1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年四月二日(火曜日)
午後一時三十七分開会
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委員氏名
大蔵委員
委員長 廣瀬 久忠君
理事 木内 四郎君
理事 西川甚五郎君
理事 平林 剛君
理事 天坊 裕彦君
青木 一男君
稲浦 鹿藏君
岡崎 真一君
木暮武太夫君
塩見 俊二君
下條 康麿君
高橋進太郎君
土田國太郎君
苫米地英俊君
宮澤 喜一君
天田 勝正君
江田 三郎君
大矢 正君
栗山 良夫君
椿 繁夫君
野溝 勝君
杉山 昌作君
前田 久吉君
鮎川 義介君
野坂 参三君
地方行政委員
委員長 本多 市郎君
理事 大沢 雄一君
理事 加瀬 完君
理事 大和 与一君
伊能繁次郎君
伊能 芳雄君
小林 武治君
小柳 牧衞君
鈴木 万平君
館 哲二君
森田 豊壽君
安井 謙君
占部 秀男君
久保 等君
鈴木 壽君
中田 吉雄君
成瀬 幡治君
岸 良一君
森 八三一君
白木義一郎君
運輸委員
委員長
戸叶 武君
理事 江藤 智君
理事 木島 虎藏君
理事 三木與吉郎君
理事 大倉 精一君
石原幹市郎君
植竹 春彦君
後藤 義隆君
成田 一郎君
平島 敏夫君
堀木 鎌三君
相澤 重明君
椿 繁夫君
中村 正雄君
松浦 清一君
井野 碩哉君
早川 愼一君
森田 義衞君
鮎川 義介君
野坂 参三君
建設委員
委員長 中山 福藏君
理事 石井 桂君
理事 岩沢 忠恭君
理事 西田 信一君
理事 田中 一君
稲浦 鹿藏君
井上 清一君
小山邦太郎吾
斎藤 昇君
酒井 利雄君
中野 文門君
松野 鶴平君
武藤 常介君
内村 清次君
大河原一次君
坂本 昭君
重盛 壽治君
山口 重彦君
北 勝太郎君
村上 義一君
―――――――――――――
出席者は左の通り。
大蔵委員
委員長 廣瀬 久忠君
理事
木内 四郎君
西川甚五郎君
平林 剛君
天坊 裕彦君
委員
青木 一男君
稲浦 鹿藏君
岡崎 真一君
木暮武太夫君
塩見 俊二君
下條 康麿君
土田國太郎君
苫米地英俊君
宮澤 喜一君
天田 勝正君
大矢 正君
栗山 良夫君
椿 繁夫君
杉山 昌作君
地方行政委員
委員長 本多 市郎君
理事
大沢 雄一君
加瀬 完君
委員
伊能繁次郎君
伊能 芳雄君
小林 武治君
小柳 牧衞君
館 哲二君
占部 秀男君
鈴木 壽君
中田 吉雄君
成瀬 幡治君
運輸委員
委員長 戸叶 武君
理事
江藤 智君
木島 虎藏君
三木與吉郎君
大倉 精一君
委員
石原幹市郎君
植竹 春彦君
後藤 義隆君
成田 一郎君
相澤 重明君
柴谷 要君
早川 愼一君
森田 義衞君
市川 房枝君
建設委員
委員長 中山 福藏君
理事
岩沢 忠恭君
西田 信一君
田中 一君
委員
稲浦 鹿藏君
中野 文門君
武藤 常介君
内村 清次君
大河原一次君
坂本 昭君
重盛 壽治君
北 勝太郎君
村上 義一君
衆議院議員
藤枝 泉介君
国務大臣
大 蔵 大 臣 池田 勇人君
運 輸 大 臣 宮澤 胤勇君
建 設 大 臣 南條 徳男君
政府委員
自治政務次官 加藤 精三君
大蔵省主税局長 原 純夫君
運輸政務次官 福永 一臣君
運輸省自動車局
長 山内 公猷君
建設省道路局長 富樫 凱一君事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
常任委員会専門
員 福永與一郎君
常任委員会専門
員 古谷 善亮君
常任委員会専門
員 武井 篤君
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本日の会議に付した案件
○揮発油税法案(内閣提出、衆議院送
付)
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〔大蔵委員長廣瀬久忠君委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/0
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001・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) これより大蔵、地方行政、運輸、建設委員会連合審査会を開きます。
先例によりまして、大蔵委員長の私が本連合審査会の委員長を務めさしていただきます。よろしくお願いをいたします。
揮発油税法案を議題といたします。本案につきましては、すでに大蔵委員会において説明を聴取いたしておりますが、この際、本案の内容について政府側より簡単に説明を聴取し、続いて衆議院の修正点について衆議院側より説明を伺い、その後に質疑に入ることにいたしたいと思いますが、御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/1
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002・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 御異議ないと認めます。それではまず政府側より説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/2
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003・原純夫
○政府委員(原純夫君) お手元に提案理由の説明が参っておりますから、それをごらんになりながらお聞き願いたいと思います。簡単に申し上げます。
改正をお願いいたしておりますのは数点ございますが、まず第一に、税率を一キロリットルにつき現行の一万一千円から四千八百円引き上げて、合計一万五千八百円とするということを政府の原案としてお願いいたしております。他方、地方道路税の方におきましても現行の二千円から一千七百円引き上げまして三千七百円といたしたいということに相なっております。
第二に、現在の揮発油税法の規定は、いわゆる引き取り課税という制度をとっておりまして、製造場から引き取りの際課税を受ける、そのつど納税するということになっておりますが、これを他の間接税と同様に、製造場から移出いたしました月の翌月末日に一括納付するという制度に改める。これによって納税者、また徴税側双方の手続の簡素化をはかり、かつ事柄の実態により合うようにという気持で改正いたしたいというのが第二点でございます。
第三点は、ただいま申しました移出課税制度に切りかえるに際しまして、徴収猶予の期間でありますが、現在引き取り課税制度のもとにおきまして、引き取り後、引き取りの際納めるのが三カ月以内徴収猶予ができるということになっておりまして、実際の運営におきまして七十五日という期間まで徴収猶予をいたしておりますが、今回お願いいたしております法律案におきましては、引き取り後三カ月以内と、それから移出課税の場合は納期後二カ月以内徴収猶予ができるということにお願いいたしております。実際の運用においては、これを引き取りの際でしたらば七十五日を九十日にしたいという気持、移出の場合もそれに対応する期間にいたしたいという気持でお願いいたしてございます。
第四点は、ストック課税であります。改正法施行の際、手持ちの揮発油のストックにつきまして、一定の程度以上、この場合には五キロリットル以上の揮発油を持っております製造者または販売業者、もちろん製造場、保税地域外の場所でもってそういうものを持っている人たちでありますが、これに対して一キロリットルについて増税分だけの四千八百円、地方道路税千七百円の税率で手持品課税を行うということにいたしております。
第五点は、新たに工業用の揮発油の中で石油化学工業の原料に用いられる揮発油、それからごムの溶剤等に用いられます揮発油につきまして、新たに免税をいたしたいということが入ってございます。航空機用の揮発油につきましては従来も免税いたしておりました。これについても免税の期間を延ばすということにいたしたいというふうに考えております。地方道路税の方におきましても、対応して同様な改正をお願いいたしておるということに相なっております。
税率引き上げの趣旨その他の点につきましては、なお敷衍して申し上げなければならない点があると思いますが、これは本日の会議で御質問に対していろいろお答えするという際に譲りたいと思います。
大へん簡単でございますが、概略御説明申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/3
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004・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 続いて衆議院側から説明を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/4
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005・藤枝泉介
○衆議院議員(藤枝泉介君) ただいま議題になっております揮発油税法案に対する衆議院における修正点及び同法案に関連を有する議案として提出されておりまする地方道路税法の一部を改正する法律案に対する同じく衆議院における修正点につきまして、便宜上一括その趣旨と内容を説明申し上げることをお許しいただきたいと思います。
今回の修正点は税率でございまして、政府原案では一キロリッター当り揮発油税四千八百円、地方道路税一千七百円、合計六千五百円の税率引き上げ案でありましたが、これは増徴の程度がやや大幅に過ぎると認められましたので、予算における税収見込みに減少を来たさない範囲でとれを引き下げる。揮発油税三千八百円、地方道路税千五百円、合計五千三百円の税率引き上げ案に修正いたしました次第でございます。この修正した税率と税収見込みとの関係を政府原案と比較して説明申し上げます。
まず、昭和三十二年度における揮発油の需要見込量は、通産省の需給計画において見込んでおる需要見込量三百九十万キロリッターが政府原案でも採用されておりますし、修正案においてもこの見込み数量をとった次第であります。
次に、年度と課税期間との期間のズレに伴う減少は六万三千キロリッター、免税見込み数量は、航空機、石油化学等を含めまして十九万キロリッターで、それぞれ政府原案と同様とみました。欠減量と徴収猶予の半カ月延長につきましては、政府原案と異なった見方に立ちまして、できるだけ課税標準見込み数量を多くみるようにいた.しました次第でございます。
まず欠減量につきましては、現在政令で、消費者に販売するまでの間に貯蔵及び輸送によって減少すべき数量として、課税標準算定の際控除する欠減量の割合を三・七%と定めておりますが、この割合につきましては、かねてから種々論議の存するところであったのでありまして、この際、諸般の事情を勘案いたしまして一・五%とすることといたしました。これにより、政府原案でみていた欠減数量十三万五千キロリッターは五万五千キロリッターに圧縮され、八万キロリッターの修正差額が出ることとなりました。
次に、徴収猶予期間の問題でありますが、これは現在法律では引き取り後三カ月以内となっており、これを実際は七十五日間の徴収猶予という取扱いを行なってきております。政府原案においては、増徴の後においては、揮発油の製造業者及び販売業者の資金繰りが逼迫することを緩和するため、徴収猶予期間を現在の取扱いよりもさらに半カ月延長することを見込んでいましたが、増徴の程度をできるだけ小範囲に押える必要があるこの際としては、徴収猶予期間の延長はこれを行わないことといたしました。この修正により、九万七千キロリッターの修正差額が出ることとなりました。
以上の二点の修正で、合計十七万七千キロリッターの修正差額が出ましたので、課税標準数量は政府原案の三百四十一万五千キロリッターを三百五十九万二千キロリッターに修正することとなりました。この課税標準数量で、昭和三十二年度の道路整備費関係予算に予定いたしております揮発油税、地方道路税合計六百十七億六千七百万円の税収を上げるためには、一キロ当りの税率を五千三百円に引き上げ、一万八千三百円とする必要があります。その際、この税率引き上げ額の揮発油税と地方道路税との割合を、政府原案の四千八百円と一千七百円との比率で配分いたしますと、三千九百十四円と一千三百八十六円とになりますが、それでは地方財政計画において予算の減が大きくなりますので、これを前に述べた通り揮発油税三千八百円と地方道路税一千五百円とに分けることにいたした次第であります。これによる税収見込みは、揮発油税収入では五百三億一千八百万円で、政府原案の五百三億九千四百万円よりも七千六百万円減少し、他方、地方道路税収入では百十四億四千九百万円で、政府原案の百十三億七千三百万円よりも七千六百万円の増加となり、両者を合計しますと、ちょうど六百十七億六千七百万円で、政府原案と同額になります。
なお修正案といたしましては、税率の引き上げ額を修正することに関連いたしまして、手持品課税の税率、地方道路税法における揮発油税と地方道路税との配分比率等の規定において所要の修正を加えた次第でございます。
以上が衆議院における修正の趣旨と内容でございます。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願いいたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/5
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006・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) これより質疑を行います。まず運輸委員大倉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/6
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007・大倉精一
○大倉精一君 まずお尋ねしたいことは、国会があるたびにガソリン税、軽油税の増徴の問題がそのたびに出るのでありますが、今度もまたいわゆる一千億減税の肩がわりのような格好で出て参りました。そこでこのガソリン税の問題について国民が非常に疑問に思っておるのは、当初巷間に流されたうわさによりますれば、一万円ぐらい上るといううわさが出てきた。それから政府原案が八千円という額になり、さらに国会に六千五百円という額になって、さらにまたいわゆる自由民主党与党内におきましても大臣を含む百九名の反対署名者を出して、そうして自民党内部でもいろいろな論戦を戦わし、現在でもなお釈然としないものがある。そういう状況のもとに、最終案として五千三百円が出てきたのでありまするが、第一番にわれわれが疑問を持っておるのは、一体このガソリンの消費量というのはどこでどういう工合に使うのか、これが一番国民が大きな疑惑を持っておるのでありますが、まずその点についてお伺いしたいと思うのであります。いわゆる最終一万円から八千円、六千五百円、五千三百円、こういう工合に変化をしてきたところの経過について御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/7
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008・原純夫
○政府委員(原純夫君) 御説明申し上げます。最初の一万円という数字は、これはガソリンの消費量等に乗せるという段階の数字ではございませんので、税制調査会においてこの問題が議論されました時分に、私ども事務当局として、ガソリン税を増徴した場合にそれがどれだけ道路の改良整備ができるか、その結果どれだけの受益がこの自動車の業者に参るか、あるいはその他の受益がどれだけになるかということを御参考に計算せねばならぬと思いまして、その前提としてかりに一万円を引き上げるとすればあとの数字はこうなると、こういうことで計算したものでありまして、その際は別段それによって詳しい税収計算ということはいたしておりません。平年度になって、たとえば三百万キロリットルならば三百億になるというようなかりの計算をいたしておるわけであります。それから八千円の数字は、予算を編成いたします際に私ども事務当局で用意をいたし、そして大蔵省の予算の原案として出しましたものでございますが、この際には揮発油の消費数量の見込みを三百七十八万キロリットルといたしまして、それから免税分、さらには欠滅、それから時期のズレ、それから先ほど申し上げました徴収猶予期間の延伸に伴う減というものを差っ引きまして、課税見込数量三百二十万キロリットルというふうに抑えまして、これに税率をかけてガソリン税の増収額が百五十二億だったと思います。そういうふうな計算をして予算の原案として用意いたしたのでございます。その後いろいろ御相談した結果、六千五百円ということになりました際におきましては、ただいま申し上げましたものから、まず消費の数量が若干ふえるということに相なってきております。これはガソリンの消費数量につきましての所管省は通産省でございます。通産省にもいろいろと意見があったわけでございますが、だんだん予算も大詰めに近づきまして、最終的にこれが三百九十万キロリットルという数字に落ちついたわけであります。私どもその数字をとりまして、まず基礎的な消費数量はそれによる、そして時期のズレ、それから免税分等々につきましてさらに念査を加えて、できるだけ、まあ率直に申しますれば、課税数量がふえるようにというような計算でいたしまして、増収額百二十八億、課税見込み数量が三百四十一万五千キロリットルという数字ではじいたのが六千五百円のとき、この場合のガソリン税の分は一キロリットル当り御案内の通り四千八百円でございます。今回の衆議院の御修正の点につきましては、ただいま藤枝衆議院議員から詳しく御説明がございましたので、詳しくは申し上げませんが、変りましたのは二点で、欠減の割合を減らしたということと、私どもが取引条件が悪くなるであろうから徴収猶予の期間を延ばしたいと思いました点を延ばさないでゆくという二点で変えられたということになっております。基礎になります消費見込みの数量はただいま申しましたと同じ三百九十万キロリットルということに相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/8
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009・大倉精一
○大倉精一君 こういう将来のどのくらい消費をするかということは、これは考えようによってはどうでもやり繰りができるものでありまして、このやり繰りによって税金の徴収額あるいは値上げ率も相当違ってくると思う。そこで先ほど鉄道運賃の値上げもありましたが、将来におけるところの自動車運送の見通しというものは、相当私は大きな発展があるということはこれは常識だと思うんです。そこでこういうような観点からこの専門担当部門であるところの運輸省の見通しとしては、相当大蔵省と違った消費量の見通しを持っておられたように聞いております。で、運輸省の方からこのガソリン消費量に対して専門的な立場からどのくらいというお見通しを立てておられたかということについて、一つその内容を御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/9
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010・山内公猷
