1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年四月十九日(金曜日)
午前十一時三十七分開議
出席委員
委員長 相川 勝六君
理事 大平 正芳君 理事 床次 徳二君
理事 石橋 政嗣君
宇都宮徳馬君 大坪 保雄君
大村 清一君 北 れい吉君
辻 政信君 船田 中君
眞崎 勝次君 稻村 隆一君
木原津與志君 下川儀太郎君
西村 力弥君
出席国務大臣
国 務 大 臣 大久保留次郎君
出席政府委員
行政管理政務次
官 楠美 省吾君
総理府事務官
(行政管理庁管
理部長) 岡部 史郎君
委員外の出席者
専 門 員 安倍 三郎君
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四月十八日
紀元節復活に関する請願外三十三件(纐纈彌三
君紹介)(第二七八五号)
同外三十一件(纐纈彌三君紹介)(第二八一五
号)
同外十五件(纐纈彌三君紹介)(第二八四九
号)
恩給額調整に関する請願(小林かなえ紹介)(第
二七八六号)
同(助川良平君紹介)(第二七八七号)
同(高村坂彦君紹介)(節二七八八号)
同外一件(粟山博君紹介)(第二七八九号)
同(春日一幸君紹介)(第二八三七号)
同(佐々木更三君紹介)(第二八三八号)
同外一件(田中利勝君紹介)(第二八三九号)
同(八百板正君紹介)(第二八四〇号)
同(清瀬一郎君紹介)(第二八四七号)
同(廣瀬正雄君紹介)(第二八四八号)
同(大石武一君紹介)(第二八六一号)
同(河上丈太郎君紹介)(第二八七四号)
旧軍人関係恩給の加算制復元に関する請願外二
件(松山義雄君紹介)(第二七九〇号)
同(中馬辰猪君紹介)(第二八六二八一四号)
公務扶助料の受給権に関する請願(竹谷源太郎
君紹介)(第二八四五号)
寒冷地手当等の増額に関する請願(楠美省吾君
外一名紹介)(第二八七九号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
国家行政組織法の一部を改正する法律案(内閣
提出、第二十四回国会閣法第二五六号)
内閣法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
第二十四回国会閣法第一六一号)
国家行政組織法の一部を改正する法律案に対す
る修正案(宇都宮徳馬君外四名提出)
内閣法等の一部を改正する法律案に対する修正
案(宇都宮徳馬君外四名提出)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/0
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001・相川勝六
○相川委員長 これより会議を開きます。
国家行政組織法の一部を改正する法律案及び内閣法等の一部を改正する法律案の両案を一括議題といたします。
この際、大久保国務大臣より発言を求められておりますので、これを許します。大久保国務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/1
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002・大久保留次郎
○大久保国務大臣 この前の当委員会におきまして、私が経過についての説明を申し上げました。それは前々国会以来継続者歳中の行政改革の問題の案の取扱いにつきまして率直に申し上げました。その要旨は、要するにその傍の情勢の変化に応じて、政府と与党の間において修正の方向の固まりました点について、政府の態度をあらかじめ申し上げました方が、御審議のために便宜かと存じまして申し上げました次第であります。この点を御了承願いたいと思いまして、冒頭に一言経過を申し上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/2
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003・相川勝六
○相川委員長 両法律案につきましては、宇都宮徳馬君外四各提出にかかる修正案がそれぞれ委員長の手元に提出せられております。この際、両法律案に対する宇都宮種馬君外四各提出にかかる両修正案を一括議題とし、提出者よりその趣旨の説明を求めます。宇都宮徳馬君。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/3
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004・宇都宮徳馬
○宇都宮委員 国家行政組織法の一部を改正する法律案の修正案について御説明申し上げます。
第二十四国会に提案され、現在本院において継続審議中となっております国家行政組織法の一部を改正する法律案につきましては、自由民主党といたしましては、その後の情勢の推移にもかんがみ、慎重検討の結果、その一部を修正することにいたしました。政府原案は議院内閣制のもとにおける行政の責任体制を確立し、行政事務の管理を強化し、かつ、その能率を向上させるとともに、行政の実情に即応する国家行政組織を定めるために所要の改正を加えんとしたものであります。
同法集のおもな内容を概略申し上げますと、第一に、行政の責任体制確立の見地から、特に必要がある省には政務次官二人を置けることといたしました億かその権限を強化し、あらかじめ大臣の命を受けて大臣不在の場合には、その職務を代行することができることとし、なお、政務次官が二人置かれている省においては、各政務次官の行う職務の範囲及び職務代行の順序について大臣が定めることといたしております。
次に、特に必要がある省には別に法律の定めるところにより、事務次官補一人を赴いて事務次官を助けて当務の一部を総括整理させることといたしております。
なお事務次官補を置くことができる省を事務次官補を設置するための外務省設置法等の一部を改正する法律案によりまして、外務、大蔵、厚生、農林、通商産業、運輸、郵政及び労働の各省といたしております。
第三に、国務大臣を長とする庁には、その重要性にかんがみ特に必要がある場合には、その所轄のもとに委員会または庁を置くことかできることといたしております。
次に、国務大臣を長とする庁には、特に必要がある場合には、内部部局として部にかえて局を置くことができることとし、これらの庁に置かれる次長の権限を明確にして長官を助けて庁務を整理するほか、各部属及び機関の事務を監督させるごととしております。
第三に、行政機関の内部部局について、現在、暫定的に置かれている官房または居中の部を、特に必要がある場合には、恒久的にも置くことかできることといたしております。
第四に、審議会または協議会等について、そのうち臨時的なものについては政令で設置することができることといたしております。
第五に、職の設置についてでありますが、官房、局部または委員会の事務局に特に必要がある場合においては、その所掌事務の一部を総括整理する職または、課の所掌に属しない事務を所掌する職を政令で設けることができることといたしております。
以上が政府原案の要旨でありますが、自民党といたしましてはこの原案に対し若干の修正を行うことといたしました。ここに修正案の主要点を申し上げますと、第一に、政務次官についてでありますが、政務次官を二人置くことができる省を大蔵省、農林省及び通商産業省に限りまして、これを国家行政組織法の別表に掲げました。
その他の点につきましては原案通りといたしております。
次に、事務次官補につきましては種々問題もございますので、この際、削ることといたしております。
次に「国務大臣を長とする庁には必要かある場合には、委員会又は庁を置くことができること」と原案にはなっておりましたが、国務大臣を長とする庁または委員会に、委員会または庁を置くことができることといたしております。これは、国務大臣を長とする委員会を国務大臣を長とする庁と同様に取り扱うを適当としたからであります。
次に国務大臣を長とする庁に置かれる次長についてでありますが、その職務の重要性にかんがみ、また、職務範囲を明確にする立場から、各行と同じように次長にかえて、事務次官を置くことといたしております。
その他につきましては大体原案通りであります。
以上の修正案は、政府が当初提案いたしました改正原案の眼目とするところといささかも相反するものではなく、むしろ行政の現実に一そう即応するものであると考えております。
何とぞ、この修正案によりまして、慎重御審議の上、すみやかに御賛同を賜わらんことをお願いいたします。
次に、内閣法等の一部を改正する法律案の修正案について御説明申し上げます。
第二十四国会に提案され現在本院において継続審議中となっております内閣法等の一部を改正する法律案につきましては、自民党といたしましては、その後における諸般の情勢の変化に即応いたしまして慎重に再検討を行いました結果、原案に対し若干の修正を行うことといたしました。政府原案はかねて政府の企図しておりました行政制度改革の第一次実施の一環として、内閣官房及び総理府の機構の改正を行おうとするものでありまして、同法案のおもな内容を概略申し上げますと、第一に内閣法の改正であります。まず、内閣官房長官の内閣関係の事務の統轄者としての機能は、内閣制度の運営とも直結するもので、その責務の重要性にかんがみ、その地位を強化し、国務大臣をもって充てることといたしております。
次に、主として予算閣僚会議の事務を助けさせるため内閣官房副長官を一人増員することといたしております。
