1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年三月一日(金曜日)
午後一時三十三分開会
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出席者は左の通り。
委員長 廣瀬 久忠君
理事
木内 四郎君
西川甚五郎君
平林 剛君
委員
青木 一男君
木暮武太夫君
左藤 義詮君
塩見 俊二君
土田國太郎君
苫米地英俊君
宮澤 喜一君
天田 勝正君
椿 繁夫君
政府委員
大蔵省主税局長 原 純夫君
事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
説明員
大蔵省主税局税
制第二課長 吉國 二郎君
大蔵省主税局税
関部長 山下 武利君
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本日の会議に付した案件
○印紙税法の一部を改正する法律案
(内閣送付、予備審査)
○トランプ類税法案(内閣送付、予備
審査)
○とん税法案(内閣送付、予備審査)
○特別とん税法案(内閣送付、予備審
査)
○関税定率法の一部を改正する法律案
(内閣送付、予備審査)
○関税定邪法の一部を改正する法律の
一部を改正する法律案(内閣送付、
予備審査)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/0
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001・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) それではこれより委員会を開きます。
本日はまず、印紙税法の一部を改正する法律案
トランプ類税法案
とん税法案
特別とん税法案
関税定率法の一部を改正する法律案
関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案
以上いずれも予備審査の六法案を便宜一括議題として、順次事務当局より内容の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/1
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002・吉國二郎
○説明員(吉國二郎君) まず印紙税法の改正から御説明申し上げます。便宜お配り申し上げております新旧対照表で御説明申し上げたいと存じます。
今回の印紙税法の改正の要点は二点でございます。第一点は、約束手形、為替手形に対しまして従来十円の定額課税をいたしておりましたものを、今回二十円ないし千円の階級別定額課税に改めましたこと、それに対しまして白地振出の手形につきましての規定の整備をいたしました。これが第一点でございます。
それから第二点は、従来から疑義のございました、一通の証書ではございますが、その内容が二以上の証書に該当しておるもの、しかも、そのおのおのの記載金高が区別して記載していないために、税率の適用について明確でないものがございますから、これを今回これに対する課税の規定を整備いたしたわけでございます。これが第二点でございます。
第一点から御説明申し上げます。第一点は、新旧対照表の第一ページでございますが、第四条に、「左ニ掲クル証書、帳簿二関シテハ証書ハ一通毎二、帳簿ハ一冊一年以内ノ附込二対シ左ノ印紙税ヲ納ニムヘシ」、これはこのままでございますが、その八号、約束手形、九号、為替手形、従来これが十円でございましたものを、記載全高十万円以下のもの二十円、五十万円以下のものが五十円、百万円以下のもの百円、五百万円以下のもの二百円、千万円以下のもの五百円、千万円をこえるものを千円というふうにいたしたのでございます。ただ、ただし書きにございますように、三つのものを例外として定額課税に据え置いております。その三つのものと申しますのは、一つは一覧払の手形、これは約束手形も為替手形も含みます。それから「命令ヲ以テ定ムル金融機関ヲ振出人及受取人トスルモノ」、それが第二でございます。第三に「外国通貨ヲ以テ表示ヲ為シタルモノ」、この三つは定額に据え置いたわけでございます。もっとも最低税率を十円から二十円に上げておりますので、定額と申しましても、これらの手形につきましても、二倍に税率が上げられておるわけでございます。
手形の階紋別定額課税ということを今回いたしました理由といたしましては、現在の税法におきまして、消費貸借等の証書につきましては、二十円ないし一万円という階級定額課税が行われております。現在の手形の機能を見て参りますと、たとえば銀行の貸し出しにいたしましても、八〇数%が実際、手形によって行われておるという姿でございます。実質的に信用手段として用いられておる面が顕著でございます。そういう点から申しますと、同じ貸付を受けるにいたしましても、たとえば一億円の貸付を受けるという場合におきましては、消費貸借の証書によりますときは一万円の課税を受ける、しかるに手形貸付を受ける場合におきましては十円で済むわけであります。このあたりがかなり不均衡がございます。過去におきましても御承知のように、印紙税が課せられました最初のころから、手形並びに小切手につきましては階級定額制がとられておったわけでございますが、途中で小切手を奨励するという意味におきまして、明治三十二年にこれは非課税にされております。同じく三十八年には為替手形を、荷為替奨励という意味から定額に直した。大正十二年に約束手形につきましては、これは主として為替手形を定額にいたしました結果、実質的に約束手形であるものを、自己引き受けの為替手形という形で発行するという慣習が出て参りました等の理由がございまして、結局階級定額にしておいても同じ結果になるということで、当時大正十二年に定額に直しましてその後ずっと定額になっております。また当時この二つの手形に対する課税を階級定額から定額に移しました理由といたしましては、主として当時におきまして手形取引というものを奨励する、まあ資本主義の初期の段階と申しましては少し言い過ぎかもしれませんが、当時におきましては手形流通をできるだけ盛んにするという含みがあったように聞いておりますが、現在におきましては手形はいわば商業その他産業の基盤をなす流通手段として確立しておりますので、そういう意味からいって、今回の税制改正の一環といたしまして不均衡を是正するという意味から、定額課税に戻してはどうかということで御提案を申し上げた次第でございます。ただ手形の場合でございますと、普通の消費貸借に比べますと貸借期間が短かいということになる。通常は三カ月というようなことになりますので、普通の消費貸借と同じような階級定額を用いますことはいささか酷になるというような意味におきまして、普通の現在の階級定額よりはやや低目の三分の一ないし四分の一程度の税率といたしまして、最高も普通の消費貸借におきましては一万円でございますが、手形につきましては千円ということにいたしておるわけでございます。
それから三の手形につきまして階級定額にしないで定額に据え置いた理由といたしましては、まず第一に一覧払いの問題でございますが、一覧払いのものにつきましては、各国の税制でも区別をしてやっている例が多いようでございますが、一つには日本の場合で申しますと、現在小切手に課税をいたしておりません。その関係から申しますと、一覧払いの手形というものが主として決済手段に使われていることは間違いないのでございます。信用手段というよりは決済手段であるという面が顕著でございますので、小切手を課税していない点からいいますと、一覧払いのものまで階級定額課税にすることはいささか今の段階としては問題があるという意味で、一覧払いをはずしたわけであります。小切手につきましても、先日付の小切手というものが出ておりますが、法律上当然の一覧払いということで、先日付というのは、提示すれば提示の日が期日ということになりますので、そういう観点から小切手は一覧払いの場合と同様と考えていいじゃないかという意味で、一覧払いを定額に残したのであります。
第二に「命令ヲ以テ定ムル金融機関ヲ振出人及受取人トスルモノ」と申しますのは、銀行間の取引でございます。日本銀行と銀行、それから銀行相互間、銀行相互間と申しますと主としてコールの関係でございます。これは金融機関のインター・バンクの取引と申しますものは、大体においてイギリスにおいては非課税といたしております。これは、主として金融機関の間の取引と申します、ものは主体の金融のいわば決済じりが集約されて起って参るものでございまして、普通の手形取引のように任意性がないという点、それからそれが全体の金融組織というものを有機的に成立させている基礎になっているということ、それらの点から申しまして、金融機関相互間、インター・バンクの取引は定額に残したわけであります。それから「外国通貨ヲ以テ表示ヲ為シタルモノ」これはドル表示あるいはポンド表示の手形でございますが、これを定額に残しました理由といたしましては、第一にポンド、ドル等につきましては円換算が容易でございますが、その他の裁定相場等によっておるものにつきましては、時期をずれてあとで判定する場合には、果して幾らの率であったか非常に調査が困難であります。そういう問題もございますし、まあ技術的にむずかしい、税務署員が調べるにいたしましても紛争が起りやすいという点が一つであります。第二に、現在は為替管理で国内的には原則として外貨表示の手形は流通してはならないということになっておるわけです。そういう点から第二点として、その点が考えられますが、さらに第三点といたしまして、わが国の印紙税の建前から申しますと、外国で振り出されました手形が日本内地に参ります場合には、印紙税の課税をしないわけです。外地振り出しの場合は外国で作成された証書でございますので、印紙税を課さない。ところがこちらから参ります場合には課税をするわけであります。外国の例で申しますと、英国にいたしましても、ドイツにいたしましても、外国振り出しの手形が国内に参りますと、最初にそれを取得した者が振り出しものとみなしまして、国内の印紙税をもう一回適用するということになっておるわけです。そういう国でございますと、外国あての手形に対しても同じように課税してもとれるわけでございますが、日本の場合は外国からくる為替手形は課税できない。こちらから為替手形を振り出すと課税されるということになりますものですから、そういう点も勘案いたしまして外貨表示の外国手形、これを定額にするということにいたしたわけでございます。
それからこれに関連いたしまして、一枚はぐっていただきまして第四ページでございますが、「金高記載ナキ約束手形又ハ為替手形ヲ振出シタルトキハ第一項ノ証書ヲ作成セザリシモノト看做ス、前項ノ約束手形又ハ為替手形ニ付金高ノ補充ヲ為シタルトキハ当該補充ヲ為シタル者其ノ補充ノ時ニ第一項第八号又ハ第九号ノ証書ヲ作成シタルモノト看做ス」と書いてございますが、いわゆる白地手形の問題でございます。白地手形につきましては現在手形法の第十条に規定がございますが、一応現在では白地手形も条件付の有効な手形として扱われておるわけでございます。それで従来も解釈上白地手形につきましては、振り出しのときに第四条該当の証書を作成したものといたしまして印紙の貼用をさせておったわけでございます。ところが今回階級定額を適用いたしますことになりますと、記載金高のない白地手形の場合、いわゆる金額が白地の場合におきましては、一体幾らの印紙を張っていいかどうかということがわからない。そういう点で今回は白地の手形の有効無効という問題は別といたしまして、印紙税法上は一応金高白地以外の白地手形は一応有効な手形といたしまして作成のときに印紙税を課する、金高の記載のない手形だけは、それを作成したときはこの印紙税を課すべき証書として作成されたものではないというふうに認めよう、従いまして、印紙を全然はる必要がないわけです。他の証書にもない。そして為替の金高を補充した場合には、その補充者が作成したものとみなしまして、初めてその金高に応じて印紙税を課税する、こういう構想をとったわけでございます。ただ問題は、こういたしますと、完成した後に見ました場合には、金高白地であったものの完成後は完全な手形になりますので、それに印紙の貼用がなかった場合にはだれが責任を負うかという問題が起るわけであります。金高の白地の場合にはその補充について約定があるのが常でございますので、約定に従って判定をすればよろしいということで問題は避けられると考えております。
それから第五条の非課税の規定でございますが、そのうち七号に従来「記載金高三千円未満の約束手形及為替手形」は非課税ということになっておりましたが、今回二十円に最低税額を引き上げました関係で、これを「一万円未満」というふうに引き上げたわけでございます。
