1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年四月六日(土曜日)
午前十時四十七分開会
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委員の異動
四月四日委員藤田藤太郎君辞任につ
き、その補欠として江田三郎君を議長
において指名した。
四月五日委員松本治一郎君辞任につ
き、その補欠として藤原道子君を議長
において指名した。
本日委員江田三郎君、木下友敬君、藤
原道子君、山本經勝君及び早川愼一君
辞任につき、その補欠として藤田藤太
郎君、柴谷要君、横川正市君、安部清
美君及び常岡一郎君を議長において指
名した。
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出席者は左の通り。
委員長 千葉 信君
理事 榊原 亨君
委員
勝俣 稔君
草葉 隆圓君
紅露 みつ君
谷口弥三郎君
横山 フク君
吉江 勝保君
安部 清美君
片岡 文重君
柴谷 要君
藤田藤太郎君
山下 義信君
横川 正市君
常岡 一郎君
竹中 恒夫君
政府委員
厚生政務次官 中垣 國男君
厚生大臣官房総
務課長 牛丸 義留君
厚生省公衆衛生
局環境衛生部長 楠本 正康君
厚生省児童局長 高田 浩運君
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本日の会議に付した案件
○社会福祉事業等の施設に関する措置
法案(小林英三君外三名発議)(第
二十四回国会継続)
○母子福祉資金の貸付等に関する法律
の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
○旅館業法の一部を改正する法律案
(内閣提出)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/0
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001・千葉信
○委員長(千葉信君) それではこれから社会労働委員会を開会いたします。
委員の異動を報告します。四月四日付をもって藤田藤太郎君が辞任し、その補欠として、江田三郎君が選任されました。四月五日付をもって松本治一郎君が辞任され、その補欠として、藤原道子君が選任されました。さらに四月六日付をもって藤原道子君、山本經勝君、木下友敬君、江田三郎君、早川愼一君が辞任され、その補欠として、横川正市君、安部清美君、柴谷要君、藤田藤太郎君、常岡一郎君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/1
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002・千葉信
○委員長(千葉信君) これより社会福祉事業等の施設に関する措置法案(第二十二回国会参第二一号)を議題といたします。
御質疑を願います。——別に御質疑もないようですから、質疑は尽きたものと認めることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/2
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003・千葉信
○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。
本法案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三によりまして、内閣に対し意見を述べる機会を与えなければなりません。よって、本案に対し、内閣から意見を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/3
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004・中垣國男
○政府委員(中垣國男君) 本委員会におきまして、社会福祉事業等の施設に関する措置法が御審議をいただき、ここに可決をいたしました場合に、政府といたしましてはまことに感謝にたえないところでございまして、社会福祉事業の行政の上から見ましても、まことに好ましいものであると存ずる次第でございます。本法が衆参両議院を通過いたしまして施行いたしまする場合には、本法の趣旨に十分沿い得ますような努力をいたす覚悟でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/4
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005・千葉信
○委員長(千葉信君) ただいまの内閣の意見に対し、質疑のおありの方は順次御発言を願います。——別に御発言もなければ質疑は尽きたものと認めて、これより原案について討論に入りたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/5
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006・千葉信
○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。
これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正意見のおありの方は、討論中にお述べを願いたいと思います。——御意見もないようですから、討論は終局したものと認めることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/6
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007・千葉信
