1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年四月十日(火曜日)
午前十時三十五分開会
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出席者は左の通り。
委員長 小柳 牧衞君
理事
野本 品吉君
島村 軍次君
委員
井上 知治君
植竹 春彦君
木村篤太郎君
苫米地義三君
中山 壽彦君
吉田 法晴君
高瀬荘太郎君
廣瀬 久忠君
堀 眞琴君
国務大臣
国 務 大 臣 船田 中君
政府委員
防衛庁次長 増原 恵吉君
防衛庁長官官房
長 門叶 宗雄君
防衛庁防衛局長 林 一夫君
防衛庁教育局長
事務取扱 都村新次郎君
防衛庁人事局長 加藤 陽三君
防衛庁経理局長 北島 武雄君
防衛庁装備局長 久保 亀夫君
大蔵政務次官 山手 滿男君
農林政務次官 大石 武一君
通商産業政務次
官 川野 芳滿君
事務局側
常任委員会専門
員 杉田正三郎君
説明員
大蔵省主計局給
与課長 岸本 晋君
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本日の会議に付した案件
○通商産業省設置法の一部を改正する
法律案(内閣送付、予備審査)
○農林省設置法の一部を改正する法律
案(内閣送付、予備審査)
○国家公務員共済組合法の一部を改正
する法律案(内閣送付、予備審査)
○国家公務員等の旅費に関する法律の
一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
○防衛庁設置法の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
○自衛隊法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/0
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001・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) ただいまから開会いたします。
通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず本案に対する提案理由の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/1
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002・川野芳滿
○政府委員(川野芳滿君) 通商産業省設置法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申し上げます。
改正の内容は、第一に、特許庁の長官官房を廃止し、審査第三部及び審査第四部を増設することであります。特許庁の現在の内部機構といたしましては、長官官房のほかに総務部、審査第一部、審査第二部及び審判部の四部があり、審査第二部が発明及び実用新案に関する審査を担当しておりますが、最近における発明及び実用新案の出願件数は著しい増加をみ、昭和二十五年の約四万一千件が昭和三十年においては約九万五千件と二倍以上にも達し、また出願の内容も、技術の進歩を反映して次第に高度化してまいりましたので、その審査事務も著しく増大し、審査の困難さを加えつつある現状であります。このような状態におきまして審査事務を適切かつ能事的に処理するために、逐年人員を増強し、職員の研修を実施し、審査資料を整備する等の措置を講じて参ったのでありますが、何分にも処理事務及び統轄人員が増加し、また関係技術分野が拡大されたため、一人の部長でこれを統轄処理することはきわめて困難となってまいりました。従いまして、ここに長官官房を廃止して機構の簡素化をはかるとともに、審査事務を担当する審査第三部および審査第四部を増設し、事務処理の適切を期することといたしました。
次に改正の第二点といたしまして、従来丸亀市に置かれていた四国通商産業局の位置を、他の行政機関との連絡その他立地条件等を考慮し、高松市に変更することといたしました。
改正の第三点といたしましては、最近における絹織物の検査数壁の増大と、技術指導の必要性にかんがみ、横浜繊維製品検査所川俣支所を本所に昇格することといたしました。
以上三点のほか、工業用水道に関する規定を設ける等、所掌事務及び権限に関する規定について若干整備を行うことといたしました。
以上が本法案の概要でありまして、何とぞ慎重御審議の上御賛同あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/2
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003・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) 本日は提案理由の聴取にとどめておきたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/3
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004・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
速記をとめて下さい。
〔速記中止〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/4
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005・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) じゃ速記を始めて下さい。
農林省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず本案に対する提案理由の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/5
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006・大石武一
○政府委員(大石武一君) ただいま上程せられました農林省設置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
農山漁家の経営を安定せしめることを主眼として農林水産行政を推進して参ります上におきまして、従来の施策の外、特に昭和三十一年度から新たな施策として実施して参りたいと考えておりますことは、農林水産業の技術水準の高度化に資するための試験研究の効率的な運営をはかることと、自主的な盛り上る力による農山漁村の総合的な振興をはかるための対策を講ずることであります。このような施策を強力に推進して参りますには、これら行政事務を遂行いたします農林省の関係部局をそれに即応するように改めることが必要でありますので、これらの点を中心として農林省設置法の一部を改正することとし、この法律案を提出した次第であります。
以下、この法律案の内容について、概略御説明申し上げます。
まず第一に農林水産技術会議の設置であります。農林水産業の生産性の向上が技術水準の高度化を基礎とすることは、いうまでもありませんが、最近の科学技術の進展に伴い、農林水産業における試験研究もまた、重要性を増すとともに、複雑多岐にわたっておりまして、試験研究の各部門の間において共通の問題が少くない反面、各部門の試験研究相互の関連を顧慮することなく試験研究を実施することは、多くの重複や非能率の欠陥を免れません。従って、これらの欠陥を是正し、試験研究の効率的な運営を確保するために、農林本省の附属機関として農林水産技術会議を設置することといたしたのであります。農林水産技術会議は、大所高所に立って農林畜水産業及び農山漁家の生活にかかる試験研究の基本的な計画を企画立案し、この方針に基いて、各試験研究機関の行う試験研究に関する事務の総合調整及び指導等を行うこととしておりますが、この会議の任務が農林水産業全体にわたり、かつ、高度の識見を必要としますので、会長及び委員六人をもって組織し、その運営に遺憾のないようにしておる次第であります。
第二は、振興局の設置であります。経営規模の零細なわが国の農林漁業にとっては、個々の農山漁民の力だけでは、その発展におのずから限界があることにかんがみまして、一つの経済地域において農山漁民の自主的な総意に基く活動が緊要であると考えますので、耕種、畜産、養蚕、林産及び水産を含め、適地適産の推進に重点を置いて、農山漁村の総合的な振興をはかるため、新農山漁村建設総合対策を講ずることといたしました。この事業を強力に推進いたしますために、これに関する事務と現在農業改良局が所掌しております農業経営の改善、農業生産の増進、改善の事務等とをあわせまして、新たに振興局を設置し、農業改良局を廃止することとした次第であります。なお、農村振興の一環であります農業移民及び農業用小水力発電の助成の事務もこの振興局で所掌することにいたしております。
第三に、主として振興局の設置に伴いまして、本省の内部部局相互間の事務調整を行なっております。すなわち、先に述べました農山漁村振興の事務を大臣官房から、農業移民の事務を農地局から、小水力発電の助成の事務を農林経済局から、それぞれ振興局へ移す外、農林水産業に関する災害対策の連絡調整の事務等を大臣官房から農林経済局へ移すとともに、農地局の事務として国営の開墾建設工事または土地改良事業に伴い必要を生じた工事等を委託を受けて行うことができることを明確にする外、畜産局、蚕糸局等の所掌事務についても必要な改正をはかっております。
第四は、その他の付属機関の設置であります。その一は、輸出品検査所の能率的な運営をはかるため、現在の支所の一部を本所に昇格し、東京の外、小樽、静岡、神戸及び門司に輸出品検査所を設置することといたしました。その二は、畜産局において従来から動物専用の医薬品の検査を行なっておりましたが、この検査を行う機関として新たに動物医薬品検査所を設けることとしました。その三は営林局及び営林署の職員の診療を行う機関として病院及び診療所が設けられておりましたのを営林局の付属機関として設置法上明確にいたしました。その四は、審議会の設置でありますが、積雪寒冷単作地帯振興対策審議会は総理府から農林省に移管されたものであり、農山漁村振興対策中央審議会は先に申し上げました新農山漁村建設事業の重要事項を審議するものであり、農林漁業用固定資産評価審議会及び農業観測審議会は、統計的調査における固定資産の評価、あるいは農業観測事業についての審議機関として従来から置かれておりましたものを今回制度化したものであります。
以上が、この法律案を提案いたします理由並びにその内容の概略であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/6
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007・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) 本日は提案理由の聴取にとどめておきたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/7
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008・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/8
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009・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) 次に国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず本案に対する提案理由の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/9
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010・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) ただいま議題となりました国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
この法律案は、主として次の四点につき改正いたすことといたしました。
第一は、健康保険法の改正に伴うもの、第二は国家公務員共済組合審議会の設置に関するもの、第三は共済組合の年金制度を合理化しようとするもの、第四は、船員保険と共済組合との給付を調整するためのものであります。
第一の健康保険法の改正に伴う措置といたしましては、まず療養の給付についての一部負担制の採用であります。御承知の通り国家公務員共済組合の療養の給付は、健康保険事業を代行するものでありまして、現在は両者とも療養を受ける場合には初診料を組合員が負担することとなっております。しかしながら今回の健康保険法の改正によりますと、被保険者は、初診料のほか、再診料、入院料等についてもその一部を負担することとなっておりますので、共済組合員につきましてもこれと同様の負担を行うことといたしました。
共済組合が健康保険の改正に同調いたしましたおもな理由は、共済組合が健康保険の代行制度であり、かつ、組合管掌健康保険にもこの一部負担制が適用されること、共済組合のみに特例を開くと保険医や支払基金等の手数を煩雑ならしめること等であります。ただし、共済組合におきましては組合管掌健康保険と同様、一部負担金の払戻の規定を設けることといたしました。
このほかに、保険医療機関等に関する規定、不正受給者等に関する規定等につきましてもそれぞれ健康保険法の改正に準じて整備いたしました。
次に、国家公務員共済組合審議会の設置について申し上げます。
審議会は、昨年十一月十一日の閣議決定に基いて、大蔵大臣の諮問機関として大蔵省に設けられたものでありますが、今回、これを法定しようとするものであります。審議会は、共済組合に関する基本的施策及び組合に関する重要事項を調査審議するために、大蔵省の附属機関として設置するものでありまして、委員の数は十三人以内といたしました。
第三に、共済組合年金制度の合理化について申し上げます。
現行法では、組合員であった期間が二十年未満で退職した者が再び組合員となった場合には、組合員であった前後の期間は合算されないこととなっておりますが、この前後の期間を合算すれば年金受給の資格を得られる場合には、これらの期間を合算することといたしました。また廃疾年金を受けている者の廃疾の程度が軽減した場合には年金額を引き下げ、また五年以内にその廃疾の程度が進行した場合は逆に年金額を引き上げる等の措置を行うことといたしました。その他、退職年金の若年停止を受けている者が廃疾者となったときは、これを解除して退職年金を支給するなど年金関係の規定を整備いたしました。
第四に、船員保険と共済組合との給付の調整について申し上げます。
船員保険の被保険者であり同町に共済組合の組合員である者についての組合の行う給付につきましては現在共済組合法による給付と船員保険法による給付とのいずれか有利な給付を共済組合で支給することとしておりますが、客観的にいずれが有利であるかを判定するのが非常に困難でありますので、今後は、原則として共済組合法による給付を支給することとし、ただ本人が船員保険法による給付を選択した場合には、これを支給することといたしました。
以上、主な改正点について申し上げましたが、このほかに防衛庁、調達庁等の組合代表者をそれぞれ防衛庁長官、調達庁長官等に改めるなど必要な規定の整備をはかっております。
なにとぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/10
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011・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) 本日は提案理由の聴取にとどめておきたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/11
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012・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
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013・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) 国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案に対して御質疑のおありの方は御質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/13
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014・吉田法晴
○吉田法晴君 前回の場合に千葉君から御質問がありまして、従来二等旅費の支給を受けておった四級職から六級職について、これは汽車賃だけでなく船賃の場合についても、級は違いますけれども、前に上級の運賃を受けておった者が、下級の運賃を受ける者ができておるということは、級は違いますけれども、これは共通的な事実ですけれども、その二等運賃を受けておった者が三等運賃を受けるに至った事由、それから上級の運賃を受けておった者が下級の運賃を受けるに至った事由については、十分な御説明が私ども伺っておっても聞けなかったのであります。その点もう少し御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/14
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015・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 今回の改正案で、主として六級以下のところが二等が三等になる、それから十一級のところは、今まで一等であったのが二等に下る、これの改正理由でありますが、私どもの方でその改正基準を求めましたのは、主として民間の大きな会社の慣行を調べまして、おおむね役付き以上のところで二等になっているという実情が認められましたので、七級職——国家公務員の場合でありますと、中央官庁の係長心得と申しますか、地方官庁でございますと係長でございますか、それ以上は二等ということに改めたわけでございます。ただ提案理由におきまして、先般千葉先生から御指摘のありましたように、今までの法定の等級よりも下位の等級で旅行をやっておるではないかということが提案理由になっておるではないかという御質問がございましたが、これは提案理由につきまして若干私どもの考えが足りなかった面がある、と申しますよりは、これは等級をきめました実際の方を申しませんで、一般の慣行はこうなっているということをちょっとここに付言した、この点は不謹慎だったことは、ここにおわび申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/15
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016・吉田法晴
○吉田法晴君 まあ二つ理由をあげられて、民間の慣行、役付き以上について二等運賃という実情だという点が一つなんです。これはまあ千葉君は民間のことは御承知なかったかもしれませんが、民間で云々というならば、それだけの資料は出せるだろう、こういう説明でしたが、これは一つお出しを願いたいと思う。と申すのは、これは自分のことを申し上げるのはどらかと思うんだけれども、私自身民間の会社におって実際に経験をして参りましたけれども、お話のような役付き以上でなければ二等旅費は出ないということは、私の知っている限りにおいては事実に反する。で、そういう点は一流の会社だけではなかろうと思うのであります。少くとも二流、三流、中小企業は別問題でありますが、公務員と区別せらるべきあとの……公務員の給与をきめる際にとられた民間会社と申しますか、これはおそらく一流、二流だと思うんですが、少くとも中小企業ではないでしょう。そういうところで責任者以上でなければ二等旅費を支給しておらぬという事実は、少くとも私の知っている範囲からいうと事実に反するように思う。その点は一つ資料をお出し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/16
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017・岸本晋
○説明員(岸本晋君) ただいま手元にございます資料で御説明申し上げてもよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/17
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018・吉田法晴
○吉田法晴君 手元にある資料は、十かどのくらいか知りませんけれども、それじゃ民間企業の実態を調べたということに僕はならぬと思うのだけれども、その説明もいいでしょうが、資料としてお出しを願いたい。資料としてお出しを願わないと、この前の食い違い……、私が聞いておったところでは、民間ではこうなっているからという御説明だけれども、われわれの知っている限りにおいては違う。それならば実際に資料を持ってきてここで争うか、私なら私が調べた資料を持ってきて争うというより以外にありませんから、一応説明を聞くのはかまいませんけれども、資料をお出しを願いたい、こういうわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/18
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019・岸本晋
○説明員(岸本晋君) それでは後刻資料を御提出申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/19
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020・吉田法晴
○吉田法晴君 資料を出していただくことにして、十社ぐらいですか、そういう場合に、その十幾つかというものの大部分が、役付き以上でなければ、係長以上と申しますか、会社でいったら課長以上ということになるところもあるかもしれませんけれども、これは二等旅費を支給しておらぬ、こういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/20
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021・岸本晋
○説明員(岸本晋君) これは後刻提出いたします資料でまた御説明申し上げたいと思いますが、これは民間と申しましてもいろいろございまして、まあ組織の大きい大企業でありますと割合に旅費の支給規程などはっきりいたしておりますが、中流以下になりますと、旅費規程というものを設けてやっておる例はあまりないように聞いております。それで私どもは、主として旅費規程のある大きいところを対象にして調べたわけでございます。これで見ますと、銀行方面は若干待遇はいいようでございます。待遇がいいというか、等級が下の方までいっているようでございますが、事業会社の方では大体役付き以上、中には大体係長以上、中には課長以上、こういうところがございます。公務員のこうした待遇というものをどの辺に基準を求めて考えるかということは、なかなかむずかしい問題でございますが、やはり給与と同じように、全般の民間の企業者を対象としたらどの辺が妥当かというところで一応線を引いて、役付、国家公務員の場合でありますと七級以上ということにいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/21
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022・吉田法晴
○吉田法晴君 こまかい議論は資料を見た上でなければできませんし、資料を見た上で説明をしたいということですから、留保をいたしますが、旅費規程のない中小企業はもちろん問題にならぬと思う。これを国家公務員と比較するのは、比較することの方が実は間違っておると思うのですが、ただいま民間会社の旅費規程からするならば、係長以上といいますか、責任者以上云々という、それは私は事実に反する、少くとも私の知っている限りにおいては……。これは私自身が旅費規程を集めて、何と申しますか、反証をあげることができるだろうとも思うのですが、それを抜きにしてもう一つ伺いたいと思うのです。民間会社との比較は、これは資料なり何なりなければ議論は進みませんから、それは留保いたします。
もう一つ、実態云々という点でございますが、六級職、七級職の剛に線を引くという点について、どういう理由があるのでしょうか、その点を少し明確に承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/22
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023・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 六級と七級の間に線を引きましたのは、ただいま申し上げましたような役付き、役付きでないと、まあそこに、めどを引いたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/23
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024・吉田法晴
○吉田法晴君 公務員の場合に六級以下は役付きでない、あるいは七級以上が役付きである、私は国家公務員制度ができて、人事院ができ、民主的な公務員制度というものができてから、六級職、七級職という違いはあるけれども、六級職と七級職との間に身分的な差がある、六級職以下は平の公務員、あるいは七級職以上は役付きの公務員、こういうふうな身分差を作らないというのが、私は民主的な公務興制度の建前じゃないかと思うのですが、その点は、従来の建前、説明と、それから六級職、七級職との間に線を引かれるというのについては、これは矛盾するものがありはしないかと思うのですが、あるいは役がつかなくても、六級職、七級職、それぞれの、何と申しますか、能力と地位に従って上っていくというのが、今の公務員制度の建前じゃないかと思うのです。で、旅費規程ということではあるけれども、これは給与規程で既得権が奪われるということもありますが、今の公務員制度の中に、階級制度と申しますか、あるいは身分的な要素を持ち込むような観念というものが、旅費規程ということではあるけれども、あるところに、私ども問題にするところがあるのです。その点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/24
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025・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 給与の面におきましても、こうした現在の十五級の区分がございますが、それで一般の官庁における職制との関係から申し上げますと、大体中央官庁であれば八級、地方官庁であれば七級、そのへんが係長になる、もちろん七級、八級、九級で係長にならない方もおられますが、しかし係長にならなくてもその点は係長と同じような給与の待遇を受けておられる。大多数の方は大体七、八級でそういう役につくということになっております。そのへんを一つの目安にしてこの差をつけた、この等級の線を引いたわけでございますが、これは何と申しますか、身分制の復活というか、そういう意味では毛頭ございません。給与の面でもやはり同じような役付きになります役付きのところをここで切っております。そのへんを参考にいたして旅費の上でも切ったというだけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/25
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026・吉田法晴
○吉田法晴君 役付きになる、ならぬということは、これは人についているのじゃなくて仕事についている問題だろうと思うのですが、それを人についているように、役付きになったから旅費が二等になる、こういう考え方は、それは身分じゃないとおっしゃるけれども、役なら役というものが仕事についていて、一人心々の公務員というものとそれから給与、これは勤続年数、経験等もありましょう。あるいは技術という点もありましょう。それでつけて参りますが、しかしそこで七級、八級職で役につく、役についたから、だから二等の運賃だ、こういう点が、あなたはそうじゃないとおっしゃるけれども、この仕事についている格が、役というものが人間についてくるという格好になるじゃないですか、実際問題として。そういう点が、私は民主的な公務員制度の点から言うと、やはり一つのランクを設けるということになると思うのです。しかも六級ないし四級という間の、従来もらっておったものを取り上げると言えば、これはやはり一つの既得権——それは金額はわずかなものかもしれません。これでどれくらい違うのか知りませんけれども、たったそれだけのもので、これはこれらの人にとっては、あなたは先ほど身分ではないとおっしゃるけれども、やはりそういうものの、弱くても、たとえ小さくても、そういう要素を作るということは、これはやはり問題だと私は思うのですが、金の面からだけ言えば幾らでもとにかく削る方がいいかもしれません、大蔵省の立場からするならば。しかし公務員制度の全体の立場からするならば、私はやはりここに退歩的な要素があると思うのですが、どうですか、その点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/26
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027・岸本晋
○説明員(岸本晋君) これは旅費の等級区分のきめ方は、やはり私どもは身分的なきめ方とは考えてはいないのでございまして、こうしたたとえば七級以上の職務を担当するにふさわしい標準的な旅費はどういうものであろうかという点で考えたわけで、身分についた——もちろん受けるのは個人でございますから、そういう点から言えば身分とも申せましょうが、やはりそうした担当した職務にふさわしい旅費、こういう意味できめているわけでございます。六級以下の下級職員の二等を三等に下げた、これは残酷だというお話でございますが、この点は十一級以上につきましても、従来一等の路線ならば一等がもらえたわけでございます。これもやはり二等に下げた、内閣総理大臣でも現実に一等にお乗りにならない場合には二等運賃でがまんしていただく、こういう措置も反面とっておるわけでございます。できるだけそういうふうに実情に合わすようにきめていった、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/27
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028・吉田法晴
○吉田法晴君 内閣総理大臣が一等の運賃がもらえたものを二等の運賃にしたとおっしゃるけれども、それは規定にもありますように、条文にもありますようにそれは一等を利用するときは一等と、こういうことなんで、一等のない汽車に乗ったら二等運賃を払うというだけだ。一等の汽車のついている東海道線に乗ったら一等でしょう。理由にはなりませんよ。内閣総理大臣なら内閣総理大臣が、あるいは各省大臣、あるいはその他の十一級なり十五級の者が実際に一等に乗って、それが二等の運賃しかもらえぬ、そういう事実があるならば、今の説明は通るかもしれませんが、それはそうじゃないでしょう。だから、その点から言えば、その既得権なら既得権を奪われるというか、一等に乗っておったのに二等の運賃しかもらえない、こういうことが起ってきますか。実際には起らないでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/28
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029・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 内閣総理大臣のところをちょっと私、説明が不十分だったと思いますが、今までは、内閣総理大臣と、十一級以上は全部そうでありますが、一等の運行している路線で旅行するという場合には、現実に一等に乗ろうが乗るまいが一等の旅費を支給しておりました。今度はそういう建前をやめまして、十四級職までは全部二等——一等の路線のところで旅行しても二等、十五級以上のところは、一等の路線がある鉄道を旅行いたしても原則としてやはりこれは二等、現実に一等で旅行した場合に初めて一等の旅費が出るのでありますが、一等があっても二等しか乗らないときは二等のものしか出さない、その点が従来の建前と変っているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/29
