1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年三月十八日(月曜日)
午後二時一分開会
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委員の異動
本日委長三木治朗君辞任につき、その
補欠として藤田進君を議長において指
名した。
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出席者は左の通り。
委員長 剱木 亨弘君
理事
手島 栄君
最上 英子君
鈴木 強君
委員
石坂 豊一君
新谷寅三郎君
中山 壽彦君
前田佳都男君
宮田 重文君
横川 信夫君
藤田 進君
光村 甚助君
森中 守義君
山田 節男君
横川 正市君
奥 むめお君
野田 俊作君
国務大臣
郵 政 大 臣 平井 太郎君
政府委員
郵政政務次官 伊東 岩男君
郵政省簡易保険
局長 成松 馨君
郵政省電波監理
局長 濱田 成徳君
事務局側
常任委員会専門
員 勝矢 和三君
説明員
郵政事務次官 小野 吉郎君
日本電信電話公
社副総裁 靱 勉君
日本電信電話公
社職員局長 山本 英也君
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本日の会議に付した案件
○簡易生命保険法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
○電気通信並びに電波に関する調査の
件(電気通信事業の合理化に関する
件)
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001・鈴木強
○理事(鈴木強君) ただいまより委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。本日、三木治朗君が委員を辞任され、補欠として藤田進君が委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/1
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002・鈴木強
○理事(鈴木強君) 次に、簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
御質疑のある方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/2
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003・光村甚助
○光村甚助君 ただいま議題となりました簡易生命保険法の一部を改正する法律案に対して、政府当局にちょっと御質問申し上げたいと思います。本院では、昨年の本院の委員会で、現在の十五万円の最高額では少いというんで、これが引き上げ方を決議したんでありますが、今度郵政省の方で二十万円にこの法案を提案されたんですが、この二十万円とされた理由をお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/3
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004・成松馨
○政府委員(成松馨君) お答え申し上げます。簡易生命保険の最高制限額は、御承知のように二十九年四月以来十五万円になっておるわけでございますが、経済情勢その他から見てこの十五万円が必ずしも適当ではないということにつきましては、衆参両院からも御決議をいただいておりますし、部内、部外からも、もっとこれを引き上げるようにという御要望があったわけでございます。私どもも簡易保険の最高制限額を一体どういう角度から考えたらいいかということについていろいろ検討もし、また、簡易保険創立当初からの使命でもございましたが、私どもの考えといたしましては、簡易保険が主として勤労者階層の、あるいはまたこれに準ずる階層の生命保険であらねばならぬという角度から考慮いたしますときは、一応、一家の支柱が万一のことがございました場合に、どのくらい要るであろうかという角度から検討してみたわけでございます。そういう角度から検討してみますると、当座の医療費、葬祭費、それから遺家族の者が約一年ぐらいは何とか食いつないでいくということを目標として考えてみますると、二十七、八万円から三十万円というものはどうしても必要であろう、このように考えるわけでございます。しかしながら、御承知のように、現在の民間生命保険におきましても相当無審査保険もやっておりまするし、また、その無害盃保険の保険平均額と申しますか、全体の保険平均額も非常に高くはないというような角度から、簡易保険の最高制限額引き上げにつきましては、いろいろ重要な関心を払っておるようでございまして、私どもといたしましても、まだ日本の現在の実情としましては、簡保、民保が対立的な関係ではなく、やはり、両者提携とまではいかなくっても、切瑳琢磨し合って、もっと生命保険思想を普及していく必要があると、そういう角度から考えますと、一挙に理想線まで持っていくよりは、徐々にこれを持っていった方がいいのではなかろうか、こういう考えで、十五万円から二十万円に引き上げさしていただきたい、そういう法律案を作ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/4
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005・光村甚助
○光村甚助君 簡易保険が創立されたときでは、民間保険は簡易保険の分野を荒しちゃいけないということになっていたはずなんです。ところが、最近保険会社というものが二十もできて、二十のうちの十二、三というものはほとんど、これは正直に言って弱小会社なんです。その保険会社が十万あるいは五万、十五万というような無審査保険をどんどんとってきて、簡易保険というのがまあ現在の状態になっているのです。ところが、保険最高額を引き上げるという問題は、国民の当然の私は世論だと思うのです。ところが、その保険金額を引き上げようとすれば、いつも民間保険の生命保険協会から、相当の軍資金というものが自民党の政調会に流れ込んで、そうしてここで最高制限額を押えられておるという、私たちは話をいつも聞いておるのですが、その点について、今度郵政省は大蔵省と折衝するに当って、初めから二十万円でよろしいといってこの法案を一出したのかどうか、その点お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/5
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006・成松馨
○政府委員(成松馨君) お答え申し上げます。最高制限額を引き上げるに当りまして、大蔵省と事務的にいろいろ折衝する場合に、むろん折衝の方法でございますが、私どもとしましては、初めから二十万円という線を打ち出したわけではございませんのでして、いろいろ簡易保険に対する国会の御決議、あるいはまた全逓組合諸君からの要望、あるいは部内、部外の要望等も十分話し合った上で、いろいろの話し合いの結果、まずこの段階であろうというふうに落ちついてきたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/6
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007・光村甚助
○光村甚助君 大蔵省と折衝するときに幾らの額で折衝したか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/7
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008・成松馨
○政府委員(成松馨君) 折衝過程の内部にわたる問題でございますので、こまかな点まで触れるのはどうかと思いますが、私どもとしましては、必ずしも最初からこのくらいがいいということでなくて、こういう要望であるというところから話を持ち出してみたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/8
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009・光村甚助
○光村甚助君 大体額をどの程度にしてもらいたいと、郵政省の希望を大蔵省と話をしたのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/9
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010・成松馨
○政府委員(成松馨君) 私どもとしまして、簡易保険のまず現在における考え方とすれば、先ほど申し上げましたように、三十万円が妥当であろうという資料は提出してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/10
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011・光村甚助
○光村甚助君 大臣にお伺いしたいのですが、簡易保険の最高制限額を引き上げるというと、民間のつまり企業の圧迫だということが最近いわれておる。ところが、私がさっき申し上げましたように、保険会社が最近二十もあるんですね。ほんとうにやっていける保険会社というものは七つか八つ、五つ、六つの保険会社というものは、実際これはほんとうの弱小会社なんです、正直に申し上げまして。こういうものを助けるために、どうして国民が要望しておるところの簡易保険の最高制限額を遠慮しなければならないかという点なんですがね。大臣は郵政大臣であると同時に国務大臣なんです。国務大臣としての立場から、こうしたところの民間生命保険会社の弱小会社をいわゆる統合して、そうして簡易保険がやっている小さな保険の、つまりこの分野に立ち入っちゃいけないというようなことを規定する考えはないか、
〔理事鈴木強者退席、委員長着席〕
国務大臣としての大臣にお聞きしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/11
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012・平井太郎
○国務大臣(平井太郎君) 私といたしましても、現在二十万円の最高額については十分とは考えておりません。そこで、これは今後の経済界の推移その他を考慮しましてまた次の段階に皆さんにお願いをいたそう、かように考えておるのであります。それから今御指摘になった民間との関係でございまするが、いろいろ私自身として、大蔵当局ともこの問題について協議をいたしまして、先ほど光村さんからお話がございました、一体大蔵当局とこちらは幾らの額をもって交渉に入ったかというお話を承わっておったのでございまするが、私の腹では、大体三十万円程度は現在の経済事情その他から今適当じゃなかろうか、かように存じまして、三十万円という線をもって大蔵省に話をいたそうかという気持はございましたけれども、一ぺんに飛躍するとかえって逆効果になるというので、私は二十五万円という最高額をもって大蔵当局と交渉に入ったのでございます。しかし、そのときの大蔵当局のお話では、一ぺんにそう飛んでもらったのでは、むしろ二十万円にも傷がつくから、この際順次一つ考慮してくれないかというお話もございましたし、その間、民間保険の実情もつぶさに承わったわけであります。それをまあいろいろ——統計表も、お手元に差し上げてあるかもしれませんが、民間との相当競合の場面もまあお話をいただいたわけであります。私もまだこの道に入りてはしろうとでございまして、十分の納得の線までにはまだ参っておりませんけれども、一応民間保険会社という実情も尊重いたし、今後に待つべきものは大いに考慮しなければ相ならぬというので、一応大蔵省その他一般から申されておる民間保険の実情と今日の簡易保険の実情というものを勘案をいたしまして、まあ不十分ではあるが、この際二十万円でというような事柄で一応皆さんにお願いを申しておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/12
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013・光村甚助
○光村甚助君 もう一つ答弁がないと思うのですが、重ねて申し上げますと、簡易保険の最高額は引き上げなくちゃいかぬという半面、民間会社の弱小会社が五万円だ十一万円だという無審査保険をどんどんとっているのです。簡易保険だけを、今まで十五万円だったのを二十万円とるということで盛んにやっている。民間会社に五万だ十万だという保険をどんどんとらして、簡易保険だけを非難するには当らないじゃないかということなんです。そういうことだから、つまりそういう小さな会社を助けるために、国民が望んでいるところの簡易保険の最高額をどうして引き上げてはいかぬのかということなんです。それで結局は、この弱小会社を一つ、国務大臣としての立場から、二十もある保険会社のうち五、六というものは、われわれが見てもほとんどこれでやっていけるかどうかというような会社がたくさんあるのです。こういう会社の整理まで乗り出すようなお考えは国務大臣として持っていないかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/13
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014・平井太郎
○国務大臣(平井太郎君) 仰せの御質問に対しては、ごもっともなところがあると思います。そこで、私といたしましても、十分今後一つ御指摘の弱小会社に対する調査を始めようと考えております。そこで、そういうような弱小会社を育成するために、簡易保険が犠牲にならなければ相ならぬという事柄については、あなたと考え方が同一でございます。従いまして、今回は一応この線で一つ御協力願いまして、今後一つ私、国務大臣の立場においてもこの問題とは十分取り組みまして、大蔵当局に対しても十分一つ、簡易保険の意のあるところを十分に考えまして、今後に処していきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/14
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015・光村甚助
○光村甚助君 今年は、三十二年度の郵政省の募集目標は十四億だと聞いております。それに郵政省はこの目標が達成すると、すぐあとを追っかけて希望目標というものを置いて毎年出されている例があるのです。そうすると十四億の目標のほかに希望目標というものを掲げて三億だ四億だということをやられると、私は二十万円で募集目標が達成できるかどうかということを非常に疑問に思うのです。郵政当局はその点どういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/15
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016・成松馨
○政府委員(成松馨君) お答え申し上げます。私ども実行する場合の目標を郵政局を通じて各現業局に配分しております。これは会計年度でなくて、実際上暦年度で目標を出しているわけでございますが、この目標は一応十四億以上というふうにしております。この考え方につきましては、数年前から実行している問題で、目標の出し方でございますが、実際の目標を必要とする目標以下に出して、実際上はそれが成績の悪いところでもその程度までやっていただき、成績のいいところはますますやっていただくという形にいたしておりまして、実際上の実績といたしましては、目標以上を上回っているわけでございまして、その点から暦年度といたしましては、十四億出しておりますが、これに対して、かりに保険金が上ったからといって目標を追加して出そうというような考えは持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/16
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017・光村甚助
○光村甚助君 最近募集成績の非常に悪いということを聞いているのですが、その原因は、もちろん人の足りない面もずいぶんあると思うのですか、ほかにも原因があると思うのですが、募集成績の悪いという点は、人の足りないという面と、まだあると思うのですが、その点についてお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/17
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018・小野吉郎
○説明員(小野吉郎君) 先ほど保険局長の答弁をいたしましたところで大体目標の配算の関係は御了解願ったと思いますが、いささか補足をいたしたいと思います。事業のいろいろな長い目から見ました伸びの成長を考えまして、事業として必要な目標を毎年度掲げております。これは予算に表わされているわけであります。ここ数年来、予算の目標が十七億でございます。このくらいが毎年とれませんと、事業の将来の発展のためから考えまして、積立金額の状況、サービスのいわゆる維持という面に非常な心配があるわけでございます。ところが、実際に年度の目標として考えられておりますものは、簡易保険におきましては、古い昔からいろいろな変遷を経てきておりますが、予算目標そのままを実行いたした時代もあります。そういうような時代におきまして、成績は一万五千の局でもって上下に非常な差があるわけでございます。むしろ実際の目標としては、予算目標よりもやりやすい目標をやってもらう。最後のおくれた局でも目標近くやれるというような心理的な張りを持ちたいというような要望が非常に強くございまして、その辺の面も考慮する必要があろうかと考えますので、そういった効果をねらった予算目標よりもかなり下回った目標を実際に配分しておりますので、そこでそういった配分をいたしまして、実際の各局に配算をいたしまして、目標のみの達成で満足いたしておっては事業の将来は非常に憂慮すべきものがあるわけでございます。勢いいい局におきましては一〇〇%でなくて一五〇%にいけた、こういうところに張りを持ちたい。成績の上らない局でも五〇%しかできなかったというようなことでは、事業の見地から見て非常に芳しいということで、そういう局でも八〇%あるいは九〇%いけるのだ、こういう張りを持たせるために、必要な目標よりも下回ったものを出しているわけでございます。従って、ただいま光村委員の御指摘の、目標を実際やっているにかかわらず、さらに追加目標するということでございますが、これは目標を配算する通りに、これだけをやって安閑としてはいけない。さらにそれ以上できるだけをやってもらわなけりゃいけないというような裏の約束があるわけであります。そういった点で予算目標と実際の配算目標の間には開きがありますが、その辺のところが非常に徹底を欠いておるきらいがありますが、実際の配算された目標を達成したら、これでもう卒業の必要とするところまではいけたんだということで、実際心理的に非常な安心感が出てくるような局も多うございます。そういう面が、やはり目標の将来の配算のあり方についても考えなければならないのではないだろうか、そういう面が最近の成績の不振の一因にはなっておるように思います。そのほかの事情としては、あるいは農協方面も非常に積極的な活動、非常にやっきな活動を続けておるというような面の関係もありましょう。また目標が非常に低過ぎるという面も、簡易保険として伸びる限度を抑えられておるというような面もあろうかとも思うのでありますが、目標の面で申しますと、予算の目標よりも実際に現場においてやりやすい、無理のかからない、これならやれるといった、むしろ低過ぎる目標を配算しているのに、そういった局では百パーセントやれば、これで責任は果したんだということで、なおかつその上にやり得る余力がありましても、非常な安心感から、特に保険の募集のような非常にゆるみを持ってはできない仕事につきましては、目標の配算上考慮を払って参らなければならない点があろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/18
