1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年四月二日(火曜日)
午前十一時四分開会
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委員の異動
三月三十日委員古池信三君辞任につ
き、その補欠として井上清一君を議長
において指名した。
四月一日委員井上清一君辞任につき、
その補欠として古池信三君を議長にお
いて指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 松澤 兼人君
理事
西川彌平治君
阿具根 登君
委員
青柳 秀夫君
小幡 治和君
古池 信三君
小西 英雄君
白井 勇君
高橋 衛君
阿部 竹松君
島 清君
相馬 助治君
加藤 正人君
豊田 雅孝君
政府委員
科学技術政務次
官 秋田 大助君
科学技術庁長官
官房長 原田 久君
科学技術庁調査
普及局長 三輪 大作君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞壽君
説明員
科学技術庁長官
官房総務課長 水間 光次君
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本日の会議に付した案件
○放射性同位元素等による放射線障害
の防止に関する法律案(内閣送付、
予備審査)
○日本科学技術情報センター法案(内
閣提出、衆議院送付)
○技術士法案(内閣提出、衆議院送
付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/0
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001・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) ただいまより商工委員会を開会いたします。
先ほどの委員長及び理事打合会におきましては、大体次のように決定いたしました。
ただいま本委員会に提案されております法案は、公報をもってお知らせいたしました通りでございますが、このうち本委員会に木付託になっております法案は、日本科学技術情報センター法案及び技術士法案の法案であります。この二法案を中心として今後審議を進めて参りたいというふうに決定をいたしました。
なお、本日放射性同位元素による放射線障害の防止に関する法律案が予備審査で提案されましたので、この説明を聴取いたすことにいたします。
今後の日程につきましては、非常な事情の生じない限り、しばらく議案の調査等に要する必要上、次回は大体十二日ごろ開会することにいたしまして、しばらくこの委員会の開会を休会にしようという話が出ておりまして、さような申し合せができましたので、御報告を申し上げます。
なお、今後提出を予定されております法案、あるいは他の委員会にかかっております関連のある問題等につきましては、時々また御相談の上、合同審察なりあるいは他の政府の関係者を呼びまして質疑をいたしたいと考えておりますが、ただいまの委員長理事打合会におきましては、大体以上のようなことが決定されましたので、御報告いたします。
—————————————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/1
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002・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) 次に、委員の異動について御報告いたします。
去る三月三十日古池信三君が委員を辞任され、補欠として井上清一君が選任されましたが、昨四月一日井上君が辞任されて、古池君が再び委員に復帰されました。
—————————————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/2
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003・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) それでは、これより本日の議事に入ります。先ほど申し上げましたように、新たに放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律案が提案されましたので、これを議題として政府の提案理由の説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/3
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004・秋田大助
○政府委員(秋田大助君) ただいま議題となりました放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律案について、その提案の理由及び要旨を御説明申し上げます。
わが国における放射性同位元素につきましては、昭和二十五年初めてわが国に輸入されて以来、その研究と利用は、急速な発展を遂げ、現在では官公立の試験研究機関はもちろん、民間の事業所等においても広範に使用され、原子力平和利用の一環として産業、医療その他の面において多大の成果が期待されている次第であります。
しかしながら、これらの原子力の平和利用は、反面ややもすれば、放射線障害というマイナス面を伴うので、今後原子力の開発が進むに従い、放射線障害の防止に万全を期することの必要性が痛感されるのであります。米英等の諸外国におきましても、すでに放射線障害防止関係法令を制定整備して、厳重な放射線の管理を行い、放射線障害の防止に多大の力を注いでおり、わが国でも原子力基本法において放射線障害防止のための規制は、別に法律で定める旨規定いたしております。
従いまして、政府といたしましては、放射線障害対策として、まずその予防、診断治療の調査研究、放射線の医学面における積極的利用の調査研究、関係技術者の養成訓練を行うため、科学技術庁の付属機関として放射線医学総合研究所を設置することとし、さきに別途科学技術庁設置法の一部を改正する法律案として、今国会に提案いたしまた、これに必要な予算を計上して、それぞれ御審議を願っておりますが、これとともに放射線障害防止についての立法措置を講ずるため、数年にわたって鋭意検討を重ねました結果、今般成案を得てここに本法案を今国会に提案する運びとなった次第であります。
なお、原子炉等に基く放射線障害の防止立法といたしましては、別途原子炉等に関する規制に関する法律案仮称でございますが、この法律案を立案中でありまして、近日中にこれ又今国会に提案することとなっております。
以下本法律案の内容の概要につきまして、重点的に御説明申し上げます。
第一に、この法律案の目的についてでありますが、この法律案は、原子力基本法の精神にのっとり、放射性同位元素の使用、販売その他の取扱い並びに放射性同位元素装備機器、または放射線発生装置の使用を規制することによりまして、これらによる放射線障害を防止し、公共の安全を確保することを、その目的とするものであります。
第二に、規制の方法でありますが、その一は、放射性同位元素等の使用、販売元について許可制をとったことであります。放射性同位元素、放射性同位元素装備機器または放射線発生装置の使用または放射性同位元素の販売の業につきましては、これらの取扱いに伴う放射線障害発生の危険性を強く認識いたしますとともに、多くの国が許可制あるいは免許制を採用いたしております例にもかんがみまして、科学技術庁長官の許可を必要とすることといたしまして、使用施設等の構造、設備等が一定の基準に該当する場合にのみ許可を与えることといたしております。
その二は、放射性同位元素等の使用者及び放射性同位元素の販売業者に対し、放射線障害の防止上必要な義務を課したことであります。放射性同位元素の使用、詰めかえ、保管、運搬及び廃棄は、一定の基準に適合してなされることを要し、また、使用施設等についての放射線量の測定、放射線予防規定の作成、従業者等に対する放射線障害の発生防止上必要な教育訓練の実施、放射線障害者の発見及び放射線障害者に対する措置等保安及び保健上必要な措置を講ずること等がそれであります。
その三は、放射性同位元素の所持並びに譲渡及び譲受の制限であります。放射性同位元素が使用者等、一定の取扱い者以外の者に流通することを禁止することによりまして、不測の事故が発生することを未然に防止することが必要であると考え、これらの規定を設けた次第であります。
その四は、放射線取扱主任者の制度を設けたことであります。放射性同位元素等の使用者及び放射性同位元素の販売業者は、国が行う放射線取扱主任者試験に合格した者その他これと同等以上の学識経験を有するものと認められた者のうちから、放射線取扱主任者を選任し、放射線障害の発生の防止について必要な監督を行わせなければならないことといたしました。
第三に、国の行政的監督についてでありますが、地震、火災その他の事故により放射線障等が発生するおそれが生じた場合等に放射性同位元素等の使用者、放射性同位元素の販売業者等に一定の応急の措置をとらせるとともに、これらの者に対し、国が必要な命令を発することができる旨の規定を設けました。また、必要に応じ、立ち入り検査放射性同位元素によって汚染された物の収去等を行わせるため、特に専門的知識を有する放射線検査官の制度を設けることといたしました。
第四に、科学技術庁長官の諮問に応じて放射線障害の防止に関する重要事項について審議する機関として、放射線審議会を設けることといたしております。本審議会の委員は関係行政機関の職員及び放射線障害の防止に関し学識経験のある者のうちから任命することとなっております。木審議会を通じまして、関係方面と緊密な連繋をとるとともに、技術上の問題その他本法の運営に万全を期することといたしました。
以上が放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律案提案の理由並びに概要でございます。何とぞ慎重御審議の上、御賛成あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/4
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005・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) 本案に対する質疑は後日に譲ることといたしまして、次に、日本科学技術情報センター法案を議題といたします。
本案につきましては、さきに提案理由の説明を聴取いたしましたので、本日はまず本案の内容について御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/5
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006・三輪大作
○政府委員(三輪大作君) 日本科学技術情報センターの概要につきまして、簡単に御説明申し上げます。
設立の趣旨といたしましては、最近御承知のように、科学技術が非常に急速な進歩をしたために、特定の分野の情報だけでは不満足でありまして、開通するところの分野の広い情報を集めないと、その面の科学技術の発展をもたらすこともできないというように、非常に情報量が増加いたしてきております。従いまして、非常に整理された正確な情報を入手するということは、科学技術の発展に欠くことのできない要因となってきております。現在個々の研究者とか企業者が、自分の手だけで必要な情報を完全に入手するということは、不可能な状態になってきております。かようなために、海外におきましての先進国では情報活動が非常に重要視され、また活発化してきている現状でございます。わが国の科学技術は、地理的にも、また語学的にも、非常に不利な条件に置かれておりますので、このような科学技術に関する情報活動は、外国以上に活発にやらなければならない現状であるにもかかわらず、わが国におきましてはきわめて分散的に、また、不完全な情報活動が行われております。また、せっかく入手いたしました情報も、国内の情報流通機構が不備なために、いたずらに死蔵されがちでございまして、その総合的な情報活動というものができておりません。従いまして、わが国の研究とか生産活動の能率を低下させましたり、あるいは重複研究が行われておるという面で、多くの損失が生じておるような現状でございまして、このために、わが国の科学技術の振興にも支障を来たしておるわけでございます。