それから第二点の改正は、三ぺ−ジに戻っていただきまして、第四条に三項を加えまして「金高記載アル証書ニシテ二以上ノ事項ヲ併記シアル為税率ヲ異ニスル二以上ノ証書ニ該当シ、且其ノ記載金高ヲ当該二以上ノ証書に係ル金高二分割シ得ザルモノニ関シテハ当該二以上ノ証書ニ付定マリタル税率ニ依リ算出シタル金額中最モ高キ金額二相当スル印紙税ヲ納ムベシ。」これは簡単に申しますと、現在印紙税の税率は定額税と階級別定額税、それから定率税の三つになっております。物品切手が定率税になっておるわけです。そこで一枚の証書の中に、たとえば階級別定額税を課せられる内容の事項を記載した、それと合せて差額税を課せられる事項を記載をした。しかし両方とも合わせて金額は一本で書いておるという場合になりますと、これをどう解釈するかが問題になるわけです。階級別定額を課せられる証書にいたしましても、記載金高がない場合は最低の二十円ということになるわけです。そういたしますと、かりに現在不動産の譲渡に関する証書は階級別定額で課税されておりますが、動産の譲渡に関する証書は定額の十円でございます。そこで家と、それに附属すると申しますか、独立はしておるが一緒に家具を含めて売り渡す、その場合に金高をそれぞれ別に書きませんで、合せて、百万円というふうに書きますと、不動産の譲渡に関する証書として見ましても、記載金高というものは独立ではないということで二十円、動産の方はもちろん十円でございますから三十円で済んでしまうということになるわけです。こういう不明確なことにいたしておきますと、故意にそういう証書を作る可能性もある、わざわざ分けておるものを一緒に合せてしまうと、不動席に関する譲渡証書が二十円の定額課税で済んでしまうということになりますので、そういう場合にそれを一つの証書といたしまして、その記載金高をその一つの証書の記載金面とみなして、それぞれ税率を適用してみて高い方を取る。今の場合で申しますと、不動産の譲渡所得として課税する、こういうことにいたしてはっきりしたわけです。もちろんこの場合にわかっておれば不動産と動産を分けて書けば、それぞれ別の証書として扱うわけでございますから、特に過酷になるというわけではございません。以上二点が印紙税の改正でございます。
続けてトランプ類税法の御説明を申し上げたいと思います。
トランプ類税法は骨ぱい税法を全文改正いたしました関係で新旧対照表がございません。法・案についてごらんをいただきたいと思います。トランプ類税法を新たに制定したと申しますか、骨ぱい税法を全文改正した理由について若干申し上げておきたいと思います。現在の骨ぱい税法は、御承知のように印紙納付制度、しかも完成骨ぱいの印紙納税制度という制度をとっております。これは考えようによっては一番徹底した制度ともいえるわけでございますが、完成骨ぱいを引き取る場合にその引き取るものに印紙を貼用して引き取らなければならない。また印紙の貼用のないものを引き渡した者、あるいは受けた者、あるいはそれを所持しておる者はすべて罰則を受ける。また印紙の貼用のない骨ぱいを所持しておる販売人は、その事実を発見されたときにはその税額をみずから納めなければならぬという形になっておりまして、最も端的にとるといいますか、最も手数のかからない課税方法であるのであります。ところがこれが実施上に非常な問題があるのであります。と申しますのはこのトランプ類、ことにマージャンの製造者というのは、きわめて末端におきましては零細でございます。ことに最後に字を彫りつけるという業者はほとんど小さな業者ばかりでございまして、印紙の貼付ということが非常にむずかしいのです。現在は象牙ぱいでいいますと六千円、骨ぱいにいたしまして四千円、煉ぱいにいたしまして二千円でございます。このマージャンを売る場合にそれをあらかじめ印紙を購入して先払いしなければならぬということは非常な苦痛になる。それに加えまして最近尿素樹脂が多くなって参りまして、煉ぱいのマージャンの素材がごく安くできるようになって、一番安いのですと七百、五十円、高いもので千円程度で作れる。それに加工を施して附属品をつけて千二百円ないし千五百円、それに対して二千円という税でございますので、どうしても脱税がふえる。しかも印紙で払うというのでとかく税を納めたくなくなるということになるわけです。現在の骨ぱい税では一応印紙を貼用いたしまして出しますが、出した数字を申告するようになっております。ところが実際は申告はいたしますが、印紙が貼用してあるかどうかはっきりしないわけです。従いまして現在税務署では取り扱いとして印紙の購入証明書を持って来させます。そこでこれだけ買った、これだけ出したということで引き合せをしておるわけです。ところが実際問題といたしましては購入証明書も、そういうと語弊があるか知りませんが、実際に即さないで出ている場合があるのです。極端な例々をあげますと印紙を買いましても、これは二千円、四千円、六千円という印紙でもほかに、もたくさん使い途がございます。代書に持って行って割引して売ってしまうということが公然と行われる。そういったわけで最も確実に納付せらるべきだと思われます印紙納付制度が、実はいろいろの要素と相待ちまして大きな納税回避の原因になっておるというので、実はトランプ税の税額というものはごくわずかであります。本年度の見積りも一億九千万円程度でございますけれども、この際脱税が横行しておるという形では税法としても非常に問題がございますし、ことにトランプ類は税率は普通の物品税と異なりまして、そのものの性質上特に高い税金を課しております。これを確実に徴収する必要があるとそういう点で、今の制度を根本的に改めまして課税を充実する。同時に現在二千円という税率によって煉ぱいのマージャンは課税されております。実質的にはほとんど脱税されておる。この原因の一つは非常に税金が原価に対して高いということでございますので、これを急激に調整を合理化いたしますと、恐らく実行し得ないという点も起って来る。そういう点で今の税率を千円に引き下げますと、それが七五%前後になる。物品税の税率、これは五〇%でございますが、それより若干高めになる。大体今の牛骨製のマージャン程度になり、なおそこで煉ぱいのものだけを税率を千円にする、煉ぱいを千円にする、そして徴税の確保をはかるこれがねらいでございます。
各条につきまして御説明申し上げますが、大体今度の法律は砂糖消費税、あるいは酒税、物品税といったような各消費税と同様に、従来の引き取り課税主義を改めまして、移出課税主義にしたわけでございます。移出課税主義と申しましても、ちょっとおわかりにくいかと思いますが、毎月製造場から移出したものにつきまして、その月分を取りまとめまして、翌月に申告して、翌月末に納付するという制度でございます。一々引き取りのつど税を納めるという制度を改めまして、一月、月まとめの制度にいたしました。今まで消費税についていろいろ改正して参りましたが、漸次引き取り主義から移出主義に移って参りました。後に御提案申し上げます揮発油税地方道路税、これもいずれも移出課税に改めまするようにいたしておりますので、間接税については課税の方式がこれで統一されるということになるわけでございます。条分はたくさんございますが、そういう意味では砂糖消費税その他と大部分が同じでございますので、要点だけを申し上げたいと思います。
第二条でございますが、『この法律において「トランプ類」とは、まあじゃん、トランプ、花札、株札及び虫札並びに使用及び遊戯の方法が、』——この下に誤植がございまして、使用の目的でございます。『使用の目的及び遊戯の方法がこれらに類する物で政令で出足あるものをいい、その区分、については、次に定めるところによる。一 まあじゃん 第一種 象げを用いたまあじゃん 第二種 牛骨を用いたまあじゃん 第三種 第一種及び第二種のまあじゃん以外のまあじゃん二トランプ 三 花札 四 株札五 虫札 六 使用の目的及び一遊戯の方法が前各号に掲げるトランプ類に類する物で政令で定めるもの』これは、従来の法律では骨ぱいにはこの法律により骨ぱい税を課する、骨ぱいの定義はあげておりませんでした。骨ぱいの定義自体は解釈に譲っておるという形になっておりましたが、今回は「トランプ類」というような名前に改めますと同時に、課税対象を法律ではっきり掲げたわけでございます。「使用の目的及び遊戯の方法がこれらに類する物」と申しますのは、使用の用的、いわば偶然の支配によって勝敗を決するという目的。遊戯、の方法といたしましては、二人以上の物が相手として戦うという形のもの。それでここに掲げたものに類似したものを政令で定めるということになっておりますが、予定しておりますのはドミノ、それから四色はい、白ぱい、アンスコ、妙なものばかりでございますが、そういう主として外国で使っておりまして日本では少いものは政令に譲っております。
それから第三条はことに移出課税の制度をはっきりいたしまして、「トランプ類の製造者は、その製造場から移出したトランプ類の組数に応じ、トランプ類税を納める義務がある。2トランプ類を保税地域」「から引き取る者は、その引き取るトランプ類の組数に応じ、トランプ類税を納める義務がある。」ここで製造者と保税地域から引き取る者と二つに納税義務を課したものであります。第四条は各税法と同じく、技術的に保税地域に該当する製造場を通常の製造場と区別したというだけの規定でございます。第五条も砂糖消費税その他の諸税と同様に場内消費した場合にこれを移出または引き取りとみなす規定でございます。たとえば、トランプ類がトランプ類の製造者、たとえばマージャンの製造者がマージャンクラブを作っておる。つまり片方で作って片方で使うというような場合には、製造場から移出しなくても移出したものと仮定するという意味でございます。それから第六条はこれは今度の改正で特に気をつけた点でございますが、「トランプ類の製造者又は販売業者が、原料、材料、労務、資金その他トランプ類の製造に必要なものを供給してトランプ類の製造を委託する場合又は他の製造者の製造したトランプ類若しくは当該トランプ類の包装若しくは容器に自己の商標を表示させる場合には、当該委託者又は表示させる者」「を当該受託者又は他の製造者」「の製造したトランプ類で当該委託又は表示に係るものの製造者とみなし、当該トランプ類については、当該受託者等の製造場を当該委託者等の製造場とみなして、この法律を適用する。」非常にめんどうなことを言っておりますが、これはいわゆる製造問屋の場合を想定しているわけでございます。これは大体自分では製造いたしませんで下請に出して製造させるというものでございます。従来の規定でございますと、完成骨ぱいを引き取る者ということになりまして、下請が作って出すときに印紙を張らなければならない。責任の所在が必らずしも明らかでない。作ったのはあちらだというようなことでいろいろごたごたがある。そういうような点から今度はこういうような、いわゆる製造問屋は製造者であるとみなしたわけであります。同時にただ実際に製造している場所は下請の場所でございますから、製造者は製造問屋であり、製造場はその下請の製造場だ。それを出すときにやはり製造問屋が出したものとして規定を適用する、こうしたわけであります。なおその場合に製造問屋が大阪にあって東京の下請に出したという場合には、実際は印紙貼付とか証紙貼付とかいう手続はとれませんので、一旦大阪に送り返すということになりますが、その場合には従来なかった規定でございますが、十五条に未納税移出という規定を置きまして、税を納めずに大阪に持っていける。そしてあらためてそこで税を納めるということができるようにしているわけであります。こういうことをいたしますと、どうしても未納税移出というふうな手続が要ることになる。
それから第七条はこれが今度の改正の一番の眼目でございますが、「トランプ類の製造工程中の未完成品で、次に掲げる物に該当するものは、トランプ類とみなして、この法律を適用する
一 印紙、セルロイドその他これらに類するものを材料とするカード状の物(切断することによりカード状となる物を含む。)で、トランプ類の文字、図形又は記号の着色又は印刷を施したもの
二 前号に掲げる物以外の物で、トランプ類の文字、図形又は記号の彫刻、着色又は印刷を施したもの(当該彫刻、着色又は印刷を施すため成型されたものその他政令で定める状態にあるものを含む。)」いわゆる未完成のトランプ類をも一応法的規制のワクの中に入れたわけであります。
先ほど申し上げましたように、マージャンの脱税が多い一つの原因といたしましては、現在尿素樹脂加工が非常に盛んになって参りました。圧延器の中に型を置きましてそこに尿素樹脂を投入いたしまして、圧搾するとたちまちマージャンができてしまう。極端な場合には、型に図形まで押しておきますと、白いままのマージャンがそっくりできるわけです。やり方としては竹まで一緒に押しつけてしまうものもあるし、竹だけ別にはめ込むものもありますが、マージャンはそのときにできてしまう。それを小さい業者に売り払いまして、自分は納税義務はないということで逃げてしまうということになるわけでありまして、責任を追及されるのは小さい下請だということになるのであります。こういう点が非常に問題でございますので、一応この連中を製造者とみなす、もちろんその連中が正式の手続として未納税移出でさらに加工業者に出しますということを届け出でて、加工業者の製造場に持っていけば、そのときは未納税で出すことを認めるということにいたすわけであります。今度の改正で脱税を防ぐという考え方に二つの問題があるわけであります。一つは、マージャン類につきましては古物マージャンというものが横行している。脱税のマージャンは印紙が張ってありませんから、すぐわかりますが、それを全部古物屋に出してしまう。古物屋にあるものは印紙は当然はがれておりますから、古物であると言えばそれでしようがない。古物を取り締る方法というのはなかなかむずかしいので、一つの考え方としては課税済みだという証明がなければ古物と認めないという方法もあるわけであります。それは消費者が一ぺん使って、古物屋に売ろうといたしますと、印紙を持って来て下さい、それがなければ私の方は買いませんということになっては、これは困るわけでありまして、その方法はとれない。もう一つの方法としては、作成して、そのマージャンを作って古物屋にいくまでの過程をしっかり把握いたしまして、課税されないものが古物屋に流れ込むということを押えればいいという、この二つの方法があるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、課税証明がなければ古物として扱わないという方法は、これはとうてい理論的にも無理がございますので、今回の改正では、古物屋に流れ込むまでのトランプ類の製造段階ごとの流れをしつかりつかまえて、そうして脱税のものが古物に流れ込むということがないようにしようということにねらいをつけたわけでございます。このような未完成骨ぱいでございますと一組というわけに参りませんので、二項で「トランプ類の製造場から移出され、又は保税地域から引き取られる時においてトランプ類としての用に供することができない」これはまだ色もつけてございませんのでできません。「できないトランプ類については、トランプ類の区分に応じ、政令で定める個数又は枚数をもって、一組とみなして、この法律を適用する。」マージャンであれば百四十出せばいいのであります。百四十出せば一組ということで課税する。で端数があればそれは一組とする。もちろん三つ出したり、四つ出したりで一組で高い税金をつけられては困りますので、あとの税率の方では一組未満のものは、その組、百四十なら百四十の一組に対する割合、つまり十出した場合には百四十分の十という税率で課税することにいたしております。以下税率は、先ほど申し上げましたが、第三種のマージャンを千円にいたしております。八ページでございます。それから二項、三項は従来の規定をそのまま踏襲いたしました。それから税額算定の特例、第十条がただいま申しました端数に対する課税でございます。
