1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年三月十六日(金曜日)
午後一時三十三分開会
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委員の異動
本日委員秋山俊一郎君及び小西英雄君
辞任につき、その補欠として白井勇君
及び藤野繁雄君を議長において指名し
た。
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出席者は左の通り。
理事
青山 正一君
重政 庸徳君
戸叶 武君
三浦 辰雄君
委員
池田宇右衞門君
佐藤清一郎君
白井 勇君
藤野 繁雄君
横川 信夫君
東 隆君
河合 義一君
溝口 三郎君
千田 正君
政府委員
農林政務次官 大石 武一君
農林省農林経済
局長 安田善一郎君
農林省畜産局長 渡部 伍良君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
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本日の会議に付した案件
○家畜伝染病予防法の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
○中央卸売市場法の一部を改正する法
律案(内閣提出)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/0
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001・三浦辰雄
○理事(三浦辰雄君) ただいまから農林水産委員会を開きます。
まず、委員の変更について御報告いたします。秋山俊一郎君及び小西英雄君が辞任せられ、白井勇君及び藤野繁雄君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/1
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002・三浦辰雄
○理事(三浦辰雄君) それでは、家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案を議題にいたします。
本法律案は、昨日の委員会においてお知らせいたしました通り、去る三月八日衆議院において全会一致をもって政府原案通り可決され、当院に送付、直ちに本委員会に付託されたものでありますが、この法律案につきましては、すでに予備審査を終っておりまして、昨日の委員会のお取りきめによって、お差しつかえなければ本日残余の質疑を終り、直ちに討論採決をいたしたいと存じますから、御了承を願います。では、質疑の向きは順次御質疑を願います。
ちょっと速記をやめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/2
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003・三浦辰雄
○理事(三浦辰雄君) 速記をつけて。他に御質疑がなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/3
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004・三浦辰雄
○理事(三浦辰雄君) 御異議ないと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正意見のおありの方は討論中にお述べを願います。
御意見もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/4
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005・三浦辰雄
○理事(三浦辰雄君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案の採決に入ります。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/5
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006・三浦辰雄
○理事(三浦辰雄君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお、本会議における口頭報告の内容、議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/6
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007・三浦辰雄
○理事(三浦辰雄君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。
なお、本案を可とされた方は順次御署名を願います。
多数意見者署名
青山 正一 重政 庸徳
戸叶 武 白井 勇
池田宇右衞門 藤野 繁雄
佐藤清一郎 横川 信夫
東 隆 河合 義一
溝口 三郎 千田 正
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/7
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008・三浦辰雄
○理事(三浦辰雄君) それでは、次に中央卸売市場法の一部を改正する法律案を議題に供します。
昨日に引き続き質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/8
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009・青山正一
○青山正一君 昨日に引き続きまして、昨日の残余の分、つまり卸売人の事項の問題、あるいは類似市場の問題、あるいはせり売買の問題、この三件について関係当局にいろいろお伺いをいたしたいと思いますが、第一点として、昨日局長の御説明にもありましたのですが、市場対策協議会の答申事項の四に、卸売人の員数は少数適当なる数にとどめ適宜な行政的あるいは法的の措置を講ずることとしてありますが、これは法文に明確に規定はしてないのであります。その理由はどういう理由によるものか、御説明願いたいと思います。また農林当局としては、単一制を理想としておられるように見受けられるのでありますが、この点については独占禁止法との関係もあり、今回の改正案について規定されなかったのは、この複数制を否定するものでないと了解されるのでありますが、一つ今後の方針を承わりたいと思います。以上。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/9
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010・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) 青山先生の御質問にお答え申し上げます。
第一点は市場対策協議会の意見といたしまして、卸売人を適限少数にすべしという意見につきまして、それを尊重して改正法律案を立案をしたが、法文の中に、明確になってないのじゃないかということに対する御質問だと存ずるのでありますが、この問題は御承知のように、現在ありまする十三の中央卸売市場でも、青果物、水産物その他を通じまして、卸売人の数は十三で二百一あると私どもは調査いたしておりますが、それでおわかり下さいますように、複数制でありまして、一番多い京都などは、東京をもしのいで、生果物、水産物その他を含めて四十の員数に上っている現状でございます。これに対しまして、法律案も用意し、その基本方針を中央卸売市場対策協議会の御意見のありましたことに応じて、立てまして、進んで参りたいと思います。戦時中あるいは終戦前から、また終戦直後のインフレ時代、物資不足時代、言いかえますというと、戦前戦後を通じ、配給統制時代がございました。その後はまたいささか乱雑な自由経済、自由放任の時期がございました。やや時期を最近に近くいたしますと、生産も上昇し、流通も正常化に近くなって参りまして、消費も増高しつつありまして、経済社会秩序が中央卸売市場を中心といたしましても落ちつきつつある時期でございますが、その間に処しまして、中央卸売の市場の卸売人の方々は、いろいろな時勢、経済事情にもまれながら、御苦心をなさって今日に至っておると思うのであります。この関係におきましては、現在営業をしておいでのお方につきましては現行法に基いて許可を受けられ、開設者の設くる業務規程にも従われまして今日に至っておられますので、これは尊重すべきものだという考えを第一には持っておるのであります。しかしながらただいま適例を申し上げましたように、あるいは大勢を申し上げましたように、必ずしもそれほどの卸売人の員数が各卸売中央市場にあるということも、非常に適切である、こういうふうには考えられないという御意見がございまして、各市場ごとに単数であるか複数であるかということについて、いろいろ議論がございましたけれども、これは場合によっては単数制を認めることも含めることにして複数であるか、適当な少数にするのが自由競争の激しい市場の取引方法にも応じ、法の期待するところにおいてむしろ本体であって、あわせてまたそこに生産者なり、委託者なり、売買参加人なり、そのうちの仲買人も小売人の資格の方もございまするが、現段階においては適当数がどのくらいであるかということは別としまして、複数少数で適当なものがいいという御答申をいただいたのであります。昨日御説明申し上げましたように、単数か複数かということについてはおのおの説があった、こういう備考をつけた御答申をいただいたのであります。従いまして、最初申し上げました現在苦労をして今日に至っておられる方々の権利と申しますか、実情を尊重いたしますと同時に、ここには主務大臣が開設者を通じまして、開設者そのものの意見をいただくことを制約条件といたしまして、主務大臣の許可制をとっているわけでございます。また現状すでに許可を受けて営業をなさっておられる方については、本法改正案が施行されます際にも、そのまま許可を受けたものとみなす措置をとりたいと思っております。
しかし現在適限少数であるものについては、関係各方面の御意見もあり、業界の中にも御意見があり、特に相当権威のある私どもが尊重しておりまする対策協議会の御意見もありますので、すでに適当な数をこえまして多数ありまして、卸売人の方々の間にも過当な競争があって、正常な営業が成り立たないとか、金融等の措置もありましょうが、生産者及び出荷者に代金の支払い、あるいは開設者に市場の手数料その他等を円滑に適正に支払いながら、業務規程に従った取引をするには適当でない、こういうような動きの実情及びその動きがある場所がございます。それにつきましては、ただいま申しましたように、現状を尊重しながら、まず第一には自主的に企業を整備統合されますことを期待いたしますとともに、弊害が起きました場合には、数種の方法を講じて、正常な姿になっていただくということを御期待申し上げているわけであります。
その数種の方法と申しますのは、第一は、卸売人が活動されますのに一番直接関係のあります、特に主として生産者その他の出荷者あるいはその団体から販売または販売の委託を受けるわけでございますが、これが信用力が、営業力が十分だとして、なまものを委託販売して参ります際に、委託条件を契約通りにおいて履行できないような事態とか、多数の度が過ぎるために、かえって市場の正常取引を阻害するような値引き競争、前渡金とか歩戻金とか、そういうものを不必要にやられます場合においては、まず第一に法案で追加条文として規定をいたしましたような、卸売人の間で自主的な取引方法その他の取引条件についての協定を結んで、これを法的に認めるという措置が第一であります。
その他営業の譲渡、合併等の自主的整理、そのことが第二でありまして、違法な返還とか、その他条文の定めるところによりまして、適当でない場合は、市場開設者の意見も聞いて、正当な手続をとりまして、運用によりまして許可の取り消しもある、そういうことができるという体制を今度の法律案には盛っているわけであります。
第二点といたしましては、私どもは目下の現状におきましては、卸売人の各個市場ごとにおきまする単数制をとっておるというものではございません。もしそういうことに御理解をせられましたならば、私の説明違いでございまして、むしろ複数が原則であって、それは適限少数が適切である、しかし市場にすでに一個あり、新設された場合に一個の卸売人しかなくて、自然に第二番目の方以降の複数のお方が出てこないというような状況もありますし、あるいは数個ありましたのが営業の譲渡、合併等をとられる際のこともございますが、その場合においても中央卸売市場法の使命、あるいは現行法及び特に改正法律案の全体の趣旨からいたしまして、生産者側にも、出荷者側にも、仲買、売買参加者にも、ひいては消費者にも支障がない、公益上支障がない、こういうような事態には、単数制度をも含めて考え得る適切な行政判断を加えた場合には、農林省の意見を尊重していただきまして、公取委員会も、独禁法の適用がありますが、独禁法の適用に当ってそれを理解して、尊重して判定を下そうということに、広い幅の運用が、市場法を適正に運営されることを念としまして、その体制を整備するということの立案と措置をとっておるわけでございます。しかし単数制になりましても、御審議をいただいておりまする場合のように、むしろこれに不当な取引の制限をする結果を生ずる場合とか、生ずるおそれが多分にある場合、こういうような場合には単数ではいけない、あるいは協定ではいけない、そういうふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/10
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011・青山正一
