、できたものがどちらだと考えた方が妥当であるかというようなふうなことにつきましては、できた結果を見なければ、今ちょっと今から言えないのじゃないか、さようなふうに考えておるわけでございます。理屈としましては、最小限度薬治料の部分だけは分けなければならない。しかしながらそれを分けただけでは非常な不合理があるというふうな問題も起ってきて、あるいはもう少しいかなければならぬというふうなことになるのではないかと思いまするが、時間的な、実際的な制約の上から広く行くことは無理ではあるまいかと、こういうふうな予想をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/111
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112・高野一夫
○高野一夫君 もう一つ、引き続いて高田保険局長に伺いますが、最小限の改訂というものは、薬治料を分離することだけですか。最小限のワクの中には、処方せんとか、初診料とか、そういうものは全然入らぬのですか、単に薬治料、これだけがいわゆる最悪の場合の、最小限の場合の暫定措置として考えられるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/112
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113・高田正巳
○政府委員(高田正巳君) 最小限がどこかということになりますと、今申し上げましたように、点数表というものが有機的な一体でございますので、なかなか最小限をどこにしくかということにつきましては、非常な議論の種になると思うのでありますが、まあ一応私時間的な関係からいきまして、そんなに広い範囲のものにはとてもいく時間的余裕がないのではあるまいか、かようにただいまの医療協議会の御審議の状況を見ておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/113
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114・高野一夫
○高野一夫君 いずれまた次の機会に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/114
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115・榊原亨
○榊原亨君 先ほど大臣を初め両局長のお話を聞きますと、医師会、歯科医師会、薬剤師会にいろいろ医療行政の面において、またそのほか学術の進歩の上におきましてもいろいろ御相談にあずかっておるというお話でございますが、それでは、この重大な新医療費体系について、なぜ今度だけはこれを御諮問あるいは御相談にならなかったのでございましょう。これは千慮の一失と言いたいのでございますが、この点に関する御所見いかがですか、両局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/115
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116・高田正巳
○政府委員(高田正巳君) 新医療費体系の原案を作成いたしまして、この作成は正式には医師会とお話し合いをいたしておりません。しかし原案を出しまして、医療協議会という場で医師会の代表とも御審議をいただくわけでございますので、そこで十分に御審議をいただきたい、こういうふうな私どものつもりでございました。ただ作成の過程におきまして、正式に医師会と話し合いをしたという段階は実は踏みませんでございましたが、それぞれ情報の交換等はできる範囲においていたしておったつもりでございます。
なお正式な話し合いということをいたさなかった理由の一つには、先ほど竹中委員からも御指摘がございましたように、医療費の点数表というものは、これは診療担当者にもちろん一番大きな関係があるわけでございますが、またこれを支払いまする保険者の団体とか、あるいはそれによって影響を受けまする被保険者の立場というものもあるわけでございますので、正式に診療担当者と原案作成の過程において話し合うということになりますれば、それらの団体とも話し合いをしなければならぬという理屈も出て参るわけでございます。従いまして、そういうふうないきさつから原案は厚生省で作成をいたしまして、そうして医療協議会という正規の場所で十分に御検討をいただく、こういうふうな私どもといたしましては措置をとったわけでございます。
なおそれにつけ加えまして、これは榊原先生も御存じのように、新しい調査をまた昨年になりまして二回やりましたので、それらの集計整理に非常な時日を要しました。それから新しい点数表が支払い者の側あるいは受け取る方の側にどういう影響を及ぼすかという検定と申しますか、試算をやりますとか、こういうふうなことに実は現実問題として非常に時間をとりまして、実際問題としましては時間的な余裕もなかったということも、まあ実はそういう事情もあったのでございます。御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/116
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117・曾田長宗
○政府委員(曾田長宗君) 私から申し上げますことも、保険局長から御答弁申し上げましたことと全く同様でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/117
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118・榊原亨
