1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和三十一年三月一日(木曜日)
午前十時四十二分開会
—————————————
出席者は左の通り。
委員長 棚橋 小虎君
理事
青山 正一君
戸叶 武君
三浦 辰雄君
委員
雨森 常夫君
佐藤清一郎君
横川 信夫君
東 隆君
河合 義一君
三橋八次郎君
溝口 三郎君
森 八三一君
千田 正君
政府委員
農林省畜産局長 渡部 伍良君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
—————————————
本日の会議に付した案件
○飼料需給安定法の一部を改正する法
律案(内閣送付、予備審査)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/0
-
001・棚橋小虎
○委員長(棚橋小虎君) ただいまより農林水産委員会を開きます。
飼料需給安定法の一部を改正する法律案を議題に供します。
本法律案につきましては、去る二月十四日の委員会において提案理由の説明を聞いたのでありますが、本日は本法律案審査の前提である飼料の需給状況その他参考事項並びに法律案の内容等について政府委員から補足的説明を聞くことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/1
-
002・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) お手元に参考資料をお配りしておるのでありますが、最近の飼料の需給状況はここ二、三年前に比べまして、ことに三十年度は大豊作であったという関係で相当潤沢になっておるのであります。三十一年度の需給推算が第二表に出ておりますが、三十一年度濃厚飼料需給推算の、その表で見ていただきますと、まず供給量の方から申し上げますと、糟糠類のふすま、米ぬか、麦ぬか、澱粉かすその他でございますが、二百二十九万トンの供給があるものと予想したのであります。これらはふすまの五万トンの輸入を除きまして、あとは全部国内産、こういうふうになっております。これは昨年度は百九十四万トンぐらいになっておるのであります。その次に穀類でありますが、トウモロコシ、麦類、その他雑穀、これは相当輸入量があるのでありまして、トウモロコシで二十六万トン、麦類で十二万トン、合計三十八万トンの輸入に対して、国内生産が百十万トン、五十四万トンの繰り越しを合せまして百五十四万トンの供給になります。去年は大体百四十三万トン程度であったのであります。それからその次に植物油かす類でありますが、大豆油かす、あまに油かす、やし油かす、菜種油かす、ゴマ油かすその他豆類、大体二十八万五千トン、こういうふうになっております。その次に動物油かす類、魚かす魚あら、サナギかす等が全体で二十四万トン程度であります。これは昨年度は十八万トン程度であったのであります。その次にイモ類、カンショ、バレイショ、これが六十三万トン、昨年度は四十六万トン程度と見ております。その次に厨芥あるいは尿素というもの。合計いたしまして三十一年度の推算では五百三十二万トンというふうに考えております。昨年度は四百六十万トン程度と見ておったのであります。これは先ほど申し上げますように、昨年度の豊作によりまして国内産の供給量が相当ふえておるのに起因しておるのであります。その次に三十一年度の飼料需給計画、こういうふうな表が下に出ておりますが、これはちょっと言葉が足りないのでありまして、飼料需給安定法に基きます政府の買い入れ、売り渡し需給計画だけをここに見ておるのであります。これによりまして、ふすまは本年度からの持ち越しが非常に多くありまして、九万トン持ち越し、従って来年の買い入れは五万トンにしまして、売り渡しは十一万トン、三十一年度末に三万トン繰り越そう、こういうのであります。昨年の計画では十万トンを買い入れたのであります。ところがたびたび申し上げますように、豊作の関係でふすまを売らなくていいという関係で九万トンの持ち越しができた。それからトウモロコシまたはコウリャン、これは今年末の持ち越しが三万三千トン、来年九万トンの買い入れ、売り渡しというふうになっております。昨年度の計画は十五万トンを輸入する——買い入れる計画になっておりましたが、実際は民間貿易——自由貿易の方が非常に盛んだったので、買い入れ量はそんなに多くなかったのであります。それからその次の大豆は一万六千トン持ち越しで、十二万トン買い入れで、十一万七千トンの売り渡し、一万八千五百トンを三十二年度に持ち越す、こういうふうになっております。これはことしは十万トンの計画に対しまして、やはり大豆の豊作等がありまして、大豆の値下り等がありまして、買い入れを途中でストップしたというようなことがありまして、約七万トン程度しか買っておりません。買い入れ計画は三十八万五千トンの計画と見ております。昨年は四十八万トンの買い入れ計画にしておったのに、実際はそんなにいきませんで、二十六、七万トン程度で済むのじゃないか、三十年度はこういうふうになっております。あと三十一年度の今の大きい計画の中の月別の需給を出しております。
それから申し落しましたが、今の表で脱脂粉乳を、これは子牛育成用に三十一年度から少量扱うことにいたしたいと思います。
