1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年二月十七日(金曜日)
午後一時五十八分開会
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委員の異動
本日委員三橋八次郎君辞任につき、そ
の補欠として亀田得治君を議長におい
て指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 棚橋 小虎君
理 事
青山 正一君
重政 庸徳君
江田 三郎君
三浦 辰雄君
委 員
秋山俊一郎君
雨森 常夫君
横川 信夫君
河合 義一君
亀田 得治君
溝口 三郎君
森 八三一君
千田 正君
政府委員
農林省農地局長 小倉 武一君
事務局側
常任委員会専門
員 安樂城敏男君
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本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査の件
(愛知川ダムに関する件)
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001・棚橋小虎
○委員長(棚橋小虎君) ただいまから農林水産委員会を開きます。
愛知川ダムの件を議題にいたします。本件につきましては、ただいま陳情をお聞き願ったのでありますが、この件について亀田委員から発言を求められておりますから、この際御発言を願うことにいたします。
なお、この件については、ただいま政府から農林省農地局長小倉武一君、農地局建設部長清野保君、農地局管理部管理課長岡田覚夫君が御出席であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/1
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002・亀田得治
○亀田得治君 本件につきまして若干当局に質問をいたします。
これは、正規に請願書も出ておることでありますから、いずれ当委員会において最後の御決議をお願いできると思いますが、ただいま地元の人から陳情もありましたように、本件は途中で刑事事件等まで起きまして、非常な複雑な経過をたどっておるのであります。これは詳細な質問をいたしますと、はなはだ時間もとり過ぎると思いますので、ただ私はこの問題を最近に知りまして、そうして非常に当局のやり方が法を無視しているんじゃないか、こういうことを二、三痛感いたしました点があるのです。そういう点だけに一つしぼりまして、質問をしてみたいと思う。
まず第一に、土地改良法の八十七条の規定を無視した工事の進め方をしておる、こういう疑いがあります。それはこの工事については再三計画を変更して来ておるのでありますが、最初の一案、二案、これは比較的まあ地元の人には被害の少いやり方ですが、さらに三案になり、そうして昨年の十月二十六日、現在農林省が持っております第四案、昨年の十月二十六日にそれを決定して公告いたしております。ところでこの最後案ですね、最後案を正式に発表する前から農林省では実際の工事に取りかかっておると、私ども現場の模様から考えられるのです。で、この最終案を昨年の十月二十六日農林省が発表しますると、利害関係人である本日の陳情人たちは、その法の第四項に基いて成規の異議申し立てをしておるわけです。そういう状態の場合には、同条の第六項の規定によって、異議事件のすべてが解決をして、はじめて事業に着手することができると、こういうことになっているのですが、ところが本件におきましては、政府は実際上公告もしないうちに、昨年の九月から工事をやっておるのですね。これは政府みずからが土地改良法の規定を無視しておるのであって、それははなはだおかしいじゃないかと言うて、地元の諸君が抗議を申し込みますと、いや、それは調査をしておる段階なんだと、こういうふうに今まで答えられて来ておるのですが、この点しかし現場における仕事の実際の状況から見ると、それは調査の段階ではない。これは常識的にだれでも考えられるのですが、この点はどういうふうにお考えになっておるのか。まずお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/2
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003・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) ただいまの愛知川の事業につきましての工事関係につきまして、土地改良法との関係についての御質問でございますが、事業を実施いたしまして本格的に工事に着手いたしますまでに、十分な計画、調査を必要とすることは言うまでもないのでありまするけれども、御質問にもございましたように、私どもといたしましては本工事に着手する前に、実施の方途を決定いたしますために必要なことを実際やっておりまするので、土地改良法に言う工事とは違うというふうに実は了解をいたしておるのであります。いろいろこの点につきましては御説明をすべき点があろうかと思いますが、たとえば現地における設備の状況から見ましても、ダム工事を本格的にやるようなものには実はなっていないのであります。そういう意味から申しましても、本工事に着手しておるというふうには考えていないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/3
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004・亀田得治
○亀田得治君 異議申立却下決定書にも、そういう趣旨のことが書いてありますので、おそらくそういう答弁を一応されると思ったのですが、それならば私は二、三もう少し具体的に突っ込んで聞いてみたい。
それは昨年の九月一日、この日付で愛知川沿岸土地改良区理事長服部岩吉、この人の名前で改良区の役人あてに通知が出ております。この通知を見ますると、「長年の懸案であった永源寺堰堤工事は、奇しくも同日」この同日というのは 前の文章の日付ですから八月二十五日のことでしょう。「同日京都農地事務局において、日本の五大建設会社の競争入札が行われ、その結果東京都の前田建設株式会社に落札し、近く着工の運びとなりました。」こうなっております。これは私どもは本工事の落札が行われたその後における前田建設の現場における飯場の作り方とか、あるいは労働者でも長年住めるようにということで、家族を連れてきたり、本腰で事業をやるような態勢で来ているんですよ。この改良区の理事長がこういうふうに文書で、前田建設にこの仕事は落札したと、こう出しているのは、これはうそのことでしょうか。こんな事実はなかったのでしょうか。あるいは、国と前田建設との間には何らそういうことについての契約書はできておらないのですか、現在……。その間のことを具体的に説明して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/4
