1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年四月二十三日(火曜日)
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昭和三十二年四月二十三日
午後一時 本会議
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○本日の会議に付した案件
電波監理審議会委員任命につき同意を求めるの
件
教員養成機関の改善と充実並びに理数科教育及
び自然科学研究の振興に関する決議案(坂田
道太君外四十二名提出)
昭和三十二年度特別会計予算補正(特第1号)
臨時恩給等調査会設置法案(内閣提出)
裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する
法律案(内閣提出)
検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する
法律案(内閣提出)
自転車競技法を廃止する法律案(永井勝次郎君
外十一名提出)
小型自動車競走法を廃止する法律案(永井勝次
郎君外十一名提出)
自転車競技法の一部を改正する法律案(内閣提
出)
小型自動車競走法の一部を改正する法律案(内
閣提出)
臨時受託調達特別会計法案(内閣提出)
関税法の一部を改正する法律案(内閣提出、参
議院送付)
国の特定の支払金に係る返還金債権の管理の特例
等に関する法律案(内閣提出、参議院送付)
午後一時三十七分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/0
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001・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) これより会議を開きます。
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電波監理審議会委員任命につき同
意を求めるの件発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/1
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002・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) お諮りいたします。内閣から、電波監理審議会委員に秋山龍君及び丹羽保次郎君を任命したいので、電波法第九十九条の三第一項の規定により本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出の通り同意を与えるに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/2
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003・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、同意を与えるに決しました。
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教員養成機関の改善と充実並びに
理数科教育及び自然科学研究の
振興に関する決議案(坂田道太
君外四十二名提出)
(委員会審査省略要求案件)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/3
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004・山中貞則
○山中貞則君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。すなわち、坂田道太君外四十二名提出、教員養成機関の改善と充実並びに理数科教育及び自然科学研究の振興に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんこと望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/4
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005・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/5
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006・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。
教員養成機関の改善と充実並びに理数科教育及び自然科学研究の振興に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。坂田道太君。
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〔坂田道太君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/6
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007・坂田道太
○坂田道太君 私は、両党を代表いたしましてただいま議題となりました教員養成機関の改善と充実並びに理数科教育及び自然科学研究の振興に関する決議案につきまして、その提案の趣旨を申し上げます。
まず、決議案を朗読いたします。
教員養成機関の改善と充実並びに理数科教育及び自然科学研究の振興に関する決議案
大戦終了後すでに十有余年、世界の各国は今やあらゆる面において長足の進歩をなしつつあり、ことにその学術、産業の面においてしかりである。今にしてわが国が、国運の根基なる教育の改善、学術の振興に力を傾注するにあらざれば、悔を千載に残すことは明らかである。教育の根幹はその師たる人のいかんにあり、産業の基盤が学術ことに自然科学、技術にかかることきわめて大なる点にかんがみて、政府はすみやかに、重大なる決意の下に、次の諸点について所要の措置を講ずべきものと認める。
一 教員養成機関の改善と充実。
二 小、中、高等学校における理数関係の教育内容の向上と技能教育の振興。
三 大学における自然科学、技術に関する教育又は研究の部門及び自然科学、技術に関する研究所の拡充並びにこれらの新設。
右決議する。
以上が決議案の内容でございます。
最近十年間、世界における自然科学技術の進歩は驚くべきものがあって、それは漸次産業構造に変化を及ぼし、ことに原子力の研究、原子エネルギーの平和利用、電子工業、オートメーションの発達が第二の産業革命をもたらしつつあることは、皆様御承知の通りであります。戦前ならば数百人を要した発電所も、今日、ワン・マン・コントロール、あるいはノー・マン・コントロールで、数十万キロワット時の発送電業務を行なっておりますし、また、以前は何千人かの労務者を必要とした生産会社も、その十分の一の労務者をもって、昔の数倍、数十倍の生産を上げているのであります。自然科学の発達、技術の高度化が、生産の拡大、国民所得の増加、国民生活水準の向上を招き、雇用の増大と労働時間の短縮、国民の豊かな文化生活を約束する時代となったのであります。今日、完全雇用を目ざす福祉国家の建設は、無限のエネルギーの活用の道を発見する科学者の聡明な頭脳と、そのエネルギーを生産化する技術者の高度の手腕と、それらの科学者、技術者を生み出すためのよりよき教育制度にあると考えるのでございます。これら新時代の要請にこたえる教育制度を持って、初めて近代国家として先進諸国との競争に勝利をおさめることができると確信いたすものであります。