このようなわが国の現状におきまして、科学技術の飛躍的な向上をするためには、その基礎となる情報活動を急速に高めていかなければならないわけであります。そのようなために、科学技術情報活動を行います中枢的機関を設置いたしまして、国内の文献活動を盛んにするのと同時に、それによりましてわが国の科学技術の振興をはかりたいということから、日本科学技術情報センターの設置を考えたわけでございます。
以上が設立の趣旨でございまして、おくれましたが、科学技術情報センターの概要というパンフレットがございますので、これをごらんいただきたいと思います。
二ぺージでございますが、情報センターの目的と機能でございますが、情報センターは、今のような使命を持ちまして発足いたすわけでありますが、その持ちます機能といたしましては、科学技術情報の収集、分類、整理、保管という問題、第二といたしまして、情報の収集、提供のための国際、国内の連絡、三番といたしまして、刊行物の発行及び電波通信綱による最新の情報の紹介をする。四といたしまして、特定主題に関する情報の系統的調査及び提供、これはこういうものの情報をほしいという依頼がありましたときに、それに応じて同等を与える、それから五番といたしまして、資料の複写、あるいは翻訳をいたします。
そういうような機能を持っておりますが、このセンターが取扱いますところの情報というものは、どんなものから取るかと申しますと、科学技術に関係のある雑誌、図書、パンフレット、その他の資料から収集いたします。それから次に、会社のカタログとか、あるいは各国の特許とか規格、それから学会講演の記録、各種会議がございますが、そういうものの記録、それから各国の研究や生産についての各種の新しいニュース、次に、調査を委託して得たニュース、あるいは専門家や専門機関より提供されてくる情報、こういうようなものについて情報を抽出して、これを迅速に、しかも的確にその要求に応じて広く提供するというのが、機能でございます。
次に、情報センターの性格でございますが、これは当初いろいろ考えました結果、特殊法へという形が、わが国では最もふさわしい性格であるということになりまして、政府の出資と補助金に加えまして民間からの出資金、寄付金によりまして資本金八千万で発足することになりましたが、このうち政府から出します三十二年度の予算といたしましては、七千万を出すことになりまして、そのうち四千万が政府の出資金、三千万が補助金ということになっております。民間の力は約同額の寄付をいただくことになりまして、民間から四千万の出資金、それから三千万の事業に対する寄付金、合計七千万を三十二年度において民間から仰ぐことになっております。従いまして三十二年度は、後にも書いてございますが、約一億五千万の仕事をすることになっております。
ここで特殊法人にいたしました理由といたしましては、諸外国の例を見ますと、国家機関または国家機関に近い形のものが多いわけでございます。このような重要な仕事はそういう形が望ましいわけでございますが、日本の現状から見ましては、純然たる国家機関にいたしますと、運営に弾力性がなくなるという点、それから広く人材を集めるという点などから見まして、むしろ特殊法人の方が機動的に、しかも、サービスが早く確実に各企業に行われるということから、特殊法人にいたしたのであります。
次に、日程でございますが、日程というのは、これはスケジュールになりますが、三十二年の七月一日に発足いたしまして、三カ年計画で理工学部門を完成いたしまして、引き続いて医学、農学部門も確立したい。なお、地方に支所も作りたいという考えでございます。
それから次に、人員の構成でございますが、三ヵ年計画でございますので、三十二年度におきましては約六十二名を採ります。七月と十月と二回採りまして、七月に約三十名、十月に約三十名程度採ることになっております。三十三年度、三十四年度に完成するわけですが、三十四年度におきましてはさらに五十名程度採りまして百十名、最終年度の三十四年度におきましてはさらに四十名程度採りまして、百五十名内外の規模でやっていきたいという構想でございます。
次に、四ぺージになりますが、年度別収支予定でございますが、三十三年度につきましては先ほど申したので省略いたします。三十三年度におきましては、政府の補助金九千万円、それから民間の寄付金一千万円、事業収入約一億円、合計二億円程度の仕事をしたいと考えております。もちろんこれは私どもが大蔵省に対してセンターの構想を説明する場合に、一応事務局といたしまして考えた構想でございます。三十四年度はやはり政府の補助金九千万円で、民間の寄付金はもうもらわないことにいたしまして、事業収入約一億七千万円、合計二億六千万円程度の仕事をしていく。三十五年度、六年度、七年度とだんだん整備いたすにつれまして、なるべく政府の補助金を少くしたいという考えから、三十八年度におきましては、政府の補助金六千万円程度に減らしたいという一応の構想を持っております。
次に、事業の内容でございますが、情報の提供に関する業務といたしましては、定期的に情報を流す。速報あるいはダイジェストというものを出します。速報は毎月二回出します。それからダイジェストは速報の中で必要なものを取り上げまして、各部門ごとに月一回出します。次のページに部門が書いてございますが、大体十部門に分けることになっておりますので、速報は月二回、十部門になりまして、一部門で約千七百部、速報とダイジェストを出したいと考えております。従いましてそれが完成の暁には速報が四十万部、ダイジェストが二十万部程度は発行されることになります。これは国内版と国外版と両方出したいと考えております。それからそのほかの調査報告も今言ったようなものだけでは不足でございますので、たとえば各種の情報の中での総合索引とか、あるいは統計とか、そのほか速報、あるいはダイジェストに載っていないものについて、適宜編集をして発行する。五ぺージの下にやり方が書いてございますが、情報原がございまして、そこから収集し、これを分析いたしまして、それから評価分類いたしまして、蓄積に回る、パンチドカードに蓄積いたします。それからまた、刊行物に編集をいたすものは編集いたしまして、それぞれの関係方面に提供いたす。こういう順序でやることになっております。六ページには、先ほど申しました十部門の分類が、理学、原子力、管理技術、共通技術、機械工業、電気工業、化学工業、採鉱、冶金、窯業、繊維工業、土木、建設、建築と、大体このような部門に一応分けたいと考えておりますが、これも最終的なものではございませんので、いろいろ専門家、あるいは関係方面の方々の意見を伺いまして、最終的には最もいい部門、便利な部門に分けたいと考えております。
それから仕事の第二といたしましては、要求に応じて情報を提供する、これは科学技術に関しまして、個人あるいは会社、研究機関の要求に応じまして、その回答を提供する、依頼による回答ということになるわけでありますが、そのやり方もそこに書いてございますように、依頼者が、こういう問題、テーマについて回答をほしいという依頼がありますれば、調査部門に回りまして、それで認否をするわけであります。その場合に部外の専門家、専門機関にお願いをする場合もございます。それからそこで調査をいたしまして、その結果を情報の蓄積として、センターの将来財産となるものでございますが、それを保管しておきまして、そうして回答を作成いたしまして、それを依頼者に提供するという順序で、依頼による情報提供する考えでございます。そのほか翻訳とか複写、閲覧ということもセンターの業務といたしましてやりたいと考えております。
次に、情報収集蓄積関係の業務といたしまして、どういう雑誌、あるいはカタログをとるかということになりますと、差し当っては雑誌は国外三千種類、国内千種類をとりまして、速報その他の資料にいたしたいと考えておりますが、情報は早くなければ価値がありませんので、外国雑誌の三千種類のうち二千種類は航空郵便でとりたい、雑誌をとっては高いので、マイクロフィルムにいたしまして、あるいはカードの形でとりたい、こういうふうにも考えております。それから図書、新聞、カタログ、こういうものも広く収集いたします。なお記録になっていないもの、外国でまだ雑誌とか、あるいは新聞に載らないような最も新しい情報、そういうものもできるだけ収集いたしまして、早く日本の産業界に提供したいというふうに考えております。
それから情報の分析とか、蓄積は、これはパンチドカードを用いまして、機械的に迅速に、能率的にやっていきたい、相当機械もたくさん、約五千万程度の機械を買う予定でございます。
それから情報の収集を円滑ならしあるために、内外の各種機関と連絡をいたさなければならぬのでありますが、これは外国でも、こういう活動をやっているセンターがございますので、そういうところと十分提携をいたしまして、能率のいい情報を早くとりたいというふうに考えております。
効果の点におきましては、ここに書いてございますが、省略いたします。
次に、日本科学技術情報センターの組織表というのがございますが、三十二年度は六十名内外でございますので、このごらんの通りなきわめて簡素な組織になっておりますが、三十四年度、次の一番最後の三十四年度の完成の暁の組織は、このように図のようになりまして、管理部門が約三十五名程度、情報部門が約七十名、調査部門が約三十五名、企画室が五名、それからその他役職員合せまして、合計百五十名ということになります。部門は、管理部門、情報部門、調査部門の三部門に分れておりまして、理事長は一名、副理事長はミスプリントで、常務理事ということになりまして、常務理事一名、それから理事は、法律には四名以内と書いてございます。監事は二名以内ということになっておりますが、これは発足いたしましてから十分検討いたしまして、適切な機構にいたしたいと考えておりますが、一応こういうような構想でおります。
なお、先般情報センター法を衆議院に上程いたしました結果修正に相なったわけでございますが、その点をちょっと御報告申し上げておきます。
法律の第二条の、「この法律において科学技術情報とは、自然科学を基礎とする技術に関する情報をいい、当該技術に直接関係する自然科学に関する情報を含むものとする。」というのが原案でございましたが、それを「この法律において「科学技術情報」とは、科学技術(人文科学のみに係るものを除く。)に関する情報をいう。」というふうに修正になりました。なお付帯決議といたしまして、「政府は、日本科学技術情報センターの監督に当っては、科学技術の振興に貢献せしめるため、営利を排し、その公共性に徹するよう、特に留意すべきである。」この二点が衆議院におきまして、修正並びに付帯決議といたしまして可決いたしたわけでございます。
以上簡単でございますが、情報センターの概要を御説明申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/6
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007・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) 秋田政務次官より法案の字句の訂正の点に関しまして、発言を求めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/7
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008・秋田大助
○政府委員(秋田大助君) 先ほど提案理由を申し上げました放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律案、お手元に差し上げてございます印刷物の十四ぺ−ジ第十八条の最後のページのところに、前のページから読みますと、「総理府令(鉄道、軌道、無軌条電車」、とこういうふうになっていますが、その前に索動という字句が印刷の誤りで脱漏になっておりまするので、今これの補充をいたして手続中でございまするので、一つお含みおきを願います。それだけお断わりをしておきたいと思います。先ほど御説明申し上げました法律案の印刷物の十四ページの最後の行の一番上の軌道というところと無軌条電車という間に索道という二字が入るわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/8
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009・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/9