次に内閣官房の所掌事務を総理府の大臣官房の所掌事務から分離し、内閣にかかわる事務は内閣官房において行うこととする機会に閣議にかかわる重要事項に関する総合調整に関する事務及び内閣の重要政策に関する情報の収集調査に関する事務を、内閣官房の所掌事務として明定いたしております。この分離に伴いまして内閣官房に所要の職員を置くこととし、また、内閣総理大臣秘書官は、従来総理府に置かれておりますが、その性質上内閣官房に置くこととしております。なお、これらの職長の属する内閣官房の内部組織等は、政令をもって定めることといたしてあります。
第二に総理府設置法の改正であります。まず、総理府に総務長官及び総務次長を置く規定を加えております。総務長官は、総理府の長たる内閣総理大臣を助けて、府務を整理し、所管の事項について政策及び企画に参画し、政務を処理し、所管の各部局、機関を監督することとしております。なお、国務大臣をもって長と定められている外局の所管の事項は、その長の実質的性格に即して総務長官の職務の中から除くこととしてあります。なお、また、総務長官は、総理府の機構が各省庁に属しない一般的、かつ、特殊な行政を総括所掌する行政機関であり、またその長が内閣総理大臣である等の性格上、これを国務大臣をもって充てることといたしてあります。
次に総務次長は、総務長官の職務を助けることとしてあります。
前述の内閣官房と総理府の大蔵官房の事務の分離に伴いまして、総理府大臣官房の事務の中から、閣議事項の整理その他内閣の庶務を削除しております。
次に総理府の付属機関中、ふ虜情報局及び引揚同胞対策審議会は、現在においてはその性質上厚生省に移管することといたしております。
政府原案の要旨は、以上の通りでありましたが、自民党といたしましては、この原案に対し若干の修正を行うことといたしました。ここに修正案の主要点を申し上げます。
第一に内閣法の改正原案の修正でありますが、予算閣僚会議の設置は今回は見送ることといたしました関係上、内閣官房副長官一人を増員する規定を削ることといたしております。なお、国務大臣の数は現行法上総数が限られており、現在国務大臣をもって充てることとされている行政機関に対してさえ兼任の国務大臣が出ている状況から、内閣官房長官を国務大臣をもって充てることといたしておる原案を漏ることといたしております。
第三に国防会議の構成等に関する法律の一部改正でありますが、従来国防会議事務局は総理府に置かれておりましたが、国防会議が内閣に置かれている性質上、この事務局を国防会議に置くことか適当と考えられますので、そのようにいたしております。
第三に総理府設置法の改正原案の修正であります。総理府総務長官についてでありますが、前述の内閣官房長官と同様の理由に基きまして、国務大臣をもって充てることかできることといたしております。
次に総理府総務次長でありますが、次長という官職名は各省庁におきましては現在広範に使われ、まぎらわしい点もありますし、また内閣官房副長官との関係もありまして、総務次長を総務副長官と改めた方が適切と考えました。
次に、総理府総務長官を国務大臣をもって充てることかできるといたしました関係上、同長官の秘書官の規定を加え、さらにまた、国防会議事務局を内閣に移しました関係から、関係の条文の整理をいたしております。その他につきましては、大体原案の通りであります。以上の修正案は、政府が当初提案いたしました改正原案の眼目としておりますところといささかも相反するものでなく、むしろ一そう行政の現実に即応いたしておるものであると考えております。
何とぞこの修正案によりまして慎重御審議の上、すみやかに御賛同を賜わらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/4
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005・相川勝六
○相川委員長 これにて両修正案に関する趣旨の説明は終りました。
これより両法律案並びに両修正案を一括して質疑に入ります。石橋政嗣君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/5
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006・石橋政嗣
○石橋(政)委員 いろいろとお伺いいたしたいと思うのでございますが、その前に、行政機構の改革に対して、一体現内閣はどういう考えを持っておるのか、全く不明でございますので、この面からただしていきたいと思います。今度の提案に当りましても、先ほど、釈明だとは思うのでございますが、大臣からお話がございました。しかし、これを聞いてもどうもすっきりしないものかある、この手続の面からもすっきりしないものかあるということは、結局この行政機構改革についての現内閣の考え方というものが固まっておらないところに原因があるような気もするわけであります。御承知の通り鳩山内閣は三大公約の一つに、この行政機構の改革を掲げておりました。日ソ交渉、それから憲法改正、それに行政機構の改革上いうものは、鳩山内閣の三大公約だったと思うのでございますが、結局何一つなすことなくついえ去ってしまったという宿命の問題でございます。鳩山内閣以来、石橋内閣、岸内閣と三代の総理が交代されたわけでございますけれども、この岸内閣は、一体行政機構改革をどういうように取り上げようとしておるのか、ここのところが不明確なために、先ほどのような手続の面においてもあいまいなものか出てきたんじゃないか。結局自民党の修正案というものかまだ出されないうちに、大臣から修正案に賛成だ、いわゆる原案否定のような説明がなされておるというようなことなども、この不明確な点から出てきておるんじゃないかと思うのでございますが、まず最初に行政機構というものについてどうしようと思っておるのか。これをやはり相当に検討を加え、改革をしようというようにお考えになっておるのか。特に現在国会において継続審査になっております法案を中心に、一つ大臣から御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/6
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007・大久保留次郎
○大久保国務大臣 行政機構改革についてのただいまの内閣の心がまえ、これは二つの点から考えなくてはならぬと思います。一つは、岸内閣ができます前、鳩山内閣の時代に一つの案を得て、これを議会に提案してこの内閣委員会で、審議中でございますので、この案を一体どう片づけるかという点であります。もう一つは、岸内閣特有の行政機構改革案というものを用意するかどうかという二つの面であります。そこで問題は、鳩山内閣当時に提案しました行政機構改革案でありますが、これは継続審議中になっておるのでありまして、これをまず第一に片つけよう、これを片づけた後にさらに検討してみようというのが大体の方針であります。そこで、ただいま継続審議中の法案をいかに取り扱うかということについては、一つの方針があると思います。一つはこれを撤回してやり直すか、あるいは撤回しないで党の修正にまかせるかという二つのやり方があると思うのであります。内閣としましては相談した結果、党と連絡して、党の修正の形でいこう、そうしてなるべく早く通過し得るものだけやろうじゃないか、通過上にくいのはさらに継続審議にするなり適当な方法をとろう、こういう方針で党の方と終絡連絡を保ち、折衝した結果、今回ただいま宇都宮君から提案になりました修正案の結果を得たような次第でありまして、これを基礎として、できるだけ早く成立を期したいというのか、ただいまの内閣の方針であります。この点御了承をお願いいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/7
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008・石橋政嗣
○石橋(政)委員 党と調整済みのものは今国会中で通してもらいたい、こうおっしゃるわけでありますが、御承知の通り、ほかにもたくさん継続審査になっておる法案があるわけであります。これに対してはどうするのだという明確な態度が当然政府にはあると思うのでございますが、この点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/8
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009・大久保留次郎
○大久保国務大臣 ただいま申し上げました通り、党と連絡して意見の一致した部分だけまずまっ先に通過をお願いしたい。その余のものはあるいは継続審議等しかるべき方法によって適当な措置の方法を考えたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/9
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010・石橋政嗣
○石橋(政)委員 継続審査にするかどうかということは、これは国会がやることなんです。その点まで大臣からとやかくお指図を願わなくても、われわれ委員会で、継続審査にするか、それとも審議未了にするか決定いたします。政府は一体どうなのか、与党と話の合いのついたものは通してもらいたいというが、話し合いの一つかないものはそれじゃもうようございますというのですか、そこのところをお伺いしておるわけです。継続審査にするのか、しないのかということは国会で与野党話し合ってきめることですから、政府はどういうように考えているのかということをお尋ねしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/10
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011・大久保留次郎