○青山正一君 あるいは質問が重複するかもしれませんが、重複した点はお答えなくてもけっこうですが、この卸売人の員数については、法律に一定の限界、たとえば何人以内ということをきめるべきであるとの意見も非常に多いわけでありますが、政府はこの問題について法律とか、あるいは政令で審議会というものを設けて、これに諮問、決定する気持はないかどうか。
それから第十条に、卸売の業務をなすものの資格、員数その他命令をもって定むる事項はこれは業務規程をもってこれを定むべしというような項を一つ設けて、付け加えるお考えがあるかないか。たとえば第十五条の六号の仲買の事項と同じような文句を第十条に卸売人にも適用していく、そういった文句を卸売の条文に入れたらどうかというようなわけですが、この御意見のほども承わりたいと思うのであります。
それから先ほど申し上げた卸売人の員数制限を法律に規定することは、これは局長のお話ではどうかというようなお話でありますが、市場ごとの実情に徴しまして、業務規程の中にあらかじめ卸売人の員数を決定してもらう、たとえば何人以内ということを限定することとして、その制限員数内において、たとえば東京なら東京市場の開設者に、卸売業務をなさんとするものが、自分は今度は卸売業務をなしたいのだということを申し入れて、それで開設者の進達によって農林大臣の許可を受けるということにしたらどうか、これについて局長の御意見を承わりたいわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/11
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012・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) 卸売人と仲買人におきます御審議願いました法案の規定の気持でございますが、卸売人につきましては、主務大臣の許可を受けなければならない、受けたならば業務ができる、こういうことにしましたのは、従前の規定を承継することが穏当でもあろうということと同時に、大きな変化を不必要に法文に改正を盛って、業界に現在いろいろ苦労されて業務を営んでおられる方に無用の不安を与えるのも必要のないことであって、市場における卸売人というのは非常に重要な地位を占めまして、大小となく中央卸売市場では必ずその業務を営む方がいらっしゃらなければならないという意味をもって、ウェイトと申しますと、どちらかというと仲買人よりは各市場を通じて普遍性をもっておって、重要な地位をもっておる方だと思ったのであります。かたがたもって主務大臣にしましたのは、これは現行法でも本来国の仕事であって、地方長官に委任されて、しかも単に委任できるということでなしに、改正文じゃございませんが、国の許可を受けたものとするという便宜の規定がありまするが、集散市場化しつつある地域もあるととも考えまして、また卸売人の行為というものは、自分が営業所をもっておるとかいう場所ばかりでなしに、中央市場の中で売買する、ないしは委託販売をするということばかりでなしに、卸売人と生産者、または出荷者ないしはそれらの団体との間はかなり広区域にまたがっておることもございますので、加うるに先ほどの御質問にありました卸売人の少数適限とか、これに対します各条文の独禁法関係の規定とか、その他もございまして、そのかね合いをもちまして、本来の姿である主務大臣に移した方がいいと思っている意味でございます。仲買人につきましては、きのうも名称の問題がありましたが、まあ本法の法律としては、従来なれた仲買人という名称以外に知恵も浮かばないし、実態もよくわからない。従来からも法的にもそうなっておったということが一つと、特に最近及び今後の取引では仲買人は重要な地位を占めておりまして、今後大市場になりますれば、ますます市場の荷扱いとか規模が大きくなりますれば、必要な重要な地位を占めておるものと思っておりますが、従来は本法に規定をいたしませんで、業務規程でその仲買人を置くことができるということとか、置いた場合の資格制限、その他の行為の制限を独自の条例をもって規定しておったことがあります。かつまた仲買人のやり方が、同じ仲買人と称する業態がありましても、受け持つ機能が、たとえば東京におきます場合と横浜におきまする場合とは、まだ発展途上の部分もありまして明確ではない、多少の差異がある場合もあるので、個々の各地を尊重する必要があるというふうにも思うのであります。また中央市場でありましても、仲買人が必ずしもいるという場合でない場合もあることが実情でもありまして、現行ではそういう全体に通ずる規定を設けるのが適当だと思いまして、個々の市場を尊重する意味においては業務規程で定めてむしろ義務を負わしておる。かつまた仲買人というのは法的に地位を確認する意味においても本法に移すべきである、また現在条例で、仲買人は場外ではどんな取引でもしてはいけないという条例も改正すればできますが、立法当初からずっとそういうことになりまして、そういう条例による仲買人の市場以外には買付業務を全然やってはいけないというようなあたりについては、それが市場取引の正常化の元でございますが、条例で規定する等はいかにもまずいので、それらの点は法的整備をはかりますように、かつまた実態に合うように差をつけて書いたのであります。市場の業務規程というのは、市場内の監督、取締りの規則でありまして、必ずしも条例とか、いわんや法律による必要はないかと思いますが、しかし明確にして拘束力をはっきりさせるという意味においては条例でもって定めることが悪いことではないと思っております。むしろ適切だと思っておりますが、法律の規定をもちまして条例で定めると言いますというと、法律に根拠をもって、直接に法律に根拠をもって業務規程で定めますので、権威づけが強いという、そういう意味で新たに仲買人の規定を置いたのでございます。
それから数のことでございますが、これは何人以内を各地の市場に置いて、その範囲内におきましては、実情に即して各地おのおのきめればいい、あるいは事前許可を受けたうちで営業できる人が残ってやればいい、こういう御意見もあると思いますが、現状からだんだん整備強化をして参ります間において、各地の事情もありますから、まず第一段には現状を、法律もあった上で行われておりました現状でありますから、尊重をしまして、尊重の上から出発して円滑の推移をするのが適当だと思うのでおりますが、もしこれを法律の明文で書きますというと、何年間の経過措置等をとりまして、逐次改正あるいは行政的に市場の、あるいは実情に応じまして適切なように推移していく方法をとることになるだろうと思いますが、やはり何人が適正かということは、審議会で多くの御経験のある方が論議されましても明瞭ではありませんし、またいわんや法で員数まで書きますと、かえって弊害も生ずる場合もございますので、ここには第一には卸売人は許可制度をとって、新規業者の適切なものがあれば別としまして、各地の実情を聞いてそれに即応して運用するのが適当だと思っておるわけであります。現在でも現実にある現行業務規程においては、各地とも卸売人の数は何人と言いませんで、若干名として運用することになっていると思います。おそらくは開設者側においても卸売人の方々、あるいは新規業者としてなりたいと思う方々も、特に新規業者の方以外のものにつきましては、沿革も歴史もありましょうから、それらの点を運用よろしきを得る方が法の目的を達すると思っておるのであります。また業務規程の中で数をきめたらどうかということについては、今申しましたことと同様の考えでおるわけであります。法律の業務規程で何人と定むべしという数をきめますことも同じだと思うのであります。現状を特に若干名として運用でやっていることなどは、同様の答えを申し上げたいと思うのであります。またそれらに関しまして、許可ならば大臣、業務規程ならば開設者の定めるままにまかせないで、法律に基いて審議会を作って、審議会で審議してやったらいいじゃないかという御意見もあると思います。それに関する御質問があったと思いますが、少くとも目下私どもの考え方、及び市場対策協議会の中で出ました意見、その外で今日まで聞きました意見では、必ずしも人選に十分を期しがたい、固定して特定の方が審議会の委員になりますと、余分の判断とか、かえって資格認定、員数の決定等が実質上よくない、行政としてみますると、二重、三重の行政が行われるおそれがあるから、事実民意をよく反映した実情をよくにらみ合せて運用してもらいたいけれども、特に法的審議会を置いてもらわない方がいいという意見の方が多いかに考えておるわけでございますので、精神は同様な精神で運用しまして、明文で審議会を設置することを避けたいと思っておるわけでございます。
また、許可とか員数等とか、員数、資格の決定にあたりまして、開設者がきめまして、進達して処理をしたらいいじゃないかという御意見がございましたが、これは本来特許とでも言うべき性質の許可になっておるのでありまして、かたがた隔地者間の広い地域で取引も行われますし、そういうこともありまして、大臣の行う、あるいは国、政府というものが行いまする本来の性質があると私どもは考えておるわけでございます。開設者はたまたまもって都市であるものを慫慂しておりますが、公益性とか、財力とか、財政力とか、運営上の都合とか、公益的団体ないしは地方団体がいいというので、特に地方団体だけに今度はお願いしたいと思っておりますが、それにしましても、この場合は開設者は市長とか県とかいう場合でありましても、県知事という場合でありましても、その地方団体またはその長、執行機関の長、いずれの場合をとりましても、事業主体として考えておるのでありまして、事業主体がかねて、あわせてという意味ですが、あわせて——まあ法律用語のかた苦しい言葉でお許し願いたいのですが、特別権力関係を結び得る権限者とともに同じ人がおるということは必ずしも適当ではない思うのであります。行政権は行政権で筋が通っておるし、開設者は事業主体としてある、しかし開いた以上は特に都市が、地方自治法の普通地方団体が開設者でございまするので、開設者の仕方としての監督取締り規則の業務規程はもちろん設け得る。また運用はたとえば設備が古くなりましたら、使用料等を十分に使って設備拡充も修理もしていくという性質を持っておるのであり、長く続くものと、こういうようなこととして開設者をみたいと思っておるのでございます。行政権の行使者としては開設者と事業主体とは分ける方がむしろ適切である。しかしながら実情は何と申しましても中央卸売市場という施設を設けて、その中で取引の公正化、その他の立法目的を達するものでありますので、その中におきますことに十分な関与をしたり十分な意見を出さなければなりませんので、施行規則十四条におきましては、開設者が意見を付して進達し得る道を開いておるわけでありまして、これは主務大臣が権限を持って許可制を運用をいたしますというと、一個の意見が出るわけであります。開設者が意見を進達して下さいますというと、また一個の意見が出ることになりまして、一個と一個との意見があって食違いがあるときは、一致するまでよく練ってそして行わなければ、いわば専制独裁ということにもなりますので、両者の意見を出し合って、そして権限行使は主務大臣が行うと、こういうふうに持って行くのが一番穏当だと考えた次第でございます。
なお、員数制限につきましては、もちろん業務規程によりまして、市場の業務を行いまするものは業務規程で縛られる。かつまた業務規程は主務大臣の認可を得ることを要する。そこでこの業務規程で員数の制限もできるわけです。制限をする場合には許可のこととともに同一の主務大臣が認可、許可をいたしますので、その両者の意見は分裂すべからざることである。分裂しないように統一的に主務大臣が行うのが、都市または都道府県というふうに分れるよりは、なお適切であると思って実は立案した次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/12
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013・青山正一
○青山正一君 ただいま局長からいろいろな御意見を承わったわけでありますが、ところが六大都市の開設者たる各市長はこういうことを言っております。卸売業務の実態から見ると、第一に卸売人はその業務を営むためには、広大な卸売場とそれからいろいろな施設を使用しなければならぬ、そういったいろいろな施設は全部開設者が現在持っておる。そこで卸売業務の許可と、それから施設使用の許可とは不可分であるから、その卸売業務の許可を農林省が持つとは不都合だ。それから第二には、開設者は市場管理運営上の責任者として常に卸売業務を指導監督し、その実情を最もよく把握しておる。今さら農林省が出る幕では広い。それから第三といたしまして、市場は卸売人、それから仲買人、売買参加者、この三者が三位一体となって対等の地位を持つことによって適切な業務の運営ができる。この点先ほど局長の御意見によりまするというと、卸売人の地位が仲買人あるいは売買参加者よりも上だというような感じのお言葉を承わったわけでありますが、その開設者の意見はそういった解釈のもとに進んでおる。だからこの三者の許可は同一人で行うこととして、しかもこの実態は農林省より開設者の方が把握しておる。ことに荷受け、つまり卸売人だけ仲買人とかあるいは売買参加者よりも地位の優越性を生じ、円満な市場運営ができない。これを私から見れば、へ理屈のように思うわけでありますが、非常に卸売人だけに地位の優越性を感じさせるというようなことはいけないじゃないかというようなことを開設者が言っておるわけであります。それから卸売人の許可を農林大臣にやると、生産者偏重の市場機構に変るじゃないか、その他いろいろのことを文句にして、農林大臣の卸売人の許可に対して絶対反対を唱えておるわけなんですが、局長はこういった第一点から第四点までのこの開設者の文句に対して、どういうふうにお考えになっておられますか、その点一つ承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/13