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010・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) 速記を起して。
それでは技術士法案につきましては、提案理由の説明を聞いておりまするので、その内容の説明を科学技術庁長官官房総務課長水間光次君から聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/10
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011・水間光次
○説明員(水間光次君) 技術士法の制定について薄っぺらなパンフレットがございます。この技術士法につきましては、去る十九国会、参議院におきまして海野三郎氏以下数名の方によって議員立法として提案せられた法律でございます。その際に、この法律は所管の問題、その他いろいろな点に問題がございまして、審議未了になった法律だと承わっております。それでこの法律に政府提案といたしまして制定するに当りましては、その参議院において審議せられました経過をつぶさに検討いたしました上で、修正すべき点を修正いたしまして、このたび提案いたした次第でございます。
この技術士法というのはいわゆるアメリカにおいて、プロフェッショナル・エンジニヤー、ヨーロッパにおいてはコンサルティング・エンジニヤーというふうに承知しておるものでございます。御承知のように、欧米諸国におきましては、この制度は相当古くからございまして、技術士というものは自由職業の分野として確固たる地歩を築いております。その技術士に対しては、社会的な信用というものも非常に大きゅうございます。それから経済的に技術士が演ずる役割が、非常に広範多岐にわたっておりまして、アメリカのごときにおきましてはニューヨーク州を初め、その第一級のプロフェッショナル・エンジニヤーが二十万を数えるというふうになっておりまして、アメリカの技術士というものは、第一級の技術者はコンサルティング、プロフェッショナル・エンジニヤーにとどめをさすというような状況になっております。そういう人たちがアメリカ経済の発展のために絶大なる力を持っている、そういう状況でございます。従いましてわが国におきましても、こういうことがだんだんやはり必要でございますので、まあ技術士というのはどういうのかと申しますというと、たとえばある会社で工場の新設とか、増設を企てたり、あるいは設備や作業の改善をするとか、新製品の製造等を計画するという場合がございます際に、これらの問題について、当該会社の依頼に応じて技術的な見地から解決を与え実施をはかるというのがコンサルタントの仕事でございまして、従いましてその活動分野は広範多岐にわたるのでございますが、大きいものを申しますと、電源開発の基礎調査設計、ダム、橋梁、港湾の建設、船舶の建造等に関する技術的事項から、小さいものは中小企業の技術的隘路の打開、生産工程の合理化に至るまで非常に広大多岐にわたっております。従いまして技術士は、いわば無形の専門的技術知識を、正当な対価のもとに、依頼によって提供する。提供する相手は通常企業でございますけれども、その企業に対して提供する。従いましてこの場合には、直接物の製造とか販売に携わるものではございません。あくまでも無形の技術を対価をとって提供するということでございます。従いましてその場合に、単なる自動車修理工のような単なる技施工でないということも、当然でございます。従ってわれわれは技術士の一般的概念といたしまして、法二条に規定いたしましたように、他人の依頼に応じて報酬を得て、科学技術に関する高等の専門的応用能力ということが重要でございます。その必要とする事項について計画、研究、設計、分析、試験、評価、またはこれらに関する指導の業務を行う者をいうということでございますが、その際に当然他人の求めに応じて、対価を得てこういう仕事をするということは当然でございますが、第二条のこういう表現をいたしました理由は、技術士自体がみずからの自由職業としてやりますほかに、一旦技術士となった人が、コンサルタント的に会社の中に入り込みまして、そして技術士の職業をやる場合もございますので、その際には直接他人の求めに応じて対価を得て云々という表現ができかねますので、そういうものを込めまして第二条にうたいましたから、こういう感じの表現になったのでございますけれども、建前としては、他人の求めに応じて対価を得てこういう仕事をする人ということになろうかと思います。これが技術士というものは何ぞやということを第二条に一応うたったつもりでございまます。
それからパンフレットにございますが、技術士の役割というのは、今御説明申し上げましたところから御了解いただけると思いますが、いわばわれわれが病気になった場合に、医者の門をたたく、定期的に医師の健康診断を受けることがある。しかし、こういう際にだれでも主治医とか専門、医もいろいろございますが、だれでもそのために常時専門の医師を丸かかえするというようなことはしない。技術というものは企業の健康診断をつかさどるものであり、企業の依頼を受けて企業活動の欠点を指摘し、それから合理化を促進し、新製品の工場計画に参画する等、企業に指針を与えるという役割をやるということでございます。ところが企業の側からみますと、高い給料を払うような高級の技術者を丸かかえにしますよりも、高度に専門的な知識と経験を持った技術者を随時自分の必要によって活用することによりまして、常時多数の技術者を丸かかえして高い金を支出するよりも、非常に適時適切に技術上の問題の解決ができるところに、この技術士制度のよいところがあるかと思います。
しかし一方、こういうふうな立場の技術士というものを社会的に見ますと、いわば企業の生命、健康を預かるような状況でございますので、これが企業に対してかりそめにも迷惑をかけることは許されないわけでございますから、技術士は、個々的には一定の水準以上の高い資格を必要とするのは当然でございます。また、業務の性質上、企業の立場の依頼者から、機密に触れたり、あるいは財産等に直接関係ある問題も多いので、高度の倫理的規制を課することはぜひ必要でございます。これはすなわち、技術士の社会的信用を保持するゆえんでございますし、また、企業の側からいえば、安んじて技術士にものを頼めるということに、もなろうかと思います。こういう点を私どもは特に配慮をいたしまして、この点は特に技術士制度として配慮しなければならぬので、第四章に、技術士の義務といたしまして、第二十四条に信用失墜行為の禁止とか、第二十五条に秘密を守る義務とか、それから第二十六条には、技術士がそれぞれの自分の専門とするところを世間に広く明示する、誤まりないようにするということを特にうたっております。
三番目には、それじゃわが国における技術士制度の現状はどうかという問題でございますが、冒頭に申し上げましたように、欧米諸国においては非常に普及しております。けれども、わが国においてはまあ古くは大正年代からあったそうでございますが、昭和十年前後から一部分、ある分野で技術士を業とする者が現われたのでございまして、しかし、この技術士という者が活溌になりましたのは、ここ数年来のことでございます。特に戦後におきましては、海外から引き揚げてこられた高級の技術士の方々が、この技術士の場面に相当の活躍のどだいを見つけられたことが一つ、それから欧米の先進諸国の海外事情に刺激されまして、この技術士制度というものがだんだん盛んになってきたわけでございます。昭和二十六年に至りまして、わが国に初めて技術士団体として、親睦団体として日本技術士会というものが設立されまして、その会員は約四百五十名前後を算するまでに至っております。しかしながら、まだこういう技術士会という任意団体で、プライベートな資格で活躍はしておりますけれども、まだまだ社会的に見ますと、豊富な経験、高度の専門知識というものを国によって保障される、しかも企業者が安んじて頼めるような厳格な倫理規定の実践というものが、社会的に保障されるということがぜひ必要でございますので、こういう見地から、技術士として活躍されている御当人たちからも、この技術士制度の国家的な公認ということをぜひ望むという声が上っている次第でございます。
それから第四番目には、技術士法の制定の必要性でございますが、ではこういうふうに自然発生的にわが国でも起って参りました技術士制度というものを、なぜ放任するかという問題でございますが、わが国でこういうふうな技術士が十分行われない理由を考えてみますに、第一に、職業技術者についての一般の認識が薄いことが一つ、それから、現在まだ職業技術者の数が四百五十名前後で、少うございます。第二に、一般に技術士に対する技術士の信用が確立されておらない。それから他人である技術士に自己の企業上の秘密等を漏らすということをおそれるために、企業がそれに依頼することをちゅうちょするというような面もございます。従ってこういうふうな点を払拭いたしまして、欧米先進国におくれをとらないように、この技術士制度というものを相当促進する必要がありはせぬか。特に最近の状況を見ますと、経済の拡大につれまして、老練な技術者というものが一朝一夕には育たない。従ってこの限られた技術者という者が、相当のある部面で、いろいろの場面で相当に活躍することが期待されるわけでございますが、こういう老練の技術者というものが、特定の企業に束縛されておったのでは、社会全体、企業全体から見た場合に、縦横の活躍を期待するわけには参らない。しかも、提供される技術者というものは、一朝一夕には得られないということになりますというと、やはりみずからその才能に応じて、社会的に自由職業として、技術の相談役を引き受けて立とうという人があれば、そういう人に十分の活躍の舞台を与えることが、企業の側から見ても、あるいは国民経済の発展から見ても、やはり重要なものではないか。これがすなわち技術士制度という私的な機能、そういうものを社会的に、国家的に見た場合に、公的に裏づけをして、これを可及的すみやかに育成する根拠があるのじゃないかと思うのでございます。
それから最後に、外国におきましても、この種の技術士というものがどういうふうに行われているかということを、米国を初め、申し上げましたように、六ページ以下にございまするような状況でございます。米国あたりでは非常に古くから、一九〇七年から、ワイオミング州で技術者の登録免許法というものが制定されたのが嚆矢でございますが、現在全米各州で、これと同じような技術者の登録制度が行われて、二万五千人をニューヨーク州で数えておる。全米で二十万人を算しているということは、冒頭に申し上げた通りでございます。このアメリカのプロフェッショナル・エンジニアというのは、非常な厳格な試験を経て、そして登録をされて、そして一定のやる仕事については、公けな裏づけがなされている状況にございまして、第一番に道徳性というものが強調されております。それから学識経験、それから試験につきましても、そこにございますように、一次試験と二次試験とございますが、一次試験はもちろん学術的素養について行いますが、第二次試験については、経験にたよらなければ完全な回等の得られないような技術的判断をやる、エンジニアリング・ジャッジメントについてやるということが強調されております。それから、そういう人たちについて、医師のインターンみたいに、エンジニア・イン・トレイニングというものを課しまして、それを経た人は、一定の経験を積んで初めてこの二次試験を受けて、プロフェッショナル・エンジニアになるというような制度がとられております。従ってこういうふるいにかけられて得られたプロフェッショナル・エンジニアというものは、アメリカの技術界における第一級のエンジニアであり、また、社会的な信用をかち得て、大きい活躍をしていることは当然じゃないかと思います。
英国におきましては、これと多少趣きを異にしまして、ジ・アソシエイション・オブ・コンサルタント・エンジニアというものがありまして、そこでこの団体にこのコンサルタント・エンジニアが登録されまして、活躍するわけでございますが、これはアソシエーションでその技術者を選別する、登録する場合に相当厳格な選別が行われているということになっております。
それからベルギーにつきましても、そこに書きましたような状況になっております。
フランスについては、国会に議員立法が行われるということを聞いておりましたが、その後その法律はまだ通っていないように承わっております。それからまあ外国についてはそういう状況でございます。
