1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年四月二十五日(木曜日)
午前十時四十三分開会
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委員の異動
本日委員岡崎真一君及び江田三郎君辞
任につき、その補欠として西田信一君
及び椿繁夫君を議長において指名し
た。
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出席者は左の通り。
委員長 廣瀬 久忠君
理事
西川甚五郎君
大矢 正君
平林 剛君
委員
青木 一男君
木暮武太夫君
小柳 牧衞君
塩見 俊二君
高橋進太郎君
田中 茂穂君
土田國太郎君
西田 信一君
宮澤 喜一君
天田 勝正君
小笠原二三男君
椿 繁夫君
前田 久吉君
国務大臣
国 務 大 臣 石井光次郎君
国 務 大 臣 宇田 耕一君
政府委員
北海道開発政務
次官 中山 榮一君
北海道開発庁次
長 田上 辰雄君
北海道開発庁企
画室主幹 柏原益太郎君
防衛政務次官 高橋 等君
防衛庁経理局長 北島 武雄君
防衛庁装備局長 小山 雄二君
経済企画庁開発
部長 植田 俊雄君
大蔵省主計局法
規課長 中尾 博之君
事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
説明員
経済企画庁参事
官 浅田 重恭君
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本日の会議に付した案件
○北海道開発公庫法の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
○臨時受託調達特別会計法案(内閣提
出、衆議院送付)
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001・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) これより委員会を開きます。
議事に入るに先立って、委員の異動について御報告いたします。
本日付をもって江田三郎君が辞任され、その補欠として椿繁夫君が委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/1
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002・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 本日は、まず北海道開発公庫法の一部を改正する法律案を議題として、質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/2
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003・大矢正
○大矢正君 先日の委員会におきまして、私が大臣に質問を申し上げた点に対する回答がなされないままに本日に持ち越されている点に対して、お答えをまずいただきたいと思うのでありますが、それは、おわかりの通りに、北海道におきましては、実施官庁ともいうべき開発局があって具体的に推進をしておるけれども、東北の場合はそういうものの必要性がないということから、開発局的な機構は設けないというお話でありますが、その、なぜ要らないかということに対する理由がつまびらかではありませんので、先日の委員会の引続きであります、この点に対する大臣の具体的なお答えをまずいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/3
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004・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 北海道開発の行政機構と、今回東北開発促進法に予定しております行政機構との関係について申し上げたいと思います。
開発計画の策定につきましては北海道開発は北海道開発庁が担当し、東北開発については経済企画庁の開発部が担当いたしまするので、その点同様であります。ただ、東北開発につきましても、北海道と同様の独立の機構が望ましいのでありまするが、さしあたりましては、経済企画庁の一部門でこの仕事をさせたいと考えております。
予算計上の点につきましては、北海道の開発関係の予算は北海道開発庁に一括計上せられまして、実施に当りましては、それぞれの所管になっております。北海道開発庁は、北海道における国の直轄事業を一元的に実施する北海道開発局を持っております。各省の直轄工事の予算はこの開発局が執行しております。すなわち、予算の一括計上、国の工事を出先機関で一元化……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/4
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005・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) もう少し高声に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/5
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006・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 東北開発につきましては、ただいまのところ必要はあるまいと考えております。北海道と同様に、内地におきましても、国の直轄工事の実施機関を一本にすることは行政機構全般の問題と存じますので、今後十分に検討いたしたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/6
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007・大矢正
○大矢正君 ただいまのお答えでは、どうも私は納得ができないのでありますが、そうすると、今の大臣のお答えからいきますと、どういう理由があるのかわかりませんけれども、将来において、そういうような機構を設けるお考えがあるのかどうかということでありますが、私は設けてほしいということから申し上げているのじゃなくして、質問として申し上げていることを念のためつけ加えておきますが、今言われたように、北海道のように局があって総体的な開発行政を行うことが好ましいという御意見がありました。しかし、当面は、どういう理由かわからないがそれはやらない、こういうことでありますが、それは好ましいのであるけれども当面はそういうことはやらないという、何か根拠があるのですか。この点についてお伺いをいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/7
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008・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 東北開発につきましては、新しく開発庁を作る、あるいは新しく総理府の内部に行政を一括して整理する北海道開発庁のごときものを作るというのには、まだそこまで新しく行政機関を作る必要はない、とりあえず本年度におきましては、経済企画庁の開発部をもって、企画、立案の中心とする。行政組織は総理府内の経済企画庁開発部でこれをとり行うのが適当である。こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/8
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009・大矢正
○大矢正君 私は、このたび出された法律の内容がどうだということをお伺いをしているのじゃなくして、あなた自身が今言われている通り、そういう機構がある方が好ましいのだ、そうする方がより具体的に開発行政が行われるということをあなたは認めている。しかも、先日の、北海道、東京両方の開発の基本的な考え方の上においては相違があるのかというと、相違はないと、こうお答えになっております。目標と申しますか、基本方針というものは全く北海道の場合も東北の場合も一致している、こういう立場が明瞭であり、しかも、先ほど来申し上げております通りに、そういう行政機構があるのが好ましい—好ましいということは、よいという仮定で考えてみましても、開発が推進をされるという解釈に私はなると思うのです。今度は、こういう何ですか、企画庁の一部門として東北開発を行うということでありますけれども、しかし、将来において、もっと積極的にそういう機構を設けてやるという立場が明瞭にあるのかどうか。その点、私はお答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/9
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010・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 将来はそうすべきであると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/10
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011・小笠原二三男
○小笠原二三男君 関連……。将来はそうすべきであるというお考えは、さっきの一番最初の御答弁にもあったように、この種のものは一本化して実施官庁をもって具体的に仕事をやる方が望ましいということからいえば、論理的にそうなってきます。じゃ、将来そういうようなものを置くというのは開発庁のような総理府内におけるものではなくて、東北ぐらいのものになれば、少くとも国土開発省というような構想ででもおやりにならなければ、あなたのお考えは実現しないように思われますが、国土開発省というような形についてどうお考えですか。と申しますのは、現在企画庁内に開発部、あるいは東北開発室をその中に置く。しかしこれはあなたのおっしやる通り、企画調整の機関である。立案機関で、しかもそれは建設省、農林省その他関係各省の、実施官庁の事業を調整し、タイミングを合せる。いろいろなことで複雑な問題があるわけで、今までの特定地域の開発でも、ばらばらな各省の事業実施のためにタイミングが合わない。従って企画庁で調整費を一部取って、その点を調整していくというふうなことまでやってきた。しかしそういうことはもう望ましいことではないことは、あなたはお認めになっておる。そうすれば、これは国土開発省という形にまで発展するか、あるいは北海道のような、東北開発庁という形のもので進むか、この二手しか私はないと思う。そうすると、大臣としてはそのうちのどれが将来において望ましいとお考えになられるのか、お尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/11
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012・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 行政機構につきましてはいろいろの考えがありまして、それにつきましては、またそのほかに、論議の中には道州制を採用するとかいうようなことを申された方もあります。従って機構そのものをどういうふうに将来考えるかということについては、なお研究していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/12
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013・小笠原二三男
○小笠原二三男君 その道州制の問題を考えるということは、開発に関連することのみではなくて、全国的な問題とし、地方制度、地方自治のあり方の問題としてそれは考究されることであって、このことをもって道州制ということに乗りかえなきゃならぬという論理はどこからも出てこない。現在の段階においては出てこない。だから、それはカッコの中に入れておいていいと思う。各種の行政機構の研究を今後においてするとしましても、問題は、北海道同様の開発であるとすれば、繰り返して申しますが、東北開発庁的なものを置くか、あるいは中央における総合実施官庁として国土開発省という形のものを置くとか、それ以外には方法はない。今から考えるというような問題ではない。あなたとしては、どういう構想で将来あなたの望ましいと考えられる考え方を実現しようとするのか。望ましいということを言っている限りでは、もっと具体的に構想をお示し願いたい。将来考えますではいかぬので、今、もう本年から予算も通って、事業が始まるんですから、それに将来考えますということはおかしい。——では私が申し上げました二つのうちどっちがよりベターだと考えますか、実施官庁として。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/13
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014・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) どっちにするかということについては、政府部内でもいろいろの論議があります。従ってこれをどういう方向に、東北に関するこういう部門の取りまとめをどういうふうな機構によって行うかということ、あるいは国全部の総合開発を取り上げて、そして行政機構をいかに組織化していくかということを考えること、それについては政府部内としては、東北を中心として新しく国全部の行政機構を考えるとか、あるいは東北地方におけるところの新しい開発庁を置くという方向に進んでいくのか、それにつきましては決定をいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/14
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015・大矢正
○大矢正君 先ほど私が質問いたした点に対して大臣は、時期はいつであるかは別にして、今後においては北海道と同様に開発行政というものを実施官庁によって行う方向をとりたいという発言がありました。そこで現在政府部内においてすでに論議をされ、また与党の中においては、今の北海道の開発行政に対して、もっと今の開発局の権限と申しますか、そういうようなものを拡大して、より幅の広い実施官庁化をはかっていくという態度が出されておりますが、これはとりもなおさず、地方行政の中に占める開発行政というものを、知事から実施官庁の方に移しかえることになると思いますが、それを今後においてますます拡大をする、こういう基本方針が政府の中にあることは、もう御存じの通りでありますが、今後におきましては、そうすると、東北にも開発局的な機構ができ上って、政府の言う言葉によると、一元的な開発行政を行うという立場を今後さらに積極的に拡大をした形で行う、こういうように解釈をするのでございますが、それでよろしゅうございますか。さっきの大臣の答弁から。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/15
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016・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 東北開発の促進について、これを強化していこう、こういうような政府部内の考えは一致しておるのでありまするけれども、ただ行政機構を東北開発庁を置くべきである、置くべきでない、むしろ国土総合開発の見地から別途の行政機構を考えるべきではないか、こう意見は必ずしも結論までまとまってきておりません。従って東北開発庁を直ちにここに置くべきであるかということについても考え方が一つにまとまっておるわけではありません。従ってただいまの段階では、東北開発を含めて開発行政というものをどういうふうな行政機構に持っていくのが適当であるかということについては、なお検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/16
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017・大矢正
○大矢正君 大臣は、それじゃさっきの私に対するお答えとちょっと変ってきておりますね。あなたに私がさっきお尋ねしたのは、北海道と東北の開発の基本的な方針は同じであるから、当然行政機構というものはそういう方向でいくことが好ましいであろうといったら、あなたは好ましい、そうして、時期的には別としても、将来においては北海道と同様に開発行政を行う実施官庁というものを作るんだということを、明確にあなたお答えになっている。議事録を読んでいただけばわかると思いますが、そうすると、その前言はあなたは取り消しになるんですか。その点を私は再度お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/17
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018・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 将来東北開発に関する行政を一つにまとめていく方法をどういうふうに考えるかということは、ただいまの段階では、東北開発に関しては経済企画庁の一部門としてこれをもっていくという考えでありますけれども、将来はこれをもう少し拡充をして東北開発の促進のために沿うような機構を考えなければなりません。ただ私個人の意見といたしましては、北海道開発庁のごときものが好ましいと思われます。こういうことであります。ただしかし、政府部内において東北開発に対する組織をどういうふうにするかということにつきましては、先ほど来申し上げましたように意見がまだまとまっておりません。従って本年度は東北開発に関するものは経済企画庁の開発部においてこれをまとめて、政府部内の方針のきまるまでは、東北開発はそういうふうな行政機構の中でやっていく、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/18
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019・大矢正
○大矢正君 機構の問題だけで話をしていると、ちょっとあとあとの問題に影響する点があるかと思いますので、具体的に私はお尋ねするのでありますが、現在の段階では、計画や資金の裏付けは経済企画庁で行なって、それを地方自治体の知事の手にゆだねて、開発行政を行うというのが、今後のこの東北の開発であります。これでは総合的な東北全般としての開発行政が行われない結果になるので、将来においては、知事にゆだねている開発行政というものを一本にした実施官庁に移しかえるという、こういう考え方があるというふうに、私は先ほどあなたの御答弁から判断をいたしたのでありますが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/19
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020・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 先ほど申し上げましたように、東北開発の場合は、予算を経済企画庁に一括計上することにはなりませんので、従来通りそれぞれの所管の事業官庁に予算の計上をしまして、経済企画庁はこれを調整をするということにとどめたいと、ただいまのところは考えております。公共事業予算も、地域別にいわゆる横割りをして計上するということは影響するところが大きいので、慎重に検討していきたい、こういうのがただいまの基本方針であります。それで開発事業のうちの直轄工事等は、北海道開発庁は開発局がこれをやっておりますが、東北開発に関する限りは、従来通りそれぞれの所管官庁の出先機関で直轄工事をしていくことにいたしたい。ただいまのところはそういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/20
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021・大矢正
○大矢正君 ただいまのところは、あなたにそう言われなくても、われわれだって勉強していないわけじゃないから、法律を見ればわかるし、今までの説明でも十分わかっているのです。あなたが先ほど北海道が今行なっていると同じような行政官庁を作ることが開発については好ましいし、そういうことでやりたい、あなたのそういう発言があったから、具体的な点を今あげて、こういうことになっていくでしょうということをお尋ねしたのです。これは将来のことをお尋ねしているのです。今法律の内容がどうかとか、現在行おうとしておる政府の考え方はどうかということは、すでにわかりきっているのです。この間の大臣のお答えで、すっかりわかっているのです。先ほどあなたの答弁の中にあったように、将来においてはこうしたいという発言があったから、今その例を引いて、こういうことですねとお尋ねしているのです。将来の問題についてお答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/21
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022・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 出先機関の統一ということにつきましては、これは行政機構の改革に関連をする案件でありますので、この点につきまして、東北に関してどういうふうな方針でいくかということについては、いま少し検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/22
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023・大矢正
