1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年三月二十九日(木曜日)
午前十一時六分開会
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委員の異動
三月二十八日委員内村清次君辞任につ
き、その補欠として田畑金光君を議長
において指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 小柳 牧衞君
理事
野本 品吉君
千葉 信君
島村 軍次君
委員
井上 知治君
木村篤太郎君
苫米地義三君
長島 銀藏君
中山 壽彦君
田畑 金光君
高瀬荘太郎君
廣瀬 久忠君
国務大臣
厚 生 大 臣 小林 英三君
政府委員
行政管理政務次
官 宇都宮徳馬君
行政管理庁管理
部長 岡部 史郎君
厚生政務次官 山下 春江君
厚生大臣官房総
務課長 小山進次郎君
事務局側
常任委員会専門
員 杉田正三郎君
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本日の会議に付した案件
○行政機関職員定員法の一部を改正す
る法律案(内閣送付、予備審査)
○厚生省設置法等の一部を改正する法
律案(内閣送付、予備審査)
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001・野本品吉
○理事(野本品吉君) それではただいまから開会いたします。
委員の変更につきまして御通知申し上げます。三月二十八日内村清次君が辞任せられまして、その補欠に田畑金光君が選任せられました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/1
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002・野本品吉
○理事(野本品吉君) 行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案に対する御質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/2
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003・島村軍次
○島村軍次君 今度の定員法の改正、直接の関係ではないのでありますが、目下政府においては各省の課の整理を計画されて、新聞紙の伝うるところによりますれば御決定になったようでありますが、その経過なりその内容について、なお定員法との関係はどうなりますか、その点を一つ明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/3
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004・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) まず、課の整備に至る経過を御説明申し上げます。御承知の通り政府におきましては今次国会において行政機構改革を行う決意でおるわけであります。その一環といたしまして行政運営の改善、簡素化を考えまして、党及び内閣において決定いたしまして、課を二割以上少くとも整理しようという方針を決定いたしまして各省に通達し、大体各省で成案を現在得ているわけであります。この課の整理の意味は現在職階法がございまするけれども、これはまだ十分に実用化されていないと申しまするか、そういう状態でございまして、管理職手当とか、あるいはとにかく給与を上げる必要のある人を課長にして、そうして課というものが実質的に要らない場合においても課を作るというような傾向が若干あるもんですから、そういう課は、この際行政簡素化の建前から整理いたそうというわけで、二割を目途として整理をいたしておるわけであります。それで、現在、大体各省から二割、多いところは行政管理庁のごときは五割整理する。経済企画庁のごときは六割半整理するという案ができ上って、本日、次官会議にかけて決定いたす段取りになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/4
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005・島村軍次
○島村軍次君 減員をした課長の処遇についてはどういうふうに……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/5
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006・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) この課長は、その経歴その他から申しまして、やはり相当な地位を与えなければならない人たちであります。しかしながら、特にそのために課を作るということはいけないことですけれども、待遇は今まで通りにいたしたいと存じまして、たとえば、参事官とか管理官とか、特殊な職名を設けまして、そうして、現在の管理職手当及び現在の給与をそのまま与える、こういう措置を考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/6
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007・島村軍次
○島村軍次君 前回のときに承わったんですが、行政機構改承に関する政府提案がいつごろ出されますか、また最近新聞紙等の伝えるところによりますと、最初予定されましたよりは相当の縮小になるような党内の意見があって、それに政府はやむを得ず最初の提案を、考え方をかえておられるような情報が入っておるようでありますが、その点に対する経過を一つ承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/7
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008・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) 重大な法案でございまするから、党とも十分意見を調整しておるわけでございまするが、党の方におきましては、今国会はいろんな法案が立て込んでおりまするから、とても多数の行政改革に対する法案を消化する能力はないであろう、特に参議院の方にそういう意見が強うございまして、できる限り小範囲でやってくれという御希望があるようでございます。しかしながら、政府といたしましては、行政審議会の答申の範囲、すなわちトップ・マネージメント、それから総理府機構の改革、人事行政機構の改革、予算機構の改革、内政省の設置、貿易行政機構の改革等、これはすべてこの際提案いたしたい、かような決心で現在党と折衝いたしておる最中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/8
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009・島村軍次
○島村軍次君 新聞紙では、内政省及び貿易庁の設置については、党の意見としては、この際は、やめたらどうかというような御意見があったやに承わりますが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/9
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010・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) 自由民主党の政策審議会におきましては、この際は内政省及び貿易庁の設置は、これを見合したらどうかという意見がございます。そして、特に省の廃合に関しましては次国会に譲ったらどうかというような結論が出ておるようでありまするが、しかしながら、これは政策審議会の意見でありまして、なお、党の最高の意思決定の機関である総務会の意見ではございません。でありまするから、政府はあくまでも政府の原案通りの行政改革案を出そうと思って、現在、党と折衝しているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/10
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011・島村軍次
○島村軍次君 担当の行政管理庁、いわゆる主管官庁としては、この際、ぜひ最初の整理の方針に従って、政府としてはどこまでも最初の方針通りに通行したいという強い希望をお持ちになると、こう了解してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/11
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012・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/12
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013・島村軍次
○島村軍次君 総体的な問題で伺いたいと思うのですが、行政機関の定員の増減については、なかなか各省の事務並びにその内容等がきわめて複雑でありまするから、ここに今回改正をきれておるというこの定員の増減等については、現在の総員の範囲内において増減をするという大体建前をとって、行政の簡素化をはかるということが本体でなければならぬと思うのであります。もちろん、その中には、今回の増員の主体である郵政省のような相当な現業面の増員も含まれているようでありますが、それにいたしましても、総計四千六百七十六人が増減の結果ふえるということになっているようでありますが、一体政府の方では、つまり、配置転換等によって総ワクを押えて、少しでも縮小の方針で進むという措置を考えるべきじゃないかと思うのでありますが、その点に対する政府のお考えを一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/13
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014・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) 島村委員のおっしゃる通りであろうと存じまするが、しかしながら、各省ともなかなかその減員する人員は、現在の官庁の構成組織においては不可能という事情でありまして、それゆえに、どうしても郵政とか、あるいは教育関係のものとか、その自然増と見られるものは、絶対的に人員を増さなければならない、かように存じて提案いたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/14
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015・島村軍次
○島村軍次君 そうしますると、方針としては、今後は少くとも簡素化の意味から、直ちに定員法の改正によって人員の整理の目標は考えられないが、総数においては、原則としてふやさない、こういうふうな考え方をもって今後処置されると、こういうふうな考え方であると了解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/15
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016・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) できる限り人員をふやさずに、ぜひとも増員の必要なところには移しかえによってするという措置をとるように努力いたしたいと、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/16
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017・島村軍次
○島村軍次君 そこで小さい問題のようできわめて大きい問題は、各大学の卒業生が年々就職難に困っておる。将来のわが国の経済財政の伸展に伴って、また国力の発展に伴って、行政簡素化の問題を一面考えると同時に、この新たに卒業されるいわゆる若い新進な人と漸次交代を、転換をしていくという考え方をもって、ある程度まで行政管理庁等において、あるいはまた各省等において、定員外のものといいますか、別途に新卒業生をとって、そろして見習い等の意味で別途に採用するというような、採用しておいて必要に応じて配置をしていくというような考え方をお持ちになっておりますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/17
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018・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) 現在さような考えはもっておりませんが、おっしゃるところも一つの考え方と存じますから研究してみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/18
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019・島村軍次
○島村軍次君 特に大学の関係、かつまた科学技術庁の先般設置の法案が通過いたしましたが、それに伴って、やはり技術体制の強化ということは今後相当考えられるのではないかと思うのです。そういう場合に、やはり将来に備えるために、みずからの力で養うと同時に、わが国の科学技術行政をもっと推進する意味で、やはり養成的な意味の採用を予定されるということが必要じゃないかと思いますが、科学技術者の養成等について、また採用等について、特にさような考えを一つ考究していただく必要があるのじゃないかと、これは希望ですから申し添えておきます。
それからもう一つ、それに伴ってだいぶん各出先官庁等の現在の執務状況を承わってみまするというと、戦争後の波乱期において、また経済の混乱期において、どうもいわゆる職員の再教育、また官庁事務というものが、とかく終戦後に占領政策下であまりに膨大になり過ぎるために、採用者の素質の点において十分な検討が加えてないという弊害がどこにもあるんじゃないかと思うのであります。従いまして現在採用しておる人に対する再教育の問題は、行政管理庁としてはきわめて必要だと思います。これに対して大幅にさような措置を講ずるというような考えをお持ちになる必要があると思うのでありますが、それらに関する何か具体的な御計画がありますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/19
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020・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) 現在その大規模な公務員の再教育、研修機関を作るという計画はござい庫ぜんが、公務員制度調査会の答申にもございますから研究中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/20
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021・島村軍次
○島村軍次君 私の質問は一応これで終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/21
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022・田畑金光
○田畑金光君 ただいまの町間に関連いたしますが、行政審議会の委員の入れかえ、あるいは増員して、政府としては三大政策の一つとして、行政機構の改革の問題と本格的に取り組んでこられたわけであります。二十三国会の折にも、本委員会において、河野担当大臣にこの点をお尋ねしたところが、機構改革は必ず断行する、ただしかし、今度行われる機構改革は行政整理を前提とするものではない、行政審議会の答申が得られたならば——政府としてはもちろん行政審議会の答申がずみやかに得られるように努力をするが、その等申が得られたならば、おそくも二月中には行政機構改革について国会に法案を出したい、出す予定で仕事を進めていくというようなお話もあったわけであります。で、まず、前段としてお尋ねしたいことは、行政審議会の答申なるものは、われわれも新聞等で承知いたしておりますが、この際、その内容について、どういうものが骨格となっておるのか、政務次官から御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/22
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023・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) 行政審議会の答申は、御承知の通り、最初にトップ・マネージメントの機構改革、これが第一の改革であります。その次は総理府の改革、次が人事行政機構の改革、次が予算編成機構の改革、次が地方行政機構の強化、六番目が貿易行政機構の改善、こういうふうになっておるのでありますが、大体その根本を貫いている精神は、最初の明文にもありまする通りに、行政に対する内閣の責任をはっきりさせよう、憲法にも、行政権は内閣に属するとはっきりした言葉がありますが、それが機構的に十分な形となっていない。それを機構的にはっきりした形にしようというのがこの根本を貫いている思想であろうと、かように存じます。それはトップ・マネージメントの改革、あるいは総理府機構の改革、人事行政機構の改革、予算編成の機構の改革、これはすべて内閣の行政に対する最終責任を明確にしょう、そして国民から選ばれた国会、国会から選ばれた内閣が行政機関をいかに把握して、国民のために政治、行政ができるようにしようというのが根本の趣旨だろうとかように存じます。
なお、地方行政機構の強化という問題がございまするが、これは地方行政が国衣の行政において重要な地位を占めているにもかかわらず、その機構がこれまでは自治庁という一外局で非常に弱くなっておって、これは占領行政で、特に内務省がかつて特高警察を持っていたというようなことから、内務省という役所が非常に故意に分解されて、そのために地方行政の機構が弱くなっているというような面もあるから、この機構を強くしようというような趣旨で答申が出ているように思われます。
最後に、貿易行政の機構でありまするが、これは貿易の振興が現在わが国において特に必要なことは申すまでもないのでありまするが、貿易行政の窓口が非常に複雑であって、そのために貿易、特に輸出の伸展が阻害されているというような事実もございます。またこの貿易の最高政策の決定が各省に分れておりまして、その決定のおくれるというような不都合も、ございます。また経済外交の出先であるところの各在外公館の経済外交に対する活動が不十分でございます。そういう点も刷新しなければならぬ。かような趣旨から、これは必ずしも内閣の行政に対する最終責任を明確にするというような意味じゃございませんが、現在の必要な事務として、かようなことが言われておると、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/23
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024・田畑金光
○田畑金光君 政務次官の方に資料二部ありますか。一部、一つ見ながら御質問さしてもらいましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/24
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025・千葉信
