1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年五月十七日(金曜日)
午前十一時四十四分開会
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委員の異動
本日委員小沢久太郎君及び椿繁夫君辞
任につき、その補欠として佐藤清一郎
君及び木下友敬君を議長において指名
した。
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出席者は左の通り。
委員長 廣瀬 久忠君
理事
木内 四郎君
西川甚五郎君
江田 三郎君
平林 剛君
天坊 裕彦君
委員
青木 一男君
佐藤清一郎君
塩見 俊二君
田中 茂穂君
土田國太郎君
苫米地英俊君
宮澤 喜一君
天田 勝正君
大矢 正君
栗山 良夫君
野溝 勝君
杉山 昌作君
前田 久吉君
国務大臣
大 蔵 大 臣 池田 勇人君
政府委員
大蔵政務次官 足立 篤郎君
大蔵省主計局法
規課長 中尾 博之君
大蔵省主税局長 原 純夫君
大蔵省理財局長 河野 通一君
事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
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本日の会議に付した案件
○継続調査要求の件
○委員派遣承認要求の件
○準備預金制度に関する法律案(内閣
提出 衆議院送付)
○預金等に係る不当契約の取締に関す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○酒税の保全及び酒類業組合等に関す
る法律の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
○中小企業の資産再評価の特例に関す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○交付税及び譲与税配付金特別会計法
の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/0
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001・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) これより委員会を開きます。
議事に入るに先だって、委員の異動について御報告いたします。本日付をもって椿繁夫君が委員を辞任され、その補欠として木下友敬君が委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/1
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002・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 次に継続調査要求に関しお諮りいたします。
本委員会におきましては、今期国会の当初に、議長の承認を得て、議案の審査と並行して、租税及び金融等に関する調査を行なって参ったのでありますが、現下の諸情勢にかんがみ、租税、金融、専売事業等、本委員会の所管に属する事項につき、さらに慎重なる調査を行う必要があると存じますので、この際、本調査を閉会中も続行して行うこととし、本院規則第五十三条により、議長に継続調査要求書を提出したいと存じますが、御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/2
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003・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 御異議ないと認めます。よってさように決しました。
なお右要求書の内容等につきましては、委員長に御一任願いたいと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/3
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004・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 委員派遣に関しお諮りいたします。
今期国会閉会後、租税及び金融等に関する調査のため委員派遣の御要求があるかと存じますので、この際、閉会中の委員派遣に関しましては、あらかじめ委員長及び理事に御一任願っておきたいと存じますが、御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/4
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005・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 御異議ないと認めます。よってさように決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/5
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006・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) これから議題題に入ります。
まず、準備預金制度に関する法律案、預金等に係る不当契約の取締に関する法律案、以上二案を便宜一括議題として、質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/6
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007・大矢正
○大矢正君 たまたま大臣の御出席をいただきましたので、多少議案と離れる問題でありますが、過日の新聞に発表された大臣の発言について、一点質問いたしたいと思います。それは公庫の運営業務の内容についてであります。先月の二十五日だと記憶いたしますが、従来の北海道開発公庫が北海道東北開発公庫と名称を変えられ、新たに東北の開発業務に対する貸付も行うことが決定をされました。その法案が通過をいたしました翌日の二十六日に、大臣は新聞記者に対して、今後、北海道東北開発公庫の貸付兼務の対象の中に観光事業も入れるということを発表されております。一部出た新聞と出ない新聞とがありますが、この点について私はお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、大臣はそのように観光事業に対しても開発公庫として貸付ができるし、すべきであるという考えを持っておられるのかどうか、その点を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/7
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008・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 北海道東北開発公庫の業務につきまして、観光事業を入れるか入れないか、かなり議論があったのでございます。いろいろ関係各省からも強い要望がございまして、閣議におきまして、観光事業も含むということに閣議決定相なったのであります。やはり当面の問題といたしまして、外貨の獲得も国策上非常に必要でございますので、外貨の獲得になるようなものであり、またその地方の開発に必要ありとすれば、むげに全然いかぬということもいかがかと考えまして、私も観光事業の方に出すことに賛成をいたしたのでございます。趣旨は、少いお金を使うのでございますから、できるだけそういう点は有効にやっていきたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/8
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009・大矢正
○大矢正君 あなたは御出席をされておらなかったようでありますが、二十五日の当委員会におきまして、私どもは、公庫開発というものの業務の範囲に観光事業も含むかどうかという質問に対して、従来はそういうことは考えられておらなかった。それから、それでは今後どういうことになるのかという質問に対して、そういう要望はあるけれども、そのような考え方は今のところはない。その地域、地方の開発を中心として考えるのであって、その場合には、観光事業を含むということは、これは当然考えられるべき段階ではないと思う。特に資金の需要が多くて、希望者が激増している今日においては、なおさらであるという発言が、これは石井国務大臣から私に対する答弁としてなされております。そうすると、今大臣が言われることと、当時石井国務大臣が言われたことの間に、非常に大きな相違があると私は思うのでありますが、その点、大臣はいかようにお考えになっておられるか、お答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/9
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010・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) この観光事業を含むか、含ませるかいなやという問題につきましては、いろいろ議論がございました。私も初めは、先ほど申し上げましたような趣旨で、少いお金をそう各方面にということはいかがなものかというので、次官会議等に出ますときの大蔵省の立場といたしましては、そういう気持でおったのでございます。しかし、最後に閣議になりまして、関係方面から、先ほど申し上げましたような理由によりまして、この際排除する必要はないじゃないか、やはり入れて、それがその北海道東北の開発に必要であり、しかもまた非常に外貨獲得に効があると考えられたときには、これはむげに排除する必要はない、やはり入れておいてもらいたいというふうな考え方が多うございまして、それでは一応そういうふうな格好でなら業務に入れようということになったのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/10
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011・大矢正
○大矢正君 先ほど来申し上げておりますように開発に要する資金が少ないために、公庫としても、十分な開発に対する協力をする意味で、有効適切な金の使用、貸付をはかるということが、当委員会において答弁をされておるのであります。ところで、二十五日に、その法案が通ったのは午後であります。午後の、しかも最終段階にきて、法案が通るかどうかという最終段階にきて、観光事業に対する資金の貸付は当面すべきではないという大臣の答弁があったにもかかわらず、その翌日、直ちに大蔵大臣が、貸付対象の中には入るのだという新聞記者発表を行うということは、あまりにも当委員会における私どもの質問を冒涜をしているのではないかという気がしてならないし、悪くいえば、作為的に、その法律を通すために、知らぬふりをして、そうではありませんと答えておいて、直ちに次の日には引っくり返すという見え透いた、そういう何といいますか、謀略的な意図があったのではないか、というようにも、私、実は感ずるのであります。しかも、それは単に事務当局の職員がそういう答弁をしたのじゃなくて、副総理ともいわれるべき石井国務大臣がそういう答弁をしているにかかわらず、直ちに翌日、それを否定するような内容が発表されるというのは、どうも私は解せない。かりに当委員会において発言された以降において閑談を持たれたとすれば、これはまた別問題かもわかりませんけれども、おそらく私は、開発公庫法が当委員会において通って、しかもその翌日、わずか時間にしてもほんの、何といいますか、何時間という時間の中で、閣議が一ぺんにそういう決定をして、それを大蔵大臣の名において新聞記者に発表するなどということは考えられない。そうすると、前々からそういうことが、すでに閣議の決定か、暗黙の了解事項かあったにもかかわらず、当日の委員会においては、石井国務大臣はそういうものを否定するような言葉を言っている結果になってくるわけでありまして、こういう点で私はまことに遺憾とするのでありまして、もしも大蔵大臣の今言われたことが事実であり、完全に閣議の決定をされておったとすれば、あるいは閣議の決定をされたとすれば、それはおそらく大蔵委員会において北海道東北開発公庫が通過する以前だと思うので、そういう点では、大蔵大臣の責任を追及するわけではありませんが、石井国務大臣に対して、わずかな問題ではありますけれども、国会議員の私どもの審議権を無視するような、私どもの質問を謀略的に回避するようなそういう態度については、私はぜひともこれは責任を追及しなければいかぬ、かように考えるのでありますが、大蔵大臣はいかようにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/11
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012・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 先ほど来申し上げましたごとく、われわれは、当初はそういうものは含まない、含ませないという方針で大蔵省としては、いっておったのでございます。従いまして、お調べいただけばわかると思いますが、次官会議等では相当問題になって、持ち越しになったと思います。そして閣議に入りまして、関係の閣僚から強い要望がございまして、そうして先ほど申し上げましたような理由で閣議の決定をみたと考えております法案か公営事業でございましたが、とにかく観光事業についての問題が閣議であったという記憶は残っております。経過は先ほど来申し上げた通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/12
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013・大矢正
○大矢正君 大蔵大臣の答弁は抽象的であって、具体的に私が日にちと時間に述べてここで質問をしているのでありますけれども、さらにそのことにする答弁をされておりません。私もこれは、ほかに質問のある委員もございますので、長くこの問題についてはこだわる気持はございませんけれども、しかし、一国の国務大臣の、副総理ともいわるべき人の発言の内容が、あまりにも私どもの質問を、謀略的というか、たかぶらかすようなそういう答弁では、ほんとうに不都合きわまりないと私は思いますし、いずれこの問題はもっと具体的に細部の問題について調べて、しかるべき機会に石井国務大臣の責任を追及いたしたいと思うのでありますが、どうか一つ大蔵大臣も、そういうように委員会において、特に当委員会においてのお答えでありまするから、そういうことはもう十分お聞き願って、そういうような疑義のないように態度を表明していただきたいと思うのであります。かりに大臣の表明というものが一週間あるいは十日以降に行われたものであれば、あえてここで問題にする気はありませんけれども、わずか一日の違いで次の日にそういうような態度の変化ということは、まことにこれは残念なことであります。遺憾なことであります。
以上強く私は要請いたして質問を終ります。
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014・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) この際委員の異動を報告いたします。
本日付をもって小沢久太郎君が委員を辞任され、その補欠として佐藤清一郎君が委員に選任されました。
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015・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) ただいまお答えしたのにちょっと違いがございますので、訂正いたしておきます。
閣議で問題になりましたのは、公営企業金融公庫の業務につきまして観光事業を含むか含まないかということが問題になりました。公営企業金融公庫の方法につきましては、先ほど来申し上げたような理由で観光事業を含むということになったのでございます。私が今までお答えしたのは公営企業金融公庫についての観光事業と御了承願いたいと思うのであります。それから北海道東北開発公庫の問題につきましては、観光事業を含む含まないはまだ懸案になっております。ペンディングになっていると思います。観光事業を含むか含まないかということが閣議で非常に問題になりまして、議論の結果含むということになったのは、公営企業金融公庫の問題でありますことを御了承願いたいと思います。北海道はまだ今問題になっているようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/15
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016・大矢正
○大矢正君 それはしかし新聞にはそう出ているのですよ。北海道東北開発公庫というふうに名前が出ておりまして、今、新聞の実は切り抜いて持っているのをここに持ってくるのは、大臣に対する御質問はおそらく昼からだろうと思って持ってきておりませんけれども、いずれ提示したいと思うのですが、ただ閣議の決定云々というのは、私、何も閣議には参画しているわけではありませんからわかりませんが、閣議でそういう論議を取りかわしたいというから、そういうことを前提として質問しているので、これは誤解のないように願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/16
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017・栗山良夫
○栗山良夫君 私、最近の金融財政の問題について全般的なことをお尋ねしたいと思いますが、その前にただいま北海道東北の開発関係のことで御質問がありましたが、これと並んで、今もう具体的に非常に困っておる、おそらく大臣も御承知だろうと思いますが、愛知用水公団のことについて二、三お尋ねしたいと思います。内容的なお尋ねをする前に、大臣としては愛知用水公団をどういう工合に始末されようとしているのか、その原則的なことを一つ伺いたいと思います。御承知のように、愛知用水公団は、もうすでに、ことしの春から工事に着手していなければならない計画であったはずでありますが、それが全然着手のめどがつかない。あそこにおる愛知用水公団の職員の中からも、政府の計画のずさんさ、あるいは、ある意味においては事業計画の推進における、まあ怠慢さと申しますか、そういうものについて相当激しい意見が出ておることも御承知だろうと思います。特に地元の農民諸君は一体どうなるのか、大へん不安がっておる者もあります。一番最初に愛知用水公団なるものが計画をせられ、そして愛知用水の工事を進める計画をされたときとは、資金手当の問題においてもだいぶ情勢が変っておるように思います。従ってその情勢の変っておることが現実あるといたしますならば、それに対する政府としての対策がなければ、これはいたずらに時日を遷延し、しかも相当鳴りもの入りで宣伝したこの用水が、ちっとも鳴りものが鳴らぬことになってしまう。そして世を惑わすだけだと、こういうことになると思います。従って、直接の担当は建設省であることは知っておりますけれども、何と申しましても膨大な資金を要するわけでありますから、大蔵省のやはり腹がはっきりきまらない限りは、これは推進のしようがないと思います。そういう意味で、総括的に愛知用水公団というものは一体大蔵省としてどういう工合に料理せられようとしておるか、これを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/17
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018・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 結論から申しますると、あの既定計画を遂行していきたい、こういう考えでございます。今までなぜお話のような結果になっているかと申しますると、この資金源というものを、世界銀行の融資と余剰農産物のそれと、そして国の方では資金運用部の金と、こういうふうに三段がまえでいっておったが、しかるところ、御承知の通り、世界銀行の方の融資がはっきりきまりません。これは両方にそのネックがあったと思うのでありますが、世界銀行の融資がはっきりしないということと、まあ余剰農産物を打ち切ることによるのは、これは国家資金で肩がわりするのでありますが、最近、世界銀行からも担当官がかわりまして、十分調査して今度帰られる。ただいまの見込みでは、私は近日中と申しまするか、この国会が済みましたら、私もこの問題について取り組んで、私の考えがきまったら、直ちに愛知用水関係の責任者をワシントンに行かせまして、細目の契約をさしたい、こういう考えでおります。一、二カ月のうちには何とかなるのじゃないかと思います。この方の融資がきまりますというと、当初の計画とは違った、余剰農産物の関係のお金を資金運用部で肩がわりして行きますと、金利関係で計画より違うのが出て参りますから、この金利関係の負担をどういうふうにきめて行くか、当初の計画よりも農民の方々に負担が多くかかって来るということもこれは考えものです。また国の利子関係の点もございますので、その点は今後両者を見比べながら考えて行きたいと思います。いずれにいたしましても、最近の状態では、世界銀行の融資も昔のように五分とか五分五厘とかいうわけにいかぬようですから、金利の点につきまして再検討を加えて、早急にこの問題を片づけたいという気持でおるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/18
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019・栗山良夫
○栗山良夫君 そこで、一体これは工事が今あなたのおっしゃったように世銀との借款が成立いたしまして、あるいは国内の資金手当等がついて実際に着手し得る時期は、いつとお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/19
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020・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) お恥かしながら、私はしばらくこういう問題に関係しておりませんし、昨年の暮に大蔵大臣になって、愛知用水の事業計画をまだ見ていないのであります。大体の資金関係その他につきましては新聞その他で知っておりまするが、自分でつぶさに研究をいたしておりません。またその問題について公団の総裁とも話しておりませんので、いつから仕事が始まるかということについては、もうしばらくお答えをお待ち願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/20
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021・栗山良夫
○栗山良夫君 私どもの聞いているところでは、五月の中旬に建設省はすっかり事業計画を組み直したというか、資金計画というものの原案を立て直して、大蔵大臣の手元へ提出をして、そうしてすでに協議に入っているというふうに私ども聞いておるのですが、今の大臣のお話でございますると、全然まだあずかり知らぬというお話ですが、そういうことでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/21
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022・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 私の手元には、まあ大蔵省に来ているかどうか知りませんが、ああいう機構でございますので、書類が大臣のところへ来てからそれから下へ渡すのではございません。文書課の方へ行きまして、その係が見ました上で参りますので、係の方へは来ているかもわかりませんが、私はまだこの問題について全然係から聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/22
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023・栗山良夫
○栗山良夫君 そうすると、石橋内閣、岸内閣と移っているわけでありまして、地元ではもうすでに相当去年の暮ごろからこれはやかましい問題になっているのです。それで、今の話でありますと、どうも大蔵省、建設省の下部機構の直接担当係官のところあたりで仕事が何かこう進められておるような印象を受けますけれども、建設大臣から大蔵大臣に対して、石橋内閣あるいは岸内閣に移行してから、この問題で何か折衝のあったことは一回もないのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/23
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024・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 建設大臣からこの問題で話をまだ承わっておりません。そういう記憶はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/24
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025・栗山良夫
○栗山良夫君 農林大臣はいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/25
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026・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 農林大臣につきましては、この問題を早く片づけようという話はございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/26
