1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年四月二日(火曜日)
午前十一時四十七分開議
出席委員
委員長 相川 勝六君
理事 大平 正芳君 理事 床次 徳二君
理事 保科善四郎君 理事 石橋 政嗣君
大坪 保雄君 大村 清一君
北 れい吉君 田中 龍夫君
辻 政信君 眞崎 勝次君
茜ケ久保重光君 淡谷 悠藏君
西村 力弥君 横路 節雄君
出席国務大臣
国 務 大 臣 松浦周太郎君
出席政府委員
人事院事務官
(事務総局給与
局長) 瀧本 忠男君
人事院事務官
(事務総局給与
局次長) 慶徳 庄意君
総理府事務官
(内閣総理大臣
官房公務員制
度調査室長) 大山 正君
大蔵事務官
(主計局給与課
長) 岸本 晋君
委員外の出席者
専 門 員 安倍 三郎君
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三月三十一日
委員眞崎勝次君辞任につき、その補欠として内
藤友明君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員内藤友明君辞任につき、その補欠として
眞崎勝次君が議長の指名で委員に選任された。
四月一日
委員森本靖君辞任につき、その補欠として中村
高一君が議長の指名で委員に選任された。
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四月一日
恩給額調整に関する請願(米田吉盛君外三名紹
介)(第二五三五号)
同(植村武一君紹介)(第二五三六号)
同外二件(河水敏夫君紹介)(第二五三七号)
同(高瀬傳君紹介)(第二五三八号)
同(辻政信君紹介)(第二五三九号)
同(床次徳二君紹介)(第二五四〇号)
同(福田篤泰君紹介)(第二五四一号)
同外二件(臼井莊一君紹介)(第二五七四号)
同外一件(小島徹三君紹介)(第二五七五号)
同外三件(竹尾弌君紹介)(第二五七六号)
同(千葉三郎君紹介)(第二五七七号)
同(中村庸一郎君紹介)(第二五七八号)
同(福井順一君紹介)(第二五七九号)
同(早稻田柳右エ門君紹介)(第二五八〇号)
同(森清君紹介)(第二六〇〇号)
同(正力松太郎君外二名紹介)(第二六〇九
号)
同(小泉純也君外三名紹介)(第二六一〇号)
同(今井耕君紹介)(第二六一一号)
同(宇都宮徳馬君紹介)(第二六一二号)
同外三件(周東英雄君紹介)(第二六一三号)
同外一件(鈴木周次郎君紹介)(第二六一四号)
同外一件(永田亮一君紹介)(第二六一五号)
同(古川丈吉君紹介)(第二六一六号)
同(眞鍋儀十君紹介)(第二六一七号)
同(前田房之助君紹介)(第二六一八号)
同(八木一郎君紹介)(第二六一九号)
同(江崎真澄君紹介)(第二六四二号)
同(坊秀男君紹介)(第二六四三号)
同(林博君紹介)(第二六四四号)
同外一件(早稻田柳右エ門君紹介)(第二六四
五号)
元樺太特定郵便局長に恩給法適用の請願(
椎熊三郎君紹介)(第二五四二号)
傷病恩給受給者の家族加給に関する請願(加藤
鐐五郎君紹介)(第二五四三号)
同(臼井莊一君紹介)(第二六四七号)
旧軍人関係恩給の加算制復元に関する請願(床
次徳二君紹介)(第二五四四号)
同(福井順一君紹介)(第二五四五号)
同(首藤新八君紹介)(第二五八一号)
同外一件(中馬辰猪君紹介)(第二五八二号)
同(青木正君紹介)(第二五八三号)
同(池田清志君紹介)(第二六二〇号)
同(上林山榮吉君紹介)(第二六二一号)
同(小泉純也君紹介)(第二六二二号)
同(山本正一君紹介)(第二六二三号)
紀元節復活に関する請願外二百二十一件(坂田
道太君紹介)(第二五七三号)
看護職に対する人事院勧告新俸給表是正に関す
る請願(奧村又十郎君紹介)(第二五八四号)
積雪寒冷地関係諸給与の改善に関する請願(田
中彰治君紹介)(第二五八五号)
旧海軍特務士官及び准士官の恩給是正に関する
請願(坂田道太君紹介)(第二五八六号)
返還財産金十丸の損害補償に関する請願(上林
山榮吉君紹介)(第二六二四号)
傷病恩給増額に関する請願(臼井莊一君紹介)
(第二六四六号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
一般職の職員の給与に関する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出第八五号)