○大久保国務大臣 継続審議にするかしないかは全くあなたの言う通り、これは委員会の仕事です。だからそこまでは申しませんが、希望としてはそういうふうにしたらどうかということを言っておるわけです。こちらから決して指図はいたしません。あなたの方の審議権には決して制限は加えません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/11
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012・石橋政嗣
○石橋(政)委員 それでやはり継続審査にしてもらいたいということは、この提案されておる法案については、与党との調整がつかない部分についても原案を支持するのだ、政府はそういう態度なんだ、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/12
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013・大久保留次郎
○大久保国務大臣 さきに申しました通り、すでに提案になっておるうちから、通過しやすいものは通過させる、その後の問題はしかるべく措置をとる、そうして一番初め申しました通り、もしこれが済みましたならば、さらにもっと広く行政機構改革というものを考えなくちゃならぬじゃないか。ことに継続審議中の問題には、内政省の設置問題がございます。あるいは予算閣僚等の問題があります。なおこの議会におきましても、交通省を作れという議論も起っております。いろいろな問題がありますから、これはさらに後日において検討してみたい。そういうときに、同時に解決するのも一策であると考えておりますが、とにもかくにもこの議会においては意見の一致した点だけをすみやかに通したい、こういうのが政府の希望でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/13
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014・石橋政嗣
○石橋(政)委員 与党と調整のついた部分についての御説明を願わなくてもわかったわけなんです。その方は一つ早いとこ通して下さいと政府は考えているんだということは十分にわかりましたから、それには触れなくてけっこうでございます。問題は、与党と調整のつかない法案がたくさんあるのです。この法案は政府はどうしようとしているのか。議員立法じゃございませんよ。これは政府が提案しておられる。国会に審議してくれといって提案しておって、それを通してもらいたいのか、どうしたいのか。もうその原案は実はあまり支持していないんだというのか。そういうことかわからぬようじゃ、国会は全く侮辱されたような気がいたすわけですが、いかがですか。与党と調整のつかない部分については原案を支持するのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/14
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015・大久保留次郎
○大久保国務大臣 初め申し上げました通り、それは調整のつきました部分だけ進行さしていただきまして、その余の点は、私の希望としては、継続審議その他の方法によってやってもらいたい——たいという希望であります。そういう考えを持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/15
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016・石橋政嗣
○石橋(政)委員 通す、通さぬ、継続審議にする、しないは、これは国会に権限があることで、あなたのお指図は願わないと言っているのです。あなたもさっき、それは僕の言う通りだとおっしゃったじゃありませんか。その点はいいんです。われわれが検討します。しかし、国会に政府が提案している法案を、政府はそれと違った考えをほかの部分についても持っているんじゃなかろうか、そういうことでありますと、とんでもないことのような気がするわけなんですよ。継続審査の法案であろうと何であろうと、自分たちが国会に出しておる法案について、もうそんなものは自分たちの現在の政府は支持していないのだということになると問題だと私は思うのですが、いかがですか。内政省設置法については現内閣はあくまでも支持しているんですか。支持してなければ、さっさと撤回するのが筋じゃないんですか。私はそれをお伺いしているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/16
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017・大久保留次郎
○大久保国務大臣 さっきしばしば申しました通り、調整のついた点はぜひ通して下さい。そのほかのものは、希望として申し上げているので、あなたはたびたびかど立てて言われますけれども、あなたを決して指図しませんが、私どもの希望としては、継続審議なりその他のしかるべき方法によって措置してもらいたいという考えを持っております。大体においては継続審議を希望しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/17
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018・石橋政嗣
○石橋(政)委員 それでは具体的に例をあげましょう。現在継続審査になっております法案の中でも非常に大きなウエートを占める法案の一つとして、内政省設置法というものがあるわけなんです。この内政省設置法は、岸内閣はあくまでこれを支持し、成立を期しておる、こういうふうに考えていいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/18
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019・大久保留次郎
○大久保国務大臣 さっき申しました通り、党との調整ができませんものはあと回しにした次第でありますから、もちろん党との調整ができればやりたいという希望は持っておりますけれども、今のところ困難であります。内政省の設置は、従って進行はできぬと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/19
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020・石橋政嗣
○石橋(政)委員 自民党と政府の関係はわかっているわけです。しかし少くとも国会でわれわれが審議するときは、自民党と政府との関係をお尋ねするわけじゃない。国会と政府の関係です。継続審査の法案でありましょうとも、岸内閣が確認して国会に提案している法案であることには間違いないと私は思うのです。内政省設置法にいたしましても、その内政省設置法が与党との調整がつかないから困ったというのならわかるんです。与党との調整がつかないから、これはもう岸内閣としても通してもらわなくてもいいんじゃないか、結局岸内閣はもうこの原案というものは支持できないのだ、そういうことになると私は問題のような気がするのです。国会に提案されている法案、この法案を出した政府自体か支持しないというようなことになったんじゃ問題だと思ってお尋ねしているわけです。だから内政省設置法につきましては、この原案が依然として政府の支持に基くものであるか、そこのところを何度もお尋ねしているわけです。これを解明していただかなければ私は先に進めないと思う。だからこそ、委員会を開かないで理事会でお話願おうと、きのうから私は言い続けているのですが、御説明がない。委員会をやってくれ、質問してくれというから、私はわざわざここで質問しなければならぬ。それで大臣はお困りになっている。これは皆さんの御希望ですから、私が何もいじめようとか、あげ足をとろうということでやっているのではないことは十分御承知願いたい。ほかに法案もありますけれども、内政省設置法という一つの例を私はあげておる。岸内閣は原案を支持していると御答弁願えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/20
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021・大久保留次郎
○大久保国務大臣 政府、与党の話をするのはだいぶおきらいのようでありますけれども、与党及び政府というものは政党内閣においては全く一心同体です。からだ一つでございますから、そこで政府と与党が相談をしまして議事の進行をはかるということは、私はさしつかえないと考えております。この道をとって今日進んでいるような次第であります。そこで議事の進行、議案の進行上、与党との話のつかないのは、進行しても非常に困難です。むずかしいから、このむずかしいものに向ってやれというのは、なかなか無理な話だろうと思う。なかなかむずかしい。できないと思う。そこでまず話し合いのついた、調整のついたものから先に進んでいこう。その他の問題も、もし調整がつけばあるいは御進行を願えるかもしれませんけれども、不幸にして今日においては話し合いがつかないのです。ここでやっても混乱するだけですから、その混乱を避けて、話のついたものを先に進めていこう、こういう考えです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/21
