1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年四月三十日(月曜日)
午前十一時二十八分開会
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委員の異動
四月二十八日委員川村松助君及び横川
信夫君辞任につき、その補欠として高
橋衛君及び木村守江君を議長において
指名した。
本日委員高橋衛君及び木村守江君辞任
につきその補欠として川村松助君及び
横川信夫君を議長において指名した。
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出席者に左の通り
委員長 松岡 平市君
理事
伊能 芳雄君
宮澤 喜一君
森下 政一君
小林 武治君
委員
大谷 贇雄君
川村 松助君
木島 虎藏君
佐野 廣君
堀 末治君
横川 信夫君
後藤 文夫君
野田 俊作君
国務大臣
国 務 大 臣 太田 正孝君
政府委員
自治政務次官 早川 崇君
自治庁次長 鈴木 俊一君
自治庁財政部長 後藤 博君
事務局側
常任委員会専門
員 福永与一郎君
説明員
自治庁財政部財
政課長 柴田 護君
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本日の会議に付した案件
○地方財政の確立に関する請願(第二
号)(第一一九三号)(第一三〇〇
号)
○地方財政再建措置に関する請願(第
一五一号)
○地方交付税における高等学校の単位
費用引上げに関する請願(第一四
号)
○地方公務員の期末手当増額に関する
請願(第一三九号)(第一五二号)
(第一六八号)
○公営住宅の起債に関する請願(第三
三二号)
○昭和三十一年度公共事業費割当方針
是正に関する請願(第九二五号)
○地方自治体に対する国庫補助金等決
定促進の請願(第一〇七二号)
○山形県山辺町の上水道布設工事費起
債許可に関する請願(第一二五四
号)
○地方交付税法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
○地方財政の再建等のための公共事業
に係る国庫負担等の臨時特例に関す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○地方財政法等の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/0
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001・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 委員会を開きます。
委員の異動を御報告申し上げます。四月二十八日付委員川村松助君、横川信夫君はそれぞれ辞任されました。新たに高橋衛君、木村守江君が委員に任命せられました。本日付委員高橋衛君、木村守江君が辞任せられ、新たに川村松助君、横川信夫君がそれぞれ委員に任命せられました。以上御報告申し上げます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/1
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002・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 本日は前回に引き続き地方交付税法の一部を改正する法律案、地方財政の再建等のための公共事業に係る国庫負担等の臨時特例に関する法律案、地方財政法等の一部を改正する法律案、以上三案について審査を願いますが、一昨日までこれらに関連のあります請願が十二件付託になっておりますので、この際法律案の審査の参考とする意味におきましてまず請願の審査を行います。お手元に資料が配付してございますので、この表によって審査を行なって参ります。請願第二号地方財政の確立に関する請願ほか十一件を便宜一括して議題に供します。まず専門員よりこれら請願の内容説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/2
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003・福永与一郎
○専門員(福永与一郎君) お手元に差し上げてございます一覧表の順序で一応簡単に御説明申し上げます。
最初の第二号は地方財政の確立に関する件であります。地方財政の確立のために地方交付税の税率を二八%まで引き上げること、地方債証券公庫を設立すること等を要望するものであります。
その次は同じく地方財政の確立のために地方債について償還期限の延長、利子の一部補給、それから交付税の率の二八%までの引き上げ等を要望するものでございます。
その次の百五十一号は地方財政再建措置を講じていただきたいというものでありますが、提出の時期が今国会の初めの前のようでありますから、この点に触れておるものだと思います。
それからその次の十四号は、高等学校が教育制度の中の谷間のような格好になっておって、単位費用も非常に低い状態でありますので、これを現在の九千六百円から一万五千円程度に引き上げられたいというものであります。
その次の三件は、地方公務員の期末手当増額に関する件でありまして、期末手当〇・二五ヵ月分を、政府がこれに要する経費を全額措置されるようにということを要望するものであります。
その次は、地方財政の確立に関する件でありますが、提出者は東京都労働組合連合会の中の岡本丑太郎ほか三千数百名であります。内容は地方財政の確立をはかるために、たばこ消費税の地方譲与率を三〇%に引き上げること、入場譲与税法の改正を取りやめること、地方起債のワクを撤廃すること等の措置を講じて、もって東京都財政の確立を期せられたいという意味でございます。
その次は、第九百二十五号、現在の政府の起債割当、公共事業の割当方針が富裕府県に厚く貧弱県に薄いというような傾向にありますので、これが是正を強く要望するという趣旨のものでございます。
その次は、千七十二号地方自治体に対する国庫補助金等決定促進の請願であります。
その次は三百三十二号公営住宅の起債については、公営住宅建設の戸数を割り当てた以上は、これが建築の完遂のために、起債要求額は百パーセント承認されたいという趣旨のものでございます。
最後のは、山形県山辺町は合併町村でありますが、その新町村建設計画中、上水道布設は最も緊急を要するものであるから、地方財政困難の折柄、総工費四千万円の上水道布設財源獲得のために起債を許可せられたいという趣旨のものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/3