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005・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) ただいまの土地改良区の理事長でございますかが発しました通知につきまして、実はよく事情は承知しておりませんが、前田建設との仕事の関係は、これは調査工事のことでございまして、本工事につきましての契約はいまだいたしておりませんので、これは本工事をいたします場合には、私ども内部の取りきめといたしまして、本省に伺うことに実はなっているのであります。その承認もいたしておりませんし、また事実本工事の契約もいたしておらないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/5
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006・亀田得治
○亀田得治君 そうすると、ただいま申し上げたはがきの中に書いてある落札というのは、本工事ではなく、この事前の調査関係の工事だと、これは間違いありませんね。あなたは契約書等ごらんになってのお答えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/6
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007・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 契約は事務局でいたしておりますので、契約の内容について私は見ておりませんけれども、私の調べました範囲では間違いないと、かように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/7
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008・亀田得治
○亀田得治君 しからば、今申し上げた八月末にされた仕事の契約はいつまでとされたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/8
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009・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) これはもう御承知の通りでございますが、予算の関係で、その年度の範囲内の仕事についての契約になっておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/9
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010・亀田得治
○亀田得治君 もう少し具体的に聞いてみましょう。調査の段階と言いますが、たとえばここに写真がありますが、これは横穴、横坑です。直径約五メートルで長さ百九十七メートルぐらい、昨年の十二月末に完成し、巻き立て等も終っております。これはおそらくダム建設のための排水口だと思いますが、違いますか、この横穴は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/10
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011・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) ただいまお尋ねのものは、一つはダム工事をやります場合に、そこの地点が適当かどうかということを調べますために、地質を調査する必要がございますので、その地質調査をするために必要な工事であると同時に、ダムを建設する場合に仮排水をするという必要性がございますが、その意味を兼ねた両方のものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/11
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012・亀田得治
○亀田得治君 そうすると、結局ダムが建設される場合には、この横穴というものは全体のダムの一部になっていくわけでしょう、今の答弁からしても。単に調査のものだけであれば、そんな巻き立て等をする必要がない。明らかに今の答弁からいっても、ダムの工事の一部というものがここですでになされておるじゃないですか。そういうふうに解釈できませんか。それはなるほど初め横穴を掘っていく場合には地質の調査をしていく、しかし地質の調査だけではないでしょうが。ぴしっときれいに巻き立てを終る、ここまでいけば。それはどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/12
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013・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) お尋ねの点について言葉を返すようでございまするけれども、どうしても地質を調査しますためには、そういう工事をする必要があります点と、もう一つ巻き立て等をいたしておりますのは、落盤等のおそれがあって、かえっていろいろの事故が起るといったようなことがありますと困りますので、そういうことのために巻き立ての工事も実はいたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/13
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014・亀田得治
