1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年四月二十四日(火曜日)
午前十一時十七分開会
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委員の異動
本日委員藤野繁雄君、石村幸作君、小
笠原二三男君、小林政夫君及び野田俊
作君辞任につき、その補欠として小幡
治和君、斎藤昇君、岡田宗司君、岸良
一君及び佐藤尚武君を議長において指
名した。
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出席者は左の通り。
委員長 松岡 平市君
理事
伊能 芳雄君
小林 武治君
委員
石村 幸作君
斎藤 昇君
笹森 順造君
佐野 廣君
田中 啓一君
堀 末治君
安井 謙君
岡田 宗司君
加瀬 完君
中田 吉雄君
佐藤 尚武君
鈴木 一君
政府委員
自治政務次官 早川 崇君
自治庁財政部長 後藤 博君
事務局側
常任委員会専門
員 福永与一郎君
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本日の会議に付した案件
○地方交付税法の一部を改正する法律
案(内閣送付、予備審査)
○地方財政の再建等のための公共事業
に係る国庫負担等の臨時特例に関す
る法律案(内閣送付、予備審査)
○地方財政法等の一部を改正する法律
案(内閣送付、予備審査)
○公職選挙法の一部を改正する法律案
(小林武治君外五名発議)(第二十
三回国会継続)の撤回に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/0
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001・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 委員会を開会いたします。
委員の異動がありましたから、御報告申し上げます。本日は、委員小林政夫君が辞任されまして、新たに岸良一君が委員に選任されました。同じく委員小笠原二三男君が辞任をせられ、新たに岡田宗司君が委員に選任せられました。同じく委員藤野繁雄君が辞任せられ、新たに小幡治和君が委員に任命せられました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/1
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002・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 地方交付税法の一部を改正する法律案、地方財政の再建等のための公共事業に係る国庫負担等の臨時特例に関する法律案、地方財政法等の一部を改正する法律案、以上、いずれも内閣提出、予備審査議案を便宜一括して議題に供します。大体これは、三案ともすでに衆議院の当該委員会の審議は終っております。本日の衆議院本会議において可決の上、送付される予定でございます。三案につきましては、すでにそれぞれ提案理由の説明は聴取いたしておりますが、この際内容説明を政府当局より聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/2
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003・後藤博
○政府委員(後藤博君) まず、交付税法の一部改正法律案から、条文を基礎にいたしまして、簡単に御説明を申し上げます。
交付税法の一部を改正する法律案のうち、二条の改正に、「地方債」という言葉を削除しておりますが、これは、地方債というのを特定財源として落して、そして単位費用というものを算出することに法律上しておるのであります。ところが、実際問題として、地方債を最近落さないで、それを耐用年数別に、たとえば橋なら橋の耐用年数をきめまして、その耐用年数に応じて、償却の形で地方債を見ておるのであります。そういう方式に最近しております。従ってこの地方債というものを差し引かない勘定にしておるのであります。従ってまあこの規定を整理いたしまして、削除するということにいたしたのであります。これを残しますれば、財政需要の方で償還費も見なければならぬ、こういうことになります。その償還費を見ないで、償却費の格好で需要の中にあげておるのであります。それでこれを落すわけであります。
それから第六条の規定は、百分の二十二を二十五にします。これは、交付税率を三%引き上げの改正でございます。
それから十二条が単位費用の改訂でございますが、こまかく単位費用をそれぞれ改訂いたしました基礎は、お手許に「各行政費目別単位費用算定基礎」という資料を差し上げておりますので、それでごらんをいただきたいのでありますが、総括的に申しますと、改正点を大体四点ぐらいに分けることができると思います。
単位費用を改訂いたしました第一点は、給与費を是正をいたしまして、つまり単位費用の基礎になっております標準団体の標準経費の中の給与費を是正いたします。これは、単価を是正したものと、それから〇・二五分を加えたものとございます。そのほか、共済組合の負担金の利子の変更に伴う是正もいたしております。
それから第二の点は、公共事業等の補助率の改訂、それから単価の改訂、それから使用料等の改訂に伴いまして、それに伴うところの単位費用の改訂をいたしました。それが第二点であります。
第三点は、制度改正に伴うものでありまして、教育委員会、農業改良基金制度の創設等に伴いまして、単位費用の改訂をいたしております。
それから第四点は、目的税、軽油引取税、都市計画税等の創設に伴いました特定財源を増加いたしまして、単位費用を落しております。