イギリスでは、一昨年一月、イーデンが、ブラックフォードで科学技術教育について演説し、二月には技術教育白書を発表、大学における理工系卒業者の数を、五年間に、上級五〇%、下級技術者を一〇〇%増す方針を決定いたしましたし、これに必要な一億ポンド、約一千億円を支出せんとしているのであります。ソ連におきましても、第六次五カ年計画で、現在の五割増、五年間に新たに九十万人の科学者、技術者の養成を目標としているのでございます。アメリカでも、アイゼンハワー大統領は、科学者技術者拡充委員会を設置して、ソ連におくれをとるまいとしている実情であります。しかるに、わが国におきましては、大学卒業者のうち、理工科系は全体の二五先、ことに私立大学に至りましては、わずかに一三%にすぎない現状であります。科学技術研究費も、昭和三十二年度において百七十八億円で、国民所得に対する比率は〇・二%・アメリカの〇・八%、イギリスの〇・五%に比して格段の開きがあります。ここに、われわれは、技術革新に基く今後の経済発展に適応する科学者、技術者の計画的養成の重要性を痛感するものであります。しこうして、それを達成するためには、まずもって義務教育より大学までの一貫した科学技術教育の制度的、内容的改善こそ急務であり、ひいては理化学教職員の再教育、さらには、現場技術者の質的向上を目ざす技術者教育についても根本的改革が立てられなければならないと存ずる次第でございます。
これらの観点から、当面急を要する問題といたしまして、第二の国民の教育という大任を目標とする教員養成大学の改善充実をはかり、義務教育の充実、ことに小中高等学校における理数科教育、技術教育を振興し、もって大学における自然科学、技術に関する教育のための基礎教育を確立するとともに、自然科学、技術に関する大学及び研究所の画期的拡充をなし、これらに必要な経費を十分に供与することが緊要であると信ずるものであります。
すなわち、まず第一に教員養成大学の改善充実でありますが、戦前の師範学校にかわるものとして発足いたしました教員養成の大学も、占領下早々の間に設けられ、十分な教授陣容もなく、施設、設備も整わないままに発足いたしましたがために、現在幾多の障害に直面していることは、皆様御承知の通りであります。
その一つは、今日、教員を志望して、その関係の大学を卒業しても、その志を得られない卒業生が全体の一五%もある。しかも、この傾向は今後ますます増大されるものと思われるのであります。このように、教員の志望者は多く、しかも、その志を得ない者が漸次増加しつつあるという変態のこのときにこそ、政府が勇断をもって、クラス当り児童六十名にも及ぶというがごとき教育効果の上らない学級定員が至るところにあるという状態を解消いたしまして、北欧諸国の三十名ないし二十五名まではむずかしいといたしましても、最も教育効果の上る学級定員を設定し、それを目標としつつ、日本の実情と教員の需給のバランスを勘案した年次計画を立てる絶好の機会というべきではないかと考えるのでございます。(拍手)
いま一つは、大学設立当時、画一的に一県一校を建前としたために、かえって教員需給のバランスを失い、教育の機会均等を失したところも生じてきたことであります。もともと、教員養成の大学は、大学としての高いレベルを維持することの必要なことももちろんでありますが、同時に、児童と同じ歴史と環境のもとに育った教員が、次の世代を背負う生徒、児童とまた同じ環境のもとで教え導いていくところに、大きな意義があると存ずるものであります。(拍手)このように、いわば地域性を持ったところに一般の大学と異なった教員養成大学の特徴があると考えられるのであります。また、時代の進運につれ、臨時的二年制の課程も漸次四年制の課程に切りかえて、教育内容の充実改善をはかり、もって将来の教員たるべき資質の向上と、その教職としての重大なる使命の自覚とを促すことも喫緊のこととなったのでございます。従って、政府は、従来の行きがかりにとらわれることなく、教員養成大学の使命にかんがみ、必要に応じては、その地域における伝統と実情を勘案し、教員の需給のバランスを考慮して四年課程の拡充をはかる等、教育の機会均等を失するおそれなきための適宜の措置を講ずべきものと考えるのであります。また、科学技術の進歩に伴い、これらの要請に応ずる教員の養成については、当然内容的にも改善すべきものと信ずるのであります。
第二に、小中高等学校における理数科教育の内容の向上と、技能教育の振興についてであります。小中高等学校における理数関係の教育は、将来大学に進み、自然科学の高い教育を受け、あるいは研究をなし、技術を体得する上に最も必要な基礎であるばかりでなく、哲学、法学等の人文諸科学の学習研究のためにも、きわめて肝要な基礎条件であると考えるものでございます。これが偉大な発明発見のとうとい母体であることは、今さらに申すまでもないことでございます。しかるに、戦後小中学校における算数教育のレベルの低下は著しいものがあり、これは識者の一致して認めるところであります。すなわち、政府は、この際、理数教育の根本的改善をなし、技能教育の振興をはかり、あわせて、これらに関する現職教員の再教育制度をも樹立するなど、もって優秀なる人材を確保すべきものと考えるのであります。さらにまた、戦後の一般教養の教育を重視する、いわゆる単線型の教育制度につきましても、十年の経験と、わが国の実情から反省検討を加え、むしろ、イギリスを初めとする西欧諸国において実施されておりますように、新時代に即応する立場から、子供の才能に応じ、子供の傾向に応じて、比較的若い年代から進学の方向を決定する、いわゆる複線型の教育制度についても、この際政府は慎重に検討を加えるべき段階であると思うのであります。(拍手)
第三といたしましては、大学、研究所における自然科学、技術に関することでございます。まず、大学では、御承知の通り、制度上教育と研究との二面の使命を帯びておるものでございまして、教育と研究との成否は、そのまま直ちに、わが国の産業の消長、ひいては経済の発展に影響するものであります。資源に恵まれず、人口の過剰に悩むわが国においてこそ、すべての国費に優先して、これらの大学、研究所の設備改善に全力を注ぐべきものと考えるのであります。しかるに、実際は、これと正反対で、学者は清貧に甘んじ、実験用の機械器具等も、研究費の不足のために、みずから素材を買い集めておる状況であり、日進月歩の世界学界のレポートの印刷物すら、わずかにその一部を買い得るにすきないのであります。湯川博士や今度の南極観測の永田教授にその一例を見られる通り、わが国には世界的の優秀な学者がきわめてたくさんおられるのでありますが、これが、予算的制約のために、研究の著しい能率の低下を示しておるのであります。アメリカでは、講座の研究費は約二十万ドル、七千二百万円であるのに対しまして、わが国では、一流の大学でも、わずかに十六、七万円以下であり、研究の設備につきましても、明治時代、大正時代のものが大半を占める状態であります。政府は、この際、思い切ってこの種の大学、研究所の拡充をはかり、その内容を充実する必要があると考えるものであります。
また、最近の文科系大学卒業者の就職難は深刻をきわめているのに反しまして、一方、理工科系のみは産業界の需要を満たすに足りないという変態を示しておるのであります。これは一体何を意味するか。日進月歩の社会情勢、産業界の要請する中堅技術者がはなはだしく不足であるということであります。技術革新が経済の原動力であり、技術革新がまた科学技術教育に促されるという認識に立ちます以上、政府は、自然科学、技術の学問研究を進め、それらを充実すると同時に、経済の拡大、社会の要請に応じた上級、中級の、いわゆる中堅技術者の年次養成計画を樹立し、その計画に従って、現今の大学の内容の改善、たとえば理工科系の定員を増員するとか、専門教育の時間数を充実するとか、教授陣容を強化するとか、あるいはまた、制度の上からも、短期大学に関する答申の趣旨にもありますように、一般教育の大学とは別に、専門教育の大学をも改善する必要があると存じます。今後、わが国が、工業を中心として、経済の拡大、国民生活水準の向上、福祉国家の建設を国是とする以上、自然科学系の大学の拡充はもとより、理科系大学卒業生の増大をはかり、また、必要な地域には、この種の大学、研究所を新設することが絶対に必要であるばかりでなく、学校体系の全般にわたって慎重なる検討をなし、新時代の要請にこたえる根本策を樹立すべきときであると思うのであります。(拍手)政府は、すみやかに大英断をもって適宜な措置を講ずべきであると存ずるものであります。