○千葉信君 今、行政審議会の答申案の問題が出ましたがね、これもそうですが、どうもこの定員法を審議するに当って、意地悪く解釈すれば、行政管理庁の方では国会に真相を知らせないでめくらのまま処理してしまおうという態度が、私はその資料提出という問題にからんで歴然としている傾向があると思う。今の答申案はいいとして、定員法にからんで一番問題になるのは何かというと、今の政府のやっている定員法のきめ方、定員は非常に少いように見せかけて、しかし実際さっき宇都宮政務次官は人員という言葉をたくみに使われましたが、人員はふやさぬ、定員はふやさぬということを言ったら、たちまちひっかかって大へんなことになるということを知っているから、定員はふやさぬという言葉を使わぬで、人員はふやさぬという言葉を使っている。それは何かというと、宇都宮さんは一体政府職員としての人員が何人いるか、何人必要かということをちゃんと知っている。しかもその定員法できめられている職員をもってしてはまかないきれない実情にあるとはっきり御存じだと思います。だからそういう言葉を使う。そこで問題となるのは、その定員とは別に人員という問題で非常に定員法の審議に当っては重要な問題があるのです。あなたの方からそういう関係の明細な状態をわれわれが把握することのできる資料が全然出されておらない。逆に言うと、三十一年度の予算では行政管理庁の方針に反するというか、少くとも政府は今まで答弁してきた方針と、反するような格好で、定員内の職員が逆に定員外の職員に格下げされようとする方針のもとに予算が組まれている箇所さえある。現実問題としてそういう事態がもう四月一日になったら起ろうとしている。ですからそういう関係も、私どもは正確にその問題を把握できるような資料を、今直ちにということは無理かもしれませんが、この法律案の最終的な結論を出すまでに間に合せましてお出し願いたいと思うのですが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/25
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026・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) 必要な資料がございますれば、御審議の上で。具体的に言っていただければ出せるものは出しますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/26
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027・千葉信
○千葉信君 たくさんありますが、そのうちの最も具体的な今必要と考えられるのは、行政管理庁の方で所管しておられる常勤労務者、非常勤職員が何人いるのか。それから今度の新しい予算に伴って、そういう身分の切りかえが逆に今まで人件費の中に細まれていたものが、業務費、事業費の中に記録されていく、そのために当然定員から、はみ出されなければならぬという問題が中央、地方を通じて起っており、こういう点について明細な資料をあなたの方からお出しいただかぬことには、私はちょっと定員法に取っ組めない格好に今なっている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/27
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028・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) 資料についてはただいま管理部長から答弁してもらいますが、できる限り資料は出しますから、あんまり一ついじめないように御審議を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/28
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029・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) 私ども根本対策といたしまして、必要な資料はもうできるだけ差し上げたいとこう存じておりますので、御用命によりまして最大の努力を尽しまして差し上げることにいたします。
なお、ただいまお尋ねがございました非常勤職員がどれくらいいるかということにつきましての資料ももちろん後ほど差し上げますが、現存のところ総数だけを申し上げますと、私の方で調査した範囲におきましての非常勤職員の総数だけをただいま申し上げることにいたします。
それは立法、司法、行政各部を通じまして、特別職に属する非常勤職員は三百八十名でございます。次にやはり立法、司法、行政各部を通じまして一般職に属します非常勤職員は五十二万六千九百二十人に達しております。それから合せて御説明申し上げますと、常勤の国家公務員はどれくらいいるかと申しますと、これは特別職といたしましては立法、司法、行政各部を通じまして二十四万四百六十三名でございます。それから一般職はやはり立法、司法、行政各部を通じまして六十五万三千三百七十七人でございます。
それからそのほかに常勤労務者がそれでは何人いるかということでございますが、現在のところ常勤労務者といたしましては、やはり立法、司法、行政各部を通じまして六万一千百三十八人、こういうことに相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/29
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030・島村軍次
○島村軍次君 ちょっと今の説明は、最後に六十五万三千幾らと言われたのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/30
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031・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) これは一般職でございます。一般職の職員でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/31
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032・島村軍次
○島村軍次君 職員がこうなっている……。そうするといわゆる非常勤の職員は特別職、一般職、それから常勤、いわゆる常勤ですけれども、合せますと、五十二万と三百八十人と二十四万と合せたものがいわゆる非常勤職員、こうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/32
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033・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) 違います。非常勤の方は、特別職が三百八十でそれから一般職が五十二万六千九百二十でございますから、合せまして五十二万七千三百、これが非常勤職員の総数でございます。で、今の常勤職員の総数は、特別職が二十四万四百六十三、それから一般職が、これはその大部分は定員法の適用を受けている職員でございますが、定員法の適用を受けていない人事院の職員また会計検査院の職員とかございますから、それも合せますと一般の職員が六十五万三千三百七十七人でございます。そのほかに常勤の職員として常勤労務者が六万一千百三十八人でございますから、この常勤の職員を三つ合せますと九十五万四千九百七十八人でございます。もう一度申し上げますと、九十五万四千九百七十八人というのが常勤の職員、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/33
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034・田畑金光
○田畑金光君 今の資料は後刻明細に文書にされたものを御配付願いたいということを要望いたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/34
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035・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) さっそく御提出いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/35
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036・田畑金光
○田畑金光君 政務次官の御答弁で、行政審議会の先般の答申の内容についてはわかりましたが、さて、それでは政府当局といたしまして、二月までには機構改革案を国会に上程する、こういうことを担当河野国務大臣は約束されたわけでありますが、今日までどういうわけでこれがおくれたのか、その辺の事情を明らかにしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/36
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037・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) 実はこの行政審議会の答申も非常に急いでいただきまして、十二月の二十七日、ころから十一回開いたわけでございます。それで最後にまとまりましたのが二月の二十三日でありますから、二月中には不可能であったのでありますが、その後若干おくれております。すでに一ヵ月以上もたっておりますから、おくれているのでありまするが、これはやはり重要な法案でございますから、党との調整を十分いたさなければならない、かような点でおくれていると思います。この点につきましては、先ほど御説明申し上げましたから省略いたしまするが、主として自由民主党の調整においておくれているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/37
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038・千葉信
○千葉信君 関連質問。まあ、あまりいじめるなということを言われるかもしれないのですがね、その行政機構改革はこれは今の内閣にとっては相当重要な約束の一つである。ですから今問題の重要な度合いから考えますと、政府としては党との調整がどうであるとか、それから参議院の方面の特に法案の立て込んでいる状態なんかを考えて、私は政府としては、この問題に対してうやむやな態度をとってはならない、とるなぞという無責任な態度をとるべきじゃないと思います。しかしそれはまだ最終的には出てくるかどうか、今の状態では不確定な問題ですから、私はそれじゃなくて、宇都宮政務次官に対して政治責任を追及したいと思います。
この行政機構改革案について最高の責任者ではないかもしれませんけれども、宇都宮さんは二十三国会のときには行政審議会の設置をめぐって、行政機構改革については、非常に政府としては取り急いでいた、ですから、すみやかに行政審議会を設置して、三月の下旬までには行政機構改革に対する法案を国会に提出いたしますと、二十四国会の再開あけのときには、宇都宮政務次官は若干おくれたけれども三月の中旬までには必ず出すことができる、私はその御答弁があった当時、二回とも、あなたはそんなことをおっしゃるけれども、いろいろな条件を考え、その問題の非常にむずかしい点等を考えると、そんなことはとうていできないはずだ、あなたが二月の下旬だとか三月の中旬なぞと二回とも言われましたが、私はその当時の見通しからいえばできないはずだ、もっと正直におっしゃったらどうですかということをあなたに申しましたが、大丈夫二回ともその時期については間違いない、政府としては提案するつもりだとおっしゃったはずです。速記も残っております。この点宇都宮さんどう釈明されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/38
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039・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) 確かにただいま千葉委員のおっしゃった通りに私申しました。またそのときはさようにしなければならぬと思っておりました。かようになると信じておったわけであります。これは見通しの誤まりで、あなたの見通しの方が正しくて、大へんどうも残念に存じておりまするが、要はできる限り早くこれを出すという決心は変っていないのでございますが、できる限り早く、そして答申の趣旨を全面的に受け入れた形において今後努力をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/39
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040・千葉信
○千葉信君 ただいまの御答弁でけっこうです。けっこうですが、今度はまた一つあなたと私との中に見通しの相違が出て来ていると思うのです。私が正直に申し上げますると、行政機構の改革案が少くともその部分的なもの、あまり問題にならないようなものは出て来るかもしらぬけれども、最も中心的な問題なんかについては、この国会に出てきそうにもない、立ち消えになりそうな傾向が強いと思っておりますが、宇都宮さんはまた確信ある答弁が三回目繰り返されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/40
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041・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) 見通しの問題でありまするが、われわれはできる限りこれを早く行政審議会の答申の線に沿いまして出したい、こういう決意を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/41
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042・千葉信
○千葉信君 まあ決意のほどはよくわかりますけれども、私はやはり私の見通しがどうも当りそうな不安を感じておるんです。まあそれはそれとして、一体今問題になって、そうして引っかかっている内容というのは、どこのどういうところですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/42
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043・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) 一つは予算編成機構の問題でありまするが、この予算編成機構の一のところに、内閣に閣僚委員会を置くとありまするが、これは閣僚会議とか閣僚審議会にされたいというような点、また「予算閣僚委員会は、予算編成方針の審議及び各省予算概算の調整にあたる」というようなやや具体的な規定がありまするが、これをもっと抽象的な言葉を使う方がいいだろうというような点、また4の「内閣官房長官を補佐して予算閣僚委員会の事務に当る少数の職員を置く」、この職員を置かぬ方がいいというような点、また地方行政機構の強化につきましては、二本立の答申になっております。一つは建設省及び自治庁を統合して内政省を設置する。もう一つは自治庁の権限を強化してこれを省に昇格する。二つの二本立の答申になっておりますが、政府といたしましては、内政省設置という方針をとりましたが、これについては全面的な批判がございます。六の貿易行政機構につきましては、これにつきましても、貿易閣僚委員会、この性格について、たとえば現在あります外貨予算を決定する閣僚審議会等の関係をどうするか、通商産業省通商局の機構及び権限を強化し、これは政府案におきましては貿易庁という外局を作るつもりでありまするが、かような点につきましても異論がございます。また総理府の中で調達庁を防衛庁に移管する、この問題についても異論がございます。またトップマネージメントの政務官をふやす、事務次官補をおく、あるいは「政策立案のため特に必要あるときは、大臣の補助として特別職の職員数名を置くことができる」、かような点についての批判がございます。その他の点については大した問題はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/43
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044・田畑金光
○田畑金光君 政務次官の御答弁によりますると、今日なお政府としては二月に提案することはおくれたが、機構改革については今国会において提案する努力を払っておると、こう言われるわけであります。もうすでに三月も終ろうとしておるこの時期において、なお、政府与党の間には機構改革の問題で論議が重ねられておる。四月に入ります。五月の十七日には会期が切れるわけです。それで会期の見通しから申しましても、おそくとも四月の上旬には機構改革法案等は上程されなければ、まじめに国会で審議をするいうことも、これは不可能だと、こう見るわけであります。さらに政府与党の調整ができるかどうかということは、非常な疑問をもってわれわれは見ておるわけであります。今御説明の中のトップマネージメントの機構改善の問題、これは要するにあとからお尋ねしますが、猟官運動ですから、要するに皆さん方の仲間の政務次官の数をふやすようなものですから、こういうような点は案外まとまると見ておるわけです。最も根本的なその他の機構改革の問題は、おそらくなかなか結論の一致を見ないではなかろうかと、私はこう予測しておりますが、もし行政機構の改革が政府与党の意見の不一致のために上程できなかった、そういうような場合は、ただいま千葉委員からも指摘されましたが、河野担当大臣あるいは政務次官はどういう責任をおとりになるつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/44
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045・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) 最初にトップマネージメントは猟官運動だというお話がありましたが、猟官運動の対象を作るんだというお話がありましたが、さような意味じゃございません、これは。これは行政審議会にも審議の経過を十分お調べ下されば明らかであります。やはりどこの政党内閣でも、どこの政党でも政権をとった場合には相当政党の精鋭を政府部内に入れて行政権を握って、そして政策の実行をやるというのは、これはどこの国でも政党内閣をやっておる以上はそうなんですから、これは社会党が政権をおとりになっても、こういう必要は必ず、まじめに政策を実行なさる、こう思えば起ると思うのですから、この点はあまり御批判なさらぬ方がいいと、こう存じます。そしてむしろこの点に猟官運動の対象を作るという点で評判が悪くなるのじゃないかという心配から、党内では反対があることも申し上げておきます。その他の点につきましてもまとまらぬと申しましても、まとまる可能性も非常に強いのでありまして、私といたしましては、これはまとまる、そして近く提案できる、こう信じておるのです。ですから責任については考えておりませんが、しかしながらもしも提案できないという場合には、私としては私なりの政治的責任を十分に明らかにするつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/45
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046・田畑金光
○田畑金光君 政治的な責任を明らかにされるということを明確にお述べになりましたので、その時期の来るまで静観をすることにいたします。この問題については河野担当大臣に御質問しなければ、さらに政務次官の上の河野さんの腹を聞かなければならぬと思いますので、これはあとの機会に譲ることにいたします。
今のお話でトップマネージメントの御答弁の中に社会党でも政権をとったら同様なことだろう、あまり聞かない方がよかろうと、けしからん答弁だ、こう思うのです。今の内閣と政府与党との関係をわれわれ見た場合に、政党内閣のもとにおいてはもちろんあなたの答弁された趣旨そのものは私も同感であります。しかし先ほどお話がありましたように、行政権は内閣にある、内閣が行政責任をもって行政上のすべての責任態勢を明確にして運用しなければならないと、この点もそうだと考えるわけであります。ところが最近の政府と与党との関係を見ておると、内閣、行政権の最高責任者としての内閣があまりにも与党に振り回されておる、そういうきらいがないかどうか、極端に言うと、行政権の最高責任者としての内閣に主体性があるかどうか、与党の思う通りに振り回されておるのじゃないのか。その端的な一つの現われが行政機構の改革等の問題でも、現内閣の最大の政策の一つとして機構改革の問題を公約なされておる。そして行政審議会等の権威ある審議会の内部を入れかえられで、数もふやされ、また委員の構成も各般の層の方の代表を入れられて答申を得ておられるわけであります。ところが機構改革の問題についても、やはり政府は与党に振り回されている今の状況では、出すかどうかが危ぶまれておる。出すにしても、たとえあなたのおっしゃるように行政機構改革の提案がなされるにいたしましても、おそらくその内容たるや、微温的なあるいはなくてもがなの内容に落ちると、われわれは見ているわけであります。まず、このような情勢を私が考えましたときに、今の内閣は何もトップマネージメントというような、こういう政務官や政務次官などをふやして官僚機構の中に政党の指導力を植えつけるということを考える前に、本質的には党と内閣というものの関係というものを明確に律することが大事じゃなかろうか、こう私は考えまするが、この点について政務次官の御意見を承わっておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/46