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014・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) 私は実は開設者の意見を十分自分で納得できませんし、農林省もそういう考えであります。結論はさっき総体的に申し上げたのであります。かつまた法律案を国会で御審議いただくために作成いたします間には、市場対策協議会には主要都市の市場長もみな入ってもらってきめまして、答申は全会一致をもってきまっておるわけであります。それでそれは主務大臣に監督権を移すという結論でございます。しかしその後いろいろ御意見も聞いたり、接触もいたしております。あわせまして一度だけ、六大都市の市長さん、都は都知事さんから、ただいま青山委員のおっしゃるような要望書のようなものをいただきましたが、実は何にも判こもありませんので、無権代理のようなものなので、東京都のお方だけ判こが押してありまして、きのう申し上げましたように、真偽のほどは別といたしまして、一昨日安井知事に実はこの院内でお目にかかって、意見の交換と御意見を聞きましたが、私は知らないということで、そういう文書の取扱いとしては少くともあまり尊重するのはどうかと思っております。しかし趣旨については、よくそういう意見があることを十分尊重して、やっていかなければいかぬと思っております。かたがた東京都議会でも意思表示をされたこともあるようでありますが、内容にわたって申し上げますというと、都の開設者は実情をよく把握しておるから自分で卸売人の許可をやるべきでない、こういうことは先ほど申し上げましたように、開設者という事業をしておるものと、卸売人の資格を与え、またその監督をしたり、あるいはないしは育成をしたり、独禁法上の卸売人の処置をしたりする東京都は、都道府県というような立場と、都市というような市という、——市町村というような立場とたまたま兼ね備えておる点がありますが、後はみな分れておるのであります。そうしてこれは市場開設者は施設を開く限りにおいては、あたかも国会議事堂の中では国会議員が国会内の取締規則を設けられる。農林省で言えば、省、庁いうものの取締りとか、設備を管理したりすることは農林省がやる。大学で言いますると、学校の中の規則で学内のことを治めるということは必要だと思います。その意味の業務規程はりっぱなもので、また強くなければならない、励行もされなければならないと思いますが、卸売人の許可というようなことは別だと思います。新憲法下におきましては、公益のためでなければ営業の制限をすることはおかしいのでありまして、業務規程において営業の制限をしたり、特権を与えたり、その反面他のものは許可権を与えられない。営業の自由を制限されるというようなことは、まさに法律で、そして国の事務として行うことだと思うのでありますが、しかし都道府県及び都市はそういうことができないということではないと思います。しかし開設者という事業主体がやるということではないと思います。一人の人が二つの資格を持っておる。一方の普通地方公共団体はできないことはないと思うのでありますが、普通地方公共団体におきましては、地域的な制限がありまして、市場内だけの行為ならばけっこうであります。あるいはその都道府県または市町村というようなところでは効力がある。条例を議会の議を経ればできることになっておりますが、特に卸売人につきましては、全国的に営業の行為をするものでございまして、またそうしなければ機能が発揮できないものでございますので、これは開設者としては適当でないし、都道府県または都、市、町村が行うのは適当でない業務の業務範囲を持っておると思います。仲買と卸売人とは、法文の規定上書き分けた理由を御説明申し上げましたが、一たん許可を受けて卸売人がその権限をもって営業できるようになりましたり、業務規程をもちまして仲買人が置かれました場合は、これは対等の取引者であり、ともに尊重すべきだと思います。しかし卸売人のないところはないが、仲買人のないところも現実にある。事態はまだ世の中の発展過程でありますので、そう見るのも一応いいというだけのことでありまして、両者法認されましたならば、対等のものでなくてはいけない。そうでなければ公正取引はできないと思います。かたがたもってその趣旨は、旧憲法にも新憲法に基きましても、法律に対しては同じ関係があるものだと理解をいたしておりますが、その意味におきましてと私は解釈いたしておりますが、現行法でも地方長官、今では適当でない名前のものが、言いかえますれば都道府県知事が卸売人の許可権を持っておるのでございまして、開設者が持っておる例は大正十二年以来かつて何もなかった。それ炉また本来の性質であると思っております。しかし実情を把握しておいでの場合につきましては、これはその通りだと思います。と同時に、またそうならなければならない。実情を知らないで市場開設者の業務をしておるならば、まさにこれは認可権その他の監督権をもちまして監督を厳重にすべきものでありまして、実情を知っておるのは当然であって、実情を把握しておるから許可権を持つべきものではない。逆は真ではないと思うのであります。それから市場の開設及びその後の運営につきましては、開設については、まさに主務大臣の権限と言わんよりは、むしろ責務でございまして、その後の運営の監督も、業務規程の認可、その他常時監督できるという、本法の旧法においても改正を期待しておる。むしろ中央政府あるいは国の政府が十分に気をつけるべきものでありまして、何も開設者だけが責任の所在者ではないと思います。それはもっとより広い公益をになって付託を受けまして、その正当な国会から与えられました権限を行使する者の責任と思っております。その権限の裏には同量の責任があるということで、原案の方がいいんじゃないかと思うのであります。
それから市場におきまする卸売、仲買、参加者、これは仲買と売買参加ということは、小売商が入りましたときは自営業になっておりますが、市場という施設を利用して売買参加することは、これは市場内の取引でございまして、卸売人が原則として委託によって遠隔の地または近傍の地から委託販売または買い取り販売等の方法によりまして、大部分委託でありますが、行為を行うものとはいささか性質が違う部分も多い。似た部分もあると思いますが、違う部分も多いと思いまするので、一たん認められて取引に参加すれば、対等の重要性を持っておると思いますが、また対等でなければ目的を達しないと思いますが、全体の性格を見まするというと、多少の差があることを申し上げたのであります。
それから、卸売人の許可を農林省でやりますと、生産者偏重になるのではないかということでありますが、これは関係者がどう思われるかということが一つと、どう思われるかということの具体的事実が、過去であるか、どのケースの場合であったかということなどによると思うのでありまして、農林省がやれば生産者偏重になるという意見があれば、かりに設例をもって申し上げますと、農林省は米の配給なり消費者価格をきめるのはおかしいということと同じでありまして、しかしおのずから性格も出てくることも事実上にはありましょうから、ここはきのうも申し上げましたように、流通を専門に扱い、市場を専管して公平に扱う、言いかえますれば、中央卸売市場そのものも、中央卸売市場を通ずる取引も、そこの関係は卸売、仲買、売買参加者もいずれも第三者のためであり、消費者のためであり、公益的に同様に動いていただいて、そうして生鮮食料品の流通取引の価格の形成に参加していただくものでございますので、法の示すところに従いまして、農林省はだれに偏重するということもなしに運営すべきものと思います。それが機構上においても、分掌事務を持っておる局のあり方としましても、それをなるべくよく目的を達するように変えつつあるのは、学識経験者からの御意見もありまするし、本来の性質からも考えましてそのようにしておりますので、開設者側から御意見がこの点について出ておるようでありますが、そういう心配なく動く、また開設者の意見も十分に反映して、一個と一個との意見は、権限者である意見を具申するものと、この差はあるといいましても、必ず尊重いたします。甲と乙との意見があって、乙の意見が抹殺されることがなければ、甲の独裁はあり得ない、こういうことから見まして適正に運用するつもりでございますし、御主張は少し片寄って、実情というのはよくわかりませんが、自分のことを少し考えられ過ぎて杞憂をしておられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/14
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015・青山正一
○青山正一君 これはこの法案とは別の角度でいろいろ検討しなきゃならぬ問題があるのですが、この対策協議会で、まあ先ほどからのお話しにもあったように、だいぶ単複問題で騒いでいたようですが、農林当局では単数の場合、これは憲法違反だから厳密な意味から言えば、単数の場合公社で行くより仕方がないじゃないかというようなふうに考えられたのじゃなかろうかと思うのですが、その点について承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/15
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016・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) 単数の場合には、これも適切に運営されて、単数になる過程が適切でありますれば、必ずしも悪くない。それが認められると思うのであります。しかし単数でない方が非常に出荷者と仲介、売買参加者、ひいてはその背後にある消費者が多数ございますので、理論的に考えまして、まず信用力、資格、あるいは技術的能力、その他の市場内において必要な具備すべき適当な条件を備えておれば、複数がむしろ本当ではないかと思うのであります。かつまた複数でありましても、九十九と一との割合で荷を扱うような場合には、他の取引の相手方が一般取引に与える影響も違います。実力も違いますので、現在私的独占の禁止及び公正取引に関する法律は生きておりまして、その精神はまた自由主義経済の発達に応ずる資本の集中による弊害をためようとしておるのでございまするので、法のある場合は特にそうでありますが、法がなくともそう考えるのが穏当だと思うのであります。そこで他に例もありますように、単数の場合には公社か国か、国に準ずるような公的機関がやる、こういうことも例は大体終戦後の立法でございますが、生鮮食品に関しましては、公社というものが現在のところはたとえばできますと、これは営利的性格をなくして行けるから、その要件においては独占をして仕事をするという適格性が出ますが、なまものを敏速に能率的に扱ったり、従来苦労された業者が営業権を持って行なっておられる際に、おそらくはうまく動かないし、なまものを扱うには、特に適しないような公社という形は目下のところ想像もいたしておらないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/16
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017・青山正一
○青山正一君 この問題は一応これでとどめておきまして、のちほど類似市場の問題について聞きたいと思いますが、一応中断いたしまして、千田委員の御質問を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/17
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018・千田正
○千田正君 法律的な問題についてはだいぶ青山委員がいろいろただされたのでありますが、内容を検討して見て、ある意味においては、一応こういう案が出たということは現在の卸売市場に対する一つの何といいますか、考え方が農林省としてはっきりして来た、こういうふうに考えられるのです。ただ問題は、失礼な話だけれども、こういうたとえば権力を農林大臣のもとに収める。幸いにしてりっぱな農林大臣だけが出ておればいいけれども、場合によってはその権力を握った場合に、その権力を乱用されることをわれわれはおそれるのであって、それに対する何らの覊絆がないということは、非常に私はこの際危惧を持つものなんです。たとえて言えば、あなた方の農林省関係で言えば、かつて畜産の問題についても畜産会というものを新しく作って、どっからか会長を持って来て、畜産に対する行政の補助であるとか助成とかいうものは、そのパイプを流さなければ、畜産に対するところの実際の畜産の業者なり、あるいは牧畜業者が十分に国の施策に対応できないというような事実も出ている。これは農林省側から言えば畜産界の大革命だというが、実際に牛なり、馬なり飼っている者から言えば、非常にこれは考えざるを得ない。こういうふうにときの大臣が権力を握ったことによって、この法律炉乱用されるという危険性が多分にあると私は思う。そういう意味において、私はこれは慎重に考えなければならないのじゃないか。およそこの卸売市場にしろ、中央卸売市場等に関する問題については、過去数十年の歴史を考えて見ても、これを中心にしてスキャンダルの起らなかったことは一回もないのです。そういうことを考えても、この際こういう問題を提起されて、そうして新しい理想の下に行くとしましても、その握った権力を乱用されるというと、逆にこの法律がかえって今まであった市場よりも混乱するおそれを来たすんじゃないかという危惧を私は持つんですが、一体これは局長に端的にお伺いするのですが、これはあなた方が案を練って出されたのか、あるいは大臣の命令によってあなた方が作られたのか、これはどっちなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/18
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019・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) きわめて率直に、ざっくばらんに申し上げます。
