1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年四月二十三日(火曜日)
午後一時四十七分開会
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委員の異動
四月十九日委員秋山俊一郎君辞任につ
き、その補欠として塩見俊二君を議長
において指名した。
四月二十日委員北勝太郎君辞任につ
き、その補欠として杉山昌作君を議長
において指名した。
本日委員椿繁夫君辞任につき、その補
欠として小笠原二三男君を議長におい
て指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 廣瀬 久忠君
理事
木内 四郎君
西川甚五郎君
大矢 正君
平林 剛君
天坊 裕彦君
委員
岡崎 真一君
木暮武太夫君
小柳 牧衞君
高橋進太郎君
田中 茂穂君
土田國太郎君
苫米地英俊君
宮澤 喜一君
天田 勝正君
小笠原二三男君
栗山 良夫君
野溝 勝君
杉山 昌作君
前田 久吉君
国務大臣
国 務 大 臣 石井光次郎君
国 務 大 臣 宇田 耕一君
政府委員
北海道開発政務
次官 中山 榮一君
北海道開発庁次
長 田上 辰雄君
経済企画庁開発
部長 植田 俊雄君
事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
説明員
北海道開発庁農
林水産課長 金子 満君
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本日の会議に付した案件
○北海道開発公庫法の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/0
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001・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) これより委員会を開きます。
議事に入るに先だって委員の異動について御報告いたします。
四月十九日付をもって秋山俊一郎君が辞任され、塩見俊二君が委員に選任せられ、二十日付をもって北勝太郎君が辞任せられ、杉山昌作君がその補欠として委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/1
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002・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 本日は、まず北海道開発公庫法の一部を改正する法律案を議題として、質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/2
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003・野溝勝
○野溝勝君 所管大臣にお伺いいたします。
北海道開発公庫法の一部を改正する法律案でございますが、この法律案は東北の開発をもこれに併託といいますか、一緒にここで扱われることになったのですけれども、先般、衆議院におきまして東北の経済等の問題につきまして、付帯決議までつけて本法案は通過さしたということなのでございますが、その付帯決議については、もちろん大臣は了承されておるのでございますが、ここであらためてその付帯決議がどういうものであったかという点について、一つ大臣から御所見を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/3
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004・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 北海道開発公庫に関する件につきましては、石井大臣より付帯決議について発言をしていただく方が適当だと思いますから、さようお取り計らいを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/4
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005・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 先般、付帯決議をこの公庫の場合にしてあるのでございますが、その一項々々について一つ申し上げます。
第一番目の、第二次五カ年計画と東北開発促進計画を策定し云々ということは、その通りにいたしております。
第二の、投資の対象を資本金の規模によらず、開発に必要な事業に投資したらどうだということでございます。これは昨年開発公庫が出発して以来は、割合に狭い範囲でやっておりましたが、今後はこの資本の増額、融資の増額に伴いまして、実際の投融資の対象をずっと広めようということで話し合いを今進めつつあります。
それから第三の、出資金増額は、今度の案にありますように、出資を増してもらうことにいたしました。
第四番目の、公庫の役員の選任に当って慎重に注意をしろということは、その通りにいたし、また今度増員をいたしまする公庫の役員についてもその心組みでやるつもりでございます。
それから第五の、業務運営の妥当を期するために総裁の諮問機関として運営協議機関を設けるということでございまして、これは今までには実施いたしておりませんが、公庫の当事者とも話し合いをいたしまして、この御趣旨に沿うような方向でやっていくつもりにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/5
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006・野溝勝
○野溝勝君 東北開発に当りまして、これを具体化するために東北開発促進法案、会社法案、それに公庫法案というこの三つが出されたわけなのでありますが、これはいずれも関係法案でございまして、この三つがあって初めて動きがとれるというようなふうに私は見ておるのでございますが、しかるにこの公庫だけは北海道開発公庫法の一部改正の中に含まれておるのでございますが、今後運営に当って何かと支障を来たすようなことがありはせんかと心配するのでございますが、かようなことについては大臣はどうお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/6
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007・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) これは初め北海道と東北を別々にしたらという考え方ももちろんあったわけでございまするが、地域的にもまた地理的にも近いし、立地条件も非常に似ておるし、それから資本の高もあまりまだ大きくないのでございます。これは一体にして出発をした方が、かえって便宜の点が多いんじゃないかということの方が話の中心になりまして、一緒にいたしたわけでございます。東北と北海道と近いといっても、何しろ島も離れておることでございますから、何かと不自由な点がありはせぬかという御心配もごもっともでございまするが、これは東北、北海道全体の開発の大きな点から話し合いを進めていくものとして、本店を東京に置き、そうして支店を仙台と札幌に置きまして、仙台は東北方面の一切の問題についての話し合いをする。またいろいろ実情を知る前線としてこれが働いていくということにいたしますれば、私はうまくやっていけるだろうと、こういうふうに思っております。そうして何分にも資本と融資の金額もまだ少いのでございますから、これがだんだん盛んになりまして、業態もふえまして、もし不自由だということが出て参りますれば、そのときはまたそのとき考え直すこともあってしかるべきだと、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/7
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008・野溝勝
○野溝勝君 ただいま大臣から御答弁がありました。特に私のお伺いいたしましたこの衆議院における付帯決議の趣旨でございますが、さらに、これとともに、われわれ委員の手元に宮城県の知事から、東北における経済上の困窮の事情について切々たる陳情書が参っております。この陳情書は全文を朗読することを省略いたします。委員長の了解を得てこれを記録に——速記に載せることを御了承願っておきます。
この中で特に私が申し上げたいことは、東北の事情として、特に大臣に留意を願っておきたいのはこの一節です。「吾々の郷土東北地方は、豊富な各種資源を包蔵しながら未開発のまま放置され、所謂後進地域として全国最低の所得水準に低迷して参ったのであります。」、この一節ですね。いかに困窮にあり、経済上において非常な産業の不振を来たしておるかということが色濃く出ておるわけです。こればかりでないのですね。今度の市町村の合併等によりまして、政府はあの合併によって二百億生み出したのですね、財源を。結局住民税は多くなる。また固定資産税は多くなる。地方の住民はまことに生活が苦しくなる。しかし産業の問題は別だということになっておりませんから、産業が不振であろうと、経済的にどういう事情にあろうと、住民税は人頭割りでやられてしまうのですから、まあ大部分が、東北の住民は非常に損をしておるといいますか、まあこういうような一つのこれは事情でございますが、こういう中にあって一るの望みをかけておるのが、今回の北海道開発公庫法の一部改正の中におけるこの東北四十五億円の投資の問題に非常な期待がかけられておる。
そこでこれをどういうようにやるかということが重大な問題になって参るのでありまして、先ほど衆議院における付帯決議の内容から見ても、私は大臣は十分考えておられると思うのでございますが、従来のように資本家の工場設備とかあるいは施設資金とかというものだけにこれが重点的に流用されるということになりますると、一般の東北における人民の期待というものが裏切られることになるのでありまして、こういうような点につきましては資本金の制約をある程度するということが付帯決議の中にうたわれておるのでございますが、こういう点については大臣はもっと具体的にどういうように今後この付帯決議を実行するに当って考えていかれるか、その点を一つお伺いしておきたい。
それからいま一つ、聞くところによると、もうすでに予算をめぐってぶんどり主義が起っておるということを聞いておるのでございますが、この動きをどういうように見ておるか、またこの動きに対しましてはどう大臣は処理していこうとするのか、この点についてもあわせて御見解を聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/8
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009・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 資本金の規模によらないで、実際に開発に大事な仕事をしておるものに金を貸すべしということは、私どももその通りに思うのでございます。昨年始めたばかりでございまして、資金もあまり多くなかったというような関係から、初めにおきましては資本金が一千万円以上ですかの事業で、そして開発に寄与する事業に金を貸すという態度をとっておりましたが、今度東北の場合を考えますと、北海道でもまあ問題でございますが、さらに東北にはなかなか今お話のありましたように開発が進んでおらないために、資本金の一千万円以上などということに限定いたしますと非常にわずかなものになってしまう。開発に必要な、東北開発に力を入れていく仕事であるということであれば、その限度をずっと下げまして、実際に即するように貸し出していくようにというつもりでございます。
それから資金のおおよそこれくらいだということになりますと、おれのところも借りたい、おれのところも借りたいというようなことで、いろいろな声が上って、すでにぶんどりが計画されておるような話もされていまするが、これはさっき申しましたように、最後に運営の相談をする機関も設けたいと思っておりまするし、ガラス張りの中で仕事ができるようにいたしたいと思っておりますから、妙に偏するようなことはさせないつもりでおります。十分その監督もいたして参ります。そしてほんとうに東北、また北海道の総合計画の線に沿うて施策が進められるようなものに貸していくようにいたして参りたいと思っております。
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010・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日付をもって椿繁夫君が辞任せられ、その補欠として小笠原二三男君が委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/10
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011・野溝勝
○野溝勝君 もう一点だけお伺いいたしまして、あとは一つ私の質問を打ち切って、他の委員にお願いすることにしたいと思います。
ただいま石井大臣から真摯な御答弁がありまして、その真摯な態度だけはまことに敬意を表しますが、そこで今お話の中に、運営機関を設けてやっていくという御所見でございますが、この運営機関はどういうような構想で設けるつもりでございますか、その点を一つお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/11
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012・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) これはまだ話は進行しておりませんが、どんな形かでこの趣旨に沿うようなものを設けようということに話し合いを始めておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/12
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013・野溝勝
○野溝勝君 これは石井さん、まあ形式的な答弁でなくて、一つあなたも先ほどの態度から見ても、私はあなた自身が考えておる一つの構想というのがあると思うのです。で、ありふれた今までのような運営機関だとすると、これは先ほどの趣旨に適応しないように思うのです。大体ありふれた機関は、事業家、銀行家、ないしはいわば学識経験者というようなことにワクをはめられるのですが、それを私はもっと今度はこの趣旨に沿うために、たとえば経済的な後進地域ですね。所得水準が非常に低い、こういういわば人民の多い東北でありますから、経済的にまことに窮迫しておるところと思う。だからその気持を非常に理解するような立場にある人をこの運営機関の中に考えておかないと、せっかく石井副総理が……(笑声)まあ準副総理……(笑声)こう言っては失礼でございますが、大臣の御所見として、あまりにも私は聞き取り得ないのですが、一つこういう点についてざっくばらんに石井さんの、まだまとまったものでなくてもよろしゅうございますから、考えておる点をこの際お聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/13
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014・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 私はこの付帯決議をあらためてこの間拝見して、しこうして一項一項について大体関係者とも話し合って、やはりこういうものを置いたほうがよかろうということに賛成をいたしたものでありまして、その付帯決議にもありまするように、学識経験者あるいはその他の者ということは、この公庫の運営が、北海道並びに東北の開発に必要ないい運営がされるようにということで、アドバイスのできる人たちという広い範囲で考えていくべきものだと思うております。これはまだどういうようなところからどういう人に出てもらおうというようなことは、まだはっきりしたものを持ち合せていないのであります。まあ理事者とのいろいろな関係もあり、責任の帰属問題等も考慮いたしまして、それに加うるに民主的な運営のできるような心持で、この人、この人というように選んでいこうというふうに思っておりますが、何か野溝君、その他の方でこういうような人も考えろという御意見等がありますれば、承わっておきまして、これの実際の場合に慎重にそういうことも考えていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/14
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015・野溝勝
○野溝勝君 せっかく大臣から、君の考えている見解があるならばそれを考慮に入れたい、かような御所見でございましたが、私は今率直に申しますが、何としてもこれからの東北開発の運営などは、これはあらゆる階層を網羅していかなければならない。ですから特に東北開発は、これに協力するあらゆる階層、特に生産者、あるいは農民代表とか労働者代表、それから政治家であるならば、これは保守党も社会党もあるのです。それから経済人といっても、何しろ資本的な能力のある経済人もあれば、生産的な能力のある経済人もあるのですから、そういうような点をあらゆる角度から考えて、ほんとうに文字通り一体態勢のもとに開発に乗り出すという、態勢を示す機構を作っていただきたい。こういうことを強く申し上げます。特に石井君からせっかくの御所見もありましたので、私の見解を申し述べたのでありますが、見解を申し述べたこのことに対して、一応また大臣からの御答弁をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/15
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016・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 承わったことは、これを頭に入れて、いろいろ考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/16
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017・小笠原二三男
○小笠原二三男君 宇田企画庁長官がお見えですから、この際、一般的な質問をしておきたいと存じますが、これはこの問題に直接関係がありますので、前提として伺っておきたいことは、国土開発法に基く全体的な計画、全国的な計画が企画庁で計画されておりますか。またそれに伴う東北の開発の計画というもの、地方計画ができておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/17
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018・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 国土の総合開発法に基きまして開発計画は、特にこれは作成することになっております。ただ基本調査が不十分な点等もありまして、審議会の議を経て、これの提示を求めてありますけれども、まだそれは完成の域に達しておりません。経済企画庁といたしましては、昭和三十三年から昭和三十七年度に終る五カ年計画を立てるために、ただいま数字を整理しておりまして、それの仕上るのがおそくとも九月という予定を持っております。それと相見合いまして国土計画を立てなければならないと思って、審議会に諮問をする手配をいたしております。東北地方の開発促進法案に基きまして、東北地方の資源を中心とする開発計画は、当然これは作らなくてはなりませんが、それに対する計画は、国の経済五カ年計画とも見合いまして、この秋、年末までにこれを作り上げる計画でおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/18
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019・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうしますと、国土総合開発法に基いて、東北の関係においては、特定地域である北上あるいは阿仁田沢、最上、只見、この四つの特定地域外のは調査はやっておらない、できておらないということになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/19
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020・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) ただいまお述べになりました特定地域のほかに調査地域もございますが、調査地域につきましても調査いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/20
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021・小笠原二三男
○小笠原二三男君 歯にきぬを着せないで言うならば、東北の開発の関係の全体的な調査ができておらない。そういうことですね。大臣に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/21
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022・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 東北の開発に関する基本調査はいたしております。いたしておりますけれども、これの計画をまとめるまでにはまだ参っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/22
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023・小笠原二三男
