1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年四月二十四日(火曜日)
午前十一時二十三分開会
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委員の異動
四月二十四日委員菊田七平君、阿具根
登君、秋山長造君及び岡三郎君辞任に
つき、その補欠として野本品吉君、田
畑金光君、小笠原二三男君及び江田三
郎君を議長において指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 青木 一男君
理事
野本 品吉君
宮田 重文君
千葉 信君
島村 軍次君
委員
青柳 秀夫君
井上 知治君
井上 清一君
川村 松助君
木村篤太郎君
佐藤清一郎君
江田 三郎君
田畑 金光君
永岡 光治君
吉田 法晴君
廣瀬 久忠君
政府委員
大蔵政務次官 山手 滿男君
大蔵省主計局次
長 原 純夫君
事務局側
常任委員会専門
員 杉田正三郎君
説明員
大蔵省主計局給
与課長 岸本 晋君
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本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選
○本委員会の運営に関する件
○国家公務員等の旅費に関する法律の
一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/0
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001・青木一男
○委員長(青木一男君) これより委員会を開きます。
委員変更についてお知らせいたします。本日阿具根登君、秋山長造君、岡三郎君、菊田七平君が辞任せられまして、その補欠に田畑金光君、小笠原二三男君、江田三郎君、野本品吉君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/1
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002・青木一男
○委員長(青木一男君) 理事の補欠互選についてお諮りいたします。野本品吉君の委員辞任に伴って理事が欠員になっておりますので、理事の補欠互選を行いたいと存じます。互選の方法につきましては、便宜理事の指名は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/2
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003・青木一男
○委員長(青木一男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
私より理事に野本品吉君を指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/3
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004・青木一男
○委員長(青木一男君) 国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案に対する質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/4
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005・吉田法晴
○吉田法晴君 ちょっと議事進行について。これはほんとうの委員会の進行についてですが、きょうの議事についてではございません。実は委員長が本委員会の委員長に御就任になりました日に、その所信を伺いたいという私個人の気持を持っておりましたが、理事等において御相談の上、委員会の議事が進められましたから、私は遠慮をいたしました。そのときに私は理事から伺いましたものは、この委員会の従来通りの慣習と申しますか、理事会によって相談せられたところに従って議事が進められて参る、こういう御説明でございましたから、私は今の委員長に所信を伺うということを遠慮したのであります。当日の新聞記事に、「時の人」ということで委員長の何と申しますか、経歴あるいは人となり等が報ぜられておりました。前委員長がおやめになって、青木氏が委員長になられるについてとかくの話がございます。その際に、新聞記事によりますと、委員長がかつてA級戦犯として追放されておったという記事がございました。こういう個人的なことを申し上げることは大へん私はどうかと思うのでありますけれども、しかし私どもが今持っております憲法は民主憲法、そうして参議院も憲法と、その憲法の精神に従って定められました国会法に従って運用せられておる。参議院は民主的に運用せられ、そうして憲法に従って運用せられることによって参議院の任務を果して参ったと信じております。私は参議院議員であることを喜びもし、また誇りを持って参りました。過去において、あるいはここに木村さんあるいは井上さん等もおりますけれども、重要法案、あるいは私どもが反動法案として重要視して参りました破防法なりあるいはスト規制法というものを審議をして参りました。しかしそうした際においても、これはそれぞれの意見に従って論議を尽しました。あるいは慎重審議をいたしましたけれども、しかし多数を頼んで、あるいは理事会の相談によらずに、一方的に委員会を進めていくというようなことはございませんでした。ところが委員長の更迭については、あるいは自民党において多数を頼んで強引に重要法案を上げていくんではないか、こういううわさが飛んでおりましたし、かたがた就任当日の新聞記事にかんがみて、委員長の所信を伺いたいと、こう思ったのであります。不幸にいたしまして、その後の委員長による委員会の進行は、再び私が最初に考えました委員長の所信を伺わざるを得ないような事態が起ったように私は考える。もう一度申しますけれども、過去において参議院においては、あるいは言論を抑圧するということはなかった。あるいは論理は通って参りました。無理が通って道理が引っ込むということではなくして、幸いにして道理が通って参む、委員会の進行は理事会の打ち合せによって、あるいは破防法なりスト規制法の際に、いろいろ波乱はございましたけれども、みんなの相談によって委員会は進められて参りましたが、委員長は、憲法、国会法、参議院規則のもとにおいて、参議院の伝統を尊重して、民主的に委員会を進めていく信念をお持ちであるのか、それともあるいは理事会においてどういう相談があろうとも、あるいは理事会がまとまらないということであるならば、それを無視して、一方的に委員会を進めていくということであるのか、理事の諸君は、私はその常識を信頼いたしております。いろいろ激論を戦わされようとも収拾をされて参ったと思うのであります。あるいは昨日においても島村氏から取りなしの案も出たようでありますが、そういうものも無視して、委員長は強引だといわれますが、強引にものをいわせて委員会を進めていかれようとするのか、委員長の所信を伺いたいと思います。憲法なりあるいは参議院も重大な関頭に立っておると思いますので、重要法案を審議して参ります当委員会として、こいねがわくば委員長に参議院の伝統を守って、民主的な憲法のもとに進めて参るということの御所信を披瀝願いたいと思います。いささか疑問を持たざるを得ない事態が行われておると思いますので、この際あらためて伺いますけれども、委員長の所信を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/5
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006・青木一男
○委員長(青木一男君) 吉田君の発言に対して委員長からお答えいたします。委員長は、もとより憲法その他法令の命ずるところによって、厳正公平に議事を進めていく考えでございます。何と申しましても委員長の職責は、委員会に付託されたる法案を審議するというこの任務を最も完全に、また円滑に進めていくことにあると存じます。従ってその方法として、従来行われておりますように、理事会においていろいろ準備的な相談をいたしまして、極力円滑に進めることを考えているつもりでございます。
去る二十日に私が委員長に選任されまして、その日夕方、直ちに委員長、理事打合会を開きました。さらに翌二十一日にも継続して理事会を開きました。数時間にわたって今週の議事の進め方について協議をいたしました。ところが理事の間に意見が容易に一致できませんおもな点は、今週の審議の日数の問題でございました。自民党の方からは、会期が短かくなりましたし、また審議未了の、まだこれから審議しなくちゃいけない議案も相当多うございますので、今までよりも勉強して、会議の日数をふやしたいという提案がございました。社会党の方からは、今まで通り一週間三日でいこうという御提案があったわけであります。それに対して緑風会の理事からは、折衷案として、今週は四日でいこうじゃないかという御提案がございました。この緑風会の理事の方の折衷案に対して自民党の方では同意をされたのでございますけれども、社会党はどうしても同意がございません。私は二日間、数時間にわたってほとんどこの問題に、打合会のまとまるために努力を傾注したつもりでございますが、不幸にして結論が出ません。そこで私は、委員長、理事打合会において審議日程なりあるいは議題なりいろいろきめていくことは、これはもうどこの委員会でもやっておることでございますし、当然当委員会でも慣習によってやるべきものでございますけれども、もし一人だけの理事がその委員会を開くことに同意しなければ、委員会を聞くことはできないということであれば、私は国会の運営はとまると思います。それでは私は、どうしてもこれは委員長の職責を尽すことはできませんので、多数の理事の方の意見も参酌し、また審議の日数の問題、議案の関係等も考慮いたしまして、昨日の委員会は私の責任において開いた次第でございます。しかしながら、私もこれは好ましい方法ではないと思います。従って今後において極力円滑なる運営のために委員長、理事打合会において話し合いをつけていきたいという希望を持っておる点においては少しも変りません。今後もその方針で努力をいたすつもりでございます。そのことをお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/6
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007・吉田法晴
○吉田法晴君 憲法の精神に従って参議院の権威を維持しながらやって参りたい、できるだけ理事会のお話し合いは、円満なお話し合いによって進めて参りたいということですが、今お話の中に、委員長御就任以来きのうまでのお話がございました。一人だけの委員の賛成が得られないということで進まないということであれば、委員会の審議ができない、こういうお話ですが、その点は、私は委員長の御意見間違っておると思う。もちろん理事会は全員一致制であります。そこでお話し合いできめていくと、そこに話し合いなり理事会の任務があるのであります。採決をするなら何も理事会によって話し合いを進めていくという必要はない。しかも今までいろいろございました。先ほど申し上げましたけれども、あれだけ重要な法案を取り扱って、いわば世間的には相当混乱をしたと申しますが、委員会においても破防法なりあるいはスト規制法なり、私は、当時は木村さんは法務総裁、それから井上さんは労働委員会の理事でしたよ、一しょにやって参りましたが、しかし話し合いで何とか進んで参ったことは事実であります。委員長になられて後でありますけれども、これは衆議院の問題についてですけれども、多数党であるからといって数で押すということになるならば、議会政治というものはこれはなくなってしまう。あるいは小数党であろうとも社会党の意見、野党の意見を十分尊重して、話し合いは対等でやっていくというところに民主政治はあると思うのであります。民主政治でありますからひまは要りましょう。理事会で意見をまとめる、ひまは要りましょうね。その理事会を取りまとめながら進んでいくのが、私は理事会の民主的な運営だと思うのです。それは過去においてりっぱにやってこられた。青木委員長において私は不可能であるとは思いません。まとまらないからといって委員長職権で委員会を開いていくということはやめてもらいたい。そういう運営は、私は従来の参議院の伝統に反するし、あるいは民主主義の憲法の精神にも反するし、それでは話し合いによる民主政治というものはこれは否定されていく。あるいは委員会の民主的な運営はできないから、その点はやめてもらいたい、こういうことを申し上げているのであります。憲法の精神に従って参議院の伝統は守ってもらいたい。あるいは理事会において話し合いを基礎にしてやっていきたいというならば、一つ今の点はお取り消しを願って、理事会で円満な話し合いによってお進め願いたいということを重ねてお願いをしたいのでありますが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/7
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008・青木一男
○委員長(青木一男君) お答えいたします。委員長、理事打合会によって、日程その他のことを相談いたしますのは、これは私は各委員会共通の伝統であって、もちろんそれを尊重していくべきとは思います。しかしながら、先ほど私が、他の大多数の理事の意見が一致したのに、一人の理事だけが違った意見を持っておられる、どうしても一致しないという場合に、その一人の人の意見が通らなければ委員会は開けないということであっては、これは私は困ると思います。そういう場合に、それじゃその人が同意するまでどこまでもしんぼうよく、幾日間でも打合会を継続せよと言われても、これでは私は委員長の職責は務まらぬと思いますので、私はそういうことのないように努力いたします。もちろん私も微力でございますから、各理事、委員の方の御協力によってそういうことのないように努力いたします。しかしながら、私が先ほど申し上げました考え方においては、私は自分では誤まりないと考えておることを重ねて申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/8
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009・田畑金光
○田畑金光君 先ほど吉田君の話によって私初めて承知したわけでありますが、清本委員長がA級戦犯であるということは、意外な話を聞いたわけであります。かつてのA級戦犯のその人のもとにおいて、今日国民の注目しておる憲法調査会の問題を取り扱うということは、まことに私たちは遺憾に考えます。しかしあなたも選挙によって出てこられたわけだし、そういう国民感情があってあなたも出てこられたわけであるから、これはやむを得ないと思うけれども、しかしA級戦犯の焼き印を押されたということはよく考えていただきたいと思います。私はこれは憲法の問題の際に考えてまた質問もしたいと思っている一わけですが、どうも今日の憲法をかつての戦犯やこれに類する人方が直すというようなことは、一体その資格があるかどうか、こう私は考えておるのです。しかしとれはとにかくといたしまして、後日また質疑をする時間もあると思いまするが、とにかく私は委員長に一つ考えていただきたいことがありますが、あなたがこの間初めて内閣委員長に就任されたときあいさつをされております。そのとき同様に前内閣委員長の小柳さんからあいさつがあったわけです。そのあいさつの内容は、あなた自身もよく聞いておると私は考えております。そのあいさつの内容は、いうまでもなく、この内閣委員会が非常に与党、野党の間で円満に進められてきたというそのことです。重要な法案についても常に話し合いの中に事が円滑に進められてきたということです。これは何を意映するかというと、一つは小柳前委員長の人格のしからしめるところであったと申さなければなりません。同時にまたもう一つは、われわれ野党がいやしくも国会の舞台においては、法案の審議において話し合いによって常にそれに必ずるという謙虚な態度をもってきたということも大きな原因です。去る十三日の日に、この内閣委員会において例の防衛二法案が通ったわけでありまするが、そのときも小柳前委員長は、声涙ともに下るあいさつをなされております。こういう国民の注目を浴びておる重要な法案が十分な審議を尽してここに採決を見るに至った、法案の審議を終ることになってきた。私はこれこそ参議院の良識を示したものであると心からうれしく思い、また感謝にたえない。こういう趣旨のあいさつをなされたわけです。
あなたに第一にお尋ねしたいことは、こういう小柳前委員長の気持というものをあなたはどう考えておるか、あなたもこういう気持で今後の内閣委員会を運営しようとする心づもりであるか、まず第一にこの点について委員長の気持を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/9
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010・青木一男
○委員長(青木一男君) 田畑君のお尋ねにお答えいたします。私ももとより前委員長と同じように、各委員各位の御協力によって円満にその職責を尽し得ることを念願いたしております。自分としては微力の者でありますし、また不徳の者でありますから、各位の御期待に沿うことはなかなかむずかしいと思いますが、私としては全力を尽して今の考えで進みたいと考えております。
なお、先ほど来私の一身について御非難がありましたが、誤解がありますからこの際申し上げておきます。私がA級戦犯であったというお話でございますが、私はそうでございません。私は昭和二十年十二月十二日、占領軍によって戦犯の容疑者として指定されたことは事実でございます。しかしながら、その後マッカーサー司令部から、これらの人々は容疑者として詳細に調べたけれども、何ら犯行の証跡がないからしてこれは解除するものであるということを、マッカーサー総司令部の公文によって発表されて、私は自由の身となったのでございます。そのほかの容疑者の解除には、そういう特段の司令部の発表はございませんでしたが、私どものときは特にそういうりっぱなマッカーサーの証明のもとに自由の身となったものであることをあらためてここで申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/10
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011・田畑金光
○田畑金光君 あなたのA級戦犯としての容疑は、マッカーサーの指示に基いて解除されたということでありましたとするならば、それはまことにけっこうな話であります。私はその辺の事情をよく承知しておりませんので、単に新聞に載ったあなたの経歴に基く吉田君の話から私は初めて承知したので、そう申し上げたにすぎないのです。ただ私の記憶としては、東條内閣時代の大東亜大臣として、当時の時代の脚光を浴びられた青木さんという人は今でも記憶いたしておるわけです。
そのことはさておきまして、あなたが前小柳委員長の態度に同感であるとお話しになるならば、私は昨日の委員会の運営等というものは、はなはだ遺憾なことだと申し上げたいのであります。先ほど来吉田君からも詳細に私たちの立場、あるいは委員長に対する希望なりを申し述べて参りましたが、おそらくわが理事から少くとも次のような話くらいはあったと思います。青木さんは内閣委員長に交代されたばかりではないか、少くともその一週間の間は、今日までの内閣委員会がどう運営されたかということをよく見られる意味からいっても、私たちの立場にも、主張にも、もう少し謙虚に耳を傾けたらどうか、こういうことは票あったと思います。私たちは従来週三日間の審議の期間であったが、しかしあなたの心配するように法案も山積しておる、審議も促進しなければならぬ、そうなってくるならば、三日という限られた一については十分考慮しよう、月曜日に審議をすることについても、われわれは頭からこれを拒否しようとは考えない、それを認めるにやぶさかでもない。しかしとにかく来週の月曜日は、すなわち本日は少くとも従前通りの形で運営して、次の週あたりからそのような月曜日を審議に当てるというような方法等をとってもいいのじゃないか、少くともこの一週間、青木新委員長は内閣委員会の運営等について十分研究していただく、それが今後の議事運営の、円満な審議のためにも適切な道であると考えるからして、そのように一つ理事会においても十分話し合いの道を見出してもらいたい、私たちはこういう考え方で、われわれの理事を通じ理事会において話を進めていただいたわけであります。ところが青木新委員長は強引に昨日職権によって委員会を開いておる。しかも野党である社会党の委員の出席のないところで開いておる。あなたの態度は初めからけんか腰にこの委員会を運営しようとする態度ではないのかと私は尋ねたいのです。聞くところによると、総理大臣が本日からは衆議院の国防会議法案の委員会に、あるいはその他の委員会に出席要求がなされておるので、月曜日しかあいてない、月曜日があいておる、こういうようなことで無理やりに昨日総理の出席を求めたようなきらいもあるようであるが、もしあなたが、私の第一の質問に対する、小柳前委員長のとった態度に同感の喪を表するならば、なぜあなたは就任早々からそうけんか腰に、野党の委員の出席のないところで委員会を聞くような態度をなさるのか、もしあなたが今後そういう態度で委員会を運営するということになってくると、これはかえって議事を渋滞せしめるゆえんだと私は心配するのです。この点どうですか、委員長の考え方を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/11
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012・青木一男
○委員長(青木一男君) 田畑君のお尋ねにお答えいたします。ももろん私も昨日のような委員会の運営を好ましいものと思っておりません。極力今後は各位の御協力によってそういうことのないように皆様の御理解のいく運営を努めていく考えでおります。このことを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/12
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013・吉田法晴
