1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年四月二十六日(金曜日)
午前十時二十五分開会
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委員の異動
四月二十五日委員江藤智君辞任につ
き、その補欠として谷口弥三郎君を議
長において指名した。
本日委員木島虎藏君、成田一郎君及び
松本治一郎君辞任につき、その補欠と
して井村徳二君、植竹春彦君及び横川
正市君を議長において指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 亀田 得治君
理事
上原 正吉君
大谷藤之助君
秋山 長造君
竹下 豐次君
委員
植竹 春彦君
迫水 久常君
谷口弥三郎君
平島 敏夫君
松岡 平市君
松村 秀逸君
荒木正三郎君
伊藤 顕道君
田畑 金光君
永岡 光治君
横川 正市君
八木 幸吉君
衆議院議員
大平 正芳君
国務大臣
労 働 大 臣 松浦周太郎君
政府委員
人事院総裁 淺井 清君
人事院事務総局
給与局長 瀧本 忠男君
人事院事務総局
給与局次長 慶徳 庄意君
内閣総理大臣官
房公務員制度調
査室長 大山 正君
総理府恩給局長 八巻淳之輔君
厚生省医務局長 小澤 龍君
事務局側
常任委員会専門
員 杉田正三郎君
説明員
厚生省医務局管
理課長 戸沢 政方君
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本日の会議に付した案件
○臨時恩給等調査会設置法案(内閣提
出、衆議院送付)
○国家公務員共済組合法の一部を改正
する法律案(伊藤顕道君外六名発
議)
○一般職の職員の給与に関する法律の
一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
○特別職の職員の給与に関する法律の
一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
○防衛庁職員給与法の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/0
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001・亀田得治
○委員長(亀田得治君) これより内閣委員会を開会いたします。
委員の変更について御報告いたします。四月二十五日付、江藤智君が辞任され、その補欠として谷口弥三郎君が選任されました。本日付、松本治一郎君が辞任され、その補欠として横川正市君が選任されました。
以上、御報告いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/1
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002・亀田得治
○委員長(亀田得治君) まず、臨時恩給等調査会設置法案を議題に供します。
本案提案の理由につき、御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/2
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003・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) ただいま議題となりました臨時恩給等調査会設置法案につきまして、その提案の理由及び概要を御説明いたします。
戦後における退職公務員及びその遺族に対する恩給上の所遇につきましては、給与ベースの改定に伴う恩給年額の増額及びいわゆる軍人恩給の廃止ないしは復活等、戦前には見られなかったような消長と変遷を経てきた次第でありまして、その間、数次にわたる制度の改正により、合理的かつ公平な給与が行われるよう逐次改善されて参ったのでありますが、なお検討を要するものが多々残されている状態にあります。
これらの問題は、それぞれ個々別々に他を顧みることなく所遇するといたしますと、恩給制度の特殊性からいたしまして、甲は乙に波及し、乙は丙の問題を呼び起すというように、その影響が連鎖反応となって現われることを顧慮しなければならないのであります。
政府といたしましても、この際、問題の全般を見きわめ、これに対して適切なる対策を立てることが今日喫緊の要務であると考えまして、ここに強力なる恩給等の調査審議機関を設けることとし、これがため、この法律案を提出いたしたのであります。
次に、本法案の内容でありますが、第一条は、新たに設置いたそうとする臨時恩給等調査会を総理府に付属機関として置くこととし、第二条においては、旧軍人の公務傷病恩給、旧軍人の遺族の公務扶助料、その他旧軍人またはその遺族の恩給に関する事項、文官の恩給に関する事項、これらの恩給に関連する戦傷病者、戦傷病者または戦没者の遺族の援護に関する事項、その他、以上に関連する事項等同調査会の調査審議事項を定め、第三条は、これらの問題について各方面の公正なる意見を反映せしめるため、調査会は、国会議員、関係各行政機関の職員及び学識経験ある者二十五名以内の委員をもって組織することを規定いたしたのであります。なお、この調査会におきましては、前に申し上げました事項につき、調査審議した結果を、おそくとも本年十一月十五日までに、内閣総理大臣に報告することをあわせ規定いたしたのであります。
以上が、この法律案の提案理由及び概要であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/3
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004・亀田得治
○委員長(亀田得治君) 本案の審議は、本日はこの程度にいたします。
速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/4
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005・亀田得治
○委員長(亀田得治君) 速記を起して。
それでは、次に国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案(参第三号)を議題に供します。
本案提案の理由につき御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/5
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006・伊藤顕道
○伊藤顕道君 ただいま議題となりました国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由並びにその要旨について御説明申し上げます。
公務員の共済組合制度は、公務員及びその扶養家族の生活安定のため寄与するところが多くまたわが国、社会保険制度推進に果す役割は、きわめて大きいのであります。しかしながら、本制度には、なお改善を要すべき点があり、また、最近の経済情勢の推移に伴い、これが是正を要する点も多いのであります。
かような実情にかんがみまして、とりあえず公務員の日常生活における疾病、災害等に上る不時の出費に対する最低の補てんを行うために、新たに短期給付について付加給付制度を設け、その他、短期給付の内容に改善を加え、組合員に、二月以上引き続き使用される者等を加えることとするとともに、短期給付の掛金率に最高限度を設け、国庫負担割合を改訂し、あわせて長期給付につき、年金受給資格を二十年から十七年に短縮する等の内容を改善するための所要の改正をいたすこととし、ここに本法律の改正案を提出した次第であります。
次に、この法律案のおもな改正点の要旨につきまして御説明申し上げます。
今回の改正のおもなる点は、第一点は、共済組合員の範囲についてでありますが、現在、非常勤職員、臨時職員は、組合員から除外されておりますが、これらのうち、実態的に引き続き二月をこえ使用されるに至った者を組合員とすることとする。又共済組合の事務に従事いたしております職員につきましても、公共企業体職員等共済組合及び私立学校教職員共済組合で、それぞれ、すでに組合員として取り扱っている実情にかんがみ、本法においても、同様の取扱いをすることにいたしております。
第二点は、組合の行います給付についてでありますが、その従来のものと比較しながら改正される点の大略を申し上げますと、第一に、付加給付を設けまして、健康保険との権衡並びに各共済組合の実情に即すため、同法の例にならい、諸給付にあわせてその他の給付をなすことができることといたしました。第二に、結婚給付を設けまして、組合員が結婚する場合の資金として結婚手当金を支給することといたしました。第三に、療養の給付または療養費について、結核性疾病にかかる場合については、期間を五年まで延長することといたしました。第四に、短期給付における家族療養費、分べん費、配偶者分べん費、保育手当金、埋葬料、家族埋葬料、弔慰金及び家族弔慰金につきまして、それぞれ実情に即応いたしまして給付の増額、並びに現金給付の額の引き上げ等をはかるとともに、最低保障の額の引き上げ、または、最低保障額を設けました。第五に、長期給付について、退職年金及び遺族年金の受給資格の二十年を十七年に改めることといたしました。
第三点は、国庫負担金についてでありますが、健康保険法の例にならい、民間会社の負担の実情をも考慮いたしまして、使用主である国庫が、百分の六十を負担することとし、かつ、組合員の俸給の千分の三十八をこえる場合においては、組合員の給与の面から見て、負担の限度があるので、そのこえる部分については国庫において負担することといたしました。
なお、本法律の施行期日につきましては、各規定につぎ、昭和三十三年四月一日までの間において、政令で定めるということといたしております。
以上提案理由、並びにその要旨を御説明申し上げましたが、何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことを御願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/6
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007・亀田得治
○委員長(亀田得治君) 本案の審議も、本日はこの程度にいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/7
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008・亀田得治
○委員長(亀田得治君) 引き続き、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、三案を一括して議題に供します。
ちょっと速記をやめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/8
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009・亀田得治
○委員長(亀田得治君) 速記を起しても以上三案について、御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/9
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010・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 私、一、二の質問をさせていただきたいと思います。まず、この一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の第十九ページの医療のロ、医療職俸給表、これの(二)の備考のところに書いてございます「その他の職員」というのがございますが、これはどのような職種が入っておるのでございましょうか。まず、それをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/10
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011・大山正
○政府委員(大山正君) ただいま御質問のありました医療職俸給表(二)の備考にあります適用範囲の具体的な基準は、この法律が施行になりました後に、人事院規則で定めることになりますので、具体的には、その人事院規則によりまして範囲が確定するわけでございますが、法律を立案いたしました当時、私どもの方で一応考えましたのは、このほか放射線技術員でありますとか、あるいは歯科技工士でありますとか、歯科衛生士でありますとか、あるいはあんま、はり、きゅう等の医療技術者が大体入るであろう、かような考えのもとに立案いたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/11
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012・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 ただいまお話のございましたエキス線技師というのは、この表の何等級に格づけされる予定になっておるのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/12
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013・大山正
○政府委員(大山正君) その具体的な格づけにつきましても、人事院規則で定めることになるかと思うのでございますが、私どもが立案いたしました際の考え方は、別に各等級の代表官職の例を参考資料として提出しておるのでございますが、これによりますれば、エキス線技術員は、まず丘等級に入りまして、技術長等の役づきになりました場合に四等級に格づけになるのが、まあ一応の原則であると、かような考えのもとに立案したような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/13
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014・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 ただいまの御説明によりますと、レントゲン技師は五等級、技師長は四等級ということでございますが、ただいまレントゲン技師と申しますのは、御承知のように、ことに日本の結核対策の関係上、きわめて重要視しておりますし、しかもそのレントゲン技師の多数は、放射線障害を持っておるというような状況でありますので、また、一方療養所その他におきましても、レントゲン課長というような職員を持っております関係から、四等、五等ではどうも療養所の運営の事情から申しましても、非常に混乱がきはせぬかと思いますので、これはやはりまあ少し上の方に格づけをしていただくようにならぬと、今後の運営にも困るし、またレントゲン技師の志望者もずっと資質が落ちると思いますので、何とかあるいは二等級とか三等級とかいうようなところに上る格づけをしていただくように御了解が得られますものでしょうか。まず一応これを。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/14
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015・瀧本忠男
