1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年四月五日(木曜日)
午後二時一分開会
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委員の異動
三月三十日委員佐野廣君及び伊能芳雄
君辞任につき、その補欠として植竹春
彦君及び長島銀藏君を議長において指
名した。
三月三十一日委員長島銀藏君、植竹春
彦君及び館哲二君辞任につき、その補
欠として佐野廣君、伊能芳雄君及び野
田俊作君を議長において指名した。
四月四日委員加瀬完君辞任につき、そ
の補欠として安部キミ子君を議長にお
いて指名した。
本日委員安部キミ子君辞任につき、そ
の補欠として加瀬完君を議長において
指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 松岡 平市君
理事
伊能 芳雄君
森下 政一君
小林 武治君
委員
小幡 治和君
笹森 順造君
佐野 廣君
田中 啓一君
堀 末治君
鈴木 一君
政府委員
国家消防本部長 鈴木 琢二君
自治庁税務部長 奧野 誠亮君
事務局側
常任委員会専門
員 福永與一郎君
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本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選
○連合審査会開会の件
○国有資産等所在市町村交付金及び納
付金に関する法律案(内閣送付、予
備審査)
○消防団員等公務災害補償責任共済基
金法案(内閣送付、予備審査)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01719560405/0
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001・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 委員会を開きます。
委員の異動について御報告申し上げます。三月三十日、委員佐野廣君、伊能芳雄君はそれぞれ辞任せられました。新たに植竹春彦君、長島銀藏君が委員に任命せられました。三月三十一日に、委員長島銀藏君、植竹春彦君、館哲二君、いずれも辞任せられました。新たに佐野廣君、伊能芳雄君、野田俊作君が委員に任命せられました。四月四日付、委員加瀬完君は辞任せられ、新たに安部キミ子君が委員に任命せられました。本日、委員安部キミ子君が辞任せられました。新たに加瀬完君が委員に任命せられました。
まず理事の補欠互選についてお諮りいたします。ただいま、委員の異動の報告におきまして申し上げましたように、理事の伊能芳雄君が委員を辞任されましたが、また再び委員として選任されました。よって伊能君を理事に再び指名いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01719560405/1
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002・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 御異議ないと認めて、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01719560405/2
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003・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 連合審査会の開会日時についてお諮りいたします。国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律案につきまして建設委員会、地方税法の一部を改正する法律案につきまして運輸委員会より、それぞれ連合審査会を開会せられたい旨申し出がございます。両案につきまして、それぞれ申し込みの委員会と連合審査会を開会いたすことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01719560405/3
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004・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 御異議ないと認めてさよう決定いたします。
なお開会日時につきましては、関係委員長とも協議の上、決定いたしたいと存じますので、委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01719560405/4
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005・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 御異議ないと認めて、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01719560405/5
