1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年三月十二日(火曜日)
午前十時五十六分開議
出席委員
委員長 松井 政吉君
理事 小泉 純也君 理事 竹内 俊吉君
理事 橋本登美三郎君 理事 早稻田柳右エ門君
理事 松前 重義君 理事 森本 靖君
川崎末五郎君 上林山榮吉君
斎藤 憲三君 椎熊 三郎君
中曽根康弘君 粟山 博君
井手 以誠君 志村 茂治君
原 茂君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 平井 太郎君
出席政府委員
郵政政務次官 伊東 岩男君
郵政事務官
(簡易保険局
長) 成松 馨君
郵政事務官
(電波監理局
長) 濱田 成徳君
委員外の出席者
参 考 人
(日本放送協会
会長) 永田 清君
参 考 人
(日本放送協会
副会長) 小松 繁君
参 考 人
(日本放送協会
理事) 溝上 けい君
参 考 人
(日本放送協会
理事) 稲葉 駿作君
参 考 人
(日本放送協会
理事) 池田 幸雄君
専 門 員 吉田 弘苗君
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本日の会議に付した案件
簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣
提出第九二号)
放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の
承認を求めるの件(内閣提出、承認第一号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/0
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001・松井政吉
○松井委員長 これより会議を開きます。
放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件を議題とし、審査を行います。
まず質疑に入る前に、郵政大臣より大臣欠席中に行われた質疑に対する答弁をいたしたい旨の申し出がありますので、これを許します。平井郵政大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/1
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002・平井太郎
○平井国務大臣 私先月の十五日から病気をいたしまして、今日まで約二十五日間床についたのでございます。その間非常な重要な国会の審議に留守をいたし、まことに委員各位に対しましては申しわけのないことでございます。この点は幾重にもおわびを申し上げます。しかしながら、今日私は確信を持った全快とは申しませんが、相当自信の持てる程度にまで回復をいたしましたので、今後は皆様方の御期待に沿い得る審議の状況に入りたい、かように存ずるのでございます。なおまた今後は私自身といたしましても十分からだに気をつけ、再びかような病気にならないよう努力いたし、国政のため大いなる配慮をいたしたい、かように存ずるものであります。どうぞ皆様方におかれましてもよろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げます。
なお私の欠席中、NHKの予算の問題が当委員会に議題になっておったのでございますが、どうかよろしくすみやかに御審議をお願い申し上げたいと考えます。なおこのNHKの予算に関連をいたしまして放送法の問題は、いろいろ委員会また国会の審議のさなかに御質問を受け、また御意見を拝聴して今日まで参ったのでございます。この放送法の改正は、私が申し上げるまでもなくその及ぼす影響は非常に甚大な場面もございまするので、郵政省といたしましても十分検討の要があるわけであります。昨年末臨時放送法審議会の答申案が郵政省に提出されておるのでございます。この問題については今事務当局において十分検討中でございまして、まだ結論は出ていないのでございます。そこで郵政大臣といたしましては、これの重要性を十分考慮いたしまして、また電波は日進月歩、長足の進歩で、今日の社会でいろいろなる角度において常に進んでおるのでございます。こうした見地に立って、現在答申されておる放送法の内容を検討いたしましても、事務当局の話によると、まだほんの一部の答申案でございます。またその中核をなす点にはまだ触れていないというような意見をわれわれに具申しているような事柄もあるのでございまして、私といたしましては、放送法についてはもうしばらく十分なる検討の要があると考えまして、本国会には提出を見合わすというように腹をきめておるのでございます。どうぞ御了解を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/2
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003・松井政吉
○松井委員長 本件についての審査は後刻に譲ります。
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004・松井政吉
○松井委員長 次に、簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。質疑の通告がありますので順次これを許します。森本靖君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/4
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005・森本靖
○森本委員 この法案については、今までしばしば当委員会においても要望しておったものでありますが、これが二十万円に引き上げられます。そこで私は事務当局にお聞きをしたいと思いますが、現在簡易保険と民保とを比べた場合に、すでに民間保険が三倍になろうとしておる、そういうふうな情勢である。おまけに一般の生命保険のみならず、信託あるいは農協生命というふうな、そういうところの保険事業というものは非常に高率になっておる。にもかかわらずこの簡易生命保険だけが伸び悩みになっておる。こういうのは一体どこにその理由があるのか、一つ御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/5
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006・成松馨
○成松政府委員 民間生命保険、農協共済生命等が非常に伸びておるにもかかわりませず、ひとり簡易保険のみが大体において横ばいの状況にあるという状態について、私どももいろいろ分析検討してみたのでありますが、原因はむろんいろいろあるのでございましょうけれども、第一には民間生命保険あるいは農協共済生命等の進出が非常に多いために、そういうような方面から来る圧迫も相当に考えられることでありまするし、それからまた保険金額が御承知のように非常に少いために、これを伸ばす余地が割合少かったということも考えられます。また契約件数が非常に伸びるにつれまして、集金方面に対する手数が割合多くかかるために、募集余力も多少その面から狭められるということも原因になりますし、それからまた一面保険事業をなす場合において、やはり何と申しましても管理者側と従事員諸君が一体となってやっていかなければならない面があるのでございますが、いろいろの要素が錯綜いたしまして、多少そういう方面に対する意欲が欠けておる面も一部にあるやに聞いております。これらを総合しまして、今後各面に対する対策を立てて、現在のを状態を打開していきたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/6
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007・森本靖
○森本委員 今契約件数がふえておるので、それに応じて集金の事務量も増加しておる、そういう点から募集の方の能力が落ちるという御説明がありましたが、私が調べたところでも確かにそういうふうな面が多々あるようであります。それは一体どういうところに原因があるかといいますと、何と申しましても定員関係であろうと考えるわけであります。そこで本年度の予算については、かりにこれが二十万円に引き上げられるということになりますと、かなり契約件数もふえてくる、それに応じて集金数量もふえてくるということになるわけでありますが、そういうものを見越して、あなたの方は一応本年度の定員関係を考慮して、あの郵政省の予算案の中にそれが盛られておるかどうか、その点をお尋ねしたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/7
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008・成松馨
○成松政府委員 定員関係につきましては、私どもも、契約件数のふえるのにつれて集金事務がふえる、従って募集を伸ばすためにはある程度増員を必要とするということを十分考えて努力をいたしたのでありますが、この点は三十二年度予算におきましてはついに認められなかったのでございます。ただその反面におきまして、集金事務をなす場合において、私どもの見るところでは、集金事務それ自体を合理化することによっても、その点を多少はカバーし得るのではなかろうか、このように考えておりますので、今後集金事務の合理化についても一段と研究を進め、また実施していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/8
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009・森本靖
○森本委員 集金事務の合理化だけでは、その問題は解決つかないのじゃないかと思います。たとえば、ここで数字をあげてみますと、昭和三十年度保険契約件数が相当の数量に上っておるわけでありますが、これでいきますと、三十年、三十一年、三十二年と毎年度相当の量が増加されておるわけであります。さらにこれと同様に契約者貸付が相当ふえておるようになっております。そうなっております反面、人間が全然ふえておらないということになりますと、どうしてもこれは募集の面にも当然影響してくる。そういうことになりますと、二十万円に引き上げても、事務的にもつらいような立場になるということで、今回のこの引き上げに伴う定員措置というものが、われわれから見ると非常におかしげな格好になっておるわけでありますが、二十九年、三十年、三十一年の、保険契約者の増加割合と貸付関係の事務の増加割合がわかっておれば、そのパーセンテージを一つお示し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/9
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010・成松馨
○成松政府委員 パーセンテージというのでなくて、大体の件数で申し上げますと、年間三百二、三十万くらいいっておる反面に、死亡、解約等の消滅事由によりますものが百二、三十万件ございますので、百七、八十万か二百万くらいは件数としてはふえる形になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/10
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011・森本靖
○森本委員 それと契約者貸付の数は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/11
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012・成松馨
○成松政府委員 契約者貸付の数については、今記憶していないのでございますが、大体の傾向としましては、時期的に、たとえば年末には忙しくなるとか、あるいは年始の方はそれほどではないということもございまして、大体横ばいの傾向ではなかろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/12
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013・森本靖
○森本委員 大体のところは横ばいといいますが、この契約者貸付は、年々数字的にふえておるのじゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/13
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014・成松馨
○成松政府委員 契約金額といたしましては毎年少しずつふえておりますので、絶対額としてはふえておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/14
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015・森本靖
○森本委員 貸付件数もずっとふえておるのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/15
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016・成松馨
○成松政府委員 数字を持っておりませんので、正確なことはお答え申し上げかねますが、三十年度におきましては、いろいろ経済状態もよかったせいか、数それ自体としてはそれほどふえていないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/16
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017・森本靖