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030・吉田法晴
○吉田法晴君 二等に乗った場合には、一等に乗らなかったら二等の運賃しか出さぬ、それはわかります。わかりますけれども、ごくまれな場合に、一等のある路線について一等に乗らなかった限り、これは実際問題として論理的に言えるでしょう。論理的に言えるでしょうが、実際、内閣総理大臣が東海道線に乗り、そうして皆二等に乗るかといえば乗らないでしょう。その辺になると、切符なんかでも自分自身じゃ買わないでしょう。それから一等の路線のあるところを二等に乗るというような例も少いでしょうし、かりに総理大臣でなくして、ほかの人で二等に乗って二等の運賃しかもらわなかった、そういうような場合がまれにはあったとしても、暁天の星のごとくあったとしても、それが給与の点で大臣にとって問題になるようなことはほとんどないでしょう。問題は一番下のところですよ。何といっても、仕事でしょっちゅう旅行いたします下の方の連中だと思うのですが、それが、今までは二等をもらえたが、これからは三等しかもらえない、これは何とっても旅費の点からいう減収だと思います。これをあなたは、日当その他がふえたのだから、それでカバーできるというお話ですが、しかし、従来実際に出て行ったら、汽車に乗り、あるいは日当、宿泊料というものの変化があるかもしれませんが、今までは赤字が出ていたのが実情です。たとえば国会です。国会でも、東京都内にいる人たちを参考人に呼ぶ場合には何とかなったけれども、しかし京都なり大阪なりから参考人を呼んだら赤字が出て、私ども呼べなかったのが実情であります。だから、何とかこれは事務当局でやりくりをしなければならぬような実情であります。その下の方では、なるほど計算の上では運賃のこの減を日当その他でカバーすると言われるけれども、しかし、今までの実際と、それから今後考えるならば、減収であることには間違いない。しかもその減収がカバーできない減収だろうと私は思うのです。金額にしてわずかなもの、これをそういう既得権を取り上げなくても私はいいと思う。ことに金によって失うものは相当大きいものがあろうと私は思うのです。金額はどのくらいですか、下げたことによって浮く金は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/30
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031・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 六級以下のところの二等運賃を三等に下げることによって一体どれだけ運賃が減るかということでございますが、これはいろいろ出張の距離によって違いまして、近距離出張の場合でございますと、それは非常にわずかでございましょうし、逆に遠距離出張の場合にはその差が大きくなろうかと思います、二等運賃と三等運賃の差でございますから。しかし現実に六級以下のところは三等に乗っていただく。三等に乗ればその三等の実費で済むわけでございます。特に二等を支給するまでもない。そのかわり日当宿泊料は、最近の一般の料金に比べて今までのは低かったから、その面はやはり別途に実情に合わすように改訂する。総体といたしまして、一般人としてがまんしていただける程度の実費は、交通費の上においても、日当宿泊料の上においても支給できる、こういう意味で改訂いたしたわけでございまして、今までから減収になり、かわいそうだという面は、これはその実際に三等に乗っておられて、それで二等料金が給与に回っていた、その差が、こういう前提に立てば、そういうものもあるいは起ろうかと存じますが、旅費の問題は給与と切り離しまして、あくまでも実費弁償であると私ども考えております。運賃につきましても、日当宿泊料につきましても、標準的な実費に近いものに改めるというのが今回の改訂の主眼点でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/31
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032・吉田法晴
○吉田法晴君 四級から六級職の二等運賃を三等に切り下げることによってどれだけ差があるかというと、それはわからぬ、それは距離によって違う。今までの実績から考えて、これは大蔵省として、全部の国家公務員について、予算と申しますか、あるいは決算なり実情を見て案を立てておられるでしょう。それもわけがわからない。それから旅費はこれは実費弁償である。それは給与の一部ではない。それなら、あなたが例にとられた民間の一流程度のところで、あるいは一流でも二流でもいいですが、多くのところで旅費が実費弁償しておるかというと、そうではありません。もし民間の方でそういう旅費というものが実費弁償以上のものであるならば、国家公務員についても旅費規程を実費弁償以上にされますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/32
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033・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 日当宿泊料につきまして民間並みということを必ずしも……もちろん民間がどういうものが出ているか、あるいは一般の旅館の宿泊料金はどうかという実情はわれわれ調査いたしております。これが基準になることは間違いありませんが、また同時に、国家公務員につきましては、別途にいろいろ要素もございます。たとえば保養所、宿泊所等を共済組合で経営いたしております。この点、現業官庁ではそうした施設を持っておるところもございます。そうしたところで料金が比較的安く上る、そうしたいろいろな事情を総合いたしまして、妥当と思われる線を出したのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/33
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034・吉田法晴
○吉田法晴君 どれ一つとってみてもとにかく納得のいく理由が出てこない。この総額の旅費の面からやるのかというと、そうでもない。それから、じゃ民間の実情を参酌して云々というなら、それじゃ民間の方が実費弁償以上でやるなら実費弁償以上にやるのかというと、それはそうでもない。それから今、保養所なり何なりを使うことができると言われますけれども、それは先ほどこの前のときに御説明がありましたように、全国にあるわけじゃないのです。それは十大都市というか、大きい都市にあるというお話です。しかも、じゃ出張はそれぞれの用途、使命を持っていくでしょうが、その用件、使命を持っていった出張所で、十大都市なら十大都市にしても、それはなるべく保養所に泊った方がいいでしょう。泊った方がいいでしょうけれども、全部保養所なり何なりに泊められるか、それは泊められないでしょう。そうしたら、そういうプロバビリティも入れて、その宿泊料その他というものも計算しなきゃならぬ。今のぜいたくにならない程度においても、普通とにかく旅館に泊るならばこの程度のものは要るだろうというものを、保養所も若干入るかもしれませんけれども、おそらく利用率なら利用率というものは一〇〇%でしょう。そういうものがあるからということを要するに言われておりますけれども、保養所の利用率がどの程度であるから、きめる場合に何%と踏んでこういうふうにきめた、こういう資料があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/34
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035・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 日当宿泊料は現行額にして三割引き上げとなっております。この三割を求めました基準は、現行の旅費定額がきまったのは昭和二十六年でございます。その後におきまして民間の宿泊料金の値上りが約三割でございます、旅館連合会での調査で。それを基準にして三割にいたしたわけでございます。これに対しまして、民間の大会社の日当宿泊料が上ったからその通りきめたじゃないか、こういうお説がございました。それに対しましては、民間大会社に比較いたしまして、公務員には、先ほど申し上げました保養所、宿泊所というものが相当完備いたしております。そうした面を考慮して大体宿泊料金の値上り相当分だけを今回引き上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/35
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036・吉田法晴
○吉田法晴君 保養所を使われるから云々という話をされた、先ほどは。ところが今の御答弁じゃ、それは何も入っていない。民間で三割上ったから三割上げたのだ。そうしたら四級から六級職にとにかく二等を支給しておったけれども、三等に引き下げる何らの理由もないじゃないですか。民間で三割上げたから三割宿泊料を上げたのだ、それから、そういう点についての民間がどうなっているからということを云々というのじゃない。民間の会社の旅費日当がそうなっているから云々じゃない。そうすると旅費宿泊料の点については参酌したわけじゃない。ただ二等運賃をもらっておったもののうち四級から六級までの間を三等なら三等にした、それだけに民間の不十分な資料が使われた。千葉君じゃありませんけれども、引き下げるべき合理的理由はどこにもないじゃないですか。もう少し数字に従って議論をしたいと思うのですが、資料がございません。これは何と申しますか、先ほど大蔵省なら大蔵省で資料を持ってきたものをもって説明したい、こういうことですから、私も、委員長は十二時頃まで質問を続けるようにというお話でしたけれども、そう大した時間はかからぬと思いますから、次の機会に資料をそろえまして若干の質疑をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/36
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037・島村軍次
○島村軍次君 旅費の規定の改正によって日当、宿泊が三割上った。鉄道運賃等は二等を三等にされた。それらによって総額を通じて大よそどのくらいの額が増額されたか、それから全体の公務員の、今回改正をされて適用する公務員の旅費総額は予算の上でどのくらいになっておりますか。なかなかむずかしいかもしれませんが、給与課ではお調べになっておるだろうと思いますから……。つまり全体の旅費の予算総額はどうか。それに対して増額が差し引きして何割になって、そうして増額分がどのくらいか。それからこれはもちろん予算は前年と大した増額は……予算の上では増額されたかどうか、前回でお聞きになったかもしれませんが、その点を承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/37
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038・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 国家公務員に対します旅費予算額でございますが、昭和三十一年度の予算におきましては、一般会計が百九億八千七百万円、特別会計で三十四億四千五百万円、合計百四十四億三千二百万円でございますが、今回の旅費法の改正によりまして、この数字がどう変ってくるかということでございます。今度の三十一年度予算におきましては、実はこの旅費法の改正案を前提とした予算は組んでないのでございます。予算が決定いたしまして、本年度になりまして、各省庁からの御要望がございまして、日当宿泊料がどうしても足らないから何とかしたい、必要な検査監督の日当旅費に差しつかえるということでございます。いろいろ見ましたところ、やはり民間の日当宿泊料金も三割ほど上っておりますので、この点を直そう、と同時に、運賃の方も若干考え直そうということで、今回の改正案を提案いたしたわけでございます。
従いまして、この旅費予算の中には一応入っておりません。しかし三十一年度につきましては極力既定予算の範囲内においてやりくり支弁する。この改正法を理由にして直ぐさま旅費予算の増額はきたさない。こういう建前で実行した。閣議了解は成立はしているわけでございます。
今後の見通しといたしましてどの程度この改正法案の施行によって旅費予算が変ってくるか、これはなかなかちょっと見通しはむずかしいのでございます。いろいろ計算の方法もございます。一応の推定の計算はやろうと思えばやれるわけでございますが、実態は、今度の旅費予算と合せますと、旅費の改正法案両方合せまして、各省でさらに審議を尽くして、切り詰められるところでは切り詰めて参るでありましょうし、あるいは今までの出張の日数を減らすとか、あるいはいろいろな手段を尽すでございましょう。従ってその内容がどう変ってくるか、これは実は推定以上のものはちょっと出ないわけでございます。資料として御提出申し上げるのはちょっと、私ども一応の推定はございますが、なかなかむずかしい。むしろ既定予算のワクを見て、その範囲内で極力努力していくというふうにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/38
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039・島村軍次
○島村軍次君 どうもこれは吉田さんのお話じゃないけれども、ちょっとおかしいのですね。なかなかむずかしいことであるけれども、理論的に言って旅費を上げるということになってくると、会社の経営でも旅費を上げて……、一方は下がる、一方は上った。平均が二割八分なら二割八分、二割五分なら二割五分、そうすると総額で幾ら要る。しかしこれは節約によって、どのくらいは節約し得る、同時にあるいは流用を認めるとかいうようなことが、閣議の了解という、閣議でこう簡単に旅費の総額を上げるのだということだけ決定するということは、少くとも担当の給与局としては、基礎の数字がないというようなことは、ちょっとおかしいじゃないか。あるいは流用を認めるかどうかというような問題があったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/39
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040・岸本晋
○説明員(岸本晋君) それでは私どもの立てました推定を申し上げますと、運賃の等級引下げでおおむね四割五分減って参ります。それから他面、日当宿泊料の改正で今度約三割ふえるわけでございます。差し引き一割五分ぐらい節約になるという形になりますが、しかし他面、何と申しますか、日当宿泊料を上げますと、別途いろいろな職務旅費というようなものを再検討して参らなければならない。これは日額旅費というわずかな旅費がございます。こうしたものについても再検討を加えていくことになろうと思います。そういたしますと、今の三制と四割五分の差というものは、それでほとんど食われてしまうのじゃないか、差し引きとんとんぐらいになろう、こういう推定を立てております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/40
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041・島村軍次
○島村軍次君 それはどうもちょっと私はおかしいと思うのですよ。これを役所で作っている……。国会に対する答弁としては、われわれから見ればちょっとごまかしみたいな気がする。何となれば、一方を三割上げた、一方は四割五分下げるのだ、差額は一割五分だという、そんな計算は、これは子供でも算術でやるならすぐできます。一割五分ぐらいはあなたの説明を求めんでもできる。しかし一体ウエイトというものがどこにあるか。鉄道運賃というものは旅費総額のうちから言えばそう大してあるものじゃない。どのくらいに考えておられるのですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/41
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042・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 先ほど一般会計で百億と申し上げましたが、そのうち職務旅費などを除きますと、普通の旅費が約六十億でございます。そのうちの二十五億程度が鉄道運賃、あとの三十五億が日当宿泊料、こういうふうに推定いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/42
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043・島村軍次
○島村軍次君 そうすると、二十五億が鉄道、それから三十五億が日当宿泊、こういうことになりますと、その比率を出してかけ合してみると、結局さっきお話しになったような一割五分という数字は出ないように思いますが、結局一割五分というのは、そうすると今度の引き上げによって減額になる、一割五分が、一割三分になるか一割になるか。そうすると、あなたの説明によりますと、旅費額は減額になるという結論になりますね。しかし今お話しになった日額というものを引き上げるのだから、それと、とんとんだ、一体日額はどういうふうに上げるのかということは、これはこの今度の改正案に出ておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/43
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044・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 日額旅費の内容は改正案には出ておりません。別途各省所管大臣と大蔵大臣と協議してきめるという建前に相なっております。これがいろいろ種類、内容、種々雑多でございまして、一がいに三割上ったから三割上る、こういう結論の出るものではないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/44
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045・島村軍次
○島村軍次君 この日額がなかなか問題ですし、ことに公務員では、現業でやっておられるような人も、日額を受けている人も相当あろうし、出先官庁でいろいろ承わってみると、とにかく出先官庁の一番要求の主要なるものは、日額の旅費が出る場合、あるいはまたその他の場合に出る場合にも、とにかく旅費額というものは非常に少い、こういうことがわれわれの耳に入っておるわけであります。耳に入るばかりでなしに、実際は汽車で行くところを自転車で走らして、その自転車は手持ちである。こういうのが実際じゃないか。この改正をやられるのは、われわれ役所の経験もありますが、ともかくも、最近の情勢からいきますと、たとえば大蔵省では財務局あたりはなかなか豊富だ。しかし出先の、ほかの省の官庁は非常に少い、こういうことを聞いておる。同時に、たとえば専売公社では、出先の官庁はとにかく出ていくのが商売ですから出ていく。その場合には、スクーターというか、自転車に動力をつけたものを官庁で支給されている。こういうようなのと非常に不公平があるように思うのですが、そういう点は給与局としてはどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/45
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046・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 実際の旅費予算の積算は主計局でいたしておるわけでございますが、もちろん旅費予算につきましては、いろいろ御不平、御不満のあることも承わっておるわけでございます。できるだけ各省庁のその業務の実態に即応したように旅費を査定していくという方針はとっておるわけでございます。ただ全体の予算のワクというものから見まして、それが各省庁がすべて御満足、御納得のいくようなものになっておるかどうか。まあこの点はいろいろ受け取られる側の方からいたしますと、いろいろ御不平はあろうかと思います。しかしでき得る限り業務に即応したものにしたい、こういう予算の積算はしておるわけでございます。
今ちょっと御指摘になられました専売公社と、一般公務員の場合の旅費のアンバランスの問題でございますが、この点につきましては、公社につきましては、予算の執行というものがほとんど全面的に公社にまかされておるという関係上、どうしても公務員とある程度の執行上の差異は出てくるということになっております。が、あまりひどい差異というものは好ましくないということはもちろんでございます。ただ制度上そうしたことで、公務員の旅費制度というものがそのまま適用になっていないという差は、ある程度あるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/46
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047・島村軍次
○島村軍次君 いや、私は公社が多いと言っておるのではないのです。逆に少いということを言っておる。御存じのように、栽培の植付検査をやり、業務検査をやる。これらの人はほとんど出るのが商売で、またそれをやるのが植付検査であり、業務検査である。そういう場合に、昔は、わらじがけで出ておった。それに対して最近では、非常に旅費が少いからというので、自転車を一、二台与えるというようなことがあるにもかかわらず……これはまあ悪口になるが、大蔵省の財務局の人は、予算の執行の適正化というので、まあ農林省の実際の仕事をやるのに出る、あるいは通産省の仕事で土木の災害査定なんかに出る。こういう場合に、大蔵省の人は、監督の意味でならわかるが、実際現地を見られることは見ても、実際わからぬ人が多い。そうして宿屋にちゃんと朝からおって、農林省の人が調べて帰るというと、それを机上で聞いて……まあ現地を見られる人もあるでしょうが、私はそれをどうこういうのじゃない。これらはまた別の意見があるけれども、この旅費の改正の場合にはそういう問題もあわせて、吉田さんの御意見のように公平にやるということに対してはもっと下情に通ぜられる必要がある。先般、新潟県へ内閣委員会で出てみて、各出先の官庁——労働基準局も歩き、あるいは地方監察局でも承わり、それから農林省の出先の統計調査部というのですか、そういう所へ行くと、どの官庁の出先も旅費が少い。とにかく、自転車で歩ける所は自費で歩いておる。これは多数の人がおるので、実際の仕事がそれぞれ違うからして、なかなか給与局としてはこの統制をとられることは困難であろうが、頭から予算の上で何割引をやるとか、今の説明の範囲では、どうも私は、はっきり旅費が出てこないというふうにとらざるを得ぬ、こう思うのですが、そういう点について給与局としてはお調べになったことがあるかどうか。あるいはまた実際そういうことを認められておるかどうか。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/47
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048・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 旅費の予算が各省庁でアンバランスがあるといたしますれば、非常にこれは遺憾なことでありますが、主計局といたしましては、できる限り業務の実情に即して各省庁間のバランスはとっていくように、予算を積算していくという方針は、あくまでとっておるわけでございます。ただ予算というものは各主計官単位で積算いたしておりますので、双方の間の業務の厳密なる比較——こうした業務はどれだけ出張したらいいか、それらに対する旅費がどのくらい要るか、そうしたものの比較は、絶えず連絡をとってやっておりますが、そうしたところにアンバランスが出て参るかと思います。しかし給与とか旅費という問題につきましては、アンバランスを来たさなくするための努力を払っておるわけでございます。毎年度の出張費、旅費の査定におきましても、これは非常に真剣な問題として取り上げておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/48
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049・島村軍次
○島村軍次君 いや、その予算の問題は主計局でやっておると言われるが、主計局が査定される場合に、給与局はそれに対して実態に応じたような進言をし、同じ省内において、……そうしてこのアンバランスを是正するということに対して、相当の基礎と資料をもって対処されないというと、ややもすると実情に合わぬということになりがちだということを私は指摘したい。そういう点に対して給与局としてはどう考えておられるか、こういう問題なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/49
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050・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 島村先生のおっしゃっております給与局というものは、実は現在大蔵省にないのでございまして、現在大蔵省の主計局の中に給与課というものがございます。ここで公務員の特別職の給与制度、旅費の制度、共済組合の制度、そういう制度面を給与課で取り扱っておるわけでございます。制度として取り扱っておりますものは、旅費制度をどうするとか、特別職の給与制度等をどうするとか、こうした問題だけを取り扱っております。それに基いて主計局で予算額の積算をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/50
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051・島村軍次
○島村軍次君 それはわかりましたが、もとの給与局は人事院の人事局の方に入っておるわけでしょうが、それが法律の建前からいえば、旅費とかこういう給与に関する適正を期するということは、これはあなたの所管でないと言われるかもしれぬが、しかし、いやしくも法律で提案される以上は、同じ主計局の中で、こういう問題については、給与課は、各主計官に対して、あるいはまた全体として、今のような調査をおやりになっておるかどうか。またそれに対してはアンバランスが現在認められておるかどうか。そういう点は、一つ、給与課といいますか、課長としてどういうふうにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/51
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052・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 内部の仕事の配分の問題でございますが、給与課といたしましては制度面が主でございまして、あと、それに基いて業務の実態を見て、たとえば農林省ではこれくらいの出張が必要だ、それに対して旅費をどのくらい積算するか、これは各主計官の担当する仕事でございます。その相互のバランスというものにつきましては、各主計官会議がございまして、相互の旅費の査定は非常に真剣で、お互いにアンバランスを生じないように会議をたびたび繰り返してやっております。給与課として特に各省からそうした予算の積算についての御不満をいただいた場合には、これはすぐ予算係に連絡して検討してもらう、こういう執務態勢をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/52
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053・島村軍次
○島村軍次君 大体お話の点はわからぬではありませんが、どうも先の何にしても全体予算の上では、増額は行わない、しかも流用については別に話し合いもしていない。あなたの計算によると、むしろ今回の改正によって全体は、総額は減るのだ、こういう結論が出るようであります。その結論に対して日額を引き上げるので、結局予算の範囲でとんとんになるという見通しだと、こういうふうにとれるのですが、そう了解してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/53
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054・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 先ほど最初に申し上げましたように、本年度の予算の範囲内でできるだけ消化していくという建前を閣議了解いたしておるわけでありますが、今後実際にやってみまして、できるだけそういう形におさめてはいただきたいとは思っておりますが、ただいろいろな今後の出張のやり方というものを変えて参りますと、先ほど申しましたように、運賃の占める要素、日当、宿泊料の占めている要素、その点が変ってくるかもわかりません。この点は確定的に、旅費が減るのであるが、日額旅費が逆にふえるからとんとんになると、そこまでは確定的に申し上げにくいと思いますが、できる限り閣議了解の線で進みたい、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/54
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055・島村軍次
○島村軍次君 この旅費の改正とともに、日額の旅費については各省と大蔵省と話し合いできめる、こういうことになっておりますが、それについても、日当、宿泊料を引き上げられたと同様に、何割引き上げるという御予定をお持ちになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/55
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056・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 日額旅費の中には非常に多種多様ございます。現場のいわゆる巡回旅費に相当するもの、あるいは労務者のような旅費あるいは研修、講習会に出てくる旅費、日額旅費の種類は多種多様でございます。同時に、その多種多様の日額旅費の積算の基礎も多種多様であります。車賃をおもにするものもございます、あるいは食費をおもにするものもあります。普通の宿屋に泊る場合、あるいは役所の寮を利用する場合、それぞれその内容が異なるわけであります。いろいろ多種多様の内容を持っておりますので、一律に何割上げるということはあり得ないのでございます。やはり実情に応じて個々的に検討をする以外にいたし方あるまいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/56
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057・島村軍次
○島村軍次君 そうしますと、大体の推算によると、旅費、鉄道運賃が下り、宿泊料が上って、差し引き一割なり一割五分の減額をみる、こういう前提に立って日額はある程度は上げる、そうしてこれは各省の業務の内容に従って考えるのだ、だから一律に二割なら二割あるいは三割なりを上げるということは考えていないが、しかし日額についても引き上げるということはお考えになっておる、こう了解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/57
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058・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 日額の分につきましても、その構成内容から見まして、今回の一般の日当、宿泊料の改訂及び鉄道運賃の改訂の趣旨に準じて、改訂の必要があると認めるものは再検討する、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/58
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059・吉田法晴
○吉田法晴君 そうすると、日額旅費の規定を見ますと、「第六条第一、項に掲げる旅費の額についてこの法律で定める基準をこえることができない。」と書いてありますけれども、大体準じたものだと思うけれども、今のお話だと、日当、宿泊料に準じて三割上るものもあるけれども、上げないものもある、こういうお話のようですが、そこに指定してある一号、二号、三号ですか、二十六条一号、二号、三号……、これは二種類あるわけですが、二種類あるからといって、その中のたとえば今一号なら一号の測量については三割上げる、しかし巡察のものについては何も上げない、こういうことはなかろうと思うのですが、日額旅費の再検討の一般的な基準と申しますか、方針というものを、もう少し具体的に承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/59