それから第三章徴収、十ページの徴収、移出組数等の申告、移出組数等の決定通知、納期、これまでは他の間接税と同じ規定でございます。
それから第十四条徴収猶予がございます。これも砂糖消費税と同じでございます。ただ一つ申し上げておきたいと思いますのは、附則の第三項、四十二ページでございますが、「この法律施行の日以後政令で定める日までの間に製造場から移出するトランプ類については、改正後のトランプ類税法(以下「新法」という。)第十四条の規定は、適用しない。」と申しますのは、今までトランプ類税は移出のつど課税されておった。印紙を買って移出のつど、というよりも、移出よりも前に前払いしておったわけです。今度はこれを月まとめになりまして、翌月の末でございますから、今までよりも一カ月半ぐらい余裕ができるわけです。さらにこれを一カ月徴収猶予を認めるということになりますと、現在の取引では実際上税金部分は先にもらっておるような取引をしておりますので、将来の問題としてはだんだん小売業者等がわかって参りまして、税金は前納していないじゃないかということで済度が遅れるということもございますので、十四条の規定はおいてはございますが、当座はまだ適用する必要はなかろうということで、今の三項で「政令で定める日まで」来年度末までの日を指定いたしまして、徴収猶予の規定は一応留保したいと思っております。
それから第十五条は未納税移出及び未納税引取、これは先ほど申し上げましたように、第六条でみなし税、それから第七条で未完成骨ぱいを完成ぱいとみなしたという関係から、未納税の引取を認めないと実際動きませんので、他の税法と同様に未納税移出、未納税引取を認めることにいたしたわけでございます。それから輸出免税は従来からございました通りでございます。
それから第十八条でございますが、十七ページでございます。戻し入れの場合のトランプ類税の控除等、これは一ぺん課税済みで出したトランプ数等が汚れたとかいろいろな理由で製造場に戻って参りますと、その場合にはもう一回出るときまた課税されますから、従来の規定では再不課税の規定がございまして、一へん課税済みで出たものがある。もう一回、戻ってきてあらためて出るときは課税しないという規定がございます。ところが今の新しい消費税では、これはすべて戻入控除という形になっております。戻入控除と申しますのは、戻ってきた場合に、最初出るときにかけられていた税金相当額をその翌月のその払うべき税額から控除してやる。早く言えば一ぺん返してやるわけですね。そうして出ていくときは普通通りまたもう一回課税する。一応戻ってきたものはそこで税額控除の形で清算してしまうという形をとっておりました。ところが骨ぱい税は古かったものでございますから、南不課税という形をとっております。再不課税でございますと、実際は課税から消費までの時間が非常に長くなるわけです。税額控除の形になりますと一ぺん課税されて出て、それから戻って税額が一ペん返され、そうしてあらためて出るときにもう一回課税されるわけです。課税されるのは実際は最後に出るときになるわけです。それから消費者に売られますから課税と消費の間が非常に近いわけです。再不課税でございますと最初に課税をして一ペん出て、戻ったときには返さない。その次に出ていくときにただ課税しないというだけでありますから、最初に出したときに課税されて、その間に戻ったり、出たりして最後に消費者に行くというわけで、非常に長い時間がかかる。その間に税金は金利をもうけるということになるわけで、それはやはり戻し入れのときに税額控除をする方が筋として、建前としてはいいのじゃないかということで今度は戻人控除ということにいたしたわけでございます。
それから第五章以下は印紙納付をやめましたけれども、印紙納付には別の意味があったわけでございます。トランプ類、骨ぱいのように非常に高い税金を課したものであって、しかも物品税の、課税物知でも別に課税最低限、免税点というものがないというものは、いわゆる課税が行われているかどうかということが一べつで判定できて、それによつて取り締りが簡単にできるということが望ましいわけです。そういう意味では印紙を張らしておく、印紙がなければ脱税と認めるというのが簡単なわけです。物品のようなものになると、物によっては課税最低限があって課税物品であるかないかということがはっきりわからない。従って証紙を張らしておいても実際はなかなか実効がわからないことがございますので、物品税におきましては、証紙は特別に指定した物品だけに張らせることになっておりますが、トランプ類に関しましては物前税と変りまして全部証紙制度をとることにいたしました。証紙制度の内容は張った、あるいはその張ってないものを所持した場合の効果、そういったものにつきましては大体従来の印紙と同じことになります。ただ印紙の場合は印紙を張ってないものを所持していた販売業者は、その張るべき印紙に相当する税額を徴収されたわけでありますが、今度の場合は証紙でございますので納税は別にして、ただ移出をしたときの証拠に張っているだけでございますから、証紙が張ってなくても税金が納められている場合があるわけであります。忘れたといった場合にも税金は別に納められている可能性がございますので、証紙が張ってないからというのですぐ税金をとるということになりますと二重課税を起すおそれがありますので、その点だけは今度の規定は除外してございます。その点だけが違うわけでございます。包装その他すべて同じでございます。
それからさっき申しました未包装のトランプ類等の所持禁止の規定は二十五ページにございます。「第二十六条トランプ類の販売業者は、次に掲げるトランプ類を所持し、譲り渡し、又は譲り受けてはならない。」これには後に申し上げますが罰則がついております。「第十九条第一項の規定による包装をしていない」もの、トランプ類、包装をしてないものを持ってはいけない。「第二十条第一項の規定による証紙のはり付け」、包装してございませんでも証紙が張ってないものあるいはそれに検印がしてないもの、または第三十五条による証印がないトランプ類、と申しておりますのは第三十五条は脱税が摘発されたという場合に、その脱税品を販売業者が持っておりますと、またその次に課税をされる。脱税として摘発されるおそれがあるので、それを税務署に持って参りまして、それはもう脱税ではあるが税を納めたという印の検印を排してもらう制度がついてございます。それが押してないトランプ、そういうものを持っておってはいけないということにして、これは印紙の納税の場合と同じような規定をしてございます。
第三号は「第二十三条の規定により消されていない証紙がはり付けてあるトランプ類」、証紙は必ず印紙と同様に判こによって消さなければいけないということをいっておりますが、消さないものを持っておってはいけない、なぜ消さないものまでうるさく申すかと申しますと、消さないものを出しておきますと、それをはがして何回も使えるから一ぺん必ず消すということにしたいと思います。「次に掲げるトランプ類については、前項の規定は、適用しない。一 第十七条に規定する包装及び表示をしたトランプ類」、未納税移出あるいは免税をいたしました場合には、正式の包装をしないでいいということにしておりますが、その分はよろしい。それから「前条第二号に規定するトランプ類」これは端数のトランプでございます。端数のものを一個、二個出します場合に一々包んで証紙を張らせるわけに参りませんので、それは端数の場合はよろしい。端数の場合と申しますのは、大体補充用に一つ、二つ持っていくというような場合でございますが、そうめったにあるわけではない、これはよろしい。それから三号は先ほど申し上げました古物の問題でございます。「古物(古物営業法)第一条第一項」の規定「に該当するトランプ類で、古物常業法第十七条又は第十八条(帳簿)の規定により帳簿に記載されているもの。」古物台帳に載っておるものは、たとえ証紙が帳ってなくても、あるいは包装ができてなくてもいい、こういうことになるわけでございます。
第六章 納税の担保、この担保の規定は他の税法と同様の規定でございます。ただ砂糖消費税等におきましては、政令で規定をいたしておりました増担保の問題を、今回は法律にあげて参りまして、これは二十九ページの第二十九条の二項でございますが、「国税庁長官は、第十四条、第二十七条第一項若しくは第二項又は前項の規定により提供された担保物が滅失した場合又はこれらの規定により提供された担保物の価額が減少し、若しくは前条第七号に掲げる担保に係る保証人の資力が納税を担保するのに不充分となったと認める場合には、政令で定めるところにより、当該担保を提供した者に対し、これらに代るべき担保又は増担保の提供を命ずることができる。」これは従来から政令に置いてあった規定でございますが、増担保ということは新しい担保を取ると同じような意味がございますので、法律にあげたわけでございます。担保の処分は各税法とほぼ同じ例文になっております。
それから「第七章雑則(利子税額)」それから三十二条の「(製造又は販売の開廃等の申告)(記帳義務)(申告義務等の承継)」までは各税法と同じでございます。
それから三十六ページの三十五条に(課税済証印)というのがございます。これは先ほど所持禁止のところで申し上げたものでございます。「第十五条第六項本文、第十六条第四項本文、第三十七条第三項又は第三十八条第二項本文の規定によりトランプ類税が徴収される場合において、当該トランプ類税に係るトランプ類を所持する販売業者は、政令で定めるところにより、当該トランプ類の包装に、既にトランプ類税を課されたものである旨の証印を受けることができる。」で、第十五条第六項本文と申しますのは、未納税移出をして、その定められた期間までに、定められた場所にその物を入れなかった場合には税金を徴収されることになります。同じように輸出免税を受けながら他の用途に使ったとか、定められた期間に輸出をしなかったという場合。それから三十七条三項または三十八条二項は、不正がありまして税額を課せられる場合がございます。これらの場合は税額を取られておることは間違いないのでございますから、販売業者がそれを持っておった場合には課税済証印で証明してもらうことになるわけでございます。
次は「三十六条(当該職責の権限)」でございます。これはちょっとほかの税法と違っておりますのは、その第二号でございます。「トランプ類の製造者にその製造に必要な原料若しくは材料を給付する義務があったと認められる者又は当該義務があると認められる者に対して質問すること。」というようなものが入っております。従来の規定では、製造者または販売業者に対してはかなりきびしい質問検査権がございますが、その製造者に対して原材料を供給したという者については質問検査権はなかったわけでございます。直接税の方におきましては、納税義務者と取引のある者も質問検査の対象になるということになっております。と申しますのは、間接税か主として引取課税という建前の当時におきましては、一々出ていくものを出ていくつど物として押えていくという建前になっておりますから、いかなる数量が作られたかという最終的な判断をせずに、一々個々の物を監視していけばいいという考え方に立っておりました。その後だんだん移出課税になりますと一カ月分を取りまとめて申告さしてそれの正否を判断するというふうになって参りますと、当然その製造工程、製造の数量というものを推定してその正否を判断する必要が出て参ります。そういう意味では直接税の所得の検査と似たような判断が必要になってくる。そういう意味で、今回は、この製造者に必要な原材料を供給した者に対しても、質問検査ができるという規定を特に入れたわけでございます。もっともこれは今回あとで御提案出し上げる揮発油税法等には、実際問題として原料は全部輸入でありますから、これは入っておりませんが、将来物品税法等についてはこの規定を入れる必要があるのではなはいかと思います。
失礼いたしました。質問検査権と合せて申し上げましたが、質問権だけでございます。検査までは必要なしということになっております。
それから次は罰則でございます。罰則は従来の印紙税当時の罰則とほぼ同じ、それ以上に重くも軽くもしないように考えてやったわけでございますが、ただこんどは申告制度になっておりますから、第三十八条に「申告書の提出を怠り、又は偽りの申告書を提出した者」といったような規定が入りまして、いわば新しい罪ができた。それから二号、三号も、未納税移出、輸出免税の場合に他にそれを使用したというような場合、これが新しく付け加わっておるわけでございます。その他四十条の刑法の適用除外、四十一条の両罰規定、これらは従来の通りでございます。