○政府委員(瀧本忠男君) ただいまのお話でございまするが、大体内閣側においてお考えになりましたところは、これは俸給表こそ違っておりまするけれども、人事院の勧告を基礎にして大体の代表官職例というものを、大体この辺の等級であるということを出しておられるようにわれわれ了承しておるのであります。人事院の勧告におきましては、どういうふうにやっておるかと申しますると、現在こういう方々がどういう職務の級に分布しておるであろうという統計表によりまして、そういうことを基礎といたしまして、放射線技術者というものは現在こういう中に分布しておりますから、従って、この程度のところでいいのではないかということで一応やったのであります。そういうことは、言いかえてみれば、現在放射線の技術者というものは、現在の職務の級で申しますると、大体九級以下の人が多いのでございまして、まだ現在高い級の人が——十級くらいの人が一人二人はおるようでございますが、あまりいないのでございます。将来にわたりまして、やはり相当経験等が積まれまして、高級に格づけすることが適当であるというような場合には、これはここに出してあります代表官職例にだけよるものではないのであります。その余裕はあるのでありますが、今直ちに——現在おられます九級程度の方は大体これは五等級程度に格づけするのが妥当であると思うのでありますが、それを直ちに二等級、三等級ということになりますると、ほかが——たとえば栄養士でありますとか、薬剤師そのほかの方々との均衡もございますので、その辺は十分勘案いたしまして、将来に向って必要である場合は必要な措置をいたしたい。このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/15
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016・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 将来大いに考えていただくということであれば了承もできるのですが、実は、御承知のように、レントゲン技師というのができまして、まだ六年くらいしかなりませんけれども、その身分のできたのは六年くらいでございますが、実際にレントゲン技師として働いておるのはもう二十年、三十年というような長い期間レントゲンの技術者として働いておるのでございます。従って、本式の身分ができたのは短い関係から、案外低い程度におるのだろうと思いますが、今後、何とかして上の方の等級まで上られるということになりますと、まあ俸給で働いておるというばかりでもありますまいが、やはり意欲が進んできますので、どうしてもこういう方面の者は、古いよく勉強した技術者を使いませんと、今後の医学の応用にも非常に困りますので、ぜひともこれは——きょう言って、きょうというわけにはいきますまいけれども、できる限り近い際において、あるいは二等級、三等級に格づけをしていただくように、ぜひお願いしたいと思っております。どうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/16
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017・慶徳庄意
○政府委員(慶徳庄意君) ただいま御指摘がございましたように、レントゲン技師に関する最近法律ができたように伺っておるのでありますが、まだできまして日が浅いというような関係があることは御指摘の通りであります。御承知の通りレントゲン技師の職務の重要性、あるいは危険性というような点については、私どもも十分承知いたしておるつもりでございまして、おそらく御承知かと思いますが、昨年からレントゲン技師に対しまして、特別に例のこの特殊勤務手当というものを新設いたしまして、それらの実情に適合しますような新しい手当の創設すら実はいたしたはずでございます。従いまして、先ほど給与局長から答弁がありましたように、旧制度から新しい制度に切りかわります一つの過渡期と申しましょうか、という段階にありまするので、十分私どももそれらのところをさらに今後検討いたしまして、その実情に適合いたしまするように、運用上において最善の注意をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/17
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018・永岡光治
○永岡光治君 厚生省の方にお尋ねいたしたいのですが、昨日、一昨日でございましたか、公聴会を二十三日の日に開きまして、看護婦関係の方の公述をいただいたわけでございますが、その際に、看護婦は三等級に入るわけですが、医療職の第三表、それは現在の俸給より悪くなるということを言っておりました。数字をあげて説明いたしておりましたが、なるほどそうであれば大へんな問題になるわけでありますが、これは一体厚生省の方では十分実情を承知しておるのかどうなのか、その点の御説明をいただきたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/18
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019・小澤龍
○政府委員(小澤龍君) 私どももこの新しい給与に関しましては十分研究をいたしました。ただ、現行におきましては、なるほど十五級まで棒のような一本の給与表になっておりますけれども、その運用に当りましては、それぞれ院長であるとかあるいは看護婦であるとか、また看護婦におきましても総婦長とかあるいは普通の看護婦であるとか、そういう職種に応じまして、運用上頭の押え方を変えております。そういう現状から申しますると、今度の給与表は、むしろ有利ではないか。かような意味から現在やっておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/19
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020・永岡光治
○永岡光治君 どうもはっきりしないのですが、運用上頭を押えておるからというのは、昇給するのを現在押えておるからという意味ですか。もう少しはっきり言うてくれませんか。どういうように運用されておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/20
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021・小澤龍
○政府委員(小澤龍君) 実は各級別に定数というのがきまっております。しかしながら、同じ級の中ではそこまでは最後まで上りますけれども、異格する場合におきまして、定数に制限がある関係上、その職種によりまして、上に上り方をかげんしておる。こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/21
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022・永岡光治
○永岡光治君 その上り方を現在どういうようにかげんしておる、そうして新しい俸給でいくと、どういうようにかげんする。それで有利になる、不利になるということが出てくると思う。それを一つ具体的に話していただきたいと思うのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/22
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023・戸沢政方
○説明員(戸沢政方君) 従来准看は五級職から、正看は六級から始まりますが、今は、現状から見ますると、総婦長の二番トップの最高額の人でも十一の五程度の人でございまして、その間、総婦長、婦長、平着、准看、その職種、職員に応じて五級から十一級ぐらいまでの間に格づけされておるわけでございます。それで、それぞれの級に級別定数がございまして運用しているわけでございますから、同じ婦長の中にも何級職かあり、総婦長にも何級職かあるということでもって、その間、昇格に際してはいろいろ格づけを行なって運用しているわけでございます。ところが、今度は総婦長ならば大体それの一等級、婦長は二等級、平着は三等級ということでもって総合されまして、統合されまして、その中においてはずっと自動的に上っていくというふうなことでございますから、その運用の面から見ますと、現行よりも悪くなることはない、むしろよくなる場合が多いだろうということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/23
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024・永岡光治
○永岡光治君 どうもその話じゃよくわかりません。私は具体的にこの前公述をいただきました人の例をとって申し上げるわけでございますが、准看護婦と称せられる四等級に格づけされる人でございますが、その人は六年で一万二百円だというのですね、この医療職俸給表でいくと。現行でいくと一万四百円になりますと、こういうことなんです。二百円の開きがある。それはごく下の方ですから、そういう不合理があれば大へんな問題ですから、そういうことがあるのかないのか。公述人は明確にそういうことになっておりますという表現なんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/24
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025・小澤龍
○政府委員(小澤龍君) 実は准看の制度ができ、実際准看護婦が表面で働き出しましてから、まだ三カ年しかたっていないのでございます。従って、まだ給与体系の実績というものはないのでございます。これも先ほど来申し上げましたように、級別定数に縛られます関係上、そういう級別定数というものはなくて、年々にどんどん上っていくとするならば、そういうことが言い得ると存じますけれども、やはり級別定数に縛られますというと、運用上そこに昇格する場合におきましてそういうことができ得ないと将来予想されまするが、そういう予想を前提に置いた場合においては、今度は准看護婦は年限さえたてばそういう紋別にかかわらず昇給して参りまするので、彼此勘案して考えれば、必ずしも准看は悪くないであろう、こういう考え方に立っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/25
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026・永岡光治
○永岡光治君 であろうでなくて、明確にはっきり答弁していただかないと困るのですが、紋別定数は現在でもありますが、新しい俸給でも紋別定数はあるわけです。ただ、紋別定数が等級別定数に変っただけですから、その定数の問題は私は問題にならぬと思うのです。そこで、准看護婦になってから六年というのですから、どの俸給表を使っても頭打ちになるべき筋合いはないと僕は思うのです。ところがはっきり御説明をいただいたことは、新俸給表でいきますと一万二百円に六年でなるのですが、現在でいきますと一万四百円になるのですと、二百円の開きがあると、こういうのです。はっきり何用になってどのくらいよいよなるということを、じゃよくなればよくなるように、何円よくなるか、明確にしていただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/26
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027・小澤龍
○政府委員(小澤龍君) 先ほど申し上げましたように、准看の制度ができてから六年くらいたっておりますけれども、卒業いたしまして、准看の資格を得て働き出しましてからまだ三年しかたっていないのでございます。従いまして、この三年間の実績から申しまするならば、決して現状よりは悪くならない、大体同じである、しかし将来の伸びを、かりに従来の制度でいくならば、運用上の面からいって制約される場合がある、今回は四等級に格づけされる限りにおきまして、しまいまで、年限さえくれば昇給していきますので、むしろ有利になる、こういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/27
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028・永岡光治
○永岡光治君 むしろ有利というのはどういうふうに、私今例をあげて申し上げているわけですけれども、この俸給を見てごらんなさい。医療職俸給表を見てごらんなさい。その医療職の第三表ですね、四等級に格づけされますと、一万七千五百円が頭打ちになっているわけです。ですから、当然これはすいすいいった形で一万二百円にしかならない。まことに順調にいって一万二百円になるわけです、これは。それから現在の俸給表でいきますと、これも六年くらいですから頭打ちにならぬと思うのです。それは一万四百円だというのです。それでは現在二万四百円になるのだが、あなたの、現在の俸給表がいいといえば一万四百円以上、たとえば一万一千円になるのか、一万一千八百円になるというのか、それはどうなんですか。幾らになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/28
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029・小澤龍
○政府委員(小澤龍君) 仰せのごとく、将来お互いに順調にいくということになれば、旧制度でも現行制度でもそのままずっと頭打ち等がなくていくということになれば、准看護婦については、若干二万円をこした程度におきまして、今度の給与表が少し低いようでございます。しかしながら、この点は先ほども申し上げましたような事情で、なお他の正看護婦、その他の職種とのバランスにおいてこういうことがこういうふうに提案されたのだと、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/29
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030・永岡光治
○永岡光治君 やはり順調に上っていった場合、現在より悪くなるということをはっきり言明しておる以上、私はやはり問題だと思うのです。これはまた、しさいに検討したしで修正を行わなければならぬと思うのでありますが、幾らそれぞれ均衡があるからといって、現在より悪くするということは、僕は承服できないと思うのです。ですから、その辺は特に一つ厚生省の方でもこういうばかげたことでないように、強くあなた方はやはり看護婦さんの立場を守るのが立場でありますし、この前の総婦長さんも、まことに涙ぐましい公述をされておりましたが、私たちもまことにお気の毒に思うわけでありますが、そういう点で、もう一度聞きたいわけでありますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/30
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031・亀田得治
○委員長(亀田得治君) ちょっと関連質問があるのですが、今の問題で。ほかへ移るのだったらちょっと待って下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/31
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032・竹下豐次