○亀田得治君 そうすると、ともかく客観的に見て、もし今の計画通りにやられるとしたら、今問題になっているこの横穴というものは、排水路になることは間違いないでしょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/14
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015・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) それはその通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/15
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016・亀田得治
○亀田得治君 そういうことなら何といいますか、この第四案についての事業計画を確定して公告をされたのは、先ほど申し上げたように昨年の十月二十六日でしょう。その点がおかしいじゃないですか。もし調査の段階のにとしかやっていないのだということなら、これは非常に地質的にむずかしい所なんですから、再三計画変更している、そういう所なんですから、調査が全部終ってからその事業計画の最後決定、公告、こうなるべきでしょう。調査の段階の仕事を公告が終った後にやっているというのはおかしいじゃないですか。それはどうなんです、そこの説明は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/16
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017・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 新しく事業を始めます場合の段取りのことと関係をいたしますわけですが、ある地点でもってある事業を始めていいかどうか決定をいたします場合の事業計画と、それからその計画に基いて工事にかかりますために実際上どういうふうにやっていくか、実施設計といったようなことをやりますことと両方ございます。初めの調査は、これはもちろん計画を立てるための調査でございまして、それがすみますれば、実際上工事を始めるためのいろいろのさらに精細な確実な調査ということが必要となって参りまするので、その間に矛盾はなかろうかと、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/17
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018・亀田得治
○亀田得治君 どうも今のお答えはっきりしないのですがね。十月二十六日以後の調査というのは、それは一体どういう調査なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/18
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019・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) お尋ねの十月二十六日に公告したわけでございますが、その後におきましても、事業実施上必要な調査ということは、これはございまするので、そういうことを調査するということは差しつかえないと、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/19
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020・亀田得治
○亀田得治君 それは前の調査とあとの調査と違ったことをやっているのじゃないのですよ。前田建設は同じ仕事をずっと秋から年末にかけてやっている。だからあなたはそこで理論的に二つに、計画を立てるための調査、計画が立った後には実施のための予備調査、こういうふうに言われますけれども、実際にやっていることは、地元の人はみな見ていますが、同じことをやっているのです。だからそんな二つに実際分れませんよ。理屈じゃない。実際のことを言っている。実際同じことをやっているんだから言っているのです。同じことが二通りの意味にどうしてなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/20
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021・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 工事の実際から申しますと、もちろんお説のように今度の工事のような場合には、特に計画のための調査、または実施のための調査というふうに分けることは、これはできないと思います。もちろんできませんけれども、しかし本工事にかかります場合に必要な調査工事というものは、これはそれにかかわりませず実施して参って差しつかえないものである、かように考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/21
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022・亀田得治
○亀田得治君 それはまあ理論的な話でね。私はこの場合にはそうならぬというのです。その計画を立てるための調査を十月末までやって、これで計画が立った、でいよいよ今度は実施の段階へ入らなければならんが、実施するについては異議申し立て期間とか、そういうものを待ってやらなければならぬが、その間急ぐから若干でも準備しておこうということで、別に一つ何か仕事の調査をやられるということなら、これは若干了解もできますけれども、この場合はそうじゃないんですよ。そこに問題がある。それから実際問題として、この前田建設が昨年の九月からずっと仕事にかかって、そうして現場でいろいろな設備をした。そのかまえというものは、契約書はなるほどあなたがおっしゃったように一応、本工事でない契約書かもしれぬが、その後ずっと引き続いてやるようなそういうかまえのものですよ、外部から見ると。そこへ働きに来ている労務者の言い分なり、みんな家族も連れてきて。それがいろいろな紛糾が起きそうになってきたものだから、結局昨年の末で引き揚げて帰ったわけですがね。私はこういういろいろ問題があるものについて、そんなあなた、異議の申立期間も待たないで、とにかく本工事と間違えられるようなことを強行するとか、こういうことははなはだいけないと思うのですよ、実際に言うと。今の答弁を聞いても、どうもそこははっきりしませんが、調査事項を二つに分けてみたりね。こんなに調査が必要なら、実際それは調査完了して、調査完了後さらに一、二カ月ぐらい検討して、それからまた事業計画最終案というものをきめるのがほんとうでしょう。まだ調査続行中にそんな事業計画発表ということ自身がおかしい。それはその程度にしておきましょう。