付則の中で特に御注意願いたいと思います点は、第一は「この法律は、昭和三十二年七月一日から施行する。」ということにいたしております。これは一つには、従来印紙納付という制度をとっておりましたので、その切りかえ時に印紙を多数持っている者もございます。その準備という点から申しましても、若干予告期間を置いた方がいいということ。こんど新しく証紙制度を採用いたしますので、税務署の事務もにわかにこれに応じがたい点もございますのと、課税制度が根本的に変りますので、それに対する広報宣伝、あるいは税務署内部における解釈取扱いといったものの統一をはかるというような点からも、若干この施行期日をずらした方がいいのではなかろうかということで、七月一日ということにいたしております。
なおこれに関連して申し上げますが、このトランプ類税法の収入見込額は、この間御提出いたしました租税印紙収入等の説明書の中におきましては、印紙収入の中に計上してございます。従来の骨はい税法当時はこの印紙収入として、骨はい税という税目はとっておりませんで、印紙収入の中に一括してあげておったわけです。こんど七月一日から実施をいたしますので、この実施までの間は印紙収入になりまして、その残りがトランプ税法の収入になるわけでございますが、額も非常に少いのと、従来との比較対照という意味から申しまして、二つに分けるというのもかえってわかりにくいという意味で、印紙収入の中に合わせて含めてございます。名前も骨ぱい税法からトランプ類税の方に変っておりますので、あらためて七月実施とともに科目を起しまして受け入れをするということになっております。
それから第三項は先ほど申し上げました徴収猶予を若干留保するという規定でございます。それから五項は現在すでに製造してできておりまして、この法律が施行された日にまだ製造場に置いてある。しかし印紙は張ってあるというマージャンその他トランプ類があるわけですが、こういうものはどうなるかという問題、ことに税金の下ったマージャンは高い印紙が張ってございますので、どうしたことになるのかという疑問がございますので、これはこの法律施行の日に製造場から移出したものと一応みなすわけです。ですから一応課税済みで前から出ていると同じとと。ところが第十一項は「この法律の施行前にトランプ類の製造場から引き取られたトランプ類が、この法律の施行の日以後に当該製造場に戻し入れられた場合には、新法第十八条第一項中「当該移出」とあるのは「当該引取」と、「トランプ類税額(利子税額及び延滞加算税額」とあるのは「骨ぱい税額(延滞加算税額」と読み替えて、同項の規定を適用する。一ということで、移出されたものが戻りますと、新法の規定がそのまま適用になるわけであります。従って、戻入控除で、従来の税額二千円を控除してもらうかわりに、新しく出すときには千円で税課されていくということで、不都合がないようにいたしております。
それから、ついでに申し上げておきますが、十項は「トランプ類の製造場から引き取られたトランプ類で、この法律の施行前に当該製造場に戻し入れられたもの」、前に印紙を張って出しておって、この法律が施行される前に戻っておったというものが出ていく場合にはどうなるかという問題がございます。これも同じ問題でございますが、その場合には、「当該戻入れの月」とあるのを「この法律の施行の日の属する月」と読みかえて新法を適用する。従いまして、七月の翌月、つまり八月の支払税額のうちから引き取りの際に払って出しました二千円という印紙に相当する税額を控除いたしまして、その後出ていくときには、今度は普通通り、移出課税で千円で課税されるということになります。
それから第十二項は、これは同じような問題でございますが、戻入ではなくて、一ぺん作ったマージャンを製造場から出して、他の製造場に戻し入れた場合、他の製造場に入れた場合、これは移入でございますが、この場合は、出ていくときに税額を控除いたします。それと、それによって二千円で出たものが他の製造場に戻れば、出て行くときに千円課税されて、二千円控除されるということになるわけでございます。
あとは、いずれも規定の整備に関する付則でございます。
はなはだ簡単でございますが、一応御説明を終らしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/2
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003・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 次は、とん税法案。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/3
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004・山下武利
○説明員(山下武利君) それでは、とん税法案及び特別とん税法案の内容につきまして、御説明を申し上げます。
トン税は、外国貿易船が開港に入港いたしましたときに課せられます一種の流通税であります。各国ともにこの税制を持っておるようであります。わが国におきましては、現行法は、純トン数一トンごとまでに五円という税率が課せられておるわけであります。これを諸外国の例に比較して見ますというと、非常に低くきめられておるのであります。たとえばアメリカにおきましては、トン税は国税でありますが、トン当り六セント、すなわち、邦貨に換算いたしまして、二十一円六十銭であります。イタリアでは、やはり国税でありますが、四十三円五十銭、このほかに、荷物とかお客の童に応じまして若干の投錨税、いかりを下ろす税でございますが、投錨税、やはりトン税に類似のものをこの上に賦課しております。それからフランスにおきましては、国税と地方税と合さって、両方で七十円余りであります。いずれも、この例でごらんになりまするように、日本は各国の例に比較して非常に低いわけであります。従って、今次の税制改正の一環といたしまして、トン税を適正な率に引き上げることを考慮いたしたわけであります。もちろんこれは、トン税を上げまするというと、船舶の負担が増すことになるわけでありますが、他面日本の船主は、現在船舶の固定資産税というものを地方税として負担しておるわけであります。外国の船主はこれを負担しないということから、対外競争の面におきまして、非常な不利をこうむっておるわけであります。これを何とか軽減したいという声が以前からあったのでありますが、何分にも市町村の財源にも関係することでありますので、なかなかそれが実現いたしませんでしたが、今般、それではトン税を上げることによりまして、逆に固定資産税の負担を軽減するという措置をとってはどうかということに相なったわけであります。で、いろいろと試算をいたしました結果、今般提出いたしております法案におきましては、現在のトン税五円を八円に上げまするとともに、これに加えて、別に特別トン税十円というものを取りまして、これによって生じまする日本船主の負担の増加は、一方地方税でありまする外航船舶の固定資産税を半減することによって埋め合せをする。で、他面これによって、市町村の財源が減って参りまするので、特別トン税として徴収した十円は、これを地方に還元をするという仕組みをとることにいたしたわけであります。その結果、日本の船主は、差引相当の負担の減になるとともに、固定資産税が軽減されることによりまして、従来外国船主との間に設けられておりました非常な不利な負担というものが軽減されるということになって参ります。また、地方団体といたしましても、差引若干の収入の増加になる。それから国も、ある程度トン税収入の増徴をはかり得るという、つまり三方ともに幾らかずつ得るところのある結果となる次第でございます。もっとも、その半面といたしまして、外国の船主はそれだけ負担が増すわけでありますが、しかし、初めに申しましたように、十八円という率は、これは、米貨に換算いたしまして五セントに当るわけでございますが、アメリカの税率は、先ほど申しましたように、六セントでありますので、比較的低いアメリカの税率に比べても、なお低い線にとどまっておる。ましてほかの国に比べますというと、なお相当にトン税の負担というものは低いわけでありまして、国際的にも、決して問題になるような税率ではないと考える次第でございます。
それで、現行の法制におきましては、同一港に一年間に何べんも入って来る船の便宜をはかりまして、五円のトン税に対しまして十五円、すなわち三回分を一度に納付しますというと、その一年間はトン税を納めないでもよろしいということになっておりますので、改正法におきましても、これを踏襲いたしまして、トン税につきましては二十四円、特別トン税におきましては三十円を一度に納付したものは、一年間トン税並びに特別トン税を納付することを要しないということにいたしておるわけであります。
なお、トン税と特別トン税とは、税関におきまして合せてこれを徴収することになっております。
以上が大体この両法案の趣旨でございますが、何分にも噸税法は、明治三十二年に成立した非常に古い法律でありまして、立法の形式も、現在の法文の様式とだいぶ遠いわけでありますが、この際に、これを全部書き改めまして、形式の整備をはかった次第であります。
内容につきまして、おもな点だけをかいつまんで申し上げまするというと、現行法におきましては、納税義務者が船長に限られておるのでありますが、これは、実情にかんがみまして、船舶運航者またはその指定する者も納税義務者となり得ることにいたしました。
それから、現行法におきましては、税の納期の規定がはっきりいたしておりませんので、これを船舶が出港いたしますときまで、または入港してから五日以内に船舶が出港しないときには、その五日以内というものを税の納期といたしておるわけであります。
それから、現行法におきましては、トン税を課さない場合といたしまして、海難その他やむ得ざるときという規定があるわけでありますが、これをもう少し規定の整備をはかりまして、これはとん税法案の第七条でございますが、「海難その他航行上の支障が生じたことにより入港する場合」、二は、「検疫のみを目的として一時入港する場合」、三は、「避難のため一時入港する場合」、三は、「避難のため一時出港し、その理由の消滅後直もに同一の開港に入港する場合」、四は、「出港後二十四時間以内に他の開港又は不開港に寄港することなく同一の開港に入港する場合」、この四つの場合を限定いたしまして、非課税の場合を明らかにしたわけであります。
今まで御説明いたしましたのは、大体第七条までの御説明でありますが、第八条以下、「積量の測度」につきましては、現行法と同様の規定でございます。
それから第九条の「担保」は、船舶のトン数が明らかでない等の理由によりまして、出港時までに課税標準が明らかでない場合には、担保を提供させるという規定でございます。
第十条は、国税徴収法は、トン税の徴収については適用しないということになっております。これは、船舶の出港自身を押え得るということから出てくるわけでございまして、現行法の通りであります。
第十一条「審査の請求及び訴願」は、関税法と同様の規定をトン税にも準用することにいたしております。
第十二条と十三条は、罰則でありまして、現在は、トン税を逋脱した場合には、逋脱税額の三倍の罰金に処するということになっておりますが、これを「三年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金」、なお両罰規定を設けましたのは、現在のこういう法律の罰則の例にならったわけでございます。
第十四条の「犯則事件の調査及び処分」につきましては、現行法と同様の規定でございます。
附則は、大体におきまして、他の法令との関係上、条文の整備をはかったのでありまして、実質的な意味に乏しいのであります。ただ、附則の第三項におきまして、先ほど申し上げましたように、一時納付の規定によりまして、一年間トン税を納付することを免除されておるものが、この四月一日現在におきまして、なお、その残存期間を持っておる場合にどうするかという規定であります。これは、残存期間に按分して計算をいたしました一時納付の金額の部分は、四月一日以降最初に入ってくる港で納めるべきトン税及び特別トン税から控除するということにして、経過的な措置をはかっておる次第でございます。
以上がとん税法案の説明でありますが、特別とん税法案におきましては、第一条におきまして、先ほど御説明しましたように、「別に法律で定めるところにより地方公共団体に財源を譲与するため、外国貿易船の開港への入港には、この法律により、特別とん税を課する。」と、課税の目的及び課税の物件を明らかにいたしております。「別に法律で定めるところ」といいますのは、別に御審議を願っております特別とん譲与税法案を指すわけでございます。課税目的は違いまするけれども、課税物件その他の取扱いにおきましては、トン税と特別トン税とは全く同様でございます。
第三条以下の規定は、先ほど御説明申し上げたところで尽きておりまするので、以下省略さしていただきます。
以上がとん税法案及び特別とん税法案の内容の説明でございます。
次に、関税定率法の一部を改正する法律案の内容について、御説明を申し上げます。便宜お配り申し上げました新旧対照表によって御承知を願いたいと思います。