○政府委員(山内公猷君) 運輸省といたしましても、ただいま大蔵省から御説明がありました三百九十万キロリッターの見通しを持っております。段階的に御説明をいたしますと、当初予算を編成いたしますときに、大蔵省におきましては三百六十万キロリッターの見込みを持っておられたようでありまして、われわれの方は当時三百九十万キロリッターの見込みを持ちまして、これが閣議決定になりましたので、通産とも意見を交換してそういうことになっております。ただ、最近われわれの方といたしましてはもう少し上るのではないかということが問題になりまして、各方面の御意見があり、特に専門家の方々から、当時運輸省のとっておりました資料が十一月の資料でございます。十一月と申しますのは、それから三カ月さかのぼった八月ぐらいまでのいろいろの資料を基礎に三十二年度の消費量を予想したわけでございます。ところが昨年の十月ごろ輸送の隘路というものが非常に叫ばれまして、国鉄貨物を自動車へ移すという動きがあり、特に九月以降の輸送力の伸びが非常に大きいので、本年に入りましてから、当時の算定では少し時間があき過ぎるのではないかというような御要請が方々にありましたので、その点再検討いたしました。特に考えましたのは、車両の生産計画あるいは輸送の伸びというものから、車両数の伸びが当時とそのままでよいかということの検討もいたしました。またもう一つは、貨物の積載効率あるいは大型化というような傾向が非常に強くなって参りました。と申しますのは、三輪トラックにおきましても最近の傾向といたしましては〇・七トン単が一トンに置きかえられてくるということでございまして、車両数が同じでも大型車が非常にふえてくるという動向があ定におきましては、われわれの方は最小自乗法とかそういうものを使っておりませんで、車の伸びと消費限度というものを各車種別に緻密に当りまして出しておるわけでありますが、その原単位のとり方としましては、昨年予算に出しましたものは、三十一年度予想されました原単位をそのまま使っておるわけであります。それで年度が過ぎまして大体三十一年度の見当がつきました。また、今言いましたように車の大型化あるいは積載効率の上昇によりまして、一つ車でも車だけが非常に働くという傾向が強くなって参りましたので、原単位の算定を新たに相当時間をかけてやりまして、これは二十九年来の原単位のあり方を最小自乗法によりまして求めましたのが、四百二十一万キロリッターでございます。もちろん、これは今後の経済の動き、輸送の動きが予想でございますので、どう変るかわからないわけでございますが、一応四百二十一万キロリッターになり得る可能性もあるという計算を非公式にしたわけでございます。現在は運輸省といたしましては、正式に閣議決定の三百九十万キロリッターをとっておるわけでありまして、四百二十一万キロリッターは衆議院の連合部会におきましても大臣から御説明がありましたように、一応そういう可能性があるという参考資料を御要求によりまして出したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/10
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011・大倉精一
○大倉精一君 今の説明は、私は聞いておるのは、運輸省は専門的な立場からどう考えるかということを聞いておるのですが、今の御答弁の結論からいきますというと、運輸省はこう思っておるのだが、閣議決定がこうだから三百何十万キロ云々だ、こういうお話なんですが、運輸省としてはこのがソリン消費量の見込みについては大蔵省と相当大幅な見解の相違があったということを私は承知しております。でありますから、われわれが非常に危惧を持っておるのは、専門的な立場であるところの運輸省が四百二十何万キロというそういう可能性もある、こういうような見通しを立てておるにもかかわらず、大蔵省あるいは政府当局が、いろいろな外部の、あるいは内部のいろいろな客観的な条件から、ほとんど根拠もないと思われるような消費量というものを勝手に操作をして、そうしてつじつまを合せた、こういうふうにより考えられない。でありますから、私は運輸省のこの四百二十一万キロというのは、これは専門的な立場から見たところの一番可能性の多い数字であって、従って、われわれは増徴に反対なのですが、かりに増徴するにしましても、計算基礎はこれによってやるのがしかるべきである。こう私は考えておる次第であります。この問題につきましては、さらに他の委員からもいろいろ御発言があると思いますが、ただ私は、昭和三十一年度の軽油消費量並びにガソリン消費量の当初の見込みと実績、これを一つ資料としてお出しを願いたいと思う。
次にお伺いしたいことは、道路の補修、建設の費用をガソリン税の値上げあるいは軽油引き取り税の値上げによってまかなおうとするその根拠は、いわゆる受益者負担ということであって、これによって利用者が相当大きな利益の享受をするから、であるからこの享受をする者から出さして道路を直そう、こういうような考え方と私は思う。このような目的税によるところの、いわゆる私をして言わしむれば、その場限りの道路政策と言っても差しつかえないのですが、一応それはそれとして、この受益者負担をやる、いわゆるガソリン税によって道路の補修あるいは建設拡張をやる、こういうところの一つの受益者負担というその根拠について、少し御説明を承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/11
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012・原純夫
○政府委員(原純夫君) 道路整備が非常に大事である、これはもうだれも認めるところでございます。そこで年来この、ガソリン税が道路整備のための目的税的なものになりましたところから、道路整備についてはガソリン税だけでなくて一般財源も導入してやるようにという強い御要望がございました。私どももできるだけその御趣旨に沿いたいと思いながら、非常に苦しい一兆予算の連続というような時期に際会した等のために、思うにまかせなかったということがございます。そこで、今回におきましても同様な問題があるわけで、一般財源から若干の増額をいたして予算を作り上げたという形に相なっておりますが、その際、道路整備の必要が非常に急である、どうしても諸般の他の財政需要から考えて、道路にはこれしか回わせないということになりますについて、それではガソリン税の方でなお負担していただく余地があるかどうかということを検討いたします筋合いにおきましては、ガソリン税の増徴による犠牲の計算と、それに対してこれから道路がよくなる、よくなった経果、道路を走る車のいろいろな経費が減って参るという利益はどういうふうに対応するかということを調べるのが、まあ私ども事務をやっております者の責任と考えて、先ほど来申しましたような調べをいたしたわけでございます。その結果によりますと、長い年数はかかりますが、改良補装されました道路が十五年の寿命を持つというふうに考えますと、増徴したガソリン税の額の倍額がその十五年間に返ってくる。しかしそれは自動車の数が全然ふえないという前提でありますので、最近のように自動車の増加が著しく、また貨物量もふえるという前提を置きますれば、さらにこの受益がふえるであろう。これは直接自動車業者の利益でありまするが、その他の関係の利益を入れますと非常に著しいものがございます。そういうような関係を頭に持ちながら、そして一般財源の方がどうしてもここまでいかないということから、それらを総合的に考えて政府原案のような線をお願いするという結論に至った次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/12
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013・大倉精一
○大倉精一君 今のお話でもわかるように、政府から出すところのお金というものは一千億減税等のために思うようにならなかった、こういうお話であるのですが、これははしなくも一千億減税の犠牲者がここにまた一つ出てきた、こういうことになるのでありまするが、これはさておいて、受益者負担、いわゆる受益者が受益する、道路を整備することによって利益を受けるその範囲内において税負担をやってもらうというのか、あるいはそれを超過しても必要な分だけは負担をしてもらうというのが、どういうようなお考えでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/13
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014・原純夫
○政府委員(原純夫君) 道路の整備はそれ自体必要なことでございますから、何としてもやらなければいけないのだと思います。が、同時に各般の財政需要が非常に多く、多岐にわたるということから、まああらゆる面ができるだけの力を出してやるというような考え方もあわせて必要かというふうに思います。それから総合的に考えて妥当な結論を出して参るということではなかろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/14
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015・大倉精一
○大倉精一君 私の質問と少し答弁が違うのですが、受益者負担と申されるのですが、いわゆる道路利用者が利益を受ける、いろゆる道路の補強、改修、増強によって利益を受ける部分についていわゆる受益者負担をしてもらうというのか、あるいはそれと関係なく、道路整備に必要な財源に必要な額を受益者に負担させようというのか、どっちなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/15
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016・原純夫
○政府委員(原純夫君) 利益を受けるということは税を考える場合の一つの要素でございます。税を考えます場合には、そのほかにもガソリン税自体として負担が現在どの程度であり、それが過去において、あるいは諸外国と比較してどうであるかということ、それらの点をあわせて結論が出ると思います。もちろん、その際は、ガソリン税だけでなくて、ほかの税との比較権衡というようなこともあろうと思います。それらを総合して考えて税率を考えると、道路整備費に幾ら要るから、必ずそれを全部ガソリン税で負担させるという論理はないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/16
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017・大倉精一
○大倉精一君 答弁は非常にあいまいだと思うんですが、先ほどの御説明によりますというと、このガソリン税の値上げによる道路何カ年計画というものによって、受益者の受ける利益というものは倍になる、十五年くらいたっというと倍になるというようなお話がありました。しかしこれは私は、どれだけ利益を受けるかということは、これは非常にこれまた抽象的なものでありまして、いわゆる利益を受ける率は一つの想定にすぎないと思う。そういうような一つの想定にすぎないものによって受益者負担というものをきめるということは、非常に私はこれは行き過ぎではないかと思うのです。で、私がいろいろの資料、あるいは専門家に聞くところによりますというと、この計画によって受益者が受ける利益というものはそう大したことはないと、こういうふうに聞いております。たとえば昭和三十二年度から三十六年度の総消費量が百八十一億一千八百三十七万四千キロでありまするが、これによるというと、大体負担額が一万円増徴と、こう簡単に、計算がやりやすいから見るというと、大体一千八百十一億八千三百七十四万円ということになる。これによって道路の舗装される量はどうかといいますと、橋の整備や、あるいは舗装の完成その他を含んで大体一万五百四十二キロメ一夕ーにすぎない。橋の増が二千百五十橋ということになっておるようであります。ところがこれによって将来の五カ年計画というものが、交通量一日当り二百台以下で、非常にその交通障害になっておる個所を重点としておやりになるということを聞いておるんですが、これをかりに二百台が毎日全行程を走るものといたしまして、そうして整備個所でもって経費の節減できるのはどのくらいかと、こう申しますとも大体延べ走行車キロは、五年間で二十二億一千四、百七十五万キロということになります。従って、この百八十一億八千三百七十四万円つぎ込んで、そうしてわずかに舗装を完成されるのは一万キロにすぎない、こういう状態でありますの.で、これは受益者の受益するというものは非常に少い率ではないかと、こういう工合に考えるわけであります。また、バスに一つの例をとりますというと、大体通路整備によりましてキロ当りの節約がバス、トラック、普通トラック、これが約七円から十八円くらいになる、こういう工合に専門家は計算しておるようであります。これによりますというと、大体五年間に百五十五億から三百九十八億という受益計算をやっておるようであります。こうしますというと、千八百十一億という負担に対しまして三百九十八億のかりに受益とすると、千四百十三億というものが受益負担超過になる、また百五十五億の受益であるとするならば千六百五十六億というものが受益超過になる、こういう工合に計算しておるようであります。これはむろんそれだけの計算ではなくて、今お話しにあったように有形無形の利益があるでありましよう。あるでありましようが、大体こういうような計算をしておるところを見ますというと、受益者の利益率というものは非常に低いものであるという工合にわれわれは見ておるわけであります。しかもこれが十五年先だと、十五年先だというようなことは、これはもうその受益者が受益するのは十五年先だ、負担はあしたから負担しなければならぬ、こういうような問題についてどういう工合にお考えになるか、もう一回承わっておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/17
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018・原純夫
○政府委員(原純夫君) ただいまお話になりましたのとおそらく方法は同じだと思いますが、私どもはこういう計算をいたしております。これは数字はかりに三百億円を投入して道路整備をやったと、その利益が総体で幾ら返ってくるかという計算をいたしました。三百億円によって千五百七十二キロという長さの道路が改良または舗装される。そしてその千五百七十二キロ、これはまあ全国に散らばるわけでありますから、すべての自動車が必ずしもそれを通るということにはなりますまいが、その道を通る自動車の数が何台である、で、それが何キロ通るというのは、道路の種類によって一日平均何台通るかというような推計の基礎が所管の省にありますので、そういうものをいただいて計算いたしました。そういたしますと、いい道路を通る、改良または舗装された道路を通る台キロ数が出て参ります。その台キロ数について、一台キロ当りいい道を通る場合には、悪い道を通る場合に比べて幾ら経費が節約されるかということをそれぞれ計算いたしますと、総体で申して、改良の場合には約二割節約になる。それから舗装の場合には約三割節約になる。これはトラック、バス等について個々に経費の中身を洗って計算したものの結論であります。つまりそれだけの台キロ当りの節約、絶対額にいたしますと、十円前後になるわけでありますが、それを先ほど申しました全体で何台、キロ改良舗装された道路を通るかという数字に掛けますと、その数字が約四十億――三十九億五千万であったと思います、ということに相なります。そしてそれが十五年間平均もつという判定をいたしまして、十五を掛けますと約六百億になる。その六百億は当初の三百億の倍である、こういうことでございます。ただいまお話の数字は、五年間でそれだけ返ってくるということでございますから、私どもはその三倍ということにいたしております。
なおこれは、ただいま申しました通り自動車の台数がふえないというベースで計算しておりますので、実際には相当の伸びがございますから、伸びを考えますと、おそらく三倍、四倍になるであろうというふうに思われます。さらにこれは自動車業者が運行させる自動車の経費そのものが減る額でありますが、そのほかに荷物の積み方なり、あるいは荷主の方にも利益が参るというようなことを考えますと、この利益は非常に多いと考えます。御参考までに御案内と思いまするが、鮎川さんが中心になってやっておられまする調査会で計算されました数字と、私どもの計算しました数字と、最後の結論においては大体において同じようなところにきておるように承知いたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/18
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019・大倉精一
○大倉精一君 この数字のやりとりをやっておりますというと、これはまあやぶの中に入ってしまうようなんで、非常にむずかしいものだと思うのですが、舗装される道路、いわゆるその対象になる道路を走るトラック、バス、あるいはハイヤー、タクシー、その他の自動車というものは、私は全国の自動車の数からいって非常に大きな部分が通るとは考えられない。でありますから、その他を通る車はどうなる、同じようにやはり受益者負担ということでもって税負担は同じになるでありましょう。でありますから、その舗装されないところを通る、主としてそういうところに営業基盤を持つという、こういうハイヤー、タクシー、トラック、これも同じような税率を負担をしなければならぬというのですが、この人たちはまるまるこれは負担ということになる。これは公課の公平の原則からいって非常に矛盾をしませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/19
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020・原純夫
○政府委員(原純夫君) 道路の整備は一年だけのことではございませんので、まあ最近には五カ年計画が足らぬというので、新しい十カ年計画をいろいろ考え中なわけなんでありますが、まあ一年だけで千五百キロといいますと、なかなかどの自動車もということになりまするが、長い十年なら十年という間に改良され舗装される道路を全部考えますと、おそらく日本中の自動車が受益するのじゃなかろうかというふうに思います。なおこの受益の関係だけで決定するということでないことは、先ほど申しました通りで、やはり全体として税は一律に取る。そして取りました税を国民経済上、また各地の経済の発展上重要なところからつぎ込んでいくというのが、まあ道路政策における一つの要点ではなかろうか。結局やっております間に総体としてこの受益が大きくなって参るというふうになりはせぬかと考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/20
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021・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 大倉君ちょっと……。皆さんに申し上げておきます。運輸大臣が三時過ぎごろからどうしてもやむを得ない用事がある、こういうことであります。これだけのことを申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/21
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022・大倉精一
○大倉精一君 あなたはすぐに十年先、十五年先という工合におっしゃるのですが、これは十年、十五年、あるいはもっと五十年、六十年たてば道路がよくなることは当りまえなんですこれは。それを十年先はこうだ、十五年先はこうだとおっしゃるのですが、それまでの間が問題なんだ。特に地方に営業基盤を持つところのハイヤー、タクシー、トラックというものはこれは非常に弱い業者なんです。従ってこの税負担に対しては、もうあすにでも常業基礎というものが非常に心配されるという業者が非常に多いと思う。これはいわゆる自分たちが通らないよその道路を直すために自分たちの金を出さなければならない、そのために自分たちの営業基盤が非常に心配になる、危くなる、こういうことがあしたから起ることなんです。十年先、十五年先をおっしゃるけれども、十年先、十五年先までいわゆるそういう地方の弱小業者がもっか。もたぬことが問題なんだ。一千億減税だと言っていながら、いろんな物価が上ってくる。トラックも汽車もバスも上る、 これは当然です。そうでなくてもこういう非常に若しい営業をしなければならぬのですが、これも十年先、十五年先までもつはずがない。それまでもっか、もたぬかが問題なんだ。これをお伺いしても同じ答弁になると思いますからやめます。やめますが、そこで十年、十五年先はともかくとして、あしたからの問題のこのガソリン税の値上げということ、これに対しまして、業者そのものが今負担をするだけの能力がある、あるいはない、どの程度あるのか、いわゆるこの負担能力についてどういう工合にお考えになっておるか、お伺いしてみたいと思います。(「大臣に聞けよ」「大臣答弁しろ」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/22
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023・原純夫