これが大体の改正点の主なることであります。各項目別に、この四つの点が織りまぜてあるわけであります。
それから十三条の改正は、これは測定単位の数値の補正の条文でありますが、この第三項の三号の「市町村」というのを「地方団体」に直しております。これは、道府県と市町村との態容補正のやり方を変えたためであります。第四項で態容補正というのがございます。態容補正と申しますのは、行政の質の差を数値で現わしまして、それを使いまして、財政需要を補正するのであります。行政の質の差、つまり市町村で申しますれば、市町村の団体がだんだん大きくなるに従いまして、行政の質が変って参ります。その変って参ります度合に応じて、財政需要を伸ばすという考え方であります。ところが従来の考え方は、市町村の態容補正の数値をそのままその県の集めたものを府県の態容補正ということにいたしたのであります。ところがその結果は、財政の貧弱な団体の方の補正そのものがどうも実情に合わないという声が従来あったのであります。そこで、その府県の態容補正のうち、投資的経費につきましての態容補正を市町村の積み上げ方式によらないで、別なものを使うということを考えたのであります。別なことでやっていこうということで、ここに書いておるわけであります。非常にむずかしい言葉になっておりますが、三項のイのところに、「道府県の態容に係るものにあっては、投資的経費に係る行政水準の標準化に必要な行政の質及び量の差に基き、投資的経費の割高となる度合について、経済構造、人口一人当りの所得その他総理府令で定める指標により測定した総理府令で定める率を用いて算定した数値を当該率を用いないで算定した数値で除して算定する。」非常にむずかしいのでありますが、結局こういうことであります。従来は、今申しましたように、市町村の積み上げましたものの係数を府県の投資的経費に使ったわけでありますが、それを今度は、経済構造とか、人口一人当りの所得その他の要素を使いまして、逆に投資的経費がたくさんかかる、つまり財政の貧弱な団体と申しますか、経済構造の悪いところ、人口一人当りの所得の低い所の投資的経費を逆に多く見ていく、こういう係数に直していきたい、そういう府県の財政需要がふえるような係数に置き直していきたい、こういうふうにしたのであります。今いろいろの試算をして、その数値を固めておりますが、要するに財政の貧弱な団体、言葉は悪いかもしれませんが、未開発の地区を多く持っているような所にたくさん交付税がいくような方式にしよう、こういうことであります。そういうところの団体には、未開発の関係で非常に公共事業が多いのであります。そういう所は起債が多くいく。従ってそういう所の起債を落して一般財源に振りかえていこう、こういう考え方をとっているのであります。
それから第十四条の改正は純収入の関係であります。これは、入場税の見積り額、入場税その他交付金、納付金等々の関係の地方税法の改正に伴いまして、基準財政収入額にそういう新らしい新税の関係を入れた規定でございます。そのための改正でございます。この中で、これは税法の方で説明があったと思いますが、二項に納付金の関係がございます。国有林野につきましては、従来納付金を出しております。三十年度で申しますと、三億二千万円出しておりますが、その上に、さらに三十一年度は一億三千万、三億二千万円に一億三千万円付加されます。ふえて参ります。この計算の場合には、ふえたものだけを計算の方に、基準財政収入額の方にとる。今までのものはやはり計算の外に依然として置くということになっております。これが二項の規定でございます。それから三項は、収入の項目ごとに、これは字句の改正がありますし、新らしい交付金及び納付金の関係のものを入れたわけであります。交付金、納付金を税と同じような取り扱いにするというようなことであります。
それから十六条は交付の時期であります。交付の時期についての改正であります。
それから二十二条は端数計算、これは主として精算の場合に出てくるのであります。基礎になります三税が伸びました場合に、今までの率で申しますと、非常にこまかい数字が出て参ります。あまりこまかい数字が出て参りますと、それを今度は全国に配分いたしまするときに、さらにこまかい数字になって参ります。そこで、計算機を回す手数を省くという意味で、ある一定のところから切り捨てていこう。五百円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てる、五百円以上千円未満の端数があるときは、その端数金額を千円とする、こういうふうに計算の方法を改めたわけであります。
それから附則の方は、これは経過規定でありまして、税の関係の、交付金、納付金の関係の読みかえ規定であります。
以上が地方交付税法の一部を改正する法律案。
次に、地方財政の再建等のための公共事業に係る国庫負担等の臨時特例に関する法律案、これは、このたび本年度予算を作ります場合に、地方財政の再建等のために、公共事業の補助率を一齊に上げていただいたのであります。それに伴う法律案でございます。公共事業と申しますと、第二条に、『「公共事業」とは、国若しくは地方公共団体の負担又は国の補助により実施する公共的な建設事業及び施設の改良事業をいう。』、定義を一応、公共事業とは何か。次の二項は、分担金の定義でございます。これは、自治法、道路その他の法令の規定によって定められているところの分担金、負担金、こういう意味であります。
第三条に特例の規定を置いております。ここにあげておりまするものは、河川法とか砂防法、漁港法、港湾法、森林法、これだけあげておりますが、これだけのものが法律でもって補助率がきまっておるものであります。その法律でもってきまっているものだけをここに出しております。これ以外に、政令でもって規定しておるもの、その他予算措置でもって規定しているものがございまするが、そういうものは法律の問題ではございませんので、一応除いております。従って、ここにあげているものだけは補助率の改正があったのではなくて、もっと広い範囲に行われたというふうに御承知を願いたいのであります。ここにありますもの、大体二分の一のものは十分の六、三分の二のものは四分の三、こういうふうに一段階ずつ補助率が上っております。
