1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年三月八日(木曜日)
午後一時四十九分開会
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委員の異動
本日委員中川以良君、小野義夫君及び
西田隆男君辞任につき、その補欠とし
て井上清一君、木島虎藏君及び島津忠
彦君を議長において指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 三輪 貞治君
理事 河野 謙三君
委員
井上 清一君
上原 正吉君
木島 虎藏君
西川彌平治君
島津 忠彦君
阿具根 登君
海野 三朗君
藤田 進君
国務大臣
通商産業大臣 石橋 湛山君
政府委員
通商産業政務次
官 川野 芳滿君
通商産業大臣官
房長 岩武 照彦君
通商産業省通商
局長 板垣 修君
通商産業省鉱山
保安局長 正木 崇君
事務局側
常任委員会専門
員 山本友太郎君
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本日の会議に付した案件
○機械工業振興臨時措置法案(内閣提
出)
○日本製鉄株式会社法廃止法の一部を
改正する法律案(内閣提出)
○輸出保険法の一部を改正する法律案
(内閣提出)
○参考人の出席要求に関する件
○経済自立方策に関する調査の件
(鉱害対策に関する件)
(鉱山保安行政に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/0
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001・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) ただいまより本日の委員会を開きます。
まず委員の異動がありましたので御報告いたします。中川以良君、小野義夫君、西田隆男君が辞任され、その補欠として井上清一君、木島虎藏君、島津忠彦君がそれぞれ指名されました。以上御報告申し上げます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/1
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002・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) 次に、機械工業振興臨時措置法案並びに日本製鉄株式会社法廃止法の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、政府の提案理由の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/2
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003・川野芳滿
○政府委員(川野芳滿君) 機械工業振興臨時措置法案につきまして、その提出理由およびその概要を御説明申し上げます。
わが国の機械工業は、戦後昭和二十四年ごろから一応回復過程をたどり、最近の生産水準は、戦前の基準時に対して約二・六倍に達し、化学工業に次いで激増しておりますが、戦時中の最高時に比べれば約半分にとどまり、全業種のうちで最も低水準にあるのであります。本来機械工業は、輸出産業として、また基幹産業としてわが国においてその将来性が最も期待される重要な産業であります。特に東南アジアでの他後進諸国が工業化しつつある最近の趨勢にかんがみますとき、わが国機械の輸出については、今後絶大な期待が寄せられるのでありまして、さきに決定をみた経済自立五カ年計画におきましても、かような観点から機械工業の発展には特に重点を置いているわけであります。
機械工業に対するこの大きな要請にこたえるためには、一方において市場対策等直接に輸出振興方策を強力に推進することが必要でありますが、また基本的には機械工業そのものの合理化を推進し、その技術水準の向上と経営基礎の確立とをはかることがきわめて肝要でありまして、これにより良質低廉な機械類が溢れ出るような形で輸出されることが最も望ましいわけであります。
このような見地からわが国の機械工業を見ますに、解決を要すべき幾多の困難な問題に当面しております。すなわち、わが国の機械工業は、戦時中軍需産業として急激に膨張したのでありますが、その後の設備の改善は閑却され、ためにその老朽化、陳腐化の程度ははなはだしく、技術水準も先進諸国に比してかなりの立ちおくれが見られます。のみならず多数の企業が乱立して、それらがそれぞれ多種類のものを少量ずつ生産している現状であります。
かような機械工業の現状とその振興の重要性にかんがみまして、政府は昨年十月産業合理化審議会に学識経験者、業界人等を委員とする機械部会を設け、機械工業の振興対策につき審議をいたしましたが、そこより得られました結果をもととしさらに検討を重ね、このたびようやく成案を得るに至りましたので、これを法案として上程することといたしたのでございます。
本法案は、経済自立五カ年計画の趣旨に従って機械工業の設備の近代化、能率の増進、生産技術の向上等を促進し、これにより綜合的に機械工業の振興をはかり、もって国民経済の健全な発展に寄与しようとするものでありまして、全文二十四条よりなっておりますが、その骨子は次の通りであります。
本案の対象となる機械器具または部品は、政令をもって定めることになっておりますが、当面最も急を要するものとして、わが国機械工業の中で特に劣弱で合理化を必要とする基礎的な部門及び部品部門を中心に指定したい考えであります。これらの部門に属するものは大部分が中小規模の企業者によって経営されておりますので、本案はまた中小機械工業の建設的かつ積極的な育成策として重要な意義を有するものと考えます。
合理化基本計画は、ただいま申し述べました機械または部品ごとに策定するものといたしまして、まず第一に、昭和三十五年度末におけるその機械または部品の品質、性能、生産費その他の合理化の目標を定め、次にこれらの実現をはかるため設備の近代化、専門生産制の確立、規格の統一、生産技術の向上等の諸措置を定めることとなっております。この計画は、機械工業に関する学識経験者等をもって構成する機械工業審議会に諮り、計画が適正妥当に策定されることを期待するとともに、これを公表して機械工業合理化達成のための政府の決意と責任とを表明することを規定しております。
右の計画達成のためにとるべき主要な措置として、本案にはまた設備の近代化のための所要資金の確保、合理化カルテル実施のための指示、生産技術向上のための基準の公表の三措置が定められております。
設備資金の確保につきましては、日本開発銀行よりの資金の融資について、昭和三十一年度において十五億円の資金ワクが確保され、融資条件に関しても低利、長期、担保の緩和等特別の措置を講ずるよう取り運ぶことになっております。
次に、生産分野の専門化、規格の統一、部品、原材料の購入等を目的とする合理化カルテルの指示につきましては、機械工業の特殊性から見まして、また、合理化基本計画を政府が責任をもって推進するという建前から、特に指示制度を設けました。これにより、現行独禁法に規定する合理化カルテルの趣旨をさらに一歩前進させて生産品種及び使用する部品の規格の制限のほか、生産品種別の製造数量の制限、部品または原材料の共同購入などについて積極的に機械工業合理化のためにカルテル行為を締結させることにした次第であります。
最後に、生産技術向上のための基準の公表につきましては、単に合理化基本計画に定める設備の近代化の計画のみにとどまらず、一企業の具備すべき適正な製造設備、検査設備、製造方法等に関する具体的な基準について公表し、各企業の工場の具体的技術向上目標を示して当該機械工業の一段の努力を期待しようとするものであります。
本法の運用に当っては、前にも述べた通り、関係行政機関の職員並びに機械工業に関する学識経験者よりなる審議会を設けて、本法実施の適正をはかりたいと思います。
なお、本法は、基本となります合理化基本計画を経済自立五カ年計画とあわせて五カ年計画としております。従って、本法も五カ年の臨時立法とし、その間所期の目的達成のため政府は最大の努力を傾注いたす所存であります。
以上本案の概略を御説明申し上げた次第であります。何とぞ御審議の上、御賛同下さらんことをお願いする次第であります。
次に、日本製鉄株式会社法廃止法の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。
日本製鉄株式会社法廃止法は、日本製鉄株式会社が、企業再建整備法の規定による決定整備計画に従い、昭和二十五年三月三十一日解散して清算事務に入ったのに伴い、日本製鉄株式会社法を廃止するとともに、これに伴う経過的措置を規定したもので、昭和二十五年八月五日法律第二百四十号をもって公布施行されたものであります。
今回改正せんとする附則第五項及び第六項の規定が設けられた趣旨は、日本製鉄株式会社が、日本製鉄株式会社法の規定によるいわゆる一般担保制度の適用により社債の発行に当って、工場抵当法による工場財団を組成する必要がなかったため、同社の資産については全く工場財団の組成に必要な措置が講ぜられていなかったことにかんがみ、同社の第二会社たる八幡製鉄株式会社及び富士製鉄株式会社の三社に対し、廃止法施行の日から二年内に発行する社債について、廃止法施行の日から三年内を限って一般担保の効力を認めるとともに、見返資金及び復興金融金庫の貸付金についても同様三年内を限って一般担保の効力を認めたものでありますが、その後、昭和二十七年四月十二日法律第九十一号及び昭和二十九年四月二十四日法律第七十三号をもって再度この期限をそれぞれ二年延長し、今日に至ったものであります。
現行の工場財団制度その他わが国の担保制度は、主として不動産抵当を中心とするもので、人的、物的の諸要素が総合されて活動している企業体に対する担保制度としては不十分であり、かつ、工場財団組成の手続はきわめて複雑であるところから、政府においてはかねてから一般担保制度に関する一般法の法制化につき検討を行い、すでに昭和二十九年において企業担保法(仮称)案を作成し、同年における日本製鉄株式会社法廃止法の改正は、同法成立までの過渡的措置として行われたのでありますが、何分にも企業担保法は法制上画期的な制度であり、これが実施には各界との十分な意見調整を必要とするため、今国会において同法を提出し、制定する運びには立ち至っていない状況にあります。
従って、八幡製鉄株式会社及び富士製鉄株式会社の三社は、日本製鉄株式会社法廃止法に規定するところにより、本年八月五日以降は、財団組成を完了しなければ、社債の発行は事実上不可能となるわけでありますが、一般担保制度に関する一般法の法制化につき検討を行なっている現在、その法制化が行われた暁にはその適用を受けるものと予想される両社について、複雑な手続により、工場財団を設定せしめることは、両社の発行した社債の社債権者その他の債権者にも支障の生ずるところがあり、時宜に適したこととは考えられないので、法制化検討中の過渡的措置として、当分の間、日本製鉄株式会社法廃止法の規定による両社の発行する社債及び日本開発銀行の両社への貸付金についての一般担保の制度を存置することが適当であると認められる次第であります。
以上がこの法律案を提出する理由であります。どうぞ慎重御審議の上御可決あらんことを切望いたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/3
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004・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) 以上二案の質疑は次回に行いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/4
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005・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) それではさよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/5