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027・栗山良夫
○栗山良夫君 片づけようということは非常に簡単なことですから、いつでも言えることなんですが、もう少し具体的な話があってしかるべきだと、私は現地の情勢をよく承知しておりますから言うのでありますが、それもないということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/27
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028・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/28
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029・栗山良夫
○栗山良夫君 そういたしますと、まあ今の大臣のお話では一体どういう格好になっているのか。全然事業計画も知らぬとおっしゃるわけですから、話の対象、取りつく島もないような格好でありまするが、おそらくそういうことを現地の関係県民が聞いたならば、私は大へんに力を落すだろうと思います。現地では毎日々々これが問題になって、もう着手できるだろう、もう着手できるだろうと、こういうことで進めておるわけでありまするから、非常に力を落すのではないかと思いますので、もう少しこの議会を通じて私は明らかにしておきたいと思いますが、大蔵省として、さらに突っ込んでこの席でお尋ねをいたしますが、お答えをいただけますかどうか、これを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/29
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030・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 御承知の通り就任早々予算その他ずっとやっておるものでございますから、国会で、衆議院の方の大蔵委員会では一、二この問題について御質問がございましたが、ただいまお答えした程度でございます。それから世界銀行の点は、これはごく最近のことでございますから、その程度しか私はまだ関知していない。ただ従来からの関係で、係官の力では検討を進めておるかと思いまするが、係官からこの問題について詳しい話も聞いておりません。ただこの問題は、私のところへきますときには、大体の見当をつけて、もうイエスかノーかというころでくるのでございまするから、下の方ではずっと建設、農林、大蔵では事を進めておるかとも思いまするが、これは私、聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/30
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031・栗山良夫
○栗山良夫君 大体事情はわかりましたが、それでは、私、先ほど建設省と申し上げたのはあるいは間違いかもしれませんが、農林省から大蔵省へ新らしい資金計画にのっとって正式に交渉をしたということ、これは間違いないと思いますがね。そういう意味で、この委員会で一つその担当局長をお呼びいただいて、もう少し私は掘り下げて質問を同時にいたしたいと思いますから、それを委員長の方へお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/31
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032・江田三郎
○江田三郎君 ちょっと関連して。大蔵大臣は事業計画を知らぬというふうな——これはちょっとおかしいので、本年度予算で愛知用水の方へ回すべき金というものは相当大きなものでありまして、あの金が一般の土地改良資金等に与える影響もあるし、それから財政投融資の問題もあるし、相当大きなウェイトを持っているわけなので、大蔵大臣が全然それを見たこともないというのはどうですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/32
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033・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 財政投融資その他の関係は、先ほど申し上げましたように、余剰農産物がああいうふうになりましたし、その点のかわりは資金運用部で出そう、それで、金利の問題もある、こういう総体のことは知っておりますが、今、栗山さんのお話は、いつ事業を始めるか、どういうような計画でどうなっているかということでございましたので、個々の今の事業計画その他は、私はまだ検討いたしていない、ただ財政的にお金をどういうふうにあんばいするかということにつきましては、私は先ほど申し上げましたように余剰農産物と資金運用部の関係、それから世界銀行の関係、これは私は存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/33
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034・江田三郎
○江田三郎君 今度世銀総裁が見えて、大臣と会談をやっておられましたが、その会談の中で、この長い懸案になっている愛知用水の問題についてはお触れにならなかったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/34
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035・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 触れました。従いまして向うも、人がかわりまして再検討して、大体愛知川水のこともわかった、そして資料も持って帰りましたから、こっちの方で資金計画その地下業計画がきまったならば、早急に人をよこしてくれ、そしてワシントンで理事会を開いて調印しようというところまで行ったのは、先ほど申し上げた通りでございます。その点は、今回ブラック総裁が来られた一つの収獲だとわれわれは思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/35
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036・江田三郎
○江田三郎君 まあ、それでいいですが、あまり何も知らないというようなことを言われるから、ちょっとけげんな感じがしたのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/36
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037・栗山良夫
○栗山良夫君 これはまあ、あとで局長が来てもらったときにもう少し掘り下げて伺いたいと思いますが、とにかくおそらく総工事費は三百五十億くらいになるだろうと思うのです。工事期間は五カ年間。ですから、実に電源開発株式会社の佐久間発電所工事と全く同規模の大工事なわけです。しかも、その佐久町発電町の場合は、電源開発会社が、あの土地に関係する二百戸の家屋の移転その他若干の対国民的な経済問題はありましたけれども、非常にスムースに進められて、そう大きな影響というものは外部的には起らなかったのですが、これはもう非常に広範な長野県、岐阜県、愛知県の県民に影響を及ぼす問題なんですから、従って、大蔵大臣から今非常にゆうちょうなお話を伺いましたが、もう少し熱を入れてこの問題ご解決してもらわないと、ちょっと困る、あるいは政治問題にもなるおそれが私はあると思います。そういう意味で一つ私どもは、ただいまの御答弁では、はなはだ不満足であります。そのわれわれが不満足だと思っておることをよく認識を願って善処せられたいことを強く要望いたします。
この問題は、それじゃ、これであとにいたしまして、それから第二番目の問題として、最近政府はいろいろな格好で金融操作を今おやりになっておりますが、この金融操作の影響を受けて一番今困っておるのは、商社の関係、特に中小企業の方に金融のしわ寄せが現実に来ております。一番激しいのは繊維関係に来ておるのは御承知の通りであります。そこで、こういうような格好で、昭和三十二年度の予算の審議のときにわれわれが大蔵大臣に伺ったその当時の状況とはまるで変ってしまった金融財政の状況のもとにおいて、今のような政策をずっと進めていくということになりますと、相当業界に、私は、まあ、全般的か、あるいはそういう厳しい現象が起るのは部分的か、出てみなければわからないでありましょうけれども、相当な悪い影響を与える、こういうことを非常に心配しておるわけであります。従って、結論はあとにいたしまして、二、三の問題をお尋ねいたしたいと思います。
第一は、ただいまここでも案件になっておりますが、準備預金制度に関する法律がありますが、この提案の説明が、大蔵大臣あてに金融制度調査会から答申がありまして、そしてその答申に基いてこの法律を作るだけなんだという説明を伺いました。従って、こういうものを法律ができたならばすぐ実行するかということも、この前の委員会でお尋ねいたしましたが、いや、そういう直接の目的を持ってやっておるのじゃなくて、答申があったから、一応その答申に基いて、答申を尊重して法案を作っておくだけなんだ、こういう意味でありましたが、これも公定歩合の引き上げ等と関連して、今の金融操作に直接利用せられようという、そういう狙いを持っておられるのじゃございませんか。政府委員の説明では、先ほど申し上げましたように、そこまでの考えはないということをおっしゃったのであります。大臣は、もうこれができたならば、すぐにでも発動してやりたい、こういう気持があるのやないかと思いますが、いかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/37
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038・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) これはこの法律の第一条に書いてありますように通貨調節の手段としての制度を確立して、金融制度の整備をはかるということが第一でございます。この問題は、私はもう日銀の貸出が三、四千億であった五、六年前から、日本の金融制度の整備につきましては公定歩合の上げ下げもありまするが、本筋は準備預金制度を置くことである、従ってまた将来の日本の金融といたしましては、長期の公社債市場の育成にある、こういうことを常に言っておったのであります。最近のような状況になります前から、そういう考えで進んでおったのでございまするが、たまたま金融制度調査会にこの問題を出しましたところ、それはやっぱり設けるべきだということになりまして、御審議願っておるのであります。それじゃこの法律が施行になったらすぐ発動いたし度して、一定の準備率で日本銀行に預金しろ、こういうことをするか、しないか、という問題は、これは金融の情勢によりまして考うべき点であるのであります。すぐ使わなければ制度は要らぬじゃないかという議論は私は賛成できないのであります。こういう制度があった方が、金融制度の整備の一端を作るベきものだ、こう考えまして御審議願っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/38
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039・栗山良夫
○栗山良夫君 いや、そこまでは政府委員のお話と同じですけれども、しからば必要があるときにやるのだとおっしゃいますが、現にこの三月の終りに、ある一つの調整措置が日銭を通じてとられて、そして、それがとられて、なおかつ不十分であるというので、五月に入りましてからは金利の引き上げが行われた、こういう状態になっておるところへ、また今度この法律による——よくあなたはあの手この手を使ってということをおっしゃるけれども、こういう工合にあの手この手を使う道具は現にできているわけです。そうすると、きわめて複雑な制度でこういうものを発動されていくというわけでありますが、大臣は今のお話の通りに、これは一応作っておくが、自分の今の大体の見通しでは、こういうものを発動しないで、この間の金利の引き上げも、あれは短期の操作の約束であるのでありますから、あれもあとで伺いますが、まあごく短期に緊急の措置としてやったんだが、あれも漸次もとへ戻す、そうしてこういうものを発動する必要はなかろう、こういうお見通しでございますか、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/39
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040・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 栗山さんにこういうことを言っては釈迦に説法のようでございますが、金融が非常に緩みまして、そして投資が盛んになる、これは行き過ぎだというふうなときに抑える方法は、まあこの公定歩合の引き上げと準備預金制度の活用と公開市場政策、またイギリスとかアメリカにおきましては、月賦販売制度の期間の問題、この四つをかね合わしておるのでございますが、御承知の通り日本には月賦販売制度というのは普及しておりません。その期間の問題についての金融調整はだめであります。それから公社債市場というものはほとんど微々たるもので問題にならぬ、この売オペ、買オペもある程度やっておりますが、これもある程度金融調整としてはごく一時的のあまり効果の日本ではない方法であります。そういたしますと、準備預金制度で、銀行の、日本銀行への預金の増減によりまして金融政策をやるこの制度もない。それで、今回のように公定歩合の引き上げということよりほかに金融調整の道はないのであります。ちょうど私は、今ある公定歩合の引き上げ、引き下げの問題について、どういう考え方かということは、これは所管が日本銀行総裁にあるにいたしましても、大蔵大臣としてはなかなか言えることじゃない。公定歩合の引き上げをやらないことに越したことはございませんが、今の情勢ではああいうふうにやらざるを得ぬという情勢になってきております。今度は準備預金制度だって二つの方法がある、それをいつどれを使うかということは、私はここでは申し上げかねる、そういう制度があった方が、あることによって使わずに済む場合もあります。なかなか今の状態で日銀が窓口を押えましても、実際面から申しまして、各銀行の貸出をそう面接にどうこうするということはなかなかやりにくい。私は、窓口を締めるということよりも、本筋は準備預金制度の活用が本筋だと思います。また片一方で金利の点等から言えば、金利の上げ下げをやるのがほんとうだと思います。で、今この法律が施行になりまして、すぐそれじゃこれを適用して、その日本銀行への預けを何パーセントやれというふうなことをやるか、やらぬかにつきましては、私は申し上げかねますが、今のところは、大体今度の引き上げによりましてしばらく様子を見たい、こういう気持でおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/40
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041・栗山良夫
○栗山良夫君 様子をごらんになるところまではわかりますが、様子をごらんになって、あなたの勘で、この程度のことで大体所期の目的を達成するとお考えになっているかどうか。要するに、所期の目的と申しまするのは、あれをきわめて短期に元へ戻したいという日銀総裁の談話もあったようでありますが、そういう工合に軽くお考えになっているか、あるいは一応やるにはやったが、なかなか事態が好転しない、さらに若干強めるような経済情勢に今のところあると考えますか、その辺の見通しはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/41
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042・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) これは生きものでございますから、この程度の薬で大丈夫だとは言えません。しかしあの程度やれば大体いくだろう、こういう見通しを持っているのであります。私は、金融界の人がほんとうに今の日本の経済の実情を考慮せられましてやっていけば、大体これでいくのじゃないかと思います。いかなければいかないで、また方法をとらなければならないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/42
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043・栗山良夫
○栗山良夫君 そこで問題は少しこまかくなりますが、まあ、あまり長い期間は必要ありませんけれども、第一・四半期、第二・四半期の月別、それから第三・四半期、第四・四半期の、もっぱら四半期ごとの合計額でよろしいのですが、大体ただいまの設備投資資金の需要、これをどのくらいに、今、月別予定されておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/43
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044・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) この銀行の貸出の問題につきまして、御承知の通り設備はいかぬと言いますと、やはり短期の流動資金だというもので借りに参りまするし、設備と流動資金の分け方というものはなかなかむずかしいのでございます。ただいまのところは、貸出先を見まして、たとえば鉄鋼とか、化繊とか、紡績とか、あるいは商社とかというような貸出先の区分によりまして、設備投資その他を見るというのが、今までのわれわれのやり方でございます。三十一年度の様子はわかっておりまするが、三十二年度にどうなるかということになりまするとただいまの統計では、各重要産業のものが通産省の力に見込みを出しまして、これを集計して、このくらいあるというのでございますが、この見込みというのがなかなか当てにならないのでございます。ことに、こういうふうに金融が逼迫いたしますると、悪いたとえでございますが、入学試験のようなもので、どこへも皆願書を出す、こういうような格好になって参りますので、なかなか将来の設備投資の額がどのくらいになるということは、第一・四半期、第二、第三各四半期はもちろんのこと、年としてでもなかなか困難があります。その点一つ御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/44
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045・栗山良夫
○栗山良夫君 それは大蔵大臣の御答弁としては、はなはだ僣越だけれども、いただけない御答弁でありまして、もうすでに全国の主要会社——おそらく千社ぐらいありましょうが、その主要会社というものは、どこでも、本年度上半期、下半期における増資、社債の募集等について、皆計画を持っております。それで現に七月から八月ぐらいまでは増資を皆続々発表しているじゃありませんか。続々発表になっているその増資と社債の募集の集計だけぐらいでも、これは数字がないというお話はいただけないと思いますね。現にそれは毎日の新聞をごらんになっても、経済面にはどんどん出ているのです。それがあちらこちらから資金の調達を求めておって、どこまでがどうなのか、さっぱり見当がつかないというのでは、金融財政の大元締の大蔵大臣として少しまだ答弁が足りないんじゃありませんか。私はあなたが——この問題については愛知用水公団とは違いますよ——あなたは十分知り抜いておって、われわれに御答弁をいただけないと、こうしか申し上げらないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/45
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046・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 数字がないということを申し上げておるのじゃございません。先ほど申し上げましたように、通産省で調べますと相当各会社とも膨大なのを出すのでございます。これをわれわれすぐに引用するわけにいきません。それから銀行の方面でとりますると、A銀行、B銀行、C銀行、おのおの出しまして、それで銀行の方を集計しますと重複が非常に多い。こういうことになるのでございます。それは一応通産省の方で、設備資金の見込みというのは八千億か九千億かやっておるようでございます。各会社も増資計画をしておることも知っております。しかし今ここで第一、第二、第三、第四・四半期ごとの設備資金の需要はどうか。こういうことをお開きになりますと、私としては、こうこう、こういう数字ということはなかなかむずかしい。で、結果におきましても、設備資金がどうかということの調べについては、いろいろな数字が出てくる。私は大体、今設備資金その他の見方は、自分としては、産業別の銀行の融資を見まして、そうしてたとえば鉄鋼、造船にはどの程度金が出ておるか、それならばどの程度のものが設備に行っておるのだろうか。こういう過去の分がそれによって想像される。たとえば昭和三十一年度におきまして貸し出しが相当ふえましたが、そのうち相当部分はいわゆる商社、流通部面へ行っている。設備部面は流通部面ほど行っていない。設備部面でどの辺へ行っているかと申しますと、化繊とか紡績、そういうふうなネック産業でないものに行っている。かえって隘路産業である石炭とか鉄鋼というものは、三十一年度の銀行の貸出といういうものは、減るかあるいは、あまりふえていない。こういうふうな状況に相なっているのであります。われわれはこういう過去のものを見て、それで今度は鉄鋼とか石炭の方に少し出したらいいだろう。こういうことを言っているのでありまして、今大蔵省としてどれだけの設備資金が要るかということを的確に見ることはなかなかむずかしいわけでございます。そこで金融を引き締めまして、むだな——と言っては語弊がございますが、急がない分はなるべくやめて、合理化、近代化の方に向けてもらいたい。で、政府としては隘路産業の方に力を入れる。で、隘路産業の方に力を入れるといっても、やはり民間と一緒にならざるを得ませんから、隘路産業の方に民間もあれして、二の次のものはやめてくれと、これでいっておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/46
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047・栗山良夫
○栗山良夫君 私のお尋ねしておりますのは、財政投融資の関係は、これはもうはっきりしておりますから問題はないと思うのです。予算できめられた通りいくわけであります。そこで問題になるのは、設備投資と申しましても、一般市銀が中心になって行われることでありますることは申すまでもありませんので、そこでまあ、こまかいものは別ですけれども、少くとも相当まとまった金額の月別の増資関係からくる資金需要だけでもチェックしていただければ、大体の見当は、私はつくと思うのです。まあ社会の資金需要がわかればそれに越したことはありませんが、そこで、長いことは申しませんから、四月から九月くらいまでの、今民間にある増資関係の資金需要は大体どれくらいに月別になっておるか。第三・四半期、第四・四半期の合計でどれぐらいになっておるか。こういうことを一つここでお出しを願いたい。まあこれは一つ一つ伺っていけば漸次結果は出てくると思いますから、伺っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/47
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048・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 今の民間会の増資関係は、まあ雑誌その他にも出ておりますように、二カ月、三カ月前くらいの——払い込みの三カ月、四カ月くらい前のものは、大体の数字はわかります。それから見込みで本年末増資するだろうと、あるいは増資は来年の春になるだろう、こういうような想像の分も雑誌を集めれば出ます。こういう資料はすぐできますし、社債の方につきましては、償還の期限のくるのがいついつ幾らということはわかります。それからまた社債発行のときには、やっぱり銀行が日本銀行に集まりまして、一応の割当打ち合せをいたしますから、その程度のものは、これはわかるわけであります。問題は、それでなしに、社債の借りかえとか、新規発行とか、あるいは増資という問題でなしに、銀行からの設備投資の貸出が一番大きいのであります。ところで、今お話のように、電力とか造船とか鉄鋼、石炭、こういうものにつきましては、これはもう計画はすぐはっきりわかります。そういうものは、従いまして、お出ししてけっこうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/48
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049・栗山良夫
○栗山良夫君 まあ、われわれも、こういうことについては、大蔵省のようなベテランばかり集まって毎日研究しておられるところと違いまして、そういう意味では私どもはなはだしろうとの部類に属するのだろうと思いますから、よくわからない。従ってわからないままに何らかの判断をいたしたいと思って、数字を示していただきたいということを申し上げたのであります。その方をなるべく一つ早くお願いしたいと思います。