それから第四条は、分担金の徴収の規定であります。「地方公共団体は、分担金等を徴収することができる場合においては、政令で定めるところにより、その実施する公共事業により利益を受ける者から、その利益を受ける限度において、分担金等を徴収するように努めなければならない。」、これは、地方団体が一般の人々から分担金を徴収することになっておりますところの公共事業があります。そういうものにつきまして、従来基準がはっきりいたしませんし、まだ、その受益者の範囲等につきまして、いろいろはっきりしないものがございますので、この際政令でもって受益者の範囲、つまり分担金を納付するところの人々の範囲と、それから分担金の基準というものをここで政令で定めようという規定でございます。
それから第五条は、事業費の算定の特例、これは負担金のついておりますところの公共事業の場合に、負担金を落して補助率の基礎にするか、負担金を入れたものを基礎にするか、これがはっきりいたしておりませんし、それをはっきりここですることにいたしたのであります。これは分担金を控除しないでもって事業量を出して、それを基礎にして補助率をきめる、こういうふうにしております。補助率を多くするようなことに直したわけであります。
附則は、繰り越し事業その他についての経過規定であります。これを一応三十四年三月三十一日までにいたしております。この三十四年の三月三十一日までにいたしました、つまり三年間にいたしましたのは、道路の関係の五カ年計画がもう三年ございます。ちょうどこの道路の関係が三カ年ございますので、それと合わせて、一応三年ということにいたしております。そのときの状況によりまして、さらに延ばすか延ばさないかをきめる、こういう建前にいたしております。これが補助金等の特例でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/3
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004・松岡平市
○委員長(松岡平市君) ちょっと政府委員の説明のうち、不分明の点がありますから御注意申し上げて、この機会に明らかにしておきたいと思います。それは、ただいまの説明中、第三条の読みかえ規定のうちそれぞれふやした、こういうふうにおっしゃったが、この表を見るというと、河川法第二十七条、それから砂防法第十四条第二項というのは、いずれもふえていないで減っている。その点の説明がそれぞれふやしたといっているが、減ったものもあるということにつきましての説明が足りないので、誤解を招くから伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/4
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005・後藤博
○政府委員(後藤博君) 第三条の河川法二十七条は、これは直轄の分担金の規定でございます。直轄の分担金というのは、こっちから国に納めるほうです。これは、従来は三分の一でありまして、つまり三分の一だけ納めただけであります。国のほうへ。ところがそれを今度は四分の一納めるのですから、それがつまり三割が二割五分に減った。国の負担が与えたわけでございます。
それから、次の地方財政法等の一部を改正する法律案、その第一条の「地方財政法の一部を次のように改正する。」、第十条第一号を次のように改めます。これは、義務教育の関係で、恩給の半額国庫負担という制度ができましたので、恩給という文句を入れただけであります。「給与及び恩給」、恩給の半額国庫負担制度に伴うところの改正であります。その次の二十七条の見出しのうち「事業」を「建設事業」に改め、同条第一項の「事業」を「土木その他の建設事業」、「当該事業」を「当該建設事業」に、「その事業」を「当該建設事業」に改ある。この規定の改正は、従来事業というのが非常に広い範囲に考えられておりましたのを、これを建設事業にはっきり改めたのでございます。この「事業」となりますと、消費的な経費まで入ってくるきらいがございますので、この際「建設事業」、「土木その他の建設事業」というふうにはっきりいたしたのでございます。これは、都道府県の行う事業に対する市町村の負担の規定であります。市町村が負担するのは、建設事業の負担金である。こういうふうにはっきりしたのであります。それ以外の消費的経費は、これは今度は寄付の制限がございますので、寄付の制限の方にかかる、こういうことになるわけであります。それから三十三条の改正がありますが、三十三条の規定は、この地方債の特例の規定であります。この規定は、財政法の五条の改正です。これは、五条もやはり地方債の規定でありますが、地方債の制限の規定が五条にございますが、この改正のときに、これを改正すべき点があったのでありますが、ただ自治体警察の規定がありましたので、その関係でもって残しておったのであります。自治体警察が、御存じのように府県警察になって参りましたので、第五条の規定とちょっと矛盾する格好になりますので、第五条の規定があります以上は、この規定が不要になったので、削除したのでございます。第三十三条という規定は、「地方公共団体は、当分の間、左に掲げる経費については、第五条の規定にかかわらず、地方債をもってその財源とすることができる。」これで「一義務教育年限の延長に伴う施設の建設費」「二自治体警察の創設及び整備に伴う施設の建設費」「三消防の強化に伴う施設の建設費」義務教育と自治体警察と消防の規定だけがあったのであります。ところが、みんな第五条の方にはっきりと警察も消防も、それから義務教育の方も起債ができることになっておりますので、第五条で全部読めることになりましたので、これを落した、削除いたしたのでございます。