私申し上げるのは、地元ではともかく法律を無視してもぐんぐん既成事実を作っていこうとしているのだ、こういうふうに解釈するわけですよ、こういうやり方を見るとね。それからもう一つは、先ほど陳情にもありましたが、二十八年の十月二十八日に、地元の人が農林省の出先の責任者、飯田正一、それから滋賀県の農地部長、そういう人たちとこの問題について懇談をしたわけですね。その際にこういう文書を交換しておるのです。それは農林省も御存じだと思いますが、「愛知川ダム水没に関する一切の工事は永源寺村及び水没住民の了承を得たのち取り運ぶものとし、これに関する責任は私たちにおいて負うことを約束します」こういう文書が官庁側から署名捺印されて、そうしてこの地元の人たちに渡されておるわけです。刑事事件というものは、官庁側の方がそういう文書を渡した後に、実はあれはみんなによって脅迫されたんだ、そんなふうに言って、この刑事事件をでっち上げたわけですね。ところが結局はまあそれだけでも非常に憤慨していますよ、地元の人は。そんなに脅迫したり、なぐったり、押したり、そんなことは一つもないのに、ただ自分たちがそういう文書を出した、それに対してあとからけちをつけて、強要されたとか、それはまた地元にしてみれば、生死の問題ですから、官側がそういうふうなやり方をしようといえば、それじゃそれは念のため皆さんに安心してもらうために、一札書いてほしい、そんなことはいつでもあることですよ。それをあとから大いに騒いで、結局検察庁を動かして、強要罪でこういう純朴な農民を刑事被告人にしたわけですね。結局長い間苦心しましたがね。地元の人は二年半もかかっている、そのために。その結果無罪なんですね。私はこういうことはやはり農林省なり、滋賀県当局においてもあとの処置というものを非常に考えてもらいたいと思う。どういうことかといいますと、地元の人は二年間新聞でもそういうことを書かれる、そうしていろいろな誤解を受ける、結局は無罪になっている。だけれども、現在滋賀県にしてもあるいは農林省の出先の人にしても、あれは少し行き過ぎだった、ああいうものを事件にしたのは。そういう意思表示が一つもないわけですよ。こういう問題は、それはちょっと地元の人は、陳情しなければならぬ立場ですから、なかなかそういうことまでは言えないだろうけれども、気持としては非常なこれは何ですよ、憤慨している。ともかく二年あまりも純朴なそういう山の中の人がときどき法廷へ引っぱり出されて、いや証人調べ、いや本人尋問だとか、これはたえられるものではない。それに対して、済んでから何らごあいさつもない。私はこんなことはお互いに日本人としてはなはだまずいと思うのです。だからこういうことを、こういう方面の最高の事務的な責任者としての局長はどういうふうにお感じですか。おそらくこの事件のことは聞いておられると思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/22
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023・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) ただいまのお尋ねの事件につきまして、私は実は詳細は存じておりませんが、聞いております。愛知川ダムにつきまして、どうも地元と役所側との間の関係が円滑に進まない点についてははなはだ私も遺憾と存じております。また過去においてそういう事件がございましたことにつきましては、おそらく役所側にも多くの手落ちがあったのだろうというふうに推察しますので、はなはだ遺憾に存じておりまして、今後できるだけそういうことのないように県庁にも間に入っていただきまして、納得いくようなふうに話し合いを進めたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/23
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024・亀田得治
○亀田得治君 それから先ほど私が読み上げた文書ですね。その刑事事件の中心になった文書ですが、結局裁判所において詳細に調べた結果、これは強要に基くものではない、こういうことで無罪になったわけです。判決書も私ここに持ってきておりますが。そういたしますると、これは法律的にはあくまでもこの文書というものは生きているわけです、現在は。有効なんですよ、これは。そうでしょう。これが有罪で、お前やっぱり脅迫したのだということになれば、取り消されてもしょうがない。そうじゃないのですから、この点どういうふうにあなたはお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/24
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025・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 私その文書のことは実は承知いたしておりませんので、また法律的に申しまして有効無効というふうなことについて検討も実はいたしておりませんので、ここで有効無効ということについて御返答申し上げるわけに実は参りません。そういうことのあったことにつきましては、今後仕事を進めていきます場合に十分参考にしたいと、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/25
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026・亀田得治
○亀田得治君 これは建設部長はおそらくこういうものはごらんになっていると思うのですが、しかしこれはものを見なくても、ともかくそれが中心になってお前強要罪だ、そうでない、こういうことの争いが起きたわけです。それは強要ではなかった、こう判決はなったのですがね。そうすればあなたはこれは何も現物見る見ぬじゃないのだ。その文書というものはちゃんと生きているわけでしょう、現在でも有効に。それは皆さんの前ではなかなかそういうものを使ってほしくない文書かもしれないけれどもね。これはどうですかね。現物見なければ答えられないような問題ではなかろうと思うのですが。建設部長でもいいですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/26