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004・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 次にただいまの各請願に対する政府の意見を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/4
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005・後藤博
○政府委員(後藤博君) 第二号の地方財政の確立に関する件でありますが、これは繰入率二五%を昭和三十一年度以降二八%で引き上げるというのが第一点であります。それから第二点は地方自治団体の財政負担となり、かつ必ずしも必要性のない行政機構をすみやかに改正する、三、地方債資金の現況にかんがみ地方債証券公庫を設立すること、四、現行の地方税制度においては地方税の総額は不十分であり、かつ弾力性にかけているから自主財源を豊富にするようにする、という趣旨の請願でございますが、これは昨年の十二月に出されたものでございまして、その後二五%に本年度の計画はなっております。それから必要のない行政機構の改革等についても、自治法等によりましてある程度の改革をいたしております。それから地方債証券公庫の問題につきましては、これは率がだんだん低下いたします現状にありまするので、その行方をもう少し見定めた上でさらに構想を新たにいたしまして、私どもこの法案を出したいと考えている次第であります。一応本国会には提出するのを取りやめた次第でございます。地方税に関することは、これは自主財源を増強する方向に、今年の財政計画の上でも今度の税制の改正でもいたしたのであります。
それから第千三百号も大体同じ趣旨の請願でございますので、第二号の請願と同じような考え方でございます。それから第百五十一号は、これも交付税の引き上げ、それから地方財政再建特別措置法の特別措置を講ずる等の請願でございます。これも先ほど申し上げましたように、交付税の税率を二五%にいたしましたし、再建特別措置法の通過がございましたので大体実現されたわけでございます。それから十四号の高等学校の単位費用でございますが、これは毎年少しづつ単位費用を上げて参りまして、もちろん三十一年度も単位費用を上げております。生徒数を基準にして一人当り九千七百九十七円を九千八百十円に上げております。この基礎になりますものの標準団体における先生の数をふやしたのでございます。これを少しづつふやして毎年きている。従ってこの請願には大体こたえることになると思います。
それからその次の地方公務員の期末手当増額でありますが、〇・二五分のものは、これは単位費用の中に全部織り込んでありまして、従って給与に関する関係におきましては全部〇・二五を付加した単位費用に直したのであります。
それから次の地方財政の確立に関する件、千百九十三号であります。これは東京都だけから東京都の立場からたばこ消費税の地方譲与率を三〇%に、入場譲与税の税率改正を取りやめてもらいたいというたしか請願であったと思いますが、これは全体の自主財源のあり方、調整財源のあり方等に関するものでありまして、地方団体だけの請願にはその通りにはなっておりませんが、全体の財源増強の方策の立場からたばこの消費税も上っておりまするし、入場税の税率の改訂もやむを得なかった、かように考えております。
それから九百二十五号の公共事業費割当方針是正、これは貧弱県に薄くて、−財政の豊かな県に厚くなっておる方針をやめてもらいたいというふうな請願であります。しかし必ずしもそういうふうに私どもなっておるとは考えません。むしろ貧弱県に非常に多くいっておる場合もございます。そのために公債費の負担で悩んでおる団体も相当ございます。従来は起債を財源的な考え方にいたしておりました関係もございまするが、公共事業費の割当というのは必ずしもそういう意図でなされておるのではない。多少昨年から、三十年度から財政力というものを加味した割当が行われておりまするが、しかし従来の継続事業との関係がありまして、まだすっきりした姿になってないように私どもは考えております。
それから次の千七十二号の国庫補助金等の決定促進の件、これはわれわれもかねがね関係各省に話しておりまして、二、三年前から見ますると、補助金の決定は相当早くなっておると考えております。本年も建設省は早く決定いたしたいというふうに言っておりますし、ただ農林省関係が少し遅れておりますので、そちらの方を督促いたしております。
それから次の三百三十二号の公営住宅の起債の件、これは公営住宅の起債の充当率を引き上げてもらいたいということであると思いますが、これは地方負担の関係で公営住宅の負担が非常に大きいということもわれわれわかるのであります。他の起債よりも公営住宅の起債は充当率を引き上げております。しかし現状においては百パーセントに充当率を引き上げるまでの起債余裕がないのでございます。
それから最後に山形県の上水道の施設工事費の起債許可でありますが、これは私どもよく話をまだ伺っておりませんが、認可があるかどうかもはっきりいたしておりません。これは県の事業認可の範囲であるか、国の事業認可の範囲であるかはっきりいたしておりませんので、ここでお答えすることができないのであります。
大体以上簡単に意見を申し上げた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/5
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006・松岡平市
○委員長(松岡平市君) ただいま説明並びに意見を聴取いたしました請願について、質疑がございましたら御発言を願います。(「質疑なし」と呼ぶ者あり)別に御発言もなければ本件についてはこの程度にいたします。これら請願の願意をも参酌されまして、法律案の審査をお願いいたしたいと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/6
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007・松岡平市
○委員長(松岡平市君) それでは次に法律案の審査に入ります。冒頭に申し上げました三法律案を便宜一括して議題に供します。質疑のおありの方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/7
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008・伊能芳雄
○伊能芳雄君 地方財政の再建等のための公共事業に係る法律案、この法律案は、内容はもちろん国の負担率を多くして地方団体の負担率を少くするということでけっこうなんですが、大体これを地方制度調査会が答申したのは、再建のための臨時措置ではなかったので、国と地方団体との負担区分のい問題として答申してあるのであります。なぜこういうふうに臨時特例というような形で扱ったのか、事情を伺いたい、これは政務次官から。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/8