○竹下豐次君 医務局長にお尋ねしたいの。ですが、今の看護婦の問題ですが、私も今の御答弁ではどうもはっきりしないのであります。さらにまた、あらためて承わりたい点があるのでありますが、ほかが上っていく際に、看護婦の分だけが上らないような、むしろ下るようなことになっては、ちょっと工合が悪いんじゃないかという感じを持っているのです。ところが、私など各病院についての実情を広く知っておりませんけれども、聞くところによりまするというと、看護婦の使い方が非常にまずいということは、看護婦のりっぱな資格を持っている者、まあ准看護婦でなくて、ほんとうの看護婦の資格、りっぱな資格と教養のある人が、私が今から申し上げるのは主として准看護婦の分に当る場合であろうと思いまするけれども、看護婦の当然の仕事でなくして雑役に使われている。しかも、その時間がほんとうの看護婦の仕事をする時間よりもむしろ長い時間を割り当てられている。割り当てるというところまではっきりしていないのかもしれませんが、非常にそういう使い方を各病院でやっている、こういうことを聞いておるのであります。おそらくこれは間違いがないだろうと思っておりますが、そういうことではせっかく看護婦の教養を進め、資格を上げて、俸給も上げてやらなければならない、こういう際に、それを押えるような結果になってしまうのではないか、こう思います。これは予算の関係などでどうも雑役婦を必要なものを採用することができないから、勢い、看護婦にそういう仕事をさせることになるのだというような、言いわけを聞かされたこともあるのですが、いずれにしても、そういうことは非常にだらしのないことでありまして、看護婦方面にも非常に不平があります。国の立場から見ましても、方針に逆行きせるようなことをそのままに厚生省が認められたのだ、黙視しておるのだ、黙認しておるのだということになると、好ましくないと思うのですが、これは、その点どういうふうに実際の状況がなっておりますか。その点御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/32
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033・小澤龍
○政府委員(小澤龍君) その前に、先ほどの俸給の問題でございますけれども、私の答弁が徹しなかったので、もう一度申し上げたいと思います。現在は准看護婦は五級の一号に格づけされております。それが年とともに昇給するのでございます。しかし、まだ准看護婦が働いて日が浅いものでございますから、現在の准看護婦は五級の看護婦だけでございます。将来は六級の看護婦が出る場合において、六級に格づけがいきなりできるかできないか、この問題は定数等の問題で、紋別定数等の問題がからみ合いますので、従って従来の経験から申しますならば、五級から六級に無条件に上げるということは考えられない。そういう要素を入れれば、むしろ現行の方が有利ではなかろうかということを申し上げたのであります。と申しますのは、現在の准看護婦には六級の人がおりません。五級のものだけでございます。従いまして、年限がたって六級に上る場合においては、人事院その他と御相談申し上げて、そうしてそのワクの取り方、適用の仕方等によりまして、その点が左右されるわけでございます。そういう不確定要素が、現行の給与の上におきまして准看護婦についてございますので、今度の給与法によりますと、そういう心配がなしに、四等級の一号から始まって、一年ごとに二号、一号、四号、五号、無条件に上に上っていく。今度の新俸給表は安心して給与を与えることができるし、受けることができる、こう考えるのでございます。
それから第二点の、看護婦に看護婦らしからざる仕事をやらせておる問題でございます。この問題につきましては、御指摘の通りでございます。私どもも、看護婦でなければならない仕事を看護婦にやらせなければならないという観点から、いろいろ調査しております。たとえば病棟におきまして食事を運ぶとか、あるいは湯たんぽを運搬するとかいうことは、看護婦でなくて雑役婦でもできることでございます。実際、患者にあてがうのは看護婦でなければならないが、運搬するということは、看護婦でなくてできる仕事でございます。こういう仕事は、どういう種類の仕事がどのくらいあるかということは、タイム・スタディ等において調査しまして、大体二割見当は雑役婦の人でもできるのである、やらして差しつかえないのであるという結論を得ております。今そういう方面の仕事は逐次雑役婦の方に振りかえてやらせるということをやっておりますので、近く理想的な看護体制ができるのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/33
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034・竹下豐次
○竹下豐次君 二割程度というのは、仕事の二割ですか、時間の……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/34
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035・小澤龍
○政府委員(小澤龍君) 時間の二割です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/35
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036・竹下豐次
○竹下豐次君 私の聞いておるのは、そんなところじゃない。相当長い時間、看護婦によっては、むしろそっちの方が多いという話を聞いておるのですが、これは病院内部の人から聞いたこともあります。先生から聞いたこともある。どうも雑役婦がなくて困っておるので、一応そんなことになってしまうという話を病院の先生から聞いたことがあります。二割程度、そういう病院もありましょうけれども、それはよほどお考えにならないというと、せっかく今看護婦の問題を大事に取り扱おうとしておるこの時世に、この制度だけできておって、運営はだめだということになってしまう。これはそう軽々しく取り扱われるべきはずの問題ではない。雑役婦を使うことができないということになっておるのならば、何かやはりそれを使うような制度を設けるとか、また国の経済の点から申しましても、あるいは財政の点から申しましても、はっきりした方が節約ができるのじゃないかと思います。それだけ申し上げておきまして、なお一つ一そうこまかい御研究を願って、いいあんばいに運営していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/36
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037・大谷藤之助
○大谷藤之助君 関連して。先ほどの永岡委員からの質問、今竹下委員の御質問があったのですが、小澤局長さんの答弁は、何か問題がはずれておるように思われるのですが、その点で、何か御答弁にふに落ちない点があると思われるし、今の質問は、先ほどの准看護婦、これでいくと六年、六年ということだと、当然一万二百円なり、あるいは四月一日から一万九百円もらうべきものが、今度の改正号俸によって、これが現在のものよりも落ちるということはあり得ないはずなんですが、それは級別の格づけ号俸の適用によって、その上の一万一千円とかいうものが当然入るべきで、現在の段階において、より悪くなることでないように思うのですが、その辺何か御説明を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/37
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038・小澤龍
○政府委員(小澤龍君) 現在の給与制度は、級別資格基準がきまっておりまして、その在級年数とか、経験年数とかいうものをもとにいたしまして、昇格の基準が違っておりますが、実際の昇格の運用に当りましては、ただそれだけで、形式的にきまるものではございませんのでして、いろいろ他の職種とのバランスとか、現実には旧ベース定数に制限されまして、必ずしも形式的な基準をいたしたからといって、上級に昇格できるというものではございません。しかし、今度の改正給与制度によりますと、その適用のランクがきまりますれば、自動的に上っていくということをあわせて考えますると、現行制度のままでもって、准看が五級から六級に昇格し、さらに七級に昇格していくという年数の間において、新しい制度による伸び方というものを比較してみますと、現行よりも改訂給与表の方が有利になることが多いであろうということが考えられるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/38
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039・大谷藤之助
○大谷藤之助君 その点はよくわかるのですが、現在の段階で、この改正後の切りかえによって、現在もらっておるものが、現在の段階で落ちて、既得権なり、当然入るものがこの段階で落ちるということがあるかどうかという問題はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/39
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040・大山正
○政府委員(大山正君) ただいまの点につきまして、私どもの方の立案しましたときの考え方をさらに補足いたしまして、御説明申し上げたいと存じます。先ほど来、医務局長からお答えございましたように、現在准看護婦の制度は、まだ三年でございまして、五級におるだけでございますので、おそらく八千円ないし九千円ぐらいのところまででございます。先般参考人の公述にありました六年たった場合現行では幾らだという、その現行が、実は確立されていないということでございまして、先般のお話にありましたのは、五級から六級に通し号俸で上るという線でございます。これは、現在の級別資格基準表が一応乙看と同じような級別比較基準表に准看を適用さしておりますので、そういう線を一応現行というふうに、考えたかと思うのでありますが、ただいま医務局長からもお話ありましたように、資格基準表通り必ずしも上るものではないので、実際の運用におきまして、やはり五級から六級に上るときに、若干足踏みをするということを考えざるを得ないのであります。なぜそういうことをどうしても今考えざるを得ないかといいますと、五級から六級に頭打ちせずにそのまま上ったとした場合に、他の看護婦、正看護婦と申しますか、看護婦との関係はどうなるかと申しますと、これは学歴の関係もあるわけであります。准看護婦は新中を出まして二年の養成であります。看護婦の方は新高を出まして三年の養成でございます。従いまして、学歴の上で四年の差ということになるわけでございますが、准看で新中を出て二年の養成所を出まして直ちに准看になりましたものが、そのまま順調に五級から六級に上ったとした場合に、同じ年令のものが看護婦の養成所を出てきた場合に、どういうふうになるかと申しますと、准看護婦の方がむしろ追い越すという形になるのでございまして、一般の看護婦よりも、看護婦との関係におきましては三十二才になるまでむしろ准看護婦が高いというような順位になります、医師との間におきましてもむしろ二十九才までは准看護婦が高いというような逆転関係が起るような形になっておりますので、従来のいろいろな職種における級別資格基準表の運用の実態を考えますと、かような逆転関係を起さないように、どうしても五級から六級なり、あるいは六級から七級なりに上がる場合に、若干の停滞は免かれないというように考えるのでありまして、公述にありましたように、そうなるという線を直ちに言うことはできない、今回の改正案におきましては、ごらん願いますように、四等級の准看護婦は、四年目に八千九百円になるのでありまして、三等級の看護婦と同額であるということに相なるのでございまして、逆転関係を起さない、学歴差から言えば、むしろ八千九百円より低いのがあるいは合理的か知れませんが、そういうわけにも参りませんので、せめて同程度であるという形にそろえた考え方で立案いたしたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/40
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041・横川正市
○横川正市君 これは人事院にお聞きしたいのですが、級別定数の配分については、定数配分の三の中にありますように、これは一定限度の定数をきめられたが、これは不変なものではないというふうに私考えておるわけですが、そうすると、常にその職場の実情に従って級別定数というものは変動するものだ、こういうふうに私は了解しておるわけですが、その点についてまず、一応答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/41
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042・瀧本忠男
○政府委員(瀧本忠男君) 級別定数は、これは随時変更するというものではございません。やはりきめました通りやって行くのが至当でございますが、しかしながら、職場におきましては、やはり組織の変更がございますとか、いろいろな事情で事態の変更を来たす場合もございます。そのような場合に、やはり新しい事態に即応いたしますように、われわれといたしましては、級別定数を変えていくというようにこれはやってきたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/42
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043・横川正市
○横川正市君 今の室長や、それから医務局長の意見を聞いておりますと、級別定数というものがあるから、だから現行法の格づけをされておる、それぞれの級の頭打ち期間というものを非常に重く見て、そうしてその頭打ち期間を計算の中に入れると、旧法と新法との間で、新しい俸給体系の方が有利になる、こういう思想で答弁しておるようです。しかし、実際に級別定数は、今、給与局長が言われたのは、まだだいぶきついワクをはめておられるようですが、相当程度毎年これは変動するものであるというふうに私は了解しておるのです、今までの経験上からいいますと。そうすると、その変動する級別定数をもって、おそらくあなたの方でもそれぞれその適格者に対しての昇給処置、昇格処置を行なっておったのではないか、そういう実態が非常に不明確であります。それで、今言われておるように、出された俸給体系で比べてみて、実際上六年という同一俸給の中での期間経過を経た賃金について差があるのはおかしいじゃないか、こういうことをまあ言っているわけです。ところがそれに対して、大山室長は、同じように級別定数の変動がないものと見て、頭打ち期間というものを相当きつくはめている。しかし私は、現行では、低位の級の頭打ちというものは、相当程度緩和されて運営が行われているというように考えるのですが、その点はどういうふうに理解されておるか、伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/43
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044・大山正
○政府委員(大山正君) 先ほどお話申し上げましたように、現在准看護婦は、五級しかないわけであります。将来六級に上るのに、どういう形で上るであろうかという問題になるわけでございまして、その場合に、先ほど申し上げましたように、五級から頭打ちせずに、そのまま六級に上りますと、看護婦あるいは医師と逆転関係を起しまして、同一年令におきましては、医師は二十九才までは准看の方が高い。看護婦との比較は、三十二才まで准看の方が高い。これはいかにもおかしな現象でございまして、やはりせめて同一年令におきまして、准看と看護婦は同一であるか、あるいはむしろ准看の方が下であるのが当然でございまして、准看護婦は看護婦の指示を受けるというような形にもなっておりますし、あるいは学歴その他からいきまして、一般通念からいっても、低くてもやむを得ないものではあるまいか。そう考えますと、どうしても五級で頭を打つなり、あるいは六級で頭を打つなりという運用は免れがたいところである、かように考えるのでありまして、それとの比較におきまして、決して今回の改正は悪くない、かように申し上げている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/44
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045・永岡光治