○小笠原二三男君 今度出ております公庫法並びに東北興業株式会社法の改正法案あるいは東北開発促進法、これらは一連のものとして未開発後進地域であるといわれる東北の開発のためにする総合的な立法、そういう一環として出てきているものだ。ところが今大臣の御説明では、国の今後の経済五カ年計画に基く経済水準の引き上げ、それに見合う東北の開発、経済条件の向上、そういうような前提となる計画が何もない。そうして部分的にこういうものが出てきておるという点について私は非常に疑問を持つ。国全体としての開発なりあるいは五カ年計画なり、それに関連して東北の開発が、今後五カ年の間にこの程度にならなければならぬということをおきめになられて、それに見合う財源的な、あるいはその他、行政的な措置がとられるということでなければならぬと思う。そういう点で担当大臣の御所見はどうなのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/23
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024・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 開発促進法に基くこの計画は、資源開発を目的とする計画でありまして、地区的な資源開発を目的とする開発計画であります。従ってただいま経済企画庁でやっております長期の経済の見通しを目的とする計画とは内容、性格が違いますので、現在の経済五カ年計画を経済企画庁で整理しておりますが、そういう意味で必ずしも材料がそのまま使えるものとは考えておりません。従って東北開発促進法に基きまして、当然これに付随される審議会ができます。従ってその審議会にかけまして、東北地方の地区に関する開発計画は新たに決定をすることになっておりますから、それに必要な資料は、これは私どもの方で持っております。従って法案成立後において審議会を設けまして、審議会の議を経て新しい計画を決定する、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/24
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025・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それではお願いしておきますが、今、企画庁で調査しておる試案となっておられるという、その骨子になっておる調査資料を御提出願いたい。委員長においてそう取り計らっていただきたい。
次に、あなたの今の御説明によりますと、国の五カ年経済計画と東北開発法の計画とは必ずしもそれは見合っておるものではない、一致するものではない、こういうことですが、私もそれは一面においては肯定します。結局こういう問題が国会内外を通じて起ってきた問題は、特定地域の指定が東北において割合早く行われておる。そうして十カ年間の計画をもってこれを実現しようというのに、予算措置がこれに伴わない。そういうところから関係東北住民としてはいたたまれない気持で、角度を変えて、こういう実施促進するための各種の立法について運動をしてきたという経緯もありますから、従って大臣のおっしゃるような点も、これは一部認めてもいい。認めてもいいが、国自身が国全体の経済計画の中で東北の占める地位というものを科学的にこれを調査し、また計画を立てるということをしないで、どうして東北開発の計画が今後計画的にできていくか。初一年度にそれは何も計画は立っておりませんということでどうして推進していくことができるか。たとえば鉱業資源の開発という関係でこの四十五億という金を本年出すとなっても、来年は幾ら出すのか、再来年は幾ら出すのか、何年ぐらいこれを出せば東北の鉱業開発というものが、鉱業的な資源開発というものが全国水準というか、そういうものに達するか、あるいは日本の工業水準のそれにどれほど役立つか、そういう計画もなければならぬと思うが、あるのですか。そういうものもなければ、四十五億というのはただ手づかみで出したという形になるわけなのです。まさかそうではないと思うのです。計画はあると思うのです。で、あなたがそういう形でおっしゃるからお尋ねしますが、来年度以降この四十五億というのはどういう計画で増資されていくのか、御説明願いたい、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/25
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026・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) この東北開発につきましては、地区別の開発計画を実施いたしておりまして、東北六県に新たに新潟県を加えて七県として、東北を一単位として開発するということにつきましては、この法律をもって初めて明確になって参りましたので、従ってそういう法律のワクの範囲内におけるところの開発計画というものは、総合されたものは、ただいままで持ち合せなかったわけでございます。従って各県あるいは事業別等に持っておりました、あるいは地区別に特殊開発計画をわれわれの手元に持っておりましたが、そういうものを中心といたしまして従来の開発は進めて参りました。この法案に基く範囲内の開発、この法案の目的に沿う開発の計画はこれから立てなければならない、こういう内容であります。従って四十五億を来年どれぐらいワクを拡げるべきであるかということにつきましては、ただいまのところ原案はまだ作ってない事情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/26
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027・小笠原二三男
○小笠原二三男君 その四十五億の内容につきましては、また後段でお尋ねしますが、基本的に政府が東北開発というものを重点的に扱うことをおきめになっておられながら、従来から国土総合開発法に基く全体的な計画なりあるいは東北に関連する計画なり、そういうものをお持ちになっておらぬで、そして今後一切が検討せらるる形にゆだねておる。そしてこういう法案が至急出されなければならない、ことに公庫法が今絶対至急に必要なんだという根拠はどこにあるのですか。あなたには計画がない、計画はないが、これはぜひもう早くこの金は使わなければならぬという根拠はどこにあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/27
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028・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 従来、東北の各県、新潟県を含めまして七県から、それぞれ融資を期待する意味での申し出は出ております。その中で石炭あるいは天燃ガスであるとか、あるいは農林水産関係の加工関係であるとか、それから鉱工業あるいは産業開発による交通とか運輸関係、それから機械関係、セメントの第二次製品加工の希望、あるいは海水利用によるところのマグネシウムの採取計画とか、いろいろの計画が各県から提出されております。そういうものをとりあえず拾ってみても百三十億くらいのものがあります。従って資源開発の中で、特に東北でなければならないような資源、そして東北地方で開発することが、国全体の経済の伸びのために特に必要であると思われる特殊な事業内容もその中にありますから、その点から見ますと、四十五億の融通資金量ではまだ不十分である、こういうふうに私たちは見ております。従って大蔵省に対しまして、もう少しワクを広げる必要があるということの交渉もいたしました。今までの経過では、しかし本年度の財政投融資その他の規模からこの程度が適当である、こういう決定になったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/28
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029・小笠原二三男
○小笠原二三男君 今のお話を聞いていると、東北に関しては工場を設けたいという希望があれば、この公庫の金をもってそれを満たしてやりたいという非常にあたたかい気持を持っておられるように聞くのですが、そうなんですか。要求があればそれを満たすということで政府は今後やろう、その方向で努力しようということですか。私はその点でこの資金計画というものがはっきりしているかどうかということをお伺いしたいというのです。こういう要求がある、こういう要求がある、従ってそれを満たしたいのだ、だから金はもっと出したいのだ、ただそれだけですか。そういうことで国民の税金なりあるいは資金部の貴重な預金なり、そういうものが特定の工場にどしどし使われる、そういうことなんですか。その裏づけとしては東北資源の開発なり、東北住民の経済水準の向上なりという、これは国家目的に沿うと申しますか、そういう前提があって肯定される問題なんでしょう。そんならそういうことに見合う計画がなければならぬ。そして計画上ぜひこの金が必要だということにならなければならぬと思う。で、あなたが今そういう要求があるということを言いましたから、これを資料として出していただきたいのですが、この四十五億では足りないが、東北はぜひ必要なものとしてこういうものの資源開発をしなければならぬという計画があるならば、それを資料として御提出願いたい。これも委員長においてお取り扱いを願っておきたいと思います。
次に、お尋ねしますが、お二人大臣が出ておられるので、これは今のうちに聞いた方がいいと思うのですが、この公庫の所管の問題ですが、北海道東北開発公庫は、これは全体としては北海道開発庁、いわゆる北海道開発庁長官である石井国務大臣の方で所管せられる。そして東北の融資関係の部分については経済企画庁が監督官庁である、宇田国務大臣がこれを所管する、そういう形でこの公庫の運用というものが、あるいは監督機関の責任態勢というものが一貫して確立しますか、東北関係の資金融資に関する業態の監督だけは宇田さんの方でおやりになる。公庫の機関そのものの監督並びに北海道開発に関する資金面については石井大臣の方で所管せられる、そんなやり方が過去においてありますか。これはほんとうの担当である石井さんの方からお聞きした方がいいと思うのですが、どういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/29
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030・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) この公庫の主務大臣は、従来も総理大臣とそれから大蔵大臣ということになっておりまして、その総理大臣の仕事のものを、北海道関係においては開発庁長官がやるということであります。それで今度は東北地方の問題が出て参りましたので、その範囲においては企画庁長官がおやりになるということになっておりまして、その所管事務については少し制限ができておりまして、まあ従たる事務所の認可であるとか、それから業務方法書の認可であるとか、事業計画及び資金計画の認可であるとか、業務の監督上必要な命令、報告及び立ち入り検査の諸事項のうちで東北地方にかかるものだけが経済企画庁の方で監督されまして、一般の法人の監督権につきましては、従来通りに北海道開発庁と大蔵省で共管しているというようなことにしておるわけであります。それで今おっしゃるように監督官庁が幾つもになりますと、どうしてもそこに一人でやるよりは複雑な問題が起りやすいのでございますから、この点につきまして実際上の運営に当りましては、北海道開発庁と経済企画庁の間に十分な連絡をとって、妙な間違いの起らぬようにしていかなければならぬということで、先ほどからもいろいろ話し合いをしておるわけであります。なかなか一つでやるよりは二つでやる方がむずかしい問題も起りやすいのでございますけれども、そういうところでもって両方連絡調整をやっていけばうまくいけるだろう、こういうふうに見て、そのために努力をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/30
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031・小笠原二三男
○小笠原二三男君 これはこまかいことですが、衆議院の付掛決議では、「学識経験者その他をもって構成する運営協議機関を設置すること。」ということになっております。これは北海道、東北を全体として含む審議機関なんだ、そこでおきめになられる東北関係のことについては、経済企画庁の方が監督権を発動し得る場合もある、また全体としては、この運営協議機関は総裁の諮問機関ですから、総裁を監督する総理大臣、これにかわる北海道開発庁長官がこれを監督する、こういうような何と申しますか、行政監督のやり方というものが過去においてあったのですが、先例がありますか、こういうことは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/31
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032・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 私寡聞にしてその例は知りませんが、おそらくないのじゃないかと思っておりますが、それだけに非常にむずかしい問題もないとは言えないわけであります。そこを関係官庁の間でよく連絡を保ちまして、遺漏なきを期するというふうに考えまして、先ほどからその話をよくいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/32
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033・小笠原二三男
○小笠原二三男君 運営で実効を期したいということですが、そもそも基本的な原則として、建前として無理なものを、運営をもって円滑な処理をしたい、摩擦を起さない、あるいは不正な問題等が起った場合にも責任の分担を明らかにしようじゃないか、こういうことでは私は非常に疑問を感ずる、満足しない。おそらくこういうふうに一緒にしたことは、便宜的な措置としておやりになったのではないかと思うのです。原則的にうまくない点もお認めになっておられながら、一応こういうことで発足しようということになったのではないのですか、実情はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/33
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034・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) どうにもむずかしいけれども、とにかく出発をしようというようなことで始まったわけではないのでございまして、東北の監督、北海道の監督の任に当るものという立場に北海道開発庁の長官と経済企画庁の長官があるわけでありますが、この公庫をわざわざ二つにせぬでもいいじゃないかという理由は、さっき申し上げた通りでございます。そういたしまして、一つの公庫として出発するに当って、それがうまくいかないか、いくかという問題になりますと、一つでやるよりは、二つの監督を受けるのでありますから、なかなかむずかしいという場合もないとは言えないというのでありまして、それを話し合いによってやっていくことができる、これはできないか、できるかという問題になりますとできる。そうして十分連絡をとって公庫の効果を十分上げていこうじゃないかということに話し合いができておるのでありまして、どうしてもだめなんだということを前提として、ごまかして何とか仕上げていこうという心持ではないのでございます。努力によって必ずやっていける、連絡調整ができるという心持で出発するつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/34
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035・小笠原二三男
○小笠原二三男君 まあそれは宇田さんの方は連絡調整はできるだろうが、北海道開発庁という実施官庁としては連絡調整になるかどうか。まあこれは余談ですけれども、私はわからぬと思う。将来この公庫については、野溝委員もお尋ねになりましたが、実施してみた結果によっては、分離するというようなこともお考えになられるのかどうか、この点先走った査問ですけれども、お伺いしておきたい。それから資料が出てから、実際この貸付の対象や方法等については具体的にお尋ねをしたい。その資金計画が出てからお尋ねしたいと思いますから割愛しますが、経済企画庁としてこういう公庫を監督する、開発株式会社を監督する、こういうようなことは、設置法等を改正すればできるということで、何でもできないわけはないのだが、経済企画庁という建前からいってその種のことばいいことですか、望ましくないことですか、望むことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/35
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036・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 経済企画庁の本来の使命からいいますと、経済計画の立案に関係するのが本来の設置法の目的と思います。実施機関を当初から期待しておった官庁ではないと考えております。ただ、当面の東北開発という地区の特別な立法に伴いまして処理をしなければならぬ問題でありますから、これが長期に経済企画庁が担当する行政の理想的な官庁であるかということになると、私はその点では本来の経済企画庁の設置法の趣旨とはこれは受け取ることはできない、そう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/36
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037・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうすると当分の間ということで発足をする。経過いかんによってはまた本格的な措置をとるということのようにも伺えるのですが、大体そういう方向で考えておってよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/37
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038・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 東北開発のように、北海道と相並んで非常な後進性のある地区の資源の開発ということになりますと、これは将来もう少し本格的な行政組織をもってこれを取り扱うのが適当であろうと私は思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/38
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039・小笠原二三男
○小笠原二三男君 では一つ先ほどお願いしました関係資料を提出していただくことにしまして、それができてからまた質問することにして、それまで保留いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/39
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040・大矢正
○大矢正君 昭和二十七年から第一次五カ年計画のもとに北海道の開発が進められて、さらにそれを積極的に、よりまた短期間になしとげるために公庫法というものができて、金の貸付を行うということになったと思うのでありますが、今度この北海道開発の現況が非常に効を奏したのかどうかわかりませんが、東北にも一つこれを広めて、東北開発促進法を作り、そしてまた公庫を通じて金を貸すと、こういうことになってきました。渡り鳥のように北の力から漸次南の方に下ってきたわけでありしなして、私の方の党の中には、そんなにいいものであって、北海道の開発というものがうまくいって、公庫の金の貸付の状況が非常に産業開発によくなっておるというのであれば、今度の東北にとどまらずして、隣の石川県も、それから福井県も、あるいはまたずっと離れて四国の方も開発をしてもらったらいいじゃないかというような実は意見も出ております。私はこういう点でお伺いをいたしたいと思うのでありますが、政府の考えている考え方の基本的な点についてでありますが、北海道から東北に拡大をした、まだ日本の国には現実的には後進地域と目される地域が私はあると思います。東京、そして大阪を中心に工業化がなされてきた日本の現況から推しますれば、鉱業開発を行うにしてもあるいは農業開発を行うにしても、単に北海道、東北にとどまらずして、まだ開発しなければならない地域が私はあると思うわけであります。それが今度は東北に限って促進法を作り、そして株式会社を作り、さらに公庫の金貸しの適用範囲にすると、こういうことにまあなるわけでありますが、今私が申しましたように、四国やあるいは福井県や石川県に、政府は今後もこういうように地域的に一つのブロックを編成して、そうして促進法を作り、そうして公庫の適用範囲に指定をしてやっていくという考え方でおられるのか。あるいはそうじゃなくて、こういうような限られた部分に対する開発というものは、東北に限定して考えていくという考え方であるのか、その点についての考え方を明らかにしていただきたい。もしも全部そういうようにブロックを編成してやっていくという考え方であるならば何をかいわんやでありますか、東北をもってとどめようというお考えであるならば、その東北だけでとどめていいというその理論的な、現実的な根拠をお示し願いたい。第一点としてこの点御質問を申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/40
