1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年三月三十日(金曜日)
午後一時四十五分開会
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出席者は左の通り。
委員長 松岡 平市君
理事
石村 幸作君
伊能 芳雄君
森下 政一君
小林 武治君
委員
小幡 治和君
笹森 順造君
佐野 廣君
田中 啓一君
堀 末治君
安井 謙君
加瀬 完君
政府委員
自治庁行政部長 小林與三次君
事務局側
常任委員会専門
員 福永与一郎君
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本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求の件
○新市町村建設促進法案(内閣提出)
○合併町村の育成強化に関する請願
(第一二八号)
○町村合併による人口十万人以上の合
併団体育成助長の請願(第四三二
号)
○町村合併促進法に基く新市の育成に
関する請願(第八〇八号)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/0
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001・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 会議を開きます。
参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
本件は、去る二十七日の委員会懇談中に御相談申し上げたことでございますが、地方税法の一部を改正する法律案並びに国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律案の両案につきまして、参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/1
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002・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。
なお参考人の人選、意見聴取の日時等につきましては、便宜、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/2
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003・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 御異議ないと認めます。よってさよう取り計らいます。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/3
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004・松岡平市
○委員長(松岡平市君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/4
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005・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 速記を始めて。
新市町村建設促進法案を議題に供します。
これより質疑に入ります。質疑のおありの方は御発言願います。
ちょっと速記をとめて下さい。
午後一時四十九分速記中止
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午後二時三十二分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/5
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006・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 速記を始めて。
休憩中いろいろ御懇談申し上げました本法案の取り扱いにつきましては、懇談の際結論を得ましたように、一応質疑は終局したことにいたしまするが、その前に、新市町村建設促進法に関連のあります請願を審査願いたいと思います。当委員会には、ただいままでのところ、関連のあるものとして三件の請願が付託されておりますので、この際同法律案の審査の参考とする意味におきまして、これが請願の内容に基き、事務当局及び政府の説明を聴取いたしたいと思いますが、さよう取り計らうことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/6
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007・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 御異議ないと認めます。
請願第百二十八号合併町村の育成強化に関する請願(川村松助君紹介)、第四百三十二号町村合併による人口十万人以上の合併団体育成助長の請願(鈴木一君紹介)、第八百八号町村合併促進法に基く新市の育成に関する請願(野田俊作君紹介)、以上三件を一括して議題に供します。まず専門員より内容の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/7
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008・福永与一郎
○専門員(福永与一郎君) まず第百二十八号から申し上げます。この請願は、合併町村の育成強化をはかるために、合併町村育成法というような法律を制定して、大体このたびの新市町村建設法案に盛られておりますような新町村の育成のための施策を講じていただくようにお願いしたい、かような趣旨のものでございます。次の第四百三十二号は、現在、現行法によりますと、町村合併による人口十万以上の市は地方交付税算定の特例の準用を受けておりませんので、これをこの際法律を改正して、地方交付税の算定の特例を合併関係団体の人口十五万人未満までに拡大実施するとともに、地方交付税への国税三税の繰入率を引き上げて、財政上の育成助長の方策を講ぜられたい、こういう趣旨のものでございます。最後の第八百八号は、町村合併促進法によって生れた新しい市を育成強化するためには、財政行政両方面について積極的な、かつ優先的な援助がなされなければならないと思うので、政府貸付の起債については償還打ち切りの措置をとるとともに、持ち寄り負債については全額国庫補助をすること、その他特別に新市育成援助のための特別の措置を講ぜられたい、こういう趣旨のものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/8
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009・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 以上三件について、この際政府の意見を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/9