○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより社会福祉事業等の施設に関する措置法案(第二十二回国会参第二一号)の採決に入ります。本案を原案の通り可決することに、賛成の方は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/7
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008・千葉信
○委員長(千葉信君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。
なお、本会議における口頭報告の内容、議長に提出する報告書の作成、その他手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/8
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009・千葉信
○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。
それから報告書には、多数意見者の署名を付することになっておりまするから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。
多数意見者署名
山下 義信 藤田藤太郎
横川 正市 安部 清美
柴谷 要 常岡 一郎
竹中 恒夫 谷口弥三郎
紅露 みつ 勝俣 稔
横山 フク 榊原 亨
吉江 勝保
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/9
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010・千葉信
○委員長(千葉信君) 次に、母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/10
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011・山下義信
○山下義信君 本案に対しましては、私どももとより双手をあげて賛成いたすものでございますが、この際、母子福祉対策につきまして、政府の今後の御方針を伺っておきたいと思うのであります。
本案は、母子福祉資金の貸付につきまして国の補助率に関しまする非常にけっこうな改正でありますから、ただいま申し上げましたように、われわれは心から賛成いたすものであります。実はこの資金につきましては、できれば全額国庫負担ということが一番好ましいことでございますが、漸を追うてその方向にお進み願いまするので、まことに時宜を得た御改正であると思うのでありますが、この機会に、ただいま申し上げましたように、母子福祉の施策につきましての政府の御方針を承わっておきたいと思うのです。
御承知のごとく、わが国の母子福祉の問題は、諸外国とその例を異にいたしまして、今次の大戦争によりまする戦争未亡人の社会的悲運に対しまして、これらのいわば遺族でありまする未亡人世帯の困難な境遇に対しまして、いかにこれを救済するかということから端を発しまして、終戦後いち早くあらゆる問題に先んじまして、国会がこの未亡人問題を取り上げまして、努力して今日まで参ったのでございます。実はその当時、戦争被害者である未亡人という立場に立って一挙にこれが救済策を講じまするならば、私はもっと変った角度でこの母子世帯に対しまする施策は、今日とは趣きが変った形で進んで参ったのではないかと思うのでございますが、その戦争被害者である未亡人を救済するという、そういう内容をもっておりながら、今日までとられて参りました母子福祉の施策は、単に社会福祉の一問題、社会福祉の一面という性格、建前で今日まで及んできたのでありますが、言いかえまするというと、非常に大きな特殊の問題という扱い方でなしに、一般の社会福祉の中の一つの問題という形態で、今日までこの施策が微温的に、あまり当りさわりのないような程度で対処せられて参りましたので、従いまして、終戦に伴いまする非常な痛ましいこれらの戦争犠牲者であり、それを大部分の内容といたしまするこの未亡人対策というものが消極的であり、ただ単に一つの社会サービスというような形で参りましたために、この十年の間、これらの対象者に与えました——これらの対象者の中から起きました悲劇と申しますか、損害と申しまするか、施策の手が不十分でありました結果生じました多くの人たちの、転落者というようなものが続々と発生して参りましたのであります。そうして今日まで及んで参ったのでありますが、しかし、既往を振りかえりまして、いかに施策の不十分なことを今日これを追究し、悔恨いたしましても及ばざることでございますが、しかしながら、今後は観点を新たにいたしまして、ここで一つ将来の母子福祉対策、言いかえますると、寡婦世帯に対しまする今後の施策は根本的に再検討してみなければならない段階にきておるやに考えるのでありますが、政府におきましては、昨年秋以来、母子年金の問題を取り上げられまして、これを検討せられるやにわれわれは承わったのでありますが、三十二年度予算等を中心にいたしまして、現在とられました政府の対策は、生活保護法の中に母子加算をされまして、その金額を増額をせられたということに、端的に申しますと変形をせられた、形を変えられまして、生活保護法の中の母子手当の増額ということで、今回対処せられたもようであります。また、承わるところによりますと、これは一応そういう形にしてあるが、将来母子年金に進む一段階であるかのごとくに御説明になっておる節もあるようでございます。これらの問題につきましての政府の今後の御方針はどういう御方針であるかということを、実は承わりたいのであります。私はここで私見を交えるわけではございませんが、母子福祉の、あるいは母子年金のごとき、いわゆる所得保障のこれらの問題を、所管で申しますと児童局の所管でございますが、それを生活保護法に便乗して、生活保護法の分野で、これを一応対処していくということは、いささか私は本筋ではないような気持がするのであります。別に児童局の所管の母子福祉の問題が、社会局によって補われて、生活保護法で補われて悪いとは申しませんけれども、何としてもこれは、わき道に入った一応のかりの対策であるように考えられるのであります。生活保護法における母子手当の問題は、それ自体問題でありましょうけれども、また、価値もありましょうけれども、何としても寡婦世帯に対しまする所得保障の問題は、新たな観点から取り組んでいかなければならぬ問題であろうかと思いますが、これらに対しまする政府の今後の御方針を承わりたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/11