それから今度は貿易の関係ですが、これは私が申し上げるのはいかがかと思いますけれども、すでに予算の審議のときに、今度のこの一千億拡大政策を実行していく上において、インフレーションになりはしないかという議論がだいぶありました。で、私も、物の裏づけがなかったならば必ずインフレになる。これだけの膨大な予算を組んだのだからインフレになる。物の裏づけというものは確保する自信がありますかということをお尋ねをしたのでありますが、そのときには輸入でやると、しかし輸入は一時のストックがあるが、すぐ輸出で取り返すことができる、こういうお話でありました。で、われわれはそういうことを伺って見守っておったのでありますが、最近の動きを見てみますと、どうも輸入の方はますます幅を広めておるようであります。たとえば四月分の外国貿易の通関実績が発表になっておりますが、これを見ますと、輸入は四億三千万、前月比で三千九百八十万ドルもふえております。輸出の方は二億二千万ドル余でありまして、前月比で四千九百万ドルほど減であります。差し引き入超が二億八百万、前月比で八千九百万ほど入超がふえておる。で、ことしの三月の輸入が戦後の最高記録で、三億九千万ドルほどになっておりますが、この輸入が一こうに衰えていない。その趨勢は衰えていない。それから入超額もことしの一月一億五千九百万ドルが終戦後の最高だそうでありますが、この入超額も依然として衰えていない。こういう情勢でありますから、このままでいけば国際収支のバランスというものはますます悪化をしていくということになろうかと思いますが、こういうことについてどういう見通しを持っておるか。できれば、信用状の開設されておる、あるいはこれから開設されるであろうという、先ほどの設備投資と同じでありますが、月別の見通しのようなもの、これはぜひ私は伺いたいと思うのです、輸出入につきまして。この点はいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/49
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050・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 輸入の増大の状況はお話の通りでございます。輸出も伸びていっておりまするが、その差があまりにひどいのでございます。私の考えでは、昨年の十二月が信用状の発行が最高でございまして、二月ぐらいまでは、ある程度保つが、三月ぐらいからだんだん輸入が落ちてくるのじゃないか。ストックの関係も非常に大きゅうございます。そういう見込みでありましたところ、なかなか輸入が減らないのみならず、増大の傾向がありますので、これはある程度ここで押えなければならぬ。輸入のおもなるものは、やはり設備投資関係のものが多いのでございまして、たとえば機械の輸入なんか非常に多くなっております。そこで問題は、国内の投資の行き過ぎということを主眼にして金利の引き上げをやった。そしてまた、輸入につきましても、銀行に預けておきまする外貨、東京銀行に対しましてはずっと前から相当引き揚げましたが、東京銀行以外の為替銀行に対しましてのドル、ポンドの預け入れを減らしまして、少し金融の窮屈をはかって、またポンドにつきましてま、今までドルとは別にユーザンスを長くしておりましたが、このユーザンスをドル並にして、そう気楽にどんどん金を貸すということはやめよう、輸出の金利は据え置くが、輸入手形の金利は一般の商手と同じように上げようというので、いろいろ手を尽しておるのでございます。ただ、信用状を商社がどれだけ発行する予定かと、こう申しましても、これはなかなか調べられません。外貨予算をやっておれば、銀行としては、外貨予算の範囲内において商社が輸入をする、そうして商社が、信用状を出すときに銀行から金を借りるというのだったら、銀行の金融の点からあれですけれども、自分が金を預けているというときには、信用状を勝手にできるのでありまして、今の増資とか何かのように、なかなか六月の信用状の発行見込みがどう、七月がどうということは、これはわれわれのところではわからないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/50
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051・栗山良夫
○栗山良夫君 それは通商産業省の所管に属する事項もたくさんありますが、一応輸入輸出の四月、五月の実態、さらにこまかく分析されることと、それからその分析に基いて六月以降のある程度の短期、長期の見通しを立てられていくことが、これはどうしても必要なことではないでしょうか。今こういう金融政策をとっておいでになるのですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/51
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052・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) これは今の金融の実情から申しまして、君はいつどこで何を買うんだということを聞くわけにはいかないのです、国内的においても国際的におきましても。ただ問題は、為替管理をしておりまするから、砂糖なら砂糖、これだけは輸入ができるということになっておるのでございまするから、君はいつ砂糖をどこからなんぼで買うんだということを前もってこっちから計画を聞くわけにはいかないので、まあ制度はそうなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/52
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053・栗山良夫
○栗山良夫君 制度のそうなっておることは知っておりまするが、問題は、通商産業省としても、決して無手勝流に貿易政策をやっておられるわけでなくて、為替管理をやってはいるけれども、なおかつ、その輸入なり輸出の見通しというものは立てて、個々の業者からみんな一つ一つ聞いて推計をするというわけにいきませんけれども、経済の一つの動向というものは、常につかんでやっておられるわけですから、これは、私、前に商工委員をやっておったときに、しょっちゅうそういうことをお尋ねしておりましたが、やっているわけですから、それと金融政策とマッチさせるために、大蔵大臣から私は伺いたいと思ったので、そういうことを申し上げたのです。そこで、それじゃ、さらに前進させまして、ただいまのお話では、これほど輸入がふえておる原因は設備投資にあるのだ。こういうことをおっしゃいましたが、今の輸入は、設備投資と原材料その他の部分と比較して、どれだけの率になっておりますか。たとえば、四月なら四月でもよろしゅうございます、四月の通関実績からいって輸入の方が……、機械設備等の輸入、それから原材料の輸入その他と……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/53
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054・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 輸入の品目別でございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/54
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055・栗山良夫
○栗山良夫君 品目別でなくてもよろしゅうございますから、その三つの大分けでけっこうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/55
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056・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 三つの大分けとおっしゃると。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/56
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057・栗山良夫
○栗山良夫君 設備投資ですね。機械——プラント輸入と申しますか、そういう機械類の輸入、生産手段の方の輸入、それから綿花、羊毛、その他の原材料の輸入、あるいは生活消耗品とかありましょうが、そういう大分けでけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/57
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058・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) そういう今の品目別で見るよりほかないので、品目別で見るときに、設備投資ということで出すときには、機械とか、あるいは鉄鉱石、くず鉄、こういうふうなものが設備投資に面接向くわけでございます。その品目別の分はございますから、後ほど……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/58
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059・栗山良夫
○栗山良夫君 大蔵大臣のおっしゃっておることは、鉄鉱石とか鉄くずとか、そういうものも設備投資とお考えになってのお話でございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/59
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060・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/60
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061・栗山良夫
○栗山良夫君 その点は私の質問と、ちょっとくい違っております。そういうものは原材料と私は一応分類しておったものですから。そこで私は一つの非常に疑問を持っておるのは、この前、宇田経済企画庁長官も、予算委員会のときには、まあ非常に得意顔に、経済規模の拡大ということを非常に力説しておられました。私も、その意味においては、これは非常に喜ばしいことだし、また、耳ざわりのいいことでありますからそのまま拝聴していたわけです。ところが、今の日本の状態では、何と申しましても、各企業の設備近代化をやらなければならないという一つの大きな動きで、各社ともどんどん競ってやっているわけです。特に最近の傾向としては、中小企業関係の産業界が、これは国有機械の払い下げも、もちろん非常に貢献しておりますが、輸入機械にその道を求めて一生懸命にその近代化を急いでおります。どうしてもやらなければ、日本産業全体としては大企業等の系列下においても片手落ちになるので、やっぱりやられていくべきものであろうと思いますが、そういう意味において、経済規模を拡大しなければ問題ありません。しかし、経済企画庁の長官が国会を通じて約束されておられるように、去年の拡大率に、さらに今度は相当上回って拡大率をつけて、そういう一つの想定のもとに産業経済の指導をしておられる上においては、今の資金の規制をやりましても、そういうような投資設備が十分にいかれないような格好にしてしまうということは、私はどうも政府の公約違反となるおれがあると思います。その点はどういう工合にお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/61
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062・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 設備の近代化、拡充も、これはやっぱりテンポがあると思うのです。それからまた拡張にいたしましても、必要な最小限度の分をやるか、あるいは将来を見越して大きくやるか、たとえば工場を新設いたしますについても、ただいまのところは二万坪でいいんだが、将来を思って五万坪買っておこうとか、それから工場だけでなくて、必要な厚生施設もこうだ、付属設備もこうだ、こうしてたんまりやるか、最小限度にとどめるかという問題でございます。今までは、得てして、これはまあ競争からくるということと見通しからくるという二つの問題がございます。そこでわれわれは、まず今の隘路産業に十分力を入れて、そうしてその次の産業あるいは相当近代化が進んでいる分は、少し日本の経済がそれを受け入れる程度にほどほどにしてもらいたい、こういう考え方でございまして、合理化や近代化を差しとめようというわけじゃないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/62
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063・栗山良夫
○栗山良夫君 そこで、私、非常に一つの疑問を持っておるのは、そういうことをおやりになっても、何といっても産業界の今の近代化の意欲は非常に強いし、それからあの程度の公定歩合の引き上げ等では押え切れないほどに強い。従って大蔵大臣はそういう工合にお考えになりましても、今申し上げましたような傾向からして、今年度の設備投資というものは非常に旺盛に出てきて、そうしてその出てきた結果は商社部門へずっとしわ寄せされている、そうして生産と流通との均衡がくずれている、現に繊維に起きておるようなこういう傾向が各部門に広がるんじゃないかというおそれを持っておりますが、そういうお考えはいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/63
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064・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 今の御質問の点は、流通部門の金を押えて設備資金の方へいくと、流通部門が困ると発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/64
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065・栗山良夫
○栗山良夫君 結局そういうことになりやしないかと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/65
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066・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 先ほどちょっと触れましたごとく、三十一年は相当設備投資が行われたと言っておりまするが、銀行の貸出状況を見ますと、鉄鋼、石炭、化繊、紡績、羊毛等々の貸出の分と、その他の流通部門とを見ますと、全体の、多分半分近くは流通部門だったと思います。それをこえておったかもしれない、六割くらい流通部門へ行った。そこで流通部門へ行きましたお金がどう使われておるか。これはもちろん生産がふえ、流通がふえたんですから、貸出の多くなるのは当然でございます。また問屋的のものも復活される。しかし、われわれの心配しているところは、ほんとに流通部門というのでなしに、流通部門から設備投資に金が相当行ってるんじゃないか、またこれはここであげるのはどうかと思いますが、大阪の天王寺に大へんなものをお作りになった、それはどこから金が出ているのか。こうしますと、流通部門から設備の方へ回ったり、流通部門として考うべからざるところへ金が回っているという事例がある。今のように……。今度は設備投資と思われる各業種の方へ参ってみますと、今不景気だという化繊とか紡績なんかへの貸出は相当ふえている。鉄鋼なんかというものは貸出が減っております。それはもうかったから返したというのもありましょう。こういう状況でございますので、私は今はほんとうに商社が必要にして最少限度にとどめてもらうように、そうして基幹産業、その次に設備の近代化にいくようにするのがほんとじゃないかと考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/66
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067・栗山良夫
○栗山良夫君 私が申し上げたのは、言葉が少し足りなかったかもしれませんが、政府の金融調整をやるならば、ああいうことより、もう少し政策的に私はやっていただきたいという意見を持っておるから、こういうことを申し上げたのですが、二、三の事例をあげてあなたの御所見を伺いたいと思います。それはどういうことかと申しますと、何と申しましても、険路産業を建て直して早く安定しなきゃならぬということは何人も異議ないでしょう。鉄鋼、石炭、電力その他、これに対してはもう完全に資金需要を保証せられなければならぬと私は思う。
その次に、中小企業を含めて世界的におくれておる日本の産業の近代化を行う、このためにやはり資金を手当しなければならぬと思います。ところが、そういう一つの一貫した政策というものがはなはだ手ぬるいために、今、日本の経済はどういうことが行われておるかと申しますと、極端な比喩を申しますと、三十一年度の綿花輸入が七十万俵、それから三十二年度は百三十五万俵である、こういう——輸出も含めてですよ、消費と生産とがマッチしないような膨大な量が輸入されているところに、私は今の繊維のやはり若干不況なような現象が出てきている最大の原因があるのではないか。もう少し綿花の輸入にしても、政府はチェックする、そして国内繊維の値上りを引き起すような——かつて砂糖に行われたような需要より五%くらい少く輸入しておる、そして砂糖の値段をつり上げるというやり方は、私は賛成いたしませんけれども、少くとも輸出と国内消費を含めて、それのパーセンテージはどれだけあるか知りませんが、一〇%か二〇%という余裕増を持ってやっておられると、ああいうことは起きない。ところが三十一年度と三十二年度と、そんなに国内あるいは輸出の繊維の需要状況が変っていないのに、倍に近いような輸入を一ぺんにやった、こういうところに一つの欠陥がある、このために相当資金の問題が出ておるのです。もう一つの問題は、東京でも、大阪でも、名古屋でも、福岡でも、札幌でも、日本の一流都市を御覧になるとわかりますが、どういうところに金が出ておるか。まずデパートを初め地下街の店、こういうような消費をあおるような、そういう施設というものに膨大な資金が出ておる。さらに観光事業に至ってはまことに目に余るような投資が行われておる。こういうようなところの投資を縦割りをして抑制をされるということでなければ、大きな意味における政府の金融財政政策、産業政策と言えないのではないか。私はそこに非常に疑問を持っておるのですから、さっきからずっと順序を立ててお尋ねしておるのです。この点はどういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/67
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068・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 先ほどの第一の問題の綿花のあれでございますが、これは綿花よりも極端なのは羊毛でございます。羊毛は非常な輸入増大を来たしております。私はこんなに羊毛が入っては困ると申しますか、これをチェックしようとすると、すぐ物価は値上りする、なかなかその点が微妙なんでございます。栗山さんのおっしゃるようなことはやりたいのですが、やると、かえって逆作用になってくる。(栗山良夫君「程度の問題ですよ」と述ぶ)こういう点を頭に置きながら、こういう今の羊毛が非常にストックが多いというとき、これは羊毛の上げ下げは別でございましょう、あまり輸入しなくてもいいじゃないかということを個々の業者に言うわけにいきません、商売上ですから。そこで銀行を引き締めるよりほかにない。銀行につきましては輸入手形の金利を上げ、金を引き締めるから、輸入の量は手控えたらどうかということを、銀行あるいは政府が言うでしょう。そういうような方法をとっていくのがいい、今度の金利の引き上げ、ユーザンスの短縮やあるいは外貨の預託を引き揚げる、こういう方法をとっていく。これが第一の方法だと考えております。もちろんそれらを考えて指導はいたしておりますが、十分には……これから効果があるわけでございます。
第二の、観光事業とか、ビルがたくさん建つ、多少手控えたらどうかという感じをいたしておりますが、そこで銀行に対しましては、ビル等の建つことも必要だろうけれども、鉄なんか非常に不足しているときに大事な金をあそこへ持っていくのはどうかという気がいたしておるのでございまするが、何としても、個々の業種について、ああしろ、こうしろということは言えませんので、やはりオーソドックスではございますけれども、普通の道をやって、間接的にこれをやるよりほかない。これまた建築制限か何かやって参りますと、またかえって逆作用になることは、戦後の事例を見ましてもあるようでございまして、やはり全般的に金融の引き締めをやって、私は準備預金制度の分も、今後もっと引き締めなければならぬときに、金利を使うか、準備預金を使うかということは、よほど考えものだが、金利をどんどん上げていくということは、なかなか経済政策の根本に触れる問題でございます。私は金利よりも準備預金の方をやるべきじゃないか。普通の場合でありますが、そういう点を考えていろいろな制度を設けて調節していくように考えていきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/68
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069・平林剛
○平林剛君 今の池田大蔵大臣の発言で、私、なるほどなあと納得する点が一つあったわけであります。経済情勢に対応して、金利を引き上げるということよりも、むしろ準備預金制度ということの活用で調整をはかる、こういうお考えが率直に述べられた。私も最近の経済事情を見ておりますというと、今回政府が御提出になった準備預金制度に関する法律案のようなものはこれはどうしても必要だ、そういう意味では腹の中で賛成をしておるものであります。そこでこの機会に、時間も十分ありませんけれども、私がかねがね疑問に思っておりました政府の金融政策についてのことをお尋ねしたいと思います。この間、日銀の金利政策が発表されて、私もそれをしろうとながら眺めてみたのでありますが、一方においてはインフレに対する警戒信号のような公定歩合の引き上げが行われておるかと思えば、一方においては金融の正常化というためのいろいろな条件の緩和措置が同時に講ぜられておる、こういう意味で、どうも最近の経済というのはむずかしくて、こういう政策についても二つの相反する政策が一ぺんに発表されるものだなと思って、はなはだ感心しておったのであります。この点について、もう少し責任のある立場の大蔵大臣から御説明を願っておきたい。私が見るというと、どうしても先般発表された金利政策には二つの相矛盾するものが同時に発表されておる、そういう意味で理解に苦しむのであります。今の栗山委員の御質問に関連して、この機会に一つお考えを聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/69
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070・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 平林さんのお話は、三月のときのあの措置と思います。御承知の通り日本銀行に高率適用という制度がございまして、一定額をこえた預金その他いろいろな条件のもとに一つの基準を設けまして、それをこえた貸出に対しましては高率な金利をとって、そして特定の銀行の貸出の急激の増加を抑えるという制度をやっておったのであります。高率適用にかかりますところが、これが一行とか二行というのならば、まだよろしいのでございますが、この一月から二月金融逼迫のときには十一大銀行ほとんど全部かかっており、これは特殊の銀行の貸出し増を抑えるためのいわゆる罰則的の金利が全部に適用になる。しかもまた、それによりましてコール市場が未だかつてない三銭をこえるというふうなことでございまして、これはどこに欠陥があるかと申しますと、これは高率適用をきめる場合の基準というものが、昨年の春ごろの、あるいは一昨年の暮ごろから春ごろの、貸出のほとんどない、預金の非常に伸びたときを基準にしてやっておりまするから、引き揚げ超過、金融逼迫のときに全部かかってくる、こういうことは改めなければ正常でない。これを大体二月ごろまでは、日本銀行の貸出しが二千億円くらいになりますとほとんどかかるようになる、これを四千億くらいにして、ほんとうに行き過ぎた銀行だけがかかる程度に広げなければならぬ。しかしこれを広げて今の高率適用にかからぬようにすると、金融をゆるめるというふうにとられては困る。われわれは金融をゆるめるのではなしに、今の制度の少し行き過ぎと申しますか、逆作用の点を補正するのだという意味で高率適用を緩和しますと、一般には金融をゆるめるととられる、これじゃ困るの、決してゆるめるのじゃないのだということで、一厘上げをして全般の金利にはあまり影響のない、ゆるめたか引き締めたかわからぬというような措置がとられたわけでございます。私はこのときの説明に、将来の弾力ある金融政策を行うための下地を作るのだと、こう私は本院でも説明したわけであります。その当時から自分の気持では輸入がどんどんふえ、設備が行き過ぎというときには、私は将来金利の引上げをしなければ、この制度がないのでございますから、金利を引上げるよりほかにないということを、自分の腹では考えておったのでございます。結果から申しますと、先ほど来お話のある通りに、設備投資、それに関連する輸入は、未だかつてないような状況になって参りましたので、これは一日も早くやってもらいたい。私は日本銀行の総裁から相談を受けましたときに、一時間でも早くやれとこういって私は激励したわけでございますけれども、そういうことで今度の引上げをやったわけであります。今後は私は、この準備預金制度があれば、どっちを使うかということは、よほど考えものでございまするが、両方を使い得る状態に置いておく。金融の調整がなくて、まだ各国——イギリスやアメリカのように十分ではございませんけれども、まあまあこれで一応整ってくるのじゃないかという気持を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/70
