1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年五月十五日(水曜日)
午後二時十三分開会
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出席者は次の通り。
委員長 剱木 亨弘君
理事
手島 栄君
最上 英子君
鈴木 強君
長谷部ひろ君
委員
石坂 豊一君
新谷寅三郎君
苫米地義三君
中山 壽彦君
宮田 重文君
横川 信夫君
光村 甚助君
森中 守義君
山田 節男君
横川 正市君
国務大臣
郵政大臣 平井 太郎君
政府委員
郵政大臣官房電
気通信監理官 松田 英一君
事務局側
常任委員会専門
員 勝矢 和三君
説明員
農林省振興局参
事官 大戸 元長君
日本電信電話公
社副総裁 靱 勉君
日本電信電話公
社資材局長 和氣幸太郎君
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本日の会議に付した案件
○有線放送電話に関する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
○電気通信並びに電波に関する調査の
件(電気通信事業の合理化に関する
件)
○電波法の一部を改正する法律案(新
谷寅三郎君外五名発議)
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001・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) ただいまより委員会を開会いたします。
本日は、まず有線放送電話に関する法律案を議題といたします。
昨日の山田委員よりの質疑に対しまして、郵政大臣から答弁があるようでありますから、発言を許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/1
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002・平井太郎
○国務大臣(平井太郎君) 昨日の山田委員の御質問につきまして、事柄が非常に重要でございましたので、十分検討をいたした結果を御報告申し上げます。
有線放送電話業務の用に供する設備を有線放送に使用する場合には、この設備によって選挙運動を行うことは、公職選挙法によりましては、一般的には禁止されております。公職選挙法百五十一条の三。
次に、この設備を電話として使用する場合には、認められた選挙運動の期間中は、公職選挙法に何らの禁止規定がありませんので、この設備によって選挙運動を行うことは差しつかえないと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/2
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003・山田節男
○山田節男君 ただいま郵政大臣の御答弁で、大体本法案の公職選挙法に関する解釈は了承できたわけでありますので、ただいまの大臣の御答弁で了承いたします。しかも、昨日郵政省の当局から、自治庁の方でもこの問題については、今大臣の御答弁のことについては、了解済みということでありますので、ただいまの大臣の御答弁で了承いたしますが、公職選挙法第五十一条の問題は、今御答弁の通りに解釈適用きるべきものと思います。なお、昨日も申し上げた通りに、現在までは、この有線放送はこれは別問題でありますけれども、電話等についても、地方公共団体の選挙の場合に、ある団体は許可をし、ある団体は許さないという、何と申しますか、一致してない解釈をしておるわけであります。だから、ただいまの大臣の御答弁は、自治庁を通じてこの公職選挙法第百五十一条の解釈は、今郵政大臣の御答弁の通りにやるべきものであるということを一つ全国的に統一していただくように重ねてお願い申し上げておきます。
それから農林省から見えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/3
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004・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) 山田委員に申し上げます。農林省振興局の参事官大戸元長君が来ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/4
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005・山田節男
○山田節男君 これは公衆電気通信法の一部改正のときに、私は今議題になっておるこの法律案の提出を予想いたしまして、農林省の今年度の予算において、農村振興の方策として、この電話の普及していない、ことに僻地の寒村地帯に有線放送電話の設置を奨励しておる、すでに三十二年度の予算においても、相当大幅な予算を計上してありますので、昨年度までの農林省の、特に振興局の農村振興方策として、この有線放送電話の概要の報告を求めたわけでありますが、昭和三十一年の十二月末現在におきまして、全国的に一般有線放送を設備しておるものが二十万一千八百八、その中でテレホン方式を採用しているものが五万四千七百二十三、これが昨年末の数字でありますが、三十二年度の予算でいえば、この予定表を見ましても、相当テレホン方式を加味した有線放送というものが、農林省の農村振興の政策として実現されるわけであります。なお、その他自治庁の所管内におきましても、これまた有線放送設備の助成を行わんとしておるのであります。そこに今度こういう有線放送電話の新しい法律案が上程されてきまして、その法律を見ますというと、従来農林省の農村振興政策の一環として行なっておった有線放送電話のその対策というものが、内容において非常にこの法律案ができた後においては違ってくるのじゃないか、かように私は考えますので、農林省の所管当局の一つ御意見を伺いたいと思うのです。まず第一に、今日まで農林省が奨励して作った有線放送電話、この施設は別問題としまして、今度この有線放送電話法の法律案が制定されれば、今度は郵政大臣の許可事項として、設置に関する幾多の条件が付されてくるわけです。そこで、私は農林省にお伺いしたいのでありますが、本法案の第四条の許可する条件の中におきまして、いわゆる地域社会という一つの条件でありますが、この点に関して、たとえば農村振興という建前からされれば、この第四条では、同一の市町村内に限るという条項がある。また経済的社会的に緊密な関係を持っておらなくちゃならない、しかも、非常に連絡不便のところでなくちゃならぬ、こういう建前でありますが、農林省の振興政策から見た有線放送電話というものはそれでいいかどうか、申すまでもなく、電話のサービスからいえば、たとえば一行政地域のみを考えるときには、経済圏の問題からしましても、あるいは学童の通学区域、またその他、昔からの歴史、伝統的なことから見て、行政地区だけでこれを制限するということが、農林省の意図しておる農村振興という意味からいって妥当であると思うかどうか、この点を一つまず第一にお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/5
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006・大戸元長
○説明員(大戸元長君) 先ほど来御指摘の通り、農林省といたしましては、いわゆる新農村建設事業として、これを、有線放送を取り上げておるわけでございまして、これは私どもの方では農林漁業地域と申しておりますが、この農林漁業地域というものができまして、その農林漁業地域の中の農民が、組合が有線放送をやりたいというときに、それに対して補助をいたしておるわけでございます。現在までのところ、農林漁業地域と申しますのは、大体いろいろな経済的な関係あるいは社会的な関係等で、必ずしも市町村の区域と一致いたしておりません。むしろ市町村の区域の中にあって、一市町村がたとえば二つに分れておるというような場合が多いのでございまして、新農村建設事業におきまして、農林漁業地域として指定いたしておりますので、市町村の範囲をこえておりますのはほとんどない。まあきわめて例外的にはございますが、ほとんどないのでございます。従いまして、この市町村の区域をこえるような場合は、まず例外的なものと考えておりますので、この第四条の二の方の規定については、私どものやっております新農村建設事業の中の有線放送事業には支障がないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/6
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007・山田節男
○山田節男君 従来の農林省の奨励しておられる有線放送施設が、この第四条の二号に該当しておる。その二つ以上の複数の市町村なりにまたがっておるものはないと、こういうお話でありますが、これは先ほど申し上げましたように、一つの経済圏あるいは地域社会ということが、一行政地区内だけをもって社会経済の地域社会と見ていいかどうか、これは実際問題として、私はこれは例外的でなくて、相当そういう行政地区があるだろうと思いますが、ですから、農林省の趣旨からすれば、電話のサービスが広くなればなるほど、その価値が上ってくるわけです。経済的価値も文化的価値も上ってくるわけです。ですから、私はそういう意味から、この有線放送電話法の制限が、農林省の農村振興促進に基く有線放送電話と矛盾といいますか、衝突するのじゃないかと思います。農林省としては、この行政地域限り、同一市町村内に設置するということについては、何ら異議といいますか、不便はないとこういう見解でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/7
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008・大戸元長
○説明員(大戸元長君) はい、その点に関しましては、そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/8
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009・山田節男
○山田節男君 それからもう一つ私がお聞きしたいことは、従来農林省がこういう有線放送の設備に対して出しておる補助金でありますが、大体一団体当り三十万円と聞いておるのですが、今度のように有線放送、この有線電気通信法ですか、これが適用されるということになれば、従来のようなきわめて基準の低いものではいけない。われわれ現地についてみましても、鉄線を使っておるものもあれば、銅線を使っておるものもある。ことに、新しい法律におきましては、五カ年ごとに許可を更新するという立場にある。五カ年たったら用をなさないというもの、通話に支障を来たすようなものではいけない。ですから、この法律ができて今後の、いわゆる農林省の奨励しておる有線放送電話というものは、施設からいっても、現在よりも高い基準のものでなければならぬ、そういうことになりますと、従来農林省の一団体三十万円というような低額のものでは、なかなか安かろう悪かろうでいいものができない。ですから、この法案が制定されれば、数は少くても、補助金額というものは、三十万円の倍額にするとかして、今の施設の基準を高めることが必要じゃないか。これはこの法案を審議する過程において、電電公社当局の話を聞いても、従来のものはきわめて不完全である、こういう点についてどういうような見解を持っておるか、お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/9
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010・大戸元長
○説明員(大戸元長君) 昨年は初めてこの新農村建設事業の、先ほど申しました指定を行いましたのが最初でございまして、有線放送が私ども予想しておる以上にたくさん入ったわけでございますが、初めてのことでもございましたしするので、非常にまちまちでごいまして、御指摘のような、安かろう悪かろうというようなものもあるいは入ったような傾向も見受けるのでございます。それで、本年はこの新農村総合対策要綱におきまして、私どもの方はいろいろな事業につきまして標準単価というのを出しております。おおむね、必ずしもそれぴたりでなくてよろしいのでございますが、標準単価というものを示しておりますが、これにつきましては、有線放送につきましては、大体一セット当り、いろいろ分れておりまして、交換台が二十万円、拡声機が二十万円、電源装置が七万円、その他でございまして、トータルいたしますと五十万円以上になるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/10
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011・山田節男
○山田節男君 たとえば三十二年度の予算で、実行予算で、こういう各地区からあなたの方へ有線放送電話の開設についていろいろ申請があるだろうと思いますが、現実に、今年度に入ってたとえば助成をする場合は、助成の基準というものが、今私が申し上げました三十万円程度のものか、あるいはそれ以上のものはどのくらいの程度、もちろんこれは架設の面積数にもよりましょうけれども、大体あなたの方の基準はどういうことになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/11