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022・石橋政嗣
○石橋(政)委員 政府と与党が密接不可分ということはわかりますけれども、これは一心同体じゃございません。何かお考え違いしておられませんか。与党と意見を調整して、そうして議会に法案を出してくるということは政党政治の建前です。しかし一たび議会に提案されたものについて、まだ与党と意見が調整されておりませんから、この原案はわれわれ支持しない、こんな理屈はどこへ行っても通りませんよ。意見の調整は国会に出す前にやられることなんであって、出してしまってから、与党と意見の調整ができないから、原案は支持できない、こういう理屈は成り立ちませんよ。(「継続審査だから」と呼ぶ者あり)今継続審査だからと言われたが、継続審査だから、理屈はちょっとおかしいと言えば言えないこともないような気がするかもしれませんけれども、それは私は納得いかない。少くとも継続審査になっておるもので政府が支持できないものがあれば、撤回すればいいんです。撤回もせずにおって、そうして継続審査だから与党と調整のできぬものがあるのは当然だというふうなお考えを持つのは、これは誤まりだと私は思う。だからあなたが与党との間で意見が調整できないとおっしゃるなら、そのできない部分についてはさっさと撤回されるのが筋だ、こう考えているわけである。撤回しない以上は、その原案はあくまでも支持する。与党が承知するかしないかは別です。これは審議の中において与党が承服できぬということであって、あなたまでがそれに巻き込まれて、与党が承知しないから、原案は支持しない、そういうことをおっしゃるのは、これは筋違いというものだと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/22
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023・大久保留次郎
○大久保国務大臣 政府の原案の提出と、ただいままでの間には時間が非常に長くなっているのです。一年有余になっておりますから、一年有余の間において多少思想の変化しているのはやむを得ないと思う。そこで政府においても、与党においても、思想的に多少の変化——考えが変るのはやむを得ないと思うのです。こういう点も一つ考えなければならぬ。もう一つ撤回の話が出ましたが、これは閣議においてその話が出ました。これを撤回すべきか、あるいは与党の修正でいくべきかという話は、閣議の話題になりました。けれども、大体において各閣僚の意見は、これはむしろ与党の修正の形をとるべきであるという議論に一致したのでちります。そこでとうとう調整をはかって、今日こういう案の成立を見た次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/23
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024・石橋政嗣
○石橋(政)委員 私、さっぱりわかりません。私はわざわざ内政省設置法という具体的な例をあげているわけです。これは過去の鳩山内閣以来の、国会側からいえば継続審査になっておる法案であります。しかし岸内閣はこれを受け継いだ。少くとも受け継いだ以上は、この原案を支持しなくちゃならぬ立場にあると思う。もともとは鳩山内閣が出したものであろうとも、現在の政府と国会の関係においては、岸内閣が提案したものになる、私はこう理解する。みずからが提案した法案について、原案と異なった思想を提案者自体が持つということがあり得るだろうかと私は思う。全く理解に苦しむわけなんです。これは与党が賛成できぬということはわかります。しかし、出した本人がその法案に賛成できぬという、こんな理屈があるのでしょうか。給与法の審査は当って、私は、松浦給与担当大臣に修正に応ずるかと何度もお尋ねしたら、提案者として自分は原案を支持します、しかし与野党が審議の過程の中で修正するというならば、それには従わなくちゃなりません、こういう答弁を繰り返しておりましたが、私はそれなりに理屈だと思う、自分が出したものを、つまらぬとか、これは修正してもらった方がいいんだとか、そんなばかばかしいことがあるでありましょうか。みずからは最善のものと信じて提案する、こうなくちゃならぬと思う。継続審査の法案だからとおっしゃるけれども、気に沿わないものなら撤回するという道が残されている。一回出したものはどうにもならぬというのなら別です。それをやらないでおって、与党をどうのこうのと言うことは、言い逃れになりませんよ。政府はあくまでも出した法案の通過を願う。これに対して与党が、いやそれは困る、これは修正するとおっしゃるのなら、与党としてやられて少しも差しつかえない。野党がやろうとかまわぬ。しかし政府みずからが、どうもこの法案はつまりませんから、修正の方がようございます、そういうことを言うことは、絶対に筋が通らないと思います。現内閣は内政省設置法はあくまでも原案を支持いたしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/24
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025・大久保留次郎
○大久保国務大臣 私は、政府のもとの提案に対して反対だという言葉はいまだ一つも使っておりません。反対ではないが、通らぬのは事実ですから、まつ正直に言って、与党の空気から見てこれはむずかしい。だから、通るだけ先に通そうという簡単な理屈を言っているわけです。松浦君はそういう考えを持っているのですが、考も同じなんです。反対だからこれをやめるとは決して言いません。与党の空気がこういう工合で通らぬから、通るもしのだけを先にした。そのほかのものは仕方がないから、あるいは皆さんの考えのいかんによっては継続審議をお願いする、こう言ったのです。私はあなたの考えと私の考えは同じだろうと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/25
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026・石橋政嗣
○石橋(政)委員 同じじゃないですよ。内閣はこの原案が一番いいと思っているのだ、しかしどうも与党が反対するから、通らぬだろう、こうおっしゃるのならわかる。それじゃ、今、国会にかかっておる行政機構改革諸法案というものは原案が非常に正しいと政府は思っている、しかし与党は修正すると言っているのだ、だから、われわれはこれらの通過を期するためには、やむなく修正に応ずるのだ、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/26
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027・大久保留次郎
○大久保国務大臣 初め申しました通り、政府としては一応提案しました。これに反対するという根拠は成り立たないのです。けれども、与党がこれは無理だ、この点はこうしろという意見が多数である以上は、多数に従って進行をはかるのが、政党政治の本則だろうと思う。その本則に従って私はやっているわけです。そこに矛盾はないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/27
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028・石橋政嗣
○石橋(政)委員 野党をお忘れになっておりませんか。国会は与党と野党とから成り立っているのです。ところが与党とだけ調整されるというならば、それは国会外でやって下さい。法案はすでに国会にかかっているのです。それをどうするかは与野党を含めた国会の意思です。私はそこのところがおかしいと言っているのです。国会に提案する前でしたら、十分に与党と意見を調整して出してくる。それは政党内閣の建前です。しかしすでに議会にかかっているものを与党の意思だけで、もう自分たちの意思をひるがえして、原案はつまらぬというふうにきめてしまうということはあり得ないと思うのですが、撤回しない以上、あくまでも原案支持の立場をとるべきではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/28
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029・大久保留次郎
○大久保国務大臣 委員会における与党と野党の話でありますが、これは内輪の話をざっくばらんにこういうふうにさらけ出したわけです。そこで野党ですが、野党はちょうど今盛んにやっているところではありませんか。あなたの意見は十分尊重して聞いていますし、これから皆さんの意見を聞いて修正すべきものは修正しますけれども、いいものは一つ賛成して通してもらいたいと思っているのですから、決してあなたの方を無視したとか、おかしいということはないので、これは公式の立場で言っているのですから、どうか七の点は御了解を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/29
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030・石橋政嗣
○石橋(政)委員 しかし私が一例としてあげております内政省設置法というものについては別に与党の御意見も出ていないわけです。行政組織法の一部改正、あるいは内閣法の一部改正、総理府の設置法の一部改正、これについては宇都宮さんの方から与党の意思は承わりましたから、与党の意思はわかりました。しかし内政省設置法については別に与党は何らの発言もいたしておりません。修正の意見も述べられたわけではございません。その部分については政府は原案支持の立場をおとりになっておられるのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/30