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071・平林剛
○平林剛君 そこで、最近の経済事情を見ると、日銀の貸出は増加をしておるし、物価は上昇ぎみである。それから栗山委員が指摘をしましたように、国際収支の面でも輸入が激増して、それが設備投資の面にそそがれる、こういうときに、金融正常化の措置が金融の緩和になってしまう、こういうおそれがあるわけであります。そこで私がいろいろ聞きかじりで資料を集めてみますというと、こういう際には公定歩合の引上げをせにゃいかぬ、少くとも二厘程度は必要だという日銀側の主張があって、大蔵省との間にかなり意見の対立があったと伝えられておるわけであります。今金融の正常化としておやりになった高率適用の制限を緩和したことは、本来ならばもっと金利の面においても引上げると、こういう措置が必要であるという日銀側の見解と大蔵大臣の調整の結果、一厘ということになったが、それはまあ結局準備預金制度に関する法律案を作って、あとはまあ幾らか心配だけれども、あとはこれで調整しようというお考えがあって作ったのじゃないだろうかと、こんなような私は気持を持ったのでありますけれども、日銀との間の調整をはかってこれを一厘にしたのは、何かはかの政治的な配慮によるものではないかと、こう思うのでありますが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/71
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072・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 先ほど私が御説明申し上げたことでおわかりと思いまするが、あのときは将来に弾力がある金融政策を行う下地だと、こういう意味で、高率適用をゆるめるんじゃないんだぞということを現わすために一厘にとどめたわけであります。金利が上るということは何もわれわれは好むものではない。なるべく上げたくない。しかし日銀と大蔵省との間に金利の問題について議論が分れたということは全然デマでございます。私は、そういうような話があるとすれば、これは想像で人を誤らすものだと思います。この問題につきましては大蔵省のどの職員にも私は相談いたしません。日銀総裁と対で話をしておるのであります。今お話のような点がデマであるということは先ほど申し上げましたあの御説明でおわかりと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/72
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073・平林剛
○平林剛君 公定歩合の引き上げというものは、これはあまり大臣としても好まれない。しかしそれにもかかわらず今度の公定歩合の引き上げを行なった結果、経済界にいろいろな影響を与えておるのでありますが、そしてその影響が一番どこに現われるかというと、今重点的な産業あるいは政府からのいろんな資金の供給を受けておるところに対しては、一厘程度ならば大したことはない。また今までのいろいろな計画を変更する必要はないと見られておるようでありますけれども、中小企業の面に対してはこれが非常に深刻な影響を与えてくる結果になるのですが、このことについて大蔵大臣としてはどういうふうに見られておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/73
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074・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 金融の引き締めにつきまして一番影響をこうむるのは弱いものだ。弱いものが一番影響をこうむる。従いまして、お話のように中小企業は大企業のごとく特定の銀行へのつながりも少なうございますから、これにくることは必至でございます。まあそういうふうにしたくないと思っておりますけれども、だからその点は、私といたしましては、中小企業に対しよしての特殊金融機関、政府関係機関等につきましては、昨年よりもより以上に資金を潤沢にしておるつもりでございます。なおまた、この結果、中小企業の方々のお困りの場合におきましては、国民金融公庫と中小企業金融公庫と合せて千億円ぐらいございます。これを早く使って、そのしわ寄せを緩和しなきゃならぬと思っております。昨今も国民金融公庫の各地の支部長を集めまして様子を聞かしておりまするが、こういうことにつきましては十分私も心がまえをいたしておるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/74
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075・平林剛
○平林剛君 結局今度の公定歩合の引き上げというのは、決してインフレ懸念に対する警戒信号ではないのだ、今の御説明のようで、日銀側がむしろこの説をとって二厘引き上げるということで大蔵省と多少の意見の違いがあったということもデマである、こういうお話のように聞くわけでありますが、私ども実際の生活面を見ておるというと、むずかしい大きな経済の動きということは国民には理解できないでしょうけれども、日常の問題からとらえてみるというと、物価が大へん上っておる。確かに政府が高等政策をもって、あるときには公定歩合について考え、あるときには準備預金制度によって調整をはかってもらわなければどうしても物価の面が高くなってしまうじゃないか。そうして、いろいろな政府の政策にもよりまして生活が苦しくなる。こういうような心配を持っておることは事実であります。中小企業も、今の面で政府の手当が十分でないというと、今の政府の政策によっていろんな影響がくるだろうし、一面、物価についても、どうも今のままでいきますというと国民生活に深刻な問題が起きてきそうです。この機会に私は、物価を引き下げるための政策として、今の現状において大蔵大臣としてはどういうお考えを持っておられるか、どういう政策を打ち出していただけるか、このことについて付帯して一つ御意見を聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/75
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076・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 物価の点は、本年になりまして消費者物価は上っておりません、一月からずっと。四月はちょっと下りぎみになったのです。私が先ほど来申しましたごとく、予算審議で申し上げたごとく、物価は大体横ばい、下げるということは私は考えてないので、世界の物価は大体上昇……、これはスエズ問題について上った分は別でございまするが、世界の物価も大体横ばいでございますから、日本もそれに合せてやる。しかも世界の物価の上り方よりも日本の物価の上り方を少くしたいというのが、私のさしむきの考え方でございます。金利が上れば物価が上るということは経済の原則でございます。それならば、金利を上げずに金と物とのアンバランスをやったらどうなるか。これこそ大へんなことになる。だから金と物とのアンバランスをまず除かなければいけない。そうしてそれが除かれれば、金利を下げていってそうして生産コストを下げる。これが普通の行き方じゃなかろうかと思います。私は今回二厘の引き上げも、できれば、おさまれば早く下げたい。これが定期預金の利子を上げなかったり、あるいは公社債の発行条件を変えないというのも、そこから来ておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/76
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077・栗山良夫
○栗山良夫君 私もちょっと時間が大分過ぎましたから、最後に一点だけ御質問いたします。それは、先ほどの大蔵大臣のお話を承わっておりますというと、私が申し述べたように、やはり日本の産業経済全体を見渡してみたときには、やはり不急不要の部面に相当の投資をおやりになっていることをお認めになりました。要するにあまり好ましくないところに資金が流れている。消費をいたずらに刺激をし、あるいはまたその刺激をするような、消費を刺激するような施設のために相当な投資が行われているということはお認めになったわけです。従って、そういうものを裏から言えば重点政策が必要であるということになると思うのです、言葉をかえていえば。ところが重点政策が必要であるけれども、現在の岸内閣としては依然として自由主義経済の基盤の上にあるわけでありまするからそういう政策はとれない。とるときには一律の調整をやって、個々の産業を引き合いに出してそれに対する対象としての政策はとれない。従って、この二つの相異なった路線を同時に満足させる方法はありませんので、従って中途半端の政策になる。そこに重点政策が必要であるにもかかわらず、そこからはずれた、極端な表現をすれば犠牲者が出て来る、こういうことに私は必然的になると思います。そこで、そういう認識の上に立って大蔵大臣に御意見を伺いたいことは、かつてあなたが吉田内閣当時には、これでも自由主義経済である、経済の計画化などということは考えもしない、こういう強い意志の下に、なかなか経済の計画化というようなことは口にされなかったのでありますが、今度の内閣になってからは、少くともそういうことではいけない。若干、経済というものは計画性を持たせなくちゃいかぬ、こういうことで、五カ年計画とかいろいろなこと、総体的にもまた各部門別にもおやりになっております。従って、そこまで前進されたならば金融財政政策においても、関係各省との調整の下に、もう少しこの選別融資と申しますか、選別調整と申しまするか、そういうことを私は勇断をもっておやりになる時期に来ているのではないか、こういう工合に考えますが、そういうことは依然として御否定になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/77
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078・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 私が昭和二十四年から二十七年まで大蔵大臣をしておりましたときの日本の経済の描く姿と今とは、よほど変って来ております。私は、あのころは、とにかく生産増強をしてインフレ防止、これでずっと来ておったのであります。計画経済なんかをやろうといっても、そういうものはできません。しかし日本経済がここまで拡大いたしまして、そして個別産業につきましては、大体計画的にできるように相なったのでございます。しかし、それにいたしましても、一昨年作りました五カ年計画というものは、もう根本的に変えなければならない。それから計画を一応の目安として作るということは今でも賛成でございます。しかし個々の業態についてこうしようああしようという、自由経済の根本をこわすような経済政策は、私は昔と同じように大反対でございます。自由経済のもとにおきまして、そうして国の役割はこれは考えなくてはならない。その他は民間の創意工夫にまかせていく。そして政府の仕手の範囲内におきまして、これをリードしていくということが、わが国経済の地についた発展を促すゆえんだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/78
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079・土田國太郎
○土田國太郎君 大臣にちょっと伺いますが、金利引き上げ、これについてだいぶ経済界は問題が起きておりまするが、一面、ドルもああいうような関係で、実質ドルは四億台というようなことを言われておる。現に五月の月末にいきましても、もちろんこれは輸入超過であろうというような一般の観測である。また六月も七月も輸入超過で、ドルがだんだん減るというようなことになりました場合に、大蔵省としては、これに対する適切なる御処置をおとりになるお考えであるか。あるいはまた、将来の輸出超過を見通して、自然の推移にまかして、ドルの自然回復を待つかという二つの見方があるのですが、大蔵大臣としては、この点、非常に国民も心配しておられるのですが、どういうような御処置を、いよいよ悪化した場合にお考えですか、それをちょっと承わりたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/79
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080・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 私は非常手段なんかということは今考えておりません。ただいままでとりました処置を、産業界を初めとして、国民全般が御了解下さり御協力願えるならば、私は統制経済とか、あるいは輸入の個別的の割当とか、そういうようなことはしなくても十分いけると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/80
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081・江田三郎
○江田三郎君 それではちょっと一点だけ、いろいろ聞こうと思っておったのですが、時間がありませんから一点だけお聞きしておきますが、先ほど来の大臣の御答弁を聞いておりますと、生きものだからはっきりしたことは言えないけれども、これでうまくいくのだろうと、こういうことですけれども、しかし世間にはそういう見方と反対の見方もあるわけで、現に与党の土田さんあたりから今のような質問が出るような状態で、あるいはこの際、思い切って実行予算を組むべきだというような見解もありますが、これは大臣の方で実行予算というのは、そういう考え方はないのだということをはっきり言っておられます。この実行予算というような成規の手続をとらぬでも、あるいは近い将来に予算の天引き等をおやりになるということは、これはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/81
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082・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 予算の天引きをやるほどの状態ではございません。私は理論的に見ましたら、御審議願いました予算を適正にやっていくためには、行き過ぎのところを押えなければいかぬというのでやっておるので、適正にやるつもりで、やはり金利の引き上げをいたして、民間の方で行き過ぎないようにということでございます。もし問題として、役人の給料を減らすわけにはいきません。地方への交付金を減らすわけにはいきません。そうすると、減らし得るのは、インフレ防止といいますか、急速な拡大均衡を押えるという意味でやっていくのは財政投融資でございます。財政投融資を押えて、民間の方の仕事がどんどんふえていったら、また非常にネックになる。実行予算を組もうなんということは、私は日本経済の実態についてあまりに知らなさ過ぎる。先ほども新聞記者会見で言ったのですが、大蔵省内に実行予算を作るという議論が盛り上っておるが、だれがそんなことを言っておるのか、おれが一つ職員に教えてやると言ったのですが、決して私はそういうふうなことをしなければならないような状態でないので、そういうことの起らないように、いろいろな考慮をめぐらしてやっておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/82
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083・江田三郎
○江田三郎君 大蔵大臣いつも自信満満たるところで景気のいい話を聞かしてもらうのですが、将来もし、そういうような、あなたはないと言われるが、世間ではあるかもわからぬという、たとえば貿易じりが改善しない、あるいはその他、憂慮すべき事態が出たという場合に、この予算に手をつけなければならぬというようなことがあれば、これは当然臨時国会等を開いておやりになることであって、臨時国会を開くことなしに、行政措置で実質的な天引き等を行うような、そういうことはなさらない、今の御自信のほどからみて、なさらない、こう考えてよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/83
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084・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 実行予算というものについて、いろいろの解釈がございます。少くとも大蔵大臣に許されていないようなことを、国会を開いてやる気持は毛頭ございません。そうして大蔵大臣に許されておることでありましても、たとえば先般御審議を願いました仲裁裁定の実行につきましても、私は大蔵大臣限りでできるところもございますが、事、重大であるから、重大で、ぜひお考えを願わなければならぬというものは、進んで補正予算を組む態度をとっておるのでございます。私はただいまのところ、先ほど来申し上げましたごとく、いわゆる実行予算を組むというふな気持は持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/84
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085・江田三郎
○江田三郎君 もう一点だけ。いわゆる実行予算というところで問題が出てくるの、これはあなたが大臣——だれのときだったか忘れましたが、たとえば公共事業等が予算にきまっておっても、その中から一割ないし二割というものを押えるというような行政措置をおとりになったことがありましたが、そういうことはないと考えてよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/85
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086・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) これは先のことでございますから、たとえばこれは悪い話でございますが、災害が非常に起ったというときに、その災害予算は既定経費の上から一つも出さずに、フルに災害の方を見るというときには、これは国の財政状況をみまして、片方を押えるというようなことは、そういうときには国会を開かなければならぬ。つまり御審議願ったものを抑える、どこで抑えてどれだけの金が出るかという問題でございます。一般会計その他からあまり出ません。しかも特別会計の鉄道その他で押えては、ネックがますますひどくなります。産業投資をやる、こういうこと、鉄道五カ年計画に沿ってやる、そうして電力開発をやる、その金を民間の方で、このほかの方で使われてはいかぬというので、金利を上げて引き締めて下さいと、こう言っておるのでございますから、私は今のところ、そういう考えは持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/86
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087・江田三郎
○江田三郎君 そういうことはあり得ないのだという説明は何べんも聞きましたが、そういうことがあるいは不測の事態で、たとえば災害ということを言われましたが、その他、不測の事態というようなことがあって、大臣の予想と反したようなことがあっても、たとえば公共事業費の節減等は臨時国会を開くという措置なしにはおやりにならない……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/87
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088・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 公共事業費万の節減と申しましても、どういう原因で節減しなければならぬか、その原因を考えないと、何とも言えません。私はただいまのところ、そういうことをしなければならぬ事態でないと思っておるのであります。これは一々取り越し苦労をなされれば別でございますけれども、せっかくあなた方が御審議下さったものを大蔵大臣の腹づもりでこれを動かすというような事態は起らぬとみている。起った場合にどうするかというと、その事態の状況によって考えなければならぬ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/88
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089・江田三郎
○江田三郎君 だから、そういうときには、臨時国会等、成規の手続を経ないではおやりにならぬ、その点はいいんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/89
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090・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 成規の手続をとらなければならぬ事態が起れば、成規の手続をとります。成規の手続をとらなくてもいいということになればこれはやります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/90
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091・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) これにて休憩いたしまして、二時半より再開いたします。
午後一時三十一分休憩
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午後三時十四分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/91
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092・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 休憩前に引き続き、委員会を開きます。
酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案を議題として質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/92
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093・土田國太郎
○土田國太郎君 局長にお伺いいたしまするが、今回、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部改正法律案を御提案になったのでありますが、この質疑に関しまして、私もできる限り要点だけ申し上げて御回答を得たいと思うわけですが、あなたの方も簡明直截に御回答を願って、形容詞は抜きにしてもらって、あとの議案も山積しておることであるから、そういうふうに……。
それでは局長に伺いますが、この酒類業組合法の第一条に、この法律の目的は、酒税の保全と酒類業界の安定ということ、すなわち、「酒税の確保及び酒類の取引の安定を図ることを目的とする」と、こういうことになっておりまするが、実際において、御当局は、酒類の業者安定ということについて重大な関心を持たれ、また、実際においてそういう面に御努力願えるんでしょうか。まず、お気持から先に拝聴いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/93
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094・原純夫
○政府委員(原純夫君) 酒税の確保は大事なことでございますが、そのためには、酒類の取引の安定ということはもう当然必要なことでございまして、従来もそういう気持でやっておりますが、今回、これをはっきりとしようというわけで規定したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/94
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095・土田國太郎
