1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年四月二日(火曜日)
午前十一時三十五分開会
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委員の異動
本日委員近藤鶴代君及び坂本昭君辞任
につき、その補欠として大野木秀次郎
君及び松本治一郎君を議長において指
名した。
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出席者は左の通り。
委員長 千葉 信君
理事
榊原 亨君
高野 一夫君
委員
勝俣 稔君
草葉 隆圓君
紅露 みつ君
谷口弥三郎君
寺本 広作君
吉江 勝保君
木下 友敬君
藤田藤太郎君
山下 義信君
国務大臣
厚 生 大 臣 神田 博君
政府委員
厚生政務次官 中垣 國男君
厚生大臣官房総
務課長 牛丸 義留君
厚生省公衆衛生
局長 山口 正義君
厚生省公衆衛生
局環境衛生部長 楠本 正康君
厚生省児童局長 高田 浩運君
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本日の会議に付した案件
○公衆衛生修学資金貸与法案(内閣提
出、衆議院送付)
○結核予防法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○母子福祉資金の貸付等に関する法律
の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X01919570402/0
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001・千葉信
○委員長(千葉信君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
委員の異動を御報告いたします。四月二日付をもって近藤鶴代君及び坂本昭君が辞任し、その補欠として、大野木秀次郎君、及び松本治一郎君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X01919570402/1
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002・千葉信
○委員長(千葉信君) 公衆衛生修学資金貸与法案、結核予防法の一部を改正する法律案、母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案、右三案を議題といたします。
まず、提案理由の御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X01919570402/2
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003・神田博
○国務大臣(神田博君) ただいま議題となりました公衆衛生修学資金貸与法案につきまして、提案の理由を御説明いたします。
公衆衛生行政の第一線機関である保健所の基幹職員ともいうべき医師及び歯科医師につきましては、その公衆衛生方面への関心の欠除あるいはその給与の民間におけるそれとの不均衡等の諸事情によりまして、その現在数は、所要数を大幅に下回っている実情であります。かくては、結核予防を初めとする公衆衛生諸施策の実施に、また、ひいては医療保障制度全般の確立及び推進に、重大な支障を生ずることが懸念されるのでありまして、この医師または歯科医師たる職員の充足問題を解決するため、従来からこれに研究費を支給する等待遇の改善を通じてその対策を講じて参ったのでありますが、さらにこのたび、この問題をより根本的に解決すべく、その一つの方法として、医学または歯学を専攻する者で将来保健所に勤務しようとするものを募集し、これに対して修学資金を貸与し、もって医師または歯科医師たる保健所の職員の質的並びに量的充実を図ろうとの構想のもとに、この法律案を提案した次第であります。
次に、この法律案の骨子について簡単に御説明いたします。
第一は、政府は、大学において医学または歯学を専攻する者及び実地修練を行なっている者で将来保健所に勤務しようとするものに対し、修学資金を貸与する旨の契約を結ぶごとができるものとし、この契約に基きまして、自後これらの者が実地修練を終了し、または大学を卒業するまでの間、毎月修学資金を貸与することとしたことであります。
第二は、修学資金の貸与を受けた者は、実地修練を終了し、または大学を卒業した後、直ちに保健所の職員となった場合において、医師または歯科医師となった後の在職期間が、貸与期間の二分の三に相当する期間に達したときは、貸与された修学資金の全部の返還を要しないものとしたことであります。なお、在職期間がこの二分の三に相当する期間に満たない場合には、その一部を免除することができるものとしております。
以上が、この法律案を提出いたしました理由並びにその概要であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願いする次第であります。
次は、ただいま提案されました結核予防法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申し上げます。
本改正の要点は、結核予防法に基く健康診断、ツベルクリン反応検査または予防接種に要する実費を受診者またはその保護者から徴収しないこととしたことであります。
従来、健康診断実施者または予防接種実施者は、結核予防法に基いて実施した健康診断、ツベルクリン反応検査または予防接種の実費を受診者またはその保護者から徴収できる旨の規定により受診者の種別によりそれぞれ実費を徴収していたのでありますが、この際、実費徴収に関する規定を削除することにより、健康診断、予防接種の実施の徹底をはかり、もって結核予防対策の一そうの推進を期そうとするものであります。
以上がこの法律案の概要でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されますようお願いいたします。
次に、ただいま議題となりました母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案につきましてその提案の理由を御説明申し上げます。
母子福祉資金の貸付は、都道府県がこれを行なっておりますが、国は、現在都道府県が貸付金の財源として計上する金額と同額の金額を都道府県に貸し付け、都道府県は、この合算額を財源として生業資金、支度資金、修学資金等八種類の貸付金を母子家庭や父母のない児童に貸し付けているのであります。
その財源の総額は、昭和二十八年この法律の施行以来昭和三十二年一月末現在におきまして約三十三億円に達しており、わが国の母子福祉対策に多大の寄与をしておるわけでありますが、現在までの貸付状況によりますと貸付金の財源が十分でないために母子家庭等からの借入申込に対し十分応ずることができない実情にあるのであります。
これは地方財政事情の窮乏とも関連する問題と考えられるのでありますが、現行の国の都道府県に対する貸付率をもってしては、貸付金の財源を十分に確保してこの法律の所期の目的を達成することが困難でありますので、今回、この貸付率を従来の二分の一から三分の二に引き上げることとし、国は都道府県が貸付金の財源として計上する金額の倍額に相当する金額を貸し付けることにより母子家庭の福祉を一層増進しようとするものであります。
以上が改正案の大要でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに可決せられんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X01919570402/3
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004・千葉信
○委員長(千葉信君) 審査の都合上、本三案に対する質疑は、次回以降に譲りたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X01919570402/4
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005・千葉信
○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。
本日は、これをもって散会いたします。
午前十一時四十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X01919570402/5
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