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012・大戸元長
○説明員(大戸元長君) これは私どもの方の予算は、新農村の予算は、有線放送では幾らとか、あるいは農業倉庫を建てるのに幾らというふうに割っておりませんので、大体一農業地域当り一千万円の事業をする、それの四割まで、四百万円を国が出してやって、それを二年でやる、そうしますと、一農林地域、市町村なら市町村単位ですと、市町村当りに二百万円の補助が出る、その二百万円の中でやりたいものを持ってくるというわけで、その中に有線放送をやりたいというのがありますれば、それに対して補助をするわけでございますが、そこで、その申請がございました場合に、果してその地域で有線放送をやる必要があるかどうかというようなことを審査してやるわけでございますが、その場合に、先ほど申しました標準単価というものがございまして、その標準単価におおむね従いまして、その事業費の半額を補助するのでありまして、大体本年度の標準単価として示しておりますのは、今申し上げましたように、大体一セットで五十万円くらいの金額になります。
なお、申し添えさせていただきますが、昨年は、その設備の中で各戸におきますところのスピーカー・テレホン、つまり各家につきます設備についても、昨年は補助したのでありますが、本年はそれを自己負担といたしまして、国が補助いたしますのは本部施設、つまり交換台、電源施設、それから各家まで行きますところの電程施設、これだけに限っておるわけでございまして、おおむね五十万円ぐらいになるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/12
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013・山田節男
○山田節男君 今日まで、さきに申し上げた相当な数がすでに設備されておるのですが、農林省としては、ただその助成金をやりっぱなしでおったのか、ある程度の監督といいますか、それから経営状況、それからさらに、この施設の内容の基準であるとか、あるいは技術約な基準とか、こういったようなものについて、ある程度の、農林省として施設後において一種の監督というか、そういうようなことをしたとがあるのかどうか、この点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/13
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014・大戸元長
○説明員(大戸元長君) この補助金を出します前に、有線放送を施設して補助金をもらう場合には、こういう標準のものであって、かくかくのものでなければならないというそれぞれの基準を示しておりまして、それに適合したものでなければ補助いたしません。それからその通りのものを施行しておるかどうかということにつきましては、県を通じまして、あるいは直接の場合がございますが、非常に数が多いことでございますから、県を通じまして十分監督いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/14
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015・山田節男
○山田節男君 三十二年度の予算にわいても、この計画を見ても相当ふやす計画になっておるわけですが、この問題になっておる法案の審議の過程でもいろいろ意見も出た通りに、この法案では将来有線放送電話の施設に対して、開設については、郵政大臣の許可を要するということになっているのですが、従来の農林省で助成した設備を見ると、何ら監督というようなあとがさらに見えない、簡単に申せば、金をやったきりであとは全然見ない、こう
いう状況になっておると聞いておるのです。今回のように、こういう法律ができまして一種の規制を加える、しかも、郵政大臣の許可を得るということになり、さらにまた有線放送施設が電話に利用されるということになれば、これは日本における一つの有線電気通信法の改正であり、同時にコンモン・キャリヤー、すなわち公衆通信役務の本質の変更であると思っておるわけです。ところが、この法律によって規制を加えるということになれば農林省あるいは自治庁が助成して作らせる有線放送電話施設にやはりある程度の高い基準を持たなければならないということは、本委員会の一致した意見だろうと思う。それから同時に、保守の件に関して、あるいは経営に関して監督は郵政大臣が直接にはない、ただ間接的に五年後における許可を更新するかどうか、あるいは許可の取消権を持っておるわけですから、その限りにおいては監督することができるけれども、農林省や自治庁が有線放送電話施設を奨励してゆく建前であるからには、郵政省あるいは電電公社が、保守あるいは技術基準というものについてのある程度の目安というものをつけなければならぬ。この法案を見ますると、監督基準とか技術規定に関する基準はないわけです。しかし、この有線放送電話のサービスの内容からいえば、どうしてもこれはある程度の根本的な基準というものが必要である。そういう点はあなたの方で作るというよりも、郵政省なり、あるいは郵政省を通じて電電公社で一定の技術基準を保つということは、これは絶対必要であろうと思う。こういう点について、この法案が通った後において、農林省が農村振興としての奨励施策について、どういうようにしてこれを実現しようとするのか、農林省振興局が直接監督あるいは技術基準を高くすることについての方針に
ついても、何かの方法を講じようとするのか、これらの点はどうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/15
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016・大戸元長
○説明員(大戸元長君) 今までのところは、実のところ私ども新農村事業でいろいろな有線放送でございますとか、その他いろいろな農業技術に役立ちますところの設備を備えつけるということに一生懸命であったわけでございまして、昨年度からやっとついたわけでございますが、有線放送に限らず、この新農村建設計画によって施設をいたしましたところのいろいろな施設の将来の維持、それからそれが有効に利用されるという点については、十分私ども研究いたして参りたいと思っているのでございますが、有線放送につきましては、それの保守でありますとか、あるいは標準等につきましては、専門的なあるいは技術的な問題が多くございますし、私ども農林省の方ではそれらの専門家を備えてもおりませんので、そういう点につきましては、郵政省と十分協議いたしまして、郵政省の技術的な知識もお借りしてやって参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/16
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017・山田節男
○山田節男君 それから従来この農林省の新農村振興策としての施設を助成する場合の客体となるべき団体が地方公共団体、これは市町村役場もありまするし、学校もあり、公民館もある、それから公共団体では農業協同組合もあればいろいろな協同組合式の団体に助成金を交付してやっておるわけです。今申し上げた監督あるいは保守あるいは施設の基準を常にある程度のものに保ってゆくということになれば、こういう助成金を交付する団体というものは、私は、ある程度統一していかなければならぬ、というのは、たとえば市町村役場と学校、農業協同組合とはおのおの財政的にも違いまするし、それからまた経理についてもいろいろ現実に見ますと、おのおの何といいますか、都合のいいやり方をやっておる。ですから従来のように、こういう幾多の種類の公共団体あるいは地方公共自治団体に許すということは、これは私は、ある程度再吟味する必要があるのではないか、この点はどうですか。ことに、この法案が法制化された場合に、私は従来のように農林省が助成の団体を——多種類のものにやるということはどうかと思うのですが、この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/17
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018・大戸元長
○説明員(大戸元長君) この有線放送の補助客体は、今までできておりますのはほとんど全部がその地域の単位農業協同組合でございまして、農業協同組合がその地域における、たとえば農作物の販売もほとんど全部やっておりますし、いろいろな農作業あるいは農事の指導等につきましても中心になっております関係で、有線放送の主体はほとんど全部が農業協同組合でございまして、その他新農村建設計画において農林省が補助して作っておりますいろいろな施設も大部分が農業協同組合でございまして、有線放送の補助客体、あるいは事業主体といたしまして、私どもの方はやはり農業協同組合を中心に考えておるのでございまして、そのほかに農事放送につきまして、いろいろな団体があるということはないわけでございます。ただ、その他の農業以外の面とのいろいろな団体という問題はあるかも存じませんが、農事放送に関する限りは、ほとんど農業協同組合に統一されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/18
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019・山田節男
○山田節男君 最後に、私、郵政大臣にお伺いするのですが、この法律案を見ますというと、郵政大臣のいわゆる許可を要する、許可事項になっていることは、もちろんこれは正しいと思うのです。と同時に、この認可、許可の取消権もこれも当然のことだと思うのですが、この法案、もちろんきわめて短かい単行法でありますから、これはやむを得なかったかもしれぬけれども、許可事項とする以上は、先ほど申し上げましたように、一方においては公衆通信がある。公衆通信と、こういう将来通信機器の発達によれば、有線放送電話施設とが、これをコネクト、接続していくべきだという世論も非常に強いわけです。そういう要望もすでにわれわれに出されておるわけです。そういうようなことに将来必要上、私はそういうようになってくるじゃないかと思います。せっかくこういう有線電気通信法を事実上改正するような本法案ですから、先ほど農林省当局に質問したように、一つのこの施設に対する監督、それから保守その他技術基準ですね、こういうものは今のうちにある程度の規制を加えなければいかぬじゃないか。ですから、これは放送の場合におけると同じく、有線放送電話を改正するについては、これは私は政令でもいいのじゃないかと思うのです、ある程度の基準、規則というものを示してやらなければならぬ。農林省なり自治庁の政策の趣旨と、われわれの言う最低限度の施設の何と申しますか、基準というものは、現実にはかけ離れてきやすいと思いますから、政令あるいは規則等によりまして、別途に監督あるいは技術基準に関して、一つの規定を設ける必要があるのじゃないかと思いますが、この点に関して郵政大臣のお考えを一つ承わりたいし、私はそういうことを非常に希望するのですが、そういうことを実現される御意向があるのかどうか、この点を一つ承わっておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/19
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020・平井太郎
○国務大臣(平井太郎君) 御指摘の点でございまするが、当然許可、認可を与える役所といたしましては、それに対して責任を持たなければいけません。従いまして、監督もしなければならないし、技術基準というような一つのワクをきめて、それにすべてを規制していくということも当然かと存じます。従いまして、御指摘の点は私も当然行わなければならぬ問題だと考えて、今後これに対する対策は十分講じていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/20
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021・山田節男
○山田節男君 最後に、これは私希望にもなりまするけれども、御承知のように、従来このラジオの共同聴取、有線放送のこの法案の出る前の法律ができたわけでございますが、このラジオの共同聴取においては、NHKがスピーカー一個について、一般の聴取料と同じく一カ月六十八円、三カ月二百円を徴収しているわけです。これを値切るということは、これは多年各方面から要望があったわけです。本委員会でも審議したことがありますが、しかし、そのままになっておる。ところが、それはそれとしまして、そういう状態にあるにかかわらず、今度は電話ですね、電話はこれは今は何ら直接公衆電話に接続していないのだからして、しかも、営利を目的としていないものであるから料金は取るべきものじゃない、一方においてラジオの放送聴取料は盛んに取られておる、電話施設については、これは営利を目的とするものではない、相互の便益のためにあるからして、これに対して税金もかけなければ、何ら国が財政的に関与することでもない、私こういうようになっておると思うのです。これは一面から見ますと、これはまあ公社からそういう不平は出るわけはないと思う。公平に見ますと、ますますこの有線放送電話の数がふえればふえるほど、一面においては私そういう声も出てくるのではないかと思うのです。これはNHKの放送料金をやめるとか、減額するということは別問題として、しかしながら、私はそういったような施設が多くなればなるほど、課税の範囲としては、これは営利団体でないですからないにしても、何か私はやっぱり考慮しなければならないのじゃないかと思う。この点についてはどういったような御見解を持っておられるか、この際念のために承わっておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/21