○土田國太郎君 よくわかりました。政府のお気持は、酒類業の安定は酒税確保の根源をなすものであるから十分やると、こういう御声明で、満足いたしました。つきましては、この法律案の第六条ですが、その六条には、「酒造組合は、その名称中に、酒造組合という文字を用い、且つ、その組合員が製造する酒類の種類を明らかにしなければならない」、こういうように明示されてあります。これは、旧法の六条にも同様のことが書かれてあるのでありまするが、これが現状を見まするというと、旧法によっても新法によっても、あまり大した差はないのですが、このことが果して行われておるかどうかということに重大な関心を業界では持っておるのであります。今日のたとえば蒸りゅう酒中の特に合成酒を私は名ざしいたしまするが、これらのものの商品については、この規則と相反した行動をとっておる。すなわち、合成酒であるか、従来の日本清酒であるか、わけのわからないようなレッテルや規格証紙を使っておるということは、私が申すまでもなく、原さんも御承知のことだろうと存じます。特に合成酒という字のごときは、はなはだしいのは模様のような格好にして、合成酒という三字がどこに書かれてあるか、まるでクイズを見るような格好のようなふうに合成酒という字が隠されておる。また、正面には、合成酒と書かないで、銘酒と書いてある。銘酒というのは、昔から日本酒が使っておったものでありまするが、近頃は合成酒がそれをとって銘酒というような字句を使っておる。特に私は申し上げておきたいが、今業界が非常な混乱をし、迷惑をしておる問題は、合成酒が近頃その愛称と称して——愛する言葉と称してですよ、愛称として新清酒という字句を使いだした。こういうようなことを新聞や雑誌やあらゆる刊行物に出して、少くともこの宣伝のために合成酒組合はいままでに約億に近い金を使っておると聞きました。そのために、日本酒もそれに対抗するために金を使わざるを得ない。すなわち、清酒というものは米の酒であるというような宣伝をしなくちゃならない。その金も膨大なものです、今日は、そのために組合費を非常な増徴をいたしまして、私がやっておるおととしまでは千七八百、二千万ぐらいでやった組合費が、今日は五、六千万もかかるというよう状態です。それは、すなわち合成酒組合、この横車を押して合成酒を清酒のごとくカモフラージュして売ろうとする、こういうために、ああいう宣伝をする、その対抗策としてこっちも数千万円の金を使わなくちゃならない。一方の方はきく所によりますと、約億という金を使わなければならないというような、はたして事実とすれば、まことにみじめな泥試合が今始まっておるわけであります。これらに対しまして、これは主税局は参謀本部の格だが、第一戦部隊である国税庁が手を下さないでいる。発案者である主税局がこういう法案をこしらえて、国税庁が全然手をつけないということは、重大な責任を私はお感じになっておるだろうと思います。でありますから、国税庁がこれに対してやかましく取り締って下さるならまだいいが、さっぱり知らぬ顔、これに対して清酒の組合では、あなたの方へもしばしば陳情し、また国税庁にもやかましく言いますけれども、はいはいと言うて、さっぱり手をつけてくれない。しかも、これに対する違反行為については、何か罰則もあるのじゃないですか、どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/95
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096・原純夫
○政府委員(原純夫君) お尋ねの件は六条にも組合の名前という形で出ておりますが、八十六条に真正面に「酒類の種類等の表示義務」という形が規定してございます。製造業者または販売業者は、酒類の種類、類別、級別その他政令で定める事項を容易に識別することができる方法で容器の見やすいところに表示しなければならないということになっております。これは罰則の方で受けまして、八十六条——ただいま読みました条文の規定に違反したものについては十万円以下の罰金に処するという規定がはっきりございます。この関係につきましての実際の様子につきまして、今いろいろお話がございましたが、私どもとしても、現在の状況はきわめてこの条文の趣旨が徹底していないと思っております。従って、これをこの趣旨により忠実になるように、つまり表示を明確化させるように指導するようにいたしたいと思っております。この法文で「政令で定めるところにより」というところがありますので、その明確化させる仕方については、この組合法の政令改正の際に、これを織り込んではっきりいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/96
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097・土田國太郎
○土田國太郎君 こういう法律があり、またこれに対する罰則もあるというので、はっきりいたしましたが、おそらく、今のこの合成酒を販売されているびんをごらんになりますれば、清酒だか合成酒だかようわからないというのが今日の実態ですよ。しかも、表に合成酒という字は一字も見えませんよ。裏の方に何か貼ってあるが、それが模様化しておる状態です。明らかにこの八十六条ですか、今おっしゃったそれに違反することははっきりしている。あらゆる合成酒、私は合成酒全部とは言わないが、八〇%は、そういう違反行為をやっておると聞きます。でありますからして、これに対して政府は罰則適用は何件くらいやりましたか、それを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/97
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098・原純夫
○政府委員(原純夫君) 手元に資料を持っておりませんが、おそらく罰則の発動はまだしておらぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/98
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099・土田國太郎
○土田國太郎君 それではこういう法律を作って、局長は忠実にこれを督励してやる、こうおっしゃって、こういう違反行為が八〇%もあるにかかわらず、一つもやらないで、一般消費者にまで迷惑をかけるということは、それはあなたは緩怠至極と言われても仕方がないのじゃないですか。局長のお考えどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/99
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100・原純夫
○政府委員(原純夫君) その点はおっしゃる通りであります。そこで別段言いわけを言いたいとも思いませんけれども、申し上げております通り、酒の生産それから販売につきましては、大へん御迷惑な話ですが、非常に重い酒税を背負ってやっていただいているということから、やはり清酒業界と合成酒あるいはその他の業界との関係というものは、単にこういう問題だけで片づかないいろいろな入り組みがございますから、御存じの通りです。従いまして、私どもそういう業界の調整をはかる際には、一つの事柄だけでなくて、全般のそういう入り組みを考えながらやる。これはもう業界自体もそういうわけでありますが、まあ、そういうために、あるいは歯切れの悪いというような点がだんだん出てくる場面があるかと思います。これは土田委員もよく御存じのことでありますが、委員会で速記に残るわけでありますから、言いわけがましくて恐縮でありますが、一言申さしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/100
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101・土田國太郎
○土田國太郎君 どうか、今まで幾ら言っても政府は取締りしてくれないのだから、今度はこういう新法の出たことを契機として、完全な一つ取締りを要求いたします。
また、私の聞くところによれば、これだけのりっぱな法律を作りながら、十万円の罰金を取り得るにもかかわらず、一銭も取らないと私は聞いている。かように大蔵当局はこの取締りについて緩慢な態度をとっておられる。まことにこれはわれわれ業界としては非常に不満なんです。これは迷惑をするのは従来の清酒側で、不当の利益を得ているのは合成酒だ、そうしてそのために消費者もひいては迷惑する、こういう順序になっておりますから、どうか一つその点特段の御注意を願いたいと思います。
それから、この四十二条の五ですね、「酒類の需給が均衡を失したことに因り」「組合員の酒類製造業又は酒類販売業の経営が不健全となったため、酒税の納付が困難となり、又は困難となる虞があると認められる場合において、左に掲げる規制を行う」こうしてありまするが、この需給均衡を失したときでなければ規制はやれないのですか、この点お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/101
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102・原純夫
○政府委員(原純夫君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/102
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103・土田國太郎
○土田國太郎君 この需給のバランスがとり得ない場合に限るという今局長の答弁でありまするが、現在は需給の調整のために、たとえば清酒でありまするが、合成酒でもけっこうでありまするが、そのために酒が非常な乱売をやられておる。御承知でありましょうが。少くも二十円、三十円、多いのは四、五十円値引き、一升に対してですよ、そういう乱売が清酒、合成酒を通じて今行われておるのでありまするが、これらは需給アンバランスじゃないのですよ。結局ほかの理由によって乱売をせざるを得ない今日の状態になってきているのですが、その状態について、あなたは検討なさったことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/103
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104・原純夫
○政府委員(原純夫君) 酒の取引の実際を判断する問題は、私どもも法律の主管者としての立場でございますが、第一次的には国税庁当局だろうと思います。一応私の考えでそれらの立場も含めてお答え申し上げれば、ただいましょうちゅう、合成酒については御存じの通り、出荷の規制をこれでやっております。清酒についてはここまでやっておりません。が、一方でお話の通り、値引というようなことが行われておる。これを需給の均衡が失したと解するかどうかという問題はあると思います。あると思いますが、清酒につきましては、現在この法律による規制のほか、食糧管理法による原料統制ということがありまして、その方の裏づけによってしょうちゅう、合成酒において行われている出荷規制よりもはるかに強い生産規制ですね、それが事実上行われ得るような体制にあるというあたりが、基本的に違う条件ではなかろうか。今ここでにわかに需給の均衡が失していないのだというふうに申し上げるまでの気持もございませんけれども、しょうちゅう、合成酒の場合に比べてはだいぶ事情が違うのではないかというふうに考えております。清酒の方でも取引条件の規制は現に行なっておるというふうに承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/104
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105・土田國太郎
○土田國太郎君 これは賢明な局長のことだから知らぬことはないだろうと思うのですね。われわれ業界からみますると、清酒はわずかに三百三十万石しか販売できないような少量ですよ。五千万の内地人口のときに五、六百万の酒は易々として売れたものですよ。今日その約倍近い人口になって、そうして三百万石そこそこの酒が値引きでなければ売れないようになっている原因は、多分に政府の政策にあるんですよ。そういうことをあなたお感じになりませんか。ならなければ申し上げてもいいんですよ。私はこう考えた。まず、一昨年の新規復活業者ですね、今日の時代としては事業は合同してどんどんやるべきにもかかわらず、政府は百石、二百石という小さいものに許可を与えておる。そういうものを合同してやらせれば、今日の悲惨事はないのでありまするが、小さいものにたくさん免許を与えて、三、四百軒もふえてしまった。そのために、その連中は販売得意先がないんですよ。結局値引きで売らなければ自分の商品の消化ができない。こういうようなことになったため乱売をする。そのためにそばづえをくって……、中小企業で非常にこれは弱い連中が多いのです。上流業者と違いまして。清酒業者はそのそばづえによって乱売の仲間入りをしなければならないというような悲境に陥ったことが一つと。
それから販売面に対してですね、どうもこれはあれですか、免許は、小売は税務署長が認可するのですが、おろすのは局ですか、庁ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/105
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106・原純夫
○政府委員(原純夫君) 局です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/106
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107・土田國太郎
○土田國太郎君 これらはですね、庁、局を通じて、庁にももちろん責任があるんですが、顔役がいくと、内容が非常に不良であっても、もりあっせん者の顔に免じて許可を与えたという事例は全国たくさんある。そのために内容が具備しないものに免許を与えた結果、メーカーはせっかくおろしの免許が下りたのだから大丈夫であろうという想定のもとに品物を売る。ところが内容が悪いからさっぱり金を払ってくれない。税金はみんな立てかえになってしまう。こういうようなことになって、非常に業界も迷惑する。またその卸業者も、新規卸業者で新免許ですから、お得意がない。これも乱売をしなければ商品の始末がつかぬというようになってきて、両方メーカーも値くずしをし、卸業者も値くずしをする現在の状態であっても、小売業者は一銭も消費行に対して大体において値引きしておりませんよ。これはたしかにえらいものです、その点は。実にマル公以上の利益を得ているというわけです。一番ばかを見ているのはメーカーなんだが、そういうようなことをしておりますると、あなたのおっしゃる税の保全ということは、それはとても目的が達成できないような状態に陥る憂いが多分にあるのではないかと、こう考えます。それで清酒の団体においても、あなたは規制しないとおっしやるが、生産の方の規制も御承知の通りやっておるし、それから販売においてもこの月は何万石、この月は何万石とりっぱに、ただ法的にはやらないだけで、申し合せできちんきちんと規制をやっているにかかわらず、そういう乱売をせざるを得ないという結果になったことは、今あなたが申されました需給関係でなく、政府の政策のよろしきを得なかったという点においてこういう乱売がだいぶできた。その全部と私は申しませんけれども、その大なる原因をなしているということは、これは今業界の世論としておるところであります。
そこで私は局長に申し上げるのだが、よく、メーカーの直売は困るということを卸業者が政府へ陳情するところであるのだが、この直売ということは、しいてしたくないが、今申したような事情で、これを卸業者へ売れば一そうの損があるから、卸業者の段階を一段飛び越えて、そうして直接小売業者へ売らざるを得ないというような情勢に今なっているのであり出して、あなた方がいかに声を高くして直売自粛についてお取り締りになりましても、実情は損をするという段階に入っておりまするので、やむを得ずメーカーは直売をやるということになっているのですが、それに対しまして局長のお考えはどういうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/107
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108・原純夫
○政府委員(原純夫君) 全般的に酒の業界の事情と申しますか、苦しさ、楽さということについては、政府に責任の一部があるということについては、私ども同感であります。ただお話の筋筋について、余りここで議論めいて申し上げたくありませんけれども、一緒にお考え願いたい点を一、二申し上げさしていただきます。第一に復活について余りに小業者を認め過ぎたというお話、それから第二に販売、復活の方は生産者でありますが、販売免許においても大部分が顔役等の圧力に押されて不当な免許をしていると、そのために代金の支払いがうまくいかない、こういうお話がございましたが、その辺はかなり見ようでいろいろあると思います。
第一の復活の場合につきましては、営業自由の原則と、それから酒税の確保保全のためにする免許制度というものをどう調和させるかということで、特にかつてやっておった人たちが、これだけ清酒の生産も伸びてくれば自分たちにもやらしていいんじゃないかというような声が、やはりそれ上自体として非常に強いものがあります。これをあくまで抑え切る、またやらせるにしても相当大きな業態に統合しなくちゃいかんということは、むしろ既存の業者の中で三百石、四百石という業者があるわけでありまするから、それを放っておいて新しく復活する業者に強制するというわけにも、なかなか参りかねる。まあこの辺はおわかりと思いますが、先ほど来申しましたような意味で、委員会の議でありますから申し上げたいと思います。
販売の免許につきまして顔役云々のお話は、具体的な事例がありますればぜひ伺って、これははっきりとあらためて参りたいと思います。私ども大部分こういうことでやっておるというようなことを言われるのは、はなはだ心外であります。実情、実際上を指摘していただいて処置をして参りたいと思います。かなり厳正に基準を設けてやっておるつもりでございます。
最後に、生産者の直売についてどう思うか、これを値引きしなければならぬから一方で直売しなければならぬのだというお話で、そういう話になってきますと、何かもうお話がぎりぎりした緊急なんとかいうようになって理屈抜きになると思いますが、私ども先ほど申したように、酒類の生産販売関係が重い税を背負って非常に困難しておるという点を常に考えるわけでありますが、それであればこそ、やはりこの生産の人たちと販売の人たちとが十分バランスのとれた協調といいまするか、そういうベースでやっていただきたいという気持で常々考えております。従いまして一方で値引きをしなければならぬから、直売はもう正当防衛なんだという、それについてどうかと言われましても、ちょっと私どもの考えているふだんの先の調子と違いますので、これはそこまでお答えしなけれならぬかどうか、もう少し検討の上、必要があればお答え申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/108
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109・土田國太郎
○土田國太郎君 私は今の顔役云々についてそれは大略分とは申し上げません。中にはそういうものがあって被害を受けて困るからというのですから、誤解のないように。
それからメーカーの復活の点ですね、私はここによい慣例で、その近所が寄り合って営業をした場合、そこらにからまった者を二、三人呼んでやるのがよかったのじゃないか、そうすれば力もつきますれば乱発もせずに済む、こういう意味合いで申し上げたのですから、誤解のないようにあなたの見解はどうかと思いますので修正を希望します。
それから今の乱売問題について関連して申し上げるのですが、この販売規制について、招待はしてはいかぬ、物品を寄贈してはいかぬというようなふうにおっしゃっておって、そうして値引きという点についてはさらに触れない、なんぼ値引きしてもかまわぬ、大下ごめんだ、これが今日のやり方ですよ、おかしいじゃありませんか。ごちそうしちゃいかぬ、物品もやっちゃいかぬ、値引きはしてもかまわない。ごちそうする、招待をする時代には一升について十円もあれば十分よかないが出たのですよ。それが今日では二十円、三十円、四十円という値引きをするというような非常に不合理の結果が今出ておるわけです。これは実に大蔵当局としての誠意というものが私はどうかと思うのです。余分に業者が損をするわけですね。そういうような政策は私はやらぬ方がいい、もしそういうものを招待や何かしちゃいかぬということであれば、これは値引きまでも禁止すべきものですよ。そういうようにやらすのがほんとうのやり方である、値引きはかまわぬ、ごちそうはいかぬ、これは明らかに政府のやり方は矛盾しております。
それからもう一つこれは最近あったことですが、これは国税庁が重大な責任を持ち、従って政府も大蔵当局も全部責任を持たなければならぬが、消費層に対するPR運動と称して清酒一升に対する仲次業者への値引以外に、十円以内の経費をもって抽せんによる商品を——テレビとか何とかいうものだそうですが、商品を与える、こういうことを国税庁は公式に認可をしたのです。私はそれを役員会のときに行きまして反対したのです。それは乱売の上塗りじゃないか、そして乱売しないで済むりっぱな業者もある。それから価引きをやれば中へ友連れに入らなければならない。私の家は実は売れますのでやりませんというわけにいかない。非常な正しい業者は迷惑をしている。そういうことをしないで済むのは天下に知名のメーカーだけであって、まあまあ十のうち八、九割はその巻添えを食って思わざる損をさせられたという事実がある。これは最近国税庁の政策の結果として、これは非常に評判が悪い。値引きをしている上にこういうことをしている。こういうことはとめるのがほんとうだと思う。この点について局長の考えはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/109
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110・原純夫
○政府委員(原純夫君) まず値引きにつきましては、政府は値引きはいいと言っておるのではございません。取引でありますので取引は自由であります。そして公定価格というものは最高ですから値引きしてはいけないということは言えないわけです。むしろこの組合法によって、業界がこれは危ない、もう需給の均衡を失しないように、これの均衡をはからなくちゃならないとお考えになれば、生産業界自体がこの規制の協定をされて政府にどうですかと、こう言って来られる筋合いのもので、そういうふうに言って来られれば、私どもは十分考慮すべき問題だと思います。まだ言って来られませんので、私どもとして言って来られないものに対して、これはもう値引きをしていかぬのだという力はないのでございます。従いましてそういう段階で、おそらくその段階では非常に複雑な条件で、多数の何千という業者が生産している清酒業界でありますので、御相談はなかなかむずかしいのではないかと私どもはお察ししているわけです。業界として、もしまとまるならば私ども十分考えてみたいと思っております。
あとのくじの問題ですが、どういう何が出ているのか、ここでただいま突然伺いましたので、よく調べてみます。販売条件を規制いたしておるわけでございますので、それとあまりアンバランスなこともいけないのではないか。ただいまのは、個々の組合員の景品ではなくて、組合でまとめてやる景品ということで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/110
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111・土田國太郎
○土田國太郎君 もちろんそうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/111
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112・原純夫
○政府委員(原純夫君) 承認いたしておるというのが実際のようでありますが、なおしかし、よく調べまして間違っておりましたら……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/112
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113・土田國太郎
○土田國太郎君 それで今の生産石数は需給の均衡を失しているかどうかということが大きな問題です。私は現在は需給の均衡を失しておらないと思う。九千万人の人間が清酒三百三十万石、ほかの酒類をあげれば七百万石になりますけれども、清酒は、あなたの方でやりましたあの国勢調査でごらんになっても、七〇%以上が清酒がほしい、こう言われておるのにもかかわらず、売れないというのは、税金の高いことと、密造です。政府は密造は百三十万石と言っているが、私どもは二百万石程度と見ている。この密造とそれから政府の酒類に対する政策が適切にし行われておらないことと規則通りに行っておらないことです。こういうために業者に非常に損害を与えておるような状況です。あなたは税金はこれは高くない、安いのだとおっしゃるなら、また別ですけれども、税制調査会においても税金は高過ぎるのだが、どうも今の国情では下げることもできないのは遺憾だというふうな意味のことを言われておるような情勢です。これらは少し考えてもらわねばならないし、それと二十円か三十円引けばいやほど酒は売れる、決して余り過ぎるという状態ではないのです。結局コストが高い、価格が高いから消費者がようかわない、こういうのが今の実情ですから、結局これは政府の責任なんですよ、酒の高いということは。でありまするから、そういう高いものを政府は製造させておいて、そしてそのまま乱売を見ておるということは、あなたの方は均衡を失したとは見られないからうっちゃっておくというのでは、いささか法の精神について運営に誤りがあるのではないのですか、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/113
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114・原純夫
○政府委員(原純夫君) おっしゃる通り酒に対する税率は非常に高うございます。日本の間接税の体系の中ではまごうべくもなく高いことになっております。そういうことが戦争中また戦争あとの困難な財政を切り抜けていきますために、酒にずいぶんおんぶしたという意味で、酒を生産し販売される向きには非常に御迷惑であろうと思います。従いまして大きな方向としてこれの緩和を将来研究するということは非常に大きな問題の一つで、方向としては私はそういう方向だろうと思っております。ただ税全体の中で見ますると、やはり最も混乱しております所得課税、特に個人の所得税の重圧というようなものが従来非常に強く感ぜられておったわけで、今回の税制の大きな改正の際にもそういう意味で、この酒税の税率には手をつけないというようなことになったわけであります。なお、私どもの感じといたしましては、わが国の間接税の全体系の中で、酒税は重いけれども、一方でそれと比較した場合に、たとえば物品税系統の品物あたりでは、かなりにバランスがどうかというよう問題があるかと思います。それらを含めまして、間接税全般の体系を秩序立たせて、バランスをとるという問題が非常に大きくある。その面は、軽くすると同時に、重くするというような面も出て参るものですから、その辺の調整がなかなかむずかしい、少しこまかくわたって恐縮でありますが、それらを含めて将来この問題を十分慎重に検討して参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/114