それから第三表は、三十一年度の飼料需要量の算出の基礎でありまして、乳牛、役肉用牛、馬、豚、綿羊、ヤギ、ウサギ、鶏、アヒル等につきまして三十一年度の頭羽数、それに対する一頭羽当りの飼料の需要量、粗飼料、濃厚飼料というふうに分けておりまして、それに対しましてその需要量が出ておりますが、その次の四表は国内で供給可能の量を出しております。四表は、国内供給可能の濃厚飼料、それから五表は国内供給可能の粗飼料、牧野草、栽培牧草、飼料作物その他、そうしまして三表の需要量との差額を一番初めの表の供給の計のほうの輸入量のところに差額を出しておるのであります。それから第六表は、飼料需給安定法に基きまして、食糧管理特別会計において買入れ、売り渡しをするのに伴う政府の負担額を出しておるのでございます。第六表の一番下を見ていただきますと、飼料売買に伴う損益というのがあります。ふすまで十一億、トウモロコシで三億のマイナス。小麦で二億、大豆で六億、脱脂粉乳で四千万円のプラスでありまして、差し引き五億九千七百六十五万九千円の差損、こういうことになっております。これは飼料で一番問題になっておりますふすまの確保はここ二、三年前までは非常に困難であったのであります。どうしてもふすまの値段が下らないというので、昨年約十三カ国にわたりましてふすまを買い入れまして、それが相当成功したのであります。と同時に国内の農産物の生産が非常によかったので、政府の売り渡し計画が、十万トン余りを買ったので約二万トン弱しか売らないで済んだ。従って九万トンの持ち越しができる、こういうふうなことになったのであります。これは、お手元にグラフで飼料の価格の指数表が配ってあると思いますが、二十八年の凶作のあとを受けて、二十九年は飼料の価格が非常に上って、三十年の初めまで相当高かったのであります。三十年の終りからいろいろなファクターによりまして一応飼料の価格は下ってきておるのであります。三十年の十二月ごろ、三十一年の一月が最低であります。多少下げ過ぎて足踏みをするというふうな格好になっておりますが、ふすま等の手持ちがはっきりできましたので、こういうふうになったのであります。あと三十年度以降の実績の表が出ております。今の次のページを見ていただきますと、飼料の価格の算定方法を来年度からは変えたいのですが、要点を申し上げますと、畜産物の価格指数を政府の売り渡す飼料の価格決定の基準の一要素に加えたい、こういうのが要点でございます。それによりますと、その次の表、昭和三十一年度輸入飼料売渡価格算出基礎という表を見ていただきますと、ふすま、トウモロコシ、大豆油かすについて価格算定の方法の試算をしておりますが、飼料の基準価格、これは二十六年から二十八年度の価格の、平均を出しております。ふすまは七百二十四円三十八銭になっております。それに対しまして過去一カ年の畜産物の価格指数九五・八四というものを掛けますと、六百九十四円二十五銭になるべきである。そこで俵代、マージン、運賃等を引きますと、裸工場渡しが五百九十六円二十五銭というふうになるべきであると、こういうふうになっております。それに対しまして輸入ふすまは五%の格差がありますので、輸入ふすまの場合は五百六十六円で裸でやるのが新しい算定基礎によると正しいと、こういうふうになります。これは現在の価格の算定に比べますと、現在は工場裸渡し五百九十六円というのが、六百三十円というふうなことになっておりますので、この算定方法によりますと、肉の価格の指数を加味すると、もう少し来年からは値段は下げなければならぬ、こういうふうになっております。ただし政府買い入れの麦価の価格は六月に決定いたしますので、実際はそのときに実施されることになると思います。あと以降は、三十年、二十九年の需給実績、輸入実績を掲げておるのであります。資料の説明は以上の通りであります。今回の法律の改正はただいま御説明申し上げました中にありますように、相当ふすまの手持ちができまして、それが梅雨を越す場合に、変質するおそれがあるので、それを買いかえができるようにいたしたい、こういうのが骨子になっておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/2
-
003・棚橋小虎
○委員長(棚橋小虎君) 以上説明を聞いたのでありますが、これから質疑に入ります。質疑の向きは、順次御質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/3
-
004・森八三一
○森八三一君 今の御説明で、供給量中の持ち越し中、政府の手持ちになっておる数量は、どういう数量かを承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/4
-
005・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 今の一番初めの表でちょっと申し上げますと、ふすまは、政府の手持ちが、九万トンであります。つまりこの表では一般市場の手持ちというのが明確でないので、政府の手持ちの表だけしか計上してないということであります。それから穀類ではトウモロコシ三万三千三百トン、これも政府の手持ちであります。それから飼料用麦類二万一千六百、これも政府の手持ちであります。それから大豆及びその他豆類のところ、植物油かす類及び豆類の合計のところに、大豆油かすの中に、カッコの中に入っておるのが一万六千四百、これが政府手持ちの豆であります。これはかすにして出すわけであります。ですからそれを換算すると、一万二千八百がかすということになります。それだけが政府の手持ちであります。この表で政府手持ち、持ち越しになっておるのは、一応先ほど申し上げましたように政府、市場の手持ち、ストック・オーバーというのがわかりませんから、政府の手持ちだけを計上してある、こういうふうに御了解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/5
