1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年四月十七日(火曜日)
午前十時五十四分開会
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委員の異動
四月十二日委員小林孝平君辞任につ
き、その補欠として東隆君を議長にお
いて指名した。
四月十三日委員青木一男君、白井勇君
及び井村徳二君辞任につき、その補欠
として仁田竹一君、長島銀藏君及び遠
藤柳作君を議長において指名した。
四月十四日委員藤野繁雄君、仁田竹一
君、長島銀藏君及び遠藤柳作君辞任に
つき、その補欠として笹森順造君、青
木一男君、白井勇君及び井村徳二君を
議長において指名した。
四月十六日委員笹森順造君、青木一男
君、藤原道子君及び土田國太郎君辞任
につき、その補欠として植竹春彦君、
苫米地義三君、平林剛君及び岸良一君
を議長において指名した。
本日委員植竹春彦君、木内四郎君、山
本米治君及び岸良一君辞任につき、そ
の補欠として藤野繁雄君、瀧井治三郎
君、川村松助君及び土田國太郎君を議
長において指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 岡崎 真一君
理事
大矢半次郎君
岡 三郎君
前田 久吉君
委員
青柳 秀夫君
川村 松助君
菊田 七平君
白井 勇君
瀧井治三郎君
苫米地義三君
西川甚五郎君
藤野 繁雄君
土田國太郎君
政府委員
北海道開発庁次
長 田上 辰雄君
大蔵省主計局次
長 宮川新一郎君
大蔵省主計局法
規課長事務代理 中尾 博之君
大蔵省管財局長 正示啓次郎君
事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
説明員
大蔵省主計局主
計官 上林 英男君
大蔵省管財局特
殊清算課長 岩動 道行君
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本日の会議に付した案件
○国の債権の管理等に関する法律案
(内閣提出)
○閉鎖機関令の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○旧日本占領地域に本店を有する会社
の本邦内にある財産の整理に関する
政令の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/0
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001・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) これより委員会を開きます。
議事に入ります前に委員の異動について御報告いたします。去る十二日付をもって委員小林孝平君が辞任され、その補欠として東隆君が委員に選任され、十三日付をもって青木委員、白井委員及び井村委員が辞任、仁田竹一君、長島銀藏君及び遠藤柳作君が委員に選任、十四日付をもって藤野、長島、遠藤、仁田の四委員が辞任、笹森順造君、白井勇君、井村徳二君及び青木一男君がそれぞれ委員に選任され、十六日付をもって藤原、笹森、土田、青木の四委員が辞任、平林剛君、植竹春彦君、岸良一君及び苫米地義三君がそれぞれ委員に選任されました。又本日付をもって岸、植竹、木内の三委員が辞任、土田國太郎君、藤野繁雄君及び瀧井治三郎君が委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/1
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002・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) まず、国の債権の管理等に関する法律案を議題として質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/2
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003・藤野繁雄
○藤野繁雄君 二十一条に、この各号に該当するところの債権の見込み額がわかっておったらばお示し願いたいと思います。ことに第三号の債権のようなものは、昨年東北地方を視察に回った際においては、具体的にいろいろと金額を書いて、こういうふうな小さい債権はなるたけ早く整理するようにしてもらいたいと、こういうふうな希望もあったから、政府に申し入れておいたところ、今回この法律によって、そういうふうなものは整理することになったのでありますが、そういうふうな点から言えば第一号、第二号、第三号に該当するところの債権は、ある程度大蔵省の方ではわかっているはずと考えておりますので、それを御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/3
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004・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) まことに申しかねるのでございますが、この二十一条の関係に、一号、二号、三号と一項に出ておりますが、これに該当する債権がおのおの幾らであるかということについては実は調べがございません。現在実はこの債権全体につきまして、債権が発生いたしました場所から順々に上の方に報告が参りまして、そうしてしかるべく種分けをつけて、これを整理いたしますという組織が実はまだできておらぬものでございますから、これらのものを全体としてどのくらいあるかということにつきましては、実は個々の調べがございませんわけであります。ただこういうような、ここに掲げてございますような債権が金額においては必ずしも多額なものではございませんと思いますが、件数において相当たくさんある。それらのものが非常に事務を阻害する、それから債務者の方にとりましても、非常にわずかな債権で役所の方から取りにもきてくれないということで、整理に困るというような分がございますることは、たびたびこれは承知いたしておるところでございます。問題の存するところであるということにかんがみまして、このような措置を講ずることといたしておるのでございますが、的確にどのくらいこの金額があるかということについては、現在まだちょっと調べる方法がございません。個々のいろいろな話は聞いております。いろいろな分担金の類でございますとか、進駐軍労務者の給与の過払いといったような、こまかいもので非常にたくさんあるという、いろいろなお話を個別には聞いておるのでございますが、この法律ができまして債権管理方式が確立いたしますというと、統一的な報告制度が確立いたしまするので、いずれは国会に御報告申し上げるという段取りになると存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/4
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005・藤野繁雄
○藤野繁雄君 昨年東北地方を回った結果によるというと、大蔵省まで全体のものがきているかどうか存じませんけれども、視察個所は明らかになっているんですよ。それだから、こういうふうなものだから、こういうふうなものは徴収する費用がかえってよけいにかかるんだから切り捨ててもらいたいというようなことだったから、帰ったらば国会で何とかそういうふうなことをしようという約束で帰ったのでありますが、今度皆さんの方でこの法律案を出していただいたということは非常にいいことだと思っている。それだから、そういうものはわかってるはずだと思うのです。わからぬのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/5
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006・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) 統一的に報告を申し上げてこれだけというふうな調べが、実は現在法律にございませんような関係でないのでありますが、具体的にはたとえば薪炭特別会計の決算の数字であるとか、旧公団関係の分であるとか、もともと小さいもの、あるいは例のインフレの関係で非常に無価値に近くなったものというようなものが多々あることは万々承知しておるところでございまして、今回の法律もまさにそういう事態に対しまして便宜の措置を講じたいと考えて提案いたしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/6
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007・藤野繁雄
○藤野繁雄君 それから第二十四条、第二十四条の第一項の第一号ですね。「債務者が無資力又はこれに近い状態にあるとき」、こういうふうな場合においてはその履行期限を延長する特約または処分をすることができると、こういうふうなことになっているのでありますが、具体的には、これでわかるように思うのだが、どういうふうなものなんですか。こういうふうなものどのくらいある予定ですか。それでこれは第二十六条の第一項の「担保の提供を免除し、又は利息を附さないことができる」と、こういうふうなことにも関係があるし、また三十二条の免除の規定にも関係があるようですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/7