特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正
する法律案(内閣提出第八八号)
防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(
内閣提出第九一号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X02619570402/0
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001・相川勝六
○相川委員長 これより会議を開きます。
一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の三法律案を一括議題といたします。
三法律案につきましては給与に関する小委員において御検討を願っておりましたが、小委員長より小委員会における審議の経過等について報告をいたしたいとの申し出があります。これを許します。大平正芳君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X02619570402/1
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002・大平正芳
○大平委員 給与に関する小委員会における審議の経過と結果を御報告申し上げます。
給与小委員会は去る三月二十二日委員八名をもって設置されたのでありますが、委員各位の熱心かつ周密なる御審議と政府並びに人事院側の理解ある御協力を得まして、きわめて短期間に所期の成果を上げることができました。この点につきまず関係各位に深厚なる謝意を表明したいと思います。
最初の小委員会は去る三月三十日開会いたしまして、現行給与法でいく場合と今回の改正法案でいく場合とを比較検討いたして現在及び将来にわたり現行法よりも不利と思われる問題点を摘出し、それらの問題点に関し政府側より詳細な資料の提出を願い、それに関する説明を聴取いたしました。さらに翌三十一日及び四月二日の両日引き続きこれらの問題点につきさらに周到な検討を加えて参ったのであります。
以下問題になりました諸点について簡単に御説明を申し上げます。
まず第一点は、給与体系に関するものでありまして、改正法案は職能給に偏向し、生活給的要求を軽視する傾きありとして、むしろ現行法に見られるような通し号俸制を踏襲し、かつ俸給の号俸金額が同じである者については昇給期間もまた同じくすべきであるという意見がありました。これに対し、改正法案は現行法とそれに基く運用上の規制をそのまま合理的に拡大したものであって、精密なる職能給でもなく、生活給的要求を退けたものでもない。従ってそのような通し号俸制の採用は、現在の給与秩序を根本的にくつがえす結果になるから賛成いたしかねるという反対意見がありました。
第二点は、俸給表の種類についてであります。現在中央官庁、地方官庁の別なく一般俸給表一本で運用を行なっておるにもかかわらず、ことさらに行政職俸給表を二本立にし、あるいは技能労務職俸給表を二つに分解し、さらにそれを行政職と別立てにしておることは、職員に身分上の差別感を与え、勤労能率にも影響するおそれもあるということについては、各委員の間に意見の一致を見ることができました。
第三点は等級についてであります。すなわち、行政職その他一切の俸給表を通し号俸制に切りかえることができないにしても、行政職の五等級、六等級、七等級は、むしろ一つの等級にくくるべきではないか、少くとも六等級、七等級は一つにすべきであるという意見がありました。これに対し、かかる意見は、職務の格づけの実情、他の俸給表との関連、三公社五現業及び民間における給与準則の現状等との比較において、現状より大きい飛躍となり、公務員以外の給与の実態に及ぼす影響が甚大であり、かつ実情に沿わないのではないかとの反対意見が展開されました。
以上は、主として法律またはその付表改正に即した問題点でありますが、さらに給与法の運用面になお相当の問題点が伏在することが、審議の経過とともに明らかとなりました。