第一には、この案を出しましたのは、私が出しました。なぜかと申しますと、理由は多少違ったかもしれませんが、参議院の諸先生方が議員提出案をお出しになった場合に、主務大臣に権限を移行することが二ヵ条修正の意味でありました。それが継続審議の過程において農林省もよく研究して、広く意見を聞いて、それを尊重しつつ、従いつつ立案をして、案を提出して見ようという含みもあったと思います。そういう意味におきまして、指示なくして私がほとんど全部委任を受けましてやりました。しかし留意すべきことは、およそ法律というものは、一代の大臣でありますとか、ある特定の内閣の期間に存続すべきものじゃなしに、そのときどきの判断ではありますが、そのときどきと、それに近い将来に恒久的に、普遍的に適用される案をたてるべきであります。国会の御審議もまたそこで審議をしていただいて、最高機関が御決定になる性質でございます。そこで、とかく大臣だけの許可権というものでは、まあ他に幾多の例がございますが、法制局とも相談いたしまして、市場開設者というような、特に卸売市場というものは、法文に現われた姿でなしに、実態というものはなかなかむずかしい、わかりにくいものでございますので、その開設者の意見を聞いてでなければ権限は行使し得ない、こういうふうにしぼるように制限的にいたしたわけでございます。また裏から考えまするというと、立案当時、千田委員のおっしゃいますようなことをかりに行おうといたしますると、現行規定におきましても、地方長官の許可制の運用につきましては、あくまでこれは国の事務を地方長官に委任してと、法文でこう書いてあるのでありまして、別条文では、大臣がいつでも指示、命令もできる。また他の地方自治法の関係におきましては、この中央卸売市場におきまする地方長官の権限は、国の事務を地方長官というものによって、法律用語で申しますと機関委任というのでありますが、機関に委任してやってある性質のものである。だから本来農林大臣のものである、こういうふうにしているのでありまして、それも今まで使ったことがございません。現内閣、あるいは現大臣の時期にも使ったことはございません。この上に立法上ではそれを制限的にする配意をいたしておるわけであります。
それから今後の運用につきましても、これは独禁法との関係で主務大臣とする規定が特に必要であるとも思いますが、それ以外でも独禁法排除に関する規定を置きましたと同様の措置でありまして、また業界でも同様の意見があり、協議会でも論議をされましたが、一、二の場所を除いては、一、二と申しますのは、たとえば下関だったと思いますが、一個の卸売人しかありませんが、その他は過剰気味でありまして、前国会でも性格について大阪の卸売市場に独禁法を運用することについて公取委員長が反対を言いましたほど、合併、統合、適限少数、こういうのが容易でございませんので、むしろ新しいものを許可して押しつけるというようなことの事態でありませんので、現状を温和に、まず自主的な統合整備をはかって強力、堅実になさって、生産者に不便を与えないように、そういう留意をすべき時期でございますので、そのように運用いたしたいと思います。また運用すべきが改正法案の趣旨である、そういうふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/19
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020・千田正
○千田正君 局長のおっしゃることはよくわかるのです。参議院におけるこの前のこの問題を論争した結論におきましても、独占禁止法その他に関係する面が相当あるので、主務大臣という問題が起きてきた。ところがはなはだ失礼な話ですけれども、これは私は率直に言いまするが、非常に強い権力を持つ大臣が出てくるというと、とかく自分の意思をもってその権力を施行するおそれが多分に出てくるのではないか。これは往々最近の情勢から見て、どの大臣はどうのということは言えませんが、いろいろの問題が世間に流布されておる。それだけの誤解を生むだけでも、私はまずいと思うのです。ですから、かりにこの法律を改正されていくならば、将来そういうことのないように、現在局長のおっしゃったように過去にもそういうことがなかった。現在もないから将来も大丈夫だ、こういうふうに考えるだろうが、これからどのように世の中が変っていくかわかりませんので、その点を私は心配するわけです。これは私どもとしましては、でき得るならば委員会で十分練りまして、そういう問題の乱用されないようなことも考えなければばならないのじゃないか、さように私は考えておるのでございます。
もう一つ単数、複数の問題についてはずいぶん論議の中心になったようですが、今の青山委員の御質問に対してお答えになっておったようですが、何かこれは結論においてはぼやけておるのではないですか。その点の明確なあなた方としてのあれをはっきりここでおっしゃっていただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/20
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021・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) 第二の点をお答え申し上げたいと思いますが、この法案の立案の精神も、運用上の基本方針も、市場対策協議会にありまする適限少数の基本方針、そういうふうに見たいと思うのであります。単数論というのは、まだ中央卸売市場の取引の仕組みの仕方、現状等から見ましても、自然発生的に一つしかないという場合などにつきましては、二個になって、そのうちの一個が非常に強大であるという場合も同様でございますが、現在は多過ぎる傾向が多いと思いまして、それに対する業界の自主的または官庁の指導的なものは要ると思いますけれども、少数適限が一番生産者のためにいい。むしろ先ほど申しましたのは誤まりでございましたが、尼崎と佐世保が一人でございます。こういう所は二個の卸売人にする方が取引も円滑だし、出荷者も目的が達し得るのではないか。競争がないと、とかく独占と腐敗があるかと思います。
それから第一点は申し上げるまでもないと思いますが、本来の性質が主務大臣であって、各規定が許可権のみならずほかの規定と照応させて、主務大臣でなければならぬと今も思っておりますし、過去におきましても、国の事務の機関委任がしてあっただけで、しかも大臣から命令できるということになっておったというふうに御承認を願いたいと思います。
なお国会は常時、また開会のときに行政調査権もありますし、委員会その他で論議もありますし、行政官庁内部におきましても、刑事問題になるほどのものならば、その方面の機能も機関もございます。会計上のことであれば、会計検査院という独立機関もありますので、それらの総体的運用によりまして、御心配のあるときは事前と事後のいかんを問わず適正にしか、行政庁の長の方でありましても、運営はすべからざるもの、またできないもの、こういうふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/21
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022・千田正
○千田正君 とにかくこれに対しては公聴会を開くのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/22
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023・三浦辰雄
○理事(三浦辰雄君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/23
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024・千田正
○千田正君 要は生産者並びに需要者の間に立って、仲買人が、この卸売市場法がいかに公平に両者間のためになるかということが一つの大きな重点でありますから、公聴会その他においてまたいろいろ参考人の意見を聞きましてから、私はあらためてお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/24
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025・東隆
○東隆君 私は、この法律は大正十二年にできた法律であるために、最近できる法律と構成上だいぶ違っておるところがあると思うのです。たとえばこの法律の目的を実は大上段に振りかざすのは適当でないと思いますが、それはこの答申の第一が、非常にはっきり書かれていると思います。それでそういうような点でこれは根本的に直すという考え方があったようでありますが、それを単に条文の改正でもってとどめた理由は何かほかにありましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/25
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026・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) 最近の立法の例と違う点に関してはどうかということと思いますが、違うといえば違うにおいもある。しかし改正案を加えまして、改正条文各規定においてはそれぞれこの規定は何のためにある、あわせまして中央卸売市場はどう考えておるかということなども加えまして、現行法の残りの規定と逐条全部合せて読んで、法の目的ははっきりするものと思います。そういうふうにいたしますというと、大正十二年に制定されたものよりは、最近の例の方が本法の目的にはかなりはっきりしておると考えております。また全部書き直すのも研究いたしましたが、何としてもすでに現実が形成されておって、法の目的を達成するか、それに近いならば悪くないと思うところがたくさんあると思います。特にこの扱いにくい生鮮食品では関係業界でもいろいろと専門の技術能力が要ることでもありまして、特に法に基きまして地方公共団体が中央卸売市場を開く場合には、開くための措置とか、開いたものを市場取引上どういうふうに存置をする、言いかえまするというと、むしろ先駆的でもあるし、他に影響力を与える場合に模範的である、そういうものの施設として書かれておるのは、その分などはいい方です。全文を廃止しまして、あるいは書き直しまして、新立法を全面的に行いまするというと、この中央市場が取引に主導的な地位で公正取引を期する模範的市場であるというような性質が薄らぐおそれが多分にあるかと思いますので、またそうかりにないといたしましても、改正の要がないと思います。それでそういう措置をとることをやめたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/26
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027・東隆
○東隆君 私は築地の魚市場その他を回ったときに、いろいろな疑問が起きてくるのです。たとえば最終の消費者というものはこれは台所になるわけですが、そこで買うところのものもこれはもう毎日のようにほぼ同一の価格にほとんどなっておると思う。ことに商店なんかでもって食事を供するところなんかの価格なんかはほとんど一定しておる。それからあすこでせりをされるところのものは、おそらくその日の数量その他によって非常に影響されるのじゃないか、そうすると結局しわ寄せは一体どこへ行くか、こういうことになると、私は大きく見れば、どうも生産者の方面にしわ寄せが常にいく形になってくるのじゃないか。価格の高低その他の問題が一番響いてくるのは、生産者側であります。気候の悪いためにとれない。あるいはその他いろいろな関係でもって、たくさんとれたからといって価格を非常に安くされる。そういうようなものがあすこの市場でもってせり売りの形でもって果して適正な価格がそこに出てくるか、こういうと、必ずしも出ておらぬようです。従ってそのしわがほとんど全部生産者の方にいくのですが、生産者を擁護するところの規定がどういうようなところから出てくるのですか、この法律から。現行の法律から生産者を擁護する規定ですね、そういうものはこれはどうもこの中にはないようですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/27
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028・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) 終戦後新立法が行われました商品取引所法をかりに見まするというと、流通の円滑、価格なり取引の公正、あるいは価格形成の適正を期することを目的とする。あわせまして、それを通じまして生産、消費についても、流通はもちろんでありますが、適当にして国民経済に資すると、こういうように書いてあります。本法は直接に生産まで必ずしもいっていないと思います。しかし現行法という御意見でございましたが、現行法では開設者を、公益的な性格を持ち、公益の代弁をし得る性格を持つものをして行わしめる。それから主要業務を行う者についても、官庁、行政庁の権限を与えた許可、あるいはそういう公益的開設者の業務規程によって資格を与えると同時に、その業務を規制する、その範囲内でやっていただく、そういうふうにいたしまして、全条文そのものが一方消費者のためにも、他方生産者のためにも公益を守るようにいたしたい、そういうことが全文の精神なんでございます。中央卸売市場でどこかへしわ寄せがあることとして運営さるべきものではないと思って、むしろそのものを通じまして、多数が公開の所で価格形成いたしますということは、特定のものが、たとえば卸売商というようなものが、豊作、増産の折には、あるいは時期的に集中する際には、不要に買わなかったり、買いたたきをしたりするのではない、需要がある限りにおいては、適正なもので公開の、しかも競争的な取引方法で価格を形成するようにということが自体根本であろうと思う。東委員のおっしゃいますように、人あって一説をなせば、生鮮食品といえども、また現在の段階でありましても、流通と価格とについて国家の管理ないしは統制、あるいは国家にかわるべきものの管理ないしは統制ということを、あるいは法律でそれをやる方法もあるかもしれませんが、読んで字のごとく、まさに市場の法律でありまして、この市場の法律は市場のことを規定するものである、市場が適正に運営されることを規定したものでありまして、生産者から消費者、ことに生産行為から消費行為まで全体をこれを公益的に守るものとしましては、これはその一部である、そういうふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/28
