1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年四月二十五日(木曜日)
午前十時五十二分開議
出席委員
委員長 松井 政吉君
理事 小泉 純也君 理事 竹内 俊吉君
理事 橋本登美三郎君 理事 廣瀬 正雄君
理事 早稻田柳右エ門君 理事 森本 靖君
川崎末五郎君 上林山榮吉君
齋藤 憲三君 平野 三郎君
粟山 博君 佐々木更三君
杉山元治郎君 志村 茂治君
原 茂君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 平井 太郎君
出席政府委員
郵政事務官
(大臣官房電気
通信監理官) 松田 英一君
郵政事務官
(監察局長) 久保 威夫君
郵政事務官
(簡易保険局
長) 成松 馨君
委員外の出席者
郵政事務官
(事務次官) 小野 吉郎君
郵政事務官
(大臣官房文書
課長) 浅野 賢澄君
日本電信電話公
社副総裁 靱 勉君
専 門 員 吉田 弘苗君
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四月二十三日
委員川崎末五郎君辞任につき、その補欠として
小西寅松君が議長の指名で委員に選任された。
同 日
委員小西寅松君辞任につき、その補欠として川
崎末五郎君が議長の指名で委員に選任された。
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四月二十三日
有線放送電話に関する法律案(内閣提出第一五
三号)
同月十八日
山之口郵便局舎新築に関する請願(伊東岩男君
紹介)(第二八〇九号)
石見町に中継放送局設置に関する請願(櫻内義
雄君紹介)(第二八六〇号)
宮城野町に特定郵便局設置の請願(愛知揆一君
紹介)(第二八九六号)
港町に特定郵便局設置の請願(赤城宗徳君紹介
)(第二八九七号)
の審査を本委員会に付託されれ。
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本日の会議に付した案件
有線放送電話に関する法律案(内閣提出第一五
三号)
郵政事業に関する件
郵政監察に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/0
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001・松井政吉
○松井委員長 これより会議を開きます。
有線放送電話に関する法律案を議題とし、審査を行います。まず政府当局より提案理由の説明を聴取いたします、平井郵政大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/1
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002・平井太郎
○平井国務大臣 ただいま議題となりました有線放送電話に関する法律案について、提案理由の御説明を申し上げます。
近時農山村等におきましては、通話装置を付置した有線放送設備による簡易な電話に関する需用が増加しつつありますが、現行の有線電気通信法の規定によりましては、その適正な規律が困難でありますので、有線放送設備を利用して行う電話に関する業務をこの法律によって許可することとし、その適正な運営をはかり、もって有線電気通信に関する秩序の確立に資しようとするものであります。
この法律のおもな内容について申し上げます。有線放送電話業務を行おうとする者は、郵政大臣の許可を受けなければなりませんが、その許可の基準は、業務地域につきましては、同一の市町村内にあるものであって、その住民が社会的、経済的に相互に比較的緊密な関係を有し、かつその相互間の電話連絡が不便な地域であること。業務を行う者の要件といたしましては、その業務を営利を目的としないものであって、これを適確に遂行するに足りる能力を有するものであること。業務の用に供する設備につきましては、もっぱら通話の用に供するための線路がないものであること等であります。なお許可の有効期間は五年といたしておりますが、申請によって延長することができることといたしております。次に業務の運営等につきましては、業務区域外において役務を提供してはならないこと、その他業務区域拡張の許可、契約約款の届出等を規定いたしております。次に許可の取り消し、罰則等、本法の運用に必要な限度における規定を設けてありますが、許可の取り消し等郵政大臣の処分につきましては、聴聞及び異議の申し立ての制度を設けまして、処分の適正をはかるとともに、違法または不当な処分に対する救済をはかることといたしております。なお本法律の附則により、有線電気通信法の一部を改正いたすことにしておりますが、これは有線放送電話業務の用に供する有線電気通信設備と日本電信電話公社または国際電信電話株式会社の公衆電気通信設備との接続を禁止すること等であります。
何とぞ十分御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/2
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003・松井政吉
○松井委員長 本件の質疑は後日行うことにいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/3
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004・松井政吉
○松井委員長 次に郵政事業に関する件、郵政監察に関する件について調査を進めます。発言の申し出がありますのでこれを許します。森本靖君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/4
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005・森本靖
○森本委員 この前理事会を通じまして資料を要求しておりましたので、一応当局の方では明らかであろうと思いますので、質問をしたいと思います。
実はこれは私の選挙区でありますが、高知県の大崎という郵便局で外勤者の久原正隆という人が、昭和三十二年の一月二十一日の午後八時ごろ、保険の募集の途中におきまして転落死亡しておりますが、このことについての状況を一つ御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/5
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006・成松馨
○成松政府委員 ただいまのお話の件でございますが、その局員の所属いたしました郵便局の名称は高知県の大崎局でございまして、局長は山崎重喜という五十才歳になる人であります。職員といたしましては局長のほかに十五名存在しておりまして、死亡した本人は久原正隆という人でありまして、五十五才、動続年数は十四年三カ月になるわけでございます。その事故のために死亡した日といたしましては三十二年の一月二十一日午後八時前後と推定されているのでありますが、その死亡当時の模様といたしましては、三十二年度の保険募集が進捗するためには、みんなでもう少しがんばろうではないかという申し合せをいたしまして、当日も久原君は主事と一緒に募集に出かけることになっておったのでありますが、たまたまその組になっておりました主事の都合のために、本人だけ出かけていって、大崎局から約五キロくらいの場所に行ったのであります。その帰りだと思われますが、たまたま仁淀川という川がございまして、その川に長さ五メートル、幅約二メートルくらいの橋がかかっておったわけでございますか、その橋には別に街灯もなく、その自転車にもランプがついてなかったのではないかと推定されますが、不幸にして墜落して死亡したというのが事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/6
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007・森本靖
○森本委員 その当時労働組合と当局との間には超勤の三六協定が締結されていなかったはずでありますが、この人の当日の勤務時間についてはどうなっておりましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/7
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008・成松馨