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012・中垣國男
○政府委員(中垣國男君) 山下さんにお答えいたします。従来母子世帯の福祉問題が、一般社会福祉の政策としてやってきたので、消極的ではなかったかという御意見に対しましては、私どもも同感なのでございますが、この中に戦争未亡人の母子世帯が含まれておることも事実でございます。これらの問題は、一般社会福祉政策の一環としてだけでは十分でないということが、だんだん明瞭になって参りましたので、新しい観点といたしまして、寡婦対策は従来の政策を推進して参りますとともに、母子年金制度の実現のために努力して参りたいと考えております。その方法といたしましては、実態の調査を十分にいたしまして、新たに五人委員会というものを作りまして、その答申を得ましたならば、昭和三十三年度よりこの実施ができますように努力をいたして参りたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/12
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013・山下義信
○山下義信君 私は政府が母子年金の方向へだんだんと歩を進めていくという御方針でありますならば、ぜひとも御努力を願いたいと思うのでありますが、私はわが国の実情から見まして、寡婦ということが、どうしても社会保障の一つのいわゆる保障事故として取り上げられるべきである。諸外国の事例がどうであろうと、それに何も模倣するという立場でなく、わが国の特殊な事情からいたしましても、老齢、あるいは病気、あるいは傷害、失業等と同じように、寡婦ということも、いわゆる社会保障制度の一つの事故として、私はわが国の社会保障制度の一つの制度として取り上げるべきである。従来戦争未亡人の問題、それに対処しての社会サービス、社会福祉という微温的な策で今日まで参りましたけれども、これは一応ここで一転換するといたしまして、全般的の、わが国の寡婦という事故に対します社会保障制度という立場から、大いに前進していただかなくちやならぬのではないかと考えるのでございますが、この点に対しまする御所信はいかがでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/13
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014・中垣國男
○政府委員(中垣國男君) お答えいたします。日本の寡婦の状態は、たしかに戦争犠牲者としての、戦争未亡人といったような、そういう特殊事情が、母子世帯の相当な割合をもって、形成されていることは事実でございまして、こういうようなことを考慮に入れまして、従来の社会政策の一環といたしましての社会福祉、母子福祉政策とともに新しい制度の創設に向いまして、努力をいたして参りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/14
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015・紅露みつ
○紅露みつ君 関連して……。ちょっと伺っておきたいのですが、山下委員御指摘になりましたように、母子福祉資金の割合ですね、国の負担の割合ですが、できれば私どもは八割——全額国庫負担というところへいく一つの段階として八割ぐらいまでは、どうしてもいかなくちゃと思っておったのですが、三分の二まで参りましたことは、せめてよかったと思っておりますが、そこで伺っておきたいのは、もうこれは相当長いことの母子の要望でもあり、世論でもあると思うのですが、母子福祉法ですね、単独法、これを制定して下さいという要望は、もう長いことなんですが、今問題になっております母子年金ですね、これと別に母子福祉法というものが考えられているはずです。ですから、これはあとで事務当局からも補足していただいてけっこうでございますが、それを、今の問題になっております母子福祉資金、これの拡充によってということで、母子福祉法を一応片隅にやってあったのが、従来の関係なんですけれども、その方針でこれからも進みますか。これを、母子福祉資金を、さらに拡充強化するわけですね。額も多くすれば、貸付の科目ももっとふやしていくというふうに、これを拡充していきますか。それともこの要望にこたえて、母子福祉法という単独法をこしらえるという方向で進んでいきますか。これは長いことの問題で、事務当局にも調査が進められておるはずですから、どういうふうに考えてやっておりますか、政務次官に一つお答えを願って、補足も伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/15
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016・中垣國男
○政府委員(中垣國男君) 紅露先生にお答えいたします。ただいまの前の方の、母子福祉資金の貸付による国庫負担の増額という問題につきましては、従来の二分の一のものを三分の二にしたのでございますが、今後もこの問題につきましては、でき得る限り国の負担をふやして参りたいと考えております。
