1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年三月二十八日(木曜日)
午前十一時七分開会
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出席者は左の通り。
委員長 松澤 兼人君
理事
西川彌平治君
阿具根 登君
近藤 信一君
委員
青柳 秀夫君
大谷 贇雄君
小幡 治和君
小西 英雄君
白井 勇君
高橋 衞君
阿部 竹松君
相馬 助治君
豊田 雅孝君
大竹平八郎君
政府委員
大蔵省理財局長 河野 通一君
通商産業政務次
官 長谷川四郎君
中小企業庁長官 川上 為治君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞壽君
説明員
大蔵省理財局経
済課長 庭山慶一郎君
中小企業庁振興
部金融課長 安達 次郎君
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本日の会議に付した案件
○商工組合中央金庫法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○信用保証協会法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
○経済の自立と発展に関する調査の件
(中小企業の資産再評価の特例に関
する件)
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001・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) これより商工委員会を開会いたします。
本日の日程は、公報をもってお知らせいたしました通りであります。まず、前回に引き続きまして商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案及び信用保証協会法の一部を改正する法律案を一括議題として審議を進めたいと存じます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/1
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002・阿具根登
○阿具根登君 信用保証協会法の一部を改正する法律案について、あと二、三点御質問申し上げたいと思います。まず、融資保険と保証保険についての考え方、いわゆる資料をいただいたもので見てみますと、融資保険が半数をこえておるようでございますが、私どもの考え方としては、保証保険に重点を置いていって、将来は保証保険がその主体になっていかなければならない、かように考えておりますが、長官のお考え方をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/2
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003・川上為治
○政府委員(川上為治君) ただいまお話がありましたように、私の方としましても、今後におきましては保証保険の方になるべく重点を置いていきたいというふうに考えております。現在お話がありましたように、大体半分以上が融資保険になっておりますが、一件当りの金額も融資保険の方が大きくなっておりますし、やはり保証保険の方はどちらかと申しますと、小口、あるいは中小の中以下のものが多いというようなことになっておりますので、われわれとしましても、今後はこの保証保険の方へ重点を置いてやっていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/3
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004・阿具根登
○阿具根登君 それで考え方はわかりましたが、保証保険の方が非常に実施されたのがおそいので、現在はそういうこともわかりますが、そのほかに保証保険が融資保険よりも非常に少いという何か原因があったら、お知らせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/4
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005・川上為治
○政府委員(川上為治君) この融資保険の関係は、どちらかと申しますと、この一件当りの金額が大きいと、従って全体の金額そのものも大きいということが言えるんじゃないかと思うのですが、私の方としましては、先ほど申し上げましたように、この一件当りの金額が小さくて、広くこの中小企業の弱小関係に行き渡っております保証保険の方をやはり重点的に考えるべきだと思いますので、今後は、対策といたしましても、融資保険についてはワクをある程度締める、そして、この保証保険のワクをよけいにして、そっちの方をだんだんふやすというような方向に持っていきたいというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/5
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006・阿具根登
○阿具根登君 次に、私どもは、不幸にして銀行から金を借りたこともございませんし、銀行に預けたこともございませんし、保証協会にお世話になったこともございませんので、よくわかりませんが、私どもが地方で耳にすること、あるいは地方の方々からお聞きすることでは、保証協会が保証をするということは、これは銀行が貸付の対象に了解をしたものでなければ保証しない。いわゆる、保証協会の保証じゃなくて、銀行が貸していいんだというような人に対して保証をしている。そうすれば、これは保証の必要もないようなことになりはしないか。保証協会の自主性というものはほとんど考えておられない、こういうことが言われておるんですが、その点はいかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/6
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007・川上為治
○政府委員(川上為治君) その問題につきましては、全国の保証協会、まあいろいろその種類もありますので、あるいはそういうような非難を受けられる点もあるかと思うんですが、やはり保証協会におきましては、一面におきまして、いわゆるあっせんの保証ということもいたしておりまして、銀行に対しまして、銀行がなかなか貸せないというような者について、保証協会においてその借入者の方を十分調査いたしまして、これならば大丈夫、銀行は貸してもいいじゃないか、だから私の方でも十分保証をするから、というようなことで、いわゆるあっせんをいたしまして、銀行がなかなか貸せないというものをあっせんによって、そしてまた同時に、保証によって、銀行をして金を貸し出させるというようなことも相当やっておりますので、先生の今お話しになりましたような非難の点も、ないではありませんけれども、また、一面におきましては、相当程度このあっせん保証をやっておりますので、私は、この保証協会におきましての本来の仕事を相当程度やっておるものと思っておりますけれども、今お話しのありましたようなことも、非難の事項としていろいろ私の方でも聞いておることもありますので、そういうことが極力ないように、保証協会のあっせんなり、保証によって銀行が積極的に貸してくるというようなふうに今後は指導していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/7
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008・阿具根登
○阿具根登君 もう一つその問題につきまして。保証協会の役員の方が大体銀行上りの人が多い、こういうことも聞いておる。だから、銀行は銀行同士のなれ合いになってくる。保証協会というものは、一つの銀行のサービス機関になっておる。銀行が保証協会を使ってやっておる。とういうような形になって、そうして、実際これで保証されて助かるべき人たちが、そういう人のつながりなんか持たない場合に、非常に借りることがむずかしい。もう、先ほど言いましたように、保証協会の保証があったから銀行が貸すのじゃなくて、銀行が貸すということを言ったから保証したと、こういう逆な形になっておる。私は保証協会の自主性がどこまでそこなわれておるか、専門家じゃないからわかりませんけれども、私どもが聞いた範囲内では、特別そういう苦しい人ばかりの話しであるかもわかりませんけれども、私どもが聞いた範囲内では、保証協会が銀行のまあ扱いものになっておる、保証協会の自主性がないんだ。今度また十億からの金を政府がおろすということになれば、これも、極端な言い方をするならば、特定の人がそういう運動をやっておって、特定な人にだけしかその恩恵が行かないと、こういう形になるんではないかと思うのですが、そういう点はいかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/8
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009・川上為治
○政府委員(川上為治君) 保証協会の役員につきまして銀行出身の人たちが相当おりますことは、これは事実でございます。従いまして、ややもすれば、先生のおっしゃいましたようなそういう運営をされるおそれもあるわけでございますけれども、私どもの方としまして、いろいろ調べ、あるいは聞いておる範囲におきましては、そのためにあっせんが非常にうまくいっていないということは、実はまあそれほど聞いておりませんが、しかし、もしそういうことがありますれば、やはり本来の保証協会としての目的に沿わないことになりますので、私どもとしましては、その点も十分監督いたしまして、今後は極力零細な、ほんとうに保証してもらわなければ銀行から金が借りられないというような方面に、保証をさせるように努力したいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/9
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010・阿具根登
○阿具根登君 もちはもち屋で、これは専門的な話は専門的だということは、私も肯定いたしますが、今日本で、いわゆる汚職や、あるいは不正だといって騒がれておる問題は、国鉄にいたしましても、国鉄の職員がやめて国鉄につながるものにくっついておって、そうして利権あさりをやっておる、これが一番のガンだと私は思うのです。それから、最近また銀行で不正事件が出ております、福岡の例にいたしましても。そういうものが出ておるが、すべてそういうものに関係のある人は、銀行であるならば銀行上りの人が中に入っておる。私は、このままでいけば、中小企業に一番尽すべきこういう信用保証協会とか、あるいは商工中金等にこういう問題ができてくるのを心配するわけなんです。商工中金百二十五億ですか、今度。この金が公庫みたいに四百億も五百億にもなってくると、そうするといろいろな問題も起きてくるであろう。そうした場合に、本来の務めを忘れて、一銀行マンかブローカーのような考えになって、不正が起っていきやしないか、かような心配を私はするのです。国鉄において再三あげられておるが、すべて国鉄の職員上りの人なんです。こういう信用保証協会にしろ、金庫にしろ、すべて金の名前のつく所は、ほとんど銀行上りの人が占めておる。そうするならば、その人たちの人的つながりというもので、何か不正が行われる心配が多分にある。これを私は非常に心配するものですが、そういう点について何かお考えがあったら、お聞かせ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/10
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011・川上為治
○政府委員(川上為治君) 最近相互銀行等でいろいろ問題になっておりますようなことが、ややもすれば、従来銀行に勤めた人が保証協会に入ってやっておるために、そういう問題が起りがちだという問題でありますが、私の力としましても、その点は十分一つ今後におきましては気をつけて、監督もしていきたいと思っておりますが、今回十億の金を保証協会に貸し付けるというような措置によりまして、保証協会に対する私の方の調査なり、あるいは監督というものが相当やりやすくなってくるのじゃないかというふうに考えておりますので、そういう点からいたしまして、従来以上に監督をいたしまして、保証協会が本来の目的を達するように私どもの方としましては指導していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/11
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012・阿具根登
○阿具根登君 意見が違うようですけれども、私は、この人的つながりということについては、強く要望いたしておきます。こういう問題について私がきょう指摘しておるようなことが再びないならば、これにこしたことはございませんが、こういうことが国会において、あるいは地方自治体において、再び問題になり、しかも、それが人事関係から生じておるということがないように、特に強く私は要望しておきます。
それから保証協会が保証する場合に、担保を要求されておるということを聞いておりますが、事実そうであるかどうか、お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/12
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013・川上為治