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041・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 国土開発につきましては、総合計画が今まで立たれていなかったということに原因しまして、地区別の要望が総合計画に先立って起ったというのでありまして、政府の方針といたしましては、総合開発法に基きまして、国土の総合開発計画の決定をすみやかにいたさなくてはならない、その決定に基いて地区別の総合開発計画を持つべきである、こういうふうに考えております。ただ首都圏整備に関する法律とか、あるいは北海道開発に関する法律とか、あるいはただいまの東北開発促進に関する法律とか、そういうような地区の要請によってどうしてもこれを全体計画より先立って法的裏づけをしなければならないというのは、順序は必ずしも適当とは思っておりませんが、環境上こういう措置をとらざるを得ない、後進性のある地区の現状でやむを得なかったと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/41
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042・大矢正
○大矢正君 あなたの言われておるような国土の総合開発という問題は、まだまだ調査の段階であって、先ほどの長官の答弁で言われた昭和三十七年度でありますか、七年度になると調査が完了して、そうしてその調査に基いて国土の総合開発の具体的な成案を得ることかできるというお答えがありました。もしそれが事実であるとすれば、それでは昭和三十七年までの間にまだ相当の年月があります、その期間に、たとえばさっき申しましたように、四国の開発を一つやってもらいたい、そのためには四国開発促進法を制定して、今度の東北のように公庫を先に走らして、あとから半年も一年もたってから促進法ができるかどうかわかりませんけれども、いずれにしても、そういうようなものを作ってやってもらいたい、あるいは福井県、石川県もあわせてやってもらいたいという要望が出た場合に、あなたはどういう態度をとってやられるのか、その点を何っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/42
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043・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 先ほど昭和三十七年度と申し上げましたのは、ただいま持っております経済五カ年計画、これはわが国の経済の実情に合わなくなりましたから、昭和三十三年を第一年度として昭和三十七年までの五カ年計画を新たに立てるわけでございます。それに必要な数字はただいま整理中でありまして、基本方針は四月中に大体決定をします。そうして九月までに昭和三十三年から昭和三十七年までの五カ年計画は決定をいたすと申し上げたわけでございます。従って新しい五カ年計画は九月ごろにはこれが一応整う、こういうのが経済企画庁のただいまの持っておる計画でございます。従って昭和三十三年から三十七年までの五カ年計画がこの秋に仕上りましたときに、それに暴いて東北地方にいかなる開発を期待するかということは、当然基本の線が出て参ります。それに沿いまして東北地方の計画も立てなければならぬ、こう思っております。また国全部の開発計画にいたしましても、五カ年計画の未本線が決定いたしましたら、それに表裏いたしまして、国全部の国土総合開発計画というものも決定を見なければならないものであって、それにつきましては審議会がありますから、審議会にそういうことに関する国土総合開発計画の策定をわれわれは諮問をいたす手配にいたしてあります。従って昭和三十七年が来なければ基本の数字は整わないというのではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/43
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044・大矢正
○大矢正君 私はそれではあなたの言われる通りに承わって、かりに今年の秋に計画ができるという、こういう立場で考えてみても、その計画が具体的に実施をされる場合にはなお相当の時間的な余裕があると思うのですが、これは半年か一年か、わかりませんが、その間に今言ったような事実が出てきた場合にはどういたしますか。今言ったような事実というのは局所に、ブロックごとにまた促進法や開発計画を立てて、開発公庫の拡大をしてもらいたいという要請が出た場合にはどうするつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/44
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045・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 地区別の要請が出てきて、それを処理するということはただいま考えておりません。もし出てきた場合ということを仮定してここで申し上げるだけの何は、材料はありませんけれども、今のところそういうふうな立場ではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/45
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046・大矢正
○大矢正君 それじゃ話は逆に戻ると思うのでありますが、そういう計画を一切抜きにして考えてみて、先ほどから申し上げているように、東北地方の開発促進という問題と、それからその近所にある石川県や福井県の開発促進というものが、片一方はブロックを編成して公庫から金を借らしてやらせるし、片一方はやらなくてもいいんだという根拠はありますか、それを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/46
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047・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) ある地区はこれを規定し、ある地区は規定する必要がない、そういうことの根拠があるかと申しますと、根拠は私はないと申し上げなきゃいかぬと思います。ただ周囲の環境、経済開発を必要とする国の要請あるいは周囲の環境がそれを現実に必要として起ってきた場合に、それは考えて立法するべきものであって、ただいまのところその地区につきましては、政府としては立法措置を訓じなくちゃならないという環境ではないという判断に立っておりますから、そういうことはとりあえずはいたさないと、こう申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/47
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048・大矢正
○大矢正君 執拗に食い下がるようでありますけれども、そうすると、あなたの答弁から言うと、たとえば東北六県に新潟県を加えた今度の促進法、それから公庫法の改正、こういうものと、それからその近県や、あるいは遠く離れてもそうでありますけれども、ブロックを新たに作ってやるという場合には、現状の段階においては、そうすると、そういう新しくまたブロックを編成してやってもらいたいということに対しては反対をする理由はないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/48
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049・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 内容を調査いたしまして、それに対処するという考えでありまして、反対をするか反対をしないかということにつきましては、ここでこの前提条件がはっきり、いたしません場合には申し上げにくいと、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/49
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050・大矢正
○大矢正君 そうすると、国土の総合計画のいかんを問わず、かりにそういう現象が新たに現われてきて、しかもそれが開発という面では必要であると考えられる場合には、また部分的に地域的に開発計画を作り推進をするという考え方が成り立つわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/50
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051・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) あり得ると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/51
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052・大矢正
○大矢正君 それじゃ次に、北海道の開発に対する考え方と、それから今回新しく法を制定して行おうとするところの東北の開発との考え方の上において相違があるかどうか、開発の考え方の上において相違があるか、どうか、この点を伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/52
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053・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 北海道の場合とこの東北の場合とは、法律の表現が少し違っております。そうして東北の場合には、「東北地方における資源の総合的開発を促進するために必要な基本的事項を定めるものとする」という表現を使っております。北海道の場合には「促進するために」というふうな表現は使ってありません。従って法律の表現から見ますると、北海道開発の場合と今回の東北地方開発促進の場合との法律の期待するところは少し異なるものがあるのじゃないか、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/53
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054・大矢正
○大矢正君 法律の中に表われている字句や文章の上の相違じゃなくて、開発をするという立場における基本的な考え方の相違を私はお尋ねしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/54
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055・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 根本的には同じであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/55
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056・大矢正
○大矢正君 同じですね。そういたしますと、北海道の場合には、実施官庁と呼んでいいか悪いかわかりませんけれども、開発庁の指揮のもとに開発局が具体的な開発行政を、実際には知事から取り上げてやっておりますね。東北の場合は一体どういう格好になるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/56
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057・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 東北の場合には、各県の行政をそのまま生かしまして、経済企画庁において総合的にこれを調整をすると、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/57
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058・大矢正
○大矢正君 それじゃ逆に私お尋ねしますが、今北海道開発に行われておるような、実施官庁と似たような形態をもって開発庁というものを作り、その下に局を設けて北海道の開発行政に当らしめておる。こういう現状をあなたとしては好ましいと思っておられるのか、あるいはまだまだこれは足らないと思っておられるのか、もっと別な方法があると考えておられるか、この点をそれじゃ逆にお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/58
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059・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 北海道開発につきましては、やはり北海道の現状に即してああいう立法措置をとったのはやむを得なかったものと思って、これは私の所管外のことですけれども、それは正しかったと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/59
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060・大矢正
○大矢正君 どうも企画庁長官の答弁ははぐらかし答弁で、私ははっきりしたことがつかめないので、先ほどの野溝委員の説によって石井さんは副総理だという話も聞きましたから、一つ副総理としての立場でこの点についての御答弁を……。まあ副総理としてもおかしいのですけれどもね、準副総理ですか、準副総理の立場で、総体的にながめてみてどのようにお考えになっておられるか私はお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/60
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061・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 準副総理というものはございませんから、そういう資格でお答えするわけには参りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/61
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062・大矢正
○大矢正君 それではもう一度逆に戻して、長官にお尋ねをするのですが、北海道の開発は、開発局のようなものが現地にでき上って開発をする方がいい、しかし、東北の場合にはそこ衣で考えなくてもいいのだという、何か特殊な事情や、あるいはまたそういう立地条件かしらぬが、そういうものかあるのかどうか。もしあるとするならば、私はその点を明示していただきた
いと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/62
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063・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 東北は県が七つに分れておりますし、東北の実情から見まして、各省庁を通じ、また各県を通じて開発政策を実行に移すのかよろしい。こういうふうに考えて、必ずしも北海道と軌を一にする必要がないと、そういうのが結論であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/63
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064・大矢正
○大矢正君 石井国務大臣にお尋ねをいたしたいのでありますが、北海道において、局が知事の行う行政の範囲を、何といいますか、分割して行なっておるような今の現状の姿ですね。こういう姿に対してあなたはどういうようにお考えになっておられるか、お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/64
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065・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 今現地で開発局かやっておりますのと、北海道庁のやっておる仕事とには、私はそこには一つも大きな悪い影響を及ぼすような行政のあり方はないと思っております。北海道庁としては自治体としての仕事を完全にやっておりまするし、それから総合開発的な立場から見た仕事だけをわれわれの開発局でやっておるのでございまして、そしてその実施に当ってはまた北海道庁と違ったこともいろいろいたしておりますが、総合的な開発の点だけを私の方はやっておりますから、北海道庁と今の形においても、今後も、私はこの関係を続けていって北海道の開発には悪影響はないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/65
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066・大矢正
○大矢正君 もう一点お尋ねをいたしたいのでありますが、北海道の開発に対しては、実施官庁化を積極的に行なって、今の北海道開発局でありますか、これの業務の範囲を拡大して開発行政を行えばもっと有利な北海道の開発ができるのではなかろうかというような与党や政府の意見がちょいちょい出されておる。それからまた極端な例では、たとえば北海道を州にしたらいいのではないかとか、あるいはまたどうも地方自治体の行政と、それから国が行う開発行政というものがぴったりいかないので、この際、知事は任命制にして、それでやった方が北海道の開発はよろしいのではないかというような構想も出ている。いろいろ名前をつければまだたくさんの構想がぼつぼつとあなたの与党の中から出ているのであります。私はこの点についてお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、今の現状における姿よりはもっと拡大をし、それから別な形においてそういう行政を行なった方が、あなたとしてはもっと開発行政がスムースにいくというようにお考えになっておられるか、念のためにこの際お伺いをしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/66
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067・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) この問題は開発庁のできるときからいろいろ論議されているのでありまして、考え方としてはいろいろな考え方があると思うのです。北海道庁を中心にしていくという考え方と、それからもう一つ、今のものを進めて、中央の色彩をよけい強くして北海道庁の動きを狭くしていくというような見方と、これは議論としては両方とも私は成り立つ議論だと思いますが、現状から考えてみまして、今おっしゃったように、実施官庁をもっと強力なものにしていくという案もまだ少しく研究の余地があると私は思っております。それがけっこうだということで、すぐそれに取っ組んでやっていくということは考えておりません。現在の情勢を中心としてどうしたらいいかということは絶えず考えていなくちゃならぬのでありますが、今おっしゃったような声がありまするけれども、政府としても今これを取り上げる考えもありませんし、与党としてもまだこの問題をどうするというようなこともきまっているとも思いません。私自身としてもまだ研究の余地があると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/67
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068・天田勝正
○天田勝正君 関連して。私の質問は後ほどいたしますが、今の大矢委員の賛同に関連して一、二お伺いいたしたいと思います。
まず、石井長官に伺いますが、先ほど宇田長官の方では、東北は七つの県があって、それぞれ行政を別にしておるがゆえに、その実施に当っては、これを各県別々にやらせるという方がよろしいのだ、北海道の方は今のように北海道開発局でやらせる、こういう趣旨のお話があった。私ども常識的に考えればそれは全く逆であって、東北のように、東北六県に新潟を加えれば七つ、行政が七つに分れているところへ総合的な開発を進めるのに、ばらばらに実施したのでは、その相互間の連絡等がまことに十分にいかない、そういう所ならば、逆に統一的な役所を作って実施していくというのが、むしろ総合開発の趣旨に沿うし、便宜であろう、こういうふうに考えられるし、北海道の場合のように一行政単位になっていれば、これは下に任しても差しつかえない、こういうことになってくると思うのですが、石井長官はこの点はいかがお考えでございましょう。どうも常識とは逆なんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/68
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069・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 北海道の場合の考え方だけを私は申し上げたわけでございますが、北海道におきましても、今私どもの悩んでおる問題は、開発庁は調査立案の機関で、実施機関と離れておるというところに、その調整に非常な悩みを感じておるわけであります。これをどういうふうにしたらいいかということは、まだ成案を得ないわけでございますが、北海道におきまして北海道庁という一つのまとまったものがすでにあるのでございまして、これを小さく分けて各県のような状態にする必要は私はないと思います。北海道庁のやっておりますものは、自治団体としての北海道庁の仕事をやっておられるし、国家の総合的開発について、その実施の場合にそこにまとめてお願いするというのでございますから、これは一向実際の総合開発と自治体の関係においてそごを来たすものはないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/69
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070・天田勝正