それから母子福祉法の制定に関しましては、御指摘の通りに、一般の生活保護者の関係等を考えてみまして、やはり生活保護法並びに、今後新しく必ず実行いたします母子年金法等の関連等を考えまして、十分に調査をして研究をして参りたいと考えております。その他の問題につきましては、児童局長から答弁をいたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/16
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017・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 根本の考え方は今、政務次官からお話のありました通りでございますが、今のお話の、いわゆる母子福祉法の問題につきましては、結局これは法律の名前なり形というよりも、むしろ母子福祉の実態の施策というものが一歩も二歩もその機会に前進をさせるということであって初めて意義があることであろうと思うのでございますし、また、従来要望せられておりました趣旨もその辺にあると私どもは存ずるのであります。従いまして、現在ありますありのままの姿を寄せたり集めたりするということでは、これは希望なり要望の趣旨に合致するゆえんではないと思いますし、従って、結局そういたしますと、実態の問題としてあるいは年金の問題に響いてくる、あるいはまた、生活保護のやり方の問題等に響いてくるわけであります。あるいは税金の問題等に響いてくるわけであります。従って、これらの問題について具体的に検討をして、その全体の関係を考慮しながら検討をして、どういうふうにこれを処置していくかということもそういう関連において検討をいたしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/17
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018・紅露みつ
○紅露みつ君 大体方針はわかりましたが、さらに念を押しておきたいと思うのですが、それは御答弁の通り、実際福祉になっておらなければ、いろんなものを寄せ集めて名護をこしらえましてもそれはためにならないのですから、その方針でよろしいと思いますが、そうすると、母子年金は調査費も三十二年度は計上されておるごとでございますから、これは調査も着々と進められるごとであろうと思います。そうすると、それはそれにしておいて、この福祉法、今のこの福祉資金ばかりではございませんけれども、とにかく母子に対する対策として一番大きいものはこの母子福祉資金だと思うのです。ですから、これをさらに国庫負担の割合をもっと多くする、それから絶対の貸付量をもっと大きくする、それから貸付の費目ももっと拡充してほしいと私どもは思うのですが、そうした気持で進められますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/18
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019・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 根本の考え方としましては、この母子福祉資金の貸付に関しまする法律はとにもかくにも母子福祉の一つの一番大きな柱になっておるわけでございますので、従って、これの制度的な、あるいは実施上の充実については、十分努力をして参る所存でございますが、そのうちでやはり一番当面実際問題として考えなければならないのは、府県におけるこの資金の消化というものを何としてももう少し前進させなければいけない、そして資金量をふやしていくということがこれが第一の問題ではないかと思うのでございます。
それから資金の種類につきましては、たとえば前から医療の問題でありますとか、その他の問題についての要望がこれは多いことは私どもも十分承知をいたしておりますけれども、たとえば医療の問題等について考えでみますというと、果してこれで、この少い母子福祉資金の資金量でやっていく方がよろしいか、あるいは別建でやっていく方がよろしいか、もちろんこれは本筋の問題として医療保障の推進の問題が前提としてあることは言うまでもございませんが、そういうふうに考えますというと、この医療の問題は相当やはり大きな問題であるし、相当な資金量を用意しなければ、結局このためにほかの資金というものを圧迫する結果になってしまうことも考えられますので、そういうふうにこれは新しい資金の種類ということになりますというと、全般との関連なり何なり、そのものの特殊性というものを十分考えて、弾力性のある態度をとっていくことが賢明な措置ではないだろうか。と申しますのは、何でもかんでも母子の関係であればこの中に押し込んでしまう、資金量は大してふえないということになりますというと、格好は別といたしまして、結果としてはかえって母子福祉を阻害するような結果になることも、これは憂慮しなければならぬと思いますので、その辺は相当形としては弾力性のある態度で、実際に即して処理していくことが私はいいんじゃないだろうか、かような考え方でおるのでございますけれども、なおまた、今後いろいろお教えをいただき、あるいはまた、御意見を聞かしていただきまして、私ども十分根本の目的はどこまでも母子福祉を充実して参るということでございますので、その趣旨に基いて検討を進め、努力をして参りたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/19
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020・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 私はこの予算の問題で少し聞いておきたいと思うのです。