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060・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 法律の二十六条にはいろいろな場合に日額旅費が出せることが規定されておりますが、これは各省にそれぞれある仕事でございます。同時に、現在きまっております日額旅費は、それぞれの役所のその仕事の実情に応じて違った額がきめられておるわけであります。たとえば日額旅費と申しましても、出歩くための車賃の要素が多いものもございます。その場合に、今度、日当、宿泊料の定額が上ったからといって、全体を三割上げるとは限らない。また、たとえば研修、講習の日額旅費、これはたとえば、東京に出て参りまして、各省の寮に収容してそこで食事をさせておるというような場合には、その食事相当の実費額しか現在出しておりません。そういうものはこの際上げる必要はない、こういうことに相なります。それぞれの日額旅費の内容の構成によりまして、今回の法改正の趣旨と考え合せて検討いたしたい。決して全面的に改訂しないのではなくて、また全面的にすべて三割上げるというのではなくて、実情に応じて改訂いたしたいと、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/60
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061・吉田法晴
○吉田法晴君 それは一般の旅費、日当等が引き上げられるから、日額旅費もそれに準じて引き上げられるのだ。しかしその要素その他を勘案して三割が三割その通りに行かなくてもよろしいというものがあるかもしらぬから、それについては一般原則がそれぞれ具体的な例によって修正されるということであって、お話のように、引き上げるものもあるし、引き上げないものもある、こういうことではなかろうと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/61
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062・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 日額旅費の中でも、先ほどの、たとえば研修旅費なんかはそういう例でございます。すべて役所で全部お膳立てをやっておりますので、その実費だけは旅費として渡す。そういう仕組みをとっておるところもありますが、そういうところは全く上げる必要はない。普通の旅館に泊らないわけであります。そういう違った種類のものがありますので、そういうものも出てくるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/62
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063・吉田法晴
○吉田法晴君 中にはそうだけれども、一般的には一般旅費に準じて上げるものは上げる、こういうことでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/63
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064・岸本晋
○説明員(岸本晋君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/64
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065・吉田法晴
○吉田法晴君 ちょっと伺いますが、運賃引き下げによって四割五分ということだから、四級から六級までの運賃については、引き下げたことによる四割五分は、その日当、宿泊料を三割上げることによって穴埋めする、こういうことで、はっきりどこに犠牲がしわ寄せされ、そうして、そうでないところは上るだけが上った、こういう実態がはっきりしましたが、それは意見になりますから申し上げませんが、その四割五分の金額は幾らになるのですか、総額は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/65
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066・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 総額で約十二、三億見ております。これは先ほどちょっと申し上げましたが、一般会計の旅費予算の中の、特殊な日額とか外国旅費を除きました普通の旅費についての計算でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/66
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067・島村軍次
○島村軍次君 衆議院の修正については説明があったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/67
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068・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 衆議院の方で修正が一部ございましたが、これは住宅金融公庫法が改正されまして、本年六月一日から住宅金融公庫の職員は国家公務員でなくなるということに相なります。現在は国家公務員という身分を持っておりますために、この旅費法の適用を受けておるわけでございます。ところがその旅費法の適用を受けなくなる、そういうことを前提としまして、旅費法でも住宅金融公庫の職員は適用対象からはずす規定を設けたわけであります。ところが、この住宅金融公庫法の改正規定は実は六月一日から施行されることに相なっております。そこで、この公務員の旅費法で、改正案におきまして住宅金融公庫をはずした規定もあわせて六月一日から施行すると、こういうことに至ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/68
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069・島村軍次
○島村軍次君 衆議院の修正はそれだけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/69
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070・岸本晋
○説明員(岸本晋君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/70
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071・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) 別に御発言もなければ、本日はこの程度で質疑をとめたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/71
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072・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。暫時休憩いたします。
午後零時一分休憩
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午後一時三十八分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/72
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073・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) それでは休憩前に引き続いて会議を開きます。
防衛庁設置法の一部を改正する法律案並びに自衛隊法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。御質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/73
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074・堀眞琴
○堀眞琴君 私は二、三の点について防衛庁長官に質問申し上げたいのです。あるいは同僚委員の諸君から出た質問かとも思いますが、もしそれが重複するようでしたら御了承を願いたいと思います。
まず第一に憲法との関連の問題です。この問題は鳩山首相にお尋ねした方が適当かとも思いますが、しかし同じ閣僚でいられるわけですから、長官に質問をいたしたいと思います。
というのは、御承知のように、憲法九十八条では、最高法規として、憲法の条章に違反する法律はその効力を失うということが規定しておるわけですが、憲法第九条の規定と、自衛隊法あるいは防衛庁設置法とがいずれも憲法と抵触する法律だと思うのですが、その点に関してまず長官の御意見を伺いたい。それから鳩山首相の述べられた言葉に関連して質問したい。
まず第一に、長官に、憲法とこの防衛二法案との関係について御意見を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/74
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075・船田中
○国務大臣(船田中君) ただいま御質問の点につきましては、本委員会においてもしばしば御説明は申し上げ、答弁申し上げておりますが、われわれ政府の方の解釈といたしましては、憲法第九条は自衛権を否定してはおらない。従って自衛隊法及び防衛庁設置法につきましては、これが非常な侵略的な強力なものであるということであれば別でございますけれども、現在の自衛隊法及び防衛庁設置法いずれも憲法違反ではないという解釈を持っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/75
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076・堀眞琴
○堀眞琴君 先般鳩山首相が、本会議でも委員会でも、憲法と防衛二法案とは抵触するところがあると前には考えておった、しかし自衛隊法なり防衛庁設置法なりが国会において承認をされたのちにおいては、自分はそうは思わないという意味のことを、しばしば繰り返しておられるわけです。そのことを長官は当然お聞きになっておることと思うし、その見解については鳩山首相と同じではないかと思うのですが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/76
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077・船田中
○国務大臣(船田中君) 私は、その点においては必ずしも鳩山総理と同じ考えを持っておるわけではございません。
鳩山総理は、自衛隊法、防衛庁設置法のできる前においては、こういう問題について憲法を改正してはっきりした方がよかろうというような御意見を持っておられたようでありますが、自衛隊法、防衛庁設置法のできたことを機として、そのときに憲法解釈を変えられたと、こういうことを今までたびたび仰せられておるのでございます。私は従来自由党に属しておりましたが、憲法の問題につきましては、先ほど政府の解釈として申し上げたように、憲法第九条は自衛権を否定しておらない、従って自衛権を必要によって発動しなければならない必要上、自衛隊、あるいはその前におきましては保安隊、その前におきましては警察予備隊、こういうものを持つということは、これは決して憲法九条の精神に反するものではない、解釈上においても憲法九条の規定と抵触するものではない、こういうふうに私は終始一貫そういう考え方を持ち続けてきておりますし、現在におきましてもさように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/77
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078・堀眞琴
○堀眞琴君 今のお話ですと、鳩山首相と見解を異にしているというお話のように承わったのですが、同じ内閣の中におられて、首相の見解と違った見解を防衛庁の長官としておとりになるということが、果して適当なことであるかどうかという、政治上からいって、私は大きな問題だと思うのです。それも一つの問題だし、それから自衛権というものは第九条によって否定されておらない、それは自衛権としてはそうかもしれない。しかし憲法第九条には、戦力を持つことができない、あるいは交戦権を持つことができないという規定がはっきり出ているわけでありまして、そういう点から申しますと、その自衛権の行使についても、自衛権そのものを持つことについても、おのずから制限があるだろうと思う。のみならず、自衛権という場合のその内容として考えられるものが必ずしも軍隊だけを指すわけではなく、国家の総力というか、国のすべての力が、そういう意味においては自衛のために発動することができるという解釈になるのが当然だと思うわけであります。そういう点についても問題があるのではないか。
まず第一に、首相との見解が違っているということについて、閣僚の一人としてそれでもいいかということについての御見解を伺いたいし、それから自衛権の内容について、並びに憲法上の制限について長官の御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/78
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079・船田中
○国勢大臣(船田中君) 鳩山首相と私とが見解を異にするということは、現在においてはございません。ただ先ほど堀委員の仰せられたのは、鳩山総理が自衛隊法のできる前において憲法九条の規定についての見解が違っておったのではないかということでございましたから、その点においては鳩山総理の自衛隊法のできる前の御見解と私の見解とは違うということを申し土けたのでございまして、現在におきまして、鳩山総理と私と憲法解釈につきまして見解の相違は全くございません。
それから第二の問題でございますが、自衛権の内容、それから憲法上の制限という御質問でございますが、これにつきましては、もちろん他国に脅威を与えるような膨大な、攻撃的な、侵略的な軍備を持つということは、憲法の精神には反すると存じます。しかしながら、現在の自衛隊また防衛庁設置法、この程度のこの規模のものでありまするならば、他国に脅威を与えるというものではございません。全くわが国土の防衛の最少限度のものでございまして、しかもその最少限度という点におきましてもまだ私はきわめて微々たるものでありまして、これが他国に脅威を与えろというようなものでございませんので、従って憲法九条の禁止しておりまするいわゆる戦力というものにはならないと、かように考えるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/79
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080・堀眞琴
○堀眞琴君 鳩山首相も委員会等でしばしば発言されて、しばしばではありませんが両三度発言されて、非常の場合においては、たとえば敵の基地等についても攻撃を加えることができるのだ、こういうような見解を述べておられる。今のお話ですと、あなたの見解では、他国に対して脅威を与える程度のものではない、攻撃的なものではないというお話になるわけです。で、私はあなたに、この際、防衛とか自衛とかいう、あるいは国を守るということと他国を侵略するということとの関係について御見解を伺いたい。というのは、最大の防衛は侵略を予定しなければできないということは、これは一般の軍事学上において規定されておることなんです。従って、防衛ということは同時に他国に対する攻撃ということも含むものだと思うのです。従って、その点について防衛庁当局としては当然鳩山さんの言われたようなことを予定されているのだと思いますが、あなたの今の説明では、それではない、自分の国だけを守る、他国に対しては何らの脅威も与えないというあなたの御説明なんで、その点、防衛庁長官としての見解をもう一度はっきりさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/80
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081・船田中
○国務大臣(船田中君) 鳩山総理が、ただいま御指摘のように、敵の基地をたたくことも自衛権の範囲であると御説明申し上げたのは、それはある特殊の場合を想定されて御質問があったことに対してお答えになったのでありまして、そのことにつきましては、先般しばしば当委員会におきましても、私からも政府の見解を申し上げでおったのでありますが、経過を申し上げますと、普通の侵略といいますか、侵略が起ったという場合、すなわち日本の区域——日本の区域にはもちろんごく近接した公海も含むことと思いますが、日本の、区域において外部からの攻撃が起ったと、こういうような場合におきましては、行政協定の二十四条によりまして、ただちにわが方といたしましては日本政府とアメリカ政府との間においていかなる共同措置をとるかということについて協議をすることになっております。さような場合におきまして、もちろんわが方といたしましては、わが憲法、現行憲法及び自衛隊法その他国内法規の範囲内において自衛隊は自衛のための最善の努力をすると、こういうことになると思います。またそういうような場合には、ただちに国連に提訴するというような措置も講ぜられることだと存じます。しかし、そういうような措置を講ずるいとまもなく急迫不正な侵略が起りまして、そしてこれを防ぐのに何ら他に方法がない、ただ自滅を待つのみということは、これは憲法の趣旨とするところではなかろう、こういう趣旨において鳩山総理が答弁されたのでありまして、たとえばそういうときに、敵の誘導弾等によって攻撃された、このままおれば自滅をするというような場合に、他に方法がないというときには、正当防衛の——個人間においても正当防衛が許されておると同様に、そういう場合に敵基地をたたくということも、これは自衛権の範囲であるということを、その趣旨において答弁をされたのでありまして、これは、そういうまれな場合を想定されて質問がありましたので、それに対して、理論的にそういうものも自衛権の範囲内に考えられるということを答弁されたのが、これが鳩山総理のただいま御指摘になられた問題についての答弁の趣旨でございまして、決してそれは先制攻撃とかあるいは海外に派兵をする、海外出動をすると、こういうような趣旨を答弁申し上げたのでは全然ないのであります。その点誤解のないように御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/81
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082・堀眞琴
○堀眞琴君 私がお尋ねしたいのは、そういういきさつや何かのことじゃなくて、その防御あるいは侵略ということについて防衛当局としてはどのような見解を持っておられるか、二つはどういう工合に分けられるかということをお尋ねしておるわけです。先ほど申しましたように、防衛のためには攻撃ということも当然考えられているのが現在の軍事学の主においての防衛に対しての考え方だと思うのです。防衛一方だけの観念というものは私はないだろうと思うのです。攻撃の場合も同様だと思うのです。従って防衛当局としては、その防衛とそれから攻撃という二つの考え方をどのように区別して考えておられるか。全然攻撃というものを頭の中に置かないで防衛ということだけを考えているのか、そうではなくて、やはり防衛というためには、今のような特別のような場合をも含めて防衛ということを広く考えているのか、その点をお尋ねしたかったのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/82
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083・船田中
○国務大臣(船田中君) われわれといたしましては、どこまでもわが国の独立と平和を維持し、国土の防衛のために直接及び間接の侵略に対して門衛をするということを考えているのでありまして、攻撃するというようなことは毛頭考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/83
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084・堀眞琴
○堀眞琴君 先ほどの憲法問題にちょっと戻るのですが、鳩山さんはただいまの見解はあなたと同じだ、こういう御説明ですが、しかし鳩山さんの見解によりますと、自衛隊法や防衛庁設置法等が国会において承認を得られた。従って現在において、は自衛隊ないしは防衛庁の設置についても何ら憲法違反ではないという見解をとっておられるわけです。そうなりますと、鳩山さんの見解からいうと、防衛庁設置法あるいは自衛隊法、これは当然初めは憲法違反であったはずです。ところが国会において承認されたからそれは憲法違反ではない、こういうことに変ったわけです。そうすると、その結果からいいますと、法律をもって憲法を改正したと同じ効果を持つことになるのじゃないだろうか、つまり自衛隊法や防衛庁設置法によって憲法が事実上改正されたということになると思うのです。その点について、あなたはどのような見解をとっておられるか。鳩山さんにむしろこれはお尋ねすべき問題ですが、鳩山さんなかなかおいでになりませんから、あなたからその見解を承っておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/84
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085・船田中
○国務大臣(船田中君) ただいま堀委員の御質問でございますが、鳩山総理の御答弁になられたことも、今御指摘のような趣旨において答弁されているのではないのであります。法律が国会において多数をもって可決されたから、それによって憲法が変る、憲法の規定を法律の制定によって変えるというような趣旨において答弁されているのではないので、ただ鳩山総理が今まで本会議並びに委員会等において答弁されておりますのは、自衛隊法の制定が行われた前において、その前において、自分はこういうものを置くについては憲法を改正するのがよくはないか、憲法の解釈上は多少の疑義があるのじゃないかというように考えておったけれども、しかしだんだん考えた末、その自分の解釈は間遠っている、憲法九条は決して自衛権を否定しているのでない、こういう解釈になった。たまたまその昨朝が自衛隊法等の成立した昨朝であった。こういうことで、ただいま御指摘のような多少疑いも持たれたと思いますけれども、鳩山総理の答弁されていることも、決して法律の規定によって憲法を改正する、憲法の規定を変えるというような趣旨において答弁されているものでないことはきわめて明瞭なことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/85
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086・堀眞琴
○堀眞琴君 私も鳩山さんが憲法を改正する意図でそういうことをおっしゃられたのではないと思います。しかし事実の問題として、憲法に抵触する——鳩山さんの言葉をもってすれば、疑義のある法律が成立した。それ以後においては従って自衛隊なりあるいは防衛庁を設置することは憲法違反ではない。こういう鳩山さんの考え方なんですね。そうすると、形式上はともかくとして、実質的には憲法に違反する法律が成立した。そのことは同時に憲法を実際に改正したと同じ効果を持つのではないかという工合に考えられるわけです。その点はいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/86
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087・船田中
○国務大臣(船田中君) 鳩山総理も決してそういう趣旨において申しておりません。そうしてその点はきわめて明瞭に答えられておるのでありまして、法律の規定をもって憲法を改正する、憲法に違った法律一ができたから憲法がそれによって実質上変えられた、そういうようなことを鳩山総理は答弁しておるのではないのでありまして、その点はしばしば鳩山総理が明言されておりまする通りに、たまたまはっきりした解釈を下したのがその時期であったということでそういう誤解を受けたことと思いますけれども、鳩山総理の真意は、決して法律の規定によって憲法の規定を改正するというようなことができる、そんなふうな趣旨において答弁しておるのではないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/87
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088・堀眞琴
○堀眞琴君 憲法の問題は鳩山さんに直接聞かないと私も納得できませんから、このくらいにして、今度は、三十一年度においては二万何千人か防衛庁の定員がふえるわけですね。自衛官がやはり二万何千人かふえるということになる。累年自衛隊は増強されてきているわけですね。ところで最近の国際情勢を見ますと、御承知のように国際連合の軍縮委員会において、具体的な軍縮案等が、アメリカからも、あるいはイギリス、フランスからも、あるいはソビエト側からも出されておるというような状態になりまして、軍縮の方向がだんだん明確になりつつある。まだ軍縮の実現というところまでは行きませんが、しかし、おそかれ早かれある程度の軍縮案が私はできるんじゃないかと思う。昨年のジュネーブ会議においてあの問題ができまして、そして八月末の軍縮小委員会においていろいろ審議され、また今年軍縮案等が具体的に出てきた、こういう情勢下で、鳩山首相はしばしば施政方針演説の中で、あるいはその他の演説の中でも、戦争の心配はなくなったということを申しておられるし、これは鳩山さんばかりでなく、アメリカのアイゼンハワー大統領、あるいはソビエト側においても同様の発言があって、ともかく平和への方向が従来に比べると一段と促進されてきておると思うのです。まだそれが十分に確保されるというところまでは行っておりませんが、ともかくその傾向がはっきりしてきておる。そのとき累年一万何千人ずつふやしてきておる。一体この世界の情勢と関連さして、この国内の自衛隊の、あるいは自衛力の増強の問題を見ますというと、むしろこれに逆行するんじゃないかという印象があるわけなんです。しかも他の国から不正の侵略があった場合というようなことをお話しでもりますが、果して国際的な関係からいって、そういう不正な侵略を行う国というのはどういう国だろうというようなこともいろいろ問題が起ってくると思うのです。そういう点について長官としてはどのような見解を持っておられるか、御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/88
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089・船田中
○国務大臣(船田中君) 防衛責任者の私といたしましては、国際情勢をどう見るかということについては、大体外務大臣が外交方針の演説において申し述べられておりますることを全面的に支持し、その見解を持っておるわけでありまして、すなわち原水爆をもってするような第三次世界大戦が今直ちに起るということは考えられないと存じますが、しかし、さればといって、部分戦争なり冷戦というものが全く終息したと断言することも、これまたできないと存じます。ことに極東の情勢を見て参りましたときに、また過去の諸国の歴史、あるいはわれわれの体験から考えまして、かような部分戦争、冷戦が全然わが国に対して行われることはないと断言は、できません。従って独立国である日本といたしましては、どうしても国力及び国情に相応する最少限度の自衛体制を整備いたしまして、外国駐留軍の撤退にも備えて参るようにしなければならぬ、かように考えまして、その方針のもとに、国力、国情に沿う自衛体制を順次整備して参りたいということで努力をしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/89
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090・堀眞琴
○堀眞琴君 なるほど第三次大戦がないが、しかしながら局部的な戦争は依然としてその危険があるということについては、私もあなたの意見を、全面的に支持するということではないが、反対するわけではないのです。現に中東方面やあるいけ北アフリカ方面で、かなりめんどうな問題が起っております。しかしその問題にしましても、ガザ方面では鉄砲の撃ち合いなどもやっておるようですけれども、しかし、かといって、たとえばモロッコの問題にしても、あるいはアルジェリアの問題にしましても、あるいはその他の中東方面の問題にしましても、それだからといって局部戦がそこから発展していくだろうというようなことは、ちょっと今のところは考えられないのじゃないかという工合に、私、考えるのですが、もっともだいぶイスラエル方面など最近の情勢は急迫しておるようです。あるいはキプロス鳥の問題にしてもずいぶん急迫した情勢にあると思います。しかし今世界の大局の中では、昨年ジュネーブ会議以後、ともかく話し合いで平和を保っていこうじゃないかというような方向が順次とられつつあると思うのです。またその方向が具体的になりつつあると思う。そういう情勢のもとで、おそらく日本だけじゃないかと思うのです。世界の国々の中で自衛体制の整備という名前において軍備が強化されておるというところは、ほかにちょっとないと思うのです。そういう意味からいっても、非常に逆コース的な印象を与えるし、それからまた国際情勢等については外務大臣の施政方針演説等に聞いて了解しておるのだというお話でありますが、しかし外務大臣の施政方針演説、私どもから見まして必ずしも的確に今日の国際情勢をつかんでおるとは思わない。思えないのです。そういう点から、私どもは長官の今の説明は必ずしも納得がいかない。やはり世界の情勢は軍縮の方向に向いつつある。軍縮はまだ実現してはおりませんが、軍縮の方向に向いつつある。しかもあのアメリカですら、基地の空中撮影ですか、というようなことを提案するような情勢になってきておるわけです。そういう情勢の中で、自衛体制を整えるという名前で一体累年一万以上の兵隊さんをふやすことが、この国際情勢に十分適応しておるものであるかどうかということについては非常な疑問がある。それから、それと関連して、一体日本のこの兵力の増強というものはどの程度まで増強されるか、その計画なり見通しなり、そういうものはどういう工合になっておるのかということ、その問題をもう一度お尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/90
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091・船田中
○国務大臣(船田中君) 世界的に軍縮の論議が相当熱心にやられておるということは、これは私も承知いたしております。また平和への方向に進みつつあるということも、これはずいぶん言論やその他の機関において強く宣伝されておるようであります。しかし私は平和は口先だけではできないのでありまして、やはりその現実の実行が必要であると任じます。で、その平和を維持するために、わが国が独立国である以上におきましては、先ほど申し上げたことを繰り返すようでありますけれども、やはり国力、国情に相応する自衛体制を整備するということが、やはり平和を維持するゆえんであると、これは何と申しましても歴史上の事実がどうもそういうことをやむなくせしめておるのでありまして、私よりも堀委員よく御存じだと思いますけれども、今世界に八十五、六の国がありましょうが、国防軍を持たないというものはごく小部分、小さな国でありまして、ローマ法王庁とかアイスランドとかあるいはモナコ王国というような五、六の国でありまして、その人口を合せてもおそらく二十万には足らんと思います。永世中立国のスイスにいたしましても——これも実は昨晩もスイスの武官と話しましたが、たちどころに五十万の民兵ができるということも言っておりましたし、またスエーデンも、御承知の通り非常な理想郷といわれておるスエーデンにおいても、やはり陸、海、空三軍を、しっかりしたものを持っております。やはり独立国である以上は、自分の国を自分で守るという態勢が整備されてこそ初めて私は独立がほんとうにできるのでありまして、またそれだけの力があればこそ中立も平和も維持できるのではないかと思います。これは遺憾ながら過去の歴史がそういうことをわれわれに教えているわけでありまして、私はこの歴史を無視して、ただ理想論に走るわけには参らんと思います。従いましてわれわれといたしましては、最小限度の国力、国情に相応する自衛態勢をできるだけすみやかに整備いたして参りたい、かような考えをもって清々実行したいというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/91