○天田勝正君 どうもそれがわれわれの常識とは違うのであって、北海道の今のやり方が正しい、これが最も事業を遂行していく上において便宜で効率的だと、こういうならば、やはり東北も同じようにやらなければならぬと思うのです。ところが東北の方は行政単位が幾つもに分れておるし、そうすればその相互間の調整といいますか、連絡というか、そうしたものが必ずそごを来たすおそれがある、よってさようなところでは、総合開発という特殊の使命からいたしますならば、総括的にやはり役所を置いて、これをやった方が便宜だろうということが当然われわれとしては考えられるのです。それを逆にお考えになっておるというところが私はどうも解せないのですけれども、それはどうしても北海道の行政単位のような一単位になっているところは、これは中央で取り上げてといいますか、中央の官庁でやらなけりゃいかぬ、東北のように各個ばらばらの行政になっているところ、ばらばらと言うては失礼ですが、幾つもの行単位のあるところは、これはそれぞれの県にやらして差しつかえないという何か根拠がございましたら承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/70
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071・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 北海道の場合を申し上げますと、開発局の方は直轄事業をやっておりまして、小規模なものは道庁に補助をする形でやっておるのが現状ですが、それで直轄事業と自治体としての道庁の仕事に私は一向差しさわりはないと申し上げたのです。府県の場合——こちらがおっしゃる東北の場合にいたしますと、ちょうど私らの力で、北海道の開発局がやっておるような仕事は、建設省だとか農林省だとか、あいるは地方の建設局とか農地局とかいう立場でやっておられるのだと思います。ブロック的にそういうところはやっておらぬ、ちょうど北海道の場合とあまり実質においてはおかしなものじゃないように思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/71
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072・天田勝正
○天田勝正君 それでは別の観点で聞きますが、今開発庁の開発予算は一体どうなっておるかといえば、予算要求は開発庁——あなたのところで大蔵省に要求いたしますとともに、今度は別に農林省とか建設省とか運輸省、それら各省が、北海道なら北海道の関係分を全国ワクに織り込んで、これを要求しているんです。そうして今度は開発予算のとったものはまた以上の三省等へ移しかえしてこれを使う、こういう形にしている、その分のうち地方、都道府県で、まあ北海道の場合は北海道で補助をするとか、そういう分はそれでまた使わせる、こういう形をとっておるのですよ、まことにもってややこしい。でありますから、ここにはいろいろな疑点が出てくるわけですが、総合開発をするために一つの役所、北海道の場合なら北海道の開発庁を設ける、それはそれで一つの筋が通るのですけれども、今度はこれを東北に適用した場合には、どう考えても各県ばらばらにそれへ任せるということでなくて、やはり総合的な事業を行うには、Aの県とBの県との連絡が十分いかないというような不備が必ず生じてくるのだから、それは統轄したものを置かなければならない、こういうことになりはしませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/72
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073・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 東北関係では関係の各省庁がそれぞれの立場から企画立案をいたしますが、それに関する開発関係の予算は経済企画庁で一括してこれを整理して、そしてそれぞれ関係の問題に関する限りは各省を通じて実施せしむる、こういうことになっていますから、そういう意味で東北開発促進法は北海道開発に関する計画とはそのおもむきが違う点があるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/73
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074・天田勝正
○天田勝正君 宇田長官に伺いますが、あなたのおっしゃるのは、東北は各個ばらばらに使用さしていいのだとまあこういうことなんです。それなら私が聞くのは北海道へその方式を一体持ち込んでどうして悪いか、そしてまた逆に言えば、北海道の方式が、あなたがたがよろしいのだということになれば、そのまま今度東北に持ち込んでどうして悪いのかこういうことなんです。北海道は北海道で今の式がいいのだ、東北はまた別の式だ、こういうことでは私ども理解ができないのです。片方がいいというなら片方は悪いということにならなければわからない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/74
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075・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) それぞれの地区の実情に即して、これが適当であると考えてわれわれは立案をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/75
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076・天田勝正
○天田勝正君 もう一点、じゃ宇田長官に聞きますが、さっき私が申し上げたように予算の取り方、予算の使い方というのはもうすでに申し上げておりますが、ああいう煩雑な予算の獲得の仕方、予算の使い方こういうことで北海道にせよ、東北にせよ不便がございませんか、むしろこれをもっとすっきりした形に直す御意思はございませんか。どうなんです。それは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/76
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077・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 東北地方に関しましては、ただいまのような予算の組み方、そうして経済企画庁を中心とする調整方法で差しつかえないと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/77
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078・天田勝正
○天田勝正君 さっきから私申し上げているように、予算の一取り方とすれば、北海道開発庁は開発庁として予算を要求しこれを取る、一方においては、農林、建設、運輸等は北海道の分でも東北の分でもこれを全国ワクに含めましてこれを要求する、で、開発関係については一ぺん開発庁が取ったものを、これを各省へまた移しがえをしてこれをまたやる、そうしてまたその中から都道府県にやる分はまた補助金なり何なりの形でもう一ぺんそちらに下ろしてやる、まことにもってややこしいことです、これはどう考えても。だからこのややこしさをなくして、もっと同じ金を使うにしてもスピーデーに次元に合ったように使う改善の余地は私はあろうと思うのです。それであなたのお答えは、これは企画庁が調整すれば差しつかえないというような調子なんだけれども、それならば何も特別な開発庁なんか作らなくたって各県でそれぞれ今やっているのと、普通の何ですよ、事業を推進して行くのと何ら変らないやり方をして差しつかえない、こういうことになってくる。それを特にわが国のごとく未開発地を、実はそろばんのとれないような金のかけ方もしながら開発しなければならない国柄においては、特に開発庁のような役所を作ってやらなければならない、こういう社会というか、国というか、国民というか、要請があるわけだ。それにこたえて開発庁ができているのですから、それを一本なら一本でやる、あるいはそれを簡略化して各県にやらせるならやらせる、あるいは国の出先機関をもう一つ作って総合的にやるならやる、使う方はその通り、予算を要求する側も開発関係のその地帯における分は全国ワクに含めるなんというややこしいことをしないで、それもみんな開発庁なら開発庁でやるということにすべきだと私らは常識的に思うが、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/78
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079・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 北海道関係だけ一つ意見を申し上げさしていただきたいと思います。(「北海道だけじゃだめだ、東北が問題だ」と呼ぶ者あり)北海道開発庁長官、だから北海道についての話であります。そうしてあとはこちらから補足してもらうようにいたしたいと思います。
行政機構の改正は、実際むずかしいものだということは皆さんも御承知の通りで、今が私は完全なものとはもちろん思いません。歴史的経過もあって、実情に即して考えるべきだというので、昭和二十五年ですか、開発法ができたと思います。これを何とかしなくちゃならぬということを考えるのが、さっきのようにいろいろな声も出るわけでございます。政府としてももちろんそういうことも、今のものを完全な理想的なものと言わないで研究はしておりますが、なかなかふん切るような状態にまだ至っていないということを申し上げたのでございますが、今の北海道の機構、これは北海道の開発のために相当力をなしてきておったということだけは認めていただけるとこう思うのであります。それと東北の関係の相違は今申しましたようないろいろなそこまでに至る歴史的な経過が相当ものを言うものだと思います。北海道があれだけの広い所で府県に分れていないで一つであるということ、東北はほかの地区と同じように小さい府県に分れているというこの実情は簡単に割り切れないという事情が、出発の差異を来たしていると思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/79
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080・天田勝正
○天田勝正君 宇田長官お答えがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/80
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081・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 東北及び北海道それぞれの歴史的な経過を持った行政措置でありますから、私は東北に関する限りはこの促進法で適当と思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/81
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082・天田勝正
○天田勝正君 事情というのは何ですか。事情というのがわからない。委員長、この間からこの問題は、どうもやなあさってのような答弁もあって、まことに私ら迷惑しておるんですが、ちゃんと短時間で納得のいく答弁を求めてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/82
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083・大矢正
○大矢正君 そのことに関連をして聞くのですが、局を北海道に設けて開発行政を今日まで行なって参りました。文芸暮秋の四月号では、中谷博士やその他から、だいぶきびしい、開発実績がゼロだという批判は受けましたけれども、五月号を見ると、基本的な考え方は全然載っておりませんでしたが、統計の資料とか、着眼点かどうだとか、こういう点では非常に微に入り細にわたってゼロであるということに対する反論を開発庁の田上次長が行なっておる。あの反論ができただけでも、開発局がある効果はまことに十二分だと思います。そこで非常に効果のある開発局を東北には設ける必要性がないのだという考え方は、どうも私は理解できない。やはり北海道があれだけ効果をあげて、政府としても、まことにああいう実施官庁的なものを行なったことによって、開発の行政がスムースにいっておるとお考えになっておるので、東北の場合もそれを適用して実施官庁を作ったら非常にうまく開発が進むのではないかと思うのでありますが、その開発局的な、ああいう機構を作らないという、作らなくてもいいのだという根拠があるのかどうか。どうもその辺が不可解なんですが、どうですか、その点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/83
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084・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 東北地方の開発は、促進法の実施に伴って責任官庁ができることが好ましいとは考えております。しかし本年度におきましては、取りあえず促進法の通過に基きまして応急処置として、こういう経済企画庁の一部門として、この開発促進法に基く諸行政を取り扱う、こういうことにいたしておりますが、これが将来ともにこういう形で続くべきものであるということには考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/84
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085・天田勝正
○天田勝正君 委員長に要望いたしますが、先ほどもちょっと申し上げましたが、これから私だんだん過日の質問の続きをやらなければならない。そういう際に、こっちの質問でもないようなことを答弁されて、ただ時間を空費するのではやりきれませんから、とにかくこちらの質問に一つ的確に答えてもらう。私どもの方が要求しなくても、しかるべく委員長のもとにおいてお取り計らいを願いたいと要望いたしておきます。
そこで続いて関連質問をいたしますが、私、石井大臣に伺います。これは私ざっくばらんに申し上げますが、北海道開発局を作るという、歴史的なんというけれども、私どもの方から見た歴史はこういうことなんですよ。よその県では、国の中央で調整をするならば、かなりの部分をそれぞれの県にまかしてもよろしいけれども、北海道の場合は社会党の田中知事だからこれは困るということで、吉田内閣のときに一つかなりな部分を、取り上げようと、こういう意味でやったのです。実際は、東北でできることを北海道でできぬはずがない。ただそれを私からいえば、石井大臣に聞くというのは、もう吉田内閣はなくなってしまって、当時吉田さんに反撥を感じているような人が民主党になって、それでだんだん今の自由民主党になってきた。主流と反主流が逆転したような形で、今日になっては別段吉田さん時代の、北海道田中知事では困るという考え方をそのままする必要はないと思う。開発などという問題は社会党だけが河川や道路を直さなければ都合が悪いのでもなければ、自由民主党だけが道路を直して、その道路を歩くわけではない。やはり与党であれ野党であれ、一生懸命力を入れて一緒にやらなければならないことなんですから、事柄は簡便にして、東北式に中央で調整したらば、かなりの部分は府県でやらせる、こういうことをやってどうなんです。一向差しつかえないのじゃないですか。北海道長官という形で東北の分まで答弁するのはいやかもしれませんけれども、国務大臣として私は一つお聞きしたい。当時の事情も石井大臣よくご存じだから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/85
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086・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) ただいまの話は寡聞にして私初めて聞きました。私は全然そういうことは聞いておりません。私はそういう建前においてこういうものができたということは初めて伺うので、そういうことが何か話の種になっておるかどうかしりませんが、これの運営はさっき申しましたように、この目的を今まで、私は十分とまでいかなくても、大部分いい方向にこれが動いておって、そうして開発法による設置目的は達しておると思っております。北海道の資源の開発とか国民経済の復興とかいうようなことをあげておりますが、問題はこれらのことを北海道開発庁におきまして中心にこういうものを考えて、地方自治体等の仕事とは別にこういうものに全力をあけていくのが、われわれ北海道開発庁の仕事だということでやっておりまして、今おっしゃったようなことが前提になって、私はこれがいいとか悪いとかいうことをきめられたのでは私は決してないと思っております。私はそう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/86
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087・天田勝正
○天田勝正君 私ども総合開発にちっとも反対しているのではないのであって、それは誤解しないように申し上げておきますが、そこで両大臣ともに歴史的ということをちょいちょい使うし、実情という言葉を使うのですが、どう考えても開発というその目的を達するために、よりよき方法をとればそれがいいのであって、だから片方に実施して便利なものは他の方へもたらして便利であると、当然われわれは考えるわけですけれども、そこには歴史的な、また実情に即してという何かがそこにある。よって別にするのだ、こういうお話だろうと思う。そこで両大臣いずれでもけっこうですが、そのあなた方の見る歴史的とは一体どういうもので、実情とは一体どう違うのか、開発という焦点に合わして一つお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/87
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088・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 東北開発につきましては、東北七県の実情からみて、こういう、ふうに各県の行政単位をそのまま活用しながら開発を促進するのが適当と考えて、それが今までの行政単位の長い経験を生かしながら開発促進の行政体としてそのまま生かしておくのがよろしい。そういうふうに考えて行政体の歴史を尊重するということを申し上げました。(千林剛君「委員長注意して下さい、ああいう答弁はだめだ」と述ぶ)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/88
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089・天田勝正
○天田勝正君 北海道のそれじゃ行政を使ってはどうしていけないのです。ですからそこに矛盾ができるから何べんでも聞いているのです。(千林剛君「委員長から注意して下さい、政府に対して。ああいう答弁ではだめだ。こっちは人形じゃないのだから、ああいう答弁は困る。審議促進のためにちゃんとまとめてもらいたい」と述ぶ、栗山良夫君「両大臣が打ち合せてから答弁しなさい」と述ぶ)あなたたち聞いていてもおかしくないですか。(西川甚五郎君「方向を変えて次にだれか質問してくれよ」と述ぶ)まあ関連だから私はこれでやめておきますが、私はまたかわってあとから質問をするから……。(小笠原二三男君「委員長、これは懇談ですか。どうも不規則発言が多いね」と述ぶ)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/89
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090・大矢正
○大矢正君 大臣はなかなか答弁しないから、もう少し……(栗山良夫君「答弁するまで待っていようよ」と述ぶ)待って差し上げることは非常にこれはけっこうなことだと思うので、私もそうしたいと思うのですけれども、何かしらしゃべっている間にすばらしい答弁が生まれてくるかもわかりませんから、その間私はそれに関連してお尋ねをしたいと思うのです。
東北開発というものはこれは新潟県を入れて七県ですが、各県ごとに開発計画を立てるのではなくて、東北全体というものが日本の経済の発展や拡大にいかに寄与するかということとあわせて、そこの地域に住む地域住民の生活向上にどれだけの役割を果すかという、こういう二つの立場から計画が私は立てられると思うのであります。少くともこういう二つの最大の使命を持っている計画というものが、これは一つの県ごとに、地方自治体ごとに計画を立てるなどということでは、決して総合的な計画は立つ道理がない。私が言うまでもないと思う。あなたの言われるような事情で地方自治体にすべてを付託して、そうして開発をするのだということを貫いていく——一貫をして貫いていくということになれば、計画というものは勢い各県ごとに総花的に分散をした、単なるその県の希望する希望条件だけを生かすような開発計画しかできないのであって、国土の総合的な基盤に立つ計画や、それからまた国民から、あそこに金をつぎ込んでくれたけれども、非常によい開発ができたという結果に私はならないと、こう思うのでありますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/90
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091・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 各県別にそれぞれの計画を盛っていくというよりも、総合的にこれを考えるのが、東北七県の場合にはこれは適当であるから、東北七県につきましては東北七県の総合計画を立てるべし、こういう建前でいくのが適当だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/91