それから第二条の規定は、地方財政再建促進特別措置法の一部改正であります。これは、附則第三項の次に次の一項を加えるのであります。それは、「財政再建団体がその財政再建計画について第三条第一項の規定による自治庁長官の承認を受ける日前に第二十四条第一項の規定により起している地方債がある場合においては、当該地方債は、当該承認を受けた日以後においては、第十二条の規定により起した財政再建債とみなす。この場合において、当該財政再建債とみなされる地方債に係る第十五条の規定による利子補給は、当該承認を受けた日以後の分について行うものとする。」これは退職債に関連いたしまして、この退職債の利子補給の規定の適用が放っておきますと非常におくれることになりまするので、ある程度さかのぼって利子補給の規定の適用がありまするようなふうにいたしたいと考えまして、この改正をいたしたのでございます。
財政法等の規定の改正は以上であります。簡単でございますが、これで終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/5
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006・松岡平市
○委員長(松岡平市君) これより三案について質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言願います。
ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/6
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007・松岡平市
○委員長(松岡平市君) それじゃ速記を起して。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/7
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008・小林武治
○小林武治君 きょうは大臣おりませんが、政務次官、一つ大臣みたいな答弁をしていただきたい。
今度の交付税の引き上げ、まあこれはやむを得ないと思うのでありまするが、一体この地方財政は、今年は前年度に比べて五百億近くふえておる。今後これがもっと増していくのか、大体この程度でとめてもらうのか、これは交付税にも関係するし、増税にも関係する。財政規模についての一応の見通しと申しますか、考え方はどうです。これは大臣としての答弁を一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/8
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009・早川崇
○政府委員(早川崇君) 大臣もたびたび申されておりますように、交付税は、傾向としてはこれ以上ふやす意思はございません。そうではなくて、むしろ国と地方の税源調整、財源調整を通じまして、自主財源をできるだけふやしていく、先日申し上げましたように、いたずらに中央の自治体統制を強めるような方向における国の交付税方式の順守ということは、かえって自治体の自主性というものを害する弊害もありますので、できますれば、自主財源の方を充実していくという方向に考えたいと思っております。従って、交付税を今後ふやしていくという考えは持っておらないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/9
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010・小林武治
○小林武治君 私も同感でありまして、交付税等は、今後みだりに増額すべきでない、こういうふうな考え方を持っているのでありますが、さればというて、一体この地方の税の負担の限度、こういうものについてどういうふうに考えておるか。私どもが今年もこの税の関係を見れば、新税その他を入れまして、百数十億近くが増加される。これは主として、国との財源調整でなくて、新しい地方の負担がおもになってくる、こういうふうに考えておりますが、一体このように、地方だけで負担していく意味の増税がなお可能であると考えておるか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/10
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011・早川崇
○政府委員(早川崇君) 私は、これもまた一般論でありますが、限度があると思います。今後は財源充実は、たとえば三公社にいたしましても、平年度化いたしますと現在の二倍になりまするし、今後事業税その他の自然増収、また本年末に実施されまする国と地方の財源調整というような面を通じまして、地方税の増税という形式を極力避けまして、そういう今申しましたような線で財源を充実していきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/11
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012・小林武治
○小林武治君 今年の公社の税負担、こういうようなものは、これは平年度に直すと約百億以上になる、こういうふうに思いまするが、これらも関係者は、地方財政の窮乏を救うためにやむを得ないと、できたら時限法にしてもらいたい、こういうふうな希望まで持っておるのでありますが、これをまだこの上増徴するというようなことは、私は適当ではないというふうに思いますが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/12
