1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年五月十四日(火曜日)
午前十時二十分開議
出席委員
委員長 菅野和太郎君
理事 有田 喜一君 理事 齋藤 憲三君
理事 前田 正男君 理事 岡 良一君
理事 志村 茂治君
須磨彌吉郎君 保科善四郎君
山口 好一君 石野 久男君
岡本 隆一君 原 茂君
松前 重義君
出席国務大臣
国 務 大 臣 宇田 耕一君
出席政府委員
科学技術政務次
官 秋田 大助君
総理府事務官
(科学技術庁原
子力局長) 佐々木義武君
委員外の出席者
科学技術庁次長 篠原 登君
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本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
閉会中審査申出に関する件
委員派遣承認申請に関する件
小委員及び小委員長選任に関する件
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関
する法律案(内閣提出第一四九号)
地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、
放射線医学総合研究所の設置に関し承認を求め
るの件(内閣提出、承認第四号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X03819570514/0
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001・菅野和太郎
○菅野委員長 これより会議を開きます。
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律案を議題といたします。
本案の質疑はすでに終了いたしております。これより本案の討論採決を行います。討論は、通告がありませんので、これを省略することとし、直ちに本案の採決に入ります。核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律案につきまして賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X03819570514/1
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002・菅野和太郎
○菅野委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
次に、委員のお手元に配付いたしてありますような付帯決議案が、自由民主党及び日本社会党共同提案により提出されております。まず、趣旨説明を求めます。石野久男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X03819570514/2
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003・石野久男
○石野委員 付帯決議の趣旨を説明するにあたりまして、先に付帯決議の案文を朗読いたします。
付帯決議
原子力開発の重大性に鑑み、政府は本法の施行にあたり、左記励行方努力すべきである。
記
一、原子力発電の実施にあたっては、特に原子力委員会の設定する開発計画に準拠し、原子力をして公共の福祉と国民生活の向上に寄与せしめること。
二、原子炉の運転に伴う使用済燃料又はその処理の結果生ずる核燃料物質等については、軍事的利用に供せられる場合、これを外国に譲渡し又は輸出しないこと。
なお、原子炉の運転に伴う使用済燃料の処理に関しては、なるべく速かにその設備を完成すること。
三、原子力に関する内外の知見を摂取し得る機会を積極的に造成し、併せて技術者の大幅養成を図ること。
右決議する。
以上であります。
付帯決議を提案する理由を簡単に申し述べます。各国の原子力の研究、利用、開発に関する進歩は、われわれの想像以上に非常に伸びております。われわれが今回この核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律案を上程するゆえんのものもまた、各国のそうした原子力の研究、開発、利用に比して非常におくれているところのわが国のこの部門における発展を期するためにきわめて適切な措置であるというふうにわれわれは考えております。ただし、本法を実施するに当りまして、われわれが特に考えなければならぬ点は、本法が第一条でも明確に指示しておりますように、原子力基本法の精神にのっとる、いわゆる民主、自主、公開の三原則にのっとってこれを運営することでございます。われわれがそういう建前に立ってこの原子力産業の開発、研究、利用というものを行うに当りまして、当面われわれの現在におけるところの実情を静かに考えてみますると、わが国の実情は、まだまた研究の段階を越えているものではないと信ぜられるのであります。そういりときに当りまして、われわれがこれを集中的に研究、開発するということかきわめて大事でありまして、それは各国のそれに追いつくためにも非常に大切なことであります。従って、政府並びに民間産業は、この部門に関しまする諸般の施設あるいはそれに対する考慮は、公共の福祉、国民生活の向上ということにすべてを集中的に考えることが大事であると、こう思うのでありまして、われわれは原子力の産業開発をするに当って、この精神を特に尊重すべきだと考えます。本法を施行するに当って、特にこのことはわれわれか注意すべきことだ、こういうふうに存えまして、そのことを第一の点にわれわれは明確に示しておきたい、こういうふうに考えるわけであります。なお、この核原料物質、核燃料物質等を使用し、また原子炉を設置してこれを運転するに当りまして、特に原子力基本法の第二条が明らかにいたしているような線、平和的利用の線にかんがみまするときに、最近われわれが入札ておりますウォター・ボイラー型の改良型一基を運転するに当りまして、てこから出るところのプルトニウムは、平間を通じて七十キログラムも出るといわれておりますが、これの再処理とかなんかに当りましては、当然今日技術的な面でこれを外国に依存しなくちゃならないような事情が出て参ります。そうします場合に、これを外国とり間に売却しまたは譲渡するというようなことがありますときに、そのことかたまたま外国において平和的利用の線に沿わないというような場合があることは非常に危険であります。私たちは、わが国の原子力産業の開発の過程において、そういう事態がたまたま原子力基本法の趣旨に合わないような方向へ、もっと端的に言いかえれば、わが国において生じられたところのプルトニウムが、逆に世界においては戦争勢力に寄与する、言いかえれば、わが国のそうした部門が、世界の原子力を戦争に利用するための下請工場的な立場になることは、これは警戒しなければならないことだと存じます。すでに本法にはそういうことの趣旨は十分に盛り込まれてあるとは存じますけれども、われわれはこの点に対して、本法を採択し、これを決定するに当って、特に注意しなければならない、こういうふうに考えます。そういう意味合いにおいて、われわれはこの第二項を特にこの際注意を喚起するわけであります。なお、われわれは、各国の原子力研究、開発、利用に関する異常な進展に追いつき、追い越すために特に注意しなければならないことは、この原子力に関する知識を広くし、それに関する技術的な部門を急速に発展させることしあると思います。そういう点から考えますと、われわれは政府並びに民間産業等において、特に政府においては内外の知見を摂取する機会を積極的に広げていくということに努力すべきだと思うのです。そういう努力をすることによって、わが国の原子力に関するいわゆる技術的な部門を大幅に広げていく、そうしてそれを充実させていくということを、特にこの際私たちは注意すべきである、こういうふうに思います。