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031・宇都宮徳馬
○宇都宮委員 党と政府の調整の経過を御説明すればいいと思いますので、申し上げます。
これは御承知の通り、鳩山内開当時提案されまして、内閣が二度かわっているわけであります。そして当委員会の御意思によりまして継続審議中の議案です。政府といたしましては自分独自の考えでこれを撤回することはもちろんできません。従って党との調整に入ったわけです。党の意見は、先ほど大久保さんが御説明になったようなことに現在なっているわけです。政府といたしましては、もちろん継続審議法案をどうしようかということを党に聞く以上は、党が内政省もこれはぜひやりたい、予算閣僚委員会もぜひやりたいという態度を明確にすれば、政府としてはやろうというつもりで党に相談したのだ、かように理解しているわけでございます。ですから、政府が内政省設置法案について反対であるとか何とかいうことはないので、前内閣、前々内閣の意思をこの法案については継承しておる。その後事情も変り党内にもいろいろな事態、反対意見等もありまするから、党との調整を継続審議法案について相談された。もちろんすべての法案について党が賛成すれば、これを本国会において押したい、こういう意思を持っておる、こういうふうに私は了解をいたしておる。しかしながら党の方では国家行政組織法、内閣法の一部修正案、それから国家公務員法の改正、経済企画庁設置法の改正という点に現在問題をしぼっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/31
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032・石橋政嗣
○石橋(政)委員 一応党の意見を代表したものかどうか知りませんが、宇都宮議員の発言はそれで聞いたわけです。私は岸内閣のいわゆる意見を聞きたいわけなんです。岸内閣は意見の調整の済まない他の部分について、一例をあげれば内政省設置法というようなものについては、あくまでも原案支持の立場をとっておられますか、これもお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/32
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033・大久保留次郎
○大久保国務大臣 先ほど申しました通り、鳩山内閣当時提案しました内政省設置法はかりでなく、全部の議案に対して反対とは私申しません。反対じゃないのです。ただ与党との調整上進行できませんので、調整のできた部分だけを一つ進行をはかりたいというので、提案に賛成した次第でございます。ですから決して原案に反対とかどうとかは申しません。原案は支持するのが本務だと思っております。ただ進行できないからやむを得ずある部分だけの進行をはかっておるというのか心境です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/33
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034・石橋政嗣
○石橋(政)委員 それでは与党と調整のついた部分については、与党の修正案を支持するのだ、与党と調整のついてない他の部分については原案を支持するのだ、こういうふうにはっきりおっしゃられたらいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/34
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035・大久保留次郎
○大久保国務大臣 その通りであります。そうしてその残った問題についてもあるいは適当の機会において調整ができましたならば、あるいはまた皆さんに御迷惑をかけるかも上れぬ、これはいつになるかわかりません。とにかくさしあたり話し合いがついた部分からお願いしたい、こういうわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/35
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036・石橋政嗣
○石橋(政)委員 先日の予算委員会で、私岸総理にやはりこの内政省設置法についてお尋ねしたわけです。岸さんの答弁も不明確なのですよ。結局内政省設置法——現在提案しておる。継続審査中ではあるが、提案者は内閣になるわけです。この内政省設置法を全面的に支持するというような発言はなかったわけです。ところか今担当大臣からこの原案支持というお言葉が出てきたわけでございますが、そうすると、やはりここで岸総理と担当大臣の間にも食い違いか出てきたと考えられるわけなんでございますけれども、私はそのことを追及する前に、やはり先ほど申し上げておるように、岸内閣というもの自体に行政機構というものに対する考え方、これが確立していないのじゃないかということをつきたいわけなんです。全く自民党まかせですか、与党まかせですか、内閣自体には行政機構に対する何らの識見もない、どうしたらいいのかわからぬ、与党の方に白紙でおまかせいたします。こういうふうに理解してようございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/36
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037・大久保留次郎
○大久保国務大臣 総理と何か食い違いの話がありますが、私はないと思っております。党にまかせるということですが、政党内閣でありますから党と政府と区別するのかすでに間違いです。党も政府も一体になって政権を担当しておるのか政党内閣の建前ですから、二つに区分する点において私は感心いたしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/37
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038・石橋政嗣
○石橋(政)委員 非常におかしいと思うのです。先ほども申し上げたように、私は政党内閣のもとにおいて、与党と政府が密接不可分たということは認めておる。一心同体とはどういうわけですか。自民党の議員さんはみんな行政府の一員でございますか。何かあやまちじゃございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/38
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039・大久保留次郎
○大久保国務大臣 もし同体というのに疑問があるならば、不可分といってもよろしい。どっちでも言葉はいいのですが、とにかく政府も党も一本になって国策の遂行に当るのが、政党内閣の建前であります。政府は政府、党は党と二つに区分することもむずかしい。やはり政府の主張もとり、党の主張もとる。そこはお互いに調整して進むのが政党内閣の建前だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/39
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040・石橋政嗣
○石橋(政)委員 鳩山内閣のときは、一応三大公約の一つに掲げただけあって、とにかく行政機構改革というものについて一つの構想を持っておった。相当大幅な法案も作って議会に提案しておるわけです。たとえはトップ・マネージメント機構の改革、総理府機構の改革、人事行政機構及び運営の改革、予算編成機構及び運営の改革、内政省の新設、行政運営の改善、大きく分けたらこの六つですね。これは非常に大きな問題です。一応この問題を取り上げて、これに取り組もうという意欲を鳩山内閣は示した。結果的には失敗で何もなかったけれども……。とにかく内閣として行政機構というものに対して、一つの識見を示した、こうしたいというものを持っておった。しかし岸内閣には現在それかないのじゃないか。それじゃその一点いかかですか。ないのですか、あったら明確に御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/40
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041・大久保留次郎
○大久保国務大臣 その点は一番先に申し上げました通り、とにもかくにも鳩山内閣のときに、一応成案を得て提案しておるのでありますから、この提案を片づけた後に。さらに岸内閣としての方針をきめて特色を出したいというのかただいまの念願であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/41
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042・石橋政嗣
○石橋(政)委員 このほかにどんなものがあるのか、これだけのことをやろうと思えば大したものです。これもできないでほかに何をやろうというのですか。ごまかす道はなかろうかということなんです。少くとも行政機構改革の法案を、国会に審議してくれというからには、行政機構はどうあらねばならぬか、どの欠陥をどう是正すべきであるか、それくらいの構想は岸内閣にもあってしかるべきだと思うのです。鳩山内閣から継承されておる問題についてでもいいのです。鳩山内閣は今私か読み上げたような、大きく分けて六つの大構想を述べておった。この六つの構想、これに対して岸内閣はどの部分は受け継ぎたい、どの部分はわれわれの考えと異なるというふうに御説明願えませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/42