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009・早川崇
○政府委員(早川崇君) この問題はお説の通りでございまするが、今後公共事業をどういう永久的な負担区分でいくかという問題は、もう少し掘り下げた根本的問題につながるような問題でございまして、建設当局あるいは財政当局からも臨時特例ということでそういう意見がございました。このたびは臨時特例といたしまして、この期限の来たときにもう一ぺん考えるという趣旨でございまして、御趣旨の申されましたような恒久的な、という考え方という点からは若干遠いのでございます。このたびは特に地方財政再建という立場から、そういう特例措置をとった次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/9
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010・伊能芳雄
○伊能芳雄君 そうすると自治庁の立場としては、地方制度調査会の答申のような努力をしたけれども、さしあたりは再建のためにもうしばらく臨時特例でやって、そうして将来恒久的なものを考えたい、こういう趣旨ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/10
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011・早川崇
○政府委員(早川崇君) 御趣旨の通りでございまして、この問題と関連をいたしませんが、三公社の課税につきましてもその他の問題にしても、臨時特例にしてくれという意見があったのでありまして、そういう面はわれわれとしては協議いたしたのでありますが、この問題は自治庁としては、むしろそういうこそく的なことは望ましくない趣旨でありまして、今申し上げました期限が来たときに根本的に考えるという点で妥協いたしたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/11
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012・伊能芳雄
○伊能芳雄君 三十四年の三月三十一日、ちょうど三年ばかりこれをやってみるわけですが、その間に十分地方財政の確立ということは、ただいま請願の中にもたくさん出ているように問題の多いところでありますから、ほかのいろいろな問題と総合して恒久的な負担率をきめられることを要望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/12
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013・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 速記しばらくとめて。
午前十二時四十八分速記中止
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午後零時二分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/13
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014・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 速記を起して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/14
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015・森下政一
○森下政一君 後藤さんひとつ説明を伺いたいのですが、この三十一年度の財政計画の地方債ですね、これは一体まあ漸減の方策をとったということでありますが、この中身を一ぺん解剖して説明してもらいたいと思うのですが、先日の委員会でも大蔵大臣を目の前に控えて、委員長みずから発言をされて、いろいろ地方財政が赤字で困っておるということについては、この前一般財源の不足をカバーするために起債を認めてきておる、そういったことは償還財源のないものを起債にたよって財源不足をカバーしてきたというような方策をとったことが、今日非常な地方財政の困窮を来たしておる原因だと、このことについては、国が相当責任を持たなければいかんと思うというような御発言がありました。大蔵大臣もそのことはよくわかっておるというようなお話があったけれども、この間の大蔵大臣のここでの御答弁だけで、私は国が責任を持ってそれならそれをどうしようということまで期待することはできないのじゃないかと思います。そこで三十一年度における地方債計画というものは、一体どうなっているのか、やはり依然として漸減はしておっても、償還財源の見込みのないにかかわらず、財源不足に充てるものがやはりこの中に含んでおるのかどうか、その辺をひとつはっきり説明を聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/15
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016・後藤博
○政府委員(後藤博君) 地方債の問題でありますが、これは地方債の問題を片づける方針として二つの方向があると思います。それはこれから来年度つけます地方債の総量、特に一般会計分の地方債を漸次少くしていく、それに見合うところの一般財源をふやしていく、この方向が一つあります。
それから過去の地方債を一体どうするか、こういう問題が一つあります。で、両方の方策を講じなければ地方債の問題は片づかないと、かように私どもは考えておるわけであります。
まず最初の地方債の将来における量を減らしていくという建前といたしまして、本年度は一般会計分の地方債を減らして、その減らした分をある程度公営企業の方でふやしていく、総量はあまり変えない、総量もできれば少くしたいのでありますが、現状におきましては公営企業分がまだ少いのであります。公営企業分はもっと伸ばさなければならぬ場合もあると考えます。従って地方債の総量は大体一千二百億前後のところをしばらく続けてもらいたい。そのうちで一般会計分をできるだけ少くしていこう、特に一般会計分のうちでも一般補助事業分と申しますか一般の事業債分、こういうものを少くしていこう。一般会計分でもたとえば災害とか学校関係だとかいうものは、そう減らすわけに参りません。従ってその以外の一般事業債を少くしていこうという方計をとったのでございまして、従って一般補助事業では、一般事業債では大体百八十五億ばかり昨年よりも少くなっております。で一般会計分の総量では七十五億少くなっておりますが、事業債分を、一般事業債分を少くしていくという方針をとってそういう結果にしたのであります。それと同時に一方交付税法の改正をいたしまして、この従来財源的な割当をしておりました貧弱県の起債の量を少くするために、交付税法の改正によりまして投資的経費を延ばして、そうして一般財源を多くしていこう。こういう方針をとったのでございます。そうすることが償還という問題を少くしていくことになると思います。