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047・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) 御意見の中に非常に同感の点がございます。確かに政党内閣というものの根本的なあり方ですね、この問題はなお日本において解決すべきいろんな問題があると思うのです。たとえば御承知の通り、ソ連あたりスターリン時代にはスターリンは絶対政府の中に入らない。政府の外にいてそして政府を引っぱっていく、振りまわしていくというようなやり方をやっていたのですが、(笑声)しかし最近のロシヤは少し違うようですが。一般の責任内閣制で政党政治をとっているところは、与党になりますると、必ずその党の精鋭、今までシャドー・キャビネットと呼ばれていた党の精鋭中心が政府の中に入って、そして野党時代に公約した政策を行うということになっているわけでありますが、今の日本の党と政府との関係はそういう点が十分に確立していない、かように存じます。それもですね、一つは党の精鋭が政府の中に入っていく場所がないというような点から来ているのでありまして、その薫咲からもトップマネージメントというような機構を改善いたしまして、党の精鋭が政権を取ったならば政府に入っていって、そして十分に政治の作用であるとか、行政を自分の党の政策の立場からやられるというようにしなければならぬと私は確信いたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/47
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048・田畑金光
○田畑金光君 そういう単に野党時代のシャドー・キャビネットがそのまま政府与党になった場合に、内閣に入っていってやるような政党政治の成長がはかられておるなら、トップマネージメントというような構想等は考えなくてもいいんだと、そうなれば、むしろこのトップマネージメントというのは、どういう党内において勢力を持つ、あるいは識見の高い、あるいは影響力のある人方を予定されておられるのか、まああなたのお話しを承わっておりますると、党内の権威ある意見を内閣の中に反映させようとするならば、何を好んで——トップマネージメントというのはわれわれは政務次官とか、政務官とか、こういう人方だと聞いておりまするが、あなたのようなお考えであるならば、国務大臣をふやしてたくさん作られた方が、手っとり早いのじゃないのですか、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/48
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049・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) トップマネージメントの根本思想について申し上げたのです。それで具体的な、こう言っちゃトップマネージメントにならぬじゃないかというお話しなら別の問題なんですが、ともかく日本の政党内閣と行政機関との関係は率直に申し上げますると、どうも重役の威令が十分行われない会社みたいなところがあるわけです。内閣というものは国民を株主にいたしますれば、株主とたとえますればですよ、お気にいらぬかもしらぬけれども、たとえば株主から選ばれた重役のようなもの、その人の行政機関に対するコントロールする力は非常に弱いわけです。トップマネージメントが非常に弱いわけです。これを強めるためにはどうしたらいいかという根本的な観点からこの問題は考えられているわけですから、政党内閣は国民の意向を背景にして自分の政策を行うという以上は、どうしてもかようなことを考えなければならぬ、その具体的な施策についてはいろいろ御意見があると思いますが、根本思想については一つ政党政治家としてお考えを願いたい、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/49
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050・田畑金光
○田畑金光君 いや、政党政治家として考えてもらいたいなんと言ったって、もちろん政党政治家として大いに考えますよ。ただね、あなた方のような考え方のみで行くならば、内閣には、行政機関の最高責任者としての内閣には独自の主張はないのかどうかという問題も考えなくちゃならぬと、こう思うのです。内閣は国会に対して責任を負う。国会は内閣を監視し諸般の政策を批判するわけです。しかも国会においては単に与党のみでなく野党も存在する。その国会に対し内閣は責任をとっているわけです。で、あなたの言うように、政党政治家だから何でもかでも与党の言うなりに内閣はならなくちゃならぬということになってきますると、これはどうも立法権、行政権、あるいは司法権という三権分立の建前から言っても、私はそこに問題がありはせぬかと、こう考えるわけです。与党の言うことを何でもかでもこれは正しいのだ。たとえば今問題になっておる内閣の諮問機関である選挙制度調査会が選挙法の答申をやった。ところが政府与党の方で手を加えて、あなたの方ではそうは認めないかも知れぬけれども、国民の常識はあれは党利党略案である。党利党略どころか、議員一人々々の私利私欲を満足せしめる選挙法の改正案である、こう極言いたして批判を加えているわけであります。そういう場合に内閣がみずから作った、設けた、しかも第三者を構成員とする諮問機関等の答申はそっちのけにして、無視して、あるいは抹殺して、政党内閣であるから与党のみの意見を採用する、こういうことで内閣の主体性というものが確立されるのかどうか、選挙制度調査会に私は例をとりましたが、今あなたの所管されておりまする行政審議会を考えてみましても、行政審議会から当面六項目についての答申があった。ところがすでに政府与党の中においては機構改革についていろいろな論議があります。しかもその論議の内容たるやいろいろの諸説が分れておるし、あるいはまあ国会の法案審議という観点から行政機構改革案は今出しちゃならぬとか、あるいはまた別の角度から言うと、そういう改革案では参議院選挙に不利であるとか、こういうもろもろの考え方から機構改革答申に対して批判が加えられておる。その調整に今あなた方は苦慮されておるわけなんです。そういうことを考えたときに、そういうことをわれわれは考えたときに、政党内閣のあり方というものは、あなたの原則的にはおっしゃる通りであるかも知れぬが、しかし内閣には内閣独自の立場において、与党の行き過ぎを抑えて、国民の世論を無視するやり方を阻止する、国会に対する責任を負うべき内閣は、単に与党の立場のみでなく、与野党ともにもう少し国民的な立場においてものを判断される尺度が私は必要じゃなかろうか、こう考えるわけであります。そういうような点に立脚して私は先ほどの質問を申し上げたわけでありまして、この点に関しましてあなたは私の考え方に同調するであろうかどうか承わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/50
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051・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) 私の申し上げたのは、この政党とトップマネージメントというのは、政党と政府との関係の問題ももちろん関連はありまするけれども、内閣と行政機関との関係の問題なんです、これは。それで政党のあり方につきましては、これはもちろんわれわれ自身のいろいろな批判もありますし、お互いの党はもっとよくならなければならぬと思っておりますが、そういういい党が政権をとった場合に、内閣と行政機関との関係ですね、トップマネージメントの関係を規正しようこういうわけなんです。そしてこういう機構を作った方が内閣と与党との関係ももっとノーマルになる、こう考えておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/51
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052・田畑金光
○田畑金光君 それではもう一つお尋ねいたしますが、トップマネージメントで、あなた方の考えられておるトップマネージメントいうものはどういう構想なのか。それからこの答申案の第一項のトップマネージメントの機構改善の中の小さな3で「各省庁に政策立案のため特に必要あるときは、大臣の補助として特別職の職員数名を捲くことができる」、これは何なのか、まさかこれは国会議員を予定しておるとは考えませんが、学識経験者あるいは経験がある官僚等のみから、政策立案の機関として特別職の職員数名を置かれるものかどうか、というのは遺憾ながら今日の政党のもとにおいて政策立案に参与している人々というのは、多く前歴を見ると官僚出身の人が多いので、これは現実の与党の実情なんか見ましても、そういう感じを持ちますから、この点についてどういう内容のものか、さらにこの項目によりますと、本項については反対意見があると書いてありまするが、この反対意見というものはどういう層からの反対意見なのか、一つ御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/52
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053・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) それでは3の項について御説明申し上げます。これはブレーン・トラストという考え方でございまして、現に各省に顧問とか、参与等とかという名前であります非常勤の職員——一般職としてあるのでありまするが、これが非常に無統制にふえておりまするから、それをこういう場合にはっきりさしてむやみに数がふえないようにしよう、こういう考え方であります。そしてどういう者を入れるかと申しますると、これは場合によって議員の中にきわめて適当な人がいれば入れるという考えもありまするけれども、そうでない者も入れる、学者であるとか、あるいは専門家であるとか、そういう者も入れる、そういう考え方を持っております。本項について特に反対意見があるというのは、行政審議会におきましては、そうすると落選代議士がみんな入ってきはしないか、これはむしろ代議士にしてしまったらいいんじゃないかというような意見があったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/53
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054・田畑金光
○田畑金光君 政務次官あるいは担当大臣としてはさらに繰り返してお尋ねしますが、与党の内部に反対があっても、政府としてはどこまでも今日までのいきさつ、あるいは現内閣の三大政策の一つの手前からいっても、機構改革案は必ず出すという腹でおられるかどうか——まあその点は先ほど承わったので、その腹でおると言われましたから、その点の御答弁を繰り返すことはよしまするが、新聞の伝うるところによりますると、国民が機構改革に対し期待しておる内容とはおよそかけ離れて、たとえば今の与党の中で最大公約数として意見の一致を見るような部門にのみ改革のほこ先が向けられると、われわれは推測いたしております。で、その内容は何かというと、人事行政機構の改革等にのみ入るのではないかと見ております。要するに人事院の廃止ですね、それで総理府に人事局を貫き、総理府の外局として人事委員会を置く、で、公務員法の建前や公務員法のもとに人事院が設置された制度というものが完全に抹殺されて、結局機構改革のしわ寄せを受けるのは、政府与党のお得意である、こういう公務員や勤労者の血に来るのではなかろうかという不安を持っておりまするが、答申の六項目の中で政府と与党との話し合いの上で、出してもいいんだという意見の一致を見ているのは、どれとどれなのか教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/54
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055・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) 完全に意見の一致を見ておりますのは、調達庁を防衛庁に移管するということと、南方連絡事務局を地方行政を統轄するために新設される省に移管するということを除いた全部であります。それから三の人事行政機構の全部であります。それから予算編成機構につきましては先ほど申し上げたようなことでございます。地方行政機構の強化についてはなお意見の一致を見ておりません。貿易行政機構の問題につきましては次の機会に譲ったらどうかという意見が非常に多数であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/55
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056・野本品吉
○理事(野本品吉君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/56
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057・野本品吉
○理事(野本品吉君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/57
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058・千葉信
○千葉信君 いろんな問題がありますけれども、一つ一つ区切ってこの定員法に関する問題でお尋ねしたいと思うのですが、きょう新聞にも中央官庁百八十を減らすということが相当詳しく報道されております。前からこれは河野行政管理庁長官が気負って進めてこられた問題ですから、ここまで進んできたことは私は大いにけっこうだと思うのです。私も国民の血税の節約という立場から、無駄な官庁の機構等はできるだけ整理しなければならない。しかしそういう趣旨には賛成であるけれども、やはりこういう問題を処理するときには、いろんな角度から無川な摩擦を起さないように、無用な不利益をこうむるものの起らないような考慮が必要だと思うのです。そういう角度から私はまず第一に減らし方についてお尋ねをしたいのですが、これは宇都宮政務次官も言っておられるように、課の数を減らしたのは、一つの理由として、戦後経済面での統制を強化する必要から、通産、農林、労働などの各省は一律に部課がふえたのです。現在ではその必要がなくなった。そういう理由や事情があるのに、なぜ一律に二割なら二割という方針を強行しなければならなかったのか、実際に即した方法というものが当然、ある程度時間もあったんですから考慮されてしかるべきだと思うのですが、このやり方でいきますと、今たとえば宇都宮さんが言っておられるように、通産、農林、労働などの場合には依然として無用な機構が残っておるという結果ならば、この方法が強行されるということになると思うのですが、この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/58
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059・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) 多少形式的な無理な点があるのはあるのでありますが、しかしそういう無用なことを整理をするためにも、一応一律という形にいたしませんとできないような状態であるのであります。でありますから、一応二〇%という線を立て、無理にとにかく整理をしてもらう、またそういう政府の方針でもないと、なかなかこの整理はできないという意があるのであります。それゆえに非常に無理に課の整理をさして、今後の行政に差しつかえ、かえって国民の不便になるというようなところは、今後実情を見まして、単に復活するというのじゃなしに、もっと能率的な課として再生させるというようなことも考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/59
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060・島村軍次
○島村軍次君 原案の資料を一つ御提出願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/60
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061・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) お尋ねいたしますが、整理の総括炎でございますね、今でもすぐ差し上げることができると思いますから直ちに差し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/61
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062・野本品吉
○理事(野本品吉君) それではすぐに……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/62
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063・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) それからちょっと課の整理につきまして補足して御説明申し上げますと、御承知の通り、戦後におきまして各省の課というものは各省大臣が任意に設置できることになっておりまして、そのためにこれが職階給与制度の関連において、非常に急激に膨張して参りましたので、二十七年の一月に参議院の当内閣委員会におきまして、この状態ではいかぬ、今後課の設置は政令で定めるということにいたしまして、これを行政管理庁が統制するようにというお話でございまして、それが二十七年から国家行政組織法の改正が施行されまして、それ以後行政管理庁といたしまして、課の設置を統制いたしまして、それから従来あった課については実情にかんがみて、適切な整理方針を考えよというお話でございますので、その後数年にわたりまして整理に労力して参りまして、その後におきましてはほとんど実数におきましては課の増減なしにやりました。適切な方法によりましてこれが整理をはかりたい、こう考えておりましたのが、この度の一応の措置といたしまして、二割削減を実現するということになった次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/63
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064・千葉信
○千葉信君 今の宇都宮さんの御答弁の中から出て来ておりますように、このやり方が初めから無理だということがわかっていて強行されたということに、ただいまの答弁はなると思う。私は今の自由民主党が与党である内閣が、現在のような多数勢力を擁しながら、この程度の機構の改正等に当っても、十分な力を発揮できないで、初めからその筋の通らない無理なやり方をしなければならなかったのだということは、私はこれはどうも自由民主党のためにすこぶる遺憾と思う。今の宇都宮さんの答弁からいいましても、非常にやったことが無理があるから、この方針には無理があるから、もう今日からでも直ちに、たとえば復活を要するものには復活しなければならぬ、それからもっと冗長にわたる課を持っておるところに対しては、さらにこれ以上削減方法をとらなければならぬ、初めっからはっきりそういう条件がわかっておる。わかっておるのに、なぜ一体そう簡単にやれないからなどという理由で、こんな無理なことをされておるのか。しかも私はこういうやり方が行政機構内部に相当の混乱を今度の場合でもまき起しておると思う。課を減らすということで機構の改革そのものが、これはまあ宇都宮さんも御承知だろうけれども、このやり方が相当刺激を与えておりますよ。相当混乱をしております。それぞれの行政官庁は、そういう犠牲を払いながらやった、方針として。私はこれからすぐ又やり変えをしなければならぬという、そんなやり万をすることは、すこぶる拙劣きわまるやり方と言わなければならぬと考えますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/64