○吉田法晴君 それでは希望を申し上げて質疑に入りたいと思うのですが、先ほど、ちょっと委員長の発言をそのままにしておくと不備でございますから、希望を申し上げておきます。
理事会において多数賛成者があって、一人賛成がない場合には、その一人の賛成が得られるまで進まないということでは云々、こういうことであります。一人の意見が通らなければならぬということではないというお話でございました。一人と申しましても、有力な野党であります社会党で、しかも自民党は一つになり、緑風会がおおむね与党に同調せられるならば——そうではないけれども、せられるならば、(「そうしていいのか」と呼ぶ者あり)今のお話の多数が賛成と言われるから、賛成せられるならばというのです。そうすると有力な社会党の意見が反対である、こういう場合でありますが、そういう場合に数をもってきめないで、理屈できめていただきたい、論理できめていただきたい。しかも参議院の場合、理屈は通ってきた、理屈は通ってきて、数はともかくとして、理屈が通って、へ理屈が負けてきた、それが参議院の伝統だから、そういう工合に話し合いで、それから理屈できめて運営をしていただきたい、こういうことを申し上げたいのであります。賢明な委員長のことでございますから、すでに十分おわかりになっていただいたと思いますが、きのうのようなことのないように、理事会で理屈でまとめて一つお進め願うことを希望いたします。従って軍勢法案については十分な御審議をお願いしたいと思うし、特に憲法に関連いたします調査会のごときはそうでございます。
それからなお、これは委員長が御存じなしに、理事会においてもきのう等もあまり相談にならないから申し上げておきますが、調査案件として某地に関連いたします問題等も委員会に持って参りました。そうして過去において私どもが質問をいたしましたのを、委員会において答弁をするといってすでに一カ月を越しております事情もございます。昨日基地問題等についても新聞にも相当重要な方針が出たかのようでございますが、これは従来の委員会の経過というものについては前の委員長から御連絡があると思いますけれども、なければ専門委員等にお問合せの上、一つ今後において、近い将来において審議せられることを希望いたします。これらの点は一々申し上げなくても、賢明な委員長、これだけ申し上げるだけで、あと理事会で御相談願うと思いますが、従来の委員会の、小柳委員長その他歴代の委員長のもとで行われて参りました参議院の内閣委員会のりっぱな伝統を一つ傷つけないで育てていくように希望をいたしまして、私どもの要望を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/13
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014・青木一男
○委員長(青木一男君) 吉田君のただいまの発言は御希望としてよく伺っておきます。
それでは質疑に入ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/14
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015・吉田法晴
○吉田法晴君 国家公務員の旅費に関する法律中質問をいたしたいと思いますが、あるいは私がおりません間に質疑が行われたかもしれませんけれども、民間会社における旅費の実態がこうであるから公務員の場合についてもこうだと、こういうことで資料が出て参っております。ところが私はこういう作為が公正なる大蔵省あるいは公務員の給与を取り扱われるところで行われるとは実は思わなかったのですが、これはほとんど言われるような役付以上が二等になっておるというこれは主張のための、何といいますか、差がある例を出してこられている。その他の事例はほとんど出ておらない。私はこういうことが行われるとは思いませんから、民間の旅費実態調査集というのを取り寄せましたが、それを印刷をして皆さんにお配りすることはいたしません。そういうものがあることはこれは御承知だろうと思う。政経研究所編、「内外出張赴任旅費実態調査集」というのがございます。まあそういうものがなくても、民間を全部集めれば出るわけですが、あげると切りがございませんが、これはその中から主張を裏付ける資料であって、その他の職員についても二等を支給している会社が多数あることはお認めになりますかどうか、お認めになりませんならば資料を刷ってからまた……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/15
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016・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) 先般もこの委員会で御説明を申し上げたと思っておりますが、民間会社のこのそうした旅費規程等の代表的なものを参考資料にお出しをいたしておりますが、常識的に考えまして、大体この程度でよかろうということでこの案を考えたわけでございます。たとえて申しますと、七級以上が二等という線を、どうしてこんな線を引いたのかという御議論が出たわけでございますが、大学を出て一、二年たちませんと七級以上にはなれないわけでございますが、大学を出て二年くらいの者は、常識的に考えて大体三等で行っても体面を汚すということもあるまい、役人として、公務員としてあるまい。七級以上が役付といたしまして二等で行くということにいたしましても、常識的にさして不当ではないと、そういうふうな考えで、民間会社等の実情も二、三参考にいたしましてこういう線を出したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/16
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017・吉田法晴
○吉田法晴君 課長に伺いますが、次長が資料を出しましたが、えらい人は知らないかもしれないから……。出張旅費の資料の実態をお調べになれば、何ならこれを提供してもいいのですが、私は事実を申しておる。事実を聞いておる。ここに出されているのは、お話のように課長、係長というか、責任者が二等、その他は三等、こういう事例を出された。しかし民間についてはそうではない。もっと下まで二等の旅費を出しているのがざらにある。その方が多いのだと私は思うのです。ここにあります資料は、むろん百はありませんが、五、六十はあるでしょう。あるでしょうから、これは全部読み上げていってもいいのですが、一つ々々読み上げていったら時間がかかってしょうがないから、事実を一つ課長にお認めいただきたいと思う。そうでない、こういうお配りになった資料でない、その他の職員についても二等を支給しているところはたくさんあるという事実をお認めになりますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/17
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018・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 公務員の運賃の等級区分を一体民間のどの辺に求めるか、なかなかこれは私どもむずかしい問題であると存じます。大会社もありますし、また中小会社もある、それをどこら辺に持っていったらいいか、なかなか判断に苦しんだのでございますが、まあ公務員といたしまして、大体これと匹敵する程度の大きい会社の、普通の、何と申しますか、名の通った会社でございます。そうしたものを調べまして、そこでどういう運賃の支給区分が行われておるかということを調査いたしたわけでございます。もちろんこれは全会社についてそれを調べたわけではございません。大体各業種につきまして、何と申しますか、アトランダム、一つ引っぱり出しまして、それを相手方に確めて作り上げた、こういう調査でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/18
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019・吉田法晴
○吉田法晴君 ですからこういう資料は不正確だ、そうでないものがたくさんある。たとえばここで造船会社、B造船と書いてありますが、B造船がどこか知りませんが、私の手元にあります資料からいうと、初めの三菱は途中で切ってありますけれども、三井造船のごときはほとんど二等……。これは一つ々々拾うと長くなりますが、先ほど次官が言われましたけれども、大学を出て二、三年しなければ七級職にならん、まあ民間でいうと、大学を卒業してすぐでは二等旅費はもらえない、こういうお話ですが、それは事実に反します。小さいところは知りません、小さいところは知りませんけれども、国家公務員と比較される大きい事業会社においては、大学を卒業するなり会社に入ってすぐ二等旅費をもらえる、これは事実だと思う。これは資料もありますし、私自身も一つの証人です。こういう資料でない、もっと広範に、二等旅費を支給しているところの事実が多いということをお認めになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/19
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020・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) もちろん全部を調査をいたしまして、そういうのがないということを申し上げておるわけではございませんので、数多くの会社の中ではいろいろそういうふうに従業員を優遇しておるところもあろうかと思います。ただ、今課長が申し上げましたように、名の通っておる一流の会社なり、信用のある会社で大体この程度ではあるまいかという常識的な線をわれわれは調べ上げまして、こういう線を出したわけでございます。普通でございますと、大学を出て一年ないし二年は、実際には事務の見習といいますか、実習というか、そういうふうなことをさせられるのが常識のようでございまして、役所におきましても、大学を出て二年くらいたてば青切符で旅行ができるという程度のところが、私は常識として無理のない線であろう、こう考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/20
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021・吉田法晴
○吉田法晴君 そのお考えが事実に相違するのですが、それでは別表に出された責任者以上が二等旅費をもらっておるというのが民間の実態であると考えるからこういう改正規定を作ったんだ、こう言われるんだから、一流会社というのはどこまで入るかということは議論でしょうが、言われるような一流会社、大きいところでもう少し詳細に資料をとって……。これはあなたの方は、自分の都合のいい資料を出されておる。私の方では、私の方に都合のいい資料だけではなくて、全部出して、そしてそこで調べたら違っておる、こういうことであるならば、これはお直しになる、理屈が通らんからお直しになるということでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/21
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022・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) さっきもいろいろお示しがございましたが、中には相当われわれから考えてみても、旅費その他において手厚く処遇しておるところもあることは私ども認めるわけでございますが、まあ役所でございますし、役所のいろいろな実情等を勘案をいたしまして、まあ何と申しますか、今言いました二年程度までくらいはこの程度の旅行をすることで、そうさして体面を汚すとか、あるいはこうでたければならぬとかいうようなことでもあるまいと考えて、いろいろ協議をいたしてみたのでございますが、こういう結論を出したのでございまして、まあこの辺でぜひ皆さん方の御承認を願い、御決定を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/22
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023・吉田法晴
○吉田法晴君 今のお話は、とにかく理屈なしに、何でもかんでもこの通りにやってくれ、こういうお話です。そんなばかな話はないです。提案理由の説明によると、実態はどうだということもございます。それから民間で云々と、実態についてそれならば正確な調査があるかというと、正確な調査があるわけではない、それは推定。そうするとあとの民間の実態はどうだ、そこで資料を出せ、こういうことで資料が出てきたのです。ところがその資料は、言われるように、係長以上というか、あるいは責任者以上は二等旅費をもらっておる、こういう資料です。ところが私ども実際に知っておる民間の実情なりあるいは資料によって、正確な資料をとってみても、そうでないという実態がだんだん明らかになるばかり、そんな理屈はない。理屈がなければ、今まではとにかく六級から四級については二等旅費を支給してきたんだ、その通りやったらいい。上の方は、七級以上は全然二等に切り下げるとか、まあ一番上の方で、大臣その他で二等旅費ということはありますけれども、それで一等に乗ったら一等運賃をくれる、何もそうではない、旅費その他は上っておるのですから、四級から六級だけが犠牲になっておるということですから、それをやめたらどうかと、それについて理屈はないではないか、反駁すべき理屈はない。その実態について先ほどから正確に調べて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/23
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024・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) 重ねて申し上げますけれども、民間会社などの実情等もよく考慮をいたしまして、大体民間会社でも名の通ったれっきとした会社はこの程度でやって、役人としてもこの程度なら常識的なところである、こういうことできめたわけでございます。この汽車賃の方は、御承知のように改正をいたしましたけれども、一方において日当、宿泊料等において引き上げ等を行なっておりますし、これはさして不利になったということでないように考えます。ことに従来からいろいろな旅費、旅行の実態等を見ておりますというと、相当若い人たちには、二等の旅費をもらいながら、三等で旅行をしておるという実例もあることを承知いたしておりまして、まあこの程度のところなら常識で割り出していいところだろう、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/24
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025・吉田法晴
○吉田法晴君 みんなとにかく理屈になっておらんと、この間から申し上げておるわけです。二等旅費をもらって三等に乗っておるという実態があるかというと、そういう実態がなくて、そして想像、それからこの程度のものが民間の名の通ったところ云々というお話ですけれども、そうではない。材料を出しますが、あるいは事実を調べたらわかると思うのであります。そうでないということをお認めになりますか。手厚くという……、これ以上のものは手厚いじゃない、これ以上のものは当りまえなんだ、読みましょうか、会社の名前を……。八幡製鉄四千二百円以上の者はみんな二等、これは大学を出て二年間たたなければこのときの四千二百円以上の基本給にならんというものでは私はないと思うのです。(島村軍次君「何年の決定ですか」と述ぶ)これは二十七年現在、とにかく先ほどの標準については間違いがありません。富士製鉄、大体同様。それから日本鋼管、日本鋼管について、三等がないことはありません。雇員、用員、平工は三等ということですが、書記、技手、それから役付工、医員、薬剤員、それから技師や技補、そういう者もみんな二等。それから小倉製鋼、小倉製鋼というのは、これは正直に言って一流であるかどうかということは、これはわからぬのでありますが、それが本俸四千円以上というのですが、嘱託も三等ですよ、あなたたちの言われるように、課長代理以上といったようなのは、これは役付でしょう、それはもちろん二等ですが、その下の欄にも、本給四千円以上嘱託というのもこれは二等、これは小倉製鋼。それから昭和石油は、これは三等なんというのは全然ない。役付以外の従業員も二等です。役付従業員というのももちろん二等ですが、役付以外の従業員も二等、それから先はない。三等というのはないのです。北海道炭磯汽船、これも三等はありません。課長代理以上が二等であることはもとよりとして、係長以下というところも二等、これが北海道炭礎汽船、まあこれは私の方にいい事例ばかり言っても悪いから、あなたの方にいいのを言うと、常盤炭砿は、これは準社員というところまで二等、それから〇〇鉱業と書いてありますが、名前は書いてないが、九州の炭鉱会社で、二級社員というのはどこまでかわかりませんが、二級社員までが二等、鉱員雇、臨時夫の職は三等、それから日清製粉は上の方からずっと二等、二千円以上が二等ということです。それから明治製菓は部長、課長はもちろん二等、役員は一等、部課長を除いた職員というものは二等、だから職員二等というのは、現業員三等と書いてありますから、これは全部について職員二等、これは明治製菓です。製菓会社というのはここに「1」というのがありますけれども、これによると一般社員、準社員は三等と書いてありますけれども、明治製菓についてはこういう人たちについても二等、これはまああげると切りがありませんからやめますが、事実はまさにその通りでございます。この資料は民間の中で悪いところばかりというか、その責任者以上が二等であるという事例だけおとりになった、これは間違いない事実だ。何ならばこれを差し上げてもよろしい。これは人のものだから差し上げるわけにはいかないが……。(笑声)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/25
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026・岸本晋
○説明員(岸本晋君) お手元に差し上げました資料が私どもだけに都合のいいような資料という仰せでございますが、実はこの中にも、たとえば銀行などは、これは一般行員が二等でございます。これは資料にございます。特に作為的に作ったものではございませんので、ここにあります業種を探しまして、そのうちどこの会社がいいかということを、作為を入れませんで、アトランダムでとって出した会社、それがこれでございます。そういう意味で特に作為を加えたものではございません。ただいま吉田先生のお読み上げになりました資料につきましても、確かに私どもより何と申しますか、今日提出いたしました資料より低いところもあることは事実だろうと存じます。ただその時期でありますとか、いつごろの調査であるとか、あるいは金額にいたしましても、やはり四千二百円以上は二等と申しましても、民間会社の本俸四千二百円が大体どれくらいの職員に当るか、そういう点からも私どもよく調査いたしてみたい、かように考えておるのであります。提出いたしました資料はそうした意味で、作為的なものでは決してないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/26
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027・千葉信
○千葉信君 今の政務次官の答弁中まことにおだやかならぬ内容を含んでいる答弁があると思います。それは提案理由の説明の中にもあって、かつてこの委員会で問題となった。それで遺憾の意を大蔵省自体が表明されている事実をまたここで政務次官は同じことを言っている。二等の汽車賃をもらって三等に乗ったとか、一等の汽車賃をもらって二等に乗ったとか、一体そういうことを大蔵省が理由の一つにして法律を改正してやる以上、事実ははっきりつかんでいるのかどうか、そういう資料をはっきり持っているのかどうか、持っているならば出してもらいたい。それに対しては出せない、そういう資料はありません、そういう不謹慎な言葉を使ってはいかんですよ。大体そういう言葉を使うことが公務員全体に対する侮辱なんだ。あなた自身に対する侮辱なんだ。これはそういう理由で改正するというならば、そういう事実を行なった者を調査して、そういうことを行なっている部分に対してだけ改正しなさい。まさかあなたたちの方で今度改正している、そういう旅行しているものが、旅費をごまかしているものは四級、五級、六級だけではない、十一級、十二級、十三級という職員だけではないでしょう。そういう意味ならば一律にやりなさい。それをやりもしないで、しかも資料はない、証明する事実はつかんでいない、推測だ。失言じゃないぞ、これは。あなたたちはそういう不当な、われわれとしてはそういう不当な理由をあなたたちは提案理由の中でも言って、あなた方はきわめて遺憾であったと言うのを、またあなたはそれを繰り返している。この点はさっきの答弁の中で了承できない。