今度の厚生省の予算を見ますと、母子福祉貸付金は一億四千万ふえた、これは二分の一から三分の二にふえた額だと私は思うのです。そこで今お話を聞いていると、たとえば年金の問題、もっと突っ込んで言えば、政府がいつも言っておられる社会保障の確立の方向の中で、この母子福祉、寡婦の問題を取り上げていかなければならない。その社会保障に対する考え方、先日も大臣が明確に確認しておられたように、慈善や恩恵ということでなしに、貧困や病弱を社会の仕組みで直していくのだという社会保障の原則を確認しておったと思う。それに関係しますと、年金の問題や、全体の生活を上げる、最低賃金の問題が出てくる、こういう問題は後刻に譲るといたしまして、ここで出てきておりまする二十九年度、三十年度の貸付の欄を見ますと、両方とも生業資金においては六一%ですね、申し込みに対して六一%という数字が出ている。その他のところはいろいろ上り下りはありまするけれども、そこで問題は「不承認理由別調」の中で(1)に「法に規定する資格に欠けるもの」、これは法があることですから何ですけれども、「貸付金財源の不足によるもの」、こういう問題が第二番目に出てきている。そういうところから申し込みに対するセレクションの問題はあるでしょうけれども、申し込みと決定額との差額というものは相当な額が出てきている。私は第一点として聞きたいのは、このたとえば生業資金なら生業資金の場合には、申し込みに対する六一%くらいというものは初めからワクをきめているのか、これが私は疑問になるんだし、申し込みに対して非常に少いから……、そういう点が一点。
それから第二点は、単に二分の一から三分の二にふやした財源だけの予算をとつているのではなしに、母子福祉貸付だけを考えてみた場合、今お話のありました点は触れませんが、財源をふやして母子福祉の、何といってもここで貸付を借りようという人は気の毒な家庭だと私は思う。そういう人の希望を満たすためにどういうことをされようとしているか、それが第二点。
三つ目は、先ほど次官が言われたけれども、五人委員会の問題、五人委員会でやっていると言われましたが、五人委員会はどういう人がやっているか、これを一つお聞かせ願いたい。私はこの前の七人委員会の問題が出たときに、七人委員会のメンバーになる人がどうも一般的に社会保障の大家のような格好でありながら、実際問題としてやっているところは、一つのワクの中にはめられて、ワクの中で泳いでいるというような格好のことを公開の席上で、公聴会のときに私はつぶさに伺った。これはこういうことであっては実際の社会保障をする厚生行政の根本について私は問題が出てくる。だから多方面実際に携っている方々を含めた五人委員会、こういう施策を検討する諮問委員会であるべきだ、こういう意味からもその五人委員会の内容についてお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/20
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021・中垣國男
○政府委員(中垣國男君) 藤田さんにお答えいたします。第一点の生業資金の貸付等については、最初からワクがはまっているじゃないかというお尋ねでございましたが、これは別にワクははめてございません。今後のこの母子福祉資金の総額につきましては、昭和三十二年度の五億九千万円の予算の遂行の状態を見まして、もちろんこれは増額するような努力をいたさなければならないと考えておるのでありますが、従来これにつきまして六一%程度しか消化していないといいますのは、これはその府県財政等におきましてあまり豊かでなかったようなところが、二分の一負担というものが重荷になる、そういうような点が一番大きな影響をしておったという御指摘の点はそれは事実でございます。全く同感でございます。この財源をふやして、これからこれをどういう方向で実際の消化を考えておるかという第二点のお尋ねに対しましては、今各府県で、民生部におきまして講習会等を一生懸命にやっておるのでありますが、民生委員や各市町村の社会福祉課等が一緒になりまして、適当と認められる方々に対しまして、この貸付を推進して参るように努力をしておる現状でございます。
第三点の、五人委員会のメンバーの構成についてでございますが、これは近くこの五人委員会を委嘱する予定になっておりまして、どういう人々が中におるかという問題につきましては、目下いろいろと人選をいたしておりますが、御指摘の通りに、やはりこういった諮問に答えるにふさわしいような方々を委員になっていただくように委嘱をする方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/21
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022・千葉信
○委員長(千葉信君) 他に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/22
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023・千葉信
○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。
本案について付帯決議が提出されておりますので、若干の時間のうちに各党の間でお話し合いを願いたいと存じます。
ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/23
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024・千葉信
○委員長(千葉信君) 速記を始めて。
この際、お諮りいたします。榊原委員から委員長の手元に修正案が提出されておりますので、本修正案を議題といたしたいと存じます。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/24
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025・千葉信
○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。それでは、榊原委員提出の修正案を議題といたします。榊原委員から修正案の趣旨説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/25