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022・平井太郎
○国務大臣(平井太郎君) この点につきましても、相当将来研究を要する問題かと考えております。ただいま御指摘のNHKの聴取料金の問題でございまするが、これなども非常に今後こうした有線放送の範囲が広くなれば、相当各方面からの問題もやはり生まれてくるかと考えまするので、あわせて今後大いに検討をいたして善処いたしたいと、かように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/22
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023・山田節男
○山田節男君 ちょっともう一つ、今日は自治庁の担当者は来ておりませんので、これは大臣にお願いいたしますが、先ほど農林省の方から、すでに今日まで行い、また三十二年度は一そう拡大してやろうという、本法案に関係ある施設につきましてただいま当局から御答弁ありましてわかりましたが、これと同じことを実は自治庁に対しても私申し上げたいと思う。相当な予算を、三十二年度も一億二千万円の予算を計上しておるわけであります。で、今私の申し上げた意味のことは、一つ郵政大臣として自治庁に対しても、あなたのこれは許可によって、開設し得るのでありますから、そのことは自治庁に対しても十分一つ連絡を密にして監督と技術の基準にある程度最低限のものを下すということは、むしろ大臣として、自治庁の所管大臣と御協議を願って、それが実現されるようにお願いしておきます。
私、これで質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/23
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024・横川正市
○横川正市君 一、二点について御質問を申し上げておきたいと思いますが、今山田委員の方から質問のありましたところと関連して、まず農林省の方に、この現在までの有線放送施設を行いました加盟家庭の切なる要望として、このNHKの聴取料金を徴収されることについて、あなたの方でそういう内容をお聞きし、またはそういう内容について陳情を受けたことがあるか、また、それがあなたの方で郵政当局ないしはNHKと折衝されたことがあるか、その点をまずお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/24
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025・大戸元長
○説明員(大戸元長君) その問題につきましては、私がここに関係して以来でございまして、まだそう長くないのでございますが、農林省の方で、要望等でお聞きしたことは、私の知っております限りではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/25
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026・横川正市
○横川正市君 今大臣の答弁の中にありました、放送料金の問題等も含めて検討し、善処したいという意思が発表されたわけなんですが、実はもっとこの点について、郵政当局として具体的に検討をして、その内容について明確にしておかなければならなかったことがあったのじゃないかと思うのですが、全然今まで料金等の問題については、手をつけておらないのかどうか。たとえば先般私の方が、ある放送関係の幹部の方に、たとえば車中携帯ラジオを持って歩いている方々、それに対しては、携帯ラジオを持っているくらいだからうちにもラジオがあるだろうということで徴収して回る、これはそういうような解釈で料金の問題は解釈されるべきものではなくて、あくまでもこれは家庭に対しての二台までの許可基準に従って料金というものは徴収されているものであるし、あるいはまた携帯ラジオを持って歩いた場合には、それに対する許可、承認が必要であろうというように私たちは考えておるのですが、それが行われないで、大体家庭の経済的な理由を建前にとって徴収しておらないといわれておりますが、今度の農村の有線放送施設を見てみますと、これは簡単な拡声機の程度のものであれば、室内放送などの場合も私は該当するのではないかというふうに思うのでありますが、この有線放送に関する限り、スピーカーをつけると聴取料金が取られる、この矛盾というものは、私は利用者だけの考えではなしに、私たちがちょっと問題をとらえてみても、大へんこれは矛盾があると思うのでありますが、そういうことから、郵政として一体この問題について今後どう取扱いをしていくのか、この点をお聞きしておきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/26
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027・平井太郎
○国務大臣(平井太郎君) ただいまの問題は相当徴収技術の、何と申しますか、むずかしい面かと思いまするので、一つ事務当局から御説明させることにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/27
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028・松田英一
○政府委員(松田英一君) ただいまの問題に関しましては、実はこの法律が有線放送設備を利用した電話の面からのみ取り上げまして法律を作っておりますので、有線放送としての利用面というものは、これは従来の態勢そのままで考えている次第でございます。それで今の放送の聴取料という面は、むしろ電話施設としての利用面ということとは関係なしに、有線放送としての利用面の問題と密接する問題でございますので、実はこの法律の改正としては、いわば問題外というふうな格好で取り上げてこなかったわけでございますが、その方面については、結局放送事業全体の運営ということと、それからこの有線放送というものとの関係として別途処理されるべき問題でございまして、電波監理当局の方では検討中と考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/28
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029・横川正市
○横川正市君 私は今の段階で徴収しなければならないというNHK側の言い分を、これを徴収しなくてもいいというふうに読みかえることは非常に困難だと思うわけです。しかし、同等な設備が、屋外、屋内というような違いはあっても、施設されているという現状もありますので、その点については一つ検討されて、できるだけ早い機会にその態度を明らかにしていただきたい。その上でもって私はまた検討していきたいと思います。
それからもう一点は、今度の有線施設なのでありますが、これは少くともその機器の質の問題とか、あるいは請負者の良心的な工事の問題とか、こういったことは、当然その設備を行う場合には監督されることだろうと思うのでありますが、そういう場合に、一般に単に電気工事を行える程度の業者であれば、この工事を全般的に請け負っていいのか、それとも、いわばラジオの指定業者というようなものと同じような形で、有線放送施設を施設するための指定業者というようにきめられておるのか、その点はどういうようになっておるか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/29
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030・松田英一
○政府委員(松田英一君) 第一の問題でございますが、この点は先ほど山田委員からも御質問がございました点と関連いたしますが、この設備の守らねばならない技術基準というものにつきましては、この法律は基本法として有線電気通信法を予定しておりますので、有線電気通信法としては規定がございまして、その中に技術基準を政令できめるようになっております。もちろんその場合に、有線電気通信法の第十一条の規定でございまして、その政令の考えなければならないところというのは、一つには「他人の設置する有線電気通信設備に妨害を与えないようにする」ということと、「有線電気通信設備は、人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えないようにする」というふうなことを内容に盛っているような点から、技術基準というものを作ってそれには従わなければならないということに法律的にはなるわけでございます。ただ、具体的な、もっとそれ以上の機能を発揮するための施設の守らねばならない基準ということについてはどうするかという問題につきましては、設備をされる方面の要求というものを加味してそれぞれがきめられるわけでありますから、この点は、先ほど農林省からも答弁されましたように、農林省の方では一つの助成というものを考えまして、それとの関係上ある程度の技術——この程度のものであったら助成していくという考えを持っておられるわけでございますから、私どもとしては、そういう施設がその目的に沿うようにという意味での各利用者と申しますか、施設者と申しますか、そういう方々の要望と関連いたしまして、いろいろ技術基準の——技術基準と申しますか、その設備のよるべき技術の程度というものにつきましての内容的な面については、十分お互いに協力をし、また必要があれば、こちらが御指導を申し上げてもいいというふうに考えておる次第であります。
それから第二の問題でございますが、この設備の建設に実際に当る業者の問題でございますが、これは現在の態勢におきましては、一般に有線電気通信設備というものを工事しますのは、建設業法というものによりまして、全体としては、これは有線電気通信設備に限らないのでございますが、全体として建設省関係の方で登録制になっております。それで私ども、この法律の中では、その問題についていろいろと検討をいたしたのでございますけれども、現在、国としてそういうものに関しても登録制をとられておるわけでございますから、この方面との関係を密接にとりまして、実際に工事をする場合に、まずい工事が起らないようにということにできるだけの努力をしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/30
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031・横川正市
○横川正市君 今の後段の問題なんですが、登録制ということになりますと、これはその技術、それから店のいろいろな要件について、ある程度の調査をした結果、その登録を許可する、こういうことになるのか、それとも、ただ私はやりたいと言って申し出れば、登録されるのか、これはまあ非常に業者の立場に立つと関係がある問題なんですが、その点をどういうふうに考えておられるか。
それからもう一つは、これは郵政当局の立場に立って考えた場合に、登録をされた業者が工事を請負ってくれればもう安心だという形には私はならないだろうと思う。ですから、どういう形であっても、工事をされた結果については、それぞれ省の立場でその工事の結果について点検をするということは必要だ、こういう省の立場からすれば、電気的な一つの能力を持った工事請負人であれば、それにやらせて結果を点検する、こういうことでもいいんじゃないかと思われるのですが、その点をもう少し説明をしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/31
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032・松田英一
○政府委員(松田英一君) 登録制の場合におきましては、いろいろな事柄を審査をして許可をするという建前ではございませんので、ただある程度以上の規模の仕事をする場合には、登録をしてある業者でなければ仕事ができないという立て方になっておりますので、その場合に、いろいろと登録をするときに、その業者の態様と申しますか、そういうものはもちろんあわせて届け出ているわけでございますけれども、こういうものでなければその登録を受け付けないというふうなことまではいっていないと存じます。ただ私ども、この施設というものについての考え方といたしましては、いろいろに考えられるわけでございますが、一つには、この施設というものが非常にりっぱになっていくためには、もちろん私どもは、それを建設する業者というものを許可をして、その許可を受けた業者でなければやれないということにすれば、一番その工事の内容というものを確保し得る強い手がかりになるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、全体としてそういう態勢になっておりませんために、現状としてはそこまでいきかねる。