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092・大矢正
○大矢正君 そうすると、総合の計画は立てっ放しじゃいかぬですね。やはり実施をしなきゃいかぬ。計画を立てるよりは、むしろ今日の段階では実施ということが国民の重大な関心事であります。単に計画を立てるだけが関心事であれば、北海道の開発は効果がゼロであったなどといって今日批判をされたり、あるいはやゆされたりするようなことは私はありっこないと思う。やはり何と言っても、実施が問題になってくる。そうすると、計画を立てる場合においてすら総体的に考えなければならないというように考えるのでありますからして、具体的な実施の面ではなおさらそれに沿うた実施機関を持つべきではないかと私は思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/92
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093・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 実施機関があるのが適当であると思いますが、ただ東北地方の場合におきましては、そこまで、開発促進法で執行機関を持つべき法律の目的、内容にしてない。それはただいまの各省ないし各行政体、自治体を活帰することによって実施、執行は可能である、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/93
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094・大矢正
○大矢正君 どうもあなたの言われておることは理解に苦しむのですよ。日本の国で法律が審議されておるのじゃなくて、アメリカかドイツか、どこかよその国で法律が審議されておるような答弁じゃ私は納得がいかないのです。この東北開発促進法は、今現実に参議院に来ておりますけれども、多少の質問や何かはされておるけれども、通過も何もしておりませんよ。法律的にまだ効力を発生していない。そういうものをつかまえて、促進法ではこう書いてあるからできないと、こういうばかな答弁じゃ納得いかない。あなたこれではいけないと思うのであれば、まだこれ通過していないのだから、直そうと思えば、この促進法直せるじゃありませんか。促進法があるから、だからこれはできないのだ、あるいは実施官庁をすべきじゃないのだという論拠というものは決してないですよ、今の段階では。通ってしまった暁においては、それはどうか知りませんけれども、まだ通っておらないのですから、そういうものにあなた限定をして答弁をするという答弁の仕方は私納得いかない。もっと理論的に筋の通った面で答弁をしていただきたい。(「異議なし」「委員長注意」「答弁」「委員長暫時休憩だ」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/94
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095・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 答弁ありませんか。(平林剛君「さっきのような答弁じゃ何回やっても同じだ」と述ぶ)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/95
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096・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 実施機関をただいま私は必ずしも持つ必要はない……。(天田勝正君「それは驚ろいたぞ」と述ぶ)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/96
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097・大矢正
○大矢正君 これは参議院というのは二番せんじのお茶みたいなだしがらかもしれぬけれども、もう少し親切みのある答弁をしていただかなきゃならぬ。持つ必要はありませんという、単にそれだけの答弁では、これはいうならば吉田式答弁というのかどうかわかりませんけれども、そういう答弁でもって国会の法律の審議がされるのであれば、今後われわれは何にも言わなくてもいいことになりますよ、法律を審議する場合に。どうですか。委員長、今のような答弁でいいと思いますか、どうですか。私は少くともそれならそれに沿うた根拠を明らかに示していただかなきゃいかぬですよ。(平林剛君「今度は委員長に質問だ」と述ぶ、笑声、小笠原二三男君「委員長速記を少しとめて」と述ぶ)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/97
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098・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/98
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099・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 速記を始めて下さい。
委員長から申し上げます。ただいままでの北海道及び東北に関する行政組織の問題につきましては、なお、両大臣の答弁が不十分な点があるようでありますから、十分両大臣御協議の上後刻答弁をしていただくことにいたしまして、他に質問の残りがありますようですから、他の質問を御続行願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/99
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100・大矢正
○大矢正君 現状の北海道の実態をながめてみますと、すでに開発計画が第一次の五カ年を終了した段階にありますけれども、北海道内における経済それから農業あるいは漁業、こういうすべての産業面に当てはめてみると、当初、計画を立てる、あるいは立てた時期に考えられた考え方とは、およそ非常に違ったと申しますか、希望した状況よりは低い実績しか出ておりません。特に、私はこれと関連をしてお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、北海道には弾丸道路ができ上ったり、あるいはまた新しい開発計画によって橋がどんどん永久橋にかわったり、あるいはまた、河川工事がある面では完成をされて、その被害が直接住民に及ばないような結果になったというように、ある面では非常に進んだ面も出ておりますことは、これは何びとといえども認めざるを得ないと思うのであります。しかし、実際的に今の北海道の現状をながめてみると、こういうふうに弾丸道路ができ、橋が永久橋にはなっていきますけれども、総体的な地域住民の生活水準あるいは部分的にみた地域住民の生活水準というものは、必ずしもこれに比例をして上昇はしていない。なぜ一体こういう結果になるのだろうか、農林に行けば冷害で困る農民ももちろんある、しかし、これは冷害という結果によって現れたことでありますから、開発計画とは多少違いますけれども、非常に農民が窮乏しておる、開拓農民が非常に悲惨な生活をしておることも、新聞やあるいはラジオ、映画等においても御存じの通りであります。また、漁村へ行きますと、すでに漁業資源というものが枯渇をして、沿岸漁業というものが、放棄しなければならないような段階に来ておる。道路はでき、それから橋はでき上るけれども、農民の生活水準あるいは生活の状況、漁民の生活の現況というものは、むしろ年々悪化の一途をたどっていくと言っても過言ではない状態が、部分的ではあるけれども見られるのであります。私は、少くとも開発というものが、単に橋を作り、そして道路を直すのみにとどまるのではなくて、そこにおける地域住民の総体的な生活水準の向上、これは、今楽な生活をしておる者まで上げるということまで含めておるのではありませんけれども、悲惨な生活をしておる者を救い上げることも、開発計画の一つの目標になければならないと思うのでありますが、すでに第一次計画の五カ年が終った今日といえども、今指摘するような悲惨な状況が随所に見られるのでありますが、こういうふうな現状がなぜ起るんだろうかということをいろいろ検討してみますると、政府の今日まで行なって参りました開発行政のあり方に、非常に大きな矛盾があるのじゃないか、地方自治体か行う行政というものと、それから開発庁の行う開発行政というものが、必ずしも密着をしていないという、こういう原因もあるでありましょうし、それからまた、平均して一年と一カ月ぐらしかならないというあの激しい大臣の変遷、新しく北海道の大臣になる人は、自分が適当にふろしきを拡げて、そうして、しりぬぐいは次の大臣がしなければならぬという、こういう開発行政のあり方、こういうものも大きく影響をして、今日のような状況になる、その結果がやはり、的を射ているかどうかは別としても、北海道に住んでおる人間あるいは内地における人間すら何のために金をつぎ込んだかわからないというような非難をされる原因が、ここにあると私は思うのであります。このような状況に対して北海道開発大臣はどうお考えになっておられるか御所見をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/100
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101・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 第一次五カ年計画は終りましたが、これは御承知のように産業振興の基盤となる諸施設をできるだけ早く充実していこうというのが、この第一次五カ年計画の大きな目標になっておる。それも初め五カ年計画をこしらえましたときに比較いたしまして、実際に財政資金を持ち得る額が約半分に近い額しか使えなかったというようなことのために、そのでき上りも大体五〇%、六〇%、電力関係だけが民間でやりまして百パーセントいっておるというようなことでございます。直接農民、漁民の生活に右左に影響するような諸施設は非常に寥々たるものであったことも事実でございます。農村のためのいろいろな振興施設は、今後第二次五カ年計画に盛られる問題が多いのでございます。また漁民の問題にいたしますと、お説のようにだんだん海岸から魚が遠のくという状態が、またこの基礎施設の上にも非常に大きな影響をもち来たすことになりまして、小さい船では漁港ではいろいろなことに不自由を感ずるというので、漁港の形もだんだんと大きくしなければならなくなったというようなこと等でありますが、それをできるだけたくさんの漁港を整備して、そして一般の漁民の人たちの仕事の手助けになるようにということで、いろいろ漁港等もたくさん整備にかかったのでございますが、あまりそれに追われて、かえって実効が上らないのではないかという非難も受けております。これはできるだけ早い機会に広くやりますが、一部分でも使えるような状態に早く港をもっていって、そして漁民が仕事をされる上に便利になるようにというようなことを考えて今日までやって、これからもやるつもりでおるわけでございます。大体論といたしまして、この第一次五カ年計画は基礎的な部面の仕事に没頭した。第二次から産業の復興、開発の面に力を入れていくという、大体としてはそう申せると思うのでありますが、そういうつもりでこれから先もやっていこう。第一次五カ年計画のあとを慎重に検討して、そして第二次五カ年計画をたてるということに進んできたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/101
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102・大矢正
○大矢正君 今度の東北を開発公庫の中に含む。それから東北開発促進法を作る。あるいは東北開発株式会社を作る。こういう問題が国会において論議をされる段階になりました今日におきまして、国民の世論としては田上開発庁次長を初め、開発庁関係の人々は非常にPR活動を積極的に行なって、開発計画はゼロではないという反論をいたしておりまするが、しかし何かしらん、国民の多くは何のために七百幾億もの金をつぎ込んだのだろうか、今度もまた東北開発をするということを考えておるようだけれども、また北海道の二の舞をするのではないかという、こういうことに対する危惧が出ております。こういうことがあったのでは、私たちとしては非常に残念でありまするし、北海道における開発もまたそれなりにやはり効果の上っておる部面も出ておるのでありますから、国民にそういう疑惑をもたせない。しかもそのことがひいては東北開発にまで響くことは私の本旨とするところではありませんので、極力こういうものを打ち消して、やはり効果がそれなりに上っておるということを表明しなければならぬと思います。しかしそうするには北海道の開発がまず前提にならなければならない。北海道の開発がないところに東北の開発というものの推進も私は生れてこないと思いますからして、北海道の開発はやはり当初の計画、当初の考え方通りに推進をされておるということが前提の要件であると思います。
そこで先ほども指摘をいたしたのでありますが、残念ながら批判をされておる。その批判を打ち消すためには、何というても大体このたびの五カ年計画終了後の北海道の開発というものは、なぜ一部国民から批判を受けるような結果になったかということに対する基本的な分析をこの際明らかにしなければいかぬのではないかと私は思うのであります。政府の資金のつぎ込み方が足りなかったのか、あるいはまた開発の機構が悪かったのか、あるいはまた大臣がかわったことが悪かったのか、あるいはまた開発庁の長官の不手ぎわであったのか、あるいは実施するところの各末端機関の運営の仕方がまずかったのか、計画の立て方がまずかったのか、そういう点を明らかにしない限り、東北開発に対する疑惑や疑問は今後も私は除かれないと思うし、ましてやそういうものか解消されないところに、政府が資本金を出して運営をする、開発公庫から金を貸すなどということは、これはとうていでき得べきことではないと思うのでありまして、こういう北海道開発に対する五カ年計画終了後の今日の基本的なこの面に対する分析の仕方を、この際発表していただきたいと思いますが、いかがなものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/102
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103・石井光次郎
○政府委員(石井光次郎君) 今、第一次五カ年計画が終って第二次五カ年計画が一応案として北海道開発審議会に出され、国の総合開発とにらみ合せて発表するという段階にあるわけでございますが、それには第一次五カ年計画の実施のあとを振り返って、謙虚な気持でこれを見、間違っておる批判に対しては十分な説明をし、またわれわれの力で反省するものは次の計画に織り込んで、再び誤りを繰り返さないようにすべしという考えで話をいたしております。
それで一つの例を申し上げますと、行管の公共事業の特別調査委員会というものができて、全国の公共事業を査察されました場合に、北海道の問題についての査察の報告があります。これを見ますると、これはただ新聞や雑誌に批評家その他の人が何かの資料で書いたという以上に権威のあるものとして、一般にとられるのは当然であります。その批判をされておるものにつきまして、これは説明をわれわれのほうからいえば、御了解願えるものもあり、またその中にはもちろん第二次五カ年計画に取り入れて、他山の石として、われわれの方を児返していかなければならないものもあるのでありますが、これらにつきましても、話し合いを一つする必要かあるのではないか。ただ報告書の書きっぱなし、それをもらいっぱなしということではいけないと思いまして、先ごろ大久保長官と話をいたしまして、実はこの数日中に、あすかあさってでございますが、その北海道を視察した委員の方々と、その報告書を土台にいたしまして、われわれの方と話し合いをして、何らかの結論が出るものは、結論を話し合いで出して、そしてそれを第二次五カ年計画の上にも反映させるようにしたいというようなこと等も考えております。で、どういうふうに考えておるかというようなこと、自分よがりばかり、また弁解ばかりになってはならぬのでありますから、各方面の意向をなお聞きまして、そしてそれを第二次五カ年計画に織り込んでいこうというつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/103
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104・大矢正
○大矢正君 私も、実は具体的にまだまだ指摘をいたしたい点を数々持っておるのでありますが、幸いにして、東北出身の小笠原委員が、資料を出していただいてから再度質問すると、こういうことになっておりまするから、私もそのときに一緒にさせていただくことにして、きょうは、まだほかの天田委員、栗山委員等から数々の質問があるそうですから、この辺で私の質問を打ち切り、後日に譲りたいと思うのでありますが、最後に、公庫それから公庫を監督する立場にある方々に私は申し上げておきたいのですが、北海道の新聞では、すでに北海道東北開発公庫ができ上った場合には、だれが理事になり、だれが総務部長になるということまで、具体的に新聞に出ております。こういうことを、最初から、何というのですか、計画を立てて、そして法律を無理に押してくるというような態度については、私は実際不可解千万であるし、またおもしろくないものがある。すでにもう北海道の道民には、新聞を通じて北海道東北開発公庫はでき上ったのだ、あるいはもうでき上るのだというような前提を作り上げるような、こういう開発公庫の行為に対して、私はとうてい納得ができない。これは幾ら言ってみてもしようがありませんから、どうか今後こういう点について、私は自重していただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/104
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105・天田勝正
○天田勝正君 私はまず石井大臣に伺う前に、答弁の便宜のために申し上げておきますが、先般の年度予算の審議に当りまして、北海道開発問題を私は質疑いたしたいとして、大臣を要求いたしたことがございます。与野党の時間の約束がありましたので、ついにそれに言及することができなかった。ついで分科会におきまして、柏原主幹であまりすか、来てもらって、北海道開発関係の質疑を行いました。まことにもって、汗をたらしながら答弁をされましたけれども、一向核心に触れた答弁は得られないで、並みいる与党の諸君といえども、これではもうしょうがない、こういうことであった。で、次に、先般の本委員会におきまして、田上次長が出ておられて、それに質問を、いたしたわけでありますけれども、これまた的はずれの答弁であります。そういう経過でありますから、私はあらためてあなたに伺わなければなりません。特に私どもが質問すると、大かた田上次長におかれては、中谷博士の文芸春秋に書いたとやらのそれの反論を申される。私が予算の分科会において質問した事柄は、山谷教授の論文などは全然見ておらない、全く予算書だけを相手にして質問しても、一向にそれがつじつまが合わない、こういう事情であります。
本日は一番冒頭に私は伺うのですが、この文芸春秋の五月号い田上次長の署名入りで、「中谷博士の『北海道に消えた八百億円に答える』」というサブタイトルのついている反駁書が出ておりますが、これは田上次長個人で出されたものか、あなたが御命令になって出されたものか、命令とまではいかないが、しかし相談の上で出されたものか、まずそれを伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/105
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106・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 文芸春秋に中谷氏の議論が出まして、その表題が御承知のように、八百億からの金がむだに使われたというような大きな疑惑を——内容を読まずに表題だけ見る人、でもいろいろな問題に疑惑の眼をもって見るのじゃないかということで、皆心配をいたしておったわけであります。で、田上次長が自分の責任にて、ああいうものを書いて出されたということを、あとで私は聞きまして、出されたことを承知しております。内容は見ませんでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/106
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107・天田勝正
○天田勝正君 ただこういうのを出すということをお聞きになって、内容を全く御存じないということでありますれば、どうもこれに基いての質問は困難でありますけれども、私はこの中谷博士の批判に対してこたえる文書は、まことにもって三ページぐらいの間というものは、それこそ微々たる言葉尻をとらえてとやこう言っているだけで、「『この北海道開発はどうあるべきか』と題する。パンフレットを極めて権威あるものとして、そのまま無批判に受け入れ」とか、つまらぬ形容詞でやっている。あるいは「不合理が放置された旧政体や、しみじみ辛酸を舐めさせられた戦争の大失敗」なんていうようなことで、全くそれこそ抗議のための抗議の文章表現であるのであって、中谷博士の批判に対して、北海道開発庁としては、かくかくの業績をあげたのだというところは、私が見ては見当らない。若干の指摘がありましても、それは全くもってわずかな微々たる言葉尻をとらえて、その反論にしている。ゼロと言ったのはそればゼロじゃないのだといった程度であって、じゃ八百億の金に見合う開発を十分行なったのだというようなところは、一つも私としては見当りません。これから、だんだん申し上げますが、そういう反論を公務員がそう根拠もないのにされるということは、むしろ私は不謹慎だと思いますが、大臣はその点はいかがお考えでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/107