○成松政府委員 ただいまお話がございましたように、保険募集の外勤事務につきましては、いわゆる超過勤務並びに休日勤務に関する協定について、管理者側と組合側との間にやや解釈の相違点がございましたために、その解釈がはっきりするまでは時間外超過勤務命令をすることは自粛しようということになっておりましたので、おそらく超過勤務を管理者側として命ずるということはしなかったと思うのであります。当日はたまたま本人は電報配達か何かの仕事を受け持っておったようでありますので、おそらくその日の五時十五分でございますか、その時間で正常といいますか、普通の勤務時間は終ったのではなかろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/8
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009・森本靖
○森本委員 本人がなくなられて非常にお気の毒だし、すでにこの人に対しては公務の補償がなされておりますので、その点についてはそれでけっこうでありますが、ただこういう場合に法的にはどういう解釈をしてやられるかという点です。たとえばこの人はかりに勤務時間が五時ということになっておるとするとらば、八時ごろについては全然その公務についておらないということになるわけであります。ただしそこにその人の勤務時間というものを午後一時から午後九時なら九時までということに当日しておけばそれは問題がないわけです。超勤がなくても保険募集ということはあり得るのであります。その辺が私は非常に疑問に考えますので、その当時のその人の勤務時間というものはどういう形になっておるかということをお聞きしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/9
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010・成松馨
○成松政府委員 その当日における本人の勤務時間といたしましては、ただいま申し上げたような時間だったと推定されるのでありますが、保険募集につきましては、先生もよく御承知のように、夜間募集ということをした方が非常に効果が多いというようなことから、本人も確信があって夜間募集に出かけられたのではないかと思います。その前に、主事を中心といたしまして、本年度の成績をもっと向上させるために、一つ夜間募集に出かけようじゃないかというような相談をしたということも、調査の結果はっきりしたのであります。最初は郵便局長としては知らなかったようでありますが、後に至りましてその事実がわかり、従って超過勤務をしたということを郵便局長としても確認したのではないか、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/10
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011・森本靖
○森本委員 超過勤務を確認をしたということでなしに、超勤はこの日できないわけなんです。だから私が言っておるように、勤務時間を八時半からかりに五時までであるとするならば、それを当日は午後一時から八時なら八時、九時なら九時までというように変えておるかどうかということを聞いておるわけです。なぜ私がこういうことをしつこく聞くかというと、今後こういう夜間募集ということが非常に多いわけです。そうなった場合、その人の補償ということを法的にどう考えるかということで非常に重大であるから聞いておるわけです。現実にほとんど超過勤務を命ずるということはあり得ないわけです。そんなことをしておったら超過勤務手当というものは全然足らぬわけですから、それをどういうふうに法的に処置をしておるかということを疑問に思っておるからただしておるわけです。この日は超過勤務の命令はできないはずなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/11
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012・成松馨
○成松政府委員 お説の通り管理者側といたしましては、超過勤務を命じないということで、管理者側の立場において規制をしておるわけでございます。そのことは、かりに超過勤務の実態があった場合に、その実態についてどうするかという問題とは別ではないかと思うのでありますが、本人がそのように超過勤務をし、しかもまた非常に不幸な目にあわれたというところから、この超過勤務について郵便局長としても承知をいたしたというように考えられるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/12
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013・森本靖
○森本委員 それではあとからその郵便局長が超過勤務を命令した、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/13
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014・成松馨
○成松政府委員 命令したというような確実な意思表示をしたかどうかちょっと不明でございますが、超過勤務の実態をあとになって知ったであろうということは事実のように考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/14
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015・森本靖
○森本委員 私の聞いておるのは、超過勤務の実態を知るとか知らぬということじゃない。公務というものは、一応局長なら局長の命令によって仕事を行なった際にこれは公務なんです。ところが局長がそれを命令するということになれば、超過勤務を命令をするなり、あるいはまた勤務時間を差し繰ってでなければこれは命令できないわけなんです。要するに夜間募集というものは、私的な命令をちょいちょい出してやっておられるので、こういう事故が起った場合に法的に非常に疑義がある。現在これは非常に家族もたくさんおられて、まことにお気の毒の方でありますので、公務災害にかかるということについてはむろん大賛成であります。だから、それをとやかく言うておるわけじゃないけれども、今後こういう問題が起きた場合に、それではかりにこれに反対な者が徹底的にこれを法的に追及していったときに、どう言いのがれをするかということを考えてもらいたい。今後こういう問題がいろいろ起ると思うのです。だから私はそのことをはっきりしておきたい。あなたはさっき電報配達というふうに言われましたが、私の調査では電報配達を当日やっておりません。郵便集配から五時ごろ帰ってきております。この人は郵便集配から五時ごろ帰ってきて、そこで仕事が全部終っておるわけです。だから、そういう場合にこの法的な解釈というものをどう考えておるか。そこで郵政当局としては、この人が公務災害にかかっておるということについては、勤務時間の範囲内に入ることができるように、法的に何らかの処置をとっておるわけです。それはどういうふうにとっておるかということを聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/15
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016・小野吉郎
○小野説明員 お答え申し上げます。当日の状況につきましては簡易保険局長からお答えいたしました通りでございまして、おそらく超過勤務を局長として命じたものではないと思います。主事その他との申し合せの関係で、事業に非常に熱心のため、進んでそういった勤務時間外に保険募集活動に従事しておったと思うのであります。これに対しましていわゆる公務災害、公務上の死亡というようなことにいたしますのは、勤務時間内、外によって分れるわけではないのでありまして、内外を問わずいわゆる公務執行中にそういった不幸の目にあわれた場合には、これは公務上の死亡、このように考えまして、本人にその辺非常に利益になるような取扱いにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/16
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017・森本靖
○森本委員 そういうことになると、これはちょっとおかしいと思うのです。公務というものは一応当該局の局長に責任があると思うのです。それでは自分が勝手に夜の夜中に仕事をしても、やはりそれは公務になるのですか。そういう解釈はもってのほかだと思う。そんなら自分が勝手にどこへでも保険の募集に行くということになった場合、それはいつでも公務になるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/17