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065・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) 特に課の整理が非常に困難と思われる省は、古い省とかすでに課の整理が済んでおる省でありまして、法務省、外務省、大蔵省、文部省等であります。その他は大体これは二〇%以上やってもちっとも構わない、たとえば経済企画庁は齋藤政務次官も言っておりましたが、六五%の整理をしておる、これは大蔵省なみの課の立て方をすると六五%の整理の仕方になるのだと言っておりましたが、そういうふうに、ごく一部の省庁を除きましては二〇%でも実際はそう無理はないのです。しかしながらそれにもかかわらず、整理される身になりますると、それぞれみんな課といういうものには理屈がありまするから、あれも無理だ、これも無理だということになってしまいまして、一々言い分を聞いたんでは、これはまた整理ができないのであります。ですから困難な省も二〇%も整理するんだから、お前たちもやれという行き方でいきませんと、実際問題としてこれは整理はできない。しかも課の整理というものは、どうしても今後の行政運営能率の上からいっても必要なんですからいたしたわけでありまして、その点は一つ御了承願いたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/65
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066・千葉信
○千葉信君 私どもの聞いている官僚の勢力には、なかなか今のような与党の勢力でも、強大な背景を持っておる内閣でも、簡単にはそういう勢力に対抗できないような状態があるという。そういうことを聞きましたが、全く今の御答弁はそれを立証する御答弁だと思うのです。明らかに客観的な事実としてだれが見てもこれはもうむだな課の設置だという課があるということが判定できると思うのです。そういう場合でも、今あなたが言われたように、ああでもない、こうでもないと言われて、削られる方の身になってみれば、いやなことだからなかなかそう簡単にいかんということを理由として、今回のような一律二割削減というようなやり方は、今申し上げたように、やり方自体に非常に無理があるし、無理があるから、すぐやり直しをしなければならぬという、そういうやり方をしてきている。そこでそういうやり方をしたことによって、私の感知している限りでは相当刺激を与える。無用な摩擦も起っております。極端な例を言いますと、今宇都宮さんもおっしゃったように、比較的やっても支障のないところ、そんなに抵抗の起らないところ、だれが見てもこれは整理してもかまわんというようなところは別として、どうしてもそんなことをされちゃ困るというところがたくさんある。それからまたあたりから見ても困るということがはっきりわかるところがたくさんあります。その例をたくさん私はあげる二とができますが、一つの例として私は同じ総理府の中にある恩給局なんかはそのいい例だと思う。おそらく恩給局の方からは最後にしぶしぶその案が行政管理庁の要請によって出されただろう。あるいは出されていないかもしれない。そういうことがたくさんあるのです。そういうふうなことがあるのですから、私はその方針なり、こういう課を整理するという方針自体に対しては賛成です。賛成ですが、そういう今回政府がやったようなやり方は私はもっと考えてやるべき筋合いのやり方じゃないか。ですからこれは私がこのやり方が間違いだなんということを言う必要がないほど、あなたの方ではその談話の中でも、このやり方は無理だとはっきり認めている。だから実際に必要のないと思われるところは今後も削るし、削ったところで、これはどうしてももとに戻さなければならぬところはこれからも戻すのだ、こういう条件が初めからついている。これはこのやり方自体が拙劣きわまるやり方だという証拠だ。拙劣だと思いますかと言っても、拙劣だと思いますとは答弁しないでしょうから、私は次の質問に入ります。
その次は予算の問題です。一体今度、新聞の報道を頼りに質疑するということは頼りない話ですが、これはしかし百八十の課を減らすということは中央官庁の数だと思う。今度のやり方が中央官庁だけに終始するということは大へんに無意味なようなやり方ではないかと思うのです。ですから、おそらく地方官庁に対しても、ある程度行政管理庁としてはお考えだろうと思うのですが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/66
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067・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) 地方出先機関のことでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/67
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068・千葉信
○千葉信君 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/68
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069・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) これは行政審議会におきましても第二次答申でやる、こういうふうに申しておりますから、その際に課の整理も同時に考えたい、かように存じております。地方出先機関そのものに整理の問題があるわけでありますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/69
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070・千葉信
○千葉信君 その一律二割の削減という方法が、あまりに感服した方法ではないということは、これは行政管理庁自体でももうお考えのようですから、そうすると、その第二次に取り上げられる地方出先機関の同様な扱い方というのは、おそらく二割という格好では多分出んだろうと思うのです。しかしやはり応分の整理は考えられて、そして実際上二割、二割という格好で原則を推し進めていくというやり方をしなくても、目標としては大体総体の二割くらい整理するという格好にお進めだろうと思う。その点は行政管理庁もお認めですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/70
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071・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) 地方の出先機関の課も二割くらい整理するかというお話でございますか。このことにつきましてはまだ全然方針が立っておりませんけれども、地方出先機関全体の整理の問題のときに考えます。また課の性格も違いますし、これは別に考えなければならぬ問題である、かように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/71
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072・千葉信
○千葉信君 私のお尋ねしているのは、その二割やるかどうかということじゃなくて、それはあなたのおっしゃるように第二次の御答申と言いますか、そんなものを待って具体的に処理をされる、これはいいと思うのです。しかしいろんな省庁の課の設置の状態があなた方のおっしゃっておられるように、戦後における統制の強化等をめぐって、もしくはまたその職員の処遇の問題をめぐって、課が設けられている傾向が非常に強い。この条件は地方も中央も変らないと思うのです。一応中央官庁の場合には二割という目標を立ててやられたけれども、そういう条件は、やはり地方でも一応はその二割やるか三割やるかは別として、ある程度の目安というものは、これはやはり最初からあると思う。条件が条件ですから、この条件は地方も中央も変らない。だからあるところは五分にいくか、あるところは三割にいくか、あるいは一割にいくか、そんなことは別として、やはり地方に対してもこのやり方はとられるはずです。そうすると、ある程度平均して二割にされていく、いかないは別として、やはり地方に対しても、そういう措置が結論としては出てこなければ筋が通らぬと思う。その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/72
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073・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) 先ほどお答えした通りに、やはり地方出先機関の課の性格と、中央官庁の課の性格と違いますから、中央官庁が二割といった場合に、向うも二割というふうにいくか、三割というふうにいくか、これは地方出先機関の全般を検討してから結論を出すべき問題である、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/73
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074・千葉信
○千葉信君 これ以上この問題をお尋ねしても、何も具体的な計画の出ていない管理庁としては、ただいまの御答弁以上には出れないでしょうから、それはそれとして、国家行政組織法によりましても、局を設けたり部を設けたりするときには、これは法律によらなければならない。しかしその課を設けるときにはこれは政令によることになりますが、しかし行政組織法上、課を設ける場合には、少くともその課を認めておられるということについては、国会に対して予算を付してその承認を求めなければならぬということになっております。そうしますと、中央と地方を通じて、結論としてはその課を削減しなければならないという条件は中央も地方も同じですから、従ってその中央官庁に対してこういう措置がとられた程度のやり方は、地方官庁に対してもやらなければならない。中央官庁の場合には明らかに国家行政組織法によっても予算が計上されて一つの課が設けられるのですね。予算が計上されてその課が設けられるということば、年度々々必ずその課に対して予算が、特別に課があるということによって配算される経費があります。これは使い道は別にして、使い道は別に私は聞きませんが、そうしますと、かりに百八十の中央官庁の課がここで整理されたということになりますと、一つの課に対して——これはその課その課によって違いますけれども、平均して百万円の予算が年間に配算されているとしますと、今回のこの措置によってその百万円の予算というのは計上しなくてもいいことになる。そうすると、それは百八十の課長を整理したということによって、年間一億八千万円の節約ということになると思うのです。一体そういう点については、今度の二割頭から削減するというやり方をとるときに、そういう点については行政管理庁としてはどう考えられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/74
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075・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) お答え申し上げますが、課の設置については、予算上の措置が伴わなければならないというのが法律の規定にございます。すなわち課を設置して課長を置きます場合には、これに伴う管理職手当というようなもの、あるいはそれに伴う級別定数に伴う経費というものが伴わなければならぬということは、これは当然のことでございますから、お説の通りでありますが、課をこのたび整理いたします趣旨につきましては、また別に申し上げる機会があれば申し上げますが、このたびの整理の一つの方法といたしましては、課は整理するけれども、従来の課長であった職員の処遇はこれを低下しない、むしろ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/75
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076・千葉信
○千葉信君 あんたは勘違いして聞いているんだ。まだそこまでいかないのだ。それはあとからやる。そうじゃなくて、課を設けることによって、あなたの言われるようなそういう人件費の関係じゃなくて、別の経費が配算されているんです。いいですか。その経費に関してはどう考えたかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/76
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077・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) それじゃ続けて申し上げますが、課に伴う経費につきましては、これは課の整理統合によりまして、若干の庁費の節減が見込み得ないわけではないかと思いますけれども、大体におきまして、このたびの整理ということは、その課の整理によりまして庁費を生み出そうという趣旨ではございませんので、むしろ行政の能率化あるいは行政の一そうの統合的性格を与える。あるいは企画的性格を強化するというような措置でございますので、このたびの整理によりまして、お示しのような百万円を単位とする何億というような経費の節減は毛頭考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/77
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078・千葉信
○千葉信君 それなら私は、大よそばかげた課の削減をやったということになると思うのですが、能率化ということはわかります。できるだけ統制をとる。しかし能率化をはかるという半面、課長を減らしたりするということは、少くとも監督行政上にある程度の力が削減されるという、そういう条件も出てくると思うのです。そうすれば、能率化々々々といったところで、それに逆行する条件も出てきているのです。これはもう必らず客観的な事実としてあると思うのです。だからそれなら今度の課を減らすということは、事務の能率化のためにやったのだという答弁は、私は筋が通らぬと思うのです、逆行する場合があるんですから。国民が——これは日本経済新聞に出た記事ですが、この記事を見ていて、河野行政管理庁長官に対して拍手を送るのは、ああ課が減らされた、減らされた分だけやはりある程度自分たちの税金の負担が減るのだ。これが実は河野行政管理庁長官のねらいだと思うのです。私は、そういうねらいは別として、考えられるのは、能率は下げないで、しかも機構は縮小するのだから、それならわれわれも賛成だという意味で賛成してきているのです。そうなると、今の答弁じゃわれわれは——今の岡部さんの答弁されたような、頭のいいあなたがそんな答弁をされること自体がおかしいと思うのです。そんな答弁をされるようなやり方でこの問題が考えられてきたということになると、これはわれわは簡単にはいただけない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/78
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079・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) お答を申し上げますが、その課の整理には三割という基準はありますけれども、それをどういうように整理するかと申しますると、中央官庁においては限られたミドル・マネージメントのクラスの職員を有機的に使った方がいいというような場合におきましては、これを課の制度を廃止いたしまして、大蔵省にある主計官であるとか、あるいは行政管理庁における管理官というようなシステムの方が本省においては望ましいであろう、そういう点において大いに工夫をこらしてもらいたい。それから現業官庁におきまして、軍隊式なという言葉は悪うございますが、ハイラルキー・システムによります監督行政を段階的に強化していく必要があるというようなものにつきましては、これはもちろん課のシステムの長所があるわけでございますから、そういうものまでを廃止する、こういうシステムではございませんので、課によることがいいか、課によらない他のやり方がいいか、あるいは課をさらに統合した方がいいかということを有機的に考えてこの措置を講ずるというようなことを眼目としておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/79
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080・千葉信
○千葉信君 それは岡部さん、あなたの方の行政管理庁の長官の委員会における答弁と食い違ってきていますよ。河野行政管理庁長官の答弁は、この課を削減するということは、行政機構の改革の一環として、そうしてできるだけ行政費を節約するという建前に立って行政機構の改革をはかる一環としてこれをやる、いいですか、そういう答弁が行われた。だから私は趣旨は大いにけっこうだ、大いにやって下さい、やるべきだ、党のいかんを問わず大賛成だ、しかしそれでは一体そういう課を削減することによって、課長の職が減るじゃないか、課長が宙に浮くじゃないか。いいですか、そういう課長のいすを除かれた職員は、そのために処遇上等においても困ることが起る。それに対してはどうするか。ところが河野行政管理庁長官の答弁は、そういう場合に、今岡部さんが言われたような、もっと機能を発揮できるようなポイントにその人を持っていってやろうとするために、つまり能率を上げようとするために、これを考えているという御答弁じゃなくて、そういうふうに余った場合は、その余った職員に対しては処遇上不当な措置、不利益の起らないような方法を考えます、いいですか、そういう答弁なんで、私は重ねて、そういう方法をとった場合に、課長のポイントにいた職員が課長でない格好で事務を担当することになる。そうすれば今の状態でも事務は一応遂行されていたのだから、そうしてその遂行されている状態の中に一人浮いてその職員が配置されることになるのじゃないか、そうでないとするならば、これは逆に言えば、その職員が配置されなくともできているその仕事が、一人ふえることによって仕事がそのまま遂行されるとすれば、これは能率が結果においては下るということになる、お互いの分担が減るのだから能率が下るということになる、そうなるじゃありませんか。もしそうでなくて、そういう職務も必要だとするならば、今の行政機構の中における仕事のしぶりというものは、労働強化をしいているから一人ふやさなければならぬという、そういう解釈も一方では出てくるのじゃないですか。こういう私は河野さんに対する質問をしているのです。河野さんは、その点については今回の——ここで体をかわして、今回の機構改革、課を削減するというやり方は、とにかく国民の負担を軽減して行政事務を遂行するという建前に立って、課の削減を行うのですから、目標はそこにあるのだから、その職員に対しては不当な措置の起らないように適当な措置を講じます。それがあなたの方では、今度は給与担当大臣に職階制について検討を加えてもらいたい、職階制に関する法律を改正する措置をとってもらいたい。給与に関する法律の改正の用意をしてもらいたい。こういう連絡があなたの方から給与担当大臣の方へ、つまり公務員制度調在室の方へ連絡がとられた原因じゃありませんか。そうなると、あなたの今の答弁と大臣の答弁とすっかり食い違ってしまう。この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/80