それからもう一つは、この有線放送電話法によって許可をいたしますときの考え方というものが、大体その地方の住民の方々の便宜のためということを主にして作っておりますために、実際問題として、その地方の住民の方々がこの程度の設備で満足するというふうな考えでおられます場合には、私どもは、それをもっと金をかけてりっぱにしなさいというところまでは、役所の方から言うのはどうかというふうな見地で、大体、いわば施設される方々の意思にその点はよっているというふうに考えておりますので、非常に惡い施設をすれば、それはその地域の方々が、むしろそんなものは使いものにならないのだから、初めからおやりにならぬだろうと思う。いいものを作っていこうとすれば、それは非常にけっこうであるというふうな態度を法律としてはとっておるわけでございます。ただ実際問題としまして、あまりそういった方面の知識をお持ちでないために、いろいろとそこに惡徳業者というふうなものが入って、その地方の住民が迷惑するというふうなことに対しましては、非常に私どもとしては、それに対して困ると思うのでございますけれども、そういう点は、それぞれ農林省なり、自治庁なり、あるいはその他私どもといたしましても、事実上のいろいろな御相談を受けました場合に、そういったまずい結果が起らないように十分の御協力を申し上げたい、こういう態度でいるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/32
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033・横川正市
○横川正市君 私たちは、設備されている農村の実情に接したときに、千差万別はありますけれども、きわめて粗惡な混信の激しい拡声機が一つ家の中にぶら下っておって、それからそれをつないでおります設備は、ちょうど一寸か一寸五分くらいな丸太をあっちこっち立てめぐらして、そうして配線の度合いも非常に不完全な配線をしておるというのにぶつかるわけであります。それからもう一つは、こういうすばらしい機器であれば、これは放送ということよりか電話の方に使う方がより効果的な機械ではないだろうかと思われるくらい精巧な機械を備えつけたりっぱな施設、こういうものもあるわけであります。もっとも、予算に縛られておるわけでありますから、その差はいろいろあるだろうと思いますけれども、これを業者にやらせる場合に、単に予算上のことで利用者の選択にまかしておくということであっていいかどうかという点について、私はやはり疑問を持つわけなんです。もちろん、一般公衆電話と通話することができないということではありますけれども、しかし、ある程度の設備を持たせなければならぬということは、私はやはりこの法の制定の建前でなければならぬと思うのでありますけれども、そういう点について、業者と郵政当局との関係、これは監督するという立場、ないしは業者のいろいろ行なった結果の点検を行うという立場について、もっと明確な態度をとってよいのではないかと思うのであります。言いかえれば、業者と利用者との話し合いだけでこのことが一切まかされるのではなしに、当局としては、ある程度、それらの実施についての最終的な許可を与える条件というものを満したかどうか、この点というものを点検する必要があるのではないかと、こう思っておるわけであります。その点について、ただ登録された業者であればまあ大体安心だということで、その他の所要事項を省略してしまうという結果を来たさないかどうか、その点を心配するわけですが、その点をどうしようとしておられるか伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/33
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034・松田英一
○政府委員(松田英一君) 御指摘のように、私どももいろいろ、この法案を作ります過程におきましては、この施設を設置される方々の身になって考えれば、むしろこの請負工事をする業者というものをもっと強く監督をして、また場合によっては、そのできた施設というものをわれわれの手によって検査をして、りっぱなものとして利用者のお手元に渡す——渡すというと語弊がありますが、まあ利用者の利用に供してもらうといったシステムというものも途中では実は考慮したわけであります。ところが、そういったことで参りますと、何と申しますか、役所側のその間における有線放送電話というような施設に対して非常にめんどうな手続、あるいは厄介な関係がそこに生じて参りますために、むしろその問題がその地方の住民の方々の利益のためにはかられていくということであれば、やはり一番重要なのは、その地方の住民の方々の考えられるところにおまかせするのが、むしろそのために厄介な手数をかけ、あるいは厄介なそこに力が働くというふうな問題よりは、かえってよい結果が得られるのではないだろうかというふうにも考えまして、この法律のような態勢を、権力的にとる格好といたしましてはしないで、自由におまかせすると、ただ、最低限度の技術基準というものだけは、これは、先ほど申しましたようにきめまして、これにはよってもらわなければなりませんけれども、それ以外のところはむしろその地方の住民の方方の御意向によって動いていくという態勢をとったわけでございますけれども、ただ住民の方々というものがあまり知識を持たれないために、いろいろと問題が起るという場合には、むしろその方々の方から私どもの方にどうすればいいだろうかというような御相談があると思いますので、そういう場合には、私どもとしては御協力を惜しまない、そういった態度に出ることがこの際一番スムーズな方法ではないかというふうに考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/34
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035・横川正市
○横川正市君 私はこれ以上質問をいたしませんが、ただ要望だけ申し上げておきたいと思うのは、必要に迫られて農村の方々がこの設備を、国の補助はあるといっても、それぞれ自己資金を出して設備するという結果になったということは、私は、それはまあこの法律の出てきた趣旨そのものから考えてみまして、やむを得なかったというふうに思うのですが、しかし、ただこの設備がいわゆる機器的に発達して、テレホン的な役割を示すことを望むという行き方よりは、問題はやはり放送設備としての設備の完備、この設備によって願うということが私は主ではないかと思う。そのためには、僻地電話その他予算化された本年度の予算を見ましても、全くこれは要望にこたえるには、金額的にも少いということは明らかでありますから、僻地電話等の要望にこたえるだけの態勢というものを作って、その上に立って放送設備というものがその中で利用されるという、この二段がまえでやるべきではないだろうか。しかも、そのために、利用者の住民が必要であれば、たとえばテレホン的な一つの役割を持ったもの、それにも許可しなければならなくなったというふうな、そのようなことは、有線放送の改正を必要にするような段階は好ましい段階ではないと思う。ですから、そういう意味で、電波関係の僻地におけるところの電話の架設に対して、十分な対策を年度計画の中でぜひ立てていただくと同時に、郵政当局としても、これを出したやむを得ざる理由というものを、私はこれ以上発展させないようにしてやっていただきたい。このことを申し上げて私の質問を終りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/35
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036・鈴木強
○鈴木強君 大臣にお尋ねをいたします。私は大臣から提案理由の説明をお伺いしたわけでありますが、その中で「近時、農山村等におきましては、通話装置を付置した有線放送設備による簡易な電話に関する需要が増加しつつありますが、現行の有線電気通信法の規定によりましては、その適正な規律が困難でありますので、」云々、こういうふうに説明されておるのでありますが、そこで、今横川委員の要望にも関連いたしますが、本来、この有線放送設備というものは、有線放送業務の運用規制に関する法律というものに準拠して、この規定にもありますように、はっきりと有線放送をする内容について明記してありまして、たとえば、どこの放送局の放送事順のうち、どういう報道と演芸と娯楽をやる、たとえば、報道、演芸、娯楽に関してどうとか、他人の依頼に応じて行う広告であるとか、こういうふうに明確に放送事項がきめられております。ですから、本来有線放送というのは、そのために設置されておるのであります。ところが、今の大臣の提案理由の説明でも述べられておりますように、今度はそれが従になって、実際に有線放送設備というものが電話の通話の媒介に使われておる、こういう事実が起きてきておると思うのです。その原因はどこにあるのか明確になっていないのですが、大臣は、そういう現象が起きたのはどこに原因があるとお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/36
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037・平井太郎
○国務大臣(平井太郎君) 今御指摘の原因でございまするが、この点につきましては、現在公社におきましても早急に全国津々浦々に至るまで無電話部落を解消いたしたいという気持から年次計画を立てていろいろ努力をいたしておるのでございますが、御存じの実情でございまして、なかなか予算面が伴わず、資材面の不足その他によりまして、また一方需要供給というものが、マッチしないで現在無電話部落またはわずかの電話しかない地域がたくさんございますので、そうした不便から生じたものだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/37
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038・鈴木強
○鈴木強君 端的にお尋ねすると、まあ資材が間に合わないということは、これは金があれば幾らでもできると思いますから、結局大臣のおっしゃっておることは、今日まで、たとえば三十二年度の公社計画の中に、公社としては、とにかく無電話部落を解消したい、それから町村合併の電話の統合についても、これを早く地域住民の希望に沿ってやりたい、そういう熱意に燃えて、ある程度計画的にものを考えて、本年度も二十五億の無電話部落解消のために予算を要求したにもかかわらず、政府がこれを十五億に削った、それから町村合併の場合でも、三十億を二十億に削られておるということであります。ですから、あなたのおっしゃったことは、こういう建設資金が足りない、そのために農村地帯や漁村地帯の電話の普及がおくれているからこういうような現象が起きてきたのである、こういうふうにとっていいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/38
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039・平井太郎
○国務大臣(平井太郎君) 本年度の当初計画は御指摘の通りでございます。町村合併の問題について、電話の問題は三十億、それから農村対策費として二十億足らず大体予定をいたしておったのでございまするが、町村合併の方では二十億になり、農村対策の関係においては十五億になったのでございます。この点については、郵政大臣もまことに遺憾に存じておるのでございまして、来年度におきましては、ぜひともこうしたことを一つカバーしまして、御承知のように五カ年計画の今年度より始まるワクの大体百六十億でございまして、ことしは十五億でございましたが、来年度は一つうんと努力をいたしたい、これ以上の大きな数字を一つぜひとも獲得いたしたい、かように存じております。なおまた、町村合併においても十年計画で三百億の予算を考えております。従いまして、本年度は二十億でございまするが、来年度はこれもでき得る限り、私の考えとしては、この倍額も一つ要求いたしたい、かように存じて努力をいたし、事務当局にもそのように伝えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/39
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040・鈴木強
○鈴木強君 わかりました。もう過去のことは言いませんが、要するに政府がもっと積極的にこの事態を認識すれば、わずか十億や十五億の金が出せぬことはないと思います。だから、そういう点は大臣も閣議の中でがんばったと思いますが、総体的に削られたと思います。一つ今の大臣の言明を期待しております。