以上が提案の理由であります。何とぞ、各位の深甚なる御理解のもとに、御賛同下さらんことをお願いする次第であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/7
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008・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 討論の通告があります。これを許します。池田禎治君。
〔池田禎治君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/8
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009・池田禎治
○池田禎治君 私は、日本社会党を代表しまして、本決議案に対し賛成の意を表明せんとするものであります。(拍手)
国家再建の基盤が教育にあることは申すまでもないところであります。わが国は、敗戦という未曽有の惨禍を体験して、一そうこの点に思いを深くし、民主主義の上に立つ文化国家建設という高遠な理想のもとに、従来の教育に一大改革を断行して参ったことは、御承知の通りであります。自来十年、その成果はすでに随所に見られるようになって参ったのでありますが、この間にも時代は不断の進展を遂げつつありまして、世界の各国は、戦時中または戦後を通じて、教育、学術、産業等にわたって長足の進歩を示しているのであります。
一方、わが国におきましても、産業の回復、拡大が行われ、学校教育においては、児童、生徒の著しい増加を見る等の結果といたしまして、教育の上には、今や思い切った改善、充実が要請されつつあるものと信ずるものであります。(拍手)教育内容の充実向上は当面の急務でありまして、われわれは、そのためには、まず第一に、その渕源をなすところの教員養成機関の改善充実こそ最も急なる責務であると痛感するものであります。(拍手)すなわち、次代の国民の教育を双肩にになう義務教育諸学校及び高等学校等の教員の資質を改善し、一そう向上させ、また、その必要員数をも確保せんとする本決議案の趣旨は、まことに時宜に適したものであると信ずるものであります。(拍手)
現在の教員養成にかかる大学学部の四年制課程、二年制課程については、教育界における過去の実績、教員の需給関係、立地条係、学校の歴史、伝統等を十分に勘案して、慎重に適宜の措置を講ずべきであって、必ずしも過去の行きがかりなどに拘泥すべきではないと考えます。これを端的に申しますれば、現状の二年制課程を置く大学において、四年制課程とする要件にかなうものについては、すみやかにこれを四年制課程に拡充することであります。また、二年制課程で存置すべきものは、これを存置するばかりでなく、大いに育成し充実すべきであります。しかも、これらの裏づけとなる教員定員の確保、施設、設備の整備は当然なさるべきでありまして、所要の予算の計上については、政府は格段の努力を払う必要があると認めるものであります。(拍手)
次に、理数科教育及び自然科学研究の振興についてでありますが、わが国の現状において、先進諸国に比し最も立ちおくれていると認められるものは、自然科学、技術の面であり、従って、工業を中心とする産業の分野においても著しい遜色を呈していることは、世人のひとしく認めるところであります。この工業を中心とする諸産業の振興は、わが国にとっての当面の重大事であるとともに、世界を通じて見ましても、たとえばエネルギー資源について、世界の専門家の意見としていわれているところは、今後百年の寿命はないと断ぜられているようでありまして、中近東における石油資源の争奪戦の深刻さも、この見地に立つとき容易に了解されるものと考えます。この打開策として、原子力の平和的利用の研究も大きな意義があり、さらに南極大陸の探検、研究が、各国によって、大規模に、かつ熱心に敢行せられつつあることも、この見地に立つとき容易に了解されるところであります。さらに、太陽熱の利用、潮流の活用等々、世界人類が生きていくために当面大いに研究する要のある事項はきわめて多いのであります。世界の列強は、その持てる力に応じ、惜しみなく資本を注入して、自然科学の研究及び技術教育の拡大伸長に懸命の努力を払っている現状であります。ましてや、資源に乏しく、かつ過剰な人口に悩んでいるわが国として、この問題については諸外国以上に真剣に取り組まねばならぬ段階に至っていると感ずるものであります。人口の過剰、資源の不足に悩むわが国は、諸外国以上に、より高度化された科学技術をもって工業生産を増大し、外国貿易を盛んにする以外に、その伸び行く道はないものと考えます。このためには国をあげて格段の努力を必要とするものでありまして、政府は、この際、学校体系において一貫した教育方針を打ち立てるとともに、強力にその施策を推進し、予算面においても画期的な振興対策を講ずることが急務であると考え、この意味において、私は本提案の趣旨に満腔の賛意を表するものであります。
以上をもって私の賛成の討論を終るものであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/9
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010・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) これにて討論は終局いたしました。
採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/10
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011・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
この際文部大臣から発言を求められております。これを許します。文部大臣灘尾弘吉君。
〔国務大臣灘尾弘吉君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/11
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012・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) ただいま御決議になりました諸項目は、いずれもわが国の教育が今日当面いたしております重要な問題でございますので、政府におきましても目下種々検討を加えておるところでございます。満場一致の御決議に対しましては、われわれは、さらに一段の熱意をもってこれが調査研究を加え、御決議の御趣旨の達成のために最善の努力をいたす所存でございます。(拍手)
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昭和三十二年度特別会計予算補正
(特第1号)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/12
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013・山中貞則
○山中貞則君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、昭和三十二年度特別会計予算補正(特第1号)を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/13
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014・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/14
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015・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。