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081・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) この点につきましては、河野長官からもたびたびお答え申し上げた通り、従来の課の制度ではいろいろの事情によりまして、その専門的な能力を発揮させる方がいい職員が課長になっているということ、これはその職員の処遇上のために、課がふえたために、そういうこともある。そういうことも大いに整理しなきゃならぬということをたびたび申されております通りであります。そういうような趣旨は、これは職階給与制の適当なる運用によりまして、この課の整理によりましても達し得るわけであります。また行政機構全体が縮小することによりまして、経費の節減が出て参りますことも、これは私最初から否定したわけではございませんで、その計算の単位のことを申し上げたわけであります。決して食い違っているとは私考えません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/81
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082・千葉信
○千葉信君 まあいいけれども、ただいま河野さんもおいでになるだろうから、まあいいけれども、いろいろな答弁のし方を見ても、結局落ちるところは、経費の多寡はあるかもしれませんけれども、課を削減するということはやはり何がしかの予算の削減ということに、私は結果として結びつくと思う。それは先ほど申し上げたように、百八十の課をなくしたのだから、直ちに概算で出て来た一億八千万円などという予算は、仮りに節約されないとしても、それがさらに今度は地方官庁の場合にも同様な方法がとられて来る。そうなると、これは相当な費用というふうに考えなければならぬ。黙っていると、政府は今度おそらくその予算なんかはネコババをきめて、三十一年度に使ってしまうと思うのです。私はそれじゃいかぬと言うのです。やっぱり国民の血税ですから、そういう点についてば明確にこの課に配分された予算については、この年度においてこういう剰余金が生じたということは取り上げなければならぬ。理屈としては……。そういう点に対して全然行政管理庁はノー・タッチで、ズロースを外してやったとすれば、これは責めなければいかぬ。これは理屈の上から、理屈はそうなると思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/82
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083・宇都宮徳馬
○政府委員(宇都宮徳馬君) そういう点もあると思いますから、大蔵省等とも連絡してよく注意いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/83
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084・千葉信
○千葉信君 それからこの次に、先ほど御答弁にも出た職階制の改正をもって不利益が起らないような状態にするという給与担当大臣の方への御連絡、それからまた実際上どういう方法をおとりになろうとしておられるか。その点について今度休憩後、まあこれはあすになると思いますけれども、その点御質問申し上げますから、関係官庁の方と連絡をして出てくれるようにしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/84
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085・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) 今のお尋ねの点については直ちにお答え申し上げますが、このたびの課の整理によりまして課長職から外される職員が百八十人ございますが、これらの職員につきましての処遇につきましては慎重に考えまして、人事院及び大蔵省と十分協議いたしまして、これらの職員が現在の給与及びそれに伴う管理職手当については現状通りの措置をいたしておりますから、その点は御安心いただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/85
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086・千葉信
○千葉信君 今の職階制の建前、それから今の給与法の建前から申しまして、そういう場合に直ちに格下げすることは起らぬと、それは岡部さんの答弁の通りだと思うのです。しかし私は国が仕事をさせると、こまかい問題になるかもしれませんけれども、国がその職員に仕事をさせる。その職員に能率を上げ、ほんとうに責任を果させるためには、やはり適正な給与が支払われなければならんと同時に、それぞれ昇給昇格の道を明らかにされなければいけない。そういう点から考えますと、国の中央機関だけでは百八十ですが、これが各地方に向ってかなり大きな幅となって拡大されて行く。そうすると、その数は相当莫大な数になると思うのです。そういう場合に、課長であったその職員に対してはその措置が仮にとられて、無慈悲なやり方はしないとしても、課長のあとに続いて仕事をしていた職員等に対しては、やはり私は能率を上げるという立場、明確に責任体制をしいて仕事をさせるという立場、その立場からすると、この点に関する考慮も余り完全でなかったという印象を受ける。そういうやり方について、やはり行政管理庁として、これは人事院の仕事の一つですが、しかし行政管理庁として機構改革等を企てる場合には、そういう点に対して十分の配慮をしなければならぬと思う。しかし極端な態度で、頭から人員削減を行なって首切りをやるのが専門の行政管理庁に、そういうあたたかい気持を期待しても無理かもしれない。しかしやる以上、そういう親切な態度が私は必要だと思う。そういう点に対しては、将来何らか救済の方法をお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/86
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087・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) ただいま課の整理につきましては関係当局、すなわち人事院及び大蔵省等としばしば連絡をいたしまして、これらの職員が絶対に不利にならぬような措置を講じておりまするから、これはもう断言いたしますから御安心いただきたいと思っております。それに従いまして課が整理されたことに伴いまして、課長以外の職員はどうかと申しますと、これらの職員につきましては、これも従来通りの待遇を確保いたしますから、これも御安心いただきたいと思います。(千葉信君「そうじゃない、聞いているのは。」と述ぶ)従いまして今後将来の地方出先機関について行われる改革の際におきましては、これはただいまの御質問の趣旨を十分体しまして、御納得の行くような措置を、しかもその際十分講じたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/87
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088・千葉信
○千葉信君 答弁がちょっとポイントをはずしているんですがね。それはまあ先ほど来の御答弁で、課長から降格されるものは、断言ということで保障されたけれども、私はそれは大いにけっこうですが、私の聞いたのはそういう条件と、もう一つのせっかく一生懸命働いてきて、次には課長になれるという希望を持っております人、その次、その次には課長になれるという希望を持って働いている人たちがいるのです。それが中央官庁では百八十のポストと、地方官庁に対してはさらに拡大される。そういうことになれば、その次に課長になれる人、その次、その次という格好で、かなりこの問題が動揺を与えている事実は、私はおおい得ないと思うんですが、そういう措置をとる場合に、そのまま、課を減らしたのだから、そんなことを考えてもお前らぜいたくだという格好で行っては私は能率が上らぬと思う。ほんとうに責任を負った仕事のしぶりは期待できなくなる。ですからそういう条件があることを考えて、せっかくあなた方の方で課長から降格されても、それに対しては処遇上不利益を与えないというところまで職階制の改正、給与法等の改正等についてお考えになるんだから、そういう条件はその課長だけに限ってはならない。つまりそういう条件は課長になろうとしてもなれなかったような人、それから将来課長になろうとして楽しんでいた人たちに対しても、そういう決して不利益を与えないというやり方が、あなたの方から連絡されている先に向って、職階制の問題について給与法の改正の問題について考慮をめぐらさなければ不親切だと私は考える。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/88
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089・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) ただいまの千葉さんのお尋ね、大へんありがたいお尋ねでございまして、この機会にお答えできますのは、非常に私も幸いに存じます。すなわち課の整理によりまして、現在の課長の数が減るものでございますから、近い将来において課長になる希望を持っていた者の道をふさぐという点において、目に見えない不利益があるのじゃないかということでございます。これはまことに当然のことでございますし、一部には憂えられている問題でございます。私もその点につきまして、もちろん配慮をいたしておりますが、ただその点につきまして、私常々関係者の了解を求めておるのはこういう趣旨でございます。すなわち中央官庁というものの中堅クラスというものは、課長でなければ仕事ができないと考えるのが間違いで、課長でなくても、課長と同格の地位を与えて仕事をしてもらうことが、その役所全体としてかえっていい組織がある。そういうような組織は、当然これは課長と同格、あるいは課長以上の地位として考えるべきで、しかるにとかく課長でなければえらくないとか、なんとかかんとかならつまらぬというような考えは、これはとんでもない間違いである、たとえば大蔵省の主計局の主計官というか、これは予算編成の事務に従事する機能といたしまして、主計局に第一課から第十課まで作るよりは、主計官として有機的に働いた方が能率がいいから、主計官システムをとっている。経済企画庁におきましても、これは従来課のシステムをとっておりますが、ああいうような役所で、経済の調整、計画に当るところは、これは調整官なり、計画というところで有機的に連絡した方がいいのだから、そのためにそういうようなシステムをとるので、従って今後は主計官であろうと、調整官であろうと、あるいは課長であろうと、それは同じに扱うべきもので、課長になりたいとか、主計官になりたくないとか、かりそめにも考えるとすれば、これは間違いなことでございまして、課長であろうと課長でなかろうと、職階給与制も同じように扱う。その職務によって有機的に課長から主計官になり、主計官から誤長になるというような、これは一例でございますが、そういうような取り扱いをすべきものである。決してこれは課長の道をふさぐものではない。適切なやり方によりましては、専門官としてもぐんぐん伸びていく。昔のように課長にならなければ、専任の誤長にならなければ伸びないというようなことでは困るということでございますから、そういうように御了承いただきたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/89
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090・千葉信
○千葉信君 どうも私ども、最近内閣委員会で政府当局に質疑応答していると、神がかり式の答弁が非常に多い。たとえば売春の問題については、精神作興運動でこの問題を解決するという御答弁がなされてみたり、今また岡部さんからシステムはこうでなければならない、課長にならなくたってほかの仕事で幾らでも課長以上の仕事がある。だから何も課長を減らしたことは実害が起らないので、考え方としては、今、岡部さんが言ったような格好にいけば、それに対しては十分寄与される。私はその点はそうだと思うのです。全くそうなくちゃならないと思うのです。しかしそういう押しつけるものの方の立場、命令する方の立場から、そういう理念や理想を振り回してみても、実際上はそうは動かないのです。だから実際上動けるような格好になるというものが考えられなくちゃならないのです。あなたが言うように、課長として仕事をするよりも主計官としての仕事をした方がいいとか何とかおっしゃるけれども、その点は私は反対はしない。そういうやり方でも課長以上の能率を上げ、行政事務を担当、成果を上げることはできるということは、これは私も同感である。しかし私の言っているのはそういうことを聞いておるのじゃなくて、現実に何といってもこれはもう国家公務員ばかりじゃない、人間だれしもそうだけれども、たとえば一つのポイントになってくるという昇格するということ、こういう条件は適正な給与を支給するということと同じに、そういう条件が本人の能率を上げたり、本人がほんとうに腹から責任を持って仕事をするという気持を持たせるためには必要なんです。いいですか。そういう条件が少くとも減るのじゃないか。だから減るのだから、そういう減ることに対して、どうしても減らしてしまうのだから、そういう点についてやっぱり考慮をめぐらして、今課長になっていて、課長をやめさせられる人の場合には、あなたの御答弁でわかったけれども、それ以外のそのあとに続いている人たちの気持を振い立たせるような方策、もしくは決して課長の椅子が減ったからといって損はさせない、不利益には扱わない。従って励みが出てくる、こういうやり方がとられなければならぬ。そういうやり方をするためには、やはりあなたがさっきおっしゃったように、職階制におけるある程度の考慮も必要だ、給与法におけるある程度の考慮も必要だ、そういう考慮をめぐらしてこそ、初めて本当の善政——なんという言葉を使うと笑われるかもしれないけれども、政治というものはそういうところに根拠をおかれなければならぬと思う。だからその点についての考慮をあなた方が必要とするぞということを私は言うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/90
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091・野本品吉
○理事(野本品吉君) 本日は本案につきましては、この程度にとどめておき、たいと思いますが御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/91
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092・野本品吉
○理事(野本品吉君) 御異議なければ、さように決定いたします。暫時休憩いたします。
午後一時五分休憩
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午後二時四十二分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/92
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093・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) それではただいまから委員会を再開いたします。
厚生省設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案に対する質疑に入ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/93
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094・田畑金光
○田畑金光君 大臣に一つお尋ねいたしますが、先般厚生省から資料をいただきまして、大よそこの未帰還者の現状等についても、数字の上から見当がつくわけでありますが、この際、一つ未帰還者の現状と、これに対して政府当局がどういう対策をとられようとなさるのか承わりたいと考えます。ことにわれわれが関心を持ちますことは、先般の日ソ交渉が長期の自然休会に入りまして、特に国民の注目しておりました抑留邦人の帰還等も、今の状態ですと、無期延期になったような形をとっているわけであります。こういうような状態を見ましたときに、政府当局としては、抑留邦人の問題は、かねてから日ソ交渉の問題、国交調整の問題とは別個にして、あくまでも今後とも話し合いを続けていかれる、こういうような方針であることも承知いたしておりますが、これらの見通しについて、また政府がこれからどういう手を打たんとなされておるのか、承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/94
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095・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 未帰還者の現況につきましては、資料の二十八ページにも示しております通りでございますが、ソ連との日ソ交渉という問題が現在の段階になっておりますので、もっとも先日松本全権の随員といたしまして厚生省の田邊援護局長を派遣いたしまして、わが方といたしましての名簿として一万一千百何名というものが現在ソ連に抑留されておることになっておるのでありまして、先方のマリク名簿と申しますか、昨年の十月ごろに発表いたしました名簿の数というものは二千五百数十名ということになっておりまして、その間の数字の相違というものが相当たくさんあるのでございます。日本政府といたしまして、留守家族の全国の人々が非常にこの問題に対して関心を持ち、また憂慮をいたしておるものでありまして、松本全権に随員として参りました田邊君も全権といろいろ打ち合せをいたしました結果、先方の全権団に対しまして、日本の現在ある名簿は一万一千百何名であるが、あなたの方のマリクの名簿として発表されたものと非常に相違がある。そこでわが方が持って参りましたカードと、それからそのカードに付随して向うが要求いたしましたカードの内容と全然同じものを名簿にいたしたものとを向うに提出いたしまして、そうしてこのソ連側と日本側との数並びに内容につきまして相違しておる点につきまして、ソ連の資料に基いて十分にこれを調査してもらいたい。それからもし資料がないものがあれば、この点は資料がないというようなことについて、はっきりと御回答願いたい。その他いろいろの問題につきまして田邊随員から向うの全権の当局者に対して話し合いをして参ったのであります。ただいま御質問のありましたような日ソ交渉の現在の状況がこういうことになっておりますけれども、なお、ロンドンには日本の随員も残っておりまするので、それを通じまして今後それらの問題につきまして十分に折衝をし、回答も得たいと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/95
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096・田畑金光
○田畑金光君 日本側の資料では、ソ連地域に一万余の同胞が抑留をされておる。マリク全権の発表した資料によると、二千五百有余しかいない。両者照らし合せまして今後どの資料に基いて、あるいはまた資料の審議自体すら、これは話し合いが相当困難な問題にぶつかると思うのですが、今、日本政府がロンドンにおいて話し合いなさっておるその節の資料というものは、日本側の資料であくまでも主張を続けておられるのかどうか、この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/96
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097・小林英三
○国務大臣(小林英三君) これらの交渉につきましては、私は松本全権が帰りましてから、そのいきさつ等につきましてもいずれはっきりとした報告があることと存じますが、ただ問題といたしましては、マリク名簿と称するものの内容というものは、これは受刑者についての、つまりソ連でこうこういう刑罰を受けたものについての名簿だろうと思うのでありまして、日本の政府が、厚生省でもっておりまするカード並びに名簿というものにつきましては、これはもう今日まで終戦以来いろいろな手から判明いたしておりまする名簿でございまして、先方の名簿と私どもの名簿と非常に違う点がございますので、先ほど申し上げましたように、この点について向うの資料に基き回答してもらいたいということを要求いたしておりますし、今後も引続きロンドンに残っておりまする随員を通じまして、この問題の回答を慫慂することになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/97
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098・田畑金光
