1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年三月二日(土曜日)
午前十時二十九分開議
出席委員
委員長 菅野和太郎君
理事 赤澤 正道君 理事 齋藤 憲三君
理事 中曽根康弘君 理事 前田 正男君
理事 志村 茂治君
小坂善太郎君 小平 久雄君
須磨彌吉郎君 平野 三郎君
岡本 隆一君 田中 武夫君
滝井 義高君
出席国務大臣
国 務 大 臣 宇田 耕一君
出席政府委員
総理府事務官
(科学技術庁長
官官房長) 原田 久君
総理府事務官
(科学技術庁企
画調整局長) 鈴江 康平君
総理府事務官
(科学技術庁原
子力局長) 佐々木義武君
総理府技官
(科学技術庁調
査普及局長) 三輪 大作君
委員外の出席者
科学技術庁次長 篠原 登君
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本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
日本科学技術情報センター法案(内
閣提出第六二号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X00919570302/0
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001・菅野和太郎
○菅野委員長 これより会議を開きます。
日本科学技術情報センター法案を議題とし、政府より提案理由の説明を聴取することといたします。宇田国務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X00919570302/1
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002・宇田耕一
○宇田国務大臣 日本科学技術情報センター法案について、その提案の理由及び要旨を御説明申し上げます。
現今、世界各国における経済の発展と生活水準の向上に対し、科学技術の飛躍的発展と、これを媒介とする技術革新とが重要な原動力となっていることは、注目すべきところであります。かかる趨勢におきまして、わが国における科学技術の進歩を一段と推進するためには、急激に増大しつつある内外の科学技術情報を迅速かつ適確に収集し、これを学界、産業界等各般の需要にこたえて提供する必要があるのでありましてその具体的施策がつとに各方面から要望されているところであります。従来、わが国におきましては、科学技術に関する研究とその成果の工業化等生産への導入の基礎をなす科学技術情報は、それぞれ学界あるいは産業界の努力により収集されていたのでありますが、個々の研究者や企業体がみずから網羅的に収集するには、情報量はあまりには膨大であり、また、収集せられた情報は、各分野に分散されていて有機的関連に欠け、十分活用されないで、その一部は死蔵されるといった状況であります。科学技術の振興政策の一環としての科学技術情報活動の推進という国家的観点から見ますと、これは大きな損失であり、科学技術情報を総合的に収集し、蓄積し、これを必要に応じて各方面に掛供することが緊要であり、司立、公立、民間の試験研究機関における研究調査の能率化を促進し、産業における生産活動の合理化に資する寺、その期待される効果も非常に大きいものと考える次第であります。先進諸外国におきましても、科学技術情報活動の重要性にかんがみて、国家機関ないしこれに準ずる機関を設けてその任務の遂行に当らしめております。わが国におきましては、昨年五月科学技術庁の発足以来、鋭意検討を重ねて参りましたが、今般成案を得ましたので、ここに、内外の科学技術情報の収集提供を推進する中枢的機関として、日本科学技術情報センターを設立する運びとなった次第であります。以上が日本科学技術情報センター法案の提案理由でございます。
以下、本法案の内容の概要につきまして、重点的に御説明申し上げます。
第一に、本センターの基本的性格についてであります。科学技術の振興は、政府の重要な政策として取り上げられているところであり、その具体的施策の一つとして、内外の最新の科学技術情報を迅速に収集して研究と生産の関係方面へ提供することの重要性は、前述した通りでありますが、わが国の科学技術の現況におきましては、情報活動を個々の学界あるいは民間産業界の努力にのみ期待するのでは、先進諸外国の水準に伍していく上には不十分であり、政府みずから推進すべきものであると考えております。ただ、科学技術情報が民間業界等に対するサービスとして極力利用せられますれば、民間において受ける利益も少くないということになりますので、かかる観点から、民間からも資金上の協力を得まして、半官半民の特殊法人の形で発足することといたした次第であります。
第二に、本センターの業務といたしましては、内外の科学技術情報の収集、分類、整理、保管と、これを定期的にまた随時速報の形で、関係方面に対しあるいは個々の依頼に応じて提供することが主要なものでございましてその他依頼による特殊の調査と保管情報の閲覧業務等もできるようにと考えております。ここで業務として取り扱う科学技術情報の範囲といたしましては、第二条の定義に規定されていますように、自然科学的な技術に関するものを中心とし、これに密接に関連する範囲での自然科学そのものに関する情報も考慮いたしております。なお、本センターがこれらの業務を行うに当りましては、国立国会図書館を初め関係各機関との緊密な協力をはかることとし、他方、関係行政機関は本センターに対し協力するという規定を設けております。
第三に、本センターの組織と運営についてでありますが、理事長、常務理事、理事、監事と一般の職員により構成されるものとし、役員については内閣総理大臣の任命または認可によることになっております。初年度は上記役員四人程度を含め約六〇人の人員と、資本金として政府出資四千万円及びおよそ同額の民間出資の規模において発足し、業務の運営に要する経費としては、政府の補助金三千万円と民間業界からの寄付とによりまかなう予定であります。
第四に、本センターに対する行政的監督といたしまして、毎事業年度の予算、事業計画、財産目録その他の財務諸表、業務方法書等に関し内閣総理大臣の認可を要することとし、また、必要に応じ、報告徴収立ち入り検査その他一般的監督権限を内閣総理大臣に付与することにより、本センターの行う科学技術情報の収集が特定分野ないし部門に偏するとか、提供が不公正になるとか、その趣旨に反することがないよう、公共的性格を保持する所存であります。
第五に、本センター運営に関するもろもろの認可、承認その他監督につきまして、行政事務の簡素化の見地から、比較的軽微なもの、定型的に処理し得るもの等は、内閣総理大臣の権限を科学技術庁長官に委任する旨の規定を設けております。
以上、日本科学技術情報センター法案の概要について御説明申し上げました。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X00919570302/2
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003・菅野和太郎
○菅野委員長 これにて政府当局の説明は終りました。
本案に対する質疑は後日に譲ることといたしまして、この際お諮りいたします。すなわち、本案につきまして参考人より意見を聴取いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X00919570302/3
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004・菅野和太郎
○菅野委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
なお、参考人よりの意見聴取の日時、参考人の人選等につきましては委員長に一任を願います。
次に、お諮りいたします。すなわち、科学技術教育に関する問題につきまして、科学技術審議会教育部会長丹羽周夫君を参考人と決定し、その意見を聴取いたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X00919570302/4
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005・菅野和太郎
○菅野委員長 御異議がなければ、さよう決定いたします。
次会は来たる五日、午前十時より開会いたします。
これにて散会いたします。
午前十時三十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X00919570302/5
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