昭和三十二年度特別会計予算補正(特第1号)を議題といたします。委員長の報告を求めます。予算委員長山崎巖君。
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〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔山崎巖君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/15
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016・山崎巖
○山崎巖君 ただいま議題となりました昭和三十二年度特別会計予算補正(特第1号)に関する予算委員会の審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。本案は、去る四月十六日委員会に付託され、本日討論、採決されたものであります。
本予算補正は、新設の臨時受託調達特別会計に関するものでありまして、この会計は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定に基き米国より無償で譲渡される予定の艦船二隻を日本国内で調達するために、日米両国間で締結される受託調達契約の実施に伴い、新たに設けられるものであります。
譲渡を予定される艦船は二千三百トン級警備艇二隻であり、その建造所要経費は総額約六十七億円と見積られておりますが、この予算補正において、その総額六十七億余円を限り、昭和三十二年度以降三カ年度内において国庫の負担となる契約を昭和三十二年度において結ぶことができるよう議決を求めるとともに、艦船の出来高に応じて米国より所要の金額を受け入れ、これをそのつど直ちに支払いに充てるため、本年度分として歳入歳出に十二億七千余万円が計上されております。次に、この予算に関連した質疑応答について申し上げますと、「日米双方の間に締結される受託調達契約は、国と国との間に重大な権利義務の関係を生ぜしめるものであるから、当然に国会の承認を要する条約を必要とするものではないか。また、艦船の調達方法並びに支払い手続はどうか」という質疑がありましたが、政府の答弁は、「艦船の供与は相互防衛援助協定に基くものであり、今回の受託調達契約は、単に私法上の権利義務を生ぜしめるにすぎないから、特別の条約を必要としない。また、調達の方法は目下検討中であるが、業者の技術的能力並びに受注手持量等を考慮した上で、競争を加味した随意契約によるつもりである。さらに、支払い手続は、大体一カ月ごとに政府が業者から請求書を受け取り、これを審査の上、米国側の契約担当官に送付して、支出官からドルで支払いを受けることになる」というのでありました。その他、当面する外交問題、防衛の基本方針、原子力の平和利用の問題等について重要なる質疑が行われたのでありますが、これらは、会議録でごらんを願うこととし、報告を省略させていただきます。
本日、質疑終了後、討論、採決を行い、本補正予算案は政府原案通り可決されました、
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/16
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017・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 討論の通告があります。これを許します。辻原弘市君。
〔辻原弘市君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/17
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018・辻原弘市
○辻原弘市君 ただいま議題となりました昭和三十二年度特別会計予算補正(特第1号)に関しまして、私は、社会党を代表いたしまして、これに反対の討論を行わんとするものであります。(拍手)
このたびの補正第一号に対して、私は二つの立場からこれに反対であります。
その第一は、わが国の完全独立と平和維持という基本的立場と相いれないからであります。これが内容とするところは、その説明によって明らかにされておりますように、直接には日米間のいわゆるMSA援助協定に由来するものであり、さらに、その源は日米安全保障条約に発しているものであります。これら安保条約、MSA協定については、当初より、わが党は、日本の独立と平和をそこねるものであるという主張を終始続けているのでありますが、今やこの主張は具体的に実証されつつあり、国民は、MSA援助の見返りである軍事予算の累増に、今さらながら、ただより高いものはないと、ほぞをかまされているのであります。あるいは、また、内灘、砂川、相馬ヶ原と相次ぐ基地の悲劇から、不平等条約の実態を目のあたりまざまざと見せつけられ、これら一連の不平等条約改廃の声は、ほうはいとして国民の間にわき起っているのであります。(拍手)
さらにまた、MSA援助によって行われているわが国のいわゆる自衛力増強なるものが、果してわが身、わが子を守るたてとなり得るかどうか、相続く大国の原水爆の実験、あるいは誘導弾等の出現によりまして、身をもってそのおそろしさ、威力を知らされた国民は、今や深い疑惑の眼をもって政府の施策を注視いたしているのであります。わずか十八万の地上兵力と、千トン、二千トンの、ささたる艦艇を中心とする艦隊と、中古の航空機を中核とする航空兵力をもって、いかようにして原子兵器に対抗するのであるか、どうして原水爆から国を守るのか、国民の生命、財産を守らんとするのか、これは幾ら考えても解き得ない数学であります。
世はすでに原子力の時代に入り、戦争もまた原子兵器によって行われることは必至であります。各国の戦略もこれに即応して改められているということも、諸君御承知の通りでございます。アメリカにおいては、去る一月、大統領教書によって、全く新しい原子機動部隊を中心とする新戦略体制への根本的な転換を発表いたしております。また、イギリスにおいては、その国防白書において、原水爆兵器と誘導弾を中心とする体制への切りかえを明らかにし、現に、新予算には、陸上兵力、艦船類の費用削減を断行いたしておるのであります。なお、国防白書において、従来の艦船は今日においては全くスクラップにひとしいとさえ極言していることは、まさに注目に値するではありませんか。現に、米ソ両国では、現在、千八百マイルの射程を有する中距離誘導弾ミサイルが完成されているといわれておるのでありますが、御承知のごとく、ウラジオ東京間は千百二十キロメートル、一マイルは一・六キロでありますから、約この距離の二倍を飛ぶことができるのでありまして、これに原水爆を装置いたしますれば、砂川を中心に遠く名古屋付近までを一瞬にして死の焦土と化してしまうというのが、今日のおそるべき実情であります。
こうした危険に対抗する手段は、決してびょうたる自衛兵力の増強ではございません。世界的に原水爆の禁止を行い、平和共存を推し進め、アジアにおきましては、日、米、中、ソを含む相互安全不可侵条約を締結するの強力な外交を展開することこそが、今日われわれの生きる道であり、とるべき手段であり、これによって、初めて、アジア、アフリカを含めて全世界に起っている平和希求の悲願が達成できるものと確信いたす次第であります。(拍手)
このような世界の大勢を顧みずに、いたずらに、今回の予算措置におきましては、旧態依然たる十九世紀的な駆逐艦を二隻増強して、政府はこれを一体何の役に立てようとするのでありましょうか。沿岸の警備救難なら、海上保安庁に所属を変更してもらわなければなりません。もちろん、今回の駆逐艦は、そうしたもののためにアメリカから与えられるものではありません。それは、MSA協定の第八条に明らかなごとく、アメリカ防衛の一環として、その一翼をになう運命にあることは、今さら論を待ちません。すなわち、MSA協定第八条第三項には、日米安全保障条約に基き日本が軍事義務を履行すること、また、第四項には、自由世界、すなわちアメリカ側の防衛力発展に貢献をすること、そのため、第五項には、自衛能力、実はひもつき再軍備強化にあらゆる措置をとることという、アメリカに対する軍事協力の義務が規定されているのであります。さらに、言うなれば、米軍基地防衛のための将棋の一こまであり、一たび米ソ相戦うというような事態に至ったならば、いかに悲惨な運命に陥るか、繰り返して申し上げるまでもございません。こうしたことは、平和を願う世界の大勢に逆行するのみでなく、米ソいずれの陣営にも属せず、ひたすら世界の緊張緩和に努めようとするアジア、アラブ、アフリカ等の諸民族の意図とは反し、ますます日本国民が火中のクリを拾わなければならぬ公算が増大するのであります。また、このことは、今回渡米をして安保条約の改訂を交渉するという岸総理の言明と全く矛盾するものであり、言行不一致の馬脚ここに現われたりと申して決して過言ではありますまい。(拍手)