○森本委員 まあこういう際には、数字を持ってこられたら一番明らかになりますが、私が調べたところによりますと、契約者貸付についても相当ふえておりますし、また契約者貸付における予算措置についても、あなたの方では若干ふえたような形に考えておるのじゃないかと思います。そうじゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/17
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018・成松馨
○成松政府委員 予算措置につきましては、契約者貸付の事務等は、そのときによりまして急に殺到したり、あるいは少くなったりということもございますし、その他窓口の繁忙等も勘案いたしまして、超勤手当あるいは賃金手当等は、すべて現業の方へも流しておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/18
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019・森本靖
○森本委員 契約者貸付の資金は、本年度の予算と昨年度の予算と同じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/19
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020・成松馨
○成松政府委員 資金というのは、運用の……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/20
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021・森本靖
○森本委員 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/21
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022・成松馨
○成松政府委員 私どもの考え方としては、三十二年度は契約件数がふえるにつれて、貸付を受ける者も多くなるだろうという一応の推定のもとに、原資的には増額をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/22
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023・森本靖
○森本委員 いや、そういう抽象的なことでなしに、この間予算案が出たばかりのところですから、あなたも御記憶になっておると思いますが、この運用資金の中にある契約者貸付資金は、それでは三十二年度の資金と三十一年度の資金と同一ですかと聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/23
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024・成松馨
○成松政府委員 契約者貸付の原資といたしましては、三十一年度は七十億でございまするし、三十二年度は八十億となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/24
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025・森本靖
○森本委員 契約者貸付で初めて数字が明らかになったわけでございますが、それだけでも十億円の金額が増加するわけですね、そうすると資金面から見てもそういうことが言えるし、また契約者貸付の件数からいっても年々ふえておる。そうなって参りますると、保険の契約件数もふえてきておる。そこへもってきて契約者貸付もふえ、それから今回二十万円にするということになりますと、二十万円そのものをとることは非常に困難であるといたしましても、現在の十五万円に対するプラス五万円というものが、相当増加できるという見込みが当然立ってくる。そうなって参りますと、三十一年度の保険事業の事業内容から見ると、三十二年度の事業内容の量はかなり増加する、それに対して一名も人間がふえないということは、保険局長は一体そういうことで事業が運営ができるというふうに考えておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/25
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026・成松馨
○成松政府委員 保険事業におきましては、郵便事業等と違いまして、保険金あるいは保険料の多寡に応じてその仕事の量も違って参るわけでございますが、総体として事務量がふえるであろうということは考えられるわけでございます。ただ季節的な関係もございまするし、賃金あるいは超勤手当等の面で三十二年度としましては考えざるを得なかったような状態になったのであります。私どもといたしましては経営上、運営の面についてなるべく合理的な適切な手を打つことによって、事業を円滑に運営していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/26
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027・森本靖
○森本委員 なおこの内容については、その保険の外務員にいたしましても、あるいは現業の統轄局くらいの内勤者になると、なるほどこれは賃金でいくと思いますけれども、百名前後の普通局以下特定郵便局における者、それから中央におきましても、大きな局において外勤は全部ほとんど賃金とか非常勤とかいう形では、とても保険事業は伸びないと思う。なるほどそういう場合は、保険支局とかいうところではそういうことが使われるといたしましても、一番肝心の現業においては、そういうものは保険事業についてはほとんど役に立たないということが考えられるわけであります。そういう面から考えてみると、この定員が一名も伸びておらないということは、非常にわれわれ憂慮することでありますけれども、ここで深追いをいたしましても、あなたの方が省議なりあるいは大蔵省の方で承認がなかったということであるならば、これはやむを得ないといたしましても、こういうことでは、せっかく二十万円に引き上げましても、実際の保険事業を運営する場合に、相当現業の従業員が苦慮しなければならない。そういうことを念頭に置いて、末端の管理者を通じて、合理化の美名のもとに、この定員を増加しなければならぬのにもかかわらずそれができなかったそのしわを、従業員に寄せることのないように、くれぐれも私は御忠告を申し上げると同時に、来年度におきましてはこういう定員関係については、十分に一つ考慮願ってもらいたい、こういうことを要望しておきます。
そこで質問の観点を変えまして、最初の問題に戻りますが、三十一年になると問題があると思いますので、三十年で例をとってもらいたいと思いますが、三十年の新規契約におけるこの保険の種類というものを、一つパーセンテージでお示しを願いたいと思います。終身とか養老とか、そういう種類です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/27
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028・成松馨
○成松政府委員 申し上げます。三十年度におきましては終身が一五・四%、それから十年養老といたしまして二四・三%、十五年養老は二六・一%、二十年養老におきましては一五・一%、三十年養老におきましては五・三%、四十年養老におきましては一・〇%でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/28
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029・森本靖
○森本委員 この簡易生命保険というものの本来の使命は、どこにあるわけでありますか。このパーセンテージを見た場合……。私が言いたいのは、簡易生命保険というものの本来の使命は、終身もしくは四十年以上というものが本来の使命ではないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/29
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030・成松馨
○成松政府委員 生命保険事業本来の趣旨からいけば、森本委員のお説の通り、なるべく長期なものに重点を置かれてしかるべきであろうと、このように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/30
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031・森本靖
○森本委員 簡易生命保険というものは、その名の示す通りこれは生命保険でありまして、いわゆる本人が万が一事故があった場合に、その家族が一応生存ができるというのがこの生命保険の趣旨であります。ところがこのパーセンテージを見てみますと、肝心の終身というものはわずかに一五・四%、しかも四十年の養老がわずかに一%、一番最大のワクを占めているのが十五年の二六・一%、さらにその次に十年が二四・三%、これはおそらく小児保険だろうと思いますが、そういうところは、一般の国民の方々が、こういうふうに簡易生命保険のほんとうの目的を考えずに、この十年あるいは十五年という短期に、あるいは小児保険に殺到するということは、一体どういうところに原因があるというふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/31
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032・成松馨
○成松政府委員 ただいまの森本委員の御質問は、簡易保険事業の経営の中心をおつきになったお尋ねでございまして、私どもといたしましてもその点を非常に重要視して、計画的に今後仕事の運営をしていきたいと思うのでございますが、現実問題としてこういう数字が出ておる点につきましては、一つにはわが国の国民性と申しますか、死亡保険、あるいは終身保険というものに対してよりも、どちらかといえばやはり自分が生存中に保険金をもらいたいという感じが多分にあるということが一つの要素だろうと思います。しかしお説の通りに、簡易保険に限らず、生命保険といたしましては、長期的なものを目的とするのが本来の建前と思いますので、この点は外務員諸君にもよく訓練その他によって生命保険の本質をのみ込んでもらい、外務員が勧誘をする場合に、保険の本質を説いて快く入ってもらうようにしてもらうということが必要なのであろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/32
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033・森本靖
○森本委員 局長が言われた点は、確かに一面を物語っております。日本の国民性としてそれは確かに言えます。しかしそういう反面、この生命保険というものが小児保険に開拓の分野を集中せざるを得ないというところにも、私は一つの原因があろうと考えるわけです。と申しますのは、今日の物価高からいって、果して今までの十五万円というものが、実際につえとも柱とも頼む中心になる人に万が一のことがあった場合に、この十五万円の保険金によって、十分に簡易生命保険としての使命を達することができるかどうか。今回二十万円に上げましても、その点私は同様ではなかろうかと考える。かりにこの簡易生命保険が三十万円ないし三十五万円ということになれば、私は終身保険あるいは四十年というものはもっとふえると考えておるわけであります。やはり一面日本の国民性というものは短気な性格でありまして、少くとも十年、十五年というものを望む性格はありますけれども、しかしほんとうに簡易生命保険の真髄に徹して、そういう方向において国民を説得するならば、必ずしも私は不可能でないと考える。ところが幾ら説得をいたしましても、今日の十五万円では、これはなかなか説得しにくいということが考えられるのじゃないですか。その点が私のお聞きしたいところなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/33
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034・成松馨
○成松政府委員 森本委員のお説はごもっともではございますが、ただ簡易保険といたしましては、比較的勤労者階層以下を対象とするというところから見まして、単に金額が低いから入らないのだということよりは、やはり国民性、あるいはまた生命保険というものを、何か貯金的なものと同じように考えられるという性格の方が大きいのではないかと思うのでございます。むろんこれっぼっちの金額では何も役に立たぬからということを、勧誘の際にも非常によく言われておるのでありまして、こういうことから私どもといたしましても、保険金を経済情勢とにらみ合せながら引き上げていきたい。またそれが国会からも御決議をいただいている趣旨であろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/34
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035・森本靖