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006・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) 次に、輸出保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に引き続き質疑を行います。質問のある方は順次御発言をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/6
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007・河野謙三
○河野謙三君 一点だけ御説明を願いたいのですが、本改正法律案を提出するまでの経過を一つ一お話し願いたいと思います。というのは、この最終案ができるまでには、大蔵、通産両省にはおのずと違った見解もあったと思うのですが、これをどういう点で調整されてこういう最終的な案になったか、その経過を一つ御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/7
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008・板垣修
○政府委員(板垣修君) 通産省といたしましては、最近におきまする海外投資の重要性にかんがみまして現在ございまする輸出保険の範囲を拡大いたしまして、新たに海外投資に関する保険を設けたいという意見を持っておりまして、昨年から一案を用意いたしまして大蔵省と内部折衝を始めたのでございます。これに対しまして結局問題になりました点は、第一には、権限の問題、第二には保険する範囲の問題、それから担保危険の問題、それから保険料率の問題、こういう点が大体問題になったわけでございまするが、権限の問題につきましては、実は投資というようなものは本来からいえば大蔵省の権限であるというような点で多少議論を戦わしたわけでありますが、結局この点につきましては、現在ありまする輸出保険法というものを活用いたしまして、その一部として運用するのが最も事務的にもいいのでないかという意見が通りまして、大体大蔵省側もわれわれの見解に同意いたしたのであります。
それから次に、投資の保険の種類の問題につきましては、当初通産省といたしましては、元本保険のほかに利潤送金の保険も設けたいという考えを持っておりました。しかしながら一般的に大蔵省といたしましては、多少今の時期において海外投資というものは時期尚早の点があるのではないかという意見もありました。この点につきましては通産省から説明をいたしまして納得いたしましたが、全体としてこの海外投資保険制度というのは世界でもあまり例がないという制度でもありますし、かたがた手始めに日本がこういう制度を始めるについては、幾分安全を取って着実に行こうではないかという点に両省とも意見が一致いたしまして、私どもといたしましてはさしあたり投資の元本だけを保険するということで、利潤送金の問題につきましては第二の問題として、今後研究しようということで折り合いがついたのであります。
それから担保危険の事由につきましては、やはり今と同じような理由でこれが新しい制度でもあり、大体担保の事由をしぼるということについては大体意見が一致したのでありますが、しぼりましてもなお不測の財政上の負担ということも考えられるかもしれないということで、その担保危険の範囲を大体投資額、または純資産額の低い方のうちの半分ということで、半分だけを保険するということで大体話し合いがついたのでございます。
それから料率につきましても、これがやはりあまり例のない最初の制度でもありますし、それから一応この保険料率をきめるにつきまして標準となりますのは、現在アメリカがMSA法によりまして民間投資の場合に保証をやっておりますが、この料率が大体一円になっておる。ところがこのアメリカの民間投資に対する保証の範囲は今度提案いたしております日本の保険の対象よりは幾分狭い、それなのに一円ということになりますと、日本側は少し高くしてもいいのじゃないか、こういうことで、かたがた不測の財政上の負担ということも考えられますので、これをカバーする意味におきまして一円五十銭ということにきまったわけでありまして、こういう点につきまして大蔵省といろいろ議論はいたしましたが、大体今のような見解に基きまして今回国会に提案いたしまして、さような内容になった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/8
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009・河野謙三
○河野謙三君 そこでさらに具体的に伺いたいのは、この危険担保の率、これは本案は五〇%になっておりますね。これは通産省は最初何パーセントという案だったか、大蔵省はそれに対して何パーセントということを主張したか、五〇%ということに双方の妥協といいますか、結論が出るまでの経過、それと同様に料率の点につきましても、一円五十銭になっておりますが、当初から通産省が一円五十銭になっておったのか、それとも大蔵省が通産省の言う率を一円五十銭まで下げると言ったのか、そこらの経過を一つ。私は通産省の専門家の意見というものをできるだけ尊重するという立場においてそういう経過を聞きたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/9
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010・板垣修
○政府委員(板垣修君) 私どもとしまして今の保険の担保の範囲につきましては、初めから別にこうでなければならぬという数字は持っていませんでしたが、考え方としては理想的に言えば全額を保証するのが筋でございますので、全額という線で初めは事務的には当っていったと思います。その後七〇とか、六〇とか、こまかい議論はおそらくやらずに大体それじゃそれの半分でいこうというところでおさまったと思います。それから料率につきましては、通産省の当初案は一円二十銭であったわけでございますが、それが一円五十銭というところで妥結しましたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/10
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011・河野謙三
○河野謙三君 私はこの五〇%とか、一円五十銭ということについては、本案の効果を果しておさめるかどうかということについて、非常に重大なポイントだと思います。これは大蔵省と折衝の結果きまった最終の一円五十銭というのは本法の目ざすところ、使命を完全に果すだけの御自信がおありでお出しになりましたか。それともとりあえず暫定的にやってみようということでお出しになったのか、この効果をおさめるという確信を持ってお出しになったのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/11
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012・板垣修
○政府委員(板垣修君) もちろんこの保険にかける業界の方から言いますと損失の補てんが全部、しかも保険料率は安ければ安いほどいいわけでございましょうが、私どもの方といたしましては、現在の状態からいってことにこれは新しい制度であるし、大体心配はないと思いますが、あるいは不測の財政上の負担があるかもしれぬという大蔵省の意見も十分聞く必要がありますので、これで十全とは思いませんが、大体この線ならば一応の効果をおさめ得るものという結論に達しまして、提案いたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/12
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013・河野謙三
○河野謙三君 そうしますと、これは一年なり二年やってみて、さらに一つこれについて改正をしなければならぬというようなことは、今のところは前提としてはお考えになっておらぬわけですね。十分確信がおありになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/13
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014・板垣修
○政府委員(板垣修君) 二年後、三年後のことはまだわかりませんが、少くともこの一年これを実施してみて、様子を見てみたいという考えです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/14
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015・河野謙三
○河野謙三君 そうすると念のために申し上げますが、一応大蔵省にしても、通産省にしても確信はない、初めてのことだから確信はない。とにかく一年ほどやってみようじゃないかということできまったのが、この五〇%なり、一円五十銭である、こういうふうに了承してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/15
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016・板垣修
○政府委員(板垣修君) この担保の範囲並びに保険料率については確信がないというのではございません。これで一応やり得るという程度の自信は持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/16
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017・河野謙三
○河野謙三君 そうしますと、一応やり得るなら、一年やってみてまた様子をみようということじゃないはずなんですよ。私はそれを聞きたいのです無理に法律なんか改正すべきものじゃないですね。だから十分大蔵省の主張なり、あなたの主張等についてはディスカスして、そうしていよいよこうやってわれわれの手元へ出た以上は、永久とは言いませんけれども、三年や五年はこれで確信があるのだというものを持ってきてもらいたい。私はこういう希望を持っておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/17
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018・板垣修
○政府委員(板垣修君) 私言葉が足りませんでしたが、今の担保の範囲及び保険料率につきましてはこれで当分やっていきたいと思います。ただ、私が今後検討していきたいと思いますのは、範囲を拡大する場合、すなわち新しく利潤送金の保険を設けるとか、そういう点についてはまずこれで出発をしまして、そういう方面に拡大する必要があれば、さらに検討したいという意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/18
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019・藤田進
○藤田進君 前回要求いたしました資料がここにありますので、これについて若干質疑をいたしたいと思います。前回貿易の概況と主要問題という資料に基いて政府委員から説明があったわけでありますが、これは要するに、現在の貿易の世界的な事情のもとに、わが国が打つべき主として技術的な見地からの問題が指摘されているように私は思ったのでありますが、そのもととなる今後少くともここ数年の世界の景気の見通しをどのように考えて、このような結論を出したのかということの質疑に基いてここに文章で出されておりますが、これはいずれ私自身も一つの見通しはありますが、それとどのようにマッチしているかいないかは、読んだ上で検討をいたしますが、もし文書であるがために十分その意を尽していない点等ありましたならば、その点を御説明を伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/19