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019・奥むめお
○奥むめお君 関連質問。大へん、目標がもっと大きかったらもっとよけい集まるだろうといわれるようなお話だったと思いますが、それじゃ十五万円の最高目標ですね、何%くらい加入者がありまして、大体この金額で大ざっぱに分けてパーセンテージ出してみて下さい。それからもう一つあわせて、二十万円にしたらどれくらい入る見込みでいらっしゃるか、何%くらい二十万円のものがとれるか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/19
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020・成松馨
○政府委員(成松馨君) 最高十五万円まで入っているだろうということについては、一応推定でございますか、二つの種類から考えられると思います。一つは、十五万円の保険そのものずばりに入っている人と、一つは、今まで幾日も入って十五万円になっている者と両方考えられるのではないか、このように考えます。その件数は、私どもの計算といたしましては、二百八十万件とおよそ踏んでおります。で、その二百八十万件が十五万円でございますので、もし二十万円になった場合には、その人たちがまず二十万円くらいまで入ってもらえるだろう——これも推定でございます。一応推定をいたしまして考えますと、その二言八十万人の約四〇%くらいが三十二年度に入ってもらえるのではなかろうかというようなところからいろいろ計算をしてみますると、三十二年度としまして、そういう人たちが入ってもらえるであろう保険料額は一応十二億円くらい、保険料収入は一応十二億くらいになるのではなかろうか、このように推定をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/20
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021・奥むめお
○奥むめお君 二百八十万件といったらこれは何%になりますか、全加入者の。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/21
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022・成松馨
○政府委員(成松馨君) 全体の保険契約件数は、現在四千二百万件ございますので、六分五厘くらいになるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/22
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023・光村甚助
○光村甚助君 さっき次官の答弁で、十四億くらいの目標はこれは甘過ぎるというようなことを言っておられるのですが、大体この目標を達成するのに、保険局は郵便局の従業員に対して、土曜日の半ドンもこれはなくして働かしたり、日曜日にもかり出して募集をさしておるのにかかわらず、十四億の目標がやすいというのはこれはほんとうですか、もう一ぺんこれははっきり聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/23
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024・小野吉郎
○説明員(小野吉郎君) 御承知のごとく、保険の募集といったようなものは、たとえばあの農繁期等に当りまして——通常の官庁の勤務時間に出勤する建前にはなっておりますが、そういった期間にはほとんど募集は不可能だ、従って、実際には出て歩いてもむだになるというような時間をずらしまして行く必要があろうかと思います。今日のところでは、さように官庁の勤務時間の体制がなっておりませんので、この辺に非常に保険事業としては重大な悩みを感じておるような状況であります。もとより保険のようなそういったものは常に、官庁の執務時間等にとらわれないで、最も募集の可能な時間をよって努力を集中いたしませんと、なかなか募集が困難でございます。そういった面にいろいろ現在の状況としては保険事業の悩みがあるわけでありますが、将来そういったような実情に沿うように直していけば、十四億の今日の目標、しかも、これは非常にやりやすいように配慮をいたした目標でありますが、目標に掲げました十四億の目標も、過去におきまして、まだ日本の経済がそこまで回復しておらないころに二十四億、二十五億の実績を上げた実例もございますので、決してこれは不可能な無理な目標とは考えておらないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/24
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025・光村甚助
○光村甚助君 どうも次官の答弁は奇々怪々ですが、二十億も二十何億もできたというときは、小額保険を整理したり、また過去の保険を五万円入っておるのを、今度八万円になれば五万円を解約させておいて八万円をとったり、非常に悪質な保険募集をやったということも時々の新聞に出ておるのです。そして実際上、農村で忙しいからこの日曜だ、あるいは土曜、忙しくないときにやらせておるような答弁をしておりますが、都会にはお百姓というのはいないのです、大阪だ、東京だという大都市には。ところが、そういう所でも土曜、日曜に出てきて保険募集をやらせ、そうして晩の八時ころになっても、保険の募集ができなければ、課長が待ち受けていてもう一ぺん出てこいというような例もありますし、また、問題になった草津の郵便局あたりでは、お前は何軒回ってきたのだ、お前の回ってきたところをおれともう一ぺん行こうじゃないかといって、そこの主事がストップ・ウォッチを持って回らせておいて、それでも今の十四億の保険募集は楽だと言われておるのですが、その点をもう一ぺん私は聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/25
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026・小野吉郎
○説明員(小野吉郎君) 今のあげられたことは、私も承知しないではありませんが、私は全体の大勢をお答え申し上げておるわけでございます。今のような例は非常に全国でも希有な例であります。非常にまれな例でございまして、今日土曜、日曜にそういった募集を強制しておるような事実ばございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/26
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027・光村甚助
○光村甚助君 まれな例であったって例は例なんです。こういう無理な募集をさせておるにかかわらず、郵政省が、今度でももっとわれわれは希望しておる、大臣も言っておるように、二十五万円くらいは今度は適当じゃないかと言っておるにかかわらず、二十万円で大蔵省と妥協して、農業団体あたりが保険をやっておるが、これに比べて募集の伸びが悪いということも言っておられる。農業団体あたりは五十万円というように、大体最近保険をやっておる。それにもかかわらず、今度二十万円で妥協してしまって、また十四億の募集目標が少いのだということは、われわれとしては納得できないのです。この点について大臣どうお思いになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/27
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028・平井太郎
○国務大臣(平井太郎君) ただいま小野次官から御説明を申し上げましたが、大体小野次官の説明を私は了といたしまするけれども、私といたしましては、決してその募集に無理があってはいけない、また無理をするということは長く続かない、かような観点に立って、やはりまじめに正しく仕事をさせる、それにはおのずから限度がある、それを十分守って今後運営しなければ相ならぬ、かように私は考えます。その観点に立ちまして、今後指導育成、こういう面については、大臣みずから十分留意をいたそうと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/28
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029・光村甚助
○光村甚助君 私はまだ質問がありますが、ほかの人も質問があるようですから、一応私の質問はこれで打ち切っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/29
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030・手島栄
○手島栄君 大体光村君から質問されたのと、内容的には同じでありますが、簡易保険の金額の引き上げの際には、昔から民間保険と必ず衝突をしたものであります。ところが、簡易保険の現在と、簡易保険ができ上りましてからのその後の事情とは非常に違っておるのでありまして、簡易保険というものの特質は、無審査であり、月掛であり、集金をするということが簡易保険なんです。民間保険は全然これはやらなかった。で、前に簡易保険の引き上げのときには、民間保険と金額的には接触がありましたが、仕事の内容は全然違ったものやっておるので、今とは全然事情が違っておる。ところが、終戦後、民間保険が全部簡易保険をやるように許してしまった。無審査というものは民間には許さなかった。そういうものも、月掛も集金も民間保険に許してしまったということが非常な大きな問題なのでありますが、当時の郵政省の責任者はおいでにならぬかもしれませんが、国がこういう保険政策をやる場合には、今度は民間保険が簡易保険を圧迫する格好になるのでありまして、こういう点は話し合いで、現在の民間保険が簡易保険をやる政策をよく了解されてやったのかどうか、お聞き及びはありませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/30
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031・成松馨
○政府委員(成松馨君) お答え申し上げます。確かに日本の経済の終戦後の現状といたしましては、簡易保険と同じような保険を民間も非常にやっておりますし、また、そのことが終戦後における民間生命保険事業の経営を救済した非常に大きな原動力ではなかったかと、こう考えるのでございます。しかし、経済状態が安定いたしますと、民間生命保険方面におきましても、やはり簡易保険との間に何らかの分野ができた方がいいのではなかろうかというような考え方は、一部のものにもできておりまするし、また、保険事業自体の経営から申しましても、小額のものをとるよりも、やはり民間生命保険としましては、有審査の高額のものをとる方が本来の仕事であろうといったような、訓辞と申しますか、考え方を、会社方面で出しておる雑誌等から見てもうかがわれるわけでございます。また、大蔵省方面としましても、極力今後はそのように指導いたしていきたいというようなことを考えておるわけでございまして、現状、直ちに両者の分野を明確にするということは不可能であるといたしましても、経済状態の変化に伴いまして、おのずから民間生命保険は民間生命保険としての道を歩むようになるのではなかろうかと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/31
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032・手島栄
○手島栄君 保険局長のお答えのように、大体簡易保険というものと民間の一般の生命保険というものは、もともと性質が非常に異なっておる。それを戦後の経済界が変ったために、民間保険事業が伸び悩んだというときに、便宜に簡易保険と同じものを営ましたということが現在の、実情だと思うのです。従いまして、簡易保険の金額の引き上げは民間保険を圧迫するんだという考え方は、根本的に誤まっておる。民間保険の方が簡易保険の分野を占領してしまった。しかも、簡易保険がわずかに十五万円くらいでやっておるのに、民間保険は三十万円、一年たてば五十万円というほどに、簡易保険の分野よりも、もっと広い分野を民間保険が現在経営しておるということが実情だと思います。従って、理論的にいいますれば、簡易保険は民間保険というものに遠慮なく、自分の分野を元から持っておる。人が入り込んできて、向うからじゃまだといわれるのは少し理屈に合いませんが、しかし、戦後の特別な経済状態でありましたので、現在の実情がこうなっております。まあ大臣も三十万円くらいまでは上げたいんだ、しかし、まあ徐々に上げていきたいということをおっしゃられて、その点は非常によくわかりますが、私は根本的に、簡易保険は総金額の引き上げに遠慮する必要はないことであるという考えを頭に置いて、今後あまり遠慮なさらないで、適当なときに引き上げをおやりになった方がいいんじゃないかというふうに考えております。
それからもう一点は、今募集の問題が出ましたが、これは郵政当局のお話と光村君の話とに、多少立場によって違うところはありますが、実は私は若いときに簡易保険の仕事を相当長くやったのです。簡易保険の募集というものは、いかにむずかしいかということをもう骨身にこたえて知っております。今のように簡単に保険の募集ができないときでありました。おそらく現在でも、まあ皆さんが、民間保険の関係の友だちを持っておれば、大ていやかましくいわれて、いやいやながらお義理で入るというのが保険の性質でありますが、簡易保険でもこれは容易なことではないのであります。従いまして、簡易保険の募集というものは、郵政省の他の郵便とか電信電話とかいう関係の仕事と違って、民間保険の人は夜も昼もないような動き方をしておりますが、簡易保険の仕事は、私は昔と違って、労働条件もだいぶ変っておりますので、無理をせよというわけではありませんが、保険の募集の時期とか、あるいは一日のうちでも、時間的に朝から晩までいつ行ってもいいというものではない。一例をあけますと、農村なんかは、昼の間行っても、ほとんどみんな農家は外に出て、相手になる人はいない。夕方か、あるいは朝早くかというときに募集するのがいいというのが実情であります。従って、労働条件を悪くするという意味ではありませんが、簡易保険の募集に都合のいいような、勤務条件といいますか、そういうものをもう少し工夫されて募集されないと、これはなかなか伸びないんじゃないか。私は、現在の経済状態が非常に好調を呈しております本年度、簡易保険だけがこんな成績が悪いということは、農協あるいは民間がやったからそれに圧迫されたというお話ならば、ことしだけでなくて、来年も再来年も、何ぼ金額を上げてもこれは伸びないと思います。きょうも実におもしろい話を聞きましたが、ある地方で、民間保険、簡易保険、農協保険と、こうビラが出ておりまして、そのうちで簡易保険の欄の下にバッテンをつけて、簡易保険だけは、だめなんだというポスターがだいぶ地方に貼ってあるということであります。そういうふうに仕事が非常に競争が激しくなって参りますので、その方が盛んになるから簡易保険の成績が上らないんだというただいまの答弁では、これは簡易保険は来年も再来年も上らないということになると思いますが、そればかりではなくして、私の聞いておりますのには、募集の方法、その面においてよほど組合の人とでも了解を得て、もっと保険募集に適したような勤務をおとりになる必要があるんじゃないか。またそれをおやりにならぬ限り、金額を引き上げても、またことしと同じようなことを繰り返されるのじゃないかということを心配しますが、保険局長の御意見を一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/32
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033・成松馨
○政府委員(成松馨君) 簡易生命保険事業の募集の現状につきましては、手島先生からるるお話いただきました通りでございまして、私どもといたしましても、民間生命保険事業が伸びておるのにもかかわらず、簡易保険事業がやや横ばいの状態にあるということにつきましては、いろいろ苦慮しておるわけでございます。その原因を分析いたしますといろいろあると思うのでございますが、このように独占事業ではなく競争事業がある場合におきましては、その対策といたしましても、まず第一に、募集員が募集しやすい環境を作ることが一つのなすべき重要な仕事であろう、その一つとして、保険金額の引き上げも必要でありましょうし、また経営面から見ても必要であるということからお願いしておるのでございますが、そのほかに、従業員諸君が民間生命保険との関係において、簡易生命保険事業がどのような現状にあるかというその実態をよく認識してもらい、その認識のもとに事業に邁進してもらうという気がまえを作ることが必要であろうと、このように考えております。そういう点から、最近特に事業の実態について知ってもらうようにも考慮を払っておりまするし、また、募集する技術それ自体も、単にお客の所に行ってお願いしますだけではいけなくて、やはり生命保険思想というものの普及と申しますか、そういう使命から説いて、ほんとうに心から納得してもらって入るようにすることが必要であり、そのために外務員諸君の訓練が必要であろうというふうに考えております。
なお、最後のお話でございましたところの生命保険の勧誘には、やはり相手方の都合を考えなければいけない、単に勤務時間、いわゆる官庁勤務時間だけで足りる地域もありますし、時期もございますが、そうでない場合もあるとするならば、勤務体制と申しますかが、募集体制について工夫する必要があるというお話、まことにごもっともでございまして、私どもといたしましても、この点を考究し、組合員諸君とも話し合いの上でこの問題を解決していきたいと努力しておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/33
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034・奥むめお
○奥むめお君 今の問題でちょっと伺いますが、婦人団体が地元の郵便局と組みまして、ずいぶん簡易保険を勧誘し、集金もして勧誘費というふうなリベートをいただいておりますね。私どもの知ってる婦人団体も、ずいぶんそれをたくさんしていますが、何か最近それをおやめになったというのは、どういうなにでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/34
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035・成松馨
○政府委員(成松馨君) 私どもといたしましては、先ほど光村委員からお話もございましたように、いろいろ保険の契約件数がふえて参りますると、仕事の上でその面だけ募集の余力をさかれるといったような点もございまするし、そういう面を緩和するためには、やはり集金事務の合理化と申しますか、集金方法を考える必要もあるのではなかろうか、こう思うのでございます。その面からいたしまして、たとえば団体保険を極力お勧めするとか、あるいは一軒の家で何件も契約を持っておられる方には、なるべく何度もお金をいただくということでなくて、御都合がつく限り、その回数を少くしていただくという方面に努力し、今後もますますその方面に努力しなければならぬというふうに考えておるわけでございまして、ただいま奧先生のお話の、団体保険に対して手数料を廃止したという事実は……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/35
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036・奥むめお