○森本委員 あとに同僚委員の質問が場あるようでありますので、私は長く質問いたしませんけれども、これがやはり簡易生命保険の最高額の一番の根本の理由にならなければならないと思う。今局長はちょっと妙なことを言われましたが、聞いておりますと、この簡易生命保険というものは下層階級のみにたよるような保険であるというふうな印象をちらっと受けましたが、私はこの簡易生命保険というものは、法律にはっきりありますように、すべての国民に対するものでありまして、何も一方に片寄った階級とかなんとかいうことじゃないと思う。そういう点から考えて参りますと、あながち低所得者のみにこれを限定をしていくという考え方は非常におかしいと思う。これは高所得者であっても、やはりこの保険金が相当の金額になるならば、これはやはり私は勧誘いかんによってはどしどし加入ができるだろうと思う。そういうところの分野を開拓しなければ、これはやっぱり伸びがないと思うのです。そういうところが一般の民間保険の額の高いところに取られてしまって、片方は十万円なり八万円というところで一生懸命やる。それも大事ですけれども、やはり有産階級と申しますか、そういう方でありましても、これは簡易生命保険に入っていただくということは何ら差しつかえないわけでありまして、またそれが法律の趣旨であります。だからそういう方面を開拓しょうと思うならば、やはり今までの十五万円ではなかなかむずかしい。それは今回の二十万円でも低きに失するのではないか。それから今日の勤労階級におきましても、万が一ということを考えるならば、これはやはり月収三万円以上の実収入がある者であるならば、必ずしも終身に入ってもそんなえらいような生活でないはずです。掛金その他を見た場合、かりに最高額が二十五万円、三十万円になったといたしましても、月収三万円以上の者が終身に入っても、終身と十年とは掛金がまた違ってくるわけでありますから、そうなって参りますと初めて簡易生命保険というものが筋が通ってくるわけです。今の簡易生命保険のやり方というものは、最高額を十五万円にきちんと押えておるものだから、へんちくりんな方向に開拓をしなければ、財政投融資の方から資金のワクを言われるので、そっちの方に発展してしまう。やはりそういう観点から見ると、最高額というものを、ある程度遺族の生活が保障できるという形の金額に、経済情勢とにらみ合せてするならば、もう少しこれが本来の方向において発展をするだろう。その点あなたの方ではいろいろ政治情勢があって二十万円と提案をせられたのであろうけれども、二十万円では、まだ保険本来の趣旨からいえば低きに失する、こういうようにお考えでないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/35
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036・成松馨
○成松政府委員 簡易保険の最高額を大体どういう程度に考えたらいいかしいうことにつきましては、いろいろ考え方もあるかと思うのでございますが、思どもも、やはり一家の支柱に万一のことがあった場合に、その遺族の者が約一年間は最小限度何とかしのいでいけるというところを目標に考えておりますので、そういう角度からいろいろ計算をしてみますと、金額的に見ましては、現在の状態で約三十万に近いものを必要とするのではなかろうか、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/36
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037・森本靖
○森本委員 大体それでわかりました。郵政当局としては、簡易生命保険の本来の事業のあり方からいくならば、やはり三十万円程度にしたいということはいえるわけである。しかし今日の政治情勢においてこれが二十万円という形になったということで、一応その経緯が明らかになりましたが、私が今申し上げましたことは、ほんとうに将来の生命保険事業というものを考えてみた場合、これはあなたの方のパンフレットにもあった通り、十年後の簡易生命保険の財政状態というものは、決して楽観を許さないということがはっきり書いてありますように、私が考えてみましても確かに楽観を許さないということを考えるわけであります。そういう点を考えてみますと、私は今回の二十万円というのは、非常に不満でありますけれども、しかし今の政治情勢でそれが精一ぱいということなら、また何をか言わんやと言いたくなるわけでありますが、しかし私の今の質問とあなたの答えというものとを深く脳裏におさめていただいて、今後の簡易生命保険事業のあり方については十分に一つ、政府生命保険事業としての本来のあり方に徹せられるように望んで、私の質問を終りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/37
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038・松井政吉
○松井委員長 井手以誠君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/38
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039・井手以誠
○井手委員 簡単な法律案でございますので、一点だけお伺いをいたしておきたいと思います。あるいは重複になるかもしれませんが、論旨は森本委員と同じでありまして、この参考資料の第一表に、新規契約と現在契約の表がございますが、件数が最近ずっと減っておりますのは、そういう理由でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/39
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040・成松馨
○成松政府委員 非常に古いところと現在と比べまして件数が滅っておりますのは、一つは小額契約を整理したということにもよるわけでございますが、一つは保険金の関係で高額の保険料をかなり取るようになってきたために、全体の一応の目標等ともにらみ合せて、その目標をほぼ越したところでとどまっているというのが毎年の状態でございますので、そういう角度からも件数が減っているということもございまするし、あるいはまた民間、農協等、いろいろ同じような生命保険が伸びておりますので、そういう点から非常に募集等にも苦しくなってきておる、こういうことも言えるのではなかろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/40
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041・井手以誠
○井手委員 答弁の中の後段の方が私は正しいだろうと思っております。簡易保険については委員会はあげて好意を持ってやっておりまして、ここにいらっしゃる椎熊さんも非常に熱心ですし、前の委員長の田中さんも今わざわざおいでになってどうなっておるかと御心配になっておりますが、この委員会に一度でも関係した者は、簡易保険については非常な関心を持っております。伊東政務次官も一つお聞きを願いたいのであります。この新契約が伸び悩んでおることは事実でございます。保険金額もまた最近落ちておるようであります。神武景気といわれる三十一年において今の模様で参りますならば、三十年よりも二割減でございます。その点はいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/41
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042・成松馨
○成松政府委員 参考資料としてあげてありますのは、三十年度に比べまして三十一年度は(井手委員「それはわかっている」と呼ぶ)四月から十二月まででございますが、現在の一月、二月におきましても件数において多少減っておることは事実のようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/42
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043・井手以誠
○井手委員 決して私どもは責めようとかなんとかいう気持ではなくて、何とか伸び悩んでおる簡易保険の情勢を打開していこうという、積極的な協力的な意思があるので質問申し上げておりますから、そういう意味で御答弁願いたいと思う。弁解も何も要りませんから、率直に一つ実情をお答え願いたいと思う。私はこれ以上いろいろは申しません。確かに伸び悩んでおると思うし、森本委員が申しましたように簡易保険の将来については相当考えるべき事態がくるのではないか、すでに私はきておると思う。そこで今日まで、この表にありますように経済もやや安定しております。安定した仕方についてはいろいろ意見はありますけれども、ともかくも安定をいたしております。それぞれ自己防衛のために貯蓄しようという心がまえは多くの人にあるわけでございます。特に減税によりますると、かなり多くの部分が保険に回り、貯金に回るということは当然でございます。この場合に思い切った構想を持って、この伸び悩んでおる、あるいは前途に暗い影さえ現われてきつつある簡易保険については、私は特段の工夫が必要であり、努力が必要であると思う。ただ定員をふやしていないとかなんとかいうことではなく、やはり私は政務次官初め新たなる工夫が必要であると思う。
そこで率直にお答え願いたいのは、ともかく最高限度額に問題があると思うのですが、今までの件数なり新契約の保険金額のうち、これを従来同様に上昇させていくには、簡易保険の立場から考えて、どの金額が最高制限額として妥当であるかということを私はお聞きしたいのであります。三十万円であれば昨年に比して二割増になるとか、あるいは一昨年に比して同様な傾向になるとかいう上昇——これは上昇しなくてはうそでございます。民間保険はどんどん伸びておりますから、民間保険とのつり合いを考えて、現在三十万円か四十万円か知りませんけれども、おそらく事務当局ではすでに結論が出ておると思うのですが、どの程度まで引き上げたならば簡易保険は従来通り伸びていくというお考えでございますか、あるいは国家の財政投融資関係にも支障なく運用をできるというお考えでございますか、それを含めて一つお答えを願いたいと思います。政治的な御配慮は要りませんから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/43
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044・成松馨
○成松政府委員 先ほども森本委員の御質問に対して御答弁申し上げましたように、簡易保険のあり方から見ましても現段階では、現在の経済状態を考慮に入れますと、どうしても三十万円近くはほしいところであるというふうに考えております。保険金が引き上げられることによりまして、簡易保険を募集、勧誘する場合においても、非常にやりやすくなるということは事実でございますが、いろいろの情勢を考えまして今回二十万円に引き上げることについてお願いしたい。こう考えておりますが、具体的にも三十万円になつたらどのくらい伸びるであろうというところにつきましては、正確な計算をまだしておらないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/44
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045・井手以誠
○井手委員 大体その辺が、簡易保険の民間保険とのつり合いを考え、経済状勢を考えて参りますならば、私は三十万円程度が無理のないところではないか、どうしても簡易保険の立場から考えましても私はそこがぎりぎりではないかと思うのでありますが、この際一つ政務次官のお考えを承わっておきたいと思うのであります。簡易保険は申し上げるまでもなく、財政運用の非常に重要な原資でもございます。また簡易生命保険そのものにも非常な重要な目的を持っておるのであります。今日までのようにほとんど伸び得ない、このときに毎年々々件数も減って保険金額も減っていく、こういうことを私は非常におそれますので、一つ率直な政務次官のお考えを、ただ抽象論じゃなくて、なるほど政務次官は信念を持って考えておる、こういうふうにみなから好感を持たれるような御所信の表明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/45
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046・伊東岩男
○伊東政府委員 御説よく承わりまして、好意ある点はまことに敬意を表する次第でございまするが、お話のように簡易保険が伸び得ないということについてはまことに遺憾でございます。今後皆様たちの御協力を得まして、より以上発展することを希望する次第でございまするが、先ほどから保険局長が申しまするように、この最高限度を幾らにするかということについては、かなり私どもも事務当局から相談を受けたのでございます、事務当局としてはまず三十万円前後、こういうことでございましたが、民保その他の情勢等も勘案いたしまして、本年度はまずもって二十万円くらいでやむを得ないだろう、なおこの問題については、毎年委員会あるいはその他においても、これが限度の引き上げを要望されておるのでありまするから、二十万円では足りない。こういうことだけはわかっておりますけれども、さっき申し上げた通りでございます。大体二十万円では足りないという理由の一端を申し上げますと、大体が加入者の老後の生活安定、死亡の場合における医療費、葬祭費等、いわゆる遺族の当座の生活を保障しなければならないと思う。その内容を調べてみると、勤労者の医療費を例にとりますと、健康保険におきましても平均三万六千余円になっておるのであります。また葬祭費にいたしましても、東京都におきましては一万五千円程度でございます。遺族の生活費を全部 全音市勤労者について調べてみますと、約二十二万五千円程度のようでございますから、これらのものを合算いたしますと、やはり二十八万余円になるのでございます。かような点から申しますと、保険にかかる立場の方からいいましても、やはり二十七、八万から三十万円というのは、これは簡易保険本来の使命から申しまして、さようでございます。なおまた今度、簡易保険の局から申しましても、できるだけこの金をたくさん集めまして、これを適当に運用することは、諸般のすべての発展の上に非常なる役割を果すわけでございますので、ただいまお話のような三十万円前後が適当であるということについてはむろん賛成でございます。今後また時期を得てそういう工合に漸次進めたい、こういう工合に考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/46