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006・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 次に、本委員会におきまして、参考人を招致して意見を聞いて審議に資するということを委員会で決定になっております。明日午前十時から、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律案関係の参考人を招致いたします。参考人といたしましては、横須賀市長梅津芳三君、東京都建築局長藤本勝満露君、戸山ハイツ自治連絡会委員長永井盡君。そのほかに、説明員といたしまして、日本国有鉄道経理局長石井昭正君、日本専売公社総務部長小川潤一君、日本電信電話公社経理局長秋草篤二君、これも、いずれも参考人と同時に招致いたしまして、意見を徴することにいたしております。
なお、地方税法の一部を改正する法律案関係につきましては、参考人として、京都大学名誉教授、日本租税研究協会会長汐見三郎君、富山県知事高辻武邦君、芦屋市長内海清君、日本放送協会経理局長栃澤助造君、私鉄経営者協議会専務理事足羽則之君、日本乗合自動車協会専務理事石塚秀二君、以上六人、これを招致いたしております。参考人多数でございますので、時間等につきましては、厳守したいと思っております。全委員の御出席を要望いたします。
ちょっと速記とめて。
〔速記中止〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01719560405/6
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007・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 速記を起して。
次に、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律案を議題に供します。これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01719560405/7
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008・森下政一
○森下政一君 税務部長にお願いしたいのですが、今、議題になった法案に関連して、国の所有の交付金の対象になる財産がどれくらいの額に達しておるか、あるいはもしできれば、それがどういうふうに各市町村に配られておるものであるか、同様にまた、地方公共団体の持っておる資産で、交付金の対象になるものがどれくらいの額であるか、そのまた財産の種別等が明瞭にわかっておるならば、それを示してもらう。そして、おのおののこれによる交付金の額というものが、予想されておる限りにおいてどれくらいに達しておるか、何かそういうものがお調べがあるだろうと思いますので、そういうこれに関連した資料を頂戴したい。これの提出をお願いしておきたいと思うのです。それから、まあ資料を拝見した上でさらにお尋ねしたいと思うことが出てくると思うのですが、この間、ちょうど社会党で埼玉県選出代議士の党葬が行われたので、質疑中途にして私は退場しなければならなかった。たった一言お尋ねして、奧野さんの答弁を聞いただけで退場してしまうということだったのですが、そのときお尋ねしたことは、結局この交付金にしても、あるいは納付金にしても、どこからも降って湧くわけのものではない。だれかが負担しなければならぬということになるんだが、終局の負担というものは、一体だれがするんだというふうにお考えになっておるかということをお尋ねしたわけなんです。そのときのお話で、たとえば国鉄がこれまで固定資産税を負担していない。ところが私鉄の方ではそうでなかった。少くともその経営の面において同じような状態にない。これは、どっちかといえば不合理なのであって、国鉄も負担すべきものは負担して、そうして私鉄同様の状態において経営をやっていくことがむしろ経営の合理化だというような御意見、同時にまた、公営住宅等に対するかりに交付金というものが、場合によれば賃借人に転嫁されるということがあり得るかもしらぬけれども、国なりあるいは地方公共団体から受けておる補助ですね。補助政策をとっているのだから、その補助の部分については、これは固定資産税の評価標準額に入れるものではない、それを除いたもの、すなわち、あるいは二分の一であるとか、あるいは三分の二であるとかいうことになっておるから、その補助の部分は除いて、そうでない部分を対象にし、しかも、それも相当減額されておるというのだから、そう大した負担にならぬというようなお話を聞いたと思うのです。ところで、私の問題にするのは、いかさま、そういうふうな配慮をされておることはよくわかる。だけれども、たとえば国鉄の場合に、私鉄と同じように経営を合理化するということで、将来国鉄のたとえば賃上げの理由にされるというようなことはないのかどうかというのが私の心配する点なんです。いかさま、おっしゃるように、私鉄同様の待遇を国から受けながら経営をしていくということは妥当であるかもしらぬけれども、そのことによって、一体国民の負担が最後には増されてくるということであれば、これは一考を要する余地があるのではな