○奥むめお君 私が伺っているのは団体保険ではないのです。婦人会が近所の各家庭に勧誘するのですね、そうして一人じゃなくて家中全部入って下さい、一人ずつ個別に入れるわけです。私は簡易保険の問題に非常に関心を持っておりますのは、貯蓄とこれは同じ性質のものですから、私どもいいことだと思います。またもう一つは、婦人会が団体の経営が非常にむずかしい中で、それから幾らかでも手数料が入るのを当てにして奨励する、勧誘して歩いて、そうして集金までお手伝いをしている所が決して少くないのです。どうしてこのごろそれを禁止するようになったのでしょうか、という質問を三人から聞いております、団体の会長から。それが一つです。それからもう一つは、私がお伺いしたいのは、私は、簡易保険というものをそうして婦人会がいろいろやっておりますから、非常に金利関係、一般の会社の保険と簡易保険とお金がどっちが得だということを、おぼろげながら大へん皆考えるようになってきている。私ももちろん一番考えております、そういたしますと、官業という安易な座にあなたたちはあぐらをかいて、非常に零細な人を相手に、最高限も非常に小さい簡易保険が、民間の会社よりも非常に高率の保険料を払わなければならない、それから大へん不親切で、短期のものを大へん奨励するのですよ。それから家中入りなさるようにというようなことを言う。郵便局の集金に来る人でも短期を勧める。婦人会にもそういうような指導があるのですね。ですから、一応金の利回りというようなものを十分調べて考えなさいということをいつも私は婦人会に申しておりますだけに、私もこの問題は勉強しなければならぬと思っている問題だったのです。最近何かそういう変った指令でも出たのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/36
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037・成松馨
○政府委員(成松馨君) お話の点は、どうも団体保険のことではなかろうかと思うのでございますが、団体保険の場合は大体団体の割引をいたしまして、そのうちの一部を世話して下さる方々に差し上げております建前になっておりますので、おそらくそういうことはないのではないかと思いますが、もし、後ほど具体的にその問題でもお聞かせ願えれば、それに基いて措置いたしたいと思います。
なお、勧誘員の勧誘のいたし方につきましては、非常に保険の性格をよくわかっている人と、その点までわからない人と種々いろいろあるのではないかと思いますが、私どもの考え方といたしましては、勧誘していただく場合に、やはり生命保険の本質から見て、それからまた御家庭の経済状態から見て、最も適切なものを選ぶようにするということは必要だろうと思うのでございます。そういう点から、勧誘員と申しますか、外務員訓練ということについては、数年前から極力重点を置いてやっておるのでございますが、必ずしもまだ全部行き届かないために、そういう一部、勧誘の仕方において粗漏の点があるのではなかろうか、このように考えております。
なお、お話の保険料の問題につきましては、民間生命保険、簡易生命保険、農協共済生命、この三者について比較いたしてみますると、表定保険料と申しますか、保険料それ自体につきまして、結論から申し上げますと、農協共済生命が一番安く、その次は簡易保険であり、その次が民間生命保険というふうに、民問生命保険が保険料としては一番高くなっておるようでございます。ただし……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/37
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038・奥むめお
○奥むめお君 ちょっとその数字をあげて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/38
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039・成松馨
○政府委員(成松馨君) ちょっと申し上げます。二十万円で申し上げてみますると、二十万円の十五年養老で、たとえば契約年令三十才で入るといたしてみますると、簡易保険の一年分の保険料は一万二千三百七十五円、民間生命保険では一万二千四百四十円、農協共済生命では一万一千七百八十円、こういうようになるわけでございます。ただ、つけ加えさしていただきますと、民間生命保険におきましては、積立金の運用利回りがかなり高く、昨年あたりは一割二分ぐらいでございますか、本年度に入っても一割ちょっとぐらいの運用利回りがございます。しかし、簡易生命保険事業におきましては、法律の定めるところによりまして、運用先が限定せられておりまするし、主として貸し付ける利子は六分五厘というのが一番多いようでございまして、古いのを入れますと五分五、六厘ぐらいに回っておるかと考えるのでございますが、そういうような運用利益において差があるために、民間生命保険では、三年以上でございましたか、たちますと配当金がつくようでございまして、いわゆる正味保険料という点から行きますと、その人のかけた年数に応じて配当金額に差が出てくるのではないか、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/39
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040・奥むめお
○奥むめお君 私は、この簡易保険のこの間配っていただきました資料を見ましても、昭和三十年度の収入保険料と、初めの方の、昭和二十年度ぐらいからずっと調べてみますと、ことに最近すっと減っておりますですね。募集の件数も非常に減っていまして、金額も非常に、こう保険金額を上げたにもかかわらず、ふえていないんですね。最近は、ことに三十年度は三%ぐらい減っているんじゃありませんか、たしかね。こういうふうなことは、上げることがこれを発展させることじゃなくって、もっと問題はほかにあると、そして保険金の平均ですね、加入者のこれを、私今詳しい数字は、きょうよそから回ってきたものですから、自分のつけているノートを忘れてきましたけれども、ずいぶん、なんでございますね、簡易保険という方が死亡率も高いし、それから掛金も高くなるし、それから一件新契約の平均でございますね、その金額を見ましても、そう高くしなくっても、むしろ今の平均は七万円ぐらいでございますか、たしか、簡易保険の新契約の一件平均の金額……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/40
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041・成松馨
○政府委員(成松馨君) 新契約平均だけを申し上げてみますと、昨年は大体七万八千円ぐらい、本年に入りましてから八万一千円ぐらいになったかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/41
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042・奥むめお
○奥むめお君 それで私からいえば、先ほど二十万円ぐらいになると六分ぐらいとおっしゃったのですか、六分四厘とおっしゃいましたか——六分五厘とおっしゃいましたね、最高限度。ですからこれを上げることをちっともどうと言うのじゃないけれども、どうももっと、簡易保険の経営の面にいろいろこう問題があるということを私はぜひ自分としても調べてみたいし、あなた方とも話し合ってみたいと思うんですよ。どうもきょうは安易に値上げすることだけが議題になって、そうしさえすればよくなるような話になるから、私はちょっと抗議を申し入れたいと思う。ですから、それは質問でございません。私の意見でございますが、この問題は非常に私重大だと思うのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/42
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043・前田佳都男
○前田佳都男君 現在の経済情勢から考えましても、また民間の無審査保険とのバランスの点から考えましても、保険金を今度引き上げるということは、これはもう当然だと思うのです。私はもっと大幅に引き上げてはどうかと思う。三十万円程度に引き上げるのが当然じゃないかと思うんです。ただ、これに関連しまして、先ほど光村委員からも重大な発言があったので、私も非常に驚いておるのでありますが、この保険金の引き上げに関連しまして、できるだけまあ引き上げをしないように工作するために、自民党の政務調査会の方に金が流れたというふうなニュースを今案は先ほど光村委員から聞きまして、これは大問題であると思って、私は非常に驚いているわけです。私も現在自由民主党に所属しておりますが、これはもってのほかで、もしこういうことがあるとすれば、けしからぬことだと思うのです。事実、私たちは何もそういう恵みも恩典ももらっておりませんが、大問題だと思うのですが、これにつきましては、一応政務調査会の副会長をしております新谷先生ですね、今ちょっと予算委員会に出ておりますが、こちらにお越しを願って、一応まあどういうことになっておるのか、御説明を願えれば非常に仕合せだと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/43
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044・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記とめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/44
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045・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/45
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046・横川正市
○横川正市君 実は、私もこの点はいろいろと論議したい点なんですが、二十万円に引き上げるという問題と関連いたしておりますが、二十万円を上げるそのものには、私はまあもっとたくさん上げていただきたいという意見でありますので、そのことに対して関連をして賛成、反対という意思表示をするのじゃないのでありますが、私は、まあ簡易保険を運営する面で十五万円を二十万円に上げなければならなかったという実情に関連して、非常に当局に対して注意をしていただかなければならぬ問題があると思うのでございますが、それは私は、まあ職員の簡易保険を募集する技術その他について教育をする建前は、私は保険思想というものを国民のすみずみまで広めた簡易保険の功績というのは非常に大きいものがあると思うのでありますが、そういう意味での従業員の教育であるならば、私はこれは大いにやるべきだと思うのです。ところが、三百代言のように、まあとらなければならぬ、責任を持たされているから、とらないともうとんでもないことになるということで非常な無理をする、その無理をするための教育が私は間接的に行われているということになると、これは職員側としてみると、非常に迷惑な私は教育を押しつけられていることになると思うのです。最近私が下部でよく聞く話は、保険の成績が上るということと昇給、昇格とが一致していたり、それからずいぶんまじめに努力するけれども、保険の募集がなかなか上らない、そういたしますと、人よりいつもしりから、昇給、昇格等を甘んじなければならない、まあこういうような実例が出ているということを聞くわけなんですが、その点について、当局としてどういうふうに考えられておるか。私はまあ保険そのものについては、手島さんはそれはだいぶ昔に担当したようでありますが、私はまあ目の光で保険の現業を担当した経験を持っておるわけでありまして、そういう意味合いからいっても、非常にこれは重要な問題だと思いますから、この点について、当局はどう考えておるか、この点を一つ明らかにしていただきたいと思うのであります。
それからもう一つは、今度の二十万引き上げについても、当局は一体その募集目標を設定し、それをこなすために、新分野として開拓する開拓分野が、もう相当高額の保険に入らなければならないような人たちを目標としなければならぬというふうに、この何か思想的な一つの変換を私は行なったのじゃないかという面があるわけです。これはまあ保険の維持そのものにどの程度努力しておられるかということを、私はまあお聞きしたいと思うのでありますが、そういう点からいきますと、ただ、保険の最高額が上ったら、それで事足りたということでは私はないのでありまして、募集に力を入れるということと、それ以上に維持に力を入れなければ、保険の健全な発展というものはないと思うのでありますが、その点をどのように指導されておるのか、最近これも私どもが実地に職場から聞くのでは、契約件数に対する何割かの落ちということを当初にもくろんでおいて、そうして募集しなければいけない、そのことがさらに募集に無理をかける、こういう実情を現場の方で聞くわけなんでありまして、保険維持の問題について、当局はどういうふうに指導されておるのか、この二点を一つお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/46
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047・成松馨
○政府委員(成松馨君) 先ほど私か外務員に対しましては募集上の訓練をしなければならぬということを申し上げましたのは、根本的にはやはり保険思想をほんとうに国民の人たちに了解をしてもらって、よくその経済状態に合った入り方をしてもらうようにする必要がありまするし、また、そのためには単に固い文句を理論的に申し述べましても、それだけではいけないのであって、そこにやはり技術的な要素というものは、この保険募集には当然入って参りますから、従って、勧誘する本人自身が、保険事業の使命なり、性格を知ると同時に、その結果、相手に対して募集をする場合にも、やはり保険思想の普及ということにも役に立つでありましょうし、それからまたいろいろの経済状態、あるいは家庭状況の態様に応じて、いかにして話をしていくかというような話法と申しますか、そういう技術を持つことは、本人をして同じ努力をする場合にも効果あらしめる一つの方法ではないか、そういう角度から外務訓練というものに力を注いでいきたい、このように考えて申し上げたわけでございます。募集のために努力した結果が必ずしもその通りの実績が上らないことがあるという点は、これは当然でございまして、そこの地域なり、環境なり、あるいは経済状態等によりまして千差万別でございますが、やはりそこには努力に感じた効果というものはあるでありましょう。しかし、その努力に応じた効果が必ず目に見えるかということになりますと、先ほど申し上げた条件によっていろいろ変るのではないかと思います。従って、そのことを直ちに、これは私の所管には、ならないのでございまするけれども、その人の出世とか、あるいは昇進とかいうものに結びつけるべきものではなくて、やはり誠意で、あるとか、あるいはその人の努力の度合いであるとかいうことでおそらく勘案されてしかるべきではなかろうか、また現実にそうなることであろうというふうに感ずるのであります。それから単に募集だけに力を入れるべきなくて、維持に対しても努力すべきであるということは、これは保険事業として当然でございまして、これは先ほどの募集のやり方にも関係するわけでございますが、無理な募集をいたしますときには、どうしてもその半面、失効であるとか、解約であるとかいうことが多くなるわけでございまして、そういう面からいきますと、やはり生命保険の本質というものをよく勘案して、よく認識して、それにふさわしい勧誘の仕方をするということが、維持に対しても非常に有力な作用をするのではなかろうか、そういう面からいけば募集と維持とは保険事業につきましては車の両輪と申しますか、あるいは一つのたての両面と申しますか、それほど密接不可分なものだと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/47
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048・横川正市
○横川正市君 私は、まあ今の保険局長の答弁で、その通り行われることを期待して満足したいと思うんですが、現場では非常に募集ということを、無形の目標に向って努力をする一人々々の従業員の肉体的、精神的労苦というものは大へんなものなんですから、その点を十分一つ勘案されて指導されるようにお願いしたいと思います。私はこれで質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/48
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049・森中守義
○森中守義君 私は光村委員の御質問に対しまして大臣、事務次官及び保険局長の答えが必ずしも的確でなかったように思います。重複するような質問でありますが、大体五つについて、御質問申し上げます。
その一つは、民間が簡易保険を圧迫しているのか、あるいはまた簡易保険が民間を圧迫しているのか、その問題はともかくとしまして、要するに大蔵省に対して要求をされたいわゆる民間をつぶしていいというようなことは、これはもうあってはならないのでございますが、郵政省としては、どの程度までならばこの簡易保険は上げてもよろしい、つまり大臣は三十万と言われる、事務当局は二十五万、こういう数字的な食い違いがあります。従って、正確に郵政省は大蔵省と交渉されるに当って、どういう根拠を持ち、どの額を基礎にして交渉されたか、この額についてもう少し明確に御説明を伺いたいと思う。
それから同じ国家機関でありますから、郵政省、大蔵省という国の機関としての相関性はよくわかります。しかしながら、今まで私どもが委員会でいろいろ問題を出してきますと、人の問題にしろ、あるいは金の問題にしろ、すぐ大蔵省ということが話題に上って参ります。従って、省としてはこういう方針のもとに大蔵省と話をしていたが、どうしてもうまくいかない、こういったようなことが何回となく大臣や事務当局の意見の中に述べられてきておりますが、この問題の過程の中で、郵政省は御承知のように独立採算であります。こういう点がどの程度主張され、そうしてまた結果的に大蔵省が郵政省にややもすると行政干渉を加えたのではないか、こういうようなきらいも私はなきにしもあらずのような感じかいたしますので、要するに二十万で大蔵省と妥協された、つまり極端に申し上げるならば、省は非常に正確な根拠を持ち、そうしてその根拠の上に立ってどういう決意のもとにその方針を貫かんとされたのか、大蔵省の行政干渉の事実はあったかなかったかということと、省の態度というものを私はこの際もう一つ明確にしていただきたいと思うのであります。
それから先刻も、目標は強制割当かあるいは希望割当か、こういう意見が出ておりましたが、これに対しても、答弁は必ずしも正確でありません。私は今横川委員が申し上げたように、年間の目標を設定する場合に、あらかじめ失効、解約を十四億のうちに何%か見なければならない、こういう目標の算定は、私はやはり正当な目標の算定ではなかろう、かように考えておりますので、失効、解約の年間の目標に対する比率、そうしてそのことがややもすると、何と申しましょうか、非常に無理な募集をやった結果、あってならない失効、解約が発生するのではないか、こういう工合にも考えますので、この点を明確にしていただきたいと思います。
それから定員の問題でありますが、先刻この質問に対しても、何名郵政省の経理局に保険局は要求した、あるいはまた経理局が大蔵省に対して何名要求した、こういったような答えが出ておりません。従って、完全に十四億の目標を達成し、そうして維持目標を達成しようとしていくには、現在の定員でよろしいとお考えであるかどうか。少くとも保険局が経理局に提出をされた定員要求の数、これと経理局との折衝の段階、あるいはまた経理局が大蔵省に対して、保険の完全目標の消化のために新しい人員が私は要求されているのではないかと思いますので、その点について、正確にお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/49
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050・平井太郎