次に、この案件からしますと、きのうも質問が出たのですが、地域の問題が許可基準の中に入るのですが、不明確になっているわけです。私は本来の有線の放送設備として設置される場合には、どこへどうつけられようが、これは農林省にも五カ年計画があるようでございますから、その地域につけられることはけっこうなんですが、しかし、今度はこの法案が出て適用されてきますと、非常に問題が出てくると思うのです。ただ単に放送設備だけするのであれば、どこへどうつけようとこれは勝手なんですが、問題は、現在電電公社には一つの基準がありまして、加入区域にも区域内とそれから外とありまして、この問題が非常に問題になっているのです。これは公社にもお聞きしたいのですが、この法案から見ると、きのうお尋ねしたが、きわめて不明確なんですが、要するに今でき上っているものは、やむを得ない現象として認めざるを得ないというふうにわれわれも考えるのですが、将来本法が施行される場合には、原則的にこの区域外と区域内の問題を明確にしておかないと問題が起きると思うのです。ですから、公社は普通加入区域と特別加入区域を撤廃していくということが、すぐにでもできるということであれば別ですが、そうでないとすると、これは加入区域内というのは大体特定局がありますね。ですから、そこから至近の距離の需要に応ぜられる、これが非常に現在ほかから見れば多いわけなんですから、そこは本来、もうこういう放送設備にたよらずに、公社が提供する電話を使っていただく、こういうのが国の方針ですから、そうなるべきが私は妥当だと思うのです。ところが、その中にも、今言った有線放送が区域内と区域外にわたって設置される場合があると思うのです。この規制を相当考えておかないと問題が出てくると思うのです。ですから、その点で私は原則として、それでは今後この法律に基いて許し得る基準というものは、区域外ということにあって、それはそのときの実情で若干の変更はあると思うのですが、しかしながら、原則としては、やはり区域外というものを重点にしてお考えになるのですかと聞いたら、そうでもないらしいのです。今日普通加入区域外と内とが半々ぐらいになっているようですから、そうして見ますと、非常に今後問題が起りますので、この点を念のために、これは事務当局からでもいいのですが、お聞きしておきたいと思います。原則として区域外であっても、区域内というのは、これはもうそのときの実情である程度やむを得ない、こういうふうにあるべきだと私は思うのですが、そうでなしに、全くその基準なしにやるということになると、問題があると思いますから、その点だけ質問しておきます。公社の方にも、普通加入区域と特別加入区域を近い将来撤廃できる見通しがあるのかどうか、この点も。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/40
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041・松田英一
○政府委員(松田英一君) その点は昨日も御答弁申し上げましたように、私ども理想の形としては、公社の加入区域内では当然要望に応じ得るという態勢になることを希望しておりますし、またそういう事態には、今の鈴木先生の御意見のように、はからって参っていいと思うのでございますけれども、現状におきましては、何分加入区域内にありましても、いろいろと予算の制約等がございますために、事実問題として、やはり不便な状態が起っているということもございますので、もちろんそれを都市の事情でこういうものを作っていくという考えはないのでございますけれども、この条件にはまっておりますような所では、やはり実情に応じていろいろと勘案をして事の解決をはかっていかなければならないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/41
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042・靱勉
○説明員(靱勉君) お答えいたします。普通加入区域、特別加入区域を将来撤廃していくのかどうかという御質問でございましたが、私ども加入区域につきましては、第二次五カ年計画と関連いたしまして全般的に検討しなければならぬと考えております。しかし、やはり加入区域というものは、加入者集団と申しますか、そこでまあ利用の公平、負担の公平というようなところからできておるわけでございますから、やはり特別加入区域制度というものは存置されるものと考えております。ただし、区域の変更等は、町村合併に併う通信施設の整備の際にもいろいろ御説明を申し上げてありますが、できるだけ区域を広くしていく、こういう考え方でございます。それから今回の有線放送電話について、加入区域内に入ってくることはどうか、これも有線放送電話はもともと有線放送で発達して参ったものでございますから、これは有線放送としては加入区域ということは何ら差しつかえないと思っております。これが電話ということになりますと、ただいま申し上げましたように、相当地方における加入区域等も拡大していかなければならない、こういう関係がありまして、今松田監理官の方から御答弁がありましたが、私どもとしましては、それは加入区域は好ましくないということは、もちろん当然のことでございます。昨日も御説明したように、加入区域内の電話の拡充整備は、第二次五カ年計画で私どもがただいま想定いたしておりますように、新規申し込みに対して八割程度の需要に応ずるような態勢でいきたい、そういうようなことで実際問題として解決されていくのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/42
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043・鈴木強
○鈴木強君 この点は、松田監理官の御説明では納得できないのです、これは将来非常に問題を起しますので。そうかと言って、なるほど実情からいえば、有線放送設備ですから、これは公社側のおっしゃったように、どこにつけようが、これは御自由ですが、そうなると必然的に法律があってもなくても、今のように電話はやってしまうのですから、これはかりに法律を作っても、ほんとうにその人たちが良心的にやってくれなければ……、やったってわからぬですからね、これは率直に言って、やられてしまうという危険性もあると思う。私はそういう安易な気持を持たれて、大臣が今言明されたような普通区域内の電話くらいは、もっと早くほんとうに需要に応ずべきですよ。これは山の中の遠い所は別ですけれども、特定局があって、電話局があるでしょう。そういうことがなおざりにされていくことをおそれるわけです。ですから、この点は私たちと考え方が政府の説明とは違うのですけれども、これは見解の相違ですからやむを得ないと思います。
次に、業者の資格の問題なんですが、営利を目的としなければ、だれでもやれる、こういうふうになっているわけです。もちろん、そうでしょう。ただし、われわれはこれは法律を作る場合にはいろいろなことを考えなければならないので、一つの想定として、ある男がおって、その人がこれを営業的に一つやろう、営利を目的としてやろう、こういう考え方を持っておる。そうすると、その人が実際そういうことは表面的には出ないでしょうけれども、やり方としてはその地域の人と話し合って、そうして形式的には代表者になる、しかし、実際には営利を目的とするような格好がこの法案では出てくるような気がするのです。そういう点について相当検討されたと思うのですが、見解を一応承わっておきたい、これは簡単でいいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/43
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044・松田英一
○政府委員(松田英一君) この点につきましては、今までの状況というものを考えて参りまして、大体は先ほどここでも話が出ましたように、農協とかあるいは市町村とかというものが主体になっておるのでございますけれども、しかし、従来の状況から見ますと、その地域の住民の人たちが寄り集まってこれを作る、その場合に一種の組合のようなものでございますけれども、法律的にはその代表者が申請をしてやっているという状況でございますので、その場合に、法律的にこれをつかまえようといたしますと、やはり個人という格好にしかあり得ないというわけです。そこで、そういった場合、特別に法律の条文上表わすということは非常に困難でございまして、だれかがここに非常に営利を目的と考えて、特別な個人がやろうというようなことは、これは相当いなかの方の施設でございますので、今までもあまりそういう話も聞きませんでしたし、そういう例はあまりないだろうというふうに考えますことと、それから法律的に考えました場合に、ここに非常に篤志家がおりまして、もうけるつもりはない、大いに慈善的に村の発展をはかろうということで金を出してやるというふうな場合に、これを特にいけないと言って拒否をしなければならないほどの理由も考えられませんので、大体そういったことは非常に例外な特別な場合でございますので、通常の場合としては、一般的にその裏に大ぜいの住民の方々がおられて、その代表者として申請されている場合ということを予想しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/44
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045・鈴木強
○鈴木強君 あまりないし、またそう起らないだろうと言うのですが、しかし、決定的な、絶対ないのだということには答弁が出ていないと思うので、ですから運用上今後問題が起ることは事実だろうと私は思います。
それから最後に、第七条の有線放送電話役務の料金の点ですが、これは契約約款できめて、郵政大臣に事前に届出をする、こういうことになっているのですが、これは大体何かお考えがあるのですか、政府の方にはその料金について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/45
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046・松田英一
○政府委員(松田英一君) この点につきまして、私どもの方からこういう料金というものが妥当なものであるというふうなことを示す考えは持っておりません。ただ、先ほどの御質問にもありましたように、営利を目的としないというふうなことを私ども認定いたしますためには、当然いろいろと資料をそのときに出していただきますが、その場合に、たとえば自分の方はこういった料金をとって、こういうもので動かしていこうと思っているわけだから、決して営利を目的としておりませんというふうなことを当然そこに述べてもらわなければならぬわけです。そういった前提で許可をいたしました場合に、実際はそれと違ったものをとっておるということでは、せっかく許可をいたしました場合の条件が変るわけでございますから、そのときに実際にとっておるというものを届出によって私どもが承知をする、そうすれば、うそを書くと罰せられますから、全然違ったものを言ってくるわけにも参らないと思いますので、いわば先ほどの営利を目的としないということを確保する一つの手段にもなり得るというふうにも考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/46
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047・山田節男
○山田節男君 ちょっと、先ほどの私の発言で訂正する点がありますからお許しを願いたいと思います。それは自治庁の昭和三十二年度の有線放送施設の施設費として、一億二千万と申し上げましたが、十億二千万の誤まりであります。なお、農林省関係は三十二年度の予算として特別助成費十九万三千二百万円でありますから、訂正いたします。
もう一つ、自治庁と農林省との有線放送に対する助成金の問題についてでありますが、先ほど申し上げましたように、農林、自治庁両方でもって約三十億の金をこれにつぎ込んでおるということになるのであります。しこうして、今農林省当局から聞きますというと、三十二年度からは、農林省関係においては、有線放送のみに助成金を与えて、テレホンの施設に対してはこれは自己負担として、政府からの助成金は出さない、こう言っておるのであります。自治庁が同じ歩調でいくのかどうか、これは私わかりませんけれども、この点は特に私は郵政大臣にお願いするのでありますけれども、こういう案件について必ずしも所管官庁が二つになっておるがために、いわゆる災害補償費等においてしばしば起きる二重査定ということはこれはないと思いますけれども、たとえば農林省においてはテレホンに対しては助成しない、自治庁においては助成するというようなことになった場合に、これを受け入れる側において、どちらを好むか、それじゃテレホンの助成金をもらう方がいいということになってくるということは、これは郵政大臣の直接の所管事項じゃないにいたしましても、同じ政府である異なる省において、異なる基準において助成するということは好ましくない。自治庁のことは知りませんが、今申し上げたような観点から、この法の実施に当っては、自治庁並びに農林省の所管大臣に対して、相互において一つ格差を設けないように、それから願わくは、これは郵政大臣がその中間において、同じ目的によって自治庁と農林省と——先ほどの繰り返しですが、監督、技術の基準、施設の内容における最低限度の基準というもの、これはやはり郵政大臣の力によって調整されることが望ましいことでありますので、この点は一つ私は希望を申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/47
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048・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) 他に御質疑はないようでありますから、質疑を終り討論に入ります。