日本の資本家たちにこういう甘い考えを持たぜることによって、平和と独立の盛り上る機運に水をかけ、その上でMSA再軍備促進の気分を盛り上げ、しかる後に日米安全保障条約を双務的軍事同盟条約に改訂し、さらに憲法改正へと日本国民を引きずり込む、こうした甘い毒薬の役目を今回の予算措置と付属法規がになっているのではなかろうか、こういう予感が勤労大衆の胸に深い暗雲となってわだかまっているのであります。そうでなくて、何で、あのそろばんずくめのアメリカ政府が、このような甘い条件を許すでありましょうか。われわれは、この一見何でもないように見える今回の補正第一号とその付属語法案に対して反対をしなければならぬ理由の第一を、ここに発見するのであります。(拍手)
反対の第二の理由とするところは、法理上、会計上の見地からであります。すなわち、このたびの特別会計予算補正特第一号は、繰越明許費の使用を当りまえのように許して、これを前提としている点に問題があります。繰越明許費につきましては、特にこれが軍事費に使用される場合、かつて臨時軍事費が国民に与えたおそるべき結果と当時のインフレの様相を思い起すならば、危険きわまりないものであることは、明々白々たる事実であります。従来より、多くの財政学者が、ひとしく財政法上将来に危険な悪例を残すものであると指摘し七おることは、けだし当然といわなければなりません。かつて、わが党議員は、参議院におきまして、再三再四、時の政府にその点に対する危念のあることを指摘し、政府から絶対に防衛関係予算にはこれを使わないという公約を得ておるのでありますが、今や、これらの公約は完全にじゅうりんせられ、昭和三十一年度より繰り越されておる額は約二百億に上り、すでに臨時軍事費的性格を帯びておることは、もはや疑う余地もないところであります。今回の臨時受託調達特別会計においても、同様の繰越別許費を当然のごとく認めておる以上、これを許容することはできないのであります。
次に指摘いたしたいのは、受託契約に対する政府のとっておる態度についてであります。岸総理は、わが党議員の質問に答えて、今回の受託契約は、MSA協定によってわが国がアメリカから武器の供与を受けるその過程に起った単なる私法的関係に基く契約であると言っておるのでありますが、事はさような簡単な問題ではないはずであります。少くとも重要な一国の防衛に関する問題であり、国と国との公けの契約である以上、当然そこに有形、無形の権利義務が生ずることは必然でありましょう。MSA協定それ自体わが国に軍事的協力の義務を課しておる以上、その一環として結ばれるこの種契約が、今後の対米関係、さらには国際関係にいかなる影響をもたらすかは、論ずるまでもないところであります。ますます対米従属を深め、自衛力増強に名をかる対米軍事協力の桎梏を強める以外の何ものでもないと断ぜざるを得ないのであります。かかる重大な結果を招来することが常識的にも予想されているにもかかわらず、あえて国として何らの権利義務も生じない私契約同然のものであると言う政府の態度は、われわれにはとうてい了解、納得できがたいものであります。(拍手)もし、かかることを見のがすということになれば、将来、国民の承諾なくして、国際的協定と同様なことが、私契約によって、なしくずしに行われるという危険が多分に存在するのであります。従って、政府としては、当然、憲法第七十三条に基き、国際間の条約もしくは協定を取り結び、国会にその承認を求める必要があると考える次第であります。あえてこのことをやらない政府の態度は、まさに憲法違反の疑い濃厚であると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
最後に指摘しておかなければならぬのは、この受託契約の裏づけとなる具体的の建造計画についての危念であります。その一つは、防衛庁は現在に至るも艦船建造について独自の基本設計を行う能力を持ち合せておりません。従ってこれらの艦船の設計は、船舶設計協会に莫大な経費を払って委託しておるのであります。この船舶設計協会の代表者は造船会社の社長であります。言うなれば、防衛庁は、特定の業者に単価をきめてもらい、随意契約によって特定の業者に発注建造させるというやり方をとっているのであります。このような関係から起ってくる弊害が従来見受けられたのでありまするが、今回もまた、政府の答弁するところによれば同様でありまして、そこに何らの改善が見受けられていないということは、まさに不可解千万なりと申さなければなりません。(拍手)
いま一点は、今回の建造計画は、予算法案成立後直ちに基本設計を開始し、十一月ごろこれを完了し、本契約を明年二月ごろと予定しておるようでありますが、三十一年度予算に計上された艦船建造が今なお手がつけられていない状況から見ますなれば、この計画も、果して予定通り年度内に着工、十二億七千万円計上された予算額の執行に至るかどうか、はなはだ怪しいものであります。従来、とかく、防衛関係の経費だけは金が先にできて計画があとからつき、しかも使い方はきわめてずさんであるとの批判が強く、また、事実その例が少からずあったことは、会計上看過できぬことであります。もし、かかることが事前に予想されるならば、事の本質はいかようにあれ、とうていこの予算をわれわれは認めるわけに参らないのであります。
私は、以上の観点、理由に基きまして、ここに昭和三十二年度特別会計予算補正(特第1号)にあくまでも反対をいたすものであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/18
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019・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) これにて討論は終局いたしました。
採決いたします。本件の委員長の報告は可決であります。本件を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます、
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/19
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020・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 起立多数。よって本件は委員長報告の通り可決いたしました、(拍手)
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臨時恩給等調査会設置法案(内閣
提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/20
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021・山中貞則
○山中貞則君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、臨時恩給等調査会設置法案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/21
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022・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/22