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020・板垣修
○政府委員(板垣修君) 大体お手元に差し上げました書類で尽きておると思いまするが、これの要点につきまして一応簡単に御説明申し上げたいと思います。
ただいま今後数カ年というお話しでございましたが、私どももこの数カ年全体の景気の見通しはちょっと立ちかねますのですが、差し当り今後一年ないし一年半くらいのところは、大体ここに差し上げました資料でそういう点を中心といたしまして要旨を述べておる次第でございます。今後の世界の景気の動向を考えまするに当っては、何と言いましても、まずアメリカの景気ということが第一であります。それに続きまして西ヨーロッパの関係が一番大事になると思うのでございます。アメリカの景気につきましては、この二ページにちょっと概説が書いてありまするが、大体におきまして今まで初期までの景気のささえとなっておりました消費は多少衰えを見せておるというのが通説でございまするが、しかしながら投資及び消費支出は依然としてきわめて活発でありまするし、ことしは御承知のように大統領選挙の年でもございまするので、政府といたしましても、できる限り景気の維持対策に万全を尽すであろう、こういう見地から大体私どもも、それから世界の経済学者等も、少くとも五六年度は現在の高水準を維持するであろうというふうに見られております。しかしながら西ヨーロッパにつきましては、御承知のように、昨年来非常にアメリカと同様に高水準を保っておったのでありますが、西ヨーロッパの景気は頭打ちのところになってきておるのではないかということが言えると思います。これらの国々につきましては、フランス、イタリアなどを除きまして、その他の国はすべてインフレに対して警戒的な態度をとってきておりますので、景気対策は信用政策から財政政策に及ぶ傾向が強くなってきております。しかしながらこれらの国々も今申しましたように頭打ちでありまするが、これに対する予防策もとっているということでございまするので、これらの政策が行き過ぎない限り、五六年度においてはまだ下降というところにはいかない、大体横ばいであろうという見方に立っているわけでございます。
それから次に、イギリスの景気につきましては、日本のように、昨年の夏以来引き締め政策がだんだんと強化されて参っておりますが、その効果が完全に現われているというところまでは至っておりません。経済の基調はやや鈍化してきてはおりますが、しかしまださしあたりは、従来のような消費景気というのは多少続くのじゃないか。しかしながらイギリスについては相当強力な消費抑制政策がとられておりますが、この点につきましては、イギリスに輸出をしている国々には多少そのはね返りの影響が、少なくとも本年の下期以降には出るのじゃないか。従って日本のスターリング地域に対する、あるいはイギリスに対する貿易は多少影響を受けると思いますが、しかしながら英木国と日本との貿易は金額としましてはそう大きくはありません。スターリング地域に一割程度ございますが、この意味におきまして日本の貿易に対してさほどの大きな影響を与えるとは考えておりません。全体としてアメリカの景気、西ヨーロッパ、イギリスの景気の動向を見ますと、アメリカは依然高水準である、西ヨーロッパ、イギリスは、あるいは頭打ちかもしれませんが、急に下降はしないというところで、わが国に対する少くとも今後一年間の貿易の動向は、一番悪くても昨年の横ばい程度あるいは若干ふえるというところで見通しを立てていいんじゃないかというのがわれわれの見方でございます。
それから先般お尋ねになりました東と西の関係、これはなかなかむずかしい問題でございますが、その点につきましては、一応私どもの解釈といたしましては、この共産圏国と資本主義国との対立は、やはり漸次緩和の傾向にあるという前提に立って見ておりますし、事実上五三年下期以降、次第にこの対立というものはとけているということはまず通説であろうと思います。従ってこの共産圏諸国と資本主義国間の貿易も漸次そのころからふえてくる。ただしかしながらふえたといいましても、戦前の規模まではとても及んでおりません。そのふえているのもヨーロッパ諸国とソ連との関係の貿易はふえているわけであります。アジアにおきましては、アジアの共産圏諸国と資本主義国間の貿易は、多少ふえておりますが、そう大きくはふえていないというのが現状であります。一方これにつきましては、例のココムの禁輸の問題がございます。中共に対しましては、ソ連に対するよりはまだきつい制限がかかっておるわけでございますが、これに対しましては、日本側といたしましても、漸次外交的に努力はしておりますが、現在のところ急にこの中共に対する禁輸が緩和するという傾向はまだ見えていないわけでございますが、しかし今後の見通しとしましては、漸次部分的にでも緩和されるであろうという見通しのもとに立って、私どもも今後の対共産圏の貿易について見通しを立てている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/20
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021・藤田進
○藤田進君 インド、ビルマあるいはパキスタン等を含む東南アジアが、現在盛んにプラント輸出等によって、あるいはまたその他の産業計画とか、開発計画によって急速な開発をいたしつつあるし、そういうことについてのわが国へのはね返り、ことに繊維等、これらが、日本がプラント輸出をしなければその他の欧州諸国等が入ってくるということもあるし、あるいはまた将来の考え方としては、よりコスト安で良質のものを出すことによって、あるいは新企画によって対抗できるということも言われているが、これはかなり私は日本に大きな影響を持つものであろう、現在のプラント輸出というものは、これは現事態における一つの喜びであって、長い目で見れば非常に私は将来暗いと考えているわけです。これはこの資料の中に後進国の中で出ておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/21
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022・板垣修
○政府委員(板垣修君) そういう点は出ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/22
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023・藤田進
○藤田進君 出ていればまた後日に質問いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/23
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024・板垣修
○政府委員(板垣修君) 今のお尋ねの点ははっきりこれには出ておりませんが、要するにインド、パキスタンその他の後進国が漸次工業化しておることは当然でありまするが、従って日本側といたしましてもそういう情勢にかんがみて、いつまでもこれらの国々に、ことに消費物資なんかについて完成品で送ることはできない。やはり漸次貿易と並びましてこれらの国へプラント輸出なり、あるいはさらに進んで投資という形で出て行かなければならぬというふうに考えます。現にパキスタンあたりに対しましても従来とも繊維機械類等の輸出が非常に出ておるわけであります。お尋ねの点はそういうふうになった場合、向うが完全に工業化した場合、そういう機械類も出ないのではないかという趣旨とも承知いたしまするが、これはやはり後進国が漸次先進国に追いつく過程で、ある程度やむを得ない点もあるわけでありますが、大体日本といたしましてはこれは先進国であるか、あるいは中進国であるかは別問題といたしまして、やはりこれらの国々に常に一歩先んじて、貿易なり経済の面において先に立っていく、そうしてこれらの国と貿易なり経済関係の維持に努めていくというしかないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/24
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025・海野三朗
○海野三朗君 私はちょっと通商局長にお尋ねしたいのですが、ミシンはあれはどうなっておりますか。アメリカにたくさん売れ残りがあって、一台九ドル半でも売れていかないという話を聞いておる。それが余っておるから、つまりミシンの生産を制限したということを聞いておるのですが、その余っているというのは、つまり向うのブローカーが買ったやつが余っておるのか、日本のものがまだ向うにすっかり渡っていなくて余っているのですか、どうなのですか。つまりミシンについていわゆる保険をかけてやったのでありましょうが、そういうふうなたくさん——何でも聞くところによると、十万台も余っておるというような話を聞いたのですが、果してその数字がほんとうかどうか。そういうむちゃくちゃに輸出をするということは、実に私は間違ったやり方であると思うのですが、それに対して通商局長はどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/25
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026・板垣修
○政府委員(板垣修君) 先般もそのお尋ねでまだ原局にチェックするひまがございませんでしたが、ただ確かにお話しのように、すでにアメリカでは日本の輸出が滞貨を生じているという情報は聞いております。これは主としてミシン業界の方から聞いているわけでございますが、これはまだはっきりしたことは申し上げられませんが、大体私の想像では、今までずっと割合に多い数量の輸出調整をしておりましたので、それがやはり向うに買い持ちになっているのじゃないかというふうに想像いたします。なお、しかしこの点は至急正確なところをチェックいたしましてお答えいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/26
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027・海野三朗
○海野三朗君 そのミシンは向うの業者が日本から買ってそうして手持ちしているのか、その意まではっきりお伺いしたい。それでないと輸出保険といっても、保険をつけてどうこうすると言っても、輸出入組合がそういうような無責任なやり方ではいけないのじゃないかと、こういうふうに思われますので、余っているミシンが九ドル半でも売れないというようなことを私はこの間聞いたのでありますが、その辺を一つはっきり……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/27
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028・板垣修
○政府委員(板垣修君) これは滞貨でございまするから、もうすでに向うに出たものが余っているわけでございます。なお保険との関係につきましては、実はミシンの輸出につきましては保険をほとんど利用いたしておりません。従って保険との関係はないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/28
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029・海野三朗
○海野三朗君 今のミシンについては、この輸出保険の方はあまり関係していないというお話しでありますが、それではどういう場合に輸出保険をおつけになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/29
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030・板垣修