○政府委員(川上為治君) これは定款によりましてその担保を取ることもできますし、あるいはまた担保を取らなくて、その保証人だけでもよろしいというような場合があるわけでございまして、協会によりまして、これがまあどの程度やっておるかということにつきましては、いろいろその色合いがあるわけなんですが、大体の保証協会におきましては、今先生がおっしゃいますように、担保を取っておるような実情になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/13
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014・阿具根登
○阿具根登君 私は、保証協会の真の目的は、そういう担保のない方に、金を貸す保証をするのが目的だと思っておるわけなんです。担保がある人だったら、それは担保の額にもよりましょうけれども、完全な担保を持っておる人だったら保証してもらう必要はない、担保がないからこそ、零細中小企業に対するこういう保証協会ができて、そうして保証してやって、地方自治体も、それから国も相当な金を出して、その尻を拭いておるわけです。保証倒れを見ているわけです。だから、その保証倒れがあるのを望むのではございませんが、まず担保のないような人たちに貸すのが、保証協会の私は役目だと、こう思っておるのに、保証協会は保証協会だけを守るために、ほかの銀行がやるようなことと同じような、担保を要求されるとするならば、ここからも保証協会の性格を疑わざるを得ない。こういうようになってくるのですが、この点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/14
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015・川上為治
○政府委員(川上為治君) 小口のものにつきまして、特に弱小企業者に対しては、今先生もおっしゃるように、私どもの方としましても、なるべくその担保を取らないで、対人的な信用によって保証していくというようなふうに持っていくことが、私は保証協会としての行くその方向ではないかというふうに考えておりますが、現在のところは担保を取っておるものもありますし、取っていないものもありますけれども、やはり保証協会においての貸し付けの相手方が、中小企業の方で、大きいものもあれば、弱小のものもありますし、また、担保を全然取らないというようなことになりますというと、これまた、この貸し出しが非常に放漫になるというようなおそれもありまして、現在のような状況になっておると思うのですが、まあ、私どもとしましては、先ほども申し上げましたように、今後におきましては、なるべく小口、特に弱小関係の企業者に対する保証に重点を置いていくべきだと、また、保険についても同様な方向に持っていくべきだと、しかも、そういう弱小企業者は、この担保物件というものがなかなかありませんので、なるべくその対人的な信用というようなことによって保証するというような方向に、極力私どもも今後は指導していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/15
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016・阿具根登
○阿具根登君 今までの質問で明らかになりましたように、銀行が貸し出しを許可した人に対して、協会がほとんど保証をしておる。そうしますと、銀行は貸す対象としては、おそらく担保を考えて貸す対象としておるに違いございません。そういたしますと、上からも下からも、これはがんじがらめにされて貸し出しがされておる。もちろん金を貸す以上は、金を返してもらうのが前提になっておりますから、私は、普通の銀行あるいは高利貸し的な考えならば、それは肯定いたします。しかし、国や地方自治体が主になって、中小企業、特に零細企業を中心にして助けねばならないといって作った信用保証協会であるならば、一般銀行や、あるいは金庫等と性質が違っておるものだと、損害も私は一応あるべきだと覚悟しなければならない。しかも、そのために担保もない人にこういう組織を作って、そうして金を貸し付けてやろうというのであるから、もう少し信用保証協会そのものの使命をはっきりしなければ、信用保証協会として、中小企業、零細企業のバックになって、皆さんの力になりますよと言ったのは、旗じるしだけであって、実際実施されるときにおいては、担保も持たない弱い業者は、ほとんど泣きの涙でこの恩恵にありついておらないというのが現実だろうと思うのです。そこで、特にその点を強く要望いたしまして、そういう担保も持たないような弱小業者に対して、もっとあたたかい信用保証協会というほんとうな使命に達して、そういう人を対象にしていただきたい。これを強く要望いたしまして私の質問を打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/16
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017・小西英雄
○小西英雄君 ちょっと関連して。ただいま阿具根委員からも強く指摘されましたように、この信用保証協会が、いろいろ調べてみると、やはり銀行の上前をはねるような、やはり担保を要求しておることが非常に多いので、結局銀行の方も調べて大体確実になったものに貸しておるのに、さらに保証協会が担保を要求し、そうしてそれに何がしかの保証料を取っておる。非常に高利な状態になって実際の業務は行われておる。これは東京あたりでわれわれよく聞かされ、また、事実そういう実証するのを見て参ったのでありますが、保証協会のほんとうの使命は、私たちは今阿具根委員が言われたように、担保物件がなくても私たちは、Aという会社が小さい事業ながらここに五年間もいるとか、あるいは十年も営業している、そういうふうな対象の方を重点に置かれて、保証協会そのものは銀行を上回るような仕事をやってあぐらをかいている。そんなら保証協会というものの使命はやっておらぬので、私たちはこういう点に、性格的にほんとうの使命はむしろこの信用保証協会というものは、担保には重点を置かないという根本理念において立たなければ、この中小企業者に対する金融はできない。私たちは家庭工業その他においていろいろ聞かされるのでありますが、結局担保がなければ貸さぬのだ、私たちの考えているのは、むしろ対人と、それから長く居住していて、一定の会社が、小さいながらも細々と、五年とかあるいは六年やっているという者の方に重点を置いて信用保証協会が活動しなければ、ほんとうの使命がないのじゃないかと思うので、この点一つ中小企業庁長官あたりは、特に担保という重点を、少し重く見ぬように今後の指導を願わなければ、保証協会というものの、実際に庶民に対する、中小企業に対する金融が、幾ら声を高うして中小金融と言ってもできないのじゃないか、私はこう思うので、一つそれを特に御配慮を願いたいのです。どうですか、中小企業庁長官、そういう点について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/17
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018・川上為治
○政府委員(川上為治君) 先ほども申し上げましたように、私も今先生がおっしゃいますように、やはり弱小、小口の関係につきまして、なるべく対人信用でやっていくべきであって、担保はなるべく取らないでやっていくようにすべきだというように、基本的には考えておりますので、今後におきましてはそういう指導でいきたいと思っております。ただ、現在におきましては、やはり担保も取り得るし、また、保証人もさせるというような、そういうようなことになっておりますので、特に金額の比較的大きいものについては、どうしてもやはり担保を取らなくちゃならないというようなこともあるかと思うのですが、まあ私どもとしましては、やはり保証協会の使命というのは、特に中小企業の中以下について重点を置くべきだというふうに考えますので、なるべく対人信用でいって、担保をなるべく取らないようなふうに指導していきたいというふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/18
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019・小西英雄
○小西英雄君 今の、やはり中小企業庁長官あたりはよく御理解が中小企業にあるから、そういう御答弁になると思いますが、実際に法律上のあれの中では、担保をも取り得るということを書くと、結局安易な担保を取って貸すことが、一番自分たちの最終的の使命はのがれやすいのでありまして、そういうことに重点を置かれることのないような、一つ文章的にもそういうことを明らかにしてもらいたいということは、これは私先ほど申し上げたように、やはりこの信用保証協会というものが対人であり、その人の歴史等を非常に中心に見ると、たとえば一定の企業を、ここに十年とかあるいは五年とかあるいは大体一年以上その土地におるということが規定いたしておりますが、そういう点はけっこうなんですが、そういう点の方に重点を置いて貸し出さなければ、やはり担保の方に重点を置くことになるのです。銀行屋の癖というのは担保を取っておくことが、最終的に自分の責任からのがれるのだ。これは普通銀行においては、特に担保を対象に金の貸し出しはしないということを言いながら、やはり担保重点に貸し出しておるのが、現在の銀行の業務なんでありますので、この保証協会の使命はむしろ対人であり、対歴史というか、そういうふうなことに重点を置くように一つ御配慮願わなければ、せっかくわれわれがここで何ぼ論議しても、ちょっとそういう文章を出すと、そういうことになるので、特に一つそれをお願いして文章上にもそういうことを表わすようにお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/19
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020・川上為治
○政府委員(川上為治君) 今回のこの法律改正によりまして、政府の金が十億各保証協会に貸し出されるわけでございますので、これを契機としまして、われわれの方としましても保証協会の運営に対して指導を強化したいというように考えております。まあ、ほかにもいろんな問題もございますので、そういうものと一緒にこの運営のやり方について、私の方からも各保証協会に通達をしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/20
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021・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) ちょっと関連してですけれども、今担保の問題が出ておりましたけれども、保証協会によりますというと、調査費というものが相当大きな負担になるという非難を聞いておるところもある。大体調査費というものは、どのくらいの見当であるべきか。あるいは現在のような調査費というものが適当であるかどうかという問題なんですが、これについて御見解を伺いたいと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/21
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022・川上為治
○政府委員(川上為治君) 調査費をどの程度取っておりますか、実は私資料を持ってきておりませんが、やはりその銀行が貸し付ける上に、いろんな点についてその中小企業者の調査も十分にしなければなりませんので、その調査費があるいはよけいにかさんでおるのじゃないかというように考えますけれども、私の方としましては、そういうこの調査費についても、なるべ少くく取るように、ひいてはこれは結局保証料の問題になってきますので、保証料も極力低くするようにしたいと考えておるのですが、やはりこれも今後こういう政府の方で金を貸し付けるというのを機会としまして、そういう点も十分監督指導していきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/22
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023・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) もう一つ、保証協会が直接貸すわけじゃないですから、これは市中銀行から借りる場合にその銀行の利子がある。それから保証料はもちろん出さなければならない。その上に調査費を天引きで出さなければならないということになりますと、まあ零細企業で、普通の市中銀行で相手にされない人が、保証協会の保証をつけて銀行から金を借りるという形になるのですが、調査費を天引きされて保証料を出して、それからまた市中銀行の利子を出してということになると、相当まあ高利になるわけです。困っている人に高利ということになって、大きい人には安い利子で金を貸す、そういう現在のやり方というものは、全く本末転倒していると思うのです。それですから、保証料はもちろんですけれども、調査費などで天引き、相当高額なものを取ってしまうというようなことは、保証協会の本来の業務からいって、適当でないと思うのです。この点は先ほどの担保の問題と同様に、中小企業庁長官の方からも適当な行政指導をやっていただきたいと思います。