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023・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。
臨時恩給等調査会設置法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員会理事福井順一君。
〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔福井順一君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/23
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024・福井順一
○福井順一君 ただいま議題となりました臨時恩給等調査会設置法案につきまして内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。まず、本案の要旨を御説明申し上げます。恩給等につきましては、戦後、給与ベース改訂に伴う増額措置を初め、いわゆる軍人恩給の廃止ないし復位等、複雑な変遷を経てきたのでありますが、その間数次にわたる改正にかかわらず、なお検討を要する諸問題が歩々残されている現状であります。これらの問題に対し適切なる対策を立てるため、それらを総合的に調査、審議し、その結果をおそくとも本年十一月十五日までに内閣総理大臣に報告することを所掌事務とする臨時恩給等調査会を総理府の付属機関として設けようとするのが、本案の趣旨であります。しかして、この調査会は、各方面の公正なる意見を反映せしめるため、国会議員、関係各行政機関の職員及び学識経験者二十五名以内の委員をもって組織し、会長は委員の互選によってこれを定めることといたしております。
本案は、去る四月十二日本委員会に付託され、四月十八日政府より説明を聴取し、質疑を行なったのでありますが、その詳細は会議録によって御承知願うこととし、かくて本日質疑を終了し、討論の通告がないので、直ちに採決に入りましたところ、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決した次第であります。
なお、その際、自由民主党及び日本社会党の共同提案にかかる附帯決議案が提出され、これについて床次委員より提案趣旨弁明がありましたが、これも全会一致をもって可決いたしたのであります。
次に、その附帯決議を朗読いたします。
この法律により設置される臨時恩給等調査会においては、戦没者遺家族並びに傷痍軍人等の処遇の改善を目途として、現行恩給法上存する各種の不均衡不合理に関し速かに、調査審議を遂げ、政府はその答申により昭和三十三年一月一日から実施し、おそくとも昭和三十四年度内に完全実施するよう措置すべきである。
又、政府はこれに伴う戦傷病者戦没者遺族等援護法の改正をなすとともに、昭和三十一年法律第一七七号「旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律」について本院において附した附帯決議に則り速かに旧国家総動員法等による徴用者、動員学徒等の戦没者遺族に対しても、遺族年金を支給するよう措置すべきである。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/24
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025・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/25
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026・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
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裁判官の報酬等に関する法律の一
部を改正する法律案(内閣提出)
検察官の俸給等に関する法律の一
部を改正する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/26
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027・山中貞則
○山中貞則君 議案上程に関する緊急一動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/27
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028・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/28
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029・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。
裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。法務委員長三田村武夫君。
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〔三田村武夫君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/29
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030・三田村武夫
○三田村武夫君 ただいま議題となりました裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案につき、委員会における審議の経過並びに結果を一括して御報告申し上げます。
両法案は、一般の政府職員の給与改訂に伴い、裁判官及び検察官の報酬または俸給の額等を改正しようとするものでありまして、その要点は、裁判官及び検察官の報酬または俸給について、一般の政府職員との均衡を考慮し、適正な給与月額を定めること、及び、裁判官、検察官の中には長期間にわたって昇給のできない者が相当数おりますので、最高額の給与を受けるに至ったときから長期間を経過した判事または検事に対して、一般の政府職員の例に準じ、その額を越える月額の報酬または俸給を支給できること等であります。両法案は、三月六日当委員会に付託せられ、翌七日中村法務大臣より提案理由の説明を聴取いたしました後、政府並びに最高裁判所当局に対し各委員より熱心な質疑が行われましたが、その詳細は速記録に譲ることといたします。
かくて本日質疑を終了し、討論に入りましたところ、自由民主党及び日本社会党より両案に対する修正案が提出されました。
修正案の内容及びその理由は、検察官の俸給月額の別表中、東京高検検事長以外の検事長及び最高検次長検事の七万三千円を七万五千円に修正すること。その理由は、下位にある検事が今回の一般給与改訂によって年功加俸を受けることとなりますので、上位にある次長検事及び検事長の俸給月額を越える給与を受ける不合理な結果を生じ、はなはだしく均衡を失することとなりますので、これを是正いたしたわけであります。次に、一般職の職員の給与の例に準じ、勤務地手当の支給を廃止し、当分の間暫定手当を支給し得ることとし、かつ、今回の改訂給与は本年四月一日に遡及して支給すべきであるとしたのであります。
以上、両法案に対する修正案並びに政府原案を一括議題とし、採決に付しましたところ、全会一致をもって修正案通りそれぞれ修正議決した次第であります。
次いで、自由民主党及び日本社会党共同提案にかかる附帯決議が提出せられました。
附帯決議の内容は、
附帯決議
高等裁判所長官、検事長並びに裁判所長、検事正その他経験年数等においてこれらの者に準ずる裁判官及び検察官の給与は、一般行政官の上位者に対する給与改善が行われた関係上、これと比較するときは、著しく均衡を失するに至ったものと思料せられる。