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018・小野吉郎
○小野説明員 別段そういった行為を禁止した規定はございません。これが局長が超過勤務として命ずることにおきましては問題はあろうかと思うのでありますが、本人が進みましてそういった保険の募集に時間外に従事するということは、りっぱに公務として成立するわけでございまして、従ってそういった時間外における本人の保険の活動におきまして募集に当りましたその関係は、りっぱに公務上の契約として成立いたすわけであります。今のような公務執行中のそういった不幸に対しましては、その事実に基いて措置をいたしておるのでありまして、勤務時間内外ということによっては区別しておらないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/18
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019・森本靖
○森本委員 それは非常に重要なことですが、そういう解釈は法的の根拠はどこにありますか。——もう一ぺん聞きますが、それでは自分が寝ておって、夜の夜中に思いついてあそこへ行けばとれると考えてさっそく起きていく、それも保険募集の場合はやはり公務になるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/19
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020・小野吉郎
○小野説明員 その辺のところはおよそ常識上の区別があろうかと思います。本人が当該の関係におきまして保険募集に従事いたしましたのは、通常の観念におきましても一般に行われておる例でございまして、りっぱに公務執行中の死亡、このように考えていいのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/20
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021・森本靖
○森本委員 私は本人の問題をとやかく言っておるのではないのです。それでは公務の執行ということは常識で判断するのですか。法的に公務の執行ということのはっきりした規定はないのですか。それならその人が勝手に、これは公務だ、これは公務でないということを常識によって判断する、そういう仕組みですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/21
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022・成松馨
○成松政府委員 公務の範囲をどのように認定するかという問題につきましては、個々の具体的な場合について考えてみなければいけない問題が多々あろうと思うのであります。しかし一応公務と直結したような場合において、もしそういう遭難というような点があった場合におきましては、公務と同じようにと申しますか、公務と見てできるだけの処遇をしてあげたいというのが私たちの考えであったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/22
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023・森本靖
○森本委員 私はそういうことを言っておるわけじゃないのです。私はこの処遇をしたことが悪いとは一ぺんも言っていない。私はこの処遇は非常にいいと考えている。ただしかしそういうことを言っても、ここは国会ですから、少くとも全国的にそういう問題については、ある一定の基準があるだろうと思う。それがないにもかかわらず、そのときどきによってそれを判断する、どうこうするということではしめしがつかぬと思う。それではこういう場合にはこれが公務である、ないということの判断はだれがするのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/23
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024・成松馨
○成松政府委員 一応事務的には主管部門がございまして、事務問題といたしまして、事実の認定等につきましては、当該局の上申書あるいは監察官の調査等、個々の場合によって違うと思いますが、事実関係をはっきりしまして、それを郵政局の人事部を通じて本省の人事部へ持ってくる。これが事務的な手続になっているわけでございまして、事務的な認定については人事部長が一応事務的な決断を下し、上司に伺うという形になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/24
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025・森本靖
○森本委員 この公務の認定というものは最終的にはだれがやるのですか、法的には。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/25
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026・成松馨
○成松政府委員 公務の認定については、法規その他からも、あるいは所属長の命令によってその幅がきまってくる場合が多いと思うのでございますが、ただ保険募集の特性といたしましては、時間内の募集ばかりではなくて、時間外の募集というものも相当行われる場合もあり得るわけでございまして、その時間外の募集について、それをよしとしあるいは悪しとする判断については別の角度といたしましても、そういうようなことによって、本人が事業のために非常に熱意を示してくれた結果、たまたま不幸なことがあったというような場合においては、そういう点を十分に考慮しまして、公務と見るか見ないかということについての判断をしてもらいたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/26
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027・森本靖
○森本委員 だから最終的に公務である、ないということの認定を下す者はだれですか。郵政省の責任者は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/27
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028・成松馨
○成松政府委員 普通の観念といたしましては、公務の範囲は、法規あるいはその者の任ぜられておる担務等によって、客観的にきまってくると思うのでありますが、個々の場合といたしまして、なかなかその辺の関係が微妙であって、認定をしなければならぬという事態も発生してくると思います。そういう場合の認定につきましては、災害との関係についていえば、先ほど申し上げましたように主管部としては人事部の方で取り扱っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/28
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029・森本靖
○森本委員 いや、私の聞いておるのは、最終的にその人事部なら人事部の——郵政局の人事部長ですか、それとも本省の人事部長ですか、その認定をする最高の責任者は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/29
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030・成松馨
○成松政府委員 公務によって死亡したという災害死につきましては、本省の人事部の通達その他によりまして、郵政局の人事部長が認定をいたす場合が多いと思いますし発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/30
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031・森本靖
○森本委員 そうすると、これは当該局長の上申によって人事部長が認定をするわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/31
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032・成松馨