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027・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) おそらく建設部長も当時その方面のこの関係の仕事に直接従事しておりませんかったと私は思いますので、承知しておらぬと思いますが、いずれにいたしましても、御趣旨の点はなお私といたしましても十分調査いたしまするけれども、そういうことにかかわりませず、地元の意向を十分参照いたしまして、今後の事業の進捗について先ほど申しましたように遺憾のないようにしていきたい、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/27
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028・亀田得治
○亀田得治君 では、ぜひ一つこの判決とそういう文書の関係は御調査願いたいと思うのです。地元の人にしてみれば、この判決を得るためにずい分な物的にも精神的にも犠牲を払っているわけなんです。従ってその事件の発端になったその文書そのものについても、これは言うに言われぬ一つの愛着、執着を持っているわけです。この点十分一つ御検討願いたいと思うのです。
それからもう一点お聞きしたいのは、永源寺村の水没する三部落の人たちは改良区の組合員ではないわけなんです。そういう状態ですから、この永源寺の組合員でない人たちが反対をしているんですから、これはその承諾がなければ私はいろいろな工事はできないと思うんです。反対している人の所有地なんですから、改良区に入っていないんですよ。改良区に入っていればこれはお互いの受益者同士ですが、そうでないのですよ、この人たちは。その人たちの土地に土地収用法も何も適用しないで、ごそごそ入ってきて工事をしているというのは、これはいかなる法律的な根拠に基くのですか。これを一つ説明をしてほしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/28
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029・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) もちろんこの所有者その他の権利を持っている方の承諾がなくては、その土地について工事するわけには参りません。水没される三部落の関係の方につきましては、土地その他の財産等について直接影響するような工事が治められるといったような場合につきましては、お尋ねのように法律的に申しますれば、土地収用法といったようなことは別といたしましても、御本人の承諾を必要とする、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/29
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030・亀田得治
○亀田得治君 その通りですがね。ところがあなた、こういうことまでやっておれば、これはあなた、この人たちの山ですがな。これは表土なんか取っているでしょう。こんなことなんか重大な所有権の侵害じゃないですか。これはどう説明つくんですか。こんなことは大へんなことですよ。ちょっと長さをはかるとか、そんなことをやったのと違いますよ、これは。重大な問題ですよ。これはどう説明するんですか。所有権の侵害にならぬという見解ですか、こんな程度のところは。そんな見解だったら大へんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/30
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031・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 今お尋ねの仕事につきましては、これは所有者の同意を得てやっているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/31
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032・亀田得治
○亀田得治君 いつ同意を得たんですか。終始一貫反対してきているのに、こんなおかしな話はないのですよ。そんなややこしい話はないですよ。刑事事件を起してでもがんばっていこうというものが、そんなどこかで話したとか話さんとか、そういう経過の仕事じゃないんですよ、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/32
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033・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 今いたしております調査工事のための着工につきましては、地元の永源寺という寺の所有地が多いようでございますが、その着工の承認を得ているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/33
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034・亀田得治
○亀田得治君 それは何か文書でもあるんですか。反対運動が起きている場合には、承諾したら必らずそれは文書をとっているわけなんでしょう。文書もなくてやっているんですか。何かやっているから、それは水かけ論にしてしまっていいということで言っているんですか。どっちです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/34
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035・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) もちろん水かけ論にするといったようなつもりで申し上げているのではございませんで、着工の承諾書を得ているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/35