○永岡光治君 今の室長の答弁、きわめて私はおかしいと思うのですね。現在の准看の方が看護婦よりはいいような状態になっておるから、今度の改正に当っては、看護婦を准看の上につけるなら話はわかると思うのですね。これは、現状が悪いから、この下につけるという行き方、そういうことが許されて然るべきじゃないと思う。そんなばかなことはないですよ。現在、既得権だから、それ以上に看護婦は格づけされなければならないわけです。これは矛盾だから、こっちはもうきまっているから、さらに下げていくということでしょう。そんなばかなことはおかしいと思う。それが一つ。それから、私が問題にするのは、現実にそういう証言があったわけですね、公述人から。私たちは、その現実を尊ばなければならないと思う、事実があるとすれば。で、そういうことがあるのかないのかということが問題なんです、あるとずれば、これはどこかに誤まりがなければならぬはずなんですよ。だから、そういう例は、証言された以上は、私たちはそれを尊重しなければなりません。ないというならない、また、そんなばかなことはないならない、あるならあるということをはっきり答弁してもらわなければ困る。そうなるだろう、そうではないかという想像では困ります。その点を明確にしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/45
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046・大山正
○政府委員(大山正君) 第一点の、准看よりも看護婦が逆転するなら、そちらを上げた方がいい、あるいはさらに、医師が逆転するならそちらを上げたらいいということは、一応ごもっともでございますが、現在は、看護婦と医師の間にも逆転関係が起るような状態でございまして、今回医師は、学歴の是正の関係からも引き上げてありますので、逆転は起らなくて、同額、入りました当初は、少くとも同額というような関係に相なるのであります。さらに、看護婦あるいは准看が、初任給が全般に、それでは他と比較して低いかと申しますと、決して私どもはさように考えないのでございまして、新しい俸給表の看護婦の初任給は、八千九百円でございます。学歴が新高卒三年でございますので、まあかりに短大と比較いたしてみますと、一般行政職、短六二年を出まして、国家試験を——人事院の試験を受けて入りました場合には、今回七千四百円ということになるわけでございますから、それに一年をプラスいたしまして八千円、こういう形になるわけでございますから、それに比較しますと、八千九百円というのは、九百円すでに高いという形になります。あるいはこれを大学卒に比べますと、今回の新俸給表では、大学を出まして、従来の六級職試験を受けました者は九千二百円ということになります。で、新高卒三年でございますから、これを一年引きますしれ八千六百円ということになるのでありまして、八千六百円に比較いたしましても三百円高いというふうなことでございまして、他の職種と比べまして、看護婦の初任給が決して低いと言うわけには参らないかと思うのでありまして、他とのバランスから考えましても、やはりこの程度に合せるということは、やむを得ないことかと考えているのであります。
それから第二点の、一体何年目には高いのか低いのかというお話につきましては、先ほど申し上げましたように、現在は五級だけでございまして、六級になっている者がないために、そのような金額に到達した者がないわけでございます。それに到達する年限につきましては、先ほど御説明いたしましたような、五級で頭を打つという場合が当然考えられますので、それに比較すれば、一万二百円という今度の新しい俸給表の方が決して低くない、かように申し上げる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/46
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047・永岡光治
○永岡光治君 これは、この前の公述人の方からいろいろお話を聞いたのですが、まだしさいに検討してみなければわからぬと思いまするから、一応これは、私は質問を保留しておきたいと思うのです。
そこで、次の質問に入るわけですが、これは、厚生省の方に監督官庁としてお尋ねするわけですが、公務員制度調査会からの答申の中にも、医療職、研究職、教育職等々は、この職階制はいけない、こういう答申があったわけで、実際これはもうすでに行われております郵政省の病院の看護婦、御承知のように二段階です、二等級です、あそこは。それでも、なおかつ運用がうまくいかないのじゃないだろうかという心配をしているくらいでありますから、これは、あなたの方では、この医療職を四等級に分けて、運用がうまくいくとお考えになっておりますかどうですか、まず、基本的な問題からお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/47
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048・小澤龍
○政府委員(小澤龍君) 病院におきましては、少くとも私どもの所管しておりますところの病院におきましては、院長の職責、それから副院長の職責、医長の職責、平医員の職責は明瞭に分れております。従いまして、私どもの立場から申しますというと、この四つのものは、やはり区分して運営できることが望ましいと考えております。それからなお、研究職、教育職等々に関連して申しましても、今回のこの原案が妥当ではなかろうか、かように考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/48
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049・永岡光治
○永岡光治君 これは、ここに表があるわけですが、郵政省の場合は、医療職の基準表、看護婦の場合、総婦長だけが一級、あとは全部、当務者から看護婦、栄養士、物療、これはずっと二級になっている、二段階しかないわけです。これが、お宅の方は、四段階ということに分けているわけです。そういうことで運用ができるかできないのか、どちらが運用しやすいかということを私は申し上げているわけであります。これは、医療職全般の問題にも通ずるわけでありますが、あなたは、人事院総裁が隣においでになりますから、だいぶ遠慮しているのじゃないかと思いますが、事実、ほかの官庁も大体これでやっているのだろうから、私の方もいいと思うというのじゃなく、率直に、どちらの方が運用しやすいか、職階制がいいのか悪いのか、こういうことで、はっきり御答弁をいただいた方がいいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/49
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050・小澤龍
○政府委員(小澤龍君) 少くとも国立病院、療養所というものは、御承知のように、非常に大きな施設が多いわけであります。従って、職員の数も多いのであります。従いまして、総婦長なり、あるいは婦長なり、それから看護婦の職務区分というものは、相当明瞭に区分されておりますので、少くとも厚生省の病院、療養所に関する限りは、この程度の区分が運用上よろしい、こう考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/50
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051・永岡光治
○永岡光治君 逓信病院といえば、これは大した数です。あなた御承知の通りです。まず、これより大きな病院はそうたくさんないと思うのです。それで、二階級だって非常にこれ運用しやすい、職階級をたくさん設けたんではやりにくいということで、こういう表を作ったらしいのですが、これ丘実際、長い間経験いたしました結論でそうなったのです。これをあなたは、看護婦の場合でも四等級に分けようとしているのですが、これではかえってうまく運用がいきませんでしょう。とすれば、これでそれぞれ計数をきめるというわですね。計数をきめてしまったら、これは今度、四等級から三等級に上るのは大へんでしょう。三等級から二等級に上るについても、いろいろ問題があるでしょう。むしろそういう問題は、能力を生かす意味におきましても、婦長さんあるいはその他というふうに分けて、それぞれの能力において、どんどんその待遇は報いられるように、こういうことが一番、私は、看護婦のあり方としては正しいのじゃないかと思うのですが、それでも、なおかつあなたは、四等級でいいとおっしゃっているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/51
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052・小澤龍
○政府委員(小澤龍君) 国立病院及び療養所を通じますというと、看護婦の総数が一万数千名に達します。非常に大きな世帯でございますので、四等級に分けましても、連帯の上においてはさしたる支障はなく、かえって効果的に運用はできると、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/52
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053・竹下豐次
○竹下豐次君 大山さんにお尋ねしたいのですが、先ほど、看護婦と医者その他職員との俸給のお話がありましたね。ほかと比べて、現在のところでも安くはない、むしろ高過ぎるぐらいにいっているというようなお話を承わったのですが、それだけ承わるというと、あるいは医者などよりも、概括的に見ると、幾らか安くてもいいのじゃないかという気持がしないでもありませんけれども、夜勤の問題ですね。こういうことなどは、どういうふうにお考えになっておられますか。これは、夜勤手当というのは別に出ておりますか、その点を一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/53
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054・慶徳庄意
○政府委員(慶徳庄意君) 給与制度の問題でございますので、私の方からお答え申し上げます。当然看護婦さんにつきましても、お医者さんにつきましても、超過勤務をやりました場合においては、現在の制度の上において、超過勤務手当を支給する建前になっておりますし、制度のみでなくして、また予算の面においても、相当計上しております。そういう運営をいたしております。さらにまた、宿日直のような場合におきましても、その場合においては、宿日直手当を支給するという建前になっております。これにつきましても、相当の予算を計上いたしております。従いまして、勤務時間外の勤務につきましては、制度的にも、実際的にも、予算的にも、相当これは運用可能な状態に相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/54
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055・竹下豐次
○竹下豐次君 超過勤務についての手当があるだろうということは、私も想像しておったのですが、看護婦というものは、ほかの職種と違って、夜夜なかに何べんも起されたり何かして、特別な労苦があると思うのです。だから、普通の超過勤務を一時間やったから幾らという問題と同じように取り扱われては、ちょっとかわいそうじゃないかと思うのであります。その点をどういうふうに考えて、大山さんは、医師等との比較が公平であるとか不公平であるとかいうようなことをおっしゃいましたのか、その点を……。これは私など、家族のものなどが入院いたしましても、みんな経験があることだろうと思いますが、看護婦のその労苦というものは、ただお医者さんがたまに夜勤をされるとかというようなこととは、ちょっと比較にならないのでありまして、特別に考慮してやらなきゃならない問題だ。それを考慮しての今のお話であったならば、それは一応筋道の立つことだと思います。学歴とか年令だけで比較するのは無理じゃないか、かように思いますので、重ねてお尋ねしているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/55
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056・大山正
○政府委員(大山正君) ただいまの夜間の勤務のことにつきましては、当然それに応ずる夜勤手当等が支給されている、かように承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/56
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057・上原正吉
○上原正吉君 ちょっと竹下委員の質問に関連して伺っておきたいのですが、超過勤務手当というものは、単に、何といいますか、普通の給与として支払われることがあるように聞き及んだのでありますが、そうして超過勤務手当を支払って、予算を支払ってしまったら、ほんとうの超過勤務手当を支払う予算に不足したり、あるいは時間に不足したりするのじゃないかと思うのです。そういう意味で、竹下委員のおっしゃったような、超過勤務が常時行われるような職種については超過勤務手当を正常に払うことができなくなる、こういう疑問が起ると思うのですが、そういうことはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/57
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058・戸沢政方
○説明員(戸沢政方君) 看護婦の勤務体制は、普通の勤務と違いまして、確かに二十四時間勤務のような格好にならざるを得ませんので、交代制等によりまして、なるべく一人が超過勤務しないようにしておりますが、それでもなお超過する場合には、超過勤務手当を、さらに夜勤手当、深夜手当等の割増し超過勤務手当を出しまして、それだけの過重な労働に対する手当は、できるだけほかの職種に比べて、厚く見ておる実態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/58
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059・松岡平市
○松岡平市君 給与体系についての重大な問題について、私はこの際、淺井人事院総裁に一言聞きたいと思います。今言うように、まあ看護婦だけにしましても四つの階級がある。そのほか給与体系全般を見ても、職階制というものが非常に強く出てきたのですが、一体日本のこういう俸給制度の中に、たとえば一例をあげますれば、交番の巡査、交番の巡査は、警察署長よりもよけいに給料をもらう巡査があってはいけないのか、どこかの分教場の先生で、学校長よりも、あるいは中学校の校長よりも給料をよけいにもらうような先生があってはいけないのかどうか。私は、これはそういうものを全然何らの制限なしにやれというのじゃないけれども、むしろ長い間有名な巡査であって、警視やあるいは警察署長になるというようなことを避けて、巡査で一生涯を通して、しかし俸給では、警察署長よりもよけいに俸給をもらう。校長にはならぬけれども、山間の分教場の先生として一身をささげるというような人には、校長よりもよけいに給与をやるという制度が日本にも認められておかしくないのじゃないか、こういうふうに考えるわけです。人事院総裁としては、どういうふうに考えるか、まず一つ、基本的な議論をされる前に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/59
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060・淺井清
○政府委員(淺井清君) 私、必ずしもおかしいとは思っていないのであります。現に、現在の俸給表におきましても、号俸が上の等級と下の等級と相当オーバー・ラップさせてございますから、たとえば、課長にならないでも、普通の人でもずっと、ある程度は上にいけるように工夫されておりますし、そのオーバー・ラップされておりまする俸給よりも、さらにワク外昇給では上にいけるようになっておりますから、決して厳格な職階制は現在とっておらないのでございます。この職階制の強化というお話でございましたけれども、現在とっておりまする俸給表も、また、今回ここで御審議を願っておりまするのも、私どもは決して厳正な職階制というふうには考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/60