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008・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) これも別に具体的にこれがどのくらいあるというような的確な調べがあるわけでは実はございませんのでありますから、要するに、債務者が全然無資力である、あるいは単に生活しておるだけでございまして、最低の生活をしておるだけである。全然これを支払う能力がないという状態にある場合ということでございます。これらの債権につきましては従来はまあいい法律で定期貸し据置貸しというような措置をとりまして、そういう長期のものに切りかえまして処理をいたしておったものがございますが、おおむねそれらの部類の債権がこれに該当することになると存じます。それらの部類の債権だけでございますると、従来法律がございました関係で、一応の数字があるのでありますが、約一億一千三百万円ばかりの金額になります。しかしながら単にこればかりでございませんで、この法律を施行いたしまするというと、今まで管理が不十分でありましたため把握できなかった部分がだいぶ出て参ると思いますので、適用される債権はこれよりだいぶ上回るんではないかと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/8
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009・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうすると、それに関連して、この二十六条の第一項によってみれば「政令で定めるところにより、担保の提供を免除し、又は利息を附さないことができる」と、こういうふうなことで、政令案をまだ読んでおりませんが、こういうふうな無資力者だから、担保を提供させようと思っても、担保を持たないと、それから取り立てようと思っていても、取り立てることができないから利息を付さない。こういうふうな二十四条の第一項第一号の問題と今の二十六条の問題は関係があるのですね。それと三十二条の免除の関係ですね。そういうようなものは、その関係をちょっと説明していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/9
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010・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) 今申し上げました二十四条の一項一号、この場合は履行延期の特約をいたすことになるわけでございます。特約をいたします場合には、原則といたしまして担保を提供させ、かつ利息を付するということになる、そのかわり履行期限延長の利益を相手に与えるということになるわけでございます。この場合に二十六条の一項のただし書におきまして、「政令で定める場合には、政令で定めるところにより、担保の提供を免除し、又は利息を附さないことができる」となっておりますが、この場合には、先ほど御指摘のございました無資力の場合、これに近いようなもの、適当なそういう担保を供する能力がないものも、この政令の定めるところに予定いたしております。それから特殊な必ずしも無資力というような条件でございませんで、債権の性質上まあ利息を付することが実情に即さないというようなもの、あまりこれはあるべきものではないと思いますが、たとえば授業料が非常に滞納になった。しかし非常に何かの事情がございまして、教授会なら教授会の決定でその方を卒業させちゃった。これはまあ延期でゆくというふうなことになりまして、状況によりましては利息を付さないことがある。あるいは市中一般の良識なり何なりによるものもあるかと思います。最近いろいろございますので、民間の債権に合せて似たようなものもございます。国特有のものもございますので、そういうような場合がいろいろあると思います。従ってこの政令の定めるところによれば無資力の場合を含めまして、そのほかの場合も考え得るわけでございます。さらにこれはいよいよ最後の免除の規定でございますけれども、これは直ちに免除ということにいたしませんで、一応今の履行延期の特約をいたしまして、それで十年間を経過いたしました後におきまして、なお同じような状態にあると、しかも将来もまず返す見込みがなさそうだというような場合におきまして、この免除をいたす、こういうことにいたしておるわけでございます。従って無資力状態は、一定の状態であります。相当期間の経過を待ちまして、その間履行延期の特約を講じまして、それで最後にその状態の継続を確かめてから免除をいたす、こういう考え方をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/10
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011・藤野繁雄
○藤野繁雄君 それから第二十四条の第一項ですね、第四号は、「所定の履行期限によることが公益上著しい支障を及ぼすこととなるおそれがあるとき」、とこういうふうになっておりますが、公益上著しい支障を及ぼすということはどういうようなことなのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/11
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012・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) これも実はいろいろな場合があるかと存じまするが、さしあたり私どもが頭の中に入れておりましたのは、主として地方公共団体の場合でございます。地方公共団体につきましては、いろいろな徴収その他の関係から特例を設けなければならないと思いますが、これは強制執行をいたすべき筋合いのものではございますが、事情等にもよりますので、特別な取扱いをいたしておるところがございます。この履行延期の特約をいたします場合におきましても、とにかくこういう公益上必要なる生活を営んでおるわけでありまして、その地方公共団体の公益上必要な活動を営むに支障があるというような事情が認められました場合に、その徴収を延期したいと考えております。もちろん地方公共団体であれば、すべて公益上支障があるというわけではございません。特定の余裕の資産がある、あるいは資力が認められるということで、通常の公益活動に支障のない場合には、公益上著しい支障を及ぼす場合ということにはならないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/12
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013・藤野繁雄
○藤野繁雄君 それからそれの第五号ですね、「損害賠償金又は不当利得による返還金」ですが、この損害賠償よりも不当利得による返還金というようなものは、ちょっとこういうふうなところに書くのはおかしいような気がいたしますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/13
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014・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) これは損害賠償金の方はまあ不法行為のような場合でございます。それから不当利得の場合には、たとえばあるものを国に貸しておった、ところがそれに対して国の方で何か造作を建て増しするなり何なりしてその用に供して、それをそのまま返すといったような場合、不当利得を相手に与えることになります。そういうようなものの国に対する返還金の場合を考えておりますが、いずれにいたしましても、売買でございますとか、貸借のように発生原因が契約によりまして、本人の意思に基いて当然そういう債務を支払わなければならないものであるという心がまえのもとに生じた債権と異なりまして、突発的に生ずるものでございますし、これらにつきましては、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難だというようなことが、条件が備わると同時に、その弁済につきまして誠意をもっているとき、またその誠意を欠く場合については、あくまでも手続をとるということでございましょう。誠意のございまする場合には、世間一般の常識に従いまして、普通に平穏に処理しておるところにならいまして、円滑に処理をいたしていきたい、こういうことでございます。従いまして一応これは同列的な意味で取り扱っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/14
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015・藤野繁雄
○藤野繁雄君 今の不当利得による返還金は、そう生やさしいやり方じゃなくて、どんどんどんどんやっていいじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/15