それから将来の問題としては、たびたび申し上げましたように、まあ大きな方向としては三つくらいの方向がございます。それは一つは借りかえをしていく。これは低利借りかえでなければ意味がないのであります。一応低利借りかえの方針をとっております。それからできれば利子補給、これは全額ではございませんが、ものによっては利子補給の方法をとっていく。それからさらにでき得べくんば国への肩がわりの方式を考えていく。こういうような方法をちゃんぽんにやる方法もございます。そういう方法によって将来の起債の山を崩していこう。こういうのがまあわれわれの考え方でございます。で、もちろん個々の団体につけます場合には、今度は償還能力というものを中心に考えていかなければなりません。今までも考えておるのでございまするけれども、昨年頃から償還能力というものを強く考えて、償還能力のない所はあまり起債の量を多くしないという方針で本年もいきたい。かように考えておるわけでございます。しかし償還能力というものを一体どういうふうに見るかと、こういう問題が一つあります。財政力の問題とあわせてその財政運営がその団体においてちゃんとしたものがあれば、これも償還能力の一つに勘定できるのではないか。従って再建整備をやる団体におきましても、再建整備計画がはっきりしておれば、それは償還能力があるということが言えるのであります。財源が相当ありましても、赤字が年々ふえていくような財政運営をしておりますような所では、再建計画のないような所では、やはり償還能力というものの見通しはつかないと、こういうふうになると私たちは考えておるのでございます。まあ償還能力の線を強く出して、一挙になくするというわけには参りません。しかし償還能力に応じた起債をつけていくという方針をしばらくとっていきたいと考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/16
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017・森下政一
○森下政一君 既往の分をどうするかということについては、今おっしゃった三つの方法、ことに国が肩がわりするなどということは、これはできればこれに越したことはないと思いますけれども、国としても国みずからの財政関係があることでございますから、そう何でもかんでも国に押しつけるということもできないだろうと一応考える、利子補給を講ずるとかいろいろな方法で、あるいは国が一部漸次肩がわりをしていって、あくまでも起債の残を消していくとか何とかいうような方法を講じなければならぬ。ところで一つの方法としては、償還能力のないものに起債を認めるなんていうことをなるべく少くしなければ、問題はいつまでたっても先へ延ばされていくということになる。既往のものをどんな手段を講じてくずしていっても、毎年々々償還能力に見合わないような起債がふえていくなんていうことでは、とうてい私はこの問題は解決しないと思う。そこで今おっしゃった、たとえば災害の復旧であるとか、学校とかいうものを重点的に考えなければならぬ、そのほかの一般事業債というものはなるべく押える。漸減の方針をとるといわれるが、これはやはりはっきり償還の財源が明確に見通しが立つというものでないものを、やはり三十一年度の起債計画の中にも一部分は含んでおるということですか、どうなんですか。たとえば償還計画というものを持って、こういうふうにして償還しますと、必ずそれは出てくるものなんですか。それはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/17
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018・後藤博
○政府委員(後藤博君) 一般事業債の中に二つ種類があります。一つは単独事業のようなもので、一つ一つ個々に査定をしてつける場合、この場合には償還財源というものはある程度はっきりしております。しかし補助事業のつけ方自体は、従来はいろいろの補助事業が県あたりにございますが、その補助事業の負担額を集計しまして、その負担額の何パーセントというようなつけ方をしてきたのであります。従って財源的な考え方をしてきたのであります。そこで今度はそういう数字を出しました場合に、その程度の将来の起債の償還ができるかどうかということを、財政全体の判断から出さなければいかぬわけです。従ってこの点が非常にむずかしいのでありまして、その団体の財政の将来の計画の上で、そういう償還費が出てくるかどうかという見通しをつけなければなりません。個々の団体では、その起債の額をどこに重点をおくかということは、われわれはやかましくあまり言っていないのであります。一括して補助事業分はこれだけだ、それをどこに、たとえば住宅に重点をおこうが、河川に重点をおこうが、これは個々の団体にある程度まかしてあります。従って財政全体を見て償還能力があるかないかということをきめなければなりません。その場合にその団体が健全財政の運営をしておるかどうか、赤字が累積しておるかどうか、その累積がとまっているかどうかというようなことが、やはり判断の資料になるわけであります。従って健全財政をやっておれば問題ないのでありますが、今度は再建計画を立ててちゃんと健全財政の方向に参りますような団体は、やはり一応の償還能力というものは、つまり償還というものを計画の中に入れて参りますから一応めどが立っておると、こういうふうに見られます。しかし赤字がどんどんふえておる、その赤字のふえておる要素というものを除いてないような団体は、やはり全体として償還能力は欠けておる、こういう判断をせざるを得ないのであります。その場合に、全然起債をつけないかどうかという問題がある。そこまではまだ踏み切ることができない。やはり起債をある程度は考えなければならぬと思いまするけれども、非常に財政運営の悪い団体につきましては許可しない。そういう補助事業の起債を許可しないということもあり得るということを、はっきり起債の許可方針にきめまして指導していきたい、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/18