それからもう一つ、いわゆる営利無尽というものがあるわけですね。営利無尽というとおかしいですが、普通のお宮の講中だとか、講だとかいったものではなくて、明らかに店舗を張った無尽というものが今でもあると思う。そういうものに中小企業が資金の依存をしている度合いというものは相当高いと思うのですが、もちろんこういうもぐりの無尽行為ということは、大蔵省として厳重に取り締っていると思うのですけれども、市中にはやはりいろいろの名目を設けて、そういうものをやっているものあると思うのです。こういうものは高利でありますし、もしどっかでつまずいたら、大へんな迷惑を中小企業者に与えるということになるのですが、こういうものの実体について、中小企業庁としてお調べになったことがあるか。あるいはその中小企業に非常な損害を与えたという実例をお聞きになったことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/23
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024・川上為治
○政府委員(川上為治君) 実は、私の方もそこまでは調査をいたしておりません。現在高利貸しとか、あるいは今先生のおっしゃいましたような頼母子講みたいなものがありまして、そのために非常な高利の金を中小企業者が借りて弱っているというような話は十分聞いておるわけなんですが、どの程度それがあるか、どういうやり方でやっているかという点につきましては、実は私どもの方にも、まだ十分調査もできておりませんが、大蔵省と連絡もとりまして、調査も今後したいと思っております。ただ、そういうものからなるべく金を借りないで、この中小企業金融公庫であるとか、あるいは国民金融公庫であるとか、あるいはその保証協会の保証によるものであるとか、そういうようなもののもっと資金を潤沢にして、そして広げていくということが、一番われわれとしましても、この際大事なことではないか、また一面、今のお話しのようなそういう高利貸しみたいなものに対する取締りというものを、また強化してもらわなければならないだろうというふうに考えておりますが、今のところそういう機関についての調査は十分実はいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/24
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025・豊田雅孝
○豊田雅孝君 中金法の関係で前に時間がなかったために質問漏れになっている点を質問したいと思うのでありますが、第一点は「第二十八条ノ三」として、今回商工中金が代理業務をやるときには、組合の構成員以外の者のために債務保証ができるということになるわけであります。これについては前々からいろいろ中金法の改正が行われておりますけれども、組合の構成員以外に及ぶというのは、今回が少くとも法文の上としては初めてだと思うので、そういう点を考えてみますと、この組合員以外の者のために貸し付けを行う、債務保証を行うということになると、中金法の第一条の目的、要するに「商工組合中央金庫ハ中小企業等協同組合二対スル金融ノ円滑ヲ図ル為必要ナル業務ヲ営ムコトヲ目的トス」という点に違反することになるじゃないかという疑念があるわけですが、これについてはどういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/25
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026・川上為治
○政府委員(川上為治君) この問題につきましては、いろいろ私の方としましては、法律的な見解につきまして、法制局の意見も聞いたわけなんですが、この二十八条の三号を見ますと、「商工組合中央金庫ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ国、公共団体又ハ銀行其ノ他ノ金融機関ノ業務ノ一部ヲ代理スルコトヲ得」ということになっておりまして、二十八条の一、二、三、四、、五、この辺になりますというと、「所属組合又ハ其ノ構成員ニ対シ」あるいはまた「所属組合又ハ其ノ構成員ノ為ニ」というふうに、はっきり書いてありまして、この二十八条の三と二十八条とは、その辺につきまして書き分けをしておるようでありますので、組合員以外に対しまして代理貸付をいたしましても、別に法律上差しつかえないんじゃないかというふうに考えております。しかしながら、この問題につきましては、実際問題として、やはりこの第一条におきましては、組合なりあるいは構成員というのを、どうしても中心に考えていくべきものだというふうに私どもは考えますので、中小企業金融公庫の金を、中金が代理して貸し出す場合におきましては、やはり組合なり、あるいはその構成員なりに重点を置いて、そちらの方によけい回すようにしまして、その組合あるいはその組合員以外のものにつきましては、これは付随的な仕事としてやらしていきたいというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/26
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027・豊田雅孝
○豊田雅孝君 構成員に対して重点を置くと言われるのですが、形式的にいえば、構成員以外にも及ぶということになると、一条の目的を変更しなければいかぬのじゃないかという疑念があると思うのです。今いわれた第二十八条の三で、業務代理を認可を受けてやるといわれるのですが、この場合には、組合及び組合員について業務代理をやるというふうに読めるのですね。そういう点においては、第一条の目的に触れる触れぬという問題は従来なかったと思う。ところが、今回初めて表から、組合の構成員以外に及ぶのだということがはっきりしてくるので、そうなってくると、第一条の目的の方も広げなければならぬのじゃないかという疑念を持つのです。これは前々から余裕金運用の方については、それは構成員以外にも及ぶことになっているのですが、これは余裕金だから問題がないと思うのですけれども、今度は余裕金関係でなくいく場合に、明らかに、組合の構成員以外にも及ぶ。そうだと、これは第一条の目的を広げていかなければならぬのじゃないかという疑念があると思うのですが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/27
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028・川上為治
○政府委員(川上為治君) その点は、先ほども申し上げましたように、私どもの方としましても、法律的に検討しました結果、やはりこの二十八条の三と二十八条は書き分けておりますので、目的に著しく違反しない限りにおいては、そういう付帯的な事業ができるのじゃないかというふうに解釈いたしておるわけであります。現に信用協同組合につきましても、この協同組合法の第九条の八におきまして、やはり「組合員に対する資金の貸付」とか、「組合員のためにする手形の割引」というのがありますが、その二項に、「信用協同組合は、前項の事業のほか、次の事業をあわせ行うことができる。」ということになっておりまして、第一は、「金融機関の業務の代理」、それからまた第二は、「前号の規定により貸付の事業の代理をする場合において、その貸付によって生ずる債務の保証」というような条文もありまして、この組合員以外のものについても、貸し付け得るようなことになっておるわけなんですが、やはりこの商工組合中央金庫法によりましても、第一条の目的に著しく違反しない限りにおきましては、この付随的な代理貸付業務というのは、まあできるのじゃないかというふうに私どもは解釈しておるわけでありまして、実際問題としては、先ほど申し上げましたように、やはり構成員に対しまして、極力この公庫の金も代理貸しをしていくということにしていきたいというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/28
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029・豊田雅孝
○豊田雅孝君 信用協同組合との関係は、目的のところにどういう規定があるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/29
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030・川上為治
○政府委員(川上為治君) これはその協同組合法の第一条に、この法律は、中小規模の商業、工業、鉱業、運送業、サービス業その他の事業を行う者、勤労者その他の者が相互扶助の精神に基き、協同して事業を行うために必要な組織について定めるというふうに、やはり共同して協同組合を作って、これらの者の公正な経済活動を確立し、あるいはその自主的な経済活動を促進するということが、その目的に書いてありますけれども、しかし、実際の仕事としましては、この目的に著して反しない限りにおきましては、この協同組合を構成しておるメンバー以外についても、この九条の八によって代理貸付ができるというようなふうになっておると考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/30
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031・豊田雅孝
○豊田雅孝君 協同組合の方は、共同施設を組合員が共同でやるわけですけれども、これは員外利用というようなことは認められておるんですが、これはちょうど商工中金の場合であれば、余裕金運用みたいなものですね。ですから当然員外に及んでいくということはできると思うんです。ところが今度の改正は、余裕金関係じゃなく、全然別個のことを新規にやっていくということになるわけですね。それと、中金法の第一条の目的が、非常にはっきり協同組合に対する金融の円滑化をはかるためと明瞭に出ているものだから、今引例になられたけれども、信用協同組合の場合とは、だいぶ違うと思うんです。この点どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/31
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032・川上為治
○政府委員(川上為治君) 余裕金の場合は先生のおっしゃった通りでございますが、やはり今回のこの措置は、中金自身の持っておる金ではなくて、中小企業金融公庫のものを代理貸しをしていくというようなことでありますので、まあ余裕金と同じようなふうに考えても差しつかえないんじゃないだろうかというふうに、私どもは考えておるわけなんですが、中金が本来自分で持っておる金を、そうした員外者に貸し出すということは、これはこの法律からいたしますというと、非常に目的以外のことになるんじゃないかというふうに考えますけれども、中小企業金融公庫の金を代理貸しするということでありますれば、この目的に非常に支障のない限りにおきましては、ある程度のことはまあ許されてもいいんじゃないだろうかというふうに実は考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/32
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033・豊田雅孝
○豊田雅孝君 御承知のように、代理人になるのには、代理人になる者が、その代理をする被代理人の権限と同じ権限の範囲内においてはやれるけれども、代理人にない権限にまで及んでいくということは問題だという議論が、従来から行われているんです。そういう点からいくと、商工中金の目的というものは、第一条ではっきりしておる。そうすると、それ以上に及んでいくという場合に、法理的な問題が出てくるということで、私は相当疑念があると思いますけれども、そうしてまた、御答弁になっておるところでは、著しくとか、著しくないとか、あるいは程度の差の関係だとか、ある程度までいいだろうとかいうことで、結局運用でやっていかれるというようなことがはっきり出てくるわけですが、これ以上もう私も議論しませんけれども、非常に法理的に問題があるだけに、その運用に当っては、最初長官から申されたように、組合の金融の円滑化をはかるんだという大きな目的というか、大きな制限の点に触れないように、背馳しないように、逆行しないように、十分に運用について考えられるようにせられたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/33
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034・川上為治
○政府委員(川上為治君) この問題につきましては、今先生のおっしゃいました第一条の目的にまあ違反するんじゃないかと、法律的に違反するんじゃないかというようなお話しもありますが、同時にまた、一面から考えますというと、組合の組織の強化という点からいいますというと、矛盾するようなことになりやしないだろうかというような意見もございますので、私どもの方としましては、その運用につきましては十分気をつけて、組合の強化を阻害することがないように、また商工中金の目的に背反しないように運用していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/34
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035・豊田雅孝