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061・松岡平市
○松岡平市君 そうしますと、先ほどから問題にしておる、たとえば准看が現在の俸給では、一万幾らですか、四百円ですか、六百円ですか、それまでなれる。ところが、新しい俸給表には、それよりも二百円か少いところまでしかいけないのだということは、どういう議論になるのか、私にはわからないわけですが、ちょっとそこのところ、医務局長でもいいのだが、ならないのじゃなくて、私はいくものだと了解しておったが、そうじゃないのだということならば、そこのところ、どうも先ほどのお話が一つもわれわれには通用せぬわけですが、お話していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/61
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062・亀田得治
○委員長(亀田得治君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/62
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063・亀田得治
○委員長(亀田得治君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/63
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064・永岡光治
○永岡光治君 今の松岡さんの質問は私たちはたえず問題にしているわけですが、管理職が偉いんだというこういう考え方ですね。これは流れている全部の精神です。管理をする者が偉いのだ。だからこの思想をまず突き進めていけば、非常に優秀な、この人にかかれば何でもガンの病気に関しても一切なおるというお医者さんがかりにおるとしましょうか。ところが医師の経験のない人が病院を経営しているわけです。病院を経営しているというと工合が悪いですが、技術の優秀でない人だけれども院長になった、ところがその院長の方は高いのだ。ところがこの人はまだ院長にならないために非常に俸給が低いんだ、こういう制度は私たちはいけないんじゃないかと申し上げているわけです。たとえばこの前なくなりましたけれども、植物の例の牧野さんですか、あの方は講師なんですね、講師なるがゆえに給料は大してもらえなかった。ところがある教授は教授なるがゆえに牧野さんに比べて高い俸給をもらう。世にはなくてはならぬ立派な存在、そういう人に対して職階制をしかれるために非常な不遇な取扱いをしなければならぬ。こういう俸給は誤りじゃないか。たとえば民間の会社についてもそうです。工場長でなくて鉄鋼の鋼管を作る優秀な技術を持っている技師がおるとしましょうか。その人はたとえ課長、技師長にならなくても、立派な鋼材を作るなくてはならぬ優秀な技術を持っている人ですから、大へんたくさん俸給を上げてもいいのです。それがたまたまそこの班長になれないとか、あるいは係長になれないために給料が安いんだ、こういう行き方は日本の経済の発展を阻害している大きなガンになっている。教育においてもそうです、研究においてもそうです、医療においても私はそうだと思うのです。だからそれは一般職につきましてもそうです。たとえば交番の巡査でありましても、長年勤務をしたことによって、その人は交番というああいう職種の方で働いた方が非常に優秀だ。あるいはまた電話にしても郵便にしても同じでありますが、課長が郵便を配ってもだめだ、あれは特別な技術が要るわけです、電話にしてもそうです。お前は非常に優秀だ、なるほどお前は非常にありがたいのだ、お前は二人分の能力を持っている、給料を上げたいけれども、しかし課長にしなければ上げられない、こういう制度になっているわけです。警視にならなければ、署長にならなければ給料は上げられないというような、そういうことがいけないのじゃないか。だからそういう制度を十分取り入れたものでなくちゃならぬということを私たちは主張しているわけですが、今淺井さんのお話によりますと、平係員でも課長よりもたくさんもらえるようなことになっているけれども、おそらくごくまれだろうと思うのです、ごくわずかだと思うのです。そうでない、たとえばこれが一般職で平係員だと六等級になりますか二万六千二百円、課長で二万六千二百円という、まずこういう課長はごくまれだと思うのです。たいがい課長になれば三万円以上です、どこを見ても。皆さん経験されておるからおわかりだと思う。私も経験いたしておりますが、こういうことはないですよ。係長は課長以上の給料を取るということはまずないと思う。そういう詭弁ではなしに、これはやはりそういう人にも大隅に、どんどん長年公務員で国家、国民に奉仕することによって、その生活を保障することができる、その技能をどんどん伸ばすことによって生活の保障ができる、優遇もできる、そういう方法を考えなければならない。これは全部人事管理に有能な人がたくさん給料々もらうということになっている、それでは誤りだと思う。特に研究とか医療とか教育については人事管理でなくて、そういう業務を遂行する有能者の方が優遇されるという俸給でなくちゃ私はいけないと思うのです。だからそういう点を松岡さんはおそらく質問されたと思うのですが、その点はこれでは解決されていないと思うわけです。それは解決されてないんじゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/64
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065・淺井清
○政府委員(淺井清君) ごもっともでございまするが、大体ともかく現行の俸給制度にいたしましても、職務と責任を基礎にしてやるという建前を一つとる。しかしながらただいま松岡さんにお答えいたしましたように、行政職についていえば相当の俸給のオーバーラップは認めて、管理職でなければ上へ上れないという制度はとっていないということ、さらに永岡さんの御指摘の点について一番問題になるのは研究職とかそういうようなものだと思っております。まあ研究所長というような管理職は職務と責任から重んじなければならないけれども、いわゆる平の研究員というものでも優秀な人がある。研究には優秀ではあるが管理職としては不適当であるという人もあるし、また管理職などにつくことを好まない学者的な人もあろう。こういう人につきましては、人事院といたしましては適用の範囲において平の研究員でもずっと上の方へいけるように考えておるつもりでございます。これは永岡さんの御意見のみならず、衆議院の科学技術振興の委員会等においてもさんざんに言われたことでありますから、われわれとしても御趣旨に従って運用いたしたいと思っております。
なお給与局長からお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/65
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066・瀧本忠男
○政府委員(瀧本忠男君) ただいま総裁からお答え申し上げました通りでございまするが、一体この公務員の給与をきめまする基準というものは、民間の給与というものを一つ考える、まず生計費を考える、その他人事院が適当と考える条件を考える。こういうことで給与を考えていくことになっております。それからまたもう一つの柱は、ただいま総裁が言われましたように、職務と責任に応じてきめるということになっております。従いまして今特段の例をお出しになったわけでございまするけれども、一般的にはやはり民間におきまして、大体同程度の職務と責任の仕事を遂行しておりまする者が、どの程度の給与を得ておるかということを目安にいたしまして、俸給表というものを作る。これは人事院が勧告いたしますときの原則であり、また政府側が俸給表を作られましたときの人事院の考え方を尊重されたゆえんである、このように考えておるわけであります。松岡先生並びに永岡先生のおっしゃいましたことは、これは特段の場合でございまして、そのような場合にそれではこの現在の制度で対応できないかといいますと、研究職につきましては特別研究員の制度が設けてございまするし、従いまして非常に研究業績の立派な方は、何ら特段の管理的な職務につかなくても給与を上げ得る、という措置をわれわれも考えておりましたし、また衆議院の内閣委員会等におきまして、御審議を通じまして、付帯決議となって現われておるところでございます。従いまして問題点は、やはり今おっしゃったような特段の場合を例外なしにすべての人に適用するのだということになりますると、これはもう俸給表を職務の段階に応じないで、一本できめてしまうというようなことにしかならないのではなかろうか。そういうふうになりますると、これは公務員法にきめてありまする、職務と責任に基いて給与をきめるということと、やはり多少の矛盾ができてくるというようなことで、その間の調整をはかるということが主であろう。その際にやはり職務と責任に応じてこの俸給表の幅をきめていく。ただ俸給表の幅をきめまする場合には、現在の実態を十分考慮いたしまして相当長い俸給の幅をきめる、こういうことになっておりまするし、また特別昇給というような制度も活用する道があるわけでございます。また特別研究員のようなこと、また行政職俸給表におきましてもその人が専門的な仕事に従事されておりまする専門職等の場合には、係長あるいは課長補佐等になられませんでも、それ相当の等級に上げていくというようなことを考えるというようなことでやるのが、現在の場合としては適当でなかろうか、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/66
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067・永岡光治
○永岡光治君 基本的な問題でちょっと。医療職から離れて研究職の例を今とっておりましたが、そうおっしゃいますと、人事院から私たち資料をいただいておるわけですが、特別研究職というのは一等級にたっていないじゃありませんか、これは二等級じゃありませんか。あなたのおっしゃる意味では、これではネグレクトされておると思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/67
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068・瀧本忠男
○政府委員(瀧本忠男君) 人事院が出しております代表官職例におきましてはまあおっしゃる通りでございます。しかしながらわれわれは、非常な優れた方がこの一等級に格づけされるということにつきましては、別に否定しておるわけではないのであります。ただここに代表官職例には出ておりませんけれども、そういう場合も考え得るというふうに考えております。ただしこの研究職のところは、特に内閣制におきまして一等級をつけ加えたものでありまして、人事院勧告のときにはなかったのであります。そういう関係もございまするが、この一等級といえども特別研究員を認めないという趣旨ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/68
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069・永岡光治
○永岡光治君 そうしますと特別研究員でもこの一等級の中に入る、こうカッコで入り得るぐらいのものになるわけですね。それは明確になったわけですから、それをここに明示しておいてもらわなければ、そういうことがあるのだと言っておいても、言うだけで実際やらなければ何にもならないわけですから、これは明確に表示してもらわなければ困ると思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/69
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070・瀧本忠男
○政府委員(瀧本忠男君) ただ一等級の場合になりますると、特別研究員というものはよほど範囲は限定されると思うのであります。従いまして、代表官職例等に書きまする場合と、代表官職例には書いていないけれども実際運営としてやるという場合には、やはり程度の差があろうかと思うのであります。われわれは、やはり国会の審議の過程におきましていろいろ出ました議論等は、実際の運営に当りましては、十分注意いたしまして趣旨に沿うようにいたしまするので、そこに代表官職例として特に一等級特別研究員をあげるほどの必要はないのではなかろうか、しかしこれを否定するものではない、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/70
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071・竹下豐次
○竹下豐次君 特別研究員というのは現在の制度でもあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/71
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072・瀧本忠男
○政府委員(瀧本忠男君) 現行の給与法の制度としてはございません。しかしそれに似ましたような運営をある程度やっておるということはございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/72
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073・竹下豐次
○竹下豐次君 そこでちょっと気になりますのは、特別研究員というものを今局長からお話のように正しく運営されるということになりましたら、一つのいい制度だろうと思いますが、ややもするといわゆる名誉を与えるというようなことに堕してしまって、まああの人も長く功労があった、何か最後を飾るために優遇してやらなければならない、というようなことに堕してしまう危険が非常に多いのじゃないか。そうすると、あなたが今御説明になりましたような理想と非常に離れていくことになっていくわけなんです。私何か今でもそういう制度があるのじゃないかということをお尋ねしましたのは、今の病院で何かそれに類似したことがあるのですか。その優遇の方法か何かありますか、ほかに。そういうことをちょっと耳に差しはさんだことがありましたので。ある先生でもういつまでもいつまでもやはり病院におって医学を、病室の一部分か事務室の一部分か知りませんけれども、そこでやはりほんとうの教授でもないが仕事をしておられるとか、いろいろな優遇の方法を講じておる所があるらしいのですね。そういうふうに乱用されるということになったら、ほんとうの目的というものからは、ほとんどあなたの言われた理想というものとは遠ざかってしまうような感じがする。ほんとうはやはり若い人であっても非常に有能な人は特別研究員としてうんと優遇をしなければならない。そのための特別研究員ということになるのがあなたの御希望だろうと思うのです。そういうことの運営の点が非常にむずかしいのじゃないかと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/73
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074・瀧本忠男