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029・東隆
○東隆君 開設者が公共的な団体その他がなっておると、こういうような意味でありますけれども、市場そのものの中に入っておる者は、完全なやはり商人の立場に立っておるわけです。従ってもし開設者の意思を十分に持っておるとするならば、この市場そのものがたとえば冷蔵庫その他のようなものを持ち、そうして毎日の出荷物に対して調節をするとかすることによって、ある程度の価格の安定性を常に維持しなければならぬ。そういうような方法はこれにはないわけですね。従ってそういうような点で、単に開設をしておるというだけであって、消費者の面においては、私はある程度一定の価格をこれはやっておるけれども、それは中間におけるところの人の利潤の何といいますか、あるなしによって調節をしておると、こういうような形で、最後のものは生産者の方にしわ寄せが行われていく、こういう気持が私はどうしてもとれないわけなんです。そこで先ほど生産者の利益を擁護するような方法がどういうような形で現われているかと、こういう質問をしたのでありますが、しかしそういう条文はこの市場の流通過程におけるところのことを規定したそういうものはないのだというお話であります。そこで私は生産者団体として、たとえば漁業協同組合であるとか、あるいは農業協同組合、あるいはその他の出荷組合というようなものでもいいと思います。そういうようなものがある程度数量の調節、あるいはその他をやるような一つの機関を私は作っていいんじゃないか、こういうととも考えますし、いろいろの問題もこれにあろうかと思います。そういうようなものを考えた上で、この市場の中に入り込むまでを私どもは考えておかなければとうてい生産者の擁護にはならぬ、生産の方面の擁護にはならぬ、そういう点は私は答申の中の第一のところでですね、はっきりと出てきているように思うので、こういう大前提をおいて、その上にこういうものを整理されると大へんいいものができるのじゃないかと、こういう考えを持ったので質問したわけであります。そういう点何か別にそっちの方面で、生産者を擁護することができるような方法がありますならば、お聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/29
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030・千田正
○千田正君 今の東委員の御質問に関連して、私もつけ加えてお尋ねするのですが、生産者の擁護のための問題であったので、かりに、最終決定は損害の請求権の問題になってくるので、一番最後にこの卸売業者なら卸売業者が破産の宣告を受けた、破産の宣告を受けて、なおかつ生産者が要求すべきところの補償とか、補償に対する要求金があった場合に、どこまでこれは延ばしていけるものか、たとえば開設に対する許可を与えた主務大臣に対してまで損害を補償するだけの請求権を持たせるのであろうかという点に相当私は疑義があると思うのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/30
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031・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) 東委員の御意見と思いますが、あわせての御質問にお答えを申し上げますが、開設者が公益的なものであるということばかりでなしに、その業務規程を作り、それを認可し、またそれに従って取引をしてもらって、その取引とは卸売の公正な代金決済の規定、手数料のいわば制限、決定ということであります。相場を安定して保持する、さらには卸売人の監督をし、経理の健全化もはかり、卸売人の適正な許可制の運営もする、そういうようなことを使って、それを通じてやろうというのがこの法律でありまして、法律制定の態度とか、経済の自由を基礎とするか、経済を管理ないしは統制するかという立場が差がありますというと、それによりましてどの範囲のことを法律対象事項にするか、またその内容はどういう形にするか、こういうことは、思想とか、立法趣旨の中に盛り込む態度とか、そういうことに関係があることであると思います。この法律は中央卸売市場を中心にしまして、大量消費が行われまする場所においての生鮮食品の流通及び取引ないしは価格の適正化を、公益的な開設者と適正な業務規程、官庁の監督等を通じまして、そうしてその中に自由取引をするということをもって目的として、その結果が生産者にも消費者にも適正であるようにする限りにおきまする法律でございままして、現行法も改正案も——少し法規定の対象としている幅が違うわけでございますが、そういう趣旨で立法されており、また改正案の御審議をお願いしているわけであります。
千田委員の御質問につきましては、卸売人が破産した場合の委託販売者の補償はどうかということでございますが、東委員が申されましたように、公益的規制をしており、模範市場としての中央卸売市場を置いている場合でおりますが、その中におきまするのは、業務規程に従う限りの自由取引でございますので、契約上の売買であるとか、契約上の売買の結果は、その契約に従い、また契約を一般的に規制する民法その他の法律に従って行われるべきだと思うのであります。契約自由の原則の結果に伴い生じた事態は、契約の中にあるものだと思っておりますが、しかしそれだけでは中央卸売市場法を作る意味がございませんので、そういう概念に立ちまして、そういう思想の上に立ちまして、特に卸売人については生産者、出荷者から委託販売を受けるものでありますから、保証金を出させたり、資格をよく判定して、現在ならば地方長官または国の大臣の指示を受ける、改正案ならば主務大臣の許可を受ける、なおかつ市場の業務規程にもそういう制限をして、間違いがないことを期して置こう、しかし万一破産をするほどの事態になりました場合には、市場の手数料、保管料というようなものが優先しますが、これは少額でございますので、保証金額が時々刻々において適正である限りにおいて、それは生産者の代金をして引当金に第二順位として充てられる、そういうふうに現行法もなっておりまして、改正法案においてもそういう点はそれがまあまあ適切なことではないか、業務規程で、そのことだけを規定する場合には、それに関する契約上の問題も、たとえばことに中央卸売市場法の中における取引の必要限度の規定、あるいは補償限度ということをこえますれば、それはそれ自体でどう解決するかということがあると思う。それは市場法で規定するというよりは、取引ないしはそういう事故が起きた場合に、いかにするかという実体法規をつくる問題になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/31
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032・千田正
○千田正君 その保証金の順位その他に対しては、はっきりした基準があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/32
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033・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) ございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/33
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034・青山正一
○青山正一君 重ねて御質問申し上げたいと思います。
小売商の登録制の問題、つまり登録すべき要項ですね、この法文に掲げてあるこういう意見を持っているお方もいるわけなんですが、その点についても御見解を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/34
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035・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) 小売商の本体は、買い入れて消費者に売る業務を行うことだと思います。市場内において自分またはそれが委託をしました者、ないしは仲買というような立場の人が買う場合も、買って売る場合もありますが、市場内で買って小売をするということがむしろ原則という立場に立っておるわけであります。小売商も市場の設備の中で営業行為をする、または外で一般に家庭用、その他町、村で取引をするということに対する営業者をどのくらいコントロールないしは権限を与えるか、あるいは整理するか等については、届出制という制度もありますれば、登録制という制度もありますれば、許可制という制度もありまするが、目下のところ市場内における取引の公正をもって他の自由な取引の分に影響力をよく与えようということを中央卸売市場法として、その限度において規定をいたしておるわけでございまするので、小売商一般とか、取引全部とか、こういうようなものについて実体法規上の法律を必要とする場合には、青山委員のおっしゃいますような問題が出てきて必要不可欠な事項だと思いますが、中央卸売市場ないしはこれに関係の多い市場機構というものを、あるいはその市場機構内の取引を適正化するというものについては、むしろその法律では書くのは適当ではない、書いてもいいかもしれませんが、適当ではない。もし書くとすれば、それは生鮮食品の取引法というものであると、こういうふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/35
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036・青山正一
○青山正一君 中央市場においてせり売買は唯一の中央市場の売買方法と考えておるのでありますが、まあ一例で示しますと、最近、魚の面でお話し申し上げますと、魚ソーセージというものがやはり六大都市の中央市場を通じて月に何百万本というふうなことで売っておられる、あるいは大洋漁業とか、日水、極洋あたりの鯨、こういったものが定価売りになっておる。つまり中央市場の販売方法はせり売買であるわけなんであります。こういうものが定価売りになっておる。そういうものが非常に多いのじゃないかと思うのです。それからたとえばイカとかサンマとか、こういった冷凍品の中でも非常に食料品として供給される面が多いわけなんですが、やはりそういったものも定価売りになっておる。で、この時代の推移というものは、自然的にこのせり売買というよりも定価売りというような工合にだんだん進んでいるのじゃないかと、こういうふうに考えておるわけなんでありますが、そうなるとすると、そのせりの売買方法がだんだん衰えてくる。で、せりによるいわゆる売買はだんだん旧世紀の売買方法となってくる。家庭とかあるいは消費者一般の方々はむしろそういった——これはまあアメリカに例をならうわけじゃないのですが、冷凍品に飛びついてくる、あるいはそういった定価売りのものに飛びついてくる。近海ものだとか、その他なまものは、これは即売即決というようなふうなことで、これは当然せり売買でかけなければならぬと思いますが、これは生果の方でも近郊蔬菜あたりは、場合によればあるいは定価売りになっておるのじゃないか、この点は私はよく知らないのですが、そういうようなふうで、冷凍品とか、鯨あるいは魚のソーセージ、これは小さな差益ではありますが、定価売りとする面が非常に多くなっておる実情なんですが、この点法でどういうふうなことでどうすればいいのですか、見当がわからないのですが、一つ局長の御意見を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/36