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092・堀眞琴
○堀眞琴君 私が第二にお尋ねした点では御答弁がなかったのですが、最小限度の自衛態勢を整えていかれるというのですが、その目標ですね、それはどのくらいに考えていられるのか。また昨年あたりは防衛六カ年計画ということが言われ、実際には国会にもその数字等の御発表がなかったわけですけれども、しかし重光・ダレス会談では、はっきりと日本の防衛計画についてのお話があったと思うのです。防衛庁としては当然将来到達すべき日本の自衛力の限度というものはお持ちになっているだろう。つまり防衛計画をお持ちになって、その計画に従って、たとえば三十一年度はこれだけ、三十二年度はこれだけというふうに増強しておられると思うのです。その防衛計画の大綱なりとも御説明願えれば幸いだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/92
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093・船田中
○国務大臣(船田中君) この防衛六カ年計画というものは、これは政府案として確定しておるわけではございませんが、この国会に、予算委員会あるいはその他の機会に私から御説明申し上げておりますのは、防衛庁の試案として持っておりまするものでございまして、昭和三十年度を起点といたしまして、昭和三十五年度に至る六カ年間に、最終年度におきましては陸上自衛官十八万、海上の艦艇約十二万四千トン、航空機約百八十機、航空自衛隊におきまして、練習機をも含めて約千三百機、このほかに予備自衛官約二万というものを予定いたしております。一応最終の目標としてそういうものを持っておりますが、しかしこの防衛長期計画につきましては、財政、経済、産業民生の安定あるいは外交関係、国際情勢等あらゆる要素を勘案して、そうしてわが国の国力及び国情に沿うように立てて参らなければなりませんので、現在御審議を願っております国防会議法が成立いたしましたならば、この国防会議に諮問をいたしまして、そしてその決定を待って、政府案としてぜひとも確立をして長期計画を立てるようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/93
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094・堀眞琴
○堀眞琴君 防衛庁設置法改正法案によりますと、自衛官の定員が、今度十九万七千百八十二人ということになっておりますが、この十九万七千百八十二人、もちろんこの中には海上、航空、それぞれの自衛官を含んでいると思いますが、これが全部陸上の自衛官だとは思いませんが、陸上自衛官を十八万にするまでの試案にしろ、年度計画——三十一年度は二万人、三十二年度は何方というような一応案ができていると思うのです。それを御説明願えないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/94
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095・船田中
○国務大臣(船田中君) 三十五年度に達成する一応の目標は先ほど申し上げましたが、年次計画についてはまだきまっておりませんので、ここに遺憾ながら御説明するまでに至っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/95
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096・堀眞琴
○堀眞琴君 そうしますと、最終年度だけの目標を一応規定し、そしてそのときの財政状態その他と見合って、たとえば来年度はこれくらいということで進んでいかれるおつもりなのか、そうではなくて、大体まあこのくらいずつということで、防衛庁の立場において数字を計算され、ほかとの見合いなしに数字を計算されて進まれることになっているのか、その点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/96
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097・船田中
○国務大臣(船田中君) もちろん財政、経済、産業、あらゆる面を考えまして、三十二年度以降の年次計画を立てて参りたいと存じますが、しかし現在のところは、まだ三十二年度の数字も具体的にはきまっておりません。これからせっかく検討をして参りたいと考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/97
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098・吉田法晴
○吉田法晴君 何べんも問題になることですが、今の六カ年計画防衛庁試案というやつ、これは重光外務大臣がアメリカに行かれたあとの日米共同声明の中にも提示をしたと書いてあります。……ちょっと今個所を発見できないけれども、防衛庁、まあそういう言葉ではなかったかもしれませんが、防衛庁試案と言っておられるものですが、それをアメリカ側に提示をした、こういうことが書いてございます。三十年度あるいは三十一年度はある、三十五年度もある、しかし途中がないということは、これは考えられません。それは防衛庁試案であって、閣議にかかっておらん、あるいは国防会議にかかっておらんということはわかるのですが、防衛庁にあります試案には、これは年次別の計画があるだろうと思うのですが、この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/98
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099・船田中
○国務大臣(船田中君) 防衛庁としてもその間の年次計画というものはまだ出てきておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/99
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100・吉田法晴
○吉田法晴君 それではこれはまあ今の船田大臣の時代ではございませんが、外務大臣がアメリカに、これはダレス会談の際ですからダレス氏にだろうと思いますが、「日本の防衛当局が最近策定した日本の防御能力増強に関する諸計画を説明した。」と、こう書いてございます。その諸計画を御提出を願いたいと思うのですが、向うに出されましたものの写しを。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/100
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101・船田中
○国務大臣(船田中君) ただいまお話の計画は、これは外文の交渉の過程におけることでございますので、その資料を申し上げる、この委員会に提出するということはできないと存じます。これは防衛庁の試案につきましては、外務大臣の渡米される前に外務大臣にお示しをしておるようでございますが、外務大臣がそれを先方に提示されたかどうかというようなことについては全然承わっておりません。おそらく会談の際に口頭でお話はあったかもしれませんけれども、資料として提出されたというようなことには聞いておりません。従いましてその資料というものも持っておりませんから、ここで提出申し上げるということをお約束するわけには参らないと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/101
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102・吉田法晴
○吉田法晴君 それはまあ外交資料だというお話ですが、お手元にあるかどうかは知りませんが、その前の方には、「極東における、安定および永続的平和を確保するために、日米両国間において一層緊密な協力が行われることが望ましい」云々と、いろんな問題について日本側からこう言うた、あるいはアメリカの国務長官がこう言うたと、こういうことをいろいろ言われた中に、「日本の能力の範囲内において防衛力漸増の政策が継続されるとの堅い決意を表明した。」、これは表現でしょう。言葉でしょう。しかしその次に外務大臣は「日本の防衛当局」、防衛当局です、これは。「防衛当局が」ということは、防衛庁ということでしょう。「防衛当局が最近策定した日本の防衛能力増強に関する諸計画」というのですから、これはまあ英語じゃなくても、日本語で策定した計画、それから「防衛能力増強に関する諸計画」ですから、言われるような防衛庁試案であることはこれは間違いない。その防衛庁試案の中で、初めの方とそれからけつだけは、三十五年度のけつだけは出された。そしたらそれが外交上の秘密文書であるということは考えられない。防衛庁のいわゆる試案というものをここにお出しになったことは間違いない。それをそのまま出されたかどうかはわかりませんけれども、しかし防衛当局から外務大臣に最近策定した防衛能力増強に関する諸計画をお託しになったことは、おことづけになったことは間違いない。その諸計画を文書そのままお渡しになったかどうかはわかりませんけれども、御説明があったと、こういうことなんです。そうすると防衛庁に最近策定をされた、その当時までに、最近策定をされた防衛能力増強に関する諸計画があることは間違いない。防衛庁試案があることは間違いない。その防衛庁試案の頭とけつだけは出しておられるのだから、途中をお出し願いたい、こう言って私どもが国会で言っておる際に、あなたは、来年度についても何もございませんと、こういうお活でしたが、こうなって新聞には出ておる。御承知のように、日経に陸上十七万名……、だから来年度も、三十二年度も一万人ふやすと、こういう話です。この間予算委員会で聞くと二万人ずつふやすのか、五千人ずつふやすのか、こう聞いたら、いや、そんなことも全然きまっておりません。それはきまっておらぬかもしれぬけれども、しかし三十一年度の予算が通ったらとたんに、とにかく数字の上でなり予算の上でこれだけのとにかく要求をしたい、こういうとにかく案が掲載されるのは、今のやっぱり計画があるからだ、試案にしてもあるからなんです。その試案なりあるいは策定された諸計画というものを一つお出しを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/102
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103・船田中
○国務大臣(船田中君) 外務大臣が昨年八月渡米される前に防衛庁として外務大臣にお示しいたしましたものは、先ほど私が堀委員に対して答弁申し上げたような、昭和三十五年度において達成する最終目標の数字を申し上げただけでございまして、それに至るまでの年次計画については外務大臣には説明をいたしておりません。また外務大臣が今まで国会において答弁せられたところを総合してみますると、外務大臣もそういう資料をアメリカ側に示して説明したとは申しておらないのでありまして、口頭をもってダレス長官その他の責任者と話しをしたということを答弁しておられるのでありまして、そのときに今御指摘になりましたような資料を示しておるものでないことは明瞭であると存じます。また昭和三十一年度の予算がすでに成立をいたしましたから、従って三十二年度の計画につきましてもこれから検討をしなければなりませんが、しかし新聞に出ておりますような数字の根拠は何もきまったものはございません。これから検討をするということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/103
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104・吉田法晴
○吉田法晴君 重光外務大臣がダレス国務長官に説明をされたのは資料に基いておるとは言われておらぬ。口頭で御説明になった。説明は口頭でなされたでしょう。私が申し上げておるのは、この声明を普通に読みますと、日本の防衛当局が策定をした諸計画というものがあるということをこれは表明しておる。アメリカ側に説明のできる諸計画が、民主主義のもとにおいてあるいは国会に出せないはずのものではございません。そのときに提示されたといいますか、重光外務大臣に持たせてやられた諸計画、防衛庁試案というものを国会法に基いて国会が要求をいたしますならば、これはお出しにならぬわけにはいかぬだろうと思うのですが、これが今までの説明、口頭の説明をされてきた、あるいは文書も出てきておりますけれども、そのほかにあるならば、今まで言われたような三十五年度の、三十五年度分について十八万、あるいは十二万何千と二万三千と、こういう数字だけではないのです。計画の資料を一つお出しを願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/104
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105・船田中
○国務大臣(船田中君) これは先ほど申し上げた通りでございまして、防衛当局として外務大臣に提示いたしましたものは、先ほど堀委員に対して私がここで答弁申し上げたあの数字を申しただけでございまして、それ以上に資料はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/105
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106・吉田法晴
○吉田法晴君 それでは委員会として要求をいたしますけれども、外務大臣が携行された防衛当局の最近策定した諸計画というものは、すでに本院に提出せられております資料と全く違いがない、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/106
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107・船田中
○国務大臣(船田中君) さようでございます。本委員会において御説明申し上げておる以上の特別の資料は何もございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/107
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108・吉田法晴
○吉田法晴君 納得しがたいところですが、これはあらためて要求をすることにして、先に進んで参りますが、それでは今、新聞記事について、こういう新聞記事が出ておるけれども、それは全然きまったことではない。もちろん防衛庁できまったものではないでしょう。防衛庁で省議を開いておきめになったものではないでしょう。それは予算なら予算についてまとめて要求をするという付議が開かれるまでは、防衛庁できまったというものではございませんでしょう。しかしここに書いてありますのは、これは相当詳細に書いてありますが、「陸上、海上、航空三幕僚監部と内局との間で三十二年度増強計画に伴う業務計画の作成について折衝を始めたもので、内局の見通しでは」云々ということで、その内局の試案というのですか、試案の試案の、また試案かもしれませんが、そういうことであるのは間違いない。しかも陸上一万名、それから海上についてDD型駆逐艦二隻の建造を中心にして云々、これはやっぱりちゃんとした案です。これはごらんになっているだろうと思うのですけれども、そういうものが防衛庁の中に案としてあることは、これは御否定になるわけにはいかんと思う。それは初歩の案として、固まっておるかどうかということはとにかくとして、こういうものは全然ありませんか、あるでしょう、どっかに。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/108
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109・船田中
○国務大臣(船田中君) 今のは御質問ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/109
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110・吉田法晴
○吉田法晴君 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/110
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111・船田中
○国務大臣(船田中君) それらのことにつきましては、三十二年度の計画を現実に立てますときに、十分検討して参るのでありますが、防衛庁の案として決定するまでには相当まだ時間もかかりましょうし、現在においては三十二年度の予算をどの程度にするかということについては何らきまったものを持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/111
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112・吉田法晴
○吉田法晴君 予算要求の数字として確定しておらんということは私も認めますよ。それは時期が時期ですから。それはやっぱり省議を開いて検討をしなければ、防衛庁案にならんことは私もよく知っておりますよ。しかし私は五カ年計画との関連において、三十二年度陸上一万名をふやすという計画は、これはどっかにおありになるでしょう。そういうことを申し上げておるのです。そういうものも全然ないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/112
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113・船田中
○国務大臣(船田中君) これは各幕僚の個人個人がどういう考えを持っておるかわかりませんが、しかし少くとも国会において論議の対象となるような責任あるものについては何ら今のところはさまっておらないのでありますから、従いまして、そういうものがあるとかないとかいっても、これはここの御論議の対象になるべきものでないと存じます。従いまして、私責任者といたしましては、三十二年度の予算の基礎になるような数字の確定したものは何ら今のところはまだ持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/113
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114・吉田法晴
○吉田法晴君 予算のことを今尋ねておるのではありません。もちろんそれは予算は三十二年度予算がきまって、その中で防衛庁の自衛力漸増費が幾らになるかきまらなければ、これはもちろんあなたの方から国会の論議を願うべき筋じゃないことはこれはわかっております。そういうことを尋ねておるのじゃない。防衛能力漸増に関する防衛庁試案というものを先ほど伺って、その中で今十八万という数字が出ている。その十八万という数字について、三十一年度も一万、それから三十二年度も一万ふやす、こういうのが少くとも出ておりますが、そういう点について、防衛庁としては試案であるかないかは知らんけれども、そういうものがあるのじゃないですか、こういうことを申し上げておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/114
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115・船田中
○国務大臣(船田中君) これはもう吉田委員も御承知の通り、予算をとるまでの過程においてはいろいろ考えはあるだろうと思います。しかしそういうまだ一小部分の、腹の中に持っておることをあるかないかとお聞きになられても、これは私責任者として、こういうものがありましょうとか、なかろうということはちょっと答弁しかねるのです。いろいろ検討の最中においてはいろいろなことも、数字も出てくるだろうと思います。ことに明敏な新聞記者諸君がそこを想像していろいろお書きになることもあるだろうと思います。しかし防衛庁といたしましては、六カ年計画というものを試案として持っておりまして、最終の目標は先ほど申し上げたようなことでございます。その年次計画をどういうふうに立てるかということは、今後検討をして参ることでございまして、これは国際情勢ともにらみ合せ、また米軍の供与物資、装備等も勘案いたしまして、そうして先ほど来申し上げておるように、極力国情に相応する最小限度の防衛態勢を整備する方向に向って、あるいは財政、あるいは経済、あるいは民生の安定、それらの諸要素とにらみ合せまして、無理のない案を立てて参りたい、かように考えて、せっかくこれから努力をしようというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/115
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116・吉田法晴
○吉田法晴君 予算のことを聞いておるのじゃないのですよ。初めとしりがあって途中がない。で途中はきまっておらんと、こういう話、これはだれが見ても途中もあると思うのですが、アメリカには説明をされた。それから国会には説明をされん。国民には説明をされん。ところがしりはとにかく新聞記事に出ておるじゃないか、こういうことを津・し上げておるのでありますが、いや、それは一幕僚がどういうことを考えているかわからんと、こういう説明ですが、私はしりがここにばれているのだと思うのですが、それじゃこういう新聞記事が別にありまして、六カ年計画のうち陸上十八万については、三十三年度ですか、一万ずつふやしてそして三十五年度になって十八万というのではなくて、三十三年度に十八万ということでございますね、一万ずつふやしていけば。そういう計画があるような新聞記事がどっかに出ていたと思うのですが、そういうことではございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/116
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117・船田中
○国務大臣(船田中君) そこらの点は今後十分検討していこうということでございまして、何らきまったものは持っておらんのであります。
それからなお念のためお断わり申し上げておきますが、アメリカ側に説明しておることで国会において特に隠しだてをするなんということは毛頭ございませんから、その点は誤解のないようにお願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/117
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118・吉田法晴
○吉田法晴君 それじゃ人数のことを聞き始めましたついでにもう少し伺いますが、池田・ロバートソン会談のときに、十個師団陸上自衛隊を作る、こういう了解は大体向うから取りつけられた、こうまあ説明をせられた。これは否定されますけれども、新聞、雑誌その他はそう言うて記事を書いていた。ただ一個師団の人員が、第一線を中心にして一万八千か、それとも三万二千とか、あるいは三万五千とか、単位の点が争われてこれはきまらなかった。しかし向うから一万八千ではなく要請をせられたという話を私ども聞いてきておる。これはいつか伺ったところが、長官は否定された。ところがこのごろの新聞記事にはその辺がちゃんと出ているのですね。現在の陸上十八万名の内訳は、第一線主動部隊十三万五千、後方業務部隊四万五千名というが、この比率は近代戦を遂行するためにはアンバランスである。たとえば米国は海外派兵軍で主動、後方の比率は一対一、本部までを含めれば主動一に対して後方二の割合になっている。日本はそれほどの比率は要しないが、非常の際は一対一の割合を保つことが作戦要求上必要となろう。それからまあ十八万以上に増強することは、艦艇、航空機の増強に膨大な費用、防衛費をさかなければならぬ現状から見てきわめて困難ではないか云々、その次に、これはあとから聞くことですが、作戦要求上あくまで増強する場合には徴兵の論議が対象となることが予想される。この予想されるというのは新聞記事ですが、人数については十八万名、十個師団、その一個師団がふえるかふえないか、これは第一次といいますか、今の防衛計画が終ったあとのことについての、あなたから言わせると観測記事かもしれませんけれども、第二次防衛計画の検討にそれぞれの幕僚研究室が着手をした。海幕の場合には企画室を設ける。その企画室で第二次計画の準備を進める。その第二次計画の中身ですが、そういう何と申しましょうか、要請というか、あるいはそういう考慮というか、こういうものはおありにならないのですか、あるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/118
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119・船田中
○国務大臣(船田中君) それは先ほど来申し上げておりますように、各幕僚においては常にわが国の防衛態勢をどういうふうにして整備するかということについて研究しておるのでありますから、そういうことを考えておる者もあるだろうと思いますが、しかしここに私が責任をもって申し上げる案としては確定したものは持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/119
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120・吉田法晴
○吉田法晴君 確定したものは持っておらぬことは先ほどから了承しておることですが、しかし問題は、これは単なるやはり新聞ニュースじゃないんですよ。あるいは幕僚なら幕僚の中でそういうことを考えておるだろう、その幕僚の考えと、それからたまたま私どもが聞いておるアメリカの要請とが合致をしておるから、あなたたちは否定をされるけれども合致するから、そこでそういう方向に今の六カ年計画が終ってもさらに増強をせられるという方向にあるのじゃないだろうか、その点が一つ。
それからもう一つは、今幕僚で考えているものがあるかもしらぬ、こういうことだけれども、しかしこれはシヴィル・コントロールの問題もありますが、内局と、それから自衛隊の何といいますか、制服の考えもありましょう。従ってそれはそういうことも考えておる者もあるだろう、こういう無責任な答弁をされるのじゃ、これは防衛庁長官として私はどうかと思う。もう少しまじめに答弁して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/120
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121・船田中
○国務大臣(船田中君) まじめに答弁しろとおっしゃられれば、私はまじめに答弁しておる。それで今あげられたような数字は、それはいろいろ論議をしておる過程に出た数字かもしれませんから、そういう責任のないものについては、こういう公けの席において私が責任を持って答弁する資料にはならぬということで申し上げておるのでありまして、私は決してふまじめな答弁はいたしておりません。
それから先ほどお尋ねの前段でございますが、昭和三十五年度の、いわゆる防衛庁試案の六カ年計画、長期防衛計画の終った後の第二次計画についてはどうかというお尋ねでございますが、第二次計画については、今私どもといたしましては何ら計画を持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/121
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122・吉田法晴
○吉田法晴君 何ら計画を持っておらぬということは、今の防衛計画上にはふやそうという考えは持っておらぬ、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/122
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123・船田中
○国務大臣(船田中君) ふやすかふやさぬかということについての計画を持っておらないということでございまして、ふやさないとも申し上げかねますが、ふやすとも申し上げかねるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/123
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124・吉田法晴
○吉田法晴君 しかし、これは今の防衛庁長官として幕僚その他でどういうことを考えておろうと、それは正式な話じゃない、あるいは防衛庁として、政府としても正式な話じゃないというなら、今のところ要求をしておる三十一年度予算、あるいは防衛計画というものについて責任を持たれるなら、前からまあ質問をしておることですから、第二次防衛計画というものは立てないなら立てない、あるいはそれ以上に増強するなら増強するという計画はないということか、それでなければ、第一次防衛計画が、今の六カ年計画が済んだらさらにふやすかもしらん、こういう方針だと、はっきり方針はなければならぬ。今のように、それはふやすとも言明しかねますけれども、それはふやさぬとも言明しかねますというなら、否定されるけれども、アメリカ側からの要望も、十個師団からの単位についてもっとふやせという要望も否定するわけにいかぬだろう。あるいは幕僚会議の中で第二次防衛計画について考えておるということも否定するわけにいかぬでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/124
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125・船田中
○国務大臣(船田中君) 防衛の責任者といたしましては、先ほど来御説明申し上げておりまする防衛庁試案として、昭和三十年度から三十五年度に至る六カ年の間に最終において陸上十八万、海上艦艇十二万四千トン云々というこの目標を達成するために、まず国防会議が設置されましたならば、諸般の資料を整えて、そうして政府としてこの長期防衛請願を確立をしてもらう。まずこれを国防の最小限度のものとしてその実現をはかるというところに努力をして参りまして、その後のことにつきましては、これは国際情勢もよく見て参らなければなりませんし、またアメリカ側との共同防衛についての十分な連絡と研究もして参らなければならぬのでございますから、従って第二次計画につきましては、現在のところ何とも申し上げかねるということでございます。すなわち第二次計画というものは、今のところ持っておりませんということを正直に申し上げておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/125
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126・吉田法晴
○吉田法晴君 第二次計画を持っておらぬということは了承をいたします。正式に持っておられぬということは……。ただ、今、国際情勢の変化あるいは防衛、共同防衛の建前云々という話があった。もう一つは、これは従来言われてきた日本の経済力の限界という点もありましょう。従来の説明でいうと、防衛六カ年計画なら六カ年計画というものがこれは限度だということの説明はございました。第二次防衛計画云々ということは今まで全然なかった。話に全然なかった。私ども念を押したけれども、そういうものはございませんということだった。そうすると十八万なりあるいは千三百機、十二万四千トンということで終るということを了承しておる。その審議の最中に、新聞ではありますけれども、第二次防衛計画というものが報ぜられた。防衛庁の試案であろうと、幕僚研究室の案であろうと、そういうものが出て参りました。しかもそれにはちゃんとそのような数字が入っておる。それから一部には来年度の予算までついて出てきている。そうするとこれはやはり限度はないのだ。アメリカならアメリカから池田・ロバートソン会談のときにもこういう案があったというし、しかし六カ年計画なら六カ年計画ができても、先はエンドレスだ。こういうことを感ずるのはこれは当然で、しょう。その間に鳩山内閣として限度はないはずだ。ズロースはないのだ。これは心配するのは当然だと思う。私はまあ失言だと言われました。しかしたとえば攻撃があった場合には外国の基地もたたくか、たたかないかということは、これは大問題だ。そこで質問して、船田長官に自衛の範囲というものをちゃんとはっきり線を引いてもらうことにしてもらった。僕がこの間やってもらったことを、先ほど堀さんとの間に質疑がありましたけれども、その質疑では明らかになりませんでしたけれども、私はこの間の答弁で了解をして、これはやはり限度を引かなければ、ちゃんと限度を引かなければこれは大へんなことになる。これは国を滅ぼすことになってくる。これは幕僚なりあるいは制服の点では数がふえることが、あるいは力がふえることは望ましいでしょう。望ましいでしょうが、それではそれに対して防衛庁長官としてあるいは政府としてどれだけのコントロールをされていくのか。これはやはり大問題だと思う。言われるようにそのズロースはあるのかないのか。あるいは限度があるのかないのかということは、防衛庁長官としてのはっきり言明を願わなければ、どうも聞いていると、場合によっては憲法解釈の点についてもズロースがないように感じられたり、この間ちょっとズロースをはいてもらった防衛計画についても、そうすると自衛隊法の一部改正なりあるいは防衛庁の法案、それ自身は小さいものです。小さいものだけれども、これはいつまでたっても審議する限度はないのだ、あるいはあるのだと、こういうことを感ずるのは、これはやはり大臣として大きな問題だと私は思う。そこで時間を私いただいてその点を明らかにしていただきたいと質問をしているわけなんだけれども、今のお話ではっきりいたしませんが、どういうことなんですか。共同防衛あるいは国際情勢ということで向うから要求があったかもしれぬ、あるいはあるかもしれない、あるいは国際情勢の変化というのはこれは三年たてば三年、少しは変化がありますよ。どんどんとにかくふやしていくのか、その点を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/126
