1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年三月九日(金曜日)
午前十一時四十一分開会
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委員の異動
本日委員館哲二君辞任につき、その補
欠として北勝太郎君を議長において指
名した。
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出席者は左の通り。
委員長 松岡 平市君
理事
伊能 芳雄君
森下 政一君
小林 武治君
委員
斎藤 昇君
佐野 廣君
田中 啓一君
堀 末治君
安井 謙君
若木 勝藏君
岸 良一君
北 勝太郎君
鈴木 一君
衆議院議員
小金 義照君
政府委員
自治政務次官 早川 崇君
自治庁選挙部長 兼子 秀夫君
事務局側
常任委員会専門
員 福永與一郎君
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本日の会議に付した案件
○公職選挙法の一部を改正する法律案
(第二十三回国会本院提出、衆議院
送付)
○国会議員の選挙等の執行経費の基準
に関する法律の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/0
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001・松岡平市
○委員長(松岡平市君) ただいまから委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告申し上げます。三月八日付で委員小幡治和君が辞任せられまして、新たに斎藤昇君が委員に任命せられました。本日付で委員館哲二君が辞任せられまして、新たに北勝太郎君が委員に任命せられました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/1
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002・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 次に公職選挙法の一部を改正する法律案(第二十三国会参第一号)衆議院修正送付案、並びにこれに関連いたします国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を、両案同時に議題に供します。前の公職選挙法の一部を改正する法律案、この案については委員各位も御承知の通り第二十三国会におきまして、本委員会から提出いたしました法律案でございます。この法律案は皆様方がよく御承知の通りの経緯で、委員会はもとより本会議におきましても、参議院では全会一致で可決いたしまして、衆議院に送りました。前国会で衆議院では継続審査に付された法律案でございます。これを衆議院が修正いたしたものが今日議題に供しておる法律案でございますが、これの修正につきましては、参議院がこれを委員会提案といたします前に各会派が協議いたしまして、協議の結果まとまったものを委員会案として送ったのであります。従ってこれが衆議院において修正をされるということについては、参議院の各会派の間におきましてもはなはだ残念なことである。ことに私どもの所属いたします自由民主党といたしましても、これは特に与党の責任から、あるいは最大会派の責任からぜひ原案通りで衆議院も通していただきたいということについて再三お願いもいたしたのでありますが、ついに修正される結果を見たものでございます。このことにつきましては、委員各位の間にもいろいろとこの委員会においての修正案として論議する際に御意見もおありのことかと思いますが、もうすでに御承知のようにその間にわれわれもできるだけの努力をしたという経緯もございますし、なおまた御承知のようにこれの衆議院における議決された施行期日は三月十五日ということになっております。これを修正するというようにせざるを得ないというような審議のいたし方をいたしますれば、この法案についてもまたいろいろなめんどうなことも起ろうかと考えますので、でき得ますればいずれにいたしましてもこれをどうするかということにつきましては、本会議で三月十四日までの間に結論がつけれるように、当委員会におきましてもしかるべくお取り扱いをお願いしたいと委員長から特にお願い申し上げます。
本法案の最初の提案理由の説明は省略いたします。これより衆議院における修正部分について衆議院側から御説明を願いたいと存じます。さよう取り運ぶことに御異議ございませんか。
〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/2
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003・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 御異議ないと認めます。衆議院議員小金義照君から御説明を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/3
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004・小金義照
○衆議院議員(小金義照君) ただいま委員長の御指名がございましたので、私から公職選挙法の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正の点について、提案者十六名でありますが、その代表者として本修正点に関する趣旨を説明いたします。
修正の第一点は第八十七条の一の改正規定の次に、第八十九条第一項第一号中に改正規定を追加した点でありまして、これはすでに施行せられております国会法の改正に伴って当然改正せらるべきものを、今回整理をいたしたのであります。すなわち現行法におきましては、公務員の立候補の制限に興しまして、内閣総理大臣その他の国務大臣、内閣官房長官及び政務次官は、制限外として在職中候補者となることができることとなっておりますが、衆議院におきましては、これに内閣官房副長官を加えることといたしたのであります。これは当然の整備規定でございます。整備に関する修正でございます。
修正の第二点は第二百一条の五に関する改正規定についての修正でございまして、参議院におかれまして第四項の規定が新設されました御趣旨は、現行法においては一人の候補者が多数の政党その他の政治団体に重複して所属し、各政治団体にそれぞれ一人として計算せられたため、政治活動の規制が著しく阻害されたことによるものであると承知いたしておりますが、参議院原案におきましては、一の候補者は三以上の政治団体の所属候補者として計算されることはできないこととされております。二つの政治団体に限って、重複して候補者として計算されることをお認めになる結果となっておるのであります。私どもはこれでは本改正の趣旨は十分達せられないと考えざるを得ないのでありまして、本改正案が参議院において立案せられ、参議院を通過せられました当時と今日とは、政界の情勢も一変いたしておりまして、衆議院におきましては二大政党が対立する時代となりましたので、これらのこともございますので、かたがた政治団体の政治活動の規制の趣旨を真に実現しようとするならば、一人の候補者はいかに多数の政治団体に所属しておる場合におきましても、すべてそのものの選択する一つの政治団体あるいは政党に限って、所属候補者として計算されるように改むべきものであると、かく考えられるのであります。この趣旨によってただいま参議院に回付されているように修正をいたしたのでございます。