○田畑金光君 そういたしますと、向うの資料に基いて報告してくれろと、こうなりますならば、いわゆる向うでいう受刑者のみの資料を政府は要求されたことになるわけで、その他の一般邦人等が、向うで抑留されておる、そういう人方に対しては何らの措置も要求されていないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/98
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099・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 今お尋ねの点につきましては、ソ連のマリク名簿に載っております二千五百有余名という数字のものとについて照合いたしておるのではないのでありまして、ソ連の名簿の内容と日本の名簿の内容とにおいて非常に違っておりまするし、向うにもいわゆる受刑者と称しております二千五百有余名のほかにもソ連にはそれぞれの資料があるものという予想のもとに、要するに日本とソ連との人数の違う点については、ソ連の資料に基いて調べてもらいたいと、そうしてたとえば資料がないものについては、このものとこのものは、資料がないから、わからぬというような点についても、はっきりと御回答願いたい、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/99
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100・田畑金光
○田畑金光君 これば大きくは外交交渉の進展によると思うので、厚生大臣にお尋ねするということは無理かもしれませんが、今回交渉が自然休会に入ったというので、先ほど申し上げましたように、いろいろな、いろいろなというよりも、留守家族の団体がありますが、これらの留守家族団体においては、近く東京で全国の決起大会を開いて、政府に対し抑留者の早期帰還を強く要請される、こういうことが本日の新聞にも出ておるわけであります。厚生大臣もよく眼を通しておられると考えます。この問題はしかしソ連の今日までとってきました外交交渉のかけ引きを見ました場合に、同時にまた一方日本側の国交調整に臨む基本方針等を私たちが見ました場合に、平行線をたどってなかなか解決せぬような難問題ではなかろうかと見ておるわけであります。これは日本国民としてだれもが人道問題である、であるからこれは国交の調整問題と離れて、すみやかな解決促進のために努力をしなければならぬ、だれもがそれは共通の気持であります。しかし何しろ相手があることでありますので、国民的なこの気持が相手に受け入れられるかどうかは非常な疑問をわれわれは強くするわけであります。こうなって参りますと、国交調整の基本的な方針そのものに触れますけれども、政府部内といたしまして、この問題についてどのような見通しをもっておられるのか、今後ロンドンにおいては引揚問題に関する限りは引き続き外交交渉を進められるという御方針であるようでありますが、そのようなことで見通しがあるのかどうか、政府の考え方を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/100
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101・小林英三
○国務大臣(小林英三君) この問題につきましては、これは外交上の問題が多分に含まれているものと存じまするし、外務省といたしましても、松本全権がいずれ近く帰って参りました上で、今後の方針をきめることと存じます。私どもといたしましても、あらゆる機会を通じましてこの問題を推進いたしたいと思っておりますが、いずれにいたしましても、今日私どもが最初から考えておりますように、ソ連と日本との国交問題とは別問題として、人道的にもこれらの抑留者を帰すべきであるという基本的な問題については考えているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/101
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102・千葉信
○千葉信君 関連して。日ソ交渉も現在の段階で政府としては引揚者の問題については他の外交交渉と切り離してこの問題を解決するために努力をされる、私はその方針は大いにけっこうだと思う。それならお尋ねをしたいのですけれども、たとえば引揚者の問題をどうするかというような問題、それからまだ帰ってこない引揚者の留守家族に対してどうするかという問題、これは厚生大臣の所管ということになるわけですね。そう了解して差しつかえありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/102
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103・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 留守家族の処遇という問題につきましては、私の方の所管だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/103
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104・千葉信
○千葉信君 これはまあ私がお尋ねしなくても、大臣はもうとうに御承知だと思うのですが、二十七日の日に閣議が行われました。その閣議のあとで、鳩山首相と重光外相、河野農相に根本官房長官を加えて、ソ連の抑留者引き揚げの問題等を中心としてのお話し合いが行われました。一体こういう重要な問題を話し合うときに、所管大臣がその席上にいないというようなことは、大よそ常識上から了解に苦しむところですが、これは一体厚生大臣としてはどうしてここにおいでにならなかったのか、その点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/104
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105・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 今の御質問につきましては私多少行き違いがあるのではないかと存じておるのであります。実はつい先刻社会労働委員会におきまして、引揚者の問題についての御審議がございました席上におきまして、ある委員からちょうど今御質問のありましたような点につきまして、御質問を得たのであります。私はごもっともな質問だと存じましたので、ちょうど社労の委員会の御審議中におきまして、山下政務次官に、数日前に新聞に報道されておりました問題につきまして、政府のはっきりしたこの問題についての経過を確めにやりました。というのは、実は閣議ではそういうことは私もタッチをいたしておりませんし、私は今まで、今日まで最初からすべての閣議に欠席したことがないのであります。私みずからが閣議ではそういう御相談を受けていないのであります、正式に閣議におきまして。ただ新聞にああいうふうな、ソ連の抑留者に対する留守家族の問題の処遇等について、新聞は見たのであります。私も今御質問のありましたように、留守家族の処遇問題については、当然私が関与すべき問題だと考えておりますし、ある新聞については、私も相当疑問を持っておるのであります。ちょうど先ほどの委員会の機会に、そういう御質問がございましたので、これはその問題に対する政府の見解といいますか、明らかにする必要があると存じました。私は質問を受けながら、その間に山下政務次官をして、新聞の出たいきさつについての問題について聞きにやりました。やはり私が考えておりましたように、その問題につきましては、ある二、三の閣僚が、抑留者の留守家族の処遇について、座談的な話があったのが、新聞にああいうふうに誤まり伝えられたのである、あの問題については大蔵大臣はもちろんのこと、官房長官もタッチしておりませんということでありました。これは私もその通りだと思っておりました。直ちに同委員会において、私からあの新聞に出た記事等をめぐりまして、政府の見解を明らかにしたのであります。すなわち抑留者に対しまする留守家族の処遇という問題については、これはソ連であろうとどこであろうと、一視同仁に扱うべき問題でございますし、厚生大臣といたしましては、私も今後の方針といたしましては、今後できるだけ処遇の問題について考えて上げるべき問題であるということについて、私からも申し上げた次第でありまして、今の御質問につきましてのあの新聞記事につきましては、相当の行き違いがあるということを御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/105
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106・千葉信
○千葉信君 私は今の御答弁になられました留守家族に対して、どういうふうにするかということをお尋ねしておるのじゃないのです。その留守家族の処遇、困窮をどう救済するかというようなことについて、これは厚生大臣の所管だと思うが、そう確認しても差しつかえないか、質問の順序として、その点を聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/106
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107・小林英三
○国務大臣(小林英三君) それは先ほど私からも申し上げました通り、厚生大臣の所管に関することであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/107
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108・千葉信
○千葉信君 私はこの問題に対して政府がどういう態度で、どういう方針で臨もうと思っているかということをお尋ねしているのじゃなくて、一体厚生大臣の担当の問題について、今厚生大臣は閣議のあとの懇談ということを言われておりましたが、それは懇談でもよろしい、座談でもよろしい。しかしその閣議にはまた必ず出席をされていると、こう言っているそのあなたを、必ず出席されている閣議の終了後に、あなたをはずしておいて、首相、外相、それから農相等が、あなたのもっとも今重要な案件になっている問題について、あなたをはずしておいてその問題についての協議が行われた、いいですか、あなたはそれを座談だと言っておられるけれども、この内容等について、所管外の重光外務大臣が新聞発表をされた、新聞発表。そうしてしかもその中の一項として「抑留者は従来も国交調整とは別の交渉としてすすめてきたわけで」、これはあなたも言われた通り、「これは従来の態度を推進し、ロンドンにおいて交渉するほか、国際赤十字を通ずるなどの方法で極力促進したい」、これはいいと思うのです。「さらに抑留者の帰還が実現するまでの間、留守家族の困窮を何とか軽減するよう、いろいろとその方法を検討している」、こういう新聞発表、一体こんなことで厚生大臣が厚生大臣としての職責を全うすることができるか、どういう考えでこういう重要な問題について、あなたをはずして懇談が行われ、新聞発表が行われ、しかもあなたの所管の事項について、こういうあなたに連絡なしに発表が行われた。これは私はあなたが悪いというのじゃないんですよ。あなたが悪いということを言ってるんじゃないけれども、政府全体としての立場から、そんなやり方をして一体いいのか。あなたは所管大臣として、この問題については十分責任をとらなければならぬし、この問題については、あなたは閣議で発言しなければならないし、案件を提出しなければならないし、それじゃもうどんなに内閣法があったり行政組織法があったって、そんなに不明確にでたらめに問題を取り扱うということは違法ですよ、これは。たとい正式な閣議でなかったとしても、これに対してあなたは所管大臣として何らかの意思表示をしなければならぬのです。その点、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/108
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109・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 今御質問の点につきてましても、新聞には閣議後の懇談会ということになっておったかどうか知りませんし、またその問題がどこで論じられたかということも私は存じ上げませんが、要するに留守家族の処遇という問題につきましては、全く私の所管であります。たまたま今の新聞にどういうふうな記事が出ていたかということは別問題といたしましても、今の御質問につきましては、実際問題として所管である厚生大臣をのけて、そうしてそれを一つの大きな内閣の問題として取り上げられたという事実であれば、これは今全くあなたの御質問の通りであろうと思うのです。私がいろいろ調査したところによりますると、それはいろいろな問題に関連いたしましたあとで、最後に一つの重光外務大臣の希望と申しますか、御意見と申しますか、というようなことが出たのだろうと思うのでありまして、これは内閣のまとまった閣議でもございませんし、閣議の延長でもなかったのでございます。それを新聞が取り上げて、たまたまいろいろ誤報もあったかもしれませんが、出したにすぎないのであります。内閣の行政府といたしましての全体の問題として、正式に扱われた問題ではないのであります。予算に関係のある大蔵大臣も関係いたしておりません。官房長官も関係いたしておりません。私はいろいろ確かめ得たところによりますると、多分日ソの交渉がこういう状態になっておりますので、重光外務大臣がソ連の抑留者の留守家族の問題としては云々というような一つの御意見があったのではなかろうか、これもたしかではございませんが、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/109
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110・千葉信
○千葉信君 質問の内容について、まあ失礼な言いぐさになるかもしれませんが、勘違いをされないで答弁をしていただきたいと思います。私は、このことについて厚生大臣を追及しなければならぬという立場で聞いておるのではないのです。こういう格好で、これではあんまり厚生大臣がみじめではないか。あなたが何と強弁されても、それは閣議で正式決定になったことでもないし、閣議でやったことでもないということは初めからはっきりしています。いいですか。しかし、その閣議ののちにおける懇談会で、この種の重要な問題が、あなたの直接担当している問題が論議され、そして、しかも、それがたとえどのような形式であろうとも、所管外の外務大臣としてこの問題に触れられて、しかもそれが、何と否定しようとも、日本のことごとくの大新聞にでかでかと報道されています。よろしゅうございますか。この際、新聞の報道から受ける印象だけを取り上げてみても、これじゃあんまりひど過ぎる。日本の留守家族はだれに一体この問題の解決を期待しているのですか、あなたに期待しているじゃありませんか。最高の責任者は総理大臣かもしれません。しかし、厚生大臣としてこういう問題を担当しているあなたに期待している。それをあなたがそういう問題を、意識統一を行うという懇談会、その懇談会で意識統一をやったかやらぬかは別として、こういう最町の方針というものがきめられているのではないですか、あなたが除外されて。これではあなたがあまりみじめだというばかりでなく、そのやり方は、一体、所管を明確にして、各大臣の権限に対しては侵してはならぬと、その各大臣の権限にもし疑惑が持たれるような点については、閣議にかけて総理大臣がその所管を明確にするとまで規定されている。これは、まあ鳩山内閣の悪いくせかもしれぬ、僕に言わせれば。こういう得手勝手な連中が首脳部という格好で会合して、どんどんこんな問題をきめている、所管の大臣を相手にしないで。これがしょっちゅう今後も行われるようなことでは、一体所管大臣の権限はどうなりますか。同時に、またいろいろなその閣議の決定のし方、権限のあり方、内閣法や国家行政組織法に基くところの行政の発動の形式の状態からいっても、一体そんなやり方をとるべきじゃないと思う。ですから、私の申し上げているのは、こういう格好で今後も行われては大へんだから、この事態をできるだけ明らかにするとともに、あなたはこういうやり方に対しては抗議すべきである、厚生大臣としての立場から。どうです。あなたはこの問題に対して黙っていてはいかぬと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/110
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111・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 非常に厚生大臣といたしましての私に同情的と申しますか、あるいは注意と申しますか、そういうようなお気持には感謝をいたします。ただ、私は大臣に就任いたしましてから、すべての閣議に欠席しないで今日まで出ております。もちろん所管事項につきましては、早生省は厚生大臣、その他の所管につきましてはその他の閣僚がそれぞれの意見を述べておるのであります。ある一つの決定事項といたしましては、国務大臣として閣議に参画をいたしてきめておるわけでありまして、私は今日の鳩山内閣の閣議の状況等から判断いたしまして、私が今日まで閣議に列しましたいろいろの環境からいたしますと、今あなたが御心配願ったようなことはなかったと思います。たまたま今御指摘になりました新聞の記事等は、これは、いろいろの問題を座談的にやりましたあとで、外務大臣の重光さんが日ソ交渉の今日の段階になったことから関連いたしまして、今のような御意見を述べられたものが新聞に誇大的に出たんじゃなかろうか、こういうふうに考えておるのであります。御注意は大へんありがたく存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/111
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112・千葉信
○千葉信君 小林厚生大臣の立場としては、おそらくそれ以上の答弁はできないだろうと私はその点は了解いたします。しかし、何と御答弁されましても、小林さんは今まで閣議に欠席したことはない。その日も閣議に出席しておる。せっかくその日にも閣議に出席されておるその担当大臣をボイコットして、その担当大臣の所管事項を相談し合うとは不届き至極だ。将来はこういうことのないように、これはあんまり厚生大臣がみじめですから、一つ今後はそういうことのないように厚生大臣に私は十分注意をしてもらいたいと思って、御注意申し上げた次第であります。この問題についての私の質問はこれで打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/112
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113・田畑金光
○田畑金光君 私の質問しようと思った点を千葉委員から質問されたので、この点は重複を避けますが、先ほどの大臣の御答弁を承わりますると、抑留邦人の帰還の問題については、あらゆる機会に今後とも話し合いを続けて参りたい、こういう御趣旨であります。その答弁だけを承わって、引きさがってもよろしいわけですが、今日までこの問題については同じような答弁を政府から何十回何百回繰り返されておるかしれません。もはや日ソ交渉がこういう段階になって参りますると、政府は人道問題として早期に解決しよう、こういうことを留守家族の人にはもちろん、国民にも訴えて参ってこられたはずであります。今においてなお同じような言葉を繰り返されるということは、まことにこれはわれわれとして遺憾であります。返してくれ、返すわけには参らぬ、返しなさい、だめです、こんな話ばかり就けておられたんじゃこれはいつまでたっても解決のめどはつかぬと思うんです。先ほど大臣は、あらゆる機会にあらゆる手段を通じ帰還の促進の努力をなされるという御答弁でありましたが、私たちは、具体的に、しからば政府はこの次ぎどんな手を打つのか、それをお聞きいたしたいのであります。今までの質問によって私は一応安心したわけですが、未帰還者問題の所管省であり、留守家族から言うと親のような気持で信頼されている厚生省であり厚生大臣でありますから、今後の対策について厚生大臣にお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/113