いかと思う。たとえば公営住宅の賃借料が値上げになると、その値上げは、きわめて合理的な、一部分に限定されたにしても、やはり値上げになるということであれば、さなきだに負担が相当重くなっておる一般地方住民の負担が、これがためにさらに何ほどか引き上げられるということになるということであれば、これもやはり私は、高のいかんということよりは、負担が加重されるということは、さなきだに非常に負担が限界にきておる一般国民の立場というものは、十分慎重に考慮しなければならぬのではないかというふうに思いますので、その点について、さらにお考えを聞かしてもらいたい、こういうふうに思うわけです。要はそこなんです、私の尋ねるのは。その負担が非常に軽微であるとか何とかということよりも、やはり転嫁されるのだという危険がありはせんかという点なんです。
それからもう一つ聞きたいのは、たとえば転嫁する場合もあるだろうし、しない場合もあるだろうということは、そういったような資産を持っております公共団体自体の考え方によって、これを転嫁する場合もあるし、一般財源から何とかまかなっていって、賃借人には転嫁すまいという考え方をとる場合もあると思う。あるいはまた、府県が経営しているところの公営住宅というようなものがどこかの市にある。たとえば大阪市なら大阪市の例をとって、大阪府の経営しているものが大阪市内にあり、大阪市みずからが経営しているものも大阪市内にあるというような場合に、市のとる態度と、それから府の取る態度によっては、同様の公営住宅でありながら、あるものは賃借人に負担が転嫁される、あるものは全く転嫁されないというふうな区別があるということになってくると、賃借人の受ける待遇が変ってくるということになるが、そういうふうな場合は予想されないか。やはり予想し得るのではないか。そうなってくると、私は、そこにはなはだどうも、賃借人側から考えると、割り切れんものが出てくるのではないかというようなことを懸念するのですが、そういった点について、一言御所見を承わっておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01719560405/8
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009・松岡平市
○委員長(松岡平市君) ちょっと政府委員、説明する前に、私も今の森下君の発言に関連して政府委員に申し上げます。前段の森下委員から要求された資料は提出できるかどうか、はっきりしていただきたい。そうして提出できるならば、すみやかに提出されたいのみならず、そのほか本法律案審議の参考になる資料等が他にあれば、すみやかに提出せられたい。政府の所見をはっきり……、森下委員の発議だけでなしに、委員会の要求として、政府はどうするかということについて、説明を先にしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01719560405/9
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010・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 資料はあすにでも提出いたしたいと思います。よければ、今ここで数字を申し上げてもいいと思いますけれども、あす資料を出した上でということでございますので、御説明は省略さしていただきます。
第一点は、今度の交付金や納付金制度が料金引き上げの口実に使われるのではないか、こういう趣旨の御意見であったように思います。交付金なり納付金なりの性格は、固定資産税に準ずるものというふうに考えておりますし、そういう法律構成にもなっておるわけでございますので、先日も申し上げましたように、原価を構成するものだというふうに思っております。従いまして原価を構成するものでありますから、それが原価の中に入っていなければ、原価が引き上げられないのではないか、こういうことにもなるのではないかと思います。しかし、だから料金を引き上げなければならないのだと、こういうふうにはならないはずだと、こういうふうに思っておるのでありまして、それをどこで吸収するかというような問題が私鉄等との関係としてもございましょうし、また別途金利が非常に低下してきておるじゃないか、金利の低下によってプラスになってきておるものもあるじゃないか、こういうふうなことにもなろうかと思うのでありまして、今度の交付金なり、納付金なりの制度を立てるに当りましては、地方財政の問題もございましょうし、あるいは企業の合理化を制度的にはばむようなことは避けたいというような考え方もございましょうし、いろいろ総合的に考えて、こういう結論を出したわけでございます。そこでしいて、原価を構成するものだから、原価がそれだけ上ったじゃないか、料金を上げるべきではないか、こういう言い方をしようとすれば、それはそういう言い方もできるかと思います。しかし他面、今申し上げましたように、他の企業との関係でありますとか、あるいは金利低下でありますとか、あるいは企業の一そうの合理化でありますとか、そういう問題も同時に取り上げられるはずだ、料金問題の場合には、総合的に考えられなければならないはずだと、こう申し上げたいのでございます。国鉄の料金問題は、この問題じゃなしに、むしろ減価償却の問題で世論をいろいろにぎわしておるというふうに私たちは承知しているのであります。減価償却の問題は、莫大な金額に上るように承知しております。