従ってこういうふうな観点から、この前の議員立法をよく見ましても、この前の議員立法は、第十九国会における議員提案の法律と、このたびの法律で多少考え方を変えましたのは、根本的に議論が行われましたのを議事録によって点検いたしますと、二、三ございまして、たとえば現在日本技術士会に所属しております技術士のメンバーの方たちは、もちろんこの国家試験ということを考えておりますが、国家試験を受けるときの立場というものがございまして、その国家試験を受ける場合に、一定の資格を持っている人は、試験を受けないで、認定によってその資格を付与するという考え方が一つございまして、しかし、この認定によるやり方については、当時通産大臣が所管大臣としてこれをさばくわけでございますが、認定でいきますと、いろいろその認定の基準その他の運用について、公正を欠く運用が行われるおそれもあるし、それから多少これを批判いたしますと、現在すでに技術士という肩書きで働いている人は、何ら国家的に裏づけがない資格であるにもかかわらず、自然に既得権の認定によって技術士として登録されるというような考え方になりますので、現状を擁護するような立場に立って、新しく入ってくる人は、こういう厳格な試験をするという考え方をとることはいかがであろうということが、相当議論されたように承わっております、以上は速記録によりまして……。従ってこういう観点に立ちまして、この点につきましては、政府提案のこの際においては、この認定ということをやめれば、すべて現在技術士という肩書で働いておる人であろうと何であろうと、一定の、大体大まかに申しますと、大学程度の学校を卒業しましてから七年の実務経験を経た資格をもって本試験を受けることにいたします。そうしてこの本試験を受けるという立場は、だれも皆平等の立場でこの国家の本試験を受けるということを本法にうたったわけでございます。
それからもう一つ議論になりましたのは、この技術士法を運用いたします場合に、法人の形で技術士の仕事をやる場合がございますが、法人としてコンサルタント的な仕事をやる場合、この法人は必ず一人以上の技術士を雇わなければならぬという強行規定があったのでございます。これが非常に議論の種になりまして、現在法人の中でコンサルタントを雇っておる数は幾らあるかというような、あるいはそれをやる場合に、個人でやります場合と、法人によってやります場合とで、その法律上の扱いは均衡がとれないのじゃないかというような、いろいろな問題がありまして、少くとも、たとえば工務店の場合に、一人以上の技術工を雇わなければ工務店は開けないのだというようなことになりまして、相当の強行規定の意味がございましたが、この点は本法については、それをやめまして、要するに技術士というものは、個人がコンサルタントの業務をやります場合に、この技術士の名称を使ってこれこれの仕事をするときには、こういう国家試験を受けて登録をされなければいけないということでございまして、ただその個人がこのコンサルタント的な業務内容で技術士の肩書を使うときには、こういう制約を受けるのでございますが、技術士の肩書でなしに、一般の技術顧問の資格でこの種の仕事をやる場合には差しつかえないというふうに規定しております。われわれはこれを名称独占の法律だと考えておりますが、名称独占の法律とうたっておりまして、いわば業務独占の、弁護士、医師、その他の法律によるような業務独占の意味ではこれを打ち出しておりません。これはこういう技術士の内容が広範多岐にわたりますので、これを今業務独占の形に打ち出そうとしますと、いろいろ差しさわりがありますので、名称独占の形で打ち出そう。それから技術士が仕事をいたしますときには、対社会的に信用を失墜しないように、また、企業の中にタッチする場合には、企業の秘密を漏洩しないように、それをまた窃用しないように、あるいは業務上のことで、世間の人に接します場合には誇大広告をしないように、単なる技術士ではその専門がわかりませんので、その専門を必ず明記するようにというのが、義務規定として課してあります。
それからこの技術士になるためには、先ほど申し上げましたように、大学程度の学校を出てから、専門の学校を終えてから七年の実務経験を経た人が本試験の受験資格を得ることができる。ただ、学歴のない方に対しましては、門戸を開放するために予備試験の制度を設けまして、予備試験を受けてもらう。学歴のある場合には、予備試験を免除する、こういうことになっております。
本法の運用につきましては、この第二次の本試験のやり方というものは非常に重大な問題でございますので、この本試験のやり方については、技術部門別にこの本試験をやるという建前をとって、お手元にお配りしましたような一覧表が一応の素案でございますが、こういう機械、船舶、航空機とか、そういう十三の部門を一応分けまして、その十三の部門を技術部門としてその部門ごとの試験をする。ただ、試験をするときに、機械一本の試験をするわけには参りませんので、機械をさらに分けました、再分類いたしました、中分類に基いて、その中分類の科目のコンビネーションの試験をやるという大体考え方をとっております。それからこの試験をやるには、試験委員というものを科学技術庁から任命するわけでございますが、その試験については、その部門の実地を加味した最高権威の方を試験委員に委嘱いたしまして、そうしてその人が試験をするということになろうかと思いますが、この試験は筆記と口述に分けてやる必要があろうかと思いますが、その際に、そのコンサルタントが実際にどういう経歴の方であるか、どういう業績を持っているかというような、経歴評定というものを相当重視しなければならない試験になろうかと思います。そしてそういう方たちが国家の登録を得て初めて正規の技術士になるということでございます。そういう技術士が今後どんどん日本の社会に出てくることは、日本の経済拡大のため、産業拡大のためにぜひ必要なことではないかと思います。
もう一つは、現在官庁あるいは会社、諸所方面で働いている若いエンジニアがいるわけでございます。また学校を巣立つエンジニアがいるわけでございますが、こういう諸君に対して、将来コンサルタント・エンジニアとして出すには、こういう心がまえが、こういう勉強が要るという一つの方針にもなろうかと思いますが、そういう一つの指針を与えることによって、いろいろのエンジニアというものが、自分の勉強をする一つの目標になろうかと思います。それからもう一つは、対外的に東南アジア、その他のコンサルタントの活躍というものが非常に期待されているわけでございますが、この日本でだんだんふえております技術士というものは、国家公認の制度によりまして、海外に出て参ります場合に相当大きなうしろだてになるというふうにわれわれは考えております。こういう意味合いにおきまして、この法律は、さっき申し上げましたように、技術士になぜ特権を付与しないかという議論もこの前の国会で行われたように承わっております。しかし特権を付与するところまではまだ至らないのでございますが、特権を付与しなくても、この技術士というものを制度的に確立することによって、われわれはこの技術士が活躍する舞台が開けてくる、それから技術士というものを世間的に提供する場合に、必ずその一定の公正の対価が要るのだということを、商習慣として植え付ける上に、大いにあずかって力になるというふうにわれわれは考えております。こういう制度をしきますことによって、技術を提供する場合も、公正な商習慣というものが確立される、従ってそれにのっかって技術士というものはだんだん活躍の舞台が拡大されていく。それによって国の内外における技術士の活動を促進するということを考えておりますので、あながち当該の技術士に対して小さい特権的なことを付与しなくても、技術者自身の活躍を促進するというので、国原経済上この技術士の演ずる役割というものは促進されるという面からいいまして、この技術士制度というものを公認する意味が相当ありはせんかと考えたわけでございます。簡単でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/11
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012・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) それではこれより質疑に入ります。まず、日本科学技術情報センター法案を中心として御質疑のおありの方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/12
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013・小幡治和
○小幡治和君 この日本科学技術情報センターは、日本のようなこういう国で、しかもまあ外国語なんかのたんのうな人もあまりいないような、また島国のこういうところでは、非常に従来から待望された一つの組織ができ上るわけで、非常にわれわれとしても期待いたしておるわけですが、今いろいろ御説明を承わりましたが、この一番最後に出ているいろいろな組織なんですけれども、情報部と調査部と管理部、こういうような組織と、それから活動機能の問題とがうまく能率化されないと、非常にこれはむだが生じてみたり、また、非常に欠点がそこに出てきてみたりするだろうと思うのですが、たとえば今これだけの先ほどお話しのあった何千、約一万に近い雑誌というものを収集して、そしてその情報というものを収集する、それをやるのが情報部と思うのですが、それが結局、この中で分析も情報部がやり、また分析の中の評価分類をやり、そして蓄積の方に入りていくと思うのですが、その情報部の仕事と、調査部の仕事というものが、どういう点で分担されていくのか、また、管理部というものが、調査部と情報部のやった最後の仕事を受け取ってやると思うのですけれども、そことの関連というものはどういうふうに考えておるのか、その点一つお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/13
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014・三輪大作
○政府委員(三輪大作君) 情報部は先ほど七十名程度ということを申し上げましたので、従って十部門に分れておる関係上、一部門約七名ということになります。七名の人間で、たとえば電気なら電気の部門にわたっての国外、国内の情報、あらゆるものを収集して、とこから出すということは、きわめて困難であるということは、私ども、まことに御同感でございますが、私どもが今考えておりますのは、重点は、外国の新しい技術を早く的確に日本の産業界、あるいは研究機関に提供したいということに重点を置いております関係上、国内の方もやらなければいけませんけれども、国外の方はできるだけ順序を立てまして、重点的にやっていきたい。重点は外国のものを早く流すというところに置く関係上、七名でぎりぎりにやっていきたい。しかし、七名ではとても十分でございませんので、その不足の分は部外協力者を得まして、これは約千名程度の日本の国内におりまする各分野の専門家、あるいは権威者を委託しておきまして、そのつどその先生方にお願いをしてやってもらうということを考えて、七名ぐらいにしぼったわけでございます。
次に、調査部門と情報部門との仕事の相違でございますが、依頼によりまする回答は情報部では手一ばいでできませんので、これは調査部の方で担当するというふうに仕事を区分しよう、なお、このほか特定な問題についての調査も調査部ではいたしますし、それから調査部では翻訳関係もやるととになっております。次に、管理部でございますが、管理部は庶務と収集整理課と二課になっております。庶務の方は会計、庶務、業務の関係をやりまして、これは主として売り込みとか、集金とかそういった仕事を担当する課であります。収集整理課の方は、できましたカードを保管いたしましたり、あるいは整理したり、あるいは依頼による複写とか、そういう仕事をいたします。従って、機械関係、相当能率の高い機械を扱いますが、そういうものは全部収集整理課の方の担当になるわけであります。百五十名では、非常に規模的に不十分であるということは、私ども考えておりますが、現在の日本の状態からして、これ以上のものを望みましても、財政而その他の関係から、なかなか実現困難であるというふうに考えまして、まずこの辺から開始をいたしまして、だんだんに充実させまして、将来は必ずしも百五十名ということでなしに、所期の目的が達せられるように発展させていきたいとは考えておりますけれども、現在では今お答え申し上げました構想で開始を始めたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/14
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015・小幡治和