-
006・森八三一
○森八三一君 そうすると需給推算をやる場合に、政府の手持ちは明確で、これではっきりする。それから国内産の見込み量と、三十一年度の輸入計画と、その民間手持ちの繰り越しというのは事実むずかしいと思います。思いますが、そいつを勘定しておかないというと、需給安定法では数量の調節と同時に価格の変動を防止するというねらいがあると思うのですが、その場合に、民間手持ちでも、飼養者の畜産家の手持ちに大したこれは影響はないと思いますが、流通過程の途中に残っているやつはかなり莫大ではないかと思うのですが、そういうものが入ってこないと需給推算ということは一体どういうことになるのか。大した影響がないのかどうか、そういうお見込みはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/6
-
007・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 先ほど説明申し上げましたように、飼料の量は非常に多い、それから種々雑多であるわけであります。そこでこれは流通過程の手持ちは統制時代にもなかなかつかめなかったのでありまして、私どもの方では、たとえば製粉工場の月別の在庫というのはつかめるわけであります。しかしそれだけでは、お話のようにほんの一部でありますので、大ざっぱな傾向を見て、ことしの持ち越しがたとえば三十年から三十一年度の持ち越しは非常に多い、現在非常に多い。それは去年の豊作の関係である。三十一年度にはそんなに大きい持ち越しを持つことは困難であろう。従ってそれに対する対策を考えておかなければいかぬ、こういうふうな推定を下す以上にできないのであります。正直に申し上げまして、非常に大ざっぱな推定しかできないのであります。それからまた一方毎月々々の手持ちの状況の推算は、毎日相場が出ておりますので、それの足どりを現場相場、先物相場というものをにらみ合せながら聞きとりで、ストック・オーバーの状況をつかむという以外にはできないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/7
-
008・森八三一
○森八三一君 そうすると、今安定法に基いて需要の調節を量的にやっていく場合に、民間の流通過程にある数量をつかむことが困難なことはわかりますが、政府がそういう目的を達するために常時手持ちをするといいますか、保管するといいますか、その適正量というものは一体どういうところで出てくるのか。またその適正量はどのくらいとお考えになっているのか。品目別に需給推算をやっているその需給推算のうちに幾ばくあるか不明でありますが、相当量がまだ流通過程にあるだろう。これは常時そういう数量がくぎづけになっているかどうかわかりませんけれども、その場合に政府が需給安定法に基いて畜産をどうしても振興していく建前から、量的にも価格的にも調節をしなければならぬ、その調節したために適正保管量、適正手持量というのは一体どのくらいの見当をつけているのかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/8
-
009・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これは今の需給推算表でごらんのように、大体種類別の年の供給量はわかるのでありますから、毎月の所要量がそれに従って出てくるのであります。その毎月の所要量をにらみ合せて、それの一定割合を私の方では持っておればいざというときには間に合う。ところがたとえばふすまのように、先ほども御説明申し上げましたように、非常に需要が何というか強いもの、と同時に国内産では足りない、どうしても輸入しなければならない、その輸入先が非常に分れておるような場合には、市場を支配し得る量のほかに一ぺん出してしまったらあと補充ができる時間の余裕を見てよけい持たなければならない、こういうふうに考えておるのであります。大体のわれわれはどれくらい持っておったらいいかという表は二枚目の表に、月別の欄の売り渡し買い入れのあれを持っておるのであります。たとえばふすまで言えば、大体最低三万トンぐらいは持っておらなければまずい。トウモロコシぐらいはこれはちょっと現在のところはそうたくさん持たなくていいのじゃないか、先ほど御説明申し上げましたように、民貿で相当アメリカあたりから買えますので、そうたくさん持たなくていい、問題はふすまじゃないか、小麦では一万トン以上、大豆では二万トン弱と、こういうふうなところは最低の保管量というふうに私ども考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/9
-
010・森八三一