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026・榊原亨
○榊原亨君 この法案に対しましては、施行期日のズレがございますので、次のごとく修正をいたしたいと存ずるのであります。修正案の内容を朗読いたします。
母子福祉資金の貸付等に関する法
律の一部を改正する法律案の一部を
次のように修正する。
附則第一項を次のように改める。
1 この法律は、公布の日から施行
し、この法律による改正後の母子
福祉資金の貸付等に関する法律第
十三条第一項の規定は、昭和三十
二年四月一日から適用する。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/26
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027・千葉信
○委員長(千葉信君) ただいまの修正案に対し、質疑のおありの方は順次御発言を願います。
別に御発言もなければ、修正案に対する質疑は尽きたものと認め、これより原案並びに修正案につき討論に入りたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/27
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028・千葉信
○委員長(千葉信君) 御異議ないと認め、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/28
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029・山下義信
○山下義信君 私は社会党を代表いたしまして、本案に対しまして賛成の討論をいたしたいと存じます。
本案は、母子福祉資金の貸付に対しまする国の負担額の増率でございまするから、われわれの多年要望いたしておりまする線に沿いましての改正でございまして、この点に対しましては賛成の意を表する次第でございます。
なお、ただいま榊原委員から御提案になりました修正案につきましては、当然の御修正でございますから、これまた異議はございません。
この際、政府に強く要望いたしておきたいと思いまする点は、先ほど質疑の中で私どもが申し上げました通りに、第一点といたしましては、あくまで母子年金制の創設につきまして、なお格段の努力をお願いいたしまして、一日も早く社会保障制度の一部門といたしまして、母子年金制の実現をみるよう、政府の善処を強く要望いたします次第でございます。つきましては、この母子年金制の政府の御検討につきまして、広く内外の御意見を聴取せられるというような機構でもお考えの節には、藤田委員が指摘いたしましたように、最もこの問題に関係の深い権威ある方々を十分それらの中にお入れになりまして、万遺憾なき意見を聴取せらるるよう善処をお願いいたしたいと思うのでございます。
なお、わが党の委員が質疑の中にも申し上げましたように、母子資金の運用につきましては、申し込み希望者の意に十分沿いまするよう、運営につきまして格段の御配慮を願いたいと存ずるのでございます。
最後に、この際当局に御注意を喚起いたしておきたいと思いますることは、近来この母子福祉の対策につきまして、あるいは政府当局の熱意が多少薄らいだのではないかという私ども心配をいたすのでございます。終戦直後のようなああいう熾烈な要望、ああいう状態は、若干その様相を変化いたして参りましたのでありますが、母子福祉の問題は、なおなお、未解決でありまして、むしろ今後にこの問題の抜本塞源的な解決をはからなければならぬのでございまして、うまずたゆまず、熱意を傾倒していただきまして、本格的に御善処を願いたいと思います。
なお、この未亡人の諸団体に対しまする指導につきましては、これまた格段の御注意、御配慮を賜わりまして、都道府県、地方末端におきまする未亡人団体、母子団体の指導監督につきましては、十分御留意を願いたいのであります。今日までこれらの団体は、自主的に健全なる発達を遂げて参ったのでございますが、これらの団体に対しまして、外部からあるいはこの団体の勢力を曲用し、あるいはこの団体を私蔵いたしまして、この比較的純にしてしかも比較的弱いこれらの団体を悪用いたし、あるいは誘惑いたすというがごときことがありまして、これらの団体の人たちにいろいろと好ましからざる被害を与えるようなことがありましては、私どもはなはだ好ましくないと存じまするので、これらの未亡人団体の都道府県所管官署等におきましても、あるいはまた、関係の社会福祉諸団体の関係におきましても、十分母子福祉の増進を阻害することのないように、一段と政府当局の指導監督を強くいたされまして、この多年の母子福祉問題が推進をいたしまするように御配慮を賜わりたいということを付言いたしまして、賛成の意を表したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/29
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030・紅露みつ
○紅露みつ君 私は、ただいま議題になりました母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案、もちろん賛成でございます。
それから修正案につきましても賛成でございます。