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108・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 私は自分の関与した仕事で、それを批判されて、それが自分としては間違っている、こういう点が間違っているのだということを自分の名前を署して表明することは、一向差しつかえないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/108
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109・栗山良夫
○栗山良夫君 関連して。先ほどの長官のお話によりますと、田上次長の文春に載りました論説については、田上次長個人の責任において出されたものであって、あずかり知らぬと、こういうお話でありましたがこの件については、私はこの前、何回前かちょっと覚えておりませんが、当大蔵委員会において、私が直接田上次長に聞いているのであります。そうすると、田上次長は、次長個人の責任において出された、こういうことでありましたから、従って長官の認可を待ているのかという追及をしましたところ、田上次長は長官には了承を得てある、こういう答弁でありました。今の御答弁とはだいぶ食い違うのでありますが、その点を一つ明確にしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/109
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110・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 私はさっき申しましたように、田上君がそういうことで、自分の個人の責任において出したのだということを聞きました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/110
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111・栗山良夫
○栗山良夫君 これはちょっと話が食い違うので、田上次長に伺いたいのだが、あなたはこの前、川村大臣に承認を得たとおっしゃる。たしか速記に載っていると思いますが、川村大臣に了承を得たと、こういわれますが、その通りですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/111
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112・田上辰雄
○政府委員(田上辰雄君) 川村大臣に、手続として一応申し上げて御了解を得たと申したつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/112
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113・栗山良夫
○栗山良夫君 そうすると、田上次長は、今川村大臣がおやめになっておるわけですが、その後石井大田が出られてからは、石井大臣には、だいぶ問題になっておるわけでありますが、その経過あるいはあなたの書かれた反論の内容というものについて御報告になりましたかどうか。ただいま大臣の御答弁では、内容を知らないとおっしゃっておりますが、その点はどうなんでありますか。伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/113
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114・田上辰雄
○政府委員(田上辰雄君) 私は、自分の責任において出したのでございますが、先ほど申しました通りに、当時川村大樺がおいでになり策したので、そういう反論を出したいと思うということだけを申したのでありまして、私の責任において出したのであります、で、すでに石井大臣が臨時に大臣として御就任になりましたときには、すでにそういう印刷物を、原稿を出したあとでございまして、特に石井大臣にそれを申し上げる必要はないというふうに考えたので、従って申し上げておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/114
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115・天田勝正
○天田勝正君 伺いますが、私は過日当委員会におきまして、中谷教授とは全く先にいいましたように別個に、これだけの国費を一投ずる、今後もまた継続して、今まで投じた以上の国費を投じて参る、こういうことは、当然に経済効果をねらって投ずるものである、そうでなければならないのに、経済効果が上らないという面があるということを指摘いたしました。ところがそれに対する田上次長の答弁は、中谷博士に対する反論と同じように、後進地域の開発専業は民間興業のように採算だけを考えるのでなく云々、こういう答弁があったと記憶いたしております。これは文章にも出ておるから、多分同じ趣旨で答えられたはずであります。ところが、それは直ちにそろばんに合うか合わないかということを私は聞いておるのではない。最終的には、国の金を使うのであるし、タックスペイアーの立場を考えるならば、必ず経済効果が上らなければならない。上るべき事業をやるのだ、こう考えますが、この基本的な考え方について大田はどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/115
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116・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) さっきも申しましたように、第一次五カ年計画で予算を使いました方向は、経済の基盤となる方面ということに使いましたので、それにおもに使いましたために、経済復興、経済の発展という方面の現われは鈍いのでございます。しかし目標とするところは産業が盛んになって、そうして人も収容し、そうして物もたくさん出るというような状態になるのが目標であることは、あなたのおっしゃる通りだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/116
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117・天田勝正
○天田勝正君 この北海道総合開発という本は、これは資料として文書箱に入っておりましたから、発行は政府それ自体ではございませんけれども、政府も参考になると思ってわれわれに渡されたのだと存じます。その中にこういうことがございます。「第二次五カ年計画を作文に終らせないためには、まず第一次五カ年計画の残事業を厳正に再検討した上、実現性ある第二次計画案を立案する。さらに実施機関の多元性を排除した開発庁の完全実施機関化の実現」云々こういうことである。私どももこうでなければならぬと思います。やはり第二次計画をもうすでに作っておられると思いますが、その第二次計画の基礎になるものは第一次五カ年計画の厳正な再検討の上になされておりますかどうか、この点を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/117
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118・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 昨年の夏までのいろいろな経過を土台といたしまして、これによって第二次の五カ年計画を立て、そして北海道開発審議会の議に付したわけでございます。これは申すまでもなく、第一次五カ年計画の今までの経てきた跡を検討して、この次の第二次五カ年計画をさらにいい方向に持っていくという方向でこしらえたに間違いございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/118
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119・天田勝正
○天田勝正君 大体私の考えとその点は同じようでありますからけっこうでありますが、そこでしからば過去の実績を十分反省し検討しなければならないその中の第一は、私は人口吸収になろうと思う。過日もその観点で質問しました。第一次計画におきましては、すでに今ごろはというよりは、三十一年度におきまして、北海道の人口が六百万になる、こういう計画であったわけであります。当初の予算の裏づけよりが少くなったから、これが若干下回るということはやむを得ませんけれども、しかしこの六百万になるということが、六百万になるどころのさたでなくて、ここにも田上次長の反論としての数字も出ておりますけれども、たとえば増加人口のうち、二十七年度から第一次計画の間であるが、社会増だけにすれば二方六千しかふえていないか、自然増の方が三十二、万ふえておる。こういう数字である。これではいかに何でもあまりにひどすぎる。この微細な点を反論するのではなくて、大きくこうした計画のそご、これは確かに当初計画というものが誤まっておった、こうお認めになりますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/119
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120・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 第一次五カ年計画で、計画の最後の年には六百万になるという計算でありましたが、今御指摘のように、自然増、社会増を加えてその増加するものの三割何分しかふえないというような状態である。これは私はずっと経過を聞きましても、この六百万計画というものが相当無理な考え方ではなかったか、こういうふうに思われるのでございます。これを今度第二次計画には、今度は第一次の場合よりもさらに産業の復興という方面に入りますので、人口収用力もその点からは第一次より第二次の力が増し得るのでございますが、それらのことも第一次の経過を十分に勘案いたしまして、これから五カ年あとの総人口が、五百五十万でございますか、第一次の終りの六百万というのにも及ばない数で、その点遺憾でありまするが、ずっと正確を期する立場において検討いたしまして、そういうふうな状態にいたしております。第一次の六百万というものは、私は確かにどうも少し過ぎておったと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/120
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121・天田勝正
○天田勝正君 過日この人口収容の問題を質疑いたしましたときに、田上次長は、私に答えられたのとまた中谷博士にお答えになったのとちょうど同じことを言われておる。それは第一次五カ年計画は、産業開発の原動力となる電源の開発。それから開発に先行すべき道路、港湾、河川等の整備。食糧増産。地域別基本調査及び地下資源の開発調査、この四つなのだ。その四つのうち食糧増産というのもその一つである。その四つのうちの一つで、その分に、要するに人口吸収というものがあるのであるし、それは基礎的な段階であるから、未だそういう十分な実績を上げることはできないのだ、これから実績が上っていくのだ。大かたの趣旨はさようでございました。
そこで私は伺いますが、しからば計画が遂行できたというものがここに想定されるのであります。その想定されるものが農業関係でいいますと、たとえば篠津地域の開発、根釧地域の機械開墾建設事業、こういうようなものでございましょう。で、その根釧地域の分でいいますれば、今年度は二億二千六百万円、昨年度も二億三百五一万円、こういうことであります。この全計画に投ずる費用を幾らかと言って、先般予算審議に当って聞きましたところが、十八億である、こういうことであります。十八億投じてこれは終るのでありますけれども、終りになったときに一体幾ら人口吸収できるかと言ったら、ゼロであろう、こう言う。これは柏原主幹の答弁一でちゃんと速記録に載っております。ゼロである。で、しかも予算の説明に言葉を借りまするならば、今後主畜経営農家の入植を推進する必要がある。あるいは開墾作業、酸性土壌の改良あるいは入植施設云々、まあその他たくさんこう書いてありますが、かようなことをして人口吸収はここにゼロであるということは、私は完成した後にゼロというところに一つの大きな問題があると思いますけれども、大臣はこの点ではいかがお考えでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/121
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122・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 篠津地区の(天田勝正君「いや根釧の、今聞いておる」と述ぶ)根釧の仕事をやり益する場合に、これはどのくらい入るかというと非常に少い数が予定されております。これはいわゆるパイロット・ファームとしてやりますものは、床丹第二地区と申しますと、これが入植戸数は二百八戸ということになっております。三十一年度に五十八月、三十二年度に六十九戸、三十三年度に八十一戸でございまして、一戸の耕地の広さとそれからいろいろなこれに伴いまするものを持たして入植させるものが、このでき上りにおいて二百八戸という計算でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/122
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123・天田勝正
○天田勝正君 先般予算の質疑に当りまして答えられたところは、今の数字はそれは篠津でございます。根釧の方はゼロと、こう言うのです。だからかりに中谷教授の聞いた八百億でないにしても、十八億、こういうことになるのですね、私の見るところでは。そこでついでに篠津の方へ行きますが、篠津は今年度予算が八億五千万円、昨年一度は四億六千八百万円。今年度はさらに六億七千三百万円の国庫債務負担行為がございます。もっともこれは二つの数字で、機械を借りる場合はこの数字の六割方に減りますけれども、しかし機械を買うという場合には六億七千三百万円の国庫債務負担行為が残る、こういうことであります。そこで、しからば第一次、第二次の国庫債務負担行為等も含みまして。この地域に投ずる国費は一体幾らか。そうしたら八十億何がしであるというお答えなんです。この八十億何がしをここへ投じて、それが終ったときに、一体幾らここに農家を収容することができるかと言ったら、二百八戸と言う。今大臣の答えられた数字であります。そうすると、これは煙に消えたというほどじゃないけれども、八十億を投じて二百八戸ということは一体何ごとだということになる。中谷教授の聞いた八百億ではございませんけれども、何かここにも八十億ばかり消えるような気がしますけれども、この嫌いかがお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/123
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124・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) それはそのとき間違えて御報告申したのじゃないか、その通りでありましたら、そうと思います。篠津地区では、大体入植者の方で申しますと、大体五百五十見当の入植戸数がおしまいにはなると思います。そうしてこれは御承知のように篠津地区に八十六億も投じますが、これは、要するに土地改良という事業がおもな仕事であることは御承知の通りであります。それで、これができ上りますと、十九万石の増産ができて、年額においての増加収入が十八億円余という、事業の方の計画としてはそういうふうになっております。人の問題ではただいま申し上げましたような状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/124
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125・天田勝正
○天田勝正君 過日聞きましたところが、ほとんど北海道のこの予算をそれぞれ項別に見るというと、農林漁業関係じゃないかこういうことを言ったら、例の文章上手の田上次長はやっぱり言葉じりをつかまえたようなことで、農業の方はそのごく一部なんだ、こういう話をされたのでありますが、そこで私はあらためて聞きますが、北海道の河川等の事業費、これは確かに農業だけではないのでございましょうが、大部分の経費はやっぱり農業開発であろうと思う。それに間違いないかどうか。これが二十五億であります。次に砂防事業、これももちろん農林関係であることは間違いないと思いますが、これが一億一千六百万円、全都今年度の予算であります。次は治山関係の二億三百万円、これも明瞭に農林関係だと思いますが、その通りにお考えであるかどうか。それから造林事業三億四千二百万円、これも農林関係には間違いないと思うけれども。次は林道事業、これもやはり農林関係には間違いない。次は土地改良事業、これは都市のまん中で土地改良をするはずはございませんからこれも農林関係に間違いありません。次は開拓事業これも十四低何がし、これも農林関係であります。それから次は、さっき言いました篠津地区の泥炭地とそれから根釧地区、その次は北海道農業機械整備費、これも農林関係であることは間違いございません。それからすでに今年度予算からは消えておりますけれども、昨年度まで十億近い金を使いました幾春別、これも農林関係であることは間違いない。耕地整備に必要な経費今年度五億二千六百万円、これも農林関係に間違いない、開拓実施に必要な経費十億、これも農林関係に間違いないと思いますが、大臣はそうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/125
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126・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 大部分はそうだと思います。ただし河川砂町その他は国土の保全、これはただ農林だけのためではないと思いますが、大部分そういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/126
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127・天田勝正
○天田勝正君 そういたしますと、今申し上げたような、この項目は確かに農林関係であろう、一部はそれは河川を直せば土地の人も潤う、こういうことで間違いないというのが、私も大臣意見は一致いたします。お聞きいたしますが、これらにつぎ込む第一次計画は幾らであったか、総体で第一次につぎ込んだ金は幾らであったか、今後第二次につぎ込むべき資金は幾らであるか、これをお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/127
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128・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 政府委員から御答弁申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/128
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129・田上辰雄
○政府委員(田上辰雄君) 大へんお待たせいたしまして申し訳ございません。それでは第一次五カ年計画の公共事業費の総額を申し上げます。第一次五カ年計画に関する実施の……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/129
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130・天田勝正
○天田勝正君 答え中ですが、私の聞いているのはさっきも言いましたように、公共事業費をお聞きしているのではありません。さっきあげたような農林関係の予算の使った額は幾らか、第二次計画で今後投ずべき金額は幾らか、こうお聞きしているのですよ。委員長注意して下さい。聞いたことに答弁してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/130
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131・田上辰雄
○政府委員(田上辰雄君) 一応公共事業費全部の実施額を申し上げさせていただきたいと思いますが……(小笠原二三男君「どんどんやったらいいじゃないか、そしてその中で農林関係を言えばいいのだよ」と述ぶ)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/131
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132・天田勝正
○天田勝正君 公共事業費を言ってもよろしいです、今小笠原君が注文したように。その中で農林関係を私の質問の通り言うのか言わないのか、それを聞いて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/132
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133・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) まず公共事業費を答弁した上でそのまた答弁をいたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/133
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134・田上辰雄