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115・土田國太郎
○土田國太郎君 それからこの同じく四十二条の五のイですね、「左に掲げる規制を行う」というところのイがありますね、これには「酒類の原材料の購入数量、購入価格又は購入方法に関する規制」としてありますが、まあ蒸りゅう酒やなんかは原料についてはそう規制なくやっていけるのですが、清酒は食管の関係上これは民間は規制することはできないわけですね。政府のこれは御自由だということになるのでありまするが、業界安定のためには、これらの原料米についての割当であるとか、あるいは総石数、何百万石というような総石数であるとか、あるいは価格ですね、これらについても民間の意見をよく一つ御聴取下さいまして、そして円満に納得のいくようなことにしてもらいたい。どうもこれは私の方に解せないのは、大蔵省は農林省の代理行為をやっているわけでありますからね、でありまするから、あなたの方の行為はすなわち農林省の行為ということになるのでありまして、その点は先般食糧長官もここで声明されたのですが、そういうような場合にまるで官給品の払い下げを受けるよう状態で、一昨年のごときは一石について時価よりも三千円も高い原料米を押しつけられた。利益にして三十億以上のものを食管会計がもうけたというようなばかげた政策をやっておるわけでこす。一体政府は税金を非常に高いものを取るんだから、原料米まで上前をはねなくとも私はいいのではないかと思う。しかもこれは三十億くらいの上前ですから大きいですよ。そして結局これはコストが高くなるのですよ。だから売れない、脱税もしなくちゃならない。そういう結果をもたらすのですから、どうかその原料米の割当並びに価格ということについては、責任団体があるのですから、それらについて今まで聞かないとは私は申し上げませんが、もう少し親切に協調をしてもらいたいということを要望いたすわけです。
それとあわせてアルコールですね、これもどうも大蔵当局はでたらめでして、どうもでたらめばかり大蔵省申し上げるので相済まぬわけですけれども、アルコール・メーカーと清酒メーカーとの取引のときにはだいぶ両者の価格が違うのですね、売り方の主張値段と買い方の希望値段が合致しない。そのときに国税庁が中に入って、標準値段といいましょうか、仲裁値段といいますか、ある値段を発表してくれるんですね、その値段たるや実に驚くほど高い。それを押しつけようという、私は大蔵当局の考えがわからん。かように米は三十億も高くもうけて高いものを押しつける。アルコールは一石二千円も高いものを押しつける。一石二千円高で三十万石買いますと六億円も違うんですからちょっとわれわれは合計四十億も犠牲を払ってしまうわけです。両方そういうふうなコストの高いものをわれわれに預けておいて、そうしてこれをしちゃいかんの何をしてはいかんのとやかましく言って、そうしてまん中に入って清酒メーカーは立つ瀬がないですよ。でありまするから、このアルコール取引というものは非常に重要な問題なんで私もこれにはずいぶん苦労してみたんですが、うまくいかなかった。この点一つ大蔵当局は米の問題とアルコールの問題については、よく地方団体の意見を徴されると同時に、一つまっすぐな政策を立ててもらいたい。一方に傾かない。今まで大蔵当局の発表した値段で売れたためしはない。いつも二千円や三千円くらいみんな安く売っておりますよ。こういうでたらめな標準値段を発表するという手はないですよ。まことに大蔵省の信用というものは地に落ちる、われわれから見て。どうかそういうことのないように、こういうりっぱな法律ができたんですから、しかも規制には販売米の数量から価格までうたってあるようなわけなんですから、どうか一つその点十分御注意を願いたいと思います。
それとあわせてこの生産方針ですね、原さん、聞いて下さい。生産方針、これも天下りでいかん。たとえば三信醸造をやるにつきましても、きちんとしてこれ以上アルコールを使っちゃいかんとか米を使っちゃいかんとか、実に一寸一分のすきもない指令を出すんですよ。実はここに国税庁の課長もいてよく知っているのだが、そういうようなことは生産なんですからね、多少の上下、あるいは三%とか五%とかあるいは一割とかのゆるみがあってしかるべきものですよ。それをきちんとしてこれでやれと、しかもこれは例の五十条を応用するわけですが、アルコールを使うにつきましては承認を得ろというわけですが、あの承認も何も国税庁が承認しなくても、この製造方法については、政府が知っておるよりも、地方の税務署が一番個々の工場について皆知っているのです。でありますから、ああいうことは大ワクを中央できめるのもいいが、個々の生産の方針、承認というものにつては、私は地方税務署にまかせる方がいいと思う。標準だけきめて大差のないようにしてやって、中央で一寸一分のすきもないようにやるということは、メーカー、工場の状態、実情、技術等によって皆違うのですよ。それを一ぺんに一様に取りきめるというところに大なる欠陥があるのですから、どうかその点も十分一つ考えてもらわなければいかぬと思う。
それからお伺いしたいことは、密造の問題ですね、政府は百三十万石といっているから、二百六十億円くらいの脱税ですましておるが、われわれは二百万石は下るまいと思っておる。これはどちらでもよろしいが、実際密造の取締りの成果というものは、今の状態では、われわれは百年河清を待つようなものだ。われわれはこの密造酒の無税のものと闘わなくちゃならない。そのために乱売というものも起きるのですから、どうかこの点について、何か新しい構想をもって取り締る方法はないものかどうか。私は今日は常業者は何ぼか減っておると政府はおっしゃっておるようですが、逆に密造の自家用というのは、一そう拍車をかけて今日ふえて参っていますよ。特に密造の点については、これは第三国人の御承知の通り。それから思想的に相いれない連中の、これが密造でもってやっておる人がおるのでありますから。一そうその取締りを厳重にすると同時に、政府の今のやり方は、これは取り締る一方で、啓蒙ということに対して、一つも手段を施しておらない。また生活の補助ということについても、そういう悪いことをする連中に、これもしてやらなければならない。あなた方は取り締る一方だから成果があがらない。私が申し上げますのは三位一体、これを一つ実施してもらうように、新たな構想をお立てになる、お考えがあるかないか。一つ局長の御意見をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/115
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116・原純夫
○政府委員(原純夫君) 密造につきまして、いろいろ御苦心いただき、また御心配いただいて、大へん恐縮でございます。お話の通り、諸般の条件も考え合せて、これに対する策を練り、かつ、講じていかなければならないとは、まあ年来思っております。ただまあ知恵が足りませんのと、なかなか生活関係全般を律する面になりますると、各方面の協力が必要であるということから、また対象の人たちが非常に特殊な態度であるというようなこともあって、なかなか成果があがらない。それにしても、七、八年前に比べますと、これはやはり相当減ってはきておると思います。決してこれは自慢というのじゃなくて、しかしまだだいぶ多いようですから、十分努力を続けて参りたいというふうに思います。
なお、先ほど来数点御要望ないし御意見のございました点がいろいろございます。その一部には、若干誤解されておっしゃっておる向きもございますが、一々申し上げるのは避けて、お気持のうち、私どもなるほどと思う点は、十分汲んで将来やって参りたいという、概括的な御返事をさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/116
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117・土田國太郎
○土田國太郎君 それから公定価格は、大体三段に分けられておるのが原則のようですが、ビールはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/117
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118・原純夫
○政府委員(原純夫君) ビールは、取引の実際に応じまして、二段階でやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/118
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119・土田國太郎
○土田國太郎君 そうしますると、第一段階は、これは卸価格ですが、メーカー価格ですか。最後は小売価格でしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/119
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120・原純夫
○政府委員(原純夫君) 生産者価格と小売価格、その二本立てであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/120
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121・土田國太郎
○土田國太郎君 これは局長、私は人の商売を云々するわけじゃないのですけれども、均衡がとれないのですよ、これを二段にしておくということは。ビール・メーカーは、いわゆる独占事業ですよ、これは。それでしかも卸価格というものがない。こんな不合理なことはない。卸業者に対しては重大なる負担をさせて、つまり支払いの責任を持たせておいて、一箱に対して、最後へいってごくわずかの涙金ぐらいしか手数料を払わない、それが今日の実情ですよ。あのくらい資本主義の悪用されている状態はないと思う。卸業におりながら、卸業のマージンというものはとっていない、そんなばかげた話はどこにありますか。局長、その点何と考ええますか。従来の歴史々々、それだけでは通りませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/121
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122・原純夫
○政府委員(原純夫君) これはもう土田委員も御案内と思いますが、いわゆる世間で卸しと思われておりますものが、ビールの場合においては、メーカーの特約店になっております。つまりメーカーの代理で売っておるということになっておるわけです。従ってそこで売る値段が生産者価格だということで、その特約店としての、何といいますか、コミッションは、その中から取っておるというふうになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/122
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123・土田國太郎
○土田國太郎君 ただいまの御説明ですと、幾ら手数料をやれという決定はないようです。それはもう向うのメーカーの勝手なんです。やらなくともいいし、やってもいい、こういう程度にしか見られない、今のマル公の設定法は……。私はその程度にしておきますが、これは御検討を要望しておきます。
それから百一条にこういうことが書いてありますね、「左の各号の一に該当する場合においては、酒類業組合等の発起人、理事、監事又は清算人は一万円以下の過料に処する」、その次の一号から十七号まで省略するとなっておりますが、一号というのはどういう法律ですか。これはあるはずです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/123
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124・原純夫
○政府委員(原純夫君) 一号といいますのは、「この法律の規定に基いて酒類業組合等が行うことができる事業以外の事業を営んだとき」というのが一号になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/124
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125・土田國太郎
○土田國太郎君 それを営んじゃいけないということに解釈してよいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/125
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126・原純夫
○政府委員(原純夫君) その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/126
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127・土田國太郎
○土田國太郎君 そうしますと、かりに酒造組合、地方でもけっこうなんですが、ある県に酒造組合がありますね、その酒造組合が、酒に関する仕事以外に、かりに何といいましょうか、ほかの商売、仮定的にいいますと、生命保険の代理店をやるとか、火災保険の代理店をやるとかということは、酒類に関係のない業であるから、そういうものは、今かりに私は申し上げたんですが、そういうことはやってはいけないと解釈してよいんですか。これは私は法の解釈がわからぬからお聞きする程度でありますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/127
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128・原純夫
○政府委員(原純夫君) 組合が行われる事業につきましては、第四十二条に規定がありまして、その各号に当てはまるかどうかということによって、ただいまの事案もきまると思いますが、例外的なものは、おそらく十号の、「前各号に掲げる事業を行うために必要な調査、研究、製品の検査その他の事業」というあたりに該当するものということであろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/128
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129・土田國太郎
○土田國太郎君 そうしますと、今私が仮定的なんだが、聞いた問題については、それはやってはいけないという部類に入るのですか。関係がないのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/129
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130・原純夫
○政府委員(原純夫君) それはこの組合としておやりになるのはちょっといかがかと思います。酒類業組合の事業ではなかろうと思います。やるならば、何か別に作っておやりになったらどうであろうかというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/130
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131・土田國太郎
○土田國太郎君 その点は私も同感なんですがね。まあああいう団体がほかの業態に手を出すことは、私はもちろんお取締り下さることはけっこうだと思いますがね。そのままいいだろうというようなことで、またその国税庁主義でいいかげんなことをされると困るから、念のために申し上げておくわけなのですが、どうかそういうように一つ厳重に、ほかの業態をさせないように、手を出してまた損でもすると困りますから、取締りを願いたい。
それからせんだって大蔵当局は、運賃が一割三分上ったから、清酒の販売値段を一円だけ引き下げると、そうしてその分を販売業者の力にやるのだ、こういうようなことで一円引き下げられたことは、局長もお承知の通りでありまするが、とにかく一升何百円、あるいは千円というようなものが、その価格に対してですね、一円原価が安くつくから、一円だけその値段を引くというようなことは、私は神様でなければできない芸当だと思うのですがね。何百円の高に対して一円ですよ。ここに国税庁の課長もおられるようですが、びんの公定、マル公に対する価格の決定の際に、びんは幾らに見ておられますか、今それをまず伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/131
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132・原純夫
○政府委員(原純夫君) 三十円と見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/132
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133・土田國太郎
○土田國太郎君 三十円……。今日びんの値段は……よろしゅうございますか、新びんをもって私は申し上げるのですよ。新びんで三十円、それに箱が入りますからね、一本四十何円ですよ。それをマル公では三十円にしか計算しておらぬでしょう。そこに持っていって一割三分運賃が上ったから、一円これをメーカーに持てというのは、あまりにも私は実情に即しないやり方じゃないか。まことに大蔵当局は血も涙もないやり方じゃないですか。記帳面に、帳簿に現われたところで、しかもその計策の方法たるや、われわれの計算をしておるのと、大蔵当局の計算しておるのとでは逆なんです。われわれは二円五十銭くらい今年のコストは高くつくのだ、それを大蔵当局は、逆に二円五十銭くらい安くつくのだ、こういうそろばんだ。そろばんだから勝手なそろばんはできますよ。事実私が先ほど申し上げましたように、販売費なんてものはこれは非常な膨張……、これは合成酒の例の新清酒問題で、組合費を二倍も三倍も負担しておるようなことであるが、一事が万事、宣伝費も相当たくさんかかる。そういうようなことは、かりに百円かかったものを、政府の見るところでは三分の一も見ちゃくれないような状態なんです。非常に計算方法に私どもは疑問を持っておるのです。しかも私先年、これは原局長も御承知だったと思うが、米の値段を非常に高くされて、非常にコストが高くついた場合に、すぐ値上げをしてくれと言ったら、待てと言うので、まあがまんをしてくれと言うので、あのとき五円上げて、あとで上げてもいいのだが、今は困るから、酒の値段が上ると消費生活費が上るというので、待てと言うので、われわれにがまんをさせたこともあるのですよ。がまんするときにはこっちにがまんさせて、そして勝手なことをする。それで卸業者の要望はオーケーでもって、一円くらいのわけのわからないものを生産者から引く。しかも二十円も三十円も値引きしている上に、また損金を負担させるとは、まことに変なやり方だろうと思うのです。これは当を得ていないのじゃないですか、こういうふうに考えるわけです。まあそれは原局長の答弁を得てもしょうがないから、答弁は要しませんが、業界の意思だけ申し上げまして、私の質疑は終了いたしますが、いずれこれは採決の際には、討論として正式に申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/133
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134・野溝勝
○野溝勝君 二、三お伺いいたします。私は土田さんのように専門家じゃないので、あるいは質問にもちょいとピントをはずれるかもしれませんが、その点よろしく願っておきます。
今度の酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案の理由を見ますると、あまり大した理由がないのでございまして、また条文なぞを検計いたしましても、どういう点でこんな必要があるのかという疑問を持つのでございます。ただ変ったという点、特徴の点は、酒類業組合に総代会を設けることがまあ中心になっておるようでございます。これ以外に何か大きな理由がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/134
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135・原純夫
○政府委員(原純夫君) それが一つの大きな理由でありますが、もう一つ、この規制事業、この事業の認定条件を従来よりも広げたということと、規制事業の中身を広げたということが大きなもう一つの柱でございます。従来は、この事業の経営が不健全となったために税の納付が困難になるというような場合にだけ発動し得るということになっておりましたが、これを「経営が不健全となっており、又はなるおそれがあるため、」云々というふうに条件を広げております。それから規制の内容にいたしましても組合員が製造いたします酒類の原材料の購入価格、購入方法とか、あるいは販売するために購入する酒類の購入石数、購入価格、購入方法、あるいは規格、意匠というようなものについて規制が行い得るということに改めて、規制の範囲を拡げるということにいたしております。
これらは今回の団体法とは必ずしも照応いたしませんが、団体法の前の安定法くらいのあの規制力は持たしてしかるべきじゃないかというふうに思っていたしましたわけであります。
なお、こまかい点で、この検査員の制度、あるいは公定価格の制度等々の、調整的な改正がまだ三、四点ございますが、大きな点では、ただいま申しました点が大きな点だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/135
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136・野溝勝
○野溝勝君 ただいまのお説を聞くと、理由には、総代会の規定と、それから規制の点が特徴であるという局長のお話でございますが、特にその御答弁の中に、業界の安定を期するためということをお話になったのでございますが、してみると今日までは不安定なところがあったのでございますか。具体的にお聞きいたします。大体は保税が中心らしいのでございます。当局は本年度収入予算において大きな蹉跌でもきたしはしないかという心配からですか。何かそういう事由があってこの法案が提案になっておるようでございますが、その間の事情はいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/136
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137・原純夫
○政府委員(原純夫君) 酒は御案内の通り小売価格の三分の二くらいが税金なわけでございます。で、普通のこの税というものを考慮しないでやるともっとうんと安く売れるわけです。それを重い税金をしょって生産し販売されているわけですから、生産者が売って代金の回収をはかるという場合におきましても、円満にそれが末端京でいって売れて金が入ってくるということについては相当問題があるわけです。どこかでつまずきができれば支払いが停止される。そうすると生産施設の代金の回収がうまくいかない、そうしますと生産者が税金を払うときに、金が入ってこないから払えませんということになるわけです。そういうようなわけで、この法律が数年前にでき、その前もすっとこういう関係の団体があったわけです。つまりいわば重い荷物を頭の上に乗っけてみんな仕事をしているということで、一人が倒れると連鎖反応するといったようなたとえが言えると思います。そういうようなわけで、酒税の保全が大事であるが、それにはやはり業者が秩序正しく動くというような前提がないといけないということが、もう従来からずっとそういう考え方でやっております。この考え方がこの法律の根本になっております。幸いにこの戦争中、また戦後原料の苦しかった時分におきましては、いわば酒類が売手市場でありまして、代金の回収などはあまり困難なかった。だんだんそれが原料事情が緩和して参りまして、もうすでにしょうちゅう、合成酒という部面において供給が過剰気味だというようなことから、かなりにそこに困難が起ってきております。米から作る酒につきましては、まだ米の統制があり、米の配給量が自然にまかせた場合よりも押え目になっておりますので、若干事情は違いまするが、そういうようなわけで、基礎的な条件は戦争中または戦争直後の条件に比べてかなりにこの条件が悪くなってきておる。ただしそこでもうすでにくずれが出たかといいますと、酒税の滞納は今ほとんど言うに足るほどのものはございません。表にくずれが出ているところまではきておらないということでございます。ただし潜在的にそういうおそれが相当ある。現にまあ先ほど土田委員もお話しになりました、小さい業者で力の弱い者が倒れるというようなことが実際はあるのでございます。ところがまあそれらの連鎖反応を起させないために、何とかそういうものの整理にもいろいろな配慮を使って、連鎖反応が起きないようにやっているというのが実情であります。今後そういう勢いはますます強くなるというふうに思いますので、この法律の重要性は今後ますます高まるのじゃなかろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/137
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138・野溝勝
○野溝勝君 質問の順序でこのことを一つ聞いておきたいのでございます。酒類業界の安全を期するため、同時にそれは裏を返せば、酒税の保全ということも含まれておると思うのでございますが、一体政府は千九百億の自然増収を見込んでおったのでしょう。その際、酒税に対してどのくらいの自然増収があるものと予想を立てておったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/138