○大矢正君 それじゃ、この点は一つ伏せておいて、別の点で質問いたしたいと思うのでありますが、先日来の大臣のお答えでは、北海道の開発というものと、東北の開発というものとは、基本的に同じであるという立場の表明がありました。そこで第一次五カ年計画に関連をして、北海道開発法が制定をされたときの、法制定の趣旨と申しますか、開発の主眼と申しますか、その点は、国民経済の復興と人口問題の解決に寄与するために開発計画を立て、開発の促進をはかるということが、北海道開発法の第二条において明かになっておるわけであります。ところが、このたびの東北開発促進法を見ると、「東北地方における資源の総合的な開発を促進するために」ということしか出ておりません。日本の経済に寄与するとか、あるいは人口問題の解決に寄与するという、北海道の開発法の趣旨と申しますか、法に盛られた内容と、このたびの東北開発法に盛られた目的の内容というものは非常に相違をするように私は思うのでありますが、これは単に文章上の相違ではなくて、考え方の相違があるように受け取れるわけですが、先日来の長官の答弁によりますと、全く同じ立場からいくのだ、こういうことであります。この点明らかにしておかないと、最近非常に、政府の開発行政が悪いのかどうかはわかりませんが、全国的に、金をつぎ込んだけれども効果が上っておらんという批判が出されておりますからして、こういう目的を明らかにしないと、往々にして間違った国民の批判や、それから何といいますか、疑惑をまねくことにもなると思うのです。先ほど来申しておりますように、あなたは変らんと言ったけれども、法文の上では明らかに変ってきております。この点についてのお答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/23
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024・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) この法文の作成につきましては、法制局と打ち合せましたけれども、目的という字を第一条に使ってはありません。しかしこの表現で、法の精神は北海道開発の場合の法の精神と非常に違うものではない。開発に関する基本的な考え方というものは非常に違うものではない。ただしこの場合の東北開発法に表現されておりますのは、「開発を促進するために必要な基本的事項を定めるものとする」。こういうことになっておりまして、目的という言葉を使わない、そういう法の表現で差しつかえない、こういう法制局では、新しい表現の形であるけれども、これで差しつかえないのだ、基本の精神は同じだ、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/24
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025・大矢正
○大矢正君 そうした字句の解釈のやりとりは、あまり今日の段階では必要でないと思いますので、あえてそのことには私は触れませんけれども、目的なんていう言葉はどちらの場合にも入っておりません、法文の中に。あなたは目的という字句が入っているからどうとかこうとか言いますけれども、目的という言葉はどちらの法律にも入っておりません。そんなことは長く追及いたしたくありませんけれども、明らかに、法の精神からいきますと、国の経済の復興や国の人に問題に寄与するために北海道開発を促進する。ところが東北開発促進法の場合はそうじゃなくして、東北地方における資源の総合的な開発だけをするのだということに限定されている。非常に大きな、目的と申しますか、基本的な開発の方針と申しますか、考え方に開きがある。これはもう何びとがこれを読んでも気がつくことだと思うし、それが単に法文上に盛られたことだけではなくて、開発の構想の上にそういう変化が現われてくるのではないかと私は思うのでありますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/25
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026・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 東北開発法の場合の表現は、資源の総合開発を目的とするという表現でありますが、その結果、当然人口問題あるいは経済の拡大等はそれによって招来されるものでありますから、従って目的をこういうふうに表現をして、そうして人口問題その他の経済の開発問題は、この法文の中で新たに別に掲げて表現をしない形式をとった、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/26
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027・大矢正
○大矢正君 これは大臣、答弁にならんようなお答えをしていただくと非常に私は困るのですが、北海道開発法というものが先にあって、それに附属的に東北開発促進法というものが生まれているわけじゃありませんよ、付随して……。どちらも独立した法律です。どちらも独立した一つの目標を持って行う開発計画なのですよ。北海道の開発促進法というものがあって、こういう法律に基いて付随的に東北開発促進法というものが生れたのでなしに、北海道は北海道という立場において開発しなければならない、それにはかくかくの目標がある、また目的を持たせる、東北の場合は東北の場合として、その地域、その状況に応じた法律というものが私は盛られたのじゃないかと思うのでありますが、あなたのさっきからの答弁では、これは私だけが納得しないんでなしに、おそらく委員のすべての人は納得できないと思う。もっと一つ具体的な明快な御答弁をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/27
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028・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 北海道開発の場合と、この東北開発促進法の場合と、表現の仕方は違いまますけれども、内容において、総合開発の結果、人口問題、経済問題・経済の開発の問題は、当然解決できるという精神でありますから、北海道開発の場合と、この東北開発促進法の第一条に掲げてある表現形式とは、内容において変るものはないと、こういうように解釈いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/28
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029・小笠原二三男
○小笠原二三男君 言葉の上で、また観念の上でそういうふうにあなたがおっしゃっても、この明示されている表現でそうなっておりますと、いろいろ問題が起ってくる。国土総合開発法に基く東北関係の特定地域なり、調査地域なりというものの確定事業の計画があるわけです。その計画というものは、東北地方の資源の開発ということで限定されているのです。ところがあなたに一昨日来答弁を求めている結果からしますと、この国土総合開発法に基いて特定地域として指定され、今後調査地域が特定地域として指定されて行く、それらも取り上げられて東北開発計画というものが将来樹立せられてくる、それは資源の開発ということに限定していない、もっと広範に、北海道的な開発という面で、国土保全から一切のものが含まれて開発事業が推進されるようになっているわけです。また地元でもそういう期待をしておる。ところがそれが限定されて資源の開発というようなことになれば、えてして二次三次の鉱工業の振興と言いますか、そういうことにウエートが置かれて、根幹となる開発事業ということが放置せられるおそれがあるという心配が起るのです。そういう意味で、この当委員会とは直接関係がないけれども、公庫法の改正の前提になる東北開発の構想の上から重大だと思って、同僚委員が指摘しているのだと私は思う。私もその通りの考えを持っておる。変りないのだということが、この法律の表現で言えるかどうかということは、これは厳密にあなたの方からも答弁願っておかないと不要です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/29
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030・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 私はただいまあなたがおっしゃったと同じような心配を実は持っておりました。それで、その東北開発に関する株式会社等の定款には、明らかに経済行為の中で、東北の特別な地域の事情から見て、たとえば農林、水産等の関係の部門は非常なこれに対するところの配慮を加えなければならぬものでありますが、開発会社の事業目的を見てみると、そうではなくて、ただいま指摘されたような方向にこれが主として目的を持って運用されるように表現されてあります。従って促進法の決定をする場合には、そういう欠陥を十二分に補う必要があるということを考えまして、この第三条のところに、開発促進計画を作成する場合における特に注意すべきものを列挙主義をもって掲げてありまして、その中に「東北地方における土地、水、山林、鉱物、電力その他の資源の総合的開発の促進に関する計画とする。」で、計画を立案する場合に、特に等閑に付すべきではない、特に掲げて計画を策定すべきものであるというものの中に列挙をいたしてありますのは、そういう点の欠陥を誘発しないように、十分慎重に、ただいま指摘せられた点に関して計画に疎漏のないように、そういう意味で、この第三条にはそういうことを掲げておいたわけでありまして、その点、十二分な留意をするように法律の中には配慮してあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/30
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031・大矢正
○大矢正君 再三質問をして、しつこいようでありますけれども、大臣の言わんとする気持や考え方は理解をするのでありますが、もしそうであるとすれば、書かれている内容というものは、これは逆じゃないですか。具体的な計画の面において、「土地、水、山林、鉱物、電力その他の資源の総合的開発の促進」というようなことで、まことに北海道の開発の計画と一致をしておる。ところが、具体面では、具体的な項目では一致をしておるのだけれども、基本的な法を作る趣旨という面では、北海道の開発法というものとまるきり逆だと言っちゃ失礼でありますけれども、地域に限定した用発心やるのだというふうにやっておる。あなたが幾ら、いや、これは全く北海道と同様な考え方なんだ、こういうふうにおっしゃっても、それならば、なぜ北海道と同じように国民経済の復興や人口問題にも寄与するためにやるんだということがうたえないのか。うたえないというそれじゃ理由を一つ聞かして下さい。東北地方における資源の総合的な開発をしかやらないのだという、限定をするその理由を明らかにして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/31
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032・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 北海道開発の場合の第一条の表現と、東北開発の場合の第一条の表現とは、私は同じと、こういうふうに思っております。従って北海道の開発の場合には、第二条に人口の問題、あるいは国民経済の復興等の項目を特に掲げてあります。しかし東北の場合には、第一条を掲げれば、その結果、当然国民経済の復興ないし人口問題の解決ということの基本条件がこれでありますから、この第一条の表現でもって、第二条の特にその問題を列挙して掲げることは必要でないと、こういうふうな法の表現形式をとって差しつかえない、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/32
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033・大矢正
○大矢正君 これは国の予算を今後においてつぎ込む場合の考え方の上において、もしも法律の条文が違うことによって相違を来たすような欠陥があっては、東北開発を真に願っている地域住民の期待に沿うことが私はできなくなると思うから、先ほど来執拗に質問をいたしておるのであります。
それでは私は、最後にお尋ねをするのですが、東北の開発というものも、北海道の開発と同様に、国民経済の復興や人口問題にも寄与するために行うのだというように、この法律の趣旨と申しますか、目標というものを書きかえて直す考えはありませんか。その方がはっきりとよくわかるのですよ。あなたの言われていることからいくと、これは北海道と全く同じでありますという注釈を加えないと、この法文だけでは理解ができなくなりますね。そこからもし将来において過ちが起きては困るから、はっきりと、北海道と同じように、国民経済の復興や人口問題の解決に寄与する目的で東北のこの資源の総合的開発を行う、というように、これを書きかえるなり、修正するお考えはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/33
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034・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) ただいまのところはありません。第一条の表現によって、当然この人口問題及び経済開発の基本問題が法の目的として定められてありますから、従ってその必要はないという立場をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/34
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035・大矢正
○大矢正君 私は、大臣はさっきからいろいろなことを言っておりますけれども、北海道を開発するという場合の考え方と、それに伴う政府の腹と、それから東北を開発しようとする考え方と、それからまた腹というものが、必ずしも同じではないんじゃないかという気がする。これは今私が申し上げたのは、単なる条文の問題、そしてその条文が持つ目的の問題を述べたにすぎないのでありますが、先日来申し上げているように、具体的な実施計画という面になって参りますと、行政の面においても開きがありますし、それから計画というものが定まっておらない今日においては、どのような開発をされるかということは明らかにならない。そういうような一連の事項を考えて見ますると、何かしら、北海道の開発という場合の政府の考え方と、東北の場合とは、違うんじゃないか。もっと、より具体的に言うと、北海道には積極的に国費をどんどん投入をして開発するけれども、東北の場合はそれほど積極的にはやらないのだ、各省分割されている予算の範囲内においてやるし、あとは公庫の貸付ぐらいでもってこの開発を終らせるんだという意図が秘められておるのではないか、という気がしてしようがない。これでは全く東北の住民に対して、私は法を審議する立場からいって申しわけないと思う。この点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/35
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036・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 東北の場合には、そういうことのないようにしようと努力をするためのこれは立法措置でありまして、そうして東北の場合にも、機関としては東北開発会社という北海道と違う直轄した特殊な会社もあります。従って、それぞれに対して、政府出資ないしこれの債券の発行等もこれから拡大をしていくべきである。こういうのは、衆議院におきましても、審議の途中においてかなり深く検討されてきたのであります。従って、われわれがこの促進法及びその他の付随する東北開発に関する法律をここに提出をいたしましたのは、この限度でもって満足するということは絶対に考えておりません。また、たとえば東京を中心とするところの東北地方の人口移動状況を見ましても、この開発を決定的にいたさなかったなれば、人口問題だけを見ても、私は非常な都会集中の傾向を助長する不安なり原因が東北地方には特にありますから、その意味で、東北地方の開発については十二分な構想を練って、これが第一年度のやむを得ざる最少限度の予算の程度であって、次年度以降は、この程度のことでは東北開発の第二年度計画としては満足されるものではないと、こういうのがほとんど一致したわれわれの考えと、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/36
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037・大矢正
○大矢正君 北海道の場合は開発局が具体的に開発行政を行う、ところが東北の場合は、計画は企画庁の一部門が計画を立てられるようでありますけれども、実際的な開発行政と申しますか、開発の実施ということになりますと、地方の自治体、あるいはまた地方自治体よりは、むしろ開発株式会社が中心になって開発を行うということになる。そうなって参りますると、北海道の場合は、国が直接的に責任を持って一つ北海道の開発をやろうというように、意気込んだ計画であるのだが、ところが一方ひるがえって東北の場合を見ると、確かに計画を立てたりなんかする点では国がやっているように見えるけれども、事実の上においては、何かしら開発株式会社に一切を負わせて逃げたような格好に見えるわけでありますが、その点はどういうふうにお考えになっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/37
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038・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 決して逃げたという意味ではありませんが、促進法の第五条の中に、審議会を置くことになっております。従って、その審議会の構成につきましても、それぞれの各府県の知事とか、あるいは関係の市長とか、あるいは衆参両院議員からとか、あるいは行政官庁の責任の衝にある者とか、また関係の町村長を代表する者とか、そういうふうな、その地区の真の希望を盛り得るように、また国会側の衆参両院がただいまの予定では八名でありますけれども、そういうふうに立法府の意見も十二分に盛られるように、また地方自治体の意見も反映し得るように、そういうふうないろいろの配慮のもとに、三十五名程度の委員会を作るのでありますけれども、その委員の構成内容につきましても、特別に東北開発について十二分な将来の配慮のできるような基本の人事を行いたいと考えているわけでありまして、そういう点につきまして、東北開発の促進法を中心として、開発を後退せしむることなきよう、あるいは、ただいま持っております後進性を引き上げることに対して十二分な努力をする基本の機構を持つことについて、われわれはこれを等閑に付することは全然考えておりません。むしろこの促進に役立つような方法を、あらゆる方面を検討いたしまして、これを十二分な軌道に乗せ得るような配慮をいたしたいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/38
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039・大矢正
○大矢正君 他の委員がまだ発言が相当ありますので、私はこの程度で質問を終りたいと思いますが、なお私と大臣との間における質疑の中で納得のいかない面は、他の委員からも継続して発言があると思いますが、よろしく御解明をいただきたいと思うのであります。
最後に当って、二点ほどただしておきたいと思うのでありますが、第一点は公庫の問題であります。現在のところ、余剰農産物の会計から受け入れた金以外の利子というものは、大体年に九分ということで公庫が貸し付けております。また返済の時期というものは十年程度ということになると思うのでありますが、これに関連をしてお答えをいただきたいのでありますが、現在の政府の出資の考え方が、将来まだまだ拡大をしていく考えを持っておられるのか、まず出資の問題。それから貸し付ける場合の金利が九分という状況で、公庫の人にお尋ねをしたら、開発銀行その他の関連があって九分ということだそうでありますが、九分というものが果して高いか安いかということは、いろいろの立場があるから、やはり問題があると思います。九分という金利は非常にこれは高いという立場は、やはり何といっても中小企業の立場だと思います。ところが、それじゃその九分を六分程度にまでも引き下げた場合に、どういった現象が起るかというと、非常に危険な状態がその中から出てくる。なぜ出てくるかといえば、これは私が言わなくても大臣はおわかりだろうと思うのでありますが、そのことによって資金の争奪が激しくなり、さらにこれが地域的に分割をされるような東北のような状態では、ますます何と申しますか、貸付対象や貸付条件の面で混乱が巻き起る危険性もあります。こういうように考えてみまして、政府としては、この金利についての考え方をどういうようにお考えになっておられるか。将来ともにその九分の線を堅持されるお考えなのか。あるいは将来引き下げられるような方向で、より積極的に公庫の活動を行おうとするお考えなのか。その点についての立場の表明をいただきたい。
それからもう一つ、これは私が質問するのじゃなくて、私のところの栗山委員がぜひ聞いておいてくれということで、私は頼まれて質問をするのでありますが、大臣のお答えをいただくのじゃなくて、事務当局からお答えをいただきたいのです。つまらないといえば非常につまらないことにもなるのでありますが、北海道開発法の中で、第二条の目的と申しますか、趣旨の第二項ですが、この中に「開発計画は、北海道における土地、水面・山林・鉱物・電力」云々と、こうなっているわけです。ところが東北開発促進法の場合は、大体は似ているのでありますが、一カ所違うところがある。「土地、水」と、こうなっている。「水面」と「水」との違いが出ているわけです。片っ方は「水面」と、こういう表現をしているし、片っ方は「水」と表現をしている。水面と水とはどのように違うのか、非常に不勉強でありますので、あまりこういう文章上の問題とか、文法上の問題のことはあまり識見がありませんので、この際、念のために承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/39