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013・早川崇
○政府委員(早川崇君) これは、来年度の地方財政の状況に関連する問題でありまするが、われわれといたしましては、これを平年度化いたしますると、四分の一が二分の一になる、一応そういう点の了解はあるわけでございます。しかしながら、三公社にいたずらに負担が増すということは、むろん三公社側としては歓迎するはずがございませんので、明年度の事業税その他、あるいは国と地方の財源調整全般をながめまして、どうしても地方財政健全化のためにやむを得ない場合には、やはり既定方針通りいくより仕方がない。これは、もう少し来年度の状況の見通しがついたときに再検討をしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/13
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014・小林武治
○小林武治君 まあ今の地方税の負担の限度まである程度きておる。また公社は来年が最大の負担になる。こういうことであって、交付税も増したくない、また増すべきでない、こういうことになれば、もう財源、国と地方とのやりとりの調整以外にない。こういうふうに思うのでありますが、それについても、本年度の地方の財政計画が一兆四百五十六億、こういうふうな数字を今も並べておるのでありまして、これは国に比べても膨張率が高いと思うのでありますが、この財政規模そのものが私は根幹をなすものだと思うのでありますが、財政規模も、今後は大体この程度にとどめておく。そうしてあとは、負担の均衡あるいは経費の節減等によって、規模の拡大をすればやむを得ず歳入をふやさんならぬから、規模の問題を大体この程度でいくのだ、こういう考え方はお持ちになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/14
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015・早川崇
○政府委員(早川崇君) 規模の問題で一つ心配になるのは、例の公債費の増加という問題でございまして、この問題を除外して考えますると、大体現在規模、しかもそれの自然的な支出の増は、自然増というような面で補っていくという仕方が望ましいと思う。ただここで、明らかに今後ふえて参る予定のものは公債費、この問題は、残念ながら本年度においては根本的な解決を見られませんでしたが、この問題に対する大蔵当局並びに一般国民の理解はかなり深まって参りました。公債政策全般の検討の際にこの問題をもあわせ考えるということを除外するならば、大体今年度の線、むろん自然増収というようなものはそれだけふえるわけでございますが、そういう規模で進めるのが健全な姿じゃないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/15
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016・小林武治
○小林武治君 今の公債費の関係でありまするが、この増加の状況は、ここ二、三年どういうふうになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/16
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017・後藤博
○政府委員(後藤博君) 今までの利子の引き下げがどの程度行われるか、借りかえがどういう格好になるかという問題がからんで参りますから、はっきりいたしませんが、大体しばらくは百億くらいずつ毎年伸びて参ります。昭和四十五年くらいまで、ずっと毎年相当額の増加が出て参ります、今のままで、今くらいの起債をつけて参りますれば……。ところが新規に起債をつける量を減らして参り、さらに低利の借りかえその他の方式をとって参りますれば、その山はだいぶくずれて参ります。そういう不確定な要素がございますので、はっきりわかりませんが、大体まあここ数年は百億くらいずつ伸びていくというふうに私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/17
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018・小林武治
○小林武治君 ここに書いたものを見ればわかると思います。今年は多少公債も減らしておるように考えます。今年度の公債の公債費ですね、これは幾らになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/18
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019・後藤博
○政府委員(後藤博君) 一般会計分が今年度は五百七十五億であります。昨年は七百六十億であります。そのほかに再建債等の関係もございますので、財政計画上の財源として考えておりますのは七百十五億であります。昨年は七百九十億であります。七十五億だけ昨年から減っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/19
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020・小林武治
○小林武治君 今の公債費ですね……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/20
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021・後藤博