政府は、司法の使命の重要性にかんがみ、速かにこれを是正する措置を講ずべきである。
右決議する。
というのであります。
本附帯決議を採決いたしましたところ、これまた全会一致をもって両法案の附帯決議とすべきことを決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/30
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031・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも修正であります。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/31
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032・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって両案は委員長報告の通り決しました。
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自転車競技法を廃止する法律案
(永井勝次郎君外十一名提出)
小型自動車競走法を廃止する法律
案(永井勝次郎君外十一名提出)
自転車競技法の一部を改正する法
律案(内閣提出)
小型自動車競走法の一部を改正す
る法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/32
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033・山中貞則
○山中貞則君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、永井勝次郎君外十一名提出、自転車競技法を廃止する法律案、小型自動車競走法を廃止する法律案、内閣提出、自転車競技法の一部を改正する法律案、小型自動車競走法の一部を改正する法律案、右四案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/33
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034・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/34
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035・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。
自転車競技法を廃止する法律案、小型自動車競走法を廃止する法律案、自転車競技法の一部を改正する法律案、小型自動車競走法の一部を改正する法律案、右四案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。商工委員長福田篤泰君。
〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔福田篤泰君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/35
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036・福田篤泰
○福田篤泰君 ただいま議題となりました自転車競技法を廃止する法律案外三案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。
まず、自転車競技法を廃止する法律案及び小型自動車競走法を廃止する法律案につきまして申し上げます。
右の両案は、競輪、オートレース等の射倖的事業を永久化すべきでないこと、地方財政や機械工業の振興が不健全な事業にたよることは好ましくないこと、及び、競輪、オートレース等が社会に悪影響を及ぼしていること等を理由として提出されたものでありまして、昭和三十四年四月一日限り現行二法を廃止するという内容のものであります。
両案は、四月十二日当委員会に付託され、同月十九日提案者の永井勝次郎君より提案理由の説明を聴取し、その後、本二十三日の委員会において採決を行いましたところ、賛成者少数をもって両案とも否決すべきものと決しました。
次に、自転車競技法の一部を改正する法律案及び小型自動車競走法の一部を改正する法律案につきまして御報告いたします。
現行自転車競技法及び小型自動車競走法は、関連産業の振興と地方財政への寄与を目的として、それぞれ昭和上十三年及び昭和二十五年に制定され、昭和二十九年以後は、自転車競技法等の臨時特例に関する法律との二本建の法体系をもって競輪及びオートレースの運営を行なつて参じましたが、この間、政府においては、競輪等が社会に与える弊害を最小限度にとどめ、これを健全化する方針のもとに、現行法に改革を加えるべく検討を行なってきておりましたところ、今回成案を得て、この両改正案が提出されたのであります。
両案の内容を一括して簡単に御説明いたしますと、第一は、競輪揚場外車券売揚及びオートレース場の設置に関する許可条件を厳重にするとともに、競輪等の施行者の指定につきましても規制を強化し、競輪場等の数を整理調整することであります。第二は、車券購入禁止範囲の拡大、明確化、競輪場等の設置者に保安義務を課すること等々によりまして、競輪等の射倖性の緩和や、事故及び不正の防止をはかることであります。第三は、日本自転車振興会を設立することでありまして、この機関は、競輪及びオートレースの施行者から一定金額を受け入れ、これを自転車、小型自動車及びその他の機械産業の振興のために支出することを業務とするものであります。すなわち、従来自転車競技法等の臨時特例に関する法律によっておりました機械産業振興費の運用規定を自転車競技法に包含することとしたのであります。
両改正案は、三月二十六日当委員会に付託され、翌二十七日政府委員より提案理由の説明があり、その後数回にわたり質疑を行いまして、四月十九日に質疑を終り、本二十三日に一括して採決を行いましたところ、多数をもって両案とも可決すべきものと決しました。
なお、自由民主党より自転車競技法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案が提出され、佐々木秀世君の趣旨弁明の後、これまた多数をもって附帯決議を附することに決しました。
質疑の内容及び附帯決議につきましては会議録を御参照願うこととし、これにて御報告を終ります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/36
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037・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) これより採決に入ります。
まず、自転車競技法を廃止する法律案及び小型自動車競走法を廃止する法律案の両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも否決であります。両案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/37
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038・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告の通り否決いたしました。
次に、自転車競技法の一部を改正する法律案及び小型自動車競走法の一部を改正する法律案の両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/38
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039・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 起立多数。よって両案とも委員長報告の通り可決いたしました。