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127・船田中
○国務大臣(船田中君) 防衛庁の責任者といたしましては、先ほど来お話し申し上げております防衛庁試案として持っておりまする目標を達成することに最善の努力をして参りたいと考えておるのでありまして、それから先のことは計画を持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/127
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128・吉田法晴
○吉田法晴君 それから先のことは計画を持っておりませんということですが、それでは幕僚その他の、新聞紙に報ぜられておりますような要請が、あるいは共同防衛という建前からある。あるいは防衛庁の何と申しますか、制服と申しますか、あるいは幕僚と申しますか、そういう点からいたしました場合にはどうなんですか。先のことはわからぬというのですか、今はないのですけれども、先のことはわからぬというのですか。それともそれについての防衛庁長官の正式の方針を承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/128
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129・船田中
○国務大臣(船田中君) 先ほど来申し上げておりまするように、防衛庁の試案を達成する、これは政府案としてまだきまっておるものではありませんが、国防会議法が通過いたしまして、国防会議が設置せられましたならば、国防の基本方針あるいは防衛計画あるいは防衛生産等、あらゆる資料を集めまして、そうしてこの防衛庁試案として持っておりますものをぜひ長期防衛計画として、政府案としてこれを確認してもらいまして、目標を達成するということに努力して参りたいと思います。
それから先の第二次案というものにつきましては、全く私のところで今、現在において何ら計画を持っておらないことは、ここに再び申し上げるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/129
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130・吉田法晴
○吉田法晴君 今こういうことになっておるという今の説明は何べんもまあ昔から聞いてきたわけです。耳にタコのできるほど聞いてきたのですが、それも問題だと思うのですが、国防会議に逃げてしまう。防衛庁長官は防衛上の責任者なんです。まだ国防会議ができもせぬのに、国防会議の設置法はなるほど衆議院に出ておる。これは通るか通らぬか知りませんが、あなたは通るように思っておるかもしれませんが、しかし責任者が、これからできる、今まだできておらぬような機関に逃げ込むことは、私は無責任だと思う。無責任だと思うが、それはいいとして、今伺っておるのは、新聞紙等で第二次防衛計画の大要といったようなものが報ぜられたりするが、これは今のあなたのお話のように、六カ年計画を持っておって、六カ年計画を何というか、推進したいというか、これをとにかく今やることがさしあたりの最大の問題であって、第二次防衛計画のときには問題ない、これはまあ私の知るところではないというなら一応わかりますが、しかしそれにしても現に出ておる。だからこれについては感想と申しますか、防衛庁なりあるいは政府の態度というものも聞いておるのですから、もう少しこれについてのとにかく感想というか、決意というか、そういうものを一つ承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/130
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131・船田中
○国務大臣(船田中君) 防衛六カ年計画、いわゆる防衛庁の持っております試案を達成するということがまず急務でありまして、そのために努力をして参るわけでありまして、それから先の計画は考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/131
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132・吉田法晴
○吉田法晴君 そんならこういう新聞記事を防衛庁なら防衛庁から出たということは、遺憾だといいますか、あるいは申した者があれば不謹慎だというのですか。あるいはそういうものは考えておらぬので、防衛庁としても何と申しますか、その責任を究明する、そういう態度ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/132
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133・船田中
○国務大臣(船田中君) 新聞に一々出ることを私が責任を持ってここに答弁申し上げるというわけには参りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/133
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134・吉田法晴
○吉田法晴君 責任を持って答弁されぬ……。あなたの責任は、それはあなたの部下からこういうものが出たのですから、これは何もないならこれは出やしない。それはあなたがこの記事について全面的な責任を負い得るものではないということはわかります。わかりますけれども、防衛庁の中からこういうものが出たことは間違いない。この中に名前は書いてないけれども、陸幕研究室は云々、あるいは海幕も企画室を置いて云々ということですが、その研究室なりあるいは企画室に入る予定の人といいますか、入るべき人等の中からそういうものが出ているのでしょう。これにはいろいろな重要なことが書いてあります。それについて防衛庁長官としては、あるいは政府としては、そういうものについて責任を負えない、あるいは私がこういう計画を取り上げて長官に質問をするということが迷惑だというのならば、こういうものをとにかく発表したものについてその責任をとるか、あるいはそういうものについて全面的な否定をされるか、これはどちらかでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/134
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135・船田中
○国務大臣(船田中君) 新聞の記事につきまして一々どうもここで責任を持つというわけには参りません。それが、新聞記事が自衛隊の幹部から正式に発表したものとか、あるいは責任を持って声明したとかいうことで、それが間違っておる、防衛庁の方針と違ったことを言っておるというのなら責任の究明ということもございますけれども、そういう予想的な記事、多分にそこには想像も入っておると存じますが、そういう記事が出たからといって一々下僚の責任を究明するというわけには参らぬと思います。それは決して穏当な方法ではないと思います。もちろん自衛隊あるいは防衛庁の幹部が世間を惑わすような発表をしたり、あるいは言動をするということがありますれば、これは厳に戒めて参らなければなりませんけれども、しかし新聞に予想的な記事が出たというので一々それを取り上げて、その責任を究明するというわけには参らぬと私は思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/135
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136・吉田法晴
○吉田法晴君 これがたとえば民間の軍事評論家というか、そういうものもありますから、そういうところから出た記事なら、あるいは話ならばそれは問題ないですよ。あるいは生産問題について、軍需産業問題について経団連の防衛産業委員会からこういう希望を持っておる、あるいはこういう計画を持っているというのならまた別問題です。しかしこの記事は防衛庁の中から出たことは間違いない。名前まで書いてありますよ。あるいは陸幕研究室は後に陸将補を長とし、定員四十名を有する云々と書いてあります。そこから出たか出ないか知らぬけれども、そういうところから出たことは間違いない。直接野尻陸将補がしゃべられたかどうかは知りません。しかしその辺から出ておることは間違いない。陸幕研究室云々と書いてあるのです。これはあなた見ておられるでしょう。そうしてそれが防衛庁の方針として、あるいはたとえば今の防衛計画が終ったらその次の第二次防衛計画の検討に着手したと書いてある。前の方をあれしますと、お読みになっていると思うのだけれども、今国会で国防会議が成立し、防衛計画の実施が本格化することを予想し、現行六カ年計画の目標達成後の情勢に対応するため第二次防衛計画の検討に着手した、こういうようなふうに書いてある。これが防衛庁の正式のきまったとにかく方針であるかないかということは、あなたの答弁からもわかります。しかし、とにかくこういう意見がある。あるいは要望がある。しかもそれが私どもの考えるところでは、アメリカの要望とも関連をして今の六カ年計画のあとにそういう計画があるのじゃないかと考えるから、今の説明はそれはさしあたりの話であって、先はこういう、とにかくエンドレスなあれがあるのじゃないか。たとえば日本の経済力から考えてみて、今はこうなんだ、しかし国民所得がふえればふえるだけ、二・三%ということを言われておるけれども、それは先まで幾らでも行くのだ。あるいはたとえばそれは防衛庁の中の説明ですけれども、近代的な戦争をやろうという考えはない。それは最小限度の、局地と申しますか、局地戦と申しますか、あるいは侵略に対してさしあたりのささえに役立つだけの自衛力を持つのだというお話だけれども、しかしそれにしても、これは何と言われようと軍隊ですね。軍隊ができてきたら、そこから無制限に大きくしていくという要望が出てくることは、これは今までの実績から見てそうでしょう。そういう傾向がある。そうするとこれはこれだけでなくて、もっと拡充計画あるいけ拡充の希望といいますか、意見が出てくることは、これは間違いない。そういうものに対して防衛庁は、今のところ長官としては知らぬ、あるいは政府としてはそういうものについて省議も閣議もやっておらぬから知らぬ。知らぬでおいても太るものはだんだん太る。しかもそれは戦争じゃありませんけれども、しかししておることは同じだと思う。あるいは満州事変が起って——満州事変は関東軍なら関東軍で起されたのですけれども、それが不拡大方針にもかかわらず、どんどん拡がっていく、これはある程度のこうした実力軍隊ができれば、それは自分で大きくなっていく。あるいは大きくなるために事件もこしらえていくだろう。これは警察だって軍隊だって同じです。それが軍隊であるだけに、実質軍隊であるだけに私は危険なものを持っておると思うのです。シヴ・コントロールが厳重に行われておると言われておりますが、私はその点について疑問を持っておりますが、あなたはその点についてそんなに心配しておらぬようであります。これについてのとにかく感想といいますか、それは全然その点は知らぬから、そこでそれについては説明をする限りではない、こう言われるか。あるいはもう少しこれに対して政府というか、あるいは長官としての感想をお持ちになるのか、重ねてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/136
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137・船田中
○国務大臣(船田中君) 私が本会議なり当委員会において御説明申し上げておることが、これが政府の方針でありまして、ただいまお読み上げになりましたような新聞記事は、私は責任を持ってそれについてお答えするわけには参りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/137
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138・吉田法晴
○吉田法晴君 ですから、その一々の具体的内容についてはとにかくとして、大まかな方針として、今の計画が達成されたら、あと第二次防衛計画というようなものを立てるのか立てぬのか。あるいはそういうエンドレスにとにかく拡大していこうという方向については、とにかく政府はどういう方針を持っておられるか、それを承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/138
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139・船田中
○国務大臣(船田中君) これにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、防衛の責任者といたしましては、防衛庁試案として持っておりまする長期防衛計露をなるべく円満にすみやかに達成するように努力をして参るということでございまして、第二次計画はしばしば申し上げる通り現在持っておりません。それからただいま吉田委員は非常に制服の権力が強くなるだろうという二とを御心配になっておりますが、戦後の自衛隊におきましては政治優先というところを堅持して参るのでありまして、すべての問題は内閣が責任を負い、そうしてすべての大きな問題については国会の自由な御論議によりまして多数の意思によって決定するということになるのでありますから、戦前におけるがごとき一部の制服のやっておりますことが直ちに政治を支配する、国政を動かすというような心配は毛頭ないと私は信じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/139
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140・吉田法晴
○吉田法晴君 それは一部の、あるいはかつての桜会、緋桜会とかいったような一部の軍人が政治全部を引っぱっていくというようなことは、これはすぐに想像されることではありませんが、しかし制服と、それから何といいましょうか、内局と申しますか、これはシヴ・コントロールの政治優先の原則が防衛庁の中、政府とあるいは日本の制度と、それから防衛庁の一般的な関係もですけれども、それはやはり防衛庁なら防衛庁の中にもこれはあるべきでしょう。あるいは防衛庁長官なら防衛庁長官が政府の一員としての防衛庁長官がこの防衛庁あるいは防衛隊の中でのほんとうのこのコントロールをする執行機関だ。これはやはり防衛庁の中の組織機閥にもあるでしょう。あるいは運営の中にもあるでしょう。そういう何といいますか、全般的なあれだけでなくて、防衛庁の中での制度土あるいは組織上の保障というものがなきゃ、ならぬと思うのですが、そういう際に、たとえば内局なら内局というものに全然相談なしに、あるいは陸幕なら陸幕、あるいは海幕なら海幕の中からこういう計画案が出ていくというところに、私はやはり問題の芽生えがあると思うのですが、それについてはどうですか。新聞はどこから、あるいはどういう考え方がどこであろうと、そういうことは自分の知ったこっちゃないと、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/140
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141・船田中
○国務大臣(船田中君) 政治優先ということは防衛庁の中においてりっぱに実行されつつあります。従いまして政府案として確定いたしまするのには、もちろん各幕僚の意見も聞きますが、しかし内局においてこれを審議をし、予算等につきましても大蔵省その他関係省とも十分協議をいたし、そうして政府案として提出するということになり、なお国会がこれについて自由な論議によって決定するということになるのでありますから、ただいま御指摘のような、制服が国政を左右するというような心配は毛頭ないと信じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/141
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142・吉田法晴
○吉田法晴君 防衛局長も来ておられるようですから、防衛局長に伺いたいと思うのですが、その陸幕あるいは海幕といったようなあれが出ておりますが、これは一々あげると切りがありませんけれども、こういう何といいますか、客観的なやはり事実も相当あります。あるいは客観的な考えであろうと考えられるものもありますが、こういう考え方があるのかどうか、全然ないのか、あなたから一つ御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/142
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143・林一夫
○政府委員(林一夫君) 先ほど長官からお話のありましたように、新聞に出ております数字等につきましては、私どもはまだ全然存じていないのであります。もちろんどのように今後増強していくかについてもまだ、先ほどお話がありましたように、方針というものはきまっておりませんので、そのような数字については存じておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/143
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144・吉田法晴
○吉田法晴君 それでは来年度の増強計画というか、新聞によると、陸上十七万、あるいは予算の総額千二百七十億と、こういったような、これは人数がきまり、あるいは装備があげられて、それから金額が出てくるのだと思うのです。これは長官は全然御存じがないということですが、さっきのお話でいうと、内局も御存じがない。あるいは幕僚室か、あるいは局長のところまでいっていいかどうかは知りませんけれども、こういう考え方があるということは、これは事実のように思うのですが、責任を持って答弁できるかどうかという段階はとにかくとして、こういう点が来年度の増強計画については、希望と申しますか、そういうものをそれぞれの自衛隊で持っておると、こういうことは言えるのですか、言えないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/144
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145・林一夫
○政府委員(林一夫君) ただいまも申し上げましたように、数字については存じていないのでございます。今後の増強をいかにすべきかということは、今後検討していくべき問題だと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/145
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146・吉田法晴
○吉田法晴君 それじゃ長官にこの点だけ伺いたいと思うのですが、自衛隊の増強の目標、数字については先ほどお話がございましたけれども、何度も繰り返して今説明を聞いておりますが、どの程度のものを持つかということについて、一応の目標なり限界なりというものがあるだろうと思いますが、それを一つ御説明いただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/146
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147・船田中
○国務大臣(船田中君) それは先ほど来申し上げている防衛庁試案として持っておりまする三十五年度において達成する(吉田法晴君「数字じゃないんです」と述ぶ)その数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/147
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148・吉田法晴
○吉田法晴君 数字じゃなくて、先ほど申し上げましたが、たとえば経済的な能力の限度というものが一つあるでしょう。それからあるいはこれは安保条約か何かにあります侵略的なものにならないようなものとして、言いかえれば自衛隊ということで、自衛なら自衛の限度、それもよそまで行かないで、これは攻撃できるというのは間違いで、守り得る云々ということですが、守り得る限度についても一応その限度というものがあるでしょう。法文じゃなくて、とにかく今の考え方を一つ率直にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/148
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149・船田中
○国務大臣(船田中君) それは先ほど申し上げたわが国の国力及び国情に相応する最小限度の自衛ということが限度でありまして、他国に脅威を与えない防衛態勢を整備するということが目標でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/149
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150・吉田法晴
○吉田法晴君 そういう今までのような抽象的な説明じゃなくて、もう少し防衛庁長官になられたのだから、法文解釈の説明じゃなくて、防衛庁長官としての説明を願いたいというのですが、先ほど私が言うように、国力に云々ということになれば、これは二・二%ということですね。それじゃあ三十五年の二・二%、三十六年度の国民所得がふえると、こういう計算にすれば幾らでもゆきましょう。しかしそれじゃあ最大限の増勢は、国民所得の増加に正比例するということになれば、先のエンドレス的な、経済的な問題だけになる。ところがそうじゃない。そうじゃなくて、国外に全然出ることはない。あるいは侵略的な要素は持たないんだ。守り得るだけ、しかもそれが近代戦に耐えるというのでなければ、さしあたりとにかく日本なら日本において防げる云々という限度、その限度を、たとえば数字なら数字についていえば十八万なら十八万という数字ならありますが、今の十管区というか、そういう限度が出てくるでしょう。そういうものがどういういろんな要素、経済的にはどう、あるいは力の点においてはどう……。守るというけれども、その守るという具体的なあれをもう少し明確にお示しを願いたい。そういうものがあるのかないのか。経済力云々ということで、先のエンドレスのような感じもするし、それから説明は国情と国力云々という話があるけれども、新聞記事等を見れば先はないような感じがする。それから、それでは完璧を期するということになれば、どんな守勢にしろ、あるいは守るにしろ、これはだんだん大きくなっていきますよ。だからそういうものについてのどこか限界、目標というものを政府はお持ちになっているのかどうかと、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/150
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151・船田中
○国務大臣(船田中君) これは御承知の通り三十年度の防衛関係の総額千三百二十七億円を、国民所得六兆六千六百億円に比較いたしますと二%、それから予算総額九千九百十四億円に対比いたしますというと一三・四%ということになっております。また三十一年度におきましては防衛関係費総額が、これは防衛分担金、施設提供費等を入れて千四百七億円、これを国民所得の六兆八千九百九十億円に比較いたしますと これまた二%、総予算額一兆三百四十九億円に対比いたしますと一三・六%、こういう数字が出ております。従いまして、大体長期防衛計画におきましても二%強というところを目標に抑えておるわけでありまして、これを日本と同じような敗戦国である西ドイツやイタリアに比較いたしましても、その数字ならば決して多きに失するということはないと存じます。御参考のために申し上げますと、西ドイツにおいては八%、国民所得に対して八%三になっておりますし、イタリアにおいても四%四というような数字が出ておりまするので、まず二%強ということならば、大して国民に大きな負担をかけるものではないというように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/151
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152・吉田法晴
○吉田法晴君 それは外国の数字等も出されましたが、これは国民所得の総額を考えなければならぬし、あるいは一人当りの生活の水準ということを考えなければなりませんから、それは比較にならぬのですが、私が聞いておるのは、そういうものでも限度がたとえば絶対力についてあるのかどうか、国民所得の二%強なら二%強ということでも、それだけでいうならば限度はないでしょう。三十五年度なら三十五年度になって、あなた方は否定されるけれども、二千百億から二千二百億くらいを考えておられるようですが、これは経理局長から御説明願いたいが、そういう目標をお持ちだそうなのです。これは予算委員会でも否定されたけれども、総額三十六年度に二千百億ないし二千二百億というものをお持ちだそうですが、そうすると三十七年度になると国民所得がふえる、まあこれはふえるでしょう。ふえるとなると、二千百億とか二千二百億とか、またこれはふえます。いつまでたっても限度がない、パーセンテージだけからいうならば。そういう限度があるのかないのか。たとえば別にさしあたり考えられる何と申しますか、一集団なら一集団の攻撃をさしあたりこれを撃滅するということじゃないけれども、ささえるとか何とかいうことで、たとえば十個師団とか十管区とかいう考え方じゃないでしょうが、そこに一定の限界がありましょう。その限界もない、あるいは経済上の限界もない、それからあなた共同防衛云々という話がありましたが、共同防衛はアメリカからの要請でしょう。アメリカの要請があったら幾らでもいくのか、そういう限界があるのですか、ないのですかということをお尋ねしておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/152
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153・船田中
○国務大臣(船田中君) これも先ほど来申し上げておりますように、防衛庁試案の二十五年度における数字、たびたび御説明申し上げておることでございますが、これは国防会議ができてどういう決定を見るか、それは防衛庁試案の通り、その通りにいくかどうかということは、それはわかりませんけれども、防衛庁としては、あの試案に掲げてある目標を達成するということを今考えておるわけであります。従ってこれを財政的に見れば、国民所得の大体二%強、従って国民所得が相当増額すれば二%強をこれにかけますれば、ある程度の増額はこれはやむを得ないと思います。またただいま立てております防衛庁試案を達成するという上においては、大体財政面から見まするというと、国民所得の二%強というものを見ておるわけであります。その数字が昭和三十五年度の最終年度において、先ほど来御説明申し上げておるような目標を達成するということを目標にして、その努力をしておるわけでございます。そこにおのずから全く野放図にいくものでないということはわかるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/153
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154・吉田法晴
○吉田法晴君 これはまあ経理局長ではないかもしれませんけれども、大臣から答弁がないから伺いますけれども、国民所得とそれからパーセンテージと勘案して、三十六年度、装備費と、それからその他、人件費が中心でありましょうが、一緒にして大体同額ということで、もうそのときには防衛分担金等はないという前提で、二千百億とか二千二百億とかいう数字を予定をしておる、こういう話ですが、これはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/154
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155・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 大臣からしばしば御答弁ございましたように、将来の計画につきましては、的確な数字を現在算出いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/155
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156・吉田法晴
○吉田法晴君 それからもう一つ、大臣が答弁せぬから局長答弁できぬということになるのですが、十八万、十二万四千、一万三千というその限度のほかに、自衛隊のとにかく増強について限度があるのかないのか、あるいは経済的に、あるいはその使命というか、考えられておる、この点は今答弁がなかったのですが、逃げられて、今の計画については、十八万あるいは十二万四千、一万三千、こういうことで限度がございます、こういうことなんですけれども、それは第一試案の今の六カ年計画の話ですが、そのほかに、それは数字はそうなっておるというだけの話です。使命というか、経済的に、あるいは論理的に限界はないのですか。先ほどからお尋ねをしておるところの具体的な解決がそこにあるから聞いておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/156
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157・船田中
○国務大臣(船田中君) ちょっと吉田委員の御質問になる御趣旨がよくのみ込めないのですが、頭が悪くてどうも困ったことですが、先ほど来昭和三十五年度に達成する一応の目標、防衛庁試案として掲げておる数字はおわかりになっておるし、そうしてしかも、それは財政的に見れば、国民所得の二%強ということでございまして、それ以上にどういう目的あるいは使命といいますか、そういうものを自衛隊が持つかというお尋ねでございますが、その御趣旨がどこにあるか、私はっきりつかみ得ませんが、われわれといたしましては、どこまでも自衛のための必要最小限度のものということを目標にして、またその方針にしておるのでありまして、決してよその国に対して脅威を与えるような強大なものを持つという考えは毛頭ございません。
なおアメリカ側の要請云々というお話も先ほど来しばしば繰り返されたようでありますが、わが国土の防衛はどこまでも自主的にアメリカと協力して防衛するという方針であり、またその態勢をとっておるのでありまして、従って日本が自主性を持っておればこそアメリカと協力をして参るのでありまして、アメリカの言うなりになっておることは毛頭ございません。これはどこまでも今後におきましても、日本の防衛は日本が自主性を持って、そうしてアメリカと緊密な協力をして日本の防衛態勢を固めていこう、こういう方針でいくつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/157
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158・吉田法晴
○吉田法晴君 まあ限度問題なんですが、方向を示して、それぞれ経済的にあるいは防衛の態様について目標と限度があるのですけれども、それを今お尋ねをしたのですが、御答弁はなく、今のような抽象的な御説明があったのですが、それでは自主的に防衛をするのか、あるいは共同防衛か、こういうことを、それは説明がございましたから、それではお尋ねいたします。自衛の最小限度というけれども、しかし今あなたがお話しになったように、自主的に防衛する。自主的に防衛するということも、しかし自力で、日本のとにかく防衛力だけで防衛をするということと、それからアメリカとの共同防衛ということで防衛する、これはうんと違いがあります。そうでしょう。われわれは可能性はないと思うけれども、あなた方はまああると考えるのですが、外国からの不正の侵略があった場合に、これを防衛することができる。しかしそれはどういうことがあるかわからぬ。私ども水爆やあるいは誘導弾等で向うからの攻撃があるとは思わぬけれども、どうも自衛隊あるいは防衛庁もその点をお考えのようだけれども……。そうすると、今考えられておるような十八万、あるいは十二万四千、あるいは一万三千で防げると考えることもできるでしょう。あるいはその倍もいかなければ防げないという考え方もあるでしょう。あるいは、たとえば水爆や誘導弾等で攻められるならば、それではみな原水爆を伴った重爆撃機あるいはロケット弾をもって防ぐという考えもあるでしょう。その点はどうなんですか。自主的な防衛と、それから共同防衛と同じだと言われましたけれども、日本だけで、日本の防衛力だけで防ぐというのと、アメリカの防衛力も加えて防ぐというのとでは、これはうんと違う。日本の防衛力だけで防ぐという建前ではないように私は思うのですが、安保条約、あるいは自衛隊を作るときの最初から考えてみてもそうだと思うのだけれども、その点はどういうふうにお考えになるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/158