○政府委員(板垣修君) 保険にはいろいろ御承知のように六種ばかり種類があると思いますが、普通こういう物資は輸出保険というものにかかるわけでございまして、これはいかなるものにもかけられるわけです。要するに輸出する業者が保険にかけなければならんのでありまして、私の方では強制しておりません。ミシンの場合のように業界の方からかけてこない場合は、利用されないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/30
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031・海野三朗
○海野三朗君 そうしますと、ミシン業者の方は皆比較的金持ちだというわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/31
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032・板垣修
○政府委員(板垣修君) 金持ちということでなくて、ミシンの対米輸出についてはそう保険をかけるほど危険がないと業界が見ているからだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/32
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033・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/33
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034・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) 速記を始めて。本法案の取扱いについてお諮りいたします。本法案の重要性にかんがみまして、関係業界のしかるべき人を呼んで意見を聞くことをいたしたいと思いまするが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/34
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035・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) それではさよう決定いたします。
なお、参考人につきましては、具体的には委員長に御一任を願いたいと思いまするが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/35
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036・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) それではさよう決定いたします。速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/36
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037・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/37
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038・海野三朗
○海野三朗君 これから中小企業金融関係の審議に入る前に当って、開発銀行の融資の状況の資料を要求いたしたいと思います。昨年度の貸付、今年度の貸付予定及びそれに対する金利の関係、それらを調べたところの資料の提出を要求いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/38
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039・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) 委員長においてさよう取り計らいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/39
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040・藤田進
○藤田進君 先ほど提案せられました機械工業振興臨時措置法案に関して資料を一つだけ要求しておきたいと思いますが、昨年の十月に産業合理化審議会において学識経験者やあるいは業界の皆さん方等の意見を聞かれ、この中に機械部会を設けられているようでありますが、これらの政府に対する答申といいますか、その答申案を出していただきたいと思います。以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/40
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041・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) さよう取り計らいます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/41
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042・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) 次に、経済自立方策に関する調査の件を議題といたします。本件につきましては鉱害対策について藤田進君より質疑の通告がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/42
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043・藤田進
○藤田進君 現在鉱害に関連して問題になっておりまする金山で、大分県速見郡山香町字下、会社は平和鉱業株式会社第二新馬上鉱山、こういうものがあります。これの被害状況は特に詳しくは時間の都合で申し上げませんが、被害地といたしましては、ただいま申し上げた地点を中心にその周辺、被害面積は約十九町七反、被害農家戸数は五十二戸、こういうことで現地では、ことに農民を中心にいまだ解決をみないでいるわけでありますが、この点について大臣はこのことをお聞きになったことがあるかどうか、まず最初にお伺いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/43
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044・石橋湛山
○国務大臣(石橋湛山君) 一応聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/44
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045・藤田進
○藤田進君 それではこまかいことについては局長からのお答えでけっこうだと思いますが、できるだけ大臣の方からのお答えを御答弁いただきたいと思います。まず、最初に、水田の被害というものが一体鉱害であるのかないのか、また旧馬上時代のものか、新馬上のものか、いろいろ分けられているように思います。これについてどのようにお考えであるか。鉱害によるものであるとお認めになるのかどうか、この点について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/45
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046・石橋湛山
○国務大臣(石橋湛山君) 私が報告を聞いておる限りにおいては、鉱害は全部廃止の被害であるかどうか知りませんが、大体鉱害があることは事実でございます。ただし、その原因は旧鉱山の沈澱物を流したということでありまして、新しい部分については検査した結果大した鉱害はない、こういう結論に達しておるように報告を受けております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/46
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047・藤田進
○藤田進君 ところが毒性のないということも、現地でそういう議論もあり、大分県農事試験場の派遣を求めて二回にわたり分析をいたしました結果は、硫酸塩が含まれていて、これは非常に酸性度が低くてその程度はいろいろ問題はあるようですが、いずれにしてもその試験の結果は、やはり有害な結論が出て、従ってその措置として廃液の措置がとられてきた。たとえば廃止堆積所を作らせるとか、そのほかいろいろありますが、事実からいって現在の新馬上鉱山の金山のやはり影響であるということは、そういう科学的な証明から明らかになっているわけなのです。また行政的な措置から見ても、その点が明らかに出てきているわけです。でありますからこの点を考え、もう少し御検討いただき、かつそれでもなお現在の鉱山の被害ではないということが言い得るのかどうか、改めてお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/47
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048・正木崇
○政府委員(正木崇君) ただいまの鉱害問題でございますが、御存じのようにもと日本鉱業株式会社が所有しておりました鉱業権を、昨年六月に現在の鉱業権者が譲渡を受けまして、操業を始めたものであります。その操業の開始に当りまして、旧鉱業権者の設置しておりました沈澱池の底をさらいました泥を川に放流したという事実がありますので、それによる鉱害というものは、現在の鉱業権者もそれは認めておりまして、これに対する鉱害賠償ということをする意向で、地元側と今折衝しておるように聞いております。
なお、その後現在の鉱業権者が操業を続けますにつきまして沈澱池を設置いたしましたが、これにつきましては福岡の鉱山監督部で設置の認可をいたしまして、その後かりの検査をいたしまして、若干不備な点がございましたので、補強を命じまして、現在では完全なものができ上っております。従いまして現在の操業の結果、酸度の高い排水が水田に流れて鉱害を起すというような事実は認めておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/48
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049・藤田進
○藤田進君 ところがこの金山は二月から始めていて、そうしてその後操業認可がされている。仮認可といいますか、その過程にかなりの、今申し上げた被害状況がここに出てきたわけです。そういう点は鉱山保安関係から見ても完全な保安対策が立てられ、しかる後にいいならば認可するということでなければならぬと思うのです。それがどんどん認可なしに仕事をやって、被害が出て問題になると、追ってこれに仮認可というようなことで操業させ、そうしてその後被害が出て問題になって、その被害対策が若干試みられたということなのですが、いわば非合法なそういう操業に対してはどうお考えでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/49
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050・正木崇
○政府委員(正木崇君) 選鉱場の施設につきまして認可をいたしましたものを使用する場合には、さらに監督部の検査が必要でございます。従いましてその検査を行いまして、検査の結果支障はないと認めたものですから、一応かりに認めたわけでございまして、支障がないという結論を出しましたのは、鉱山保安監督部でも、排水の上澄み水の資料を取りまして、その酸度を測定いたしました結果、これが河水に放流された場合に中性に近い水でありますので、水が酸性のゆえに鉱害を起すということはないということと、それから沈澱池が二カ所設けてございますので、沈澱物が川に放流されることはございませんので、実害がないという根拠から操業を許したということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/50