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臨時受託調達特別会計法案(内閣
提出)
関税法の一部を改正する法律案
(内閣提出、参議院送付)
国の特定の支払金に係る返還金債
権の管理の特例等に関する法律
案(内閣提出、参議院送付)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/39
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040・山中貞則
○山中貞則君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、臨時受託調達特別会計法案、関税法の一部を改正する法律案、国の特定の支払金に係る返還金債権の管理の特例等に関する法律案、右三案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/40
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041・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/41
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042・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。
臨時受託調達特別会計法案、関税法の一部を改正する法律案、国の特定の支払金に係る返還金債権の管理の特例等に関する法律案、右三案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事平岡忠次郎君。
〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔平岡忠次郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/42
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043・平岡忠次郎
○平岡忠次郎君 ただいま議題となりました三法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。まず、臨時受託調達特別会計法案について申し上げます。
この法律案は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定に基き日本国政府に無償で譲渡される予定となっております艦船の受託調達契約の実施に関する政府の経理の適正をはかるため特別会計を設置しようとするものでありまして、おもなる内容は次の通りであります。まず第一に、この会計におきましては、アメリカ合衆国政府からの収入金で政府から調達契約の相手方である国内業者に支払われるもの、精算金等国内業者からの収入金でアメリカ合衆国政府へ支払われるもの等をもってその歳入とし、これらの収入金をもってする国内業者に対する支払金及びアメリカ合衆国政府に対する支払金をもてその歳出とすることといたしております。第二に、以上のほか、この会計の設置及び運営に関し必要な事項を規定いたしますとともに、附則におきまして、この受託調達契約の締結、実施及びこの特別会計の経理に関する事務を防衛庁において行うことといたしますため防衛庁設置法の一部改正を行うことといたしております。
本案につきましては、審議の結果、本二十三日質疑を終了し、討論に入り、社会党を代表して横銭委員より反対討論があった後、直ちに採決いたしましたところ起立多数をもって百原案の通り可決いたしました。
次に、関税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
この法律案は、最近における関税犯則事件の状況等に顧み、外国貿易船等でない外国往来船等についても入港届の提出を要することとし、外国往来船べの交通及び貨物の保税地域への出し入れについて所要の規制を加えるとともに、輸出入についての虚偽申告等に対する罰則を強化することとするほか、不開港出入の許可手数料について減免規定を設けることとする等、所要の改正を行うことといたしております。
最後に、国の特定の支払金に係る返還金債権の管理の特例等に関する法律案について申し上げます。
この法律案は、郵政官署において支払う恩給または遺族年金等の過誤払いによる返還金にかかる債権の管理及びこれが収納金の処理について次のような特例を設けようとするものであります。すなわち、第一は、過誤払いによる返還金債権発生の日から三ヵ月間は、国の債権の管理等に関する法律によることなく、政令で定めるところにより、郵政官署が簡易かつ迅速に処理できることといたしております。第二は、郵政官署において返還義務者に支払うべき支払金があるときは、これを返還金債権の金額に充てることができることとし、また、返還義務者が国または都道府県から給与を受けるものであるときには、国または都道府県の給与支払い機関は、債権管理官の請求に基いて、返還義務者に支払うべき給与の額から返還金償権の金額を控除して国庫に払い込まなければならないことといたしております。
以上の両法律案につきましては、質疑及び討論の通告がありませんでしたので、本二十三日採決いたしましたところ、いずれも全会一致をもって原案の通り可決いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/43
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044・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) これより採決に入ります。
まず、臨時受託調達特別会計法案につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/44
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045・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
次に、関税法の一部を改正する法律案及び国の特定の支払金に係る返還金債権の管理の特例等に関する法律案の両案を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/45
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046・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告の通り可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/46
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047・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 本日はこれにて散会いたします。
午後二時四十五分散会
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出席国務大臣
内閣総理大臣
外 務 大 臣 岸 信介君
法 務 大 臣 中村 梅吉君
大 蔵 大 臣 池田 勇人君
文 部 大 臣 灘尾 弘吉君
農 林 大 臣 井出一太郎君
通商産業大臣 水田三喜男君
運 輸 大 臣 宮澤 胤勇君
労 働 大 臣 松浦周太郎君
国 務 大 臣 石井光次郎君
国 務 大 臣 小滝 彬君
出席政府委員
郵政政務次官 伊東 岩男君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605254X03519570423/47
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