以上のような理由によって、この付帯決議をわれわれは提出したわけであります。皆さんのこれに対する積極的な御賛同をいただきたいのでありまして、われわれはこれを、自由民主党並びに社会党の共同提案として提案したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X03819570514/3
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004・菅野和太郎
○菅野委員長 以上をもちまして、趣旨説明は終りました。
本付帯決議案につきまして、採決を行います。本付帯決議案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X03819570514/4
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005・菅野和太郎
○菅野委員長 起立総員。よって、本付帯決議は可決いたしました。
この際、宇田国務大臣より発言を求められておりますので、これを許します。宇田国務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X03819570514/5
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006・宇田耕一
○宇田国務大臣 御審議をいただきまして、まことにありがとうございました。
付帯決議に記載されてあります三つの項につきましては、それぞれ、われわれはその趣旨に沿いまして善処いたしたいと考えております。どうかよろしくお願いいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X03819570514/6
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007・菅野和太郎
○菅野委員長 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、放射線医学総合研究所の設置に関し承認を求めるの件を議題にいたします。
本件については、別に質疑討論もないようでありますので、直ちに採決に入りたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X03819570514/7
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008・菅野和太郎
○菅野委員長 御異議なしと認めます。よって、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、放射線医学総合研究所の設置に関し承認を求めるの件について採決を行います。
本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X03819570514/8
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009・菅野和太郎
○菅野委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。
この際お諮りいたします。すなわち、ただいま議決いたしました法律案及び承認を求めるの件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X03819570514/9
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010・菅野和太郎
○菅野委員長 御異議なければ、さように決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X03819570514/10
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011・菅野和太郎
○菅野委員長 なお、この際、参考人決定についてお諮りいたします。すなわち、電子工学に関する問題について、参考人より意見を聴取いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X03819570514/11
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012・菅野和太郎
○菅野委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。
なお、参考人よりの意見の聴取は、来たる十七日、午前十時より行いたいと思いますので、さように御了承を願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X03819570514/12
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013・菅野和太郎
○菅野委員長 次に、お諮りいたします。すなわち、今国会も来たる十八日をもって終了することと相なりますので、本特別委員会といたしましては、閉会中もなお科学技術の振興対策に関しまして、継続して審査をいたしたき旨議長に申し出たいと存じますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X03819570514/13
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014・菅野和太郎
○菅野委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。
なお、閉会中審査が院議をもって付託され、閉会中審査を行う場合、定足数等の関係もありますので、閉会中審査小委員会を設置してこれに当りたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X03819570514/14
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015・菅野和太郎
○菅野委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。
なお、小委員の員数は、理事七名に私を加えて八名とし、小委員長には不肖私がなることとし、小委員の異動、参考人よりの意見聴取の必要ある場合等につきましては、委員長に御一任を願いたいと思います。以上について御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X03819570514/15
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016・菅野和太郎
○菅野委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X03819570514/16
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017・菅野和太郎
○菅野委員長 次に、委員派遣に関する件について、お諮りいたします。すなわち、閉会中審査案件が付託されました場合は、各地の科学技術の実情について委員を派遣して調査をいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X03819570514/17
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018・菅野和太郎
○菅野委員長 御異議なければ、さよう決定をいたします。
なお、委員派遣の場所、日時、人選等に関しましては、委員長に御一任を願います。
本日はこれにて散会いたします。
午前十時三十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102603913X03819570514/18
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