まず、第十三条は、製造用原料品の減税及び免税の規定でございます。ある物品を輸入いたしまして、それを原料品として、その輸入の許可の日から一年以内に、税関長の承認を受けた製造工場で製造が完了するというものにつきましては、その原料品の関税を減免するという規定であります。これと、新たに第一号といたしまして、配合飼料のうち政令で定めるものの製造に使用するための大豆及び脱脂大豆というのを追加いたしました。大豆は、御承知のように、昨年十月以来課税になったのであります。大豆を入れまして、その油をしぼって、そのかすから配合飼料を作る場合は、現在実際の扱いといたしましては、保税工場でもって免税の措置をとっておったのでありますが、法制的に若干の疑義がありましたので、ここに法令を整備いたしまして、原料品の免税に規定をいたした次第であります。それからその次に、油の製造に使用するための落花生というものを削ることにいたしました。これは、従来大豆が免税であったときには、油を作るための落花生も免税のバランスがとれておったわけでありますが、現在油をしぼるために大豆には課税されることになったので、それとの権衡上、落花生にも課税をすることにいたしたわけであります。実際問題といたしまして、輸入される落花生は、ほとんどが食用として入ってくるのでありまして、油をしぼるために入ってくるということは、実際問題としてありませんので、この規定は削除いたしましても、実際には問題はないと存じております。それからその次に、アセトン及びブタノールの製造に使用するために、現在は変性糖みつが製造免税になっておりますが、これに「なつめやしの実(干したものに限る)」これを加えました。アセトン及びブタノールの製造のために使います変性糖みつが、現在非常に品がすれで、値段が上っております関係から、何かこれにかわるものというので、物色しておりましたところが、イラクに産しますなつめやしの実が適当であるというということになりました。たまたまイラクとの貿易は、日本の出超で、片貿易であります関係から、こういうものを入れて、アセトン及びブタノールの原料の不足を補いたいというのが趣旨であります。その場合の、原料品として入ってくるなつめやしの実は、免税にするということにいたした次第であります。
第十四条は、「無条件免税」の規定であります。これに、実際上の必要に基きまして、「国際連合又はその専門機関」、これは、主としてユネスコでありますが、それから「寄贈された教育用又は宣伝用の物品」、実際は、レコードとか映画とかいったものが多いわけでありますが、それを免税に追加いたしております。それから第十号に、「本邦から輸出された貨物でその輸出の許可の日から二年以内に輸入され、その許可の際の性質及び形状が変っていないもの。」これは日本から一たん出しましたもので、積み戻ってくるものが、全くその性質、形状を変えないで二年以内に入ってくる場合も免税をいたしておるわけでありまして、実際問題といたしまして、この大部分の適用は、日本から出ましたもののクレーム品が戻ってくるわけでありまして、クレーム品は、現地におきます補償等の関係から、五年程度を経て入ってくるものが相当あるわけでありまして、これを包括するために、二年を五年に延長いたしたわけでございます。
それから第十六を御説明いたします。第十六は、養殊真珠でございます。最近における日本の養殖真珠業者がオーストラリアまたはビルマ等の現地に出かけまして、そこと技術提携をいたしまして、そこで養殖いたしました白蝶貝の養殖真珠を日本に入れまして、そして交換をやったり、あるいは加工をやったりいたしまして、それをほとんど全部アメリカに輸出するという計画があるわけであります。これは、本来ならば保税作業でもってやるべき性質のものでありますけれども、事の性質から、保税作業として実際には扱い得ないようなものでありますので、これを免税の対象にいたしたいと考えておる次第でございます。
それから第十五条は、「特定用途免税」であります。これも実際上の必要に基いて規定したものでありまして、「国若しくは地方公共団体又は大蔵大臣が指定するその他の団体」が開催いたします見本市におきまして、その会場で見本品として無償で提供されて消費されるもの、たとえば、チーズでありますとか、小麦粉でありますとか、そういったようなものが実例が多いのでありますが、そういうふうなものは免税の対象にいたしたいということであります。
それから第六号は、船別品の免税であります。現在、外国と本邦との間を往来する船に引き渡される船用品、おもに船用の油でありますが、これは、免税でもって引き渡すことができることになっております。これに準ずる遠洋漁業船、つまり外国までは行き着かないけれども、本邦外国往来船と似たような、それに準ずるような性格を持った船舶に引き渡される船用品は免税にしようというのが第六号の趣旨であります。それから第九号は、日本に住所を移転するために日本に入って来る者が、入国に際して「輸入し、又は政令で定めるところにより別送して輸入する自動車、船舶」、飛行機は、これは実際にはありませんが、これは主として自動車でございます。で、「当該入国者又はその家族の個人的な使用に供するもの。但し、その入国前六月以上これらの者が使用したものに限る。」とありますのを、一年に延長することにいたしております。これは、実際に引っ越し荷物として入って参ります自動車が多いのでありますが、現在この規定を利用して、引っ越し荷物と称して、その年度の新車を入れてくる例が相当に多いものでありまして、それをとめるために、その入国前に使っておった期間を一年に延長したわけでございます。
それから第十七条の再輸出免税、これも実際の必要から設けたものでありまして、日本に入って参りますところの外国の映画製作者の持って参ります映田撮影用の機械、器具を規定いたしております。
それから第十九条の二は、「課税原料品による製品を輸出した場合のもどし税」でございます。これは、一たん原料品を内貨として日本に引き取ったあとで、外貨原料が足りなくなって、急にそれを保税工場に持ち込んで、輸出貨物を製造して輸出したという場合にも、一たん課税した原料についてはもどし税の制度が現在はないのでございます。これをもどし税の対象に加えるというのが十九条の二の趣旨でございます。
それから二十条は、医薬品等を外国に送り返します場合に、これを送り返すという事実がありますというと、その分が免税になるわけでありますが、その関税を払い戻すことになっておるわけでありますが、実際問題として運賃もかさむし、向うも受け取れないという場合に、これを廃棄処分にしたいという場合にも、現在の法規では、関税払い戻しの制度がありませんので、これを二十条で追加をいたしたわけでございます。
それから、別表の方の改正が若干ございますので、それを御説明申し上げます。
一番初めに六百二十一号シードラック、セラックというのを、現在の無税からそれぞれ一割及び一割五分に引き上げることにいたしております。セラックというのは、御承知のように家具に塗りますニスの材料にするのがおもなものでありますが、この原料は、主としてインドあたりから参るのであります。現在は、原料も製品もそれぞれ全部無税になっております。セラックというのは最終製品でありまして、シードラックというのはその中間製品であります。ところが原料も中間製品もあるいは完成品も、全部が無税であります関係から、むしろ現地から製品を買った方がいいといったような価格の関係になりますので、国産を保護する意味から半製品と完成品にそれぞれ適当な税率を盛った次第であります。それからその次、六百七十三号のDDT。それから六百七十八号の硫酸ニコチン、これは主として農薬に使いますところの薬品でございますが、これらは従来、ほとんど全部が日本でもって自給をいたしておったわけであります。ところが為替自由化の方向に従いまして、去年の秋あたりからこれを自由に入れることになりました関係から、外国の安いものが非常にたくさん日本に入るようになりました関係で、国産を保護する意味から適当な税率を盛った次第でありまして、DDTは現在の二割から三割に上げ、硫酸ニコチンは無税から二割に上げております。で、これに伴いまして、農薬が上るのではないかという御懸念があろうかと思いますが、実は逆でありまして、現在国産は割合に割高なのであります。これが外国のものが入ってくるということに刺激されまして、若干そこに値下りを来たすのではないかというふうにわれわれは見ておるわけでありまして、企業努力等にもかんがみまして、将来ともこの税率をなるべく下げる方向に持っていきたいというふうに関係者と話をしておるところであります。それから六百九十五号に二酸化ゲルマニウムというのがございます。ゲルマニウムは真空管の代用に使われることになりましたトランジスターの原料でありまして、日本でも相当に需要がふえて参っておるわけであります。電子管工業を保護するという意味から、現在二割の関税がかかっておりますのを引き下げまして、これの需要を促進していきたい。また、若干国産もあることでありますので、これに五分の関税を盛ることにいたしております。その次の黄麻の糸及び織物でありますが、これは一番うしろにあります九百四十二のガンニー袋と一緒にごらんを願いたいと思います。実際の意味はガンニー袋の方にあるわけでございまして、ガンニー袋は原料になります黄麻をインドあるいはパキスタンあたりから入れまして、ほとんど全部を日本でもって作っておるわけであります。これが需給の関係が非常に逼迫いたしました場合には、製品そのものをインドから入れて参ることになるわけであります。これがやはり価格の関係から相当外地のものが安いというので、国産を保護する意味で現在の五分を一割五分に上げております。これも先ほど硫酸ニコチン、DDTで申し上げましたように、決してガンニー袋の値段が上るのではなしに、むしろ安い外座のものに刺激されて幾らかでも価格が安くなるということをねらっておるわけであります。糸と織物はガンニー袋にあわせまして、糸に一割、織物に一割五分の関税を盛ったわけであります。九百九号の合成繊維及び編物につきましては、これは単なる規定の整備でありまして、実際の輸入はほとんどありませんが、現在、合成繊維のものはほとんど二割五分の率を盛ることになっておりますので、これとの均衡上現在の一割工分を二割五分に上げた次第であります。以上で関税定率法の一部を改正する法律案の内容の御説明を終ります。
次に、関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の内容について御説明を申し上げます。この法律は、関税定率法の暫定的な適用を規定したものであります。その中には主として一年限り減税または免税ということを規定したものが多いのであります。現在この法律によりまして減免税の適用を受けておりますものは、いずれも経済事情に大した変化がありませんので、もう一年これを続けていきたいというのが、これの大部分の趣旨であります。
第一番に上りますのは付則の第五項でありまして、いわゆる政令で定める事業の用に供される機械類、重要な機械類であって本邦で生産のできないようなものにつきましては、政令でもってその品種を指定して免税いたしておるわけでありますが、これをさらに一カ年間延ばすということに相なっております。ここに当該事業の用以外の用に供し得ない期間を五年と規定いたしておりますのを、今回二年に改めることにいたしておりますが、これは、当初こういう大きな機械類はプラントの設置等に相当の時間がかかるというふうなことも見込んで、相半長い年限を置いたのであります。実際問題といたしましては、補整作業その他によりまして設置される場合が多いのであります。必ずしも長い年限を必要としないということから、普通の事業用途外使用制限期間であります二年に改めようというのがこの趣旨であります。
それから、第八項は同じく学童給食用の脱脂ミルクであります。これもあと一年間延長しようという趣旨であります。
第十二項は同じく政令で定める原子力の研究の用に供されるもの。
それから第十五項は、「法の別表に掲げる物品のうち、別表甲号に掲げるもの」というものであります。その甲号の内容は相当多いのでありますが、おもなものといたしましては小麦、A重油、四エチル鉛、航空機並びに同部分品といったものであります。これも同じくあと一年間延長しようということになっております。この中で一つだけ新しく付け加えたものがあります。それは次のページの裏をごらん願いますと、別表甲号の六九五という所に、「四エチル鉛並びに放射性元素及びその化合物」というのがあります。放射性元素及びその化合物というのを新しく加えたのであります。いわゆるアイソトープであります。アイソトープは現在学術研究用に入って参りますものは別途免税をいたしておりますが、最近医療用でありますとか、あるいは工業用でありますとかに使われるものが相当に入ってくる傾向にありますので、いずれもその需要を促進するという意味から、これを一年間の暫定免税に加えた次第であります。
それから十六項に戻っていただきまして、十六項は、「別表乙号に掲げるもの」というのは、これは暫定的に一部減税をいたしておるところの品物であります。これのおもなものは、原油、BC重油、カーボン・ブラックといったようなものであります。いずれもこれも経済情勢にさしたる変化がないということから、この一年間減税を現状通り続けていきたいということであります。これに一つだけ追加いたしたものがあります。それは一枚めくっていただきまして、次の別表乙号という所に付け加えておきましたが、合成なめし剤というのであります。合成なめし剤は天然タンニンと合せ用いまして、皮をなめす場合に非常にその効力がよく出るというものでありまして、だんだんに日本でも需要がふえて参っておるわけであります。これを皮革工業を保護するという建前から、安く入れようということで、現在の税率二割を一割に引き下げております。
それから最後に第十九項は、鉄鋼の暫定減免税であります。鉄鋼は御承知のように最近需給か非常に逼迫して参りまして、国内におきましても増産態勢に入っておるわけでありますが、なお足りないので相当に緊急的な輸入を続けなければならないような状態であります。そこで、緊急的に輸入されて参ります鉄鋼で、しかもそのときの値段が海外の方か割高であるという場合には、政令でその期間と品目とを指定いたしまして、鉄鋼の関税を減免することができるということにいたしたわけであります。ちなみに、現在の鉄鋼の関税は、銑鉄につきまして、一〇%、鋼塊並びに鋼片につきましては一二%半、鋼材につきましては一五%であります。この減免をする条件が二つありまして、一が需要が非常に逼迫しておるということで、その価格が非常に上っておる、あるいは著しく上昇する危険があるという場合、それから第二は、輸入されるところの値段が本邦の主要な生産業者の生産した同等品の本邦における卸売価格よりも引き続き高価であると認められる場合、この二つの条件に該当いたします場合に、政令で品目と期間を指定して関税を減免することができるということにいたしたわけであります。ただ、この規定は昭和三十五年三月三十一日までに輸入されるものに限った次第でありまして、つまり三年間ということにいたしましたのは、三年後に今の計画でいきますというと、大体において現在のような鉄鋼の需給の逼迫は解消に向うであろうというめどが立つ次第でありまして、その期間の間だけこういうふうな暫定措置を講じたいというのが、この法律の趣旨でございます。