○森八三一君 そうすると、今の御説明で三十一年度月別飼料需給計画の来年の、三十二年の三月末あたりが適正保管量になってくるんだというふうに首肯していいのかどうか、三月末のふすまが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/10
-
011・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) そういう心組みで私どもの方は需給計画を作っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/11
-
012・森八三一
○森八三一君 そこでふすまについては先刻も御説明がありまして、適正保管量以上に現在保管されておるということのその意味はわかりましたが、この各品目別に見て現在の在庫、これがことごとく政府の保管に属しておる数字だ、その数字のうちにもどうしても急速に買いかえをしなければならない、売り渡しをしなければならないという品質的に見て変質腐敗というような部類に属するものが相当あるのか、ないのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/12
-
013・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 買いかえが今のところは必要であると考えておるのはふすまだけであります。あとはさらにもう少し精査をいたさなければならない、あるいは買いかえしなければならないものが出てくるかもしれません。たとえばトウモロコシによっては相当前から持っておるものがありますので、小麦、大豆についてはその心配はないのであります。そこでそのふすまの問題は現在これは倉庫の施設、それからふすまに含まれておる水分の状態、そういうものから、危険なものから買いかえていかなければならないのじゃないか、この計画では六、七、八に買いかえるということになっておりますが、私どもの方では、法律が通ればすぐ食糧庁の保管倉庫をシラミつぶしに調べまして、できるだけ早く年が越せるか越せないかということを確認しまして買いかえいたしていきたいと思っております。数字は一応三万トンになっておりますが、そういうふうに調べましてあるいは三万トンを買いかえしないでも済むかもしれません、あるいはもっと四万トシも買いかえなければいかぬというような場合が起るかもしれません。これは私の方で予算を組んだときは大ざっぱな推定でやっておりますので、先ほども申しますように、法律が通ればすぐ一々倉庫に当って実地に検査をして確定したい、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/13
-
014・森八三一
○森八三一君 そこで今月別のふすまだけについて申しますと、適正手持量が三万トンという場合に、六、七、八の三カ月の買いかえのときには放出がちっともここに出ておらぬ、買いかえだけで適正保管量に近づけていくという措置がこの間には講ぜられておりませんが、これは一体どういうふうなことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/14
-
015・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これは御承知のように、草が出る時期になってくるわけなんです。一般の飼料市場においてもいわゆる夏枯れどきでありまして、需要が非常に低い時期であります。そこをねらって買いかえるのが一番いいのじゃないかというので、六、七、八というのを出しております。
〔委員長退席、理事戸叶武君着席〕
しかし実際には普通の手持量以上にことしは新年度に持ち越すことができますので、それを待たずにやりたいと、こういうつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/15
-
016・森八三一
○森八三一君 今私の聞きましたのは六、七、八の月は一般の諸飼料の生産時期にもなるから、濃厚飼料の方は国内産で十分まかないがつくということのために、政府の手持ちは放出しなくても、その間における飼育には量的に支障がないと、こういうように了解してよろしいのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/16
-
017・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/17
-
018・森八三一
○森八三一君 そこでこの法律が通過すればすぐ買いかえが行われるいとう場合に、同一の品目で同一の数量、数量ははっきりしていますが、同一の品目というのは、ふすまならふすまというだけで同一の品目と考えるのか、何か内容的に同一の品目という意味がありますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/18
-
019・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これは同一品目はふすまはふすま、トウモロコシはトウモロコシと、こういう意味であります。従って品質に差違が、先ほどちょっと説明しました内地産のふすまと輸入されたふすまと格差がありますね、そういう際には差額の授受というものが起ってくると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/19