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114・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 今後の具体的な問題、未帰還者の引き揚げに対しまする具体的の措置ということでございまするが、この問題は、やはり外交上のいわゆる外交問題を主としてやらなくちゃならぬ問題でありまするから、今後外務大臣と寄り寄りよく相談をいたしまして、外交的な折衝等においてやらなくちゃならない問題だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/114
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115・田畑金光
○田畑金光君 外交問題のみで処理をしようとするなら、先ほど私がお尋ねいたしましたように、外交交渉の糸が切れておるじゃありませんか。外交交渉の目的は、日ソ国交調整だ。ところがその国交の調整ば長期の自然休会に入るような段階にきておるじゃありませんか。今の千葉委員の質問に対しまして、あなたは未帰還者、留守家族の問題は厚生省が所管であり、厚生省が中心となってこの問題については取り組んでいくんだというような御答弁がなされた直後じゃありませんか。外交交渉で重光外相と相談をしなければ具体的な策が出てこぬとすると、これは結局ですよ、国交調整の問題がめどがつかなければ、いつまでたってもできないということを繰り返しておるに過ぎません。そういう考え方であるから、鳩山首相や重光外相、河野農相の三首脳が閣議の終了後あなたを置き去りにして話をしたようなことになったと、私はこれは悪く推察すると、そういうふうに考えさるを得なくなるわけです。これは厚生大臣、私こう思うのですが、表向きの外交のみによってこの問題が解決できるかどうか、この点です。もう少し私は、政府は打つ手があるのじゃなかろうか。何でも表玄関から行こうとする弾力性のない、固定した今の内閣の外交によっては、とうていこれはできぬと考えておるわけであります。もう少し、今の流動する、特にソ連というようなかけ引きの上手な外国を相手にして、日本がこの問題の解決を促進するためには、もう少しわれわれは弾力的な手段、方途があると考えまするが、この点について大臣は何かお考えないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/115
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116・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 今御質問のありました中で、私が先ほど千葉さんに答弁申し上げましたことに関連いたしました御質問があったわけでありますが、先ほど千葉さんに対する私の御答弁というものは、つまり留守家族の処遇をめぐっての問題であったと思うのでございます。これはまさに厚生大臣の所管でありまするから、今後処遇の問題については十分考えていくつもりであるということを申し上げたのであります。今のあなたの御質問になりました問題は、今後具体的に抑留者の問題についてどうするかという御質問でございましたから、これは外交上の問題によって、国全体として考えなくちゃならぬ、しかしそれも、日ソ交渉に当りました当事者でありまする松本全権が帰還をいたしまして、それらの報告を十分聞いた上で、外務省を中心にして今後の方針について努力するということをあなたにさっき御答弁申し上げたわけであります。そこに多少、いろいろ食い違いがあったと思いますので、一応釈明いたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/116
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117・田畑金光
○田畑金光君 大臣、私のお尋ねしておることは、未帰還者留守家族の福祉などをやっておられるのは厚生省である、よくわかっております。大臣の御答弁の通りであります。なるがゆえにこそ未帰還者留守家族の人方が念願し、切望しておる帰還を促進するこの問題は、表向きの外交折衝の点から申しますなら、それは外務省であるかもしれぬが、それを推進するには、やはり私は厚生大臣というものが中心となって政府を動かし、外務省を動かし、また先ほど申し上げたように、今までのような外交的な表玄関からのかけ引き、話し合いのみでは解決できぬとするなら、もう少しわれわれは別途の方法等が考えられはしないか、こういう点等については、厚生大臣はそういうような構想を持っておられると私たちは期待しておるわけなんです。たとえて申しますると、こういうこと等も考えられるのじゃなかろうかと思います。本日の朝日新聞を私は見ましたのですが、留守団体全国協議会が、昨日ですか、会議をもって、三十日の朝からソ連引揚貫徹全国留守家族総決起大会を開くことに決した。その大会においては、日ソ交渉とは刑に、鳩山総理みずから陣頭に立って、問題解決のため抜本的交渉に当ること、こういうようなことを求めよう、こんな決議をなすったのであります。またこれは自民党の益谷衆議院議長が会長になっておられる海外抑留同胞救出国民運動総本部でも、二十八日朝十時半から会議を開いて、鳩山総理の特使派遣というようなことも決議なされたと聞いておるわけであります。あるいは赤十字を通じ、さらに強力に話し合いするということも考えられましょうが、私が先ほどからお尋ねいたしておりまする点は、単に政府の表玄関からの外交交渉のみによっては、この問題の解決は促進されないであろう、こうみておるわけであります。そういうことを考えるとき、先ほど千葉委員のお話の中にありましたが、私は厚生大臣は閣議においてみじめな存在であるとは考えませんが、有力閣僚であると私はみておるわけです。有力閣僚の一人である厚生大臣あたりが、何とか一つこの問題については新らしい手を打って、解決のめどを見いだすべきじゃなかろうかと、こう思うのです。鳩山さんは先般、周恩来からもし呼びかけがあるなら、出かけて行ってもよろしいという、こういうような話しもされております。鳩山総理もあるいは手押し車に乗ってソ連に出かけなさるならば、こういうような問題等の解決のために数歩前進しためどがつくかもしれぬと私は考えるわけであります。こういうような何か具体的に、国民の要望し、留守家族が切願するこの問題について、もう少し親切のある態度というものを政府は考えていないのかどうか、この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/117
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118・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 今の御質問でございまするが、もちろん厚生省には引揚援護局というものがございまして、引揚者の問題、留守家族の問題、引揚援護の問題等につきましての所管の局もあるのでありまして、たとえば先般ハバロフスク収容所において起りました、ああいういわゆるハバロフスク事件の減食の問題等につきましても、これは当然厚生省が一番先に心配してやるべき問題でありまして、せっかく今まで十年間、終戦以来異郷に苦しんでおられる同胞の方々、並びにそれらの留守家族の方々の心情を考えますとき、非常に惻隠の念にたえないのであります。この問題につきましては、とりあえず厚生省の引揚援護局の中の費用を流用いたしまして、大蔵省の了解のもとに月々適当の慰問品を二月から向うにお届けいたしますとともに、今後減食等の問題につきましても、これは外務省のロンドンの大使を通じまして、それぞれ向うに交渉するというようなことでございまして、全般の引揚者の帰還の問題につきましては、これは一厚生省の所管だけではないのでございまして、これはどこまでも相手方のあることでございまするから、外務省を中心といたしまして今後大いに推進すべき問題だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/118
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119・田畑金光
○田畑金光君 厚生大臣の御答弁ではどうも満足するわけには参りません。慰問袋を送るとか、そんなことを聞いているんじゃないんです。ほんとうに政府でソ連抑留同胞の引き揚げを真剣に考えているならば、この問題と真剣に取っ組んで解決しようとする腹があるならば、もう少し内閣全体として、あるいは留守家族の行政担当の所管大臣として、もう少し新しい方法等が考えられてしかるべきじゃないかと、こう思うんです。大臣の答弁をわれわれがそのまま受け取るとするならば、何も解決のめどはありませんとはっきり申した方がいいんです。そのような政府のなまぬるい態度で、この問題が看過されてよろしいかどうか、そういう時期であるかどうか、もう少し一つ厚生大臣ともあろうものは真剣に考えてもらいたいと私は思うわけであります。やはり新しい今日のアジアの外交、あるいは共産圏の最近の出方等を見ました場合に、もちろん私は外交のしろうとでありまするが、しろうと自から見ましても、もう少し日本政府の外交等には弾力性のある、新しい持ち味をとり入れるべきではなかろうか、民間外交等もそうであります。こういうような点に関しまして、内閣として、あるいは厚生大臣としては何らの考えもお持ちでないのかどうか、あらためてお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/119
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120・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 先ほどからの御質問もございまして、たとえば先ほどお話のありました引揚同胞の全国の関係者がお集りになって、一つの今後の家族の希望といたしまして、政府に決議を出された、私も実は先ほどお日にかかりまして一これは各閣僚にお出しになったというのですが、その決議井も拝見いたしました。これは留守家族の諸君としては当然の希望であり要請である、私は所管大臣としましてはもちろんのこと、国務大臣の立場におきましても、内閣閣僚全部が皆さんの御期待に沿うように御尽力申し上げるということも申し上げたのでありますが、今御質問にありますような問題につきましても、たとえばソ連の抑留者の帰還の問題等もやはり大きな国際問題、相手方のある問題でございまするから、先ほど来私が御答弁申し上げておりまするように、外務省、外務大臣等とも連携いたしまして、できるだけ今後この問題の解決の推准できるようにいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/120
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121・田畑金光
○田畑金光君 この点に関しまして山下政務次官に一つお考えを承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/121
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122・山下春江
○政府委員(山下春江君) ただいま大臣からるるお述べになりましたので、私は大臣とともにこの仕事に当る人間でございますから、私の構想を申し上げましても、これは何かこう省内不一致のように聞えましてあれでございますが、私の方が大臣よりもこの問題を長く専門的に扱って参りましたので、帰りましてこの点は大臣とよく御相談いたしまして、これを推進いたしたいと思う私の考えを申し上げたいと思います。
御承知のように、ハバロフスク問題はすでに就労拒否をやっておりますために、第六次の引揚者の伝えるところによりますれば、抜食の刑を受けておるようでございます。従いまして今日までの給与されておりました食糧はあたっておりません。この点は私どももう全くじっとしていられない気持でございます。この挙に出ましたゆえんは、やはりこれは日ソ交渉の影響でございまして、日ソ交渉がなかなか急速にはかどらない。しかしながらあの氷の中で十年生き伸びてきたこの人々を、私どもは一人でもこの事件のために異郷の地に命を埋めさすようなことがあってはならないのであります。(「鳩山内閣の責任だ」と呼ぶ者あり)どうしてもこれは皆さんの健康な保持いたさなければなりません。皆さん、ハバロフスクのほとんど全員でございます。過般衆議院で公聴会を開きまして、第六次の引き揚げの方からつぶさに伺いました。それによりますと七百八十六名という方が署名しておられますので、ほとんど全員に近い数字でございます。従いましてこの方々が一致団結してこういう挙に出られたという一体その底意はどこにあったか、日ソ交渉が長引く(「答弁簡単に」と呼ぶ者あり)ということになると、これは命を保ち得ない。従ってもうこれ以上重労働をさしてくれるなということがその底意でございますので、厚生省といたしましては、外交問題のいかんにかかわらず、何としても現地に行ってみるという方法をあらゆる手段で考えなければならぬと思います。従いましてどうするのにも方法がございませんので、人類愛の立場から、全く政治的な関係を持たない日赤を煩わしまして、そうしてソ連赤十字に頼んでハバロフスクに両方が落ち合いまして、そうして現地で現場を見ながらこの問題の解決に当っていただきたいと、実は私はそのように考えておりまして、大臣にもこのことをお願いいたしまして、ぜひ厚生省としてはこれを実現いたしたいと思います。その現地交渉団がもし内閣において決定いたしますならば、ぜひともその食糧あるいはその他の援護物資を携えて参りまして、十年間艱難辛苦して生きこたえてこられた方々に、万一の差しつかえのないよう手を打ちたいというのが私の考えでございます。大臣ももちろん同感であられると私は確信をいたすのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/122
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123・千葉信
○千葉信君 小林さんにお尋ねと御荘意とを申し上げておきたいと思いますが、先ほど来内閣法に基いて行政組織法に基くそれぞれの大臣の権限の問題について、この委員会で質疑応答が行われました。下手をまごついて、外務大臣があなたの権限を侵したような傾向があるということから、今度は逆に今ソ連に抑留されている抑留者の、これをどうして引き揚げるかという問題について、外務省の権限を侵すような行動に出るような考えがもしあなたの方にあったとすれば、これはもうけんか両成敗という格好になってきますので、今の大臣と次官の御答弁を合せお考えになって、適正を期せられるように私から御注意を申し上げておきます。
それから次に、具体的な問題に入ってお尋ねをしたいと思うのですが、未帰還調査部の吉田部長がこういうことを衆議院の内閣委員会で言っておられます。この法律に直接関係のあることです。二十九年当時定員法改訂、定員逓減計画のころの未帰還調査関係の内外の情勢と今日とは、対ソ、対中共関係との未帰還の問題の発生等、情勢が変化をしております。実務担当者としてはこれらの資料を準備して、上司に意見を申し述べたいと考えます。こういう未帰還調査部の志田部長の意見からすれば、今の定員を規制した二十九年の当時の状況とは著しく状況に変化が起っているからこのままじゃできない。情勢に対応するためには、これに対して適正な対応策を講じなければならぬ。一つの問題としては定員をどうするかという問題がここで考えられるわけです。そこで今度の厚生省設置法の改正に当って、この問題がやはり考慮されたかどうか。それからもしも考慮されたとすれば、これは行政各機関内のどこかにある問題ですが、そういう定員問題をどうしなければならぬかという問題についてどういう交渉が行われたか。どういう経過を見たか。これを大臣から承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/123
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124・山下春江
○政府委員(山下春江君) 先ほど、外務省の権限を侵すようなことになればけんか両成敗になるという御指摘がございました。その点では前後の事情がわかりませんので、大臣からどのように御発言なさいましたかを私存じませんけれども、私先ほど大臣の命を受けましてこの点は内閣に確かめに参りました。そのときに官房長官は、閣議の議題ではない、全く私すら知らないことであるので、そう大へん心配して、いろいろ雑談されたであろうことが漏れ出たのであって、閣議の議題でない。それから私がただいま申しましたように、厚生省が力一ぱいこの問題を心配するのあまり日赤をお願いして、そうしてそういう行動をとっていただくということは外務省の権限を決して侵さないものでありまして、その後に河野農林大臣にも会いまして、その中に名前がありましたので、会いまして聞きましたところがさようなことは一切厚生省が行うべきものであって、他のものはそれを援護することが道理であるから、決してそれは閣議の議題等にいたしたものではないということを明確にしておられましたので、私ただいま申し上げましたことは決して外務省の権限を侵そうとの考えで申し上げたことでないことを御了解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/124
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125・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 今の千葉さんの、ただいま議題となっております厚生省設置法の一部改正法律案、お説の通り二十九年度におきまして、定員法に基きまして二十九年度は引揚援護局全体といたしまして千六百二十二名に対して未帰還調査部は五百四十一名、三十一年度におきましては三百一名にするということでずっと今まできているのであります。私はいろいろな御議論もございまするが、従来の経験を生かしましてやりまするならば、三十一年度におきまする未帰還調査部の二百一名によって今後の未帰還者に対する処置ができるものだと考えておるのでありまするが、なお、今調査部長から衆議院においての当該委員会においてこういうことを言った、五司に対して進言をする、あるいは申し述べるとかいうお話もあったようですが、やはり衆議院の委員会におきましても、部長からも今のこの法律の改正案にありまする定員で努力すればできるということも申しておるのであります。今後の推移によりましては、さらに来年度はそのときの状況を判断いたしまして、定員の問題についてもまた考慮ができると考えております.なお、この問題につきましては一応総務課長から答弁をさせて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/125
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126・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) 大臣ば衆議院の本会議の関係上四時までこちらにおられることになっておりますから、質問応答はなるべく簡潔率直に一つお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/126
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127・千葉信
○千葉信君 総務課長の答弁はまたあとで聞きます。大臣の時間の関係があるから大臣の方に。今は国会における答弁上今のような大臣の答弁しか、もう予算も通過したわけですから、これ以上の答弁をしたら食い違いを生じてくるから、まあ来年度あたりになんとか考えようということにならざるを得ないわけです。その点についてはまた機会をあらためて御質問申し上げます。
次の問題は今度のその法郷案の提案理由の説明書等によりますと、その縮減された、もしくは順次縮減される人員をもって業務のより能率的効果的な処理運営をいたしますために、付属機関から内部部局へ改組いたします。これが提案理由の説明です。この提案理由の説明通りということになりますと、能率的効果的な処理運用を期するためには、外部部局として置いちゃいかん、だから内部部局にしなければならないのだという、こういう結論になっているわけです。そういうことになっているわけです。これはちょっと明確を欠く御意見だということになろうと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/127
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128・小林英三
○国務大臣(小林英三君) これは内部部局にいたしますというと、会計でありますとか、あるいは人事の問題等につきまして、非常に節減もできて雄率を上げることもできるというような意味でありまして、ですから私の質問に補足をしまして総務課長からも……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/128