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047・井手以誠
○井手委員 ただいまの御答弁でけっこうでございます。これ以上いろいろ申し上げません。今の御答弁でやはり三十万円は少くとも簡易保険としては必要であるという郵政当局の御信念でございますので、何も民間保険のかすを食う必要はないのであります。一つ思い切った措置をとっていただきますように、われわれもまた全幅の協力をいたしますことを表明いたしまして、私は質問を打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/47
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048・椎熊三郎
○椎熊委員 ちょっと簡単な問題ですが、簡易保険の積立金の運用の問題は、もとよりこの保険制度の使命がありますから、主として国家的目的に投入されておることはもちろんけつこうだと思います。しかしながらこの簡易保険の性質からいって、でき得べくんば契約者と直結した運用が必要ではないか、そうすることがこの制度を発展せしめる上からも、これを活用する上からも、この制度の目的にかなうゆえんだと私は思うのです。先刻の局長の説明によりますと、契約者貸付金額が七十億からになって飛躍的に発展しているようです。これは非常に私は喜ぶべき現象だと思う。こういうことは第一線に立つ勧誘者等が大いに啓蒙に努めまして、この資金を契約者が直接に使うことのできるような道をさらに拡大していきたい。なお一歩前進しては、この保険加入者全体が積立金のためにもっと仕合せを受けるようないろいろなことを考案していくべきだろう。その中に最近当局が考えられた非常にいい問題は老人ホームの問題、私は当初から非常なこれの主張者でございましたが、さきには熱海における老人ホーム、近くは大分における老人ホームのごとき、まことにけっこうな企画である。こういう企画を大いに発展さしていってもらいたい。むろんこれは利益を対象とする問題ではありませんから、運用の上の経済的利害というものは、あるいは他の資金投入よりもいけないという点もあるかもしれませんが、この制度を作った本来の使命からいうと、そういう方に重点を置いた方が私は社会的意義にかなっておるのだと思います。そこで私は、前置きが非常に長いのですが、ほんとに聞きたいことはわずか一点でございます。三十二年度におきましては老人ホームについて、いかなる構想を堅持しておられるか、率直に御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/48
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049・伊東岩男
○伊東政府委員 今のように、簡易保険及び郵便年金のその運用については、なるべく加入者中心のいろいろな福祉施設をやることが必要だと、こう考えております。その見地からお話のような老人ホームを、大体構想といたしましては各局に一カ所ぐらいずつ将来置こうという考えでございます、しかしこれも資金関係もございますので、さしあたり三十一年、三十二年度にまたがって、別個に老人ホームの相当のものができることに決定をいたしております。なお各地方からもいろいろ要望がございますが、その中でも大阪管内において適当の場所を一カ所選ぼうという構想もあるようでございます。さらに北海道は非常に離れたところでございますので、北海道にもぜひ置きたい、こういうことになっておりますが、それも予算が果して両方一緒に一年度において認められるかどうかということについては、これははっきり申されませんけれども、有力な候補地としては大阪管内と北海道の管内、こういうことになっていることを率直にお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/49
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050・椎熊三郎
○椎熊委員 ただいまの政務次官のお答えの中で非常に重要な点は、理想としては各局に一カ所ずつ置きたい、そういうことが根本になっているようで、御答弁に私は賛成でございます。願わくは全管内一カ所ぐらいずつは最低限度作ってもらいたい。来年度どうするかということに対しては、大阪と北海道は非常に有力な候補地だと御言明でありますので、非常にありがたいのでございますが、そこで私はあなたにお願いしたいのは、なるべく加入者が福祉を受けるために、便利な地方よりも、環境的に非常に悪い地方を優先的に見てやるべきだ、北海道のような寒冷地において、老後全く戸外へ出ることのできないような酷寒の地にある老人というものは、実に気の毒でございます。こういうところこそ早急にやってもらいたい。大阪も有力でございますが、いろいろの社会施設においては、東京とか大阪というところは非常に発展しているところです。北海道のようなまるで外国みたいな——北海道の人間は本土のことを内地というのです。まるでわれわれは外地の人間みたいです。そういう特殊な扱いを受けているような特殊の環境にあるところのごときは、ことに社会施設を十分にやってやらなければならぬ。幸いにして大阪と北海道は有力な候補地と聞きましたので、さらに一段構想を練られまして、一番不便な、一番寒い、一番未開の土地である北海道のごときを最初に手をつけていただきたい、特にお願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/50
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051・森本靖
○森本委員 今の発言に関連して、ちょっと私も申し上げておきたいと思いますが、私はこれは大阪とか四国とかなんとかいうことでなしに、これは全国的に見て、今の椎熊委員の発言は確かに私は妥当だと思う。これは陳情とかなんとか、そういう発言でなくして、これは政治的こどうこうあつては決していけないものだと思う。しかし今非常に各地が運動しておりますけれども、今まで熱海とそれから大分ということになりますると、当然このときに考えなければならぬのは東北と北海道であります。これはやはり全国的な視野に立って見た場合は、そういうことは当然出てくるわけであります。そうなって参りますと、東北が今そういう問題がないとなると、私は椎熊委員の肩を持つわけじゃないけれども、全国的、公平的な視野に立った場合は、この北海道、東北というものをかなり重視しなければならぬということがはっきりしてくると思うのです。だから、そういう点を十分に勘案をして、こういう面がややもいたしますると地元のそれぞれの議員の運動によってとやかくなるというふうなことのないように、全国的な視野に立って、公平的な立場においてその結論をつけてもらいたい、こういうことを私は特に要望しておきたいと思う次第であります。
その点は要望でありますのでいいのですが、最後に一つだけ重大な問題の質問が残っておりますので、局長にお伺いしたいと思います。今の高額者手当の最高額は幾らですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/51
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052・成松馨
○成松政府委員 現在におきましては、八万円以上について千分の二が高額者手当になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/52
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053・森本靖
○森本委員 高額者手当の最高額は幾らかということを聞いておりますので、聞いておることだけに対してお答え願いたい。八万円ということでありますが、今郵政当局の内部においてはそういう高額者の問題については、この額でなくして、場合によっては保険金に切りかえるというふうなうわさを聞いておりますが、それはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/53
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054・成松馨
○成松政府委員 手当をどういうふうにするかという問題は、結局募集をする人たちの募集意欲にも関係する問題でございまして、扱いとしましても慎重に扱わなければならぬと考えております。ただいまお話の保険金にするという問題につきましては、ただいまのところ考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/54
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055・森本靖
○森本委員 それでは保険金に切りかえるということを考えていないということになりますると、十五万円から二十万円になりますると、八万円というものが、毎年のごとく引き上げということで郵政当局はいつも顔を出してくるわけでありますが、これがいつも従業員諸君とそれから郵政当局との間の争いにもなるわけであります。先ほどの私の質問でも、明らかなように、契約件数もたくさんふえてきておる、そうして集金も非常に重要な段階になってきておる、それから契約者貸付も非常にふえてきておる。そうなって参りますと、募集の事務というものが非常に急務になってくる。そういうような点において、せっかく今回二十万円に引き上げられた、そこで従業員としては、二十万円に引き上げられた場合には二十万円の新たなものをとってくるということよりも、現在の十五万円プラス五万円でとにかく目標額を達成しよう、私はおそらくこういうことに現場の方針というものはなるだろうと思う。そこでそうなってきた場合にこの高額者手当の八万円というものを、さらに二十万円になったから引き上げるということになりますると、せっかく二十万円に引き上げましたものの募集意欲というものはかなり減退をされてくる。このことを一つ十分に御考慮に入れて、この問題は単に十五万円から二十万円になったということだけで軽々にそれを直ちに引き上げるということのないように私は特に要望しておきたいと思うのですが、この点についての見解を一つ明らかにしておいてもらいたいと思う次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/55
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056・成松馨
○成松政府委員 募集手当の問題につきましては、一つの要素としては予算額の範囲内で何とかおさめたいという問題もございますが、また組み立て方によりましては、募集をする人たちの募集意欲にも関係がある問題でございますので、この問題は終局的には組合諸君とよくお話をして、両者を満足させるような方向に持っていきたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/56
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057・森本靖
○森本委員 その回答で大体いいと思いますけれども、しかしその交渉がちっともまとまらずに、そのままずるずるといくということになってくると、これは非常に大へんでありますので、もしそうならない場合は、今日の協定があると思うので、それがまとまるまでは今日の協定をそのまま持っていく、こういうことになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/57
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058・成松馨
○成松政府委員 手当の問題については、一方的に押しつけるわけにもいかないだろうというふうに考えており
ます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/58
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059・松井政吉
○松井委員長 他に御質疑はありませんか。——他に御質疑がなければ、本案に対する質疑はこれにて終了いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/59
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060・松井政吉
○松井委員長 御異議がなければ、これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
次に討論に移りますが、別に討論の申し出もございませんので、討論はこれを省略し、これより直ちに簡易生命保険法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/60
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061・松井政吉
○松井委員長 起立総員。よって本案は可決すべきものと決定しました。
この際、本案に対して附帯決議を付すべしとの動議が提出せられておりますので、この趣旨説明を求めます、橋本登美三郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/61
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062・橋本登美三郎
○橋本(登)委員 私はただいま議決されました簡易生命保険法の一部を改正する法律案に対しまして、附帯決議を付する動議を提出いたしたいと思います。附帯決議の案を申し上げます。
附帯決議
最近における経済情勢の推移と簡易生命保険事業の使命とにかんがみ、今回の簡保保険金最高制限額の引き上げはなおじゆうぶんでない。
よって政府は、なるべく近い機会に右最高制限額を更に引き上げるよう措置すべきである。