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019・森下政一
○森下政一君 つまりこれまでの方針としては、少し何というか、そこまで、今あなたの説明したことですね。財政運営が健全でないそういうものには起債をなるべく認めない、というような方針がきめられておらなんだと私は思うのです。少くともこれからはそうでなくてはいけないと思う。一切認めないというと直ちに困るということがあるかもわからぬけれども、しかし累を将来に残さぬということにしなければ、私は赤字というものは解消しないと思う。
それからこの際一つもう一ぺんお伺いしておきたいのは、臨時国会でも一地方の赤字という問題が論議されたときに、口をそろえて各議員諸君から唱えられたことは、これらの補助金行政というものがあまりに放漫というか、とにかくそれこそ名目だけのような補助をして、かえってそのために地方が持ち出さなければならぬものが非常に多い、その種類も非常に多い。これらは何とか整理して、その弊害を芟除しなければならぬということは、もうほとんど軌を一にして各議員が唱えておられましたが、それらについて改廃が三十一年度ではなされたように思いまするが、一体どれくらいの種類の補助金というものが国から出されておって、そしてそれがどれくらいに減らされてどうなっておるかということを一ぺん説明してもらえませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/19
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020・後藤博
○政府委員(後藤博君) 補助金行政につきましては、改革を要する点が非常に多いのであります。政府におきましては一昨年ごろからこの補助金の整理統合、廃止統合も行われておるのであります。しかし個々の一つ一つをとって見ますると、なかなかそれぞれの理由があるようでありまして、思うようには改廃が行われないのであります。今度の国の予算では、地方財源に振りかえまして補助金行政を廃止したものが額にしまして十七億くらいになります。大体補助金行政は一挙に改廃が行われることがむずかしいのでありまして、大体毎年二十億前後行われてきておるのであります。せっかく一昨年でしたか、相当大量に改廃が行われたのでありますが、国会で復活をされまして、そう大きな影響がなかったような事例もございます。件数はまだはっきりいたしておりませんが、大した件数にはなっていないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/20
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021・森下政一
○森下政一君 現在補助金の出されておる件数というのはどのくらいあるのですか。整理されたものがわからなければ、出されたのはどのくらいありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/21
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022・後藤博
○政府委員(後藤博君) 今出されておりますのは、勘定の仕方がいろいろあります。たとえばこれは農業関係で申しましても、農業委員会の補助金と、こう一本に言っておりますけれども、そのうちの補助金のつけ方もいろいろありますので、われわれは大体大まかな種別で三百件ぐらいあると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/22
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023・森下政一
○森下政一君 そのうちで額の少いものになってくると、どのくらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/23
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024・柴田護
○説明員(柴田護君) 非常に小さいものになりますと、百万円程度のものもございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/24
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025・森下政一
○森下政一君 それは一府県当りでですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/25
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026・柴田護
○説明員(柴田護君) 総額で百万円です。なお三十年度は地方一般財源に振りかえました補助金は大体十数件でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/26
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027・森下政一
○森下政一君 それからもう一つ、財政計画を策定されるということですね。たとえば、三十一年度の地方交付税が二五%にきまった。三%昨年よりか交付税率が引き上げられた。これは最初に国の方の財政の都合で二五%ということがきまってくるのか。そうでなくて、あなたの方で基準財政需要というものを算定する、それから基準財政収入というものを算定する、もちろん今年度のようなときには、いろいろ、つまり地方税の増収とか何とかして地方の財源を獲得しようという労苦を払われて、そうしてほぼどれくらいという財政収入の見当がつく、財政需要と財政収入と比較してみてこれだけ足らぬ、その足らぬものを交付税に仰ぐということで二五%というものがきまるのか。そうでなくて、交付税率というものは、何とか地方が困っているのだからしなければならぬというので、国の方が国の財政を勘案しながら二五%、ここまでは出せる、それじゃあ不足するものはどれくらいになるからというので、今度は財源の獲得にあなたの方でいろいろ勘案するのか、どういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/27
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028・後藤博