御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/48
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049・鈴木強
○鈴木強君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました有線放送電話に関する法律案に対し、以下二つの強い希望事項を述べて賛成をいたします。
まず第一に、本法案を制定しなければならなくなった理由は、質疑の中でも明らかになったように、農山漁村における電話施設が、根本的には公社の建設財源の不足と都会地の需要がきわめて大きいため、今日まで都心地重点の施設にやや片寄らざるを得なかった公社経営の実情からして、とかく農山漁村等僻地に対する電話普及対策がおくれがちになっているため、有線放送設備を利用して通話を行う結果を招来していることは明らかであります。従いまして、今後政府は積極的に電気通信事業の拡充強化のため、深い認識を持たれると同時に、特に農山漁村電話普及対策、サービスの向上のための建設財源確保については、熱意と誠意をもってこれが措置を講ぜられるようにお願いをいたします。同時に、公社当局におかれましても、その意を体して鋭意努力を重ねていただいて、そうして農山漁村等比較的電話の恩恵から遠さけられている人々を救済していただきたいと思います。そのことが公社法にも明記されておりますように、全国あまねくかつ公平に公衆電気通信網を提供するという公社本来の使命達成に通ずるわけでありますから、この点を強く希望するものであります。
第二に、本法施行後の運営に関してでありますが、業者の資格、さらに業務区域、監督、技術基準、通信の秘密保持、これらの点につきましては、本法案においては幾多の問題を私は残していると考えられますので、これらの諸点については、今後運用上十分の対策と指導を行なって、本業務が円滑に運営されるように格段の御努力を願いたいと思います。
以上、二つの希望を述べて賛成をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/49
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050・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) 他に御意見もなければ、討論を終り採決を行います。
有線放送電話に関する法律案を問題に供します。本案に賛成の諸君の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/50
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051・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) 全会一致と認めます。よって本案は可決すべきものと決定いたしました。
なお、本会議における委員長の口頭報告の内容、議長に提出する報告書の作成等につきましては、あらかじめ委員長に御一任願います。
本案を可とされた方は順次御署名を願います。
多数意見者署名
手島 榮 最上 英子
鈴木 強 長谷部ひろ
石坂 豊一 新谷寅三郎
苫米地義三 中山 壽彦
宮田 重文 横川 信夫
光村 甚助 森中 守義
山田 節男 横川 正市
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/51
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052・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/52
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053・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。
次に、電気通信並びに電波に関する調査を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/53
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054・鈴木強
○鈴木強君 かねて本委員会において問題になっておりました北九州の五都市の自動電話の合理化問題に対して、私は電電当局に質問したいと思います。われわれは北九州五都市の合理化問題につきましては重大な関心を持ち、ことに、本委員会としてこの問題を取り上げました。そして現地の視察も終り、公社当局からおいでをいただいて十分に委員会の意思をお伝えしてあるのでありますが、その後相当期間がたっておるにかかわらず、正式に本委員会に対して、その意思表示がないことを非常に残念に思います。もちろん中間的に一度職員局長のおいでをいただきまして、経過をこちらからお尋ねをしたことがありますが、きわめてその点は遺憾に思います。非常に事態が緊急な問題でありまして、現地におきましても、一日も早く問題を解決して、そしてこれが対策に労使ともに当っていきたい、そういう熱意を持たれておるようであります。これが遷延いたしますと、いろいろ現状からして、組合側の刺激をますます大きくするような懸念もありまして、そういう点で私は、今日まで公社当局は十分に本委員会の意を体して御検討を加えられていると思いますので、その態度がありましたら、一つこの委員会に御報告を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/54
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055・靱勉
○説明員(靱勉君) 本問題につきましては、本委員会におきましてもすでに御意見等も拝聴いたしましたし、また委員長初め委員皆様も現地においてこの問題について直接お聞きになっておると思います。私ども、決してそのままほうっておったわけではないのでございまして、九州電気通信局と緊密なる連絡をとりまして、一日も早く解決いたしたいという考えで努力して参りました。そこで、問題としましては、サービス・ステーションの問題あるいは大里局の問題、それから臨時作業員の問題さらに保留定員等の問題、まあその四つの項目に従いまして、大体もう近々に解決するような段階に現在来ておるものと私どもは考えております。本日ぐらいまでにあるいは解決するのではないかと考えておりましたが、そういう次第でございますので、何とか円満にこの問題を処理できるものと考えておりますので、御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/55
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056・鈴木強
○鈴木強君 そうすると、今の答弁ではちょっと納得ができないのです。すでにある一つの公社の意思が決定されて、これは現地でおそらく交渉されておると思うのですが、そうすると、私たちは具体的に幾つかの問題を指摘して、これらの問題について再検討していただけませんか、こういう命題を公社にお願いしておるわけですが、何か委員会の方にはそういうことを全然報告をせずに、もう今日では解決をする見通しでございます、こういうようなことは、明らかに本委員会に対して、軽視しているのではないかと私は思うのです。どういう案をもって具体的に解決しようとするのですか、そのことがここで言えないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/56
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057・靱勉
○説明員(靱勉君) ただいま完全なる解決ということには行っておりませんで、せっかく折衝中でございますので、ただ委員会におきましても、この問題について具体的な解決の内容というものを一々ここに御説明申すというような意味合いじゃないと思いましたので、ただいまのような御答弁を申し上げた次第でありますが、決して抽象的に申し上げたのじゃないのでありまして、解決案として、本委員会におきましても二、三の委員の方から御意見がありまして、私どもは十分それを拝聴いたしまして、ただいま申したように大里局の窓口の問題、サービス・ステーションの増置の問題、それから臨時作業員の問題がありましたので、これに対する処置の問題さらに定員の問題等につきまして、私どもは九州通信局と十分連絡をとりまして、近く解決できるように努力いたします、しておる、こういうふうに申し上げた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/57
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058・鈴木強
○鈴木強君 それはちょっと筋が違うように思うのです。私たちは具体的に、これとこれとこれとは何とか考えていただけませんか、それには今後の公社の経営の問題に相当影響があるわけなんです。ただ単に北九州の問題が局部的な問題じゃなしに、おそらく第二次五カ年計画を策定する場合にも、基本になる問題であろう、こういう考えで、私たちは委員長もそのことを言っておられたはずです。ですから、たとえばその中には全国的なレベルから見て、若干高度なものと考えていただかなければならぬ点もあると思うのです。さらにまた料金収納等について、この際官僚的な納入告書によって徴収するということでなしに、場合によったら一つお宅に伺って料金を集金して歩く、こういうような制度まで考えたらどうかということも言われておったはずなんです。実はこういうことは、公社の経営の問題に対して今後相当私は影響があるだろうということを考えております。しかし、あえてわれわれが委員会で取り上げたのもここにあったのです。ですから、ただ単に委員会として、この問題が労使間においてある程度円満に解決をすればいいということ、それはもちろん本質的にはありますが、それ以上に、もう少し突っ込んで公社経営に対しての考え方を検討していただきたい、こういうふうに私たちはとっているわけです。ですからそのことは今靱副総裁の答弁と違っているわけですが、しかし、これを追及しても私はしょうがないと思いますから、問題は第一段階として、この問題が早く円満に労使間で解決して、態勢を整えて七月の切りかえに遺憾のないようにしていただければわれわれの目的も達するわけですから、どうか一つ、積極的にこれは本社が指導していただかなければ、現地だけではなかなか解決できないということも私は申し上げておったはずです。ですから、そういう意味では積極的にもう少し動いていただいて、そしていずれ労使間においてこの点で解決したということが明確になりましたら、一つ委員会の方に報告していただくように、これはお願いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/58
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059・靱勉
○説明員(靱勉君) 御質問の点、少し私は聞き違えておりましたが、全般問題といたしましては、本委員会におきましても、今後の全体的な自動化、機械化に伴う要員の問題、さらに第二次五カ年計画に伴うところの計画と要員との調整の問題につきましては、すでに御説明申し上げておきましたが、いろいろと、たとえば今御指摘の集金制度をやるかやらないかの問題につきましても、私ども全面的な問題として検討いたしておるわけなのであります。これらにつきましても、すでに若干の御説明を申し上げておる次第でありますが、これらは非常な大きな問題として、いろいろ委員の方々からも詳しく御質問があってお答えいたしておりましたので、当面の問題としまして、北九州の問題だけに限定しましてお答えしたような次第でございますから、どうぞ御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/59
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060・鈴木強
○鈴木強君 これは委員長もはっきり発言をしてもらいたいと思うのですが、何回か私たちは、これはただ単に北九州だけの問題じゃないのだ、今後の公社の合理化の問題に大きな影響のある問題である、こう思うから、委員長がはっきり言っている。これは一つも変っていないと思う。そういう意味でやったわけですから、取り方が食い違いがあったとすれば、それはあなた方の方で聞き方が悪かったので、私たちはそういう意味でなしに、いろいろな問題をテーマとして検討していただいたわけですから、たとえば料金徴収の問題については、集金制度がもちろんこの問題と関連はしておりますけれども、できるならできる、できないならできないで、将来検討するというふうに、出された問題について、やっぱり明確に検討して、委員会にこれは報告するだけの義務があるのです。そういうような立場でわれわれが取り上げたことだけは、この際明確にしていただきたいと思います。委員長もその通りに理解していると私は考えますから、明確にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/60