右決議する。
すなわち、簡易保険の保険金の最高制限額につきましては、第十九国会において八万円から十三万円に引き上げようとする際、諸般の事情によって十三万円の原案を十五万円に修正をいたしたことがあります。実はこの簡易保険の性格ですが、大体簡易保険の性格は、昭和二十一年の無審査、低額保険の政府独占制をやめましてから、民間におきましても無審査保険の限度を初年度は三十万円、通算しまして五十万円、こういうような金額になっております。また農協の生命共済におきましても五十円を最高限度としておる。かつまた政府が提案理由として説明されました庶民階級といいますか、東京都等の調査を見ましても、大体約三十万円がいわゆる庶民生活に必要なる保険金額のように説明されております。こういう事情から考えまして、現在最高制限額を二十万円に引き上げましたが、なおこれでは簡易保険の使命を達成することは困難のように認められております。よって政府は今後関係方面と十分なる意見の調整をして、できるだけ近い機会において引き上げを行うようにさらに努力すべきだと存じます。ので、右の附帯決議を付したいと思うのであります。各位の御賛成をお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/62
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063・松井政吉
○松井委員長 ただいまの橋本君御提案の附帯決議を本案に付することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/63
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064・松井政吉
○松井委員長 御異議なしと認め、橋本君提案の附帯決議を本案に付するに決しました。
なお、本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/64
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065・松井政吉
○松井委員長 次に放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件の審査を行います。
質疑の通告がありますので、これを許します。森本端君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/65
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066・森本靖
○森本委員 それではこの予算についてもだいぶ審議を経ましたので、もとへ返りましてもう一回総ざらいに、予算総則から逐次質問をしていきたいと思います。
まず最初に、予算総則の中におきまして、予算総則というよりもこの予算全体についてでありますが、予算総則の第四条であります。「本予算の各項に定めた経由の金額は、予算の執行上やむを得ない場合に限り、経営委員会の議決を経て各項問において、彼此流用することができる。」ここまではいいわけでありますが、この次の「ただし、給与については、他の項と彼此流用することができない。」これはどういう理由でついておるわけでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/66
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067・池田幸雄
○池田参考人 これは毎年同じ案文でございます。給与というものは大体確定的にきめておりまして、給与は各人に支給するものでございますから、それを事務費が足りないからといって回してもいけないし、またこの給与が非常に少いというような議論が出てきまして、事務費を削って給与の方に持っていくというような事態になりますと、本来の事務の執行に支障を来たすというような配意で書かしていただいたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/67
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068・森本靖
○森本委員 私はこの委員会でこの予算を審議するのも数回になりますが、毎年同じことを繰り返して質問をしなければならぬということは、非常にわれわれも苦痛でありますし、あなたの方も同じことを回答しなければならぬのは残念だろうと思うのです。これはただし書きというものを削るようにしてやったらどうですか。今年は別としても、来年あたりからぽんと抜かして出してくるという格好にしたらどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/68
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069・池田幸雄
○池田参考人 御趣旨の意味はよくわかりますが、もしも給与と事務費を二つ分けておかないと、大福帳的になってしまって、やはり予算としてこしらえていくには不適当ではないかというふうに私たちは考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/69
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070・森本靖
○森本委員 これは公共機関でありますが、そういうところの賃金体系全体の面から、この問題がきておるような気がして仕方がないわけでありますが、毎年こういう論議を繰り返しておっても仕方がないので、この問題についてはあなた方の方でも、政府の意向なんかにとらわれずに、もう一回真剣に検討してもらいたいと思うわけでありますが、会長この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/70
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071・永田清
○永田参考人 公企業体のみならず、一般事業関係につきましても、最近の最も進んだ方法は、特に経営については計画的な体系を整えるということになります。そうなりますと給与関係はもとより固定費の部分に入りますので、それはむしろ確実にしておくということが常識であると思います。一般原則論としてはここにあがっておりますようなことで進んでおりますけれども、実際の運用面につきまして、NHKとしては仕事そのものが時代に即応しなければならないという事情が出て参りますので、それらの予算原則論のみにとらわれずに、この面にこういつた方針をとるについては十分検討したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/71
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072・森本靖
○森本委員 研究するということでありますが、一般の物件費その他の分については流用を認めておる。ただ給与だけが流用することが、できないということについては、あなたはそういうふうに言われるけれども、これはわれわれから見ると何らか賃金を金縛りするというような点で、おかしな点があるというふうに考えられるわけであります。これを取っておいても、そうむやみやたらに流用するということはあり得ないと思う。現在の放送法では決算もこの委員会にかかることになっておりますので、あなたの方でむやみやたらなことをやっておれば、当然その次の決算において締め上げられる可能性もあるので、これは取っておいたところで私はそう心配はないと思う。しかもあなた方みたいな有能な経営者がおられるので、そうむちゃなことをこの項がなくてもやるとは考えられぬわけであります、毎年こういうものをつけなければならぬということは、そういう問題ではなくて、何か全体の賃金政策からきていると考えるわけでありますが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/72
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073・永田清
○永田参考人 むしろ趣旨は逆だと私は思います。給与については、もとより経営の責任上、組合との折衝もありますから十分討議してやりますけれども、原則的な額を予算原則として変えることは経営上適当でないと思います。しかし国家予算の原則とも違いますれば、さればといって純然たる私企業的なことでも適当と思いませんので、結論としては相当むずかしい問題だと思いますけれども、そういう意味で新しい立場から研究していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/73
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074・森本靖
○森本委員 第二項においても、ラジオとテレビジョンの間については流用することができない、テレビ会計とラジオ会計とははっきり分れているわけでありますが、今まではラジオ会計は黒字でテレビの方が赤字であるという状態だったと思うわけであります。しかし今後の状況はおそらくこれが逆になるのではないかと考えるわけであります。逆になるというよりも、テレビの方がずっと黒字になってくるのではないかということが考えられるわけでありますが、このテレビとラジオの会計を二つに分けておくことについては、現段階においては相当考えてみなければならぬ要素が出てきているのではないかと考えられるのですが、その点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/74
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075・永田清
○永田参考人 それはお説の通りだと思います。従来テレビジョンは富裕階級が見るという前提で、ラジオ聴取者に負担をかけて一部階級の者に利便を供することは、原則的によろしくないという意味でそうされたと思いますが、現状においては、三月末予想でテレビが四十万になりますので、自然大衆化されつつある。それから協会としてもテレビジョンの価格をできるだけ下げるように監督、指導の方向に進んできますと、明年度末で七十五万前後あるいは八十万というふうに予想されます。そういう意味でもう大衆化に向って進んで参りますので、結論としてはそういうことになると思います。ただ経理といたしましては、かりにそれが統一会計に入っておりましても、一応ラジオ会計、テレビ会計は、内部的なものといたしましては別途にして、相互に経営態勢を確立していくようにしなければならないと思いますので、この問題については統一的な方向に進むように情勢に応じてお願いしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/75
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076・森本靖
○森本委員 相当突っ込んで聞きたいと思いますけれども、あまり時間がありませんので先へ進んでいきたいと思います。
次に予算総則の第六条でありますが、これも毎年論議することですけれども、「予備金は、予見しがたい予算の不足に充てる以外にこれを使用することができない。」というところでありますが、昨年この場合に——昨年と申しましても、これは今年度三十一年度でもけっこうですが三十一年度にこの条項に当てはめて支出したという項がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/76
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077・池田幸雄
○池田参考人 本年度の予備金のラジオにおける総額は二億円と思いますが、それの振り当ての一応大きいものだけ申し上げますと、昨年の六月に周波数が変更になりましたときに、それの対策費として使いましたのが千十七万円、それから同じく周波数変更のときに、受信者の雑音とか混信の問題が出て参りましたので、それに使いましたのが約二百万円、それからこの前の委員会でもいろいろ御質疑いただきました、地方税法の改正によります固定資産税の賦課が今年度分千九百四十三万円、それから、順序が入違いまして申しわけございませんが、周波数割当をいたしましたときに、東京とか大阪で、新しい周波数で増力されたのがございます。それに当てはめました分が六千九百二十万円、それから風水害はあまりございませんでして、幸い二百十九万円しか使っておりません。ほかに金沢の野々市の放送所が一部分小火災を起しましたので、それに二十六万円、大体このくらいでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/77
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078・森本靖
○森本委員 テレビは………。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/78
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079・池田幸雄
○池田参考人 テレビジョンについて申し上げますと、テレビジョンの最初の予算額は二千万円です。そのうちで地方税法の改正に伴います固定資産税は、ラジオと同じでございまして二百十四万、それからテレビの、いわゆるサイクルを変えます東京の放送会館の地下室の電源設備が非常に老朽して参りましたので、改善せざるを得なくなりました。それが千五百万円、大体それだけを現在までに使っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/79
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080・森本靖