○政府委員(瀧本忠男君) ただいまの御指摘の点は、非常にこの特別研究員を指定しまする場合に困難があるであろうということは、われわれも予想しておるのであります。で、この特別研究員というものは今回卒然として起ってきたのではないのでありまして、われわれがすでに過去七、八年にわたりまして職階制の研究をいたしておりました過程におきまして、研究所等におきましてこの職階制を適用することは不当ではないか、こういうものはむしろ職務の段階というよりも個人の能力に負うところが非常に多いのであるから、かりに形で職階制を適用するといたしましても、やはりその個人の能力を評価するという方法を講じておかなければいけないのじゃなかろうかと、こういうことが過去において出てきたのであります。たとえばスタックという会議がございまするが、まあそういう所におきましてそういう問題を非常に取り上げられまして、人事院としばしば折衝したのでございます。で、特別研究員等を指定します場合には、これは人事院はほかのこともやっておりまするけれども、その人の研究業績がほんとうに高いかどうかということを人事院だけできめ得るものではないと思うのであります。従いまして、まあどういうふうにきめるかということは、今後研究してみなければなりませんが、従来考えておりました一つの方法は、たとえば学術会議等におきまして何か審議会でも作っていただきまして、そうして御推薦願うとか何とかそういうような客観的な方法ということも考え得るではなかろうか。まあそのような場合においてもなおかつ各専門の先生の分野におきまして、いろいろまたなわ張り等も出てくる可能性もあるのじゃなかろうかと、いろいろなことを心配しておるのであります。いずれにいたしましても特別研究員の指定の問題は非常にむずかしい問題でございますので、おっしゃる趣旨を十分体しましてわれわれといたしましては十分厳正な指定をいたして参りたい。まだ現在のところどういう方法が確定しておるというところまではさまっておりませんけれども、そういう方向で研究いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/74
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075・竹下豐次
○竹下豐次君 私が申しましたのは、元の貴族院とか枢密院とかいうような所に持ち込まれるというような先例もありまするし、そういう危険が非常に多いと思うのです。それが非常に多いとすればせっかくお設けになった目的が達せられないし、むしろほかの方で十分の方法を講ずる方がいいのじゃないかという気持がありますのでお尋ねしたわけであります。それをお含み下さいまして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/75
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076・荒木正三郎
○荒木正三郎君 下級職員の昇給の問題ですね。今、松岡委員の質問に私関連してこの際尋ねておきたいと思うのですが、これはどの俸給表をとってみても言えることですが、かりに行政職俸給表第一表で見ますと八等級六千百円から出発した者は一万五千三百円が最高になっておるわけです。で、それが七等級に進むとしても最高は二万二千六百円、さらに六等級に進んでも最高は二万六千二百円。で、お尋ねしたいのは、六千百円から出発した者は、まじめに勤めておればだれでも六等級の二万六千二百円までいけるのかどうか。この六等級、七等級、八等級は係員の俸給表だろうと思うのですがね。果してみんないけるようになっておるのかどうか。これは先日来論議されておったように、いかに係員であってもまた高卒であっても、その職務に専念しておる限りやはり最低生活を保障するということは、これは職務と責任以上の問題ですよ、給与の根本的な問題。それで六千百円から出発した者がだれでも二万六千二百円までいけるようになっているのかどうか私にはよくわからないのです。さらにもう一歩進んで言えば、係員であってもその上の五等級の係長の最高三万三百円、このくらいにまで進んでも何ら私は差しつかえないと思うのです。一生涯係員として職務に専念した場合、係長の三万円程度の給与に進んでも何ら差しつかえがないと思うのですよ。そうしなければ職階制のためにそういう人たちは犠牲になっているということになるわけです。どうしても最低生活を保障するということは、いかなる俸給のいろいろの問題よりも優先して考慮されるべき問題であると思う。そういう意味で第一点は、六千一百円から出発した者はまじめにやっておればだれでも二万六千二百円までいけるのかどうか、なっているのかどうか。なっているとすれば私は、六等級、七等級、八等級、は一本にすべきだと考えている。こんな区別する必要はない、係員の中に三つも段階を分けて八等級の者は一万六千三百円しかいけない。こんなべらぼうな話はない。私はおそらくみんな七等級にいけると思うのですが、八等級の者は一万五千三百円しかいけない。今日の物価で二万五千三百円なんかでとまるというようなことは考えられない。だから七等級にいけるようになっているだろうと思うのですが、七等級の最高でも二万二千六百円です、これは低いです。それからさらに六等級にいけるにしても二万六千二百円です。これでは一生涯かける俸給としては低いです。そこで第一点は、そういう下級職員が二万六千二百円までだれでもいけるようになっているのかどうか。さらに係長ぐらいの給料が係員でももらえるような道があるのかどうか、その二点をまずお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/76
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077・大山正
○政府委員(大山正君) ただいまの御質問のありました八等級で入った者は、だれでも六等級まで上れるのか、結局昇格と申しますか従来の昇格、今度の昇等と申しますか、その基準がどういうことになるかという御質問になろうかと思うのでございますが、これは人事院規則が一応その基準を定めるということになっております。それぞれの等級に応ずるような職務をするようになること、というのが一つの基準になろうかと思いますし、あるいは本人の経験年数というようなことも基準になろうかと思うのであります。御指摘がありました八等級と七等級がいずれも係員の等級でございますが、八等級は初級の補助的な係員、主として新高卒程度でございます。七等級は大学卒業程度の知識を必要とする上級の係員ということになっておるわけでございますが、今後の運用に結局待つことになるわけだと思うのでありますが、私どもの考えといたしましては、大むね御指摘のありました新高卒の者が数年たちまして、まじめに勤務しているような者は、一人前の係員としての資格も十分得られるようになると思いますし、またそういう仕事に次第につくというように考えられますので、通常の場合におきましては、まじめに勤務しておれば七等級に上るのではないかとかように考えております。
次に六等級としては本省におきましては小さな係の係長あるいは主任、人事院から先般お手元に提出されました資料によりますと、六等級の格づけは大体小係長あるいは主任、あるいは地方ブロック機関あるいは府県単位等において係長というような等級になるかと思うのでありますが、やはり同じような原則に従いましてそのような重要性のある仕事をなすに至る、あるいはやっておるというふうに認められた場合に、六等級に昇等するということになるのでありまして、人事管理上の問題としてはもちろん御説のように、まじめに勤務している者は逐次上るような人事管理を行うべきであり、運用上の問題としてそのように行うのが適当だと考えます。ただ何人でも必ずなれるかという制度上の保障というものは別にないわけだと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/77
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078・荒木正三郎
○荒木正三郎君 私はやはりそこが問題だと思うのですがね。私はちょっと研究不十分な点もあったのですが、六等級までは係員として大体だれでもいけるのではないか、こういうふうに考えておったのです。ところが今の説明ですと、六等級は主任、小係長の職階だと、こういう御答弁です。そうすると何ですね、まじめにやっておっても六千百円で入った者は大体二万二千六百円でそれ以上はもう一生かけても上らないのだ、こういうことになっている。これは職務の責任とか職階とかいうのではなしに、どんな職務に従事しておっても、これは必要な職務ですよ。官庁に勤めるなり、官庁でなくてもどこでもそうですが、少くとも一生勤めて二万二千円であとは頭打ちで上らぬと、こういうことは私は全くその人の生活権というものを無視した考え方だと思うのです。私はこれを全部局長の六万四千円まで上げろと、こう言っておるのではないのです。少くとも六、七、八等級ぐらいは通じて二万六千二百円ですね、最高はそこまではだれでもどんな職務にあっても上れるように道を開いていくということは、根本の原則だと思うのです。そんなことでどうしてまじめにやれますか、二万二千六百円で。これは技術的な問題ではないです。公務員制度全体の問題として、これはやはり希望を持って働き、働いたら最小の生活はできるのだ、子供の教育もできるのだというからには、どんなに考えても二万六千ぐらいまではだれでもいけるようにしていかなければ工合が悪い、淺井人事院総裁どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/78
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079・淺井清
○政府委員(淺井清君) これは大体現行制度を踏襲してこしらえたものでございますので、こういうふうになっておりますが、御意見のところはよくわかるのでありますが、人事院といたしましては、大体この程度で妥当ではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/79
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080・荒木正三郎
○荒木正三郎君 私は現行制度を尊重しているとか何とかでなく、今ここに給与の改訂をやろうということは、これは非常に問題ですよ。そこでだれでもが二万六千円程度にいけるということは、職階をこえた問題だ。これくらいは保障しなければならぬという考え方についてあなたは否定されるのですか、これくらいでいいということは。私はその問題を言っているのです。新高卒で六千百円で出発して、生涯ともかく係員で終る人が私はあると思う、やっぱり相当数。そういう人の生活はやっぱり最大限一万六千円は低いと思います。もう少し上げるべきだと思います。しかし少くとも二万六千円までだれでもが上がれるということが、その生活を保障するという場合において必要な考え方じゃないか。考え方を言っているわけです。それを人事院総裁は否定されるかどうか、否定されるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/80
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081・淺井清
○政府委員(淺井清君) 決して御意見を否定するわけではございませんが、過般の人事院の勧告は最前申しましたように、大体現行制度を基礎としての問題でございますので、こういうふうな勧告をしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/81
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082・荒木正三郎
○荒木正三郎君 勧告にこだわっておられるようですがね、ここでは率直に一つ話をせられたらどうですか。勧告は勧告であって、またいろいろの理由があるとしても、私の言っていることが間違いないならば、やっぱり相当ここで考える必要が私はあると、こう言うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/82
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083・淺井清
○政府委員(淺井清君) 人事院といたしましては、公務員の給与がよくなることには決して否定する考えはないのでありますが、ただいま申しましたような趣旨で勧告をいたしたということを申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/83
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084・瀧本忠男
○政府委員(瀧本忠男君) ただいま総裁から申しましたことを補足的にちょっと申し上げたいのであります。
荒木委員のおっしゃいますことは、理想としては非常にけっこうなことだと思います。ところが現在はそれでは一般係員はどの程度までいけるかと申しますと、八級の最高号俸でありましても一万五千円でございます。これは六・二%のアップがございますので、上ることはもちろんでございますけれども、さらに人事院の勧告におきましても、なおまたこれを伸ばしておったのでありますが、政府側もあるいは少し伸びておるかと思うのでありますが、それを伸ばしてやっておられる、こういうことになっておるのでありまして、やはり現在のこの案というものは、現行俸給表との関係ということを基礎的にお考え願う必要があるのじゃなかろうか、というふうに思うのであります。
それからまじめにやっておっても係員で終る人もあるとおっしゃるのでありますけれども、やはりそういう方でありますならば、これは主任あるいは小係長ということになるので、全部がなるというふうには申し上げきれないのでありますけれども、大部分の人はなるのじゃなかろうか、このようにわれわれは思っておるのであります。従いましてそのような場合にはもちろん六等級の最高号俸となり、そこまで参りますればまたワク外昇給ということもございまして、これから二万六千二百円以上に上れないということではないのでございます。その辺も御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/84
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085・永岡光治
○永岡光治君 医療職に戻しますが、ちょっとまた俸給表の全般の問題についてあらためて私も質問いたしたいと思っておりますが、流れている精神がやはり人事管理優先、人事管理をする者が偉いという考えが流れておるわけです。そういう考え方はしかし俸給全般について言えることですね。アドミニストレーションがエンジニアより偉いんだという考え方になれてるわけです。これを見てもよくわかる、一般行政職の俸給を御覧なさい。二等級は行政職の俸給では六万四千八百円だ、ところが医療職の方はどうかといいますとこれは六万円でよろしいんだ。それからこれは他の問題についても言えると思うのですが、教育職も多分そうじゃないかと思うのですが、教育職はこれは……。医療職それから研究職もやはり二等級は六万円でよろしいと、これは一体どういうお考えなんでしょうか。そこで私は人事院にお尋ねする前に厚生省の小澤さんにお尋ねいたすわけですが、あなたはこれに不合理を感じないか、あなたの御希望は、どう思っておいでになるのか、医療職といえどもやはり二等級に格づけされる者は行政職と同じように、やっぱり六万四千八百円までいってもらいたいという希望はないのか、この点を一つ私はあなたの気持をまず聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/85
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086・小澤龍
○政府委員(小澤龍君) 病院におきましては医療が生命でございます。従いまして優秀な医師をたくさんかかえていい医療を行うということはわれわれの最大の念願であります。従いまして私どもの立場とすれば、これは多きにこしたことはございませんが、ただ二等級を御指摘になりましたけれども、一等級をつけ加えてございます。現行の医療職の給与に比べますと、今回はいずれもかなり大幅に優遇されてることになっておりますから、今日の段階におきましてはこの程度で適当ではないか、将来にまた適当なときに改訂していきたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/86