修正の第三点は付則第一項中の施行期日に関するものでありまして、すでに原案の二月一日は経過しておりますので、衆議院における審議中の過程にかんがみまして、これを三月十五日施行ということに改めたのでございます。
以上簡単でございますが、三点をここに御説明申し上げます。特に委員長のお言葉にありました通り、参議院は全会一致でこの改正案を通過された経過もございまして、なお参議院としては一応全会一致の院議であるからというお申し出もございまして、私どももいろいろな立場から研究を重ねましたが、やはり今日の政治情勢その他から考えまして、選挙運動の公正を期するという立場から所属政党は一つでよろしい、候補者は一つの政党に属して選挙運動をやった方がよろしい、こういう結論に到達したのでございます。どうかこの趣旨をおくみ取りいただきまして御賛成賜わらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/4
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005・松岡平市
○委員長(松岡平市君) ただいまの説明に対する質疑をいたしまするに前、先に議題にあわせて供しました国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案について、政府の説明を求めます。本案は昨八日全会一致をもって衆議院において可決の上、送付されたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/5
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006・早川崇
○政府委員(早川崇君) 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律は、都道府県及び市町村の選挙管理委員会が管理する国会議員の選挙、最高裁判所裁判官の国民審査等の執行について国が負担すべき経費の基準を定め、もってその適正かつ円滑な執行を確保することを目的とするものであります。今国会において審議中の公職選挙法の一部改正案に伴いまして、この法律の改正を必要とするにいたったのであります。
改正の内容について、申し上げますと、第一点は、衆議院議員及び参議院地方選出議員の個人演説会告知用ポスターの制度が廃止されることに伴い、個人演説会告知用ポスターの経費に関する規定を削除することであります。第二点は、候補者が使用する選挙運動用ポスターの枚数を、衆議院議員の候補者については、現行二千枚を五千枚に、参議院地方選出議員の候補者については、現行二千枚を八千枚に、参議院全国選出議員の候補者については、現行二万枚を五万枚にそれぞれ増加することに伴い、ポスターの経費の額を改訂いたそうとするものであります。第三点は、参議院地方選出議員の選挙の期日の告示が、現行三十日前を二十五日前に行われるようになり、選挙運動の期間が短縮されることに伴い、都道府県及び市区町村の選挙管理委員会において選挙事務に要する経費を減額するため、都道府県及び市区町村の事務費の額を改訂いたそうとするものであります。
以上がこの法律案を提出いたしました理由及び内容の概略であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決下さるようお願いいたします。
なお本案に対しまして衆議院において付帯決議が付せられましたが、その付帯決議を読まさせていただきたいと思います。
付帯決議
選挙執行の基準経費については立会人の日当等頗る過少であると認められる。依って政府は速かに之が対策を講ずべきである。
右決議す。
以上が衆議院の付帯決議でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/6
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007・松岡平市
○委員長(松岡平市君) それではただいま御説明がありました公職選挙法の一部を改正する法律案の修正部分及び本案につきまして、並びに国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を敗走する法律案につきまして、それぞれ御質疑のおありの方は御発言を願います。御発言の順序でございますが、両法案関連いたしておりまして同時に議題に供しておりますが、相なるべくば先の公職選挙法の一部を改正する法律案をできれば先に御質疑を願えれば大へん仕合せと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/7
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008・小林武治
○小林武治君 今のお話でありますが、国会議員の選挙の執行経費のその法律は、この参議院提案の法律案と同時に進行すべきものである、そういうふうになっておりますが、それにつきまして私一応ここで伺っておきたいのは、選挙経費の関係でありますが、何か衆議院でありますか、選挙運動の方法として立会演説会を廃止するというような説がありますが、私どもは立会演説会の現在の性格からこれは絶対に廃止すべきものでない、こういうふうに確信いたしておりますが、この点について衆議院側あるいは政府側の意向を伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/8
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009・早川崇
○政府委員(早川崇君) ただいまの選挙法の改正は、小選挙区制に伴う選挙法改正の場合、立会演説会を廃止しろという御意見が一部にあることは事実でございますが、政府といたしましては、立会演説会は目下廃止する法案を提出する意図は持っておりません。ただここに検討いたしたいのは、前の選挙に共産党が立会演説という公営機関を利用いたしまして、投票日の前日までフルに宣伝をいたしまして、投票日の前々日突如として立候補総辞退という事態が起りました。これは公正な公けの立会演説によって人を集めてただ宣伝をするというやり方はどうかというので、立会演説会を認める場合には、少くとも選挙のルールといたしまして、目下検討中のことは、立候補辞退は、若干五日なりあるいは一週間なり投票日より前に辞退しなければ違法である、前々日とか前日とかいう現在のやり方は選挙の公正を害するものであるということで、その改正を前提といたしまして、政府としてはそういう前提さえ満たされれば立会演説会は従来通りやって差しつかえないのではないか、こういう意向を持っておりまして、今立会演説会を廃止するという考えは持っておらない、政府としてはそういう所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/9
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010・小林武治