それから第二の点は、今回のこの旅費の法律の改正のやり方を見ますと、さっきも政務次官が言われたけれども、汽車賃の方では切り下げたけれども、日当、宿泊料等の関係では若干引き上げたからそんなに不利益になることはないと、あなたはこう言っておられる。これは黙って聞いているとごまかされそうな非常にうまい理由なんです。しかしですよ、国家公務員の旅費に関する法律が昭和二十五年にできて、二十七年に改正された。そのときの改正は、宿泊料、日当等に対しては、国内の経済事情等にかんがみて若干引き上げを行うというので、当時三割の引き上げが行われた。経済事情の変動に対応して旅費規定が改正された、大蔵省はそういう理由をはっきり述べている。ところが、経済事情に対応して三割程度の増額をされた二十七年の改正と同時にですよ、それ以後の国内の経済事情、それから国民の消費水準の上昇、たとえば国内の消費水準の上昇という問題は、都市においては、当時の八〇・二に対して三十年の十一月現在で二一という格好で消費水準が上っておる。それから農村の場合には、同じく昭和二十七年の一二三・八に対して、昨年の十一月現在で一四七・二という格好になっておる。その他の経済事情については、鉱工業の生産の指数どうとか、製造業の拡大どうであるとか、政府も発表しておる。そうするとこういう消費水準の上昇というのは、当然旅行して宿泊する宿泊料金の上昇、日当の増額の必要、みんなこういう条件がついているじゃないですか。そうすれば当然二十七年に改正をしたその趣旨によっても、今回やっぱり宿泊料、日当等にはある程度の引き上げを行わなきゃならない。消費水準の上昇の状態に対応して適正なものにするためには、今回の措置のようにですよ、宿泊料、日当等についてはおおむね二割五分程度の引き上げをすることが当然の措置なんです。そういう事情に取り巻かれているんだから引き上げをやらなけりゃならない。当然必要とするそういう引き上げをやる。その場合に大蔵省じゃその所要経費を旅費の方から捻出した、運賃の方から捻出した、つまりそういった経済事情の変動に対応して宿泊料、日当等の引き上げを行わなければならない、総体の二割五分の所要額というのは、金額にすれば、一般会計の場合では十一億一千五百万円、一般会計の場合は、それだけ予算がかかる。それを大蔵省の方は、大体それに見合う十億五千万円というものを運賃を引き下げてまかなおうとしている。その事実は、当然現在の経済情勢に応じて、宿泊、目当等の引き上げを行わなければならない情勢のもとに置かれておる。それをまかなうのに、年度予算は通ってしまった、通ってしまったその予算を横目に見て、その予算の中で、運賃を削って宿泊料の方に回す、こういうやり方をしているじゃありませんか。しかもそのふやす方は一律にふやして、減らす方は部分的に犠牲をしいている。不公平じゃありませんか。明らかに片手落だ。しかもあなたの方では、その減らす場合の四級、五級、六級というぶった切り方を、われわれの質問に対して、われわれが納得できるような説明はちっとも行わない、結局そういうことです。私が申し上げているのは、当然宿泊料等を上げなければならぬのに、その上げなければならぬのを、一部の者の犠牲において運賃を引き下げて、それでまかなっている。それが真相じゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/27
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028・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) 今お示しがございました前段の点につきましては、この法案の提案にからんで申し上げたことは適当でないと思いますので、私から取り消さしていただきます。
確かに宿泊料その他が上昇をいたしております。そういう実態等も見きわめまして、旅費は実費支弁を原則といたしているわけでございまするから、そういう実情等に即して、常識的にこの線を出そうということで、こういう改正案を用意いたしたわけでございまして、確かにお示しのように、宿泊料等が相当かさんできておることは私どもも了承いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/28
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029・青木一男
○委員長(青木一男君) 暫時休憩いたします。午後一時半より質疑を継続いたします。
午後零時二十六分休憩
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午後二時二十七分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/29
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030・青木一男
○委員長(青木一男君) 委員会を開会いたします。
国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑を継続いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/30
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031・田畑金光
○田畑金光君 山手政務次官に午前中の千葉委員並びに吉田委員の質疑に続いてお尋ねいたしますが、この法律案の理由説明書の中に、「従来、国家公務員等の旅費に関する法律の規定に定められた等級より下位の等級によって鉄道旅行または水路旅行を行うことが多い半面」云々。この文句については先ほど政務次官は取り消されたようでありまするが、正式にこれは削除される御用意があるかどうか、まず伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/31
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032・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) こういう法案の提案理由に関しまして、この文句があるというのも必ずしも適当でないと思いますので、削除してもよろしゅうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/32
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033・田畑金光
○田畑金光君 削除なされるという御意思の表明でありますから、その点は追及いたしませんが、しかしいやしくも政府を代表されて政務次官が御答弁なさるのに、先ほどの午前中のような答弁というものはまことに軽率であり、遺憾なことだと考えております。おそらくこっちにお並びの政務次官であっても、主計局次長であっても、給与課長であっても、これに類することがなかったとは私は万々言えないと思っております。中央政府の高級役人があるいは政府のおえら方が地方に出張なされる。そういう場合に府県の、あるいは市町村等においては、高級の自動車をもって送り迎えをしておる。そういうふうな場合はどういうことになるわけでしょうか。当然汽車賃をもらって乗っておるはずにかかわらず、汽車に乗らないで、役所差し回しの自動車に乗ってあるいておる。ただもうけ、ぼろもうけで、こういうふうなことばどういうことになるのか、そういうような場合はあとから払い戻しなされておるのかどうか。もし払い戻しをなさっておるとするならば、そういう一つ事例を示してもらいたいと思うわけですが、こういうふうな場合はどうなりましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/33
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034・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) ただいまお示しのような点につきましては、必ずしも実費主義ということで言っているわけではございませんで、御承知のように、旅費法は実費支弁の建前ではございますが、そういう場合を一々せんさくをして参りますことは、いろいろ適当でない面もあると思いますから、今申し上げましたように、規定によってそういう場合でも旅費を支給することにいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/34
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035・田畑金光
○田畑金光君 そういうような場合にも、要するに旅費を支給しておる、そういうことになって参りますると、この提案の理由書の中に掲げておる文句というものは、下の者をいじめるという考え方です。政府の高級官僚がおおっぴらにやっておることを、下の者だけに改めろといっても、これは無理な話だと思うのです。ことに旧旅費規定の日当や宿泊料を見ますと、これではとても旅行ができない、やむなく汽車賃を浮かして日当、宿泊料に充てるというのが、現実の下級職員の実態だろうと思うのです。これに比較いたしますと、高級役人の方は、そういうことをしなくても十分間に合うはずだが、地方出先機関や地方官庁の差し回しの自動車でもって無賃のサービスを受けておる。これはどうも納得がいかぬ問題だと思うのです。従来は四級、五級、六級の職員にも二等の運賃が支給されていた。ところが今度は、こういう人方は適用されない、こうなって参りますると、これは既得権の侵害だと、こう思うのですが、既得権の侵害に間違いありませんかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/35
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036・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) ただいまも申し上げましたように、この大体旅費法の規定は、実費支弁の建前で筋としてはやっておりまして、旅費法の規定によって、従来二等のものがそうでなくなったということは、必ずしも既得権の侵害というふうに言い切れるかどうか疑問があろうと思います。午前中に申し上げましたように、大体まあ、学校を出て一、二年たった程度の者は、会社に入りましても、実習とか見習いとかいうふうなことでございますし、また役所におきましても、大体そういうふうな仕事柄でございますので、まあまあ、常識的に考えて、この程度のところは、こういう三等で行ってもらっても、そう体面を云々とか、いろいろな問題はあるまいということで、この規定を改正をいたそうとするわけでございまして、既得権の侵害とかなんとかいうことにも必ずしもならないように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/36
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037・田畑金光
○田畑金光君 しかし山手さん、四級、五級、六級の職員は、従前鉄道旅行をやった場合には二等運賃が支給された。そうなりますと、当然これは給与上の一つの法的な権利として保障されていたわけではもりませんか。そうなって参りますると、少くとも今までは一つの既得権としては、これは法的にも保障されていたはずなんです。ところが今回は、それが剥奪をされようとしておる。なるほど今度のこの法律改正の内容を見ますると、内閣総理大臣以下七級までの職員は二等運賃を支給するということになって、さも一等運賃というものは、総理大臣以下支給されないような形になっているけれども、実際よくこれを読んでみますると、ただし内閣総理大臣等及び十四級職以上が一等を利用するときは一等——ちゃんと抜け穴ができている。こういう上役の方には何一つ被害がない、被害がないどころか、日当、宿泊料は、全部これは三割平気で値上げをしておるにもかかわらず、この下級職員に対してのみ鉄道運賃の値下げをするということは、既得権の侵害、まさにその通りだと思う。どういうわけでこういうようなことをするのですか、ことにあなたの先ほど来のお話によりますると、体面々々と言っておられますが、体面というのはどういうことですか。それもあわせて注釈を願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/37
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038・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) 先ほど来申しておりますように、旅費法の規定は大体実費支弁の建前でいっておるわけでございまして、いわゆる権利と申しますか、既得権というふうなものでは私どもはないと考えております。まあ六級以下の人たちが三等になることにつきまして、体面云々と申しましたけれども、普通常識的に考えて、この程度であれば、そうさして困るとか、あるいは非常に常識はずれのことである、そういうふうには考えないというわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/38
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039・田畑金光
○田畑金光君 そうしますと、どういうわけで従前は四級職から六級職までの職員に対して、二等の運賃を支給なすっていたのか、これは常識に反していたのかどうか、少くとも今度のこの法律改正の趣旨をながめてみますと、実費支弁ということはけっこうです。それでけっこうですが、上の方にも下の方にも平等に実費支弁の趣旨は生かされなければならぬはずです。今までもらっていた者が今度これが剥奪された、これは既得権とかむずかしい表現を使わなくても、とにかく従前支給されていたものが、なぜ支給されないのか、常識云々といっておられるが、今まで支給していたことが、それじゃ常識に反していたのかどうか、どういうわけで、今までは四級職から六級職の職員にも二等旅費を支給していたにかかわらず、今度はこれをはずしたのか、私はその辺の事情がわからぬわけでありますから、さらに一つ、納得のいく説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/39
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040・原純夫
○政府委員(原純夫君) 私補足して御説明申し上げます。大きな筋といたしましては、政務次官からたびたび申し上げましたように、旅費というのは実費を支弁する性質のものである、実費の支弁を個々の場合に一つ一つ、実際にかかった額を調べてやることは、手続として、制度として非常に煩瑣でありますから、大体これが実費であろうという程度を目安にしてやるということでございます。ただいまお話のありましたこの六級以下の者の鉄道賃が、二等から三等になるということは、そういう意味で別段権利とかなんとかという考えでなくて、実費支弁の建前でやるならばどうなるかということをすらっと考えて、新らしい旅費体系を考えたわけであります。実は率直に申しますと、そこに実費支弁と違うような制度でありますと、いろいろ弊害が起ります。たとえば実費は、実際は三等だと、これは先ほど来いろいろおとがめのある点でありますから、趣旨は決して意地悪い趣旨じゃございません。けさ方以来の政務次官の提案理由を中心とする考えは変らないのでありますが、やはり実際に実費でありますものと旅費法に定められます額が非常に違いまして、違いますと実際よりも高い部分の消費と申しますか、消費と言っちゃいけませんが、部分を使って出張するということが非常にふえておる。実際より低い旅費法の規定にある部分は極力詰めるというようなことに、これはなるのでございます。これは理屈でそうだと思います。端的に申しますと、四級、五級の人も、私も、まあ東京からの話でありますが、北海道、九州に出してくれということを言うのでございます。これはまあ非常に、出してくれというのはそもそもおかしい話なんでございます。役所の仕事のために出張してもらうわけでありますからおかしいのでありますが、事実そういうことがいろいろございます。この辺のところはやはり通常の実費と目されるところをにらんでやりました方がよろしいというわけで、鉄道賃については鉄道賃の実費と目されるもので、それから日当、宿泊料についてはその実費と目されるものを考えたわけでございまして、きわめてすらっとしたような感じでいたしておりますので、これで役所の公務のために出張していただくという目的のためには、こういう制度の方がよろしいという信念を持って実はお願いしておるわけでございます。いろいろそれですから従来の等級と違うような点から、まあ既得権と言わんでも、お話のようなさびしい気分がするというようなことはあるかもしれませんけれども、やはり旅費法の本来の精神、目的から申しまして、こういうふうにいたした方がよろしいと思って、実はお願いしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/40
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041・江田三郎
○江田三郎君 さっき、政務次官は田畑君の問いに対して提案理由の説明の中の「法律の規定に定められた等級より下位の等級によって鉄道旅行または水路旅行を行うことが多い」ということを取り消されたんでしょう。あなた取り消されましたね。そこで今原君の話を聞いておると、またこれが取り消したけれども、さらっとして何とかというような、さらっとしたというのは何がさらっとしたのかわからぬのですが、何か出てきておるが、私はさっき政務次官が言ったような取り消されたということは、はっきりしておると思うのです。そこでこの提案理由の説明の中からこれをお取り消しになると、一体この内国旅行の旅費を変える理由は何です。理由はないじゃないですか。これかけが理由になっているんでしょう。その理由を取り消されたんですから、私はこの提案理由の説明全体がこれはなくなってしまったと患わなければならないのです。だからその点一つはっきりして下さい。わかりませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/41
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042・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) 先ほど来おとがめがございましたので、その点については私は改めるように申し上げたのでございますが、先ほど来るる御説明申し上げております通り、この法案は実情に即して、実費でできるだけ実情に合うように改正をしよう、こういうことでございまして、そういう趣旨で取り消すと申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/42
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043・江田三郎
○江田三郎君 だからこれを取り消してしまうと、提案の理由というものはなくなるんじゃないですか。それで、既得権というような問題も出てきますけれども、あるいは出張して多少旅費が余るという場合があると思うのです。しかし一体あなた方の目標というものは、経費を節減するということにあるのか、それとも綱紀粛正というような、使っていないものを金をやるのはいかぬというようなことを、経費というものよりもむしろ綱紀粛正という面に置いておるのか、どちらなのか。どうもそういう点が、提案理由の一番肝心の点が抜けてしまえばわけがわからぬようになってしまう。かりに綱紀粛正というようなことを考える場合でも、午前中に木村君からも言っておられたんですけれども、役人が出張すると、帰りにミカンの一つでも、あわおこしでも買って帰る、これは私は非常にいいことじゃないかと思うのですよ。そういうことは一つも公務員の綱紀を乱すということじゃないと思うのです。しかし、それならこれでもうぎりぎりのところを与えたとしますよ。与えたとしても、やはり主人が東京へ行った、九州へ行ったといえば、子供は何かみやげを待っていますよ。そういうことを押えてしまうと、今度はどうなるかというのです。そうすると今度は何が出てくるかというと、何か便乗して、宿賃を払わないで御馳走ということが必ず出てくるのです。これはあなた方も長い経験でおわかりになると思うのです。それで綱紀の粛正という点から考えて、これはむしろマイナスになるんじゃないかということなんです。そういう点は、たとえば高位高官の方はそんなことはないといっても、高位高宮の方はあわおこしなんか買わんでも、行った先で、桃太郎の鬼征伐とまではいかぬけれども、大体みやげをもらっておるでしょう。帰りの汽車の窓には大てい積んでありますよ。農林省から行っても、どこから行ったって、駅に迎えに行くときには、自動車のうしろにみやげがたくさん入っているじゃないですか。ところが下級の人はそれができない。そういう人が、今までは体が疲れるけれども、三等に乗ってみやげの一つでも買ってやろうというようなことが、できなくなると、均衡がとれない。片方は黙っておっても行った先でみやげをくれる。片方は旅費を倹約して子供たちにあわおこしの一つも買って帰ろうとするが、それもできなくなる。それで何かそこに無理が出てくるのですよ。私はこういうものでは角をためて牛を殺すということになりはしないかと思う。それから実際問題として、実費々々と言われますけれども、実際やれないことが書いてありますよ。たとえばこの飛行機の運賃、この飛行機の運賃でも十三級以上の者は最上級の運賃、それから下の者は、これは何と読むか、直近下位というか、むずかしい言葉が使ってありますが、その運賃と、こう書いてある。しかし、たとえば飛行機で、今一等しかない飛行機がありますね。そういう飛行機で海外へ出ていく。私はこの間行って参りましたが、参議院から職員がついていく、衆議院から職員がついていく、そういう職員はそんなら一等しかない飛行機で行く場合、議員と一緒に行かなければならないのに一体どうしますか。その直近下位というような席がないじゃないですか。これはできないことを書いてあるでしょう。そういうことをすると、どこかほかのところで何かやりくりの無理をしなければならぬということになるので、そういうあとのことはどうでもよろしいが、とにかく肝心の提案の理由がなくなったんですから、これは審議のしょうがないことになると思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/43