以上で関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の内容の説明を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/4
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005・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 以上について質疑を行いたいと思いますが、御質問がありましたらどうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/5
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006・土田國太郎
○土田國太郎君 御承知の範囲でけっこうですが、このトランプのメーカー、マージャンのメーカーというのは、たくさんあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/6
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007・原純夫
○政府委員(原純夫君) ただいま資料を持ってきておりませんが、私の記憶ではマージャンのメーカーは、そう余計ないように記憶しております。数十でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/7
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008・土田國太郎
○土田國太郎君 それから、このトランプの納税の問題ですね。その場合担保をとるというようなことになるようですが、これは原則としては、どういうことになっているのですか、平常の状態においては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/8
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009・原純夫
○政府委員(原純夫君) それは税を保税するための担保ですから、当然担保を供するということじゃございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/9
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010・土田國太郎
○土田國太郎君 それから、古物屋で無印紙のものでも、帳簿についてあれば、売ってもいいというような法律のようですが、それはどういう方法をもって脱税を防止できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/10
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011・原純夫
○政府委員(原純夫君) 非常に私どもが考え悩みました点で、帳面に載っておるというだけで脱税でないかということは、実はそれだけじゃわからないわけであります。その古物屋へ来て売った人が、何回も転々して買ったかもしれませんが、その間最初の証紙を全部つけて売買して下さい、そうしていつも証紙がついているようにして下さいというふうに言われればできるわけですが、とてもそれはできないというので、これはやはりそういう台帳記載を要求しまして、若干ある段階までたどればということにとどまるということになると思います。で、いろいろ考えまして、何かいいチェックの方法はないかというので考えましたのが、先ほど二課長から御説明しました質問検査権の中に、原料の供給者に対して、原料を幾ら供給したということを聞けるということを、これは他の税法では、間接税にはないのでございます。ないのですが、まあ一番問題になります合成樹脂のぱいでありますと、合成樹脂の原料の尿素樹脂というのが多いそうですが、これを幾ら売ったかということで、あと原料効率で計算していきますとぴったり出てくる。まあぴったりといいましても、ぱいの大きさによって若干は違いますが、大体の正しいものが出てくるということですので、税務部内で相談しまして、間接税としては新しい例であるけれども、これはぜひ入れようということでお願いしているわけであります。条文が、三十六条の一項二号にそれが書いてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/11
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012・土田國太郎
○土田國太郎君 このマージャンなんかもえらい高率な課税のようですが、私ども買ったこともございませんし、知りませんが、まあ一種と二種は税率は、一体どんな価格のものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/12
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013・原純夫
○政府委員(原純夫君) 資料を持ってきておりませんので、私の覚えで申し上げます。三種の分でございますね、三種の分から申しますと、三種の分は製造者の総原価が、大体竹がついてるのとついてないので違ったように思いますが、ついてないのは千円ちょっとでございます。ついてるのが千三百円程度であります。それから一種、二種。一種はもう万をもって数える額であります。象牙の分は。それから二種の牛骨の分は、これはたしか四、五千円だったと思います。後ほど違いましたらなお申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/13
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014・土田國太郎
○土田國太郎君 印紙税法ですがね、外国貨幣のものは二千円ですか、手形に。あれはポンドなりドルなり、あるいは西ドイツあたりでは外国手形の印紙税はどんな程度に……、やはり二十円くらいに該当するのですか。どうなんです。その比較は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/14
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015・原純夫
○政府委員(原純夫君) お尋ねは外国で……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/15
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016・土田國太郎
○土田國太郎君 英国なり米国なりが……、外国が扱う場合ですよ。英国が日本の手形を扱う場合には——日本ではまあ二十円でいいわけですがね、英国が日本の手形なら手形を扱う場合には、どのくらいな印紙を張らせられるかと、こういうのです。つまり英、米、仏とかいう、ああいうところですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/16
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017・原純夫
○政府委員(原純夫君) イギリスの場合でありますと、日本の手形でいいますと、イギリスは日本の手形はもう自分の方は関係ない、それは一応破棄さして、イギリスの印紙を張りなさいということになっております。その税率は十ポンド以下について二ペンス、これは千二百分の一という勘定になっております。それから十ポンドをこえ二十五ポンド以下は三ペンス、だんだん上って参りまして、百ボンドをこえますと、百ポンドまたはその端数ごとに一シルリングということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/17
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018・土田國太郎
○土田國太郎君 段階があるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/18
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019・原純夫
○政府委員(原純夫君) そうです。そこでは二千分の一という税率になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/19
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020・土田國太郎
○土田國太郎君 今度印紙税の改正で、どのくらい増収になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/20
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021・原純夫
○政府委員(原純夫君) 二十億円の増収を見込んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/21
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022・土田國太郎
○土田國太郎君 それではけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/22
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023・塩見俊二
○塩見俊二君 私各税目につきまして印紙税が最も脱税といいますか、非常に法律通り執行されていない最高の税目だと思うのですが、かりに法律通り執行するとしまして、それを百として現在実際徴収している印紙税というのは大体何十パーセントくらいになるか、ちょっと見込みを教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/23
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024・原純夫
○政府委員(原純夫君) ちょっとむずかしくてお答えできないのが残念でございますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/24
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025・塩見俊二
○塩見俊二君 それではよろしゅうございます。ただ、それに関連しまして、あるいは税制調査会なりあるいは主税局の方で、何とかもう少し完全に徴収できるような印紙税の形に変えていくというような研究はなさっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/25
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026・原純夫
○政府委員(原純夫君) 印紙税につきましても、税務行政の面でできる限り取締りはしておるのでございますが、何分おっしゃる通りなかなかつかまえにくい、特に税務行政とほとんどつながりなくどんどん印紙が張られて使われますのも、税務の系統とは別なところからというようなことがありまして、なかなかうまくいっておりません。そしてお話のどうこれを改正したらよろしいかということにつきましては、いろいろ問題があると思いますが、お尋ねの税制調査会における審議会におきましては、そこまでまだ話が参っておらないような実情であります。ただ課税物件の定義と申しますか、分解といいますか、そういうようなものについて、若干の疑問があるというような点を検討しなければならぬというような程度で、これをどうしたら適正に課税できるかというところまでつっこんだなにができてないという実情でございます。なお研究いたしてみます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/26
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027・左藤義詮
○左藤義詮君 塩見さんからの御質問に適切なお答えがなかったのでございますが、そういう税の構成といいますか、徹底といいますか、そういうことをたな上げにしておいて、改正をしてなお増額をすれば困難になるのではないか、徴収が。そしてそういう中で二十億というのはどういう……、ほんとうのつまみ金で計算していらっしゃるのですか、この一十億というのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/27
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028・原純夫