○成松政府委員 問題の中身によるわけでありますが、たとえばただいま具体的に問題となっておりますこの点について、果してこれを公務死と認めるかどうかという問題については、おそらく本省の人事部から一定の基準が出ておると思いますが、松山郵政局の人事部、あるいは松山郵政局長と申し上げた方が適当かと思いますが、松山郵政局で認定することになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/32
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033・森本靖
○森本委員 それでは公務の範囲の認定の基準を示してもらいたい。常識の範囲内でやるということになるとちょっとまごつくと思いますので、その認定の基準を示してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/33
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034・小野吉郎
○小野説明員 およそ公務の範囲は郵政省設置法に規定してありまして、郵政省所管の業務、これがいわゆる公務でございまして、具体的にそれが果してそれに当るかどうかは事実認定の問題でございます。法の解釈と、同時にその行為が郵政省所管の公務であるかどうか、これは第一次的には当該郵便局長が認定いたします。さらにそういう事柄に付随いたしますいろいろな身分上の処置等の関係におきましては、そういう権限を持っておるところにおきまして、その郵便局長の認定が正しいかどうかを第二次的に審査をいたす、こういうようなことに相なります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/34
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035・森本靖
○森本委員 その郵政省設置法にある郵政省の業務が公務であるということぐらいはわかっておるのです。そういうことを聞いておるわけではない。そういう業務をやった場合に、その業務を命令されないのに、従業員が勝手に自由意思によってやった場合もこれが公務になる、その公務になる場合は常識によって判断する、こう言われたと思う。そう簡単に当該局長の常識によって判断せられては困るので、その認定の基準があるならその基準を示してもらいたい、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/35
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036・小野吉郎
○小野説明員 公務であるかどうかは、そういった郵政省設置法関係の解釈によって出てくるわけであります。ただいまのそれが勤務時間内であるか外であるか、局長としてそれを命じ得るものであるかどうか、こういう問題は別でありまして、ただいまとりましたような措置は、公務執行中の死亡であれば、それに対する応分の利益のある措置を講じておるわけでございまして、決して公務の勤務時間内とか外とかでそういう区別が生ずるわけではございません。ただ公務執行中の死亡ということであれば、そのような利益のある措置がとれるわけであります。しかも保険募集のごときものは、その他のものにおきましても、必ずしも勤務時間を離れては全然やってはいけない、こういうふうな建前になっておらないのでありまして、これは労働関係上三六協定等がなければ、そういう超過勤務を局長として命じ得ないということになっておるだけでありまして、やってはいけないというような根拠はないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/36
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037・森本靖
○森本委員 私が聞いておるのは、そういうところの業務について、一体どこまでが公務であるか、公務でないかということの判断を下す場合の一つの基準があるだろう。その基準を一つ示してもらいたい、こういうことですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/37
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038・成松馨
○成松政府委員 公務の基準と申しましても、結局個々の職務によって違うわけでございますが、ただいま問題になりました保険関係だけについていえば、いわゆる募集ということについて考えてみますと、いろいろ官から交付された式紙、物品等を持っておるとか、その他まっすぐに局から出てどこそこへ行くといったようなことがはっきりわかっておるときには、それを一応公務執行中と見ていいのではなかろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/38
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039・森本靖
○森本委員 だからそういうのは一つの基準というものがあるのですか、ないのですか。なければないでいいのですよ。あればあるということで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/39
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040・成松馨
○成松政府委員 一応同じような状態であっても、非常に微妙な問題でありますので、こういうような場合については公務として考えてよろしいという一応の基準はあると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/40
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041・森本靖
○森本委員 だからその基準を一つ示してもらいたい。なお今ここになければあとでその基準を資料として御提出を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/41
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042・成松馨
○成松政府委員 抽象的な、通達に類似した基準は出ておると思いますが、その点なお詳細に調べてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/42
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043・森本靖
○森本委員 私がなぜこれだけしつこく聞くかというと、この局は昨年現在の組合を脱退をして第二組合へ入っておる。しかも当該局長がそれを扇動してやった局なんです。そういうことをやるととたんに、この夜間募集を毎日やらされておるというのが現状なんです。私はこの保険の募集ということをそんなにやってはいかぬと言ったことは一ぺんもないし、また保険の募集は事業の観点から大いに奨励すべきであると考える。しかしこういうふうにむちゃくちゃに強制してやらすことはどうかと思うのです。私はあしたでも予算委員会において、こういう問題について、さらに保険の基本的なあり方についても追及をしていきたいと思いますから、この問題はきょうはおきます。
そこでこういうようなところになると、こういう場合に無理をしてでもなるべく穏当に処置をする。ところがそうでない局については、今度は逆に全然こういう恩典に浴さしめない、こういう例が今まで事実あるのです。それで私は過去十何年間やってきたが、そういう場合にこれをぜひこういう恩典に浴さしめるようにということを何回も何回も交渉して、初めてその恩典に浴さしめるということがしばしばあったわけです。だからそういうところの不公平が出てくるのです。常識の判断によるということになると、当該局長の報告によってほとんどなされる。同じような仕事をしておっても、当該局長のきらいな者はその恩典に浴さしめない、当該局長の言う通り聞いておる者については常識の判断によって恩典に浴さしめる、こういう不公平が出るおそれが多分にある。現に今まで出ておるのです。だから私はどなたであろうとこなたであろうと、そういう仕事をした場合においてはそれを公務死にして災害補償にかけてあげるということは、同じ部内者としてもっともだと思う。そういう点が非常に心配になるので、私はあえてこれを追及しておるわけでありまして、それ以外に別に他意はないわけです。常識の判断によってそういう場合でも公務死としてやれるということを次官が言明をせられたので、そういうことならばそういうものを全従業員に、きらいであっても好きであっても公平に当てはまるようにやってもらいたいということが、この問題における私の追及の趣旨であります。