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016・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) もちろんその相手に誠意がございません場合には、これは追及するにやぶさかであってはならぬと存じまするが、間違って自動車をどこかの役所の門柱にぶつけてこわしたような場合には損害賠償金でございまするし、だれか会計の職員が間違いまして俸給の過払いを受けた、本人も気がつかないで、それをそういうものだと思って使ってしまったところが、あとであれは過払いであったというような場合に、もちろん相手がそれを支払う能力がございますれば、これを追及するにやぶさかであってはならないのでございまするが、それを払う、一時に履行することが、全部裸にしてしまえばできないということでもないにしても、履行することが非常に困難な状態にあるというような場合につきましては、まあ世間一般におきましても、それではまあ払えるだけこれだけお払いなさい、あとの分についてはあなたはこういう収入があるとすれば、それで毎月幾らずつ入れなさいとかいうような話し合いというものがございまするが、その辺をまあ考えまして、国の債権につきましても、そういう世間で一般に行われておりまするような取扱いに準じまして処理いたしていきたいと、こう考えた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/16
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017・藤野繁雄
○藤野繁雄君 それから第三十三条の第三項、これは読んでどうしても私は意味がわからないので、説明していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/17
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018・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) これはいろいろなことが一つに書いてございまするが、要は「国立学校の採業料に係る債権」、これは例示でございます。「その他政令で定める国の債権及びこれらに係る延滞金」というものについての規定でございますが、これらの債権につきましては、おおむね本来利息を付するというような考え方の熟さない債権でございます。これは債権の性質によるということであろうと存じまするが、たとえば国立光明寮のあんまを修得しておる生徒の食費の未払いであるとか、それから学校の授業料であるとか、こういうようなものが納期に納まりません場合もままありますが、その翌日から直ちに利息にかわる延滞金をとるというような考え方は、まず債権の性質といたしまして穏当でなかろうと考えますので、これらのものを免除したいという規定でございまするが、その免除の仕方がちょっとこみいっておりますが、「弁済金額の合計額が当該債権の金額の全部に相当する金額に達することとなった場合」を書いてございます。「場合には、政令で定めるところにより、その時までに附される延滞金の額に相当する金額の全部又は一部を免除することができる」、弁済される金があるわけでございまして、これはもちろん元本は弁済していただかなければならぬわけでありますが、弁済されますと、まず利息に充当されるというのが原則でございまして、それが利息、延滞金に充当され、それがすっかり充当されたときに、なお余裕があれば元本に充当されるというのが民法の原則でございまするが、この場合にはそういうふうな民法の原則に従った弁済がなされるということでございまするけれども、そのような民法の弁済金のこの金額の合計額があるいは延滞金の分であれ、延滞金を超過いたしまして元本を償還した分であれ、合計金額が当該債権の元金の金額の全部に相当する、ちょうど元金額までは返したという金額、元金額に一致した金額まではとにかく払ったという場合には、そのときまでに付される延滞金の額に相当する金額の全部または一部を免除しよう、こういう規定でございます。要は要するに元金だけ充当してくれ、あとは免除してやろうという規定でございますが、民法の原則がございますので、間接に元金に相当する弁済がなされれば、その余の延滞金につきましては、事情によりましてその全部または一部を免除することができるという表現を用いたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/18
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019・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうすると、わかりやすく言えば、国立学校の授業料にかかる債権は都合によっては授業料の元本だけ払えば利息は免除することがある、こういうふうなことになるのですか、さらっと読んだら。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/19
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020・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) まさにそういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/20
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021・藤野繁雄
○藤野繁雄君 それから附則の第三項で二つの法律が廃止になりますが、この廃止になる政府貸付金処理に関する法律、租税債権及び貸付金債権以外の国の債権の整理に関する法律、この二つの法律の該当の債権額は調べたものはありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/21
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022・上林英男
○説明員(上林英男君) ここに二つ法律が並んでございますが、初めに政府貸付金処理に関する法律と申しまするのは、昭和十年に制定されました法律でございまして、その当時の震災貸付金あるいは復興事業貸付金と言いましたような特殊な貸付金につきまして、貸付条件または元利金の支払い方法を延期するというようなことができる法律でございまして、その金額は一億七千百万円ございます。それからその次の租税債権及び及び貸付金債権以外の国の債権の整理に関する法律は、昭和二十六年に制定されました法律でございまして、趣旨は租税債権及び貸付金債権以外の債権で、一時に納付することが困難でありまするものにつきましては、定期貸しまたは据置貸しというふうな条件に変更することができるという趣旨の法律でございますが、この法律の適用を受けまして据置貸しまたは定期貸し債権になっておりましたものが、先ほど申し上げましたように一億一千三百万円ございます。この法律の趣旨はいずれもこの新しく御審議願っておりまする法律案によりまして、履行延期、その他の一般原則が定められることになりまするので、廃止してこの法律に吸収しよう、こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/22
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023・岡三郎
○岡三郎君 おくれてきたので重複する面があるかもわかりませんが、この提案理由の中にですね、「官庁内部の連絡が不十分であったことや担当職員の措置が適切を欠いたこと等のため、債権の徴収不足や徴収手続の遅延を来す等、国に損害を与えた事例を見ますと」、こう書いてありますが、今回の場合は、まあそういうふうな問題の処理上、債権に関する契約等の内容ですね、こういったものはいろいろと規定されておりますが、三十六条の九項にまあいろいろと条項があるのです。「第四号又は前号に規定する指示による場合のほか、次に掲げる場合には、当該債権の全部又は一部について、履行期限を繰り上げることができる」等で、いろいろとまあ従わない場合についてのいろいろな条件があっちこっちに散見するわけですが、こういうような内容規定をもって契約をした場合においても、その条項に対してさらにそれを守らない場合にはどういう罰則があるのですか。「延滞金として一定の基準により計算した金額を国に納付しなければならない」とか、いろいろなまあそういう条項があるのですが、そういうことをやらない場合にはどうするのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/23
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024・上林英男
○説明員(上林英男君) この債権管理法は、国が債権の主体として国以外のものに接するわけでございまするので、従って奨約条項違反その他の条項等がございますると、ここに書いてありまするように、あるいは履行期限を繰り上げて一時に償還させる、また履行期限に支払わなければ延滞金をとる、あるいは契約違反であれば違約金をとる、こういうような経済的な制裁を加えることになりまするが、それ以外には罰則というものはないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/24
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025・岡三郎
○岡三郎君 そんなものでしたら、私は従来の決算委員会の報告書等に基いてこれを見るならば、私はその程度のいわゆる罰則に値しないそういうやり方では、能率が上った処理ができぬと思う、こういうことでは……。今までの例を見ると、再三再四督促して延滞その他の問題をつけてやっておって、その人間がいなくなっちゃったり、あるいはその人間が、故意にそういったものに対しては遅延させるということを再三再四やっておるんです。私はきょう決算委員会の報告書を持ってこないのだけれども、そういう部面のいわゆる国に与える損害というものはまことに顕著なものがある。だからそういったものについて再三再四督促し、催促した場合に、なお、それに応じない場合に、民法上のどういう規定に当る罰則を与えるのか、あるいはこういう法律自体でそういうものに対して強制執行するなり何するなり、いろいろな方法を考えておかなければ、こういうやり方では、内容規定だけ書いてあるけれども、その内容について履行しないそういう連中が多いから従来も実績が上らなかった。だからこれでは私は竜頭蛇尾で、まことにこれはルーズな法律だと、こう思うのだが、そういう点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/25