○政府委員(原純夫君) 揮発油税は、御案内の通り間接税でございますから、最終的には消費者に転嫁されるということを前提とする建前の税でございます。従いまして、これによりまして業者を通し最終的には運賃への影響という形が出て参るわけであります。もちろん、運賃が上るというととは、国民経済的に望ましいことではございませんので、私どもそれはできるだけ避けたいと思いますけれども、やはりある程度これが上るということはやむを得ないかというふうに考えます。ただしその場合におきましても、私どもの計算では、政府原案の地方道路税とも六千五百円の引き上げをしまして、全部をこの運賃に転嫁いたしましたとしても、運賃の上る率は三%前後ではなかろうかというふうに考えます。おそらくそれは一律にそうということにはならないので、個々の場合においてしかるべき率にきめられるということに相なろうかと思います。従いまして、転嫁されます限りにおいては、業者の採算は通り抜けということになりまして、影響がないと、それでは、転嫁されない場合の問題であります。かりに転嫁されないで、全部を業者が吸収するということにいたしますると、私どもの計算では、大体業者の収入に対しまする利益割合が、最近の法人企業統計によりますと七・二%程度になっておりまするが、これがその七・二%というのが二ぐらい落ちるという見当になろうかと思います。これは決して、先ほど申しましたような意味で、全部をそれで負担しろという建前ではないので、その一部が負担になるというふうに思いまするが、全部がなったとしてその程度であろうというふうに思います。全企業の利益率は四%前後でございますので、まあそれらと比べ合して、まあ建前からして、これを業者に負担していただくというのは、税の本来の理論としてはそうでない建前でありますが、かりに負担いただいたとしても何とかやっていけやせんか。一方でさらに道路整備によって運輸の対象と申しますか、これがどんどんふえ、運輸の幅が広がるというようなこともございますので、その辺考えて何とかがまん願えるのじゃないかというふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/23
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024・大倉精一
○大倉精一君 あなたは非常に楽観的な、算術計算的なことを考えておられるのですが、私はそうは考えない。まず全般平均して何パーセントの利益があるから、わずか〇・二%ぐらい云々とおっしゃるのですが、現在の道路運送関係の業者の状態を見ますということ、特に通運関係を見ますというと、上は日本通運というこういうものから、下はこういう小さいものまである。これは全部平均して何パーセントだから、〇・何パーセントぐらいは大したことはなかろうとおっしゃいますが、こういう0・何パーセントどころか、ちょっとゆすぶってもぐらぐらする業者がたくさんいるわけです。これは運輸行政にからむ欠陥もあるのですが、運輸行政としても欠陥があるのですが、そういうような業者がたくさん乱立をしております。そういう状態の中において、あなたが大蔵官僚として、全部の平均何パーセントだからどうだ、平均どうだからという、そういうことは私は当てはまらないと思うのです。これは個々の業者に対しましてこういうようなガソリン税の負担をさせる、しかも十五年先の受益を目標にして負担をさせる、こういうことになると、相当大きな犠牲が出ると思う。それがためにトラック業者もハイヤー、タクシーも血眼になって、はち巻してやってくるわけです。そこでかりにあなたの言を借りるならば、ガソリン税が上れば運賃を上げればいいじゃないかというようなお匿えもあるようでありますが、これまた、きわめて私は現実を見ない形式論だと思う。さっきも申しましたように、今のそういう交通運輸業の実態からしまして、現在御承知のように、運賃というものは、あるいは扱い料金というものは認可制になっている。認可制になって、定額制があるのでありますが、業者の競争が非常に激しいダンピング競争をやっている。しかも労働賃金はそれがために極度に切り下げられて、経常の中でもう吐き出す何ものもない、ぎりぎり一ぱいの経常をやっている。競争のために定額運賃、認可料金はほとんど取っていない。これを上げてみたところが取れっこないわけであります。そういうような実態から、一体あなたのそのお考えが当てはまるかどうか、これは運輸大臣、大蔵大臣からお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/24
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025・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) ガソリン税の引き上げによります負担は、先ほど主税局長が言っておりますように、原則として消費者負担でございます。しかし自由経済のもとにおきまして、どちらにどれだけの負担がかかるかということは、これは経済の原則によるよりほかいたし方ございません。この自動車につきましても、大体営業用と自家用とは、大倉さん御存じの通りに、種類によって違いますが、八割は自家用、二割は営業用ということでございます。八割の方の分は自家用でございますから問題はない。営業用の場合についてそれだけ上げられるかどうかということは、やはり経済の状況を見まして、そうして運輸大臣が適当にお考えになることと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/25
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026・宮澤胤勇
○国務大臣(宮澤胤勇君) 今、バスについては値上げをしてくれというようなのが少しありますが、トラック、ハイヤー、タクシーには今のところ事実上運賃が上りそうな何もありませんし、御承知の通り、トラックはまだ協定運賃までいっておりませんので、バスだけの問題が少し残っておりますが、これは従来通り個々の場合を見てやっていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/26
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027・大倉精一
○大倉精一君 これは大事な問題ですから、大臣も一つ目を開いて聞いていただきたいと思います。
私の聞いておるのは、大蔵当局は、税金が上れば、それだけ運賃、扱い料金を上げればいいじゃないかというお考えもあるようなんですが、私はその可能性が今ないと思っておるのであります。そこで私は、やはり業者の経費を食いつぶしていくという結果になると思う。今、大蔵大臣が、自家用車が八割とおっしゃった。これは確かにそのくらいある。これも数字の上ではある。ところが、中小企業が持っておるところのトラックはどうだ。これは中小企業は今、政府の中小企業対策の非常な矛盾からいって、一千億減税あるいは神武景気といわれながら、最近においては不渡り手形その他によって倒産まで出ている。こういう中小企業の持っておるところのトラックというものは、これは表面は確かに自家用車である、八割の中に入っておる。入ってはおるが、これが法律をくぐって、そうして営業行為をやらなければ、その中小企業がやっていけないという状況にある。でありますから、この人々もまたガソリン値上げによって相当大きな影響を受けることは当りまえのことなんだ。大きな大資本の会社あるいは金持の乗用車は、これは別なんです。これはもっとうんと取ってもいいのだ。けれども、そういう小さなところがたくさんあるわけなんです。そういう人々が、営業行為のようなことやらないと、企業そのものは食っていけないということになる。でありますから、八割あるからどうだということは、そのままの数字は当てはまらないと思う。それで運輸大臣にもう一ぺんお伺いしたいのですが、このガソリン税の値上げによって、業者が運賃を上げるとか、あるいはその荷主に負担を転嫁するということは可能であるかどうかという点についてお伺いしたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/27
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028・宮澤胤勇
○国務大臣(宮澤胤勇君) このガソリン税の値上げの問題が出ましてから、業者からいろいろな陳情がありまして、その実情を聞いてみますと、ただいまのところで、これを転嫁することは非常に困難である、やはり業者の負担において当分これをやっていってもらわなければいけないんじゃないか、こう考えております。そこで、値上げがきまりますれば、何とか他の方法において業者の一つ負担を軽くするようなことを、そう具体的なこともありませんが、不当な競争を避けさせるとか、公正な競争をさせるとか、いろいろなことでこれは一つ考えていかなければならないんじゃないかと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/28
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029・大倉精一
○大倉精一君 それはという考えだけであって、別に中身は何もないと思う。結局このことは、それを裏返してみるというと、運賃値上げあるいは料金値上げはできない。できないから、何らかの方法によってその負担を軽くする。どこで軽くするか、これはもう簡単なことだ。労働者の賃金を安くするだけのことだ、それ以外にありません。運送量というものは、近代企業とか何とかいっておりますけれども、労働者が働いて、荷主さんからもらい、労働者に賃金を払う、その差額でもうけておる簡単なこれは商売です。でありますから、このガソリン税の負担というものを何らかの方法によって軽減をしたいということならば、これは安い労働者を使う以外にありません。でありますから、必然的にそこへしわが寄ってくる。ところが、さっきも申しましたように、小さな運送業の労働者の条件というものは、非常に低い賃金でやっておる。われわれが考えても、ほとんどもう常識から考えられないような長時間、低賃金でやっております。やっておるから、何をやるかといえば、皆さん方よく御承知のように、エントツをやったり、いろいろのことをやります。あれは運転手が悪いのではない、やらなければ食えない。でありますから、そういうことを避けろといっても、避けられない。でありますから、さらにまたこの労働者の賃金を下げる。こういうことによって運転ダンピングをやる、これ以外に方法がなくなってくる。あなたが公正な競争をやらせるといっても、これはおそらく反対の方向に向かざるを得ない状況になってくると私は思う。しかもこの道路交通関係には、ガソリン税ばかりでなく、ほかにたくさんの公課、課税がかかっております。いわゆる軽油引き取り税もありますし、また道路損傷の負担金というような自動車税、あるいは道路法によるところの受益者負担金、道路改修協力費あるいは自動車税、こういうようなものがたくさんかかっておる。こういうものがたくさんかかって、しかも運賃はどうかといえば、これは大蔵大臣は自由営業だとおっしゃるけれども、ちゃんと認可料金というものがあって、お上の方に届けて、お上がよろしいと言わなければ営業ができないというワクのかかったものになっておる。でありますから、こういう税金だけはどんどんどんどん取っていく。運送屋というものはますます苦しくなって、不当競争をやる、公正だとはいいながら、ますます不当な競争に向い、輸送の秩序を混乱するというような結果を招来すると思う。これに対して運輸大臣もう一ぺん御見解を承わりたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/29
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030・宮澤胤勇
○国務大臣(宮澤胤勇君) これが直ちに使用者の賃金にしわ寄せをしていくということも、すぐにそう断定することはどうかと思いますけれども、今お話のような弊害が生じてくるということも、やはり一応考えなければならぬかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/30
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031・大倉精一
○大倉精一君 断定はできないが、まあ公算があるということだと思うのですが、ただこれに関連しまして、先ほど大臣は、不当なる競争をやらないように、公正なる競争をやるように指導するという工合におっしゃったのですが、これは大事なことだと思いますので、その具体的な方法等についてこの際、御披瀝を願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/31
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032・山内公猷
○政府委員(山内公猷君) 道路運送事業につきまして公正な競争をしますことは、道路運送法第一条の非常に大きな目的でございまして、それにはまず公正な運賃を各業界が守らなければならないということでございます。ただいま御指摘のように、ダンピングという現象がありますことは、非常に遺憾なことでございまして、この点につきましては、現在各業界ともお互いにダンピングをしてお互いの運賃を下げないように、一致協力いたしまして、そういう運動もし、またそういうふうに努めております。われわれといたしましても、そういう法律を守る方向につきましては、非常にわれわれ自身進んでやらなければならない問題でございまして、この点に対しましては、大きな協力を惜んでおるわけではございません。そのほか、公正競争といいますことは、運営自体におきましても考えなければならないことでございまして、運輸行政全般の問題でございますので、各般の問題につきまして、そういう点につきましては、鋭意私どもといたしましても、公正な競争が行われるように、運輸行政全般を通じまして、各業界とも十分な連絡をとって日常の仕事をやっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/32
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033・大倉精一
○大倉精一君 もう一点だけ関連したことだけお伺いしておきたいと思うのですが、公正なる競争をやらせる、ダンピング競争をさせないということは、もう前から言っておられるのですが、それが一向に改善されない。実はますますそれが激しくなってくるというような実情にあると私は思う。これにはやはり業者の協力とか何とかもけっこうでしょうが、抜本的な問題に対してこの際メスを入れないというと、これは非常な混乱が起ってくるのではないか。そうして中小企業の運送屋の労働者も困り、経営者も困る。ひいては公益にも非常な悪影響があると思うのですが、その一つといたしまして、この運輸関係の商売をするには免許というものが要るのです。この免許ということをおやりになるのが運輸大臣です。ところが、でたらめと言ってはまことに語弊がありますけれども、免許をやる際に、いわゆる運輸審議会なるものがあって、これがいわゆる公正なる判断をして、慎重審議をして、公聴会を開いて云々というとになっておる。なっておるけれども、この運輸審議会の後からはいろいろなひもがついておる。青いひもや太いひもや、そういうものがついておる。そういうものによっていわゆる免許なんというものがほんとうに公正なる審議をされていないというのが実情ではないかと私は思う。運輸大臣がちょっと助言をするというとぱっと免許をしてしまうというようなこともあるらしい。それはどうかわかりませんが、そういうことがあるらしい。そういうようなことをやっておる限りにおいては、私は健全なる業者も生まれてこない。そこから健全なる競争ということも出てこない。でありますから、この際、運輸審議会というものの、これはぜひとも置いておのでありまして、こういうものを一つかなければなりませんが、その公正なる運営の仕方というものを私は検討する必要があるのではないか、まあかように私は考えるわけですが、この点は大臣いかがでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/33
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034・宮澤胤勇
○国務大臣(宮澤胤勇君) お答えいたします。今の御質問の通りだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/34
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035・大倉精一
○大倉精一君 まだほかの委員がありますし、時間がありませんので、私はさらに質疑したいことがありまするが、これはあとに譲ります。保留いたします発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/35
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036・加瀬完
○加瀬完君 大蔵大臣に伺いますが、道路とか橋梁等の経費負担というものが、今問題になっておりますようなガソリン税なり地方道路税なりで、目的税に非常に頼ろうとする傾向が強いのでありますが、この目的税に頼ろうとする一つの傾向を、税体系の原則から見て、大蔵大臣は非常に妥当なる方法である、こうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/36
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037・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 財政的な面、租税的な面からする場合と、必要性の面からする場合と、いろいろ議論のあるところでございますが、私は、ただいまの状況といたしましては、現行の目的税制度が適当ではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/37
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038・加瀬完
○加瀬完君 先ほどの大倉委員の質問に対しましてもお答えが政府の方からありましたが、応益の原則と申しますか、受益者負担といいますか、こういう性格というものを非常に強調しておるようでありますが、少くとも道路とか橋染とかいうものに対する利益というもは、国についても、地方団体についても、国民生活の全般に関係があるのでありまして、こういうものを一つの応益の原則というようなもので、一部の一者の負担、今度の場合は一部の者の負担ではなくて、結局は大衆の、住民の負担という形になりますが、そういう方法をとって、一般財源から当然まかなわなければならない、その一般財源の負担というものを、形によっては逃げているということが成り立つのです。そういうことが正しいというふうにわれわれは考えられない。この点について、もら一度大蔵大臣にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/38
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039・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) お話のような議論がずっと以前にあったのでございます。大蔵省といたしましても、そういうふうな考え方で前はおったようでございまするが、昭和二十八年から目的税的な性質のものにした方がいい、こういうことに相なりまして、ただいまお答えしたようことになっておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/39
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040・加瀬完
○加瀬完君 地方行政という立場から見れば、道路なり橋梁なりというものは、最低限地方の行政水準として地方団体に維持してもらわなければならない性格のものだと私は考えます。こういう最低限の基本的な行政というものを一般財源でまかなわないで、特殊の目的税でなければまかなえないということであっては、私は、地方財政の基本線というものは成り立たないと思う。この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/40