○森本委員 その電源の千五百万円というのを、もう一ぺん詳しく言ってもらいたいのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/80
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081・池田幸雄
○池田参考人 申し上げます。御承知のようにテレビは六〇サイクルにいたしておりますので、五〇サイクルを六〇サイクルに直すわけであります。それがテレビ開始の当時はあり合せの機械を使ってやっておりましたのが、老朽度が非常にはなはだしくなりまして、能力がなくなって参りましたので、新しい機械を備えつけざるを得なくなりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/81
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082・森本靖
○森本委員 そういうのは、その年度の最初に予算を組む場合に、見通しがきかぬものですか。今のテレビの問題については、私のしろうと考えでも大体初めにわかりそうなものであって、この第六条の予見しがたいという中には入らぬような気がするわけですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/82
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083・溝上けい
○溝上参考人 今の発電機の問題は、実は最初から多少古いものを使ったのですか、途中までは相当大丈夫と思っておったのです。それがある時期がきたといいますか、急に不安定になりまして、実際出る画面が非常に不安定になり、それが顕著な現象が起ってきましたので、それで急いで応急的に予備金から支弁したのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/83
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084・森本靖
○森本委員 それではその答弁を信用して、この六条に当てはまることに考えましょう。しかしそういう支出は、やはりちょっとおかしいと思うのですよ。まあそれはいいといたしましても、この第六条の「予備金は、予見しがたい予算の不足に充てる以外にこれを使用することができない。」ということと、前の四条にも関連いたしますが、たとえば一般の新聞とかあるいは民間放送会社とかいうようなものが、かりに年度の途中においてベース・アップをする。これは民間会社ですから上げることもあるわけですね。そういうことになった場合に、それにつり合うために協会としても、ある程度従業員の待遇を改善しなければならぬということになった場合には、これは予算総則のどこを適用してそういうことができることになるわけでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/84
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085・池田幸雄
○池田参考人 今御質問がございました給与の面でありますが、たとえば同種の産業の、新聞とか民間放送とかがベース・アップを期の途中でやったというような場合には、それぞれその社の方針もございましょうから、それは少し疑問があるというふうに考えますが、かりに社会一般が、たとえば全国的に物価が急上昇したというような場合には、充てられるのじゃないかと考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/85
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086・森本靖
○森本委員 そうすると、物価が著しく高騰したとか、あるいはまた他の類似産業のベースが改訂されて予見しがたいことが起きた。そういうことで、一応従業員の待遇改善を行わなければならぬということになった場合には、この第六条は適用されることになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/86
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087・池田幸雄
○池田参考人 その給与改訂が、社会的に見ましてNHKでも必然的に変えざるを得ないというような事情があります場合には、予備金から出せるのじゃないかと思いますが、ただ同種の、たとえば新聞各社が上った、あるいは民放各社がベース・アップをしたということは、ちょっと予備金を使用するのには疑問があるのじゃないかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/87
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088・森本靖
○森本委員 私が言っているのは、たった一つの新聞社が上げたということを言っているのじゃないですよ。類似産業である各社あるいは民間放送等も相当のベース・アップを行なった、そうして経済状態も、やはりある程度のパーセンテージ上げなければならぬということになった場合においては、この第六条は当然適用されるものである、こういうふうに考えるが、あなたはどう考えるかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/88
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089・池田幸雄
○池田参考人 そういうように社会的に見まして、同種産業あるいは全産業が上ってきたというような場合には、当然NHKも従業員の給与を予備金から出して上げていいじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/89
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090・森本靖
○森本委員 それではこれで第六条はおきまして、次に第七条でありますが、第七条の「収入の増加が業務量の増加に伴う場合は、その増加額は業務量の増加に関係ある各項に充てて使用することができる。」この考え方と、それから次の第二項に「職員の能率向上による企業経営の改善によって収入が予算額に比し増加し、」云々とあるのですが、この関連でありますけれども、収入の増加が業務量の増加に伴う場合とはどういうことですか。これは一般の産業ならこういうことがいえると思いますが、NHKの場合には、収入の増加が業務量の増加に伴う場合とは、どういうことをさすのかということを聞いているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/90
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091・池田幸雄
○池田参考人 実例で申し上げますと、収入の増加が業務量の増加に伴う場合、たとえば予定よりも受信者が非常にふえてきた。そうして受信料をいただきに行く経費とか契約費とか、そういうものが当然受信者がふえればふえて参ります。そういうものを「業務量の増加に関係ある各項」というふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/91
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092・森本靖
○森本委員 そうするとこの「収入の増加が業務量の増加に伴う場合」というこの収入の増加ということは、この二項にある「職員の能率向上」ということと同一になってくるわけですね。今日のこのNHKにおける受信料というものの徴収の内容を見た場合、聴取者が自分で届出をしてくるということはほとんどあり得ない段階においては、この「収入の増加」ということは第二項における「職員の能率向上」ということと同様である、こういうように解釈しても差しつかえないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/92
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093・池田幸雄
○池田参考人 森本委員のおっしゃる通り、最近の受信者の増加は、確かに職員が足を運ばなければなかなか期し得ないのでございます。この第一項、第二項と書き分けておりますのは、受信者がふえたという事実、そのために必要な経費の各項目にまず充てる、これは当然だろうと思います。しかしその増加は職員の能率の向上と申しますか、努力によるというのと同じ原因だろうと思いますが、まず必要経費を第一項で関係の各項に充てて、その次に第二項が適用されてくるのじゃないかというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/93
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094・森本靖
○森本委員 私が心配をするのは、この「収入の増加が業務量の増加に伴う場合」ということによって、その業務量の増加に関係ある各項に充てて使用することができるという場合に、今言ったいわゆる集金人の増員とか、その集金の場合における対策とか、そういうことに充てるのは当然であります。ところが放送内部の番組とか設備とか、そういうことによって聴取者がふえたという理由によって、この項を適用して、そういう方面の金に使うということは私は合点がいかない。だから今言った契約者に対する集金、あるいはその受付、そういう方面における対策に充てるならば、この項は当然生きてくるけれども、そういう理由によって、その施設あるいはまたその放送の改善とかには充てられない、こういう考え方に立って今質問をしております。私の考え方にあなたが全く同感であるということならそれでけっこうでありますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/94
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095・池田幸雄
○池田参考人 同感ということになるかもわかりませんが、私申し上げたいと思っておりますことは、「収入の増加が業務量の増加に伴う場合」には、まずその業務量の増加に関係ある各項に充てて、そうしてその初めに書いておりますように、収入が予算額に比し増加したときは、設備の改善に充てていく。そうしてまたそれが職員の能率向上によるものにもからんできますから、一部を職員の給与に充てるというような順番になってくるのじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/95
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096・森本靖
○森本委員 そこで私が特にお聞きしたいのは「収入の増加が業務量の増加に伴う場合は、その増加額は業務量の増加に関係ある各項に」というこの「関係ある各項」ということは、たとえば番組がよくなったからとか、あるいは放送施設がよくなったからとか、そういう理由によってそっちの方に回すということではなしに、実際に今日の段階においては少々NHKが番組や放送施設をよくしたところで、それによって受信者がふえるということはあまりないと私は思う。それは民間放送とかその他の関係もあって総合的に生えると思う。それで究極のところ、受信契約者数がふえるということは、やはり集金人なり外勤の者がその届出をやるようにということで勧奨して、初めてこの増収というものが出てくる、こう考えますので、「その増加額は業務量の増加に関係ある各項」という「各項」は、集金人の増加とか、その待遇とか設備とかについて考うべきであって、この第二項の「職員の能率向上による」というところに当てはまるのではないか、こういうことを言っておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/96
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097・池田幸雄
○池田参考人 直接その人たちが努力する、それだけで受信者がふえると極言されますと、はなはだ恐縮なんですが、それだけでなしに、やはり受信者へのサービスとか、そういう技術的な面でも相当協力いたしております。もちろん大部分は、森本先生のおっしゃるように、職員の努力というものが大きく響いて参りますか、ただ私たち加入者をふやしますのに、職員だけでなく、職員外に調査員もたくさん使っておりますし、また郵政当局にお願いして郵政委託もやっております。そういうものもからんで参りますほかに、やはり受信者が明瞭に聞えるように、受信者へのサービスをするという点も大きく働いてきているのではないか。そういうものはやはり、収入の増加が業務世の増加に伴う場合、テレビにしてもラジオにしても、雑音の対策とか、そういう問題を相当大きく取り上げなければ、受信者の獲得だけではなかなか行きにくい面がありますことを御了解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/97
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098・森本靖
○森本委員 それでは第一項の増収とということ第二項の職員の能率向上による増収ということは、どういうふうに解釈をするわけです。今の放送協会の経営状態からいくならは、こう端的に分けるということは不可能に近いのじゃないかと私は思う。なるほど新しい契約者を求めてくるということは、すべて従業員がやらなければ、向うから来るということはほとんどないわけであります。たまたまNHKの番組がよかったから、あるいはその施設がよかったからということによってふえるということはごく小部分である。ふえたにしても、その届出をしなければ、これは収入にはならぬのです。だから聞く者がふえても、それを摘発して、こっちへ持ってこなければ、収入にはならぬのです。業務量の増加による収入ということと職員の能率向上による増収ということとは、それではどういう考え方によって分けられるかということをお聞きしたいのであります。