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044・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) 今お話の点はいろいろごもっともの点があるのでございますが、先ほど申し上げましたように、宿泊料そのほかにおきましても相当高くなって参っておりまして、汽車の運賃については二等なんかのないところなぞもございまして、いろいろ比較的ゆっくりしておりますが、宿泊料については足が出るというふうな傾向が生じて参っております。そのためにざっくばらんに申し上げますると、宿に泊ると足が出る、それをカバーするために、まあそう遠くまで行かないでも一応行けるのでありますが、さらに九州に出るとか北海道まで出ていくというふうな傾向などもないことはないような実情でございまして、実際としては非常に苦しい問題が私は公務員諸君にも多かったろうと思うのであります。そこで宿泊料そのほかを三割程度引き上げることによりまして、実際に必要な場所に出てもらう。そうして宿泊費そのほかに足が出ることがないようにしてやりたいと、こういうふうな気持もあったわけでございます。今申し上げておりますように、旅費法の規定を実費主義でおおまかにこれを実情に即したように改正をしていって、順次改善をしていきたいという腹で、この改正案を出したわけでありますから、よろしくお願いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/44
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045・江田三郎
○江田三郎君 私が聞いておることにお答え願いたいのです。今の宿泊料のことは私はわかるのです。それは「反面、日当及び宿泊料の定額は、旅館の宿泊料金等の実態に比べて低額であると考えられますので」云々と書いてあるのだから、私も提案理由の説明に書いてある通りであるからよくわかりますよ。ところが運賃の方は、これは今提案理由のここをあなたは取り消されたのだから、取り消されただけでブランクになってしまっては、何を基準にして審議していいかわからんじゃないか。それはあらためて文書でも、作りかえた文書でも出されますか。審議の仕方がないじゃないですか。一行しかないものを一行削ってやったら何もないじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/45
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046・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) 先ほど申し上げましたのは、それでございますから「下位の等級によって鉄道旅行」を行う云々ということは必ずしも適当でないので、実際に即した実費主義で行かしめるためにというふうな訂正をし、改めるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/46
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047・江田三郎
○江田三郎君 これはちゃんと文章にして配ってあるのですから、これを改めるなら改めるで、文章をもう一ぺん書き改めて配り直してもらいたい。そうしなければわけがわからんですよ。たまたま私たちはここにおったからあなたが取り消されたことがわかりますけれども、おらんものにはわかりはしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/47
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048・千葉信
○千葉信君 先ほどの原君の答弁に関連して、今江田君の方から提案理由の問題について御質問がありましたが、私はさっきの答弁でもう一つ問題がある。先ほどの答弁ではすらっとしたものにしたいということで、すらっとしたものにしたいというのは、たとえば北海道とか九州等へ四級五級の職員等がなるべく出張させてくれ、やってくれということを言っている実情だ。しかもその旅行の状態は旅費に関する法律が実費弁償を原則とし、その実費弁償の原則からいけば、実情は必ずしもその法律の趣旨とするところに沿っていない。つまりここにも問題になった支給された旅費をそのまま使わないで、下位の旅費で行く実情があるのだから、すっきりしたものにしたい、こういうことになるのですが、この点については私は前に質問したことであるから、これ以上深追いいたしません。しかしそういう理由だとしたち、今原さんが言われた四級五級の職員が遠くへやってくれとか、出張させてくれとかそういうことは、四級、五級、六級のものに限ることではない。同時にまた今回運賃の等級を切り下げられた十一級、十二級、十三級の諸君にもやはりそういうことはあるとあなた方は認識されておられるのか。この点はもう四級、五級、六級の諸君と違って、こちらの方にはそういう事実がないというふうにあなた方はお考えになっておられるのか。この点が第一点。
それからもう一つは、そういう事実が今度運賃の等級を下げられなかった七級、八級、九級、十級、こういう方々には今あなたが言われたような、すらっとした形にしなければならんというような実情は全然ないと考えておるのか。六級以下と七級以上の間には、そういう点についてはっきりとした区別があるのだ、実情はそうじゃないということをあなた方は考えておられるのですか。この点が第二点。これはさっきのあなたの答弁に関連して出てきたものですからお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/48
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049・原純夫
○政府委員(原純夫君) 第一の十一級ないし十三級について、四級ないし六級と同様な事情があるかないか、私はあると思います。やはりこの旅費法の規定する旅費と実際実費と思われる旅費とが違いますと、旅費法で規定するのがうんと多い、うんとといいますか、多いとそっちをよけいなにしようということは、これは間違ってはおりますが、人情はそうなります。それはあると思います。
それから間の七級ないし十級はそれじゃもう完全無欠ぴたりでいっているのかという点は、これはある境で切るのですから、ニュアンスのある事柄で、必ずしも完全にとは私は申せないと思います。ただやはりおのずからこの辺が実費だろうと思われる筋で、この見当をつけましたという意味が、七級ないし十級については他のものよりもその事情が少なかろうというふうに考えて、その部分は当然除いてあるというふうに、この際申し上げられるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/49
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050・千葉信
○千葉信君 七級以上大体十級までの諸君の場合にはあまりそういう状態はない。これは別に根拠があるのじゃなくて、あなたが大体そういうふうだろうというように考えているにすぎないのでしょう。何かあなた方これに対してはっきりこういう事実がありますとか、こういう証拠がありますとか、こういう実証がありますというようなことはないんです。ただあなたが頭の中で、もしくはだれかから聞いた話を根底にして、たぶんそういうことだ。十級以下七級まではそういうことはあまりない。しかし運賃の高い十一級以上の方については、今まではこれは明らかに旅費法からいうと、旅費法の規定した金額は少し多すぎる。それからまた六級以下の場合についてもあなた方の場合には、今までこの委員会の質疑応答でもはっきりしていますが、これまたあなた方は根拠も何もなしに今まで根拠がないということははっきりしているのだから、そこで問題になるのは、さっき山手次官がせっかく提案理由の説明としたこの事実については、立証するものがなければ資料もない。従って山手さんはそこで正直に取り消すと言われた。だから今その提案理由の問題について江田君から突っ込まれた。しかもその提案理由が消滅した以上は、この法律案を提案する根拠はないのじゃないかというのは当然のことだ。ところがあなたの答弁はそういう山手さんの取り消されたその立場をまだ固執して、いや実情はこうなんだ、あなた方の当初この法律案の提案に対してとられた考え方、やはり実情はそういう格好があるということを、あなたはしきりに強弁しようとして、さっきの答弁をされた。これじゃだめなんだ。あなた、やはり勇敢にはっきり取り消さんことには、この問題で、ああでもない、こうでもないという質疑が当然続かざるを得ない。あなたの言う答弁は、裏を返せば山手次官が取り消されたそのことをまだ固執して、いやすっきりした格好にするためには、すらっとした格好にするためには、この旅費法で規定されている旅費の額は実情よりは多いのだ。極端にいえば、もらった旅費のうちネコババをきめて半分以下の三等に、いわゆる一等の半分以下の二等にネコババをきめて乗った、こういう事実がある、自分はこういう推測をしている、あなたはそういう意見を固執している。しかもあなたはこの前の委員会でも、そういう立証をするものはありませんと言い、追及されたら、いや私どももそう考えるし、各省の会計課長なんかも大体そういうふうなことを言っておりました。この程度じゃないか。そんな答弁を承わると、ますます混乱するだけなんです。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/50
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051・原純夫
○政府委員(原純夫君) この提案理由について取り消しましたのは、若干——若干と申しますか、表現が不穏当であるというふうなお責めがございましたので、それは不穏当だから、つまりもらった旅費を使わないでくすねておるというようなことに読めるようでは、これはよろしくないからというので取り消すわけでございます。しかしながらやはり一方で実費、実費と申し上げておりますのは、 (「そんな説明をしちやだめだ」と呼ぶ者あり)大体使う費用を考えて旅費法できめるということを申し上げておるわけで、(「いよいよ混乱するよ」と呼ぶ者あり)それは私はやはりそれが正しい旅費法のきめ方であると思います。現にこの十一級以上が一等あるいはその下が二等というふうになっておりますのも、まあかりに言いますれば、全部の官吏に一等というのをやるという制度もないではありませんが、それはおかしいと世間は言うだろうと思います。それはやはり順位、段階があってしかるべきだ。そして実費主義の原則でその段階を極力いろんな点から検討して、段階というものをつけて、こういうことになるというふうに考えて、その意味で実費主義の建前で検討すればこうなるという趣旨で、先ほどのあれもお取り消しになったのだと思いますし、私もそういうように考えておりますので、ただ表現が二等の運賃をもらって使ってないでけしからんじゃないかというふうな書き方ではよろしくないからということで、そんなら改めたらよろしいと思っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/51
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052・千葉信
○千葉信君 あなたがそういう答弁を固執されると、私どもとしてははっきりあなたの方からこの提案の理由等を立証するものを出してもらわなければならぬし、それからそういう事実がどの程度あるかという正確な資料も出してもらわなければならぬ。いいですか、それですからあなたが今言っておられた提案理由の説明の関係は、単に表現の問題ではなく、はっきりとこの法律案を提案した理由そのものが、表現のあり様いかんにかかわらず、実際問題としてあなた方は下位の級で旅行しているという事実があるから、だからこの法律を変える、はっきりこうなっているのですよ。読んでみますが、一回。「従来、国家公務員等の旅費に関する法律の規定に定められた等級より下位の等級によって鉄道旅行または水路旅行を行うことが多い反面」、その反面というのは、今度日当、宿泊料は少いから、この点は上げる。江田君の言ったように、この点はいい。しかし運賃の等級を下げるということについては、これはあなたの方の提案の根拠じゃないか。表現のうまいへた、もしくばまたきれい、きたないじゃないです、これは……。表現のあり様そのものに問題があるのではないのです。だからせっかくこういう理由ではないということを山手さんが今までの答弁の中で言われておるし、それからさっきは、はっきりとこれを取り消されているのですから、あなた何もそこで何の反証もなければ、資料も出せといったら出すことのできない格好でおりながら、何を一体これ以上、四級、五級の連中は遠くへ行きたがる。遠くへ行きたがる理由は、金もうけのために行きたがるのだといわんばかりじゃないか、あなたの言うことは。そうでしょう。やってくれというのは九州とか北海道なんかの遠くへおれもやってくれ、旅費でもうけようという魂胆で申し出ているのだ、あなたの言うことは、結論から言えばそうなんです。だからあなたはすらっとした格好で、今回の法律の改正が、そういうごまかして歩いているのを、ごまかせないように、実際に三等の運賃を支給するのだ。これは、法律の原則とするところの実費弁償の形は、今度の改正でやっと適用する、あなたはその通りにやっておることなんです。それだとあなたはこれ以上今の答弁を固執されるならば、その答弁を立証する、その答弁の正確な資料を国会としては要求せざるを得ませんよ。それでなければこの法律は審議できませんよ。どうですか、これ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/52
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053・原純夫
○政府委員(原純夫君) 旅費法で鉄道運賃の階級をきめます場合に、実際にどの階級が幾ら使っているから、それをやめるということは一つの基準にはなりますが、必ずしも最終的な基準ではありません。やはり常識的に考えて、この級までの人間にはこの等級を与えてよろしいという判断があってよろしいと思います。私どもその判断もまじえて申しておりますので、同時に民間の旅費の支給規程等をみて、この実際の何と申しますか、判断の基礎となる条件というようなものにもあたりをつけてやっているわけであります。従いまして実際に乗っているものをやるというだけでなく、乗るのにどの程度のものに乗りなさいということは、組織としてと申しますか、政府として公務員に言うて差しつかえない、むしろ言うて規律すべきであろうと考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/53
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054・千葉信
○千葉信君 あのね、突っ込まれたから今度は別な理由をあなたの方では出してこられた。大体どの程度の等級で旅費を支給することが適当であろうかという判断の上に立って、これも理由の一つとしてきめられる、あなたはそういうふうに今度は答弁を発展させられた。そういう理由はわれわれも理由としては認めていいと思うのです、そういう理由は。いいですか、しかしあなた方はなぜそれなら当初からそういうわれわれの了承できそうな理由をはっきり取り上げてやらないのですか。(「書きかえてこなければだめだよ」と呼ぶ者あり)やらないでおいて、今ごろになってから委員会における質疑の過程で初めて、追及されて初めてそういう答弁に発展してきた。私はそういう答弁で、一応理由としては認めることができる妥当性を持っている。しかしそれならそれで、そういう方針であるということをなぜここに書かないのか。そして一方に理由は、はっきり書いてあるところの理由については、今までの質疑応答からいいましても、必ずしもこのためではない。しかもそういう事実については立証するものはございませんと言っている。だからあなたがそういう答弁を固執する限りは、やはり江田君の言ったように、それならこの程度の理由を書き直してこい、正式文書として……。これは委員会の冒頭の提案理由の説明にあなた方は党々と読まれた。それを基礎として国会は審議することになっているのだから、あなたがたはこの提案理由を出し直して、この委員会で実はこうでございますといって読み上げなければ。あなたの方で今その用意があるのですか。あるならばいいが、ない以上は、原君のような答弁を固執したら審議は絶対進まない。どうなのですか。ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/54
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055・原純夫
○政府委員(原純夫君) 提案理由は読み上げてその写しを差し上げるものだろうと思いますので、その趣旨が不徹底であったり、あるいは表現が適当でなかった、あるいは間違っておったというような場合に、口頭で申し上げて御了承いただけるのではなかろうかと思って、ただいままで申し上げているわけでございます。そういう次第でございますから一つよろしくお願いします。(江田三郎君「原君、日ごろの元気に似合わないよ」と述ぶ、笑声)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/55
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056・千葉信
○千葉信君 よろしく御了承しますが、しかしそれにはあなたがさつき言った答弁を取り消さなければならぬですよ。それならば、ここであらためてわれわれは提案理由の出し直しをしろとか、もう一回そこで釈明をしろということは言わない。あなたのさっき言った答弁を取り消しなさい。それなら了承しますよ。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/56
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057・原純夫
○政府委員(原純夫君) 私は全然間違っていることを申しているのではないので、言葉が足りませんので、(千葉信君「足りないじゃない」と述ぶ)初めから何と申しますか級に応じて旅費が変るというようなことは、旅費法を審議されます場合当然のことだろう。たとえば日当にしても宿泊料にしても、これは級の上の人から下の人までずっと差がついておりますので、当然のことだろうと思って考えておったわけでありますので、一つせっかく御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/57
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058・千葉信
○千葉信君 あなたはそういうことを、ああでもない、こうでもないとわれわれを言いくるめようとなさっても、あなたの言いくるめようでは決してこれは言いくるめられませんから。そこであんた、男らしくはっきりどっちかに態度をおきめなさい。提案理由を出し直しをするか、さもなければ、せっかく山手政務次官が——あなたは表現の仕方がどうのこうのと言うけれども、表現の仕方じゃない。法律を提案するに至った根拠をこれは悪うございましたと言って取り消しておるじゃないか。それをあなたはまたああでもない、こうでもないと言って、また当初の提案理由に逆戻りするような答弁をしておる。あんたそれを取り消さぬ限り、この提案理由の出し直しをわれわれは要求せざるを得ないのですよ。ねちねちしないでやりなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/58
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059・田畑金光
○田畑金光君 あなた方の方でそういうちぐはぐな答弁をされては、これから質問を進めるわけにも参らぬわけです。先ほど来聞いていると、しどろもどろのようだから、しばらく休憩して、その間に提案理由の説明についてあなた方が、特に山手政務次官が削除されたわけだから、それにのっとるような提案の理由の説明を出し直してきてもらいたい。その間一つしばらく休憩して三者御相談なさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/59
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060・野本品吉
○野本品吉君 ただいま田畑君からお話がございましたが、この点については、私は審議の最初からのことを考えまして、お互いの気持に納得できかねている点があるように思いますので、ここで提案の理由を書きかえるとかいうことの前に、一応政府側とわれわれと話し合って、そうしてどういう措置をとるか、懇談をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/60
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061・青木一男
○委員長(青木一男君) それでは速記中止。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/61
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062・青木一男
○委員長(青木一男君) 速記開始。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/62
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063・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) 先ほど御質問に対しまして、私から御答弁申し上げました点でございますが、法律の規定に定められた等級より下位の等級をもって云々というこの提案理由の説明の用語は、公務員が特に下位の等級によって利用することによって、何と申しますか、その差額をふところに入れるというような響きも出るおそれがございましたので、用語として適当でないから訂正をいたしますと私は申し上げたのでごさいますが、今原主計局次長が御答弁申し上げました点につきましても、私の考えと同様でございまして、この一般民間の実情等に即して適正な実費をめんどうみるという建前において、この旅費法の改正をしたいという意図であろうと思いますので、その点皆さん方の御了承をお願い申し上げます。(「了解」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/63