○国務大臣(平井太郎君) 第一のお尋ね、大蔵省に対し二十万でやったのか、また三十万というのが郵政大臣の考え方であるか、事務当局とその点が違っておらないか、なお大蔵省に対して二十五万円で交渉したその内容を承わりたいという御質問でございまするが、私はかねがね、簡易保険の最高額は現在の経済事情を勘案すれば、当然三十万程度が適当であろう、これは私が考えたことでございます。しかしながら、いろいろ事務当局その他周囲の客観情勢を判断をいたしますれば、そう簡単なものでもない、またほんとうに理想はそうであっても、現実にはいろいろ隘路もあるというようなことから、いろいろ事務当局からの御意見を聞き、また大蔵当局ともいろいろ意見を私は聞いた範囲内においては、まずまず二十万円程度でないと、現段階では一ぺんに飛躍すると無理が出るんではなかろうかというような判断を私がいたしました。そこで、今回はまず二十万円が適当であるという断を下しました。しかしその間、二十五万円で大蔵省その他関係方面とは折衝を事務当局がいたしておることは事実でございまして、この折衝の模様は事務当局から説明をさせます。
それから第二点の、大蔵省が郵政省に対して行政干渉をしたのではないかというお尋ねでございますが、さようなことはございませんから、その点ははっきり申し上げておきます。
第三の希望割当か、目標の割当かという問題でございますが、これは一つ事務当局から答弁をいたさせます。
それから第四点の定員は何名要求したか、何%これに対して考慮しておるかというお尋ねでございますが、これもあわせて事務当局から答弁をさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/50
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051・成松馨
○政府委員(成松馨君) 先ほど大臣からお話がありました第一点でございますが、大蔵省の事務当局と私どもと折衝した過程におきましては、やはり簡易生命保険が現在の十五万円ではいけない、で、われわれの主張するところによれば三十万円ということになるわけでございますが、大体そういう考え方はわかってくれているんじゃないかというふうに推察をいたしておる次第でございます。ただしかし、先ほどもお話し申し上げましたように、民間生生命保険の経営も、無審査あるいは低料といったようなものを数多くとっております関係もあり、また戦前の保険契約の金額高等の回復率等から見ましても、簡易保険に劣るところが非常に大きいから、もう少し漸進的にやってもらいたいという考え方もあったことは事実でありまして、私どもは、そこら辺を非常に考慮しまして、漸進的な考えをとったのでありますが、大蔵省の事務当局にいたしましても、単にこのままに置いていいものではないと、簡易保険の最高制限額をこのままで置いていいというものではないという考えは持っておるようでございます。従って、できれば民間生命保険と簡易保険との調整をどの点に持っていくかという点について、何か客観的なルールができれば非常に幸いである。それに基いて自動的に上るようにしたらどうだろうという案まで出してきておるわけでございますが、この問題は簡易保険の伸張——今後の伸張率、民間生命保険の伸張率をどの程度に見るかという点に非常に関係がございますので、私どもとしては慎重に検討した上で話し合いを進めていきたい、このよう考えておるわけでございます。
なお、簡易保険の目標が強制的なものであるか、あるいは任意的なものであるかといった問題につきましては、これは毎年目標が定まりました場合に組合員諸君とも話をしておるところでございますが、およそ卒業をなす場合には、やはりこういうような仕事の性格といたしまして、目標というものを立てなければ、とうてい計画的な仕事はなしていけるものではないと、このように私どもは考えまして目標を立てておるわけでございますが、ただ、この目標に従って郵政局が各局の実態を勘案いたしまして、それぞれの目標をさらに下部へ分配していると思いますが、その目標の考え方としましては、強制という言葉で言えるかどうか存じませんが、これができなければ処罰するとかいうことでなくて、事業の目標といたしましては、やはりこのくらい要るんだということをよく認識してもらい、そうしてよく保険事業の実態を認識してもらって協力をしてもらうということを建前としている次第でございます。
なお、失効、解約の問題につきましては、三十二年度といたしましては、年間八分以内ということを一応目標といたしております。
なお、定員の問題につきましては、御承知のように三十一年度予算におきましては、集金事務関係に二百人回したのでございますが、三十二年度もほぼそれと同じものを要求したのでございますけれども、実際問題としてはうまく成立しなかった、こういう実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/51
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052・森中守義
○森中守義君 大へんくどいようですが、大臣にもう一つ伺いたいと思います。三十万というような基本線をお持ちのようですが、客観情勢によってなかなかそうもいかないということであります。私は先週の木曜日に、省としての非常に逓信国策上一貫した方針がないということを申し上げたのでありますが、どうもときどき変化していく周囲の情勢に押し流されていくような、そういう印象を非常に強く持ったのであります。従いまして、客観情勢とは現状では果して具体的にどういうことであるか。つまり民間からの非常に強烈な反対があった。あるいは光村委員が先刻一言われたように、政党に対するいろいろな働きかけがあったのではないか、こういうことも私はいろいろ推察がされるわけでありますので、もう少し的確に、客観情勢のために三十万が押せなかった、二十万で妥協せざるを得なかったという客観情勢の具体的なことを御説明願いたい。
それからもう一つは、二十万で果して三十二年度の予算上、郵政省としては責任を持ってこの経営に当り得るかどうか、このことを明確にしていただきたいと思います。
それから第三の問題は、この強制かあるいは希望かという問題に対して今保険局長の御答弁があったのでありますが、私は、これはある意味では希望的な意見かもわかりませんけれども、ややもすると罰則条項を設けて、目標を達成していないところには厳重に処罰をする、こういうことがあれば、これは私は大へんなことだと思う、また、そういうことは今日の郵政法上許されていない。従って、私は今事業愛であるとか、あるいは挺身報国、こういう戦前にいわゆる鼓吹されてきた一種の事業に対する愛着、執着というものを理由にして、必要以上にいわゆる権力的な督励が現業において行われてはいないか、こういうことを非常に危惧いたしている。先刻も手島先生の方では、ある局ではバッテンをしてこれとこれはいけないというような話があったということでありますが、郵便局の中には、個人々々の目標が割り当てられている、そうして一月はこのくらい、二月はこのくらい、そうしてその線表に満ちていない者については、毎日局長や課長が非常に督励をしているのは、これはもう事実であります。従って、事業愛であるとか、あるいはまた挺身報国という戦前におけるこういったようなことで、いわゆる精神的に苦痛を与えがちなのが保険募集には随時伴っておりますので、こういうことが行われないように、あくまでも十四億の目標が達成されなければいけないことでありますけれども、そのことの余り、労働基準法は無視される反面、ただ従業員の事業愛に名をかりて強権督励が行われないように、この項について私は特に当局の注意をうながしておきたいと思います。二点について御答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/52
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053・平井太郎
○国務大臣(平井太郎君) お尋ねの第一点で、客観情勢の分析でございまするが、先ほど御指摘の政党に対する献金、かようなことは私はまだ承わってはおりませんし、またそのようなことはあっては相ならぬことで、それはさようなことには相なっておらないと信じます。
それから民間の保険会社の圧迫によってそうした客観情勢が生まれておるのじゃなかろうかという御指摘でございまするが、民間の保険の業者からの圧迫ではございません。しかし、この保険事業というものは、民間と官業が両々相待って共存共栄の建前からいかなければ相ならぬと思います。この観点に立ちまして、やはり官業が民間を圧迫するという事柄については、これもよほど検討しなければ相ならぬ、また、さようなことがあってはいけない、また民間が官業を圧迫してもいけない、まあほどほどに——言葉が悪いかもしれませんが、ほどほどにこれを調整して保険専業の円満な運営をやらなければ相ならない、かような観点から見まして、現段階において一ぺんに飛躍して三十万円にするという事柄は、また民間に対するいろいろ問題もあるのじゃなかろうかということ、それからまた経済事情というものはいろいろ変化をしてきております。そこで、今日ただいますぐに一ぺんに三十万へ飛ぶ、また二十五万へ一度に飛躍するという事柄は、やはり順序としても多少無理があるんじゃなかろうかということを考慮いたしまして、現段階においては十分ではないが、一応二十万円という線を考えて、物足りぬところにすべて進歩が生まれてき、また、今後の運営もうまくなっていくんじゃなかろうかというようなことで、二十万円にしても相当の進歩でございますから、まあまあという気持から、まあ一つ政治的な私の配慮もございまして、二十万円にいたしたのでございます。
そこで、客観情勢の分析について二点お示しの民業圧迫、また政党政調会に対する云々は、決してないことをここに言明いたしておきます。
それから第二点の、三十二年度において二十万円において予算上の責任を大臣は持てるかという、こういうお尋ねでございますが、この点につきましても、十分責任が持てるように一つ今後の運営をやっていきたい、かように思っております。
それから第三点、無理をして募集をし、長続きのしないような気まずいものを作り上げるんじゃないか、こういう御趣旨だったかと思います。この点につきましては、決して無理は長く続くものではありません。無理した保険契約というものは必ず破滅が来まして、いろいろトラブルが起きる原因になります。そこで、決して無理はさせません。ただし、先ほど大先輩の手島先生か御指摘になったように、保険というものは非常に募集がむずかしい。農村においては農村の事情があり、また都会においては都会の事情があるというようなことを私もまざまざと承わり、また私もいろいろと周囲からのお話も承わって、これはやはり運営の妙が必要で、運営技術によってこういう問題を解消しなければ相ならぬ、かように存ずるのでございます。かような観点に立ちまして、決して無理な方法でこれを運営し、募集するということは厳に戒めます。また、無理をして募金をした者に対して論功行賞をやるというようなことは決してやりません。こういう点はもうはっきりと申し上げて、正しい運営、まじめな運営によってこの方針を、目的を達成さしたいと、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/53
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054・森中守義
○森中守義君 私は客観情勢の中に対する大臣の答弁で、大臣の政治的な意味としては理解できます。しかし、何となしに受ける感じとしては、十五万円であったからその倍額の三十万円にはいけない、だから五万円刻みの二十万円でよかろう、こういう何か勘で仕事をされるとか、勘で大蔵省と折衝されるというような印象を受けるのです。つまり、ほんとうに三十万円でなければならぬとするきぜんたる郵政省の態度から——逆に申し上げるならば、どうしても三十万まで持っていかなければ簡易保険事業は経営困難であるとするならば、そういう論拠がないような気がする。従って、政治的な変動によって左右されてみたり、あるいは時の社会情勢に変動を受けて、もちろん政治情勢や社会情勢に変動を来たすことは、これはもうあり得ることでありましょうが、要するに貫いていこうとする方針がないような気がしてなりません。従って、その点をもう少し、三十万円にどうでもしなければいけなかったが、大蔵省と交渉してみた、あるいはその他いろいろと考えたけれども、二十万に落ちつかせざるを得なかったという、そういう内容がもう少し聞かしてもらえないかと思う。ただもう勘ではこれはやはりだめなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/54
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055・平井太郎
○国務大臣(平井太郎君) 私が三十万円と申し上げた事柄において多少誤解かあっては困りますが、私の三十万円最高額というものは、私の理想でございます。そこで、この三十万円であれば現在から将来に向っての経済界の推移を検討し、また私が考えた場合において適当でなかろうか、かように存ずるわけでございます。しかしながら、これは目標額でございまして、私の考えておる目標額でございまして、この目標に到達さすためにはおのずから順序や段階があると考えます。そこで、まず三十万円あれば私の考えている目標に順々に到達していくという考えのもとに、まず二十万円を攻略し、次には二十五万円を攻略していく、こういうような段階を私も考えたのでございまして、また今後経済界の推移とマッチしまして十分皆様方の御協力を得て三十万円の私の目標に向って今後努力をいたしたい、かように存じております。そこで、絶対に今三十万円でなければ、この保険業務の運営ができないというような事柄は考えておりません。その点は十分誤解のないように一つお願いを申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/55
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056・森中守義
○森中守義君 それでは私は、大臣が二十万円で三十二年度予算が簡易保険の経営上責任が持てる、こういう話でありますから、その持てる責任というものは広範にわたった意味の責任でありますか、果して大臣の言われる事柄のまま実行されるかどうか、これは将来の問題として随時この委員会で質問等を行うことにいたしまして、私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/56
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057・藤田進
○藤田進君 承わっていまして、政府、郵政省当局としては、やはり大臣は三十万、それから事務当局は取りあえず大蔵省との折衝の間には二十五万ですか、そういう形で折衝した。その金額を折衝されるについては、多少掛値があったとしても、二十五万説については、民保との共存同栄のことも考えただろうし、保険経済の運営も十分考えられてのことだったのですね。そうしてみると、結論的には、大蔵省の事務当局の意見に郵政大臣も屈服したという——どう弁解されてもそうなろうと思う。その漸増主義が出てきたのは、おそらくそういうあとから言われるような気がする。それから一方与党の委員の皆さん、お二人発言があったが、いずれも三十万円説を唱えておられる。そうすると、立法府としては、委員会において審議をするのだが、何も大蔵省の拘束はわれわれ受けるわけじゃないので、委員会において今の空気は与野党通じて、さらに、二十万円では低きに失するから、この際低きに失するから、二十五万円ないし三十万という増額の方向の発言があるし、聞くところによると、原案であれば付帯決議を必要とする、こうなっているのですね。今の委員会の皆さんの態度から見れば、与党も野党も通じてですね、これは二十万円ではなくて、さらに増額すべきとの意見がこれはもう圧倒的ですよ、聞いていて。これは速記を調べてごらんなさい。そうなれば、立法府として原案にくくられる性格のものじゃないんですから、質疑はいたしますよ。この委員会において政府提出にかかる原案を二十五万に修正した場合に、不満があるのかないのか。付帯決議のようななまぬるいものでなくても、当時大蔵省に対して折衝せられたんだから、立法府として独自の立場で、今の発言の内容等から、委員間のやりとりを聞いてみても、これは不満なんだな。二十万ではおそらく大臣も、三十万でない限り不満のようにも聞えるわけなんで、委員会において修正は、これはその自主性におまかせするという態度なのか、いや原案でせひお願いしたいという態度なのか、聞いてみたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/57
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058・平井太郎
○国務大臣(平井太郎君) 私がただいままで答弁を申し上げた内容でもおわかりのように、私の考えといたしましては、二十万円よりも二十五万円の方が希望いたします。しかし、この原案を作るまでには、相当私自身といたしましても考慮をいたし、また関係方面をも十分の配慮いたし、事務当局もこの問題につきましては相当長時間かけましていろいろ検討いたしたのでございます。まあかような事柄が、今日この二十万円という数字を生んでおるのでございます。まあかようなことでございまして、私といたしましては、まだまだ不満の点は十分あるのでございまするが、まず今日の段階において、二十万円という最高額が生まれたことも、これは相当の前進でございます。そこで、この前進を近き将来においてまた前進していくということにおいて、うまくこの問題を解決いたしたいと、まあこういう考えがあるので、いろいろ委員各位におかれても、二十万円ということは御不満の点は十分うかがわれるのでございまするが、どうか今回は、この郵政省の出しておる二十万円でどうぞ一つ御協力願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/58
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059・藤田進
○藤田進君 これはまあ御承知のように、立法府としては二院制という、この参議院の立場というものから考えても——私は初めて逓信委員会というものはこうしておじゃましたわけですが、各委員の発言は、原案では不満だと、具体的に数字をあげて、三十万円を僕は至当とするという御発言もあり、そうなのに、なまぬるい何か付帯決議というものが出てきたりするところに、非常な根の深いものがあるのかないのか。与党の委員も、もちろん党の意向を徴して委員会の発言をされていると思うんですね。大臣の一声で、それじゃ仕方がないというそんな審議の態度じゃなかろうと思う。そこらに奇異な点を感ずるのだが、もし、郵政大臣の言をそのまま信用するとするならば、漸増方針のようだが、三十三年度の四月以降は、どういうめどをお持ちなのか、お聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/59
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060・平井太郎
○国務大臣(平井太郎君) 三十三年度につきましては、十分検討をいたしたいと、まあかように存じまするが、これは何と申しましてもまだ来てみなければ相ならぬことで、また三十三年度の問題を今から私がここではっきり申し上げても、まだ少し時期が早いのじゃないか、かように存じます。そこで、私は誠心誠意やはりこの皆さんの御希望を達成するために、今後二十五万円、また、私の目標である三十万円に向って大いに努力をいたすということをここではっきり申し上げて、一つ何分ともの御了解を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/60
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061・藤田進
○藤田進君 まあ要するに各党の発言のある限りは、大会派の、過半数をお持ちの自由民主党も、二十万円では妥当でない、三十万円説も出ておる、こういうことなんだが、これは十分委員長におかれても、この間の事情を調整される必要があろうと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/61