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040・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 公庫の貸付方針、あるいは金利の問題でありますが、中小企業とかあるいは農林、漁業、水産関係の金融とか、それぞれ政府は特殊な金融機関を持っておりまして、それが東北地方においてそれぞれの任務に応じて金融をいたすわけでありまして、それにそういうふうな各種の金融機関と連絡も必要でありますから、金利体系をどのように持っていくかということは、総合的に判断をしてきめることになると考えております。ただわれわれといたしましては、東北のような後進性の地区における大衆に対するところの貸付金利が、非常に、中央特に金融機関の非常にたくさんあるところに比べて、むしろ向うが非常に不便であるのみならず、金利が高く、むしろ安くならない条件を持っておるように思われますし、また金融の円滑を必ずしも中央ほどに期待し得ないというふうな機構上の欠陥もあるように思われますので、できれば安くすべきこの環境があると、こう考えております。しかし、ただいま申し上げましたようないろいろの出先金融機関がありますから、それとの関係から申しまして、九分を直ちにどういうふうに調節するかということにつきましては、なおよく連絡をして、そうして将来金利体系に混乱を起さないように考えていきたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/40
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041・浅田重恭
○説明員(浅田重恭君) 最後の点のお尋ねでございますが、実は法案作成の際にこの点を法制局とも検討いたしたのでございますが、ここに資源の主なるものについて掲記をいたす場合に、水面というよりも、もっと広く水全体の資源というものを掲げた方が適当であろう、こういうことで、水ということに表現いたしたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/41
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042・小笠原二三男
○小笠原二三男君 ちょっと速記を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/42
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043・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/43
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044・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 速記をつけます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/44
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045・小笠原二三男
○小笠原二三男君 前回以来いろいろな基本的な質疑が行われましたが、結局東北開発関係の三法が各委員会にかかっておりますが、これは相互に関連しますから、全体的な基本問題として宇田長官にお尋ねしなければならぬので、宇田長官としても、東北開発に関してはもう担当大臣ということでありますから、相当の御研究も願わなければならぬし、熱意をこめてこれが現実に努力してもらわなければなりません。そういう建前からいいますと、今後審議会において計画を立てるのだということについては、事情やむを得ないものもあるわけですから、これ以上追及いたしませんが、担当大臣としまして、この東北開発の当面の緊急なるものは何であるか、何であるとお考えになっておられるか、資料を出していただきたいといっても、やはりその試案、調査資料も出ておらぬので、端的にあなたからお伺いしたい。東北における未開発後進地域—後進性というものはどこからきておるのか、従って緊急なる開発の要件は何であるか、少くともこの開発促進法に盛られておる資源という点に限定してでもけっこうですから、資源としてでも、どういうものの開発が当面緊急性があるとお考えになっておられるのか、その構想をお示し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/45
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046・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 東北関係では、資源関係からだけ申しますと、何といっても農林関係あるいは水産関係、こういうふうな、国のほとんど……日本の持っておりますところの資源の中で非常なパーセンテージの高いものがあります。従って全国的に見て、東北に対するところの依存度の非常に商い資源の中で、特に農林関係、水産関係のものは非常に重要なものと考えております。その次に、日本の鉄鋼政策等から見まして、たとえば、東北独特の資源で開発を行うを必要とするものの中には、砂鉄のようなものもあります。最近、またわれわれの手元への報告によりますと、鉱物資源の中でウラン等が、東北に相当なものがあるという報告も受けております。そういうものにつきましては、新しく開発の調査を進めていかなくちゃならない、こういうふうに思っております。また、この天然ガスその他の地下資源で、東北独特のものがあります。また、石油関係、油の関係は、日本の九〇%以上は東北でありますから、東北独特の資源としてこれを特別に開発しなくちゃならない。そういうような、一連の、東北に特に豊富に資源がありまして、そうして日本の経済開発上、特にこれに依存しなければならぬ依存度の高いものがあります。そういうものを主としてわれわれは東北開発を進めていく、そうして開発を進めるに従って、人口問題の解決あるいは経済の水準の引き上げ等に寄与しなくちゃならない、そうしなければならぬ、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/46
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047・小笠原二三男
○小笠原二三男君 大体、まあ大臣のお話は、ざっくばらんなお話としてお聞きしますが、ポイントとしては、東北が他地域におくれておるというのは、東北六県に新潟県を含んで、ともに農村県である。もう農林水産業、これによって生きている住民がほとんどである。こういう実態ですね。しかも地域としては寒冷地域で、水田としては単作地帯である。こういう形において、県民の所得あるいは担税能力等で、統計的にみても、他地域におくれておる。われわれの考えとしては、鉱工業の発展ということは、これは望まなければならぬことでありますが、その鉱工業の発展でも、少くともその基礎的な農林水産関係産業を引き上げて、それが個々の東北民の生活水準を引き上げて、雇用の増大になるという形であると、私は思うのです、もう端的にいって。ところが、そういう基礎的なものに手をつけることはあまりお考えにならぬ。そうして資源の開発といえば直ちにもって鉱工業の発展というふうに考えがちである。こういう点はわれわれとして非常に不満です。あなたの方でお出しになっております公庫の方の関係で、融資期待推計表というものの百三十一億というものを見ますと、その中に農林水産物の加工度の高い工業というものに対して分けられる金が僅か二十六億五千万です。あとは皆鉱工業です。しかも、企画庁の方から出しております東北地方における工業開発の構想というもので見ますと、将来にわたって既存工業の拡張を除いて合計三百九十五億を必要とすると思っております。ところが、その三百九十五億を必要とする中に、農林水産関係の、この農民の期待にこたえる関連産業というものにかけられる金は二十八億程度です。三百九十五億もの金を必要とする中で、農林水産関係の産業については、たった二十八億程度しか。これでは農村県たる東北の農業発展あるいは水産業発展の呼び水にもならぬと思う。初めからこういう構想や計画で、どうしてあなたは、さっき言われたような第一次産業の発展、農林水産業の発展に寄与するということが具体化しますか。農林省の方で出しております三十二年度の積寒地帯の農地関係の事業予算だけで見ましても、北海道が六億六千万、東北七県で十六億五千万しか出ていない。全国的な予算の規模の中で、東北七県に流れる金が十六億、五千万、あるいは同じ全国的に対比してみましても、農林漁業金融公庫で出しておる金は、二十六年から三十一年までに出しておるものとして、全国で千六百四十一億かけておる。ところが東北の七県については、四百八十一億しか出ておらぬのです。ほんとうに東北農民の米穀生産に期待して、今の食糧事情というものが大きくまかなわれておる、そういう中で、やはりこれしか金が出ていない。それに、今度公庫で計画されるものが百三十一億の中で、なおかつ二十六億程度であるとすれば、四十五億の配分の実態というものも、地下資源の開発という問題等に重点が置かれて、どこにでもある東北農業の振興という建前でおこす農林水産業、工業というものには、これはわずかしか金が出ないのじゃないかという心配を持っておる。これでどうして東北の開発ができますか。そういう意味で、私は、あなたが、第一には東北の農林水産業の発展に期待するんだというならば、それを具体化する構想をお示し願いたい。東北農業は、どういう方向に生きる道を求めて発展すればいいのか、御披露願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/47
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048・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) ただいまのお話の通りに、東北開発公庫に対して、各県から期待をする数字をわれわれのところに寄せておりますのは、百三十一億の中で、農林水産関係の加工条件に合う企業、それは二十六億五千万円、こういうような数字を持って参っております。従って石炭または天然ガス等の資源の利用に関しての地元からの要望の数字の四十五億に比べますと、要望の数字が二十六億五千万というふうに少いのでありまして、この点につきましては、なお関係それぞれの官庁その他の団体と話し合いをしなければならぬと考えております。そして金融関係につきましては、全国比率におきまして、農林漁業金融公庫が七十七億ばかりを出しております。ただいまお話がありましたように、昭和三十一年度を見てみますると、全国の二割五分程度になっております。昭和三十一年度になって参りますると、割合比率が上ってきておりますけれども、しかし農林関係あるいは水産関係、漁業関係は、非常な国の経済の依存度の高い割合に、金融が低いというふうに私どもは見ております。従って東北開発の関係の公庫の金融対象としては、農林、畜産、水産関係の企業、あるいはこれに対する加工業等について、今後どういうふうな企画をされて融資をはかるか、こういう点につきましては、特別にこれは審議会等を通じて具体案を持たなければならない。ただいまの金融関係のみの数字を比較してみると、バランスは確かに御指摘のように悪いと私は思います。従って今後は十二分にその点については、こちらは配慮をしていかなければならない、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/48
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049・小笠原二三男
○小笠原二三男君 今の御答弁にもありましたが、宇田長官は経営者としての専門家です。ですから東北において鉱工業を発展させると言っても、ただ地域としてかりに言うなら、仙台に置く、あるいは盛岡に置くということだけで、東北の工業が発展するというものだとは考えない。東京にあろうが、仙台にあろうが、盛岡にあろうが、地域に関連して関連産業も起り、また地域住民の雇用の増大にもなり、経済水準も高めるというような形であるならば、あなたがおっしやるように、東北に興る工業というものは特殊なものでなければならない。全国的にどこでもいいものが東北に興るということで、それが経営上、採算上いいのかどうかということは、いろいろ問題が起ると思う。が、少くともあなたが前に答弁をしているような、東北における不可欠な工業を進めるという限りにおいては、東北特殊の地下資源を開発するということは、これは絶対必要ですが、それと同時に東北でなければ興し得ないような農林水産の各種の産業というものの開発については、国として積極的に指導すべき点があると思う。あなたがおととい、融資を期待しているのはこれこれだということで、期待される融資に対してただ金を貸してやるのだというような計画性がないような御答弁もあったので、私その点を指摘したのですが、少くとも特殊なこういう公庫の金を利用するという限りにおいては、開発の趣旨に沿う、しかも、あなたが言う農林水産関係が重点だというなら、そういうものに重点的にこの金が振り向けられるような措置を、審議会の答申等をも待って構想を練られて、あなたのところで積極的に実現してもらわなければならぬと思う。この期待されているものだけでやってきても、農林水産関係といっても、あとで申しますが、弘前のリンゴの加工だ何のものだというようなことだけで、ほんとうに東北農民の血のにじむような要求というものが入れられなければ……、しかも、そのことは自力でできないのです、国の援助が必要なんです。そういうことについて指導をしないならば、これは昔の東北興業の前身の東北振興がめちゃやくちゃな会社経営をやったのと同じことになる。浪費です。そういう点について、大臣にはっきりと、この金の使途については、あなたがおっしゃるように、重点的に第一次産業の方に金は回るというような措置をとってもらえるかどうか、簡単でいいですから言明していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/49
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050・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) この公庫の融資の目的が第一次産業に直接投資をするということは禁じられておりますから、第一次……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/50
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051・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それを呼び水とする、呼び起す工業……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/51
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052・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 第一次産業の経営内容をよくするために、われわれはそれに関連する企業、加工業等につきましては、金融目的に合う範囲内において、十二分にその点を特に取り上げて、この審議会にはその企画を重点的に取り上げて運営の万全をはかるようにいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/52
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053・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それでは、公庫の金の硬い方について、もっと詳しくお尋ねしたいのですが、これは開発部長が出てこられてから事務的に聞く方が……、あるいはそちらからでも聞きますが、あとに回します。
それを関連してお尋ねしますが、今度出ております東北開発株式会社法、これについてちょっとお尋ねします。
東北開発株式会社法の二十五億の増資なり、あるいは債券を持つ——この二十五億の金を新たに使うという問題についてですが、この金はどういう方面に使うのか、資料ができておるならばいただきたいし、なければ大綱でいいから説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/53
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054・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 東北開発株式会社は、実はもう御承知のように、今回は定款の一部を変更いたしております。定款の一部を変更いたしましたのは、この会社が単なる株式会社ではなくて、公共性を持ったものであるということ、従って定款の中に産業の立地条件の整備というのが事業目的に新たに入っております。従ってこれは東北地方の特殊な経済内容に応じてこの会社の経済的な運営をはかる、こういうことになるはずでありまして、そういう点につきましては、会社の新しい機構が整いました場合に、審議会長において当然これの運営についての意見あるいは計画が立てられると思います。従って会社運営の衝に当る者に定款変更の真の目的をうまく生かすようにこれを指導するとともに、先ほど来申し上げました金融公庫の金融方針と同じような精神がやっぱりこの会社の性格の中にどういうふうに導入されてくるかということが、重要な新しい課題でありまして、従って定款が一部変更されましたそれの目的はそこにありますから、その点につきましては、ただいまのところ、この法律が決定になりました以後においてそういう定款の考えている目的を実際の内容に応じて運営していきたいと、こう考えております。ただいまここにそれがために必要な数字を—そういう目的のためにはっきり作ったというわけではないのですが、参考資料をここに持っていますから、あとから差し上げることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/54
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055・小笠原二三男
○小笠原二三男君 あとからでなく今ちょっと見せて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/55
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056・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) これも三十二年度の事業計画についての東北地方七県を中心とする団体その他からの要望書が出ております。要望書でありますから差し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/56
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057・小笠原二三男
○小笠原二三男君 ちょっと速記とめ
て下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/57
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058・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/58
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059・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/59
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060・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それなら端的に伺いますが、この二十五億は今の東北興業において重点的に経営している会社は、山形の亜炭と福島の石灰、今着手しておるのが岩手のセメントなんです。この三つの工場なんですが、これにも二十五億の金が重点的につぎ込まれ、しかも新規の工場もやり、産業開発の立地条件たる敷地の造成等の仕事もやる、こういうことですか、端的にいうと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/60
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061・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) ただいままで建設省が所管で運営してきておりました関係会社の経営方針は、必ずしもこれを踏襲することはできないのではないかと私は考えております。従ってそれぞれの事業部門をどういうふうに合理的に経営していくかということにつきましては、新しい会社は新しい構想の下に、これを考えて運営していかなければならぬと思っております。必ずしもただいままでの事業を、ただいままでの方法によって、これを運営をしていくとは考えておりません。ものによってはむしろこれを東北興業の経営の傘下に置かない方がかえって伸びがよろしいのではないかと思われる事業もあります。また一人前に十分に歩いて行けるものでありましたならば、それに対して新しい投資その他を、金融をする必要もないのではないかと思っております。従ってそういう点の新しい運営につきましては、別途の見地からこれを立案企画しなければならないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/61
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062・小笠原二三男
○小笠原二三男君 一応それでわかりましたが、具体的にはやはりこの亜炭にも石灰にもこの金を出し、工場の拡張、こういうものは必至な要件として東北興業の方から要請されておりますかどうかお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/62
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063・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 要請はあります。ただ要請はありますが、先ほど申し上げましたように、その事業の内容を検討いたしまして、この二十五億の中からこれを融通すべきものかどうかということは、私は検討の余地があると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/63
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064・小笠原二三男
○小笠原二三男君 私この点明らかにしておきたいのですが、従来の東北興業の自力をもって経営してきたこの亜炭、石灰の工場に、今度出す二十五億というものを使っていいのかどうか、今度出すこの二十五億の増資というものはそういう趣旨のものかどうか、東北開発ということに見合って出されるこの金が既設の工場に付加せられるということであっていいのかどうか、このけじめをはっきり御答弁願っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/64