○政府委員(原純夫君) どの程度課税になっておるかというのは、私どもはわかれば、何といいますか、全部取らなければいかぬわけですが、自信がないので、ただいまのように申し上げたわけでありますが、いろいろ取締りもやっておりますし、そうめちゃくちゃに出るということもないのではないかというように考えております。二十億円の収入見込みは、この種の手形の金額、枚数がどのくらいあるかということを、各般の資料から拾いまして、そして積み上げて計算したものであります。主としては手形交換所の交換の数字で、手形がどれだけ枚数があり、どれだけ金額があるかというようなことがわかっておりますので、それらを中核として、銀行を通して手形が落ちる場合、あるいは私人相互間に手形が振り出される場合、それからコール、あるいは外国為替手形というようなものはまた別にそれぞれ資料がございますので、それらを基礎として、積み上げて計算いたしたものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/28
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029・左藤義詮
○左藤義詮君 この間、私ども大蔵委員会から東海方面へ調査に参ったのですが、そのときにも業者の方から非常にこの印紙税の増徴に対して反対がありまして、そのときはまだ税率がきまっていなかったのですが、まあ税率を低くするようにという案が出ましたが、それにしてもむしろうんと税率を低くして励行した方がいいので、税率を上げれば上げるほど脱税が多くなる、こういう実際に合わないようなことをやらないようにという非常に強い要望がありたのですが、そういう点について、もう少し根本の問題を検討せられて、将来の方針を立てられる必要があると思うのですが、ただ税率だけ引き上げて、あとのお見通しについては何も御確信がないのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/29
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030・原純夫
○政府委員(原純夫君) この印紙税の課税の程度ですが、私そうめちゃくちゃに抜けているということはないと思います。随時間税課員が行って調べておるわけでありますから、まあ若干の脱税なきは期しがたいと思いますけれども、そうめちゃくちゃに抜けていることばないというふうに思います。
そしてお話の低いというのはあるいは現在のまま定額制度でいくかというお話かどうか存じませんが、提案理由の説明でも申し上げましたように、やはり何億という額面の手形もあるわけでありますから、この税の性質からいうと、それらを階級別にするという方法が、よりよろしいのではないかというふうに考えたわけであります。なお、特に今回お願いしておりますこの手形類は、手形交換所あるいは銀行、登記所というようなものがほとんど大部分でありますので、そういう意味では執行の面も比較的やりやすいのではなかろうかというような気持がいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/30
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031・左藤義詮
○左藤義詮君 そうしますと、今度これを改正せられましたら、今までのようなルーズなことでなしに、相当厳重に徴税が徹底するように人をふやすとか、あるいはもっと検査を励行するとかいうような、何か対策をお立てになっておるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/31
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032・原純夫
○政府委員(原純夫君) 一般に課税の充実は非常に大事なことでありますから、いつもその努力をしておるつもりであります。今後もできるだけの努力はいたしたいと思います。なお見積りに当りましても、ただいま申し上げましたような数字を基礎にして、幾ら抜けるというようなことは考えない。全部徴税するというつもりで計算しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/32
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033・天田勝正
○天田勝正君 他の証書もしくは帳簿というところでは、まあずいぶん脱税等もなきにしもあらず。しかし今回の改正しようとするこの約束手形、為替手形については、これは受け取る側が、印紙の張ってないものは、また違っておるものは、受け取るはずがないのですから、改正したらしたなりに私は励行されるものと思う。大かたこれは手形交換所を回るものでもあるし、金融業者が特に受け取るはずがありませんからそれはいいとして、問題は、やはり長い間の慣行であった定額制を階級別に改めた。問題はここにあると思う。で、どうしても改めなければならぬ理由がそこにあるならば、私はなるべく法律は簡便化して、大分類でするのがしかるべきじゃないかと思うのですが、まあ改正された趣旨からすれば、金額に差をつけて、かなりこの程度でも大分類だ、こういうふうにおっしゃるかもしれませんけれども、まあ二十円から千円までとこういうことで六分類ですかしておるわけですね。これはまあ三分類くらいにはできないものですか、どういうものですか、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/33
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034・原純夫
○政府委員(原純夫君) お話のような点もございます。簡便にという意味できざみ方を大きくするという考え方もございます。実はまあ率直に申しますと、案の途中まではそういうような案でおったのでございますが、また先ほど来お話のように、負担がふえるというような見地でのいろいろな御要望もあり、それではたとえば百万から千万まで一本だといたしますと、二百万、三百万のものでも九百万円のものでも同じに張らなければならないということになるわけで、そういう点について廃したらどうだというような要望もありまして、こういうように段階を五の段階、五十万、五百万という段階を入れたようなわけであります。これでも他の消費貸借の場合の段階よりも若干段階が少い。消費貸借の場合は千万の上に五千万というところを設けておりまするし、また特に十万円の下に三万円というのを設けておるというような点で、若干簡単にはなっておりますが、ただいま申し上げたような事情でこういうように相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/34
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035・天田勝正
○天田勝正君 この点の質問はまた後日にいたしますが、きょう簡単に気づいたところだけ質問をいたしますけれども、それはトン税と特別トン税ですか、それは内容の差異によって二つの税金を設けて、一方は譲与する、こういうことで区分したと思うのですが、しかし必ずしもそう考えなくてもいいので、やはり地方交付税のごとく、他の税額の総計の何パーセントとかいう工合で交付してもいいはずのものだと思うのですが、二つの法律を出して、何か若干混淆する。そういうことにもなるので、これは一つにはできないものですか。一つにして、今言ったように一定の率をかけて、それを関係市町村に交付する、こういう形も私は不可能でなかろうと思いますが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/35
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036・山下武利
○説明員(山下武利君) 一本の法律にしてできないことはありません。ただ、この場合には一般会計を通して予算に計上いたしまして、その部分をそこに譲与する、この両立ての形になるわけでございます。この法律は課税物件、課税の方法等を全く同じにしておりまするが、課税の目的において違っておりますので、二つの法律に分けた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/36
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037・天田勝正
○天田勝正君 しかしわれわれはその二つに分けたから、一つにしたからという手続的なもので賛否をきめるわけではございませんが、しかし今もお答えの通り、一つにしてもできないことではありません、こういうことなんです。それならばなるべく法律は簡単にした方がよいのであって、一つでできるものなら一つにすべきじゃないか。いろいろな事情といったって、一つにしてもいいというくらいの事情なんだから、その点どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/37
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038・山下武利
○説明員(山下武利君) ガソリン税と地方道路税にその前例がございますので、それにならってやった次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/38
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039・天田勝正
○天田勝正君 それはおかしいので、複雑にする前例があるからさらに複雑にしていくというのは、まるきり答弁は私は逆だと思う、ここに簡便にできる道を気ずかれたならば、前の複雑な方を簡便にするのがしかるべきで、それならば簡単に前のガソリン税、地方道路税も変えるべきだ。整理すべきです。そればどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/39
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040・山下武利
○説明員(山下武利君) 先ほど申し上げましたように、技術的にこれを一本にいたしますというと、それを国税として一本でとりまして、それを今度は地方に譲与するという一方の歳出を立てることになるわけでございます。初めから地方に譲与するというものでありますから、その分は一般会計の歳出から区別して落すのが適当であろうということの配意から出たものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/40
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041・椿繁夫
○椿繁夫君 ちょっと関連して。ガソリン税は目的税になっておりますね。今度の特別とん税によって地方団体の収入になりますものは、港湾の修築、あるいは維持管理のための経費にそれぞれ港湾管理者が使うということの目的税の性格を持っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/41
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042・山下武利
○説明員(山下武利君) 目的税でありませんので、地方の一般財源に使用するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/42
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043・天田勝正
○天田勝正君 だから私もそこも聞きたかったわけですが、そういうふうに、ガソリン税の場合とはもう性質が違うのです。しかも取り方も別個に徴収するというならば別として、この法律に基いて一緒に徴収するのです。トン税といい特別トン税といい、一緒に徴収するのです。だからそこにしょせん一緒にやればこれは混淆してまぎらわしいというならば、取る方も別にするなら別のこと、徴収することを一緒にやっておいて、それを別に経理だけをしてみたところで、何らそれは簡便の道には通じませんよ。それならば、これはきわめて簡単な法律なんですから、一緒にしてしまって、徴収のところだけ云々と、この説明の通りやればいいので、そこに、一条配賦はかくかくと、地方の関係市町村にだけこれは譲与するものだと、こう書けば同じでしょう。どうです主税局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/43
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044・原純夫
○政府委員(原純夫君) ただいま税関部長が申しましたように、一緒にやるというやり方もあるわけであります。しかし同時に目的が違うということ、それから一緒にやりますれば、何といいますか、地方財源としての形がより薄くなるというようなこともございます。はっきりと、国税ではありますが、地方にいく税だということを分けてやった方がよろしいという考え方もあり、こういうふうな二本立の法制をとったのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/44
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045・椿繁夫