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159・船田中
○国務大臣(船田中君) 自主性を持って日本の防衛態勢を整備していくということは、何も日本の独力で日本の防衛態勢を整備するという意味ではございません。日米安保条約の規定によりまして、わが国の防衛については日米共同で防衛するということになっておるのであります。しかし共同ということは、こっちが自主性を持っておればこそ共同ができるのでありまして、アメリカに隷属しておるという意味ではないわけです。そういう意味において日本は自主性を持って日本の防衛態勢を整備しつつあるのだ、もちろんアメリカの協力を得て、アメリカと共同して日本の防衛をやっておるのだ、こういうことを申したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/159
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160・吉田法晴
○吉田法晴君 それは、まあ説明はわかりました。自主性の説明は。私どもはそうでないと思うけれども、あなたの自主性という意味は、強制されて、あるいは隷属されておるのではないという説明はわかります。ではそういう共同防衛ということでどの程度のとにかく日本として防衛力を持つというお考えですか、見解があるんですか、ないんですかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/160
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161・船田中
○国務大臣(船田中君) ですから先ほど来申し上げておる自衛のための必要最小限度の防衛態勢を整備するということが、すなわち防衛の限界であります。すなわち国力と国情に相応する最小限度の自衛態勢を整備する、これがすなわち防衛の根本方針であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/161
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162・吉田法晴
○吉田法晴君 また返りましたが、自衛の最小限度といっても、その最小限度も数字に出してくるとにかく根拠があるでしょう。たとえば先ほど経済云々といえば、それは皆国民所得の一%強云々、二%強といっても、それは昭和三十六年なら三十六年に幾らになる。ところが三十七年になればそれは二千二百億にふえるでしょう。予想されておるものよりもふえるでしょう。先は変動するのですか、そうではないでしょう。だからどの程度のとにかく自衛力を持つか、それは国民所得だけでもない。それからあるいはたとえば十八が出てきた根拠、十八万とかあるいは十二万四千、一万三千というものが出てきた根拠はどういうところにあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/162
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163・船田中
○国務大臣(船田中君) それは日米共同いたしまして日本の防衛に当っておる。そうしてアメリカの駐留軍は、陸上戦闘部隊は早期に撤退するということでございますから、従ってそれと見合ってできるだけわが方の陸上自衛隊の整備を急いでおる。すなわち陸上十八万という数字は、そういう情勢を勘案いたしまして、昭和三十五年度にぜひとも十八万に持っていくようにしたい、かように考えておるわけであります。それから海上の十二万四千トンというのは、これはわが国の港湾の防衛であるとか、あるいは護送船団とかいうようなことを考えまして、そうしてその最小限度の十二万四千トンという数字を出しておるわけであります。航空につきまして、練習機をも含めて千三百機というのは、要するにこの国土の重要な地域の防空、それから哨戒偵察、こういうことを主にいたしまして、なお地上の作戦及び海上作戦に協力する、そういう必要から大体千三百機という数字を出しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/163
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164・吉田法晴
○吉田法晴君 まだ満足な答弁がいただけませんが、その答弁にきっかけを持って質問しているわけではございませんが、日本で自主的にこういう目標というものがなくて、今、陸上についてはアメリカ軍の地上部隊の早期撤退に見合って、あるいは撤退し得るように急いで三十五年に十八万、こういうことですが、この急ぐという点から言うと、ことし一万、来年一万、あるいはその次に一万、こういうことになるのかお尋ねしたのですが、その辺の御答弁がなかった。それから早期撤退を求める云々ということですが、あなたも三十五年度に必ずしも撤退をするということも断言できないと思う。それはそのときに別に協定を要するのだ、協議か協定を要するのだ、こういう今お話でしたが、これは日経ではありません、産経であります。ほかにもあったと思いますが、本年中に駐日米地上軍の数を削減する計画がないという、日本政府の談話を否定する報道が新聞紙、これはあちらこちらですが報道されている。三十五年になって、その前かもしれませんけれども、十八万なら十八万になったからと言って必ずしも撤退するわけではない。しかしそれは撤退の要件になるのだ、撤退交渉をし得る条件がそろったものと考える、こういう答弁をしておられると思う。少くとも三十一年度につきましては新聞記事も、新聞記事だから責任持たぬと言われればそれまでですが、しかしあなたは十八万になったからといって必ずしも撤退するわけではないという言葉をさらに進めて、日本側で陸上自衛隊を増強したとしても、必ずしも米軍がそれに正比例して撤退するわけではない、こういうことがはっきり出たわけなのですが、この辺はどうなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/164
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165・船田中
○国務大臣(船田中君) それは予算委員会及び当委員会においても御説明申し上げておりますように、防衛庁試案が昭和三十五年度において達成されるといたしましても、それに見合って必ず米軍が撤退するものだということを断言はできないということを申し上げておるのでありまして、今日もそのことについてはここに繰り返して申し上げる次第であります。ただそれだけの自衛態勢が整備されますれば米軍撤退の基礎ができる。それから米軍が撤退するかしないかということは、これは日米間の協定によってできることでございまするから、従ってもし今日協定が成立すれば、それは即時にも撤退するでございましょう。しかしながら国際情勢、あるいは日本の防衛態勢、それらを見合って参りましたときにおいては、ただいま申し上げるように昭和三十五年度において防衛庁試案の目標を達成いたしたといたしましても、直ちにそれに見合って米軍が撤退するものとは私は言い切れないと存じます。米軍の撤退は重ねて申し上げますけれども、日米の協定によってできることになるのでありまして、それは国際情勢ともよく見合っていかなければならぬことでございますので、今直ちに米軍が撤退するような情勢になっておるとは申し上げかねるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/165
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166・吉田法晴
○吉田法晴君 三十五年度十八万になったときの話を今まで聞いておったし、私繰り返したいのですけれども、それもですけれども、今お尋ねしておるのは、三十五年にしろ十八万になったら米軍側に、米地上部隊の撤退を交渉し得る条件ができる、こういうお話、それなら今年度においても地上部隊が二万人の増強を、これは予算が通っているのだから増強されるでしょう。そうするとアメリカ軍に対して二万一千名と前にも言われたわけですけれども、一万名か一万一千名か知りませんけれども、米地上部隊が撤退するだろう、引き揚げるだろうと言われた従来の報道はこれは正しかったと思う。それからもし向うで否定をせられるならば、二万名程度の撤退を交渉し、あるいは先ほどのあれからいたしまして、協定になるかならぬか知りませんけれども、合意に達するように努力すべきだ。もしそういうものが年年とにかく積み重ねられていかない場合、三十五年度なら三十五年度になって十八万になったから全部帰るべきだ、こう言ったって話にならぬでしょう。従来のあれから言うと、自衛隊がふえれば向うは自動的に帰るのだ、こういう御説明、少くともそういう印象を与えるような説明であったのですが、船田長官になって、いや、必ずしもそうでない、それには交渉が要るというお話です。それならそういう交渉をして減らしていくのだ、あるいはこれは減っていくのだというならば、たとえば三十一年度なら三十一年度の分についても撤退するか、一万名、一万名か一万一千名か知りませんけれども、撤退するかどうかということは、これはことしの問題だけでなく、今後の問題でもあるのですが、その辺はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/166
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167・船田中
○国務大臣(船田中君) ただいま御指摘になりました米地上戦闘部隊が漸次撤退するということは、これは既定方針通りにやっておるようでありまして、一万一千名の撤退につきましては、もうすでに撤退を開始いたしておるのでありまして、これは従来わが方に連絡してきた通り方針の変更はないように聞いております。従来の方針通りに撤退していくものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/167
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168・吉田法晴
○吉田法晴君 そうすると本年度のあれについては、撤退については、新聞記事は間違いで、防衛庁長官としては、今年度一万程度の、正確な数字はとにかくとして、一万程度のものは撤退をするだろう、現に撤退を開始せられている、こういう答弁ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/168
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169・船田中
○国務大臣(船田中君) 極東軍に問い合せたところではそういう返答を得ておりますから、極東軍が従来わが方に連絡してきた通り予定の方針に従って撤退しつつあるものと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/169
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170・吉田法晴
○吉田法晴君 わかりました。それじゃ関連をしてついでにお尋ねをいたしますが、こういう問題について、これは問い合せは防衛庁から米軍になされたものと思いますが、たとえば三十先年なら三十五年のあれは現在でもそうだと思いますが、これはどういう筋を通して交渉されるのですか。たとえばやはり国と国ということで、外交交渉を外務省を通じて国務省と折衝することになるのですか。それとも防衛庁から問い合せる云々のように、防衛庁と米軍側との問い合せあるいは折衝というようなことで、何と申しますか、了解の推進ができているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/170
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171・船田中
○国務大臣(船田中君) 米駐留軍の撤退問題は両国政府間においての協定によって行われると存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/171
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172・吉田法晴
○吉田法晴君 限度問題はもう少し伺いたいが、限度問題はともかくとしまして、記事の中にあります重要なことで少し伺いたいと思うのですが、これからの装備について、これは陸海空それぞれ聞いて参りたいと思うのですけれども、一部供与を受け、それから一部日本で国産する、こういうことでだんだん国産がふえているようですが、それがどういうことになるのか、比率あるいは見通し等陸海空について伺いたいのですが、それに関連をするわけですが、MSA援助との関係です。主要なものについては従来供与に待っておるといいますか、あるいは、たとえば重装備なら車装備については供与を受けておるというようなことがあったようでありますが、これは陸上の場合であります。ところがMSA援助は現行六カ年計画が達成されれば一応打ち切られ、その後は自力で整備せねばならないと、こういうことが書いてございますが、そういうことなのでしょうか、一般的な方針とそれから見通しについて伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/172
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173・船田中
○国務大臣(船田中君) ただいまお尋ねの点でございますが、陸上の装備につきましては、現在米国から供与をされておりますものは、装備品甲類すなわち火砲、特車等でございますが、それについてはその全部、それから装備品の乙類すなわち車両、通信器等でございますが、これについてはおおむねその半数程度が米国から供与されております。で、今後におきましても装備品の甲類については初度装備は大部分供与に期待することになると存じますが、取りかえ——リプレイス、それから補充につきましては、漸次国産化を行なっていきたいと存じます。ただしその割合についてはまだ計画を決定するまでに、至っておりません。装備品の乙類につきましては、特殊のものを除きまして国産化の方針でいきたいと思います。なお、今MSAの援助についてのお話がございましたが、MSA援助が今直ちに変更され、あるいは中止されるということはないと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/173
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174・吉田法晴
○吉田法晴君 それじゃたとえば今の防衛六カ年計画、三十五年度ですね、これの三十五年度以降についてもMSA援助は期待されると、こういう御答弁ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/174
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175・船田中
○国務大臣(船田中君) 三十五年度以降のことについては今ここに何とも申し上げるまでに至っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/175
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176・吉田法晴
○吉田法晴君 そうしますと、たとえば甲類の初度品についてはその大部分を供与に待つ建前であると、こういうことですが、これは今後変らないわけですか。たとえばこれは今のは陸上についてお話がございましたけれども、海上あるいは航空について建造あるいは製作というものがふえて参っておるように思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/176
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177・船田中
○国務大臣(船田中君) 海上につきまして艦船、しかもその艦船のうちのボディはこれは日本でできます、今後も日本で大部分製造していくということになると思います。それから兵器類につきましては、だんだん国産化をはかって参りますけれども、当分はアメリカの供与に期待するものが多いわけであります。あるいはレーダー、ソーナーといったような新鋭兵器につきましてもアメリカの供与に待つのが多いのでございます。飛行機につきましては現にT33A、F86F、このジェット・エンジンの練習機及び戦闘機につきましては日本の方で国産化をはかりつつありまして、第一次生産協定につきましては日米間で協定がまとまりまして、現にT33Aについては数機すでにでき上っております。F86Fにつきましてはこれはおそらくこの秋から国産化されよう、国産の戦闘機が飛び立つことになると存じます。その他の飛行機につきましても、できるだけ国産化をはかるようにして参りますけれども、しかし当分はやはり初度のものについては、アメリカの供与に待たなければならぬものが多々あると存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/177
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178・吉田法晴
○吉田法晴君 その全体の限度の問題をあと回しにして、装備について聞き始めましたから聞いて参りたいと思うのですが、これは予算委員会で聞きましたがはっきりいたしません一でしたが、今供与を受けておる海上自衛隊の大型船で速力の低いものがあると、こういうことはこれはまあお認めになっていた、詳細に説明になっておりましたが、十三万四千トンの整備計画の中で、これが実際にどうなるのか、たとえばそういう足の遅いもので果して役に立つのかどうか、そこでその改造、改善と申しますか、あるいは今後の整備計画の内容について改進云々の、改善云々の意図があるのかどうか、こういう点について、それからあるいは艦艇の種類について、もう一度御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/178
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179・船田中
○国務大臣(船田中君) これは政府委員から説明をさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/179
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180・久保亀夫
○政府委員(久保亀夫君) 先般予算分科会で御説明申し上げましたように、米軍側から供与を受けておりますあるいは貸与を受けております中で、比較的性能の低いものは御承知のように大型のものではPFでございまして、これは速力は大体十八ノット、艦齢は大体十年強、十二年くらい、平均いたしまして十年強と思います。私ども今日考えておりますところでは、もちろんPFとしての性能を生かした運用、使い方を当然考えておるわけであります。これは二十八年に五年の協定で、さらにこれを延ばし得ることになっておりますが、ただいま仰せの三十五年という程度では、もちろんその中間修理等は当然いたしておるわけでありますので、現在の性能を十分維持し得るし、またその性能を理想とした運用化を考えるということで、十二万四千トンは一応これはそのまま借りていくという考え方をもっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/180
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181・吉田法晴
○吉田法晴君 いやその点はわかっているのですが、その点は前にも御説明がございました。ところがあとの、とにかく現状と、それから十二万四千トンの目標の間についてどういうようにされるのか、あるいは先ほどお話がございましたが、ボデイは日本で国産をするのだ、それから何といいますか、兵器のあれは甲類のものについては供与を受けるのだ、あるいは魚雷その他についても国産をされておるあれがあるようでありますが、今後のものについては足の早いあるいは国産をはかられるのか、それからもう一つはたとえば私はしろうとでよくわかりませんけれども、駆潜艇といったようなものは従来あまり役に立たなかった。そこでたとえば大型哨戒機等も入っておるようですが、そういう方向に力を入れられるのか、そういう今後の何と申しますか、重点をどういうように置かれるのかと、こういうことのお尋ねをこの前もしたのですが、それについて答弁がなかったから、その点を答弁願いたいと言うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/181
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182・増原恵吉
○政府委員(増原恵吉君) 私からお答え申し上げます。海の方ではただいま申しましたように、PFは十八隻あります。これは十八ノットくらい、性能が必ずしも優秀とは言えませんが。予算で認めまして造っておりますものは、大体そうした方面の主力は千六百トン級のものでありまして、速力三十ノットあるいはそれ以上のものを、最初二十八年度にお認めを願いましたものが、いろいろな事情で大へんおくれましたが、最近に完成をして引き渡しを受けるというような段階になっております。駆潜艇も予算をお認めを願いまして今造りつつあります。わが国における海の関係の防衛というものは、従来の例から見まして、港湾等においては機雷の除去ということで、まあ掃海という点が非常に重大でありまして、掃海艇も予算を認めていただきまして造りつつあり、若干は米国からも供与を受けております。また古い刑一のものを掃海艇として使っておるものもあるわけであります。掃海の面が一つと、あとは沿岸あるいは外航の護衛、沿岸の護衛等につきましては、駆潜艇あるいはPF、あるいは千トン型のもの等もこれに役立つわけであります。外航護衛、内航護衛を合わした方面は千六百トン型の、これはアメリカからもDDというクラスのもの二隻と、DEというクラスのもの二隻供与を受けておるのであります。それにこれは主として対潜ということになるのでありまするが、船だけでは十分でないという現在の状況に合せまして、航空機を海上自衛隊にも備えつける、近海のものについてはヘリコプターの活用も今研究努力をいたしておるのであります。この対潜機につきましては、最近新聞等でも出ましたが、ごく最新鋭のP2Vというのを米国から供与を受けております。そのほかに小型の対潜機も供与を今期待をいたしております。まだ明確な供与の向うから承認が来ておりませんが、大体もらえるのではないかという見込みでおるわけであります。これは艦艇によりまするものと航空機によりまするものによって両々相待って対潜措置をやろう、こういう考えでおるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/182
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183・吉田法晴
○吉田法晴君 そうしますと、護衛あるいは対潜、それも船と飛行機と御説明は願いましたけれども、質問をいたしましたこの船足の速い方に国産で重点を置かれるのか、あるいはそのP2Vについては、船だけではあれだからP2Vの供与を受けておるのだ、こういうことで事実だけはお示しになりましたけれども、船とそれから飛行機とまあどっちもだということ、こういうお話、これはまあどっちもだという点ならばわかりますけれども、前の船についての改善云々ということについては御説明がございませんでしたが、古いものもそのまま使っていくのだ、それから今後のものについては、造っていくのは船足の速いもの、三十ノット云々というお話がありましたが、あとのとにかくふやします船については国産が中心ですか、あるいは、たとえば船足の速いものを造っていく、こういうことなんでしょうか、その点はどうなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/183
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184・増原恵吉
○政府委員(増原恵吉君) 艦艇で造りまするものは、外航護衛、内航護衛といいますものを兼ねまするものは大体千六百トン級の二十ノット、あるいはそれ以上というところのものを主力にいたしたいと考えております。そのほか駆潜艇等もなお若干造りたいし、それから掃海艇もなお若干を造りたい。現在借りておりまするのは三十五年度の一応の試案の中にはこれを含めまして計算をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/184
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185・吉田法晴
○吉田法晴君 今までの分は防衛年鑑等で拝見をしてわかるのですが、これからの五カ年、六カ年計画ですか、三十五年度に至ります、たとえば十二万四千トンなら十二万四千トンの内訳と申しますかね、これは資料をいただいておったでしょうか。いただいていなければこまかく聞いておるよりも資料をいただいた方がいいと思いますが、これはどうでしょう、いただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/185
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186・船田中
○国務大臣(船田中君) これは一応の目標でございまして、その詳細の内容については、具体・案がまだできておりませんので、資料としてもお示しはできかねるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/186
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187・吉田法晴
○吉田法晴君 また始まった。今のお話のように、内航外航の護衛船については千六百トン級の三十ノット、これはまあ多少違うかもしれませんけれども、一応のあれはあるでしょう、御説明になるように。そういうのを数字というか、大体の概略をお示しを願いたいというのですが、これはできませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/187
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188・船田中
○国務大臣(船田中君) これは先ほど答弁申し上げたようにまだ具体的にきまっておりませんので、数字をお示しするという段階に達しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/188
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189・吉田法晴
○吉田法晴君 年次別というのじゃなくて、年次別と言うときらわれるから……。たとえば陸上で言うたら、これはまあ人間ですよね、その装備、あるいは軽装備、重装備に云々という点はさっき御説明になった。船の場合には人間を聞いても人間はあまり意味がないと、こうおっしゃる、飛行機なら、飛行機の場合も人間は大したことはないと、そこでとにかく飛行機の数はおっしゃらない、どういう飛行機をあれされるのか、たとえば大型爆撃機を造るのだけれどもとか、それはそうじゃないとか、こういうお話、大体出ている、説明はしてあるのだ。それをとにかく内訳にしてお示し願いたい、こういうのですが、できぬことないでしょう。どうですか、ありませんか。今説明をされたみたいなものを大体とにかくお示し願えれば、それでいいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/189
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190・船田中
○国務大臣(船田中君) その数字はできておりませんので、これもまた申し上げるということになると、でたらめを申すことになって、これはまことに恐縮でございますので、従ってこの問題につきましては、今後検討いたしまして、なるべく早い機会に防衛庁試案、どういうふうにしてこれを実現していくかというようなこともお示しすることのできるようにしたいと思いますが、今のところは数字を持っておりませんのでお示しできません。まことにいかんでございますが、これは御容赦願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/190
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191・吉田法晴
○吉田法晴君 ちょっと速記をとめて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/191
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192・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) 速記をとめて。
〔速記中止〕
〔委員長退席、理事野本品吉君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/192
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193・野本品吉
○理事(野本品吉君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/193
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194・吉田法晴
○吉田法晴君 そこで十二万四千トンという三十五年度の目標と、三十一年度末の現勢九万九千トンの差は二万五千トン、その二万五千トンをどういう艦種で整備されるかということは、これは先ほど伺っておっても、大体方向は出ている、正確なことは、これは言えないにしても……。たとえば、外航、内航をかねた警備船にしても、あるいは駆潜艇というか、あるいは掃海艇といっても、そのうち供与を受けるものを大体どの程度、あるいは国産をするものがどの程度ということは、正確なところはわからなくても、大体目標は一応お立てになっているのじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/194
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195・船田中
○国務大臣(船田中君) ただいまの御質問でございますが、先ほど塩原次長から説明申し上げましたように、昭和二十八年度の予算で計上して、御承認を得ましたものが、今ようやくできつつあるような状況でございまして、それも千トン級あるいは千六百トン級も近く完成することになっております。また計器、レーダーあるいはソーナーといったようなものも着々整備されてきておりますので、それらのものもよくみまして、そして三十二年度以降の計画を至急に立てたいと考えておりますので、どういう艦種、どれだけの数のものを作るかというようなことについては、まだきまっておりませんので、ここにお示しする段階に達しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/195
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196・吉田法晴
○吉田法晴君 わずか二万五千トン、九万九千トンは、もうこれははっきりしておる。それが中身がないというので、これは通らぬ理屈ですが、まあ仕方ない、また聞きましょう。それでは大型哨戒機ですか、P2Vが入ってきておる、これは現在数はわかっているのですか、百八十機の目標に対して百二十七機すでに整備されておる、足らぬのは五十三機ということですが、その五十三機についても、あるいはP2Vが幾ら、あるいはその他の航空機は幾ら、こういうあれもわからぬのですか、あるいはP2Vについては、できるだけ供与を願いたい、こういう工合に考えられているのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/196