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139・原純夫
○政府委員(原純夫君) 酒税では百五十億でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/139
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140・野溝勝
○野溝勝君 そうするとその百五十億も何だか最近は危くなってきたというような展望の上に、かような法案が必要になってきたというふうに解釈してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/140
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141・原純夫
○政府委員(原純夫君) 百五十億の自然増収は、一方で酒類の業界における秩序が、改正されますこの法律案によって、あとう限り市場が維持されるということを前提にしてできております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/141
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142・野溝勝
○野溝勝君 その点は率直な御回答を願いましてわかりました。その問題につきましては、むしろ大蔵大臣と私は論戦をしたいと思うのでございますが、かように確保でき得ないような予想の上に立った、無定見の自然増収予算に対しましては、まことにその軽率を成しめるとともに追及したいと思うのでありますが、きょうこの場合は、省略いたします。
それからもう一つお伺いしたいと思うのでございます。この酒類業者ですが、酒類業者というのは、これは清酒、新清酒——合成酒、しょうちゅう、そのほかに雑酒も含むのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/142
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143・原純夫
○政府委員(原純夫君) 雑酒も果実酒も含みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/143
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144・野溝勝
○野溝勝君 最近酒屋すなわち清酒製造の方に対しましては、先ほど土田さんがるるお話しになって、経営上利益が少い、やり切れぬというような御意見ですが、合成酒の方からも聞いてもそうだし、ビールの力の意見を聞いてもそうらしいのでございますが、ひとり雑酒の方の意見を聞かないからわからないのですが、株式相場欄などを見ておると、ビールはそんなに悪いようにも思えません。まあ私たちの目から見るというと、あまりよくもないかもしらぬが、まあまあというふうに感じております。ひとり雑酒の利益はあると見え、非常な勢いで発展をしておるようなんでございますが、政府は、大蔵当局は、雑酒の育成強化というか、特別な何か指導援助でもするつもりでおられるのですか、そういう御意向はあるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/144
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145・原純夫
○政府委員(原純夫君) 特別に雑酒について育成強化を特にやっておるから伸びておるというようなことでもないと思います。私どもとしては、どの酒類ということでなしに、言葉がちょっとむずかしゅうございますが、いわば公平な態度で臨みたい、やはり雑酒の伸び、それからビールがやはり相当伸びております。この辺は、国民の消費の動向がその辺にかなり顕著に出てきておるのではなかろうか。非常に抽象的でおわかりにくいかもしれませんが、まあビール、雑酒のようなものは、昔ほど、昔における感じは非常に都会的な感じが強かったんじゃないか、だんだん時代が移って、都会的でない部面においてもそういうような嗜好が出てくる。これがある意味では戦争中の統制による配給がそうさせたという見方もありまするし、まだ、だんだんと所得が戦前に戻り、また戦前をこえるというようなことからもきておる。また世の中の色合いがだんだんそういう式に変ってきておるというようなことがあるかもしれませんが、主としてはそういうことで雑酒、ヒールというものは伸びておるのじゃなかろうかと、私どもは見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/145
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146・野溝勝
○野溝勝君 そこで、今度は第四十二条の点について、お伺いいたします。
第五のところで、「組合員の製造又は販売する酒類の需給が均衡を失した」ということを理由に書いてございますが、先ほど土田委員のお話をお聞きしますと、乱売に次ぐ乱売、業界の悲劇を先ほど叫ばれておったのでございますが、一体さように乱売をして、業界が全く混乱をしておることは、一体、酒税の保全を期することは困難ではないか、さような混乱を防ぐという努力をなぜ払わないのか。特に今、外国からだいぶウィスキー初めその他洋酒類が入っておるのでございますが、日本の業界が混乱し、清酒、合成酒がまことに困っておる際にですね、あえてかような混乱を調整し、その真意を確かめて直そうということに努力を払わず、外国の酒が入ってくるのを当局は傍観しておるということは、日本の産業を守る上から残念に思うのでございますが、この間の事情について一つ御説明を願えれば幸いだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/146
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147・原純夫
○政府委員(原純夫君) まず乱売防止ができてないじゃないかというお話でありますが、これは野溝先生に説教がましく申すのではございませんが、乱売は裏から返しますと、この競争の結果で、その結果安い価格でだんだんと物が売られていくという現象の一環でありますから、それ自体として悪いのだということを言い切るわけにもいかないと思うんです。が、一方で酒につきましては、先ほど申したような重い荷をしょっておるということから、あんまり競争が過ぎて、出血販売というようなことになりますると問題だというわけで、そういう場合に対処し得るように、このただいまお願いしておりまする法律で業界が自主的にこれを行う、そういう事情があって、どうしても業界でできないという場合に、大蔵大臣が命令を発することができるということになっておるわけで、先ほど土田委員のお尋ねにお答えしました通り、乱売防止についての業界の自主的な協定ができて、認可の申請がありますれば、ゆっくりした態度で私どもは考えたいにいうふうに思っております。
なお輸入酒につきましては、現にある程度入ってきているのは御承知の通りで、酒の市場ということ、また国内の酒を消化するという見地からいいますると、おっしゃる通りマイナスの面があるわけでありますが、他面、この貿易上いろんな国との貿易協定ということをやります際に、やはり協定というものはギブ・アンド・テークでありますから、ある程度まあ酒のようなものでも買わざるを得ないということがあると思います。で、まあ私ども酒を所管する立場においては、なるべくそういうものは押えたいという気持でやっておりまするが、日本の政府全体として、国全体として協定いたします場合には、諸般の他の輸出を促進したいというような希望と調和さして、まあ毎年最低限度のところで事を決しておるというふうにいたしておるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/147
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148・野溝勝
○野溝勝君 一体乱売々々と言うけれども、大衆には別に酒類が安く売られておるわけでもないのですが、どこで一体乱売をしておるのですか。多分卸売業者か製造業者のところでそういうことをやっておるんじゃないかと思うんですが、そうしてみると、製造業者は乱売をしておるということになると、いかにももうけておるか、破産の一歩手前の行為と思われる。税金は待ったなしにとられるし、大体生産石数は規制されておるし、してみると乱売できるわけはないのでございますが、乱売ができるところを見ると、どうも割り切れぬのでございますが、これはどこで乱売しておるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/148
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149・原純夫
○政府委員(原純夫君) おっしゃる通り実際に小売価格まではくずれておらないのが一般の状況で、生産者と卸の間、卸と小売の間ですね、この間で値引、まあ乱売と言われる現象が起っております。まあその辺には、しからば生産者の利潤がどうかというような点ともかなりデリケートな問題がございます。何分戦後非常に原料事情が苦しく、いわば非常にゆがんだ業態でありましたのが、だんだん原料が自由になってくる。で今非常に大きな過渡期でありまして、私どもその辺を非常にはっきりと割り切って握るというところまでいき切れない。また、こういうこの過渡期の次の時代というものは、おそらくまあより自由な時代であろうと思うわけですが、まあそういう場合になってどうなるか、おそらくそういう場合には、個々の仕切り販売価格を法律に基く権力で規制するというようなことでなくて、それは自由であると、しかし、この業界が混乱し、そのために酒税の保全が期せられないというような場合に、この法律で自主的に規制が行われるというようなことへ動いていくべきではなかろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/149
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150・野溝勝
○野溝勝君 あと一点だけ聞いて、一つ他の同僚委員がされる質問の過程において関連して質問することにいたしたいと思います。
その最後の一点でございます。先ほど土田さんから製造業者の困難な事情、困る事情をいろいろ訴えられたのです。私なども実は女房のうちが酒屋で、製造家から小売から十数軒の親戚を持っております。酒事情に関しましてはまあしろうとながら、いろいろ聞いておるのでございますが、そのうち一番その悲劇といいますか、盛んに泣きごとを言っておるのは、小売業者の親戚でございます。一体あのマージンがいかにいっても少いのでございます。大衆と直接交渉を持つ小売だけに一番危険を冒し、損失負担をしています。一つメーカーから卸という段階におけるマージンを少くして、もっと小売にマージンを多くするような処置はできないものか。(笑声)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/150
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151・原純夫
○政府委員(原純夫君) 私どもとしては、この三者のバランスをとって考えておるつもりでございますが、せっかくの御意見でございますから、なお十分研究さしていただきたいと思います。
なお終りに近づいたようでありますから、先ほどお答えしました中で数字の間違いがありましたので、訂正さしていただきます。
三十二年度予算の酒税収入見込みは、三十一年度予算額に対して先ほど百五十億と申し上げましたが、百六十億九千七百万円の増収を見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/151
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152・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 他に質疑はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/152
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153・天田勝正
○天田勝正君 私はまずほかの委員諸君と違って、細かいところから質問をいたします。
それは今回のこの法律の中で第二条、第六条等にある「焼ちゅう」なんというのが、漢字をやめてひらがなにみなしちゃった。「味りん」なども同様であります。さらに「あっ旋」というのも、これもひらがなにした。まあこれ自体はいずれにしてもやさしくなったことでありますから、あえて反対的な意見をここに述べるつもりもありませんけれども、他の法律を見るというと、まことにその持って回ったような表現を盛んにしておるのに、これだけは急にこういうふうに——元来焼くなんという字は、普通今でも使っておるけれども、そういうのをやめてまでひらがなにするという必要があるのかどうか。元来この法律自体が、適用がすべての人に適用されるのでなくして、酒類業組合などというふうに規定しておって、酒類業の人に適用される。そうしてみれば、これらの人はこうした字にはそもそもなれておって、一向これをやさしくしたから大へん法律の進歩だなどということは考えられないと思うので、何か時があると少しこういじってみるというようなことではなかろうかと察するわけですが、こうしたのは一体どういう理由ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/153
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154・原純夫
○政府委員(原純夫君) こういたしましたのは、読み方がはっきりと間違いないように持っていこうという政府の方針で、法制局における法律の審議におきましても、今後こういうところはこういうふうにしようというふうになっておるのでございます。つまり「しょうちゅう」か「やきちゅう」か、「みりん」か「あじりん」かというような疑点を一切残さないようにというようなことで、まあそれもほかのそれじゃ漢字を使えばいいじゃないかという議論になりますが、こういうかなと漢字の重箱のものはかなにしていくというようなことで今後やっていこうというふうなことになりましてやっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/154
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155・天田勝正
○天田勝正君 さっきもう一つ私指摘したのですが、たとえば「あっ旋」という場合に、今のは、まあお答えの「みりん」というのを「あじりん」かどうかわからぬと、そういう人もまあなかろうかと思うけれども、酒類業者にはなかろうと思うけれども、しかし、そういう心配があると、なかなか大蔵官僚もたまげた親切がここに出てきたわけですが、「あっ旋」というのはほかに読みようがなかろうし、このくらい読めると思いますが、もしこれをやさしく理解させるというのなら、取りなしとか取り持ちという形にした方がまだわかりやすい。ただ読むのは同じくあっせんと読むと、こいつはどうも、わざわざこう一ついじってみたという気がしますがね、これはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/155
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156・原純夫
○政府委員(原純夫君) やはり「あつ」の方が当用漢字がありませんので、さっきと同じようなことで「あっせん」とかなにしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/156
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157・天田勝正
○天田勝正君 それから総代会の規定のところでありますが、ここにずっといろいろありまして、そのうち、総代会においては三年をこえることができないというので、任期の制限をここに付しております。このことは、私が察するに、そういたさないと、だんだん人事が停滞する、総代自体が同じような人が長く続くということは、おのずから、今度は組合の役員の人事が停滞する。いわゆる端的に言ってボス化する。そういうことを防ごうというのが、この規定ではないかと思うのですが、さようですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/157
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158・原純夫
○政府委員(原純夫君) その通りであります。他の例では、協同組合法あたりもそういうような規定を置いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/158
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159・天田勝正
○天田勝正君 そうだとすれば、これは一つの、任期については三年をこえてはならない、こういうことなんですが、結局これが再選をしてはならないとか、あるいは再選まではいいけれども、三選はよろしくないとか、何かそこへ制限をしなければ、結果は同じになりはしませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/159
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160・原純夫
○政府委員(原純夫君) その辺は、一応任期をこういうふうに切ってありますれば、そのときそのとき、いわば切りかえですから、組合員が判断して、あまりに何選もするということはないようにということは、自然に出て参るのじゃないか。その選はその程度にしておいてよろしいのじゃないかと思ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/160
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161・天田勝正
○天田勝正君 四十二条のことでございますが、酒類業者の経営が不健全になっており、またなるおそれがある、こういう拡大がそこに行われたわけですが、この「なっており」というのは現実ですから、すぐ判定できると思いますが、「なるおそれがあるため、」というのは、一体何人が認定するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/161
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162・原純夫
○政府委員(原純夫君) これは自走的に発動します規定でありますから、組合が判断して、そういうおそれがあると思えば規制を行うことにして協定をして、そして政府の認可を申請してくる。ですから組合はこの協定を作る際に判断をする、政府は認可をする際にその立場において判断をするということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/162
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163・天田勝正
○天田勝正君 この項は私もそう読んだのですが、ところが、一方八十四条には、今度は大蔵大臣が同じように酒類の需給の均衡を失するとか、あるいは取引の正常の逆行が阻害され云々と、こういうようなことを認めると、今度は規定がここにあるわけです。そういたしますと、大蔵大臣が一々酒類の組合を管理するわけではないのでありますから、従って末端としては一体どういう人がこういうのを認めてきて、大蔵大臣の認定という形の手順になってくるのですか、税務署ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/163
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164・原純夫
○政府委員(原純夫君) 具体的にある事態が生じた場合の判断でもございますから、そのときそのときの具体的な事情によって、経営が不健全になるおそれがあるかどうかをその場合に判断する以外にないと思います。ただいま抽象的には何ともお答えいたしかねると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/164
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165・天田勝正
○天田勝正君 その場合々々だと思いますが、それを末端で認定して、いわゆる大蔵大臣に上申といいますか、報告するというか、そういうことをやるのは税務署ですか。どういう機関でやられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/165
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166・原純夫
○政府委員(原純夫君) 組合が「大蔵大臣の認可を受けなければならない。」というのが四十三条に出ておりますから、組合で総会の議決によって規制について協定を設定する、そうしてそれについて大蔵大臣の認可を申請するということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/166
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167・天田勝正
○天田勝正君 そうすると、八十四条は、私はこの条文を見るというと、三行目のところで、「又は行われるおそれがあると認められる場合においては、」と、こう書いてありますから、どこの申請がなくても、条理上大蔵大臣自体認める場合があるんだと、こういうふうに読むわけですけれども、そうではないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/167
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168・原純夫
○政府委員(原純夫君) その通りであります。ただいままで申して参りましたのは、組合側で自主的に、これは大へんだから一つ協定しよう、協定したら認可を申請するという系例の自主的な規制の仕方が一つ。それからもう一つは、政府の側から、これはほっておけばいいというので、勧告をし、命令をするというのが、ただいまおっしゃった八十四条で、この場合にはもう組合の判断というのでなくて、政府が自分の判断でやるということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/168
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169・天田勝正
○天田勝正君 私はそういうふうに解釈しているがゆえに、さように、大蔵大臣が自主的にさような認定をする場合には、一体末端機関はどういうところでございますかということを先ほど来聞いておるわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/169
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170・原純夫
○政府委員(原純夫君) この場合にはこの当該業界の状況につきましてあらゆる資料を集めるということになろうと思います。その資料は、大蔵大臣がその職の機関を使いまして集めてくる、もちろん、国税庁本庁はもちろん、国税局、税務署というようなところが官庁としては窓口になろうと思います。その他あらゆる面からの情報、資料等も入れて、総合判断するということになろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/170
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171・天田勝正
○天田勝正君 私はこのことを質問する意図を原局長、言っていないから御存じないのは無理ないのですが、私がこのことを質問するのは、これで不当な干渉が行われはせぬかどうかということを心配するがゆえにお聞きしているのです。いろいろな材料をもって総合的に判断する。これは抽象論ですが、事実は、それぞれの土地における税務署か何かが、結局私は不健全だというようなことを大蔵大臣に言ってくるのではないかと、こう思っておるわけなんですけれども、さようではないのですか、税務署ではございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/171
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172・原純夫
○政府委員(原純夫君) 大体御心配のようなことはないと思います。と申しますのは、この業界の経営の不健全ということは、ある税務署単位の、一税務署の地域内においてだけそれが起るというようなことでなくして、おそらく国全体の需給がバランスを失するというようなことからくると思います。この八十四条の頭にも「酒類の需給が均衡を失したことにより、」云々と書いてありまするので、そういうことは、やはり全国的、経済的なベースで起っている。従って大蔵大臣の判断につきましても、また組合側の判断につきまして、全国的なベースでの判断で事が決せられることになろうかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/172
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173・天田勝正