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026・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) 今の条項でございますが、この条項は直接に相手を拘束するということではございませんので、新しく国が債権を発生させまする場合には、あらかじめなるべく円滑に争いなく、とりやすいようにこういう条項を定めて契約を結ばなければいかぬということにいたしまして、第一段の保証をまず設けてあるわけであります。しかし不幸にいたしまして、こういうふうになれば、相手の方におきましても、一応こういうことを予期いたしまして、それで一応の覚悟をきめまして契約に応ずるということに相なろうと思いますが、これによってまあ第一段、平穏に処理するという可能性を実は希望いたしておるわけであります。しかしながらなお不幸にいたしまして、相手が誠意がございません、その履行をいたしません、あるいはこの条項を守りませんというような場合におきましては、強制執行をいたすことになっております。この点につきましては、御指摘の今の点でございますが、従来その債権管理の法制がととのっておりません関係上、何回督促すれば強制執行しなければいかぬか、裁判所にどういう場合には持っていかなければいかぬかというようなことにつきまして、だれが一体責任を負います。役所の中でそういう手続を遅滞なくとんとんと進めていくということの態勢が必ずしも法制的に整っておりませんのでございます。従って実際問題としては行われておった場合が多いと思いますけれども、事態が非常に困難な場合でありまするとか、事情が複雑しておる場合とか、件数が多い場合等におきまして、必ずしもその時期の適切を得ませんで、極端に申しますれば、ついこれを放置というと行き過ぎかもしれませんが、取り扱いにおいて適切を欠くというようなことがございまする可能性が多かったわけであります。今回は、第十四条におきまして一応督促をいたします。で、なおそれを履行いたしませんという場合には、第十五条の一号から三号に掲げておりますいずれかの措置をとらなければいかぬということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/26
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027・岡三郎
○岡三郎君 今の点で大分わかりましたが、しかし実際問題として、いわゆろ履行期限を延長したり、いろんなことをやって、なお、その場合に強制執行したりあるいは法務大臣に対して訴訟手続をすると書いてありますが、虎の門の公園の跡の処理、ああいった問題についても、これは都庁に貸してあるということで、あそこの自動車会社がいつのまにか不法占拠した形で、決算委員会で問題になった。法務大臣が訴訟手続をしたが、何年たったって、未だもって解決しない。しかもあれはゆうゆうとしてやって、使用料とかまたは延滞利子とか、そういったものについてもどうなっているか、はっきり見通しがたたないような状態だった、前は。そういうふうな状態で、とにかくちゃっかりしたものにかかったら、なかなか今までは解決しない場合が多いわけなのです。一応体裁は整っているが、そういった場合に最終的にそういう問題はどうするのです。ただ法務大臣が訴訟手続をして、訴訟をやらしても何年たっても解決しない。そういうふうな場合に、これを強制執行をするということを書いてありますが、強制執行をしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/27
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028・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) すでにその前の段階におきまして、いろいろ平和に役所の内部におきまして係官が手ぬかりなく管理していかなければいかぬという段取りの方は整えてあるのでございますが、すでに事が訴訟にかかりました場合には、これはもう訴訟の手続に従って権利を確定いたして処理をいたすというよりほかに方法はないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/28
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029・岡三郎
○岡三郎君 そうするというと、最終段階においては幾らでも裁判はやっているということになって、なかなか処理がつかぬということだな。そういうことに対して何らかほかに方法がないのか、そういう問題を強制執行に移すというわけにいかないかな、裁判にかかっている場合は。仮処分とか何とか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/29
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030・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) 債権の内容を、実際に訴訟が終決いたしました場合に、権利が確定いたしました場合に、その内容を確保するために必要であるという場合の仮処分の手続はもちろんできることになっておるわけであります。国としてもこれは申請はできます。今回の債権管理法におきましても、そういうことをいたしておきませんと、訴訟に勝っても何にもならぬというような場合のおそれがあります場合には、担当官はそういうことを、仮処分の申請をしなければならぬということを、今度は手続づけておりますので、その手段はございます。すでに訴訟にかかっておりまする権利の確定につきまして、これを訴訟以外の方法で解決するということは、ここにございますのが大体国の公権に基きまする債権ではございませんで、普通の経済的管理行為に基きまして発生いたしましたる債権でございまする関係上、裁判にかわる執行の方法を考えるということは、一応私どもとしては考えておりませんのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/30
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031・岡三郎
○岡三郎君 とにかく国の債権に対してルーズな官庁の右翼をなすのは私は大蔵省だと思うのです。大蔵省の国の債権に対するやり方はまことにルーズだと思います。私はこの次に——きょうあげてもらうことは、これは反対なんだけれども、実際問題としてどの程度今まで具体的にそういう国の損失を防止してきたかという点については、まことに憂慮にたえないものがある、これはあなた方も決算報告書を読んでいられると思うのですが、ああいうところを見ても、相当ルーズなんだ、やり方が。これを法律がかりに可決されて施行されても、ああいうふうないわゆる処理の問題をどの程度やるかという法の運用というものを考えていった場合に、ねかなかこれは一くせもある連中を相手にしては能率が上らぬじゃないかと、こういうふうに思っておるわけです。ここにもいろいろとありますが、それに関連して、たとえば「債務者の資力その他の状況を考慮して、五年または十年以内の期間において債権の履行期限を延長することができる道を開き」云々と提案理由書の中にありますね、この査定については一体どうするのですか。「債務者の資力その他の状況」というものはどの程度勘案するのか、どういうふうにして勘案するのか、その具体的は方法をちょっと聞いてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/31
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032・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) 今の御指摘の点につきましては、第三十八条に「大蔵大臣への協議等」という条文がございますので、これで履行延期の特約等をいたしまする場合、これを大蔵大臣に協議することになっております。しかしながらただし書きがついておりまして、「各省各庁の長が大蔵大臣と協議して定めた基準により当該各号に規定する行為をする場合は、この限りでない」ということになっております。今御指摘の点は、まさにこの基準であろうかと存じます。これにつきましては、実はこの法律が初めて施行になる法律でございますので、当然基準が必要であるということは、まさに御指摘の通りでございます。この基準につきましては、すべてその担当官の指示にまかせてはいかぬと思います。各省庁を通じまして、国と国民との関係におきまして、妥当なる線におきまして、この法律の規定の精神にも照らし、妥当なる線に統一して規定はいたしていきたいと思います。当初はおそらく各省各庁の長が従来の取り扱い振りを大蔵省の方にいろいろ相談に参ると思います。それに対して個々の承認を与えまするうちに、だんだんと基準といったようなものを作って参りたい。穏当な線に固めたいと考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/32