○政府委員(田上辰雄君) 第一次五カ年関係では、道路が百九十一億二千万円、港湾か三十一億九千七百万円、河川が百四十六億六千七百万円、砂防が二億九千七百万円、農業が二百二十六億千二百万円、水産が三十三億四百万円、林業が三十億三千百万円、それから第二次五カ年計画としまして要綱案といたしまして一応予定しておりまする国費を申し上げます。道路は三百八十六億円、それから港湾が八十八億九千七百万円、それから空港が六億四千六百万円、それから河川でございますが三百一億九千八百万円、それから砂防が十二億二千六百万円、治山が二十四億三千五百万円、それから土地改良、これが二百五十四億四千万円、それから開拓が二百三十八億七千七百万円、漁港が六十八億五千万円、以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/134
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135・天田勝正
○天田勝正君 以上であってそれを羅列しただけで、私の聞いたように農林関係は幾らだということはあとで言うということで、委員長が注意したけれども、それは言わない。いいですか、それでは私の質問の趣旨を大臣もお聞き取り願いたい。私がなぜ農林関係だけをとらえて言うかというと、私は漁業を切り離したのです。農林漁業というけれども、漁業は特にこの際切り離したのです。なぜ切り離したかというと、漁港の整備だとか漁田の開発だとかといっても、それ自体雇用の増大にならない場合があるのです。こういうものは雇用の増大にならないので、ただ漁民のまじめな生活を経済的にゆとりのあるようなものにする、これも一つの総合開発であることは間違いありません。しかし、私の質問は雇用の増大、人口の吸収というところに今しばって行きたいために、直接それが目に見えるであろうところのものを一つ検討したい。そのことがさっき大臣もお認めになっておる第一次五カ年計画の厳正な再検討、こういうことにつながるからなんです。いいですか、そこでたとえば林道をここに作ったと、こういうことにすれば、林道を作りっぱなしじゃなくて、そこに山林開発、木を切る人間もそこに雇われることができて、そこで仕事につける、こういうことなんです。その目に見えるのがやっぱり農林関係なんです。百姓の開墾だけじゃないのです。そういう意味で私は農林関係だけを一つ、さっきずっと項目をあげて念押しをしたのです。これは一部のものは別として、大部分のものが農林関係であることは間違いないから、これの総計は第一次、第二次に分けて幾らかとそれを聞いた。それを一つお答え願いたい。道路だの海湾だのは、それは産業の基盤になりますよ、たしか。そのこと自体が直ちに雇用の増大にはなりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/135
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136・田上辰雄
○政府委員(田上辰雄君) 農業関係の第一次一五カ年計画における数字は、先ほど申し上げました通りに、二百二十六億でございます。水産が三十三億四百万円でございます。林業が三十億三千百万円でございまして、お話の河川等を農業関係としてこれを分けるわけにもいかないと思いますが、数字は先ほど全部申し上げた通りでございます。第二次の関係といたしましては、土地改良が三百五十億、開拓が四百二十三億、それから漁港が七十五億です。そのほか林業といたしまして四百十五億と、それから水産業としまして二百一億……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/136
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137・天田勝正
○天田勝正君 もっと補足しなければわからないですよ。実際笑い話のような驚くべき答弁になっているのだが、これはたとえば河川の関係でも分けるわけにいかないという計画はそれはありませんよ。私の方でも荒川の総合開発をやっておりますけれども、その総合開発というのは一つだけれども、ちゃんと計画の上で分けております。それは発電を幾らする、ダムを作ることによって畑地灌漑をやってその効果が幾らと、それから新たに要するに水田に十分の灌漑ができるのを経済効果が幾ら、あるいは洪水を防止することによっての効果が幾ら、一つの総合開発でちゃんとそれは効果の表を出しておるのです。だから私はさっき河川のこともこれは農林関係がおもであろうと、こういうふうに言ったのは、それは私だって河川の卒業に金をつぎ込んだ場合に、農地だけが水びたしになることは防げるじゃないかと、土地も防げるだろう、そういう部分もあるけれども、直接の効果は何といっても水が出ないということになれば農業だ、だからそれは区分できるはずなんです、七〇%、八〇%、その地域によって。そういうことで私はずっと項目を分けておもなるものは農林と、そのままのものもあります、林業というようなものはそのものずばり、ところが河川のようなものは分けて総合は幾らかと、こう聞いておるのですから、そのつもりで委員長一つ答弁させて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/137
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138・田上辰雄
○政府委員(田上辰雄君) 天田委員のおっしゃいましたように、多目的、ダムのごときはアロケーションになっておりますから、それは出るのでございますが、そのほかの河川の改修峠につきましてはなかなかこれは農業関係の部分だということは非常にむずかしい問題で、御希望のような資料は急には間に合わないと思いますので、この程度でお許しを得たいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/138
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139・天田勝正
○天田勝正君 建設省だって農林省だって、ここに一つ水路を作る場合には、必ずこの委員会だって他の雲母会だって、かくかくの経済効果でございますと、みんな答弁しますよ。それは全く一番末の末の数字まで間違いないということは、これは期し得られませんけれども、今までかくかくの損害があったものを防げば米が幾ら増産になるとか、そういうことは当然出て来るんですがね、これは困ったもんだね。
それでは大臣にお伺いしますが、必ずしもあなたが一人で今まで第一次計画を御遂行になったのではありませんから、別に私は追及という意味でお聞きするのではありません。ただ引き継がれたのでありますから、第一次計画においてしからばどういう経済効果というものをずっと列挙されて、これには幾らの効果があるというようなことがあったはずでありますが、それは私どもも若干持っております。それか国の金のつぎ込み方が予算のワクに縛られて若干減らさざるを得なかったために、その使った八百億のうちでは、どういう経済効果ということの分類であろうと思いますが、その点はどういうことになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/139
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140・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 五カ年のあとを振り返ってみましたものは一応あるわけでございます。さっきも申しましたように、電源の開発のごときが百パーセント計画通りに行った以外は、残念ながらそこまで行っておりません。五〇%から六〇%の見当のも一のが多いのでございます。これはちょうど初めの予算が約半分になったというのと比例するような格好になっております。でそういう状態でございまして、その中で一番初め数字的に上っておって違っておるような結果になったのは、御指摘になった人口問題だと思います。そのほかの問題は大体格好が一応ついておるのでありますが、数字を耕地で申しますと、達成率が五七%、それから農業関係で申しましたら乳牛という点であげてありますが、これは七二%、それから米に換算いたしまして主食が五九%七、約六〇%、水産が八〇%、電源が一〇五%、人口に至っては三四%しか行ってないというのが大体の状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/140
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141・天田勝正
○天田勝正君 それはこの文芸春秋に出ておる数字そのままで、私も承知しております。お示しの中の電力関係はたしかに国費でめんどうを見たことは事実でございますが、これは人がやったんです、実施は。ところが私のお聞きしたいのは北海道開発庁それ自体で直接やったもので、さっきあげたように根釧だとか篠津だとかをあげるのは、実は直接やったからここに効果がどうあるかと、一番見やすいので申し上げたんです。そのほかの項目を言うならば、たとえば今年度予算で北海道都市計画事業費一億七千万円という項目がございますが、これは、地方団体が施行する必要事業費の補助のための経費と、こう書いてある。その他、一つ、一つ言いますと、ずいぶんあるのです。これが事業量に見合う資金の総額ではないのです。そこで私が先ほどから聞いているのは、北海道開発庁において、責任を負ってやった事業、これが効果があったか、なかったかということの見易い項目であるから伺ったわけなんですが、なかなかその答弁は得られない。そこで私は全体として伺いますが、とにかく農林漁業関係においても、ずいぶん膨大な金を使っております。この関係における雇用の増大というのは、第一次計画の遂行の全体として幾らであるのか。今までの御答弁のように、第一次計画の遂行というものは、それは産業基盤の基礎を作るだけであったのだから、第二次計画をやれば、大きくこれが伸びるのだ。こういう答弁を基礎にいたしますと、じゃ第二次計画においての、この面の雇用の増大というのは、どのくらい飛躍的に伸びるのか。それを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/141
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142・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) さっき人口の問題は、第一次と第二次の関係で申し上げました。第一次計画が終ったときは、六百万と予定しておりましたが、実際は四百八十万というような状態であります。まことに残念でございますが、これを次の五カ年計画では、産業の発展という面にだいぶ進みますので、これは相当増加するはずではありますが、これによって直接に人口の増加というものは大きく期待することはできないのでございます。手固く勘定いたしまして、これが五カ年後には七十万を増しまして、五百五十万の人が収容ができるという計算をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/142
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143・天田勝正
○天田勝正君 私がお聞きしておるのは、農林関係がいかほど、第一次計画の遂行後において雇用の増大があったのか。第二次計画が終ったときに、すなわち三十六年の末におきまして、それがいかほど画期的な雇用の増大になるのか、こう聞いておるのであります。農林関係であります。それは過日の答弁では、農林関係は、計画を終えれば、そのときにはずっと効果があるべきはずだ。こういう質問に対して、第一次計画は、地固めであるから、第二次計画になれば、飛躍的にこれが伸びるのだという答弁を受けておるから、その較比をしてみたいと思って伺ったわけです。今の答弁では、全体の六百万が四百八十万であった云々というので、それは全部みんな知っておるのであります。そういう質問をしておるのではないのであるから、伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/143
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144・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) わかりました。ちょっとお待ち下さい。政府委員から(「政府委員というのは誰だ」と呼ぶ者あり)説明員から答弁を一応いたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/144
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145・金子満
○説明員(金子満君) 入植すれば一万一千二百五十戸です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/145
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146・天田勝正
○天田勝正君 それでは第二次計画を終えたときはどうなるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/146
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147・金子満
○説明員(金子満君) 第一次計画を二万戸予定いたしまして、実際は三十一年度までに九千四百四十七戸であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/147
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148・天田勝正
○天田勝正君 私がお伺いしたのは、第一次五カ年計画はすんでおるのですから、すんだところでこの農業関係の雇用の増大はどうなっておるかとお聞きしたら、今の一万一千二百五十戸ですか、こういうことです。第二次計画の終ったときはどういう伸びがあるのか、こう聞いておる。第二次計画の三十六年のときはどうなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/148
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149・金子満
○説明員(金子満君) それが一万一千二百五十戸。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/149
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150・天田勝正
○天田勝正君 第二次ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/150
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151・金子満
○説明員(金子満君) 第二次でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/151
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152・天田勝正
○天田勝正君 第一次は発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/152
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153・金子満
○説明員(金子満君) 第一次は九千四百四十七戸を見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/153
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154・天田勝正
○天田勝正君 それではこれに見合う開拓の予算は総額でいくらですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/154
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155・金子満
○説明員(金子満君) 第二次開拓の予算は二百三十八億七千七百です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/155
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156・天田勝正
○天田勝正君 第一次の数字は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/156
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157・金子満
○説明員(金子満君) 第二次のです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/157
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158・天田勝正
○天田勝正君 第二次は聞いてわかった、第一次の実績の数字はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/158
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159・金子満
○説明員(金子満君) 実績の数字は分けてないのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/159
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160・天田勝正
○天田勝正君 往生するのだが……。それでは聞きますが、この間の私は予算の分科会以来ずっと聞いて来た。ところがさっき言うように二百八戸、それはさっきの大臣の間違いで五百何戸、これも今の数字と違いますけれども、それも仕方ない、仕方ないというよりほかに言いようがありません。そこで、ところが一面、この五カ年間には北海道の農業人口は逆に減っておるのですよ、逆に減っておる。ふえたものもありますけれども、その差引きした結果は減っておる。そういたしますると、開拓して土地を今ただ与えると、まあ俗な言葉でいえば、餌を与えたものはそのまま一時入って行くけれども、今までの既存の農家というものは減るという事実の数字が明らかなんです。だから開拓するのも大切であろうけれども、今までの農家がそこに定着し、安住ができるという政策をまずやって、そうして新しく金を注ぎ込んだものはもう人増になる、農家の人増、しかも農家それ自体の経済もやはり潤沢になる、こういうことにならなければつじつまが合わぬと思いますが、この農家は事実減っておるということについて、北海道長官どうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/160
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161・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 金子説明員から説明いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/161
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162・金子満
○説明員(金子満君) ただいまの農業人口でございますが、確かに減っておるわけなんでございます。それでこれを調べてみますと、専業農家は大体同程度なんですが、兼業農家の中でも第二種兼業でございますが、これが非常に減っておるわけです。ちょっとこれを例で申し上げますと、二十五年の二月の調べでございますが、専業農家は十二万二千七百八十八、それから二十九年の二月にやはり十二万二千五百九十六ということになっております。兼業農家はそれに対しまして二十五年の二月には十二万二千九百六十九は、二十九年には十一万五千九群七十六になっております。このうち第一種、まあ農業を主としました兼業農家は逆に少しふえておりまして、二十五年には四万二千二百六十四であったのが二十九年には五万三千七百四十七と少しふえておるわけであります。それに対して第二種が二十五年には八万七百五だったのが六万二千二百二十九に減っておるわけであります。これに対しまして内地の方を見ますると、内地でも農家戸数は二十五年の五百九十三万に対して五百八十六万と減っております。それから専業農家も内地は北海道と比べまして二十九万六千が二十二万五千と減っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/162
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163・天田勝正
○天田勝正君 今の答弁で明らかなるように、専業農家すら減っておる。ここに大きな問題があります。兼業農家が減っておる、これは部分的にはうなずける理由もございましょう。しかしこれだけ別途開拓予算を、第二次ならばたとえば二百三十八億なり、また第一次におきましてはそれ相当の金を使ってきたわけでありますので、そうすれば兼業農家でも兼業しなくてもいいように、こういうふうになってきて、少くとも今までの農家戸数、農家人口というものは減らないということでなければ、要するに国費を多額に費やすというその経済効果というものはまことに疑われるということになります。この点につきましては、さっぱりこういうところへ気を配らないような、まあやり方であると思わざるを得ないわけですけれども、石井長官は、次の第二次の五カ年計画開拓費二百三十八億、これだけの金を使って、その分には入れるが、入植させるが、既存の農家というものに対する対策は一体どうお考えになっておられますか、所信のほどを承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/163
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164・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 今の兼業農家がだんだん減るようなことのいろんな理由はありましても、これは放っておくわけにはいかないのでありまして、これに対する方策も考えなくてはならぬということは取り上げられておることでございます。わずかばかりでございますが、今度の予算にもそれをみておりますので、今申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/164