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065・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) この点につきましては、私は非常に慎重を要するものだと思っております。それでそれは何を申しましても、事業体というのはそれぞれ従業員をかかえております。従って生産に関係する職員その他の生活というものがあります。従ってこの事業そのものをその内容を悪化せしめないように、そしてこれが二十五億というと、そう莫大な金ではありませんから、こういうものにそれが非常にロードがかかってきて、そういうものにさかれて、そして本来の東北の開発に必要な方面に、これが投融資ができないという結果になっては、結局二十五億の金の期待している運用にならないのでありますから、そういう面につきまして、私は同じ東北関係の既存の事業でありましても、一人立ちをするものについての金融ということにつきましては、それぞれの事業内容に応じて特別な金融を計画していくべきものである。基本方針はそうあらねばならぬ。新たにどうしてもこの二十五億がなければ十二分な実力が持てない。たとえば産業立地条件の適正化をはかるための企業のごときものは、この二十五億の中からさかなければならないものも多いように思っております。従ってただいまのところ、二十五億をそのままこれにどう使うかということにつきましては、まだまだ検討をする余裕を与えていただかなければならぬ、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/65
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066・小笠原二三男
○小笠原二三男君 私は長官の言う前段の言明については非常に賛成です。既設の工場に、しかも自力をもって今日までやり得てきた東北興業の唯一の仕事である亜炭、石灰、これらをただ拡張する、設備を近代化する、こういうことのために、二十五億の金がある程度さかれていくということについては、われわれは十分に考えなければならぬと思う。そういう意味で、この東北開発株式会社に切りかえになったのだということではないと、これは慎重に扱っていただきたいと思いますが、次に岩手県に昨年来やっております松川のセメント工場ですが、これにつきましては、現状では開発銀行から金を借りる計画になっておりましたが、これは開発銀行からの融資は許可されておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/66
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067・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) ただいまのところ、まだそれが話が成立をしたという報告は受けておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/67
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068・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それは昨年参議院の建設委員会で、政府補償の法案が出ました場合に、大蔵省の言明としては、開銀が貸さない場合には、預金部資金の方ででもその分だけは必らず出すということになっておりますので、これもまた二十五億の金の中からこれをさく必要はないと私は思っておる。この点は将来慎重に扱っていただくことを要望しておきますが、その中で特にこのセメント工場を作るに当って、東北六県それぞれ県が出資しておるわけです。ところがこういう二十五億という金が出て開発会社というものに切りかわってくれば、各県の出資に待ってこのシャフト・キルン方式の松川工場をこの秋に繰業するような予定のようですが、そういう府県出資というものは、この二十五億の金で肩がわりして、各県から金は出資してもらわんでもいいというふうにおやりになりますかどうか、お尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/68
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069・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) セメント工業の運営につきましては、相当まだまとまった資金が要るだろうとわれわれは考えております。従って二十五億の中でこれに出資すると言っても、なかなか見合うだけの出資をいたしました場合には、二十五億はほかにさくものがなくなるのではないかとも考えております。従ってセメント工業の運営というと、これに必要な資金の獲得の方法というものは、別途にもっとセメント事業そのものの将来の運営の企画の中において、金融対策は立てなければ十分ではない、こう考えて、おります。従ってこの二十五億の中からこのセメントに関連する事業に莫大な資金をさくということはこれはできないものではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/69
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070・小笠原二三男
○小笠原二三男君 あのセメント工場はたしか十七億かでやることであって、そして開銀その他から借り出す金が十四億であったかと思うのですが、これはもう社債などを発行して市中銀行から集めた金を東北興業が預金しておる。七億以上も預金を持っておるというような現状なので、この点もまあ資金の回転の上からいえばまずいことだとも思っておるのですが、しかし二十五億という金をつぎ込んでも、これは足りないかもしれんというような状況ではないはずなんです。昨年再三、十七億程度でこれができるのかということをただした。あなた同様に疑問を持ってただした際に、大丈夫やれるのだということであったのです。そして各県の出資があれはたしか二億ぐらいになるのでございましょうか、これだけでも二十五億の今度の金で振りかえられるのかどうかということを私聞いているのです。この東北開発株式会社の性格上、従来のように各県出資をさせてやるということをやめて、会社自身の自己資金でやっていくという方式をとられるのかどうかということをお尋ねしている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/70
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071・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) セメント企業の運営につきましては、資金の獲得方法は従来のままでいくのがいいのか、新たな経営方法にしていくのがいいのか、これはもう少し検討をいたさなければならぬ点があると私は思っております。この二十五億の中にこれの経営のために何らかの負担をたくさんかける、こういうことはできるだけ避けるべきである、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/71
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072・小笠原二三男
○小笠原二三男君 ではその点については将来の問題としてとどめておきますが、少くとも衆議院でも質問があったようですが、松川工場において工場敷地を当該地域の町村からこれは出させておる。水田を村が買って六千万円か出して敷地を提供しておる。それは将来において固定資産税が入るのだからいいのだということで、知事等の要請によって地元で山林等を売り払って四千万円ぐらい出し、あとの金に困っている、二千万円のこの捻出に。そういうふうに地元が協力して出しておるこの六千万円というような金は、東北開発会社になった暁においては、まだ工場が操業しない、今敷地造成の最中なんですから、このときにおいて六千万円ぐらいのものを地元の負担にゆだねないで、会社自身が引き取るお考えはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/72
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073・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 会社の経営の方針とまた地元との関係というのは、おそらく工場を誘致する場合に、いつもそういう問題が起るだろうと思いますが、そのときにどういう契約をいたしておりますか、またそれをどういうふうに運営するのが適当であるか、そういう点につきましては、私案を言うとまだ十分な説明を受けておりませんから、それはもうそういう点について地元との関係をどう調整するかということは、よく研究をさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/73
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074・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それならば将来十分検討し、会社の事情を尋ねられまして問題を処理していただきたい。少くとも東北開発という大眼目を掲げて増資せらるる会社が、一町村団体の負担に敷地等の問題をゆだねてやっている。そういう何と申しますか、しみったれた考えで東北の振興は私はできないと思う。地元といえども、それは快くやったような形でいながら、実は財源の捻出に苦慮しておるということであれば、やはりこういう大きな開発会社になった暁においては十分考えられる必要があると思います。それで大体開発会社の方と公庫の方との関係については伺いましたが、あとは公庫の実際的な企業の、期待されている企業の問題についてお尋ねしたいと思いますが、まあ午前はこれで終るのでしょうから、もう一つ会社について伺いますが、敷地造成の方の事業はこれは全然ペイするものだけをやるという建前でしょうが、資金的にはこれはどういうふうに振り分けておやりになり、経理されるのですか。全然これは産業という問題ではないわけなんで、公共事業を肩がわりするような仕事なんですから、同じペイするというならば、それは独立採算でペイすることを言うのだと思うのですが、資金面はどういうふうに振り分けられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/74
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075・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 産業立地条件の整備ということにつきましては、必ずこれに対しては一定の企画を持っておりまして、五年とか十年後において必ずこれがこういうふうに利用度が高くなる、従って一定の年限を、その中に間隔をおけば必ずこれは収支が見合うものである、こういうようなものについての開発を主として行う。すなわち、経済の基本条件を満すものでありまして、それが全然の損失勘定だけのものを会社がこれをとり行う、そういう意味ではありませんが、従来でも農地造成をしてこれを整備をして、そうして農家に一定の長期に低利で分けていくとか、あるいは水田を埋め立てまして新しい倉庫その他の港湾関係の施設の基本条件を作り、その上に倉庫業を行うことができるような立地条件を満たす。そういうふうなことをやって参っておりまして、それは利益が薄い場合はありますけれども、年限を限って計画を立てて、そうしてそれが会社の経営に大きな支障のない範囲の措置はとって来ております。それで公共事業との関係が非常に複雑なことが起りますから、そういうことの競合のないように、そうして全然トータル・ロス、全然赤であるという場合の対策としては、別個の政府との交渉によって、この事業の推進、あるいは事業をこっちが時間的に急ぐ場合には、われわれがやっておいて、この会社をして施行せしめて、あとにおいて政府にこれを肩がわりをする、あるいは各地団体にこれを肩がわりする。そういうふうな農村ないし漁村関係の緊急を要する場合、あるいは一定の年限内でどうしても仕上げなければならないという要請、あるいは林道その他ですみやかに造成をしておいて、あとから政府その他の計画の中でこれを整理し得るようなものは経済行為としてやって差しつかえない、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/75
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076・小笠原二三男
○小笠原二三男君 ではこの部分についてだけは地方の要請というようなことにかかわらず、国土開発と申しますか、産業開発、国土計画、そういうような点から、地点はある程度もう具体化されておると思うのですが、まず着手する地域は敷地造成についてはどこですか。それも計画がないというのですか、あるならやるということだけのことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/76
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077・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) たとえば東北のドックをどういうふうにこれを整理するかという場合に、おそらくあすこは三千トン級の造船が可能な地区だと思っておりますが、そういたしますと、当然三千トンクラスのものの事業を企画する場合に、それに付随いたしまして港湾の浚渫とか、そういうふうな問題は当然起ると思っております。ドックそれ自身を殺さずに生かしていくということを考えました場合に、これを東北開発会社が経営する線は第二といたしまして、東北地方の産業の中で、たとえばそういうふうな港湾の浚渫、そうして能率をそこで上げることのできるような立地条件を満たしていく、そういうようなことは当然考えられなければならぬ一例であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/77
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078・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうすると、今二十五億という資金のうち立地条件の整備という方にどれだけの金を振り分けるかという計画もない、どの地域においてそれを行うかということについても計画はない、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/78
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079・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 候補地としては、たとえば八戸であるとか、あるいは塩釜であるとか、小名浜であるとか、いろいろの計画のわれわれは要請を受けております。しかしどれを、どういうふうに事業投資をしていって、これの採算を保ちながら企画開発するかということについては、なお検討を要する点が多いと思っております。少くとも六億ないし七億程度のものは、そういう方面にわれわれは活用する必要があるのじゃないかということを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/79
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080・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それで、そういう事業は大体会社に請け負わせると、請負工事になるというふうに考えてよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/80
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081・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) その点につきましては、その実情に応じてこれは考えなければならぬと思いますが、当然これは、審議会は各地区の代表が入って参りまするから、各地区の代表でその実情に応じた対策等の具体的な意見がみんな聞かれる機会が実はあるのじゃないかと思っております。ここでその点につきまして具体的にどうするかということについては申し上げるだけの今材料がないというわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/81
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082・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうすると、開発会社の事業計画を会社が出すと、それを審議会にかける、そして審議会がそれについて是非の答申をする、それで長官がそれを決定する、そして会社にそれを実施させると、こういう手続になるのですか。そうだとすると、この審議会というものはみんな地元の利害関係を代表してきてどういうことになるか。これは大問題だと思うのです。どういうことだけをやるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/82
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083・宇田耕一
○国務大臣(宇田耕一君) 審議会では基本方針をきめるのでありまして、その東北開発会社の基準となるべき事項を調査審議するということになっております。従ってここの開発法の第五条に掲げてありますのは、「事業の基準となるべき事項」と、こういうことになっております。「基準となるべき事項」そのものをどういうふうな限度までこれを調査審議するかというのは審議会において方針、計画を立てることになるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/83
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084・小笠原二三男
○小笠原二三男君 午前はこれで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/84
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085・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 午前の会議はこれで一応休憩いたします。
午後零時二十五分休憩
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午後一時四十六分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/85
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086・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 午前中に引き続いて会議を開きます。
北海道開発公庫法の一部を改正する法律案の質疑を続行いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/86
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087・小笠原二三男
○小笠原二三男君 午前に、開発会社の事業計画についてお尋ねしましたが、公庫の方の融資計画についてお尋ねしたいと思います。
手元に渡っています融資計画試案は、百三十数億の要望をしておられるのを圧縮せられて、企画庁のこれは試案として四十五億にはめ込んで出ておるようですが、この資料を見て、午前の長官の答弁といささか食い違っておるのじゃないかと思われる点を尋ねたいと思います。
それは、農林水産関係の第一次産業を盛んにさせるための関連工業を重点的に扱ってもらいたいということに対して、長官も、その通りと考え、今後において十分検討したいということであったのですが、四十五億のうち十二億しか農林水産物の加工度の高い工業というものに割かれない。これは、大体こういう試案というのがだんだん固定していくのですか、全くの試案で、思いつき、出したものなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/87
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088・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) ただいまの御質問でございますが、四十五億に圧縮いたしますれば、こういうことが一つの試案として考えられるのじゃないかというので、早急に私の手元で作もましたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/88
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089・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうすると、東北の特殊事情、実態というものからいって、農畜産あるいは水産物の加工度の痛い工業にかける十二億という金は、少いじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/89
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090・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 試案として作りましたものでございまして、第二項の、農林水産物の加工度の高い工業の方でも、要望が非常に多うございまして、その事業が非常に有望であるというふうな際におきましては、かりに作りました案でございますから、これを増額いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/90