なおその基準をあとから資料として出していただいたならば、十分にまた検討して質問をしたいと思います。それからなおこれは主事の方が局員を集めて、何月何日から夜間募集をやるということをきめてやっておりますが、こういう山奥では事故になりがちな点が相当多いのです。大崎という局はほとんど山で、道もこのくらいの道しかない、片一方はほとんど断崖絶壁という道ばかりだ。こういうところでとにかく夜間募集を十日も二十日もやらされたのではかなり参ってしまう。それでも局長も言うし、やむを得ず——あるいは自分も行ったら若干手当を取れるかもしれぬからやりたいということもあるかもしれぬが、しかし半分は局長の強制的な意思によってやむを得ずやろうというのが、今の従業員の実際の心情だろうと思うのですよ。それでもある程度事業のためということでやっておるのじゃないかと思うのですが、ここで私は特に保険局長からこの夜間募集の点について忠告をしてもらいたいのは、特にこういう交通の不便な山間僻地等において夜間募集をやるという場合には、こういう危険性を十分に考えて、決して一人では行かないように、これなんかも初めは二人で行くということにはなっておったけれども、しまいには一人事故があって一人で行っておる。こういう山国で一人で行くということは非常に危険です。しかもこれは現金を持っていくわけだから、そういうことを十分考えて、もし夜間募集を自発的にやるとしても、それに対するところのこまごまとした注意を与えてやるということが親心だと思う。そういう点を保険局長の方としては十分考えて、下部の方に対してそういう面のこまかい指導をしていただきたいと思うのですがどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/43
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044・成松馨
○成松政府委員 ただいまの御忠告まことに当然のことと思います。近く私どもの方でも保険部長会議を開きますので、夜間募集のあり方と申しますか、もし自発的にやるような場合でありましても、いろいろ注意すべき点等については、よく保険部の方面でも指導してもらいたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/44
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045・森本靖
○森本委員 それからこの保険募集について、電話の交換手あるいは為替貯金の係が、山国において二十日も三十日もみずから進んでその募集をやるということは、現実問題としてとうていあり得ない。これは上の局長の方から見ておるとそういうことはあり得ると言いますが、実際局員としてはそんなことはあり得ない。私は十何年間おったのでありますが、進んで夜間募集に行ったことは一ぺんもない。その他の局員に聞いてみても、夜間募集に行くということは絶対にない。(「熱心でなかったんだ」と呼ぶ者あり)熱心でなかったと橋本さんがやじられるけれども、下部の局員においてそういうことは絶対にあり得ないのです。保険募集の専門員なら別ですが、実際問題において電話の交換手をやって、一日宿直をやってあくる日の明けに夜間募集をみずから進んでやるということは絶対にあり得ない。けれども、やいやい言うからやむを得ず行こうという考え方が非常に多いのですよ。だからこの点特に強制にわたらぬということを、あなたの方からもくれぐれもよく忠告をしてもらいたいと思う。その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/45
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046・成松馨
○成松政府委員 夜間募集の問題につきましては、先ほど申し上げましたように公式的な問題としましては、組合との話において三十六条協定の解釈をめぐって双方の見解の相違がありますので、管理者側としては夜間募集をするような強制はしないという話になっておる次第であります。従ってその点については割合下部にも徹底しておるのではないか、このように考えておりますが、なおよく注意したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/46
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047・森本靖
○森本委員 高知の問題についてはこの次に基準が来た場合に、私はほかの例をあげてまだ質問したいと思います。
次に、この前ちょっと質問をしかけてありました三重県青山郵便局の局員稲山嘉孝君ですかが自殺をしております。これについては新聞でも報道されておりますし、いろいろ報道されておりますが、一応の経過はわかっておると思いますので、この経過を御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/47
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048・成松馨
○成松政府委員 ただいまお話の件は三重県の青山局の問題でありまして、局長は竹田浩君、三十一才、局の現在員は局長のほかに二十二名ございます。そのうち外勤員は五名おるわけでございますが、その五名のうちの稲山嘉孝君、二十三才でございますが、この人が三月一日に自殺したという通知を受けておるのであります、稲山君が自殺した原因等につきましては、いろいろ監察官の方でも調査をしてもらったのでありますが、本人が非常に保険募集の実績もなく、本年に入ってまだ一件も募集していないというところから局長の注意を受けて、それを気にしていたというような事実も認められますが、他になおいろいろ事情があるのではないかというふうに考えられる節もありまして、果してどういう原因から自殺したのかということについては、現在の段階では想像程度にとどまる結果になりまして、はっきりした原因はわからなかったようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/48
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049・森本靖
○森本委員 ここの支部のいわゆる従業員関係の組合の方では、明らかにこれは保険募集の強制による自殺であるという態度をとっておるわけであります。それに対して、相当気にしておったことは事実だけれども、それ以外の問題はわからない、こういうふうに言われておりますが、それ以外の問題というのはどういう問題ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/49
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050・成松馨
○成松政府委員 なくなった当人のことを申し上げることになりましてまことに悪いと思うのでありますが、いろいろ過去に——たとえば三十年度でございましたか、十日間ばかり無断で役所を欠勤したこともあるようであります。その当時、その原因は多分借財を気にしたものではなかろうかといったような話もありまするし、また昨年の九月ごろでございましたか、今回自殺する際に使いましたブロバリンを買っておって、その日の挙動を母親から不審に思われて、その薬を母親から取り上げられた。あるいはまた本人は非常にマージャン等が好きでありまして、相当ためておった金もそのためでございましょうか、すっかり使ってしまったというようなこともありまするし、また遺書とははっきり申し上げかねますけれども、本人が死んだ際にまくら元に置いてあった便せんに書いて破ってあったかまるめてあったものにも、別に保険募集ということはうたってなくて、むしろ他の事情によるのではなかろうかと思わせられるような点が書きつけてあったそうでございます。結局推量の範囲でございますけれども、いろいろそういうような点で気にしている問題がほかにもあったのではなかろうかという想像がされるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/50
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051・森本靖
○森本委員 そこでそれでは具体的にお聞きいたしますが、この局長は、今年令はわかりましたが、勤続年数はどのくらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/51
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052・成松馨