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087・永岡光治
○永岡光治君 まああなたのその御答弁を聞いたら、おそらくあなたの管轄を受けておいでになります医療職に従事されてる諸君は非常に憤慨ずるだろうと思うのです。そういうことで希望が持てますか。監督官庁からしてお前は低くてよろしいんだと。私が前の質問の際に当りまして述べましたように、人事管理に有能な者がたくさん給料をもらえるというこの方法は誤りだ。それは人事管理に有能な者の優遇という職種、そういう職種はあってしかるべきだと思うのでありますが、同時に研究におきましても、教育におきましても医療におきましても、やはりその技能を優秀に生かすことによって優遇するという、そういう俸給表もなくてはいけないんだ。あなたは私のこういう質問に対してはしばしば頭を振っておりましたから、大体私の意見に賛成しておるのかと思ってお尋ねいたしましたら、どうも逆にこの俸給でよろしいということであります。これは私は承服できない。そこで私は人事院にお尋ねするわけでありますが、この二等級において区別をつけたのはどういう理由があるのです。医療職の方を優遇しなくてもよろしいという意見があるのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/87
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088・大山正
○政府委員(大山正君) 医療職の(一)の二等級あるいは研究職の二等級と、行政(一)の二等級との比較の問題でございますが、研究と医療の(一)につきましては、人事院勧告にもこの一等級はなかったわけでございますが、やはり行政職その他との均衡あるいは現行の十五級制度の乗り移りというようなことを考えまして、政府案におきまして一等級を新設いたしましたわけでございます。従いまして大体医療職(一)の二等級は病院長、療養所長の等級でありますが、そのうちで現在の十五級に相当するような方は大体一等級に入るであろうということで上の方へ、一等級へ持っていくわけでございます。研究職につきましても同様の考え方でございまして、二等級が研究所長の等級でありますが、そのうち現在十五級を受けておられる方は一等級に指定されるだろう、ということで上の方にいっておりますために、二等級の上が六万円で一応とまりになっておるのであります。これに反しまして行政職の方の二等級は現在の局長が該当するわけでございますが、局長は現在十四級と十五級の方がございまして、現在各省の本省におられる局長のうち三分の一は十五級であるように承知いたしておるのでありますが、この十五級の局長は、今回の行政職俸給表では一等級にならずに二等級になります関係上、それらの関係で号俸が若干行政職の方が上になっておりますというような関係でございまして、先ほど来人事院からも御説明がありましたように、大体現在の人員の分布というものを基礎にして作りましたので、かような関係になっておるのであります。決して行政職俸給表の二等の方が他の俸給表の二等より偉いとか高いというような趣旨ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/88
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089・永岡光治
○永岡光治君 最高がそれぞれ七万二千円になっておるのですが、そういうことであれば私は一本にして、それこそ運用によってやったらいいと思うのです。これによるといかにも行政優先にする、法律科を学んだ人の方が偉い、そうして技術を学んだ人は偉くないのだ、こういうような考え方が受け取れるのです。そういう精神だ、あなたはそういう表現でごまかしておるけれども、これは全般を流れておる精神だと思うので、先ほど来指摘しておるのですが、これはまた後に問題にするといたしまして、厚生省の方にお尋ねしますが、看護婦の方の定員の問題ですが、これは格づけと関係した問題があると思うのですが、十分現在まかなわれておるのでしょうか。病院の運営について看護婦、准看護婦も含めましてすべて看護婦の定員があると思うのですが、今の定員で十分満足しておるのか。あるいはその他のいろいろ雑役等の定員も必要ではないかと思いますが、そういう職員の配置等についてはどういうふうに希望しておられるのか。その点一つお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/89
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090・小澤龍
○政府委員(小澤龍君) 従来しばしば行政整理がございましたが、病院における経営の面におきましては、医療担当者については行政整理をされずに今日きておりますが、その点特に医師とか看護婦等の業務の重大性を認識したわけでございます。現在ただいまの看護婦の定員で十分であるかというお尋ねでございますけれども、これは看護のやり方によりまして現状程度の看護であるならば、現在の定員をもって十分まかなえる、こう考えております。そしてたとえば国立病院等におきまするところの患者対看護婦の数は、世間一般の病院における患者対看護婦の数の割合よりも決して少くはないのであります。大体この程度が現状においては適当ではなかろうか、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/90
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091・永岡光治
○永岡光治君 そういたしますと、人事院の方では、新しい法律ができましてそれぞれ等級に応じまして定数をつけるわけですが、その際に現状維持でいって差しつかえございませんか。私は相当問題になる官庁がたくさんあるのではないかと思うのですが、そういうことについて何か特に、たとえばそれぞれの官庁にあると思うのですが、その定員の中でその職種以外のものに流用されざるを得ない実情があるのです。これはもっともな話だと思うのです。たまたま定員が増員にならないため、どうしても職種の定員を他に差し繰らざるを得ない、差し繰って流用して運用している所がたくさんあるのです。そういうことはままこういう病院にありがちではないかと想像されるので、格づけの際十分注意しなければならぬ問題でありますので、そういうことについてあなたの方では細心の注意をお払いになっておるのかどうか。対策を講じておいでになるか。その点をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/91
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092・小澤龍
○政府委員(小澤龍君) 御指摘の通り職種によりましては、若干のものが他の職種に流用されているという事実がございます。特に看護婦につきましては御承知のごとく、かつて非常に看護婦が不足しておった時代がございます。定員がありながら看護婦を採用し得ない。そういう場合にはやむを得ず雑役婦を流用しておったという事実がございますが、今日でもその傾向は残っておるのでございます。さて、そういう現状を土台にして新しい定員をどう考えるかというお尋ねでございますが、私どもは現状並びに近い将来の見通しと、二つのものを基盤にいたしまして十分関係方面と折衝いたしまして、運用上差しつかえないそれぞれの定員をきめてもらいたい、きめるようにいたしたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/92
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093・秋山長造
○秋山長造君 今の局長のお話なんですが、看護婦の定員はあってもなりてがないために欠員が相当ある。これは今でもそういう状態が多少残っているというお話だったのですが、これは多少でなしに相当あるのではないかと思うのです。特に結核療養所あるいは、らい療養所その他の特殊な療養所、こういうものは第一その所在地が非常にへんぴな所が多い。それからその病気の内容というようなことも関係あるでしょうが、年ごろの若い娘さんはなかなか来てくれない。それも俸給でもよければあるいはもうちっと希望者があるかもしれない。俸給はさっき来の話でおわかりの通り非常に悪い。もうまるで雑役婦と同じようなことでこき使われるというようなことでは、これはなかなかほんとうの意味のあなたの方の医療行政というものは、徹底できないのではないかと思うのですが、そういう末端の現場の看護婦の労働状況その他についても、先ほど来これから調査してしかるべくやるとか、あるいは目下調査中だとかというような、まことにばく然とした御答弁しか聞き得ないのですけれども、これはこの療養所始まって以来、看護婦制度始まって以来十年一日のごとく、別に今急に起った問題でない。従って今さら何も調査するとか、あるいは調査中だとかというようなことは、私はもう理由にならないと思う。あなたは当然わかっていることだし、大体いつだったか、つき添い婦の廃止の問題等で非常にあっちこっちの療養所の患者が騒いだときにも、あなた方はつべこべいろいろもっともらしい理由を言って、それは廃止になっても大丈夫とかなんとか言って、とにかく押し切られたわけです。それを今になって調査するとか調査中だとかおっしゃるのは、はなはだ不誠意だと思うのですが、責任者としてどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/93
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094・小澤龍
○政府委員(小澤龍君) 御指摘のごとく看護婦の絶対数がかつては非常に足りなかったのでございます。それに対処するために先ほど来問題になっております准看護婦の制度を作ったのでございまして、准看護婦の制度を作りましてから年々加速度的に看護婦がふえて参っております。医療法の線による看護婦の必要数を計算した場合に、今日ではまだ若干足りませんけれども、もう一、二年いたしますと全国の平均数でおしなべて見ますならば、大体看護婦は充足できるという状態になってきております。しかしながら、ただいま御指摘のように地域的偏在ということは事実ございます。特にいなかにおきまして、らいの療養所であるとかあるいは結核の療養所等は希望者が少いので、非常に努力しておるのにもかかわらずなかなか看護婦が充足できない。従いましてやむを得ずその他の職員、雑役婦等をもって仕事を代行させておるという実情はございます。ございますが私ども何とかしてこれを充足いたしたいという考え方でございます。その一つの方法といたしまして、結核や、らいの方に勤めている職員に対しましては、調整方法と申しまして俸給を割増ししてつけておる。そうして働いてもらいたいという制度も現に行なっている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/94
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095・秋山長造
○秋山長造君 今の調整方法ということをやっておるというお話なんですが、それは今度の俸給表で具体的にどういうようにおやりになるのですか。それを具体的に説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/95
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096・慶徳庄意
○政府委員(慶徳庄意君) 調整号俸は運用上の問題でございまして、これは人事院の所管になっておりますので私の方からお答え申し上げます。現在給与法の第十条だったかと思いますけれども、正確に言いますと俸給の調整額という名称でございます。これは俸給の調整額という名称をとっておりますけれども、法律の第五条に規定がありまして、この本俸と全く同じ性格のものであるというふうにいたしておりまするので、たとえば恩給、退職手当、あるいは勤務地手当計算の基礎、つまりあらゆる給与におきまして、本俸と全く同じ性格のものとして取り扱っておるわけであります。ただいま医務局長からお話がございましたように、特にらいの方につきましては、非常に危険であり、また人の充足にも困るというような御要望がございまして、現在の法律におきましては、最高が百分の二十五の範囲内におきまして調整してよいということになっておりまして、らいの者につきましては、法律で許されました最高の百分の二十五を支給するというやり方をとっております。また結核病棟に勤務する者につきましても、同じように俸給の調整額を支給することにいたしておりますが、これはらいよりはちょっと低い、大体百分の十五あるいは百分の二十程度だったかと思いますが、らいよりはちょっと低いものを支給しているというやり方をとっております。新制度におきましても全くこの点は同様でございまして、従いまして、六・二アップいたしますことは、俸給の調整の分につきましてもおしなべで六・二アップすることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/96
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097・秋山長造
○秋山長造君 そういたしますと、今おっしゃるようなことが事実行われるということならば、最初から永岡君なりあちこちから質問のあった、今度の俸給表によってかえって看護婦の給与が低下するおそれがあるだろうという問題と、ますます食い違ってくるのですがね。この点もう少し具体的に何かよくわかるように説明していただけませんか。どうもよくわからない。まあ厚生省の病院、療養所では結核関係が非常に大きな比重を占めていると思う。従って看護婦さんの問題といえば、結核関係の看護婦の問題というのがやっぱり大きな比重を占めておると思うのですが、それについては調整号俸で一般の看護婦よりも百分の二十五あるいはそれに近いものが割増しされておると、それを言葉をかえていえば、普通より優遇されているということになるのですが、なるはずであるにもかかわらずやっぱり希望者が非常に少いということは、やはり俸給の点についてもまだまだ魅力がないというか、張り合いがない、低い、こういうことにもなるだろうと思うのですが、しかも現状よりよくならないばかりでなく、場合によると惡くなる、というような公述すら、この委員会で行われておるということになれば、ただ抽象的によくなるのだ、よくなるのだと言われても、実際に俸給をもらっている人が惡くなる、惡くなると言っているので、われわれとしては、もらっている人の話を信用せざるを得ない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/97
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098・亀田得治
○委員長(亀田得治君) 答弁ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/98
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099・秋山長造
○秋山長造君 どなたでもいい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/99
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100・小澤龍