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041・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 地方財政におきましては、お話のように道路橋梁等、いわゆる五カ年計画、あるいは今後作らんとする十ヵ年計画以外のものがありますので、これは地方財政の方は一般の経費から相当出しておられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/41
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042・加瀬完
○加瀬完君 今の大蔵大臣の言うようなことであるならば、道路橋梁等に使用される一般財源というものが大幅にふくらんできて、目的税というものの増率というものは手かげんされる、そういうことであるならば御説のようになると思う。しかし一般財源の、たとえば交付税等によって道路橋梁等の単位費用というものはさっぱりふくらまさない、ふくらましても非常に幅が狭い。そこで目的税の幅だけを非常にふくらませる。そうすると一般財源でまかなうべき性格のものを全部目的税に転嫁する、こういう形をとっていると、現在までは、私は見られても仕方がない。またそう見るべきだと思う。逆に質問するならば、一般財源でどうふくらましましたか、一般財源のふくらます率の方が目的税でふくらます率より、この場合はガソリン税でふくらます率よりもはるかに大きい、こういう御説明が成り立ちます。はっきり承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/42
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043・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 今回のガソリン税の引き上げは、道路計画によりまして、主として自動車の走るところをやっておるのであります。お話の地方道路あるいは橋梁の点につきましては、地方団体の再建整備法によりまして、よほど事業は減ってきておりまするが、御承知の通り、昭和三十二年度におきましては相当の自然増収その他がございますので、交付税もふえて参ります。また自然増収もありまして、地方の単独事業の公共事業は相当ふえておると私は考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/43
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044・加瀬完
○加瀬完君 私が伺っておりますのは、目的税をなるべく押えて、交付税の方を大幅に、この目的税が提案されたような目的を達するためにどれだけ使われておるかどうか、こういう点を伺っておるのであります。もう一度申し上げますならば、私は、税体系の原則としては、目的税というものはなるべく押えて、一般財源という形で、普通税という形で取り立てるということでなければおかしいと思う。地方財政の立場から見るならば、交付税という一つの独立の財源があるわけでありますから、この財源を強化してくれるというならば話はわかりますが、増収というのは、これは当然のふくらみでありまして、何も税率を非常に上げたということにはならない。確かに一%上っておりますけれども、一%上げて自然増収の分を見込んだところで、結局この目的税というふうな形をとらなければ、道路橋梁のある程度の整備もできないというのが、地方行政の実態であります。そうであるならば、目的税というものをなぜ押えて、もっと交付税の税率を上げるなり、あるいは他の一般財源を強化するなり、そういう方法をとらないのか、そういう方法をとることの方がはるかに税体系からいえば基本的な考え方ではないか、こういう点をもう一度伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/44
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045・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 問題がこんがらかっていると思いますが、地方財政の方におきまして道路の費用、あるいは橋梁の費用につきまして、交付税あるいはその他の補助という問題は、これはその問題として考えなければなりません。しこうして今度のガソリン税の引き上げによりますものは、主として五カ年計画、あるいは今後の十カ年計画の財源を見ておるのでありますから、同じ道路あるいは橋梁と申しましても、そこの範囲が違っておると私は考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/45
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046・加瀬完
○加瀬完君 そちらの方がこんがらかっているように私には感ぜられますが、それはガソリン税にしても地方道路税にしても、そういう形で目的の財源を確保するということは、税体系からいえば変則じゃないか。もっと一般財源という形で、道路橋梁等の補修、改修あるいは新しい一つの計画が推進されるように努めるべきではないか。具体的にいうならば、目的税というものを上げないで、なぜ交付税率というものを上げるととによって、この財源を確保しなかったか、その方が本筋ではないか、こういう点なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/46
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047・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 地方関係の道路は、これもガソリン税でまかなう分もございましょう。原則といたしまして交付税その他でやっていくのでございます。地方独立財源でやっていくのであります。今度のガソリン税の引き上げは、先ほど来申し上げますように、五カ年計画、あるいは将来の十カ年計画のために、早急に道路を整備する必要ありとしてやっておるのであります。だから、ガソリン税に主としてよるべきか、あるいは一般財源によるべきかという、こういう議論になりますると、私は、ガソリン税をこういうふうに目的税にしたときには、これはガソリン税と一般会計と両方でいくという考え方でいったと思うのであります。しこうして、その場合に、ガソリン税と一般会計からの歳出のウェイトをどうするか、割合をどうするかということについては、これは財政事情その他によって違ってくると思います。私の見るところでは、おおむね目的税にしておりまする場合には、目的税収入を主として使っておるのが、今の社会の体制だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/47
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048・加瀬完
○加瀬完君 私は地方行政の委員でありますから、地方行政の内容だけから質問しておるわけでありますが、国の財政から見ても、基本的には考え方は同じだと思う。一般財源でふやすべきものを、目的税だけに転嫁するということになりますれば、これは国が財源的な責任を負うべきものを応益の原則とかあるいはまた受益者の負担とかいう形で、国民なり住民なりというものに転嫁をしていくことになろうと思う。こういうふうに、当然一般財源で、国なり地方団体なりが責任を負わなければならないものを、形を変えて、一般の住民に責任を転嫁していく。こういうことは、税の体系からいって私は本則じゃないということを質問しておるわけであります。もっと言うならば、先ほども申し上げたのですが、地方団体側から申し上げますならば、一般財源の交付税の単位費用なら単位費用というものを改訂して、道路なり橋梁なりというものをまかなうところの幅をふやしていくということをことさら避けて、目的税という形をとることはおかしいじゃないか。そうであるならば、間接的な税金みたいになって、当然国なり、地方なりが負担すべきものを、住民の方に転嫁していくというふうになってきて、こういう形を進めることには非常な無理が生ずる。目的税を私は否定はいたしません。しかし、その目的税というものは、毎年々々率を改訂して、目的税だけでもって財源負担をしていくということであれば、だんだん目的税というものが増徴されてくる。そういう形をとることは、好ましいこととは税の体系からいって考えられないのですが、この点どうか、お伺いしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/48
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049・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 地方財政におきましては、ガソリン税の増税によりましての道路あるいは橋梁にいく部分は、割に少いと思います。従いまして、財政需要の算出の根拠といたしまして、単位費用に道路橋梁を入れておるわけでございます。その範囲におきましては、一般会計との関係をもちまする交付税の基本に相なっております。しかし、今回の道路整備計画によりまして、道路整備の費用をどちらから出すかということにつきましては、ただいまお話し申し上げた通りでございます。最近アメリカなんかにおきましても、ガソリン税を五割引き上げて、三百億ドルの道路拡充計画につきましては、一般の財源にはよらない、ガソリン税の増徴によってやるのだと、議会でも決議しておるような状況でございます。しかし、わが国におきまして、それならガソリン税の増徴ばかりでいくかといったら、そうもいきませんで、昭和三十二年度からは、もちろん十分ではございませんが、一般会計からも出すようにいたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/49
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050・加瀬完
○加瀬完君 今のようなお立場であるとすれば、政府は一方に減税政策というものを掲げて、国民の負担というものを軽減するということを宣伝をしておるわけであります。しかし、今のように目的税を強化していくということになれば、これは形を変えた税金が住民にかぶさってくるということになって、全然減税の恩恵というものが具体的には庶民の生活の上に現われてこないということになるわけであります。ここに私は政策の一つの矛盾があると思う。業者が受益者という形ですべてのガソリン税を負担するかというと、そういう形は大倉委員の指摘した通りとれないと思う。どうしても住民の負掛となってかかってこざるを得ない。そうなってくれば、くどいようでありますが、これは形を変えて税金を強化したことになる。一方では減税といい、一方では形を変えて住民に税金を重課する、こういうことではおかしいじゃないか、この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/50
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051・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 考え方の問題でございます。率直に申しますると、千億円の減税をやめて、あるいは国鉄の運賃の引き上げ、ガソリン税の引き上げを行わない、こういう考え方もございましょう。しかし私らは今のように非常に高過ぎる所得税は、この際減税をしなければいかん。そうしてまた租税措置法におきまして軽減している分も、これも軽減を少くしていく。片方は、独立採算制あるいは目的税を設けました点、ことに今後の輸送の強化という点から見ましては、この際ガソリン税あるいは国鉄の運賃の引き上げをした方が全般的に合理化すると私は考えたからでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/51
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052・加瀬完
○加瀬完君 大蔵大臣のような基本線で財政計画を進めていっても、まだガソリン税のこれだけを上げないでも、十二分に財政計画の変更というものは私は成り立つと思うのです。しかしこの議論は繰り返して申し上げましても水かけ論になりますから、次の質問に移ります。
次の質問は、これは運輸大臣にお答えをいただきたいと思うのでありますが、ガソリン税の受益者負担という形が、これはバスなりその他ガソリン税の対象になっておる機関を利用するものに転嫁されるということはいなめないと思う。そこでバスなどは出血経営といいますか、赤字経営をしながらも公共性のために、ある路線では運転を続けていなければならないというところも当然あると思う。特に地方にとりましては、こういう路線が運転中止になるということは、非常に生活にも支障を来たすことになるわけであります。それからこういう路線にもガソリン税は悪平等にかかる。あるいはまた道路の損傷から見れば、大型のものと小型のものでは損傷率が違ってくる。しかしその損傷率にはかかわりなく、ガソリンの使用だけで道路の費用の負担というものがかかってくる。あるいはまた今言ったような実用性のものと、そうではない実用性の薄いものと、これによってもそういう差別は何ら考慮されずにガソリン税がかかってくる、こういうことであっては、非常に悪平等というものがガソリン税の性格であるということにも私は言われるのじゃないかと思う。こういう点を運輸行政という立場で、あるいは地方住民の交通等を庇護していくという立場で、どのようにお考えになっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/52
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053・宮澤胤勇
○国務大臣(宮澤胤勇君) 現在の自動車輸送の点からいきますと、御承知の通り、申し上げるまでもなくこの道路の悪いということが一番大きな負担になっておるのであります。ガソリンの消費、それから自動車の損傷等が非常な大きな問題になっておりますので、道路がよくなることに対しては、自動車関係の業者に相当の負担をしてもらってもよくしていこうということは、これは業者も、まあ一般的にも考えていいことじゃないかと思うのであります。ただ、ただいまのお話のように、その負担が果して公平にいくかいかないか、そこに無理があるかないかという点が重大な問題になってくるのでありまして、先般来お話のありました通り、もう都会は大体道路はなおっておるじゃないか、その負担において地方の道路を直していくという結果になると思います。また、現在において、まあ最近におきますと、ハイヤー、タクシー等は相当に負担の能力はふえてきておりますけれども、トラックはもう非常な困難を来たしておる。バスはその中間にあります。ですから、これに対して、今日の事態からできるだけその負担を均分にし、無理のないようにしていくということには、先ほど自動車局長からお答え申し上げました通り、公正な競争もさせる、それから運賃の料金その他についても、その地方々々でバスなどは大体標準がきまっておりますが、無理のないところはある程度やはり考えてやらなきゃならぬ。今の段階におきましては、大きな線では、どうしてもこれらの目的税、ガソリン税その他においてもう道路の整備をしていかなければ、将来の交通のみならず日本全体の産業の上に大きな支障を来たすわけですから、この大きな点から一つ考えて、まあ今度のやり方についても、今後これを何とか調整していくというので、こういう道を歩いていくよりほかしようがないのじゃないかと、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/53
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054・加瀬完
○加瀬完君 私は、道路の改修に何も異議を差しはさむものではありません、もちろん。そこで、道路の改修ということはいいことなんです。その道路の改修を、一つは運輸業者といいますか、ガソリンの使用者のみに転嫁しておって、政府はそれでよろしいとお考えになるか。先ほども大蔵大臣に聞きましたが、一般財源から当然支出すべき分をも、住民あるいは業者という形に転嫁させていくということだけで能事足れりとしておられる。こういうことでいいかということ、これが一点。
それから、毎年々々ガソリン税を上げて、こういうやり方をして、もっとガソリン税は来年は取れると思っていられるかどうか。現状は利益者負担とかいろいろなことを言うけれども、そのガソリン使用者にこれだけの税金をかけて、甘んじて出し得るとお考えになっているのか。来年はもっとかけて、もっと出し得るとお考えになっておるか。この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/54
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055・宮澤胤勇
○国務大臣(宮澤胤勇君) ただいまの、道路の整備がガソリン税のみによっていいかという端的な御質問ですと、まあいいとも申し上げられませんが、しかし、今日まで、過去における長い間は、ガソリン税によらないで国費もしくは地方費をもって道路を整備してきた。今日この段階において、まあ国全体の資金の、一般会計を初め特別会計その他において資金の割り振りから見て、今日の場合はガソリン税による負担をもつて道路の整備をやっていってもらう、しかし、これは際限なくいくという意味じゃありませんので、今年は今年、明年は明年の事態に応じて無理のないようにやっていくよりほかないだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/55
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056・加瀬完
○加瀬完君 なかなかお含みのあるお答えをいただきましたので、もう一度念を押して伺いますが、大臣は、基本的には国費や地方費をもって道路の改修等はまかなうべきものである、こういうような御認定はあるのかないのか。
次は、今日ではガソリン税が適当だとおっしゃるけれども、適当でないからあなたの属する自民党みずからも政府の原案よりもだんだん引き下げてきておる。これは適当でない証拠だ。そこでだ、目的税を全然取るなと私は言っているのではない。この道路橋梁等の改修を目的とするところのガソリン税を来年以後どういう構想で政府は扱っていくのか。こういう点を重ねて伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/56
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057・宮澤胤勇
○国務大臣(宮澤胤勇君) お答えいたします。この道路を、国費もしくは地方費だけでやらなければならぬ、ほかの目的税のようなものを加えてはならないというわけでもむろんないわけであります。(「名答弁」と呼ぶ者あり、笑声)それからまた程度の問題で、今日の場合どこに重きを置くか、無理があるかないかということからこの問題は起きてきておると思うのであります。それですから初めは一万円というような案もありましたけれども、だんだん下ってきて五千三百円になったところは無理のないようにしていこうという考えであると思うのでありますから、はっきり理論的に二つに分けてどっちかということじゃなく、そのときの情勢に応じて工合のいいようにやっていくということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/57
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058・加瀬完
○加瀬完君 ガソリン税については、そのときの情勢でたびたびいろいろ性質などを変えられるので困っている。そこでそのときの情勢々々と言わずに、三十三年度以降、現在の政府としてはどういう考えで臨もうとしているのか、ガソリン税については、その点が一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/58