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051・藤田進
○藤田進君 それでは、この鉱山がいつから操業を始め、認可はいつしているかについて、その記録があれば明確にしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/51
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052・正木崇
○政府委員(正木崇君) 鉱山は六月に鉱業権の譲渡を受けまして、設備の認可申請は七月十九日と記憶しております。そうして七月の二十六日に認可を受けておりますので、その間に多少のズレはございますけれども、非合法に長い期間操業したというふうには考えられませんので、さように私どもは取り扱っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/52
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053・藤田進
○藤田進君 私のところにある資料によりますと、六月から仕事はやっているようで、そして十二月になって仮認可というのが現地に行っておる。六カ月間は大体全然認可なしに仕事をやっておる、こうなっておりますが、その点は食い違いがあるように思いますが、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/53
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054・正木崇
○政府委員(正木崇君) 先ほど申し上げましたように、認可という行為と、それから検査という行為と二つございます。その仮検査を一応いたしましたのは御指摘の通り十二月でございますが、認可は七月に行われております。従いまして、仮検査をいたしますまでに一応最初の認可申請書に記載された内容から、鉱害が発生する可能性がないという判断で使用を認めて参ったというふうに私は了解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/54
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055・藤田進
○藤田進君 その点は食い違いがあるので、なお当局におかれても検討をしていただきたいと思います。これは現地でここまでもんできて、すべてが明らかになって、仮認可がいつ、本認可がどうなっているかという資料が手元にあるのでありますが、時間がないので追及はこれ以上いたしません。
そこで鉱害がないと言われておる試験自体が実は問題になってくるのです。それは雪解けで通常な状態でない、一番薄められたときに、さあ今検査してくれというので、検査して毒がない。現地の疑惑が一番問題になっているのは、なぜこの保安監督部というのですか、九州にある、これは人の名前まで実は来ておりますが、あれほど農民が五十二戸も問題にしているのに、ことごとくその都度補償の問題になると、すぐ役所が来て、それは違うのだと言って、農民が試験をやれと言えば、今のような水の一番薄められたときにやって、これは私現地に行きません。写真でもって見ておるが、実は全然穂が出ていない、沈んでしまっているのですが、これは現実の歴然たる事実なんですが、そこで鉱害ではない、鉱害ではないと、あるとすれば古いのだということで、お役所の方から率先してそれを暴圧しておる。そうして認可の関係でも、非常に業者との関係が深いという一つの疑惑を持っているわけなのです。ですから、この点は現地事情をよほど勉強していただかないと、書類だけでは、試験したらどうだと言われても、百姓の方で農事試験場に頼んだところ、これはあるというのが出ておる。
それから、今沈澱池を二つ作ったから問題がないと言われるが、これは机上の問題で、私どもの方にもこれは文書でも来ておりますが、これは鉱内から直接何に出ておるというのですな、川に出てしまっておる。だから沈澱池に集まる以外にもう一つのルートがあって、そこから出て来ておる。その試験をする場合も、出て来た排水の出口でそれをはかるのと、入口ではかるのと、いろいろ技術的にあるようでありますけれども、そういう点が今現地ではそういう意味で問題になっていて、そう時間がないから長々と申し上げないのですが、最後のところに行くと、保安監督部では補償の問題はおれの方じゃないのだ、そこで大臣をここに必要とするわけですが、おれの方ではないのだ、あれは通産局の方でやるのだから福岡に行けと言われる。ところが福岡の方に行くと、それは保安監督部ですか、その方へ聞くと、あれは全然鉱害じゃないのだと言われているから、手が出せない。これでは窓口が二つで取りつく島がないということで、どっちにしても責任のある人にぜひ一つこの点は調べる必要があるということで、実は今あれしているわけです。これは今いろいろこれ以上聞きましても、事実認識においてすでに食い違いがあるようでありますから、大臣におかれても、もう少し現地事情を詳しく調べるように一つ督励していただき、さらに補償については両方がそういうキャッチボールをしない。これはもう大臣ではおれは知らぬと言うわけにいかぬと思いますから、善処方をお願いしたいと思います。
なおあわせて一点お尋ねいたしますが、この新馬上は鉱業権としては、聞くところによると、この二月で切れるとかいう話があるのです。これは私不確実ですが、二月で認可の期限が切れるということが言われている。新しく認可をするときには、鉱害対策というものが完全でなければ怪々に認可しないでもらいたいという、まあ農民の切なる希望なんですね。この点実情はどうであるか。その期限等について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/55
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056・正木崇
○政府委員(正木崇君) 鉱業権はことしの二月では切れませんですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/56
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057・藤田進
○藤田進君 いつ切れる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/57
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058・正木崇
○政府委員(正木崇君) 先ほど申し上げました選鉱場の仮検査の有効期限が二月の末日でございます。そこで福岡の監督部から監督官を派遣いたいまして事情を調べまして、差しつかえないという判断のもとに、本極査証を交付するという手続をとることになっております。
それから先ほどお話がありましたその鉱害にあらずということを監督部で申し上げているのじゃないのでございまして、現在の選鉱場の排水による鉱害ではない、現在の選鉱場を運転する前に、前の鉱業権者の設置した沈澱池の泥をさらって川に放流したことが鉱害の原因になっているということでございますが、もちろんこの場合におきましても現在の鉱業権者に責任がございますので、その間の賠償のあっせんを県庁並びに通産局が中に入りまして、双方とも納得のいくような解決をすべく努力をしておるというふうに私は報告を受けております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/58
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059・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) いいですか、大臣のあれ、いいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/59
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060・藤田進
○藤田進君 その点最後に善処のことを……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/60
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061・石橋湛山
○国務大臣(石橋湛山君) 承知しました。十分調査いたしまして善処いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/61
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062・海野三朗
○海野三朗君 この鉱害の問題、これに類似したことがありまするから、私は一言保安局長に伺っておきたいのですが、鉱害の問題がこれほどやかましくなっておる。ところがその影響ではないという御判断、ちょうど言ってみるというと、ここに人が殺されている、ところがそれはだれが殺したのだかわからないのだというような、至って無責任な御回答のように私は思うのです。こういうことが出ておる以上には、ほんとうにもっともっとこれは調査してやらなければならないのじゃないか。で、この鉱権が一日や二日川に流れたって影響はくるものじゃないのです。これは。やはり一カ月、二カ月としみ込んでいって、そうして初めて稲作などにその結果が現われてくるものである。で、こういうふうな状況、その鉱毒にあらずという判断を下した、こう言われるけれども、この地方に行ってみまするというと、百姓は実にばか正直なんですな。山形県にもこの鉱山がありますが、こういう騒ぎが起っているときには、もう少し保安局が親身に力を入れて解決策をはかられなければならないのじゃないか。私は先ほどから藤田委員の質問を聞いておりますと、どうもあなたの力が責任のがれの御答弁をしておられるような感がしてしようがないのですよ。そういう点についてあなたは実地のまだ現地は見ておられないでしょう。おいでになったのですか。今机の上でだけおやりになっているのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/62
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063・正木崇
○政府委員(正木崇君) 私の先ほどの御説明があるいは不十分であったかと存じますが、鉱害の事実はあるのであります。ただこれには二つの原因がございまして、一つは前の鉱業権者が作った沈澱池の泥を川へ流したという事実による鉱害でございます。これは現在の鉱業権者に賠償の責任がございますし、現在の鉱業権者もこの責任を認めまして、賠償に応ずるということを言っております。私が鉱害にあらずと申しましたのは、現在の鉱業権者の操業による選鉱場の排水による鉱害は起らないというふうに御説明申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/63
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064・海野三朗