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064・田畑金光
○田畑金光君 そういう趣旨であるとすれば、私が当初質問した中に、たとえば高級官僚たちが地方に出かけるような場合に、地方官庁差し回しの自動車等を利用して実際にただ乗りをしておる、そういう事例が多いのです。あるいは江田委員の質問の中にもあったような宿泊料なんかについても、それぞれ適当なサービスを受けたり、あるいはよけいなみやげものをもらって帰ってくる、こういうふうな場合が多々あるわけだが、こういうような点については政府としてはどういう考えでおられるのか、この点一つ承わりたいと思います。(「大蔵省に聞いても仕方がない」「大蔵省で旅費を預っている」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/64
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065・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) 綱紀の粛正その他の建前からいたしますと、たとい高級の役人でございましても、政府から旅費そのほかをもらって旅行をいたしておりまする場合には、当然自分でその旅費を使って宿泊し、あるいは旅行するのが建前でございまして、みだりにこの民間やその他におぶさっていくというふうなことは、私はできるだけ慎しましむるべきものであろうと考えております。ただその現実にはいろいろな、つまり上も下も、あるいは多少そういうことがあろうと思いますけれども、起きる場合がございます。旅費法は御承知のように実費支弁の建前をとっておりまするから、一々一つ一つ具体的なケースを洗って旅費を支給するということになりますと、そういう場合においては、それぞれその実費ということで、中央から行ったものが地方で厄介になるというふうなことがありますというと、いろいろ問題があろうと思いますけれども、まあそれはこの一々具体的に旅費法に書く一わけにも参りませんし、趣旨としては旅費法は実費でいくということでございまして、そういうことにつきましては、深くこまかい点にまでせんさくはいたさないのが現状なわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/65
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066・田畑金光
○田畑金光君 私が先ほど質問した中で、四級、五級、六級の職員は、従前二等の運賃が支給されていた、今度はこれがはずされたということは、私はどうしても納得がいかん。あなた方の先ほど来の説明を聞いても納得するわけには参らんのです。どうして、今まではこれらの職員にも二等運賃を支給していたにもかかわらず、今度はこれをはずすのか、先ほど来のあなた方の話を聞いておると、この法案を出したその趣旨というものは、ここに書いたこととはある程度ニュアンスが違って、むしろ一般的な客観的な常識の基準に基いて、新しい改正法案を出したような説明があったわけだが、その点はそれでいいと思う。しかし従前なぜやっていたものが今回はずされたのか、従前やっていたことが常識に反していたのか、一般的な基準に逸脱していたのかどうか、その基準とか尺度というものは何に基くべきものなのか、それを一つ御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/66
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067・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) けさほど来も申し上げましたように、まあ私どもは常識的に割り切ってみたのでありますけれども、大学を出まして一、二年程度のところは、三等で参りましてもちょっともおかしくない。むしろあまり若い人が高い等級のところにすわるということは、その方が常識的でないという気もいたします。まあ大学を出て一、二年程度のところは、私が会社なんかにおりましたころも、実習生とかあるいは見習生とかいうふうな、実際には実務上はさして役づきでないことはもちろん、重要な責任のある仕事をまかされるようなこともあるまいと思いますので、三等で参りましても、その程度で適当ではあるまいかと、こういうことで、こういう処置をとることにいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/67
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068・田畑金光
○田畑金光君 あなたの話を聞いていますと、なるほどけさほど来たびたび大学卒業をして一、二年程度は、そして年が若いのだからと、こういうお話ですが、私、役人の飯を食ったことがないのでよくわかりませんが公務員は全部これは大学卒業生のみで占められているのですか。
それともう一つお尋ねしたいのは、常に六級職あるいは七級職というものの判断の基準に、大学卒業と言われておりますが、この六級職以下の職員というのは、若い人方のみですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/68
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069・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) 私は大学出を標準にとって申し上げたのでありますが、普通の学校を卒業しまして六、七年か七、八年たって、まあ六級、七級程度のところまで到達すると思いますので、年令的にもこういう基準をきめて施行さすことが適当であろう、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/69
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070・田畑金光
○田畑金光君 そこにあなたのお話の中には、その今までの御答弁と食い違いが出てくるわけです。大学をなるほど出た者が、一、二年後に七級職になるかもわからんが、(「ならない、ならない」と呼ぶ者あり)ならんという話をしている。ところが六級職以下の人方の中には、相当大学以下の学校を出て、多年の経験、あるいは長い間公務員として勤めてきた人が相当いると私は信ずるわけです。こういう人方は単に大学を出ていないという理由だけで、そういう形式的な尺度によって、今日まで受けていた既得権といったらあるいは言葉が過ぎるかもしらんが、とにかく既存の法律によって保障された給与上の権利が今回失われてくる、こうなってくるというと、これは重大な問題だと思うのです。公務員が大学卒業生のみでない、大学を卒業して試験受けて通っただけでない。そうじゃなくて、むしろ下からだんだんたたき上げ積み上げて、そうして下積みの仕事をしてきた人が、私はこのクラスに多いのじゃないかと見ているのですが、そうなれば当然この人たちに対してもそれ相応の政府は報いる道を講じてやるべきだと思う。そういう意味において、なぜ既存の給与を受けていた人方が、今回の法改正によってはずされなければならんのかと、私は特にこの下の人方になぜこのように非常に軽率な措置というか、軽んずる措置をとられたのか、これがどうしても納得がいかないので、この点の一つ納得のいく御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/70
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071・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) 私は大学卒業二年ということで、一応基準にとって、それくらいの年令、若さということで申し上げたのでありますが、今申し上げましたように、新制高校を卒業いたしまして七、八年たつと、大体七級ぐらいになるようでありますから、年令的にも二十才ちょっと出た程度のところでございまして、私どもは旅行するのに実際の実情からいたしまして、特に二等に乗らなければならないという年令ではあるまいと、こう考えているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/71
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072・永岡光治
○永岡光治君 関連して。ただいまの七級職は二十才そこそこだというのですが、そんなばかなことは私はないと思うのですが、どこの官庁の例ですか、それは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/72
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073・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) 私、二十才そこそこと言いましたけれども、二十五、六才です。(「五才違う」「二十五、六才でもなかなかなれない」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/73
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074・田畑金光
○田畑金光君 二十五、六才でもおそらく……。山手さん、あなたの答弁ではどうしても納得いかんですがね、それでこれはちょっと話が飛びますけれども、あなたの先ほどのお話の中に体面という言葉がたびたび使われているのです。おそらくこれも、今も、体面という尺度であなたはずっと理論を組み立てて答弁しておられるようだが、体面というのは一体何ですか、これを一つ注釈していただきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/74
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075・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) 体面を具体的に説明せよと申されましてもちょっとむつかしいのでありますけれども、まあ大臣は大臣としての見識を保たなければいけないと思いますし、局長は局長、課長は課長、あるいは国会議員は国会議員としてのやっていいこと、やっていかんこと、まあ風采にいたしましても国会議員は国会議員らしい風采をせよとか、いろいろございますので、そういう意味で常識的に申し上げておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/75
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076・田畑金光
○田畑金光君 この間、私新聞を見たわけですが、十河国鉄総裁が今度新しく三等寝台車ができたので、大阪から東京まで三等寝台車に寝て来た、これなんか非常に気持のいい記事だと思って読んだのです。これがために国鉄総裁の体面をけがしたというようなことは毛頭ない、こう考えるのであります。それでそういうような、どの尺度からいった場合に、体面というものは、これは何を基準としているのか、むしろ山手政務次官が三等車に乗って旅行されたというと、非常にこれは綱紀粛正の点においても、国民道義の高揚に対しても、まことにこれはけっこうな話だと、こう思うのです。ところが出張先に行って、地方出先機関のお金でもっていろいろ飲み食いをしていた姿では、とてもこれは国民道義のためにもよろしくない、こう考えるのです。問題は体面とかいうよりも、仕事の性質の問題じゃなかろうかと思うのです。ほんとうに仕事を能率的に効率的に公務員の諸君ができるためのものが旅費であり、旅費の内容だと、こう思うのです。そういう意味からいって、私は四級職、五級職、六級職の職員を、あなた方が先ほど来の考え方でこう軽々しく取り扱われたということはまことに遺憾だと思うのです。この点についてどうですか、あなた方は間違っておるというような気持は起きてきませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/76
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077・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) もちろんわれわれといたしましても、国家財政が十二分でございまして、許せるならばできるだけ多く旅費なんかを手厚くいたしたい所存でございますが、何分にも非常に多くの公務員をかかえておりますし、旅費も、あるいはそのほか事務費等につきましても、できるだけ切りつめて能率よくやらなければなりません建前もございます関係上、無理のない程度、常識的に民間そのほかのやり方等も参考にいたしまして、この程度のことで行けばまあまあうまく行けるであろう、こういう考えでこういう案を立案をいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/77
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078・田畑金光
○田畑金光君 吉田前総理はよく地方に旅行される場合に、日航機を借り上げて乗っていたとか、特別仕立ての車を乗り回して、汽車を乗り回しておられたようだが、あれも実費支弁で旅費の中に入るわけですか。山手政務次官御承知でしょう……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/78
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079・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) 私はあの当時吉田総理の旅行が、どういうふうに旅費が支払われておったか知りませんけれども、総理は総理大臣としての旅費をもらっておられたことであろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/79
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080・田畑金光
○田畑金光君 実費支弁ということになって来ますと、あれも当然旅費として支給されることになるだろと思うのです。この旅費の法律案の内容を見ますと、あるいは今度の改正案の構想を見ると、内閣総理大臣にはとにかく乗ったものは実費としてそれだけの料金を払うという思想によって貫かれておりますが、飛行機を借り上げたやつも、特別列車を仕立てて行ったやつも旅費で支給するということになって来ると、これは大へんだと思うのですがね、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/80
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081・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 普通の交通機関を利用しない、そうした特別のものを使うという場合に、支給いたします旅費もやはり国家公務員等の旅費に関する法律の規定による旅費だけが旅費として支払われるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/81
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082・野本品吉
○野本品吉君 ちょっと関連して。私田畑さんが六級以下の若い人と申しますか、比較的下級の地位にあるものに対して同情される気持はこれはまことにわかるのです。しかしながら下級のものに同情するという気持があまりに強過ぎて、日本の高級官僚がことごとくそういった自動車にただ乗っている、それから飲み食いまでもごちそうになって来るというような印象を国民に与えるということについては、私はちょっと遺憾でありますので、そういうようなお気持がないと思うのですが、私はそれに対して田畑委員に……、(「誰に対する質問だ」「委員長、議事進行上疑義がある」と呼ぶ者あり)そういう点について非常に不愉快な印象を持っておるので、(田畑金光君「どうせよというのですか」と述ぶ)あなたに言っているのではない。それで政府の方からもそういう点については、綱紀の粛正云々ということがありますが、この点については明確にしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/82
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083・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) 綱紀粛正の問題でございますから私から御答弁するのは必ずしも適当じゃないと思いますけれども、高級官僚といえども、地方出先機関等の経費におぶさって、そういうふうなことがあることは好ましくないことでございまして、きっちりと旅費法によって旅費は支給を受けるわけでございますから、それぞれ精算をし、勘定をして正規の旅費を使って行くようにさしたいものでございます。まあそういう点につきましても、内閣全体といたしましても、いろいろ今後処置をしてもらうことが適当であろうと思いまするし、上司に伝達もいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/83
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084・江田三郎
○江田三郎君 私先ほどちょっと航空賃のことを聞きましたが、あの内容は覚えておられると思うので、あの答弁を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/84
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085・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 技術的な点でございますので、私から御答弁さしていただきます。外国旅行の場合の航空賃が二等級ございます場合には、先ほど御質問ございましたように、十二級以下は二等ということになっております。しかし運賃の等級が一つしかないというような場合には、現にそれを利用した場合の運賃をそのまま支払う、こういう法律の規定に相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/85
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086・江田三郎
○江田三郎君 現にその航空路には二つの料金があるわけです。たとえば一等とツーリストというものがあるわけです。ところがツーリストのない飛行機があるわけです。だから航空路としてはツーリストのやつがあるのですから、ロンドンへ行くのにツーリストで行けばいいので、この規定で行けば十二級以下の人はツーリストの運賃しかもらえない。しかし国会の職員が国会議員と行く場合に別の飛行機で行くわけには参りません。たまたま私この間乗った飛行機なんかは一等しかない。そうするとこれで行くというと、ツーリストの運賃を支給されて、そうして一等の飛行機で行かなければならぬことになる。実情に即して私は聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/86
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087・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 航空賃の支給区分はやはり二段階あれば二段階ということで、これは普通の場合そうしていただきたいという趣旨で、この本則は規定しておるわけでございますが、ただそうした場合御質問のありましたような随行と申しますか、本来一等に乗れる方について行く場合、その場合にはどうしても一等に乗らなければならぬという事態が生じました場合には、四十六条の二項という規定がございますが、これでそのときの旅行の実情から見て、どうしてもやむを得ないと判断いたしました場合には、その一等料金は支給できる、かように相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/87
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088・江田三郎
○江田三郎君 四十六条の二項ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/88
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089・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 今度の改正の条文でございます。法案の四ページにあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/89
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090・江田三郎
○江田三郎君 そうすると、そういうときには一々大蔵大臣に協議をしなければならぬのですか、大へんなことですが、一々そうやるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/90
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091・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 現在の外国旅費については、大体個々の出張につきまして御協議を受けておるというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/91
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092・江田三郎