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033・岡三郎
○岡三郎君 そうすると、今のところはそういうことは考えておらぬわけですか、基準というものの内容は具体的に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/33
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034・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) 成文にいたしましたものはまだ用意いたしておりません。一応その気持といたしましては、この二十四条に掲げてあるようなものでございます。これに該当する具体的な場合はいろいろ出てこようと存じます。それが担当官によりましては、これに該当すると思うような、担当官によりましては、これに該当しないというような、いろいろな具体的な適用の事例が出て参ると思うのでございます。それらの場合につきまして、これこれの場合にはこうすべきであるという基準を立てまして、立てると同時に、当該担当官のみならず、その他の管理官にも逐一それを徹底いたしまして、逐次その取り扱いを統一いたしまして、統一的な取り扱いをしていこうということでございます。何分にも債権の履行延期というようなことにつきましては、従来明文の規定がございません。実際問題としては行われておらなかったのであります。従って従来の事例といったようなものも、表向きのものは実はございませんわけです。しかしほかの事例、その他の債権の取り扱いとか民間における一般の民事的な取り扱いの例であるとか、そういったようなものを十分に参酌いたしまして、さらに国の債権に特有はいろいろな具体的な事情を考えまして、適切なる基準を設けて参りたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/34
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035・岡三郎
○岡三郎君 結局いろいろとその条文についての勉強がまだ不十分ですから、突っ込んだ質問ができませんけれども、とにかくこの国の財産なり、この債権の管理というものが非常に重要で、しかも今までルーズであったということは、少し検討していくものにとっては、ゆるがせにできないものであると思う。それで今回この法律が出るということで、われわれも非常に喜んでいるわけですが、結局この法律をどの程度実行して、どの程度効率をあげるかということは、まあ今言ったように、非常に具体的にやっていく場合に、多くの問題を私は持っておると思うのです。そういったようなものを、各省各庁が大蔵省の統一のもとに確実に実行していくということによって効果があるようになるだろうと思うのですが、実際の問題としては、放置されておるような物件が非常に多いわけです。だから債権のみならず、国有財産においても莫大なるものが知らぬ間に使われて地上権が発生するというので早く片づけなければならぬという指摘を受けておるような状態で、債権の部面もまたしかりと思うわけです。こういうこまかいいろいろな条件をつけてやった場合に、どの程度大体この国の債権を確保する見通しがあるか。それを一つ、見通しをちょっと聞いておきたいと思うのですが、要するに今までその国の債権というものに対して、取り立てがルーズであったというのが、この法律の規定によってどの程度上昇するか、一つ概略でもいいから、見通しを一つ聞かしてもらいたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/35
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036・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) 御指摘の点でございますが、債権の徴収がルーズである、あるいは管理が適切を欠いたために時効にかかったり、あるいは債務者が不分明になったりというような事例は、多く報告されておるところでございまして、これらの事柄を防止いたしまして、ちゃんとやっていくというのが、この法律の目的になっております。従ってこの法律を実施いたしますに当りましては、ただこの法律を出すだけだということでは、これはどうにもなりませんので、まず担当官といったようなものに対しまして、十分にこの法律の趣旨を徹底いたしまして、こういう段取りで仕事をするものである、こういう責任、職責があなたにはあるのである、こういう仕事を処理したら、次はだれにどういうふうに受け継ぐべきであるといったようなことを、少くともこの法律を知らなかった、十分に理解していなかったということのないように努めまして、その期間、相当時間もかかると思いまするが、なお法律施行早々であったから、これは無理もないというような、そういうなまやさしい感じの起らないように、当初から確実にこれを理解させまして、この規定の通りに実施していきたいと考えておる次第であります。従いまして、この法律を実施いたしました暁におきましては、そういうまあ非常に悪意と申しますか、あってはならぬことでありますが、故意に基くものであるとか、あるいは通常だれにも予定しなければならぬ過失に基くものであるというようなもの以外につきましては、間違いの起ることの絶無を期しておる次第でございます。もちろんその結果につきましては、債権の現在高につきまして、今後国会に毎年御報告することになっております。それによって、その結果もわかるわけでございます。さらに批判の機会もございますので、政府といたしましては、この法律の徹底と、厳正なる施行ということに全力を尽しまして、御期待に沿いたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/36
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037・岡三郎
○岡三郎君 この各省各庁に設けられる債権管理官というのはどのくらいの数なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/37
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038・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) 数の的確なところはちょっと御即答いたしかねますが、予定いたしておりますのは、各省各庁の本省におきましては局長、おおむね各行政分野におきまして、実際の債権の発生、消滅に関連いたします業務の事務的な各分野の最高の責任者という意味におきまして局長でございます。それから地方におきましては各支分部局の長がこれに当ることにはります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/38
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039・岡三郎
○岡三郎君 代理債権管理官というのは、そうなるというと、それは課長かだれかになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/39
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040・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) これは臨時の場合に、事故のあった場合にかわるものでございますから、通常の業務の場合と同じく局の次長、あるいは部長といったようなものが指定されることになります。地方におきましても、それに準じた方になるということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/40
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041・岡三郎
○岡三郎君 分圧債権管理官というのはどういうのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/41
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042・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) これは本則に対しましては例外的は場合を考えておるのでございますが、地方の部局におきましては特定の地域に対して出張所等の相当大きなものがございまして、そこで半独立といいますか、特定の行政の流れの祖業部分をそこで処理しておるといったものがございました場合、そこの長を分任管理官に指定するということが考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/42
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043・岡三郎
○岡三郎君 そうするというと、今までの説明によると、みな兼職ということになるのですが、これは独立した仕事を執行するというわけではないのですか。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/43