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059・宮澤胤勇
○国務大臣(宮澤胤勇君) 私ども運輸省に関する限り、また引き続いて来年上げようということを今日では思っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/59
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060・加瀬完
○加瀬完君 今の質問に関連して大蔵省の見解を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/60
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061・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) まあガソリン税の増徴の状況から申しましても、この前は昭和二十九年に上げ、その前は二十六年でございました。戦時中の終りごろには一時やめておったのでありますが、今回、こういうような増徴をして来年度また増徴ということは運輸大臣と同じように私はただいまのところは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/61
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062・加瀬完
○加瀬完君 ただいまのところの御答弁はよくわかりました。そこで大蔵大臣に伺いますが、交付税法からいえば、こういうふうにガソリン税のような目的税をもってまかなわなければならないような必要を生ずる場合は、当然、交付税によってまかなわなければならないという原則があるはずです。その交付税の原則というものを忘れてしまって、目的税だけにたよろうとする傾向は来年以後強化しないということですからこの点わかります。そうすると、三十三年度以後、地方におけるところの道路橋梁等の整備についての費用というものは当然交付税の単位費用の改訂というものによってまかなわれてくると、そう期待をしてよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/62
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063・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) どうも話が違うようでございます。これは地方財政におきましての道路橋梁につきましては、前から申し上げておりますように交付税の対象になり、そうしてその計算は単位費用に入れてやっておるのでございます。その原則はもう法律できまっておりまするから、その通りでやる。しこうして今回のガソリン税の増徴は、地方によって地方の道路分につきましてもガソリン税でまかなう場合もございまするが、建前といたしましては、道路計画によってやるのでございまして、その間にはおのずから別個の問題として考えるべきであります。あなたの御専門の地方財政につきましての分につきましては、単位費用に入れまして、財政需要を計算し、そうしてそれによって交付税を出すと、この建前は変りはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/63
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064・田中一
○田中一君 最初に建設大臣並びに大蔵大臣に伺いたいのですが、道路整備五カ年計画というものの策定は、現在まで出ておるものは明年度で終るようになっております。そこで、その年次計画というものはだれが立てておりますか。五カ年計画のうちの年次計画であるならば、三十二年度の計画というものはだれが立っておりますか。その点を最初にお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/64
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065・南條徳男
○国務大臣(南條徳男君) お答えいたします。建設省が樹立いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/65
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066・田中一
○田中一君 建設大臣がそれを担任するのは当然でありますが、そういたしますと、三十二年度の事業計画というものと、それからガソリン税の税収の相当額というものとは、おのおの独自の立場から算定したものでございましょうか。あるいは道路整備五カ年計画というものを見ながら、今回のガソリン税の値上げというものを考えたものなのかどうか、その点を明確にしていただきたい。両方からお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/66
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067・南條徳男
○国務大臣(南條徳男君) お答えいたします。道路整備五カ年の臨時措置法によって、五カ年計画を樹立いたしておるのが、明年でその五カ年目でございます。そこで、三十二年度にこれをさらに大幅に改訂いたしまして、将来十カ年計画を建設省内部において立案いたして、その規模にのっとりまして予算を拡大しなければならぬという情勢になりましたので、今回三十二年度の予算要求をいたしておるようなわけであります。この五カ年計画の臨時措置法に基きます計画は、そのまま続行いたしまして、明年でこれが完成するわけであります。今年は三十二年度で大体七二%、三十三年度には百パーセント完成する予定に相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/67
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068・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) ガソリン税の引き上げにつきましては、先ほど建設大臣が言われたように、五カ年計画と、そして今後十カ年計画をやっていきたい、こういう考え方のもとに予算の要求がございました。大体九百億円ぐらいの要求だったと思うのでございます。そういう点を考慮いたしまして、一般会計からの負担はそうできませんので、まあ、この程度の引き上げによって今後の道路計画を立っていただきたい、こういう気持で言っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/68
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069・田中一
○田中一君 二十九年に道路整備費の財源等に関する臨時措置法が出ました。この際にちょうどそこにおられるところの主税局長の原君は、この議員提案の法律案の審議に出席されて、このような形の立法措置は好ましくない、少くとも目的税的な措置は、大蔵省として反対であるという意思表示をしているのです。先ほど加瀬君並びに大倉君の質問に大蔵大臣が御答弁になっておりますが、目的税というものを二十八年からはっきりときめたのだ、こういう御見解のように伺いましたけれども、いつどういう心境から、またどういう大蔵省の方の政策上の考え方から、そういう工合に割り切ったのか、その点を三つできるならば詳しく御説明願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/69
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070・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) ガソリン税を目的税にしたいという議論は、以前からあったのでございます。大蔵省は財政の単一性その他の財政的面から反対しておったことは、私も知っているのであります。しかるところ、昭和二十七年の、私が通産大臣専任でいるときだったと思います。当時大蔵大臣の向井さん、そうして建設大臣の佐藤榮作、私と、閣議でこの問題を論議いたしました。私はそのときに目的税的な性格を持たす方がいい、こういう考え方で、閣議決定をいたしたのでございます。で、大蔵省の事務当局はどう申すかわかりませんが、私の考えでは、目的税的なものにしたい、――だから「的」と申しますのは、一般会計の方に税収入として入れまするが、その分は道路関係費用として出す、これで目的税と私は言っているのであります。こういう考え方、私は昭和二十七年のときからそういう気持になっているのであります。こうして今世界の情勢を見ましても、やはり道路の修理は、ガソリン税の増徴でやるということは、昨年アメリカの国会でも、一般会計から出すのと、ガソリン税の増徴と両面でやろうとしたのを、コングレスの決議によりまして、ガソリン税の増徴でいこうと、こういうことになっているのであります。私は今から考えまして、まあよかったと、先般も予算の編成のときに、どうだ、大蔵省は前に反対しておったが、これはどうだと言ったら、いやこの案がいいように思いますと、こういうことであります。経過はそういうことであります。(「アメリカと日本は違う」 「アメリカのまねばかりしておったらだめだ」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/70
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071・田中一
○田中一君 衆議院の修正案によって、約七千万程度の減収が見込まれております。これは参議院でどういう修正をされるか存じませんが、現在の段階ではたしか七千万程度とみておりますが、参議院でもしこれが大幅に修正されたということを考える場合に、建設省は現在のこの五百四十八億に上っておりますところの道路計画というもののその財源を、どこでどういう形で求めようとするか、その点を両大臣からお伺いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/71
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072・南條徳男
○国務大臣(南條徳男君) 今度の衆議院におきまする委員会の修正によって、政府原案の六千五百円から千二百円だけ下ったことによる穴はどうか、それによって事業量は減らんかという御質問かと思いますが、これは最初政府が見積っておりました三百九十万キロの減耗率あるいは三カ月間の税金の猶予というふうなことを全部みまして、減耗率の三%とみたものを一%半ぐらいに考えまして、そういうことによる修正をすることによって、大体穴があかないという見通しによりまして、建設省はそれならばわれわれの建て増した事業量に支障はないという考えによりまして、立っているようなわけであります。(「そこが問題だ」「わからない」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/72
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073・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 衆議院の修正によりました理由は、あるいは歳入につきましては、修正をされた衆議院の方の説明された通りであります。なお建設大臣のお話の通りでございます。
第二点の参議院で修正した場合にはどうなるか、こういうお話でございますが、私はただいまのところそういうことは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/73
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074・田中一
○田中一君 大蔵大臣はこういう考えは一つお持ちじゃないでしょうか。今加瀬君からも御質問があって、今の段階では将来の値上げは考えておらぬ、こういうことを答弁なさっておりますが、建設省がおそらく本年度中に策定されるでありましょう、三十三年度分も含めた十カ年道路整備計画というものが持たれると思うのです。その際に現在のこの税金というか、税収の見込み額と決算額というものを表で調べてみますと、大体年間百億ずつ上昇しておる。たとえば二十九年度は百五十八億、それが三十年度には二百五十九億、三十一年度が三百四十三億、三十二年度は五百三億というものを見込んでおるわけでございますが、今おそらく建設大臣が考えておられますところの十カ年の道路整備計画というものは相当膨大なものだと思います。ことに最近通りましたところの縦貫自動車道の問題もございます。また高速自動車の問題もございます。これはまったくあなた方の考えておられると同様にわれわれも高速道路計画の一番大きな先に仕事をすべき問題だと考えております。従っておそらく明年度からは建設大臣がいかような大きな規模の道路計画をお出しになっても、大蔵大臣はおそらく反対しないだろうと思います。従って今のような上昇率をもっておる税収というものから見合って、もう一ぺんここではっきりと、現在の段階でもいいですが、重要な道路整備計画というものに対して相当大幅な予算は投入するが、ガソリン税の税の増徴というものは考えておらぬという答弁を一つここでしていただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/74
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075・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 将来の問題につきまして一この私が上げないとかあるいは上げるとかいうふうなことを申し上げる程度は、先ほど来御答弁した程度でお許し願いたいと思います。もちろんふれわれはそうガソリン税の税率なんかというものを思いつきとかあるいはこれだけの収入が要るからだということでどうこう動かす気持はございません。お話の縦貫道路というふうなものを、ガソリン税の引き上げ、あるいは一般会計からの財源でやろうといっても、これは限度があるわけでございます。私がさきに有料道路の点を考えたのも、やはりそういうガソリン税の引き上げと一般会計のあれでは間に合わないと、こういうことから、私が政調会長のときでございましたが、有料道路ということに思いついたわけです。だから今後名古屋と神戸間の分は、道路公団によって一般会計からもガソリンからもある程度の補助もございますが、公債その他でやっていくのでございます。だから一がいに、今後道路が非常に整備されるから、さあガソリン税、さあ一般会計、ここばかりでしらわれることは無理じゃないか。そしてそういう返事をいたしますと、先般も二十九年のあれで主税局長がど言ったとか、こう言ったとか非常にとっちめられておるのでございます。今の段階といたしましては、私は今回の増税でガソリン税も相当きつくなってきてております。そしてまた一般会計からそう直ちに何百億出せるような財政状況でもございません。だから先ほど の答弁で御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/75
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076・田中一
○田中一君 最後に伺いたいのは、業者にしわ寄せされる徴税方法というものではなくて、もう少しあなたがやはり芸者の花代を値引きしたときのような、税を引いたと同じような考え方で、やはり生活環境がよくて負担能力があるものから取るという方法をとるのが一番望ましいと思うのです。従って非常か一困難があろうかと思いますけれども、ガソリン消費の用途別税というものをお考えになったらどうかと思うのです。たとえばトラックとかあるいはバスとかというものは、全く料金というのはむろん運輸大臣が何とかしなければならないでしょうから、急速な値上げはないと思います。しかしバスなんぞは今度はおそらく値上げをするのじゃないかと思うのです、運輸大臣は。そうならないように、あなたのように車を一台か二台か存じませんが、役所の車をお持ちになっており、個人の車をお持ちになっておるという方は、自家用車に高額課税をするという方法、そうして少くとも大衆に直接触れるものに対しては低額税を取る、もし取るとするならば。そうして御自分だけが生活をエンジョイするという形の道具であるならば、そとから大幅に高額税を取る、消費税を取るという形に変えたらいかがでございましょうか。これは芸者さんの花代を引いたものと逆になりますから善政になると思いますが、そういうような一つの考え方を大蔵大臣としてお持ちならば、非常にりっぱな大臣ではないかと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/76
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077・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) お説の点はだれしも考えてなかなか実行困難として踏み切れないのでございます。漁業用に対する重油につきましては特別の措置をとっておりまするが、これでなおかつ横流しとかいろいろな非難があるのでございます。ことにガソリンなんかのようなものを、どちらへでも税率を変えるということは、実際面として、理論的にはいいようでございますが、実際面として非常な不公平、摩擦を起すことは万人の認めるところでございます。いい案でございますが、私としては実行できぬことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/77
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078・田中一
○田中一君 これはガソリン税そのものは同じ率でも、乗用車の税金を高くすればいいのです。大体の消費量というものはきまっておるのです。従って自動車税そのものを高くすればいいのです。こういう点でもって方法があろうかと思うのです。そういう点を一つあなたのお知恵を拝借して教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/78
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079・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) これはただいまでもやっております。大型の自動車、小型の自動車は自動車税が違います。それからバスその他につきましても、重油をたくような分はもっと高くしたらどうか、あるいは道路をこわすのはあの大きなバスだというような議論を聞いておるので、前から差等を設けてやっておるのでございますが、お話のようなところまでなかなか行っていない。しかしあなたのお考えによっては大体今の税法はできておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/79
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080・早川愼一