○成松政府委員 ちょっと記録にとりませんでしたのではっきりいたしませんが、私の聞いたところでは、二十四、五でございますか割に若いときになって、現在でも若いのでございますが、少くとも七、八年くらいになっておるのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/52
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053・森本靖
○森本委員 私の方の調書では、あなたの今言われた遺書ですか、そういうものも全部あるわけです。そこで順序を追って聞いていきますが、この人が自殺をされたのが本年の三月一日、そこで二月の十八日に、この局長から本人に対して、二月の末までの間に五十万円の保険募集を行え、そういうことでこの局長に保険募集見込み調書という誓約書みたいなものをとられておりますがその事実を御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/53
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054・成松馨
○成松政府委員 本年当初の出発といたしましては、当該局におきましても、前年と同じように個人別の割当はしなかったようでありますが、二月の十八日ころでございましたか、今月中に各人にどのくらい達成できる見込みがあるかということを書かしたということについては、監察官の報告によっても承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/54
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055・森本靖
○森本委員 こういう保険募集見込み調書という誓約書をとることは、これは一種の強制じゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/55
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056・成松馨
○成松政府委員 この表題の上で誓約書とうたっていたかどうか存じませんが、仕事をやる場合に、その中途の段階において、大体今後どのくらいできるであろうかということを本人からとるということは、必ずしも強制というふうには考えられないと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/56
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057・森本靖
○森本委員 そういうことをあなた言うから、保険募集ということについてもめてくると思うのです。それは簡単に何ぼやれるかということでしたら、そんな文書にしてとらなくてもいいのです。口頭で聞けばいい。それをわざわざ誓約書的に刷って、そして判までついて出さすということは、そういうことでいいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/57
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058・成松馨
○成松政府委員 中途の段階においてどのくらいできるかという、聞き方といたしましては、いろいろあると思うのでございます。たまたまその局では本人から書かしたようでございます。ただその際に判を押した者もあり、押さない者もあり、あるいはまた当日自分ではまだ見当がつかぬからといって出さなかった者もあるように聞いておりまして、その際におきましては、私も強制というように考える必要はないのではなかろうかと考えております。ことに前年は、当該局といたしましては、個人別の割当をやっていなかったし、本年に入りましても、当初の動き方としては個人別の割当はやってなくて、ただ中途になってどのくらい今後できるであろうかという本人の見込みを聞いたというようなことでございますし、また監察官の報告書におきましても、本人は二月末までに五十万円、これは保険金でございますが、五十万円くらいやりたいというものを出したのに対して、ほんとうにそんなにできるかということまで言われているような点から見まして、必ずしも強制的な意思があったものとは考えられません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/58
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059・森本靖
○森本委員 大体本人から何ぼとれるということを調書として、しかも誓約書的に出さすというようなことが強制的でないと言われますが、この局長は大体部外からなった局長で、しかも二十一才という若さで、先祖代々親譲りの局長であって、郵政部内の経験は今までないという、特定局長の任用で一番弊害の多い任命の仕方をしているわけであります。しかも二十何名という集配局に対して、二十一才の局長が十年前にでき上っておる。そういうところの局長であるから、平生は非常にこの局長が独裁的であって、この主事が勤続年数三十年にも達するような主事であるにもかかわらず、それに対してちょっとしたことで訓示する場合でも、二時間も自分の机の前に立たせて説教をするというような例が多々出てきているわけです。そういうことで、この局長の前に行って説教をされるときには二時間から三時間くらい大ていやられたというのが、私の方の報告には載っておる。そういうふうな平生の言動からすると、いわゆる今言ったように募集見込み誓約書ですか、そういうものをとるということは、これはちょっと行き過ぎじゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/59
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060・成松馨
○成松政府委員 年度の途中においてどのくらいできるかということを聞くのは、私かなりあることだと思うのであります。それを本人に言わして自分でメモをとるか、あるいは本人に書いてもらうかということは方法論の問題ではなかろうか、こう思うのでありまして、本人の意思としても、そんな強制する意思はなかったのじゃないか、このように考えております。現実にそのときにほかの者も目標額と申しますか、自分がこのくらいできるであろうという数字を出しておりますが、実際はそれ以上できておる人もあったようなわけでありまして、これについて、これが少いとか多いとかいうような査定をしておるような様子もございませんので、強制というふうには認められないと思うのであります。ただ、ただいま御指摘のように、その局長が若くしてなったと申しましても、すでに数年もしくは十年近くもなっておるのでございまして、その間に局長としての訓練も相当積んできただろうとは思われるのでありますが、私どもの聞いた範囲におきましても、多少言葉づかいその他において、あとから見れば気をつける点があるいはあったのかもしれないという感想は受ける次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/60
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061・上林山榮吉
○上林山委員 本問題は、森本君が今御質問になっているのでございますが、局長の説明を聞きますと、大体了承できますが、どうも答弁の中に、そうじゃないだろうかと思いますというようなことがあるので、そういうことではかえって将来の運営に私は影響を及ぼすものだ、こう思う立場からもう少し関連してお尋ねしたいと思いますが、たとえば保険局長が各郵政局なり、郵政局がまた各普通局ないしは特定局なりに具体的に割当をし、さらにその局長がまた具体的にお前これだけやれと、こういう意味のものでは全然ないように考えるのだが、そういうふうに報告を受け、あるいは調査をされているかどうか。それから同時にもう一つは、その局においてばらばらである。今の御報告を聞けば、判こを押して出したのもあれば出さぬのもある、あるいは全然そういうものを出さないのもあった、こういうのであって、何も積極的に具体的に強制をしたものとは、全然今の報告を聞けばわれわれは考えない。こういうものはもう少し明瞭に——これは全国の保険募集に影響を及ぼす問題なんです。士気に関する問題なんです。だから途中において、あるいは初頭において、あなたはどのくらいできるのだ、自分の見込を書いてくれると、事業経営上非常に重要な参考になるのだ、それができい場合は本省として、あるいはその当該局において何かできるような促進策を考えるのだ、そういうような資料にもなっていくわけなのであって、これは狭く物事を考えないで、もう少しはっきりと、局長はこうであったであろうと察せられるとか、こうでありましょうとかいうような言い方は、まだ調査が不十分であればやむを得ないが、何となく受ける印象がはっきりしない。これは全国の保険募集の士気に関する大事な問題なんです、この点は一つ関連質問として私はもう一ぺん御答弁お願いしておきたいと思います。ちっとも私は強制されていないと思っているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/61