○政府委員(小澤龍君) 先ほど来申し上げております通りに、看護婦が十分充足できないということは、第一に看護婦の絶対数が少いということだと思います。しかしこれも先ほど申し上げました通りに、准看護婦制度ができましてから看護婦の養成が順調に進んでおります。一両年で大体日本全体をならした数において見た場合においてはまずまず間に合う数字になる。それから先の数字になりますと、日本全体の患者の数から見て看護婦の数が多くなるのじゃないか、という予想さえつくのでございまして、従いまして従来の例から見ましても、結核療養所あるいは、らい療養所等におけるところの看護婦の充足率は、既往に比べますと年々改善されつつあるのでございます。従いまして、今後はさらに改善されるであろうということが予想できるのでございます。それにいたしましても実際へんぴな病院なりあるいは特殊病院等におきましては希望者が少い。少いためにその希望を多くするために、先ほど申し上げましたような調整号俸等の措置を講じておるのであります。看護婦の充足の状況はその通りでございまして、私どもはそう長い年月を経ずしてかなり充足率が高まる、こういう予想を持っておるのであります。それはひっきょうするに看護婦の養成数がふえてくるからだと思います。新しい給与と従来の給与と比べて、新しい給与が悪くなるということは私どもは毛頭考えておりません。医療職全般について申しますならば、現行の制度よりも新しい給与制度の方が、全体を眺めて見たところにおいて取り分がよけいになるというふうに考えております。ただ准看護婦につきまして先ほど来問題がございましたけれども、准看護婦はまだ三年しかたってませんので、現行制度の将来を予測してしかものを申し上げられなかったのでございますけれども、それも先ほど大山室長が詳しく説明いたしました通りでございまして、私どもは新制度の方が准看護婦にとってもかえっていいのではないか、こう信じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/100
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101・竹下豐次
○竹下豐次君 もう時間がだいぶ過ぎましたから、長くなっちゃ皆さんお気の毒ですから、簡単にお尋ねしておきますが、先ほど看護婦の定員の問答を承わりました。私はアメリカの病院を相当に広く視察して来た人の話を聞いたのでありますが、向うの看護婦に比べると、こっちの看護婦の働きは非常に低級だ、少い、悪い言葉で言うと働かないということになるのかもしれません。もうちょっと具体的に言うとたまり場所にたくさん集まっておって、話が長過ぎるとかいうようなことがあるのかもしれません。そういうことではアメリカの看護婦というものは非常にきちょうめんに使われておるし、働いているのです。もしアメリカに近いような状態になったならば、日本の病院の看護婦の定員はまだ減らしていい、こういう話を聞いたのであります。まさかいいかげんなことを話して聞かせるはずもないと思って、私はそのままに受け入れておるわけであります。それについて私は考えましたのは、それは看護婦自身がそういう状態にあるだろうということも想像されます。しかし使う方のお医者自身が、看護婦がどのくらい病院で大事なものであるかという認識を、はっきり持っておられる人が少いのじゃないか。現在でも御存じの通り、民間のお医者さんというものは、看護婦だけの仕事でなくしてむしろ雑役に使って、女中がわりみたいな考えで看護婦を使っている人がたくさんあります。民間じゃ大体そうだろうと思っておりますが、そういう長い間の伝統を今のやはり国立の病院あたりの先生たちも改めることができないで、昔ながらの看護婦に対する慣習を持っておる人が相当残っておるのじゃないか。これは一方アメリカのことなどは女の子たちはそれこそ知りません。怠けるつもりでなくして長居するから今申し上げたような結果になっておるのじゃないか、ということも言えるわけでありますが、その点はあなたの方はどういうふうに見ておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/101
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102・小澤龍
○政府委員(小澤龍君) 御指摘の通り、わが国における看護体制が外国に比べて十分でないということは認めざるを得ないのであります。ただ日本の看護婦というのは、戦前までは特に病院診療所の看護婦は主として医師の診療の補助行為をやってきた。入院する患者に対する看護というものは、これは家庭の人なりあるいは職業的なつき添い看護婦にまかせきりでありまして、もっぱら医師に従属して診療の助手のみをやってきた、こういう習慣が戦前まで非常に長く続いておったのであります。しかしながら戦後におきましては看護それ自体がきわめて重要なことである。従って診療の介補以外に、看護婦というものは看護それ自体について勉強してやらなければならないということがようやく理解いたされました。そこで戦後は全国を通じまして病院の管理運営が、入院患者に対する看護のサービスということにだんだん力を入れていったのであります。従いまして医師等が看護婦を理解する程度はかなり今日は改善されてきておりますけれども、何十年という戦前にわたる長い習慣が残っておりますものですから、まだ看護婦の教育に対する理解の程度は、欧米のそれに対しては不十分であるという点を認めざるを得ないのでありますが、この点は私ども病院の経営に関する指導を通じまして、できるだけ早く改善するようにしたいと努めている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/102
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103・竹下豐次
○竹下豐次君 今の話に出たのでありますが、私なども医者と看護婦と比べまして、世間的にいうと医者の方が重いという気持を持たざるを得ませんけれども、しかし医者にできない看護婦の仕事があるのであります。そう考えますと、どちらが重いかということも判断がつきかねるような場合があるのであります。ことに病院の患者は、軽い病気のときには医者の力でよくなるよりも看護婦の力でよくなるということが多いかもしれないというほどに、私は看護婦は大事なものだと思っております。今のお話で大体気持はよくわかりますけれども、その点をお考えぐださいまして看護婦の指導も医者の指導もよく手を尽してやっていただきたい、これだけお願いいたして私の質問は打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/103
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104・亀田得治
○委員長(亀田得治君) 私からちょっと二つ、厚生省から来ておりますから、人事院の方はいつでも来ているのですが、ちょっとお聞きしておきたいと思うのです。それは医療職の第一表ですね、これを一つ例にとってみると、医療職などは本来職階制が不適当だ。これはだれでもそういう考えはあると思うのです。ただしかし一応相当等級を分けたものがここに出てきたわけです。これは現実に合わないことは事実なんです。昨年の昭和三十一年度の実際の予算書における医師の級別の区分、これを見ても非常に入りまじっている、所長と普通の医師との級が。そういうことを考えて、ちょうど研究職における特別研究員というような気持で、普通の医師も二等級などに格づけするというふうに政府の方で処理したのだと思うのです。新しい格づけ表を見るとそうなっていますね。あとからもらった職務底分表です。そういう意味では(二)の職務区分表は非常に妥協的なものですね。妥協的なものですが、これをずっと見ておりますと、これほど妥協してあっちへやりこっちへやりするのであれば、この五等級に分けた意味がないのじゃないか。ともかくなにか無理やりに五つに分けている、分けておいてまた五等級であるものが二等級まで行くのですから。それからまた一等級の病院長が二等、三等の場合もある、こういうふうになる。あるいは副院長が二等、三等、四等それから医務課長程度ですと二、三、四、普通の医師がさっき言ったように二、三、四、五ですね。これだったら何もこういう、ことさらに何かこう五つに分けたという意味はほとんどないように感ずるのですがれ。医務局長はどうも政府側の一員として、何かその実態を説明している場合には首を縦に振るんだがね、答弁になると結局これでいいんだというようなことを言うのですが、実際に病院をあなたが管理しておってこれは私はどうかと思うのですが、ことに医師の場合には、学歴だったらほとんどもう現在の医師というものは学歴は一緒です。だからそういう面からみても全くこれは意味のないことをことさらに何している。従来といえども格づけのあったことはもちろん承知しておりますが、ところが従来の格づけ自身にしたって入りまじっているのですよ、昨年の実績をとってみても、だから従来の通りで私はちっとも差しつかえない。こういう五等級に分けてさらに職階制を強化したような感じを与えるようなことは、はなはだ私は一般行政職は論外として、今の場合あなたの管轄の部分だけでは不適当だと思うのですがね、どうですか。ほんとうの腹の中を一ぺん答えて下さい、一ぺんだけしか聞きませんから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/104
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105・小澤龍
○政府委員(小澤龍君) 御指摘の通り俸給表は一本でございますけれども、運用に当りましては院長であるとか、副院長であるとか、医長であるとかということを考えながらそれぞれ俸給表の昇給等を適用して参っております。ことに今回はそれがこういう形の上に現われた。それで他の職種との関連におきまして、やはり院長、副院長、医長あたりそれぞれ監督能力を特段に問うわけではございませんけれども、分けていただいた方が私の方は、従来もそうであったわけでございますが、号そう運用しやすくなる、こう考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/105
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106・亀田得治
○委員長(亀田得治君) これは私時間がありませんからもう何しないのですが、これは人事院総裁よりも室長ですね、これはどうなんですか、以前に公務員制度調査会ですか、あれで出した場合にはいつも指摘されているように職階制不適当、ああいう原則が出ておる。一応そういう点からみてもこの医療職の(一)表の職務区分などというものが、全くこれは意味のないほんとうにこう何か小細工を弄しているような感じですがね。これはほかの俸給表について職階制を明確にしたので、それとのつり合いをとらなければならぬということで無理やりにやったような感じがするのですが、室長の感じどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/106
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107・大山正
○政府委員(大山正君) 公務員制度調査会の答申に、職階制を適用しないという場合の、職階制の意味をどういうふうに考えるかという点もあろうかと思うのでございますが、今回の案は先般来いろいろ申し上げておりますように厳密な意味の職階制ではない。給与上の区分といたしまして大きなくくりを設けたというふうに理解をしておるわけでございますが、そのくくり方は、あくまで現行の比較基準表なり、その他の運用の実態に応じてのまとめ方をするわけでありまして、医療職につきましてもただいま医務局長からお答えがありましたように、やはり級別資格基準表等から大体この程度の区分がなされておりまして、さらに今回一等級を特に加えたということに相なっておるのでございまして、御指摘のこういう医師につきましても、ずっと上の等級に行くから等級区分は要らないではないかという御指摘でございますが、私どもの考え方といたしまし、やはり原則的にはこういう等級区分がある、ただ特別なそういう医師につきましては、たとえ医務課長とかあるいは医長というような役職名がなくとも、それと同等程度にその職務内容が重要であるというように判断して格づけする場合があり得るというように考えるのでありまして、やはり原則的にはかような等級区分を設ける方が灘用上も適当である、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/107
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108・亀田得治
○委員長(亀田得治君) ただいまの答弁で、はなはだふに落ちないことがたくさんあるのですが、たとえばこの最後に触れた医師の場合ですね、運用上いろいろな役職がなくともそれに準ずる場合があるというふうに、はなはだ例外的な取扱いのような感じを私受ける。そういう意味でこの普通の医師を四等、三等、二等にもなり得るというふうにここに書いてあるのだとしたら、これははなはだ私は問題だと思う。といいますのは昨年の三十一年度における予算書における医師の紋別分布です。それによりますと、普通の医師で一番多いのが十一級六百二十名となっているのです。それから副院長、医務課長級で一番多いのがやはり十一級で百六名です。両方とも一番多い級が十一級になっているのですよ。だから決してそんな役づきに準するというような例外的な措置にすべきものじゃないのですよ。普通の医師で所長なんかもそういうのが相当おる。昨年のこの資料でいくと病院長、療養所長で一番多いのが十三級ですね。これは百九名。これが一番多いのですね、病院長としても。ところがその病院長として一番多い百九名に対して、医師として十三級までいっているのが四十五名おるのですよ。半分おるのですよ、数としては。だからそんな例外的に役づきに準するというようなこれは意味のものじゃなかろうと思う。ところが今公務員制度室長の答えでは、何か一応一、二、三、四、五に分ける、そうして四はこの表によると五等級、あとは準ずる場合は準ずる場合と、こうなっている。それが例外的な感じを与える答弁をしているのですが、はなはだこれは実態にそぐわないのですよ。(「でたらめだ」と呼ぶ者あり)そんな考えでやられるのでしたらこれはもう現状がこういうふうになっておるのに、一体この等級表でどうして運用できるのか、それを私は疑問を持たざるを得ないのです。だからその辺実際に国立関係のこのお医者さんは、この表を全部見てもそんなにたくさんの数じゃないのですから、これは全部について一つはっきりと一、二、三、四、五に分けて格づけして一つ表にしてもらいたい。そうしなければいやしくも国会がこれを通したと、何だあとから見たらこんなものじゃないか、そういうばかな批判をされるのですから、これはまじめに働いているお医者さんにとっては大へんですからね。こまかいことをこれはいろいろ検討すればたくさんこの俸給表にあるのだと思いますが、今の点は非常にこの研究、教育、医療そういったような人たちにとっては重要な問題だと思うのですよ。もっと数字的に現在国立学校、国立の病院関係の医者全般について何名はどこへ何名はどこへと、うんとはっきりしたものをまあ一、二名聞違わぬ程度に出せるというわけじゃありませんでしょうが、大体の概数でいいからその考え方を明確にしてほしい。抽象的な議論じゃなしに、その上でもう少し議論した方がはっきりすると思うのですが、そういう作業はできるでしょう、大した数じゃありませんから。昨年度の予算にちゃんと出ているのですから。ちょっと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/108
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109・亀田得治
○委員長(亀田得治君) それじゃ速記を起して。本日の委員会はこれにて散会いたします。
午後零時五十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102614889X02719570426/109
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