○早川愼一君 簡単に御説明を伺いたいと思います。ただいままでの質疑応答を聞いておりますと、道路計画というものが非常に長年かかって計画を立ててこれを遂行しなければ、道路ができ、またそれが実際公平無私に全部が利用できるという状態にならない。従いまして、十年あるいは十五年先のことを考えますというと、なるほどもっとガソリン税を増しまして、あるいは道路の建設が非常に早くなるということについても、必ずしもこれは不賛成するものはないと思いますが、そこに問題があることは、要するに、現在の業者あるいは消費者としては非常な負担をこうむるのではないか。また過去の五カ年計画におきましても、実際は果して今年三年目にその通りに道路がよくなったのであろうかという疑問を持っておるのであります。それほど道路というものは非常な長期的な計画であり、また非常に一部分が直ったからといって道路が完全なものになるのではないのでありまするから、これらの点を勘案いたしまして、今後ガソリンはなるべく上げないようにするという、ただいま大蔵大臣の御説明がありましたけれども、なおかつ業者その他消費者にとりましては、不安が残っておるのです。それでまだ建設省の十年計画が発表されませんからわからないけれども、すでにことしの計画としても、九百億近く要求されてわずかに五百億得られた、しかもその中には純粋に道路が建設されるものが一体どれくらいかというようなことの疑念を非常に抱いておるのです。従ってこういう計画をただ単に今年度限りに計翻して、あるいは来年度の計画として一年一年の計画をすることに矛盾があるのであります。従って委員からいろいろ質問しますと、あるいはこれは受益者負担であるとかというようなお話がありますけれども、それはとうてい現実の消費者の満足する点ではないのでありますが、何かここに一つの政府として大きな計画、すなわち財政計画をお立てになる必要があるのではないか。過去の五年間の五年計画を振り返ってみますというと、なるほどガソリン税は上って、ガソリン税は予定以上になっておる、しかしながら一般国費の投入が必ずしもそのとき政府の声明されたほどにはいっていない、こういう点が非常に国民の不安、疑心を買っておる点だと思う。この点について大蔵大臣は何か財政計画上に別の工夫をお持ち合せがないかどうか、その点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/80
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081・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 御承知の通り財政計画というものにつきましては、昔から五カ年計画とか十カ年計画、ことに軍事費の非常に多かったときにはやかましい問題があったのであります。しかるところ敗戦後の状況から申しましても、財政計画を立てるということはなかなか困難であります。経済計画で五年を立てましても、一、二年と狂ってしまって、すぐやり変えなければならぬというのが実情であります。従いまして道路計画というものを、一応道路だけの計画はできました場合において、ガソリン税をどの程度徴収して、どの程度一般会計からと、こういうことは二十九年におきめになったようでありますが、そのうちでも先ほどお話がありましたように、地方負担につきましてはなかなかそれとのマッチはむずかしいのであります。従ってさらに十年の道路計画をお立てになりました場合においては、われわれ公団でやるところと、そうして公団以外のところ、それからまた地方負担のもの等を勘案いたし、しこうしてまたガソリン税もお話の通りに非常に毎年々々増収がございます。そういう点を考慮し、そうして一般会計の方からやはりできるだけの負担はするというようなことで、今度の十カ年計画ができますまでには、ある程度の見通しをつけたいと考えておりますが、ガソリン税の収入というものが非常に動きますし、それから一般会計の方からは、そうガソリン税の収入増のように一般会計の収入増ということはあり得ません、そういうことでありますから、そういう点は十年計画ができましたときに、弾力的にはこの程度のものを入れまして計画を作りたいと思います。御承知の通り三十一年度は千億円以上の自然増収が出る、そのままでいくと三十二年度は二千億以上出るという、日本の経済は伸びていっているときであります。なかなか一応の計画はできましてもしかとここでお約束のできるようなものはなかなかむずかしいのではないかと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/81
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082・早川愼一
○早川愼一君 道路整備財源の問題でございますが、世上には道路公団のお話もありましたが、むしろ建設公債として公債論が相当あると思うのですが、この点に関する御見解をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/82
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083・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 私は今一般会計から、一般会計の歳入として公債を出すということは私は賛成できないのであります。ただ特別会計として道路公団が市中の金を吸収いたしまして、そうして事業を拡張していくと、こういうことは私は賛成でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/83
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084・早川愼一
○早川愼一君 建設大臣にお伺いいたしますが、それでは道路につきましてはただいま道路法の規定によりますというと、無料公開ということが原則になっているようでありますが、将来はこの原則はお変えになるおつもりがあるのですか、どうですか発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/84
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085・南條徳男
○国務大臣(南條徳男君) 一般国道につきましては原則通りであります。ただし道路公団が実施しておりまする有料道路につきましては、ある年数がたちますれば無料公開するという法律のきめの通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/85
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086・早川愼一
○早川愼一君 ただいまの御答弁によりますと、将来は有料道路でも、ある一定期間、すなわちおそらく建設費を償還した後には、一般道路として開放される、こういう御趣旨のように聞いておるのでありますが、ただいまの公団の建設費の勘定、すなわちその通行費の基礎となっておりますところからみて、何年後に公開されるというような予定でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/86
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087・南條徳男
○国務大臣(南條徳男君) 大体今のところでは、計算上、将来二十年後には一般国道としてこれを開放する予定であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/87
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088・早川愼一
○早川愼一君 次に、政府の提案になりました消費見込量の点でありますが、これがいろいろ変化しましたが、最終的には運輸省あるいは通産省と数字を合されまして三百九十万キロリットルですか、そういうふうにきまったとおっしゃったのでありますが、ところがなお後に運輸省の方からの説明によりますと、これは八月の基礎実績に基いたものであって、実は最近もっとふえているのだ、こういうお話でありますが、それは車両数の増加であるとか積載トン数でありますとか、あるいはその他いろいろ消費量が上っておる、こういう見込みのようでありますが、三十二年度の鉄道輸送計画を伺うというと、これは私あるいは間違っておるかもわかりませんが、間違っておりましたら御訂正を願いたいと思いますが、一億八千万トンの貨物輸送を御計画しておりまして、経済企画庁の方では一億八千七百万トン、すなわち七百万トンは鉄道では輸送ができない。現に今年度におきましても、今年度というか、三十一年度におきましても月六十万トンをあるいは自動車輸送、あるいは海運輸送に転嫁されつつあるということを聞いておりますが、さらに来年度はこの計算でいきますと、約月にいたしまして五十万トン以上というものは、自動車輸送なり海運に転嫁しなければならぬというような、たとえ鉄道の五カ年計画が進行いたしましても、来年度はさしあたり五十万トン以上の数量を自動車なり海運に転嫁しなければならぬという実情があるようでありますが、この点いかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/88
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089・山内公猷
○政府委員(山内公猷君) ただいまのお話の通りでございまして、三十二年度の鉄道輸送におきまして、七、八百万トンの輸送能力以上の滞貨が生ずる見込みをもっております。その措置といたしましては、ただいまお話のように海運と自動車にそれを転嫁をするということで、われわれはこの輸送の隘路を打開するように考えておりますが、過去の実績を申し上げますと、昨年度の十一月、十二月くらいは私どもの方では緊急輸送連絡会というものをもちまして、各省とこの輸送の隘路打開のための具体的な施策について毎月連絡会を持ち、輸送の隘路の打開をしております。そういう点でわれわれの方も下部の陸運局にやはり同じような組織を持ちまして、鉄道の滞貨をさばくための連絡会を持ち、鉄道から自動車へと輸送の円滑化をはかっておりますが、過去の数字を見ますと、大体四十万トンあるいは四十三万トン、四十七万トンというふうに数字が出ておりまして、これが毎月続いておりますので、ある程度やはり四百万程度のものは自動車に国鉄から荷物を移さなければならないのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/89
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090・早川愼一
○早川愼一君 そういたしますと、運輸省のお見込みでは現在の車両数の増加していく、あるいはまたガソリン事情が別に外貨事情で制限されないとするならば、これだけのものは自動車に転嫁されるということになりますというと、三百九十万キロリッターという基礎数字になりましたものは、大いに動くことを御承認になるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/90
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091・山内公猷
○政府委員(山内公猷君) その点につきましては、先ほど御答弁申し上げた通りでございまして、昨年九月来の輸送情勢というものの動きが非常に大きいので、長期のそういう見通しを立てますと、三百九十万キロリッターになりますが、運輸省の認定におきましても、いつも内輪でありますために、いつも可能性の問題を検討いたしますと、四百二十一万トンにもなり得る可能性があるということでございますが、これは輸送力の伸びは御承知の通り、いろいろの生産に追随して考えるべきものでございまして、それらの生産計画あるいは経済の伸びという見通しいかんにかかるものでございまして、われわれの方といたしましては予想的にはやはりある程度伸びる可能性もあるということを考えつつ輸送行政をやっておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/91
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092・早川愼一
○早川愼一君 それでは最後に大蔵主税局長にお伺いしますが、この三百九十万キロリッターというものは、来年度の予想消費量とお見込みを立てられたことと思いますが、以上の運輸当局の話をかりに事実としますれば、もっとふえるお見込みでありますかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/92
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093・原純夫
○政府委員(原純夫君) 三百九十万キロリットルという数字は、ガソリンの需給につきまして責任を持ちます通産省が、政府部内また各界のいろいろな御要望なり御意見なりをまとめられて、過去三年間の実績の伸びをある数学的な方式で処理いたしまして、三十二年度の見込みを立て、いろいろ議論の末、これに落ちつかれた数字でございます。で、私どもといたしましては、この数字が鉱工業生産あるいは物価、国民所得、それら一連の三十二年度の経済の見通し、予算その他がよっております見通し数字の一環となっておるものでありますから、これによるのが正しいと思っております。なお、先般も衆議院における連合委員会におきまして、通産大臣からこの点についてお答えがあったところによりましても、この見込みは十分過去の実績を参酌し、かつ三十二年度における需要についてもこれで現在としては十分間に合うと、若干余裕を見るくらいな気持で見ておるので、現在としてはこれを変える意思がないということをはっきり申しておられます。どうも今回この増税をいたすということは、非常に心苦しい面もありますので、すべてそういう数字については、ぎりぎりのところまで見たというつもりでおりますので、この際、この数字を動かすという考えは持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/93
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094・大沢雄一
○大沢雄一君 私はきわめて簡単に、地方財政の立場から一、二のことをお伺いいたしたいと思います。昨日から新年度に入っておるわけであります。揮発油につきまして、この税率の引き上げが慎重なる御審議が進められておりまするために、事実上この揮発油税の決定を見なければきめられない関係にありまする軽油引取税が、これまた決定を見ることができないでおりますわけであります。そのために地方財政におきましては、地方道路譲与税の関係におきまして、また軽油引取税の関係におきまして増徴が見込れておりまする分が、昨日から歳入の欠陥として日々ふくれて参っておる関係にあるわけでございます。いわば両方の場合に歳入欠陥の空洞が生じまして、日一日一日この空洞が拡大していくという関係にあるわけでありますが、揮発油税の原案よりの修正滅によりまする欠陥は、幸いにあるいは欠減その他の関係の見積りが出て補てんされるようでございますので、それはさておきまして、増徴によりまする分が日々歳入欠陥になっておるのでありますが、これはどのくらいの金額に相なるのであるか、またすでに増徴、政府原案によってされるものとして、地方財政計画はすでに細まれておるわけでありますが、よって生じまする欠陥に対しまして、どう政府は対処せられる計画でありまするか、それについてのお考えを承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/94
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095・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 国税の方につきまして申し上げまするが、大体揮発油税が収入に、増収になります分は、約二百億近いのでございます。それを三百六十五日でありますと、大体六、七千万円かと考えます。この不足の点につきましては、今後十分検討していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/95
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096・加藤精三
○政府委員(加藤精三君) 御質問聞き漏したかもしれませんけれども、軽油引取税の修正による減収でございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/96
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097・大沢雄一
○大沢雄一君 地方道路譲与税と両方。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/97
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098・加藤精三
○政府委員(加藤精三君) 地方道路譲与税の方は、揮発油税と同じように、課税標準が大きくなりますので、減収の見込みを立てておりません。それから軽油引取税の減収は三億四千万円程度でございますけれども、今度地方債の利子の引き下げということも実現できるようでございますし、また第二次補正の問題もございまするし、その程度の減収は補てんできる見込みでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/98
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099・大沢雄一
○大沢雄一君 ただいまの政務次官の軽油引取税の減収に対するお答えは、私の質問をお聞きになっておらなかった関係からかもしれませんが、ちぐはぐになっておると思います。私のお尋ね申し上げておりまする趣旨は、要するに軽油引取税が揮発油に少くとも比例して、その決定を待って決定しなければならない事実上の関係にありまするために、増徴がきめられないでおるわけでございます。日々この点が歳入欠陥として増加していっておるわけであります。それに対して、すでに地方財政計画が決定しておりまする今日、どういうふうに対処なさるお考えであるかということを伺っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/99
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100・加藤精三
○政府委員(加藤精三君) どうも失礼いたしました。改正法の実施時期が延びることによって生ずる歳入欠陥は、一日四、五百万円程度でございまして、地方財政計画上には大した影響はないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/100
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101・大沢雄一
○大沢雄一君 私は、大したことはないとおっしゃいますことに対しまして、私はそう考えないのでございます。たとい一日五百万円でありましても、今後日々この欠陥は増加するわけであります。しかも、これに対しましては、財政計画が決定いたしておりまりして、何ら補正の措置が講じられないとすれば、当然これは府県におきましてそれだけこの歳入が減るわけでありまして、もし相当の金頭になるといたしますれば、私をして言わしむれば、補正の機会等において当然政府として考えなければならぬ金額ではなかろうかと、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/101
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102・加藤精三
○政府委員(加藤精三君) どうもしばしば失礼いたしました。まことにお説の通りでございまして、地方税法の御決定、御議決ができるだけすみやかであって、歳入の滅の少くなることをお願いいたしたいと思っておるのでございまして、また地方財政計画そのものの修正も適当な時期に修正をいたさなければならぬ、そう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/102
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103・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 先ほど一日六千万程度と申し上げておきましたが、三千八百万程度になるようであります、自然増収の部分を除きまして。日割り計算でいきますと、九カ月くらいになりますので、三千八百万円、それから地方道路税が千五百万円、軽油引取税が五百万円程度になっております。これは、いつまで御審議なさるかわからないので、それによりましていろいろな対策があると思うのでございまするが、五百数十億円のところでございまするから、国税に関しては、このために補正予算ということは考えられないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/103