○小幡治和君 情報部の活動といっても、たとえば今お話しのように、外国の雑誌を中心にするのだ、日本の方はそれほどじゃないのだということですが、しかし、お話を聞きますと、日本の雑誌三千部といいますか、四千部といいますか、とにかくとるということを言っておりますし、外国のもそうですし、また、外国のはそれぞれみんなそれをすぐ翻訳して、そうしてそれを調査していかなくちゃならぬ、分類していかなくちゃならぬということになると思うのですが、日本のそういう何千部という雑誌なんかを、これは一体資料として積んで置くだけではどうにもならぬので、それをやはり分析し、また、いろいろなすぐ民間から言ってきたものに対して回答できるような態勢に整えておくことが必要だと思うのですけれども、そういうようなことを考えたり、また外国のそれだけの雑誌というものを、今翻訳室というものは調査部に置くと、こう言っておりますけれども、結局情報部の方でそういうものがどんどん翻訳されて、分類されて、研究されてこないと、一般利用に追いつかないということになりますし、そういうような而がどうも今いろいろ御説明を承わっております限度においては、一体うまくいくのかどうかという点、非常に疑問持たれるわけなんですが、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/15
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016・三輪大作
○政府委員(三輪大作君) 情報部で七名と各部門ではなっておりますが、情報部の職員の採用に当っては、語学ができこういう仕事に適切な人を厳選いたしまして、採用をいたしたいと思っておりますので、もちろん翻訳というものを頼まなくても、その情報部の部員は字引も引かないで雑誌が読めるという人でないと、これは採用できないわけでありまして、そういう意味から申しまして、翻訳室というものは依頼による翻訳、調査部にあります翻訳室は外部からこういったものを翻訳してくれといったものを翻訳して提供するという仕事を担当しておるわけでございます。調査部の方で外国の雑誌からいろいろの資料を収集する場合、これはそれぞれの人々が自分で読んで自分で整理し、分類し、評価するということができる人でないと情報部には採用しないというふうに考えまして、人数が非常に少いもので、少い人数で能率を上げるためには、やはり質をよくせねばならぬということから、このセンターの運営に当りましては、人間が非常に重大なファクターになりますので、人選に当りましては、私ども厳重な審査を行いまして適切な人だけを採用したいというふうに考えまして、今お話しのございましたように、これだけの規模、陣容では、かなかな困難であろうという点は十分考慮いたしまして、今言った趣旨の面で補っていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/16
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017・小幡治和
○小幡治和君 そうすると、この関係の三千種の雑誌というものを、この情報部の人たちが、毎月毎月三千部の雑誌というものがやってくるのですが、これを自分で翻訳して、そしてこれを分析してそれを資料の中にそれぞれにとじ込むということ、それから、民間からもし言ってくる場合に、一体これはどこへ回答するのか知りませんけれども、そういう回答の資料としてちゃんと整理をするということが一体可能なのですか、その点!毎月二千種か三千種の雑誌というものを、そういうふうに整理して利用がすぐできるように保存しておくことができるのか、可能なのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/17
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018・三輪大作
○政府委員(三輪大作君) 外国からとります雑誌は、二千種はなるべく早くということから航空郵便でとりたい、あと千種類は船でとる、結局三千種になるわけでございますが、それを全部目を通して整理し、分類し、蓄積するということは、これは非常にむずかしい問題であると思っております。従いまして、差しあたってこのセンターがやります仕事といたしましては、速報とダイジェストを出すということに重点を置きまして、それらの雑誌からとりまするインデックスをまず速報として流します。そのインデックスを見まして、こういう問題をもっと詳細に知りたい、という問い合せが当然来るわけなのですが、それについて回答を与える。もちろん、このインデックスの流し方については、これはインデックスだけでわからぬ場合は、その中の項目くらいは書かなければいかぬとは考えておりますが、一応そういうふうに早く、どういう研究、どういう問題が今諸外国で研究され、また、重要視されておるというテーマを早く知らせてやる。そのうちから必要なものの問い合せがあったならば、それに応じて回答を与えるというふうにやっていかないと、これだけの陣容では、漏れなくやるというわけには参らぬということで、一応計画を進めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/18
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019・小幡治和
○小幡治和君 そうすると、第二質問に入るわけですが、こういうセンターが一応できましても、それが国民の利用に迅速にかつ丁寧に応ずる体制というものができなければ宝の持ちぐされだと思うのですけれども、われわれとして一番やっていただきたいと要望しておったものは、ある一つの仕事なら仕事というものを計画するときに、一体こういうものは日本の技術においてどれだけのものがある、世界の技術においてどんな程度のものが出ておるんだ、また、こういう点については一体可能なのか不可能なのか、また、そういう面について実際やっておる面については、どこら辺の成績が出ておるのかというふうな、総合的の内外の情報というものを、このセンターにはがき一本やれば、相当詳しくずっと書いてきてくれるというようなものをわれわれは待望しておる。そうすると、今の御説明では、一体、そういうふうな必要性があって国民からセンターに手紙が来たときに、こんな雑誌にあるようだとか、そういうインデックスからこんた本のがあるんだというふうなことじゃ見当がつかないん下、それを迅速に、また、内容的に一つ説明してちゃんと同等を与えてやるということが、今のこの体制で一体できるのかどうかということを私は心配しておる。ですから、せっかく待望したセンターというものができましたけれども、国民が要望したときにさっぱりこれに応じてくれない。まあ隔靴掻痒で、これじゃあったってなくたって、今までと同じことじゃないか、というふうなことでは、せっかくこれだけの資金を集め、政府から金を出しても、何のためにやっておるかわからぬ。そういう点について、一体迅速に丁寧に回答というものが、ただ問題の所在だけじゃなくて、できるのかどうかということを、一つはっきりお伺いしたいんです。ということと、また、そういう要求があった場合、これは有料ですか無料ですか、その点。それから、そういう要求があった場合に、これは事柄にもよるでしょうが、何日ぐらいで回答ができるものか、どういうふうにどれくらいな見当を一体立てておられるかということなどを、一つお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/19
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020・三輪大作
○政府委員(三輪大作君) 第一点は、あらゆる依頼に対して、センターは満足いくように、しかも、すみやかに回答ができるかという御質問だと思いますが、その点につきましては、初年度、二年度あたりは、まだ体制の準備を整えるということと、初度的な準備をいたさなければならんということ、また、外国のセンターとの協定というような問題もございまして、完成の暁におきましては、今のような依頼に対して回答が相当出せると私ども考えております。しかし、全部満足な回答が得られるかということについては、外国の例を見ましても、やはり回答できないものが相当あるわけでございますので、それは全部できるとは思いませんけれども、相当の量においては回答ができるように運営をしていかなければ、お話しのように、こういうものは作っても意味がないというふうに考えております。
それからそういうものについての有料か無料かという点でございますが、もろちん、これは有料で御回答申し上げます。有料の値段につきましては、まだはっきりきめておりませんけれども、費した時間に対して幾ら、アメリカあたりは時間について三倍の料金を取っておりますが、これはセンターの設立準備委員会あたりで十分検討をして適切な値段にいたすということと、衆議院の方の付帯決議がありましたように、利益を目的としないで公共性に富んだ運営をやっていかなければいかんという関係上、できるだけ安く提供したいと考えております。
それからその日数につきましては、これは今ここでこういうものは幾日でできるということは申し上げかねますが、もちろんできる限り早く同等するというのが、この七ンターの趣旨でもございますので、そのように運営をさしていかなければならんし、また、監督をしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/20
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021・小幡治和
○小幡治和君 いろいろこういうことで雑誌もとり、また、単行本もとって、そうしてこいつを整備してそれを保管しておかなくちゃならんということになりますと、国会図書館との問題が出てくると思うのですけれども、国会図書館あたりでも、相当な資料というものを集めて保管しておりますし、国会図書館との関係というものはどうなるかということが一つと、それから各団体、会社、いろいろな大きなところでは、みんな調査部というものを持って、相当詳しい調査というものがいろいろやられておるのですが、いやしくもこれが日本のセンターである以上は、そういう各団体なり、会社なりの調査部のいろいろな結論というふうなものとの関係において、そういうものを集めるのかどうか。それから特許庁あたりのいろいろな資料というものも、センターたる以上、そういうものを収集しておかなくちゃならんと思いますが、いやしくもセンターと言われた以上、そういうような面についての関連をどういうふうに処理して、センターの実を上げるかということを、一つお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/21
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022・三輪大作
○政府委員(三輪大作君) 国会図書館との関係につきまして申し上げたいと思いますが、国会図書館は、図書館法にもうたってありますように、図書館法の第二条、第十五条、第二十一条に書いてある点から考えますと、国会図書館の主たる任務は、議院、委員会並びに議員の立法業務に資するのが第一の任務だと考えております。それに引き続いて、司法、行政の関係の図書館奉仕をし、さらに一般国民に対しても図書館奉仕をすることができるというふうに考えておりますので、図書館がそういう主たる任務が今申しましたように国会関係にございます関係上、センターの業務とは重複決してしない。センターは重点が産業界あるいは研究機関といった面に重点が置かれておりますので、重点の指向するとこが、国会図書館とセンターとはまず異っておる。また、国会図書館は古今東西にわたって膨大な図書、文献を保管しておくという重大な任務がございます。そういう任務を帯びているところが、時々刻々発展していくところの科学技術情報を積極的に、機動的にサービスするという機能は、これは困難であろう、技術的にできないというふうに考えております。これは欧州その他におきましても図書館業務と情報活動とは別々に考えて、また別々の機関で現在ではやっております。そういう面からいっても、図書館の機能と情報センターの機能とは異っておるというふうに考えております。ただし、図書館は非常にたくさんな図書、文献を保管貯蔵しておりますので、センターはできる限り図書館の資料、文献を活用しなければならぬわけでありまして、その点については、法律にも二十四条に明記しておるのであります。