-
020・森八三一
○森八三一君 そういう場合に、品質の判定は一体どういうふうに具体的にやるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/20
-
021・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これは水分、成分、それから肉眼鑑定の状況、そういうものを合せまして政府の方で決定していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/21
-
022・東隆
○東隆君 森さんの今質問されたところで私も疑問があるのですが、これは何ですか、ふすまとそれからふすまに代替をされるものと、そういうようなもので大きく競合してくる面があると思うのですがね、この中に。その中で何が一番大きく競合して参りますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/22
-
023・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) それはもう当然麦ぬかとか米ぬかであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/23
-
024・東隆
○東隆君 先ほどこの八月、九月のころにふすまが非常に安くなるのは、青草が出たりその他いろいろ問題があるのですが、これは精粉関係の調節をするとかなんとかいうことはできないのですか、この場合。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/24
-
025・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 製粉の方も今までの傾向からいいますと、とにかくいいシーズンです、このシーズンは。ですから製粉の額も、六、七、八というのはふすまの生産額はそう多くないので、四、五月相当多く、それから十、十一、十二がふえておる、こういうふうな格好になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/25
-
026・東隆
○東隆君 私は夏の間に、もちろんふすまが悪くなりますし、その他の関係で工場がすぐ市場に出すという、こういう問題があるために値段が安くなっておると思う。そこで問題は、農家とすれば、一番ピークになっておる部面ですね。ピークになっておる部面を下げるのが必要なんです。下の方の、谷の方の問題じゃない。問題はやはりピークになっておるのは、冬の間にこれはもう完全に大きな問題になる。影響をするのはどこが影響するかというと、冬の飼料の不足をしている時期にはみんな上っておるわけです。従ってここのピークを下げるために、せっかく飼料の需給安定法をこしらえてやったものがあまりいい結果が出ていない、この形を見ますと。だからこれを下げるのに輸入の量を調節をする必要があるということが一つ、それからもう一つは、製粉業者に対する一応の計算があると思います。その計算以上に販売をしないようにする方法を講ずるよりほかに手がないと思います、これを下げるには。それでたとえば昭和二十九年の八月の項に六百六十と出ております。この数字は何ですか、一応小麦を払い下げをするときに計算をした価格はこれはどういうことになりますか。ふすまの価格をある程度決定しておくのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/26
-
027・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 麦の政府の買い入れ価格をきめるときに、昔のふすまの価格の実績を織り込んで算定しておるわけであります。従ってそれではふすまが飼料としての、実際の何といいますか、需要家の要求を満たした価格にはならない。すなわち需給安定法で政府が持っておる売り渡し価格は、麦の価格を算定した場合のふすまの価格よりも、市価が高い場合には売り渡せ、安ければ売り渡さぬでいい。こういうふうな格好になりますので、そういう高い過去の実績でふすまの価格が麦の価格の算定に織り込まれては困るので、来年からは畜産物の価格というものを入れることにしたのであります。一時二十九年の八月はこれはちょっと特殊の関係だと思います。二十八年のふすまの価格の場合には六百円台を割ったような格好になっております。これは非常に製粉がふえて出過ぎた。そこで食糧需給関係から二十九年に入って精麦を一時ストップした。その関係で二十九年の春四月、五月ごろまでは上ってきました。ストップを解除したとたんに二十九年の七、八月にふすまが下ってきた。あとは普通の操作で製粉が行われておりますが、一時ふすまを売り尽しまして、政府が大急ぎで買う荷物が到着するまでまた値段が返ってきた。三十年に入ってから政府が買うのがふえてきましたので、夏以降五、六月ごろからふすまがまた下ってきた、こういうのがふすまの足取りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/27