第二は、家賃が区々になって、一部は引き上げられ、他の方ではそうでもない、こういうふうなことについてどう考えるかということであったかと思います。現在、御承知のように、第二種公営住宅については、三分の二を国が負担し、それ以外の公営住宅につきましては、二分の一を国が負担しているわけでございます。そうして家賃の額につきましては、最高限度額だけを法定をいたしております。その最高限度額を法定するに当りましては、残りの建設費にかかります地方負担額、これを全額地方債で賄った場合に、将来どれだけ原価や利子を地方団体が負担していかなければならないか、これは家賃の額にそのまま算入されて参るわけでございます。こういう元利の償還費と管理費と修繕費、これが家賃の限度額の内容になっているわけでございます。その際に、地方団体としては、一部はみずから一般財源を捻出していく。その部分については、将来元利償還という問題はないわけでございますので、家賃の限度額にあえて入れない。それだけ家賃が低くなってくるわけであります。こういう関係から、家賃につきましては、国が最高限度額をきめているだけでございまして、その範囲内で、地方団体の自主的な決定にゆだねて任されてきているわけでございます。従ってまたその結果、家賃の額が地方団体におきまして若干食い違いがございます。これはやはり地方団体に任された範囲内において、そこに地方団体の住宅政策が加味されても差しつかえないのじゃないだろうかというふうに私は思うわけでございます。最高限度を国の補助政策との関連において規定しているだけのことであって、その範囲内において、地方団体が住宅について一般財源を持ち出すか、それとも持ち出さないで、独立採算の上において経営していくか、それは、地方団体のやり方がいろいろあってもいいのじゃないか、こういうふうに思っておるわけでございます。で、今度の交付金制度の額は、その負担金を府県としては地元の市町村に交付金として交付していく、これを転嫁するか、あるいは自己負担で賄っていくか、これはそれぞれ地方団体の選択にゆだねているわけでありますけれども、この交付金の性格から言いますれば、これは経費を構成するものだと思いますし、家賃の限度額の中に入り得るものだ、従って原則的に言えば転嫁させると、こういうふうに言えるのだと思うのでございますが、必ずしも転嫁すると言うことも言い過ぎじゃないか、今の住宅政策について、国のとっておりまするやり方通りにこの問題もしておいた方がいいのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01719560405/10
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011・森下政一
○森下政一君 御説明は、私よく納得がいくのです。ただしかしながら、政府がこういうふうな法律案を非常な苦心をして考えて、そしてこの非課税という範囲を縮小して、合理的な課税をしていく、それゆえにこういうふうな財源を捻出したというのは、ひっきょう私は、地方財政の赤字を何とか緩和して、財政が健全になるような施策として、こんな財源を見つけることに苦労されるのだ、こう思うのです。ところが、そのしわ寄せが結局地方住民の肩にかかってくるのだということを、さなきだに赤字のために、今日までもうその極限にくるまで、いろいろな税の負担にたえてきておる住民が、さらに地方を助けるために、おのれたちがさらに負担をしていかなきゃならぬことになるのじゃないかということを考えますので、非常な親心をもって考えられたものであるけれども、そのしわ寄せは一般地方住民の肩へかかってくるということになるのでは、これは何にもならぬのじゃないかというふうな気がするわけでございますね。そこで、先刻来お尋ねしておるわけなんですが、そこで、だんだん御意見も承わって、はっきりしたと思うことは、一般財源で何とかまかなうものもあるだろうし、それからまた転嫁を考えるものもあるだろうし、そういうことはやはり地方のそれぞれの財政事情によって非常にとる態度が変ってくるのだ、必ず転嫁するとは限らぬ、それは一に地方の財政事情によると私は思うのですが、しかしながら、いかに合理的に考えられた低い金額であっても、これは転嫁するよりほかに道がないという場合には、やはり家賃の原価構成の分子として今度の固定資産税相当額というものが考慮の中に入れられても、これは首肯することができる性質のものだと思う。結局地方住民の負担がそれだけ加重される。だからそういうふうに住民の負担が加重される場合というものも考え得られるのだということだけは当局でも御承服になっておるのではないかと、こう思うのです。そこで先刻申しましたように、地方公共団体自体のとる方針いかんによって、ひとしく公営住宅の賃借人であるが、ある者は負担の加重を来たすところがあるし、ある者は全然そういうことがないという待遇を受ける者がある。これは必ずしも画一的でなければならぬということはないけれども、そういうふうな甲乙の差別が出てくるということも考え得られるという点だけはこれは御承服になったのではないかと思う。そういうふうに了解してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01719560405/11