で、それならセンターはどういうものを買うかと申しますと、非常に急ぐもの、あるいはセンター自身がしばしば使うようなものについては、これはセンターで業務上買わなければなりませんけれども、たまに見るとかいうような図書文献類につきましては、これは図書館はもちろんのこと、あるいはその他の政府機関の持っておる図書資料というものを活用さしてもらいたいというふうにいたしまして、センター自身はなるべくだぶって不必要なものを購入することを避けまして、できるだけ日本の国内にありまする図書館、あるいはその他の機関の文献その他を活用さしていただくというふうに運営をしていかないと、先ほど申しましたように、わずかな予算と人間では、とうていそういうところまで手が回りませんので、できる限り国会図書館初め現在ありますところの機関は利用さしていただきたいというふうに考えております。
次に、団体、会社などでやっておりまする情報活動とどういう関係があるかというお尋ねでざごいますが、たとえば鉄鋼連盟あるいは日本化学研究会で出しておりまする日本化学総覧とか、鉄鋼技術総覧というような、やはり一種の情報活動が行われておりますが、そういった現在やっておりまする機関とは、現在までにしばしば打合会もいたしましたし、向うからも来てもらいました。私の方からも人をやりまして十分話し合いをいたしまして、今後の運営においてむだのないようにお互いに協力をしあって、日本の文献活動のの趣旨が情報センターであるという建前から、そういったいわば単位情報圏、今申しましたような現在やっておる情報活動は、形からいえば情報センターが中枢的な機関であります関係上、単位情報圏として一体となって情報網を組織して、センターはその中心的な役割を果していくという考えから、むだのないように、業務のだぶらないように、お互いに相提携いたしまして、日本の文献活動を盛んにいたして所期の目的を達したいというふうに考えております。
次に、特許庁との関係ですが、最近特許の問題は各企業とも非常な関心を持ちまして、こういった資料を早くほしいという声が強いわけでございます。従いまして、情報センターの業務といたしましても、特許広報なり、外国の特許の実情なりを早く日本に持ってきて、これを提供しなければいかぬという必要性を痛感しております。しかし、特許庁においても、このような資料は、資料館がございまして、相当膨大な資料を持っておりますので、特許関係の資料につきましては、特許庁と十分連絡をいたしまして、お互いにそごのないように、また、費用のむだのないように連絡した上で、どちらがどういう資料をとるか、あるいはどういう仕事をやるかという点については、十分検討をいたして運営していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/22
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023・小幡治和
○小幡治和君 まあ、大体いろいろなただいま御回答で一応了承いたしますが、要するに科学技術庁の一つの総合的センターとしての実を上げるためには、今申されましたように、相当日本の国内のあらゆる情報網というものを一つ総合収集していくこと、また国外のそういうものも総合収集していく、そのためにはとてもこの人員と予算ではやり切れないと思いまするから、そういう点の連係というものを一つ密にされて、まあ、そこのところは非常にむずかしい問題ですけれども、しっかりやっていただかなければ、せっかくこういうものが、待望されたものができて、そうして実際に業務を始めてみたら、それほどの効果がない、よく地方の図書館あたりでいろいろそういうものの調査活動をやるというふうなことを言って、初めは少しやっていますけれども、しまいには、もう何にもならないということになってつぶれてしまうのが多いようですから、待望されておるこのセンター法案が通りましたら、そういう点十分注意されて、一つ国民の与望をになうようにやっていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/23
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024・小西英雄
○小西英雄君 私も小幡議員が言われたように、この起案をどこでされたか、ちょっとまず最初にこの組織等について、非常にわれわれ考えて不備である。というより、人員の面についても、これはとうてい現在考えているようにスムースにいかぬのじゃないかという点を心配するのですが、まず、この組織の案というものは、だれが作られたのですか。
それともう一つ、これは私たち平たく言えば、科学雑誌の総合版を、日本の国の金とあるいは民間の寄付によって作るというふうな印象なんですが、そういう場合にまず一点は、やはり専門的に鉄鋼連盟とか、造船界なら造船界、相当の専門雑誌を各所より取って、かつ全国のやはり化学工場なら化学工場としての世界の一番早い情報を取っていると思うのですが、それよりおそまきに移したようなことを何月もおくれて出るというふうな格好の雑誌になるおそれがあるのじゃないかという点は、人員の面と、もう一つは非常に広範囲なものをやっているので、こういう点については、われわれこの法案を審議するときに一番心配するのですが、まずそういう点について今ちょっとお尋ねしておきたいと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/24
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025・三輪大作
○政府委員(三輪大作君) この情報センターの構想についての原案は、調査普及局の調査普及課が中心になりまして作ったわけでございますが、そのためには、科学技術庁の中に科学技術審議会がございまして、その審議会の中に情報部会というものを作りまして、情報部会で現在こういう問題についての民間の理解ある権威者、あるいは学界、官庁方面の方にお集りを願って、再三再四このセンターの構想について審議をいたしたわけでございます。なお、そのほかにドキュメンテーション懇談会というものを作りまして、現に日本で情報活動をやっておりまする大学の先生、あるいはそのほか民間の会社で特に目立ってやっておるところの方々、そういう方々を集めまして懇談会を作って専門的な問題については、そういう方々の意見を十分反映さしてこのような案を作ったわけでございます。
それから次に現在やっておりまする専門分野において相当スピーディに情報を流しておるが、センターがそれよりもおくれて情報を流すようなおそれはないかというお話しですが、先ほど申しましたように、雑誌の一部は航空郵便でとりますので、向うも航空郵便でとれば同時になるわけですが、まああまり航空郵便で現在相当そうたくさんの雑誌を送っているような話は聞いておりませんので、センターが相当な雑誌を航空郵便でとって、それを早く訳して提供するということをいたしますれば、専門にやっておる、たとえば鉄鋼連盟でやっております、あるいは化学総覧あたりでやっておりますところよりはおくれるということは私はないと思っております。それから専門的に、たとえば鉄鋼連盟でやっておりまする文献の内容を見ますと、雑誌を二百七十六種類とっておりますが、ほんとうに目を通しておるのは八十何種類しかないのでありまして、あとの残りはとても目を通せない。そのうち冶金に属するものが三十一種しかありません。世界の冶金は三百八種類あるわけでありますが、その十分の一程度しかここでは目を通していないというような穴が、各部門においてこれはいろいろな経済的の面もありましょうし、人間の能力の点もありましようが、相当専門的にやっておるところですら、相当大きな穴があいているわけであります。そういう穴の面をセンターは埋めてやっていかなければいかぬというような立場もございまして、専門的にやっておるところが、必ずしも十分でないという現状でありますので、もちろんスピードの点におきましてもそれよりも早くいたしますし、そういう欠けておる面を補ってやるという点は十分考慮いたしまして、両方で連絡をとってやろうというふうに考えております。なお、人員がこのような人員では広範な情報活動は非常にむずかしいのではないかというお話しでございますが、この点につきましても、先ほど来御説明申し上げたように、私ども必ずしもそれで十分満足だというふうには思っておりませんので、質の点、あるいは部外の協力者というものを十分活用いたしまして、それぞれの分野にそれぞれの専門家がおりますので、そういう方々の協力を求めまして、足りない部分を補っていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/25
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026・小西英雄
○小西英雄君 特殊法人となっておりますが、これは公社ですか、あるいは株式会社ですか。その点一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/26
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027・三輪大作
○政府委員(三輪大作君) 特殊法人というのは特殊な法律に基いてできた法人で、たとえば原子力研究所とか原子燃料公社、あるいは株式会社科学研究所、こういうようなものが特殊法人になっております。従って国の監督を受けて行政目的に沿った業務をやるような組織を特殊法人と申しておるわけで、一般の財団法人とか社団法人というものとは、そういう意味で違っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/27
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028・小西英雄
○小西英雄君 今財団法人でも社団法人でもないと言われたのですが、株式会社であるかあるいは公社であるか、その点と、もう一つは資金構成について民間の方から出資になっておりますが、出資になっておることに対する責任とか、あるいは配当等についてはどういうふうに考えられておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/28
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029・三輪大作
○政府委員(三輪大作君) 出資につきましては出資証券を出すことになっております。第六条に「センターは、出資に対し出資証券を発行する。」、ただし、この出資証券は、完全なる有価証券ではございません。記名式であるということと配当に制限をつけられる。というのはもうかることはございませんけれども、かりに三十年、五十年たってセンターに利益を生じたという場合には一定の率の積み立てをいたしまして、なお余裕がありますれば、出資金に応じて配当させるというふうに法律でうたってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/29
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030・小西英雄
○小西英雄君 今の株式会社か公社か、そういう点は何かはっきりしていないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/30
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031・三輪大作
○政府委員(三輪大作君) 公社、公団、公庫、これも特殊法人に類するわけであります。従ってこれは財団法人に先ほど申しましたような国家的監督とか、あるいは行政目的を加えた一種の特殊な法人である、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/31
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032・小西英雄