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044・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) これは独立と申しますか、もちろんこれは普通の一般の公務員であるわけでありますが、それから組織的には何らかの組織の管理者でもある。それから業務上においても何らかの責任を負った人でありますが、この債権管理法の適用の関係におきましては、債権管理官たる職責を有するということにはります。債権の管理だけを専管するという趣旨のものではございません。非常に何か特殊の場合にほとんど債権の管理だけをいたしまする特定の部局といったようなものがございまする場合には、業務即債権の管理であるというような部局がもしできましたら——現在はそういうようなものはございません。その場合には専任者になるわけでございます。しからざる場合はいずれも会計課長が支出官になっておるといったような姿と同じでございまして、債権管理という一つの管理組織のユニットといたしまして、役職の中の相当責任のある、それからこれは債権の管理面の法律でございますが、一方でうらはらになります実際の行政とも密接な関係がございます。その責任者ということに考えておるわけでございます。従って債権管理だけを業務とするという人をということは、ちょっと現在では考えられません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/44
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045・岡三郎
○岡三郎君 そうするというと、従来のやり方というものは変らないわけですね。ただこういう名前をつけて責任の所在を明確にした、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/45
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046・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) 従来といえども債権管理という業務はあったと心得ます。それはそのほかの行政と区別して意識されておらない。しかしながら当然それには職責を伴ったものであると考えられるのでございます。それが債権管理という観念のもとに意識されておりません関係で、従いましてそれの手続それに固有の職責といったものが明瞭に法律上の規定に定められておらなかったわけでございます。それが今回のこの法律によりまして、債権管理という面が、ほかの業務と渾然一体となっておりましたのを、特にこれを摘出いたしまして、その面だけを組織立てまして、そうして特定の人に特定の権限を集中すると同時に、ほかの人はそれに関係できないことにする。その集中された人は自己の責任におきまして、この法律の規定しておりますところの段取りに従いまして、遅滞なく仕事を運んでいかなければならんという仕組みを考えておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/46
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047・岡三郎
○岡三郎君 そうすると、従来の欠陥といいますか、国の債権の取り立てというものが徴収不能になったり、あるいは遅延を来たすというふうな点から国に損害を与えた。こういう事例に対する欠陥ですね。これをこういうふうな方式によって、そういうことがないようにするというふうに言われたのですが、人の面で、人が足りなくていろいろの場合に仕事が渋滞したのか。その責任の所在といいますか、債権管理をするものが不明確であったりして、そういうふうな事態が起ったのか。その点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/47
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048・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) 御指摘の点はそのいずれでもあるという関係であると思います。ある意味でそれが両者また因果関係もあるわけでございまして、大体先刻御指摘のありました通り、普通の行政の業務の中で、債権の管理業務が特に取り立てられまして、特別の考慮が払われる面が非常に少かった。もちろん大事な債権につきましては、従来からいろいろな制度があったわけでございますが、一般のこういう民事の債権につきましては、そういう点がございませんでした。早い話が債権を各省各庁におきましてどのくらいあるかというようなことをすみやかにずっと整理をするという報告制度ですら完備しておらないのが実情でございます。こういうような点から、一体こういう仕事は的確に処理していかなければならない。それにはどのくらい人数がいるかというようなことの見当もつかなかった点もあると思います。従って人数が足りないということが原因で、適当な処理ができなかった直接的な場合もございましようし、それから適切な処理をいたすべき態勢がないために、適当なる人数がそこに割当てられなかった面もあろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/48
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049・岡三郎
○岡三郎君 具体的に聞くと、十一条に、一応帳簿を備えてそれに記載しなければならないと書いてありますが、こういったような帳簿を備えて「債務者の住所及び氏名、債権金額並びに履行期限その他」云々と、こう書いてありますが、こういつたことの帳簿は従前もあったでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/49
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050・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) もちろんこういうものはございまして、ただ債権管理法という法律に基く法定の帳簿といいますか、法律上整備をする必要があるということにはなっておりません。実際に国が債権を管理しておるのでございますが、それに従事しております職員もおるわけでございまして、それらの職員が帳簿を備えておりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/50
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051・岡三郎
○岡三郎君 こういう帳簿その他の記載、そういったものが従前不確実であるといったようなことはないのですか。つまり記載すべき点を記載しなかったり、そういった点が各省各庁において相当でこぼこがあったりして、非常に工合が悪かったというような、そういう欠陥はなかったんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/51
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052・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) 帳簿その他は、当然債権を管理いたしておりますので、ございましたわけでございますが、その帳簿が法律に基くものでなかった。それからだれの責任でそれを記帳すべきであるか、それからいかなる事項を記載すべきであるかといったような統一的な統制はなかったわけであります。ただ一般民事の債権として、債権者が善良な管理者の注意をもって管理しておるに足るものは備えておったと思います。ただ役所の中はやはり組織で動いておるものでございますから、債権が発生しましたときに、これを債権管理官に遅滞なく通知をして、債権管理官におきましてはこれを記帳しておく。その後変更があった場合、あるいは消滅した場合等に、遅滞なくこれを受け取りまして常に帳簿に記載いたしまして、これを完備しておくというような的確なルールが、普遍的なものがございませんでした。そういうような点から手違いも生じ、あるいは見のがすことも起るというようなことも多かったと思います。これらの点につきましては、この法律ができまして、この通り行われますれば、一応そういう事例は皆無になる筋合になっておるわけであります。会計検査院の批難事項等を見ましても、帳簿の記載、その管理ということが十分でなかったことに起因する批難事項も若干散見されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/52
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053・岡三郎
○岡三郎君 そうするというと、各局の局長とかそれにかわるべき次長なり部長なりが債権管理官になって、そうして地方庁における長にもそういう責任を持たしてやる。その下の具体的な仕事は従前のようにその各局の課なり係において整理させるのですか、それはどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/53
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054・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) おのおの役所の組織に従いまして、従来通りその担当の各係におきまして実際に、実務と申しますか、作業に従事いたしまするものがございますることは従来通り、もちろんこの規定ができまするので、いろいろ手続も整って参ります。そういう関係の人間もさらに整備されると存じます。これらの人は債権管理法の関係では債権管理官の補助者という関係になるわけであります。債権管理官はこれらの人の全部整理いたしましたものにつきまして、一件々々説明を聞きまして、めくら判ではなく、ほんとうに自分で確認をするという職責があるわけでございます。もちろん地方の小さな部局におきましては、御本人でもって処理されるという場合もないわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/54