-
028・東隆
○東隆君 そうすると、精麦の価格と粉の価格とふすまの価格というものは並行しないわけですね。それは粉の価格が上るときにはふすまの価格も上ってくるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/28
-
029・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これは粉の需要とふすまの需要と必ずしもパラレルに常にいくとは限らぬわけですね。ですからパラレルのときにはそういうことになるわけです。粉が要るがふすまは要らぬというときには粉が上ってふすまが下る。粉の需要か起れば、ふすまの需要が一定限度であればよけい引きますから、二十八年の初めまでは凶作であったからずっと引いたわけです。そうすると、ふすまの需要はそれについていけなかったからこんな安くなったわけです。だから粉は人間、ふすまは家畜、その需要が必ずしも常に一致するとは限らないわけです。従ってどうしてもふすまについては、そういった二元的の需要によって価格が支配されるということになりますから、相当の手持ちを持っておらなければいかぬ、こういうことになると思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/29
-
030・東隆
○東隆君 そうすると麦は統制をされておりませんから、従って麦の方のいろいろな事情の関係でふすまが出る出ないが非常に左右されてきますね。結局そこで飼料需給安定法でねらっておるところと実に全然違うことになってしまって、どちらの方に力を入れるかということになって、片方が犠牲にされるという問題がありますね。麦の方に力を入れれば飼料需給安定法の方に関するものは一部犠牲になる、そういう問題が出てくるので、これは切り離して、総体の飼料関係、それから一定のふすまの価格というものを、政府の払い下げるときの一定の価格をはっきりと決定をしておいて、そうしてそれによって高いときは放出する、安いときは買い上げる、こういう処置をとるよりほかに手はないのではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/30
-
031・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) ふすまが大体六十万トン弱か、需要量になっておるわけですね、その中でほとんど八割から九割が国内産の麦、あるいは輸入麦でひいたふすまになっておるわけです。その差額を輸入で満たさなければいかぬ、そうなっておるのです。それがお話のように、今までの情勢からゆくと、麦価あるいは食糧の粉の価格というものは絶えず優先的にきめられておったわけです。従って小麦とふすまの比価、あるいは小麦粉とふすまの比価というものは、大体三対四ないし三対五で、戦争前よりふすまの価格を高くしておったわけです。それではせっかく食糧事情が安定し、畜産振興せにゃいかぬという場合には工合が悪いわけです。どうしても戦前の麦対ふすまあるいは小麦粉対ふすまの比価までもってゆきたいとわれわれ念願して、その一歩として畜産物の価格というようなものをきめておるのです。お話のように、麦価をきめるときにふすまは何ぼ、小麦粉は何ぼ、だから麦何ぼとこういうふうにきめておるわけです。それを切った場合は買い上げはしませんので売り出さない、それ以上になったときに政府の手持ちを売り出す、そういう運用方針でやっておるわけですが、今までのところは、その織り込み価格がちょっと飼料から言うと高過ぎるわけです。さらにお話のありました食糧の関係で、飼料の価格なり、飼料の供給が支配されないように切り離すべきであると、こういうこともわれわれの念願でありまして、これは飼料需給安定法を作ったときに、そういう趣旨で作ったんじゃないかと思うのでありますが、財政の関係とかあるいは現実にそういう二十八年から九年にかけてはふすまは買おうとしても外国から買えなかった、そういうふうな関係もあったようであります。それらをおいおい整備していきたいと思います。幸いにして今年初めてふすまが相当持ち越せるわけであります。これはできるだけ長く政府が持っておりたいと、こういうふうな考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/31
-
032・戸叶武
○理事(戸叶武君) この法律案の予備審査はこの程度にとどめ、後日本付託になった際、残余の質疑を行い、その結果によって本法律案の取り扱い方についてお打ち合せいたしたいと思います。御異存ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/32
-
033・戸叶武
○理事(戸叶武君) ただいま農林大臣の出席を交渉いたしておったのでありますが、出席されませんので、この委員会はこの程度でしばらく休みたいと思います。午後一時から再開いたします。
午前十一時三十六分休憩
〔休憩後開会に至らなかった〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01319560301/33
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。