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043・大久保留次郎
○大久保国務大臣 その点は、先ほど申しました通り、党との協調か必要でありますから、党との協調がついてそれを解決した後に、あなたの満足するような案を一つ作ってお目にかけたいと思っております。あまりあせらないでよく一つ見ておいて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/43
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044・石橋政嗣
○石橋(政)委員 それで内閣にも一つの構想なり識見があって、与党と調整するという方式がある。何ももう与党にまかすから、適当な案を作って持ってきてくれという方法もある。それじゃ大臣のおっしゃるのはあとの方の、内閣には何もないから、一つ自民党与党の方で適当に案を作って持ってこい、それをまるのみじゃ、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/44
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045・大久保留次郎
○大久保国務大臣 決してまるのみじゃないのですよ。政府の案のうちの一部分を、これはもとの力の一部分をとって提案しておるのですから、まるのみというのは、それは少し言い過ぎじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/45
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046・石橋政嗣
○石橋(政)委員 私、行政機構というものを非常に重要視しているわけなんです。非常に大切な問題なんです。それだけに、岸内閣がこの行政機構についてどういう考えを持っているかということを、審議に入る前にはっきりと知りたい。それでなければ、どんなお題目を並べても、何も信念もない、構想もない、識見もない、そういう形の中でこういうものを扱えば、これは単なる機構いじりになるのです。しっかりした骨組みを持ってやって初めて意義があるのであって、何も柱がないのに機構をいじるということは、いわゆる普通にいわれている機構いじりに終る。政務次官を三省に限ってふやすといい、総務長官を作るといっても、ちゃんとした柱がなければそれは完全雇用の一端じゃありませんかといわれて、それでしまいじゃないですか。役のほしい人がたくさんおるから、その人たちに役をやるためじゃございませんか、こう見られてもやむを得ませんですよ。行政機構はどうあらねばならぬかというものを持たすしてポストをふやしてみたりしてもだめだと私は考えるからこそ、この中心をお伺いしているわけなんです。岸内閣には現在のところ行政機構についての確固たる信念、構想がないのだ。あなたがお答えできなければ、総理大臣に来てもらって説明してもらってもようございますよ。ないならばおやめなさい、こんな機構いじりは。ちゃんとしたものを作ってからおやりなさいと私は言いたい。そういう意味でお尋ねしているのですから、何も私は皮肉なあげ足とりの質問をしているのではございませんから、その意味でしっかりお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/46
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047・大久保留次郎
○大久保国務大臣 この点は何べん繰り返しても同じようなことになりますけれども、岸内閣としては、とにかくこの議会に提案されておるのだから、とりあえずこれを片づけよう、そうして自分は自分としての特色を後日成案を得て出そう。まだできないのです。考えてみれば、石橋内閣が倒れて岸内閣になったのはわずか前ですよ。この間に作らせるということは、要求する方が無理だと思う。一カ月、二カ月のうちに成案を得てりっぱなものを出せ、これは少し無理過ぎるじゃないかと思います。もちろん考えはあるのです。考えはあるか、今これをこの議会に出してどんどん進行するまでにまだ至っていないから、そうせっかちでなくて、時間を少しかして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/47
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048・石橋政嗣
○石橋(政)委員 だから私は時間をかそうというのです。ないならば、幾ら引き継ぎの問題たからといって、何もあわてて片づけなければならぬお義理はないじゃありませんか。これはしっかりしたものができるまでちょっと待とう、それじゃ一応撤回しよう、あるいは継続審査してくれてもいい、それで岸内閣にしっかりしたものができてからこの機構の問題に取り組もう、こうくるべきです。私は何も無理を言っているのではない。審議してくれというからには、しっかりしたものを持っているだろう、ないのならば、あわててこんな末梢的なことだけをやりなさんな、こう言っている。ほんとうに取り組もうとお考えになるならば、私たち時間を十分おかしするのです。しっかり検討して、行政機構についての確固たる構想を組み立てて、岸内閣は行政機構についてはこういくんだというものをお作りになってから、法案を作り国会の審議にゆだねる、こういうような道をおとりになるべきじゃありませんか。時間がないからできないんだ、そうおっしゃって、なぜそれじゃこんな法案を審議してくれ、こう言うのですか。いわゆる機構いじりといわれるようなものはおやめなさい。特に今度のように政務次官をふやすとか総務長官を作るとか、いわゆる高級のポストをふやすような形のものかずっと表に出てくるという形で出されて参りますと、何といっても役をふやしたんだろう、与党の議員さんの完全雇用の一端をこれでになわせるのだろう、こういうふうな批判を受けてもやむを得ないことになってしまうのです、しっかりしたものを持っておらなければ。だから、そういうふうなものじゃないんだ、これだけの信念を持ってこれに取り組んでいるのだというものをお作りになってからお始めになった方かようございませんか。国民も、その方がよく理解できて支持を与えるのじゃないだろうか、こう申し上げているわけなんです。だから、時間がないからできないのだとおっしゃるならば、何もあわててこんなものだけを今お急ぎになる必要はないのではないか、こう言っているのです。そこのところは一つお取り違えのないように御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/48
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049・大久保留次郎
○大久保国務大臣 それはしばしば申し上げました通り、意見の相違といいますか、これは鳩山内閣当時に提案になっているのですから、これをまず片つけて、第二番目に岸総理としての機構改革案をこしらえよう一そうして皆さんの御審議を願う、こういう順序になっているのです。あなたはそれをひっくり返して、岸内閣が早く作って、それを一緒にやったらいいじゃないかという御覧なんですが、それも一つの御意見です。御意見として尊重いたしますが、しかし私どもの考えはそうでなく、もうすでに提案になっているのだから、これを先議して、それから後に一つ提案をいたしたい、こういうのですから、意見の相違と申してよいだろうと思いますが、その点は御了解願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/49
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050・石橋政嗣
○石橋(政)委員 あなたがそうおっしゃるならは、この鳩山内閣のときに作った行政機構に対する構想というものは岸内閣はどう見ているのかという御説明が当然なされるべきでしょう。鳩山内閣は一つの識見を持った構想を作っているからこれを片づけたいと大臣がおっしゃるならば、この鳩山構想というものについて岸内閣は、どの点はどうだどの点はどうだというふうにちゃんとしたものを持っていなくちゃいかぬと思うのですが、それもおありにならないようじゃありませんか。あるならば示して下さい。この、鳩山内閣のときにできた問題について岸内閣はどういうふうに考えているのか、それではその点から伺いましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/50
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051・大久保留次郎
○大久保国務大臣 この点もしばしば申し上げたのでありますけれども、岸内閣としても、鳩山内閣のあとを引き継いでできました内閣でありますから、鳩山内閣の案は支持するのです。反対じゃないのです。支持するけれども、与党の多くかこれに賛成でないものならば修正やむを得ない。そこで調整の結果修正して通過の見込みのできた案だけをこの委員会にお願いしたのであります。そういうのか私どものとるべき方向であるし、また現在の心境でありまして、これは前に申し上げました通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/51