それでは私が助け舟みたいに出しますると、この第一項の収入の増加ということは、たとえば巡回相談をふやすとか、そういうことならこれは当てはまってくると思うのです。巡回相談をふやし、ラジオの受信機の故障を直して、そのついでに一つこれはやってもらいたいということなら、この対策に当てはまってくると思う。しかしそれ以外に当てはまる項というものは、そう大した要素はないのではないかというふうに考えるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/98
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099・池田幸雄
○池田参考人 お答え申し上げます。加入者の増加は、今NHKの集金人が全国に千人少々働いておりますが、そのほかに事実調査員として部外の人に委託しております人が、全国で百四十人ばかりございます。これはもっぱら盗聴を専門にとっているわけなのです。そのほかに電力会社にもお願いしておりますし、あるいは郵政当局にお願いした委託でも申し込みはとっていただいておるのでございます。特に調査員の方々は、片手間というよりも、特に大都会におきましてはほとんどそれを専業にしているようなありさまで、学生の方もおりますし一般の方もおられますので、そういう方々の取扱い件数は相当大きい部分があるわけなのです。しかしもちろん集金の方々や内勤の職員が時には応援いたしますが、それが相当努力しておられることも確かでございます。ラジオにつきまして一つの例を申し上げますと、全体を一〇〇にいたしますと、郵政の窓口へ参りますのが八・二%、郵政の勧誘が四・六%、合計いたしまして郵政当局で取り扱っていただきます新しい加入者の数は一二・八%、それから職員の分が四六・一%、部外の方が一四・二%、それから私が今申し上げました調査員のパーセンテージが二五・六、放送局の窓口が一・三というふうになっておりまして、純粋のうちの職員が取り扱いますのは四六・一%……。
〔「わかったか」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/99
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100・森本靖
○森本委員 わかったかというヤジがあったけれども、これは初めからわかっていることだ。わかっておるから、私が質問しておるように、この中でも四六・一%というように率が高いわけです。高いから、私が先ほど来言っておる理由が立ってくるわけです。大体私が言った趣旨がわかってもらえればけっこうでありますので、一応この問題についてはこれでおきたいと思います。
それからこの予算総則の最後の第十三条でありますが、「駐留軍の放送役務に対し、契約金の収入があったときは、その金額は役務に関係ある各項に充てて使用することができる。」この項を一つ具体的に説明願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/100
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101・池田幸雄
○池田参考人 お答え申し上げます。駐留軍の放送役務は、現在やっておりますのは東京と大阪の第二放送終了後、韓国向け放送を第二放送の施設を利用いたしまして出しております分だけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/101
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102・森本靖
○森本委員 韓国向けというのは日本語ですか、何語ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/102
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103・池田幸雄
○池田参考人 朝鮮語でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/103
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104・森本靖
○森本委員 これは第二放送の周波数でやっておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/104
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105・池田幸雄
○池田参考人 さようでございます。東京も大阪も第二放送が十一時半で終了しておりますので、十一時半からその周波数で韓国語でやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/105
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106・森本靖
○森本委員 そうすると、その出力は幾らですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/106
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107・池田幸雄
○池田参考人 現在は両方とも五十キロでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/107
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108・森本靖
○森本委員 それでその周波数は幾らなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/108
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109・池田幸雄
○池田参考人 東京が六九〇KC、大阪が八三〇KCでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/109
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110・森本靖
○森本委員 これはおそらく行政協定か何かだろうと思いますが、その法的根拠と、それから協定をしておる当事者はどうなっておるか。これは政府当局からでもけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/110
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111・濱田成徳
○濱田政府委員 これは日米行政協定に基く日本側の任務として行なっておるものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/111
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112・森本靖
○森本委員 日米行政協定に基いて、それの実際の責任者としては、だれとだれが協定をしておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/112
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113・池田幸雄
○池田参考人 役務の供給契約でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/113
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114・森本靖
○森本委員 それはあとから聞きますけれども、政府とアメリカの軍司令部の方との間は、どういう協定になっておるかということを聞いておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/114
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115・濱田成徳
○濱田政府委員 責任者は日本政府であろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/115
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116・森本靖
○森本委員 これは責任者は日本政府ですが、その当事者としては郵政大臣ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/116
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117・濱田成徳
○濱田政府委員 行政協定の執行の責任はもちろん政府でありますが、実際上の執行のことはNHKに委任されておるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/117
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118・森本靖
○森本委員 私の聞いておるのは、行政協定に基いてやるけれども、こういう問題は、これは細部における取りきめを行なってやるのでしょう。だからそういう細部にわたる取りきめというものは、だれとだれに上ってなされておるか、こういうことを聞いておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/118
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119・池田幸雄
○池田参考人 御質問をもう一度繰り返させていただきますが、行政協定の電気通信に関する付属協定、それ自身の契約の双方がだれとだれであるかという御質問でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/119
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120・森本靖
○森本委員 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/120
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121・池田幸雄
○池田参考人 それはNHKではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/121
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122・森本靖
○森本委員 だから私はその項はまだNHKに聞いておりません。実際にこの役務を供与するといいますか、そういうことになった場合はNHKであって、それをどういうふうに実施するというところの契約というか協定というものは、これは向うさんと日本政府との間になされると思いますが、その日本政府との間における細部の両当事者はだれになっておるかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/122
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123・濱田成徳
○濱田政府委員 失礼いたしました。日米行政協定のこの問題につきましては、日米合同委員会が取り扱っておるものと考えます。その日本側の責任者は外務省の多分国際協力局長かと思いますが、はっきりいたしませんから、調べましてお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/123
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124・森本靖
○森本委員 外務省の局長ということには間違いないのですね。この前の海底電線の問題と同じようなケースではないかと私は想像しておるわけでありますが、そこで日米合同委員会において具体的にこの問題にタッチをして協議をしていく人は、政府間においてはだれですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/124
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125・濱田成徳
○濱田政府委員 お伺いしますが、この問題と申しますのは、どういう電力で、どういう周波数で、いつ何時間やるか、そういうことについての相談でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/125
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126・森本靖
○森本委員 私が聞いておるのは、そういう具体的な協定はやはり政府間同士でやると思うのですよ。それを実際に実行するのはNHKだと思うのです。だからそういうふうなところの当事者はだれとだれが話をしておるか、これを聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/126
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127・濱田成徳
○濱田政府委員 具体的な細目につきましては、米軍とNHKの当事者でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/127
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128・森本靖