○豊田雅孝君 それでは第二点でありますが、第二点は、この衆議院の商工委員会での付帯決議第五にも出ておるのでありますが、信用組合及び信用組合連合会の育成をはかる、また、これが同時に商工中金の資金源を培養するということになるということに触れての問題でありますが、先般来中小企業庁長官もこの点について触れられまして、商工中金のこの資金源を預金の増大によって今後いく面が相当期待せられておるようであります。で、またそれが同時に商工中金の資金コストを下げるという上において、相当期待をせられておるようでありますが、まあ私どもは前に質問した際にも、中小企業者というものは、もう借りたい一方であって、預金は全然せんではないけれども、その預金というものはもうわずかにしれたものである。極端に言えば、もう借りたことに関連しての、このほんの気休め的なものだというぐらいにすら考えられるのでありまして、あまりにこの預金に期待ができぬと思うのでありますが、それだけに、この信用組合の一連の組織を、商工中金の傘下に入れるということになり、また、長官はこれによってこの低コストの資金を吸収しようということを強く言われておるのでありますが、そういう点から見ますと、信用協同組合に第三者の預金を取り扱わせるということでないと、全くその実が上らないと思うのであります。で、これについて中小企業庁長官はどういうふうに考えられておるか、また、大蔵省の見解をどういうふうに見ておられるか、そしてまた、今後の対策をどういうふうに考えられるか、そういう点を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/35
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036・川上為治
○政府委員(川上為治君) 現在まあ御承知の通り信用組合におきましては、組合員以外の一般の者から預金を受け入れるというようなことには、まあなっていないわけでございます。これがこの信用金庫と非常に違うわけなんですが、まあ私どもの方としましてはこの信用組合と商工組合中央金庫との関係を結びつけるという意味、そして同時にその預金をなるべく中金に吸収していきたいという点につきましては、現在その信用組合が自分で持っております、そしてこれを他の金融機関等に預けております、そういう余裕金を極力中金の方へ吸収していきたいというような気持を持っておりまして、先般信用組合を中小企業金融公庫の代理店といたしましたのも、やはり一つはそういうような意図も、商工組合中央金庫の代理店といたしましたのも、やはりそういう実は意図を持っておるわけなんです。まあできれば、員外者の預金も集めてその預金が商工組合中央金庫に入ってくるというようなふうにいたしますというと、これは相当預金も集まってくるんじゃないかというふうに、まあ私は考えておるわけでございますけれども、やはりこの信用組合とこの信用金庫というものについては、やはり一つの線が画されておりまして、もし員外者から預金を集めるというようなことになりますというと、信用金庫と全く同じようなものになるというようなことになりますので、その点につきましては、まだそこまで大蔵省との間に話をつけて踏み切るというところまでにはなっていないわけでございますが、この問題につきましては今後の重要な研究問題として、われわれ検討していきたいというふうにまあ考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/36
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037・豊田雅孝
○豊田雅孝君 全く同じものが世の中にはたくさんあるのですね。金融関係でも一々例をあげれば、そんなに重複したものを、せっかく政府がまた作る必要もないのじゃないかというようなものすらあるわけです。それぐらいこの同じものが重複してあるのですが、何ゆえにこの信用金庫と信用組合、第三者預金を集めることについて両方やってどうして悪いのか、まあ、世間ではそういう点からどうも政府では信用金庫だけ大事にして、信用組合というものをまま子扱いにするというような説も強く流布せられておるのですね。そういう点ではどうも信用組合に第三者預金を扱わさぬということについては割り切れぬものがあるのですね。で、こういう点を考えられて、今後は中小企業庁長官もちろんですが、主管大臣みずから先頭に立たれて、そうして大蔵省とも折衝せられて、そうしてこの問題を解決せられる必要があるのだと思うのですが、もしもそれでなければ、これを商工中金の傘下に入れてみたって、かえってこれに金を貸していかんならぬようなことばかりになって、さなきだに足らぬ資金源がなお足らぬようなことになると思うのですね。こういう点から見ると、どうしても信用組合に第三者預金、員外預金を集めさせるということが必要だと思うのです。そうしてまた、員外預金というが、これは集めようによりまして、その信用金庫で集める層と信用組合で集める層、必ずしも同じじゃないのですね。それぞれ別の層、別の階層から集め得るのですから、あれだけこの貯蓄奨励貯蓄奨励とやかましく言っておるのですから、信用組合に員外預金を扱わせるということは、私はもうちっとも差しつかえないものだと思うのですが、これについて御意見はどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/37
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038・川上為治
○政府委員(川上為治君) 実はこの問題につきましては、やはり非常に重大な問題としまして、金融制度調査会でありましたか、あそこでもこの信用組合の問題を今後どうするかという問題につきましては、重要な課題として検討することになっております。私どもの方としましても、現在の信用金庫あるいはその信用組合、あるいはその商工中金、あるいはその中小企業金融公庫というような、こういうその中小企業関係のいろいろな機関について、その仕事の範囲をどの程度にすべきか、あるいはその分野をどうするか、あるいはまた、これをなるべく吸収、合併するような方向に持っていった方が、中小企業のためにいいかどうか、そういう点も十分検討したいというふうにまあ考えておりますが、先ほども申し上げましたように、金融制度調査会におきましても、この信用組合の問題につきましては非常に重大な問題と考えておるようでありますので、私の方としましてもさらに積極的に研究いたしまして、この委員会と連絡をとりまして善処したいというふうに、まあ考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/38
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039・豊田雅孝
○豊田雅孝君 最後に一点だけ申し添えておきますが、その金融制度調査会だと、大金融機関関係の論議が中心に行われて、そうしてまた委員になっておるのも、どっちかというと、大金融機関関係の人が多いのですね。従ってこの信用組合と信用金庫との関係とかいうような問題になるというと、全くいいかげんに扱われてしまう傾向があると思うのですが、そういう点から見まして、この信用組合の員外預金扱いということは、中小企業のこの組織化、これを強く考えていくということ、それに伴う組合金融の育成強化ということが非常に必要なわけなのでありまして、特にこの信用組合の第三者預金、員外預金を扱えるように、金融制度調査会で初めからこの問題が大きくクローズ・アップせられるように、中小企業庁の方から特に、まあこれは先ほども申しますように、政治問題的な問題があると思うのです。信用金庫と信用組合問題は、どうも政治問題だというようなこともいわれておるのですから、そういう点から通産大臣、通産政務次官一緒になられて、中小企業金融の資金源を預金によって大きくここで展開していくのだ、そして資金コストも下げさしていくのだという大きなねらいから、一つ金融制度調査会に臨んでいただきたいと思うのでありますが、この点長谷川政務次官お見えでありますから、一つ御見解を伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/39
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040・長谷川四郎
○政府委員(長谷川四郎君) 御指摘の通り、調査会の委員は全く私は豊田さんのおっしゃる通りのような人材が出ていると思うのであります。従ってこの問題は、先日来も衆議院においていろいろと話し合った中にも、こういう問題が出ておりますので、私といたしましても大体この予算でも通ったら、ゆっくりこの点大蔵大臣とでも話し合って、そういう方向に向けていきたいというふうに考えておったわけでございます。
お話のついででございますので、先ほどの阿具根さんの御質問等も全くごもっともな点が多々あると思いますので、そういう点についてもお答えします。こういう点はやはり十分考えなければならない点が多い。たとえば保証協会というものの使命というものは、どういうものによって作られているかという点等も、十分考えなければならない問題と思っております。たとえば銀行で一応担保を取る、協会でまた取る、地区によっては違うようなお話しでございますが、こういう点等についても、はっきりとした今度はこちらの方からどういうふうにしなければならないという通牒によってこれらをさせるべきである、こういうふうにも考えております。いろいろと御指摘された点については、十分これらの点は考慮していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/40
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041・大谷贇雄
○大谷贇雄君 先ほど来の信用保証協会の問題につきまして、今政務次官からお話があったわけですが、これは先ほど来委員からいろいろ御質問があり、また長官から御答弁があって、その御答弁の中に、ほとんど担保物件を取っておるというお話しでありましたが、これはそうなのでございますか、そういう確実な資料があるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/41
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042・川上為治
○政府委員(川上為治君) これは実は私の方で、どこの協会においては担保を取っているものがどの程度になっているという資料は、今日のところはまだ持っておりません。しかし、大体どこの協会におきましても担保を取るか、あるいは保証人をつけるか、そういう措置をとっておるわけでございまして、先ほども申し上げましたように、私どもとしましては小口のものについては、なるべく担保を取らない対人信用でいく、そういう措置をとらせるように指導していきたい。もちろん大口になりますというと、どうしてもこれはある程度担保を取らないと、なかなか問題もございますので、これはやむを得ないというふうに考えるのですが、少くとも二十万であるとか、十五万であるとか、そういう程度のものについて担保を取るということはどうかとも考えますので、今後におきましては、なるべくそういう指導をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/42
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043・大谷贇雄
○大谷贇雄君 そこで御答弁で了解をいたしますが、信用保証協会というものは、なるべく大口保証というものを抑制していくことが当然なことだろう、中小企業、非常に薄弱な零細企業等に対して、信用保証協会が援助の手を差し伸べるということが法律の精神だと、かように思いますのに、今法律の中に担保物件を取ってもいいのだということがあるために、どうしてもこれは係りとしてはやすきにつき、また危険を防ぎたいというようなことから、やすきにつくことによって、どうしても担保を取るということが大勢ではないか、かように思うのであります。そうしまするというと、やはり零細企業に対するせっかくの法律の趣旨が反対なことになって利用ができないということになるので、これは一つには、大口保証というものはなるべく避けるとともに、小口保証でもこれは法律にそういうことがあるから、中にはどうしても自然の勢いとして担保を取るということなんだが、今政務次官なりまた長官のお言葉で、対人信用で行政指導をしていきたいということでありますが、これははっきりと担保を取ることができるというような文句を取ってしまうというような御意思はないかどうか、一つお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/43
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044・長谷川四郎
○政府委員(長谷川四郎君) 御承知のように、金額の限度というものが出ておりませんものですから、大口になった場合に対しても、全然担保は要らないのだということには私は参らないと思うので、たとえば先ほどから御質問にあったような零細な部面においては、これらは通牒でそれらの措置ができる、こういうように考えております。そういうような方向へ向っていきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/44
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045・大谷贇雄
○大谷贇雄君 大体了承いたしましたが、この信用保証協会の性格、また法律の趣旨を生かしてそうして中小企業、零細企業に援助の手を差し伸べる、こういう根本精神からいきまして、なるべく担保は取らぬ、あくまで借用でいくのだ、こういうことに一つ強い行政指導をお願い申し上げたい、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/45