○天田勝正君 私は今の答弁のように、その点が心配なければよろしいのでありますが、ここに業者の土田さんもおって、かようなことを申し上げるのはいかがかと思いますけれども、何せ酒類の需給が均衡を失したという場合に、その場合にも二通りあると思いますが、かつてのように売手市場というようなときに、これは事実税務署へ行けば酒は幾らでもあるのですね、そういうときに。それで当時、私は実例も知っておりますけれども、レクリエーション、野球の試合等に行く場合でも、税務署チームはそれはものすごい酒を持っていった。そういうことで、少しくこの条文を拡大解釈でもして、税務署の職員が立ち入ってこれに介入しようとすれば、やはりそれはいいことは起きない。で、不均衡——「需給が均衡を失したことにより、」云々というまず前提があるからというけれども、その下の方には「酒類販売業の経営が不健全となっており、又はなるおそれがあるため、」なんというような言葉があるし、酒税の「滞納又は脱税が行われ、」というようなこともあれば、幾らでも、この初めの前提の方なんかまずやめておいて、役人が下の方の条件をとらえて、いろいろ業者に臨むというようなことは私はあり得ると思います。それを心配しておるので、さようなことはないように一つ御注意を願いたいと思います。
それから、さっきの四十二条のところへ移りますが、野溝委員もこの点については質問されましたけれども、私どうも不思議なのは、われわれが買う場合にはきまった価格しか、売手市場であろうと買手市場であろうと、買えることはない。しかし一面乱売だ、またそのために倒産の事実もあるのだというさっきのお話です。そういたしますと、製造業者が乱売をする、それで今度それを受ける卸売業者が乱売する、ここまでは乱売があるでしょう。ところが、その製造業者、または卸売業者が乱売するということは、即小売業者は今度はその分だけもうかる、こういうことにもなるわけなんです。われわれが買う場合にはちっとも乱売されておりませんから、それはおのずからの帰結で、そういうふうに大蔵省は見ておるわけですか。乱売があれば小売業者はもうかるのだ、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/173
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174・原純夫
○政府委員(原純夫君) ただいま小売価格がくずれないで、生産者価格、卸売価格が値引きが行われるという状態にあるというのは、競争が完全にフリーに行われた場合と対比して考えますと、かなり特殊な段階にあるのじゃないかというふうに私ども考えております。まあ、もう少し需給がゆるんで参りますれば、やはり小売価格においても問題が起るのではないかというふうに思っております。一方、小売のマージン、それから卸売のマージン、これらは戦争、戦後の非常に正常でなかった市場状態におけるマージンの、何といいますか、惰性も若干あるのかもしれない。まあ、あると言い切ってしまいますと、また、私ども困ることになるわけですが、あるのかもしれない。その辺に、それらのマージンについての要求というようなものもあって、その辺のところで問題がまだ渦を巻いているにとどまるということであるかもしれない。この辺はまあ非常に商売のむずかしいところでありますから、私どももすぱっと割り切ってどうこう申せないのですが、少くとも現在かなり過渡的な状態であるというふうに見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/174
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175・天田勝正
○天田勝正君 まあ、わかったようなわからないような御答弁ですが、それはよろしいです。それからやはり、私はこまかいことを質問すると申し上げたので、最後にもうちょっとこまかいことを聞きますが、一体この法律は「酒類業組合等」、こういう題目なんです。そうして条文の中にも、今度は分類して、「酒類製造業者等」あるいは「酒類販売業」というようなことがあちこち出てきます。この「等」というのはどういうのですか。等々と使わないたって、酒類業組合、それでいいのじゃないですか。組合もそうだし、組合の場合には「等」をつけなければならない場合があったとしても、製造業者とか販売業者とか、こうやはりそこに等々というものをどうしてもつけなければならぬ理由がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/175
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176・原純夫
○政府委員(原純夫君) この法律で規制いたします単位は、個々の単位組合のほか、連合会、中央会というものがございます。それらを総称いたします場合に「組合等」と一、問うております。それからその他「製造業者等」「酒類業者等」というのの例について例示で申し上ます。第一条の中で「酒類製造業者等が」というておりますのは、ここでは販売業者も入るという意味で、「酒類製造業者」を立てて、外を「等」でくくっておる。それから第一条で「酒類業者等」といいますのは、これは組合も入るという意味で等を入れておるというわけであります。それぞれそのような意味合いから「等」を使っておる場合が若干あると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/176
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177・天田勝正
○天田勝正君 もう一点伺いますが、さっき質問しました八十四条によって規制する場合、大蔵大臣がこれこれするということがありますが、さて酒類を作るためには統制物資であるお米を使うという問題があります。そういたしますと、その部分に関しては大蔵大臣も監督をするし、農林大臣も監督をする、こういうことになるのが条理上正しいような気がいたします。この条文では別段その規定がどこにもないような気がいたしますが、そういう監督等は大蔵大臣だけでこれはやるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/177
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178・原純夫
○政府委員(原純夫君) お米の配給統制の一環としての酒造米の統制という面におきましては、食糧管理法に基きまする農林大臣の権限は行使されておるわけであります。この法律におきましては、そういう面からでなくて、需給が均衡を失した場合に、それを政府の勧告命令によって規制して参ろうということでありますが、そういう際に、必ず食糧管理的なものが入るということはないわけで、それは必要はあろう……。食糧管理の必要から原料米は統制されるという面におきましては、食糧管理法の系列で農林大臣の権限が行使されるということで、これはよろしいのではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/178
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179・江田三郎
○江田三郎君 関連して。今の問題は米のことはわかりますが、たとえばブドウ酒を作る場合の原料であるブドウであるとかあるいはイモ、澱粉とか、いろいろな問題があるわけですが、そういうような規制をする場合に、大蔵大臣だけが監督をしていくのか、そういうものについては、農林大臣と連携をしてやっていくのか、その点はどうなっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/179
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180・原純夫
○政府委員(原純夫君) そういうものについての規制が、農林行政上重要な考慮をわずらわさなければならぬというような場合には、政府部内における実際上のことで連絡をいたすということになろうと思いますが、この法律の予定しております事態の場合に、必ずそういうことがあるかどうか、必ずしも一律にやるとは言い切れない。またそれを特に、「ある場合については」ということを書くほどの問題ではないのではなかろうか、そういうことはまあ万般の場合に政府の各省が間にあることでありまして、事柄は、一定の酒類の需給の均衡が阻害されて、それが不健全になるという場合の問題でありますから、それは政府の窓口としては大蔵大臣でよろしいのではなかろうかというふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/180
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181・江田三郎
○江田三郎君 いろいろな原料はありますけれども、ブドウなんというものは大きなものでないというような見方ができるかもしれません。しかし産地にとっては大きな問題ですね。しかしブドウなんかよりも特に問題になるのはイモの問題です。そういうことは規制をする場合に、購入の価格とか購入の方法の規制ということを大蔵大臣だけでおやりになるというのは私は変じゃないかと思うので、当然こういうような問題が起きた場合には、農林大臣との協議ということが必要になってくると思うのですが、そのときにはどうされるのですか。何か政令でそんなものを作るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/181
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182・原純夫
○政府委員(原純夫君) いろんな場合にそういうことは起きますので、それを何と申しますか、ある程度以上の大きさのものである場合はおそらく相談するということになるだろうと思います。その辺は政府部内における実際上の連絡、相談におまかせ願ってよろしいのではなかろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/182
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183・江田三郎
○江田三郎君 政府にまかしておけばいいんだと言ったって、政府自身の中で、従来も御承知のように、いろいろ権限争いや、なわ張り争いをやってきているわけで、そういうイモ、澱粉のことだって必ず……、もしそういう事態にぶつかったら、まあ規制をしなかったらいいんですけれども、著しく不況な状態になってきて、購入価格または購入の方法に対する規制などをイモ、澱粉等についておやりになるということになれば、どうしても私は問題になると思うのですが、それはもう大蔵省だけでやられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/183
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184・原純夫
○政府委員(原純夫君) 実際には緊密にそういう場合には連絡をとって現にやっておりまするし、今後の運用においてもそういたさなければならないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/184
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185・江田三郎
○江田三郎君 もう一つ、だんだん法律の内容や字など、かなり直しておられるわけですね。常用漢字か何かによって、今後ずっと法律というものは、常用漢字以外のものは字を変えるというやり方ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/185
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186・原純夫
○政府委員(原純夫君) 当用漢字、常用漢字の制度のできます前に、二つ以上の漢字でできておった言葉は、その一つ以上の漢字がなくなって、かなになるという場合に、まあ最近までは漢字とかなの混合でその言葉を表わしておったのですが、今後はそういう場合はすらっと全部かなにしていこう。片方の字は残っているという場合でもかなにしていこうということで、統一して法律の言葉を書いていこうということになりましたので、今回の改正でもそういうふうにいたしているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/186
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187・江田三郎
○江田三郎君 いいことをおやりになっていると思うのですけれども、いっそのこと、そういうことをおやりになるならば、たとえば「あっ旋」というような字をかなで「あっせん」とこう書くことがいいのか、あるいは漢字をただかなに変えるということでなしに、もっと漢字で使える言葉をそこえ持ってくるということがいいのか、そういうことも私は問題になる思うのでして、わざわざ「酒類の販売のあっせん」と書かんでも、酒類の販売「の世話と書いてもけっこうわかるのじゃないかと思う。まあ余談を申し上げましたので、返事は要りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/187
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188・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 他に御質疑ございませんか。——御質疑もないようでありますから、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/188
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189・土田國太郎
○土田國太郎君 私は本法案に賛成するものであります。酒税の保全及び酒類業組合等に関する政府提案のこの法律案は、酒税の確保には十分とは言えませんが、ある程度役に立ちまするが、酒類の取引安定につきましては、関係官庁が従来のような態度では、業界の安定を期し得られないのであります。どうか大蔵当局におかれては本法案の趣旨を忠実に厳守せられまして、密造取締りの効果いかんは、直接国家歳入に至大の影響があり、酒類の種別明示のごとき点は特に厳重に取締られたい。
ついては業界安定のため、付帯決議を付して賛成いたします。
附帯決議案
政府は、本法の施行に当り、次の事項について必要な措置を講ずべきである。
一、酒類業界安定に資するため原料及び生産方針、免許等については、当該組合の意見を徴すること。
一、酒類の種類等の表示方法を、消費者が容易且つ明確に識別しうるよう改善強化すること。
一、密造取締の成果の完を壁期するため、適当の施策を講ずること。
以上発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/189
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190・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 他に御発言はございませんか。——別に御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成のお方は御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/190
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191・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 全会一致であります。よって本案は可決すべきものと決定いたしました。
次に、討論中に述べられました土田委員提出の付帯決議案を問題に供します。
土田委員の付帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成のお方の御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/191
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192・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 全会一致であります。よって土田委員提出の付帯決議案を本委員会の決議とすることに決定いたしました。
なお、諸般の手続は、先例により委員長に御一任願いたいと思います。
それから多数意見者の御署名を願います。
多数意見者署名
木内 四郎 西川甚五郎
江田 三郎 平林 剛
天坊 裕彦 青木 一男
佐藤清二郎 田中 茂穂
土田國太郎 苫米地英俊
宮津 喜一 大矢 正
栗山 良夫 杉山 昌作
前田 久吉
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/192
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193・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 次に、中小企業の資産再評価の特例に関する法律案を議題として、質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/193
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194・大矢正
○大矢正君 きのう午前中質問させていただいたので、今さらこまかい点に対する質問をいたそうと思いませんので、勢い私の申し上げることは、これからの本法の運用に対する希望意見というふうに解していただいてけっこうだと思うのでありますが、黙ってこのまま賛成をすると、社会党も衆議院で二%が一・五%になり、二カ年の期限が三カ年になったのみで百パーセント満足して賛成をされたなどというふうに思われると心外なので、私はこの際、念のために明らかにいたしたいのでありますが、本来でありますれば、せっかく今の好況の中で中小企業の資本の充実をはかって、中小企業それ自体を安定させようという非常に思いやりのある気持から考えられたことなんでありますからして、いま一歩この考え方を前進し、資産再評価税によって、評価がえをしたくてもできないような事態がないことをほんとうは心から念願をしたいと思うのであります。しかし修正されたとはいえ、一・五%の三カ年という期限では、なおまた今回の第四回目の門もくぐれないで、評価がえをすることができない中小企業が残るのではないかという気がするのであります。私は極端なことを申し上げるようでありますけれども、無税にするなり、あるいはもしも無税が他との均衡を破り、あるいは将来の法人税の問題に関連して水増しをされる危険性がありとすれば、ほんとうのわずかな額にとどめて、本法の実施をはかるのが妥当だと考えておりますが、遺憾ながら、この点は昨日の質問の中では、どうしてもそれをすることができないという政府の態度でございまして、もちろん、私は本法の趣旨とするところに反対するものではございませんが、なお希望を言うならば、今言ったように税の面における軽減が必要だと思っております。本院の商工委員長からの要請をごらんになったと思うのでありますが、商工委員長からも、今回のこの特例を十二分に行き渡るように善処されたい旨の要望も出ておるようでありますので、何とか考慮いたしてもらいたいという希望を昨日も述べたのでありますが、これまた残念ながらいれられる結果になりません。しかし私どもは、それかといってこの法律に反対をするという気持もございません。できるならば、一・五が一になり、そしてむしろゼロになることを希望するだけであって、本法そのものにいささかも反対する気はないのであります。
そこで今後の運用につきましては、やはり評価がえをしたいのでありますけれども、税の面でできないという内容が、現実に税務行政の面で現われてきた場合には、しかるべくそのものを救い上げるような方途を十二分にとっていただくよう、私はこの際一言申し伝えておきたいと思うのでありますが、私の考え、そして気持に満足する答弁が果して局長から得られるかどうかわかりませんが、お答えを一つお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/194
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195・原純夫
○政府委員(原純夫君) お話の税によって再評価を阻害することのないように運用上十分気をつけろという点、全くおっしゃる通りだと思いますので、それに極力力を用いまして、万遺憾のないように努力いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/195
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196・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 他に御質疑はございませんか。——御質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。
御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
中小企業の資産再評価の特例に関するる法律案を問題に供します。
本案に賛成のお方は卸挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/196
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197・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 全会一致でございます。よって本案は可決すべきものと決定いたしました。
なお諸般の手続は、先例により委員長に御一任願いたいと存じます。
それから多数意見者の御署名を願います。
多数意見者署名
木内 四郎 西川甚五郎
江田 三郎 平林 剛
天坊 裕彦 青木 一男
佐藤清一郎 田中 茂穂
土田國太郎 苫米地英俊
宮澤 喜一 大矢 正
栗山 良夫 杉山 昌作
前田 久吉
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/197
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198・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 次に、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたしまして、質疑をいたします。(「質疑なし」と呼ぶ者あり)
別に御質疑もないようでありますから、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。
御感児のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。(「討論省略」と呼ぶ者あり)
御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/198
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199・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 多数と認めます。よって本案は可決すべきものと決定いたしました。
なお、諸般の手続は、先例により委員長に御一任願いたいと思います。
それから多数意見者の御署名を願います。
多数意見者署名
木内 四郎 西川甚五郎
天坊 裕彦 青木 一男
佐藤清一郎 田中 茂穂
塩見 俊二 土田國太郎
苫米地英俊 宮澤 喜一
杉山 昌作 前田 久吉
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/199
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200・原純夫
○政府委員(原純夫君) 先ほどの酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、附帯決議を可決なさいました。それについて私どもの考えを簡単に申し上げます。読み方、若干どういうふうに読むのか、思い迷うところも若干ございますが、大体それぞれごもっともなことで、この御趣意を尊重して今後やって参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/200
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201・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) 栗山君、質疑を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/201
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202・栗山良夫
○栗山良夫君 大へん勝手ですけれども、僕はこれからすぐ重要な党の議員総会がありますので、ちょっと順序が狂って、私の予定のようににいかなくなりましたので、きょうはちょっと中止いたしまして、明日いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/202
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203・廣瀬久忠
○委員長(廣瀬久忠君) これにて暫時休憩いたします。
午後五時二十四分休憩
〔休憩後開会に至らなかった〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614629X04019570517/203
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