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010・小林與三次
○政府委興(小林與三次君) 今の請願の趣旨は、今度の新市町村建設促進法で大体盛られておると思います。第一の問題は、全くこの法律に即しておる問題であります。それから第二の問題は、人口十万で今まで押えておったやつを十五万にしろということは、まあこの法律で十万を十五万に上げまして、合併計画にのっとる場合はこの適用があることにしております。最後の問題は、実は前からいろいろ議論があって、市長会、町村長会でも最初そういう問題が出たのでありますが、従来の起債を全部政府の方で償還延期とか無利息とかいうのは、これは少しどうか、そこでかれこれ考えて、今度の促進法程度がほど合いじゃないかというので、この結論に達したのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/10
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011・松岡平市
○委員長(松岡平市君) ただいま説明並びに意見を聴取いたしました請願について、御質疑がございましたら御発言を願います。――別に御発言がなければ本件につきましてはこの程度にいたします。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/11
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012・松岡平市
○松岡平市君 三件の請願の願意をも参酌いたしまして、新市町村建設促進法案の審査をお願いいたしたいと存じます。質疑がおありであれば御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/12
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013・加瀬完
○加瀬完君 先ほど懇談会の形で修正案要綱それから付帯決議案などが種々述べられましたので、ほとんど私どもの問題としておりました点は解決を見ておるわけでありますが、この前の合併促進法のときにも、私どもはそう解釈いたしておらないのでありますが、一部ではこれが一つの、何といいますか、官治統制といいますか、上から押しつけるような合併を進められるのではないかという一つの危惧が一部にあったわけであります。実際に合併促進法の施行されました状態を見ておりますと、地方自治体といいますか、自治団体といいますか、あるいは住民といいますか、こういうもののほんとうに熟さないうちに、一方的に計画が進められたというために問題が起っておるところがないわけでもないわけです。それで今度のこの法案を見ますると、第一条の目的に「町村合併を強力に推進する」という、「強力」という言葉がございますし、それから二十八条、二十九条などを見ますると、二十九条などには、小規模町村などにとりまして、特別に罰則みたような内容とも解されるものもございまして、何か非常に強く町村合併を押しつけられるという感じを受けないわけでもないわけです。そういうことではないと万思いますけれども、これらの点について、一部の心配もあるところでございますので、政府の御態度をこの際明瞭にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/13
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014・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) 今、加瀬委員のお尋ねは御もっともでございます。私は、町村合併は弱小な区域のものにつきましては、だれが考えても、その基礎を強化するために合併した方がいいものは、これは一つ積極的に合併をしてもらいたいというのが基本的な気持でございまして、それをできるだけ促進するために、あらゆる方策を講じたいという気はございます。しかしながら、合併そのものはあくまでも市町村の自主的な自由な判断によってきめらるべきものでございまして、これを一方的に押しつけるというか、官治的、天下り的というふうなことは、これは絶対にあってならぬのでございまして、あくまでも自主的な意思を基礎にして、ただその自主的な意思が燃え上るように、いろいろな資料を提供したり、情報を提供したり、いろいろなお世話、援助を申し上げることはいたしたいわけでありますが、あくまでも自主的な意思を基礎にして進めるべきものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/14
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015・加瀬完
○加瀬完君 これは、自治庁において新しく建設促進法でございますか、この指導をなす場合に、特に住民の意思の尊重といいますか、住民の意見の合致といいますか、こういう点について格段の指導をするように御指示あるいは御指導を各関係者にしていただきたいと思います。この点要望いたしまして質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/15
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016・小幡治和
○小幡治和君 ちょっと二、三質問したいのですが、第十二条でもって「新市町村に対して補助金を交付することができる。」その中の第二に、小学校中学校の統合についての新築という問題がありますけれども、こいつは実際の実情から見ると、六三制の施行によって、新しい中学校というものは、こっちにも建てた、向うにも建てたというものがある。で、それを統合したからといって、せっかく建てて、起債もやって、新しくなったものをまた真中に大きなものを作るというようなことであると、非常に財政上むだになると思う。これはやむを得ざるそういう事情なら仕方がないのですが、その合併というものをあまりに強く考えるために、無用な統合した校舎を建てるというふうな姿になりがちなんです。この点については、むしろ自治庁としては押えてもらいたいと思うのですが、それに対して補助金をやるというふうなことだけで進めておるような格好が見えるのだが、それについての考え方はどうなんですか。一つ聞かして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/16
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017・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) これは小幡委員おっしゃいました通り、もうすでにりっぱなものが二つできておって、整備しておるものをあらためて作る必要は私は万々ないと思います。この考え方はそうじゃなしに、老朽校舎で作り直す機会とか、それから生徒がふえて増築する機会とか、何とか始末せんといかん、そういう機会にまとめて大きく作れるものなら作った方がいいじゃないかという考え方で実は運用もすれば指導もいたすつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/17
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018・小幡治和