○海野三朗君 川に流したというのですね。これはもう毎日川へ流していれば、これはその影響でありましょうが、泥をさらえて流した、一週間の間流したというならば、雨でも降ってくれば水が一ぺんにさっと流れてしまうのです。それでさらって流した影響であろうという、そのことに対しても私は技術者の立場から非常に疑義があるのです。毎日々々川へ流しているなら、これは鉱毒であると言われるかも知れないけれども、さらって川へ流したと言っても、雨が激しくやってくれば、一ぺんに流れてしまうものです。それですから自然と鉱毒の影響がしみ込んでいく結果がこうなるのであるということを申し上げる。今やっておる鉱毒でないという、そのことに私は非常に疑義をはさんでおるわけですが、技術的な立場から私はそう思うのですが、なおその点については、因っておるのは百姓たちであって、どこでも百姓なんていうものは、正直に、言ってみればばか正直なものですよ。こういう陳情書を見るというと、さらにそれに対して措置をしていないということが書いてありまするので、保安局長としてももう一段と力を入れて、率直に現実の事情をよく見ていただきたいと私は思うのですが、本省だけにおいておやりになるということじゃ私は足りないと思うのですが、どうなんですか、その辺は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/64
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065・正木崇
○政府委員(正木崇君) もう少し詳しく御説明申し上げますと、旧沈澱池の沈澱物、泥でございますが、これに銅イオンを含んでおるわけであります。これをさらって川へ流しましたために、その鉱物が水田に入りまして、水田に停滞して鉱害を及ぼしたという判断をいたしております。それから水が酸性であるという場合に、もちろん鉱害が起りまするけれども、ただいまお話がございましたように、常時流れておるものでございますから、長時間そういう状態が続かなければ鉱害は起すはずはございませんが、沈澱物をさらった場合には、これが水田に沈澱いたしまして、これが鉱害のもとになるというような判断をいたしましておる次第でございます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/65
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066・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) 次に、鉱山保安行政に関する件を議題といたします。本件について阿具根君より質疑の通告がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/66
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067・阿具根登
○阿具根登君 大臣に御質問いたしますが、三十年度にも炭鉱のガス爆発で陳情なり、お願いをいたしたことがございますが、すでに本年に入りまして三月もまだ半分にも満たない今日、大四体件のガス爆発が起きており、三十名の人が死んでおるということを記録しております。で、炭鉱の状態は御承知のように、この一、二、三月というものは一番ガス爆発等は少いときでございます。今のままでいくならば、せっかく年々八百名から九百名の犠牲者にとどまっておった炭鉱の災害は、もっともっとふえるであろうという懸念をせざるを得ないのでございます。特に梅雨期から梅雨あけどきの炭鉱災害というのは非常に大きいものがございますので、その点について、三点の御質問を申し上げたいと思います。
時間がございませんし、大臣も病気のようですから、簡単に集約して御質問申し上げますが、社会労働委員会でもこれは非常に大きく取り上げて、倉石労働大臣が石橋通産大臣に勧告をされておる。法律に従って勧告をされておると聞いております。その勧告によってどういう対策を立てられたか、それが一点。それから今までおそらくお尋ねした場合でも、まあ非常に慎重を期してやるということを聞いておりましたが、依然としてこの種の災害が絶えないということは、鉱山保安法に不備がないか。鉱山保安法に不備があるとするならば、これを改正する意思があるかどうか。それから第三点は、今一、二の炭鉱で使っておるガス抜きをやっております。これは専門的な問題ですから、御承知なかったら局長の方にでもお答え願いたいと思いますが、このガス抜きも、これは一般炭鉱にやれやれと言っても、簡単にできるものではございません、炭鉱の特に赤字経営をやっておる今日において……。そういう場合に政府がそれに対して補助でも出してやる意思があるかどうか。この三点と、これができなかった場合の対策、以上を御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/67
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068・石橋湛山
○国務大臣(石橋湛山君) 労働省の労働局長、基準局長の名前で、私どもの方の鉱山保安局長に、文書をもって鉱山における危害防止に関する勧告というものが参りました。それは労働大臣の指示によって行うものであるから、従って通産大臣にその旨伝えろということが書き添えてありますので、見ております。これは書いてあることは、爆発、自然発火等の危険性を内包する石炭鉱山に特に重点を置いて監督指導を実施しろ、なおガス抜きの施設の整備促進について特段の配慮を払え、第二は、鉱山保安法違反に対しては、常に厳重な措置を講じ、特に悪質な重大な違反行為に対しては係員の解任を命ずる等、法規の厳正的確な運用を行え、こういうのが勧告でございます。これは、かねてから実はこの危険性のある石炭鉱山に特に重点を置いて監督指導するということは、通産省の鉱山保安局において、むろん昨年以来十分やっておることであります。なお、今までは旅費はが足りないというような多少難点もありましたが、三十一年度においてはその旅費等も多少なり増をいたしましたが、十分これをやっていく手配は講じておるつもりでございます。それからガス抜きの施設についても、この促進についてはある程度の補助金も出して、ガス抜きの設備をするようにいたしております。それから保安法違反については、これはむろん厳重な措置を講ずることにいたしまして、つい今も、昨年起りました離別炭鉱の点につきましては、数人の者を告発する手続をとっておるようなわけであります。
以上のようで、せいぜいやっておるのでございますが、まことにどうも遺憾なことに、昨年以来爆発事故が多いということは、何とも監督者として申しわけのないことでありますが、なお一つ十分こういう災害が起らないように、督励をいたして、本年度、最近におきましても、その督励の方法を各通産同、あるいは鉱山監督局に対して通達をしたような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/68
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069・阿具根登
○阿具根登君 もう一点、抜けておりますが、鉱山保安法に対しては何ら改正のお考えはないのでごありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/69
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070・石橋湛山
○国務大臣(石橋湛山君) ただいまのところ、私としては別段その欠点はないのじゃないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/70
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071・阿具根登
○阿具根登君 私はそこに大きな問題があると思うのです。鉱山保安法に何の不備もない、しかも厳重にそれを取締っていくということになるならば、災害が減ってこなければならないと思うのですけれども、例を申し上げますならば、この二月、福岡の高場炭鉱が爆発したときに私は参りました。ところが去年あれだけ正木局長にも通産大臣にもお願いしておったにもかかわらず、通産局の出張者は組合にも何にも言わずに会社の一室の中で調査をしておる。組合に入ってみましたけれども通産局から来ていることを知らない。これだけの変災があって通産局が来ておらないはずはないのだというので。調査しますと、会社の重役室のうしろでやっておる。私もよく知った方でございますが、その人が悪いというのではございません。こういうことも一例を見た場合に、まだまだ会社の中でやっておる、こういうことで保安の万全は期せられない。しかも、調査してみますと、五カ月間その炭鉱は調査されておらない。毎日々々石炭を掘っていく炭鉱に五カ月間もガスを測定しておらない。しかも私たちがその現場におった連中の話を聞いてみますと、その現場に三時間もおったならば頭が痛くてできませんから、空気のいい所に休ませてくれと言って出ていきます。こういうことを言っておる。そうするならば、これには二%なり、四%、五%近くのガスがあるはずです。これはしろうとが聞いてもわかる、ガスがあるはずなんです。ところがその結果はやはりそういうことが出ておらない。しかも五カ月間も見ておられない。こういうことが行われておるからこそ、ガス爆発が起きるのだ、私はこういうように思うのです。今まで不可抗力だと思われるようなガス爆発はあまりないのです。わざとガス爆発をさしたものもおりません。しかし、私は監督をもう少しきびしくやって、ほんとうに会社が石炭よりも人命を尊い、また、行政官庁の指導が石炭よりもまず人命だという指導で立ったならば、もっとこれは減っていくものと思う。諸外国の例と日本の例と、資料がおありと思いますから、比較したらばわかると思うのです。そういう点につきまして鉱山保安法に対しても、もっと私は掘り下げなければならない点があるのではないか。近く私たちはこれに対する改正法案を出そうと思っております。しかし、通産大臣が鉱山保安法に不備はないとこうおっしゃるならば、これは多数を持っておられる今の政府ではおそらく通らない。そうするならばこの種変災は減らないと思うのですが、それに対してどういうふうなお考えをお持ちになっておられますか。局長からでもけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/71
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072・正木崇
○政府委員(正木崇君) 鉱山保安法に基きます保安規則の話かと思いまするが、保安規則が十分に守られておりまして、なおかつ変災が起りますならば、これは法の不備ではないかというふうな議論も成り立ちますが、最近起りました事例の例をあげてみましても、保安規則が十分に守られていない、それが原因になりまして大災害を起しておるという事実から、法律を改正し、規則を改正するより先に、現在の規則を十分守っていただくということが先なのではないかというふうに考えております。それでなおかつ災害が防止できなければ、これは規則の改正、あるいは法律の改正ということを研究すべきだと思いますが、もちろん私どもといたしましても規則の改正、あるいは法律の改正につきましてもふだん研究を重ねておりまするので、もしも法律を改正しなければ災害が防げないというような結論に達しましたならば、十分に研究をした結果をもちまして御相談をしたいと思っておりまするけれども、ただいまのところでは、法律までいじらなくてもまだ間に合うというふうに考えております。それから非常に監督が不十分だというようなお話しでございましたが、監督官が災害調査に参りまする場合には、常に労働組合の意見も十分聞きまして、経営者側が隠そうとする事実を発見するような指導をいたしておりますので、先ほど御指摘のような事実はないかと存じますが、なお今後よく調査いたしまして、今後そういった事態が起りませんように厳重に指導いたしたいと考えております。
それから高陽炭鉱の調査につきましては、事件前の最終の監督が十月に参っておりますので、五カ月も監督をしないで放置しておったという事実はございませんので、この点御了承願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/72
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073・阿具根登