○政府委員(後藤博君) 財政需要は別に立てまして、本年度の財政需要を別に計算をいたしまして、それから現行制度、つまり昨年の制度を基礎にいたしまして、本年ではじきますると歳入はこのくらいになる。その場合に、交付税、それから一般財源の税でありまするとか、そのほかいろいろな歳入関係を見合いまして、そうして交付税をきめていく。一番最後はやはり起債の問題、それから交付税の問題、それから一般財源の税財源の増強の問題をからみ合せてきめる、こういう格好に財政計画上はなるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/28
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029・森下政一
○森下政一君 太田自治庁長官がお見えになっておりますから、この機会に、御高見を伺っておきたいのですが、交付税率が増強された、これは地方財政の赤字を解消するのに非常に役に立つ。これは言うまでもないことだと思います。ただ今のような交付税制度というものがとられておる限りにおいては、この率が多くなればなるほど、地方財政はゆとりができてくるんだと思うのです。そんなら結局これは地方の自主財源がふえたのかというと、そうじゃないと思うのです。それは地方がますます国にたよらなければならぬということが深刻になってくるだけのことなんで、ほんとうに地方の自治を伸長していくという点から考えると、私は交付税なんというものは多くならぬ方がいいんだという考え方を持っておるのです。衆議院の社会党あたりでは、何でも交付税率を二七%というような議員提出の法案がもう出ているのではないかと思うのですが、こういう制度が認められておる限りにおいては、そういうふうになるべく交付税率を引き上げていこうというような努力をする者が出てくるのだと思いますが、私はほんとうは、これは自治の伸長という点から言うと逆行であって、交付税というものはだんだん減っていく、しまいにはなくなってしまう、そのかわり地方のほんとうの自主財源というものを増強していく、交付税でまかなっておったものを逆に自主財源にかえていく、これはなかなかむずかしいことだと思いますが、その方が自治の伸長のためには、本来の姿でなければならぬ。自治庁長官がもし同じような意見を持たれるとするならば、それに努力されるということが、ほんとうの抜本的な地方財政の救援ということになるのではないかと、こう私は思うのです。私の考え間違っておりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/29
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030・太田正孝
○国務大臣(太田正孝君) 理筋といたしまして、おっしゃる通りであろう、それが地方財政の今後のいくべき道かと思います。しかしよく言われるように、今までの地方財政がずいぶん国から押しつけたものであるとか、責任論も起っておる次第でございます。現状におきましては、お話のように交付税を返せばいいという議論が相当に強いのでございますが、私としては、交付税というものは最後に国から出すべきものであって、最初からとるべきものじゃないとお考えのように私も思います。先ほど来の一般的の問題から申しましても、今地方財政はやや赤字へいく方を食いとめつつある現状でございますが、交付税の問題といい、公債の問題といい、おそらく明年度の三十二年度の予算を組むころになりますというと、非常に大きな問題として、交付税の問題も公債の問題も起ってくると思います。国家財政におきましても、だいぶ少し疲れたと申しますか、あるいは公債主義をとろうというような傾向も少しあるようにも思います。そのときに地方の債務関係をどう考えるか、昔からの古い言葉でございますが、公債もやっぱり将来の税でございまして、この点について考えなければならぬ。現状の地方財政を埋めてゆくについても、ただ国から出すという交付税の問題と考えることはできない。国家の財政におきましても、この公債の問題というものが、ことしは私は相当大きくなるのじゃないかと思うのです。そのときに地方債をどうするかという問題がからんでくるので、一本にして公債政策を考える非常に大切なときだと思います。その地方債につきましては、先ほど来指摘されましたるように、利子をどうするか、過去の借金をどうするか、こういう問題がございます。この公債問題とからみまして、よく金のないときにはというので、地方の方へ回す金として義務教育費の全額国庫負担というような議論も出ておりますが、私はこれは反対でございまして、総じて公債政策、税の問題、特に税のうちの交付税の問題につきましては、足らぬところは全部出せばいいという議論には私は賛成しません。できるならば自主財源でゆくのが筋でございますが、現状におきましてはまだそこまでいっておりません。しかも交付税が三大税の四分の一を占めている、こういう状況でございますので、これをふやすということは、国の財政でも大へんな問題だろうと思いますが、地方財政の建前から見ましても、私はこれにたよるということがなくて済む税法を考えなくちゃならぬ。公債政策と税制政策とからみまして、しかも本年における世界の経済情勢から、日本の輸出貿易がいろいろに及ぶ関係を考えますと三十二年度というものはこういう意味において非常にむずかしい時期である。けれども地方財政を気やすくただ交付税でもって埋めてゆけばいいというような考え方は私は持っておりません。しかも現状の二割五分というものは、大きな国から出る金である、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/30
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031・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 一言、私は先ほど後藤政府委員の御答弁に関連してお聞きしておきます。いわゆる補助事業についての起債の問題ですが、財政再建整備をやられたというか、やった地方公共団体、このうちで例をあげますが、たとえば佐賀県とかあるいは徳島県とかあるいは秋田県あたりも、それに準ずるのではないかと思うのですが、これはおそらくもう現在持っておる地債の償還ということだけでもぎりぎり一ぱいで、おそらくはできなくて先の借りかえ等で延ばすというような措置を講じられたに違いないと思います。そうすると、先ほど部長の御説明を聞いておると、これらの府県には起債の余地というものがない。そうして一面片方には補助事業というものがざあっとあって、そうして全体で地方の起債のワクが今数百億ある。そうすると、財政再建整備をしたような所は、その補助事業というものは全然やる余地がない、こういうことになってくると思う。起債をする能力は、これは償還をする能力はないわけですから、財源を見つけるわけも何もない。おそらく再建整備で精一ぱいだ。そうすると再建整備後は起債能力はほとんどゼロだ。片方補助事業というものがあって、国が何割かの補助をすればあとはやってよろしい。これはちゃんと非常に膨大な予算が片方国の予算にかかえられておる。そうすると今度のものは起債の能力のある所だけはやれるけれども、これはやれない。今まではそういう財源のない所でも、大体こう見て足りなければ起債々々でもってきた。再建整備をやったとたんにこれはできなくなる、こういう時代がもう歴然と出てくるであろうと私は考えますが、そういう事実がないのかどうか。そういうことが出ればそれで差しつかえがないのかどうか。その点だけ一つ明らかにこの機会に聞かしておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/31