この際、政府に要望しておきたいと存じますことは、今度のこの改正によって、国の負担が引き上げられた。しかし、三分の二は決して満足な負担額ではございません。どうしてもこれは最後には、全額国庫負担にもっていかなければならない、こういうふうに考えております。しかし、それまでの段階として、今回の改正はけっこうでございまして、わずか四億五千万円の昨年度の貸付金が余るというようなことはこれによってなくなるであろうと思います。今年の貸付の総額が五億九千万円、約六億でございますが、これとても全国母子世帯の要望にこたえる額では私はないと思うのです。もしこれが余るようなことがあれば、それは指導がよろしくないということです。これはもうはっきり言える。どの地方に参りまして実情を聞きましても、母子世帯の要望にこたえるだけの貸付が行われていないのでございますから、それが昨年などは、また一昨年もそうですが、わずかな四億や五億の貸付が余るということは、まことに残念なことで、それが幾分でも緩和されることに私は喜びを感ずるものでございます。それにつきましても、この改正によって貸付金、この資金が不足したという結果が私は出なければならないと思っておるのでございますが、そうした結果が出ることが大へんに今度の改正に意義があることでございます。その結果を出すことが正しいのですが、その結果を出すためには、やはり母子相談員というものを十分に活用しなければならない。ところが、今の母子相談員というものは、十分な活動をしていないのではなくて、するようにしておらないのですね。ということは、二分の一の費用は国が持つということになっておりますけれども、それが地方交付金の中に入っておりますので、ぶち込まれておりますのではっきりしない。県によってその手当も一定しておりませんし、それからまた、その兼任というような非常なあいまいなところもあります。母子相談員という名前だけで、十分にその仕事に打ち込んでいるのでなくて、片手間にというようなところもあるわけでございまして、こんな状態では母子対策に熱を持っているとは言えない。しかし、政府当局でもこの点は従来からずいぶん心配しておられることを私は知っておりますけれども、しかし、この抵抗の弱いところには、とかくに力を入れてもなかなかそれが通らないというような実情でございますから、さればと言って、そのまま引っ込んでおられては困る、もっと積極的に強く一つ押していただきたいと思います。その点を要望いたしまして、今度のこの母子相談員に対する国の負担というものを、ひもをつけていくように、これは強調していただきたい。私どももできるだけこれは協力をいたしますから、別ソクですね、別ワクに——衆議院でもこれは付帯決議しておりますように、売春防止法の婦人相談員におけるがごとく、これをひもをつけておきますれば、必ずそこに使えるのでありますから、どうかそういうふうな方向にもっと強くがんばっていただきたいということをくれぐれも要望しておきます。
なお、これはまあ山下委員からも念を押されましたように、母子年金というものを私どもは一日も早く実現するように待望しております。予算を計上しておりますから、その調査をできるだけすみやかに、そうしてしっかりした調査をして、その調査が済んだら必ず実現できるというような意気込みで一つ進んでいただきたいということを要望いたしまして、本案に賛成をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/30
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031・千葉信
○委員長(千葉信君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/31
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032・千葉信
○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案について採決に入ります。
まず、榊原君提出の修正案を問題に供します。榊原君提出の修正案に賛成の方は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/32
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033・千葉信
○委員長(千葉信君) 全会一致でございます。よって榊原君提出の修正案は可決されました。
次に、ただいま可決されました部分を除いた原案に賛成の方は挙手を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/33
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034・千葉信
○委員長(千葉信君) 全会一致でございます。よって修正部分を除いた原案は可決されました。
以上の結果、本案は全会一致をもって修正すべきものと議決せられました。
紅露みつ君。紅露みつ君。委員長は発言を許しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/34
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035・紅露みつ
○紅露みつ君 ちょっと速記をやめて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/35
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036・千葉信
○委員長(千葉信君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/36
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037・千葉信
○委員長(千葉信君) 速記を始めて。
なお、本会議における口頭報告の内容、議長に提出する報告書の作成、その他の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/37
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038・千葉信
○委員長(千葉信君) それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりまするから、本案を可とされた方は、順次御署名を願います。