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055・岡三郎
○岡三郎君 もうこれで終りますが、その債権管理官という仕事ですね、これを普通の各局長なり部長なりに兼任させないで、独立してやらせるというふうな考慮はないんですか。つまりいろいろと契約したり何かするそういう仕事と独立さして、これはこれで管理一本でやらせる。そしてその処分とか、そういったものについてもその人間が別個にやるとか、そういうふうな形でそれを専門にやらせるという程度にまで、これをしなければ、そう能率が上るとも思われないのだが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/55
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056・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) この法律の施行に伴いまして、債権管理の手続が非常に精緻になるわけでございます。整ってくるわけでございますが、実際問題といたしましては、こういうことは従来もやっておるべきことであり、一応役所の組織の中におきまして、通常の業務として行われておったことででございます。従しまして、しかもそれは債権の発生の原因となりする各般の行政の一環といたしまして行われておったものでございます。従ってこれだけを特に取り立てるということは、必ずしもその必要がないものと思われます。ただ先ほど御指摘のございました、たとえば大蔵省あたりですね、特に困難なる債権を多く管理している、それ自身が本業になっておるような形に近くなっておりますが、そういうようなところにおきましては、補助者が債権管理、相当高級の補助者が債権管理の補佐官として、相当責任を持った方がこれに当るということが必要になって参ると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/56
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057・岡三郎
○岡三郎君 そうすると、大蔵省においては、各省庁で会計をやっている専門の人がいますね、この下の方にはずっと会計なら会計の仕事をずっとやっている人がありますね、ああいうような方式で債権管理をする人を、相当むずかしい問題については専門的に養成し、熟練させないというと、私はやはりなかなか手が込んだやり方なので能率が上らない。まるでみんな裁判にかかってしまうようなもので、いつまで立っても実効が上らないというような場面が出てくるのではないか。そういうふうな点については、今大蔵省自体においてはそういうふうに考えておるということですが、能率が上らなかったところには、そういうふうな独立したものを置くようにならないものでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/57
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058・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) 今大蔵省の話がございましたが、大蔵省自体の業務に伴いまする分は、実はあまりないのでございまして、会計課あたりは普通の省と同じことをやっておるわけでございます。ただ特殊な公団の引き継ぎ債権でありますとか、政府の整理資産の債権でありますとか、そういうようなものを管理いたしておりますもの、これは主として地方の事務局におるわけであります。実際の仕事をいたしております、債権者にきわめて近いところでやっておるわけであります。これらの人々に対しましては、特に債権管理法のできます前から、その管理についてはいろいろな教育もいたしておるわけでありますが、この法律ができますれば、まずこういう部分につきまして十分に教育を行いまして、確実に行い得るようになると思います。なお、そのほかに売買を多くやっておりますような現業的な役所につきましては、特に事例が多うございます。この管理法の適用も大事になって参りますし、これを的確に実施いたしまするに足る用員も多く備えなければならぬという場合があるわけであります。それらにつきましては、いろいろ遺漏のないように措置いたしたいと考えております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/58
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059・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) この際、委員の異動がございます。御報告いたします。
本日付をもって山本米治委員が辞任され、川村松助君が委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/59
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060・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) 別に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/60
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061・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願いとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/61
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062・岡三郎
○岡三郎君 私は日本社会党を代表して、ただいま議題となりました国の債権の管理等に関する法律案について賛成をいたします。
賛成をする理由は、ただいま質疑に答えた趣旨が生かされることを期待して賛成するわけなんですが、国の債権の取扱いがルーズであった過去の事例に徴して、これはなかなか徹底することはむずかしいことだと考えております。しかしそれを十全にやりこなすというふうな言明があったわけですから、双手をあげて賛成をするわけです。
特に決算委員会等において審議した過程から考えてみて、契約をする者にしても、善意なものがすべてであるとは考えられない。相当いいかげんな契約というものがここにあったのですが、今回のこの契約内容の規定ということから言えば、相当そういう部面が払拭されると思うのですが、要はこの法律に魂を入れて、大蔵省自体が責任をもって遂行するということによって成果が上ると思うのです。従ってわれわれは、この法律がもっと早く生まれてくることを願っておったわけですが、遅きに失したといっても、この法律の生まれたことを喜ぶものでありまして、繰り返すようですが、真剣にこの法律を十分下部末端まで徹底して国に損害を与えることを減少し、これを払拭してもらいたいという希望をもって賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/62
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063・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) 他に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/63
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064・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないと認めます。
それではこれより採決に入ります。国の債権の管理等に関する法律案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/64
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065・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) 全会一致であります。よって本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお、諸般の手続は、慣例により、委員長に御一任を願いとうございます。
それから多数意見者の御署名を願います。
多数意見者署名
大矢半次郎 岡 三郎
青柳 秀夫 川村 松助
菊田 七平 白井 勇
瀧井治三郎 苫米地義三
西川甚五郎 藤野 繁雄
前田 久吉 土田國太郎
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/65