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091・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それでは、もっと具体的にお尋ねしますが水産物貯蔵加工事業というのは、冷蔵冷凍の倉庫をいうのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/91
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092・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 冷蔵冷凍を倉庫もその一つでございますが、水産物から家畜の飼料等を作るような事業等もあろうかと思います。具体的には決定いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/92
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093・小笠原二三男
○小笠原二三男君 農林省の方においては、東北の寒冷地域における畑作の振興、それから単作地帯の土地改良等による二毛作等を推進する。それについてはやはり有畜農家経営ということで乳牛等の導入による酪農経営を主体としてやっていきたいというようなことで、ずいぶん力こぶを入れてやっていくようでありますが、ここにあります乳製品事業というのは、森永とか明治、これらに匹敵する農協と申しますか、有蓄農家といいますか、これらが使役し得るような新しい企業を作らせるというようなことですか、そういう点には至らず単に簡易加工場をもつという程度のことを指しているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/93
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094・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) ただいまのお話しのございました大乳業会社に貸すという考え方は考えておるわけじゃございませんで、他に資本の調達ができればそういうところには貸す必要はないわけでございます。またただいまお話しのございましたように、簡単なる加工程度のものでありますれば、これはあるいは公庫の現在の業務方針によりますれば失格するものもございましょう。しかしそれよりも加工度の高いものが地元資本等でできまして、それが有望であるという際におきましては、そういうのはぜひ考えたい事業であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/94
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095・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それから食肉の方の事業ですが、これは枝肉を貯蔵しておいて東京へ輸送するということで、屠殺、貯蔵、こういう事業等をやるというようなことを奨励する、そういう意味はないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/95
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096・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 食肉、乳製品事業として一つの事業のグループとして考えたわけでございまして、まず酪農の振興に伴いまして乳製品という問題が出て参ります。あるいは食肉の問題も出てくるかと思って食肉も入れたわけでございますが、ただいまお話しのような事業で、枝肉にいたしまして東京市場等に送るという事業が起って参りますれば、それも貸付対象として考えるものと心得ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/96
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097・小笠原二三男
○小笠原二三男君 はなはだ項目的な小さな質問で恐縮ですが、この試案によってお尋ねします。砂鉄利用工業というものは青森県のいずれにかできることを予想しておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/97
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098・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 砂鉄は東北地方の各地に賦存しております。現在のところ青森県の八戸、岩手県の久慈、及び青森県の下北半島の方面にたくさん生産せられておりまして、将来日本の砂鉄銃の供給の中心地になろうと存じておりますが、東北地方にはその他に秋田にもございますし、そういったところではまだ未着手でございます。こういった方面にも砂鉄採掘の事業が起り、あるいはそれを精選する事業が起りましたら、そういうものも貸付対象になるかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/98
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099・小笠原二三男
○小笠原二三男君 将来でない、これは本年度のことですから、具体的にはどこが想定されているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/99
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100・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 今年度どの地区に貸すという予定は、ただいまのところ持っておりません。公庫が開業いたしまして、そこに申し入れがありましてから決定する問題だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/100
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101・小笠原二三男
○小笠原二三男君 地元の方ではどこでこういうことをやりたいということで問題になっているか聞いているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/101
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102・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) これは青森県もございますし、そのほか秋田県も、県の意向としてはこういう鉱山に来てもらいたいということを希望しているようであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/102
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103・小笠原二三男
○小笠原二三男君 次に二番目の農林関係ですが、特産品加工事業というので今動きを示している加工事業は何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/103
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104・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) ただいま融資を受けたいといって動き出している点につきましては、ただいま私どもも何も聞いているものはございませんけれども、県方面の意向等を聞いてみますと、青森県等のリンゴを使いましてそれをシードル、こういうふうなものに生産することが一つの有望事業であるかのように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/104
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105・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それは弘前で現に一億かそれ以上の資金でやっているのですが、そういう既設の加工事業にもこの金を出し得る、要求があれば出すということになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/105
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106・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) ただいま弘前でそういう工場があるということでございますが、それ以外の工地あるいは弘前におきましても、そういう事業を起したいという要望がございまして、それが採算的に将来有望であるということで、公庫の貸付基準に合いますれば貸すこともなろうかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/106
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107・小笠原二三男
○小笠原二三男君 この地下資源開発事業鉱業及び精錬業となっていますが、具体的に問題になっているのはどういうものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/107
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108・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) ただいま具体的に業者の方から貸してくれという話を私どもも聞いておりません。この鉱業及び精錬業をのせました理由は、東北には大鉱山が割合に多いのでございますが、その大鉱山の数が多い反面におきまして、中小鉱山も比較的ございまして、中小鉱山あたりで機械を最新式のものに取りかえれば非常に有望であるというのがございます。そういうところが従来金融に困っているようでございますので、選鉱設備でございますとかあるいは運搬施設でございますとか、そういう中小鉱山を主として考えまして機械の合理化をはかりたい、こういうふうに考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/108
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109・小笠原二三男
○小笠原二三男君 中小鉱山というても付帯決議が認められていかない限りにおいては、一千万以上の資本金を持つ中小鉱山になりますから、限られたものである。しかも資本金一千万以上ということになれば、大鉱山と同様に開銀の貸付対象になるのではないかと思うのです。それとこういうこちらの公庫の貸付対象とはどういうふうに区分されるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/109
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110・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 開銀の貸付対象の問題でございますが、開銀の産業設備に対します標準は、電力、海運等についてはこれはもう説明する必要はないかと思うのでありますが、それ以外におきましても特定の業種を選びまして、国として特に推進いたしたいという業種を取りまして、それに優先的に貸すという格好になっております。東北の開発は東北開発という観点から審査するわけでございまして、若干の違いもあろうかと思います。そういう意味におきまして開銀の融資対象にはならないが、こちらの公庫の対象にはなる、こういうものもあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/110
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111・小笠原二三男
○小笠原二三男君 今の問題はあとでもう一度総括してお尋ねしますが、では四番の産業の振興開発にかかわる交通運輸事業というのはどういうものをさして言うのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/111
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112・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 東北地方の資源開発用の私鉄等もございますので、そういう私鉄の方も申し込みがあれば貸す必要があろうというので、一応こういうことになったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/112
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113・小笠原二三男
○小笠原二三男君 現在できておる会社に貸すということになるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/113
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114・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 現在できております会社で、路線の改良でございますとか、路線の延長をいたしまして、それが東北開発に役立つ場合もございましょう。私はまだ全然聞いておりませんけれども、あるいは新線建設ということもあろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/114
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115・小笠原二三男
○小笠原二三男君 ではちょっと具体的にお尋ねしますが、岩手県においては岩手開発鉄道という会社がある。しかもその路線というものは、ほんの何キロしかできておらない。あとの大部分はできておらない。そこで開発発銀行から金を借りてこれが完成をしたいということで、何カ年間にわたって開発銀行の方と投衝をしてもその金が出ない。こういう形になっておる会社に、この公庫の方であれば貸すこともできるというとになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/115
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116・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 開発銀行におきましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、業種を規定いんしまして、その年度における国家として、資金対策を講じて進めさしたい、逆行したいという業種を選んで、それを中心に貸し付けて参るわけでございます。そちらの方の基準に該当しないあるいは医員金的にも十分でない、そのために開発銀行の方で貸してもらえないという場合におきましても、この公庫の基準に合えば貸す場合もあろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/116
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117・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そこで問題になるのは、開銀の方は採算上あるいは経経済の現況、それから貸すことはできないという形になっておるものに、中小北開発公庫の方は金を貸し出す。同じ政府資金ですね。そういうことならよほどこれは慎重に扱う必要があると思う。開銀でけられた会社、工場に、東北の開発のためだから、これは別なんだからということで、同じ政府出資の金が開発公庫から出ているということは、考えようによっては不思議な現象だということにもなるでしょう。どういうところでこれははっきり区分するのですか、この開銀とこの東北開発公庫の貸し出しの基準というものは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/117
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118・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 開銀につきましては毎年どういう標準で金を貸すかという方針が政府としてきまりまして、その方針に従って開銀が運用して参るわけでございます。従いまして開銀から融資を受けることができない場合におきましては、一つはその指定の業種に入っていないから貸してもらえないという場合もあると思います。そういう場合におきまして、その業種が東北開発上必要であれば、それはこの公庫から貸す。それから開銀の方で資金ワクがない。従ってその事業の採算性は認めるけれども、資金がないから貸せないという場合もございます。この場合は公庫で貸してもよろしい。しかし先ほどお述べになりましたように、開銀でも採算性の見込みがないから貸すことはできない、こういったものを公庫が拾ってここで貸すということは考えるべき問題でございませんので、事業の見込みにつきましては同じ政府機関の開銀と公庫とはこれはそう違った標準をとるべきものではないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/118
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119・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それで、だんだんわかってきましたが、それでも問題は二つあるわけです。開銀でも公庫でも貸し付けでき得る対象ではある。しかしながら開銀自身は各種の検討を加えてそうして貸すことはできないということになったものについては、この開発公庫の方もちょっと貸せない。採算上云々というような問題で開銀がやらぬという場合には、こっちもそういう危険な企業に対しては貸し出しはできない、この点ははっきりする。ところが今度は逆に二番目にあなたがお話しになったように、資金が開銀の方にない。その部分を開発公庫の方で出すのだということは、それはその通りに話は聞えるけれども、かえって逆に開銀の方が東北関係は開発公庫の方があるのだから、その方の金を使えばいいのじゃないかということで、従来も出しておった金さえも開銀は出さないで、他地域の企業にその金を振り向けるというようなことになったらどうなる。この公庫の目的というものは何と申しますか、達成できない。これをどこで調整するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/119
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120・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 先ほど申しましたように、開銀は毎年度のどういう事業にどれだけの資金を貸したいという一つの政府の方針がきまりまして、それによって運営するわけでございます。従いまして開銀の資金計画に入り得ますものにつきましては、開発銀行の方で貸すわけでございます。ただいま小笠原委員のお話になりましたように、開銀が東北にはもう開発公庫ができたから、開銀はその資金をよそに回して東北の方は公庫の方にまかせるという態度はとるまいと思います。またその点につきましては、私ども経済企画庁内部におきましても、その点は十分主張いたしております。ただ具体的の事業の申請を開銀と公庫との間に両方に出ました場合に、どちらで貸すかという問題に相なろうかと思うのでございます。この点は開銀と公庫で十分話し合いまして、個々のケースごとに解決して参りたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/120
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121・小笠原二三男
○小笠原二三男君 この問題は運用のし方ではいろいろ問題を起す点が出てくると思います。それで少くとも開銀の方が少しでも開発公庫の方に東北関係のそれをゆだねるというような消極的な態度をとられないように、どこかでこれは調整する必要があると思うのです。そういう点についてはやはり企画庁長官がおやりになるのですか、大蔵大臣がおやりになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/121
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122・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 開発銀行の監督の責任は大蔵大臣にございますが、開銀の貸付対象は各省にまたがっておりますので、経済企画庁で一応各省との調整をしました案を作りまして、それを大蔵省に渡し、大蔵省から開銀の方に毎年運用計画として通達されております。従いまして、現在でも経済企画庁内部でその計画を取りまとめ中でございます。ただいま小笠原委員のお話しになりましたことを私も憂えまして、先日内部の会議におきましても、その点を十分強調しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/122
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123・小笠原二三男
○小笠原二三男君 私、地方の新聞で見たのですが、もう有力な鉱山、会社、工場で従来開銀からの融資を仰ぎ、また仰ごうとしておる、そういうところで、工場設備の拡張等にこの開発公庫の金を借りたいということで、計数まであげて統計的に出ておる新聞を見たのですが、そういう既設の大工場、大鉱山が、この開発公庫の方に乗りかえて借りたいということになってくれば、私はこの開発の趣旨、目的が狭められてくるというふうに考えておる。で、開銀で貸し出せるものはあくまでも開銀の責任で貸し出し、またそういう対象として十分能力ある企業はそっちに回ってもらって、そしてこの開発公庫の方の金を当てにしてもらっては困るというふうに、まあ常識的に考えるのですが、どういうふうにこういう点は処理されるのですか。もっとお尋ねするならば、この公庫の金というものは、新規の事業計画に対して貸し出すということにウエートを置くのか、既設のものに貸すということにウエートを置くのか、これらの点を具体的に御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/123