○榊原亨君 この医療費の問題につきまして、診療を担当いたします者並びに診療を受くる者等がこれに重大な関係がございますので、これらにいろいろ御相談されるということは、これはもちろん当然なことでございますが、この医療を担当いたします者といたしましては、医療の内容が非常に複雑でありますから、これは単に被保険者に御相談になるという総括的な御相談とは趣きが違うのです。これはもうあなた方おわかりだと思う。従いまして医者が要望しますもの、医師会が要望しますもの、そのものずばりというので、医療費に持ってこようということを私ども言っているのじゃない。けれども少くともこの原案を作成いたします場合には、これらの事情に通じておりますところの医師会、歯科医師会、薬剤師会の十分な御意見に徴し、かつこれらの学界に徴して原案を作った上で、その原案をさらに今お話になりますような中央医療協議会なり、何なりというようなものに諮問されて、御相談にあずかるというのが筋であろうと私は思う。それを今度は忙しかったからそれはしなかったというが、これは私ども委員会でひどく不満に思っておりますのはその点であります。これはどの業態にしましても、米の価格をきめます上におきましても同様のことでございまして、ことに米なんというものは簡単なものでございますが、医療内容というものは非常に複雑なものでございますから、これはまず原案を作るときに御相談になって、さらにこれを医療協議会に御諮問になるということでなければ、将来、医療担当者の協力のもとにやっていくということはできない。従いまして、今日日本全国の医師の連中が非常な失望落胆をしておりますのは何かと申しますと、これはこの前ここで私申し上げましたように、保険医の生活水準というものはどうかということをまずきめてかかりまして、そうして医療費のあり方というものは、今の国民経済に照しましていかにあるべきかという青写真を作って、その青写真をすぐやれということではない。これに努力をするんだから、一つ今年度はこれくらい、来年度はこれくらいということによって、初めて医療担当者が協力できるような態勢になると思うのでありますが、そういう点について大臣の御所見はいかがかと、私はこの問題の最初にお聞きした。なるほどその通りだからよろしい、私どもはその方針でいくんだということもちゃんと速記録に残っておる。従ってこの問題につきまして、今あなた方がおっしゃるように、これは暫定措置で、調剤料なら調剤料の一部をいじくりまして、暫定措置は講ぜられると思いますが、高野君の言われるように、これは長続きするものではない。これはすぐ出さなければならないということになりますと、今度は短時間のうちにはあの広範な、厚生省が出されました新医療費体系に即しましたようなものはとうてい短時間のうちにはいかに中央医療協議会が働いてもできない。先ほどあなた方が御返事をなさいました通りでございます。そういうふうに暫定の暫定ということであって、さらに一年なら一年、二年なら二年というものをかけて、ほんとうに医療体系というものを作らなければならぬ羽目に陥ってくると思うのでありますが、その場合には、私が今お話申し上げましたように、十分この診療担当者——薬剤師、歯科医師会、医師会の意見、ことに学界の意見を十分徴されるように私は要望いたしたいと思うのでありますが、その点はいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/118
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119・高田正巳
○政府委員(高田正巳君) 仰せごもっともなところがたくさんあると存じます。基本的な新点数表の御審議につきましては、先ほどから大臣がるるお答えになっておりましたような方針でただいま進んでおりまするので、この医療審議会の場におきまして、先生御指摘のように、専門家と申しますか、学界の代表というような方々を先ほど山下先生が御質問になりましたように、専門委員とか何とかということで御配慮を願うなり、あるいは部会をそれぞれ作るなりしていただきまして、われわれが過去においてさような方々の意見を正式に聞かなかったという欠点を補っていただきたいと、実はかように考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/119
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120・榊原亨
○榊原亨君 中央医療協会議会の参与の部分におきましてさような措置が講ぜられるということがいかなる問題かということは、私はさらにこれを保留いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/120
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121・谷口弥三郎
○理事(谷口弥三郎君) 本日は質疑はこれで打ち切りたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/121
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122・谷口弥三郎
○理事(谷口弥三郎君) 御異議ないものと認めます。それでは本日はこれをもって……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/122
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123・吉田法晴
○吉田法晴君 ちょっと散会前に……。全日本金属鉱山労働組合連合会から陳情がなされようというのであります。散会後にお聞き取りいただくことにつきましては異議はございません。しかしその取扱いについては、これは散会する前に、私委員長に一任をいたしますから、陳情の結果に基く取り扱いは、委員長に一任する、この点を御確認だけ願っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/123
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124・谷口弥三郎
○理事(谷口弥三郎君) それでは、ただいまの吉田委員の御発言に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414410X01519560315/124
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125・谷口弥三郎
○理事(谷口弥三郎君) それではさように決定いたします。
これをもって散会いたします。
午後二時五十一分散会
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