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012・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) お話のように転嫁させることができますし、またそういう団体が出てくると思っております。ただ申し上げたいことは、現在の公営住宅を例にとりますと、公営住宅の家賃相互間に、インフレーション時代を経てきておるわけですから、非常な差があるわけであります。いつ建った公営住宅に居住しておるかということによりまして非常な差があるわけでございます。しかしこれをならす方がむしろ公平感に合うわけでしょうけれども、いろいろな意味でそれもまた反対の点もずいぶん多いわけでございまして、そのままになっております。それでは将来にわたって家賃の限度額というものをどう考えていったらいいのだろうかというふうな問題もこれはございまして、特に今後新しく建って参ります公営住宅につきましては、この交付金相当額が加算されることがむしろ原則になるのじゃないか、こういうふうに私は想像いたしております。過去のものにつきましては、これは公営住宅を持っております分量等にもよることだろうと思いますし、またその家賃の限度額をどの程度に定めているかということにもよることだろうと思うのでありまして、そういう意味で若干差は出てくる。これは私もそういうふうに思うわけでございます。
なお住宅の問題につきましては、国民感情といたしまして、たとえば今日国が国家公務員のためにたくさんな住宅を建てております。アパートもどんどん建てております。こういうものにつきましては一文の負担も地元の市町村はしていない。従いまして国家公務員もあるいはしていないかもしれません。これで果していいのだろうかどうだろうか、同じ住宅ではないか、同じ住宅であるにかかわらず、国が持っておる、個人が持っておる、それだけで一方は一文の固定資産税も負担しない。しかし所在の市町村としてはそれらの子弟のために学校を増設しなければならないじゃないか、衛生施設を設けなければならないじゃないか、こういう問題もあるわけでありまして、都市近郊の町村におきまして、公営住宅を持ってこられることはまっぴらだといっておるような町村も実はあるわけでございます。そういうような問題を円滑にするためには、やはり何がしかのそこに負担は、地元の市町村に、してもらうということが必要じゃないか、こういうこともあったりいたしますので、過去の公営住宅の家賃は全部おっかぶせて行くということは私はないだろうと思いますけれども、将来の家賃をきめます場合に、私は原則として入ってくるだろう、こういうふうに思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01719560405/12
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013・森下政一
○森下政一君 ただいまの御説明、それも私にはよくわかります。公営住宅所在の市町村にしてみれば、それぞれそれがためにいろいろな経費の負担をなしておるでしょうから、それに対する負担を要請するということは、これはそれぞれの市町村の立場からしてみれば無理からぬことだということもよくわかります。ところが現在委員会で、私が欠席しておるときにそういう質疑が出たかもしれませんが、明日資料をいただきますときに、たとえば今御説明になったように、ひとしく公営住宅と申しましても、今日になって顧みると、建ちました年度いかんによって、いろいろ原価がどれだけについておるかということが区別があるのだろうと思います。そこで今日から考えてみると、賃貸料の安いものもあるだろうし、たとえば二十五、六年ごろのものと、三十年ごろに建った鉄筋のものなんというようなことになってくると、二十玉、六年ごろの木造のものとでは非常な違いがあるのだろうと私は思うが、そこでそれぞれについて大体固定資産税相当額が転嫁されるとすればどれくらいのものになるのだというふうな区別も、審議の参考資料になると思いますので、あわせて一緒に明日御配付願えたら幸いだと思うのであります。