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066・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) 次に、閉鎖機関令の一部を改正する法律案及び旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令の一部を改正する法律案、以上二案を便宜一括議題として質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/66
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067・岡三郎
○岡三郎君 この朝鮮銀行の処理をめぐって、一応不動産会社を作ろうというふうないろいろな考え方があるように聞いているのですが、そのことについて大蔵省自体の方としては、設立して運用していった場合に、相当無理があるのではないかというふうな一般的な意見を聞くわけですが、その点少し聞かしてもらいたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/67
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068・岩動道行
○説明員(岩動道行君) 朝鮮銀行につきましては、今度提出いたしております法律の結果、ある程度の残余財産が残ることになります。その残余財産をもって旧朝鮮銀行の関係者は、ただいま不動産会社というお話がございましたが、不動産会社というよりはむしろ不動産金融機関、不動産銀行を作りたいというような希望を持っておるわけであります。その不動産銀行につきましては、大蔵省といたしましては、いろいろ採算上、経営上問題があるという意見もございますが、資金の集め方またその運用等によりましては、その成り立つ可能性もあり得る。いろいろな点からこれを検討いたしまして、十分に成り立つという見通しが立てば、その設立についても十分に検討するというように現在考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/68
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069・岡三郎
○岡三郎君 日本と韓国との交渉がうまくいっておらないわけですが、膨大なる在外資産といいますかね、そういったような問題も韓国との交渉再開ということで期待を一部には持たれておるわけですが、朝鮮にあるところの在外資産について、当然日本の請求権というもの、また財産権というものを認めなければならぬというふうに考えておりますが、韓国の方はこれに対してそういうふうなことは絶対に許されないというふうな見地から、相当もつれてきておると思うのですが、そういった点についてはどういうふうに考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/69
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070・岩動道行
○説明員(岩動道行君) 韓国との財産権に関連した従来の交渉、あるいは今後の見通し等は、きわめて複雑であり、また困難で、その解決はなかなか簡単には参らぬような状況でありますが、日本側といたしましては、従来とも、今後とも、また朝鮮にありますところの日本人の財産権につきましては、あくまでもその所有権を保持している、従いまして請求権は日本側においてそれをあくまでも主張するという立場をとっておるわけであります。韓国側はまたこれとは全く逆に、朝鮮にある日本人の財産はもちろんのこと、朝鮮に本店のあった法人の日本にある財産についてまで、これは自分たちに引き渡すべきであるというような主張をいたしておるようであります。従いまして非常に大きな食い違いがあるわけでございますが、あくまでも日本側としましては、朝鮮にある日本人の財産は放棄するという考えは現在のところ持っていないわけでございます。従いまして朝鮮銀行の問題につきましても、日本にある資産をこれを自由に処分し得るということは、国際法の慣例から申しましても当然である、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/70
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071・岡三郎
○岡三郎君 北鮮の財産、そういったものに対してはどういうふうに考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/71
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072・岩動道行
○説明員(岩動道行君) 北鮮関係につきましては、国際的にどういうような扱いになりますか、私所管の方でもございませんので、責任ある御答弁も申しかねるわけでございますが、われわれといたしましては、一応少くとも閉鎖機関の処理に関する限りは朝鮮を一つの地域として現在処理せざるを得ない実情にあると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/72
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073・青柳秀夫
○青柳秀夫君 今、朝鮮銀行のお話が出ましたけれども、台湾銀行についてはどんなふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/73
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074・岩動道行
○説明員(岩動道行君) 台湾銀行につきましても、今度の法律改正によりまして、やはり発券銀行でありました関係から、納付金を納めていただく。その後税金等を納めた結果、台湾銀行につきましても約五億見当の財産が残る見込でございます。従いまして、この五億程度の資金をもちまして、旧台湾銀行の株主は、現在まだ正式なお話はございませんが、われわれの得た非公式のお話によりますと、その資金をもちまして貿易信用の会社を作りたい、かような考えをもって、具体的に現在関係者がいろいろと検討をいたしているというふうに聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/74
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075・岡三郎
○岡三郎君 もう一点伺いますが、朝鮮の殖産銀行の資産十八億八千万円、この裏づけがいかなるものからなされているのか、それを聞いておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/75
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076・岩動道行
○説明員(岩動道行君) 朝鮮殖産銀行の資産についてのお尋ねでございますが、ただいま御指摘になりました十八億なにがしの金額と申しますのは、それだけではちょっとはっきりいたしませんが、おそらく朝鮮殖産銀行の在外資産の金額を御指摘になったと思いますが、これは、その内訳は大体貸付金で約十八億、その他はごく僅かな、債券でありますとか、あるいは動産、不動産といったようなものが入っておりますが、大部分は朝鮮殖産銀行が、朝鮮の地域内におきますところの重要産業、たとえば電力でありますとか、肥料でありますとか、その他関連の基礎的な重要産業に対する貸付金がこの基礎になっていると御承知いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/76
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077・岡三郎
○岡三郎君 ちょっと問題が違いまして、これは引揚者の問題になりますが、在外資産、これに対して一応政府は今回調査費を計上して、この問題の処理に当ろうというふうな意図が見受けられるわけですが、この問題についての大蔵当局の見解をちょっと聞いておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/77
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078・岩動道行
○説明員(岩動道行君) 実はこの方は私の直接の担当でないので、所管の方からお答えを申し上げるのがあるいは筋かと思いますが、私の承知いたしているところで御答弁申し上げますと、従来在外財産問題審議会というのがございまして、それによって在外財産の問題をどのように処理するかということを政府におきましていろいろ諮問をいたし、検討いたしてもらって参っておったわけでございます。それが昨年だか今年に入りまして、いろいろな事情からそれを改組拡充すると申しますか、新たに引揚者等の御意向も入れて、あらためてそのような問題をどのように処理するかということで、予算にも調査費を計上いたしまして、さらに具体的に真剣にこれを検討するという段階になっていると承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/78
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079・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) 両案の質疑は一応この程度にとどめまして、本日はこれをもって散会いたします。
午後零時二十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X01819560417/79
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