○政府委員(後藤博君) 公債の発行額は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/21
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022・小林武治
○小林武治君 公債費。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/22
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023・後藤博
○政府委員(後藤博君) 公債費は六百三十億でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/23
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024・小林武治
○小林武治君 そうすると、六百二十億が百億ずつふえていくと、公債費と公債とじきにクロスする、こういうことになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/24
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025・後藤博
○政府委員(後藤博君) 今まで通りの七百九十億くらいの計算で参りますると、昭和四十五年くらいがピークで、公債費が今のままでいく場合、千三、四百億くらいになる、こういう計算になります。これは先ほど申し上げましたように、利子がそのままであるとい
うのと、一般会計分、財政計画上のものが大体まあ七百九十億前後ふえていくという考え方に立てば、そういうことになるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/25
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026・小林武治
○小林武治君 その今の公債費が地方財政の非常に大きなガンになるということは、だいぶ前から国会その他でも論議されてきておって、大蔵大臣も、これは何とかしなければならぬ、こういうことを言われてきておりまするが、何とかしなければならぬと言うても、時期がすでにおそいくらいになっております。それについても、三十一年度はやむを得なかったとしても、三十二年度は何か構想があるかどうか、これはいかがですか。むしろ大蔵大臣を呼んで聞いた方がいいかもしれませんが、自治庁と大蔵省との折衝において、一体どんな構想があり得るか、そういうことはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/26
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027・早川崇
○政府委員(早川崇君) この問題は非常にむずかしい問題でございまして、公債費の、公債問題の処理には、だれが考えても三つ四つに尽きると思います。
第一は、かつて地方債の外債を国で全部肩がわりをしたというように、国家で肩がわりするという方法、第二には、全般的に利子を補給するなり、為るいは利子を減らすなりする、こういうこと。さらにまた、国の方で公債を許可するのであれば、むしろ財源を地方につけるというような問題、また短期債を長期債に借りかえるという問題、大体だれが考えても、考えられる道は非常に限られておるわけであります。
問題は、私は、これは大蔵当局の地方財政に対する考え方がどうかという問題が基本だと思うのでありまして、従来国家の方は非募債主義である、地方は財源をつけるべきものまでも公債でまかなわしめておるという、こういう財政の基本方針、これを改めてもらわなければこの問題は解決いたしません。たとえば地方の方は学校を建てるのに公債、国家の方は官庁の建物を建てるのにも、これは三十年、四十年にわたって払うものでも、これは税金でやるという、こういうやり方では片づかないのでありまして、この問題につきましては、どうしても大蔵当局が地方財政と国家財政というものを平等なウエートで、私は、これは楕円の二つの中心という考え方、会社の下請会社のような目で地方財政を見ないで、ちょうど東京と大阪という二つの楕円の中心という考え方で地方財政を考えてもらいたい、また考えるべきだ、こういうことでなければ、根本的には問題は解決をいたしません。この点は、むしろ大蔵当局から御見解を聞いていただきたいのであります。
第二点の利子を補給するという問題でございまするが、これもいろいろ議論がございましたが、結局われわれといたしましては、利子補給という点は、大蔵当局に聞かなかったのでございますが、しかし、公債利子を全般的に引き下げる方向には、大蔵当局は全力をあげよう、かつての地方債は三分五厘であります。アメリカあたりは、二分という低い地方債の利子でございますから、そういった面で、大蔵当局は全面的な努力をいただきたい、コールなんかも非常に下っておりまするが、これをしいて、金融機関がそれによって金利が下り過ぎて困るのじゃないか、そういう一切の配慮をやめて、一にも二にも金利を下げるという方向に大蔵当局は努力をしてもらいたい。また大蔵当局はするということでございまするので、すでに地方債は、御承知のように、公募債におきましても、所によっては七分と、だんだん下ってきております。これが六分、五分というように、下り得る可能性は十分あるのでありまして、そういった面で、公債費の非常に大きい部分を占めまする利子という面につきましては、今後かなりの軽減が期待されるのではなかろうか、かように考えておるわけであります。