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129・千葉信
○千葉信君 要らない、大臣の答弁を聞いているのですから。小林さんの御意見からは外部部局というのは人事の割合に能率が上らぬ組織だということになりますね。そうでしょう。いろんな庶務関係とか会計とか、そういうものをそこでやることになるから、これは一緒くたにして処理した方がいい、だから外部部局というのは会計だとか、人事だとかの割合に能率の上らん組織だ、あなたの答弁は結論から言うとそうなりますよ。いいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/129
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130・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 私は必ずしもそうではないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/130
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131・千葉信
○千葉信君 そうじゃないと言ったって、そうなっている。理屈がそうじゃないですか。あなたは能率的、効果的な仕事の運営の仕方をするために内局にするのだ、一体外局ではどうしてだめなのか、内局にしなきやこういうふうに能率が上らぬのか、効果的な仕事ができないのか、こう聞いたら、あなたは、いや外局にすると、会計の関係、庶務の関係、人員が複雑になる。それじゃそういう庶務、会計等雑多な仕事を独立して、付随する外局——外部部局というのは非能率的な組織と、こうなりますね。これは常識じゃありませんか。どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/131
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132・小林英三
○国務大臣(小林英三君) 今の御質問でありますが、今の未帰還調査部の問題につきましては、今提案理由の説明をいたしましたように、会計あるいは人員等の問題について、むしろ内局になった方がほとんど能率を上げることができると、こう申し上げたのでありまして、今、後段に千葉さんがおっしゃいましたように、すべての場合におきてそういう点からいえば、外局は内局に能率的には劣るというようなことは私は速断はできないと思います。今この場台について申し上げたに過ぎないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/132
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133・千葉信
○千葉信君 私は普遍性をもった問題として大臣にお尋ねしているのです。それは大臣のお考えになっておられるような、そういう方針とは食い違うところが実際はあるかもしれません。いいですか。しかし少くともその外局なり外部部局というものが、大臣のおっしゃるように、庶務であるとか、会計であるとかその他の雑多などうしてもやらなきやならぬ事務をそこで独立してやるということは、人員の縮減という建前からすれば、これはいかぬ組織だという普遍的な理屈になるのです。これはわかると思う。これはどうかということを聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/133
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134・小林英三
○国務大臣(小林英三君) これは私は外局、内局という問題につきましての今の千葉さんの考え方ということは、これはやはりケース、ケースによって考えるべきものでありまして、一つの大きな外局があって、それにすべての組織を持たして、そしてその外局は外局としての一貫した機能を発揮するというような場台におきましては、これば別の問題でありまして、今この程度の人員によって外局のままで置いておくか、あるいは内局として会計その価すべての人員の節約をはかって同じような機能を発揮さすかというような、こういうケースにおいてのみ私は申し上げておるのでありまして、一般的のすべての外局と内局とを問題に供して私は言った言葉ではないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/134
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135・千葉信
○千葉信君 大臣のお説から言いますと、それはケース、ケースによって違うところもあるかもしらぬけれども、大体として外局とか、それから付属機関という格好で今設置を見ているところは、その庶務、会計等そういう仕事を担当する人員を要するという意味では、組織上の問題としては不経済な、その分だけについては明らかに不経済な組織と、こういうことになると思うのですが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/135
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136・小林英三
○国務大臣(小林英三君) それは私はこの場台のケースについて論じれば、提案理由の説明に申し上げましたように、会計あるいはその他の人員等の問題につきましてそういうことになるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/136
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137・千葉信
○千葉信君 私は別に言葉じりをとらえて質問しておるつもりはないのですけれども、これはやはり厚生省としては、今の段階においては大体自主的な性格を帯びる、その場合がそんなに要請されなくともいいという条件をやはりはっきりお考えになっておられるならば、そういう点を現出としてはお持ちになった方がいいと思う。そういう点が抜けた——これはだれが書いた提案理由の説明か知らぬけれども、そういう点が抜けた提案理由の説明がきては、こういうふうに国会に引っかからざるを得ないと思う。この点今後の問題としても一つ……、しかし今度はあなたの方の資料は非常に整備されて出てきていますから、この点は大いに多としますけれども、提案理由の説明等についてももう少し慎重に、事態の把握を、結局事態の把握が問題ですから、それをおやりになる必要が私はあろうと思う。それからその次に……、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/137
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138・島村軍次
○島村軍次君 今度の設置法の改正につきましては、いわゆる国家行政組織法の範囲において岸生省の設置法の一部の改正でありまするから、この未帰還調査部の仕事は、一体資料によりますと、どういう内容を持つものか、ここに第六条に書いてありますが、調査部の課の組織についてはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/138
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139・小山進次郎
○政府委員(小山進次郎君) 未帰還調査部の所掌事務は、厚生省設置法の第十四条の二に引揚援護局の事務が掲げてございますが、この第七号に、「未帰還者等の状況調査及び死亡処理並びに旧陸海軍関係の死亡者の遺骨及び遺留品の処理に関すること」というのが掲げてございますが、この仕事を現在取り扱っております。今後もこの仕事を所掌するというようなことになっております。それから未帰還調査部の中の課は現在七課ございます。これは先ほど来から大臣が御説明を申し上げておりました人員の年次的縮減の規模に応じ接して、おおむね今後は五つの班に分けて処理をしていく、それでそれぞれの班に調査官を置きまして仕事を分掌してもらいたい。その問いろいろ調査の進捗状況に伴いまして、分担区分等を改訂する必要がございましたならば、随時改訂をしていく、こういうふうに処理する予定にしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/139
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140・島村軍次
○島村軍次君 そうしますと、今度の改正は設置法の十四条の二に——従来第二項の七”に未帰還者の状況調査及び云々のことがあるが、それで第二項にさらに加えて「前項第七号に掲げる事務をつかさどる」というものがある。従って従来の設置法の方でも未帰還者の状況調査ということはやっておったわけですが、そうすると、従来やつておる七号の事項と、今度の付属機関をこっちに持ってきた場合の調査事項とは一体どう違うのか、また重複してやることになるのか。それから従来の未帰還調査部というような附属機関としての所掌事務は、これは省令で——設置法の一部にあったと思いますがね、この調査事項の二十二ページか、四ページにありますこういう課は、もうそれじゃ置かないということになるのですか。その点を一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/140
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141・小山進次郎
○政府委員(小山進次郎君) 第一段の点についてでございますが、これは十四条の二の引揚援護局の所掌事務の第七号にあげられております仕事はあげて未帰還調査部で処理をしておったわけでございます。それは第二十八条の二の未帰還調査部という附属機関の規定がございまして、「未帰還調査部は未帰還者等の状況調査及び死亡処理並びに旧陸海軍関係の死亡者の遺骨及び遺留品の処理に関する事務をつかさどる機関とする」という規定がございまして、ここで全部を処理するという仕組みになっておったのでございます。先ほど千葉先生から御注意がございましたのでございますが、この附属機関を本局の内部部局とすることの理由は、実は人員、予算の面において効率的な運営を期するということのほかに、仕事自体が、どちらかというと、附属機関において処理するより本、むしろ本庁における行政事務として処理するということが適当だというまあ事情もあるわけでございますが、ただこの点はあまり私どもも強く申しかねる事情がございますので、あまりこの点を申し上げるわけにはいかぬのでありますが、そういう意味で、人事改訂ということが大義名分になっておるわけでございます。
それから未帰還調査部の部につきましては、部の中の組織は現在は庶務課以下七課がございますが、これを五課相当の内部組織に編成がえをするというような計画になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/141
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142・島村軍次
○島村軍次君 この課の組織については、これは省令で定めることになっておりますが、行政管理庁はおいでになっておりますか……。それじゃあなたにお聞きすることにいたしますが、行政管理庁では課の数を二割も減そうというその場合に、内部部局に折りておいでになるのはけっこうだと思いますが、省令で定めるということは、これは政令とは書いてないようですがね、その点ちょっとはっきりしませんがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/142
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143・小山進次郎
○政府委員(小山進次郎君) 現在は附属機関でございますので、省令で内部組織をきめているわけでございます。今度設置法が改正になりますと、内部部局になりますので、当然課もしくは課に相当する組織を設ける場合には政令できめるということに相なるわけでございます。従って当然行政管理庁と相談をしてきめなきゃならぬという性質のものでございますが、これはすでに打合せが済んでおりまして、五つの編成にする。ただし先ほど申し上げましたように、これを固定した課として設けませんので、課長相当の調査官を五名置きまして、全体の人数を適宜配属をして処理をして行くと、そういう仕組みにしようとしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/143
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144・島村軍次
○島村軍次君 課は五つ置くと、そして班組織でそれへ調査官を置くと、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/144
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145・小山進次郎
○政府委員(小山進次郎君) 私の申し上げ方が大へん不正確でございましたが、課を五つ置くということではなくして、五人の課長相当の調査官を置くということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/145
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146・島村軍次
○島村軍次君 念を押しますが、そうすると課はないということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/146
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147・小山進次郎
○政府委員(小山進次郎君) 形式上の問題としては課はなくなるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/147
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148・島村軍次
○島村軍次君 これは総務課長ですから、総務課長にお聞きしてもどうかと思いますが、一体厚生省全体としてこちらの次長を一人減して、こっちへ回わすと、これはまあ考え方によれば事務の繁閑に従って考えたのだということも言えるだろうと思うのですが、ちょっとこの理由書を読んで見ますると、「諸般の情勢上許されませんので」云々と書いてありますが、四ページの、これはどういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/148
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149・小山進次郎
○政府委員(小山進次郎君) 保険局に次長を設けますことは、それ自体必要がありますので、ぜひとも設けたいということで設けるわけでございます。それでこれから先は多少私どもだけで申し上げかねることばございますけれども、本来の筋道を申しますならば、一名増員ということにしたいのであります。これはいろいろの事情から見まして、この際増員することを避けるということが原則になっておりましたので、やむを得ず従来から引き揚げの仕事の進捗に応じて、逐次内部の組織を簡略化して行くというような了解になっておりましたので、次長を一名置くということに相なったのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/149
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150・島村軍次
○島村軍次君 そうすると、引揚援護局というものの次長二人を一人に減す、それは減したくないけれども「諸般の情勢」によって減して保険局の方へ置くと、こういうふうに了解していいんですか、この説明書は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/150
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151・小山進次郎
○政府委員(小山進次郎君) 厚生省の立場としてはそういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/151
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152・千葉信
○千葉信君 ここでも問題があるんだ。一体何十条にもわたってとうとうと国民皆保険の制度を将来樹立すると、そのために次長一人ふやすんだという結論になっている。一体次長なんかを持ってきて、それでもってここに並べ立ててある、こういう重要な項目についてやって行くんだなんということは、ここにもまた提案理由の説明の仕方が下手なことなんだ、余計なことなんだ。このようなことを言って、やはり保険制度の確立を期するなんという重要な項目を、次長一人持って行ってできるのか。ここにもだから問題がある。せんじつめて行けば予算でもどんどん計上してやって行くというなら、それは話がわかる。予算もちっとも殖えないどころか、次長だけを引揚援護局から、そんなところから持ってきて、次長一人ふやしたって、こんな重要な、並べ立ててある項目通り仕事が運ぶという考え方そのものが、われわれとしてはおかしい。これはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/152
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153・小山進次郎
○政府委員(小山進次郎君) その点は全く千葉先生のおっしゃる通りで、ただ事情としましては、現在こういう情勢に対処いたしまして、厚生省としては、単にその場、その場の仕事を処理するだけでなく、大きく将来を見通しました構想をたてなければならぬ時期でございますが、勢い現場の事務に追われまして、そういうことを考えるゆとりを持っていないのでございます。そのためにどういうことを考えていただけばいいかという案自体を早生省の事務当局が持ち出すことさえしておらないというのがまことに申しわけない次第でございますけれども現状でございます。その意味におきまして、問題についてこれだけのものがございます。この問題を解決していただくためには、これだけのことをしていただかなければなりませんという、問題を持ち出すためにも、もう少し局長の手をゆるめてやらなくちゃいかん、これで私どもは皆保険をやれなんていうことは決して考えておりません。ただどういうふうに考えていただかなければならぬかという、問題を持ち出すきっかけを作ると、こういうような趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/153
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154・田畑金光
○田畑金光君 これはまあ小山総務課長一人で御答弁、非常に見ていても気の毒で同情します。次官も大臣もお帰りになって、見られる通り、気名になってしまったのですが、一つ明日、大臣と次官にあらためて御出席願って、今論議されておる国民皆保険の問題等について大いに質問したい、こう思っておりますので、きょうは一つこの辺で切り上げてもらいたいと思います。
また同時に一つ委員長に御希望申し上げますが、与党の委員の出席が、このように途中でいつも消えてしまったんじゃさびしくて、われわれも張り合いがないので、どうか出席を一つ大いに督励していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/154
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155・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/155
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156・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) 速記を始めて。
本日は、この程度をもって質問を終りたいと思います。
これにて散会いたします。
午後四時十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02019560329/156
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