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124・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) ただいまお述べになりましたことの基準になりますものは、東北の開発ということでございまして、開発は申すまでもなく、それにその工場設備が新設され、あるいは増設でありましても、それによりまして東北の砂鉄とか石灰石の資源、あるいは金属山の資源でございましても、そういうものが開発されて国民経済に役立つ、あるいはそういう工場の新設、増設ができまして、それによって付近の労働者がふえると、こういうふうなところをねらって参るべきだと思っております。従いまして、工場内部の原価の採算をよくするための機械設備の合理化でありますとか、こういう性格のものはこれは適しないのじゃないか。いずれにいたしましても、そのために資源の開発が増加される、あるいは地元の雇用口がふえると、こういうところが一つの基準になるのじゃないか。従いまして、必ず新設に限定する必要もない。場合によっては、増設でも東北の開発に役立つ場合もあろうかと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/124
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125・小笠原二三男
○小笠原二三男君 これら開銀とこの公庫との関係、それから有力な事業との関係については、もっとお尋ねしたい点がありますけれども、まあ具体的にどう処理されるのか。その実態を見てから、またいつか重ねて注文したいと思いますが、十分慎重な配慮をしてやっていただかないと、新規に開発計画に基く政府も指導をして、東北にぜひ作らなければならないような工業、工場等に金が回らぬで、既設の有力会社に金が流れていくというようなことになるかもしれぬ。この点を私は心配するのです。十分慎重な扱いをやっていただきたいと思います。
それからその意味で一つ具体的に申しますが、五番の中で海水利用工業とありますが、これは製塩業かと思います。例示しますが、岩手県の大船渡に製塩工場の新会社ができるということでありますが、これの資金計画は一応できて、許可ももらったようでありますが、さてまた、これもこの開発公庫の方に乗りかえて何億か借りなければならぬという、役員会かの決定を得たように新聞紙上で見たのですが、そういうことはどうなりますか。もう過去において、ある資金計画を持って、これでやるのだとなったものが、その中の大部分の資金は、今度はこの公庫の方に振りかえて借りてやっていくのだというような形に乗りかえてくる点については、どういうお考えを持っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/125
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126・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) ただいまの会社の問題でございますが、私もこの問題を県の方から聞いておりまして承知いたしております。また資金計画は昨年度、開発銀行に申し入れたことも承知いたしております。また開発銀行も先ほど申しましたように、各種の重点順に資金を計画いたしておるわけでございます。しかも造船、電力を抜きますと、一般のその他資金というのが百二十億でございます。それに全国からその他資金を期待しておりますものは、その倍以上ある、こういうことで開発銀行の方がむずかしくなってきた、こういうようなことを聞いております。しかし私も、まだ公庫が発足するわけではございませんし、また貸し出しを決定する立場でもございませんが、開発銀行の方もあきらめないで、開発銀行の方にも、ぜひ交渉してもらうように、ただいまのところは話しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/126
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127・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうするとそっちの方—そっちの方というのは、開銀の方が新年度の貸出計画ではずれてくると、この開発公庫の金を出すという結果になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/127
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128・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 開発銀行の方がだめであれば公庫で出すというところまではまだ参らないわけであります。五号は主務大臣の指定を要するわけでございます。これにつきましては関係省間において打ち合せしまして、海水利用工業も認めようということになって、初めて公庫の審査対象になるわけであります。その前段の手続がまだできておりませんものですから、まだ公庫から出す資格があるかどうかということにも、はっきり申すわけにも参らぬ状況であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/128
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129・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そういう点で開銀と公庫の問題で微妙な点が起ってくる。しかも主務大臣の指定ということで、やはり政治的な問題になってくる。私はそういう意味からいえば、一般論ですが、この種の開発の問題、この種の金の融資等々について政治的な配慮が加えられる、俗にいう……、こういうことのないようにやってもらわなければならぬと思うのです。それがそうでない形に運用されるからこそ、過去の東北振興会社のようないろいろなトラブルが起ってくる。こういう点については私は実は大臣にお答えを願っておきたいと思ったのですが、幸いまあ北海道、東北の開発公庫ですから、石井国務大臣にはっきりした御言明を願っておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/129
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130・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) この公庫の出発の目的からいたしまして、北海道、東北の開発という大きな目標、これを助けていく資金の面でございますので、これが変な情実にとらわれて、あまり必要でない面に使われるというようなこと等がありますれば、目的が非常に阻害されるのでございますから、そういう点につきまして、今度公庫に相談をする機関も設けようということを私ども考えておるのも、そういうことにわずらわされないようにというつもりでございますので、御希望の点は十分考えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/130
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131・小笠原二三男
○小笠原二三男君 まあ歯に衣を着せないで言うなら、おれがやってやったんだからという選挙政策上の問題等にこれらのことが利用され、そういう評判が立つというようなことのないように、客観的に一つ扱ってもらいたいということを私は率直に申し上げるのです。そうでない実例が過去においてあったから、また今でさえもこの種の金がいろいろなひもつきで使われるのでないかと、そういう危惧の念を持つ、反対の考え方を持つ方々も多いのですから、慎重な扱いをやっていただきたいということを申し上げておきたいと思うのです。
そして、ついでですからお尋ねしますが、衆議院の付帯決議については、政府としてはこれに同意しておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/131
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132・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 大体その付帯決議の趣旨に沿うてすでにやりかけておるのもありますし、それはなおその通りやる。なお最後に、昨年付帯決議されたままになっておりましたものは、この公庫に協議会を置く、これはいろいろな情勢を考えまして置いた方がいいということで、その通り置くことにいたしました。付帯決議はほとんど全部にわたりまして実行することにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/132
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133・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうすれば、資本金一千万円以下の中小企業にも恩典と申しますか、その種のものが与えられるような措置は、どういうふうにして具体的におとりになるのですか、またその限度はどういうふうにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/133
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134・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) これは今までといたしましても、まあ原則として一千万円以上の資本金の会社ということで、今までも貸そうと思えば貸せたわけなんでございますけれども、実際上は資金の面も少なかったし、操業しにくかったというような点もあると思うのでありますが、今後はその以下の方面にも貸すべきじゃないか。特に東北の方面に開発の問題が行われますと、資本金一千万円以下の会社が割合少い。開発というのが目標でございます。その線に沿う限りにおいては、それ以外にも貸すように公庫の方で考察いたすということでございます。形としては、原則としてでありますから、別に規定を改める必要はないと思います。扱う基準をきめさせようと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/134
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135・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうすると、その選択については協議会ですか、そこの決定にゆだねるいとう形になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/135
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136・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) それはこの公庫の責任者は理事長でございますが、その貸し出し決定は理事長のところでやっております。それに今までの公正なるあり方ということについての相談する機関にしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/136
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137・小笠原二三男
○小笠原二三男君 もう一つ、それではついでですから、開発部長の方にお尋ねしますが、この直接公庫には関係しない、やはり東北開発促進の運用の仕方ですが、企画庁に、開発部の中に開発室を置く、そして促進法に基く審議会を置く、そしてそれは東北開発の計画画を立てると、ところが一方国土総合開発法による特定地域を設定し、その他をやる審議会がある。これらとの関係はどういうふうに運用していくのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/137
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138・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 御承知の通り、国王総合開発法の地域につきましては、特定地域計画、府県計画、地方計画、全国開発計画と、この四段階になっておるわけでございまして、今回の東北開発の促進計画は、この地方段階の計画でございます。地方段階の計画を、国土総合開発法におきましては、関係の県から提出したものを政府が審査する格好でやりますのを、東北開発の重要性にかんがみまして、政府の方で立てるということになりました。また、東北という一つの特定の地域についての開発計画の上に、特別の審議会を設ける方が適当と思いまして、東北開発審議会を設けることにいたしているわけでございます。そこで東北地方に含まれますところの特定地域の計画をどうするかという具体的な問題になるわけでございますが、特定地域の計画につきましては、東北開発促進計画の一部でございますので、その計画とマッチしたものであらねはならぬことはもちろんでございますので、その一部として事務局がちょうど同じでございますので、事務局で十分審査しました後に、この計画の審査は国土総合開発審議会でやっていただく、こういうことにいたしております。しかもこれは東北開発にもももちろん関係あることでございます。東北開発審議会にも正式の議題というわけには参らぬかと存じますけれども、御参考に御審議はしてもらった方がいいのじゃないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/138
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139・小笠原二三男
○小笠原二三男君 非常にややこしい問題ですが、ほんとうに開発計画ですね、国土開発計画という立場に立って東北を見た場合には、どっちが主体なのか、審議会の……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/139
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140・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 東北開発という立場になりますと東北開発審議会が主体でございます。その範囲内におきましては国土総合開発審議会は関与しないことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/140
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141・小笠原二三男
○小笠原二三男君 しかし、その東北開発の計画の内容というものは、国土総合開発法による審議会において決定されたものが基盤となって盛り込まれているものである、それを動かすことはできない……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/141
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142・植田俊雄
○政府、委員(植田俊雄君) ただいまお述べになりましたことは、その通りでございまして、東北開発促進計画を立てます審議の決定も、国土総合開発法に基いて全国総合開発計画ができますれば、その東北分につきまして、詳細な計画を立てるわけでございまして、全国総合開発計画が八つのブロックに分けて作るわけでございますが、その内部の計画におきましては、そうこまかいところまできめるわけではございません。あらましの、農業につきましては東北がどの程度分担すべきか、鉱工業でどういうふうに分担すべきか産業立地条件でどの程度分担すべきか、その結果はどの程度の所得水準になるか、こういうことでございますので、それを具体的に計画いたしますのが東北開発審議会でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/142
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143・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうすると、あなたに聞くのは酷だけれども、尋ねておきたいのですが、この種の問題は、東北開発の促進法ということでなくて、東北に関連する—たとえば現在の問題でないようですが、公共事業費の補助率の引き上げ、その他等々、特殊な問題があれば、国土総合開発法における東北分の特例として、その総合開発法で指定してもよし、審議会の問題も、国土総合開発審議会の中に各種の特別委員会があるのだから、東北北の開発審議会に見合うものをその中の特別委員会として置くという形が法制上は一貫しておる。そしてまた開発部に東北開発室を置くというようなことも見合いになるというふうに考えられるのですが、ところが実態は審議会は並列である。そして権限関係は独立しておる。しかし根幹たる国土総合開発法に基く審議会の決定したものは東北開発においても動かすことはできない。こういうことはおかしいと思いますが、なぜこういう立法になったのだ。総合開発法で一貫して立法上も、行政組織上も一貫したようになぜしなかったのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/143
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144・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 国土総合開発審議会におきましては、国土総合開発計画を立てるわけであります。その全国総合開発計画に示されましたブロックの計画は、東北につきましては、東北開発審議会が決定してきめるわけでございます。北海道につきましては、北海道開発審議会がこの基準に従っておきめ願うことになるわけであります。それで、国土総合開発審議会で東北も同時にやれるのじゃないかという御意見でありますが、北海道に次ぎまして、東北の開発の必要性を政府として感じたわけでございます。それに沿って特別の審議会を設ける必要がある、こういうことになっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/144
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145・小笠原二三男
○小笠原二三君 それは北海道の場合に審議会ができた経緯というものは、北海道の開発庁ができて、それについて審議会が出てきた経過と事情があるので、あなたの言うような論理を展開していくなら、さっきから長官にお尋ねしておる通りに、東北開発に関する審議会を置くならば、そのウエートといいますか、何と申しますか、実施官庁、これを掌握しておる東北開発庁というようなものが置かれなければ首尾一貫しない、そうでないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/145
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146・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 審議会というものは、機構の独立というものと必ずしも一致しなければならぬものとも考えられません。私どもの長官が先日申しましたように独立官庁が望ましいとは申しておりますが、現在の段階ではそこまで参りません。開発部に二つの審議会がございまして、一つは全国、一つは東北というふうに扱いましても、差しつかえないものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/146
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147・小笠原二三男
○小笠原二三男君 まあ一番苦労された開発部長にこのややこしい問題を聞いて、これは実は工合が悪いとは言えない事情もあるのですから、これ以上は申し上げられませんが、結論的に、質問は終りますが、あくまでも実施官庁は作らぬ、現段階においては作らぬ、企画庁がこれをやるのだということでありますから、特に企画庁としては、実施官庁があってやったと同様の効果を上げ得るものでなければならないと思います。そうでなくて、われわれの官庁は企画調整する機関なので、残念ながらこういうふうには主張しましたけれども、予算も取れませんでしたし、農林省が承知しませんでしたし、建設省が言うことを聞きませんでしたでは、今後済まないと思います。内容、実態は実施官庁的な、各省、事業官庁に対して相当強力に仕事をさせ得るような背景がなければならぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/147
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148・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) その点につきまして、今後審議会ができますれば、各省の局長クラスあるいは課長クラスをもって幹事会ができますので、これが話し合いの機関としての形式的な組織には相なろうかと思いますが、それと同様のことを昨年来、東北開発協議会というような面においてやっておるわけでございまして、従来ともこの協議会におきまして、企画庁が中心になって運営して参ったのでございますが、各省間の調整は比較的よくとれておりました。またこれで仕事をやるのも、予算の一括計上ともなって開発計画を立て、それを各省にお願いをして、各省と一緒に推進していくという一つの方式としてもある程度できるのじゃないかという見通しを持っておりますので、企画庁といたしましては、東北開発を現在の態勢を尊重した形で進めて参りたい。それで相当効果を上げ得るのではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/148