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046・小西英雄
○小西英雄君 開通して。今大谷委員からも言われたのですが、私が聞いたところによると、同一資金に対して二重に保証を取っておる。たとえば銀行は二百万円金を出すために一つのものを担保に取っておいて、その上に信用保証協会の方からも通していってくれという場合に、信用保証協会もまた二重に担保を取っておるというような実情があるのです。そういう点について二重に取っておるということはどうなるか、一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/46
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047・長谷川四郎
○政府委員(長谷川四郎君) 私そういう点がもしありはしないかというので、一応調べて見てくれといって問い合せたのです。ところが、今までにはそういう二重に取っておるというところはない。ただし、協会で取るところと銀行で取るところと、これは地区によっては違っておるけれも、そういう二重の担保というものは今まではない、こういうお話しでございますから、私はそういう点を心配しまして銀行で担保を取っておいて、また協会で担保を取る、そんなばかなことは許されない、こういうことで私も強くその点は指摘して、私の方で聞いてみたところが、今までのところはないのだ、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/47
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048・大谷贇雄
○大谷贇雄君 政府の方からいうとそうかもしれませんが、そういう実例がある。これは一ぺん強く二重に取ってはならないという文章に明記でもなければ……。私たちはこの信用保証協会の真の目的は、中小企業者は担保力がきわめて乏しいから、普通銀行は貸さない。そこを貸していただくのであるから、担保を主として貸し出しを行うならば、これは中間的搾取機関となって、銀行の人とか、官吏のやめられた人の就職の道のために、経費を見るとほとんど月給で、実際貸し倒れが少いようにするためには、われわれしろうと考えでも、担保を取っておいて保証しておけば、二重保証になって……。それから保証率は大資金も千万円も五十万円も一緒であるかどうかという点、五分とか六分とか相当高率な保証なんですが、そういう点について、今回政府の資金を融通するというような場合には、それをうんと下げる用意があるのか。これを明らかにせんと、保証協会というものは、その中間的搾取の機関にならぬように十分配慮せぬと、中小企業者に大体金を貸しておる保証協会のいろいろな書類を見てみると、普通われわれちょっと強く銀行が勉強すれば、保証協会を通さなくても貸せるような会社に安易につくために、もう貸し出し機関、普通銀行の不勉強のために、保証協会の方から保証をしてくれば金を貸す。貸してやってもいいけれども、いま一段、保証協会というものがあるのだから、それを通してきたら貸してやってもいいという考え方を、われわれ相当見受けたのですが、そういう点についての行政指導をどう考えておられるか、そういう点について、通産省の中小企業庁長官あたりは相当関心を持って、銀行等との接触をされる点についてどう考えておるか、そういう点一つ明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/48
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049・川上為治
○政府委員(川上為治君) そういう銀行もあると思うのですが、私の方としましては、そういうことがないように、やはり保証協会の本来の目的を達するようなふうに今後指導していきたいと思っております。今まで政府の方でも特別な遠慮をして、ただ監督だけをいたしておりましたが、今回からはこの千億を貸し付けることによって、相当運用についていろいろくちばしも入れられる、こういうふうに考えておりますので、先生のおっしゃいましたような方向に、われわれとしましては、これを機会にして持っていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/49
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050・小西英雄
○小西英雄君 保証料率の問題、一本かどうか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/50
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051・川上為治
○政府委員(川上為治君) これは大口につきましても、小口につきましても保証料率は一本になっておると私は聞いておりますが、しかし協会によりまして、それぞれその保証の料率は違うわけでございまして、あるいは三分というものもありますし、あるいはまた一分八厘というものもありますし、その協会によって、いろいろ違っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/51
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052・小西英雄
○小西英雄君 それは年ですか、一分八厘とかいうのは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/52
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053・川上為治
○政府委員(川上為治君) 年平均のこの実収信用保証料率というのは二・三分ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/53
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054・小西英雄
○小西英雄君 それは中小企業庁長官の方で尋ねた場合はそういうことになっておると思うが、もう少し銀行の調査を明らかにしてもらわないと……保証料率というものは相当高いものですよ。一・八とか、平均の二コンマなんとかというが、大体年五分とか、相当高いものを取っておるということを、われわれは報告を受けておるのですが、一つそういう点も今後監督を厳重にして、大体最高というものをきめられておかぬと、君のところは信用状態が悪いから年間五分であるとか、いろいろ違っておるようですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/54
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055・川上為治
○政府委員(川上為治君) 私の方としましては、最高三分ということで通知もいたしておるわけであります。そうしてその三分以内でこの五十二の協会がいろいろやっておるのですが、大体二分五厘というのが五十二のうちに十あります。二分九厘、これは高い方ですが、これが十七協会があるわけであります。それから低いところを申し上げますと、先ほど申し上げましたように、一分八厘という協会が四つあります。こういうことになっておりまして、一応調査の上ではそういうことになっておりますが、実は保証料率以外に、調査料という名前であるいは取っているものもあるかもしれません。そういう点を入れますというと、もっとこれよりも平均が高くなるということになるかと思うのでありますが、一応保証料率としてはわれわれの方の調査では、三十年度の実績ですか、三十年度においては、そういう報告が来ているわけでありまして、これを平均いたしますというと、全国の保証協会の実収信用保証料率というのは二分三厘ということに実はなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/55
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056・大竹平八郎
○大竹平八郎君 採決前に一言お伺いするのですが、これは両法案に関連いたしまして、前委員会のときにも長官にお尋ねをし、また大蔵当局にもお尋ねをいたしましたのですが、昨年来しばしば問題になっております中小企業者に対する保険の金融の問題なんでありますが、これは法律によらずして貸し出しをでき得るというようなことが、しばしば衆議院あたりの委員会で討論されていたのでありますが、その後中小企業庁長官として、大蔵省にどういう御交渉をされたか、その点を一つお聞きしたい。例の保険会社の金の利用です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/56
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057・川上為治
○政府委員(川上為治君) 今、ちょっとその数字をどこに書いてありましたか忘れましたが、従来大体損害保険と、それから生命保険の方で、この商工債券を引き受けている額が大体五億程度というふうに記憶しております。それから十二月の末に、私ども両方の保険会社にいろいろ話をいたしまして、そうしてさらにこれを増額してもらうようにということで話をしているわけなんですが、それが大体四億程度ではなかったか。さらに早急に、この際商工債券を引き受けようということになっているものが四億程度ではなかったかというふうに、今のところ記憶いたしております。これを飛躍的に、これをもっとふやすということは、なかなか両方の保険会社の方でも苦しい状態にあるようでありますので、飛躍的に増額するということは、非常にむずかしい状態になっているようであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/57
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058・小幡治和
○小幡治和君 この信用保証協会に、約十億今度貸し付ける。で、協会に対する配分の基準というものを何かお持ちでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/58
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059・川上為治
○政府委員(川上為治君) これはこの前の委員会におきましても、委員長から御質問があったのですが、私の方としましては、今確定した基準を持っておりません。これは各保証協会の方から計画を出していただきまして、その計画を見て、またその保証協会の実際の業務の運営なり、そういう点を十分見まして、そうしてその基準を作っていきたいと思っておりますが、従来の実績、あるいは計画、それによって按分していくというようなやり方は、これはどうかと思いますので、やはりその協会によって比較的弱体なところに対しましては、極力補強するというような意味から申しまして、ある程度按分率よりも高く、よけいに貸し付けをしていくべきじゃないかというようなふうにも考えますので、その点は各協会から計画を出してもらったその上で処理したいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/59
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060・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/60
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061・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/61
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062・川上為治
○政府委員(川上為治君) 先ほど大竹先生の御質問の点、数字が違っておりましたので訂正いたしますが、昨年の十一月末残で、この損害保険、生命保険の方からの商工債券の引き受けは、三億二千万円となっております。それからその後私どもがいろいろ中へ入りまして話をしました結果、この十二月から三月までに三億七千万円程度の商工債券の引き受けを、生命保険会社の方ではやる。それから損害保険会社におきましては、三十二年の二月から七月までに二億円程度の商工債券の引き受けをするということに話がつきまして、両方で五億七千万円増額するということになっておるわけでございます。これは七月以降につきましては、何もまだ話はきまっておりませんので、私どもとしましては、今後さらにふやしていきたいというふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/62
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063・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) ちょっと速記をとめて下さい。
午後零時二十二分速記中止
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午後零時五十三分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/63
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064・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) 速記をつけて。