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052・石橋政嗣
○石橋(政)委員 それでは、鳩山内閣のときにできましたところの、去年の三月三十日に閣議で決定を見ました第一次行政制度改革要綱というものは、全面的に岸内閣は賛成なんだ、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/52
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053・大久保留次郎
○大久保国務大臣 それを支持します。支持するけれども、進行の上において、進行の困難なものはあと回しにするのはやむを得ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/53
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054・石橋政嗣
○石橋(政)委員 それでは、賛成だというふうに大臣はおっしゃたものとして私は審議を進めたいと思います。なお、この点は、総理にも御出席願ってぜひ私は確認をしておきたい、そうしなければ審議できませんよ。
それではお尋ねいたしますが、この行政機構の改革というものをやるからには、何らかの目的がなくちゃならぬと思う。この、大臣の御説明によりますと、議院内閣制のもとにおける行政の責任体制を明確にする、行政組織を合理化する、こういうふうなことがいわれておりますが、もっと具体的に国民にわかりやすくいえば、行政機構の改革はどういう意義を持っており、これに取り組むほんとうの目的はどういうことだというようなことが、別の言葉でございませんですか。たとえば政党の官僚に対する優位性を確立するんだというような言葉で述べると非常にこれはわかりかいいわけでございます。あなたの言わんとする議院内閣のもとにおける行政の責任体制を明確にするということは、結局政党の官僚に対する優位性の確立だというふうに理解していいものか、そこのところを一つ御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/54
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055・大久保留次郎
○大久保国務大臣 そういう考えは持っておりません。責任を明らかにするというのは、議院内閣制においての責任を明確にしたいというのか主眼であります。たとえば政務次官にせよ、今日の政務次官一人においてはなかなか仕事がふえてきて、政党内閣としての責任を尽し得ない場合がある。ことに議会の会期が長くなり、あるいは臨時議会があって仕事をするのには容易じゃない。そういうためにやはりもう一人ふやして政党内閣としての政策を浸透させるのです。そこを責任をはっきりしていくというためには、やはり次官をふやした方がいいんじゃないか、こういう考えを持っておるような次第であります。
なお人事の機構にしても、やはり今日の人事機構というものは、政府としての責任がはっきりできないのです。憲法には、たとえば国務各大臣は、議会に対して行政事務について責任を負うと書いてある。ところが今日においては人事院が存在する関係で責任を明らかにする方法がない。発言権がない、発言の機会がない、こういうのも不合理です。こういうのはどうしても責任を明らかにするという点において考えなくちゃならぬ点であろう。こういうように思っています。
なお合理化というのもそれと同じでありまして、責任を明らかにするということがすなわち合理化になる。そういう機構を作るということが合理化であろう、こういうような点から考えまして、責任を明確化する。同時に機構を合理化するというような点に重きを置いて考えました次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/55
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056・石橋政嗣
○石橋(政)委員 私は国民によくわかる言葉で一つ説明してもらいたいと思う。そのために政党の官僚に対する優位性という言葉を使ったわけなんです。責任体制を確立するということは、結局内閣の行政把握能力を高めるということなんでしょう。その内閣というのは、あなた先ほどから強調されております政党内閣なんです。あなたか与党と一心同体とまでおっしゃった内閣なんです。その内閣が行政を完全に把握するということが目標であるということは、言葉をかえていえば、やはり政党の官僚に対する優位性の確立ということになりはせぬですか。
あなたが先ほど全面的に御支持になったこの鳩山内閣当時の法案立案の責任者であろうかと思います宇都宮さんの考え方には、私は非常に共感を覚えているわけなんです。たとえばこの中には「しかるに内閣の行政把握力は、現実には必ずしも強いものではない。各省各庁の大臣は、閣議において決定した内閣の意志を、行政官庁に指示することよりも、各行政官庁の縄ばり的利害を、閣内において代表する傾向が、日本においては強い。」こういうことが述べられております。また「現在は、政治が行政に振り廻されている。行政は、多くの場合行政官庁独自の立場で行われ、閣議も国会も行政官庁の要求する法律、予算、政令等を審議しているに過ぎない」いささか極端な表現かもしれませんけれども、現在のこの日本の実情というものを私はややつまみ出しているような気がするわけです。こういうものを是正して、あなたの言葉でおっしゃるところのいわゆる議院内閣制のもとにおいて行政の責任体制を明確にする。私の言葉でいえば結局内閣の行政把握を強化する、こういうところに機構改革の真の目的が置かれてしかるべきじゃないか、こういうふうに思うわけでございますが、今私が申したような点について大臣はどのようにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/56
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057・大久保留次郎
○大久保国務大臣 優先云々という言葉がありましたが、政党も公務員であって、広く言えば日本国民です。国民の一部が代議士になり、政党内閣を組織し、一部は公務員となって働いておる。こういう点から見れば同じですよ。官吏が優先だ、何が優先だとかいう言葉を使って平地に波乱を起すのは希望しない。ただどこまでも合理的に自由主義あるいは平等主義あるいは平和主義のもとに考えていけばいいのであって、無理に何が優先とかこれが優先とかいう言葉を使って挑戦するのは私は好みません。ですからそういう考えでこれはやっておるんじっないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/57
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058・石橋政嗣
○石橋(政)委員 それでは議院内閣制のもとにおける行政の責任体制を明確にするということはどういうことなんですか。これを説明して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/58
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059・大久保留次郎
○大久保国務大臣 政党の生命とするものは政策でありますから、政策を徹底させるような機関を作ることです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/59
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060・石橋政嗣
○石橋(政)委員 それでは今は政党の生命である政策を徹底さすことができないわけですね、そこのところはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/60
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061・大久保留次郎
○大久保国務大臣 徹底することができないわけじゃない、より一そうよくしたいというのが私どもの念願であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/61
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062・石橋政嗣
○石橋(政)委員 それでは関連の方どうぞ先にやって下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/62
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063・西村力弥
○西村(力)委員 私は内容の問題じゃなくて、手続の問題についてちょっとお尋ねしたいのですが、まず第一番に、国家行政組織法の一部を改正する法律案の最後の理由のところを見ますと、「国の行政機関におけるトップ・マネージメントの機構を強化して」と書いてある。トップ・マネージメントというのはどこの言葉ですか。
〔委員長退席、床次委員長代理瀞席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/63
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064・大久保留次郎