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149・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それでは企画庁が相当の効果を上げ得るということですが、北海道並みの開発をしたい。ただ実施官庁だけは置かない。それにかわるものとして実際的には企画庁が実効を上げ得る措置をとる、こういうことでありますから、北海道関係については予算上も区分してある、一切のものをですね。それと同様に、東北開発に関しても、東北分に関しても、内地分、北海道分と分けるのと同じに、内地と東北、北海道というふうに分けて、今後の予算上の措置をとられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/149
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150・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 内地分を、東北分と、その他内地分に分けるということは、これは各省の予算の組み方等にも関係いたしまして、政府部内でもなかなか話し合いがつく問題でないと、ただいまのところ考えております。ただいまその問題にすぐ取り組むという考えはないわけです。どうしてもうまくいかないときには、そういうことも一つの考え方かと存じます。そうまでしなくても、企画庁を中心に調整していけばやっていける、こういう考え方で進んで参りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/150
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151・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それならまことにけっこうなことで、もうこれ以上追及しませんが、しかし、現在まで国土総合開発法による北上の特定地域の指定が一番最初に出に、二十七年かに出た。それで十年計画でこれが完成をする。当時の金で六百億と言われた金のうち、現在までにその金の幾ばくが出たか、どれだけ事業が推進しているか、大したことではない。十年が二十年かかっても完成しないのですよ。それが続々と東北において特定地域ができ、今後調査地域が特定地域になる。その仕事が骨格となって東北開発の計画ができる。それに見合う金が出てくるという見通しがあなたの方にあれば、私はこれ以上のことは言わぬが、過去の実績からいって、大蔵省はそういうふうに予算を分けることに反対なんです。だから調整費ぐらいでごまかしておる。それからあなたの言う通り農林省も承知せぬ、建設省も承知せぬ、そういうふうに事業官庁に手をつけることができなかった過去の実績があるのに、今後においてはきちんと計画通りの金が企画庁開発室において企画調整の結果、予算上出てくるのだということになりますか。信頼していいですか。これはあなたに聞くのは酷だけれども、一応聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/151
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152・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) これは今後立られますところの東北開発促進計画の内容いかんにかかわる問題かと存じます。従いまして、これは私どもの手落ちか、あるいはその後の財政事情によるものかわかりませんが、北上特定地域の開発計画がおくれておりますことはお話しの通りでございます。国、地方の財源等をにらみ合せて、可能な計画でございますれば、それは当然できるものと思っております。従いまして、先日来、大臣が申しておりますように、全国総合開発計画の線に沿った開発計画を立てるのでございますので、若干の狂いがあろうかと存じますけれども、経済規模、産業の伸び等も十分考えた計画になるわけでございますから、そう実行土狂いは起らないものと考えております。また、私ども予算を持たないで調整するという非常にむずかしい仕事に取っ組むわけでございます。最近一両年そういう方式でやって参りまして、期待通りではありませんけれども、ある程度の調整力を持つようになって参っておりますので、御期待通りの仕事はあるいはできないかと存じますが、全力を尽してやってみたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/152
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153・小笠原二三男
○小笠原二三君 あるいはできないかと思いますがというような、今からシャッポを脱いだような話は開きたくない。やるなら徹底してやってもらわなければならぬ。従来の欠陥は、いろいろな理由があったかもしれませんけれども、たとえば河川統制というようなことは予算上はっきり出ている。そして河川統制、どことどこ幾らというふうに金が出ている。そうなればこれは動かんですわ。ところが土地改良事業とか何とかという、事業官庁の予算項目の中でプールして入っておれば、その時の都合で分配上はどこへこれが散っていくかわからん。はっきりと東北関係として予算上つかみ得ない。そういうような点が大きな欠陥があると私は思っておる。そういうことを脱却するのには、やはり東北開発計画なら東北開発計画で、河川なら河川、土地改良なら土地改良というものが、予算上、東北開発費というふうに大項目で分けなくとも、個々の事業官庁の仕事の中で、予算が細目的に分けてあれば、私はもっとはっきり事業を進めることができると思う。こういう点については、大蔵省はなかなか承知しない。一括して、束にしておいて、あとは実際的な配分の計画を立てるというようなことが、常に未開発後進地域であり、また政治力の弱い東北がおくれをとってきた原因だと思う。こういう点については、ほんとうに企画庁がおやりになるというのであれば、もっと新しい構想のもとに、この種の運営の仕方をきめてやっていただきたい。これは強く要望しておきます。
最後に、もう時間が超過しましたから、一つだけ簡単に、あの特定地域に関係してですが、東北に調査地域が、青森の十和田、岩木川の調査地域、それから宮城の仙台、塩釜——仙塩地区、福島の常磐あるいは秋田の雄物川、この調査地域がありますが、前回の長官の答弁では、九月ごろまでに東北開発の計画は立てたいということでしたが、その基礎になるものですが、この調査地域は特定地域としてその前に御指定になる準備ができておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/153
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154・植田俊雄
○政府委員(植田俊雄君) 特定地域は十九ございますが、その一つを除きまして、一つは対馬でございますが、それ以外につきましては全部計画が立ちましたので、調査地域のうちから特定地域を作るべきかどうかということにつきまして私どもも検討しておったのでございますが、過日開かれました国土総合開発審議会の懇談会におきまして、どういたしましょうかということをお諮りいたしまして、地元の要望があるものについては特定地域にしてもいいじゃないというお許しを得ました。そこで私ども事務的な手続をただいま進めているわけでございます。最近までに地元の一要望として強いのは、東北地方におきまして、北奥羽と十和田、岩木と仙塩でございます。この三つの調査地域につきましては、できるだけすみやかに手続をとりまして、次の国土総合開発審議会におきまして特定地域にするよう御決定を願いたいと存じております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/154
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155・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) この際、委員の異動について報告いたします。
本日付をもって岡崎真一君が辞任され、その補欠として西田信一君が委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/155
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156・木暮武太夫
○木暮武太夫君 ちょっと私は一点だけ伺いたいのですが、それは公庫の融資対象にしぼって、この点だけを一つ伺いたい。
いわゆる景観に恵まている北海道とかあるいは東北の地方下、観光資源を中心とする観光事業の開発ということが、これは北海道や東北地方にとって産業の振興になり、民生の安定向上になり、またひいて近ごろのように外国から来る人たちの外貨の獲得ということが目に見えない輸出の役をして、日本の国民経済の発展に寄与するということについては、これはまあ議論のないことで、ことに運輸行政に御堪能の石井さんなどは御同感のことであると思うのですが、従いまして、こういうものに対して、北海道とか東北の方を分担するところの金融の公庫が、融資対象として観光事業というような資源の開発というようなものについて、何ら考えておらないであろうかどうかというようなことについて、これを伺いたいと思うのですが、御承知のように、今度、あと三年もたてばジェット機がおそらく外客を運んでくるとか、政府でも観光五カ年計画か何かを立てて、昭和三十六年には三十万人外客を招致するというようなことで、莫大の国費を投じて国際観光協会か何かを作ったり、あるいは交通公社などを動員して、支所を増設したり何かして、全力をそそいでいるようなわけです。そこで問題は、今の景観に恵まれている、または温泉とかその他河川であるとかいうようなことに恵まれておる、観光資源の伴っておる北海道というものや東北に、多国の旅客が遊ぶというようなことがこれからだんだんと多くなってくるので、問題は、その場合におけるところの受け入れ態勢ということが大きな問題であるわけなんですが、この間いただいた「北海道総合開発第二次五カ年計画要綱」という中にも、やはりそういう点に気がついたものとみえて、国立及び道立公園における利用施設並びに探勝地域における宿泊施設とか観光道路の整備だとか観光施設の整備をはかるということを、北海道の方を見ると、こういうものがもとで今度の北海道のいわゆる開発が始まったのだろうと思います。
そこでこういうような状態になってきていつも問題になってくることは、日本におけるところのホテルの料金が外国に比較して非常に高い。なぜ高いかというと、ホテルとかあるいは国際観光のための日本旅館とかというようなものの整備をするに充てるところの資金が、高い金をみんな借りているわけなんです。そこで外国などはみんな、スイスでもどこでもそうでしょうが、国家資金でもって安い金で整備をやらしているというのだが、幸いにこういうような公庫ができたなら、安い金でもってこういうものの整備にやっぱり力を注いでいくべきじゃないか、こういうことを考えてくると、この十九条においていろいろ並べてありますけれども、そういうものが書いてないから、そこで十九条の五における最後に「主務大臣の指定するもの」というものがあるが、こういう主務大臣が指定する中に、今の観光施設とか何とかというものに対して融資をするというような、いわゆる公庫の融資対象をここへ入れていくべきではなかろうか。世間ではよくこういうことを言うと、たとえば開発銀行があるじゃないかというが、開発銀行というものは、昨日もお話があったが、資金量に限りがあって、重点的に、いわゆる船であるとか鉄鋼であるとかというようなことに全力注いでおるものですから、こういうことには一、二、少しありますけれども、ありません。
それから今度の国会をすでに通った公営企業金融公庫案は、おそらくこれは政府の意図するところは水道等のそういう問題だろうと思うから、観光施設の整備という方には手が回らないだろう。それから中小企業金融公庫というものあるが、これは御承知の通り、従業員三十人以下の中小企業であるとか、資本金千万円までのものであるとかいうようなことだから、これも及びもつかない。そこでやっぱりこういう北海道や東北のような、今私が申し上げたような受け入れ態勢を整備するというのは、この公庫以外には力を出してもらうものはない土地ですから、そこで今の十九条の五の最後の「主務大臣の指定するもの」、こういう中に、この観光施設の整備だとか、あるいは観光事業の開発とか、あるいは観光事業に対する整備とかというようなものが入るべきじゃないだろうかというふうに考えるものですから、この一点だけをお伺いをいたしておくわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/156
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157・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 観光事業の重要なことは御説の通りでございますが、この公庫の貸し出し対象といたしておりますのは、特定されました事業以外のものでも、開発上必要である事業には広く融資ができるということになるわけでございます。従って観光を目的とするものについても、これが産業の振興であるとか、資源の開発に寄与するというような関係になりまするとやれるわけでございますから、観光道路というようなものであるとか、それに伴う交通輸送業というものが考えらる範囲だと、私どもは今思っておるのでありますが、ホテルの融資問題になりますと、これはおっしゃる通りに、なかなかどこも取り上げてくれない問題であって、非常に私ども悩んだ問題でざいますが、この公庫の直接の融資対象ということには今考えないのでございます。今お説のようなことはありますが、実際ではまだそこまで考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/157
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158・木暮武太夫
○木暮武太夫君 なんですか、そうすると今の「主務大臣の指定するもの」というものにも今のところ考えておらぬと、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/158
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159・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 運輸関係の方面だけはそういうことで考えておりますが、ホテルそのものは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/159
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160・木暮武太夫
○木暮武太夫君 考えておらぬと、こう言うのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/160
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161・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) はあ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/161
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162・木暮武太夫
○木暮武太夫君 そうすると、たとえば北海道の今の開発計画や何かにもいろいろな施設などを整備しなければならぬとか何とかということがいろいろの議論になっておるのだが、それがもとになって開発計画ができておるわけなんですがね。これはほんとうはそういうところにまで手を回すべきじゃないですか。たとえば国民経済の発展に寄与するとか、あるいは北海道や東北とすれば、今の観光事業というようなものはやはりみんな産業振興によっておるわけですから、これはよくお考えになって、こういう問題についても真剣にお考えにならないと、政府が一方では莫大な金を投じて、昭和三十六年度に三十万人のツーリストを迎える。そこが一体、ただ昔のような富士山、芸者を目当てにしておるのじゃおそらくない。北海道や東北のようなほんとうにグランド・スケールな景観を持っておる所に世界の人たちを呼ぶのでしょうが、そういうところの受け入れ態勢に対して少しも考えておらぬというようなことは、私どもは賛成できないと思いますがね。これはこれ以上質問したところで、意見が違うと言われれば仕方がないと思いますから、お考えを願うことだけを申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/162
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163・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) ただいまの御趣旨をよく含めまして、なお研究をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/163
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164・小笠原二三男
○小笠原二三男君 関連して。北海道に関しては観光事業の目的であっても、観光バスあるいは観光道路、これらは融資の対象になると聞き取ったのですが、東北の方は担当の企画庁の方はやはりそういうふうにやるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/164
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165・田上辰雄
○政府委員(田上辰雄君) 法文の四号にございますところの「産業の振興開発に係る交通運輸業]、これには観光のものは入らないわけでございます。従いまして、五号によりまして「主務大臣の指定するもの」に、観光のただいま申しましたようなものを入れるか入れないかという問題でございます。その問題につきましては、北海道の方と同じでございます。また同じ法文でございますから、北海道分に限るという指定もおかしいわけでございます。これは両関係庁で相談いたしまして、きまりましたところで指定しますれば、いずれも同じことに扱うことになろうかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/165
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166・小笠原二三男
○小笠原二三君 では北海道の開発庁の長官に重ねてお尋ねしますが、さっきのお話では、観光事業としての運輸業、観光バスのようなものですね。それでもそれが産業開発上関連があるとすればこれを認めるとか、その観光道路を産業開発、資源の開発に関連があれば認めるとか、いうような意味合いに聞いたのですがこの点をもう少し明確にしていただきたい。道路が通れば、それはものの言いようでは純観光道路に使われるだけでなくて、物資を配ればこれは産業開発道路でもあり、産業道路でもあるのです。しかしもう常識として、主目的がどこにあるかということは、はっきり第三者たる世間が見るのですが、そういう意味で常識上観光道路、観光バスといわれるものにこの公庫の金は貸し出しの対象になるのですか、はっきりしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/166
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167・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) さっき申し上げましたのは、観光を目的とするものについて云々と申しましたのは、その仕事が産業の振興やら資源の開発に関するものということと、それから広い見地から見ました交通通輸業というものも認めるという意味でございます。それで、その中に観光バスそのものを直接含むかどうかということは、多少まだ研究の余地があるかと思いますが、交通運輸業というものは認めるわけでありますから、その中に実際上含むことが多いだろうと思っております。まだそこまではっきり相談をいたしておりませんけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/167
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168・大矢正
○大矢正君 そういうことなら問題だ、おかしいと思う。私はこうだと思います。また基本的な問題に逆戻りをするようで、はなはだ恐縮ですけれども。北海道の開発がおくれておる理由は何だといえば、金が足りないことが最大の理由なのですがね。政府は自分が思った通りに実施官庁も作ったりいろんなことをやって五カ年計画を遂行した。その遂行した今日において、非常に世上批判をされている。その批判をきれる最大の理由は何かといえば、比較的資金に恵まれなかったために遂行率が悪いということが最大の私は要点だと思うのです。ところが北海道開発法の趣旨の中には、人口問題の解決や、それから日本の経済に寄与するために開発すると、こうなっている。観光バス事業を盛んに振興したり何かして観光事業を興して、何が一体人口問題の解決になり、日本の経済にプラスになるのですか。そういうことが事実行われるといたしますれば、これはもう北海道開発公庫の目的というものは相当ゆがめられておるものと私は言わざるを得ないのです。事実これが貸付の対象になっておるものかどうか。もしそれがほんとうだとすれば、われわれは公庫の今日までの運営に対して、もっともっと具体的にメスを入れて、ほんとうに開発事業に沿うた形で公庫が運営されて、いるかどうかということを私は明らかにしておかなければならぬと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/168
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169・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) まだそれが貸付の対象にはっきりきまっていないのでございます。こういう少しく観光の関連を入れたということは、これがさっきから申しますように、産業の開発、資源の開発に関係するという線であるものならばということにいたしておりますので、具体的に観光バスというものはどうこうということは、今のところは直接に出すということは考えておりません。今そういうものは交通運輸業というもの、この中に考えようというのであります。交通運輸業でありますから、これは必ずしも観光という問題ではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/169