○阿具根登君 そこが官庁の皆さんの一番私は悪いところだと思う。私は現場に行って、そしてその監督官に会って、この炭鉱は最終の点検はいつかと私は調べて来ている。これは五カ月かかっている。私ははっきり調べて来ている。それがあなたのところに来るときにはそういうことになって来る。それは監督官庁が自分の責任を逃れるための机上の細工です。私は現場に行って調べて来ている。そういううそを言う人だったら、保安の仕事はこれは与えられないと思う。八月の何日とはっきり私に言っている。それじゃ今日まで五カ月かかっているぞということをはっきり言っている。それがあなたのところに来ればこれが十月だの、十一月だの、そういううそをやった陰にこういう何十人の人が死んでいる。年間で死んでいるのは千人ですよ。洞爺丸が一隻沈むと、八百名死んだ、千名死んだと言って国論は沸きます。炭鉱では毎年々々千人からの人が死んでいるから私がこういうことを言っているのに、皆さんはそういううそを肯定される。どうして私の言うのを認めずに、ただあなたは机上だけのものを認められるか。現場に行って私は聞いて来ている。それが中央の皆さんのところへ来るときにはぼかされて来ておるということは、地方でこういう災害が起ったならば、これは責任はわれわれの方にも来るからということで、筆でごまかしている。それが組合でもタッチしているならごまかしはできないのです。そういうことがあっておるというのと、保安法を守っておらないから、守らせるためにとやっておられるけれども、この種災害はこれは当事者は死ねのです。全部死ぬのですよ。そうすると責任は死んだ人に転嫁されていくわけです。残っている人の処分はほとんどできない。これは全部その現場におった人は保安法を守っておったか、守っておらなかったか、これは不可抗力であったか、不可抗力でなかったかという問題は、死んだ人が全部罪をかぶってしまっている。だからそういう保安法を守らないと皆さんが思われているならば、保安法に不備があるから守っておらない。不備がなくて守らないというなら、これは大きく罰則を変えるべきです。罰則も何もそういう不備がない、これでいいのだとおっしゃるからこの種災害が、だれもいつもそれに携わる者がおらないからそうなってくる。起きたら大へんだぞというような大きな罰則に変えるか何かしなければ……。なぜそれではこれだけの死人を出してやかましく言いながら、保安法が守られぬということを局長みずからここで告白しなければならないかということは、保安法が不備だということなんです。それはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/73
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074・正木崇
○政府委員(正木崇君) 保安法が不備だという点が、もし罰則につきましての御議論でありまするならば、これは別問題でございまするけれども、保安法は御存じのように非常に広範な委任立法をしておりまして、その詳細は省令できめることになっております。従いましてその省令につきましては十分技術的な検討を加えましてさらに御存じの保安協議会、これは労働者、経営者、中立の三者構成の公正な委員会がございまして、その委員会に諮問いたしまして、その答申を待って制定し改正をいたしておるのでございますので、ただいまの規則が現在の状態に照しまして、著しく不備であるというふうには私は考えておらないのでございましす。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/74
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075・海野三朗
○海野三朗君 関連質問。ただいまのあなたの御答弁を伺っておるというと、率直にあなたは自分の責任だということを少しも痛感していらっしゃらない。その地方におる末端の役人たちがつまりなまけておったという結果でありましょう。そういう災害が起ったということが現実なんであるから、それをあなたが中央におってただ帳簿の上だけおやりになっていろいろおっしゃるけれども、それはあなた、こちらは命がけでやっている仕事なのであって、これはつまりそういうことは監督が不行届だったのでしょう。そうじゃないのですか。あなたはいかようにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/75
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076・正木崇
○政府委員(正木崇君) ただいまの保安法の建前から申しますと、保安法によりまする権限は、すべて地方の鉱山保安監督部長、または緊急を要する場合には鉱務監督官に権限を与えてございます。従いまして法律上も実際上も地方の機構の構成者が全責任を負い、また十分な権限をもちまして指導監督をいたしておる次第でございますが、もちろん私といたしましてもこういった構成のもとにおきましても、しばしば中央に、保安監督部長会議を開き、あるいは監督課長会議を開き、私もできる限り地方の保安監督部を巡回いたしまして指導の徹底をいたしておりますので、決して私が責任を感じないで、ただいま申し上げたような答弁をしておるわけではございませんので、十分責任を感じまして私といたしましても許されるできるだけのことをやっておるというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/76
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077・海野三朗
○海野三朗君 人が死んだということは事実なんですから、その監督がいけなかったということになりましょう。地方のつまり出先の官憲が監督不行届であったということになりはしませんか。私はそれを言うのです。それは今審議会においてああだこうだと言われるけれども、事実において死んでおるのですから、この事実を率直にながめたときに、地方に出ていっておる出先の官憲が怠慢であったということになりはしませんか、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/77
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078・正木崇
○政府委員(正木崇君) 地方の監督官はただいま全国で二百三名おりまするが、これが担当いたしております鉱山は石炭、金属含めまして約四千余りございます。従いまして、私どもの方針といたしましては、災害発生のおそれの非常に多い山に重点を置きまして監督を強化しておりまするけれども、常時つき添って監督するわけではございませんので、監督官が十分誠意を尽して監督をいたしましても、次の監督までの間に状況の変化もございましょうし、また監督官のいない場合に法規に従わないで操業をするということも考えられまするので、監督官に責任が全然ないとは申し上げませんけれども、監督官としては自分に許されたできるだけのことをしておるというふうに私は了解いたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/78
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079・海野三朗
○海野三朗君 私はそれを言うのですよ。あなたは地方の人が十分やっておるのだとおっしゃるけれども、そいつはあなた、あまり甘い見方ではないかということを私は言う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/79
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080・正木崇
○政府委員(正木崇君) その点につきまして従来もやっておりまするけれども、今後も一種の行政監察といいまするか、本省から係官を派遣いたしまして地方の監督官が十分職責を尽しているかどうかということを調べ、また十分な指導もするということを最近きめまして、これから大いに中央の監督を強化いたしまして、監督官の怠慢による災害が起るというようなことがないように指導いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/80
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081・阿具根登
○阿具根登君 そこでたとえば高陽炭鉱の問題でも、これは二月だということを言っておられるけれども、実際調査ということになれば十月ということははっきりしております。ところが今度は経営者側に聞いてみると、これは十分注意しておりましたし、法に触れるところはございません、まことにこういう災害を出して申しわけないけれども、私たちとしては万全を尽しておりました、こういうのです。そうすると一番ばかをみるのは黒岩をかぶって、そうして仕事をして死んでいった人なんです。結局は死んだ人はもの言わないから、 罪をかぶって死んでいく。こういうことになるわけです。そこで私が法の不備だということを言っているわけなんです。これは今おっしゃったように人間は二百三名しかおらない、予算は少いしょっちゅう炭鉱にいるわけにはいきません、こうおっしゃる。そうすると、行かれた場合は、今までも組合に話していると言われますけれども、ほとんどのところは話しておられない、そうして会社となれ合いでやって、注意はもちろんりっぱな注意をされておられる、あるいはそうすると監督局の責任は、それで注意はいたしておりました、これで逃れる。会社はその注意に従ってやっておりました、これで逃れる。そうであるならば爆発するわけがないんですね。それは坑内だから突出ガスもあります。あるいは行き当る場合もあります。そういう不可抗力の場合はあまりない。ほとんど通産局の調べでは、これは保安点検がまずかったとか、ガス検定がまずかったとか、あるいは岩粉の散らし方が悪かった、水のまき方がまずかった、こういうことになるけれども、その責任を負う人は全部死んだ人なんです。これは生きておれば問題にならない。生きておればそういうことが指摘されるけれども、死んでから問題になるのだから、死んだ人が皆かぶっていっている、こういうことになるわけですね。これを注意してもらいたいと思うのと、ガス抜きに今予算を出していると言われましたけれども、何ほど出してもらっておるのか知りませんが、あとで御答弁願いますが、ガス抜きというのは、今考えられているのは、もちろんこれはいいことなんですけれども、抜いたガスを抗外でどう使う、そのガスによって採算が合うか、合わぬかということで研究されているところが多いんです。ところがそういうところはまずいいんです。大炭鉱です。ところが中小炭鉱において、石炭の中に穴を掘ってパイプを通して、扇風機を廻してガスを抗外に持ってきても、そのガスが地上に使われるような量にはならない。そういうところには補助金は出ておりません。出ておったらどこどこに出ておるか、どのくらい出ているかお教え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/81
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082・正木崇
○政府委員(正木崇君) この補助金と申しますのは、ガス抜きの技術を向上させるために工業技術院で担当しております工業化試験、応用研究、この二つの種類に補助金を出しておりますが、二十七年から三十年までに合計二千二百万円の補助金を出しております。それからなおこのガス抜きを実施いたします場合の設備に必要な資金につきましては、開発銀行とも連絡いたしまして、国家資金を低利に利用できるように申し入れを私どもとしては行なっている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/82
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083・阿具根登
○阿具根登君 そうすれば、たとえば天災のおそれのある甲種炭鉱に対してはガス抜きを実施しなければならないとか、あるいはそういうような考え方がおありになるかどうか。今のところではガス抜きが一番新しい災害防止法だということを言われているから、そういうようなお考えがあるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/83