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197・船田中
○国務大臣(船田中君) ただいまおあげになりましたP2V、ネプチューンという対戦哨戒機ですが、これはアメリカ側も、第一戦機として非常に重用しているものであり、わが国のように海岸線の長い国柄におきましては、防衛上最も必要な哨戒機と存じますので、これはアメリカ側に向って、強く供与を要望いたしております。
〔理事野本品吉君退席、委員長着席〕
幸いに今までに四機供与を受けまして、今後におきましても、さらに数機期待がもてることになっておりますので、これはぜひアメリカ側の供与を受けたいと思いまして、その努力をいたしております。しかしそればかりでなく、他の哨戒機等につきましても、供与の期待がもてるような状況になりつつありますので、できるだけ努力をいたしまして、アメリカ側から相当な優秀機の供与を受けたいと考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/197
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198・吉田法晴
○吉田法晴君 その五十三の内訳についてなお数機云々というお話がありました。期待できそうだというお話しですが、それは五十三のうちに入るのでしょうが、どの程度とにかく供与を受けたい、あるいは国産についても、そうしたP2Vについても国産計画があるのか、その五十三機の、何がどれぐらい、あるいは今までのところで言うと、ヘリコプターあるいは小型対戦機、あるいは今その他の哨戒機云々というのがありましたが、そういう予定といいますか、計画といいますか、希望とか、そういうものはおありになるのですか、ないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/198
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199・船田中
○国務大臣(船田中君) 昭和三十二年度以降昭和三十五年度に、どういう機種をどれだけ作るかということについては、まだ具体案を持っておりません。ただP2Vの供与につきましては、先ほど申しましたように、ぜひ供与を受けたいということで今後も努力をいたして参りたいと思います。また相当期待が持てると存じます。なお、これの国産をどういうふうにしてやるかということにつきましては、三十一年度の予算に多少の経費がお認めをいただきましたので、十分そういう点を具体的に調査を進めて参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/199
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200・吉田法晴
○吉田法晴君 それではP2Vについては国産化の計画はあるということですが、それでは三十一年度といいますか、あるいは二年度、国産についてどの程度に作っていく、数の点についてはこれは三十五年まで計画がないということなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/200
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201・船田中
○国務大臣(船田中君) それらのところは本年度中に十分研究して参りたいと考えておるのでありまして、三十二年度以降の分につきましてはまだ具体的の数字を持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/201
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202・吉田法晴
○吉田法晴君 政府委員の方から、装備局長の方から御答弁を願いたいと思いますが、貸与せられた旧式艦艇に補修費がどのくらいかかっておるのか、あるいはその就役率は年間どのくらいなのか、お答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/202
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203・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) まず私から貸与を受けております艦艇の二十一年度におきます艦船修理費を申し上げます。
まずDDでございますが、これは駆逐艦でございます。これが一隻当り千六百八十万円、端数は省略いたします。その次にDE、護衛用駆逐艦でございます。これが千三百三十万円、DF、。パトロール・フリゲート艦が千六百二十万円、LSSL、上陸用舟艇五百十万円、SS即ち潜水艇でございますが、三千三百三十万円、MSC、掃海艇、これが五百四十万円、LCU、これが九十万円、LCM、約二十万円以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/203
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204・吉田法晴
○吉田法晴君 あとの就役率をどなたか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/204
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205・久保亀夫
○政府委員(久保亀夫君) 大体一年に特別修繕というのをやりますと、約一カ月くらいであります。その間中間の小修理等、大体平均就役率は十カ月程度であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/205
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206・吉田法晴
○吉田法晴君 そうすると、特別修理二カ月その他一カ月、三カ月を除いたら大体あとの九カ月は就役しているということですか、今の御答弁は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/206
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207・久保亀夫
○政府委員(久保亀夫君) 艦によりましては、やはり程度が多少違いますから、平均して申し上げますと大体二カ月強くらいは修理その他で就役できごない、かようなことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/207
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208・吉田法晴
○吉田法晴君 航空機についてこの間から何と申しますか、シリンダーですか、ぼろぼろになって火を吹いた云々という点がありますが、船についてはそういうことはないのですね、何と申しますか、古くなって動いておるのが足がおそいという話はあります。船のことですから危険性はないでしょうけれども、そういう点はないのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/208
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209・久保亀夫
○政府委員(久保亀夫君) 格別危険と、そういったことはございませんし、通常の修理、定期大修理をしておるわけですが、性能の問題でこの前の二分科会で申し上げましたように、LSSLは比較的性能の低い艇でございまして、大体十五メーターあるいは二十メーターの風速の場合には外洋にはいけないといったような制限をいたしまして、その範囲では安全ということについては十分注意をしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/209
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210・吉田法晴
○吉田法晴君 先ほど相当、一船というのですか、一艦というか知りませんけれども、修理について費用をかけられておりますが、ほとんど共通だろうと思うのです。どういうところで修理費をお使いになっておるのですか、機関部というのですか、それともあるいは兵器関係というのですか、どういうところに修理費の主要なものをお使いになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/210
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211・久保亀夫
○政府委員(久保亀夫君) 定期大修理の際にはエンヂンから船体全部一通り修理をいたすわけでございまして、この千数百万のうち大部分は定期の大修理の契約をいたしまして、造船会社でいたしました修理費に使うというわけです。あとは小修理もしくはその他の修理こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/211
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212・吉田法晴
○吉田法晴君 そうすると、今の一千何百万円というのは、これは少くなるのもありましょうけれども、貸与を受けた最初にそれだけの修理が要るのじゃなくて、年々一つの船について一千万円を超すような定期大修理をしなければならぬのですか、先ほどの御説明を聞くと、古い船を供与を受けたから、受けるに当って大修理をして、そうして使っておる、こういうように聞いたのですけれども、そうでなくて年々一千万円、これは少くなるかしりませんが、そんなに修理費のかかるような船なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/212
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213・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 船につきましては、御案内のごとく民間の船におきましても毎年修理は必ずあるわけです。年一回必らずドックに入れまして小修理をします。民間にいたしましても四年に一回大修理をする、防衛庁の船艇におきましても同様に毎年一回必ずドックに入れて修理いたします。この年間の修理が先ほど申し上げたようなものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/213
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214・吉田法晴
○吉田法晴君 そうしますと、先ほど艦種についてお話がございましたけれども、これは一船あたりというか、一艦あたりというか、それについて所要の経費は毎年要る、供与を受けた当時だけでなく、毎年要るこういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/214
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215・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/215
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216・吉田法晴
○吉田法晴君 ついでに伺います。警備船あるいは船の種類について、それぞれの任務の御説明がありましたが、警備に、防衛に、その船団護衛ということなんでしょうか、これは防衛局長にお尋ねをいたしまするけれども、DDあるいはDEそういうものが実際に使われるときには、今は何と申しますか、演習と申しますか、あるいは訓練にお使いになっておることと思うのですけれども、その任務あるいは装艇と申しますか、そういうものはどういうことでお考えになっているんですか。掃海艇はわかります。それから駆潜艇もわかります。ところが内航、外航での護衛というお話でしたが、内航での護衛も大体これは想像がつきますが、外航護衛というのはどういうことなのか、さらに御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/216
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217・林一夫
○政府委員(林一夫君) 外航護衛と申しますのは、外洋に船団が、輸送船が出る場合に、これを守る船、主として潜水艦からの攻撃を守るというような任務を持っている船であります。現在のところは、この護衛の訓練用に使っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/217
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218・吉田法晴
○吉田法晴君 外船というのは外海でしょうが、船団の護衛、そうしますと、陸上自衛隊等が外航をいたします場合に、それの護衛をやるというのは、どういう事態が考えられるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/218
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219・林一夫
○政府委員(林一夫君) 物資を輸送する船を護衛する任務を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/219
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220・吉田法晴
○吉田法晴君 物資だけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/220
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221・林一夫
○政府委員(林一夫君) さようでございます。物資を輸送する商船を目的地まで守るものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/221
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222・吉田法晴
○吉田法晴君 そうすると、前に上陸用舟艇で北海道なら北海道に移動するということも考えている云々というお話でしたが、そういうものの護衛はされるんですか、されないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/222
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223・林一夫
○政府委員(林一夫君) 内航護衛と申しますのは、たとえば簡単に申しますと、沿岸護衛と申します。たとえば北海道から関東、あるいは九州方面から関東、その方面に物資を輸送する、その商船を護衛する、こういう意味であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/223
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224・吉田法晴
○吉田法晴君 人の護衛はしないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/224
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225・林一夫
○政府委員(林一夫君) もちろん人員、物資を輸送する責任−場合もございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/225
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226・吉田法晴
○吉田法晴君 先ほど、ここではありませんけれども、上陸用舟艇等で本土から北海道に輸送するといいますか、その上陸云々というお話がございましたが、そういうもので護衛をされる、こういうことでしょうが、そのことと、そこでお尋ねをいたしますが、これは肯定をされたわけですが、この護衛云々ということで船の性格の説明をよくなされませんけれども、あるいはわかりやすい説明をすれば、駆逐艦云々という説明をした方がわかりやすいでしょう。そうすると、たとえばあなたは荷物の護衛を主として説明せられますけれども、この人の護衛といったものがだんだん大きくなりますと、駆逐艦で、古いというか、船足のおそい駆逐艦だけでいいのかどうか、もっと大きいものをほしくなるという実情は、これはあるのじゃないかと思うのですが、その辺は今のDEなりDD、あるいはその程度のもので十分である、こういう工合に考えておられるのですか、あるいはもっと大きなものが将来要請されるということになるのでしょうか。その点はどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/226
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227・林一夫
○政府委員(林一夫君) 現在のところでは、現在装備しつつある警備艦は速力約三十ノットという程度でありまして、このような速力を持てば大体のところ適当であるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/227
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228・吉田法晴
○吉田法晴君 それから先ほど艦艇に装備をする兵器の性能の商いものは、供与を今後も期待する、こういうことでしたが、これは少し古いのかもしらぬと思いますが、実際は古いのかもしらぬが資料としてはちゃんと新しいのですが、防衛年艦によれば、三インチ単装高角砲あるいは爆雷投射機、爆雷投下軌条、ヘッジホッグというのですか、魚雷発射管、魚雷その他あるいは小型探信儀あるいは対勢儀自画盤というのですか、こういうものの——これは小型探信儀だから高性能でないと言われるかもしれませんけれども、装備の一部についても、国産への努力があるようですが、その辺については、先ほどのように高性能のものについては、あるいはボディ以外についてはできるだけ供与に待ちたい、こういう大臣の答弁でしたけれども、その辺はもう少し詳しく御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/228
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229・久保亀夫
○政府委員(久保亀夫君) 先ほど大臣が申されましたように、二十八年度の計画による新造船につきましても、搭載いたします武器については二通りございまして、原則といたしまして比較的性能の高いもの、ある意味ではまた値段の張るものにつきましては米側の供与を受ける、比較的程度の低いものについては、これは日本の現在の技術水準等をみまして、国産にするというふうに、実は金の面と技術の面二つで分けて参りまして、具体的に申し上げますと、たとえば甲型警備艦につきましては、五インチ砲と四十ミリの連装機関銃、こういうものは米側からもらう、比較的技術的にもやさしい爆雷投射機、あるいは爆雷投下軌条等はこちらで作る、それから魚雷発射管もこちらで作る、駆潜艇に載せまする魚雷につきましては、何とか技術向上の意味で国産化いたしたのであります。そのほかレーダー、それから探信儀の大型のもの、そういったものにつきましては米側から仰ぐ、それからコンパスとか航海用の諸計器類がございますが、これは日本の技術も相当水準が高うございます。こういったものは国産、こういう方針で参ったわけでありまして、二十九年度あるいは三十年度の船につきましても大体同様で、三十年度につきましては新しく三インチの速射砲というものを積むことにいたしましたので、これはやはり向う側からもらう、大体そういうことでおわかり願えるかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/229
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230・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/230
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231・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/231
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232・吉田法晴
○吉田法晴君 たとえばこの艦艇の装備自身についても、ある程度の原則といいますか、高性能あるいは価格のかさばるものについては米側に期待したい、そうでないものについては日本側でできるだけ国産化したい、こういうふうに一応御方針が出たわけですが、こういう点を、これは国産の分の経費が今後の予算の中に出てくるだろうと思うのでありますが、これはまあ総額について否定はしておられませんけれども、三十五年度なら三十五年度装備についても、一千億幾らになりますかわかりませんけれども、大体のものは出て参るのですが、それについてその内訳を、概算でもいいのですが、資料に出していただくというわけにはいきませんか。これはその前提になります一千二百億でしたか、これは経済雑誌であったと思うのですが、そういう数字が出ている。これもある程度の基礎もあり、それから推算も入っているかもしれませんけれども出ておる。この間伺ったら、全然そういうものはないと、こういうのです。しかしこの総額とそれから米側あるいは日本側という大まかな、とにかくあれは出ているわけですね。だからこれはまあ予算審議とは関係ありませんけれども、大体どの程度になるだろうか云々ということは、これはやはり国会として、あるいは議員として非常に考えるところですが、その総額、概算にしても総額、あるいはそのふるい分けというものが、大まかにも出ないものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/232
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233・船田中
○国務大臣(船田中君) これは予算委員会分科会その他の機会に申し上げておりますように、まだ具体的の数字が出ておりませんので、ここで申し上げるわけに参りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/233
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234・吉田法晴
○吉田法晴君 ついでに経理局長どうですか。総額について一千二百億とかいったような数字が出ているのですが、全然とにかく根拠のない数字ですか。それからたとえばさっきも申し上げた厳密なあれじゃなくても、概算について、あるいは概括的な数字についても出ないものかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/234
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235・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 私不敏でございまして、まだその点計算ができておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/235
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236・吉田法晴
○吉田法晴君 それではこれは人件費の基礎になるわけですから、お尋ねをいたしますけれども、十二万四千トン、あるいは千三百機というのの、これに見合う人員の数、これはまあ人間の数はあまり意味がないのだと、こういうお話ですけれども、その概数はお示し願えませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/236
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237・船田中
○国務大臣(船田中君) これは十二万四千トンと申しましても、その艦種、艦型等が決定しておりませんし、また飛行機につきましても機種、機数が具体的に決定しませんと、どれだけの乗員が必要であるかということも計算ができないわけでございまして、それらのところは今後至急に検討して参りたいと思っておりまして、今のところはその数字が出ておりませんので、お示しするわけには参りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/237
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238・吉田法晴
○吉田法晴君 大体のことは先ほど伺ってても出るのですね。特に飛行機の場合については大型と小型によって違うかもしれませんけれども、しかし、たとえば大型爆撃機は予定構想の中にないのですから、そうすると、何と言いますか、幅をとればある程度のものは出るのだと思う。アローアンスを見て大体何名から何名ぐらい、こういうことは出るのだろうと思うのですが、千三百機という点が出てるのですから、それはやろうと思えばやれると思うのですが、どうですか、まあそれじゃ船の方は抜いたにしても。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/238
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239・増原恵吉
○政府委員(増原恵吉君) 何と言いますか、大ざっぱな見当を立てる一つの資料というような意味でありますれば、大ざっぱなものはないとは言えません。たとえば船であれば三トン半——四トンに一人というふうな、これもしかし三トン半——四トンというふうなことですから、相当動くわけですが、三トン半から四トンということで三・五か四で割って一人というごく大ざっぱな、飛行機で言いますると、練習機であれば、これはその整備、通信、若干の警戒、いろいろなものがあります。そういうものを含めて練習機であると一機に大体三十人見当、第一線機が四十人見当というような大ざっぱなものがありまするが、これはほんとうに大ざっぱな見当をつけていただく資料にしかならぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/239
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240・吉田法晴
○吉田法晴君 いわばその程度のものでも一応数字が出たわけですが、千三百機の機種について、今人員についても練習機とそれから第一線機というように分けられましたが、この機種についても、先ほどのような七百十八機、大体半分近くというものが整備されていて、あと約半数いうものが整備されるというわけなんですが、その機種別の編成は大まかのもございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/240
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241・増原恵吉
○政府委員(増原恵吉君) 大体これは経過的に吉田委員御承知と思いまするが、目標を申し上げましたのは十八万とか十二万四千トンとか、あるいは長官からたびたび申し上げておると思いますが、何か一つある限度というものがわからぬと困るではないかということで、約ということで申し上げておるわけで、内容を積み上げるという作業にまだ至っていないわけです。従いまして千三百機についても機種につきましては、まだ積み上げができておらないわけでありまするが、これもさっきの三十人、四十人というような大ざっぱなところで参りますれば、約半数が第一線機で約半数が練習機系統、これも非常に大ざっぱなものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/241
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242・吉田法晴
○吉田法晴君 ありがとうございました。その点もとにかく先ほど来の長官とのなまず問答よりいくらか前進があるわけであれですが、その第一線機といわれるものの中で、長官の爆撃機は入っていないという従来のお話、戦闘機が主であるということは今まで説明をされて参ったのですが、しかし輸送機あるいは偵察機が実際にないわけでもありません。で、これは、第一線機の構成はこれもばく然とした話で正確にお尋ねをするというわけにもいかんと思うのですが、大体今のような現状の延長ですか。それとも戦闘機なら戦闘機はもっとふえる、こういうことでしょうか。あるいは爆撃機についても小さいものについては考慮される、あるいは期待される、こういうことなんでしょうか。その辺を一つ御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/242
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243・増原恵吉
○政府委員(増原恵吉君) 長官から申し述べましたように、爆撃機を持つ計画はございません。戦闘機、偵察機、輸送機というふうなものを持つつもりで、あとは練習機であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/243
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244・吉田法晴
○吉田法晴君 戦闘機中心だということはわかるのですが、戦闘機、輸送機、偵察機の割合と申しますか、それがそのままいくわけでもないでしょうけれども、その辺について多少の実績、現状について御説明が願えましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/244
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245・増原恵吉
○政府委員(増原恵吉君) 御承知のように現状はまだ航空自衛隊については緒についたばかりでありまして、現状については練習機が圧倒的に多いわけであります。戦闘機F86はまだ八機か十機ぐらいであったと思います。練習機としてのT33というジェットは七十機くらいになっております。輸送機は二十六機くらいであります。しかし千三百機という目標の場合になりますると約半数、大ざっぱに申し上げたものの多くの部分が戦闘機で、輸送機、偵察機等は比較的少い数になる見込みであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/245
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246・吉田法晴
○吉田法晴君 その輸送機の二十六というのは大体その規模は、大きさは同じくらいですか。あるいは輸送機はどのくらいの輸送能力を持つものを希望しておられるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/246
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247・増原恵吉
○政府委員(増原恵吉君) 輸送機は全部米軍から供与を受けておりますが、C46という型でありまして、正確に覚えておりませんが、約三十人ぐらいの乗員を収容できるものであります。型はそれ一つであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/247
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248・吉田法晴
○吉田法晴君 今後もそれの供与を期待せられる、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/248
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249・増原恵吉
○政府委員(増原恵吉君) 輸送機は大体供与を期待をしておりまするが、さらにできればC46よりは優秀なものをもらいたいという希望は持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/249
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250・吉田法晴
○吉田法晴君 その半数の、第一線機の大部分は戦闘機ということですが、輸送機はどの程度になるのですか、千三百の場合。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/250
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251・増原恵吉
○政府委員(増原恵吉君) これは先ほど申し上げましたようにまだ積み上げをしていない段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/251