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170・大矢正
○大矢正君 法律の基本的な作成の趣旨ですね、公庫法の。それからまた運営細則と申しますか、そういう内容においては貸し得る状態にあるのかどうか、その点それじゃお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/170
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171・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 観光という言葉が出ておりますが、観光道路のごときと、さっき申し上げましたが、そういうふうなものは対象になります。これは観光そのものだけでなく、さっき申しましたように、資源の開発等に影響、関係ありという線から出てくるもので考えられるのであります。それで、観光の、観光ホテルというようなものは、中でもいろいろ議論はされましたけれども、今のところは直接対象になっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/171
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172・大矢正
○大矢正君 これは逆論から言うようではなはだ恐縮ですがね、観光などという言葉はあえてここで何も挿入する必要性はないと私は思うのですよ。そういう論法から言えば、発電所を作ったって、これは観光に関係があるじゃないかという議論も成り立ちますよ。そうでしょう。発電所を作って電力を供給した。たまたま料理屋がその電力の供給をもらった、そういう関係のものが観光事業という名前を使わなければならないものであれば、これはもうすべてのものに影響してくる。だから、そんなに観光なんという文字は出てこないと思う。主体はあくまでも開発であり、たまたまそれに伴ってわずかの部分ではあるけれども、観光もくっつく場合はあり得るのです。しかし観光が、いわゆる目的とか名目とかいうようなもので、これが主体になってくるというようなことは私は考えられないと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/172
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173・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 観光問題についてお話が出てきたから、観光道路というような名前を用いお話し申し上げました。しかしこれは産業の振興と資源開発というのが主眼であるから、そういう線に沿うものだという意味において申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/173
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174・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それでは私はまだ納得しない、腑に落ちない。観光という言葉を使ったのはいけないが、運輸業ということであればバス営業なんですね。バス事業なんです。この観光に関係するものはバスなんです。結局バス事業というものは産業の開発なり資源の開発なりというものに関連があるということであるならば、そのバス路線が確保されなければ地域の住民はそれ以外に頼って交通を確保することができない。そういう純然たる運輸業としてのバス事業なら、私はその意味において貸付の対象になると思うのです。ところがそうでなくて、同じバス営業をやりながらも、主体として観光バスを使う、それから観光地あるいは国立公園その他の景勝地をめぐる路線免許をとってバス営業をやるなんていうようなのは、産業の開発とか資源の開発とかというものに重点があるのではない。そういうものにも貸すのかということを聞いておるのです。資金が潤沢であれば、それはいろいろ木暮さんがお話しになったようなことも研究しましょうという石井さんの御答弁でしたが、これは木暮さんに敬意を表して適当な答弁をしたのだと私は思うのです。研究しましょうも何もあったものではない。そんなものには出せない。そういう資金はないのだ、今の限られた資金ではないのだと言う方がりっぱだと思う。まあしかしこれも大政治家同士のお話ですから、適当な話をなさってもいいでしょう。(笑声)しかし観光事業そのものが産業の開発に関連があれば貸付対象にするのだ、そんないいかげんなことを言ってもらっては困るのだ。その路線の交通を確保する必要上、産業開発上絶対必要だから、そのバス営業には貸すんだというものに限っては、私は貸し得るということであって、その関係の景勝の地や国立公園めぐりのための路線免許を取って、主として観光バスを走らせるというような営業なりバス事業に対してこの金は貸し得ない、それほど資金は潤沢でないのだということがはっきりされなければ、これは困りますよ。観光などということは一応取り去って、あくまでも運輸業、交通の確保、それが産業開発に直接関係があるというものに限定して厳重に貸すんだということで、私は政府の見解というものをはっきりさしていただきたいと思う。それでないと、この法案そのものにもう賛成したくなくなってくる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/174
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175・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 交通運輸業のようなものに貸すつもりだと申しましたのは、観光バスというた意味ではないのでございます。これは貨物を輸送する交通運輸業ということだけ初め考えておったのでありまするが、貨物だけでなく、貨客ともに運ぶものということが、特に東北地方においてもそういうことが、結局そこらの経済開発に非常に役立つというようなもの等には貸し出すようにしたということであるために、私ども賛成いたして、交通運輸業にも貸そうというのでありまして、これは観光ではありません。観光の話は、観光云々の話をさっき申しましたので、観光バスということはまだ問題にはいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/175
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176・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 他に御質疑はございませんか。—御質疑はないようでありますから、質疑は終了したものと認め、これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/176
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177・平林剛
○平林剛君 私は社会党を代表して、北海道開発公庫法の一部を改正する法律案に対して基本的な不満を持っておりますが、諸般の事情から見て賛成をするものであります。しかし賛成をする機会に若干の意見を付して、政府当局に対して猛省を促したいと思います。
第一は、北海道開発公庫法の一部を改正する法律案は、政府が国土総合開発の計画に対する企画性の欠除を示すものだと思うのであります。未開発地域に対する総合的な計画が進まぬので、地域的にとりあえず実施するために、北海道の開発計画は十分練られないまま北海道開発公庫が出発をしたのであります。これに対して昨年の議会におきましては峻烈な批判をしたにもかかわらず、今回の提案に至りましても同じことを繰り返しておる。私どもは、政府がすみやかに北海道総合開発の第二次五カ年計画や東北開発促進計画などを策定をして、開発公庫の対象となるべき投融資計画を明確にすることが必要であると思いますから、これを強く要望をしておきたいと思うのであります。
第二に、政府の国土総合開発の計画が、単に特定の地域の選考にまかせまして、順序が逆になっているばかりでなくて、その計画を担当すべき行政機構に対する考えにも大きな矛盾と、統一した構想が欠けておる矛盾が明らかになりました。北海道の開発には北海道開発庁でやる、東北の開発促進に対しては経済企画庁でやる。こういうことでありましては、この法律の趣旨、目的からどうも納得できない。しかもこれは歴史性と実情によるものだという答弁は、全く理解ができないものであります。北海道の総合開発と東北の開発促進に当って、私どもが一番苦々しく思いますことは、あるときは政党の政治的な策謀を中心に考慮されたのではないか、こういう疑いが持たれたり、あるいは特定地域の政治家の利害が強く浮び上りまして、そのために開発計画が考えられているのではないだろうか、こんな傾向があったりすることであります。政府はすみやかに総合開発計画の行政機構の矛盾について十分検討して、開発事業を党利党略に利用されるような印象をなくすように極力努力すべきであると思うのであります。
第三には、北海道開発第一次五カ年計画の実施状況につきましては、その目的達成が十分でなかったことはすでに周知の通りであります。関係方面においてもいろいろと疑惑が持たれ、国民の税金が多く注ぎ込まれているだけに、その効果に対する批判は、私は今後も一そう強まるだろうと思うのであります。また、こういう批判が強いことの原因の一つに、私は公庫役員の人選、あるいはこれを行う官庁の人的機構に何か欠陥があるのではないだろうか、こう思うのであります。現地における業務運営に対して公正妥当を欠くのではないかという批判が現われたり、今度の議会においていろいろ資料の提出を求めたりいたしまして、その質疑を行いましたが、その答弁においてもなかなか的確性を欠いておったという実情は、これで一体総合開発が科学的に行えるであろうかどうかという心配を持たせたのであります。私は、政府が開発公庫の投資対象に対しても十分慎重を期するとともに、これら関係の役員の選任、あるいは人的機構に対しても再検討を加えてもらいたい、こういうことを要望するものであります。
その他、衆議院におきましても、この法律の通過に対して付帯決議が付せられてもおりますし、この委員会においても各委員からあらゆる角度から指摘した事項については、どうか政府が謙虚な態度をもってよく翫味し、十分反省をして、今後の事業運営に当られるよう要望いたします。
この法律の提案説明あるいは答弁に当って、どうも北海道開発庁側の態度の中にはきわめて不遜な態度が見受けられました。私どもの大へん遺憾とするところであります。今後の運営に当って私は政府が従来の経緯にかんがみ、再び誤まりのないように各委員は質疑をしたはずであります。今後の計画遂行に当りましては、国民の側から高い税金を出して、もし初めの計画や目的が失敗をしたというような場合には、この委員会へ答弁に当った関係者もまた政治家も責任を持つ、こういう強い決意をもって今後の運営に当られるよう強く要望いたします。この責任感を痛感せられるよう要望いたしまして、私の賛成意見とするものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/177
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178・高橋進太郎
○高橋進太郎君 私は参議院自由民主党を代表いたしまして本案に賛成するものでございます。
東北の開発が叫ばれましてから何十年、その間わが国の国力が伸展いたしましたけれども、あるいは台湾であるとか朝鮮であるとか、おもに外地に目が向けられまして、いつも東北地方がその開発が取り残されて参ったのであります。取り残されるには取り残される理由もあったと思いますけれども、
いつも東北開発と申しますと、あるいは冷害のときとか、年々災害が続くときとか、こうした社会的な悲惨事があるときのみ東北の救済が思い出されて参ったのであります。しかるに終戦後わが国の領土が局限せられまして、開発の焦点がしぼられ、同時に東北地方というものの開発が、初めてわが国の再建の最も大きな礎石として、今回取り上げられたのであります。今回、東北開発のために、あるいは東北開発促進法あるいはまた東北開発株式会社法等、その一環として本北海道開発公庫法の一部改正という形におきまして、東北開発の公庫に関する法律案が提案されたのでござまして、本案の成立の際は、すみやかにこれを実行に移し、本案の目的とするところを十分遺憾なく果されて、東北開発のために貢献せられることを要望するものでございます。
ただ、今回の公庫の実態を見ますると、予算その他の関係で、その資金のワクがきわめて四十五億という少い資金量でございます。この資金量ではとうてい東北開発の資源あるいは産業の実態から見まして、その要望の十分の一にも沿えない状況でございますので、政府におきましては、すみやかにこの東北開発の実態をよく把握せられまして、この資金量というものを後年度におきまして十分増額せられ、その実態に合うような考慮をなされんことをお願いするものであります。
次に、この少いところの資金のワクでございますから、公庫の運営に当りましては、その資金を真に国家的見地に立って東北振興に役に立つ基幹的な産業に重点かつ効率的に配置せられまして、その目的達成をお願いするものであります。
なお終りに、この資金量のワクがきわめて限られておるのであり、また最初の東北におきまする公庫の出発でもございまするのであまりにも—七県のそれぞれの地方事情を考えることは必要でございまするけれども、その地方的な、あるいは七県の機械的な割当にこだわることなく、東北全体あるいは国全体の振興のために、これらの公庫がその設立目的に沿うて運営せられることを要望いたしまして、私の本案に対する賛成の意見とする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/178
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179・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) ほかに御発言はございませんか。——御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
北海道開発公団法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/179
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180・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 全会一致であります。よって本案は可決すべきものと決定いたしました。
なお、諸般の手続は先例により、委員長に御一任願いたいと存じます。
それから、多数意見者の御署名を願います。
多数意見者署名
西川甚五郎 椿 繁夫
平林 剛 青木 一夫
小林 柳牧 西田 信一
木暮武太夫 田中 茂穂
塩見俊二 高橋進太郎
土田 国太郎 大矢 正
小笠原二三男 前田 久吉
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/180
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181・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 次に、臨時受託調達特別会計法案を議題として、事務当局より内容説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/181
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182・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) 臨時受託調達特別会計法案につきまして、その提案理由を御説明申し上げましたが、これに補足いたしまして、若干御説明を付け加えさしていただきます。
防衛庁におきましては、日米相互防衛援助協定によりまして、警備艇の供与の要請をアメリカに対していたしておりましたのでございますが、同時にかねてから当該警備艇を日本の国の中におきまして、いわゆる域外調達をいたしまして、その上で供与してほしいという旨の要請をいたして参っておったのでありますが、比較的最近におきまして、米国政府からいたしまして正式に防衛庁に対しまして、米国海軍の援助の一環といたしまして、二千三百トン級の艦船二隻を日本におきまして域外調達をまずいたしまして、これを、わが国に供与する旨の内意を表明して参ったのでございます。この意向にこたえまして、その後、具体的に折衝をいたしておりますが、米国政府といたしましては、ほかのいろいろな外国とも、いろいろ同様なことをやっておるわけでありまして、その先例もあり、また、事の性質上、非常に技術的な特殊な事柄を、米本国から遠く離れた日本で行うのでありますが、国内業者にいわゆる直接発注をいたしますところの直接調達方式によらないで、日本政府に調達をまかすいう方法にいたしまして、日本政府が国内におきまして、アメリカとの契約によりましてこれを調達する方式をとるということを希望して参りました。このような事情が明かになったのでございますが、これは、先ほども申し上げましたように、艦艇建造のごとく多額の費用を支出いたします。しかも、高度の技術を用いまして、長期の間に十分に監督をいたしまして、完全なものを作るという調達物につきましては、これを米本国から遠く離れた日本国内において行いまする場合には、責任ある日本政府に委託して行いたいというのが、実際的な事情であろうというふうに考えられます。米国政府との間におきまして、全く同国政府の負担におきまして、艦船を日本国内におきまして調達いたしまして、これを米国政府に引き渡すということを目的といたしまするところの受託調達契約を結びまして、さらにその契約を履行いたしますために、政府といたしましては、国内におきましてその艦船を調達いたしますることになりまするが、その実施のためには予算措置が必要でございます。しかしながら、先ほども申し上げましたように、この経理は、もともとアメリカ合衆国の艦船をアメリカ合衆国の負担において注文いたすものでございまするから、これは全く通常の財政の計画のものとは特別なものでございまして、本件の調達事務を日本政府で行いますにつきまして、政府は何らの、実質的負担をいたすものでございません。同時にまた政府といたしましては、この政府の事業としてやるわけではございません。収入金から何らかの利得をちょうだいするという筋合いのものでもございませんわけでございます。従いまして、このような特別な経理につきましては、この特別な経理を明確にいたしまして、もって一般国民の財政負担との関連のないことを明確にいたしまして、しかも、国内業者あるいは委託者であるところの米国政府との関係におきましても、その経理を明かに区分しておくということが、そのいわゆる経理の適正をはかります上で必要でございますと感ぜられる次第でございまして、これがこれらの経理を一般会計と区別いたしまして、特別会計を設置いたします理由でございます。
次に、この法律案につきまして、特別会計の内容その他につきまして概要を御説明いたします。
まず、この特別会計の歳入と歳出でございますが、これは法案の第三条でございます。一ページの第三条に出ておりますが、ただいま申し上げましたように、いわば通り抜け勘定になっておりまする関係上、表現がちょっと込み入っておりますが、内容はきわめて簡単でございまして、まずこの特別会計の歳入となりまするものは、米国政府からの収入金で、日本政府から調達契約の相手方でございます日本国内の業者に支払われるもの、これはアメリカ政府から受けます。これが収入金になります。さらに、調達契約によりまして、どうせこれは概算で契約することになりますが、その精算金等でありまして、国内業者から収入される金があるわけであります。これは米国政府に支払われることになるわけでございますが、こういうものが逆な流れとして歳入になって参ります。また似たものといたしまして、国内業者から、過誤払いを政府が行ないました場合の返納金といったような、一回払いましたお金を返していただくような収入が出て参ります。これが普通国内業者に払われます。たとえばAという業者に払うべきものをBという業者に間違って払う。通常はあり得ないものでありますが、こういうようなもの等が収入になります。先ほど申し上げましたように通り抜けでございますが、これらの収入を受けまして、それぞれ国内業者あるいは米国政府に支払います金が、これに対応いたしまして歳出になるわけでございます。この歳入、歳出を区分することによりまして、経理を明確にするという点が、この会計の眼目でございますが、その他の点につきましては、先般来御審議を願いました特別会計等に比較いたしますと、きわめて簡単でございまして、特別の規定はございません。あとは艦船の受託調達に伴う予算措置につきまして、繰越明許費あるいは国庫債務負担行為等の手続規定を整備いたしておりますとともに、米軍によりまするところの特別会計運営に関する事務的な規定を設けております。さらに付則におきまして、米国政府との間におきまして、受託調達契約を締結いたしましたり、あるいはこの契約を実施いたします業務を行いましたり、あるいはこれとうらはらになりますこの会計を管理するというふうな事務は、これを防衛庁において行うことといたしまするのを必要といたします関係上、これを防衛庁設置法の一部改正をいたしまして、防衛庁で行う旨を規定するいうことを付則に規定しておるわけでございます。
以上が、この法律案を提出いたしました理由並びに内容の概要でございます。何とぞ御審議を賜わりますようよろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/182
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183・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 質疑を行います。
ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/183
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184・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 速記をつけて。
本日は、これにて散会をいたします。
午後三時三十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X03319570425/184
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