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037・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) 青山先生の御質問の御趣旨も、経済のことについては相当よく私はわかりますが、そういう問題に対する答えとしましては、やや個人的意見を交えないと何人といえども答えられないことじゃないかと思うのであります。現在現行法及び改正法案を通じまして第一にやっておるのは、取引方法はせり売りの売買方法と思っておるわけなんです。しかし自由主義の資本主義社会では発達の度合いが多ければ多いほど、たとえば日魯漁業とか大洋漁業とか、極洋漁業とかいうものが失敗をしなければ発展をして参りまして、また生鮮食品といえども荷がそろって来ましたり、取引が大量になりましたり、出荷者が卸売人とも関係を持ちまして、何か特約指定のものが業者に生じましたり、季節的な数量及び価格の調節、言いかえますると、冷蔵冷凍の製品ができたり、設備が拡充しましたりして、生産者、出荷者自身が、多くの場合は自己調節をする場合が出てくると思いますが、その間に処しまして、生産者と卸との関係が特別委託で固定するということが仮にありました場合に、公正競争と公正取引に支障がある場合には、公益上支障があります場合には、これは制限禁止をするべきものだと思います。また卸売人同士の間におきましても不当なる競争が生じた場合は制限し、これを是正すべきものだと思うのであります。この両者はいずれもこの法律においてもその精神をもって運用することでありまして、なお先ほど申しました各種の他の法律においては、それを明瞭にした法律が日本に施行されておりますので、市場の特殊性上、ただ制限を受けてもここでは許されるという面もあるかと思いますけれども、一般的に言えば、また社会の発展状況からいえば、今の日本の経済態勢ではそういう傾向が増すことはないということは言えないかと思います。これには東委員の御意見に私は答えるのを落しましたが、公益的な市場開設者は冷蔵設備を持ったり、販売場を市場の中にみずから作って使用せしめたりするなどを今やっておりますが、そういうことを拡充することによって政府もいろいろな手で援助をしたり、監督したりする反面、適当でないことは制限をしたり、やめさしたりすべきものだと思います。生果物におきましても、近在物がばらばら出て来る場合と、旅荷ものが相当の統一した規格をもって来る場合、宮城方面の白菜とかキャベツとか、大阪のジャガイモとか、青森、長野のリンゴとか、静岡のミカンなんというものは一方検査なども進み、生産者に手取りをよくし、かつ取引も公正に行われることなどが進んでおるわけでありますが、そういうことなどともあわせまして、いろいろの事態が生じたことについて随時弾力性をもって適応することだと思うのであります。アメリカなどの例を聞きましたり、またフランスの市場へ行って一、二見て参りましたが、各国の発展状況と取引の実情によりまして、日本のようなせり売りでない違った形のせり売りをしている所もあるようでございます。従いまして、これに対処いたしますには、原則は立てておいて、実態においてただいま申しましたような経済規制の、あるいは生産者、消費者の公益を守るというような立場を基礎といたしまして、業務規程における売買取引の方法をものによって変えましたり、取扱者によって変えましたり、時期によって変えて参りましたりすることは、将来必要に応じて出てくると思いますが、今のところ私どもの不勉強もありましょうし、業界の自覚と申しますかも、まだ必ずしも十分ではない、いわんや不特定多数ともいうべき生産者と消費者からその声もあがっておる分もありましょうが、統一的あるいは最大公約数的な意見が必ずしも出ておるわけではないと想像いたしておりますが、そういう社会発展、経済発展の段階に応じて弾力性を持って規制をいたしていくのが一番いいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/37
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038・千田正
○千田正君 最後に参考までに一点伺っておきたいのですが、国が当然補償しなければならないのに、実際は損害を生じた補償も与えられないというような場合は、卸売市場はどうなりますか。たとえて言えば最近これはわれわれ非常に危惧を感じて衆参両院で決議案をあげましたが、例の太平洋、マーシャル群島周辺におけるアメリカの原水爆実験等によって生ずるであろうという一つの放射能によって、漁獲したものに対する問題等が起きてくる、それがかりに厚生省なら厚生省、あるいはその他において厳重に検査をしたにもかかわらず、かりにそれが市場にかけられて一応一般消費者に回った、あとからそれが取り消されるといういろいろな問題が起きてくるおそれがあるのですが、これは当然国が補償すべき問題である。政府がそれを補償しなかったことによって生ずるような損害に対してはどういうふうに考えられますか。これは参考までに御意見を伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/38
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039・青山正一
○青山正一君 その問題に関連しまして、ただいま千田さんの意見にもあったわけですが、たしかアイオン台風ですかジェーン台風で、大阪の中央市場の冷蔵庫が海水に浸って、中にあるいわゆる青果が全部腐った、てっぺんまでずっと海水に浸った。そのために生産者が五割、中央市場側では卸売側が三割、仲買側が二割というふうなことで非常な損害を受けたわけなんです。生産地におけるいわゆる農村地帯なりあるいは漁村地帯は、いろいろ国家からその損害の補償を受けておる。ところが消費市場におけるそういった冷蔵庫にある生産者から市場についた品物が全部海水に浸って損害を受けた、それに対して何ら政府が補償措置を講じてくれなかった、そういう場合もあるわけなんですが、この問題もただいまの千田さんの御意見に付随してお問いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/39
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040・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) なかなかむづかしい問題の御質問をいただきまして、いささか明確なお答えを申し上げることができるか危ぶむのでありますが、一言に申しますと、損害を生じた原因の、あるいは事故と申しますか、責任がどこにあるかということによっておのおの違うと思うんです。千田委員の御意見によりますと、央央卸売市場に関する法律とか、中央卸売市場とか、中央卸売市場で取引をいたします資格の人でありますとか、その間に行われる取引に原因を生じますれば、この法律に書いてなくても、それは一般の法規に従いまして損害の賠償とかいうことは当然損害を受けた者に請求権が生じます。その争いがあれば裁判所できめるものと思いますが、それを一歩離れて大局的見地から、あるいは政治的な見地からやはり国が責任を負うべきだという場合におきましては、法律の場合も政治の場合もこれは国が補償することがあると思います。
青山委員の御意見におきましては、これは市場に出荷した場合の取引業者間の取引契約に応じまして、市場取引を行なったり販売をしたり荷さばきをしよう、あるいはその過程の輸送途上であったというものについての事故を生じましたものは、やはりこれも両者の契約できまっておれば契約により、契約できまっていない場合は一般の法規に従って責任なり請求権なり、それが十分に達せられない場合は裁判なりがあるものでありますが、しかしおそらく法律というものは最終ぎりぎりのところで納得ずくの話し合いができない場合に、最後は司法権あるいは裁判の形をもちまして解決するぎりぎりのところが書いてあるわけでございますので、経済社会、政治界等においてそれぞれ判断せられたところにおいて、まず解決するのが第一だと思うわけであります。いずれを通じましても市場法に規定するもの、あるいはすなわち市場そのもの、あるいは市場の中で取引を許可されておる資格のある者がタッチした場合は、それぞれがどれだけ相当な因果関係を持って、責任を持っておるかの度合いによりまして、直接にはこの法律で解決することではないかと一応思いますが、そうでありましても、それ自身には必ず問題があるわけでございます。設例をされました場合でも、個々で解釈するよりほかに方法がないことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/40
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041・千田正
○千田正君 私参考までに聞いたという理由は、当時の、一昨年の損害は約二十四億数千万円、これは実際の生産者並びに流通業者、あるいは漁業の販売業者一切を通じての、アメリカ側に向って日本政府が損害として要求した金額は約二十五億に達するが、その膨大なる要求にもかかわらず、外交折衝がまずかったためにそれが賠償というような問題に取り扱われずに、損害に対する補償ということに取り扱われずに、いわゆる見舞金、慰謝料としてがまんしてくれということにおいて日本政府は妥協した。見舞金、慰謝料程度のものでありまするから、それは賠償にはならない、損失補償にはならない。そうして結局七億二千万円ですか、二百万ドルというものをいわゆる見舞金兼慰謝料として日本政府はもらった。もらってそれを一々配分したけれども、それでは二十五億に近いもののわずかに四分の一か、そこらにしか相当しておらない。当然それであとの四分の三というものは損失をして何ら国家が補償しない。これは国が、当然鳩山内閣が堂々と強気に国際法に照らして当然要求して、外交折衝として損害賠償と言えなかったならば、損失補償として当然取り得るべき、いわゆる国際司法権の立場からいってもやれることをやらなかった。そのために国内におけるところの損失は、結局見舞金という形、慰謝料という形で追っ払われた。ことに流通業者です。たとえば今の卸売市場、あるいは仲買人、あるいはこれを販売したところの小売り業者、こういう人たちはビキニの魚類という問題で一週間も二週間も商売を休まなければならなかった。そういうような損失に対する損害のかかりようがない。将来こういうことが起らないということはわれわれは断言できないので、これは当然国がやらなくちゃならなかったことであるにかかわらず、損失した人たちが泣き寝入りしなければならないという理由にはならないと思うのですがね。そういういわゆる国が損失を補償すべきものであるにかかわらず、損失補償できなかった損害はどうするのか。そういうことを私は参考までに承わっておきたいのです。必ずこれは間もなく現われますよ。今度はマグロばかりではなく、一切の魚類、生果物、放射能を受けたもの、これは市場に扱ってはいけない、一月も二月も市場を閉鎖しなければならない場合が起きた場合には、たれが一体この損失を補償するのか、こういうような問題が起きた場合にはどういうふうに一体やるのか、堂々とこれはこの卸売市場は政府に向って損害の補償を要求する一体権限を持ち得るのかどうか、こういう点はどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/41
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042・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) 原水爆に伴いまするマグロの被害、あるいはそれを通した人の被害その他がありましたが、千田委員が予算委員会その他の委員会において、また農水委員会において種々りっぱな政治論及び法律論、または正義感から御質問なり御意見なり要求なりを出されたことは、私も前からよく存じておりますが、将来またそういうことが、似た事態が起きるおそれがあるが、その場合どうかということが一つと、中央市場の開設事業、あるいはこれの中において取引に携わっておる人が影響を受けました場合はどうするという二点でありますが、将来起きました場合は、鳩山総理以下各大臣とかがお答えになることと思います。しかし、それに関連する農林省事務当局、私どもとして関係を持つ場合は、御趣旨を体して、責任が明確な範囲においてはその措置を中央卸売市場とは別個に、法とは別個に、法があってもなくても被害者があれば、あるいは加害者があれば、その責任において国内法、国際法において、あるいは政治的に、あるいは契約的に片づけることに頭を向けまして、私どもも努力をしたいと思います。
市場自身がどうだという場合は、これはこの法律の意図しておる市場の開設、運営ないしはこれに関係ある取引のことではございませんで、世の中に存在するものとしての中央卸売市場その他が同様のことがあれば、それ自身として同様の趣旨と気持をもちまして、お骨折りすべきものだと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/42
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043・千田正
○千田正君 それはあくまで私は参考意見として伺っておるのであって、あなたの方が提案された法律の内容問題じゃないのですが、そういう危険が必ずしも将来起きないということは断言できないので、そういう場合において市場が立っていける方法というものをあわせて法律の規定はどうとしても、農林省のお考えを一応はっきり聞いておきたかったから私は質問したわけです。だから損害の要求があった場合に、もっとも損害通り補償はなかなかできないとしても、少くともある程度納得し得るだけの方策は立ててもらいたいということをあらかじめ申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/43
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044・青山正一
○青山正一君 最後に類似市場の問題についてお聞きいたしたいと思いますが、この問題は類似市場が存在していること自体が市場法なり、あるいは市場施設なりの盲点をついていると、こういうふうに私どもは考えておるわけなんですが、今度の法案では、これを一応法的に認めることとなっているのですが、むしろこれを吸収合併するくらいの措置を講じて、中央卸売市場そのものを本来の姿に改善発展せしむる段階になると考えておるわけなんですが、つまり類似市場を届出制にすることは、かえってその地位を公認することになるが、多年中央市場の発展を妨げていたこの類似市場は、もはや断然処置すべき段階にあるのじゃなかろうか、つまり、むしろ中央卸売市場の開設に一定の権限を与えるとか、あるいはこれに伴って出てくるところの犠牲者に対して、たとえば漁業の生産者における以西底びきとか、あるいは小型底びきで漁業の整理転換をはかって、現在実施しておるように相当に補償金を与えて、そうして財政的措置を講じたらどうか、あるいは分場にするというような方法もあるのじゃないか、この点についての御見解を承わりたいのです。
で、類似市場とそれから開設者との関係をどうするか、ただ農林大臣に届出すればよいのか、それではまあ開設者の意向を考えずに、一方においては衛生設備の整った中央市場がある、他方においては、おれのところは農林大臣の公認を得たのだ、開設者などくそくらえ、こういう考えのもとに農林大臣の公認市場というような大きな看板を掲げて、正々堂々と営業をやると、こういうことになりゃしないかということを非常に心配しておるわけなんですが、この見解について一つ御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/44