○森本委員 そういうことは私はちょっとおかしいと思うのですよ。いわゆる米軍と政府との間において、こうこうこういうことをやるということをきめて、それをやりなさいというふうに日本政府からNHKに言うのじゃないのですか。そうじゃないのですか。NHKが直接出ていってやるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/128
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129・濱田成徳
○濱田政府委員 この問題は電波監理委員会当時から問題でありまして、責任はむろん政府にあることは明瞭でありますが、実際問題といたしましては合同委員会から依頼されたのだろうと思いますが、NHKの当事者と米軍の間で話が進められておるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/129
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130・森本靖
○森本委員 NHKは政府機関でも何でもないわけですからね、間違いがないように。こういう行政協定によるところの取りきめ、その内部における日米合同委員会の通信部会というか、何というか知りませんけれども、それにおいてきめる場合は、あくまでもこれはその電波を監理するところの郵政省の政府委員と、それから米軍との間にがきめる。その場合にNHKが参考に、はたに出ていっていることは何ら差しつかえない。しかし具体的に話を取りきめるのは、そういうものがきめる。それを実際に実行に移すのはNHKじゃないのですか。どうもおかしいと私は思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/130
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131・濱田成徳
○濱田政府委員 今の御趣旨は私は同感であります。責任は政府にありまして、政府側がとるべきものと思いますけれども、従来の慣行では、米軍が占領時代から成り行きだったのかと思いますが、NHKと米軍がやっておったわけであります。詳細につきましては、よく取り調べましてお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/131
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132・森本靖
○森本委員 私はここで特に注意を喚起しておきたいのですが、こういう従来の慣行が日本にあるから悪いのですよ。今や日本は占領下ではない。はっきりとアメリカとも一応、これはわれわれは不満であるけれども条約を結んで、協定を結んで、完全に一応の法体系としては独立をしている国なのです。それが従来の占領下における慣行をそのままやるということは、これは見のがしがたい事実なんですよ。そういうことをやっては困る。これはやはりあくまでも、この協定の内容についてどういうふうにするということは、はっきりと日本政府と米軍とがこれをやって、そうしてそれを実際に実行に移すのはNHKです。だからNHKの当事者が、その会談のときに、それは自分のところでどうせやらねばならぬことで、あとで郵政省から指示を受ける場合に参考になるからというので、一緒に行って聞くなら差しつかえないけれども、そういう話し合いはあくまでも政府と相手方がやっているのでしょうが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/132
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133・濱田成徳
○濱田政府委員 全くその通りでありまして、日本政府を代表する日米合同委員会の委員長が責任者となって、この話が進められたものと考えております。しかし具体的の細目については、以前からやったことをそのまま応用したというのだろうと思うのでありまして、決して昔からの惰性でそのまま動かされたということではないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/133
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134・森本靖
○森本委員 そうは申しても、これははっきり占領下における慣行というものをこの際是正すべきなのですよ。こういう問題は日本政府と相手方とがはっきりと話し合いをして、NHKはそれをただ単に実行に移すだけです。NHKの交渉相手はあくまでも郵政省である、こういうことがほんとうでしょうが、その点はどうですか。あるいはNHKが日本政府の代表みたいな格好になって出ていくのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/134
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135・濱田成徳
○濱田政府委員 郵政省はNHKを代表して、そうして事に当る任務があるということは明白であります。日米合同委員会は外務省が委員長を引き受けて米軍と折衝しておるのでありまして、郵政省は外務省と協議して、そうして適当なる措置をとるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/135
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136・森本靖
○森本委員 あなたの答弁では、さっぱり私はわからないのです。これはさっきからも言うているように、日本政府と向うさんの方でいろいろな問題についてははっきり話し合いをして、そうしてその話し合いをしてきたものを郵政省が今度はNHKに対して、こういふうにやるべきであると指示するのがほんとうでしょう、まずそこから聞きたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/136
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137・濱田成徳
○濱田政府委員 その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/137
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138・森本靖
○森本委員 それを今はNHKが直接出ていって、そういう話を聞いているということでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/138
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139・池田幸雄
○池田参考人 NHKがこの契約ができる、あるいはしなければならない根拠は、先ほど申し上げましたような行政協定の電気通信に関する付属協定に、法的な根拠があると私は思っております。現実にそれをもとにして、われわれはその当時から——今だったら民間放送もたくさんございます、その当時はNHK一つしかなかった、この行政協定の付属協定ができましたときはNHKだけしがなかったわけでございますから、その協定に基いてアメリカ軍とNHKは調達の契約をしておるわけです。そして周波数とか電力であるとかいうのは、その契約の内容になっておるというふうに承知しているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/139
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140・森本靖
○森本委員 それからこういうふうに放送するということは、韓国並びに北鮮は承認しておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/140
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141・濱田成徳
○濱田政府委員 その点はわかりませんが、おそらく米軍が自分の意思でやっていることなのでありまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/141
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142・森本靖
○森本委員 米軍の意思においてやっておるにいたしましても、行政協定においてやっておるにいたしましても、一応これは日本放送協会が放送をしているわけですね。そうすると今の電波の国際的な情勢からするならば、中波でこれを相手方に放送するということになると、相手方の国がやはり承認するかしないかということが重要な重要な問題になってきはしないか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/142
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143・濱田成徳
○濱田政府委員 放送をやっているのは米軍だけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/143
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144・森本靖
○森本委員 米軍がやっておるから、かりに国際的な紛争が出た場合においても、わしらの方は知らぬということですか。実際の係員は日本人であって実際にこれを運営しているのはNHKが運営して放送しておる、こういうことでしょうが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/144
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145・上林山榮吉
○上林山委員 関連。森本委員の質問に関連して政府にお伺いいたしますが、中共並びに韓国方面から日本に放送されておりまして、非常に混信して困っておるという状態ですが、こういうものについては日本側はこれを承認していいのかどうか、これをあわせてお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/145
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146・濱田成徳
○濱田政府委員 最初に上林山委員の御質問にお答えいたします。中共や北鮮等から日本に向ってなされております放送については、日本側は承認等は何もいたしておりません。協約があってやるというのでもありません。そういうのと同じように米軍は自分の意思でやっておるのでありまして、韓国の承認を得たかどうかは明らかでないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/146
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147・森本靖
○森本委員 これは戦争みたいなものと違って、相手がやっておるからおれの方でもやるということではなしに、こういう電波というものについては、文化的な問題ですから、何と申しましても相手国の了解を得て、お互いに了解をしてやらなければ、お前のところがやるからおれのところもやるということになって、だんだん両方が大電力で放送し合うということになったら、これは混信問題も相当起きてくると思うのです。そういう観点から非常に心配をして、さっきからこの問題について質問をしておるわけです。だから朝鮮語で放送しておるということになると、これは韓国だけではないと思う。五十キロあるならば夜間であるならば相当聞えると思います。北鮮にもある程度聞えると思いますが、その点について向うさんとよく話し合いがついておるかどうかということは、やはり行政協定によって日本がこれを行わなければならぬという義務を持つなら、そこまでちゃんと政府は調べてこれはやるならやりましょうと返事をすべきだと思うのです。その辺どうですか。米軍にまかせてあるから私の方は知りませんとうことでなしに、その協定を結ぶ当事者はあなた方だから、そういう場合は話し合いで明らかにしてから、納得の上においてやるということが必要じゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/147
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148・濱田成徳
○濱田政府委員 電波はあくまで平和的に国際親善のために使うべきものでありますから、相互のよい了解のもとに放送等は実施されるものと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/148
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149・森本靖
○森本委員 なお予算総則の第十三条の内容についてもNHK当局に御質問をしたいと考えます。
それでは本会議の時間もあるようでありますので、私の本日の質問はこれで打ち切りまして、明日また行うことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X01019570312/149
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150・松井政吉
○松井委員長 次回は明十三日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開くごととし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時一分散会
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