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061・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) 委員長から申し上げます。北九州の問題は、自動化に伴いまする今後の起り得るであろう問題の一つのテスト。ケースとして委員会で取り上げて、あそこに委員派遣をしたわけでございます。なお、本委員会でしばしば議論になりましたように、自動化の問題は、これはもう時代的な要望でやむを得ないと思いますが、その計画に伴って、やはり公社におかれましても、人の問題もあわして計画の線で将来も考えていただきたいということを、委員会でも相当要望があったわけであります。だから全体の問題として、やはり新しい五カ年計画をお立てになる場合においては、その人的問題もあわして御考慮願いたいということを委員会として要望しておるわけであります。つけ加えておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/61
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062・靱勉
○説明員(靱勉君) ただいま鈴木さんと委員長のおっしゃった意見については、私ども決して誤解いたしておりません。もちろんそういう意味でこの問題をさらに今後検討いたしていきたい。結局、人によるサービスの充実と申しますか、現在必ずしもその点は充実しておりません。従いまして、利用者の方にも非常に利益を与え、事業経営としても支障ないような、しかも、人の要するに無理な配置転換あるいは事業の機械化によって、直ちに人が余ってどうにもならぬということがないように、計画を調整いたしまして考えて、その際におきまして、たとえば集金制度なども、私ども今絶対にやらぬと申し上げてないのであります。どういう程度にやるべきかどうかということをせっかく検討中でございますので、第二次五カ年計画を決定する際に、将来要員に対する対策もあわせて決定いたしたい。なお、本委員会で問題になりまして、その後の全面的な問題としてきめましたのは、臨時作業員につきまして、組合員との間にさらに基本的な協約を締結いたしていく、こういう事情にもなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/62
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063・鈴木強
○鈴木強君 わかりました。われわれの意思をつまりそのようにとっていただいて、検討していただいておるなら、それで私は何も言いません。ただ、その際、ちょっと要望しておきたいのは、第二次五カ年計画にしても、すでに調査案件としてわれわれは質問をして、できるだけ早い機会に策定をしていただいて、いろいろ指摘のあった、今委員長のおっしゃった——要するに合理化というのは時代の趨勢ですから、何人もこれを否定できない、しかし、その合理化に伴って、相当多数の人が職場を変えなければならないし、さらに賃金も、職種が変えれば下るような場合もある、また上る場合もあるでしょうが、そういう点も出てくる。ですから、さらにまた臨時作業員等の問題についても、相当程度やめてもらわなければならぬ事態も出てくるわけですから、合理化の陰に、そういう労働条件の問題については大きな問題があるということを、これは国民世論に訴えて、そして少くとも合理化によってそうめちゃくちゃな首切りや、とんでもない配置転換等が起らないような、やっぱり計画を立てていただいて、そうして国民の納得のできる自動化を、また電報の機械化を実現してもらいたい、これが私たちの強い念願なんです。私は国会へ出る前、組合の委員長をやっておりましたが、実際この五年間というものは、前だれがけになって、公社になったのだからさあやろうじゃないか、従来のようなありがとうございます、も言えないことじゃいかぬからということで、実際気持を切りかえて、あの荒廃した電信電話事業の再建のために取っ組んできたわけです。ところが、最近、大臣にもよく聞いてもらいたいのだが、今度の賃金改訂みたいに、何だか知らないが、公社の自主性をだんだんなくしてしまって妙味を失って、従業員は、ほんとうに今まで努力したにかかわらず、努力のかいがみんな水泡に帰してしまったような賃金政策をとられてきたら、これは第二次五カ年計画を作ってみても、労働組合は、今度は今までのように簡単についてきませんよ、そう思うのです。一方経営者諸君だって、腹の中に、今までほんとうにこれだけ公共企業体というものの性格を体して一生懸命やってきたにかかわらず、血も涙もないようなことをやられたのでは、今後五カ年計画に応じていこうという気持がそげていくと思う。全従業員に言えることと思う。そういうふうなことが出てくると、これは合理化は大へんだと思う。私たちは働きましょう、生産を引き上げましょう、そうしたらその生産の向上に基いて当然それ相当の待遇改善があってしかるべきなのです。これが、私は資本主義社会においてもとるべき道ではないかと考えておるのです。何もむやみやたらに労働組合が騒ぐというのじゃなしに、ほんとうに、電通や電電の組合なんかまじめに事業に取っ組んできたのです。そういう事業のなにからしても、この合理化の第二次五カ年計画というのは、慎重に考えていかないと、国民の批判を受けることになると思うのです。その原因を深く探究すればするほど、私たちは公社に望みたいことは、計画をお作りになったのですから、総合的に電気通信事業がどうあるべきかということを検討していただいて、本委員会の委員長のおっしゃるような考え方で、第二次五カ年計画を策定してもらいたいという希望を持っておるわけです。だからそういう意味で、できるだけ早く策定の作業を急いでいただいて、そしてわれわれに早く見せていただきたい、そう思いますから、そのことを一つ強く要望しておきます。
それからもう一つ、電気通信事業の一環として今日運営されております工作工場の問題ですが、これは片や電気通信研究所があって新しい技術をどんどんと研究されておる。しかし、十七万、十八万の職員をもって全国的な規模に立って運営する電気通信事業の中には、研究をして設備をする、そうするとその設備が老朽化してくる、従ってそれをみずからの手によって保守、修繕をしてそうしてできるだけ公衆電気通信の精神に基いて、利用者に公平に、しかも、できるだけ安く便利なものを提供するという精神が、私はこの大きな事業の中では当然考えるべきことだと思うのです。そういう意味で、今工作工場が設置されておるのですが、その運営について、どうも今まで明確な方針がなかったように思うのです。今、今日工作工場に働く職員が、あるいはこの工作工場施設というものが縮小されるのじゃないか、あるいは廃止されるのじゃないか、こういうような危惧を強く持っております。そのことが勤労意欲にも関係しておるような実情にあることは事実であります。これは、従来とかく公社の経営者諸君は、これはどこで話すか私は知りませんのですが、たとえば工作工場を縮小するとか、廃止するとか、こういうようなことを言われる。そうすると、そのことが考え以上に強く従業員を刺激して、せっかく一生懸命汗みどろになってやっておる諸君が、縮小されたら職がなくなるというので、先を心配しておるという実情が起きておると思うのです。これはもう、五年も六年も前に国会の中でも問題にしていただいて、幾たびか公社当局に正常な運営についてたしか意見が出ておるように私は思うのですが、今日この工作工場が特殊な工場計算という方法をとられ、独立採算をしいられておるのですから、とかく若干の赤字も出てくる、そうするとこんな赤字の出るものは損だからやめた方がいいのじゃないか、こういうような意見がどっかで出るかもしれません。しかし、そういうことは軽々に言うことでなくて、もっと本質的に、中でこの工作工場はどうあるべきかということを御検討なさっておると思うのです。私は、中にもいろいろ、経営調査室もありますから、それぞれの方にも意見を聞いてみるのですが、これの運営に対してどうするかという根本問題について、やや検討が足りないような気がするのです。だからこういう点、この機会に私はぜひ公社当局の今後の工作工場の運営方針について、明確に一つ意見をお尋ねして、この際抜本的にこの問題を解決して、全従業員が一生懸命この工作工場で仕事ができるような態勢をしいていきたいと思うのです。若干時間がかかるかもしれませんが、ぜひこの機会に一つ徹底的に公社の考え方も聞き、われわれの意見も出して、この問題の結論を出したいと思うのです。すでに聞くところによると、三十二年度の予算が決定し、この実行段階において、たとえば荻窪にありますような特殊な搬送や、あるいは印刷電信機を直しておる工場等につきましては、もう予算的に約二千万円くらいの減額をして、そうして修理する機器の種類についても、これとこれだというような形で、従来の方針と若干違うような方針を出して、そしてこれでお互いにやろうとしておる、そのことがすでに三十人なり四十人なりの定員の削減ということで、これは大へん工作工場では問題になっておるわけです。こういったことがなぜ行われるのかということを考えると、さっきから申し上げておるようないろいろな揣摩憶測があることが、現実問題として実行段階の中に出てきておるような気がするのです。ですからこの際公社の明確な工場運営に対する所見を最初にお尋ねしたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/63
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064・和氣幸太郎
○説明員(和氣幸太郎君) お答え申し上げます。公社の工作工場の運営の方針についてのお尋ねでございます。公社の工作工場におきましては、御案内のように事業品ないしは貯蔵品の修理をやっておりまして、全国に十五の工場を持ってやっておるわけでございます。それで工作工場の今後の運営の方針をきめるに当りまして、一番根本になりますことは、仕事の量がこれからどうなっていくであろうかということが一番根本な考え方の基礎になる問題でございます。ところが、御案内のように、最近は私ども使いますところの電気通信の材料がだんだん質がよくなって参りまして、消耗の度合いが減って参っておるのでございます、そういう点が一つございます。
それからいま一つは、逐年膨大な施設量をやって参っておりますので、量的にふえて参っておるというふうな点で、今後の工作工場で修理いたしますその仕事量を把握するということが非常にむずかしい段階になって参ったのでございます。従いまして、今後の工作工場の運営の方針をきめるに当りましては、第二次五カ年計画がいずれ策定されると思いますので、それによりまして長期の業務量というものをまず正確に把握いたしまして、それに基きまして工作工場でやりますところの取扱い品目、あるいは修理の方法、そういうものをきめまして長期の根本的な方針を立てていきたい、さように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/64
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065・鈴木強
○鈴木強君 そうすると、そのまだどうするかという基本的な方針は公社としてはさまっておらない、こういうことに承わってよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/65
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066・和氣幸太郎
○説明員(和氣幸太郎君) その点につきましては、先ほどお答え申し上げました通り、第二次五カ年計画の決定を待ちまして、それによってそのベースになるところの業務量というものを長期にわたって見通しを立てまして、それに基いてきめていきたい、さように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/66
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067・鈴木強