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062・手島栄
○手島栄君 ただいま自由民主党の方で私も発言したので、その中で三十万円にしなければいかぬというような意見を吐いたようにお聞きいたしましたが、あとでお調べ願えばわかりますが、私が申し上げたのは、民間に圧迫されて簡易保険が金額引上げを遠慮する必要がないんだということを主体に申し上げました。大臣が三十万円をやりたかったが、いろいろな事情からこの案になったということはよく了承しましたということを申し上げたので、私はただいまの御発言のように、この際三十万円にしようということを主体にして話してはいないつもりでございます。どうぞ御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/62
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063・前田佳都男
○前田佳都男君 ただいまの藤田先生の御質問に関連しまして一言申し上げます。私は、大体自由民主党の政調会にそんな不思議なものは流れていないと思う。それは非常におかしなことだ、そんなことがあったら大へんなことだというように申し上げ、かつ、私は個人の考え方として、三十万円程度のものが妥当ではないか、私ども郵政省に席を置いて、多少の経験を持っております関係上、そういうふうな意味において申し上げたのであります。また、先ほどから大臣の御説明を承わっておりますと、大臣は結局、結論は三十万円に御賛成だというふうに私は解釈しておるのであります。ただ、その三十万円というものを目標といたしまして、まず二十万円を攻略する、それから次に三十五万円を攻略する、そうして三十万円を攻略するというふうな、そういう熱意を私は先ほどの大臣の御説明の中にまずはっきりとうかがうことができるのでございまして、私はまずこの際大臣の心持を了といたしまして、ともかくも現在はこの程度にとどめまして、今後強力に、かつ、すみやかにこれを引き上げるような、そういう意思表示をこの委員会で行いまして、私の考え方はその程度であるということを申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/63
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064・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/64
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065・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/65
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066・光村甚助
○光村甚助君 さっきの私の発言の中で、ちょっと意見の発表がまずかった点があったようです。私は率直にこれは認めますが、速記を見なくちゃわかりません。ただし、私の言ったことは、人を怒らしたり、不愉快な念を持たしたりするために言ったことじゃないんです。ただ、この前の吉田内閣のときに、八万円で最高制限が抑えられたことがあったんです。そのときには相当新聞なんかで、保険会社から相当自民党に対して政治献金があったことはずいぶんうわさになったんです。私はそれを申し上げたので、今度の二十万円になった分が、いわゆる自民党の政調会に今度保険会社が寄付をして、これが二十万円になったということを言おうとしたのではない。過去にもこういう例があったから、うわさに聞いているから、今度もそういうものがあったんではないだろうかということを聞いたのです。今度自民党の政調会に寄付があって圧迫をしたということを私は言ったのじゃないのです。その点は一応ここで釈明をして速記録に残しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/66
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067・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 ただいまの光村委員の御発言、これで大体事態はよくわかりましたが、前のことは私存じませんが、今回の簡易保険の制限額引き上げに関しましては、私は自民党の政調会のほんの一端を担当しているだけでありますけれども、保険業界から圧迫があったとか、献金があったとかいうような事実は、私に関しては全然聞いておりません。しかも、また前から逓信関係の委員をしております私個人に対しましても、文書一枚、電話一本かかってこないという状況で、先ほど郵政大臣がるる述べられたように、これは他の力によって制限額が二十万円に押えられたという事実は、私はこれはないと考えております。しかし、先ほど来各委員から御議論のありますように、漸進的にしても、今の経済状況から申しますと、二十万円にこれをとどめておくということはいかがかと私も考えております。できるだけ近い機会に、この制限額を引き上げるように努力すべきことは当然だと私も思っております。ただ、今度の制限額を、二十万円で、政府部内で大蔵省と郵政省が、いわば妥協をしたということについては、何らそれらの圧迫はなかった、他からの運動によってそういう事実が起ったのではないということだけは明瞭にしておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/67
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068・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/68
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069・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。
他に御質疑もなければ、これをもって質疑を終了し、直ちに討論に入ります。
御意見のある力は賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/69
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070・光村甚助
○光村甚助君 今まで各委員の御質問を承わっておりますと、今度の郵政省提案のこの二十万円の引き上げで不満だということは大体本院の一致している意見だと思います。それで私は左の付帯決議を付してこの法案に賛成したいと思います。その案文を読み上げます。
簡易生命保険法の一部を改正する法律案に対する付帯決議(案)
簡易保険最高制限額の引上げはかねて国民の強い要望であるか特に最近における国民経済の膨張によって益々その必要の度を加えて来ている。この事実にかんがみるとき、今回の引上げ程度では国民の要望に応え、その経済生活の安定に寄与することは困難であると認める。
よって政府は速かに更にこの最高制限額を引上げるよう措置すべきである。
以上の付帯決議をつけて私は今度の郵政省提案の最高制限額引き上げに賛成したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/70
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071・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) 他に御意見もなければ、討論を終局し、直ちに採決に入ります。
簡易生命保険法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/71
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072・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
次に、討論中に述べられました光村君提出の付帯決議案を議題といたします。
本付帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/72
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073・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) 全会一致と認めます。よって光村君提出の付帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
なお、本会議における口頭報告の内容、議長に提出する報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/73
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074・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないと認めます。
次に、本法律案を可とされた方は順次御署名を願います。
多数意見者署名
手島 栄 最上 英子
鈴木 強 石坂 蜷一
新谷寅三郎 前田佳部外
宮田 重文 藤田 進
森中 守義 横川 信夫
光村 甚助 山田 節男
奥むめお
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/74
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075・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) 次に、本日の予定案件に追加して、電気通信並びに電波に関する調査を議題といたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/75
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076・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないと認めます。
ちょっと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/76
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077・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/77
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078・藤田進
○藤田進君 本日の電通関係政府委員はどなたでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/78
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079・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) 松田電気通信監理官、靱副総裁、それから山本職員局長がお見えになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/79
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080・藤田進
○藤田進君 まず副総裁にお伺いいたしたいのでありますが、最近電話の交換その他機械化されて、これに伴う人事の問題か諸所に問題を起していることは御承知の通りだと思います。本日は、時間もないようでありますから一般的なものは一応留保いたしまして、とりあえず具体的な事案について、若干の質疑をいたしまして、善処を要望いたしたいのであります。現在広島の通信局管内で三原電報電話局においては、オートメーション化されることによって、膨大な、その地域としては人の異動あるいは解雇、こういう問題が惹起いたしておりまして、これが郵政当局と当該従業員との間にいまだ解決を見ないままに推移をいたしつつあるわけで、将来この問題が非常に憂慮される事態にあると思うわけであります。この点については、あらかじめ労使間においては労働協約の形で規制せられ、それの運営が所定の通り運営されていればまだしものこと、必ずしも労働協約の示す事後の実施が当局において妥当でないようにも見受けられるわけであります。この三原の目下起きておる事案について、まず第一に、電通当局はどういう態度であり、今後の処理をいかようにされようといたしているのか、総括的にまずお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/80
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081・靱勉
○説明員(靱勉君) ただいま御質問の三原電話局の解雇に伴いますところの従業員の配置転換の問題につきまして、組合から申込書でございますか、参りまして、中国の電気通信局との間に現在問題の起きておりますことは承知しております。これの詳細につきましては、職員局長からお答え申し上げますが、配置転換に関する協約を組合と公社との間にすでに決定いたしておりまして、それらの条項に従いまして、本問題も処理されるものと私ども考えておった次第でございますが、若干その間におきまして組合側との間に意見の相違がありまして、現在この問題必ずしも円満に解決していないという状態であります。その経緯をただいまから職員局長から詳しく御説明いたしまして、今後すみやかにこの問題を円満に処理いたしたいと、こういう考えに立っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/81
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082・山本英也
○説明員(山本英也君) それでは三原電話局におきますところの自動化に伴いまして起りますところの職員の配置転換に関しまして、現在どういうことが問題になっておるかという点を御説明を申し上げます。三原の電報電話局におきましては、周囲の局でございます糸崎、須波、長谷という三局の、これは郵政の郵便局で行なっておりますところの委託業務の電話交換でございますが、これを統合いたしまして来たる四月一日から自動式の電話にかえるという計画でございます。それに伴いまして三原の電報電話局には、現在電話交換要員といたしまして四十四名おりますが、そのうち交換事務を自動化いたしますことによりまして、十三名を除きましては過員に相なるのであります。従いまして、三十一名は電話の交換要員は過員に相なります。この三十一名の電話交換要員はどういう処置を公社として考えておるかと申しますれば、これはすでに組合との間にも配置転換協約というものを結びまして配置転換をするということで、すでに二年以前から自動化の場合におきましては行なって参ってきておるところでありますが、その配置転換の計画の内容を申し上げますと、そのうちの十一名というものは尾道の電話局の方へ、当初の計画で申しますと配置転換をいたす予定でございます。また、六名は付近の松永電報電話局の方へ配置転換をいたす計画にいたしておりました。また、九名は福山電話局の方へ配置転換をいたす計画にいたしておりましたが、二月の十九日に労働組合の方に協約に従いまして事前に内容の説明を行いました際に、労働組合の方からも、この配置転換計画の内容に若干の修正を加えることを要求されて参ったわけであります。それによりまして、中国の電気通信局におきましても彼此勘案いたしました結果、その配置転換計画を若干修正をいたしまして、現在におきましては、先ほど十三名だけは元の局であります三原局に残るという計算になりますが、それを二名ふやしまして十五名だけ三原の局に運用要員として残し、尾道の電話局には十四名、それから尾道の電報局に五名、合計、当初の計画よりは六名を尾道の局の方へ配置転換をいたすものをふやしまして、また、松永の局には六名という予定でございましたが、七名を予定いたしまして一名ふやしております。なお職員の中で、本人の希望によりまして、もし配置転換を受けるなら海田市の局へ参りたいという人が一名ございますので、その一名を加えまして、大体配置転換を要しますところの人数というものは、それで総計四十五名に相なりまして、大体この計画をもって現在進んでおります。なお、労働組合の方からは配置転換の計画そのもの以外にも若干の希望を申し出られておるようでありますけれども、その点につきましては、目下通信局と労働組合との間で話し合いを続けておる状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/82
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083・藤田進
○藤田進君 そうしますと、当初予定せられた前段の配置転換の数字、尾道へ十一名、松永へ六名、福山に九名というものが、現在というのは時点においていつごろでしょうか。ここ一両日ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/83
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084・山本英也
○説明員(山本英也君) 三月の十五日でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/84
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085・藤田進
○藤田進君 そういたしますと、本社員である人々については、希望で海田市一名を含めて合計四十五名だから、これは解決を見たということになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/85
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086・山本英也
○説明員(山本英也君) 大体この点で最終的な解決になると考えており、す。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/86
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087・藤田進
○藤田進君 このほかに、いずれは本社員に採用するという形において臨時雇というのがあって、その臨時雇の解雇というものが四十一名になると聞いておりますが、この点はその後の三月十五日の計画変更に伴ってはどういうことになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/87
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088・山本英也
○説明員(山本英也君) お答えいたしますが、ただいま藤田委員のお話で、臨時作業員をこの関係で解雇するというようなことになるというお話でございますが、臨時作業員と申しますのは、期間を定めまして雇い入れる者でありまして、将来職員にするという目的で雇用をいたした者ではございません。従いまして、三原の電報電話局あるいは尾道の電話局等におきまして、三原の電話局の過員を配置転換をいたします結果、尾道あるいは松永という局におきましての要員の充足ができまするならば、この臨時作業員として雇いました者はほとんど全部長欠の補充でありますとか、長期欠勤者に対しまするところの一時的な補充の関係で雇った者、あるいは産前産後の休暇がとられますので、それの補充として雇った者でありますとか、あるいはそういう者がおもな者でありまして、ことに三原電報電話局におきましては、改式ということはもう数年前と申しますか、相当長期前から職員も知り、あるいは臨時作業員を雇いますときにも、その事情はわかっておりますので、職員として将来雇うという約束のもとに雇った臨時作業員という者は一名もございません。従いまして、この要員の充足ができます限りにおきましては、雇用期間を定めてありますところの臨時作業員は雇用期間の満了とともに継続雇用はいたしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/88