○江田三郎君 そういうことが必ずあるのですからね、だからしてそれが一々大蔵大臣の許可を受けるなんというようなことでなしに、この三十四条の一項の中の規定を少し変えたら、これはいいのじゃないですか、この規定の仕方がちょっと無理が伴うのじゃないですか。たとえば「運賃の等級を設けない航空路」とあるから、一つしかない等級の飛行機に乗っても、そういう問題ができるのだけれども、運賃の等級を設けない飛行機という場合だったら、このままずっと行けるわけです。これどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/92
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093・岸本晋
○説明員(岸本晋君) これは航空賃に等級を設ける航空路、これはありました場合には、普通の状態といたしますれば、この程度の支給区分にいたすのが実情に適した等級区分であろうという前提からこれを定めたわけでございます。内国旅行の場合の支給区分と同じ考えでございます。ただ先ほど御指摘のようなどうしてもそういう場合も一等に乗せなければならないという場合には、別途協議の上で別個の支給区分をきめるという考え方をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/93
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094・江田三郎
○江田三郎君 たとえば宿賃の場合にはどうなりますか、国会で出張していく、これは国内の場です。国会職員がついて行くのですが、それで議員が一級の宿に泊っており、職員だけそんなら私は何級だからというので小さい宿に泊るわけにいかぬでしょう。なかなか一級宿で泊ると、女中部屋の隅でいいと言っても、そう安くいかぬ場合もありますから、これはその場合にはどうしますか、そういう場合には。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/94
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095・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 国内でございますと、いろいろ旅館の選択の自由がございます。同じ旅館の中でも相当選択の余地はあろうかと思います。そうした意味で随行の場合だというので、特に差別は設けてないわけでございます。まあ外国の場合になりますと、特にこの航空賃の場合でございますが、そういう場合は実際上差別を設けますと、随行した場合の職務が足せないという場合が往々にして起きますので、先ほど申しましたような特例を考えたいということでございます。国内の場合でございますと、そういったどうしても同じ一級の同じ部屋に泊らなければならないというようなこともないのじゃないかと、一般にさようなことも考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/95
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096・江田三郎
○江田三郎君 同じ宿に泊らないでもいいのですが、なかなか国会議員が泊っておる大きな宿屋で、安い部屋を探してくれと言うたって、そう安くない。そこでいろいろのやり方があると言われるけれども、いろいろなやり方が実情としてはどうなるかというと、ただ何か一定の料金だけを出してあとは地元の方に御迷惑をかけて、さようならということになるので、そこでこういう宿賃だけでなしに、実際問題として、四級とか六級とかそういう人は二等に乗っちゃいかぬ、今まではよかったけれども、三等に乗らなければいかぬということになると、むしろ無理がほかの方へ出て来やしないかということを私は心配するわけなんです。だからこういう厳重に厳重にやってそのためにかえって妙なことになるんじゃないか。行った先に迷惑をかけたり、あるいはとんでもない、当然宿を取るべきところを夜行列車で行ったところが、疲れて行った先では能率が上らなくて居眠りばかりしておったということになるのではないか。だからあなた方は、何億か何百億になるか知りませんけれども、原さん、大きな額になるんですか、これはどうなんですか。しかしどっちみち大した額じゃないでしょうが、せっかくそういうことをやられてかえってそのために角をためて牛を殺すというようなことになるんじゃないか。たとえば今まで二等に乗っていたものが三等でなければいかぬということになると、その諸君の気持はどうでしょう、私は心中おだやかなら、ざるものが出てくると思います。何だ、上の方のやつはいいことをやって、われわれはひどい目にあうじゃないか、そういうことになっては、ほんとうの役所の規律というものは、あなた方は机の上ではうまく行くようにお考えになるかもしれませんけれども、実情としては妙なとこころに波及してくるのではないか。一体これは何ぼになるんですか、二等に乗っておったものが三等に乗るということになると。それからさらにさっきも政務次官も原さんも答えておられたけれども、どうもこういうことになるから中国まで行けばいいのを九州まで行かしてくれということになる。これはそういうことを言われるのはおかしいので、これは役所の方で上の方の人がはんこを押すんでしょうが、はんこを押す人が考えたらいいのであって、それは三等にしたところで何等にしたところで、それはのばしていけば運賃の余分を取るだけでなしに日数の余分を取ればどんな細工でもやれるんですから、ちょっと考えても筋が立たぬと思う。どうも私はあなた方のやられることが、せっかく日本の財政を考えてやっておられるんでしょうけれども、かえって綱紀粛正というような面から見れば、弊害を生んでくるのではないか、あるいは下級職一員の不平不満をこのために積らせるのではないか、そういうことを心配するんですが、それはどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/96
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097・原純夫
○政府委員(原純夫君) 一般会計で申しますと、旅費の予算額は約百億円でございます。その中で日額旅費、外国旅費というようなものが特殊なものとしてあって、普通の旅費は約六十億円でございます。その六十億円のうち鉄道賃は約二十五億円、残りの三十五億円が日当、宿泊料というふうになっております。それでお示しの通り六級以下の人が行けば二等が三等になるというその点は確かに従来よりも不利になるわけでありますが、たびたび申し上げますように、旅費全体として合理的な構成に持っていこうというつもりでいたしておりますので、旅行の実費を支弁するという大きな目的のために、最も合理的なと申しますか、妥当な線を考えたらこうなりましたということでお願いしておりますので、まあ中に減るものあり、ふえるものありというようなところは、まあある程度できてもやむを得ない、旅費を出す目的に合いますような制度にしたいというふうに考えました次第でございますから一つ御了承をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/97
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098・江田三郎
○江田三郎君 大体この二十五億と今言われた数字の中で二等に乗っておったものを三等に乗せるということで何ぼ違うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/98
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099・原純夫
○政府委員(原純夫君) 一等を二等にというのも別にございますが、それらを合せまして約鉄道賃の四割五分程度、額にしまして十一億円程度の減になるだろうということを見込んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/99
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100・江田三郎
○江田三郎君 それはまあ一等が二等になるというのはまだいいですけれども、二等が三等になるというのは、そうするとその十一億の中でいったらわずかですね。片方でそのかわりあなたの方に言わすと、それはしかしこれで浮いてくるけれども、宿賃の方で出るのだから差し引き同じことだという説明だと思うのですよ。しかし、宿賃というものは、これは物価指数が変って来て、これはもうどんどん上っていくのだから、上ったものに即応するのが当り前のことでしょう。それと汽車賃とは別個に考えなければならぬのですよ。宿賃の方でたくさん出すのだから、汽車賃で押えるということにはならぬですね。かりに汽車賃が上ったらどうしますか。鉄道運賃が上ったらどうしますか。鉄道運賃が上ったから宿賃をああしておくということはできぬでしょう。また下げるというのはどうしますか、宿賃の上って出てくる支出の増と、片方の方で節約する額とを天びんにかけてやっておられるのでしょうが、私はそれはちょっと違うと思うですな。宿賃を上げるのはよろしい、よろしいじゃないですよ、当り前ですよ。しかしそれとこれとを天びんにかけるというのは、少し原さんあなたもけち過ぎますよ。大蔵省の原次長がなんです、こんな小さな金を、なにをそんなびくびくしているのですか。ちょっとそこはやっぱり——そこだけ元にしておいたらどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/100
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101・原純夫
○政府委員(原純夫君) おっしゃる通り、宿賃を上げるから鉄道賃でこれを取り返すというようなのは、間違いでございます。そういう気持でやっておるのではないのでありまして、実費支弁の建前に合うような体系に直すということなんでございます。従いまして、事柄の運びとして、予算が出ます際にこのなにをきめて、結論が、総額は同じになるとしても、先にきめて予算を御提案するという筋合いかもしれませんが、非常に多忙でもありましたのと、各省の話もまとまらなかったというようなわけで、予算は、従来のなんで組んでしまった、そこでどうしようかということになったわけであります。いろいろ今申した実費支弁の建前で、さて合理的にやったらどうなるかという案を考えてみましたら、たまたま総額はいいぞという案があったというので、そんならやっぱり合理的にした方がいいのじゃないかということで、各省とも御相談しましたら、各省側もやはり今のは相当不合理があるから、このように直してもらった方がいいというような御意見でございまして、それで実はお願いしたようなわけでございますから、そういう経緯から一つ御了承いただきたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/101
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102・江田三郎
○江田三郎君 原さんといい、次官といい、提案理由でも立ちどころに変えられるようなベテランですから、今言っておられることも、また途中で適当にお考えになったことだと思う。まあそうでしょう、原さん。あなたの方は、宿賃がこう上った、何とかこれをせんというとちょっとほかの省へ対して、一般の事業費やなんか削るのに格好がつかぬ、こういうことでやっておるのだろうと思うのですよ、私は。しかしそれはおかしいですよ。なんぼ考えたって宿便が上ったということと、それだけを今度汽車賃の方で浮かそうという考えとこれを結びつけちゃ間違いですよ。どうしたところで、宿賃が上ったものは上ったものにしておけばいいんで、とにかく田畑君の言うような既得権という点があるかどうか知りませんけれども、この間まで二等で旅行できておったものを、お前は今度この六月か、いつかしらぬけれども、三等だと言われればどういう気になるでしょうか、そういう人々は。あなた方はそういう目に合われたことはないかもしれませんけれども、今一般に給与ベースというものも、民間の方はだんだん上っていきおる。官公庁の場合でも、給与ベースとしては上らぬでも、何とかこれは少し民間のところを考えても少し色をつけなければならぬというような空気になっているときに、片方で旅費を実質的に下げられて、しかもそういう諸君はほんとうの中堅といいますか、一番仕事をやってもらわなければならぬ諸君ですが、相当給与にも不平なり不満を持っている諸君が、今だんだん民間が給与がよくなっていきおるときに、十分のベース・アップもなくて、片方では何億か知らぬが汽車賃を——みみっちい話ですよ、汽車賃ですよ。汽車賃を削られてお前は今まで二等に乗っておったが三等で行け、これは原さんあなたにしちゃ思いやりがありませんね。これまではいろいろ思いやりがあるのですが、どうですか、大蔵次官、これは提案理由も改められたのだから、その内容も少し改めたらどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/102
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103・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) 原主計局次長から御説明を申し上げました通り、この改正案は実情に即するように(「即さないのだよ」と呼ぶ者あり)改めようということで、各省と種々協議をいたしました結果、結論を出したわけでございまして、私どもはいろいろ今まで二等であった人が三等になったというふうなことを考えますとお気の毒にも思いますし、長い目で見ますと、大きな国家行政組織の中にいる人たちのことも、将来国家としてもいろいろ考えなければならぬことがあります次第で、できればこういう案で一つ改正をさしていただきたいと思う次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/103
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104・永岡光治
○永岡光治君 今の点ですが、私は六級職以下を言ってみれば不当にいじめているという感を非常に深くいたしますが、ただいま原さんの方から予算の節減の額が示されましたが、出張に出るのは六級職以下というのはそうたくさんは各官庁でないと思います。三級は従来通り、六級から四級までで具体的にどのくらいの経費の節約になっているか、その点が第一点。そのくらいわからなければ意味がない、でたらめな提案では困る。それからもう一つは、七級職は二十五、六というような話しですが、おそらく満で二十五、六ということを言っておられるのだと思いますが、こういう官庁もそうないと思います。これは大蔵省だけの官庁ですか。これは日本の官庁の例をとると、七級職以上ということになれば、私は三十ぐらいになっていると思いますが、どこのことかそれをはっきり示していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/104
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105・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 二十六、七才で新高卒ならば七級職と申し上げましたが、これは現在の一般職の給与法の級別俸給表で、普通で参りますと、大体その年輩で参るわけであります。これは、主として一般事務職員でありますとか、あるいは特別のタイピストとか交換手とか、そういった特殊技能職員に当てはまるわけであります。ただ小使さん、守衛さん、そうした何と言いますか、単純労務に服しておられる人々はたしかこれより若干おそくなっております。おそくなっておりますが、またそういう方々にとりましてはほとんど出張というケースがないということであります。出張に行く大多数の職員は二十六、七才で七職級になっているということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/105
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106・永岡光治
○永岡光治君 経費の節減はどのくらいか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/106
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107・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 鉄道賃で十一億大体節減になろうという推定を下しておりますが、その中身といたしましては、旅費の予算が大体一人当り人頭旅費幾らということで計算した分が相当ございますので、その分析が今技術的になかなか困難な点もございますし……。(「あなたの勘でどうだ」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/107
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108・永岡光治
○永岡光治君 それは微々たるものですよ。僕も経験がありますが、六級職以下で出張するということは何人ありますか。これで節約になるのは実際微々たるものだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/108
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109・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 六級職以下はほとんど出張しないとおっしゃるわけでありますが、その点私はただいま確実な資料を手元に持ち合せておりませんので申し上げようございませんが、ただ最近ではほんとうに旅費予算を有効に利用するという意味で、ほんとうに働ける人を出すという方向に向っていることは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/109
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110・千葉信
○千葉信君 関連。今の永岡君の質問に対してなされた答弁ですが、私は当初の内閣委員会で質疑応答をいたしましたが、そのときの話によりますと、四級、五級、六級の職員というものは、実際の出張も短距離の旅行だから、非常に近間の旅行だから、従ってその運賃が二等から三等に下ってもそんなに大きな不利益はこうむらないのだ、ごく微々たるものだ、こういう御答弁だった。ところがそういう甚大な不利益を受けているとか受けていないということが、今の答弁でいきますと、全然大蔵省の方では調べてもいなければ資料もない。全然その根拠もなしにわれわれに対して答弁を行なったということになると思うのです。この点一体どっちなんです。それからもう一つは、われわれの質疑に答えて、大蔵省の方から出ている答弁では、一方では鉄道運賃は四割五分の節減だ、一般会計のうちの普通旅費の六十億円のうちから従来の鉄道運賃二十五億円、そのうちから十一億一千工、六百万円の節約が行われる。そうすると、ここでまた食い違いが出てくる。大した実害がないのだという答弁が一方でありながら、一方では実際問題として鉄道運賃が四割五分も今度は削られている。全体の運賃の四割五分も削られるということが、被害が少い、少いなんていう答弁は、私はそこから出てこないと思う。当人たちにとっては甚大な不利益だ。これは一体どっちなんです。しかもこの大体四割五分で十一億にも達するという数字が、単なる推測なのか、一応は大蔵省の方で責任をもってこの答弁をしておるのか、もし責任をもってこの答弁をしておるとすれば、前に答弁された、実害はないという、そんなに大きな不利益は与えていないという答弁は、この際変更されなければならない。どっちなんですか、一体。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/110
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111・原純夫
○政府委員(原純夫君) 出張、これに対して支給する旅費の関係では、あるべき姿と実の姿というものが、先ほど来申し上げております通り、実は観念的には二つ考えてみなければいかぬのじゃないかと思っております。下級の職員は実害が少いと言いますのは、あるべき姿における出張を前提といたしますと、大体四級、五級の職員に遠い他の地方に行ってもらうという必要は、まず特殊な物を運ぶというような場合以外はない、仕事の調査なりあるいは処理なりのために行ってもらうということはまずないわけでございます。従いまして、ごく近間に行ってもらえば足りるのがほとんど大部分であります。そういう前提に立てば・近間における鉄道運賃は、これは二等が三等になってもそう大きく響かない、むしろ一泊する日当宿泊料の方を実情に合わすということが、より重大な問題といいますか、いいことになる。ところが先ほど来申し上げておりますように、実際には、旅費と目されるものと旅費法の規定が相当開いておりますために、かなり遠くへの旅行が行われるというような傾向があります。これは、やはりそういう引力が働くのでありますが、これは事実でありまして、いろんな官庁でも組合がいろいろ要求されますのは、下級職員にも旅費を一人頭幾ら使ってくれというようなことを言うようなことがあるわけであります。そういう現実から考えますと、だんだん旅費法の構成が一体合理的になりますれば、相当鉄道運賃の方は節約になるというふうに考えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/111
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112・千葉信