多数意見者署名
片岡 文重 常岡 一郎
竹中 恒夫 吉江 勝保
榊原 亨 勝俣 稔
紅露 みつ 谷口弥三郎
草葉 隆圓 山下 義信
藤田藤太郎 横川 正市
安部 清美 柴谷 要発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/38
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039・千葉信
○委員長(千葉信君) この際本案に関して、中垣政務次官より発言を求められております。これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/39
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040・中垣國男
○政府委員(中垣國男君) 本日本委員会におきまして、母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案を御可決下さいましたことにつきまして、心から感謝申し上げます。
なお、可決の際の討論の内容等にかんがみまして、本法律案の施行に当りましては、政府といたしまして、十分にその要望を実現いたすべく努力をいたして参りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/40
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041・千葉信
○委員長(千葉信君) それでは、次に旅館業法の一部を改正する法律案を議題といたします。提案理由の説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/41
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042・中垣國男
○政府委員(中垣國男君) ただいま議題となりました旅館業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
近年健全なリクリエーションの普及、観光事業の振興等に伴い、旅館業は、とみにその重要性を加えて参りました。ところが、旅館業に対する規制は、従来単に施設面についてのみ、しかも主として公衆衛生上の見地から行なってきたのでありますが、旅館業の本来の性格から考え、このような観点のみからする規制では必ずしも十分とは言い得ないものがあるのでありまして、特に、最近は、一部の地域において、教育上からも、種々批判されるような事例も生じ、かたがた家庭の延長としての利用者の静穏な宿泊をはかる上からは、もとより、快適な生活環境を造成する上からも、旅館業に対しては、風俗的見地をも加味した規制を加える必要が生じて参りました。このような社会情勢に対処するため、政府におきましては、かねてから旅館業の経営方法の健全化について慎重に検討を重ねてきたのでありますが、今回、営業施設の水準の向上を期するとともに、風紀面をも考慮し、真に健全な旅館業の育成指導をはかることにつきまして、その成案を得ましたので、ここに本法案を提出いたした次第であります。
次に、本法案の内容につきまして、その概要を申し上げますと、第一点は、公衆衛生的見地以外に、旅館業によって善良の風俗が害されることがないように、これに必要な規制をあわせて行い得るよう法目的を改めたことであります。
第二点は、従来施設の構造設備の基準は、地方の実情を考慮して、都道府県において適宜設けることとなっておりましたが、今般全面的に水準の向上をはかる意味において、これを政令で規定することに改めたことであります。
第三点は、新たに旅館業について、施設の使用方法、広告方法等その利用の基準を政令で定めることとし、これによって営業の健全化を期したことであります。
第四点は、従来物的施設面のみを営業許可の基準といたしておりましたが、さらに旅館業法に違法した場合は、一定の期間、許可を与えないことができるよう人的要件を加え、営業者の質的向上をはかることといたしたことであります。
第五点は、営業者が刑法等風紀関係の法令に違反したときは、営業許可の取り消し、停止等の行政処分を行い得るようにしたことであります。
第六点は、学校の敷地の周囲おおむね百メートルの区域内では、旅館が設けられることによってその教育環境が著しく害されるおそれがあると認められるときは、許可を与えないことができるようにするとともに、特にこの場合は、都道府県の教育委員会等の意見を求めるなど、この区域内においては、教育機関の意向が十分反映されるようにして、教育環境の清浄化を確保するよう措置いたしました。
以上がこの法律案を提出いたしました理由でございます。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/42
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043・千葉信
○委員長(千葉信君) 審査の都合上、本案に対する質疑は次回以降に譲りたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/43
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044・千葉信
○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。
本日はこれをもって散会いたします。
午前十一時五十一分散会
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四月五日本委員会に左の案件を付託された。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614410X02119570406/44
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