○小幡治和君 十三条の三項で、「国の行う事業の実施について、新市町村のため優先的な措置を講ずる」、道路建設、河川改修、いろいろありますが、このような国の行う事業ということになってくると、新市町村の分野よりも、相当国家的見地でもって考える部面が相当強いと思う。それを一体、合併町村のために優先的措置を講ずるということは、私どもとしちゃこれはある限度があるのだけれども、建設省はこれに対してはっきり了解しておるのですか、また程度をどのくらいに考えておるのか、その点を一つお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/18
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019・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) これもごもっともでございまして、国の行う直轄事業は、大てい大規模になったものでございますから、合併と関係のないものが大半でございます。ただしかし、ものによっては、たとえば漁港の修築のようなものなら考えられるものもありまして、そこでこれは、それぞれの建設の計画等を実施する場合において、同じ条件で合併促進を考えた方がいいという場合に考える、こういう趣旨で、建設省も農林省も了解して運用いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/19
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020・小幡治和
○小幡治和君 そうすると、大体同列の場合にこっちを優先する……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/20
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021・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/21
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022・小幡治和
○小幡治和君 それでは次に、第十七条の問題ですね、県知事なり、あるいは内閣総理大臣が合併の勧告をなす場合、これは合併をしないというものに対して勧告をするだけのものなのか、それとも合併のやり方、県なりなんなりが右に合併せよ、地元は左と合併したいという場合に、合併の方針、やり方が違った場合に、この勧告というものは発せられるものなのかどうなのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/22
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023・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) 今おあげになりました十七条でございますか。十七条とか、その前のものは、これは合併そのものじゃなしに、建設計画の調整その他実施に関するための勧告の規定でございます。合併そのものはそのずっとあとの二十八条……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/23
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024・小幡治和
○小幡治和君 二十八条、それです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/24
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025・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) 二十八条、二十九条はこれは促進法が施行になってしまったあとの状態を考えておりまして、その場合に、だれが見ても合併した方がよい、合併する以外には将来動きようがないじゃないかというので、かりに残っておるものがあれば、それについて、どこの町村と一緒になった方がいいという趣旨の勧告でございます。今お話のような、そのところではなしに、最後に残ってしまって、その残ってしまったものは、地勢その他から考えて、むしろ合併する必要がないものもあるだろうと思うのです。従来の合併計画では一応した方がいいと思っておっても、実際の実情から、はずした方がいいものも私はあると思います。それから相変らずやった方がいいものもあることだろうと思います。そこで最後に促進法が終ったら、もう一ぺん洗いざらいそれは洗ってみて、なお全国的なレベルも考えて、やはり均衡がとれてやった方がいいじゃないかというようなものがあった場合に、適当な合併計画を立てて勧告をしようじゃないかというのが二十八条、二十九条でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/25
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026・小幡治和
○小幡治和君 私は、その問題は合併しないというものに対して合併を勧告するという御答弁だと思うのですが、合併はします。しかし自分の村は右の村と合併したい、しかし県としては左と合併しようという場合に、まあ四カ月ほおっておくということになりますが、県が自分の言う通りにならぬから、そうすると県知事が内閣総理大臣に話して、内閣総理大臣からそういう合併の意見の違ったものの勧告というものがあり得るかというのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/26
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027・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) わかりました。それは結局、県の合併計画と各個の市町村の意思が食い違う場合のお話でございますね。これは私は、県の合併計画が必ずしも百パーセント正しいとも限らぬと思うのでありまして、要するにそんなら市町村の意思通りにするかといえば、その結果まわりの市町村が全体として統合されなくちゃ困る、そこの調節の問題だろうと思うのであります。好いた者同士だけの問題で、あとはどうでもいいといった形でいっても、これは全体としての合併ができませんから、そういう意味で、まわり近所全体が円満におさまってほどほどにいくものなら、必ずしも県の合併にこだわる必要はない。そういう意味でわれわれは、現に最終段階でもありますから指導いたしております。その結果取り残されたり、妙な形になっては困る、その点だけは十分に考えて、そうならぬようにやはり指導してもらわないといかぬという考えでおるわけです。ですから、具体的の問題はそういう立場で一つ判断をしてみなくちゃいかぬのじゃないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/27
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028・小幡治和