○鈴木強君 そうすると、今日までは、今まで決定されたその方針によって運営をされておると思うのですが、しかし、どなたが言うかよくわからないのですが、非常に悪い影響を与えておるのです。この前、資材局長に林さんがまだ御在任当時、私工作工場を回ったところが、工作工場が縮小されていくのだということで非常に組合員は動揺しておった、私は林さんのところへ行って、事実そういう考え方を持っておるのかと言ったところが、まあはっきりは言わなかったのですが、やや縮小していくのだというようなにおいのする話をしてくれた。そこで、経営調査室へ行って責任者に会って聞いてみると、経営調査室では、まだその問題については何にも結論が出ておらない、こういうことでした。ですから、このポストにある人たちは、ひょっとすると縮小するのだ、そういうようなことを言う、それが響く。一方では、今までの実際の経営の調査もし、どうあるべきかということに対して本質的な結論も出ていないうちにそういうことを言い出す、そのことが原因であることも事実だと思うのですよ。ですから、ほんとうに工作工場へ行ってみて下さいよ。私は委員長にもお願いをして、一度国会としての視察もしていただきたいと思っておるのです。そして皆さんに見ていただきたいと思っておおるのですが、あの調査の中で、一生懸命古い、こわれたものの修理をし、努力をしておる、そういう従業員に、現実にはもう二千万円の、荻窪の場合はそうでしたよ、二千万円予算的に切ってきておる。そうしていろいろ調査してみると、三十人定員が減少される、そういうことですね。で、現に鶴見の方では臨時従業員を雇うと、今度荻窪の方は欠員があっても補充しない、そういうことがびんと、業務が縮小していくのだ、そういう考え方で、将来荻窪の人たちは人が余ったら鶴見にやるのだ、そういうようなことまで憶測しておりますよ。相当に勤労意欲に影響しておると思う。だからもう少し実態というものを把握していただいて、明確な方針がきまらない先に、何かしら縮小するような方向に文書通達によってやらせてしまう、予算的には二千万円を削減してくる、こういうようなことは私はとるべきことではないと思うのですね。ですから、もちろん現状においても、長期の業務量を勘案して、修理する品目がどうだとか、方法がどうだとかいうことを、もちろん今でも考えてやっておると思うのですから、そういう過程の中で、かりに搬送無線の機械にしたら小型だけしかやらないで、ほかのやつはやらないのだ、こういうような通達が流れておることも事実ですよ。そういうようなことが、表面で聞けば、いや、そういうことについては基本方針はきまっていない、今縮小するという考え方はない、そう言っていながら、現実には縮小の方向へとあらゆる手でやっておられる。きわめて卑劣だと思います。労働組合から申せば、管理運営ですからなかなか経営面にタッチできない。あなたの方じゃうまいことを言っておる。しかし、実際に出てくるから不満が出てくるのでしょう。だから、私は国会でこれを取り上げたいと思って質問しておるわけです。どうもそういう労務政策というか、運営に対する基本方針がきわめて不明確だから、こういう混乱が起きておると私は思うので、これ以上、まだ具体的な案がきまっていないのに質問しても意見を聞くことができないと思いますが、工作工場というものはほんとうに私は必要だと思うのです。ですから、そういったように一筆あるのかないのか。基本的に考えて、将来もちろんこれは電話もふえてくる、品質がよくなれば電話についていえば修理も減るでしょう、しかし、一面大体同軸ケーブルも拡充されてきておるし、新しい機械を買って、なるほど当座は修理の率も減るかもしれません。しかし、四年、五年たてば必ず故障も多くなってくる、そういういろいろな点から勘案して、一つ従業員がほんとうに安心して職場を守っていけるという態勢をしいてもらいたい。そうでないと不安、動揺しまして非常に困る。その点を一つ資材局長もお考え下すって、できるだけすみやかに基本方針をきめて私たちに明示をしていただきたいと思います。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/67
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068・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/68
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069・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。
電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/69
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070・森中守義
○森中守義君 オート・アラームの問題でありますが、これは私は、新谷委員の方から提案をされた法案の改正案の内容に触れる前に、法案の取扱いについて少し意見を申し述べて、関係者の方で御協議を願いたいと思います。それは御承知のように、もうすでにあと両三日をもってこの国会は終ります。しかも、このオート・アラームの問題は、しばしば今まで私たちはこの案件が議せられた場面におきまして、おそらく運輸委員会あるいはまた運輸省、さらにまた船舶職員法の関係で航行安全審議会が答申を出してきております。こういう関係の意向も十二分に聞かなければならないと思います。かつまた海上における人命及び財産、しかも、それは遠く外国の洋上における問題にも関係がありますし、ここでこのような重要な案件を一挙に両三日中の会期中に議了するということはきわめて困難ではないかと思うのであります。従いまして、私はこの法案については、郵政省の意向をまず聞かなければなりませんし、あるいはまた一部には通信士協会あるいはその他の団体の方でも強い反対もあります。従って、こういう団体の意向も聞かなければなりませんし、さらには通信大学等の教授の専門家の意向等もやはり徴する必要があると思いますから、できればこの問題については、今国会中においては審議をしない、あらためて関係者の方で御協議をいただいて、郵政省あるいはまた関係の運輸省あたりとも御相談をいただいて、十二分に電波法全体の改正というような意味で、近々の国会に政府提案というような形ででもお出しいただければはなはだ幸いだと思います。この法案の取扱いについて、関係者の御意見をまとめていただければ幸いだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/70
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071・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 私は関係者の一人にすぎませんから、あなたのおっしゃっている関係者全部ではありませんが、私どもは国会法の規定に従いまして、法律案の提案をいたしております性質上、政府から提案するのがいいかどうか、これはいろいろ考えようもあると思いますが、しかし、われわれが与えられた権限によって提案をした問題でありますから、委員会としては、時間の許す限り御審議をいただくのが適当であり、それが私としては望ましいと思うのであります。私どもがこれを提案するに当りまして、意見は、今あなたがお述べになったようないろいろな団体あるいは官庁等の意見を全然聞かなかったかといいますと、提案者としては、十分ではないかもしれませんが、一応そういう意見も徴しております。役所の関係の人たちも政調会に呼びまして、意見を徴したつもりでございます。その結果、あらゆる団体、あらゆる官庁の意見が全部一致したというわけには参りませんが、そういった意見なりあるいは資料を参考にいたしまして、私どもが最も適当であるという案を出したわけでございますから、そういう意味において、国会法に基いた成規の議員提案としてお取扱いを願って御審議いただきたい、かように私は提案者の一人として考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/71
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072・森中守義
○森中守義君 大へんお言葉を新谷委員に返すようで気の毒なんですが、なるほどその案を用意されるに当っては、そういう十二分の措置と準備がとられたことは当然であると思います。しかしながら、決してその案の内容が不十分である、あるいはそのことがいけないという意味ではなくて、やはり委員会における審議というものは、たとえ関係官庁の意向でありましても、あるいは団体の意向が、案の出されてくる前に、新谷委員の方にお持ち寄りになったとしても、やはり委員会における審議の形としては、私どもはどうしてもそういうような手順を経て十二分の審議を要するのじゃないか、こういう工合に考えております。従いまして、先刻も申し上げたように、非常に広範な関係方面を持っております。さらにまた公聴会等をもこれは場合によっては開かなければならないでありましょう。おそらくここ両三日中においてこの案件の議了ということはまずもって見込みがない。しかも、私がもう少し申し上げたいと思いますのは、いわゆるオート・アラームを、今にわかに法律修正しなければ船舶が動かない、あるいは通信の機能が停止する、こういう喫緊のものでもなかろうと思うのであります。オート・アラームの歴史が二十年あるということでありますが、この二十年のうちに、少くともやはり船舶は動いている、また今日の船舶関係の経営者の面においても、オート・アラームを取りつけなければいわゆる経営上すこぶる障害を来たすということはないのじゃないかという工合に考えるわけであります。従って、会期が非常に少い、しかも、すこぶる多方面にわたっての関係を持っている、こういったような理解のもとに、私は再度御考慮をいただいて、あらためて次期国会等にお出しいただくことが最も上策ではなかろうか、このように考えるわけでありまして、できるならば委員長及び理事、それに提案者である新谷委員の方と御相談いただければ、はなはだ好都合だと思います。このように主張するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/72
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073・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 同僚の森中委員のせっかくのお話でございますが、これをもう一ぺん検討し直して次期国会に出し直したらどうかというような御勧告もあるようでございますが、私の考えでは、それに従うわけには参りません。私どもは研究は不十分であるかもしれませんが、われわれとしては、与えられた会期内にできるだけ議了したいと思って実は一週間前にこれを提案いたしました。しかし、御審議をいただいたのはきのうからでありまして、きのうやっと提案に入っただけであります。しかし、会期が残り少いかもしれませんが、場合によりまして、これは会期内に議了できないかもしれません。しかし、私どもが提案をいたしましたのは、ただいたずらに、何と申しますか、そう大して必要もない案を提案をしているというようなことじゃなくて、一応の調査もし、一応の必要性ももちろん認めまして、国会法に基いて提案をしております。議員提案として、本院でも本委員会に付託されておるわけであります。立法府としては、これがいいか悪いか、あるいは賛成か不賛成かは別であります。とにかくそういったことについての質疑応答の過程におきましては、十分に明らかにされるだろうと思う。審議を始めていただくのが望ましいということを重ねて申し上げます。
なお、森中さんのお話の中で、多少オート・アラームについて誤解をしておられるかに考えますから申し上げますが、この電波法の一部改正案では、オート・アラームは強制しているわけではありません。現在私の調べたところによりますると、これは一つの理由でありますが、一方では船舶に乗り組む無線技術士の数が非常に少い。先般本院を通過しました船舶職員法におきましても、付則において、本来高級船員というものは二十歳以上の年令でなければならぬということを法律で書いてありますが、無線通信士につきましては、船舶に乗り組む人が十分に得られないという理由で、今度の船舶職員法では、暫定期間でありますが、当分の間、これは十八歳まで年令を低下せしめて、高等学校卒業生でも一人前の無線通信士として認めないと需給関係が間に合わないというように、非常に逼迫した状況であります。そういう事態を勘案いたしまして、他の外国船の例を見ますと、大体これは原則としてですがね、原則として、貨物船については、一人の無線通信士がやっておる。それを日本の船では、オート・アラームの問題が影響するのでありますけれども、オート・アラームをつけないために、聴守時間の義務にも違背するというようなことにもなっておりますから、もし船舶がオート・アラームをつけた場合には、そういう電波法上の運用時間、聴守時間というものについての規定の適用をもっと緩和して、一言で申し上げると、外国並みには一ぺんにはいきませんが、その中間で、漸次にこれに近づけるように、この機会においてはある程度乗り組み定員を緩和したらどうかということが、この主眼でございます。オート・アラームを各船に強制をして、このオート・アラームを何でもかんでもつけると言っているんではない。オート・アラームをつけた場合には、そういうふうな運用時間、時間についての一定の緩和した規定の適用を受けられるというにすぎないのでありまして、オート・アラームをつけない場合には、やはり現在と同様に相当の数の職員を乗り組まさなければならぬということでございます。この点、多少オート・アラームの問題についての見解があるいは誤解をしておられるかもしれませんから、念のために申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/73
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074・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/74
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075・剱木亨弘
○委員長(剱木亨弘君) それでは速記を始めて下さい。
本日は、これにて散会いたします。
午後四時三十一分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614816X01819570515/75
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