それからもう一つお尋ねしたいのは、明日参考人として横須賀市長の梅津芳三さんに来てもらうことになっておるが、おそらく梅津さんの述べることを私が憶測すれば、例の軍港都市としていろいろな進駐軍が使っておるものがある。それらに対して何とか一つ軍港都市の場合を考えて、考慮してもらえぬかというふうに、私は法案に対する修正要望の意見が述べられるのじゃないかということを考える。この点は各委員の手元にいろいろ陳情もあったりしておるわけなんですが、ことに本委員会では先般委員外の質問として緑風会の小林政夫君がいろいろ尋ねた。当時の速記録を見ると、大要当局の意見がわかるのかと思うけれども、端的に申して今日それらについて税務部長としてどう考えておられるか、結論だけを一つ説明してもらうと、あす参考人の意見を聞くについても不必要な質問をしないで済むのじゃないか、こう思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01719560405/13
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014・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 前段の公営住宅等の家賃に及ぼす影響は資料としてあす御提出いたします。
後段の旧軍港施設等所在の市町村が要望しておる点については、私ももっともな点が多々あるというふうに考えておりまして、将来ぜひ制度化したいものだというふうな気持を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01719560405/14
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015・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 本法律案につきましてはなお御質疑があると思いまするが、さしあたりこの程度に本日はとどめておきます。
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016・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 次に消防団員等公務災害補償責任共済基金法案(予備審査)を議題に供します。
本法案につきましてはいまだ政府より提案理由の説明は聴取いたしておりません。実は担当大麻国務大臣から、委員長にはしばしばみずから委員会で提案理由を説明いたしたいからという申し出がございましたが、委員会の運営の都合上いまだその運びに至っておりません。本日委員会の運営の関係から、突然この法案の提案理由の説明を聴取したいと考えております。大臣並びに政務次官は他の要務で出席困難の由でありまするが、政府委員、国家消防本部長鈴木琢二君が出席いたしておりますので、鈴木政府委員に、かわって提案理由の説明を求めます。大臣もしくは政務次官は他の適当な機会に本委員会に招致いたしまして、本法案に対する所見なり所信なりその他必要なる説明等をさせることに取り計らいます。本日は一応鈴木政府委員から提案理由の説明を聴取することを御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01719560405/16
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017・鈴木琢二
○政府委員(鈴木琢二君) 今回提案いたしました消防団員等公務災害補償責任共済基金法案につきまして、提案の理由並びにその内容の概略を御説明いたします。
非常勤消防団員及び一般の応援協力者に対する損害補償につきましては、従来から、市町村の責任において行われてきたところでありますが、その実施状況は、市町村財政の窮迫その他の事情により、必ずしも十分ではなく、また実際の支給額も、政府の所期する基準を相当下回っている実状にありますので、政府といたしましては、これが改善策を講じ、徹底した補償制度の確立とその完全な実施をはかるべく、鋭意検討いたしました結果、今回成案を得まして、ここに提案いたした次第であります。
以下、この法律案のおもなる内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、この法律案では、非常勤消防団員と消防に応援して消防作業に従事した一般者とにかかる損害補償に関する市町村の支払責任の共済制度として、消防団員等公務災害補償責任共済基金を設立することといたしました。
第二に、市町村は、この基金と共済契約を締結して一定の掛金を基金に支払い、国庫もまた基金に対して補助金を交付する道を開きました。
第三に、基金は、契約を結んで掛金を支払った市町村に対して、その請求に基き、政令で定める一定の金額を支払うことといたしました。
第四に、基金は、公法上の法人とし、定款をもって、目的、業務その他所要の事項を定め、民主的な方法で選ばれた理事長以下の役員を置くことといたしました。
第五に、市町村が行う補償の内容を向上させ、不均衡を是正して、基金設立の効果を一そう上げるとともに、損害補償の的確な実施をはかるため、消防組織法及び消防法の一部を改正して、市町村が定める条例に一定の基準を与えることといたしました。
以上がこの法律案を提出いたしました理由とその内容の概略であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さらんことをお願いいたします。
さらに付け加えまして、本法律案の条文の順序に従いまして御説明いたしたいと存じます。