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032・後藤博
○政府委員(後藤博君) 再建整備団体の再建計画を作ります場合には、補助事業をなくするということが不可能であるという前提に立ちまして、ちゃんと計画的に補助事業の総量というものを見込んでおります。従ってそれに見合うところの起債も、そういう段階におきましてはむしろそれに見合う一般財源がないという現象が起きている、つまり起債は全額起債でございませんから、一般財源がなければできません。従って一般財源の量が非常に減って、その関係から事業総量を落さざるを得ない、将来の起債償還費にも関係がございますけれども。従って全体の量は少くなっておりますが、しかし府県のような団体におきましては、補助事業なしでおるというようなことは不可能でございますから、一定の補助事業の量は確保するようにいたしております。従ってそれに見合うところの起債もちゃんと計画の中に織り込んでおります。その起債のきめ方も、将来にそう影響がない限度においてちゃんと計算をしておるのでございます。その計算の上に立って再建計画はできておるのでありまして、補助事業が全然ないようなことにはなっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/32
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033・松岡平市
○委員長(松岡平市君) もう一ぺん聞きますが、それは今おっしゃった、一般財源も起債もある程度のものは再建整備債に自治庁としては見込んで案を立てさしておる、こういうことでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/33
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034・後藤博
○政府委員(後藤博君) 再建計画の中にはおっしゃいますようにちゃんと補助事業の総量というものをきめまして、大体それでずっと再建整備をやっていくようになっておりまして、事業ができないような状態にはなっておりません。必要な事業というのは大体団体でわかっておりますから、総量を確保するようになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/34
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035・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 他に御質疑はございませんか。……質疑は終局したものと認めます。
これより三案を一括して討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/35
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036・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 速記をつけて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/36
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037・森下政一
○森下政一君 ただいま議題になっております地方交付税法の一部を改正する法律案、地方財政法等の一部を改正する法律案、この両案には社会党は反対いたします。
その理由はきわめて簡単でありまして、地方交付税法の一部を改正する法律案は、先刻質疑の際にも申しましたように、交付税制度そのものに私は疑義を持っておるのであって、地方自治の伸長のためにはこの制度はむしろなくなる方がいいんじゃないか、そうしていよいよ自主財源を強化する方がよいと考えるものでありますけれども、こういう制度がしかれております限りにおきましては、現段階においては、多々ますます弁ずで交付税を多からしめることが、地方財政の赤字を解消させるものである、こう考えざるを得ない。そこではなはだ矛盾したような考え方のようでありまするけれども、この制度がしかれておる限りにおいては、ということを前提にして考えてみますと、なおこの交付税率が地方財政を救済するのに乏しいのじゃないかというふうな懸念を持つものであります。地方財政計画を策定されるのに、三十一年度におきましてはいろいろな改善が工夫されまして、これで私は計画と決算とが著しく違うのは、だんだんその幅が狭められるであろうとは思いまするけれども、しかもなお私はその幅が解消してしまうものだとは、考えることはできないのでありまして、交付税率はさらにもっと多くすることが望ましいと、こういう観点からこの法律案を不十分だと思いますので、その点で反対するわけであります。
それから地方財政法等の一部を改正する法律案でありますが、これは赤字解消のための再建促進特別措置法が提案されときに、社会党はこれに反対しました。なかんずく例の退職債といいますか、六十億ほどのものは首切りの奨励だと言って反対したのでありますが、その関連の意味におきましてこれは容認することができないという態度をとるわけであります。
それから最後に地方財政の再建等のための公共事業に係る国庫負担等の臨時特例に関する法律案、これは社会党賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/37
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038・小林武治
○小林武治君 私は地方交付税法の一部を改正する法律案ほか二件に賛成いたしまするが、この際希望を申し述べておきます。