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165・金子満
○説明員(金子満君) 既存農家に対しましては、土地改良を中心にいたしまして、土地改良が第二次では二百五十四億でございます。(小笠原二三男君「しかしそれは泥炭地などで大きく局部的にかかるのだろう」と述ぶ)泥炭地だけではございませんので、重粘土地帯、そういうものも含めまして二百五十四億でございます。(小笠原二三男君「特殊なものははずさなければだめだよ」と述ぶ)それからこれは開発庁に直接計上はいたしませんが、耕土改良その他の費用で第二次では五十億となっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/165
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166・天田勝正
○天田勝正君 委員長にお願いいたしておきますが、たとえば地方自治団体の赤字問題を議論いたします場合でも、自治庁は直接その金をいじっているわけではなくても、ちゃんと答弁をしておるのであります。たとえば補助金にやったのを直接開発庁がそれを直接事業として使わないにしても、その効果というものは常に見ておる。それがちゃんとキャッチできるという状態でなければ、とても私は困ると思うのであります。そういうところに誤解もあるかもしれませんが、聞いて八百億などと言わざるを得ないということになる点があるのです。私どもがもう先日来聞いてきても一つといえども適確なぴしっとわれわれを納得せしめるような答えは得られない。これじゃまことに困ります。しかし幾らでも質問がございますので、また栗山委員なり小笠原委員なり論客がそろっておりますから、私はまた別のことを一点聞いてみたいと思うのでありますが、先ほどの御答弁から言うと、第一次について、もろもろの計画があった、そのうちにおいて電源の一〇〇%を初めとして、それぞれ一番低いところの耕地というのが五七%の遂行率だ、ただその人口だけが三四%なんだ、こういうことですね。そうすると、産業開発の部面においては大てい六〇%以上はいっておるのに、人口だけがその半分の三四%しかふえていない。こういうことを対比して考えれば生活向上率というものはぐんと上らなければならない。人間がふえないで、他のものは、産業はふえたわけですからいいのですが、減税の場合だってちゃんとその計算が出てくるのですよ。幾らの所得のものが幾ら減税されれば生活向上率は幾らかというのがすぐ出てきます。それで北海道はほかのものは誇らしそうに、一〇〇%は電源だけれども、他のものもいや七〇%であるとか五九%であるとかいう数字を示しておる。人口の方はふえるのは三四%で、他のものと比較すれば半分とするならば、生活向上率というものはかなりこの五年間に私は高いものがあろうと思いますけれども、それじゃ、この数字から出てきた生活向上率というものはどういうことになっておりますか、お答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/166
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167・金子満
○説明員(金子満君) 第二次五カ年計画におきましては、農業生産額を、二十九年を基準にいたしまして九百五十四億であったものが、三十六年度には千三百六十八億、一四三%と見込んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/167
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168・天田勝正
○天田勝正君 だからその道民一人当りの生活向上率はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/168
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169・金子満
○説明員(金子満君) 総生産といたしましては二十九年が四千百九十億、三十六年には六千七百七十六億、一六二%という数字になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/169
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170・天田勝正
○天田勝正君 六割二分かたは生産はふえている。そこで人口増加の方はそうないということになると、今までの二十七年頃の道民生活から見れば、まず五割かたはその生活が上っておると、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/170
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171・金子満
○説明員(金子満君) 三十六年、第二次五カ年計画の遂行によりましてそういう推計をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/171
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172・天田勝正
○天田勝正君 私は、第一次計画が済んだことだから、そこを基礎にして聞いている。だからその私の質問によって、第一次計画において道民の生活がこれだけ向上した。よって次にこれだけ投下するならば、これだけ上ると、まことにけっこうな話しだから、さらに投下しようという結論にもなれば、それは北海道だけが特に上ったから、他のタクス・ペイヤーのことを考えれば、そこにストップしてもいいのじゃないかという結論にもなる、まことに重大なことなんでありますから、生活向上率で一つ示してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/172
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173・田上辰雄
○政府委員(田上辰雄君) 一人当りの分配所得を申し上げますが、昭和二十七年と昭和三十年とを比較をいたしておるのでございます。昭和二十七年におきまして一人当りの分配所得は全国では、平均しまして、一人当り六万七百七十七円でございます。その際に北海道は、六万三千百二円ということでございまして、北海道を全国対比として申し上げますと、一〇四%であったわけでございます。それが昭和三十年について見ますと、全国の一人当り分配所得は六万九千百四十八円でございます。相当伸びがあるのでございますが、北海道におきましてはさらに大きく伸びておりまして、七万三千四百十二円でございます。これを全国対比にしまして一〇六%ということで、全国対比の場合においても二%ほど上っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/173
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174・天田勝正
○天田勝正君 これはおかしい話を聞くので、計画当初でも全国平均よりも四%ばかり北海道の方が分配所得は高いと思う。北海道の議員さんもおりますが。それで相当窮乏で、よってどんどん国費を注ぎ込まなければ後進地域が平均になってこない、こういう議論を他ではやっているのです。同じこの問題で、この委員会で。そしてしかも第一次五カ年計画をやったところが、さらに全国平均よりもぐっと高い。そうすると、あなた自然に必要なしという結論に、私は意地悪くいうのじゃないが、そうなってきて、政府の方からもうここらでけっこうでございますという答弁をせざるを得ないことになりますが、そのつじつまはどう合わせるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/174
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175・田上辰雄
○政府委員(田上辰雄君) ただいま申し上げました数字は事実でございまして、全国よりも平均率は事実高くなっております。しかしそれだから必ずしも開発する必要はないと、こういうわけにはいかないのでありまして、これは全体平均の分配所得ではありますからして、実情はまたいろいろ具体的には違って参っておるのでございます。これはただ全国一人当りの分配所得だけを申し上げたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/175
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176・天田勝正
○天田勝正君 私も初めからお断わりしておる通り、総合開発を進めるということに反対している者ではございません。よい上にさらによくした方が、それはけっこうなんでございますから、それでこの後進地域を開発するのは私は一向差しつかえないけれども、それじゃ後進地域じゃなかったということなんです。生活の面からは決して後進地域じゃなかったということなんです。そこで開発を進めるのには、それならばあべこべに地元負担金をうんとふやして、つまり今までの説明からすれば、結局これは富が偏在している。ある北海道の一部の人はえらく豊かであって、ある一部の人は今度は内地の平均よりも低い生活水準に甘んじている、こういう説明でないとつじつまが合わないのです。全体が高いのですから。そうすると、そのうんと偏在して豊かの方から少しくずしてきて、そして国費を使わないで、その地域自体で開発した方がいいという議論にどうしても発展をするのですよ。意地悪くいうのではなく、そうですよ。というのは国費でやるということになれば、これから開発をやるであろう東北の、これは目で見たところ、確かに私が見たところでも低い。こういう人たちの税金も入り、また九州の方のタクス・ペイヤーの金も入って、そして自分より平均水準の高いのをさらによりよくする妙なロジックになってくる。こういう理不尽は一体どういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/176
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177・田上辰雄
○政府委員(田上辰雄君) お話しの通り確かに貧富の懸隔がはなはだしいという点もあろうかと思います。しかし同時にこの分配所得の数字は収入の所得を申しておるのでありますが、その裏の支出の方面におきまして、北海道のような寒冷地におきましては、相当支出も多いということも同時に考えていかなきゃならぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/177
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178・天田勝正
○天田勝正君 さっき大蔵省の人が来ておったようですが、ここの直接の問題ではございませんが、おられますか、まだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/178
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179・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 大蔵省は法規課長が来ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/179
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180・天田勝正
○天田勝正君 じゃあ大蔵省に聞きます。まあこれは答弁は無理かもしれませんが、大蔵省で納税の所得階層別をずっと作っているんだね。(「それは無理だよ」と呼ぶ者あり)主計かな。主計関係、来ていませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/180
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181・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/181
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182・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/182
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183・天田勝正
○天田勝正君 私どもは先般来、これについてはいろんな資料を経済企画庁からもちょうだいいたしております。北海道開発の推移と現況とか、工業開発の構想であるとか、いろんなものが来ておりますけれども、これには一つも計画というのがないんです。みんな推移だの何だのといっているだけで、計画というのはございません。その計画は一体本案審議の間にお出しになるのですか、ならないのですか、これを伺います。それでさっきの扱いに一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/183
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184・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 東北開発促進に関する計画は、本案に基きまして審議会が作られまして、その審議会に諮問をいたしまして計画を決定することになりますから、ただいまのところ、この関係の計画というものは、そういう意味ではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/184
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185・小笠原二三男
○小笠原二三男君 関連質問。私先ほど質問した際に資料要求をした。その際に関連して、宇田長官から東北開発の計画は、これは今後において作る。それで全体的な国土計画としては九月ごろできるが、東北開発のもそのころまでには一応できる手はずである。ただいまのところ調査をし試案を持っておるということを御答弁になっておられる。そこで私はその中間的な調査の資料、試案というようなものでもいいから骨格を示し得るものを出してもらいたいということを言ったのです。それで委員長もまたそれについて扱いを同意せられた。ところがただいまではそれはできないのだというのです。私はそういう正式の機関で作られる計画ではないにしても、将来の骨格を示し得る調査資料、試案というものを出してほしいと言ったのだが、ただいまの御答弁は、それは審議会ができてからということで、論旨整っておると私は思います。天田さんの方とは違っておると思いますが、少くともそういうものは御提出願わなければ、これは困ると思うのですが、この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/185
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186・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 東北開発促進法に基いて計画を立てる場合に必要と考えられる資料はいろいろそれはあります。従ってそういうものをここにできるだけのものを提出するということは、これはもう先ほど申し上げた通りでありまして、天田委員の申されたことの内容はそういう意味でありましたから、私たちは十分なできるだけのものを差し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/186
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187・天田勝正
○天田勝正君 私も小笠原さんの要求したのは聞いてはおるのです。聞いておって、それは東北のことを要求になったと思うから、私としては北海道の分も、今こういう資料をいただいたんですが、みな推移だとか何とかということが書いてあるのであって、計画というものはこれにないのです、私のもらっている資料には。そこで北海道のこれも含めてその計画をお出しになるかどうか。こう聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/187
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188・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 経済企画庁関係で、北海道関係のものにつきまして十分資料を整理いたしまして、できるだけ御希望に沿いたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/188
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189・小笠原二三男
○小笠原二三男君 いや、開発庁から出すべきですよ、北海道は。開発審議会にかけたものがあるんだから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/189
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190・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 第二次五カ年計画の草案というものはもう全部できております。それでそれがお手元にもう上げてあると思いますが、まだ出ておりませんか。出てなければお届けいたします。なければまた重ねて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/190
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191・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 北海道はありましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/191
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192・小笠原二三男
○小笠原二三男君 あります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/192
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193・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) もう速記要りませんか。速記は停止しておきますよ。まだ質問ありますか。速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/193
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194・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 速記をつけます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/194
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195・小笠原二三男
○小笠原二三男君 資料をお願いしたいと思うのですが、それは言っておかないと、次回に資料要求して出ないということになると審議を妨害することになるので、この際お願いしておきます。
次回の委員会までに御提出願いたいと思うことは、東北にあらゆる政府関係の投融資があるわけであります。開発銀行、あるいは農林中金、あるいは中小企業金融公庫、国民金融公庫等々あるわけでありますが、それの三十一年の、まだ決算ができておらないかもしれぬが、事情よくわかりませんが、推定される数字でもいいから実績を——東北にどれだけの金が政府投融資として出ておるのか、その実績を示し得る資料を御提出願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/195
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196・大矢正
○大矢正君 もう一つ私から……。先ほど私は質問をいたしたのでありますが、それは北海道の開発計画が、第一次の開発計画がどうも五、六〇%の遂行率しかできていない。で、これの原因は一体どこにあるかということを質問したのでありますが、大臣の答弁は非常に雑駁であります。今日、先ほども申し上げましたように、東北開発も、北海道開発も同じようにゼロであるというような批判をされては困るという立場から考えて、第一次五カ年計画がなぜあのような結果に終ったかということに対する政府の態度の表明も私は必要じゃないか。今まで開発庁では、態度の表明はありますけれども、それは産業計画会議が出したとろのあれに対する態度しか表明は行なっておりません。そうじゃなくて、ああいうようなゼロであるとかゼロでないとかという、単にそれだけに限定した態度の表明じゃなくて、第一次五カ年計画が総体としてなぜあいう結果に終ったかということに対する態度の表明を行なっていただきたいこれをお願いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/196
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197・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 本日はこの程度にて散会します。
午後五時四十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03219570423/197
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