この法律案は、八章二十四カ条の本文及び十五カ条の附則からなっております。
第一章は、総則といたしまして、この法律の目的とするところとそのための基金を設立する趣旨を定めております。
第二章は、基金の性格を規定いたしております。すなわち、基金は公法上の法人とし、定款をもって、目的、名称、事務所の所在地、資産、役員、業務、市町村との共済契約の締結、市町村の掛金、会計等に関して規定し、その変更についても内閣総理大臣の認可を要することといたしました。
第三章は、役員の種類、職務権限、選任方法及び任期について定めました。役員としては、何事長一人、常任理事一人、理事十人以内、監事三人を置くこととし、その選任につきましては、基金の運営に民主的要素の強く導入されることに特に意を用いまして、理事の選任範囲を市町村長、市町村議会議長、消防団員及び学識経験者に求め、しかも学識経験者以外のものは、それぞれの全国的連合組織の推薦によって内閣総理大臣が任命することとし、理事長は理事の互選といたしました。
第四章は、基金の業務について定めました。
まず公務災害補償を行う市町村は、基金と消防団員等公務災害補償責任共済契約を締結するものとし、基金は消防団員等に対する療養補償等の補償経費について、政令で定めた金額を当該市町村に支払うことといたしました。従って、市町村は基金に対してその業務に要する経費に充てるため、一定の掛金を支払うことを必要とすると同時に、国も基金に対して予算の範囲内で補助金を支出することができる道を開いておるのであります。さらに、基金と市町村とがこのような関係にあります性質上、基金に対して、市町村長から説明を求めたり、職員をして実地調査をさせたり、返還要求をしたりする等の特別な権限を与えております。
第五章は、基金の会計について、事業年度、事業計画書等所要の事項について規定しております。
第六章は、基金の公的な性格にかんがみ、内閣総理大臣の一般的な監督権のほか、その適正な運用のため必要があるときは、定款の変更その他必要な命令をなし得ることや、基金の役員が法令、定款または命令に違反しましたときは、これを解任することもできるようにいたしております。
第七章は、補則といたしまして、登録税の非課税規定及びこの法律の施行に必要な事項の政令委任の規定を設けております。
第八章は、最少限度の罰則規定を設けております。
次に附則でありますが、これは、本法の施行期日、基金発足のための準備行為、発足に伴う経過措置、基金に対する国の便宜供与、所得税等の非課税及び基金発足に伴って必要な他の法律の一部改正をその内容としております。
この法律の施行期日を公布の日から起算して六カ月をこえない範囲内で政令で定める日といたしましたのは、従来の制度から相当大幅に組織その他において切りかえをすることとなりますので、市町村等に法律の趣旨その他を完全に徹底させる必要があり、また補償の基準を引き上げるように措置するための準備期間として、相当長期間を要するものと考えたからであります。
なお消防組織法の一部を改正することといたしましたのは、主として、非常勤消防団員の公務災害補償を、政令で定めるところの引き上げた基準に従い、条例で定めるところにより実施するように改めるためであり、又消防法の一部改正は、協力援助者にかかる損害補償も同様政令で定める基準に従い条例で定めるところにより実施するように改めることといたしたためであります。
以上本法律案の主要な点につきまして、その概略を御説明申し上げた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01719560405/17
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018・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 御報告申し上げますが、本法案は昨四日衆議院の地方行政委員会は付帯決議を付して可決いたしております。不日、本院に送付されることと考えております。審議の御参考に、私から、衆議院地方行政委員会が付しました付帯決議をお知らせいたします。
こういうことになっております。
本案に対する質疑は次の機会に譲ることといたします。
ちょっと速記をとめて下さい。
午後二時四十九分速記中止
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午後三時速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01719560405/18
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019・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 速記を始めて。
それでは本日はこれにて散会いたします。
午後三時一分散会
————・————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X01719560405/19
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