○千葉信君 ずいぶんいろんなことを言われましたが、私は答弁の趣旨が全然了解できない。私の質問に対して答弁されたその具体的な内容というものは私には全然わからない。しかしまあ、わからないと言ってみたところで、あまりああでもない、こうでもないと追及するのは何ですから、大体妥協して、私はこういう点はどうだろうかといって念を押している。それは、一つは、四級、五級、六級というやつはあまり遠くへ行かない。この級に属する職員等はあまり重要な仕事もしないし、従ってそう遠くへ重要な仕事で行くことは大体ない。大体ないから、これはあまり実害がそんなに大きなものじゃない。そういうことになると、十一億一千五百万円の旅費の節約によってその影響を受け、その犠牲になるのは、それはほとんど十一級、十二級、十三級、こういう職員です。これらの職員が非常に四、五、六の職員の肩がわりをして、こっちに犠牲のしわ寄せがくるという意味の答弁の趣旨なのか、そう了解していいのか、これが第一。それから第二の点は、今、原君の答弁を聞いておると三、四、五の職員諸君はあまり遠くへ行かない。あまり重要な任務を帯びて遠くに行くことはないからという答弁です。そういうやり方——そういう出張の命令の仕方は、大蔵省で旅費にそういうひもをつけてやっているから、そういう事態になるというのか、それとも各省の長が、今、原君が言われたような方針でいつも出張を発令し、そういう方針に基いて発令をして、各ごとに原君の言われた方針をとっているのか、とっていることがあなたの方に明確に連絡があって、それを根拠としてあなたが今のような答弁をされているのか、それともあなたが大かたそういう格好であろうとか、そういう答弁をすればこの法律案の審議については国会は何とか切り抜けられるであろうという、方便としてそういう答弁をしているのか、一体どっちなんです。第一の点と第二の点、具体的に答弁して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/112
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113・原純夫
○政府委員(原純夫君) 第一の点でありますが、十一億も減るということにつきまして、四、五、六級は、低いといいますか、近間に行っているということは、行っているというよりも、近間への出張で大部分、事が足りるはずのものである。ところが実際には、ただいまも申し上げましたような不合理から、どうして4遠くへという引力が働いて遠くへ行っているのです。この合理的な制度になった場合よりも遠くへ行っているのです。従いまして、それが合理的になる、そうしますと、まあ元額が多いから、それの減る額がそれだけ多くなるというほか、さらに何と申しますか、合理化されて距離が縮まれば、それだけ実際の元額も減ってくるというようなことで御了解いただきたいわけでございます。(「いよいよ妙なことを言い出すよ」「大蔵省、きょうはどうかしている」と呼ぶ者あり)
それから、そういう考え方が各省との間にどういう了解と申しますか、どういう関係にあるかということにつきましては、まあこの制度が実態に合いませんと、ある引力といいますか、変更が起るということは、まあちょっと考えればわかることでもありますし、これはやはり各省もそういうことはあるのです。あって、みんなそういうことは承知しているわけですから、一々そうだろうというだめを押しませんでも、これはだれもそうだというように考えておられると思います。現に今回の案をいろいろ御提案に御相談になりました場合にも、関係各省との間にそういう点についての旅行の実情と制度との乖離についての悩みというものは、当然の前提となって、それについて根本的に意見が合わないというようなことはございませんでした。これは何回か会議をいたしておりますので、はっきりと申し上げておるところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/113
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114・江田三郎
○江田三郎君 ちょっと関連して。
原君、それがおかしいのだよ。あなた、引力というような、まあ新語を出して、これはちょっと原料にしては、近ごろいい知恵を出されたと思うのだけれども、それがいかぬと言うているのです。さっき田畑君の言われたことに対して、野本さんが言われたのは一体何ですか。どうもただの自動車へ乗ったり、それから宿賃を一部分しか払っておらぬようなことを言われたが、そういうことは少し政府としても考えなければならぬじゃないか。そういうことを田畑君に言わすようなことじゃ困る、そう言うたんでしょう。私はそう聞いた。ところがそれに政務次官は、政府としてもそういうことはないように気をつけますと言うとるんでしょう。ところが今の話を聞いておると、引力なるものが出てきて、旅費を乱費しているんだということをあなたは認められて、しかも今の制度でいくと、今後もそれはもう避けられないというように肯定されてしまうのでしょう。あなたは日ごろ、一体予算の査定のときにどういう態度をとっておるのですか。われわれの農村のことなんか持っていくと、小さなことでも非常に厳重なことを言っておいて、それで役所では、そういうあなたの引力と称するものによって旅費の不当支出が行われても、それを当然のこととして認めるじゃありませんか。今後もこの制度でいくと、そうなるのだ。綱紀を粛正しようとか何とかいう気持は、どこにもないじゃないか。それがいけないのですよ。ちょっと原さん、きょうはノイローゼか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/114
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115・原純夫
○政府委員(原純夫君) 実は私が申し上げておりますのは、引力がなくなるように、あるいは少くなるようにしようということで御提案申し上げているので、この改正をお認め願いますれば、引力は確実に減って参ると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/115
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116・永岡光治
○永岡光治君 これは引力を規制すると言われるけれども、今までも、もしそういう引力があってやったとするならば、やはり苦しいからそういうことを実際に上司も認めてハンコを押していると思う。苦しいというのは、これになるとよけい苦しくなるから、上司は、今まで広島でいいものを九州まで延ばさなければならぬという結果になるのですよ、当然なる。それは、この問題は、あなたがどう弁解しようと、そうなるのですよ。私はそれを憂えるのですが、この問題はこれとして、先ほど申し上げましたように、次の機会でもいいですから、六級から四級までにおける経費の節減の資料を各省別に出してもらいたい。
それから次に一つお尋ねするのでありますが、この車賃ですね、この車賃で、それぞれ大臣以下ずっと一キロメートルについて九円から四円という差が出ておりますが、これは先ほどからいろいろ合理的に実情に即してということをしきりに言っておりますが、実情に即しているのですか。たとえば私は具体的な例を申し上げますならば、十一級職の場合には一キロ六円、七級職以下は四円です。その車賃というのはどういう車に乗るのですか。そういう車があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/116
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117・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 御質問の第一点の予算の額の問題でございますが、先ほどの十一億節減になるということを申し上げましたが、大体四級職以上についての全職員についての計算でございます。これが七級職以上にすると約七億、従いましてその差額四億が四、五、六のところに大体当てはまるということに相なろうと思います。
それから第二点の車賃でございますが、この車賃は、鉄道とか船舶によらない普通の灘上の旅行について支給される、たとえばバスでありますとか、都電でありますとか、そうした普通の陸上の交通機関を利用するときに、一キロメートル当りで支給する、こういう性質のものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/117
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118・永岡光治
○永岡光治君 そうすると、七級職の乗るバスの料金と、八級職の乗るバスの料金は違うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/118
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119・岸本晋
○説明員(岸本晋君) この点は旅費法の建前でございますが、やはりそれぞれの地位に応じて、旅費のあるべきと申しますか、標準的な実費額を変えていくという建前をとっておるのであります。やはり上になりますると、あるいは普通のハイヤーを利用するような場合もあるかもしれない、そうした建前でこれを考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/119
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120・永岡光治
○永岡光治君 おかしいじゃないですか。私の聞いておることに具体的に答えて下さい。八級職の場合のバスの料金と、七級職以下の場合のバスの料金と、区別があるのか、ないのか。あるなら、ある、ないなら、ないと、はっきり言ってもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/120
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121・岸本晋
○説明員(岸本晋君) 八級職の場合は、車賃は一キロメートル五円、七級以下は四円ということで、差別がついております。車賃というものは、バスに乗ったら幾ら、電車に乗ったら幾ら、そういう建前では計算いたしませんで、陸上の旅行は一キロメートル当り、七級職以下なら四円、八級職なら五円、これで計算したものを支給するわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/121
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122・永岡光治
○永岡光治君 ですから、もしそういうことであるならば、根拠は何によって五円でいい、四円でいいというものを計算されたか。車賃というのは、どういうものを利用するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/122
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123・岸本晋
○説明員(岸本晋君) この車賃の計算の基礎は、やはり四円が基礎になっております。これは私鉄でございますとか、バス会社でございますとか、そういうものの陸上交通機関の一キロメートル当りの賃率を計算いたしまして、その平均的な金額を四円と押えております。あと、上にいくに従って上っております。これは日当、宿泊料と同じように、上にいくに従って割増しがついておりますので、それと同じ割増し率をつけておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/123
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124・永岡光治
○永岡光治君 それじゃ実費弁償じゃない。たとえば八級職の人が私鉄に乗っても、七職級の人が私鉄に乗っても、あなた、八級職だから二割増しの料金を下さい、そういう料金はないのです。実情に即していないじゃないか。あなた方が今まで説明したことは全く矛盾じゃないですか。実際に即してやるというが、何が実際的ですか。ちっとも実際的じゃない。七級職以下だって、ハイヤーに乗れば百五十円払う。大臣が乗っても、十一級職が乗っても同じです。私鉄に乗ったって同じ料金を払う。でたらめです。いかに下級職員について過酷な取扱いをしておるか。根拠がないということです。根拠を明白に示してもらいたい、区別をつける根拠を。どういう具体的な計算をして、運賃がどうして八級職以上に割増しがつくか、私鉄やバスに乗る場合に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/124
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125・千葉信
○千葉信君 関連。今、永岡君の質問された点は、やはり大きな問題だと思います。やはりそれに関連して私がお尋ねしたいことば、この旅費に関する法律は、原則として実費弁償を方針としておる。これは今まではっきり繰り返されておるところであります。実費弁償の法律で、その実態に即するようにやるという点からいいますと、これは今問題になっておる車賃以外にも、たとえば日当にしても、たとえば宿泊料にしても、食卓料にしても、あまり区分が多過ぎる。ここに問題が私はあると思うのです。たとえば内閣総理大臣、最高裁判所長官その他、それから十五級の者はまた別、十三級、十四級はまた別、十一級、十二級はまた別、九級、十級はまた別、八級、七級はまた別、こんなふうに細分して車賃をきめる、宿泊料をきめる、日当をきめる。これじゃ、せっかく大蔵省の方で、これは実費弁償の実態的な方式をとるのだということを言っても、行って泊る場合に、こんなに細分された状態に宿泊料がなっておるということになると、実情はそうじゃないと思う、泊る泊らないは別として。ここに私は問題があると思う。なぜ、そういう点からいうと、せっかく妥当な実情に沿うような法律の改正を行うのだというならば、やはりここにある細分の方式というものは、もう少し統合して、なるほど改正法律案を見ても、こういう実態は、宿泊料にしても、車賃にしても、実情はこうであろうと思われるような格好の改正をしなかったか。車賃もその一つの例だと思います。これでは幾らあなたの方で、実費弁償方式を具体的に実情に沿うように妥当なものにするのだ、妥当なものにするのだと言っても、こういう点を残しておるのでは好ましくない結論になる。答弁とは食い違った実情になる。ちっとも実費弁償ではない。こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/125
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126・山手滿男
○政府委員(山手滿男君) 実費弁償の建前と矛盾をするじゃないかというお示しでございますが、一見そういうふうに見えますけれども、ただ大臣、あるいは次官あるいは局長あるいは課長、各クラスの人が出張しました場合に、ちょっと昼飯を食べた場合も、大臣の場合はそう、この、いじましいような御祝儀を置いていくわけにもいかぬということで、ある程度奮発をするというのが実情でございましょうし、まあ課長クラスでありましたならば、まあまあというところでよかろうということもありますし、まあそういうふうにいろいろ段階もございましょうし、(笑声)車賃についても、さっき給与課長から申し上げましたように、乗るものの種類はいろいろございましょうと思われまするので、いろいろな給与そのほかに応じて段階をつけることが実際の実費弁償の趣旨に沿っていくと私どもは考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/126
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127・千葉信
○千葉信君 私は段階をつけるなというのじゃないんですよ。やはり一応あなたが言われたように、まあ大臣の出すチップと、課長の出すチップと、係長の出すチップとは違ってくるし、食うものも違ってくるし、泊る宿も違ってくるし、しかしそれにしてもあまりその区分が多過ぎるから私は問題にしておるのです。チップをやるについても、食べるについても、七級と八級の者がチップのやり方が違うのか、食うものが違うのか。八級と九級と食うものが違うのか、何だってこんなこまかく区分して、これが実情だ、実情だ、これがほんとうに実費弁償の実情に沿うのだ、チンプンカンプンじゃないですか。私は差をつけちゃいかんと言っているのではない。その差のつけ方が問題だ。ちっとも、あなた方が言っている、この法律は実費弁償の原則にのっとって、その実情に沿うように改正したのだということになっておらぬ。なっていないのを、ここにもこういうふうにあまりこまかく分けているから、さっぱりその実費弁償の格好にならないじゃないか。理屈から言っても、実情から言っても。それを聞いておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/127
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128・原純夫
○政府委員(原純夫君) 私から補足してお答え申し上げます。(千葉信君「補足ではない、やり直しをやれ」と述ぶ)
まず主たる点は、階級の上の人と下の人とで、宿泊料なり日当なりあるいは車賃なりについて差があることがしかるべきかということでございますが、これはただいま政務次官が申し上げたところで、(千葉君「差はあってもいいと言っている」と述ぶ)千葉委員も御了解いただいたようでありますから、差があるのは妥当である。そうしますと、なお、差をどんな段階に刻むかという問題になって、こまかいか荒いかということは、いろいろやり方があるわけで、かなり沿革的に、かつての動かします比率をずっとかけてきたのが実情であります。おっしゃる通りもっと荒くした方がいいというお話もあろうと思いますが、しかしそのことは、何と申しますか、本質的にうんと荒くしなければいけないのだととも思いませんし、まあまあ従来こういう階級があってやってきたのだから、この際うんと特に大きく飛ぶということがなくても、こういうのは、差が、階段があるのはむしろおかしいので、斜線で方程式で出すということが、あるいは一番ぴったりするのかもしらんという考え方があるかもしれませんが、その辺りところは、従来の法制を、仕組みを踏襲して、それに上げる率をかけるというようなやり方をしても差しつかえないじゃないかと思って実は提案申し上げたような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/128
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129・千葉信
○千葉信君 答弁になっていない。今の答弁何のかんのと言ったけれども、要約すれば、こういう段階を設けたのは沿革があるからだ。これがその今の答弁の骨子である。自分たちの都合のいいときには沿革を尊重する、沿革に沿ってきめる、そういう答弁をしている。一方では沿革に沿って今までの歴史なり今までの実情なりを尊重するという、沿革に立ってこの法律の改正をやるなら、なぜ一体、四級、五級、六級を、二等から三等に落したのか。十一級以上のものを、今までの沿革によってずっと国家公務員の旅費に関する法律に従って一等にした。それをなぜ一体今度二等に落したのか。都合のいいときには沿革を引っぱり出して、都合の悪いときには実情に沿うように、実態に合うように直したのだという。運賃を切り下げた方式からいけば、これもやはり実費弁償の原則に従って、こんなにこまかくやることはおかしいじゃないですか。差をつけることは私も認める。しかしその差のつけ方があまりこまか過ぎて、そのために実情に沿わない。一級違ったために車賃も違う。その車賃も、今、永岡委員が質問したように、宿泊料もそうである。日当もそうだ。まるで答弁がちぐはぐになって、ちっとも審議が進まないじゃありませんか、その答弁では。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/129
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130・原純夫
○政府委員(原純夫君) 私は沿革だからというだけで申したのではございません。(千葉信君「中心がそうだ」と述ぶ)差がある、上と下とで差があることが必要であるということが第一であり、差があればそれを各級にどうするかという問題が次に起る。それが今申したように、線を引いて、斜線を引いて方程式で書くというやり方があるいは一番いいかもしれぬ。おそらくそれが一番いいのでしょう。差がこまかくついているということは、斜線に近いということなんです。荒いと大きな階段ができる。この方がむしろシステムとしては合理的ではなかろうか。鉄道運賃というのはそういうこまかい等級がありませんので、一等、二等、三等、これは一応そう分けざるを得ない。これは金額ですから、こういう格好でよろしいのじゃないかというふうに思って申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/130
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131・永岡光治
○永岡光治君 まあ旅館に泊る場合のチップのことで若干区別があるというのは、私はそれは認めましょう。しかしそれにしても、これは全然問題にならぬと思うのですね。たとえば七級の職員が千二百二十円で、そうして八級職員が千三百円で、これは実際何をやっているのかちっともわからぬ。七級職、八級職、九級職ということでそれは区別はつきませんよ。サービスというのはサービスの実情に応じて出すのであって、下級者といえどもどんどん出しますよ。こういう問題については、大臣とか次官とか特別な体面を保つといいましょうか、今までいろいろ説明されたそういう意味での段階を二つくらいに大きく分けることには、これは一応理屈としては承認ができると思いますが、あなたがしきりに実費主義を主張されました交通運賃の件ですね。交通運賃とは、これは車賃についても同様なことが言えるわけです。それを七級職以下の人が一キロのバスは四円で、八級職は五円払うということは全然成り立たない。その問題に関する限りは成り立たない。これはどういう理屈を、あなた方は理由づけしようとしているのですか。私が聞きたいことは、率直に答えていただきたいと思うのですが、一キロについてバス料金が違うかということです。乗る人によって違うのか違わないのか。それだけを明確にしてくれればいい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/131