その第一は初任給についてであります。今回の改正案によりますと、初任給は他の公社、現業等に比べて低過ぎるのではないか。たとえば郵政現業の初任給については新高本で六千四百円であるが、それを基準に適当な間差を置けば、短大卒は八千円、新大卒は九千八百円程度に引き上げるべきであるという意見がありました。これに対しましては、今回の給与改善は、いわゆるベース・アップ方式をとるものではないから、初任給の一斉改訂はベース・アップの印象を与え、今次の給与政策の根本と相いれないので、原則としては採択できないが、現行初任給基準の不合理な部分を手直しすることは考慮すべきしであるという点につき、意見の一致を見たのであります。
その他、運用面の問題点といたしましては、第一に、科学研究所と大難の人事交流を円滑にし、かつ給与面から研究意欲の減殺にならないようにするために、研究職の格づけに適当なる措置を講ずべきであること、第二に、現在の頭打ち、またはワク外号俸該当者を現状より不利にならないように格づけすること、第三に、主として下級者における高度の技能を持った者、あるいは高度の管理職能を持った者等を行政職俸給表の(1)に格づけすること等であったのであります。
これらに対しては、人事院においてその格づけ上適切なる措置を講ぜられたいとの要請が各委員からなされ、人事院側よりも、その要請の線に沿って適切なる措置を講ずる旨の回答がございました。
また旅費法の運用についても、同様の要請が委員側よりなされ、政府側より、現行より不利となる面については適切なる措置をとる旨の回答がなされました。
以上が問題になりました諸点並びに意見の要約でございますが、その結果、各委員の間において意見の一致を見た事項を申し上げますと、次の通りであります。
給与に関する小委員会決定事
項
一、俸給表については、行政職と技能職をそれぞれ一本化し、技能職俸給表を行政職俸給表(二)とすることとし、その内容は別表のとおりとすること。
二、初任給については、新行政職俸給表(一)及び(二)につき新中卒は二百円、新高卒は三百円をそれぞれ引上げ、他の俸給表については、これとの均衡上必要な引上げを行うこととし、その内容は別炎のとおりとすること。
三、その他新給与法の運営については、本委員会における審議の経過にかんがみ、人事院は次のとおり措置せらるることと了解すること。
(イ) 一般係員で現在六級以上の者は、新行政職俸給表(一)の七等級への格付を原則とする。
(ロ) 翻訳職、専用職等組織上の役職名のない職員で現在十一級の者は、その職務内容に応じて新行政職俸給表(一)の四等級へ格付ける。
(ハ) 研究職員で部長、課長、室長等の役職名のない職員についても、その研究業績、職務内容等に応じて研究職俸給表の四等級以上の等級へ格付ける。
(ニ) 新行政職俸給表(二)に該当する職員で、鑑定、摸写、工芸品製作、欧文ステノタイプその他高度の特殊技能を有する者及び特に規模の大きい官庁における配車係長その他技能関係の高度の管理的業務に従事する者は、新行政職俸給表(一)を適用させる。
(ホ) 機器の運転操作その他技能を必要とする業務に従事する職員で現在六級以上の者は、新行政職俸給表(二)の三等級べの格付を原則とする。
(ヘ) 前各号の外これらに準じて取扱うことを適当と認められるものについては、格付上十分考慮する。
四、改正旅費法中現行より不利となる部分であって特に考慮を加える必要があるものについては、政府はその運用十分考慮せらるること。
なお、別表は、速記録に掲載していただくことといたしたいと存じます。
こういう小委員会の決定事項を得たのでございまして、これを本委員会にわいて御採択の上委員会の御決定にしていただきたいと存じ、ここに御報告かたがたお願い申し上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X02619570402/2
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003・相川勝六
○相川委員長 これにて給与に関する小委員長の報告は終りました。
ただいま報告のありました小委員会の決定事項その他に関する具体的取扱い方法につきましては、理事会においし協議することといたします。
次会は明後四日木曜日午前一時開会することとし、本日はこれにて散会いにします。
午前十一時五十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X02619570402/3
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