ほかに御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/64
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065・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案並びに信用保証協会法の一部を改正する法律案を一括して討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
なお、付帯決議の御意見は討論中にお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/65
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066・豊田雅孝
○豊田雅孝君 商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案につきまして、以下申し上げまする付帯決議をつけまして賛成をいたします。
商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府は、商工組合中央金庫の中小企業組織化に果すべき使命にかんがみ、左記の事項につき特段の配慮を加うべきである。
一、商工組合中央金庫の資金源充実に努め、更に金利低下を図るため、資金運用部より直接低利資金の貸付を行い得るよう速かに必要な措置を講ずること。
二、商工組合中央金庫の組合員外者に対する公庫代理業務は、中小企業組織化の目的に背馳せざるよう特に注意すること。
三、信用組合の育成強化に努め、併せて商工組合中央金庫の資金源の拡充と金利引下げに資せしむること。
以上の附帯決議をつけまして、商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案に賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/66
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067・阿具根登
○阿具根登君 私は、信用保証協会法の一部を改正する法律案に関しまして、付帯決議を付して賛成の意思を表明するものであります。
信用保証協会法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
本改正によつて信用保証協会に対し資金貸付を実施するにあたり、政府は零細金融の円滑化を図るため、特に左記の諸点につき配慮すべきである。
一、信用保証協会においては、短期小口保障に重点を置き、長期大口保障は中小企業信用保険に移すよう指導すること。
二、信用保証協会をして、堅実にして物的担保に不足する小企業者の信用補完に徹せしめるよう行政措置を積極化すること。
三、信用保証制度の画期的拡充強化と自主性の確保を図るため、今後政府資金貸付額の増大、貸付金利の引下げは勿論、適切なる根本的施策を速やかに樹立すること。
以上の付帯決議を付して賛成をするものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/67
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068・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) ほかに御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/68
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069・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) 御異議ないと認めます。
それではこれより採決に入ります。
まず、商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/69
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070・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって衆議院送付の原案通り可決すべきものと決定いたしました。
次に、信用保証協会法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/70
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071・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって衆議院送付の原案通り可決すべきものと決定いたしましな。
次に、討論中に述べられました豊田君提出の商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案に対する付帯決議案並びに阿具根君提出の信用保証協会法の一部を改正する法律案に対する付帯決議案を一括して議題といたします。
両付帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/71
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072・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) 全会一致と認めます。よって豊田君及び阿具根君提出の付帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
なお、ただいまの決議につきましてこの際政府の所信を伺いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/72
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073・長谷川四郎
○政府委員(長谷川四郎君) ただいまの両法律案の付帯決議、また今日までの討論中にありました幾多皆様方の御趣旨については、十分その御趣旨を体しまして、その実現に努力する所存でございます。特に資金運用部資金より商工中金への直接貸付につきましては、今後とも関係官庁ともよく打ち合せいたしまして考えたいと思っております。
また、信用組合の員外預金の件につきましても、これらにつきましては金融制度調査会などとも十分連絡をいたしまして、その目的を達するように努力をいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/73
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074・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) なお、本会議における委員長の口頭報告の内容、議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/74
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075・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) 御異議ないと認めさように決定いたしました。
それから両案を可とせられた方は、順次御署名を願います。
多数意見者署名
阿具根 登 近藤 信一
大竹平八郎 相馬 助治
白井 勇 青柳 秀夫
大谷 贇雄 小西 英雄
高橋 衞 豊田 雅孝
小幡 治和 西川彌平治発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/75
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076・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) 暫時休憩いたします。
午後一時一分休憩
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午後二時四十九分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/76
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077・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) 再開いたします。
中小企業の資産再評価の特例に関する件につきまして質疑を行いたいと思います。大蔵省から河野理財局長、庭山経済課長が出席されておりますので、御質疑のある方はどうぞお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/77
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078・豊田雅孝
○豊田雅孝君 今回中小企業の資産再評価の特例に関する法律案が出たのでありますが、中小企業の資産再評価の特例というふれ出しになっておるわけでありまして、中小企業は御承知のように大企業と事情が違い、要するに非常に内容も弱体なものが多いし、しかも数が非常に多いわけでありまして、これを周知徹底させるのにも日にちが相当かかるというようなことでありまするし、また、毎度申しますように、中小企業の弱体性からそれに即応するような行き方になっておらないと、せっかくかような法律案が出ましても、絵にかいたもちに終る傾向があろうと思いますので、そういう面から、今回の中小企業の資産再評価の特例に関する法律案において、特に中小企業本位に配意せられておる、心を配られておるという点についてまず伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/78
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079・河野通一
○政府委員(河野通一君) 今般のこの法案は御指摘のありました通り中小企業の資産再評価、従って中小企業という大企業と違った性質にかんがみ、それに適合するようにいろいろな仕組みを配慮いたしてあるつもりであります。大きな点はいろいろありますが、まず第一には、できるだけ簡素に措置ができるようにいたして参りたいという点であります。これはいろいろな延納とか繰り上げ徴収とかの制度を採用しないようにしたとか、納付方法を簡素化しておるということが第一点であります。
それから第二は、中小企業の弱さという点を考慮いたしまして、再評価税について従来よりも相当優遇と申しますか、低率の税額を課する。これは御案内のように第三次再評価におきましては三%、第一次におきましては六%、後にある程度下げましたけれども、こういうような税率であったのでありますけれども、これを二%という税率にいたしたわけであります。この点は特に中小企業というものの再評価を促進していくという意図のために、非常に寄与する面が多いだろうと思います。
以上大体申し上げたわけでありますが、特に中小企業自体の立場をここに十分考えて参りますために、第三次において行いましたように強制をするという制度はとっておりません。この点はやはり中小企業にはいろいろございまして、強制をするということが、はなはだしくその経理なり収益状況にマイナスの影響を及ぼすというものもあり得るわけでありますから、そういった場合を考慮して強制の措置はとらず、できるだけ任意の制度の上において再評価が促進できるように配慮した、こういった点が今度のおもな特色であろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/79
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080・豊田雅孝
○豊田雅孝君 ただいま最初に述べられた簡素化をはかるという上から、延納を認めないようにしているという御答弁であったのでありますが、かえって延納を認めない建前の方が、中小企業の実情に合わぬようなことになるのじゃないかと思うのですが、この点どんなふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/80
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081・河野通一
○政府委員(河野通一君) この点は長く延ばしていった方が一年の税負担は軽くなるということはもちろんであろうと思いますが、この点についてはむしろ税率を二%という非常に低率のものに下げたということとにらみ合せて考えていただきますならば、特に延納という制度を設けなくても、その点については十分差引利益が多いのでありますから、この程度の延納を特に認めなければならぬという必要もないと考えております。むしろ、それよりも税率を低くすることによって、その負担をできるだけ軽くしていく。そうしてなるべく早い間に措置をしてしまった方が、中小企業のためには税負担は一年としては、単年度としては総体的には多くなりますけれども、納付その他の方法が簡素化されるという点においてプラスになるのじゃないか、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/81