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036・亀田得治
○亀田得治君 承諾書とおっしゃったが、文書でもあるのですか。それじゃあるんなら出して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/36
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037・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 文書は存在いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/37
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038・亀田得治
○亀田得治君 文書は存在すると言っても、出していない文書がどうしてあるんです。どんな文書なんです、それは。反対している部落の人の個々人の文書なのか、あるいはたれか部落に関係のある人が代表的に一人で出したような文書なんですか、どんな文書です。そんなことを私初めて聞くが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/38
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039・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 私もちろん——もちろんと申しますと語弊がありますが、私も文書そのものを実は見たわけではございませんけれども、事業所なり事務局——農地事務局でございますが、そこに承諾書があると存じます。別に私取り寄せて確かめたというわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/39
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040・亀田得治
○亀田得治君 そんなものは絶対ありませんから、一つ調査して下さい。なかったら、これは重大な所有権の侵害ですから、これは大へんなことですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/40
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041・棚橋小虎
○委員長(棚橋小虎君) それはどういうことですか。見たこともなければ確かめたものでもないというのに、その書類があるというのは、どういう根拠ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/41
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042・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 工事の事業の実施につきまして、これは本省でやりませんで事務局、それから事業所でやっておりまするので、この関係書類は本省の方にございませんので、私見たことはないということを申し上げたのであります。それはないかもしれぬという意味で、そういうことを申し上げたのではないのでありまして、必要でございますれば、写し等を取り寄せてお目にかけてもよろしいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/42
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043・棚橋小虎
○委員長(棚橋小虎君) それでは、先ほど局長はあると言われたのですが、あると言われる以上は見たとか、あるいはそれは提出されているとかいうことでなければならぬが、あると思うというならばまだいいのですが、あるというふうに断言されておるのはどういう根拠か、お聞きしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/43
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044・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) これは私どものまあ事務組織を通じて、課長、部長、係長の者までそういう事実を承知しておりまして、その報告の結果、そういうふうに申し上げておるのでありまして、間違いないと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/44
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045・亀田得治
○亀田得治君 それは間違いですよ、そんなことは。よく調べて下さい。なかった場合の責任も一つこれは明確にして下さい。非常なこれは行き過ぎですから。
それからいろいろまだありますが、受益地の関係ですね、これは先ほど陳情者の方もおっしゃったんだが、ともかくおれたち困るんだということで、受益地の中を回って歩いたら、三分の一も、ああそうか、おれたちにしてみれば別にそう希望しているわけでもないんだ、ただ国がやってくれるというからやっただけで、というふうな軽い意味の人がずいぶんいるんですよ、実際上。それが三分の一にも達するというのは、これはああいう人たちですから、そんなに強引に、お前判を押さなければどうとかいうようなことを言って歩くわけはない。ほんとうに困った事情を話して、もし御同意を願えるなら判を押してくれという程度のことで三分の一も集まったんです。こういうふうな状態をどういうふうにごらんになるんですか。しかも一番初めの計画であれば、なるほど一番初めの計画なら地元の人も水没とかそういうことが非常に少いから、まあまあ——、とこう考えていた。ただしそれは水量が少い、そのために受益地の方が小さくなるわけでしょうな。しかしその後どんどん拡張されて行っているんですが、受益地がそのために今度また大きいものにしなければならぬというふうに経過としてはなったようですが、しかし肝心の受益地の方がそこまで考えていない問題なんですね。これはおそらくこういうふうに機構を作ってしまうと、今から縮小とか、何とかとういことは、はなはだ不体裁でもあるしそれから今まがおそらく農林省のお金も入れて一億をこえるくらいの金を使っておるんじゃないかと思います。そういうことでますますぶさまなことになるから、やりたくないだろうと思いますがね、しかしこういう点は十分考慮する必要があるのじゃないですか。自分があまり関係がないからといって、現在でも脱退する人がおるくらいの改良事業をですね。そういう点はどういうふうにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/45