○小林武治君 今の点は、これは非公式かもしれませんが、自民党でもその説があるということですが、現在立会演説は、候補者におきましても、また有権者におきましても、きわめて活用しておるということはもう周知の事実でありまして、このことは選挙の運動において最も効果がある。こういうふうに考えますので、弊害を除去するということをお考えになることはいいが、かりにもこれを全廃するというようなことは世論にまったく逆行するものである、こういうふうに考えますので、われわれは絶対反対であるということを特に申し上げておきたいと思います。
なおただいま政務次官からお話がありました立候補辞退の問題でございますが、立候補辞退をした者は一切供託金を没収する、こういうふうな方法をとられたらどうか。これについて政府はどういうふうに考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/10
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011・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 立候補辞退の場合は今でも没収という制度であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/11
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012・小林武治
○小林武治君 一切没収をするのじゃないのじゃないですか。一定の期限があって没収する。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/12
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013・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 公職選挙法の第九十三条の第二項に、「前項の規定は、公職の候補者が当該候補者たることを辞した場合(第九十一条((公務員となったため立候補の辞退とみなされる場合))の規定に該当するに至った場合を含む。)に、準用する。」そういうことになっております。九十一条の関係だけ解除されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/13
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014・小林武治
○小林武治君 もう一度伺いますが、これは私どもは早期辞退したような場合には没収にならん、こういうふうに理解しておったのですが、そういうことにはならんのですか。立候補辞退の場合には一切没収になっておりますか。私は今その弊害が多いからお尋ねするのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/14
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015・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 現在は全部没収ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/15
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016・小林武治
○小林武治君 それは除外例はなくて、一たん立候補をいたした者は、すぐその翌日辞退をしても供託金は没収と、こういうことになっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/16
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017・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) そうなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/17
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018・小林武治
○小林武治君 第何条でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/18
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019・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 九十三条であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/19
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020・小林武治
○小林武治君 今の点は、もしそうなっておるならそれでけっこうであります。要するに、最近におきましては、売名その他のことで立候補をして、それからしかるべきときに辞退をする。こういう者が非常に多い。こういうことでありますから、その弊害除去としては必要と考えますが、そういうふうになっておるなら……。
それから小金議員にお伺いいたしますが、私どもの前々申し上げるように、せっかくわれわれの方で全会一致で通ったものを衆議院で修正された。こういうことにつきましては、われわれとしてもその結果については残念に思っておるものでありまするし、またこの問題は衆議院よりかむしろ参議院の方に影響が大きい。こういうふうに考えておりまするが、両方のことをこれはよくお考え下さってこういうことに相なったかどうかということをちょっと伺っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/20
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021・小金義照
○衆議院議員(小金義照君) ごもっともな御疑念の点でございまして、私ども衆議院並びに参議院の選挙に際して、両方の場合を考えましてこのように決定したのでございます。すなわち選挙運動のいろいろな制限が二百一条にございまして、二百一条の六の「(通常選挙における政治活動の規制)」、参議院の場合がこれにございますが、全国を通じて十人以上の所属候補者を持っている政党については、こういうことができる。衆議院のほうは二十五名であります。それらの点もよく比較考慮いたしましてこのように決定したのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/21
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022・小林武治
○小林武治君 私ども承わるところによれば、われわれのこの改正案では、確認団体は他の政党に所属する候補者の応援ができるというふうになっておったと思いまするが、この点を今後これは衆議院でそういう内意があるかどうか。その点を変えて、他の一つの政党は、他の政党に所属する候補者の応援ができないようにすると、こういうふうな説があるように聞きますが、そういう事実がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/22
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023・小金義照