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252・吉田法晴
○吉田法晴君 それじゃ偵察機についてもそうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/252
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253・増原恵吉
○政府委員(増原恵吉君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/253
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254・吉田法晴
○吉田法晴君 千三百機になってからの話ですが、飛行機の寿命というものは短いでしょうが、更新需要をどういう工合に見ておられるでしょうか。現に今持っておるもの、あるいは供給を受けたものについても、これはあるだろうと思うのですが、その更新についてどういう実情、御計画なのか承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/254
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255・久保亀夫
○政府委員(久保亀夫君) 御質問の意味を正確にあるいは理解し得ないかもしれませんが、一応新しいものは別といたしまして、ある時期になりますと、たとえばF86につきましては消耗補充が二〇%、これは事故その他合せまして二〇%……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/255
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256・吉田法晴
○吉田法晴君 年にですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/256
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257・久保亀夫
○政府委員(久保亀夫君) 年にです。それからT33であれば一二%とか、一応そういうことはございます。ただ飛行機の新しいうちは、現実にそういう消耗率は必ずしもあるとは限っておりません。標準の計算はそういうのが出ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/257
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258・吉田法晴
○吉田法晴君 そうすると、その補充と言いますか、更新はどういうことになるのでしょうか。今は供与もある−と、こういうことになると思うのですが、千三百機が一応そろった後になると、まあ三十五年度まで、それから三十五年度後と分けて、その更新はどういうものになさるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/258
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259・久保亀夫
○政府委員(久保亀夫君) 御承知のようにF86とT33については昨年度から国産化を期待しておりますが、これも双方で経費を分担して共同計画でやっている。そのほかに完成品としての供与も両機種について三十年度に受けておりますし、三十一年度についても相当数予定いたしておりまして、この関係では将来の増勢計画、その千三百機に至ります増勢計画と、その国産をどの程度の割合でやっていくかという点を、具体的に積み上げて、ということでありまして、将来それじゃその間に供与はなくなるということも必ずしも考えておりませんし、その辺を検討しつつ計画を検討いたしておる、かようなことでありまして、三十五年度以降につきましても、多少は違いましょうが、同様やはりこれだと言ってまだきめてはおりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/259
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260・吉田法晴
○吉田法晴君 そうすると、現状はこうだ、しかし今後はさしあたりは今のまま供与を受け、あるいは国内生産についても協力を受けるということなんですと、千三百機になってというか、三十五年度以降のことについてはきまっておらぬということのようですが、そのことは三十五年度以降についても現状の延長だと考えていると、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/260
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261・増原恵吉
○政府委員(増原恵吉君) これは具体的には決定的なものは予算の御審議をお願いするときにお願い申し上げているわけですけれども、三十一年度についてはF86を作りますのに日本側の経費は予算で御審議を願った、それに対して米側からの醵出もある。これが具体的な形でございます。T33においても同じであります。三十二年度はまた予算を御審議願う場合にそれが出てくるわけであります。三十二年度にF86でかかりますのは予算外国庫負担で御審議を願っております。次のやはり計画というものがあると私どもは予想いたしております。F86についても近く第二次の協定ができると思っておりますが、これは予算は御審議、御決定を願っております。その予算に基いた米国との協定を近くやるわけであります。第三次の計画になって、両国の、米国がどれだけ分担をしてくれるということが具体的にきまります。そういうことで三十五年度がわからんだけじゃなくて、三十二年度もまだその点は確定的にはないわけであります。しかしそれは財政負担のたえ得る範囲、国情に即していくという形で進めて参りたい、こういう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/261
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262・吉田法晴
○吉田法晴君 財政負担の許す限り国情に応じて、これはきまり文句だから、それはまあいいのですが、第一次、第二次と比べて見て日本側負担がふえている。そうすると、まあ三次以降というものについてもそういうことが言われるのかどうか、こういうことをお尋ねをしたわけです。それから、それを三十五年以降なら三十五年以降、まあ三十五年以降のことは、その前のことが明らかにならなければわかりませんけれども、そういうお尋ねをしたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/262
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263・増原恵吉
○政府委員(増原恵吉君) 現在F86とT33の組み立て並びに生産につきましては、大体日本で作り得るもの、最初は組み立てをやりますが、組み立てに要する経費は日本で持つ。若干ずつ国内産の部品ができて組み立てをするようになりますが、国内産をしますものは、日本側で経費を持つという大体の方針できておりますので、国産部分がふえますると、日本側で負担する部分がふえるという大体の傾向にあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/263
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264・吉田法晴
○吉田法晴君 だんだんふえて、いつか目標にして、たとえば完全国産なら完全国産をはかるというような御計画なのか、それとも今のままで負担の点からいえば、できるだけ供与を受けた方がよろしい、こういうことで、経済的なといいますか、財政的な観点から、供与あるいは米国負担の分が多いという方針でいかれるのか、それともだんだん完全国産化をはかるという方向でいかれるのか、そこのところはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/264
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265・増原恵吉
○政府委員(増原恵吉君) これは一面財政の問題でありまするので、その点を十分に考慮をしなければならぬことは申し上げるまでもないと思います。他方は、日本の航空機生産の技術が向上をいたしまして、国産化できるものはやはり国産をしたいという一つの希望を持っております。しかしその場合に、国産化すれば、それは全部日本で持たねばならぬということが必ずしも今決定的ではありません。しかし大体方向としては、日本で作れるものは日本で負担をするという方向が一つあるわけでありますから、技術的に申しますならば、日本でできるものは日本で作りたいという希望と、財政をにらみ合わせ、やはり両方を勘案せざるを得ないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/265
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266・吉田法晴
○吉田法晴君 たとえば今のF86あるいはT33のごとく、完全国産化を目ざしておられるのですか。あるいは目ざしておられるとすれば、いつごろそういう完全国産化ができると考えておられるのか。あるいはその場合に、F86、T33、これは違うと思いますけれども、一機、一台全部作るとして、その部品が、かりに日本で全部作られるとして、どの程度かかるものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/266
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267・久保亀夫
○政府委員(久保亀夫君) 完全国産化の目標ということでございますが、これは純技術的に見た場合と、財政面と両面がございまして、純技術的に見ますと、現在交渉いたしております第二次協定では、機体そのものの大部分とその部品、それからそれに装備しますいろいろの通信機、あるいはレーダー等がございますが、これと分けまして、機体そのものについては、この第二次協定の実行の最後であります三十三年の初めごろには大体国産化の軌道に乗る。それから装備品等につきましては、相当むずかしいものもございまして、それの六割とか七割とかいうものは国産化できる。三十三年のへ月までになっておりますから、その後われわれとしては計画を希望して一おりますが、これはどういうことになるかは別といたしまして、技術的に申しますと、そういった装備品、レーダーあるいは射撃装置、通信機等のほかに、エンジンが問題でありまして、これは相当のものでありますが、こういったものをどうするかということは、財政の問題なり、あるいは技術面ももちろんございますが、それから米側の考え方なり、こういうことをあわせて将来の計画をどうするか、やるかやらぬか、あるいはどの程度考えるかということが問題として残っておるのじゃないか、実はかように考えております。それからもう一つお尋ねの単価の問題でございますが、これは現在は、今度予算に出しておりますのはT33で、これは日本側の分担金割合は予算に出しております金額、それから米側の分は、大体向うがくれる予定になっております部品、装備品等を、一応あるいろいろな数字で評価いたしました数字で、T33は六千五百万円、F86Fは一億四千万円となっておりますが、これが将来のことを、かりに進めると考えますと、二つの要素が出て参ると思いますが、一つは国産化の部分がふえていきますと、やはり高くつくという問題もございますが、だんだん先へいけばなれて参るということもございまして、将来の姿としては、これは私の推測でございますが、米国内の生産費等を考えますと、私は若干下るんじゃないか。たとえばT33でしたら五千万円以下、F86F、これは一億二千万円以下、これは全くの感じでございますが、これより下って参る、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/267
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268・吉田法晴
○吉田法晴君 今の五千万円あるいは一億二千万円以下というのは、米側で今負担されている部分がその程度下るというんですか。そうですね。日本側の負担を入れてそんなに下るというわけじゃないんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/268
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269・久保亀夫
○政府委員(久保亀夫君) 負担の問題は別にいたしまして、かりに将来ずっと国産化の割合をふやしていき、完全国産化といいますか、相当ふやして参った将来の姿をかりに考えますと、費用の分担を別として、ある程度先になればコストはある程度下るということで、その程度までには、できるんじゃないかということで、米側の負担という意味でなくして、生産費の給額がその程度には下げられるんじゃないか、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/269
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270・島村軍次
○島村軍次君 ちょっと関連して、この前の委員会で今の金額を承わったときに、二千七百万円または三千五百万円という数字をお示しになったと思うのですが、これは機体そのものだけの意味ですか、あるいは今のお話は装備品を入れてという意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/270
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271・久保亀夫
○政府委員(久保亀夫君) 正確に申し上げますと、今のはたぶんT33のお話だと存じますが、第一次計画におきまして、日本側の予算に盛りました負担額は二千七百七十万円、それに対して米側を推定いたしますと三千六百万円ということで、六千四百万円。それから今度予算を御承認いただいて、今協定を進めております第二次の分が、日本側の負担額は三千五百万円、米側の推定負担額は二千九百万円、それが合計いたしますと、今申し上げた六千五百万円、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/271
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272・島村軍次
○島村軍次君 わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/272
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273・吉田法晴
○吉田法晴君 そうしますと、T33、F86、については、完全国産化はいつになるかはわからぬけれども、国産化の方向を向いている、こういうことですが、一番最後に残るのはエンジンである、ほかについては、そういう部分から、国産化で作るということについても、機種はないわけですか。輸送機あるいはその他練習機。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/273
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274・久保亀夫
○政府委員(久保亀夫君) そのほかにT34と申しますプロペラの初等練習機、これはすでに一昨年から計画いたしまして、国産化に着手いたしておりまして、本年度二十二機、これはほとんど純国産に近くなっておりますが、これを調達いたすことになっております。それからそのほかに、これはまだ研究の段階でございますが、これも本年度予算の御承認をいただきまして、怪ジェット練習機を試作いたしたいということで、本年度から着手いたしまして、これが二、三年かかるかと思いますが、制式を得ましたら国産に入るという、これは将来の見通しによりますが、数量等はまだはっきりいたしておりませんが、こういうものを研究いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/274
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275・吉田法晴
○吉田法晴君 これは一番最初に説明がありました際にも伺ったのですが、三菱、それから小松でしたか、飛行機については二社で、匿名契約といいますか、継続してあれをしておられるようでありますが、このときにT34あるいは軽ジェットというのは伺わなかったように思うのですが、その点はどういう会社で作ることになっておるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/275
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276・久保亀夫
○政府委員(久保亀夫君) F86Fは新三菱重工、T33は川崎航空でございます。それからT34はこれは富士重工、もとの中島の系統でございますが、富士重工が、これの米国における製作会社でありますビーチ・エアークラフトの製造権を契約いたしまして、これに対して随意契約をいたしております。それから軽ジェットは、これは現在設計を三社からとっておりまして、競争設計と申しますか、そのうちから選定をいたしまして、これは試作の契約は本年度いたすわけではございますが、これの契約の相手先はまだ決定いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/276
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277・吉田法晴
○吉田法晴君 その丁34ですか、それを改造した多座連絡機LMも米陸軍の注目するところとなり、二十数機の域外調達が行われ云々と防衛年鑑に書いてありますが、これは日本で使用するのではなくて、域外調達の関係のようですが、それはやはり同じ富士重工あたりで作っているのですか、あるいは作ることになっていると、こういうのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/277
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278・久保亀夫
○政府委員(久保亀夫君) ただいまお話のLMは、実は米側から多座連絡機としてL20という型を供与してくれるという予定が当初あったのでございますが、向うの事情で日本の国内で域外調達として供与したいということで、私どもとしては非常にけっこうなことで、その当時機種についていろいろ問題があったわけでございますが、生産の系列等からいって今のT34メンター機というものを改造したのが性能からいっても、生産系列からいっても望ましいのではないかという、逆に私どもの希望を言いまして、米軍側が採用したとはさまっておりませんが、現在富士重工がいろいろ資料をとったり検討いたしておりまして、まだ契約まで至っておりませんが、多分そうなるのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/278
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279・吉田法晴
○吉田法晴君 こういう軍需品を生産いたします場合に、技術提携等が行われておるわけでありますが、その技術提携に、この技術情報交換協定というのですが、入ってくるようでありますが、これはほとんど航空機についても、航空機の部品についても、あるいは海上自衛隊の艦艇のエンジンなんかについても、全部技術提携と申しますか、あれが入っておるようでありますが、これについては防衛庁としてはどういう工合な方針でありましょうか。これはまあおくれておったということで入らなければならぬかもしれませんけれども、技術が入ってくる云々ということになりますと、相当のロイアルティということにもなりましょうし、それからいろいろ生産の面からしても、何と申しますか、発言力が及んでくるのではないかと考えられる。自衛隊全部の増強と申しますか、そういう点にも私どもは、否定をされますけれども、自主的でないものが出てくる必配を感じますが、技術云々という点からいっても、そういう感じがいたします。これは長官が装備局長か、だれの仕事か知りませんけれども、どういうように考えておられますか承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/279
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280・久保亀夫
○政府委員(久保亀夫君) この問題につきましては私どもといたしましては、何でも外国の技術がいいというふうに考えているわけではございませんが、やはり相当な空白ということと、それから結局は時間と経費の問題だと思います。まず初めのステップから全部こちらで研究し、試作し、やっていくということになりますと、同じ性能の程度のものでも、相当な時間と相当の経費を食うということは想像にかたくないことでございます。それで米国なりその他の国から技術を導入して、直ちに性能の商いものがすぐ工作、あるいは工業的にできるということになりますれば、相当経費と時間を節約することにもなりますので、技術導入というものは本来そういうものだと思いますが、ものによってはそういうことがやはり一番当面としてはいいということも考えられまするし、また別途ステップ・バイ・ステップに研究していくということもあわせてやるという段階ではないかと思います。現に先ほど申し上げました軽ジェット練習機につきましては、これは純国産で参りたいということで、各会社から設計を取り、技術陣を集めて勉強いたしておるわけでありまして、非常にこれもある程度の時間と経費を要します。一例を申しますと、ジェット・エンジンの問題でありますが、これも、エンジンも国産いたしたいということで、御承知かと思いますが、日本ジェット・エンジン会社に三台の試作を発注いたしましたわけでございますが、相当これは勉強を要する問題ではないかということで、会社としては非常に勉強いたしておるわけであります。その辺両々相待って技術の向上をはかっていくということが当面の形ではないかと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/280
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281・吉田法晴
○吉田法晴君 技術提携がある場合には、やはり飛行機についても、あるいは艦艇のエンジンについても、監督がなされ、あるいはロイアルティを払っておられると思うのですが、どの程度のロイアルティを払っておるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/281
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282・久保亀夫
○政府委員(久保亀夫君) ジェット機につきましては、これは日米協定に基きまして、技術導入費用として、これは御承知かと思いますが、最初に払いますイニシアル・ペイメントと、あと一機ずつの生産に対して払います、いわゆるロイアルティでございますが、この場合両機種ともイニシアル・ペイメントは全部米政府の負担ということになっておりまして、これは聞くところによればいずれも百万ドルだと、これは私どもは直接は承知いたさないわけでありますが、米政府から米国内の会社へ払っておる。ロイアルティにつきましては、生産のたびに、完成一機ごとにこれは日本側の負担ということで会社が払いまして、これはもちろん防衛庁の購入単価に入るわけでございますが、その単価はF86が、ノック・ダウン——これは組み立てでございますが、五千七百五十ドル、それからノック・ダウンの後、相当国産化の進むものにつきましては九千五再ドルということに相なっておる。それからT33は全機二千五百ドルということに相なっております。それから丁34メンター機は——ちょっとあるいは少し違うかもしれませんが、イニシァル・ペイメントはたしか三十五万ドルであったと思いますが、これは富士重工からビーチ・クラフトへ払いまして、私どもは契約をいたします際に、これを若干ずつ償却をいたしておる。そのほかにロイアルティとして最初千二百ドルであったと思いますが、機数のふえるに従って漸減するというような契約に相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/282
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283・吉田法晴
○吉田法晴君 この間来、新聞等に輸送機で火をふいたのがあったようですが、ところが調べてみると、何と申しますか、よくまあこれで飛んだといわれるぐらいに消耗しておった、あるいは命数が尽きておったという話です。部品もないということですが、これは輸送機の全部についてですか、それからほかの供与を受けた飛行機についても同様なのでしょうか、その点伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/283
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284・久保亀夫
○政府委員(久保亀夫君) この間、大鳥——羽田間で発火事故を起しましたエンジンにつきましては、実は原因はいろいろ調査いたしておりますが、完全に正確なところは実はわかっておらないのでありまして、多分ピストン・ピンが折れたのではないか、これは単に推測の段階を出ませんが、今鋭意調査をいたしております。それでC46全般の状況でございますが、現在二十六機持っておりまして、美保に根拠地を置いておるわけでございますが、先ほどもおっしゃいました部品の問題、これが機体を受け取りましてから米側から供与を受ける部品と、それからこちらで購入いたします国産もしくは輸入いたします部品の手配が若干ずれまして、整備が少し十分でなかったということもございまして、今日の現況では二十六機のうち六機動き、それから数日中あるいは数週間中に三機動く、あとは部品待ちと、いろいろございますが、そういった状況でございます。ところが部品の関係はMDAPで米軍から来ますもの、それから昨年に契約いたしましたもの等が最近やっと軌道に乗って入りかけておりまして、今後かなり軌道に乗るのではないかと思います。それで古いのではないか、老朽ではないかというお話もよく出るのでございますが、計数的に見ますと、これは一九四四年から四五年の生産の飛行機でございまして、私ども全部履歴書はついてございますから、それで調べますと、機体で申しますと、平均使用時間が製造後六千時間ということでございまして、日航あたりで使っております輸送機に比べますと、必ずしもそう古くはない、日航機でも二万時間は越えておるといったようなものもままあるというようなことでありまして、古いからだめだ、古いから事故を起すということではないのでありまして、やはり部品の整備、それから点検の問題、こういった問題について十分に配慮、充実して参りまして、可動機数をふやして、故障を少くするということは十分にできるものと考えて、鋭意努力いたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/284
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285・吉田法晴
○吉田法晴君 それではあの機のほかには同様、とにかく消耗と申しますか、あるいは危険というものはないとおっしゃるのですか、それとも同様な心配があるから十分検査をしたい、安全度を確保したいということなのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/285
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286・久保亀夫
○政府委員(久保亀夫君) もちろん人命に関することでもございますから、その点は十分に同様の事故のないようにエンジンの点検、機体の点検等には十分に配慮をいたしておるわけでありますが、ただいま申し上げましたように、今日可動機数が割合に少いというのは、主として部品の問題でございまして、これについては先ほども申し上げたような手を打ちまして軌道に乗りつつあるわけであります。安全の問題につきましては、十分検査、点検、これを徹底的に行うということで確保していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/286
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287・吉田法晴
○吉田法晴君 これは経理局長だと思うのですが、航空自衛隊一人当りの年額経費ですね、これは手当と、それから燃料、それから修理費ということになると思うのですが、これは昭和二十九年度の防衛年鑑に書いてあったということですが、私、今手元にございませんけれども、T34と33について資料が出ておったということですが、現状あるいは今後について各機種別に一人当りの年額がわかっておりましたらお示しを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/287
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288・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 航空自衛隊が保有しております航空機の年間維持費を申しますと、この中には人件費も燃料費、修理費も機上通信機、維持費等一切がっさい入れたものでございます。これを申し上げますと、F86につきましては一機当り、これも十万円以下端数省略いたしまして、二千六百八十万円、C46四千百万円、KALという多座式連絡機が四百五十万円、それからT33一機当り二千二百四十万円、T34七百十万円、T6七百四十万円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/288
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289・島村軍次
○島村軍次君 今の数字は一機当りの……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/289
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290・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 年間維持費でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/290
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291・島村軍次
○島村軍次君 総維持費でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/291
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292・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) さようでございます、維持費を含めまして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/292
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293・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/293
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294・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) 速記を始めて。
本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめておきたいと序じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/294
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295・小柳牧衞
○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
本日はこれにて散会いたします。
午後五時三十二分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X02519560410/295
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