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045・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) ごもっともな御意見であり、またそういう声があることを承知しておりますが、法文及び立法の精神との関係におきましては、全く誤解に基いておると思います。関係業界の方にできる範囲のよく御説明もし、御了承も願っておりまして、最近はただいま御紹介になりましたような趣旨はまだ残っておるかもしれませんが、ほとんど消えておるという声をいろいろ権威のある方から聞いておる、御意見を回答的にいただいておるわけなんであります。ただいま御意見をお述べになり、また御質問をいただきましたのは二点になると思います。
第一点は、類似市場というものは世の中でない方がいい、あるいは中央市場に阻害を来たしておるというようなものではないだろうか、それを、これに対してこの改正法案は法的に公認と申しますか、法的な容認を与えておるではないかという点が第一点と、そういうものはむしろ中央市場に分場なり、その他の措置を設けることなどと関連して、中央卸売市場に吸収合併すべきではないか、こういう二点だと思います。第一点は、中央卸売市場を認可して、過去においても開設せられ、今後も開設を進めながら、また開設の認可をしようとしておりますことにつきましては、それとの比較においては全然公認をいたしておりません。またいたす意味で改正案も出していませんし、いたす気もありません。これをさらに御説明申し上げますと、類似市場というものを開いておる人、あるいは開こうとする人に念のため農林省に届出をする義務を与えるぞということだけでありまして、所定事項を届け出ることが一定の資格を与えたり、届出をしなかったものから遊離と申しますか、法的権益を持ったものを与える意味で届出をしたり、その他の届出義務を持たしたり、その他の命令措置ができるようにするようなことは全然規定をいたしておらないのであります。むしろ負担となる届出義務を与え、届出義務を与えることによりまして、何という人がどんなやり方でどんな設備でどんなことをやっておるかを念のため知らせてもらいたい、一たん届出の義務を与えた場合に、しなければこれはむしろ罰を加える、届出をした人の様子をいつでも調べ得る、強権をもっても調べ得るんだということを第一に規定しておるのであります。それから開いた結果がよくないならば、よくないというのは取引の公正をはかるのに適当でない、また取引の公正を期するために中央卸売市場を開設、運営していただくのでありますから、公益的な公益を守るための取引の公正を阻害するものがあれば、それは中央卸売市場が適正に行われておる限りにおきましては、中央卸売市場の業務を阻害するものである。阻害するものであるのでありまするので、そういう場合には方法を改めたり、設備を改めたり、さらに進んでは業務の行い方を改めたり、市場経営の方法としての手数料、保管料等も制限を加える。どうしてもそのことを必要な場合にはこれを是正する命令ができるようにするのであります。届出も安い、どこに何をしているか常時も検査できないし、あらかじめも知っていないものにはコントロールをする制限的命令を与えるのに困りますので、そうしたのであります。それでもなお適切になりませんし、取引の公正を通じて中央卸売市場の業務に支障を与えますものには、一年以内の業務の停止を命じ得る権限を保留したいと思うのであります。しかもこれに違反をしまして業務をすれば、罰も食らわせますと同時に、それでもなおその目的を達しない場合は、従来からある六条の規定を適用いたしまして、あるべき姿の中央卸売市場に期待しまして、これを開設する場合に類似の業務を指定地区内に持ちましたものは閉鎖を命ずることができる。ただし従来営業しておったものであるから、むやみと権利をふっかけないで、法で許す範囲で適正な補償金は出すのが本当であろう。これは従来規定がありましたので、若干の事務の統制を除きまして、最後に六条の閉鎖命令まで出る措置の対象としてこれを知っておこうということでありまして、もう一つは、一応類似市場と言われるものの中で比較的いいものや、いんしんをきわめて、長期の観測をしない場合、短期の観測をした場合などに、案外中央卸売市場に似たものであるとか、あるいはまたは取引業者あるいは商社に人気がある、生産者にも人気があるというような場合において、府県条例をもちましてこれをまさに公認をしているところがあるわけでございます。これは古い旧法と申しますか、現行法律の中央卸売市場の規定するところではないと考えます。なぜかと言えば、六条に中央卸売市場の開設を勧めまして、指定地区も与えまして、しかもこれはよく適正に運営されなければなりませんから、監督するのでありますけれども、優位に立たしめて、これが成り立つためには他のものを閉鎖命令を与えるほどの規定があるから、その精神からくると思います。そこで改正案で追加しました条文というものは、その精神は残しました旧法の第六条の規定をもって完結するわけでございます。
さて、その際に六条の解釈は私がこれに関係しまする前は、中央卸売市場を開設しようとするその際におきまして、類似の業務を行いますものに対して閉鎖命令できるけれども、一たんたとえば東京で築地の卸売市場ができる、神田、荏原の分場ができるというような場合には、あとでできた分場の設置とかいうようなものの場合は、閉鎖命令が出せないという解釈が関係各方面の通説になっておったようでありますが、そういうことは六条の解釈として、また六条を運用しようとする場合の態度としまして、正確な解釈ではないと思っています。これは指定地区内でありましたならば、類似市場が先にありまして、中央市場がないのに類似市場というのはおかしなことでありますが、自由の市場がありまして、現にこれから間もなく札幌などで新たに中央卸売市場ができまする場合は、その際まさに従来からの解釈と同様に閉鎖命令ができるわけです。閉鎖命令を伝家の宝刀にしておけば、無用に営業の利益をふっかけられなくて、買収が高いとか、賃貸ができないとか、そういうことの起らないのに有力な規定だと思っているわけです。また私どもは改正案が可決になりましても、運用におきまして、一地区一開設者主義をやはりとっていきたいと思いまするけれども、従来の関係業界や開設者の都市のお方でも開設は一地区に一開設者主義という——これは変えてもいい、二開設者主義でもいいと思いますが、一地区に都市が二つあって地域が広い場合は、横浜市の鶴見区と川崎と、二つ開いてもいいと思いますが、そうでなくても分場を置くことは市場の開設であると思います。なおかつ一開設者というのは、名古屋市とか川崎市とか東京都とかいうものが開けば一開設者でありますが、一開設者一本場主義とか、一かたまりのある地域において一施設を講ずる場合とかいう場合でありませんで、一開設者であれば荏原や新宿や中野でも数個の本場による開設もできまするし、本場の分場もできると思います。法律的の紛争を巻き起さない万全の一番かたい場合を申し上げますれば、一開設者の都市がその地区内に数個の本場という名を含めてけっこうだと思いますが、分場を持ってもよろしいのですが、数個の中央卸売市場を開くならば、それはその指定地域のそれに支障を与える。すなわち中央卸売市場の設立またはその後の運営業務に支障を与えますものにつきましては、類似市場は閉鎖命令を出し得ることであります。
また二点の御意見の根本に触れて申し上げまするというと、中央卸売市場は、法におきましても、開設された中央卸売市場の個々のものにつきましても地区を持っておりますが、その地区内におきまする中央卸売市場の取扱い物品につきまして、この法律は旧法でも改正法案でも全部取引を独占する法律ではございません。その取引はあくまで自由であるけれども、こういう施設を設けて影響力を与えて、中央卸売市場の公正な取引のインフルエンスを与えて、全体の取引を生産者から消費者までよくしようということの育成、そんなこともやる、そういう性質も持っておると思いますが、しからば類似市場というのは何かと申しますと、やはり中央卸売市場の厳密な規定は、あるいはこれをきちんときめまして、そうしてどこまでが類似市場かといいますと、フィクションといいますか、作ったことでございますから、これは類似の業務を行うものということになるわけでございます。法律の規定上類似市場という言葉が省略してあるのでありまして、世の中には中央卸売市場の類似の業務をなすものもありますが、それと自由な取引を行う市場を持つものも含めまして、自由の市場とは何かと申しますと、公益上法律で制限規定、あるいは育成補助の規定をもちまして育て上げたり、規制をしましたりする以外は、憲法に直接基きまして営業の自由を保障されておるものであります。だからむしろこれは本法に入れまして、そうしてこの法律に基いて公益のまた主体であります中央市場に支障がある場合は、これに規制を与え得ることにしないと、憲法上の自由であるということで間違った、放任するものじゃないかということも誤解でありますが、それ以上に中央卸売市場よりも強い営業の自由を誇りましたり、わがままを言うのは公益に反しますので、規制をしたいと思っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/45
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046・青山正一
○青山正一君 ただいまの局長の言う意味は、非常なこれは権威のあるものであります。ところが法の解釈というものは、これはいかようにも解釈できるわけであります。あなたの意見がそのままずっと歴代の農林当局に伝わっていけばいいわけなんですが、これが非常にゆがめられたようなふうなことで伝わると、これは非常に困るわけなんです。その点を法で何とか改正する方法を考えなければならぬ、考える必要があるのじゃないか、こういうふうに考えておるわけなんです。
それからただいまその局長の意見を、二十日の日にこちらへ参考人として十五人の方を呼ぶわけなんですが、だいぶんいろいろ皆さん考え違いして解釈なさっておられるように見受けられるわけなんですが、その点ここに森参事官なり、課長なり、山崎技官などがおいでになるわけですから、その人たちが一つ総動員して、その十五人の参考人にこの中央卸売市場の問題について徹底するように一つ話していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/46
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047・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) お話のように極力努力しますが、誤解された方が遠隔の地の方もありますので、十分にできるかどうか自信ございませんが、十分極力やりたいと思います。
なお補足御説明申しますと、りっぱなものがあったときに、それに似たまがいものというのは、大体類似品と申します。類似市場と特に法律で銘を打ちましたのは、はなはだ質が落ちるものだ、よろしくないものだという意味、そういう意味で特に法文上明記したいと思って立案されております。また農林省届出公認市場とか何とかいうようなことにつきましては、決してそういうふうにさせないことに関係法令、行政措置をもって指導をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/47
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048・青山正一
○青山正一君 政令にでも何かその点ははっきりするわけですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/48
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049・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) 届出は他の法規は特権を決して与えません。閉鎖の制限を与えますのと同様に、関係条文やその他の必要な命令も出せますから、届出があった場合にはそういう指導のみならず、必要事項を命じたらと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/49
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050・千田正
○千田正君 時間もありませんから簡単に聞きますが、今青山さんの質問に対していわゆる明快な答弁をされておりましたが、この類似市場がかりに今度の市場法に抵触するというのでこれを閉鎖させるということもできるというのですが、日本の憲法の規定からいって、いわゆる自由な営業行為に対して市場法なら市場法によってこれを閉鎖あるいは解散させるという法があるかどうか、おそらく類似市場を行なっている人は、憲法の立場において自由な意思においてやることに対して、相当これは抵抗力が強くなってくると思う。今あなたのおっしゃる法律の解釈でいけば、この法律で縛ることができるんだと、こういうふうにおっしゃるけれども、その自信がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/50
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051・三浦辰雄
○理事(三浦辰雄君) それに関連して、今のは第六条によっての閉鎖なんです。従って補償なんです。もう一つわからないのはそれに関連するけれども、二十一条のところには「其ノ施設が命令ヲ以テ定ムル基準ヲ超ユルモノ(以下類似市場ト謂フ)ヲ開設セムトスル者」とあるわけです。この「開設セムトスル者」とあって、届出あるいはそれとの関係で、あなたの言うことだけを聞いておると非常に筋が通るけれども、法律の条文と合わせると、あなたの言う市場育成なり、あるいはこれの取扱いというものは非常に筋が通っておるけれども、法律でいう二十一条の「開設セムトスル者」は届出……といったようなことを見ますと、そこのところがまだはっきりしない。これは二十日に予定されておる皆さんの参考人の御意見を聞く場合の一つの心がまえを聞きたいと思うのです。その点はっきりしていないじゃないかと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/51