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082・豊田雅孝
○豊田雅孝君 その点は中小企業は大企業と違いまして負担能力が少いのでありますから、税率がかりに少々安くても、やはり延納を認めるべきものだと考えるのであります。その点が一点。
それからもう一つは配ってもらいました再評価第一次から今回までの分の比較表でありますが、これによりますと納付が第一次及び第二次再評価の場合には、三年間分割ということになっておるのであります。それから第三次再評価の場合には五年間の均分納ということになっておるのでありますが、今回の再評価は二年間に均分納で一番条件が酷になっておるように思うのでありますが、その点いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/82
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083・河野通一
○政府委員(河野通一君) この点は先ほども申し上げましたように税率を低くしたという点とからみ合せてと申しますか、それと関連をつけてお考えを願いたいと思うのであります。この二%の課税率で参りますと、いろいろのケースについて具体的に申し上げた方がいいかと思いますが、軽減される法人税とこの徴収される再評価税との開きと申しますか差額はきわめて大きいのであります。従いましてこの税率が低いということによって、その税負担は軽くなっておるわけでありますから、二年間くらいで分割していただいても、その中小企業によって非常に税負担が過酷になるということは万ないというような見地から、むしろ納付期間を短かくしても、税率を下げるということの方がいいのじゃないか、かように考えた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/83
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084・豊田雅孝
○豊田雅孝君 この点についても納得ができぬのでありますが、また後ほどあわせて申し述べることにいたしまして、次の点に移ることにいたします。その第一点は、御承知のごとく第三次再評価の場合には固定資産税の三年間評価据え置きが行われたのでありまして、ところが今日の場合には、その評価据え置きが行われておらぬのであります。この点については大体第三次再評価のときにはまだ固定資産税の時価評価課税ということがそれほどに普及しておらなかったというような点もあろうかと思いますが、しかしすでに当時固定資産税の制度はあったのでありますから、おそらく中には時価評価課税でいっておったものもあるのではなかろうかと思うのであります。その当時に比べて、現在の状態は固定資産税は時価評価でいっておるというのでありますが、時価とは何ぞやということが、非常に問題になるのでありまして、時価でいっておるというけれども、どの程度の時価で見ておるのかということが問題になり、さらに今後再評価をやりました場合に、また再評価とは何ぞやという問題も出てくるのでありまして、おのずから限度はきまっておるというものの、その再評価せられたものと時価評価との間に食い違いがあるものが相当現実の問題としては出てくるのじゃないか。ことに全国にわたってのことでありまするので、そこに食い違いが出てくるであろうということは想像できるのであります。そういう場合に、食い違いがあった場合に、第三次再評価の場合においては低い方でいったにかかわらず、今回の措置では高い方でいかなければならぬ、大企業の場合に有利であって、中小企業の場合にはかえって不利になるような行き方になる場合が現実の問題としては出てくる懸念が多分にある。そういう点において非常に今回の中小企業資産再評価特例に関する法律案については、懸念を抱いておるのでありますが、その点の御意見はいかがでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/84
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085・河野通一
○政府委員(河野通一君) 御案内のように、第三次の場合には、固定資産税の評価基準がそのまま再評価によって影響させないという措置をとったのでありますが、この理由は、その当時豊田委員からおっしゃった通りに、実際問題として時価評価主義であったにもかかわらず、発足当初のことでありましたので、実際問題としては、簿価主義で事実上は固定資産税の評価基準というものが行われておった。従いましてそれが急激に再評価をして、簿価が直ることによってはなはだしく急激に税負担が出るということは実情に合わないということで、これを当分の間据え置くことにいたしたのであります。その後固定資産税というものの運営がだんだん簡略化されて参りますに応じて、たしか昭和二十九年だったと思いますが、自治庁の方から正式の公文書でもって、この固定資産税の評価基準というものを時価に合わすようにということが通達されておるのであります。しかも、最近私は各方面で実情を聞いてみたのでありますが、全然例外が出ないということには参らないと思いますが、私の承知しておる範囲におきましては、大体各団体とも固定資産税の評価基準というものは、大体今の時価主義に直ってきておるというふうに認められるのであります。なお、その通達された大体の基準は、具体的には若干のでこぼこがありますが、ならしてみまして、大体固定資産税の評価基準が、それが現実にとられておる時価というものは、評価ベース、このたび行います再評価ベースに比べて、ならして大体二割ぐらい高くなっておるようであります。従いまして、それやこれやを考えますと、すでに第三次再評価を行いました当時に、ああいう特別の措置を講じたのと同じことを現在行なっても、実益はまずない。それは一、二の例外が全然ないということまで私は保証はできませんが、まずないと考えておるわけであります。そういった実益論から、特にそういう特別の措置を行わなかったのでありまして、このために中小企業の場合において酷な扱いをいたしておるということはないというふうに私どもは考えておる次第であります。
〔委員長退席、理事近藤信一君着
席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/85
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086・豊田雅孝
○豊田雅孝君 ただいま理財局長が御答弁になっている際におきましても、普通なら大丈夫だと、こう言われるはずだと思うのでありますが、その理財局長でも、なお大体とか、あるいはまずないであろうと言われる程度でありまして、おそらく現実にはある程度出てくるだろうという懸念は、理財局長持っておられると思うのであります。そうなると、前のときにはそれを救う道があったにもかかわらず、今度のときには全然そういう道がないというのは、いかにも不合理だというふうに思うのでありますが、この点いかがでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/86
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087・河野通一
○政府委員(河野通一君) 私が大体と申し上げて、まずないと申し上げましたのは、一々当っておりませんので、私が当りました範囲においては、固定資産税の基準を直しております。私の当りました範囲においては……。しかし何しろ団体の数が御承知のように非常に多いものでありますから、その辺の、それは例外が、漏れておるものがないとなしがたいというだけでありまして、もっと申し上げますれば、九九%まで評価基準を直しているというふうに私は思っておりますが、私の調べました範囲においてみんな直していると、これだけははっきり申し上げられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/87
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088・豊田雅孝
○豊田雅孝君 これは全国津々浦々の問題でありまして、しかも市町村などの関係になるのでありますから、なかなか中央政府の方で考えられるようにはいかんのであります。ことに一%にせよ、お気の毒な方が出てくるという場合には、それを救う措置があってしかるべきじゃないか。ことに第三次の大企業関係のときには、ともかくこの措置がちゃんとあるのでありますから、それとのバランスなどからいっても、今回も少くとも特別の措置があってもいいんじゃないかというふうに思うのであります。かりに無用であっても有害でない場合は、それに適切な特別措置を親心として配意して行われるということが必要じゃないかと思うのですが、この点も納得がいかんのでありますけれども、またあとで申し述べることにいたしまして、次の問題に移ります。
それは資産再評価の申告期間の問題でありますが、今回のものによりますと、大体一年になっておったかと思うのでありますが、御承知のように中小企業界というのは、非常に対象が多いし、またそれらの経営者というものは、あまり新聞も読まぬというのが普通なんでありまして、こういう制度があるということを知ったころには、申告期間が切れるということでは、せっかくこの法案を用意せられた意味がなくなると思うのであります。それで業界では、二年間ぐらい一つこれの申告期間として認めてもらいたいという要望があるのでありますが、これはむしろこの法案を活用せんがために出てくる要望なんでありまするので、特にお考え願いたいと思うのでありますが、いかがでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/88
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089・河野通一
○政府委員(河野通一君) 申告期限をもう少し延ばすべきでないかという御質問でありますが、この点はまあ中小企業には、そういった点についてのスタッフがそろってないとか、いろんな問題がございますので、実情については豊田委員おっしゃるような点もあろうかと思うのでありますが、私どもは税の担当の面におきまして、できるだけ親切にこれらの問題についての周知徹底、あるいは御相談に応ずるというような措置を、できるだけ大々的にかつ何度も繰り返して行なって参りたいと、その努力によって、今御心配のありました点は、まず防げるのじゃないかというふうに考えております。かたがた、また中小企業のうちでも、比較的大きい企業におかれましては、こういうものについて非常に御関心を持っておられる向きも相当にあると思うのでありまして、積極的にこういった問題について御相談に来られる向きもあるかと思いますし、のみならず、そういうものについてあまり関心をお持ちにならない向きに対しましては、当局の方から積極的に周知をはかっていく。そうしてできるだけこの制度が適正に、かつ、積極的に活用され、運用されていきますように今後努力いたします。こういうことによって、まず一年もあれば大体十分じゃないかというふうに考えておるわけであります。かつ、あまりいつまでもだらだらしておりますと、やはり切りがつかないという問題も、一方においてあるわけでありまして、やはりこういう問題は、その機運が乗っておるときに、できるだけ一挙に片づけるという方がむしろいいのではないか、チャンスというものもあろうかと思います。ただ、それが不当に短い期間で、非常にせわしないというようなことになってはいけませんので、その辺も考慮いたしまして、大体この程度の期間でいいんじゃないかというふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/89
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090・豊田雅孝
○豊田雅孝君 第一次及び第二次の再評価のときには、申告期限がどの程度になっておりましたのか。また第三次再評価のときには、申告期限がどの程度になっておりましたか。その点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/90
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091・庭山慶一郎
○説明員(庭山慶一郎君) 第一次再評価のときには、申告期限は八月三十一日、第二次では九月、それから第三次は事業年度終了後二カ月ということにいたしておりました。第一次、第二次は、法人の事業年度にかかわらず、八月とか九月とか固定した日を作ったのでございますが、第三次では、それはあまり実情に即しませんので、実際の評価の便宜も考えまして、法人の事業年度終了後二カ月ということで、法人の事業年度に合したのであります。今度もそういうふうな考え方にしたのであります。ただ中小法人では一年の事業年度のものが非常に多うございますので、その原則だけで参りますと、一番極端な場合には、三十二年の十二月に開始いたします一事業年度の分につきましては、三十四年の一月に申告をするということにもなります。そういたしますと、個人の場合には三十三年の三月まででございますので、非常に個人と法人とでバランスを失する点もございましたし、また、中小法人でも、十月決算と三月決算の法人が一番多うございますので、大体来年の五月三十一日で申告を打ち切りましても、ほとんどすべての法人がそのときに法人税の確定と一緒に申告ができるということになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/91
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092・豊田雅孝