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104・大沢雄一
○大沢雄一君 私はこの問題につきましては、われわれも審議の責任をになっているものといたしまして、多く追及いたしません。政府の善処をお願いいたしてとどめまするが、なお私はこの機会に、関連いたしまする軽油引取税につきましてお伺いいたしたいと思うのでございます。申すまでもなく、軽油引取税は、特約業者、元売業者の営業所所在の府県が、これを府県の目的税として課徴しておるわけでございます。ところで、この軽油の最大の濫費者の一業種であると考えられまするバス業者の業態を見まするに、バスによって道路を損傷される府県と、その軽油引取税を課徴する府県とが、私は現在の営業の状態によっては非常に食い違っておるのではないか。ことに大都市の周辺の府県においてその程度が著しいように考えるのでございます。すなわち周辺の府県に深く入って、そうしてその営業を営んでおりまするバス業者が損傷する道路の所属する府県に対しましては引取税を納めない。かえって営業所がありまする大都市の所在する府県に納めておる。こういう状態になっておると思うのであります。話は別でありまするが、このバス業者に関しましては、同じ府県税でありまする営業税におきましても同様な関係があると思うのであります。すなわち、営業税は営業所の所在の府県でこれを課するのでありまするが、バスの業態は停留所等を道路の側辺に設けまして、そうして営業を営んでおりまするのでございます。従ってその府県に営業税を納めない、こういう関係に多くあると思うのであります。二重の関係におきまして、税を一課徴する府県と、道路を損傷される府県とが異なっておる、こういう状態にあると思うのであります。そこで私は少くとも軽油引取税におきましては、これを国税として課徴いたしまして、そうして道路の走行行程等に比例をいたしまして、これをその府県に譲与税として譲与することが公平な措置ではないか、かように考えておる次第でありまするが、これに対しまして大蔵省はどういうふうにお考えになりまするか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/104
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105・原純夫
○政府委員(原純夫君) その問題は、今回の改正の際にも実は議論に上ったことがございます。お話のような点、さらには農漁業用の免税の問題がございます。これがなかなか公平にいきがたい、乱に流れる向きもあるというような問題が指摘されまして、国税として、取っておくようにしたらどうかというような線が要望されたことがございます。私どもといたしましても、そのやり方は確かに一つのやり方ではなかろうか。それによってかなりの改善ができる面もあると考えております。ただし、免税措置を置きながらやって参るということについては、なかなか国税として、国の税務行政としてやり切るのに自信がないというようなことで、その辺が免税なしにやれるかどうか。そういたしますと、ただいま免税を受けております農漁業用関係に何らか別に配慮をいたさんならんというような問題が出て参ります。それらについての議論が、なかなかうまい結論が短時間に出にくかったというようなことで、今回は従来通り地方税としてお取りいただくという結論になった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/105
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106・大沢雄一
○大沢雄一君 よろしゅうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/106
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107・中田吉雄
○中田吉雄君 加瀬議員の質問と重複するのですが、政府の三十二年度の重要施策の一環として道路整備の問題が取り上げられていますが、受益者負担ということではやはり狭い、限界があって、新しい角度からやはりもう一ぺん再検討していただく必要があるのじゃないかと、こういう見地に立って大蔵大臣、建設大臣にお尋ねしたいと思うわけであります。大蔵省から三月二十三日付でいただいた資料によりますると、大蔵省が道路整備に使われます全体の経費の八割五分というものが業者の負担であります。さらに地方におきましての三割六分が業者の負担であります。これに自動車税の九十六億九千万を加えますと約六割、国の方におきまして八割五分、地方において三割六分ないし約六割と、またもう一つ、もう少し詳細に検討していただいた四月一日付でいただいた資料によりましては、国費においてその九割二分が業者負担である、八分が国の持ち出し。地方におきましては七割が地方負担で、自動車業者が三割持つ。こういうことでは、本年度をもって終る道路整備五カ年計画、さらに本年度を起点としてこれから十カ年計画でやられようとする二度の計画にもかかわらず、私は受益者負担ではもう限界に来ているので、もう一ぺん新しい角度から再検討されることが重要ではないか。こういうことを、一つ本年度はまあ余儀ないことですが、検討していただきたいと思うわけであります。こういう質問をいたしますのは、私、企画院におります際に、ヒトラーのアウトバーンの経済効果の計算をやったのを翻訳したことがあるわけです。ヒトラーがアウトバーンを、ヒトラー道路を建設するのに投資した額、そしてそれによる輸送力の増大、タイヤの長持ちする期間、バイブレーションが少くなって車体が長持ちすること、そういうことを計算すると、十分道路事業に対する投資というものはペイするものである、こういう計算をロックフェラー財団が調査費を出してやったのを、私、翻訳したことがあるのですが、そういう角度からしても、もう受益者負担では国の道路予算の九割二分、地方の道路予算の三割、自動車税を加えますならば六割も負担しても春日遅々としたもので、私はこういう状態では日本の道路を西欧諸国のような水準に持っていくことは不可能ではないかと思う。国費多難の折ですが、私はそういう角度から、来年度は一つ政府でも取り上げられている重要な施策ですから、もう一ぺん再検討して、単に業者負担だけでなしに、これだけでなしに、これとあわせてやっぱり国の重要施策としてもっと持ち出ししたような形でやっていただくことが必要ではないか、こういうふうに考えるのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/107
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108・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 政府としてやるべきことはたくさんございます。道路の拡充も必要でございますし、社会保障制度の拡大もやっていきたい。いろいろの点がございまするが、先ほど来申し上げておりまするがごとく、できるだけのことは一般会計でいたしたいと思います。外国の例も申し上げましたような状況でございまして、これは一がいに業者々々とおっしゃらずに、国民全体が負担していくのだと、こういう気持でいきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/108
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109・中田吉雄
○中田吉雄君 建設大臣、どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/109
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110・南條徳男
○国務大臣(南條徳男君) お答えいたしますが、来年度に十カ年計画を建設省が考えましたのは、将来の輸送力の増強、交通隘路というようなことを考えますと、経済企画庁の十カ年計画等にマッチさせるためにはどうしても今までの五カ年計画というものでは不満足だ、対応し切れないということから、三十二年度から十カ年計画を始めようという立案をいたしているようなわけであります。先ほど今年度で五カ年計画が切れるというお話がありましたが、五カ年計画は三十三年度で切れることになっております。そこで、お話のように当初九百数十億の十カ年計画初年度として予算を計上したのでありますが、いろいろ国の財政の関係から圧縮されました。でありますから、お話のように春日遅々として、かようなことでは、この一般の産業経済の輸送力の増強ということにも対応できないのじゃないかという御議論ですが、ごもっともなことだと思いますので、早期に、そうしてこれを完全に舗装するという計画を立てますためには、何といたしましても豊富な財源を導入することが肝心だと思いますので、この財源の計画につきましては、道路公団等の問題については先ほど大蔵大臣からもその一端が披瀝されましたように、別な角度で大幅な財源を導入をすることもこれは可能であるかとも考えるのであります。そこで、たとえば外資の導入などもそうでありますが、さような意味合いにおきましては、私は今日の日本の状態におきましては必ずしも不可能ではないということを考えておりますので、明年の予算編成の場合には十分これを検討してみたいと考えているようなわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/110
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111・中田吉雄
○中田吉雄君 大蔵大臣は、受益者負担ということで業者々々と言うが、国民全体がと言われましたが、しかし、国費の総額の五百四十七億のうち五百四億、九割二分をやはり自動車関係業者が持つということは、ほとんど全面的にやはりそれにたよっているというようなことで、ぬぐい切れないやはり業者の感情があると思うのであります。そういう点どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/111
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112・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 各国いろいろ例がございますので、主税局長からお話させますが、この業者というのも、営業でやっておられる場合と、自分で自家用を持っておられる場合、こういうこともありますので、私はこの今の日本の状態としては、今後はお話のように考えていかなければなりませんが、今までとしては、これはある程度やむを得なかったのじゃないかという気がいたしているのでございます。私はガソリン税の値上げは国民全般がこれをがまんしてやっていくことがいいのだ、これを一部の負担だとお考えになるのも無理からぬ点もございますが、国土開発という意味から一番利益を受けるのは、中田さんもドイツのあれで御存じの通りな状態でございまして、一つがまんしていただくよりほかないのじゃないか。将来はまた十分考えていきたいと思っております。(「がまんできないよ」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/112
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113・原純夫
○政府委員(原純夫君) ただいまの大臣のお話の数字を補足して申し上げます。道路整備費を一〇〇として、ただいま国、地方分けて、自動車関係の税がどれだけ裏打ちになっているかというお話がございましたが、その関係を、日本のほか英、米、仏、独というふうに私ども調べましたところでは、日本については、現在国、地方を通じまして、道路整備費を一〇〇として、ガソリン税、地方道路税、軽油税、さらに自動車に対する物品税あるいは地方の自動車税、自動車取得税、こういうものを一切合財入れたものの割合は、道路整備費一〇〇に対して一七八%余りでございます。しかるに米国においてはそれが九六%、英国においては実に三八一%、つまり自動車関係の諸税のうち約四分の一が道路整備費に使われておる。フランスも同様四〇〇%ということになっております。西独はそれが一〇七%という数字になっております。わが国の通路整備に対する財政上の数字で見られるところは決して他の国には負けておらないというふうに思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/113
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114・中田吉雄
○中田吉雄君 建設省の事務当局にお尋ねいたしますが、外国の調査団を招聘されて調査をされたようですが、やはり投資と経済効果の数字的な計算というものはできていますか。日本の現状でも、道路に対する投資というものは経済効果で十分償い得るものというふうな、数字的な計数的な調査がありますか、お尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/114
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115・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 本年米国から調査団を招聘いたしまして、名古屋――神戸間の高速道路の調査を委嘱いたしました、その結果が出ておるわけでございますが、この調査の中で道路行政一般にも触れております。そこで米国等の例では、道路投資が国の予算に対して六%、たしか六%だと思いますが、それを投じて従来道路の整備をやってきたわけであります。日本におきましてもこの程度の投資が必要ではなかろうかという勧告をいたしておりますが、この勧告によりますと、日本の経済においては年々千八百億程度を道路につぎ込む必要があるという結論を出しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/115
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116・中田吉雄
○中田吉雄君 主税局長がただいま米英その他の数字をあげられて、非常に高いパーセントを負担しておるということを言われましたが、これはやはりアメリカ等においては鋪装やその他道路の整備が十分できておって、全体の道路の整備費が少くて維持管理ができると思う。そういう際にこういう比率が高いからといって、日本の揮発油税を上げることを合理化する理論的な根拠にはならぬのではないかと思うのでありますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/116
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117・原純夫
○政府委員(原純夫君) そこのところは、いろいろ考え方があると思います。日本はいわば現在この自動車交通が非常に飛躍的にふえて参りまして、道路に対する観念自体を変えて参らんならんというような時代で、従って道路整備費も非常に飛躍的に大きくやらんならん時期でございます。従いまして、おっしゃる通り、なかなか受益があるからと言って自動車関係の税だけにもたよれないということにも相なろうかと思います。アメリカあたりでも最近における経済の発展に伴って、道路交通が増加して、道路をいわば革命的にやりかえなきゃならぬというようなことから、先ほど大臣からも申し上げましたが、昨年の六月末に法案が成立しまして、ガソリン税を五割上げて、そうして何年間でしたか、十何年間だったと思いますが、三百億ドルの巨費を投じて根本的な改修をやるというようなことに相なってきております。まあアメリカは日本よりも若干自動車関係の負担が大きいというのは先ほど申し上げた通りで、まあおっしゃるように非常に静的な場合と動的な場合とで判断は違うと思いますけれども、ガソリン税自体の各国間の負担の比較、受益の問題その他を考えまして、私どもとしては現在としてこの程度の御負担を願うというのもやむを得ないのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/117
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118・中田吉雄
○中田吉雄君 私も受益者が応分な負担をしていただくということについては、大蔵大臣とそう見解の相違はないと思うわけであります。ただ国の道路予算の九割二分までも持たして、そして昨年よりか一・六倍になった。と、重要政策の一貫だと言われるにしては、あまりにも受益者負担に依存されて、しかもそのことは私の乏しい知識をもっても、日本の道路は幅員が狭い、これはもう交通量以上に道路の損傷がきついと思います。それから乾燥地帯とは違って高温多湿のいわばモンスーン地帯の日本の道路の降雨による損傷というようなことを考えますと、受益者がこれほど年々この税率は上って負担しても、結局現状を維持するのが精一ぱいで、五カ年計画をやって、さらに十カ年計画をやっても、大してよくならぬというようなことになると思うわけであります。ですから、私は大蔵大臣がさきに言われましたように、社会保障その他国費に対する要請は非常に多いと思う。これはよく了解しますが、日本の経済発展において大蔵大臣も隘路の一つに指摘されたやはり交通量の飛躍的な発展のためには、私はもう受益者負担から旧套を脱して一つやるべきじゃないか。そして、さきにも建設省の当局が言われたように、経済的にはかなりペイするというようなことから考えますならば、やはり練達な大蔵大臣としては、インフレーションを起さぬような仕方で短期に画期的な道路を早く整備して、そして自動車業者もまあよくなるのだから、受益を負担することもやむを得ぬだろうというような、やはり新機軸を私は来年度ごろから出されぬと、まあわれわれから見ると大してよくならぬというふうに考えるのですが、これは問題だと思うのですが、昭和八年から道路公債ですか、建設公債ですか出してやっておったのですが、そういうような短期に国家財政の諸需要と勘案しながら画期的にもっとスピード・アップしてやるというような方法はないものでしょうか。そういう点についてお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/118
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119・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 道路整備費に対しましての国費と、あるいは自動車関係の方々の負担は、主税局長が言った通りでございます。外国の例に比べたらもっと上げてもいいという理屈も立つかもわかりません。これはまた先ほど来申し上げておる通りに、そうは私はいかぬと思います。それから今お話のインフレーションを起さぬように早急にやるべきだと、全く同感でございます。全く同感でございまするが、御承知の通りインフレーションを起さないというので、公債を発行し、それが全部民間の蓄積資金でまかなえるということになりますと、理論的にはインフレーションは起しにくい。しかしそれがセメントは日本にたくさんございますからいいのでございますが、設備能力以上にセメントを使いますと、これまたインフレーションを起します。で、全部民間資金でまかなえるかという問題のときに、道路ばかりに金を入れて産業の合理化の方の金がないということでも困ります。そうして外国から金をもってきてやると、こういうことになりますと、国内の資材がどうなる、あるいはセメントも鉄も入れればいいじゃないか、こういうことになりますが、それもやはり度のあることでございます。インフレーションを起さないように早急に道路をやるということは全く同感でありますが、やはり程度の問題だと思います。できるだけ私は、産業基盤の最も重要なものでございますから、そういう気持では進んでいきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/119
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120・中田吉雄
○中田吉雄君 道路公債の問題について、早川委員の質問に対して、公団等の公債については賛成のようでしたが、公団以外にやはり短期に画期的にやるというようなことで、そのワクを広げて、インフレーションとの関係、他の国家予算とのバランスをとりながら、なおやるというようなことは、いかがなものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/120