○小幡治和君 法律的解釈として、合併はするけれども、する相手方が違うということに対して総理大臣の勧告というものはなし得るのか。法律的解釈として、今のような指導とかという問題でなくして、要するに合併しないというなら、それに対して総理大臣の勧告というものはあり得るけれども、合併はします、しかし合併の相手方が違うのだ、それが県と地元との考え方が違うのだという場合に、県知事は総理大臣に勧告を要求するということがあった場合ですね。総理大臣としては、法律的解釈として合併しないというのじゃないのだ。合併するけれども、意見が違うというものに対して、県知事の意見をとって、総理大臣として、右としちゃいけない、左としなくちゃいかぬという勧告というものはなし得るのかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/28
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029・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) これは、法律的解釈だけの問題になりますると、この現行の促進法の三十二条に、「内閣総理大臣は、この法律の目的を実現するために、町村及び都道府県に対して助言又は勧告をし、情報又は資料を提供し、その他適切な措置を講じなければならない。」こういう規定がございます。それで町村が合併の決議をやりましても、合併の決定は、御承知の通り、知事が県の議会の議決を経てきめることになっておりますから、県として、もしその合併が、まあ非常識かどうかしりませんが、適当でないと認めれば処分しないことが法律的になし得る、可能なわけであります。可能な場合に、内閣総理大臣の処分、審査請求を求めることがあるわけですが、内閣総理大臣は、町村の意見をとる場合もあり得るし、県の判断をとる場合も、これもあり得ると思うのであります。いずれにしろ、それは総理大臣の審査請求の権限の問題でありますから、法律的には可能だと思います。それでありますから、それで今申しました三十二条で、もし適切な合併計画というものが必要ならば、勧告も法律的にはもちろんやり得ると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/29
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030・伊能芳雄
○伊能芳雄君 二、三質問あるいは注文申し上げたいのです。
第一は、農林省の新農村建設計画でしたが、そういう今計画が農林省で進められております。一方ここでせっかく町村合併ができて、新町村が、どんどんこれから建設促進法ができれば、これによって進められるわけです。そういう場合に、この両方の計画がマッチしないと、せっかく合併したのが、今度これは新農村計画の方では、前の町村の区域で計画を立てるというようなものになってくると、この合併というものに水を差されるというような感じを受けると思う。この点については、農林省と十分なる打ち合せを遂げて、そういうことのないように、新農村計画においてもされるように自治庁としては特段の御配慮を願いたい。
第二は、合併の途上において赤字を持った団体が集まってきた。だからその赤字が皆プラスされてくるという場合に、いろいろ相談にいくと、自治庁の方の指導に当るような人が、ややもすれば地方財政再建促進特別措置法による再建整備をやれというようなことを暗に勧めるかのごとき、あるいはしいるかのごとき感じを受ける。こういうことは、この問題とは全く関係のない、実際的にはいろいろ関係のあるものもありますが、建前としては全然関係のないものなんです。新しい町村ができて、それを新しくりっぱに建設していこう、運営していこうという途上に、何ら強要すべき根拠のない再建整備を強要するということは、非常に迷惑な話なんで、そういうことのないように、これは両方お互いにそれぞれの使命を持った法律なんですから、そういう点に特に指導上御留意を願いたいということ。
もう一つは、先ほど懇談中に申し上げた、この法案の第二十三条の総理府令、これによって、一つのこれは、この法律の委任命令なんですが、これをわれわれが何ら内容を知らずに、この法案に賛成してしまうというようなことでもわれわれとしては困るので、この法案の採決の前に、適当な機会に、総理府令全部、あれを全部といっても無理な話でしょうが、この面に関する要領だけでもお示しを願いたい。これだけ希望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/30
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031・森下政一
○森下政一君 前々回の委員会でだいぶ御質疑になったようでありまするから、重複する点もあるかと思いますが、最後に念を入れて、私はもう一ぺんお尋ねしてみたいのです。大体この町村合併促進法で今日までに八割五分くらい計画を達成しておられる。あと残るところは一割五分だ。今度の法律で、その八割五分完成したものに対する育成と、残りの一割五分の合併促進と、この二つの目的があると思うのだが、それでその未合併のものの合併促進ですね。それに対する自治庁の大体の見通しはどうなんですか。三十二年三月末日くらいまでに全部まず終るだろう、こういう見通しでおられるわけなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/31
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032・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) これは、今各県からもその見通しの報告を聞いておるのでありますが、大体終るという県もありますが、百パーセント自信を持って終るとも言いきれぬ県もあるようであります。しかしながら、この新しい促進法も出れば、また一段と促進されるのではないか、この法律が出たあとで、もう一度また府県の今後の見通しを聞いてみる必要があるのじゃないか、そういうように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/32
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033・森下政一
○森下政一君 そこで何ですか、たとえば、さっき加瀬君がちょっとそれに触れたと思うのですが、二十九条の第二項ですかに書いてあるもののごときは、未合併のものを合併促進しようというので、小規模の町村がいろいろ文句を言って、ぐずぐずするようなことをなからしめようという、一つの威嚇手段に感じられるが、そうでないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/33
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034・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) 威嚇手段という言葉は当てはまらないともちろん思いますが、この気持は、要するに町村合併が全部終っちまえば、大体一万二、三千から五、六千の町村ができちゃいます。しかしながら、どうしても地理上その他で不可能な地帯がありますが、したくてもできない。そういうものは、大てい二千とか三千の一番弱小町村だろうと思います。そういうことが起りますと、当然そういう二、三千の町村も、合併した一万五、六千の町村と肩を並べて最小限度の行政ができるような措置を保障しなければならぬと思うので、そういう制度はどうしたって考えざるを得ないと思います。そういう場合に、まあ地勢その他なら考えて、平野地帯にあってどこかと合併した方がいいという、かりに二、三千の町村が残れば、それは自力で自分たちでやっていこうというので合併をしないのなら、そういうときのめんどうはみられないぞと、あくまでも自力でやっていくのなら、最後まで自力でやっていく態勢をもっていかなければならないぞと、そういう趣旨を明らかにいたしたのであります。特別に合併しないなら、お前のところをやっつけるのだという趣旨の規定ではないのであります。その点御了承を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/34