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089・藤田進
○藤田進君 だけれども、特定期間を定めて順次更新をして、従来臨時作業員なり、臨時工というのは継続されていたのが常識なんですね。それで産前産後その他の補充ということと、あるいは労務の実態というものは、補充されている間は同じだと思うのだが、その四十一名と指摘いたしましたが、この全部が同時に採用して、同一期間であれば同時に唐採用しないということになるかというのですが、そこらの実情をもう少し聞きたいのですが、今のお言葉では、言外にはやはり、だから補充員、いわゆる臨時作業員については再雇用しないという形においておやめいただくということに聞えるわけですね。それが全員何名あって、そのうちその全員についてそういう措置をおとりになるのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/89
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090・山本英也
○説明員(山本英也君) お答え申し上げますが、ただいま臨時作業員として関係局で雇っておりますのは御指摘のような数にほぼひとしい数でございます。四十名前後でございます。三原電報電話局におきまして五名、尾道電報局におきまして二名、松永電報電話局におきまして一名、福山電報局で二名、福山電話局で七名、尾道電話局におきまして約二十名、こういうことに相なっております。従いまして、尾道の電話局の方にはこの際十四名の三原の局から電話運用要員という者は配置転換をいたしますので、この尾道の電話局で雇っております二十四名の臨時作業員と申しますのは時間制の要員でございます。従いまして、やむを得ず時間制の要員で欠務を補充いたしておったわけでありますけれども、三原の電報電話局の方から配置転換を受けます者が十四名ございますので、この二十四名のパート・タイムの臨時作業員というものは雇用期間の満了とともにやめていただくつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/90
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091・藤田進
○藤田進君 そうすると、言い直せば四十名前後はこの際やめてもらうと、こういうことになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/91
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092・山本英也
○説明員(山本英也君) 雇用期間は、大体臨時作業員につきましては二カ月を最長期といたしておりますので、改式後二カ月以後の過員におきまして、四十名近くの方にはやめていただくことになると思っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/92
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093・藤田進
○藤田進君 これは時間的に見てズレがありますから、その二カ月というのが、採用されるときの時期が違えば、自然二カ月ずれるわけです、実情は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/93
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094・山本英也
○説明員(山本英也君) 各人によって必ずしも採用の時期が同一でないのと同時に、雇用の切りかえというとおかしいですが、三カ月ごとの雇用期間を定めて採用いたしておりますので、その期間はまちまちになりますから、従いまして、四月一日に改式をいたしますことによって、四月一日に全部臨時作業員の方にやめていただくということには相なりません。順序が、順序と申しますか、若干の違いは二カ月の範囲内においては起ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/94
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095・藤田進
○藤田進君 さて、そこでですね、私ども実情について納得いきかねるのは、三原に四十四名でうち十三名を残してあと配置転換ということで、尾道そのほかにそれぞれ配置転換で、本社員については埋め合せをする。ところが、その絶対値というものは四十四名の三原というものも減少はしない。ただ、各局に配置転換を行うということ、その配置転換が至当であるかどうか別として、それだけの人員に対して、補欠要員としては四十名前後を必要とした。それは産前産後の休暇をとった等の場合にこれを補充するのだ、こういうことなんですが、それぞれ配置されると比率が変ってくるだろうが、やはり産前産後なりあるいは生理休暇なり、そういうものはあり得ると思うのですね。自動化になったためにこれはなくなったといえば、その間の補充も何もしない、無人でいいのかという疑問も起きるわけですが、実情は、私の調査によると生理休暇その他、忙しくてとうていとり得ない状態にある、これは過去の実績が示していて、お手元に資料があれば発表していただいてけっこうであります。そういうきわめて繁忙をきわめているときに、自動化を契機に臨時作業員がやめるということになれば、事後の運営が果してうまくいくのかどうか、休暇も必要とするときにとり得る状態にあるのか、過去においてもとれていないのに、そこらの説明はどういうふうになっているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/95
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096・山本英也
○説明員(山本英也君) ただいまの御質問の要旨は、結局自動化をいたしますと、ある程度の電話交換が自動化をされますれば、交換要員というものは余って参りまするが、その余って参りました交換要員を三原の局以外に配置転換をいたしますことによって、三原の局以外の要員の事情というものは、従前に比べまして、かりに御指摘のように、休暇がとりにくいとかあるいは生理休暇が十分にとれないとかというような状況は十分に緩和されるのであります。従いまして、ここで臨時作業員を雇いまして補充をいたしておったというようなものは、本職員をもって補充をいたしますから、必要がなくなるのであります。従って、臨時作業員の方をさらに継続雇用する必要がなくなると私どもは考えておるのであります。ただ一言申し上げますと、この従来非常に休暇あるいは長期欠勤の者がありましたために、服務が過重になっておったのではないかというようなお話でございますが、私ども、この四十一名というものが過員として出て参りましたので、それをほかの局、三原局以外に補充をいたす格好になりますので、それ以外の局におきましては、従来よりは服務の負荷と申しますか、それは確かに軽くなるということは十分言えることと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/96
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097・藤田進
○藤田進君 これについて、まあ職員局長でけっこうですが、組合との折衝、三月の十五日の場合ですね、今言われたその案で組合との関係はどういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/97
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098・山本英也
○説明員(山本英也君) 三月十六日以降のことにつきましては、詳しいことはまだわかっておりませんが、三月十六日にただいまも申しましたようなことを申して、組合の方はそれに対してさらにどうこうということは通信局の方には申し出てきておらないように私は聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/98
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099・藤田進
○藤田進君 それは時期的に十五日にそういうことをきめ、十六日に通告したのですかね。その後連絡がまだないという意味なのか、それで組合は了解をしたと当局は解釈せられているのか、どちらなんですか。連絡がしまだ来てないという状態なのか、了解したとみなしているのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/99
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100・山本英也
○説明員(山本英也君) 完全に了解したということを組合側で発言しましたかどうかは聞いておりませんが、少くともある程度の了解点に達しているものと私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/100
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101・藤田進
○藤田進君 そうすると、少くとも三原の事態というものは現状においておさまっておりますか。私も十六、七両日の実状はそう詳しくは実は知らないのです。それまではかなり問題があったように思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/101
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102・山本英也
○説明員(山本英也君) 組合の方が現地におきましてどういうことに、トラブルがなお継続しているかどうかということは、詳細には実は私も任じておりませんのではっきり申し上げられませんが、労働組合側の広島におきますところの地方本部におきましては、その後なお交渉を継続するという形で打ち切っているものと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/102
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103・藤田進
○藤田進君 言葉じりじゃないけれども、了解したとあなたがみなしているが、一方において交渉を継続するという、その関係がどうなるのですか。交渉継続はないでしょう、了解したならば。電通はわれわれも客観的にこれを見て、是は是、非は非として建設的にものを処理してきている組合だと思うのですよ。副総裁も円満に処理していきたいという御答弁であったのでありますから、この点は最初の案と折衝の過程で若干の変更をされて、特に婦人がラッシュ・アワーで三原ないしその近傍から福山までの通勤については、どうも今の十五日までの結論を見ると思いとどまって、若干の数字変更によって、もよりに配置転換をされたように私は解するわけです。そういうふうにだんだん円満にものが処理されていく方向にあるとすれば、今後いま一段の御努力もされて、出先はいろいろ相談に及ぶでしょう、中央部に。そういう関係においては、やはり副総裁の言われたように、円満にこの問題を処理してもらいたいと思う。で、特にこれは北九州なり、ほかにも今自動化の過程にあって問題があるわけで、ただ一般的に抽象的に申し上げたのではわかりにくいから、具体的にただ申し上げたわけですが、これらの点について、今後の御方針を聞きたいのですが、私としては、やはりせっかく労使間にもきわめて建設的な立場からものを円満に処理しようという態度は見えるように思います。当局を決して非難するわけではないけれども、ただ最後のいま一歩というときに、現場のトラブルがやはりあと味の悪い形でおさまりにくいということでなしに、組合と協議決定とはなっていないとしても、ややそれに近い協議という意義にこたえる、べく今後やはり組合との関係も十分調整をとってこの問題を処理されてしかるべきじゃないだろうか、そう要望したいところなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/103
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104・山本英也
○説明員(山本英也君) ただいま先生からのお話の通り、自動改式等におきましては、常にこういったことが問題になります。また常に労働組合との問にもこのことが紛争の種になることも、私ども長きにわたって、また数多く経験して参っておるところであります。一方三原の電報電話局の自動改式の時期は四月一日ということになっておりまして、これを動かすというわけには参りませんので、なるべく円満に解決したいということは、公社の方でもかねがね考えておるところでございますから、お話のような趣旨に従いまして、現地とも十分連絡をいたしました上で慎重に対処いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/104
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105・藤田進
○藤田進君 副総裁から当初御答弁があった線で具体的な事案についても、やはりまだ四月一日までにはかなり日子もあるわけでありますから、出先に命ぜられまして、この問題組合と十分協議して円満に妥結するように努力していただきたいと思うが、この所信はいかんということ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/105
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106・靱勉
○説明員(靱勉君) 公社におきましても、自動化等に伴いますところの要員の問題についてはきわめて重大に考えております。全電通組合との間にも協定を結び、さらに覚書も結んである次第でございますが、大体オートメーション、機械化というものに伴いまして、配置転換ということがどうしてもこれは起って参る。しかし、配置転換の場合には、やはり新たな職場に行かれる人の気持も、われわれが現場の管理者としては、よくつかみまして、できるだけそういう方々が安心して気持よく行けるようにしていただかなければならぬというのを私ども基本的な原則といたしておりますから、こういうような問題について、常にトラブルが起るということは極力回避していただかなければならぬ。これはまあ、単に組合と公社という関係じゃなく、その職場々々におきまするところのやはり人事管理をする者と、実際にそういう対象になる人たちとの間に、そこにやはり言うことをよく聞き、また助言も与えるというような慣行がなければいかぬと私は思っております。さらに、今御質問の点におきましては、いわゆる期間を定めて雇用する人たちの問題も出てくるわけでございます。公社の職員につきましては、ただいま申したような次第でありますが、この方たちもまあ非常に公社の事業のためにいろいろと時間的にあるいは期間的に御協力を願ったのでおります。ただ、むやみにもう終ったから要らぬというような態度で私ども臨んでいるわけではなくて、そういう方々をまたよそにお世話できる方はお世話する、また必要がある臨時の場合にはお願いするというような基本的な考えに立ちまして、今お話のような本件の解決につきましても、現場におきまして十分円満に解決するように本社からも連絡いたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/106
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107・藤田進
○藤田進君 先ほど期間を定めてあとは要らないのだという、これは雇用契約面の文字通りはそうかもしれないが、これは民間産業の職場においても同様ですか、行く行くはまじめにやっておれば本採用になって通信業務に将来を奉仕できるという楽しみを持ってやってきている人が多いと思うのです。それがこういう機会に雇用契約期間が済んだということで切られることは、非常に本人にとっては生活的な問題だと思います。それで今副総裁の言われるような事後の手当、できれば通信業務のサービス強化という面でこれらを使っていくとか、いろいろ考えてもらいたいと思うのです。私自身も最近電話関係でいろいろな苦情を受けておりますし、私自身も経験しないでもないが、たとえばこれはいつか新聞にも出たように、今日電気にしたって、あるいはガス、水道あるいはラジオその他公益事業においても、集金業務をやはり委託その他でいたしまして、電話のようにちょっと何かの都合でおくれると、すぐ電話を切りますよというような恐喝的なことでものを処理していくということは非常に、加入者の立場から見ても、不満な点があろうと思います。集金業務に切りかえていけば、その経費がかさばって、電話料金が高くなるとおっしゃるでしょうが、僕はこれは他のガスなり、電気なり、あるいは水道なり、そういったような事情を勘案しても、さして大きな経費にはならぬ。個人が電話局に納入しに行くためには、東京の場合、往復二十六円は都電だってかかるわけだし、それが電話であるばかりに、とめられてば困るという、それだけで非常に加入者は不愉快になっています。また電柱などを見ても、Aの店先でどうもじゃまになるといえば、金を出して申請をすれば、これを移転するが、その際何らの付近に相談もなしにBの店先の出入口にひょっと立てて、これは困る、いつの間にこれは立ったのかといえば、申請してまた金を出せば移転しますというようなことの話だし、また十時以後の夜間通話をかけたつもりでも、交換手の方でどういう間違いか、実は至急報でやりましたからということで数千円の金を請求してくる。それが違うといえば、いや、違っちゃおらぬというようなことで、事業が大きいだけに、かなりそういった、いわばサービスの面において不満な点も相当ある。こういう点に多少の料金の加算はあろうとも——ない方かいいけれども、若干あろうとも、やはり加入者の立場から少しものを見て、サービスの強化、そして日本の電話というものが、非常に加入者——国民大衆のためにサービスを強化してくれて、気持のいい電話であるということに、ぜひ一つ頭を置いてもらいたいと思うのです。本日は時間がないので、詳しい事情は申し上げませんが、まあ一般的にそういった面に一つ力を入れて、できるだけ自動化による犠牲者を出さないように努めてもらいたいと思います。もし、集金などについて具体的に御意見があればですが、私どもは熱心にそんなことを考えておるということを申し上げておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/107
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108・森中守義
○森中守義君 私は今の問題に関連して、ちょっと副総裁にお尋ねしたいのですが、電通の場合、いわゆる臨時職員あるいは臨時作業員、正確な呼び名はよく存じませんが、性格としてどういうものですか。たとえば人夫というようなものですね、あるいはまた事務補助というのですか、こういうふうに大体業務の内容によって分類されていると思うのですよ。従って、もしも事務補助的なものであれば、正規な高等学校を卒業した人を採用する、あるいは旧制の中学や大学を出た人を採っておる、こういうようなことがあり得ると思うのです。従って、今、藤田委員の方から言われているこの人たちは、人夫的なものか、あるいは事務補助的なものか、これによってずいぶん内容も変ってくると思いますし、それからもう一つは、正規に電電の場合には、定員法というものはもちろん適用されておりませんけれども、本来ならば、これは正当な職員として採用すべきであるけれども、どうしても予算上、人員の配置上、そういうことが困難だから、さしずめこういうような身分のきわめて不安定な臨時職員として採用されているのかどうか。頭から六カ月あるいは一年とか、あるいはまた二年とか期限を切って採用されているのかどうか。この二点をお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/108