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084・正木崇
○政府委員(正木崇君) もちろんガス対策として最も徹減した方法がガス抜きでございますので、甲種炭鉱についてはあとう限りガス抜きを行うように指導いたしたいと考えておりますが、ただ問題は、技術的な点に入っておそれ入りますが、ガスの所在を予測することが非常に技術的に困難であるという点にありまするので、むやみやたらに岩壁にボーリングをいたしましても、ガスが抜けるものではございませんので、先ほど申し上げました技術研究補助金によりまして、早く的確にガスの不在状況を確認いたしまして、これに対してボーリングを行なってガスを抜くということが必要でございますが、もしも的確な予測なしにボーリングを行いますると、非常にむだな金を使いましてガス抜きの実が上らないということになりますので、この技術研究の結果を待ちまして、的確なガス抜きの指導をいたしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/84
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085・阿具根登
○阿具根登君 昨日常磐炭鉱で十四名の人が死んでおりますが、報告が来ておったなら、自然発火になっておりますが、自然発火でこれだけの大きな災害を起すということは非常に少いのですが、その上御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/85
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086・正木崇
○政府委員(正木崇君) 昨日直ちに本局から監督官を一名、それから平の保安監督部から数名の監督官が現場に参りまして、調査を現在行なっている次第でございますが、ただいままで到着いたしました報告によりますると、坑道の一部に自然発火を起しまして、昨日の午前二時の休憩中の坑員が火煙を認めまして自然発火の事実を知りまして、直ちにこれを保安係員に急報し、保安係員はさらに現場に到清いたしまして自然発火の事実を確認いたしましたので、電話をもってそれより下部にありまする採堀場所の関係者に待避の指令を出しております。関係者は直ちに昇坑いたしまして待避をいたしたのでありますけれども、不幸にしてこの自然発火による一酸化炭素の分量がきわめて多量に上りまして、いかなる事情できわめて短時間に濃度の濃い一酸化炭素ガスが発生し、これが坑道を流れておったかという事実は調査の結果を持ちませんと詳細は申し上げられませんけれども、その待避途中におきまして、一酸化炭素によるガス中毒を起したというように報告を受けております。死亡者は十四名でありまして、軽傷者八名を出した次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/86
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087・阿具根登
○阿具根登君 そこで結論になりますが、御答弁を聞いておりましてもこれで納得のいく、また炭鉱の目に見えないガスの問題でありますから、これは一プラス一は二というように割り切るわけにはいきませんから、非常に問題は残ると思いますが、私どもも、ただ質問するだけじゃなくて、鉱山保安法についても、こういうことをしたならば今よりももっと災害は減るんだと、またあるいはガス抜きにいたしましても、こういうことをしたならばもう少しこういう災害は減るのではないか、こういう問題は研究して差し出しますので、大臣の方でもこれは、鉱山保安法はこれでいいんだと、これを守らせればいいんだということになっておりますけれども、今まで守らなかったというならば、何かそこに不備な点があるはずであります。まあ一般に言えば、法律は、守られない法律を作るのが国会だということを言われておりますけれども、事保安に関する、人命に関する問題は、私はそういう問題ではなかろうと思います。なおまた、これを守らせることができないような保安監督局長であったならば、早々にかわってもらいたい。大臣もかえていただきたい。そうしなければ、こういう論議をしている間にも、そういうガスの中で何万人、何十万人の人が坑内で働いているのです。こういう人命ということをまず考えまして、鉱山保安法に対しても十分な研究と、われわれの今度の改正に対しましても、十分なる一つ御審議を願いたい、かように思います。
それから全鉱山に対しまして、これは甲種炭鉱でございますが、甲種炭鉱に対しまして最近の調査した資料を届けていただきたい。そうして現在はどのぐらい調査されておるのか、二百三人の人が、まあ通産大臣から予算もうんと取ったと言われておりますから、相当今までと違ってひんぱんに坑内の点検をされておる。調査をされておると思いますので、その点を特に厳重に点検をするように、その結果を一つお知らせ願いたい、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/87
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088・石橋湛山
○国務大臣(石橋湛山君) お答えいたします。十分一つ研究いたしまして、またあなたの方から提案される場合には、十分一つ検討して善処するつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/88
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089・海野三朗
○海野三朗君 ちょうどきょう通産大臣がお見えになっておりますから、私はちょっとだけお伺いいたしたい。私は臨時国会のときから、この技術官と事務官との差別待遇についてるる述べて参りましたが、通産省はことにこの技術官と事務官との待遇が差がはなはだしい。で、このことについては官房長官もだいぶ責めつけましたが、根本官房長官の出席を求めて私はこのことをただしたのであります。今日科学技術庁設置法案もでき、科学技術を振興しなければならないというときに当って、この過去における技術官と事務官との差別待遇があっては、はなはだこれは遺憾であるから、これに対して官房長官はどうするのかということを私は迫りましたところが、官房長官は私はこれを閣議に諮りますからという答弁でありましたが、果してその後官房長官からそのことが閣議に諮られたのでありますかどうですか、あなたは閣僚の一人でいらっしゃるから、よく御存じであると思いますが、いかがでござ一いましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/89
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090・石橋湛山
○国務大臣(石橋湛山君) その問題として諮ったことがありますかどうか、ちょっと記憶しませんが、ともかく行政機構の改革に伴って、官吏の待遇の問題は根本的に一つ考え直そうということを申し合せておりますから、それによって御趣旨を何とか実現するようにしたいと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/90
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091・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) 速記をやめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/91
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092・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) 速記をつけて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/92
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093・藤田進
○藤田進君 この際、大臣にお伺いいたしたいと思いますが、近く御承知のダレスさんが日本に立ち寄られるということで、政府は当面の国内国際問題について話し合いをしたいということのようでありましたし、この間先般、昨日でしたか、本会議における鳩山総理の答弁などから、ある程度が明らかになっておるわけですけれども、しかし私どもこの商工委員会に直接関係を持ちます問題、すなわちこのココム・リストの緩和について、御承知のようにイーデンあるいはトルーマン会見等行われても、なかなかうまくいかなかったように私ども思っております。しかしイギリスの場合はまだ日本よりは一等有利でありますしいたしますが、この際、やはりこの問題は通産大臣とせられても特に内閣としてもお話し合いの上で、強力に持ち込んでこれが緩和に努力していただきたいと私は思うわけですが、これについて政府としてはことに通産大臣とせられては、この機会にどのような働きをしようとしておられるか、しまいとしておられるか、全然明らかでありませんので、明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/93
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094・石橋湛山
○国務大臣(石橋湛山君) ダレス氏が来ましても、どれだけ会う時間がありますか、ごくわずかのようです。十八日日曜ですけれども十八日にみえて、何でもアメリカの大使館で三時から幾時までですか、われわれに集ってくれというようなお話しです。それからその晩こっちの総理大臣の晩餐会を三井クラブでやる。その場に、多分総理大臣のところにはあいさつに出るんだろうと思いますけれども、そういうわけですからその間にわれわれとどれだけ話す時間があるかわかりません。機会があれば何を一体話したらいいか、藤田さん、今お話しのようにココムの問題もあり、それから中共見木市の問題もあるし、それから綿の問題もある、それからこの間ジョンストンが来て、どれだけ責任があってしゃべったか知りませんが、ああいう問題もある。いろいろ問題がありますので、しかしこれはてんでんばらばらに外務大臣は外務大臣、通産大臣は通産大臣というふうにやってもよくありませんから、一度政府として打ち合せをいたしたいとかねがね思っていましたけれども、外務大臣が病気で休んでおったので、その機会がなくてつい過ぎておりました。まああしたでもあさってでも、閣議のときにその話をして一度打ち合せてもらいたいと思っております。私としてはこの前フーバー氏が来たときも、このココムの問題をやりました。で、あとちょっと私が新聞記者にそのことを漏らしたんで、何かすぐ取り消しなどやって、非常に神経過敏の様子を見せておりましたが、なかなかデリケートでめんどうな問題であろうが、とにかくこれは一つ問題として出してみたいとは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/94
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095・藤田進
○藤田進君 ただいまのお答えで、それが実現をはかるよう努力するということでありますので、どうか一つ閣議におかれても、その際には、これはぜひ課題の一つとして持ち込んでいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/95
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096・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) 本日の委員会はこれにて散会いたします。
午後三時三十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X01119560308/96
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