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132・原純夫
○政府委員(原純夫君) バス料金はもちろん同じであります。が、それだけお答えしたのでは、どうも私どもの真意が通りませんのでちょっと補足して申し上げますが、先ほど政務次官から申し上げましたのは、まあ下の方の人はバスで歩くのを定石とするが、ところが上の方になればなるほど、まあ内閣総理大臣が出張に行ってバスで歩くということは、これはおそらくないと思います。やはりハイヤーを雇われることであろうと思います。消費の性質が違ってくるわけであります。バスの料金は同じでありますが、それをこういう定額にいたしたというわけであります。
それから宿泊料にいたしましても、まあ先ほどはチップを一つの例にして言われたわけでありますが、もちろん上チップのもとになります宿賃自体が、四級、五級の若い人が泊る宿賃と、総理なりあるいは大臣、次官の泊る宿賃とは違います。(江田三郎君「極端だよ」と述ぶ)それをやはり妥当に睨んで旅費法というものは作らなければなりませんので、そういうわけでありますから、上と下というものの柱を立て、そうしてそれを結んでやりますために、まあこまか過ぎるというお話でありますが、考えてみると、こんなものじゃなかろうかというふうに思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/132
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133・永岡光治
○永岡光治君 私はその分け方を今問題にしているということは、やっぱり今千葉さんも言ったのですが、こまかく分け過ぎるということは実情に即さないというのです。四級や五級と大臣の違うことはだれでも知っていますよ。大臣とその他で分けられる考えはないのですか。それならば私は納得するのです。それが実情に即さない第一点。それから車賃について、大臣が地方に行ってハイヤーに乗る大臣がありますか。それこそ実情に即さない。知事や所管官庁から車を出しますよ。大臣が一々ハイヤーを雇っていますか。その実情があれば私お聞きしたいと思う。どうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/133
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134・原純夫
○政府委員(原純夫君) そういう諸掛りがよけいかかるということであります。車が出ましても、大臣はそれこそこういうときには相当御祝儀を出されると思います。(笑声)とてもおそらくこういう定額で……、要するに諸掛りがよけいかかるということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/134
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135・永岡光治
○永岡光治君 大臣は諸掛りがかかるということは、これはそうでしょう。しかし大臣が、こういうところでこういう経費に頼られる大臣は、けちくさい考えを持っておられる大臣じゃないかと思いますが、私の主張したいのは、大きく、大臣とか次官クラスとかいうものの経費の要るのもわかるけれども、これは本省の局長クラスも若干要るでしょう、そういう大きな分け方はいいけれども、七級職だ、八級職だ、九級職だということによって、しかも一キロについて一円ぐらいの違いをつけて自己満足するというばかなことは、私はないと思います。しかもあなた方が主張しているのは、実費主義をとろうというのですよ。次官級でハイヤーを雇ったらハイヤーの料金を上げるというのですか。上げないでしょう。だからこの際は、大臣、次官、局長その他大ざっぱに大きく分けて、下の方の待遇もうんとよくするように善処してほしいと思うのですが、そういう気持は、将来改正する意思はないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/135
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136・原純夫
○政府委員(原純夫君) やっぱりこれは、このおそらく四級、五級の人の出る出張というのは、処分の責任ないし調査の責任を持って行くというようなことよりも、割合に付随的な書類を運ぶとか何とかいうことの方が多いのだろうと思います。そういう人は全部バスで行く。ところが八級、九級、十級となってきますと、九級、十級のところは相当な係長、十級になれば課長というような仕事になります。そうなると、責任を持って処分をやります。処分をやりますには、行政の実際において、一刻もゆるがせにできないというような場合もありますね。こういう場合には、まあバスでは間に合わない、車を飛ばしていくというようなことになってきます。そういうことになって段階がついておりますので、一円がついておりますのもしようがない。そういうようなことでありますから、やはりこれを大臣は一グループであとは全部一緒だということにも参らぬのじゃないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/136
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137・永岡光治
○永岡光治君 私はそういうことを言われると、また反問したくなるのですがね。八級職以上の場合はハイヤーを使うから、それでキロあたり五円にしたんだ、ほかのところはバスだから四円にしたんだ、ここがおかしいキロ五円じゃ足りませんよ。今日一キロ五円で走る車はありませんよ。将来考慮して下さい。宿泊料その他も……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/137
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138・原純夫
○政府委員(原純夫君) 本件は将来研究いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/138
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139・青木一男
○委員長(青木一男君) 他に御発言もなければ、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/139
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140・青木一男
○委員長(青木一男君) 御異議ないと認めます。
これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/140
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141・千葉信
○千葉信君 私はこの法律案に対して次の修正案を提出いたします。修正部分を除く原案については、なお若干疑問の点を有しながらも、この際あえて賛成をいたします。
修正案を朗読いたします。
国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案
国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
第十六条第一項の改正規定及び第十七条第一項の改正規定中『「十一級」を「七級」に』を『「十一級」を「四級」に』に、『同号ロ中「十級以下四級以上」を「六級以下」に、「二等」を「三等」に改め、同号ハを削り、同項第二号中「四級」を「七級」に、「三級」を「六級」に改め、』を「同号ロを削り、同号ハを同号ロとし、」に改める。
提案の要旨は、内国旅行の旅費につきまして、鉄道賃の改正規定の中で、六級及び五、四級の職員についての等級の切り下げの規定を修正して、これらの職員については現行通りの等級とするように改めようとするものであり、同様に船賃の場合についてもこれと全く同趣旨の修正を加えようとするものであります。私がこれらの修正を提案するに至りました原案そのものに対する反対の理由としては大よそ次の三つの点からでございます。
第一は、今回の法律を提案するに当りまして、政府の方から行われました提案理由は、実情においては、国家公務員等の旅費に関する法律の規定に定められた等級より下位の等級によって鉄道旅行または水路旅行を行うことが多いという、その本法律を改正するに至りましたその理由についてでありますが、この理由が政府によって明確に確認され、もしくはまたその反証がある場合は別として、この法律案の審議の過程で判明しましたところでは、何らの用意もなければ、その実情を立証するに足る資料の提出も得られず、しかもこの理由たるや、公務員全体に対する侮辱であるという観点からも、われわれはこのような実情にないという認識と、従ってまたこれを理由とした政府当局に対する不満の意思を表明して、委員会における審議の過程では、ついにこの提案の理由については遺憾の意を表明され、取り消しをされるに至りましたことについては、その事情を考えてみましても、私は今回この法律を改正しようとしたその根拠がついえ去ったという状態からは、むしろ本法律案を撤回されんことを当然の結論としてわれわれは期待せざるを得なかったのでありますが、ついにその方途が講ぜられなかったことについては、きわめてわれわれとしては遺憾に存ずる次第でございます。
反対の第二の理由、つまり修正案を提起せざるを得なかった第二の理由は、この法律案の実質上の内容の点でございます。今回の法律の改正案の提起に当りまして、その骨子となりました方法を拝見いたしますと、たとえば一般会計等の場合における百九億八千七百万円の旅費中、普通旅費六十億、しかもこの場合における鉄道運賃は二十五億、宿泊料その他が三十五億という三十一年度予算のこの建前に対して、今回鉄道運賃あるいは船賃等の場合において四割五分、十一億一千五百万円を節約して、そして宿泊、日当等においては三割の引き上げを行う。つまりその金額にして十億五千万円の引き上げを行なって差引とんとんという釈明でありますが、しかしながら事情は、国家公務員に対する旅費の法律が制定されました昭和二十五年以降二十七年において、おおよそ二割五分の宿泊、日当等に対する引き上げが行われ、その引き上げの理由が、国民経済、国内経済事情等の変動に対応するための引き上げであるという理由で行われ、しかも今回の場合には同様に、昭和二十七年以降における国内経済事情の変動なり、もしくはまた、都市、農村を通じての国民の消費水準がおおよそ平均して二割五分程度の上昇を見ておるという実態から見ますならば、当然その分については所要なる引き上げとして予算を計上して、宿泊料、日当、車賃等に対する適正な改正が行われてしかるべきであるにかかわらず、今回の場合には、その引き上げを行うその財二瀬として、国家公務員中四級、五級、六級の職員に対しては従来の二等の運賃を三等に切り下げ、また十一級以上に対しては従来の一等の運賃を二等に引き下げるという方法を通じて、これらの所要経費を生み出そうとしたその態度であります。そういう態度が一体、公務の能率的な運営、国家公務員の努力に対する実費弁償という方式からいいましても、すこぶる厳格に過ぎたものであって、しかもその所要財源を生み出すことの犠牲が下級公務員にはなはだしくしわ寄せをされているというこの事実は、私どもとしては何としても了承できないところであります。しかも下級公務員等の場合にお寺ましては、大よそ四級、五級、六級の職員に対する運賃において四億もの節減を行おうとしたその事実は、これらの職員諸君がきわめて近距離、もしくはまた公務員の数は非常に多数であって、最も多い職員は六級職、次いで五級職という職員の分布状況を考えますときに、たとえその出張回数等が少いといたしましても、少ければ少いだけ、それらの諸君に対するこの無情な仕打ちはわれわれとしては了承できない。しかも一体何を根拠にして六級職と七級職との間に差別をつけようとしたか、その根拠については、従来の質疑応答の中においても、何らわれわれを承服せしめるに足る根拠も、釈明も、理由も述べられておりません。いかなる根拠に基いて六級職と七級職との中に差をつけてよろしいという理由、もしくはまた十一級以上の職員を二等運賃で足れりというその理由について、私どもはわれわれの承服し得る説明のなかったことがすこぶる遺憾であり、この点が私どもの反対の第二の点であります。
反対の第三の点は、今回の改正に当って、島村委員の質疑に答えて、近距離を旅行する場合の日額旅費の点については若干の引き上げを考慮すると答弁いたしましたが、大よそのその推定の額が三億程度と見られておるところでございまして、従いまして私は、三十一年度予算と関係なしにこの法律が提案され、しかもその日額旅費を引き上げるという措置を通じて、今日、予算との食い違いの点についで、一体大蔵省が従来とってきた、たとえば議員提出法律案に対する態度、つまり年度予算と食い違いがあるというような理由に基いて議員提案に対して激しい抵抗を試みて、それを理由として法律の提案に対してこれを阻止し、その通過に対して激しい抵抗の態度、阻止の態度をとってきた大蔵省自身が、三十一年度予算の編成自体の内容と全然無関係に、この法律案を、予算案の通過後においてかかる法律を国会に提案し、予算との食い違いについては何の責任を負おうとしない態度が、予算編成当局である大蔵省自体の中から出てくるということについては、われわれは何としても了承できない点でございます。
私は日本社会党を代表して本法律案に関し修正案を提起して、以上の討論を終る次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/141
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142・島村軍次
○島村軍次君 私は緑風会を代表いたしまして、ただいま審議になっておりまする国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、政府原案、衆議院の修正案に賛成をいたすものであります。その簡単な理由を申し上げますれば、今回の改正は、先に数回改正されました旅費規則に対しまして、実費弁償主義をとり、最近の経済情勢あるいはその他公務員の職務執行に関する実情に沿うように、今までの規定に比して一塁前進の規定であり、しかも別表に示される鉄道運賃、日当、宿泊料等につきましては、総括的に観察いたしますと、おおむね妥当の措置であると考えられるのであります。以上の理由によって原案に賛成をいたしたと思うのでありますが、審議の過程におきまして明らかになった点、及び必ずしも妥当でないと考えられる点、将来改正を要する点等が以下述べまする諸点にあることを認めまして、以下三点について希望を付して賛成をいたすものでございます。
第一は、別表第一に示されておる車賃、日当、宿泊料等に関する区分については、あまりに細分すぎて、必ずしも実際に即せないものがあることが認められますので、さらに検討を加え、また甲地、乙地等の区分についても、今日の社会情勢、経済情勢から考えますと、必ずしもその額が妥当であるとも考えられないと思うのでありまして、特にこの点について政府の留意を望みたいと思うのであります。なかんずく車賃につきましては、太政官布告以来のいわゆる車、わが国の人力車を標準とした軍が基礎になって漸次引き上げられて参ったのでありますが、本日の政府の答弁によって見ましても、今日の情勢には非常にかけ離れたような感じがいたすのであります。この点につきましては、すみやかに改正の措置を講ぜられることを第一に希望いたしたいと思うのであります。
第二は、全般の審議過程におきまして明らかになりました、ただいま千葉委員の説明の中にありました日額支給については、今回の改正を機として、実際実情に即すべく改正の意思のあることは政府の答弁で明らかになったのでありまして、すみやかにこれらの諸点についてはこれを相当増額して、その出先機関の一線に活躍しておる者の活動に遺憾なきを期していただきたい、これが第二の希望であります。
第三には、政府から地方に出先として出張される者以外に、すなわち府県あるいは地方ごとにありまする出先機関として、国の事務執行の上に実際の第一線の事務に従事する職員については、従来各省におきまして、その旅費の支給の配分等について、本庁において相当とめ置きをして、そして本庁職員の旅費の支給が潤沢であり、出先機関の旅費は非常に規制されておるということは、深く第一線職員からの強い熱望であるのみならず、実際におきましてもその活動を阻害しておる実例が少くないと思うのであります。
そこで、今回の改正を機といたしまして、政府はこの点について十分調査を進められまして、この是正について万全の方途を講ぜられんことを望むものであります。以上の三点の希望をもちまして原案に賛成をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/142
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143・野本品吉
○野本品吉君 私は自由民主党を代表いたしまして、国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案並びに衆議院送付の修正案に対しまして賛成の意を表します。
なおこの際つけ加えておきたいと思いますことは、この法律案の改正の趣旨は、審議途上において何べんも繰り返して政府の説明もありましたように、実情に即応するという点にあったはずであります。従ってこの法律実施の結果が果して立案の基本方針である実情に即するものであったかどうかにつきましては、詳細にその実情の検討をして善処するようにということであります。
第二は、政府に希望いたしまして提出していただきました宿泊所及び保養所の問題でありますが、公務員のための宿泊所、保養所が相当あります。私は旅費の支給が十分満足すべきものではないということもわかりますので、現在におきましては、非現業の方々に対して宿泊所が三十、保養所が三十三、計六十三、それから現業部門に対しましては宿泊所が三十六、保養所が七十六あるわけであります。そこで、これらの宿泊所あるいは保養所の設置の位置が果して適当であるか、分布の状態がどうであるか、数において十分であるか、また施設の内容その運営において果してこれらの設置の趣旨に沿うものであるかどうかということに関しまして、十分調査を遂げられまして、将来これらの施設を増し、内容を整備改善することによりまして、多数公務員の福祉施設としての目的を果すようにということであります。
以上二点を申し添えて、衆議院送付の修正案及び政府提出の原案に対しまして賛成の意を表するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/143
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144・青木一男
○委員長(青木一男君) 他に御発言もなければ、討論は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/144
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145・青木一男
○委員長(青木一男君) 御異議ないものと認めます。
これより採決に入ります。国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。
まず討論中に提出されました千葉君提出の修正案を問題に供します。千葉君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/145
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146・青木一男
○委員長(青木一男君) 少数と認めます。よって千葉君提出の修正案は否決されました。
それでは衆議院送付原案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/146
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147・青木一男
○委員長(青木一男君) 多数と認めます。
よって本案は多数をもって衆議院送付原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお本院規則第百四条による本会議における委員長の口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他の手続については、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/147
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148・青木一男
○委員長(青木一男君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたしました。
報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。
多数意見者署名
佐藤清一郎 宮田 重文
川村 松助 井上 知治
鹿瀬 久忠 島村 軍次
井上 清一 青柳 秀夫
野本 品吉発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/148
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149・青木一男
○委員長(青木一男君) 本日はこれにて散会いたします。
午後五時三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414889X03219560424/149
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