○椿繁夫君 関税定率法の一部を改正する法律案に関連して。これは質疑は後日に留保したいと思いますが、資料を一つお願いしたい。鉄鋼の輸入する原材料について、減免する年限を延長したいということですが、鉄鋼各社の期別の生産量、ここ二、三年の生産の量の推移、並びに鉄鋼の内需、外需の別、それから利益率、利益を二年ばかり期別にお願いしたい。特に利益率につきましては、今期の三月末の予定があるはずです。その予定、それから減免の対象となる原材料の各社のストック、それから資産。これは鉄鋼各社といいましてもきりのないことですから、八幡、富士、川崎製鉄、日本鋼管、神戸製鋼、中山製鋼所、六社についてお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/45
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046・土田國太郎
○土田國太郎君 ちょっと伺いますが、このトランプ類税法案の中に、「株札」と「虫札」と書いてあるのだが、これはわからないのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/46
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047・吉國二郎
○説明員(吉國二郎君) 株札と申しますのは、普通よく申しておりますおいちょかぶというものですね。虫札と申しますのは、大阪方面で使っておりますもので、花札のヤクの一部が抜けているようなものでございます。これは後ほどお目にかけますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/47
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048・土田國太郎
○土田國太郎君 さっき外国手形の説明で、英国だけだったが、ほかはわからないのですか、西ドイツや米国は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/48
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049・吉國二郎
○説明員(吉國二郎君) わかっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/49
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050・土田國太郎
○土田國太郎君 西ドイツはどんなことになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/50
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051・吉國二郎
○説明員(吉國二郎君) 西ドイツにおきましては、百ドイツマルクまたはその端数について十五ペニヒ、変移の定率課税でございます。ちょっと日本の物品切手のような格好でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/51
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052・土田國太郎
○土田國太郎君 そうするとそれは何パーセントですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/52
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053・吉國二郎
○説明員(吉國二郎君) これは千分の一・五でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/53
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054・土田國太郎
○土田國太郎君 二十円一本でいった方がいいのですか、段階をつけた方が政府は利益があるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/54
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055・吉國二郎
○説明員(吉國二郎君) 二十円一本でございますが……、外国手形の例でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/55
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056・土田國太郎
○土田國太郎君 そうそう。ドイツがやはり外国の手形を扱う場合の……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/56
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057・吉國二郎
○説明員(吉國二郎君) 外国に出します手形は、ドイツの場合はこれの半額になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/57
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058・土田國太郎
○土田國太郎君 十円。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/58
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059・吉國二郎
○説明員(吉國二郎君) 十五ペニッヒの半分軽減でございます。ですからその点はドイツの方よりきつくなります。率は低くなりますが、定率でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/59
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060・土田國太郎
○土田國太郎君 大体一本の方が増収になるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/60
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061・吉國二郎
○説明員(吉國二郎君) いや増収と申しますより、先ほど申し上げます通り、ドイツ、英国ではいずれも外国からきた為替手形をもう一回課税いたします。ですから外国からきた手形も取りますし、外に出ます手形も取るという形になっております。いずれも外に出る手形は有利になっております。日本の場合は、アメリカから輸出して日本に為替手形が入ります場合には、これには課税しない。日本の外に出るものだけを課税するということになりますと、日本の輸出業者は損するということになります。そういう点から申しまして定率にしておく方がよろしい。日本でも外国からきた手形をもう一回課税する形をとりますと、これもだいぶ考え方が違うと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/61
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062・天田勝正
○天田勝正君 関税定率法に関連して私二つこまい点で伺いますが、それは新旧対照表の、ページが書いてないんですがね、十四条の十六というところがある。養殖真珠のところ、養殖真珠の「(主として輸出されるものに限る。)」この「主として」というのは何ですか。輸出されるものに限るならば、まあこれが少しあやふやだとしてもわかるけれども、「主として」とある場合は考えられるんだけれども、これは何ものかということ、この「主として」は何ものか、これが一つ。
それから今度その次の六のところの一番しまいの方、「その他の事情を勘案して税関が適当と認めるもの」。この「税関」というのは一体だれを指すのか、税関という地位があるわけはないし、末端の事務官というか何というのかしらぬけれども、それが適当と認めるならばそれでいいのやら、税関長が認めればいいのやら、税関支所というものがあるんだが、それが委任されてそれでいいのやら、税関部長まで来なければならぬものか、主税局長まで来なければならぬものか、そういうことがあいまいでしょう。そういうものを私は法律だからきちっとした言葉で整理してもらいたいのですが、見解として。これを問うて、あと資料を要求いたしておきます。それは無条件免税というのがありますが、これによってどのくらい免税されるのか、それは実績でもよろしゅうございます。今まで幾ら入っておったから、これはこのくらいだろうというのでもよろしゅうございます。
それから特定免税というのがございますね。これでもこれは幾らなのか。あるいはその次の再輸出免税、これも幾ら今まであったのか、ある見込みなのか。さようなことを一つもう調べてあると思いますから、御提出を聴いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/62
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063・山下武利
○説明員(山下武利君) お尋ねの第一点でございますが、「主として輸出されるもの」というのは、先ほど申し上げましたように南方方面で養殖されて参りました真珠で、日本で交換されたりあるいは加工されたりしたものは、従来主としてアメリカへ輸出されるという事実があるわけであります。これが「輸出されるものに限る。」ということでありますれば、租税制度その他をとってやらなければならないので、あえて法律の規定を待つまでもなく、現行の保税倉庫で、あるいは保税工場でもって扱わなければならない性質のものでありますが、実際問題といたしまして、入って参ります白蝶貝の養殖真珠は日本人の嗜好に合わない、ほとんど国内で使用されることがないという需要関係があるわけであります。もちろん若干のものはそれは日本でさばかれることがあるかもしれませんけれども、しかしながら、税関といたしましては、国内で、完全に外国へ輸出されるということを確認するまでもなく、そういうものが入ってきた場合には免税し得るという規定を設けたわけであります。これはちょっと考えようによるとあいまいな規定でございますが、実は前例があるわけでありまして、第十四条の第十五項というものが現在ありまして、「増殖用の動物(増殖された動物又は当該動物からする生産品が主として輸出されるものに限る。)で大蔵大臣が指定したもの」、これを今無条件免税の方へ入れております。これは実際問題といたしまして北海道で養殖いたしておりますミンクでございます。アメリカからミンクを入れまして、それを日本で飼育しまして、その子供をアメリカにまた再輸出する、もちろんミンクの皮を、子供を増殖いたしまして、そのミンクの皮はアメリカへ輸出するという場合に、その親の動物が免税になっておるわけであります。これはもちろん皮が全部アメリカに出るという保証はありませんので、一部日本で使われるものもあるかと思いますが、そういう事実関係に基いてこれを認めておるという次第であります。
養殖真珠もちょうどそれに類するような関係にありますので、ここに「(主として輸出されるものに限る。)」という表現を加えたわけであります。それから「勘案して税関が適当と認めるもの」という表現も、実は十五条第六号にその前例があるわけであります。現行法で第七号、「本邦と外国との間を往来する航空機に引き渡される機用品で、航空機の種類、自重、航行日数、旅客及び乗組員の数その他の事情を勘案して税関が適当と認めるもの」というのがございますので、その前例によってやったわけであります。この「税関」と称しますのは税関長でありますが、それの委任を受けた支所長その他も入れるという解釈でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/63
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064・天田勝正
○天田勝正君 どうも私は注文つけたいね、そういう答弁だと。前例があるからといって、それは前例があるからこの次もあいまいなものをあいまいなものでおいてはいかないのですよ。税関で、税関長なら税関長といったらいい。別に一文字ふえたからといってどうということはない。そうするとはっきりするのですね。そうすると一ぺん、今度は十五条の六号かの場合に、税関支所なら税関支所というものが国会で認められる。そうすればそれの自然に委任事項というものが付随してあるのだから、支所長の場合はやっぱり税関長と同様の権限が行使できる部分がそこに生まれてくる。やっぱり自然的にそういう理論的に順序を追うてやり得る道を私は講ずべきだと思う。前例があったら、せっかくこれを改正するときに、そういうあいまいなことをそっちも直してこっちも直す、こういうなら筋も通るけれども、前例があるからということで、あいまいなものはだれが見たってあいまいだ。そういうことは私はおかしいと思うので、お考え直しを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X00819570301/64
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065・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) よろしうございますか。
本日はこの程度で散会いたします。
午後三時四十九分散会
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