○小西英雄君 もう一つ、私はもう少しこれは性格を明らかにしておいた方がいいと思うのは、あの莫大な金、民間から半額に及ぶ出資をさせておいて、それらについては有価証券でもなければ、寄付の取扱いをしてもろうたような書類なり、証書なりをもらっておる。そういう場合に特定の何々化学会社から特に多くの出資をいただいておるから、この機関を利用して特に繊維化学の情報をするというようなことに流れるおそれがあるが、そういう点についての寄付なり、あるいは出資の方法についても、この文書に切らかになっておりませんが、そういう点を憂うることと、もう一つは役員等について、これは私たちから先ほど申し上げるように、科学雑誌の総合版を出すような一つの特殊団体で、特殊団体の収支についても、非常に理想的に書類では合しておりますが、来年度からその事業収入として一億円をあげておる。それから出版物に対して七千何百万円、もう二年目には二億近いものが収入になっておるが、そういった点についてどういうふうに金を持っていって収支決算するのか、われわれ容易に納得のいかない数字なんですが、そういう点について相当確信を持った人が理事長であり、常任理事である。常任理事、その他についても非常に少いのでありますが、民間の方から出資をさせてもらったり、あるいは寄付した者についても、そういう重要な役員会というか、首脳部には何の発言力もないのであろうか、そういう点ちょっとつけ加えて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/32
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033・三輪大作
○政府委員(三輪大作君) 出資者に対しての恩典、特点と申しますか、そういうものは別に考えておりません。寄付者あるいは出資者に対して、たとえば割引するとかいうようなことは考えておりません。ただ、出資者に対しましてはこの二十九条に予算とか事業計画、出資計画に関する書類または財務諸表を出資者に送付するということしか考えておりません。これは出資者はこういうような事業に対して、国家的公益性を持った科学振興という線に沿っての重大な仕事に対して賛成し、協力しようというお考えから出資をし、また寄付をしておるわけであって、われわれ情報を提供するという対象については、出資者であろうが、出資者でなかろうが、広く日本の科学技術の振興のためになるというような情報はどんどん流すという考えでございます。
次に、役員でございますが、役員はできるだけこういうような事業に適切である人を選びたい。従いまして対象が企業界、業界が相当多いわけでございますので、そういった方面の御意向も十分考慮いたしまして決定いたしたいと思っております。まだ役員、その他につき、ましては、米決定でございまして、十分慎重審議の上最適任者であり、しかもこれは国際的にも相当重要なウエイトを占めておりまする関係上、そういう面からも考慮いたしたい。こういう情報活動というものは非常にじみな仕事でございますが、やはりこういう活動に理解があり、しかも一つの仕事として収支を償わなければいけないことになりますから、企業的才能もなければという面も考慮して、責任者あるいは役員というものは選定しなければならぬと考えております。収支の面についてどうかというお話しですが、先ほど十部門に分けて約四十万程度の速報が流れるわけですが、これは各部門で完成の暁には約千七百部得度の部数を販売したいと考えております。その理由といたしましては現在化学総覧、あるいは鉄鋼総覧というものの売れ行きを調べてみますと、化学総覧が最近約二千内外出ているようでございます。鉄鋼総覧におきましても千七百程度は出ております。従いましてその他の業種につきましても、千七百部程度は当然これは売らなければいけませんし、そういうように当然努力いたさなければいかぬということから計算いたしまして、そこにあげてありますように二億六千が程度の事業は着きると考えております。しかし、先ほど申し上げましたように、この仕事が営利を目的としているわけではございませんので、将来とも国の、政府の補助がゼロになるということは、当分の間私ども考えられない。従って多少は減りますけれども、数千万の補助金は相当長い問続けて出してもらわないと、運営に困るというふうに考えておりまして、収支の面につきましても、ただいま申しましたような算出根拠をもって一応大蔵当局に御説明申し上げ、また、センターの将来の構想も考えた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/33
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034・小西英雄
○小西英雄君 最後に時間もございませんので、ただ一言申し上げたいことは、何といいますか、この法案の説明によれば、非常にりっぱであるし、また、科学振興のために寄与する奇特な寄付を集められたり、まあ国家の金も相当な額を使われる。局長さんが御説明しましたように、できた暁には、どうぞ広く本が読まれるような本を出していただきたいということと、もう一つは、いろいろな面に非常な高度な奇特な精神から発足いたしておりますので、何も言うことはございませんが、こういう場合にこういう事業体ができると、役所の方々がほとんど五割、六割も占められて、その人員は役人のはけ目を作るために作ったような過去にいろいろな例がございますので、その人員内容についても、十分この情報センター法案を審議した際の理想に合うように、一つぜひやっていただきたいということを申し上げて、私たちはこういうふうなことがこの計画通り進むことを非常に喜ぶ者でありますが、また、われわれ委員の一員として、こういういうふうな不始末なものをよく審議したと笑われないような一つりっぱな情報センターを作られんことを提言して、私の質疑を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/34
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035・豊田雅孝
○豊田雅孝君 一点だけお尋ねをしておきたいのですが、この情報センターは、利益を目的としないということを言われるのですけれども、二十八条によるというと、貸借対照表から損益計算書まで作ることになっているのですね。これとの関係はどういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/35
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036・三輪大作
○政府委員(三輪大作君) これはこのほかの特殊法人を作る場合に、たとえば原子力研究所、原子燃料公社の場合も同様でございますが、こういう法律を作る場合の一つの例文であるという、やはり実施をしてある仕事をするということになりますれば、当然こういうものを出さなければいかぬし、また利益が上らないと私ども思っておりますが、万一上った場合にはこういう配慮をしなければならないというふうに、一つの形式と申しますか、そういうことからこういう条文を特にあげられているというわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/36
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037・豊田雅孝
○豊田雅孝君 今の貸借対照表や損益計算書が例文であるからと言われるが、こういうふうに規定しているゆえんのものは、やはりこういうことによって能率を上げさせていこうと、先ほど来いろいろな質問が出ておるわけですけれども、のんべんだらりとやっておったら、こういうセンターを作っても、ちっとも能率が上らない。雑誌や書物は買うけれども、積んでおくというような、いろいろ照会があっても、大してびりっとした回答などは出ないというようになる懸念というものは、非常に多いだろうと思うのでず。そういう点から、この情報センターは特殊法人だというけれども、実際は貸借対照表から損益計算書まで提供させるような一穂の営利追求的な面も出さして、それによって能率を上げていこうという考え方が出ていると思うのですね。それは特にそういうことを質問するゆえんのものは、御承知のようにこの理化学研究所というのは、最初財団法人だったのです。ところが、それは結局いろいろやってみるというと思わしくないというようなことで現在では株式会社になっているわけです。だからこういうこの情報センターも株式会社的にいくならいくで、能率本位にはっきり株式会社になった方がいいんであって、もしもそうでなく、その公共性を尊重するならば、財団法人に徹底したらいいのではないか。要するに現在のこの法案の構成を見るというと、中途半端になっているのです、先ほど小西委員から質問せられても、特殊法人とは言われるが、一体会社たる性格を持っているものか、あるいは財団法人的性格を主にした特殊法人なのかということが、はっきりしないのです。そういうところは、将来この情報センターの運営に非常に悪影響を及ぼしていくのではないか、どっちつかずになって。結局せっかくこういうものを作り、それから政府の出資をする、補助金も出すと言うけれども、悪くいくというと、そういうものを作ったけれども、一向ほんとうの動きはできぬというようなことになりわしないかということが、この法案のコンストラクション自身にあると思うのですが、その点はどうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/37
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038・秋田大助
○政府委員(秋田大助君) ただいま豊田先生からのお話は、まことにごもっともでございまして、この機関の持つ一つの最も弱点と申しましょうか、また、重要な性格に触れて御指摘されておると思うのでございます。そこで、この法文のただいま御指摘の関係条文を見ましても、まことに相矛盾したようなふうに、並列的に考えますとお考えになられるかと思いますが、私どもといたしましては、この機関の諸費用等が、親方日の丸式にルーズに使用されてはならない。もちろん事業でございますから、当然まあ事業年度の計画も作り、決算その他財務諸表を作ることは当然の処置だろうと存じます。しこうして、この機関の性格としてわれわれの考えておりますことは、あくまでも公共的な性格、使命ということを主眼に置いております。衆議院において付帯決議をつけられたゆえんも、またそこにあるかと思うのでございます。従って財務諸表をつけるということは、ただいま申し上げたような趣旨から、この公共性とこの機関の公共性とは矛盾をしておらないと思いますが、この利益配分的な規定がある点が、いかにも三十条でございますが、目ざわりなんでございますが、しかし、主として公共性に発して仕事をぜい、しかし、それはルーズにやってはいかぬのだということで、できますれば公共性に徹し、ルーズにやらずに、真に皆さんが利用できるような、みんなが好んで読むようなものが、これが理想、またそれに一歩でも近づけなければなりませんが、できた暁には、先ほど局長から御説明申し上げましたように利益が上るかもしれない、また、それらのむずかしい条件を満足しながら、利益が出てくれば、まことにけっこうであります。また、出資証券を発行いたし、民間の資金を集めておる関係もございまして、その資金が出た場合の規定も掲げておかなければ、またここに手落ちがあってはという配慮から、三十条の規定ができたのでございます。重点は公共性にあるというように御了解を願いたいのでございます。しかし、決して事業をルーズにしてはいかぬという精神が、この中に含まれておると御了解願いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/38
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039・豊田雅孝
○豊田雅孝君 ただいま政務次官からの御答弁によりますと、公共性を中心にしていくのだという御答弁でありまして、また、衆議院の付帯決議自身にも、特に営利を排してやる動きが出ておるのでありますが、これで将来動き出すと、おそらく非常に公共性をやかましく覆うことになるのでありまして、結局三十条に利益の配分の規定があったり、あるいは利益の積み立てをやらんならんというような規定がありますが、これは有名無実になってくるのではないだろうかという懸念があるわけであります。そうなると、むしろ財団法人的な性格を主にするというふうにはっきりした方が、かえって将来右顧左眄しないで、この法案を作るゆえんにぴったりするんじゃないだろうかという感が強いのでありますが、この点いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/39
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040・秋田大助