○大久保国務大臣 これは多分英語と思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/64
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065・西村力弥
○西村(力)委員 そうすると、日本の国会には英語のわからぬ人は出られない、こういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/65
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066・大久保留次郎
○大久保国務大臣 いや決してそういう制限はありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/66
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067・西村力弥
○西村(力)委員 そういう制限はないとしましても、事実慣用化されていない外国語が、国会で法案の理由の中に出てくるようなことでは、明らかにある程度の英語の素養がなければ、またひょっとしたらドイツ話やロシヤ語が出てくるかもしれぬ。そういう外国話の素養がなければ、国会議員になれないということになるんじゃないですか。そういう点は、少しへ理屈を言うようだけれども、非常にこれは大事なことじゃないかと私は思うのです。トップ・マネージメントということは私にはわかりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/67
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068・岡部史郎
○岡部政府委員 お答え申し上げますか、日本語の法文その他におきまして外国語をなるべく用いないことが望ましいことは当然のことでございますが、世界各国との交流がはなはだしくなるにつれまして、新しい概念、新しい制度ができます場合におきまして、それが日本の事情にかなり慣熟して参るというような場合におきましては、これを使う方が一そうわかりかいい。しいて漢語を並べる必要はないのではなかろうかというのが大体の考え方でございまして、これはたばこであるとかランプであるとかいろいろございますが、最近におきましても、行政制度におきまして、あるいはユネスコそれからレクリエーションとかいう言葉がありますが、国家公務員法の制定の際におきましても、レクリエーションという言葉、これは非常にわかっている言葉でございますが、それを法文上使うのはいかがかということで、これを元気回復と法文にはうたってあるのでございます。しかし元気回復という言葉はとうとう国民の納得を得ませんで、レクリエーションという言葉でやっておりまして、レクリエーションであるとかアイソトープというような言葉を、しいて漢話に当てはめるとはいかがかと思いまして、そういう範囲におきまして使っておるわけであります。あるいはトップ・マネージメント、ミドル・マネージメントと申しますのも、経営学関係におきましてはずいぶん広く用いられておるわけでありまして、これをしいて漢語に訳しまして最高経営管理層とかなんとか訳しましては、かえって熟しないのではなかろうかということで、行政審議会の答申におきまして、トップ・マネージメント機構の合理化ということを使いましたので、政府もその行政機構改革の趣旨の場合におきましてその言葉を使ったわけでございます。決して特に外国語を使おうという趣旨ではございませんので、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/68
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069・西村力弥
○西村(力)委員 レクリエーションとかマッチとかいうことは慣用的になっておる、そういうことは言っておりません。トップ・マネージメントは相当使われておるというけれども、それはごく一部の人に限られておるんじゃないか。レクリエーションなんという言葉は、それはもう町の若い青年とかまた婦人会なんかにも使われておる。相当慣用化されておるのです。そういうことは僕はかまわないと思うのでありますが、トップ・マネージメントなんという言葉は全然普遍的なものではない。そういうものを使われるということは私どもとしては非常に困ったことであると思う。どこかの雑誌やあるいは小説なんかで、トップ・マネージメントなんということを私は寡聞にして見たことはない。こういうようなことは私たちはわからないから審議をしようかない。それでこれはとにかく、私として国語というものを尊重する建前からいいまして相当考えなければならぬ問題だ、また英語を知らなければ国会議員になれないということでは大へんだ、こういうことになるから、この点は相当考えてやらなければならぬ。大臣はどうです。あなたは常識的に考えるとやはりこのトップ・マネージメントという言葉を使うことは好ましいとはお考えにならないと思うのでございますが、いかかでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/69
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070・大久保留次郎
○大久保国務大臣 これは管理部長から話した通りに、通常的になったものを通常の説明の場合に使うことはかえってわかりやすいことがありますから、無理にとがめる必要もないと思いますが、といって法文の上にはこれを書くということはよほど考えものだろう。また今日の法文においては決して英語で書いてありません。この点においてはあなたは御満足できるだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/70
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071・西村力弥
○西村(力)委員 相当通常化はしておると言われますけれども、あなたは選挙演説のとき、あるいは議会報告なんというものは、やられないでしょうが、そういう場合に一般庶民なんかはトップ・マネージメントという言葉は使いません。これは今全然普遍化されていない言葉ですよ。こういうことは私たちは相当考えていかなければならぬ問題であると思うのです。
次に、委員長がかわりましたが、委員長がかわったので工合が悪いのですけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/71
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072・床次徳二
○床次委員長代理 本会議の時間ですから簡単にしていただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/72
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073・西村力弥
○西村(力)委員 相川委員長がいなくなったのだが、先ほどからの石橋委員の質問によってもまだ不明確なんです。私たちはやはり政府原案というものを審議しなければならない、こういうことに相なると思うのですが、これはいかがでございましょうか。委員長の御所見を承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/73
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074・床次徳二
○床次委員長代理 上程されておる議案御審議いただきたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/74
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075・西村力弥
○西村(力)委員 それでは相川委員長が参りましてからその点をこの次質問をしたいと思いますが、政府原案を、審議するときに、政府の意思が変ったということ、その原案とは違ったということを考えながらやらなければならぬというようなことは、とうてい私は考えられない。私たち議員としては、どうもその点で納得できないわけなんです。そういう手続上の問題について、自民党の議員であってもそこにすわったら委員長なんだから、そういう立場からやはり明確にして、内容の審議に入っていかなければならぬと思うのですが、その点は相川委員長がおいでになったときにまた一応はっきり説明願いたい、ごう思うわけです。時間をお急ぎのようですので、また委員長もいないので、その問題はこの次にしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/75
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076・床次徳二
○床次委員長代理 委員長といたしましては、御審議の順序に従いまして進行しておるわけでありますから、この点は御了承をいただきたいと思います。
本日の審議はこれで終りまして、次会は来たる二十三日午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時五十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604889X03219570419/76
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