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109・靱勉
○説明員(靱勉君) お答えいたしますが、先に電話のサービスにつきまして御意見が出されましたので、それにまずお答え申し上げたいと思います。全く御指摘のような事態がありまして、私ども、もっとサービスの改善をはからなければならぬ、こういうように考えております。従いまして、今後さらに自動化、機械化が、どうしても事業の性質上、また利用される人々の方面の利益のために変えていかなければならぬという場合におきまして、私はやはりその人によるサービスというものを、わが国は非常に人口の多い所でございますので、考えていかなければならぬ。しかし、いたずらにいわゆる失業救済的な考え方じゃなく、要するにせっかくの労働がプラスになって反映していく、こういう考えでいかなければなりません。御指摘の集金も、実は外国の例を申し上げては恐縮ですが、電話料金だけは、これはどこの国でも集金というものはやっていないんです。私どもかなりこの問題につきまして戦後いろいろ検討いたしましたし、また他の機関の集金ということを、中国地方におきましては、試験的にやってみたこともあったんです。ただいまの結論としましては、今申したような次第で、さらにこれはもう少し慎重に検討を要するというような次第になっております。先ほど人の家の前にやたらに電柱を立って、あとでどけるときには費用を負担せいというようなお話も出たわけでありますが、これはこちらで勝手にやった場合には、当然公社側の負担においてやらなければならぬ、こういう形になっておるのでございますが、そういうようなところが現場の実行の面におきまして、直接関係の利用者の方に十分御説明しないで、普通の例によって処理しようということからの誤解かと存じますが、そういう点も行き届いて説明等ができておりますれば、そういう誤解がない。今後十分さらにサービスの改善につきましては努力いたしますとともに、一番大大事な当面の問題としましては、そういう人によるサービスをいかに今後拡大していくかということを至急結論を得たいというような考えに立っております。
それから次の御質問でございますが、公社におきましては、かつてはいろいろ臨時試用者というものにつきましては、性格のわからない点もございまして、非常に公社に就職されることを希望されるために、一時、臨時ということで、また労務者は、採用のできるときに採用するというような形もとりまして、その間混淆されておった点がございましたが、現在におきましては、ほんとうに期間的な作業と申しますか、そういうのはもうはっきり確定いたしまして、将来本採用するということを予定しないで、またそういうほんとうに臨時的なことに、この人の労働が提供できるという適格性も考えましてやっておりまして、今該当しておるのは、あくまで期間的なものであります。二カ月を最高として、はっきりと事前にそういうことを十分理解していただいて勤務についてもらう、こういう形でございます。公社といたしましては、もちろんいろいろ労働基準法その他の関係からいいまして、試用員というような制度もございます。これらも当然将来本務者になるということを前提としております。そういうふうにいろいろな段階につきまして、はっきりと細別いたしまして、相手の方に誤解のないように、初めから用意いたしておるような次第でございますが、分類等につきまして詳しい御質問でしたら、職員局長からお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/109
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110・山本英也
○説明員(山本英也君) お答え申しますが、この臨時作業員というもののほかに、臨時職員とか、あるいは非常勤職員というようなものがあるかというお話でございますが、これはございません。今公社として、正式の名称として用いておりますのは、職員と準職員、二つに分れます。準職員の中に、臨時作業員と試用員とございます。ただいま問題になっておりますのは臨時作業員でございますが、臨時作業員は、ただいま御指摘のように、いろいろ雇用の目的によりまして類別をいたしております。この臨時作業員につきましても類別をいたしておりまして、臨時作業員を大別いたしまして三種類に分けております。甲類臨時作業員、乙類臨時作業員、丙類臨時作業員と私どもは称しておりますが、甲類臨時作業員と申しますのは、業務の必要によって比較的長期にわたって雇用される者で、雇用目的によって区分をいたしまして、甲類をさらに三つに分けております。第一の、甲類一と申しますのは、将来職員に欠員ができますれば職員にするという目的のもとに雇っておるのを甲類一と称しております。それから甲類二と称しますのは、清掃業務でございますとか、病院におきますところの給食業務、あるいは看護婦の、病院におきますところの病室の世話をするところの——診療労務と言っておりますが、そういう特殊なものであって、将来も職員をもって充てないものに対しましては、甲類二という分類をいたしまして、その臨時作業員を使用いたしております。それから甲類三と申しますのは、将来自動化あるいは機械化されることによりまして、当然その時期においてまでしか必要でないというものは、あらかじめ計画上わかっておりますので、その分に対しまして、欠員ができました場合に雇用いたします場合には、甲類三臨時作業員として私どもは採用をいたしております。
それから乙類の臨時作業員と申しますのは、これは主として電話の交換業務でございますとか、雇用の目的は甲一及び甲三で申し上げましたのと同じようなものがございますけれども、時間制の要員を乙類臨時作業員と称しております。それからただいま三原において問題になっておりますようなのは、この甲三と、そのほかに丙類臨時作業員でございますが、この丙類臨時作業員と申しますのは、ほんとうに先ほど申しましたように、お産をした方があって、産前産後の休暇をとるから、そのあと作業に一定の期間が予定されて、短期に、臨時に必要であるというようなものが大部分でございますが、それ以外に、なお御指摘のように、人夫その他というお話がございましたが、建設工事、あるいはその他によって期間がもう定められておって、この工事は何月何日から始まって何月ころには終るだろうというときに必要といたしますところの臨時作業員を、丙類臨時作業員として雇用をいたしております。
それで雇用期間でございますけれども、すべてこれは日雇いの形式をとりまして、二カ月を限度といたしております。建設工事その他によって長期的にわたって、臨時作業員を二カ月以上にわたって雇用をすることがあらかじめわかっておりますものにつきましても、二カ月の雇用期間を定めまして、再雇用という形でやっております。以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/110
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111・藤田進
○藤田進君 わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/111
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112・鈴木強
○鈴木強君 一つ委員長関連して。公社側の答弁を聞いておったのですが、私十四日の本委員会において、北九州五都市の自動化の問題について同じようなケースが出ておりますが、いろいろ計画をお聞きしたのですが、第一点として、今計画局長もお見えになっておるのですが、副総裁にお尋ねしたいのは、私はこういう自動化改式に伴って要員問題が非常に重大問題になってくるということは、十四日の委員会の答弁にもはっきり言っておったのですが、してみると、もう少し、少くとも三月末日に改式をするということは、三原の電報電話局の自動化に伴って、二月十九日に通信局から組合の地方本部にこの計画が提示された、こういうことなんですが、してみると、わずか四十何日かの期間しかないわけでして、その間に少くともこういう臨時作業員の首切り、さらに相当大幅な配置転換が出るようなこういう計画は、あまりにおそきに失すると思うのです。この点は、私が組合運動をやっておりました当時に、たとえば電報電話局の開局に伴って計画をする場合に、局舎の建設、さらにまたその中に取りつける機械、設備の計画、こういうものと、具体的にこれが開局になり、その要員措置をどうするかという問題がどうもちぐはぐになっておった。あのときの組合は、この点は相当組合としても強く指摘し、当時総裁としても、そういうことのないように十分配慮をしようということを組合員に答弁しておったように私は記憶をしております。そういう立場に立つと、あまりにもおそきに失したと思う、通信局から地方本部に提示する期間がですね。ただ、こういう点は一体従来われわれが何回か指摘し、昨日も副総裁が、要員の問題については十分に考えていかなければならないという思想があるのならば、なぜこの三原のための改式の問題について、少くとも二年くらい、あるいは三年くらい前から計画を立てて実施に移っていると思うのですから、こういう点の反省なんかがどたんばにきてから出てくるから問題がある。少くとも合理化する問題については、この案に対してはわれわれは反対しておらない。組合も反対しておらないようであります。ですから、そういう計画の中において要員措置を考えて、いかにして首切りのないように措置をしていくか、こういうような考え方のもとに計画を立てていかなきゃならぬと私は思っておったわけですけれども、北九州の場合は、七月改式ですから、若干時間があるようですが、この問題はあまりにも唐突に失すると思うことは、実際言っていることと行なっていることと食い違いがあるように思うわけです。ですからなぜこんなにおそく通信局から提示したか、これか一点。それからもう一つは、労働協約の締結は、私当時電通の委員長をいたしておりました当時に締結いたしました。残念ながら公労法の——管理運営は公社側の一方的な計画になっておりまして、団体交渉の中にこれを持ち込まない、そういうことから、労働協約締結の際に、機構の簡素化なり、あるいは縮小等に伴っての要員措置については、残念ながら当時組合としても、そんな公労法——この法の悪法であるのを知っておるにかかわらず、常態においては、その問題については、労働協約の適用の場合に、その再配転の場合に十分考えるということにして、その運用については十分慎重にやってもらいたい、こういう考え方でわれわれはこの協約を締結したはずなんです。ところが、どうも職員局長のお話を聞いておりますと、なるほど臨時作業員の問題につきましては、甲から丙まで分類は一昨々年でしたか、やっておったことを私は了承しておりますが、今回の場合にも、内容を私たち調査してみますと、少くとも甲三、あるいは乙——丙というのはきわめて少い。私の資料では、わずかに尾道電報と福山電報に二名程度しかおらないようでありますが、あとは大体甲三、乙になっております。ですからこういう人たちの身分の問題につきましては、これは何回か天満の、これは当時の首切り問題から裁判闘争までいたしまして、その身分については明確になっておるはずなんです。そうしてみますと、あまりにもこの機構の改革に伴って、自動化に伴って、これらの人たちはもう要らないから、この人たちは当然やめてもらうのだ、こういう印象を私は受けるのでありまして、この点に対するきわめて——職員局長の考え方は、いわゆる血も涙もないという言葉が私は適合すると思う。こういうことでもしやるとするならば、これはとんでもない私は勘違いではないかと思います。ですから甲三の方々、あるいは乙類の方々にしても、私はもう少し——副総裁が御答弁の中で、これらの方々というものはもちろん十分に考えていくということを言われておりますけれども、当面担当しておる職員局長が、そういう通り一ぺんな、木で鼻をくくったような考え方で臨時作業員を見ているとするならば、私はこれはきわめて重大問題だと思うわけです。そういうふうなところから、いずれにしてもその複雑である——臨時作業員の問題は複雑でございますから、私はきょうはこれは意見は申し上げませんが、少くとも今までの労働協約の運営について、どうもこの自動化等に伴ってややもすれば公社側が一方的な配置転換を進めるというような傾向があるのではないか、こういう点を私は心配をしておるのですが、おそらくわれわれが察知する情報によりますと、中国地方本部に対する、それから通信局との交渉の中でも、きわめて強引にこの配転を一方的に強行をする空気が出ておったことは非常に残念に思うわけです。ですからこれらの運用についての考え方も、この際お聞きしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/112
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113・靱勉
○説明員(靱勉君) 職員局長だけではなく、公社の管理者としましては、この問題につきましては、現場においては特に心配をしておるのでありまして、決して血も涙もない、形式的に片づけるという考え方はないのであります。その点は一つ誤解のないようにお願いいたしたいと思います。場合によりまして、やはり具体的に人の問題、配置転換の相手、場所というふうなところでいろいろ意見が対立し、あるいは感情の対立ということがある場合もあるかと思いますが、これは私どもとしましても、十分今後におきましても注意して、先ほど申したような趣旨で円満にできるようにいたしたい、この点ははっきり申し上げたいと思います。と同時に、三原の問題につきまして、非常に唐突じゃないかという御意見でございましたが、私も一体どのくらいの期間が要るかということについて、いろいろなケースによって考えていかねばならぬ、と思いますが、現に三原の問題は、やはりその地方の非常な要望あるいは局自体からの要望、職員からの要望もありまして、これを一つ改善するということになるのが普通でございます。従いまして、大体職員の方々はいつこれができてどうなるということは想像されておりますし、現場の管理者ももちろんそういう点についてはもう一年先き二年先きから頭を悩ましておるのでございまして、形式的に二月幾日から最終的な、こういうふうにこういう人をこうするというように決定する段階はおくれたりいたしましても、もう臨時、全く期間的な人を雇い入れるという時から、すでにもうそういうことは十分その場の人たちは御存じのはずです。決して唐突ではないと思います。ただ、やはり具体的に決定されて、どの人がどこへ行くという決定まで、これはあまりまた早くといいましても、それは事情の変更も起ってくるわけでございますから、必ずしもそれがいい方法でもありませんし、また現場の人たちが安心して能率の上において十分サービスができるように考えていくということで、具体的に人選が必ずしもそう三月も四月も前からやられるのが適当であるかどうか、まあ御意見もありますので、よく三原の問題も一つ通信局の方にそういうような点もさらに実情を聞いてみまして、もしも非常に唐突ならば、今後そういうことがないように考えなければならぬと思います。大体二月の十幾日かに出て、組合の方から出ましたのが、三月六日に一つの反対の意見が出ておる。その中にはその八千円の最低賃金の問題まで触れて、むしろそういう問題もあわせて要求が出ているという状況でありますので、なお、そこいらの点につきましてはもう少し調査いたしてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/113
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114・鈴木強
○鈴木強君 協約の運用の面についての御答弁がなかったのですが、これは職員局長からでもいいですから答弁を願いたいと思います。
それから十九日の日と私はおよそ記憶しているのですが、十九日に通信局から地方本部に提示があった。もちろんこれは何もこういう問題を一年も前からだれをどこへやるとか、かれをどこへやるとか、そういう具体的な問題についてのことでなしに、要するに三原局が市民の要望、また国民の要望に基いて自動化を開始していく、これはもう当然なことなんです。そのことは従来から了承しているし、その際に尾道なり松永なりあるいはその付近の電報局なり電話局なりに配置転換をどうしたらうまくいくのか、そういうような大筋の計画は当然立てなければならないし、さらにまた今度はそれが配置転換になりますと、当然松永なり尾道電報局あるいは福山の電報局なり電話局なり、こういう所に、現在の要員措置を見ると、実際の臨時作業員の採用等についてもやはり配慮をしてくれとか、一つの総合的な要員計画の中でやはりあらかじめ考えてスタートしなければ、われわれが印象的に受けるのは、どうしても計画の提示がおそいために、いよいよ改式になる前夜においてそういう紛争が起きてくる。これは新宿の例を具体的に申しませんが、あなたが具体的に御承知のように、ああいう無鉄砲な配置をやるから、組合員はそれでは応じないということで、場合によってはこういう事態が出ることは、公衆に対しても相済まぬことである。ですからそういう点について、もちろん労働協約も済んでおるし、それに基いて事前にもっと対策を立てるならば、私はよりベターな結論が出たのではないか、こういう意味から質問したわけです。そこで答弁は、あとで一つ協約の運用については職員局長からお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/114
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115・山本英也
○説明員(山本英也君) お答えいたしますが、労働組合との間に結んでおります配置転換協約という点におきましては、いついつまでに協議を開始するというようなことはございませんが、私どもはなるべく早くしたい、おそくとも一カ月以前には具体的な各職員の勤務先なら勤務先が変ることでもありますので、一カ月以上の余裕をもって組合に説明をし、あるいは協議することは協議したい、かようなことで考えておりますが、この一カ月以前というのは、必ずしもいつも一カ月とか二カ月ということではございませんので、北九州の例も、一年も前からその問題につきまして組合に説明をし、あるいは配置転換の計画の協議をいたしておる場合もございます。ただ三原の場合におきましては、割合周囲の交通事情も非常によろしい所でございまして、電話の運用要員と申しますのは女子が大部分でございますので、その配置転換につきましても、おそらく自宅から——勤務先を変えるというと通勤時間等が非常に長くなると、かような場合は三原の場合にはほとんどないのであります。一番長い所に勤務先が変るにいたしましても、二十分ないし三十分の交通時間だけでありますので、そういった点であるいは二月十九日というように通信局の方でも安心をいたしておったのかとも思いますけれども、組合等に説明をいたしますことは、なるべく早くと私ども心がけて、協約の精神に沿うように努めておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/115
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116・鈴木強