最後の長期債との借りかえという問題は、このたびの予算におきまして、本年度においては実施することができました。そういたしまして、低利長期に借りかえるとともに、先ほど財政部長が申されましたように、地方としても、一般財源を何でもかんでも起債でまかなっていくという方向を改めまして、先ほど申し上げましたように、再建債を除きますると、百数十億円に及ぶ一般債をぶった切ったわれわれといたしましては、地方自体からも公債問題に対して積極的な解決をはかりたいという意思の表われがそこに出ておるわけでございます。こういった線で公債問題を考えておりまするので、どうか一つ、委員各位におかれましても御協力を願いまして、これは非常に大きい問題でございます。一自治庁の問題では解決いたさぬ問題でございます。その点は御協力をお願いしたい、かように思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/27
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028・小林武治
○小林武治君 三十一年度末の公債、要するに一般会計負担の公債現在額はどのくらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/28
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029・後藤博
○政府委員(後藤博君) 三十一年度年度末で申しますと、一般会計分は四千八百億円くらいになりやしないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/29
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030・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/30
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031・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 速記をつけて。
暫時休憩いたします。
午後零時九分休憩
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午後一時五十三分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/31
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032・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 午前に引き続いて会議を開きます。委員の異動がありましたから、御報告申し上げます。
まず、石村幸作君が辞任せられ、新たに齋藤昇君が選任されました。同じく委員野田俊作君が辞任せられて、新たに佐藤尚武君が委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/32
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033・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 議案の撤回に関する件についてお諮りいたします。公職選挙法の一部を改正する法律案(第二十二回国会参第二五号)本院小林武治君ほか五名発議案につきまして、さる三月二十七日に、発議者より撤回要求書が提出された旨議長より通知がございました。
本院規則第二十八条によりますと、委員会の議題となった発議案の撤回につきましては、当該委員会の許可を必要といたします。本件につきましては、三月二十七日の当委員会におきまして、懇談中に私から委員各位に一応御報告をいたしまして、その際本件の取り扱いにつきましては、各会派におかれて御検討の上意見をおまとめ願って、しかるのち、当委員会で適当に取り計らうことにしたいということを申しておきました。だいぶ日数もたちましたので、この機会に各会派の御意見をそれぞれ御開陳願いまして、その上で御協議の上、適当に処理したいと考えております。速記をとめて。
午後一時五十六分速記中止
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午後二時三十六分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/33
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034・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 速記を起して下さい。
ただいままで種々御懇談申し上げまして、懇談中、本案の撤回については、各会派とも最後には御異議がないということのようでございますから、ここで御異議ないものと認めて、さよう決定いたしまして御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/34
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035・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 御異議ないようでございますから、それでは本法律案は、委員会といたしましては撤回に同意することに決定いたしました。
それでは、本日はこれで散会いたします。
午後二時三十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X02719560424/35
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