○衆議院議員(小金義照君) 候補者は、政党または政治団体に所属して、その公認を受ければその一つだけの公認候補者となるのでありまして、他の政治団体からは要するに候補者としては確認されない、こういうふうに考えております。そのほかの個人演説会だとか街頭演説会における援助を受けることは、これはもとより差しつかえない、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/23
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024・小林武治
○小林武治君 この改正案では、他の党に所属する候補者の応援もできる、こういうふうに規定したと、こういうふうに思っておりまするが、これは今後これを変えるというふうな意向が、たとえばわれわれのほうの参議院で申せば緑風会、そういうものがありまするが、この緑風会というものは一応政党あるいは政派としまして、これが他の確認団体の応援を受けることができるというふうにこの規定がしてあったと思いますが、そういうことをできないようにするというふうな御意向があるかどうか、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/24
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025・小金義照
○衆議院議員(小金義照君) 小林さんの御質問でございますが、これは二百一条の九がたしか十になりまして、今までの「当該政党その他の政治団体の所属候補者の推薦、支持」云々とありますが、これを参議院のほうの御提案で、公職の候補者に広く改められております。この点は今のところ参議院の修正案通りで参ります。
なおこれを、今小林さんがおっしゃったように、他の政派から応援できないようにするかしないかというようなことは、今のところ私は問題になっていないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/25
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026・森下政一
○森下政一君 政府にお尋ねしますが、小選挙区制というものを実施しようという意図で選挙法の改正が意図せられておるというようなことですが、そのときに立会演説会のことは今小林さんから質問があって、政府の考えはわかりました。
連座制というもの、これは私は選挙の公正を期する意味においては今後機会あるごとに強化する必要こそあれ、これを緩和していくなんというようなことは、選挙の公正を期するという意味からいうとよくないと思うのですが、その辺のことについて政府はどう考えておられますか。所信を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/26
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027・早川崇
○政府委員(早川崇君) ただいま森下委員の御質問の点でございますが、われわれの政府で目下結論を得ておりませんが、連座制の問題はある意味では最大の規定になっておるわけでございまして、すなわち出納責任者及び総括事務担当者が選挙違反に問われますと、当然候補者に及ぶということになります。ただ問題はおとり罪の規定がございまして、一部にはこのおとり規定も削除しろという意見もございますが、これは今後スパイを事務所にほうり込みまして、大久保留次郎さんの選挙に見られたように、本人は選挙違反覚悟でおとりをあれするという事態も考えられますので、この規定の削除というものの弊害も非常に多い。ただ、従来おとり規定は裁判を五審までやらなければいかぬ。非常に時日がかかりますので、その点だけを改めようじゃないか。すなわち並行してこのおとりの問題は処理できるように規定を改めていこうじゃないかということで、この点は政府といたしましては実施いたしたいと考えておるのでありますが、今申し上げましたように連座規定はもうぎりぎりのところまできておりまするので、これ以上の連座規定の強化と申しましても、実はそれが妥当な方法が考えられませんので、今言った程度の改正をいたしたいとかように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/27
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028・森下政一
○森下政一君 ただいまの御説明はこういうふうに了承してよろしいのですね。連座規定を緩和しようという意味じゃない、こういう意図だと解釈してよいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/28
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029・早川崇
○政府委員(早川崇君) その通りでございます。もちろんおとり規定の裁判を早くやれるようにいたしますので、おとり規定を乱用して裁判を引き延ばすというようなことはないように改正いたしたい。こう考えておりますから、むしろ連座規定の強化ということには実質上はなるのではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/29
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030・森下政一
○森下政一君 小金さんにお尋ねいたしますが、もう先刻御承知のように、今度御審議いただいた公職選挙法の改正は、参議院ではいろいろな立場の者がおるのだが、それが審議に当りましては互譲の精神というものを発揮して、そうして懇談的にいろいろと逐条協議をとげまして、そうしてその過程にほおのおの所属政党にも持って帰って、そうして他日これが可決確定して、衆議院に送られたときに、衆議院の方で修正されるというようなことのないように、おのおのの所属党派の衆議院側の了解を得るというふうなことで、超党派的に満場一致でものがまとまるように相当苦心を払ってまとめ上げた改正であったわけなのであります。従いまして、今度修正されました第一点とか、第三点とかということについては、もとより異論があるわけじゃないが、第二点ですね、これは参議院の審議過程においても相当論議し、協議を重ねて苦心をいたしたところなんです。
それが三以上というのが二以上というふうに修正されていた、こういうことなんですね。これで結局、たとえば民主的な労働組合といったような団体がそれに所属するものとして、一候補者を勘定することができないということになって、活発な選挙運動というものがある意味において阻止されるということになった場合、非常に遺憾なきわみだと思う。こう思うのですが、これはこうせぬことには、先刻の御説明によると選挙の公正を保持することができぬというお話があったが、それはどういう観点からそういう判断をなさるのでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/30
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031・小金義照