○豊田雅孝君 私の質問した趣旨は、法律施行後、申告の最終期が、第一次、第二次のときはどういうふうになっておったか。第三次はどういうふうになっておったかというふうに答えてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/92
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093・庭山慶一郎
○説明員(庭山慶一郎君) 第一次は四月ごろ、ちょっと記憶違いかもしれませんが、三月の終りか、四月の初めになりまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/93
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094・豊田雅孝
○豊田雅孝君 期間でいってもらうと比較がしやすい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/94
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095・庭山慶一郎
○説明員(庭山慶一郎君) 四月からやりまして、八月申告でありますから四カ月しかなかった。それから第二次は九月でございますから、五カ月程度、いずれも半年以下であります。で、今度の第三次の場合には、そういう固定的な月日をきめませんでしたから、法人の事業年度いかんによって違いがございます。今度の場合にもその点は同様でございます。ただ、今度の場合には三十三年の五月三十一日でございますから、一年以上の間隔があるわけでございます。個人につきましても、来年の三月でございますから、なお一年くらいある。一年くらいの間に再評価すべきかどうかゆっくり考えていただきまして、来年の景気を見て判断をしていただけばいいわけでございますから、先ほど局長が申し上げましたように、十分その間において私どもも周知いたして、時期を失することのないようにいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/95
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096・豊田雅孝
○豊田雅孝君 青色申告が始まったときに、これは初めの間ちっともこれが普及しないで、ほとんどその実効がないんじゃないかといわれるくらいであったのであります。ある程度普及してくるというと、最近では青色申告が大ぜい過ぎて、大蔵税務当局は、ちょっと困っておられるとかというようなことすら聞くのであります。さようにこの中小企業界に普及するというのには、ずいぶん年月がかかる。ですからおそらくこれが普及するまでに、大体一年ぐらいかかるんじゃないか、そのころに申告最終期がくるということは実情に合わぬと思うのであります。どうも立案者になられると、もっともだと思えても、これは変えるということをみずから言われるということも困難かと思うのでありますが、今ずっとお尋ねしたところによりまして明らかになった点で、中小企業界の実情に合いかねると思われまする点だけあげましても、まず第一は、大企業の再評価の際には、延納まで認めておったけれども、中小企業については延納が認められぬ。それから第二点といたしましては、納付期間が、第一次ないし第三次に比べますと、今回の分が、かえって短縮せられてきておるということ。それから第三点といたしましては、第三次再評価のときには、固定資産税を、再評価前の価格を課税対象にしたにかかわらず、今回はそういう措置がとられておらぬ。それから第四点といたしましては、申告の最終期が、第一次ないし第三次に比べて見て、大企業と中小企業の特殊性を比べて見た場合には、実質的に今回のが短かきに失するんじゃないかというような点があげられると思うのでありますが、この点について中小企業庁としては、中小企業の実情本位にこの法案を持っていくこと自身が、最も親心のある行き方じゃないかと思うのでありますが、今までの諸点についてどんなふうに考えられるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/96
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097・安達次郎
○説明員(安達次郎君) 今度の中小企業の資産再評価の特例に関しましては、正直のところ、中小企業界にも資産評価の道をまた再び開いてほしいという声が相当強くありましたこともありまして、まあ、この制度をもう一度やっていただくようにお願いする、実はそれがせい一ぱいのお願いだったわけであります。その際、それでいよいよこの中小企業についても、今度のこういう措置を講じていただくということになりました際に、政府部内の打ち合せといたしましては、まず第一に、中小企業関係の資産再評価への意欲を一番刺激するために効果的な点といたしましては、やはり再評価税の減免、これがやはり一番効果的ではなかろうかというふうに考えまして、実は大蔵省の方にも、この評価税の減免について極力お願いするというような形で、その点に実は重点を置いてお願いして参ったわけでありまして、今度の二%という再評価税なども、ある程度そういう意向も組み入れていただいたというふうに考えておるわけであります。ただいま豊田先生からも、いろいろ延納の問題、均分納付の問題ないし申告期限の問題、ないしは固定資産税の課税標準に関する特別措置の関係、そのような点につきましても、これは問題の所在としては考えてはおりましたものの、やはり主たる問題点としましては、やはり再評価税の問題に重点を置いた関係上、こちらの方からも大蔵省の方へ強いお願いもしておらぬというようなことが、正直のところの実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/97
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098・豊田雅孝
○豊田雅孝君 ただいまそれぞれ答弁のありましたところで、私としては納得のいかぬ点が多いのであります。他の委員の御意見も何らかの方法でお聞き取り願い、そうして納得のいかぬ諸点につきましては、大蔵委員会との関係もありますので、委員長の方で御善処願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/98
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099・近藤信一
○理事(近藤信一君) 他に御発言ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/99
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100・豊田雅孝
○豊田雅孝君 それから、なおもう一点将来のことについて申しておきたいのでありますが、かように原案ができてからいろいろ中小企業の特殊性、特殊事情を申し述べてみますると、おそらく政府委員の方でも、もっともだな、これを事前に聞いたら、もうちょっと親心を示してもよかったのだがと思われる点もあろうと思うのでありますけれども、あとになると、なかなか容易じゃないのであります。こういう中小企業の独自の法律案を作案せられるような場合におきましては、事前に中小企業の団体等に内示せられまして、なるべく支障のない限り、中小企業の特殊性を織り込んでやっていくというふうにせられることが適当ではないかと思うのでありますが、その点いかがでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/100
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101・河野通一
○政府委員(河野通一君) お話しの点は、まことにごもっともだと思うのであります。私ども中小企業の関係の方々の本件に対する御意見は、できます限り伺って参ったつもりでありますし、現にいろいろな形で、あるいは実情についての要望書等をたくさん私ども実はいただいておるわけであります。今後もそういう意味で御意見はできるだけ伺うようにいたしたいと思いますが、ただ具体的に法律案そのものを御諮問申し上げる、あるいは御意見を公式に伺うような手続をとることがいいかどうかにつきましては、考えさしていただきたいと思うのでありまして、できるだけ実体的に、どういう形式をとろうと、中小企業関係の方の御意見はできるだけ伺うように、従来もやってきたつもりでありますが、今後はさらに一そうそういうふうに心がけて参りたいということをお約束しておきたいと思います。
なお、ちょっとおわびを申し上げておきたいと思いますが、お手元に差し上げました表のうちに申告期限の今お話しのありました点が落ちておりましたので、非常に疎漏でございまして申しわけありません。直した上で再提出をさせていただきたいと考えております。
〔理事近藤信一君退席、委員長着
席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/101
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102・相馬助治
○相馬助治君 この法律案は私ども商工委員会に付託されたものでないだけに、この委員会の取扱いとしては、かなりめんどうなというか、むずかしいと思うんですが、現存衆議院の大蔵委員会で問題になっておって、その問題点は私どもが聞くところによれば、大かたただいま豊田委員が指摘されたような諸点にあって、そこに、問題が解決しないために、いまだ衆議院を通過していないという事情に聞いておるわけです。従って政府当局におかれても、今の豊田委員のかなり意見を加えられた質問に対してそれぞれお答えになり、その運用その他については十分注意をしたいと、こういう意味の御発言の限りにおいては了解いたしますが、現に衆議院において審議中のこの法案について、現在のところとしては、政府自身としては豊田委員が心配されたような諸点を差し加え提案がえをするようなまでに、積極的にはお考えになれないものかどうかというのが第一点。
そしてそれが手続上困難であるという場合には、この原案で施行上の留意をすれば、豊田委員が指摘されたようなもののほとんどは、それが杞憂に属して心配なく運営され、中小企業者が助かる、こういうふうな積極的な御見解かどうか。これらについて参考までに政府の見解を承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/102
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103・河野通一
○政府委員(河野通一君) 衆議院の大蔵委員会で問題になりました点は二、三ございますが、主としてやはり中小企業対策としては再評価税、今度の再評価の場合には再評価税をかけるべきでないという御議論を中心としてやはり一番活発な御論議があったように思います。この点につきましては、もうあらためてここで見解を申し上げることは差し控えたいと思いますが、現在のところ、もちろん私どもはこの法案を修正するとか、あるいは直して再提出いたすというふうなことは考えておりません。
それから第二の豊田委員から御指摘になりました数々の問題につきましては、一々ごもっともな点が非常に多いと考えておりますが、これらの点につきましては、先ほど来御答弁申し上げましたように、できるだけ私どもは運用の面、これを動かしていきます場合におきまして、十分に配慮を加え努力を傾けて参りたい。それによって今御指摘になりました点は、大体遺漏なく進めることができるのではないかというふうに私どもは考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/103
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104・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) 速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/104
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105・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) 速記を起して。
それでは本日はこの程度にとどめまして、豊田委員から中小企業の資産再評価の特例に関する件につきましては、いろいろ御意見もまじえた質疑が行われたわけでありますが、この法律の所管委員会であります大蔵委員会に対しまして、この委員会から申し入れをするかどうか、あるいは申し入れをするとすれば、その内容をどういうふうにするかという点は、明日のこの委員会でお諮りして決定することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/105
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106・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) じゃ、さように取り計らいます。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時三十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01619570328/106
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