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035・森下政一
○森下政一君 そうすると、あなた方からいただいた資料の中には、合併不能町村というのがありますが、これは地形その他の関係で、実際やりたくてもできぬというものだと私は思うのだが、合併不能というのは、やりたくてもできぬ。ところが今の御説明によるどやればやれぬことはない、また自力でやっていきたいというものが万々一残った場合、その場合を予想しているように聞えるが、そういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/35
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036・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/36
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037・森下政一
○森下政一君 前々回の委員会のときに、小林委員から、ある程度の行政措置というものを要望する声があるというふうな質疑が出たが、そうすると何ですね、どこまでもそういうふうなものがあったときに、そういうものを強制するということはないと、強制するということは結局この法律では考えておらぬということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/37
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038・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) この法律では全然考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/38
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039・佐野廣
○佐野廣君 十二条の、今の小学校、中学校の統合の際に、今小幡委員から質問されました補助金の問題ですね。これで老朽その他の際に考慮するという御答弁があったのですが、これは将来のことを考えて、ある三つ、四つのところが合併して一つの中学校を建てた。そんなときに、老朽その他あるいは転用するとか、いろいろの場合があると思うのですが、そういうときの判定はやはりなさるのですか。どういうふうな基準で今の老朽というふうなことをおっしゃっているのですか。判定の基準はどんなふうになさるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/39
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040・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) 老朽と申したのは一例を申し上げたのでございまして、もう完全にりっぱなものができてしまって、それがりっぱに運転しておるのを、わざわざあらためて作る必要はないと思うのです。しかしながら実際校舎を何とかして手を加えざるを得ない。たとえば一つの中学校を作りましても、もう一つ児童増でどうしても作らなければならぬ。そういう場合に、別に作るよりも新しくまとめたり、拡張したりなんかしたらいいじゃないか、そういうことがあったり、それからもう一つは、中学校はできましたが、小学校を改築せぬといかぬ。小学校は大体従来はばらばらに作っておりますから、この機会に中学校を小学校へ転用して、中学校はりっぱに作ろうじゃないか、そういうこともあろうと思うのです。そういう場合に積極的に補助をしてやろうという趣旨でございまして、今これは、細目は文部省の方で補助の方針というものは作っております。小幡委員のおっしゃいましたような、そういうだれが見ても要らぬところにやるものを奨励したり、考える趣旨は全然ございませんが、そうでない事情でやるというところは、これは学校の統合ということは難中の難で、実際問題としては困難な問題でございますから、これはできるだけ希望に沿うように援助をしてやらぬといかぬという考えでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/40
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041・佐野廣
○佐野廣君 当時中学校を作った際に、私どもも各町村に作るということがあまり、適当でないというようなことがあったのですが、当時の実情から見ますと、何でも作らなければいけないという、こういうふうな一つの観念が町村にあった。それで無理して建てたというのがかなりあるのです。今度町村合併によって一つのりっぱな校舎を作った。そうすると、今のような小学校の拡充に使うか、あるいはほかに転用するとかいうふうにしていこうじゃないかという一つの自覚の下に、中学校のりっぱなものを建てたというときに、申請した際に、あたたかい気持をもってできるだけその実情をくんで補助を、これは無用なものはいけませんけれども、やっていただくようにお願いしたいと思うのです。町村によっては、そういう実情がかなりあるのですよ。この点を特にお願いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/41
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042・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) 今の御趣旨の通りにできるだけやりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/42
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043・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 他に御発言がなければ、質疑は終局したものといたします。なお先ほどの懇談中に御相談申し上げまして、結論を得ました本法律案についての修正につきましては、次の適当な機会における本法案に対する討論の過程におきまして、委員会の修正として修正をすることにいたします。討論並びに採決につきましては、次の適当な機会にいたします。本日は散会いたします。
午後三時四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01619560330/43
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