○衆議院議員(小金義照君) 参議院の方で全会一致でお通しになったことも承知いたしております。この参議院の原案が作られたころは、私どもは自由党に属しておりまして、日本民主党も別にありまして、それぞれやはり一つにした方がいいかあるいは二つまで認める方がいいか、その当時から論議を重ねて参りましたが、政党の合同が行われ、政界の様子も違っていることもありますが、問題は政党政治を発達せしめるという立場から、その候補者が自分の所属する政党一つでいいじゃないか、候補者としていろいろな行動をなし、また支援、援助を受けるのは一つでいいのじゃないかということに新らしい党で決定いたしたのであります。
それから二つまではいいということになると、本来の所属政党のほかにもう一つの政党からあるいは政治団体から、候補者として数えられるということになりますと、初めの三日間は第一の他の政党または政治団体、次の何日間は今度はほかのまた政治団体というようなことになって、結局混乱をきたし、またそこらのけじめもつかないので、むしろ自分の所属政党は一つである、候補者としては何々党、何々会派から一つとして数えられる。この方が公正を期せられるであろう。こういう見解でこのように決定した次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/31
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032・森下政一
○森下政一君 もう全く今の御説明ですと見解の相違ということになると思うのです。それで幾ら論議してみてもしようのないことだと私は思うのです。ただこの改正は参議院で審議し、これを満場一致で可決いたしました当時の事情と今日と、こういうふうに改めなければならぬほどの懸隔があってもっともであると思われるし、またただいまの御説明でこうい一ふうにやらないことには選挙の公正を期することができぬというふうには私はどうも納得しかねる。これはこの上さらにいろいろ修正者側に質疑をしてみても大した効果がないことだと思うので、むしろ委員長のお計らいで一つ委員会を懇談会に移していただいて、これに対して参議院側の各党各派がどういう態度をとるかということについて御協議願って、そうして結論に持っていく、これよりほかに私は方法がないと思いますが、一つしかるべくお計らい願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/32
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033・松岡平市
○委員長(松岡平市君) ただいま森下委員からお聞き及びの通りの御発言がございました。いずれこの法案の審議についてはただいま森下委員の御発言のような手続等も委員長はとる方法を考えておりまするが、せっかく小金衆議院議員毛修正点の説明のため御出席願っております。どなたか特に修正案の提出者に御質疑のおありの方がおありなら、この機会に質疑だけを済ましておいて、別に御発言もなければ小金議員に対する質疑は一応ないものと了承してよろしゅうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/33
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034・松岡平市
○委員長(松岡平市君) なお第二の、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案について、別段の質疑がなければ質疑は終了したと了承してよろしゅうございますか。ちょっと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/34
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035・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 速記を始めて。それでは別段もはや両法案について、修正案の提出者あるいは政府についてはこれ以上質疑の必要はないようでございます。森下委員の御提案になりましたように、委員会におきましては、委員全員でこの特に第一の公職選挙法の一部改正法律案につきまして、どういうふうにするかということについて、委員同士で協議をするということについて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/35
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036・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 御異議がなければさよう取り運びます。暫時休憩いたします。
午後零時二十一分休憩
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午後一時五十三分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/36
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037・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 委員会を再開いたします。ちょっと速記をとめて。
午後一時五十四分速記中止
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午後二時四十一分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/37
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038・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 速記を起して下さい。午前に引き続いて、公職選挙法の一部を改正する法律案、並びに、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案、両案を議題に供します。
両案につきましては、ただいま速記をとめて懇談いたしました通り、一応質疑は終了したものといたしまして御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/38
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039・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 御異議ないと認めて、さよう取扱います。
地方公務員法の一部を改正する法律案、並びにただいま申しました、公職選挙法の一部を改正する法律案、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案、これらはいずれも質疑を終了いたしましたので、次回の委員会、すなわち火曜日の委員会に諮りましてそれぞれ討論、採決をいたしたいと思います。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時四十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01019560309/39
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