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121・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 端的に申しますと、一般会計で赤字をやってやるかと、この問題は私は今のところとるべき策じゃないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/121
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122・中田吉雄
○中田吉雄君 次に自動車業者の一つの不満は、非常に高い自動車税や油関係の税金を納めるが、地方財政が赤字で、結局これは目的税で取ったものが、これまでの既定の道路予算に、府県や市町村の道路予算にプラス・アルファされないんじゃないか、なるほど目的税でやったやつは、やるだろうが、これまでのやつは、はずしてしまって、結局それだけはふえぬじゃないかという不安があるのです。私は地方財政がノーマルな、正常な状態なら、これまでの地方の県なり市町村の道路予算に、さらにこれがプラス・アルファされると思うんですが、そうでない場合は、やはり業者の直感的な不安というものは、あるんじゃないかと思うんですが、加藤政務次官いかがなものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/122
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123・加藤精三
○政府委員(加藤精三君) 中田委員の御質問にお答えしますが、いずれの府県におきましても地方道路税や軽油引取税の収入額以上に道路費に支出しておりまするのはもちろんでございますが、御指摘のごとく、そうした道路関係の目的税が創設されましたために、従来の一般会計における道路費を削減しているという事例はほとんどないようでございますので、その点を申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/123
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124・中田吉雄
○中田吉雄君 その点は、大蔵省から三十二年三月二十三日付でいただいた、これから見ると、加藤政務次官の言われたようになっていないことが数字的にも実際は出ておるのです。それは、たとえば三十二年度は道路予算が地方全体で四百六十九億九千万、三十一年度は三百九十三億五千万で、七十六億四千万ふえておるのです。二割ふえておるのです。ところが油の方の税金はやはりほとんどそれと、とんとん、全く油だけにふえた額は依存して、さらに地方財政の最もきびしかった三十年から三十一年には、油の税金がふえたが半分しか道路の予算はふえていない。これは何も私が作為を持って計算したのではなしに、きょうもらって、ここで計算して、差し引き勘定やってみると、ほとんど、三十年から三十一年には道路の関係は二十六億の油の税金がふえておる、ところが道路予算が十三億しか、半分しかです。私は特に大蔵大臣に御理解いただかなくてはいけないと思う点は、せっかく道路をよくしようというようなことでこういう税金を増徴しても、地方財政が正常な水準になくては、目的税が正しく目的通りになかなか使われないのです。県なり市町村に入ったら一本ですから、特に道路の修理もやりながらだって、まあ泥棒でも通れる、むしろ差し迫った方に回わすというようなことがあって……、これはやはり地方財政の赤字のひどかったときほどこういうことが言い得るので、私はきょうは時間がありませんので申し上げませんが、そういうふうに、業者の不安というものが、こういうふうに税を増徴しても、結局道路はよくならずに、地方財政の補強ばかりに使われて、目的税としての趣旨に合致するように使われないじゃないかということを、大蔵省の資料でずっとはじいていただくと、これは地方財政の赤字と比例しておるのです。そういう点をお考えいただきたいという点と、もう一つは、私はやはり大蔵大臣にお尋ねしたいのですが、九割二分までは受益者負担でやっておる。ところが弱い地方財政は七割は自まかないで、譲与税は三割しかやらない。こういう考えをもっと変えていただいて、財政力の強い、健全財政を誇られる国としては、やはりもっとその比率を変えていただくことが、特に私は地方における国道と県道、市町村等がアンバランスでは、これを意味ないと思うのです。その県内にある、その地方にあるところの国道、県道、市町村道等とがバランスがとれた修理がなされぬと、国道だけよくても自動車は国道だけ通るものではない、県道も通らねばならぬ、市町村道も通らねばならぬということで、それでないと運送業に対して支障がくると思うので、その地区内にある国道、県道、市町村道等がバランスのとれた整備がなされるためにも、弱い地方財政に対してもう少し理解をいただくことが、譲与額をたくさんにしていただくことが焦眉の急ではないか。まあ、ことしは、しょうがないと思うのですが、考慮していただきたいと思うのですが、いかがなものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/124
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125・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 初めのガソリン税を元といたしまする地方の分け前が道路に使われずに、ほかのものに使われたということは、まことに遺憾なことだと思う。これは昭和二十九年、三十年と、地方の財政の非常に窮迫したときでやむを得なかったと思うのでありますが、だんだん地方財政も健全化して参りますので、三十二年度はお話の通りの程度になった。今後はそれをますます強化していきたいと思います。
第二段の、国と地方との道路に関する負担の問題でございまするが、私は一級国道等につきまして、ある程度地方が負担するということはやめたいというぐらいに考えておるのであります。何も国道がそこを通りましたからといって、その町なり、村なり非常に負担力があるわけでもありませんし、利益を得るとも限りませんので、そういう点は今後改正していきたいと思います。ただ問題は、道路拡充五カ年計画とか十カ年計画は、主として国に関係したものが多い。県道あるいは市町村道が少のうございまするから、分け方がそういうふうになってくると思うのでありますが、五カ年計画、あるいは十カ年計画によりまして、地方と中央との関係につきましては、ずい分今後考慮いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/125
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126・加藤精三
○政府委員(加藤精三君) 中田委員にお答えいたしますが、ただいま中田委員がお手元に持っております「道路橋梁の財源などに関する調」という書類を、私、持っておらなかったのでございますが、その書類を拝見しますと、昭和三十年度と昭和三十一年度との、この単独事業としてやっておりまする道路の経費、これは詳細わからなかったので、三十年度と三十一年度を同額計上してございまするが、われわれの推定では、三十一年度は三十年度よりもよほど多い支出をしていると推定することができるのでございます。三十年度よりも三十一年度の単独道路事業費でございますが、たぶんそれからの誤差だろうと思いますので、そうした点を十分調査いたしまして、なお御納得のいくように御説明をすることができると思います。その点だけちょっと申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/126
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127・中田吉雄
○中田吉雄君 大蔵省からいただいたこの資料では、二十九年は、府県の単独事業が百五十二億であったものが、赤字がひどくなって、翌年は百二十四億というふうに減ってきている。きょうは時間がありませんので、これで私の質問は終りますが、私の希望としましては、国家財政の事情もよくわかりますが、受益者負担では日本の道路を、西欧諸国のように画期的にやるということは、私はなかなか困難だと思います。幸い財政のベテランの大蔵大臣とされては、来年度は画期的な、受益者負担だけに依存しないような新機軸を出すことについて、一つ建設省と御検討をいただきたいことを重ねて希望しまして、私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/127
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128・伊能繁次郎
○伊能繁次郎君 同僚議員から詳細にいろいろお尋ねがありましたので、私は大蔵大臣に本日の質問でちょっと腑に落ちなかった一点だけお尋ねをいたしたいと思います。それは、さいぜんから主税局長並びに大蔵大臣から、政府の決定に基き、三百九十万キロリッターについては、通産大臣みずから衆議院において答弁せられて、この数字で必要にして十分である。こういう御説明がありました。ところが、さいぜん大蔵大臣は同僚大沢議員の質問に対しまして、本法律が未だ成立しないために毎日徴税に不足を生じておる、その際に増収分を除いて三千七、八百万円くらい毎日徴税上の不足が出る、また地方税については四、五百万円という御回答があったのでございまするが、三百九十万キロ、免税分その他を除きますと三百四十二、三万キロ、この計算では政府の出された六千五百円でも一ぱい一ぽいという御説明はしばしば主税局長から伺っておる。ところが本日の午前の地方行政委員会におきましても、地方自治庁長官は、自然増収もあるだろうというお話でございます。ただいま大蔵大臣も自然増収を除いて三千七、八百万円というと、この三百九十万キロからどこに自然増収の余地があるかということを伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/128
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129・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 昨年度の三百数十億円に対しまして、今年度の五百億余り、その差額の収入増は百八、九十億円だと思います。この百八、九十億円というのは増税による収入増ではございません。増税による収入増は百億余り。その他は消費増による自然増収、そういうふうなことになりますのでお答えしたわけでございます。三百九十万キロリッターが自然増収になるというのではございません。私は先ほどちょっと考えまして、百八、九十億の増収だ、そうすると三百六十五で割ると六千万円程度になるのでございますが、それはそうでなしに、百八、九十億円の中に、三百九十万キロリッターになります増が七、八十億、それからそれに増税によります分が百億円余り、そして百八億円のものにつきましては、三カ月ばかりは増税分がはいっておりませんから、そういう関係で直しますと口に三千八百万円になる。自然増収というのは、三百九十万キロリッターがふえるというのではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/129
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130・伊能繁次郎
○伊能繁次郎君 ただいまのお答えでは私には理解できません。で、自然増収、いわゆる消費増のものが三百九十万キロのうちに全部はいっておる、それは全部税金の対象になっておって、六千五百円で五百三億九千万円という計算が出ておる。ところが、私が質問しておりますゆえんは、端的に申しますと、さいぜん同僚田中議員からもお尋ね申し上げましたように、昭和二十五年度以来われわれは常に、政府の算定が率直に申し上げてルーズである、従って年々過重徴税をされておる、その実額は、さいぜん田中委員も指摘されましたが、昭和二十五年以来、昭和二十五年において十億円、昭和二十六年において十一億円、昭和二十七年に十五億数千万円、昭和二十八年には十八億、昭和二十九年、あの増税の際においては予定の徴税額より、も五十億円、昭和三十年度においては御承知のように二千円の増税案が政府から出されましたが、衆議院において、その必要はない、自然増収分が多分にあるということで、二千円が否決せられたために、この年が初めてとんとんでありまして、それからさらに本年度のごときは一月末にすでに四十六億円の自然増収がある。二、三月を加えますれば五十億円以上の自然増収があると存じます。従いまして、政府の案については、常に税の算定が甘いのではないかということを私どもは指摘して参ったのでありまして、この点はおそらく来年度においても同様ではないか。ところが政府の三百九十万キロ、課税対象額は三百四十一万五千キロリッターにおいては、六千五百円で、かろうじて五百三億九千万円で、政府の予定徴収額に達するわけなんです。従って最前の自然増収というお言葉がどこから出るのか。依然として大蔵大臣の頭にも、このままでいっても自然増収の相当額は出るのではないかというようなお考えがあって、自然増収というお言葉が出たのではないかと思うのですが、その真意をお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/130
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131・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 先ほど御説明いたしました通りに、昨年度の予算に比べまして今年度百八、九十億円増加する、これは税率の増はかりじゃない。基本の増による、いわゆる三十一年度に対して三十二年度の自然増の分が八、九十億円ある、こういう意味でございまして、三百九十万キロがもっとふえるという気持は私は毛頭持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/131
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132・伊能繁次郎
○伊能繁次郎君 そうすると、自然増収という具体的な内容を御説明をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/132
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133・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 先ほど申し上げましたごとく、三十一年度は三百五十億円程度でございます。三百五十億円までいっておりません。それが今度五百四億円になったということは、それだけ税がふえたわけです。ふえた原因は何かと申しますると、消費量がふえたことと増税とでございます。そこで消費量のふえた分は、自然増収のうちに入る。それから増税による分が百八億と、こうなっておるのでございます。しかして、今、大沢委員の御質問に対しまして、自然増の分はもう問題ない、増税による分だけが、増税の日にちがおくれるから減るだろう、それで百八億円を三ヵ月おくれるものを除いて計算いたしますと、日に三千八百万円というのが出るのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/133
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134・伊能繁次郎
○伊能繁次郎君 ややわかりかけたのでございますが、なおも内容がちょっと私には納得がいかないのであります。と申しますのは、私ども過去において、予定徴税額よりも、かくのごとく、年々多きは五十億、少きも十億くらいずつ取られておる。しかもそれは昭和二十九年度までは、政府の一般会計の、国庫の中に入ってしまった。それでは道路整備の主たる目的に適合しないということで昭和二十九年に法律改正をして、剰余金は翌々年度の会計に入れるということによってこの問題の処理がついておるわけでありまするが、おそらく三百九十一万キロ、これはさいぜん主税局長は、これで必要にして十分だと仰せられましたが、かくのごとく予定以上に収入があるということは、その後においてもしばしば政府が毎年度外貨資金の改定をやっております。従ってこういう分が出るのであって、来年度においても、さいぜん運輸省から御説明の通り、油はもっと要るというお話がありました。ことに本計算の基礎はガソリンによって計算をいたしておりまするが、政府の提出せられました資料においては、重油並びに軽油については詳細な資料が提出されておりません。従いまして、私はこの三百九十一万キロリッターからしぼられる軽油については、政府御算定よりもはるかに余分に使用せられ、従って政府の算定せられた増税額を必要としないという見解を持っておるのでありまするが、この問題については私どもは、年々の事実がこういうことであるということを十分御銘記を願って、政府の増税額算定については十分慎重を期せられたい。衆議院においてもすでにあの内容について修正案が提出せられておるようでありますが、あの内容についても私どもはまだ疑義は持っておりまするが、それ以上は申し上げません。しかし私がここで特にこの問題を取り上げまするゆえんは、かくのごとく予定の徴税額以上に徴税せられたものがどういう方面に使われるかというと、これはあるいは見解の相違になるかもしれませんが、道路公団であるとか、失業対策であるとか、特別失業対策であるとかいって、百三十億円近いものが本来の道路整備以外のものに使われる。この点は私どもは、法律改正をしても、さいぜん大蔵大臣からもお話がありまして、日本の道路をよくするために国民全般に御辛抱を願わなければならぬというお言葉がございましたが、そういう趣旨からいっても、かくのごときものは道路本来の整備のみに使われるべきものではないかという見解を私どもは持っておりまするので、私は政府の三百九十一万キロについてもいまだ十分な納得がいかないのでありますが、これは見解の相違でありまするので、これ以上追及いたしませんが、必ずや来年度においても、予定徴税額よりも余分に取られるということを私どもはどうも否定することができない。従って政府の増税算定額等についても、より一そう慎重な御検討を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/134
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135・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) お諮りをいたします。大蔵委員会と地方行政委員会、建設委員会との連合審査は本日をもって終了することといたしたいと存じますが御異議ございませんか。
〔「反対」「異議なし」と呼ぶ者あり、
椿繁雄君「運輸委員会は」と述ぶ〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/135
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136・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 運輸委員会との連合審査会は明日開きます。(「了承」と呼ぶ者あり)
地方行政委員会と建設委員会との連合審査は本日をもって終了いたしたいと思います。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/136
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137・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 御異議ないと認めます。よってさように決しました。
これにて散会いたします。
午後四時四十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614622X00119570402/137
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