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046・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) この事業の実施につきまして、いろいろ地元から意見がございまするし、また受益地の中にもその後水没といったようなことから関連いたしまして、そちらの御意見と同じような意見についての陳情書でございますか、そういったものに署名をされている向きもあることも実は承知いたしております。そうでございますので、私どももできるだけこの問題につきましては、慎重に実は処置していかなければならぬというふうに考えておるのでございますが、やはり何と申しますか、永源寺町の部落が三つ水没になる、こういったことで、やはりいかに受益者の農民であるといっても、その方々の将来行く末ということを考えますれば、いろいろ同情ももちろんわくということでございまするので、そういうこともこれは十分あり得ることじゃないかと思いますが、しかし事業実施の手続といたしましは、別にそれによって瑕疵ができるということも実はないのであります。しかし実際問題として、実施の上ではできるだけそういう問題のあることを十分考慮いたしまして、慎重を期さなければならぬというふうに存じておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/46
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047・亀田得治
○亀田得治君 大体全貌が明らかになりましたし、私が非常に危惧していた点は、これは地元の人たちがもう憤慨するのは無理ないというふうに実は今の答弁から私自身も感じました。だからこういうやはりやり方じゃなしに、もう少し納得のいくような、一つ進め方というものを考えてほしいと思うのですね。もういろいろなところで非常な無理があるのですよ。大体最後の事業計画を発表する場合に、地元の人が一体将来どうなるのか、そんなことに全然これは触れておらぬわけですね。しかも受益地でない人たちの土地に実力でもってちゃんといろいろな工作物を作っているわけですね。こんな踏みにじるようなやり方ですね、これはあなたの前からの仕事のはずですけれども、よくそれは検討してほしいと思うのですね。由来がいろいろあるのですから、今まで。こんなことをやっておったらまた必ずそれは事件が起きます。起ったってそれはあんた、起した人の責任というようなことは言えませんよ、こういう不手際なことをたくさんやっている状態ではね。これは十分一つ御注意願いたいと希望しておきます。
それから、なお前国会で例の愛知用水ですね、あの愛知用水に関連するダム、その水没地帯の取り扱いということについて、ずいぶん私ども論議したはずです。愛知用水がそういう公けの立場からどうしても必要ということなら仕方がない、認める。しかしそれによって犠牲になる人、これに対してはもう最大の考慮を払うと農林大臣自身も言っておったはずです。ところがどうもその後聞きますと、結局事業は進んで、そういう気の毒な人のことは、何か問題の処理がおくれているというふうに私聞いているのですが、一体われわれに委員会で言明されたようなふうに手ぎわよくいろいろそういう点の処理ができているのかどうか、この際ちょっと関連がありますので、お聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/47
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048・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 愛知用水の事業に伴います地元の補償等の問題についてでございますが、これは愛知用水公団が発足して間もなくから現在に至るまで県当局、それから地元の村、または愛知県もそれに入っているのでございますが、いろいろ話し合いを実はいたして、個々の個人の財産の補償、そのほか村として必要な公共補償と申しますか、そういった面についてのいろいろの話し合いを実は進めておりますが、まだ結論には達しておりません。村の事情もいろいろあるようでございますので、その辺も十分考慮いたしまして、これは主として公団がやっているわけでございます。向うの公団の役員も幾たびか地元へ参りまして、村の当局者その他農民といろいろ実は懇談をやっているのでありまして、だんだんと村の要望もわかって参ってきておりますので、それにつきまして農林省といたしまして、あるいは農林省以外にわたる事項もございますので、その辺を今整理いたしまして、問題の処置を進めている段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/48
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049・棚橋小虎
○委員長(棚橋小虎君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/49
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050・棚橋小虎
○委員長(棚橋小虎君) 速記を始めて。
先刻問題になりました承諾書の写しを資料として至急提出を願います。では、この問題は本日はこの程度にいたします。
都合によって残余の議事は後日に回し、本日はこれをもって散会いたします。
午後二時四十八分散会
————・————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X00819560217/50
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