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062・成松馨
○成松政府委員 最初に募集目標を打ち立てます場合には、いろいろ地方の郵政局の外務課長、保険部長等を招集いたしまして、大体これくらいやりたいと思うがどうであろうかという相談をいたしまして、保険料目標、保険金目標を設定いたします。それを当該郵政局では各局に割り振る場合に、一定の基準、区内の人口構成とか、経済力あるいは外務員の数等を参酌して各局別にきめます。各局別にきめたものを個人別にきめるかどうかという問題につきましては、当該局の事情等もありまして、局長の自主性によってやらせるわけでございまして、現実の問題といたしましては、局長がその局員と相談をして、これは個人的に非常に能力差のあるものでございますから相談をして、個人別の目標をきめるところもありましょうし、それから小さな局では個人別の目標を立てないで、自分のところの局の目標をもととして、しっかりやってくれということで出発するところもございます。この局におきましては、昨年度におきましては個人別の目標を立てないで、実績は目標以上に到達いたしております。本年度におきましても、当初におきましては個人別の目標を立てておりません。たた先ほどお話のございました二月十八日でございましたか、各人別に二月中どのくらいできるかという見通しを出してほしいということを、主事を通して申しまして、主事から各人別に調書を出してもらったのでございますが、その出し方も、判をついたのもあり、判をつかなかったものがあり、またその日は自分としてはまだ見通しがつかないが、あとから見通しをつけて出した、こういうものがあるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/62
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063・上林山榮吉
○上林山委員 なおただいま問題になっております局員の不幸な死といいますか、そういう問題が保険募集に関連しているという方が強いのか、私はそういうふうに受け取れないのだが、その他の原因の方がウエートが強いのではないか。今局長の説明を聞きますと、マージャンが非常に好きだったとか、あるいは借財が相当多かったとか、その他遺書めいたものもこれに関連をして書いておったとか、そういうようなことを聞きますと、私どもの常識では、これはもう少し調べてみなければわからぬ点もあるかもわからぬけれども、率直に常識的に考えると、そういう方面のウエートが強いように思ったのだが、一つありのままを委員会であろうとどこであろうと、私は率直にお述べになることが、事件の真相をきわめる上においていいのではないかと、こう思うのですが、どちらにウエートがあると、今までの報告を主にしてお考えになっているか、監察局長からでも、あるいは保険局長からでもけっこうでございますが、お答え願っておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/63
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064・成松馨
○成松政府委員 この人は四月の初めごろ結婚をする予定になっておったようであります。そういうような境遇の人が自殺というようなことをするためには、よほど深刻な何か悩みがなければならない、こう考えるのであります。いろいろ監察の方で調べてみました結果、本人は無口でおとなしい性格であり、ほかの外務員諸君が保険募集をやっておるにかかわらず、自分は一件もとっておらぬ、そういう点で、本人自身として保険募集ができないということを相当苦にしておったことは事実であろうと思うのでありますが、先ほど述べましたような点から総括いたしまして、これも死人に口なしと申しますか、非常に悪い言葉でございますが、はっきりしたことはわからないと言った方が穏当だろうと思うのでありますが、客観的な条件から想像されますときには、そういう保険募集だけが原因ではなくて、ほかにもっと本人としては人の知れない悩みがあったのではなかろうか、この方が強いのではないだろうかと私は考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/64
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065・森本靖
○森本委員 そうすると局長の答弁では、大体半分くらいはやはりこの保険募集というものを気にしておったということにはなるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/65
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066・成松馨
○成松政府委員 自殺の心理的な解剖を分量によってどうこうすることは、非常にむずかしいと思います。いろいろな要素が重なり、何かの問題が飛び板となって落ち込むということもあるであろうと思いますが、分量で半分とか半分以上とかいうことはちょっと断定いたしかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/66
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067・森本靖
○森本委員 だからそういうことになるならば、一応これは郵政省としても責任があるのじゃないですか。組合側としてはやはりそういうふうなことで死んだことは残念であると言っておる。いろいろの問題についてやはり総合的に自殺をしたのじゃないかと言われるけれども、それではそのいろいろの問題というのはどういうことですか、それを一つ一つ説明して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/67
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068・成松馨
○成松政府委員 結局本人の気持になってみないとわからないと思うのでございますが、先ほど申し上げましたように昨年十日間ばかり行方不明になったのも、結局は借財がもとでなったというふうに調査されておりまするし、昨年帰宅後非常に憂うつそうな顔をして外へ出て薬屋に行ったのを母親が見ておりまして、不思議に思って尾行して、ブロバリンを買ったのを取り上げておったというような点から、そのころにもやはり何か原因があったようにも想像されまするし、それから今回の、遺書とまで言えるかどうか存じませんが、まくら元にあったメモ等から見て、そういう保険募集の問題には必ずしも触れてなかった、こういう点が先ほど申し上げましたいろいろな条件ということでございます。(「了承了承」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/68
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069・森本靖
○森本委員 了承できない。人一人が死んでおるわけですから、これは非常に重大な問題です。その死人のことについてあばいておるわけじゃない。局長がそういうことをやったから死んだということをわれわれは感知しておるから聞いておる。重大な問題だから私は聞いておる。それで、その他の問題がいろいろあるならば、その問題を明確にしてもらいたい。その問題は借財のことだと言うが、借財だと言うなら、借財がどのくらいあったか、そこまで言ってやらなければ故人の汚名をそそぐことにならぬ。だから借財があったということならば、その借財は一体どのくらいあって、どこから借りておったか、そのことを一つ説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/69
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070・成松馨