○政府委員(秋田大助君) この機関に必要なる出資金なり、あるいは資金なり、ないしは運転資金等を確保するにつきまして、政府資金並びに特殊な財界等民間の御奇特なるお考えによる富村金等によらなければならないというような、との資金確保上の二重性が、豊田先生から見ますれば、不徹底だと御指摘のような性格を、この法文構成に表わすということになったと思うのでございますが、現実出資金、寄付金等の資金確保の二重性から、われわれはまた本来の重点、使命をどこに置くべきかという点を考慮いたしまして、あるいは不徹底のそしりを招くかもしれませんが、こういうような性格が、まずもってこの際やるへき処置ではなかろうか。諸外国の例には、先生御指摘のような徹底した性格を持ったものもあるようでございますが、現在のわが国といたしましては、ただいま申し上げた事情上、こういうことになっておると、一つ御了承願いたいのでふります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/40
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041・豊田雅孝
○豊田雅孝君 もう一点最後に申し上げますが、財界人というのは非常に敏感でありまして、法のコンストラクションがどうなっておろうと、その裏をちゃんと見てとるのですから、いずれこういう法律のコンストラクションになっておっても、結局は財団法人的なものだ、出資してもこれは寄付行為と同じだというように、これはすぐ見てとると思うのですね。だから表裏を一体さして、財団法人的性格にこれをせられても、出さんならんものはやはり出す。寄付行為もちゃんと出てくると思う。政府の腰の入れ方によりましては、結局同じことになると思うのですが、何か財界に見てくれだけよくしょうというようなことで、表面の法文はちょっと営利を追求するもののごとく見せ、そして実際はそうでないという行き方で、財界を引っぱっていこうといっても、なかなかこういうことでは財界の寄付金など寄らぬと思うのです。それで私はむしろ将来のこれは御注意まででありますが、正直に政府がほんとうに必要だというならば政府も出し、また民間にも訴えて、そうして名実合うような行き方にしないと、こういう法案で将来動き出すと、どうも建前が建前だというようなことで、全く中途半端な妙な結果になりはしないかということを、非常に心配をするのであります。いろいろ御答弁もありましたけれども、結局将来この法文でいくことは、ほんとうに困ったことじゃないか、また悪例になりはしないかというふうにすら思うのですが、その点を申し上げまして、もう時間もないようでありますから、私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/41
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042・島清
○島清君 法案の趣旨の説明を承わっておりますと、科学技術の振興のヒからいたしまして、国家的に非常に必要であり、かつまた、重要な内容を持っているようでありますが、なぜそういったような重要な意義を持っておりまするものを、今同僚の議員諸君から御指摘になりましたような、組織の性格的にもあいまいなものをお作りになりまして、あえてそういったような民間団体にやらせようとされるのか、むしろ科学技術庁が率先して、そして国家的な目的に適合し、かっ正確な情報を提供されるようなお仕事こそが必要であるような気がするのですが、科学技術庁に調査普及局というものがあるようでございますが、それは私は情報局というものがいいかどうか私は存じませんが、むしろそういったような科学技術庁が率先をしておやりになるべき性質のものだと思うのですが、それをおやりにならないで民間にやらせようとするところに利害得失、そういったようなものについて、あらかじめ伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/42
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043・秋田大助
○政府委員(秋田大助君) 十分な金が国家資金からある意味においてのみ流し狩るならば、御希望のようにもなろうかと思いますが、同時にやれるわけでございますが、その点現実には悩みがあるわけでございます。しかして同時に、やはり先ほど小画先生からお話しのありましたように、読まれるような速報なりダイジエストを出していかなければならぬ。これにはやはりサービスという面に大いに留意しなければならない。同時にまた、先ほどの質疑応答の中に現われました通り、この機関が完全に機能を発揮いたしまして、その使命を果しますためには、人材というものが非常に重大だということはわれわれも考えておるのでございまして、人材を得るという点におきましても、単純なる官庁機関でない方がよろしいというような点も大いに考慮されたわけでございます。それにはやはり相当の待遇をせねばならない、予算等に拘束されない方が、その点は非常に便利ではなかろうかという点を考慮せられまして、はなはだ矛盾したような形をなしておりますけれども、準純な官庁機関でなしに発足させた方がよかろう、こう考え、こういう形になったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/43
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044・島清
○島清君 センターのおもな仕事の目的は、外国の情報を取り寄せて、それから翻訳し、分析し、総合し、そしてそれを編集して情報提供すると、こういう御趣旨のようでございますが、そうなりますというと、やはり諸外国におきましてもまだ発表しては困るというような科学技術があると思うのですね、相当かなり重要な部分は、未発表のところにあるのじゃないか。もはや雑誌あたりに発表いたしますと、必ずしもその国としては、大した重要のない面を発表しているのに違いないと思うのです。もっとやはり知りたいのは、発表されては困るというような面があろうかと思います。そうなりますというと、その国に駐在をしている大使館のどこの部門が担当するか知りませんが、そこらこそ密接な関連がないと、この趣旨の完全な目的を達成することは困難じゃないかと思うのですね、そういうような意味からいたしましても、こういつたような民間団体と出先の大使館等との連絡をいたしませんと、十二分な情報を諸外国から収集するということは、困難であるように思うのです。もし、そういうものは必要がないのだ、ただ単に発表された諸外国の雑誌等でけっこうであるということになりまするならば、必ずしも急いでこういうものをお作りになるまた必要もなかろうと思うのですが、そこらの関係をちょっと御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/44
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045・秋田大助
○政府委員(秋田大助君) お話はごもっともでございまして、できれば、またほんとうに必要なものは向うも知らないし、機微のようなところに、うまみがあるので、そういうものを御紹介できればいいが、これは非常にむずかしい。しかし、それにはやはり有能な、敏腕な科学アタッシェが海外に駐在しておって、それらの人の手腕によって、そういう機微な点がもたらされるならば、日本の科学技術の振興の上に、大いに役立つであろうと思われます。従いましてそういう意味合いももって、すでに御承知の通りアメリカに二名、英国に一名、本年の三十二年度の予算には、さらに西独に科学アタッシェが置かれるような制度があるわけでございまして、当然科学情報センターとしては、これらの科学アタッシェの活動に待ち、連絡を緊密にいたす所存でございます。のみならず、情報センター自身といたしましても、海外に派遣、あるいは駐在員を置く計画があるようでございます。従いまして、こういう人々の活動等に待ちまして、そういうお話しのような点を満足させたいと考えております。
なお、第三十八条に、御承知のように「関係行政機関の長は、情報センターの行う科学技術情報の収集について、できる限り協力するものとする。」という点等は、今お話しの点等をも考慮されておるのでございまして、海外におけるそういう機微な重要な情報の収集につきましては、関係官庁たる外務省その他通産省方面とも連携をとりまして、お話しのような趣旨のところに努めたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/45
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046・相馬助治
○相馬助治君 私はきょうは答弁を求めないで、予備質問として重要なことを二つ次官に申し上げて、次回に精細なる御答弁を願いたいと思うのです。まず第一点は、性格論ですが、非常に私はあいまいだと思うのです。公共性を追及するというならば、もっと端的に政府出資を多くして、民間からの出資金並びに寄付金はあればありがたいし、なければなくても仕方がないという態度でいくべきであるし、また、そうでなくて、スピーディにかつまた業界等が要望するものを作るという効果の面をねらうならば、何も遠慮することないから、多額に寄付した者は受益者としてその者の便宜をはかってやって、日本の国力を増すのであるから、結論的に何のちゅうちょすることもないという私は論も成り立つと思う。
そこで、私が二点次回にお尋ねして、その答弁がかりに不満であったなら、次には資料要求をするほかないと思っておるので申し上げておきますが、第一点は、民間寄付金の募集のめど並びにどのくらいまで作業が行っているか、このことです。これは非常に微妙だと思うのですよ。今からもらう寄付金のめどが立つかどうか、ないしはそんな下交渉はしてないというような木で鼻をくくったような答弁もあろうと思いますけれども、民間出資が半額に及ぶのですから、これが全部挫折して、豊田委員が杞憂したようなことになったら、せっかく立法してやっても、小西委員が指摘したように、おかしな立法を国会はやったということで、もの笑いの極になるので、なるべくその微妙なことでも、このことをとくとお聞かせ願いたいと思うのが一点。
第二点は、次年度において一億、第三年度においては二億に余るところの事業収入を考えております。で、一方では、衆議院において、公共性をより高めるようにという付帯決議に、政府は耳を傾けるという態度をとっておるようでありますが、この二つの全く矛盾した面を、どの面で調節するかということが問題になるので、これは各項目にわたっての質問のときに触れてお尋ねしたいと思いますが、私が尋ねたいのは、この次年度の一億、第三年度の一億に余る事業収入の内容を、先ほど局長が説明したのよりは、もう少し突っ込んで、その見込みを聞かせていただきたい。そうして私どもは、その見込みが果して妥当なものであるかどうか、これを知り合いの業界の者もおりまするから、それらにも尋ねてみたい。単に大蔵省との話し合いで、こういう案を出さなければ通らないからというので出したというのであれば、私どもはこの立法を承服することができないので、以上、寄付金の内容、事業収入の内容、これらについて、次回に私は政府に向って質問したいと思いますので、事、数字ですから、きょうは予備質問にしておきますから、よく正確にお調べ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/46
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047・秋田大助
○政府委員(秋田大助君) 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/47
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048・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/48
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049・松澤兼人
○委員長(松澤兼人君) 速記を始めて。それでは暫時休憩いたします。
午後一時二十四分休憩
〔休憩後開会に至らなかった〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614461X01819570402/49
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