○鈴木強君 まあ私の質問したのとちょっとはずれたような御回答なんですが、私の言っているのは、要するに事業の縮小、改廃、そういうものに伴って人の異動が出てくる場合、この解釈については、労働協約の中で明確になっております。ただこの実行の面において、ややもすると強制的にわたるような配置転換もそういうような場合にはやむを得ないのだというような考え方からどうも押し出したのではないか、この点私は非常に心配しているのです。これは公社側の協約に対する答弁において、組合側と当時結んだときの考え方との間に差のあることも私も了承して、一つ両者で話し合って統一した意見にしなければならない、こういうことで御配慮いただいたつもりが、どうもこの解釈が一方的になるように私は考えておる。それが今ここにもこういうような形で出てきたのではないかと思うのです。考え方としては、総裁のおっしゃったことでわかりましたが、しかし北九州の問題は、少くとも一年くらい前から相当に慎重な計画を立てて組合側にも提示しておる。ところが、尾道の問題は、そういう交通事情があるからという安易な気持があったかもしれませんが、やはり提示の仕方がおそい。ここに問題が私はあると思う。合理化する場合に、総裁にお聞きしたように、増改築は、これは時代の脚光をあびて、どんどんといいサービスが提供できるように機械化に変ってくることは第一であるし、それとともに配置転換問題が大事であるということをさっき伺いまして、まさにその通りであると思っておりましたが、そういう点からいっても、今申し上げた現実に社員で配置転換される人と、もう一つは臨時作業員としてここに採用されている方々が今度も四十一名ばかり首切りになる、こういう事態が起きてきている。だからそういう人たちも雇用契約上、さっき言ったように、形式的にはそうでありましょうが、私もそういうことによって分類によっては認めますが、しかし、公社の中で将来やっていこうという気持もあってきたと思いますが、ですから最大限の努力を尽して、こういう臨時作業員に対しては救済していくべきだという考え方を本質的に持つべきだと思います。そのためには三原電報電話局が自動改式になった場合においても、たとえば通知台とか、あるいは案内台とか、監査の台とか、こういう問題についても、ある程度考えていくとか、あるいは総体的にその地域にもっといいサービスを提供するために施設の拡充も私は必要になってくると思う。きょうは意見は言いませんけれども、そういうふうにして一人でも多く救っていく、そうして余った人たちは公社側、また組合側も協力をして、わらじをはいてでも他の産業にも一つお願いをして、当面生活の失業の脅威から救ってやる、そういうようなやはり大精神があってこそ初めてこの合理化というのは私は成功すると思います。そういう熱意がなければいけない。またもちろんやってもだめのこともあるでしょう。しかし、やらずして、これをお前たちは二カ月間雇用だからやめてもらうのだ、こういうことであっては、やはり責任ある経営者の立場からいうならば、私は人間的にいえば、非常に欠けている点があると思う。そういう配慮を十分していただいてこの問題を解決しなければならぬと思うのです。
そこで、北九州の問題についても、私は副総裁にこういう問題ですから、やはり円満に解決するその意思がおありのようですから、特に特別な一つ配慮をいただくためにもお聞きすると、どうも現場の状態がよく把握されておらないようにも伺うのですが、これは非常に残念に思います。せっかく計画というものもできて、機動的な計画を作って進む態勢は組織的にもできているはずです。ですからそういう点については、もう少し私は通信局にまかせるならばまかして、どういうふうにするのだ、そういう基本というものをわれわれに明示してもらいたいし、そうでないとすれば、公社から何かこの問題をみずから解決するような方向にやっていくとか、そういうやはり具体的な策を作らなければならぬと思うのですが、いずれにしても当面緊急な事態ですから、藤田委員の御質問に対してお答えになったように、いろいろとこのサービス改善の面につきましても、組合側にも意見があるようです。従って、この臨時作業員の取扱い方についても意見があるようですから、特に特別な対策をお考えになって、そうしてまず事態を円満に解決するように一つお願いをしたいと思うのです。
もう一つは、この協約の運用について、十分一つ万遺憾のないようにしていただきたいということを、そういうことを希望としてこの際強く申し上げておきたいのです。われわれは国会の中で、北九州の問題といわず他の問題といわず、さらに出てくるであろうこういった同じようなケースに対して、きわめて大きな関心を持っておるわけですから、また委員会の会議の席上にも、私たちはその進行過程の中で質問したいと思うのですが、非常な関心を持っていることを一つ御銘記いただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/116
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117・森中守義
○森中守義君 私は資料を二、三この次でもお出しいただきたいと思うのですが、その一つは、この前靱副総裁とかなりの時間を残しまして、いろいろと、五カ年計画の基本的ないわゆる問題の中では、要員問題について論争をかわしております。そこで私はあくまでも、九カ年計画の中には、ただ自動化をしてあるいは合理化をするということではなくして、それには当然要員計画がその半分を占めるべきである、こういうような意見を開陳いたしました。これを副総裁は、大体是認されたと私は了承いたしております。従って、やはり根本的な問題がこの線に帰着すると思いますから、三十二年度で第一次計画が終り、三十三年度から第二次計画に入るようでありますが、この将来の問題として、この計画推進に当って、要員対策をどのように推進をされようとするか、できれば詳細に内容について検討された結果を資料としてお出しいただきたいと思います。
その次に、先刻職員局長から詳細に説明がありました、甲、乙、丙、この分類されている、現在電通がかかえている主要人員の内訳を資料としてお出しいただきたいと思います。それから管理職と非管理職の比率、一人の管理職に対して何名の人がついているか、大体趣旨としてはおわかりだと思いますが、管理職と非管理職の比率、それからこの一次、二次計画の間に、おそらく人事院の試験を合格をした六級職、五級職、四級職、あるいは三級職、事務員と技術職ですね、こういうものを、この計画中に何名それぞれの年度ごとに採用されておるか、これの数であります。それと、この計画中に定年によって退職をされた人が何名あるか、こういう資料を私はこの次の委員会までにお出しいただきたいと思います。
それと、これは若干意見になりますが、先刻鈴木委員も言われたように、どうも中央で一つの決定線が出て、それを各出先の機関で実際扱う場合に、必ずしも中央の意向が地方にそのままおりていないのではないか、また私どもも各地域に回っていまして、非常に電電の本社の方でお考えになっていることがそのまま現場で採用されていない、こういう事例が一、二あるようにも感じております。従いまして、各現場の管理職の人の若干のニュアンスにもよりましょうけれども、やはり非常に中央でこの計画の実施に当って細心の注意を払っていながらやられていることが、現場において変った方向に進んでおるとすれば、これは私は非常に問題であろうと思いますので、今まで何回かこの決定について通達あるいは指示等をお出しになっていると思いますから、その内容を少しく御説明いただきたいと思います。
それから念のためにもう一回靱副総裁にだめを押しておきたいと思いますが、この前の委員会で、私は先刻も申し上げたように、ただ単に機械化、合理化することだけではなくして、その大半は要員対策が伴わなければならない、従って、要員対策が五カ年計画に非常に無理を来たす、こういうような場合にはテンポをゆるめて、あるいは若干の時期的な延伸をはかる、計画の変更をする、こういう意思はないかというような質問に対して、的確なお答えではありませんでした。またそれは後日に渡ろうということを私は言っておりましたが、この問題について若干の検討を加えられたかどうか、これを御答弁願いたいと思います。
それと最後にもう一つ伺いたいのでありますが、今まで五カ年計画の実施に当って、大体要員問題については、職員局であるとか、あるいはまた事務的な部門であるとか、こういう人たちだけで検討されたものか、あるいは技術的な部門の参面もあったのか、そういう点について、実際の用意をどのように進めておいでになったかお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/117
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118・靱勉
○説明員(靱勉君) 一番最初の資料でございますが、この前も御説明申し上げましたように、第二次五カ年計画は目下検討中でございまして、この際におきまして、今おっしゃったように、半分占めるとか、そういう率で申し上げたのじゃなくて、要員計画というものも織り込みまして計画の最終的決定をいたしたい、こう申し上げたのでございますから、今おっしゃった第一の資料は、もうすぐ出すということは困難かと思いますので、御了承願いたいと思います。
それから私に対する質問で、まあこの前ずいぶん質問したが、どうもはっきりしなかった、その後検討したか、こういう御質問でございますが、これに対しましては先般お答え申し上げましたように、やはりこの技術的な施設、これを一番よく事業の目的に合致した計画はどうであるかという点につきましては、まずそれがきまってくると、これはもちろん社会の要望、また技術的特性、そういうものを考えまして、決定されていくわけでありますが、その際におきまして要員関係を考慮する、その結果非常に無理が出てきますれば、やはり一般の利用せられる方の便不便、技術的の特性、あるいは経済的であるか、あるいは非経済的であるか、それらのものが、どの程度譲れるか、これらを勘案いたしまして計画の修正等も行うのであります。在来も行なって参っております。ただ、それでは絶対に電電公社としては要員問題、問題ないのだなと、こういうふうにお詰め寄りになりましたので、それはそれらの計画を第二次五カ年計画として長期的に測定してみませんと何とも申し上げられないと、私はこの問題はオートメーション、機械化に伴ってどうしてもそれはある程度やむを得ない事態が起ることも考えていかにゃならぬ、それを私どもの事業において全部吸収していけるかどうか、いけない場合においては、これはあとどういうふうにしてこれを他の職場——先ほど申したように他の職場にあっせんをできますかどうかということもあわせて、私は要員対策としてですね、考えるべきものだと考えておりますので、今そういうふうにはっきりお答え申し上げます。
それから在来の計画において、一体職員局とどこがそれをおもにやっておるかということでございますが、前の機構におきましては、計画の設定、その実施等につきましては、当時の運用局、これには営業その他の方からいろいろな要望が出まして、運用局において計画を取りまとめまして、施設部に送ると、さらにそれに伴うところの人員の問題について職員局とも話し合うということで総合的に連絡をとって参ったのでございますが、なおその点におきまして多少時期的に連絡の遅速があったということで問題もあるやに思いましたので、先ほど言ったように、今後におきましては、計画の設定に要員計画その他、もちろん資材あるいは別の部局の関連も全部総合いたしまして、長期計画というものはそういうものを総合した計画でなければいかぬと、こういうふうな建前に立ちまして、現在せっかくその設定を急いでおるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/118
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119・森中守義
○森中守義君 五カ年計画の要員関係の資料について、一応困難であるというような御説明でありますが、なるほど、数字的に三十三年度はこうで、四年度はこうだということはなるほどそうかもわかりません。ただしかし、ものの考え方でこの前払は申し上げたのでありますが、大半を占めるということは、それほど要員問題については重視していかなければいけないと、こういうことを強調しているつもりなんです。従って、私は何回も繰り返すようでありますが、この要員問題をただ機械化、自動化ということだけが先行して、要員問題をずっと副次的なものに考えるようなことがなければ、それでけっこうなんです。従ってここでこの前もそういうような趣旨のもとにということであったのでありますが、もう一回あらためて副総裁から機械化に、あるいは自動化については、要員問題にはさして難渋を来たさない、過程においては若干の問題等があっても、最終的にこれはもう全部電電の方で今ほかに職場をあっせんすると、こういうような話もあったようでありますが、そういうことも含めて、責任を持てるというようなことを言い切ってもらえば問題はこれはないんですよ。それを一つはっきりと責任持てるかどうか、このお答えをいただきたいと思う。まあそうすればこれは別に事やかましい五カ年計画の資料を要員問題について出せというようなことは必要じゃないんです。全部責任を持ちます、ただし、その過程では、私も今まで電通にも奉職をしてきましたし、大体そのいきさつはよくわかっております。それですから最終的に五カ年計画をやっても、要員問題については、結果的には責任が持てる、こういうことを言い切ってもらえば問題ないわけですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/119
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120・靱勉
○説明員(靱勉君) 全く問題ないと申し上げられれば非常に幸いなのでございますが、まあ前回にも申し上げましたように、全体的に申し上げますれば、私どもの方の事業は相当の施設の拡充を今後五年、十年とやっていかなければなりませんので、人員の絶対量としましてはむしろふえる傾向にある。しかしながら、部分的にあるいはどうしても職種の転換ができない、また居住の移転もできないといったような事態が起った場合に、そういうものについてまで全部問題なく行けるかということにつきましては、私どもはこれを何とか問題なく行かすように、先ほども別の委員の方から御指摘がありましたように、人によるサービスをますます拡充して、どのくらいそういう現在の職種転換、配置転換の不可能な人たちを吸収できるかというようなことも今検討いたしておるのであります。先ほどお答えを申したように、集金制度が果してどういうように考えたらいいだろうかというようなことも、単に経済的の観点だけじゃなく、これがいろいろな面にプラスになっていくというような考え方に立って、今工夫をいたしておるのでございまして、何とか問題がないように処理していきたいと考えておりますが、ある地域におきまして、今まで非常に女子の人の勤務を要したものが全く人が要らなくなっちゃうといった場合に、それを果してうまく完全に全部できるかということについては、私ども非常に心配いたしまして、それなるがゆえに、私どもは今後の計画におきましても、要員計画をどういうように持つか、これをどういうふうに善後をうまく措置していけるかどうか、これが研究の重大問題の一つになっておると、こう申し上げるよりほかいたし方ないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/120
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121・森中守義
○森中守義君 これはまあこの前の同じようなことの繰り返しですが、結局、考え方としては了承してもらえますか。つまり、切りかえに当って、今まで長く勤めてきた人たちを犠牲にしたような格好でオートメーションが進め得ない、やはりその人たちをどうするか、いろいろその苦難な道はありましょうが、結果的にはそういうことを十分尊重するとか、あるいはそういう人の生かされるような方向に計画を進めていく、こういうことは言えるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/121
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122・靱勉
○説明員(靱勉君) その基本的な考え方につきましては、すでに組合との協約、その覚書におきましても、本人の意思に反して退職してもらうようなことがないように、これらの問題を処理していくということは申し上げておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/122
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123・山本英也
○説明員(山本英也君) 森中先生にちょっと私からお伺いしますけれども、先ほど資料の御提出の御要求のうちの第四番目の人事院の試験を通った者云々というお話がございましたが、これは将来の五カ年間において新規採用をいたす者のうちにおいてという意味でございますか。それとも従来採用した者の数がどうだというお話でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/123
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124・森中守義
○森中守義君 これはまあ将来のことまでわかっておればなおけっこうですが、一年々々若干予算の関係その他で変っていきましょうし、これはちょっと想定人員も無理じゃないかと思うのですよ。わかっておれば出してほしいと思うのです。ただ、ここにまあ言っている趣旨というものは、その人員に限らず、あるいは大学を出た、高等学校を出た、こういう人たちが、まあいずれさっきの甲類の一ですか、こういった意味で採用される人がおりますね。大学を出て六級職の事務職、技術職をとった、こういう人たちを何名採って、そうして定年退職をしていく人は何名か、そういう比率を私は知りたいので言ったわけですね。今までのでけっこうですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/124
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125・山本英也
○説明員(山本英也君) 大体わかりましたけれども、今のお話のように大学卒業生、高校卒業生ということではわかりますけれども、私どもの方では人事院の試験というものは関係ございませんので、それでは学歴別の新規採用数ということに了解いたしましてよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/125
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126・森中守義
○森中守義君 それでけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/126
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127・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと森中委員に申し上げますが、先ほどの資料の提出を次の委員会までということでございましたが、次の委員会というとあすになるので、これはちょっとむずかしいと思いますので、まあなるべく早くということに一つしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/127
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128・藤田進
○藤田進君 自動化に伴う一般的なことは、ぜひ当委員会でも継続して調査を進めていただきたいと思うのですが、とりあえず私から提起いたしました三原の今回の自動化に伴う配置転換その他の問題については、副総裁からも、地元、出先の担当者にも十分連結をして円満に事を処理していくようにとの御答弁でもありましたし、私どもも近く広島に党として出向きまして、その後の実情も、十分現地の把握もいたしたいと考えております。どうか今ほど来総裁なり職員局長の言われた線で早急に一つ地元のトラブルが円満に解決いたしますように要望いたしまして、私は質疑を終りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/128
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129・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) 本日は、これにて散会します。
午後五時二十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X00719570318/129
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