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052・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) 憲法で営業の自由を保障されておりますものは、中央卸売市場をこの法律に基いて開く場合は、ほかの特権もあり、制限もあり、恩典もあるというのが体制でありまして、認可を要する、官庁の同意を要するわけでありますが、中央卸売市場を開かない場合、特に現行憲法によりまして中央卸売市場でない市場を開くという場合は現在自由になっておるわけであります。自由というのは、本当は法律をもっても侵すべからざる精神が憲法の中にありまして、公共の福祉を守るため、公益上非常に必要のあるため法律でこそこれは制限できるわけです。届出の義務においても同様であります。また法律技術になりますが法制局とよく研究いたしましたが、きわめて常識的に、特に旧憲法になれた頭から見まするというと、何か書けば認めたようになるのじゃないか。届出義務を持ち、制限命令を持ち、業務停止命令を受けるようにして検査を無理にでもさせられる、最後には閉鎖命令も食う、そういうようなことは法律に書かなければできません。現在あるものだけが類似市場となったり、そういう制限を受けたり、閉鎖命令を受けるというような対象になることば、法律をもってしてしか、しかもそれは公益を守るためしかできないことであるという解釈でございます。そうすれば、法律の施行日に類似市場あるいは自由市場というものを開設しておるものだけを規定するのは蛇足のようでありますが、足りませんので、今後開こうとするものについても書かなければ、法制の体制が整いませんし、事実そういうものが続出してはいけませんし、続出しても押え得る規定がなくちゃならないと思っておるのでありますが、千田委員の簡明な御質問になるべく簡単にお答え申し上げたいと思いますが、法律はあくまで守るべきものでありまして、運用も適切に守るのが行政庁の任務でございまして、これがそういう法律規定を作ったからうまくできないのではないかというのは、うまく運用すべきであるということしか考えるべきものでないと思うのであります。これを、類似規定に対する制限命令を削除せよという意見がありますが、それははなはだ実は法律制度、政治制度を心得ない人の意見だと思います。なぜかと申しますれば、法律でもってしか規制できないということを、法律で書かなければできないのでありまして、法律から削除すれば自由の天地で、中央市場以上に憲法に保障されたものとなってしまって、自由放任の極端になりまして、中央市場のためでないと思うからであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/52
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053・千田正
○千田正君 そこで私の質問の要点は、類似市場を現在開設して営業しているものが、この法律ができることによって縛られる、あるいはやれなくなる、やれなくなった場合に、自分の権利を擁護するために、あくまでこの法律に対抗してきた場合に、それを押え得るかどうかということですよ、この法律で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/53
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054・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) 申し忘れて追加を申し上げて恐縮でありますが、終戦後の生鮮食品の市場のあり方というものに日本の国情を反映するように、一般市場ないしは類似的市場が出て参りまして、遺憾ながら数個の府県におきましては、条例でこれを公認しておる制度がございます。農林省は、また政府は、これを取り消しせしめて、その公認する条例を廃止せしめたいと思っております。廃止するためには、国の法律がある場合は、その法律に規定した事項については、条例は定めることはできません。それは廃止するか、ないしは無効になる。それには時々刻々必要な個別命令を発するのではいけませんので、一つの制度を、いかような形であるかは問題でありますが、国の法律をもって制定しなくては不可能なことでございます。そこで届出制と、これに伴いまする制限の命令ができることを規定いたしますれば、届出制を国の法律で国が全国にしいたわけでございます。これに抵触する府県条例は廃止しなければならぬことになります。それ以外に方法はございません。従いまして現在、愛知県とか京都府におきまして、あるいは野市とか、りっぱな個人会社の施設でありましても、府県条例で中央市場と同等ないしはそれ以上のことを、監督もするかわりに育成もし、法的に容認したものは、この制度を作ることによって、ほかの場合の類似市場、自由市場と同等の待遇に落したい、また落すためにはそれしか方法がないと考えております。それが実行できるかどうかは、この法律を御審議、可決して下さいますれば、条例の効果を失うことになりますし、あとのことは運用問題で、実情とそのときの行政庁の力強さによると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/54
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055・千田正
○千田正君 それは安田局長の言うようには簡単じゃないと思う。私は法律家じゃありませんが、法律技術的な問題になると、今まで営業しておったものがある程度落されたり、あるいはこれが閉鎖されたりするような問題になると、基本法に抵触してくる問題になってきます。そうなると、そう簡単じゃないと思う。まあいろいろ時間もたちますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/55
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056・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) もしそうでありましたら、この法律は憲法違反ということになりますが、憲法違反でない建前をとっておりますから、そういうことにはならぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/56
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057・千田正
○千田正君 そこで青山委員の先ほど言うた、それを法律だけで争わずに、適正な立場において調整していく方法、いわゆるそれを包容していくとか、あるいはこれをほんとうに、いやしくもこうした生鮮食料品なんかを商売するものは、これ一本で縛れるのだ、この一本を金科玉条というものにすることにわれわれは努力するわけであります。現在そう思っておる。他方において実害を受ける人たちをいかにして救っていくか、これをやはり法律的に考えなければ、法的だけの問題であるならば、相当これは技術的な論争が出てきますよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/57
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058・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) 千田委員の御意見、及び青山委員の先ほどの御意見が関連すると思いますが、全くその通りだと思います。従いましてこの条文は、法律は、大体限界のところを書いておるわけでございますので、あまり類似市場側が無理なことを言う場合には、適正な筋に戻す場合に伝家の宝刀がなければならぬ。しかしそれがあれば、過去の実績や、現在の営業しておることや、仕事をしておることを、仕事を失職したり閉鎖されたりすることを救うということは、時に過当な要求を出さない適正が守れると思うのでありますが、しかし法文があればよろしいというのは、世の中の実態とは違います。そこで農林省は、類似市場がある場合におきましても、公益上必要ならば、先ほど申しましたような開設者の立場におきまして、なるべく多く開設していただきまして、それに要しまする財政的援助もできる限りいたしまして、来年度は五分の一ぐらいの、三十年度に載っておるような補助金よりは見返り円の供給の方が——市場開設者の主体は都市でございますから、自治庁ともすでに話し合いまして、起債のワクは必ず認めるように話をしております。起債した場合に引き受けるものがなくちゃいけませんから、引き受けは市場であれば八分ぐらいの、安くて七分前後の金利を伴いますので、これは四分、二十年間、初めのうちは据え置きのものを六億ぐらいの資金を供給しまして、そうして話し合いを始める、そうして契約上買収するなり、買収がだめならば、中央市場の一部となって運営してもらうように、ことによると賃貸して借りてやるか、都市が経営するかなどの、その他の方法で個別に解決していきたいと思っておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/58
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059・東隆
○東隆君 これは生産者団体としての農業協同組合の連合会、あるいは漁業協同組合の連合会、こういうようなものの機能というのを進めていきますと、中央卸売市場関係の機能とはこれは逆な方向に進むように考えますが、この際、連合会の卸売業務を許可することができますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/59
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060・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) 許可を受け得る資格があるかと言えば、資格はあると思うのであります。ただし、この問題には全く許可をしないという、運用方針として許可をしないというふうな態度はとる気はございませんけれども、ずっと以前からいろいろの問題が起きましたり、既存業者との摩擦が起きましたり、反面生産者団体は関係法律もあります通り、すなわち農業協同組合等もできております。そこで私どもと扱い人と、その市場の卸売人が多過ぎるほどで弊害があるかないかなどで個々に解決すべきことであると思っております。ただ現在は案外と生産者団体が振いませんで、大阪の全販連の青物のものとか、東京神田のAとか、その他その団体に赤字が相当常時生じまして、運営のやり方を改善する点もありますが、農協などは再建整備促進の過程で、国の援助もしておる場合で、農協側の方からその事務所は閉鎖したいというそうしたものが出ております。魚の方の事情はちょっと暗いのですが、両者の間を上手に調整して、個別に解決していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/60
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061・東隆
○東隆君 これは想定ですけれども連合会が類似市場を持つというような場合、これはどういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/61
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062・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) だれが持とうと、類似市場は類似市場の規定の適用を受けます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/62
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063・東隆
○東隆君 実は協同組合の事業の進め方と、それから協同組合の性格として独占禁止法にかからないというそういう点と、そういうようなことから私は協同組合が市場を経営するということは可能だと思うのです。それに対してこの法律によって制限を加える、こういうふうになりますというと、非常に片手落ちになると思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/63
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064・安田善一郎
○政府委員(安田善一郎君) 二つの法律がありまして、一つの法律にひっかかれば法律にひっかかることになる。しかしおのずからその事業の性質がありまして、一方にも事業としてできる事項のほかにその精神があります。この法律にもこの法律の精神がございますが、たとえて申しますと、個々の販売施設、産地の市場消費的な色彩の濃厚な指定地域外の場合、また中央市場に支障を来たすような規模以外のところは、この類似市場の制限命令は適用しないようにしてあるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415007X01919560316/64
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065・三浦辰雄
○理事(三浦辰雄君) 本法律案に対する質疑は本日はこの程度にいたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時十五分散会
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