地方財政は今年度また非常な膨張を来たしており、これ以上の膨張はゆゆしい問題であると思いまするので、少くともこれが拡大を防止すべきであると思うのであります。しかして交付税そのものにつきましては、この二五鬼はすでに限界にきたものと思うのでありまして、財政調整も全収入の一六%にも及んでおる、こういうことでありますので、これはあくまでもこの程度にとどめて、他の方法を講ずべきであると思うのであります。しかして地方税におきましても今年はある程度の新税を設けられておりますが、この新税の負担も私は限界に達しておると思うのでありまして、今後必要に応じて国税と地方税との税源の再配分ということについて、政府は真剣に考うるべきものであるし、また一方財政規模の拡大を防ごうとしましても、現在の地方債の既発行の状態といたしましては、その面からこれが崩壊するおそれがある。この点からいたしまして、政府としては地方債の将来における発行はもとより既発行は、現在の起債につきましても、これが措置というものは、次の年度においては政府全体の問題として考うべき問題である。すなわちあるいは利子補給、あるいは肩がわり、あるいは借りかえ、これらの点につきまして自治庁長官は真剣にやっておられるのでありまするが、次の機会においては、何らかこれに対しての曙光を見出すというふうな格段の努力を希望して、そうしてこれに賛成いたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/38
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039・伊能芳雄
○伊能芳雄君 私はこの三法案が、地方団体の赤字解消の再建促進の意味における諸施策、並びに地方財政の確立、という一連の措置の一環をなすものでありまして、おおむね適切であると考えまして賛成いたすのであります。
ただここに一、二希望を申し上げておきたいのは、先ほど質問にも申し上げましたが、地方財政の再建等のための公共事業に係る国庫負担等の臨時特例に関する法律案、こういうような措置が地方と国との負担区分、配分の問題でありまして、臨時特例というようなことを長くしておくことは適切ではないので、恒久的な負担区分財源の調整をすみやかにはかって、こういう臨時特例を廃止するようなところへもっていってもらいたいということが一つであります。
もう一つは、地方財政法の一部を改正する法律案の二条に、再建促進特別法の改正を扱っておりますが、この財政再建計画の承認が、直らに承認によって自動的に退職金による地方債は再建債に切りかえられ、そうして同時にまた利子補給がされるということになるのでありますから、地方財政再建計画が出て来た場合におきましては親切に指導して、できるだけ早く承認をして、そうしてこの恩典に浴させるように最大の努力をしてもらいたいということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/39
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040・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 討論は終局したものと認めます。直ちに採決に入ります。
まず地方交付税法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の諸君の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/40
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041・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 多数と認めます。よって本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
次に、地方財政の再建等のための公共事業に係る国庫負担等の臨時特例に関する法律案を問題に供します。本案を原案と折り可決することに賛成の諸君の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/41
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042・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたし映した。次に、地方財政法等の位置部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の諸君の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/42
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043・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 多数と認めます。よって本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なおただいま可決されました三案につきまして、本院規則第百四条により、委員長の本会議における口頭報告の内容、及び第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続等につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/43
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044・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。
それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、三案をそれぞれ可とされた方は順次御署名を願います。
多数意見者署名
〔地方交付税法の一部を改正する法律案外一件〕
後藤 文夫 野田 俊作
川村 松助 横川 信夫
木島 虎藏 小林 武治
堀 末治 大谷 贇雄
佐野 廣 宮澤 喜一
伊能芳雄
〔地方財政の再建等のための公共事業に係る国庫負担等の臨時特例に関する法律案〕
森下 政一 伊能 芳雄
宮澤 喜一 堀 末治
大谷 贇雄 野田 俊作
後顧 文夫 小林 武治
佐野 廣 横川信夫
木島 虎藏 川村 松助発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X03019560430/44
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045・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 御署名漏れはございませんか。……御署名漏れはないと認めます。
これにて散会いたします。
午後零時四十四分散会
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