○成松政府委員 一昨年無断で欠勤をしました場合には、借財が十万円くらいあったという報告を受けております。当人は十数万円も貯金を持っておったのでありますが、マージャンにこったりなんかいたしまして、その金がなくなっておるというようなことを聞いておりますが、しからば現実に現在どのくらいまで借財が残っておるか、という問題につきましては、今のところ監察官の調査ではその金額を明瞭にするところまではいっていないようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/70
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071・森本靖
○森本委員 そこで私が調べたところでは、借財はほとんどない。その借財の十万円というのは自分の貯金をおろして、その十日間の間にマージャンが好きだったのでマージャン屋で使った、従って現在は借財はない、こういうことになっているのです。私の調査ではその辺が違うので聞いたのですが、あなたの方ではその借財が十万円程度であった、こういうことです。もう一ぺん私の方では調べてみますが……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/71
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072・成松馨
○成松政府委員 一昨年無断欠勤しましたときには十万円ぐらい借財があって、それを後に自分の貯金から支払っているというふうに私どもも聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/72
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073・森本靖
○森本委員 本人はだからその借財については別に気にしていなかった、借財というよりは、本人はその貯金を十万円おろして支払って全然気にしていなかったということであります。もう一つこれで非常に残念なのは、この人が自殺をする直前に局長から五十万円やれ、五十万円が一つもできておらぬじゃないかといって叱責されて、本人は非常にしょげ返っておった、非常にこれについて弱り切っておったということを付近の者が証言しておった。それから数日して死んでいる。どうしてもそれが原因になっているということは事実なんです。ところがそれに対して借財がどうのこうの、特にひどいのは当該局長が本人に対して、この人は身体的な障害があったから死んだんだろう、こういう勝手なことを言っていることですが、そのことについてはお調べになりましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/73
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074・成松馨
○成松政府委員 私どもとしましては、それは強制募集であったかどうかという点にポイントを置いて調べておりまして、身体障害がどうのこうのというところまでは監察官としては調査をいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/74
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075・森本靖
○森本委員 その内容はともあれ、当人がこの保険募集ということを相当苦にしておったということは事実なんだ。これはどなたも否定できない。ただそれが自殺の大半の原因であったかどうかということについては、死んだ方でありますのでわからぬ。わからぬが、それも相当の理由であるということは事実なんです。ところがその事実を隠蔽をせんがために、借財がどうのこうの、あるいはその人の身体障害がどうのこうのということを大きく宣伝するから、片方の組合の諸君は怒るのですよ。当該局長ははっきり新聞記者にそういうことを言っている。そういう故人を侮辱するようなことを言っているから憤慨するわけです。だからその争点がどこにあるかということをあなたの方でも十分お考えを願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/75
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076・橋本登美三郎
○橋本(登)委員 ちょっとそれに関連して。ただいまの森本委員からの質疑応答を聞いておりましたが、いずれにせよ事は人命に関する問題であります。皆さんは非常に多い人を使っているのですから、その間そうした自殺や死亡等についても、一つの理由ではなくて、たくさんの原因が総合されてそういう結果になることが多いだろうと思うのです。その人が何か公金を費消したり、あるいは刑事上に問われるような原因があって自殺をした、こういうことでありますれば、原因が明確でありますから、その点は問題はありますまいが、いわゆる神経衰弱とかあるいは病気とかいう場合になりますと、たとえば身体上の障害が原因であっても、それらにはよって来たる原因が幾多ある場合があると思います。すなわち職務上の勤務の問題でも、今申したような保険募集の問題等いろいろあると思います。そういうことがありますから、一つ大臣から御言明願いたいのですが、これらの問題につきましては、とにかく自分の使っておる子供たちや従業員各位にそうした問題が起きた場合には、常に最善のあたたかい気持を持って、その人の死後の処理を扱ってやる、そういう方針においては変りはない。かつまたそれらの者が組合員であろうと組合員でなかろうと、あるいは第一組合といいますか、全逓であろうと第二組合であろうと、そういうものには区別なく、自分の従業員であるという建前から、最善の有利な立場をもって解決してやる。その方針は従来も堅持し、将来ともに変らないものである、こういう点を言明せられて対処せられるならば、森本委員の質疑というものは十分に理解せられるだろうと思うのです。その点大臣からあらためて御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/76
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077・森本靖
○森本委員 その前に……。何かまだ誤解をしておるようでありますのでちょっと言っておきますが、これははっきりと毎日新聞にも載っておるわけです。当該局長が身体障害とか神経衰弱とかいうことを言っておるわけです。ここに問題がある。しかも稲山君は満足な結婚生活ができないからだであり、結婚を前にしてこれを苦にして自殺した人だ、こういうことを当該局長が談話として新聞記者に言っておる。これは相手方を非常に侮辱したものである。しかもこの人にはちゃんとした婚約者がおる。これは家族にしても、その婚約者にしても、そんなことを言われて黙っておれるものじゃない。そういうことを言っておるので非常に憤慨をしているわけですよ。だから保険募集ということによって、これを苦にしてなくなったということも、これはいなめない事案あるけれども、そのことよりもこの局長のとった態度に対して、従業員は死人にむちを打つものであるというので非常に憤慨をしておるということ、その争点というものをよくわきまえないと、この解決をつけるのになかなかつけにくい。その点を一つ十分に考えてやってもらいたい、こういうことですから、その点は一つ誤解のないように。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/77
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078・平井太郎
○平井国務大臣 橋本先生と森本先生のお話を伺って、本件はまことに気の毒な事件でございまして、いろいろな立場から考え、またいろいろな方面に思いを寄せられることは当然のことでございます。しかしながら今ここでいろいろ死者に対する論議だては、むしろ仏の霊に対しても冒涜するというような事柄にも相なろうかと存じ上げるので、郵政省といたしましては、この問題につきましては十分研究もいたし、調査もいたし、死者に対しましては最善の方法をもって、今後親心という気持を本件には十分適用いたしまして善処いたしたいというふうに存じておりますので、どうか本件についてはよろしく御了解を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/78
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079・松井政吉
○松井委員長 他に質疑はありませんか。——他に質疑がなければ、次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604816X02319570425/79
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