1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和三十二年三月五日(火曜日)
午前十一時二分開会
—————————————
出席者は左の通り。
委員長 堀 末治君
理事
藤野 繁雄君
東 隆君
清澤 俊英君
島村 軍次君
委員
青山 正一君
秋山俊一郎君
雨森 常夫君
佐藤清一郎君
下條 康麿君
柴田 栄君
田中 啓一君
仲原 善一君
堀本 宜実君
安部キミ子君
北村 暢君
小林 孝平君
羽生 三七君
上林 忠次君
河野 謙三君
千田 正君
北條 雋八君
政府委員
農林省農林経済
局長 渡部 伍良君
農林省振興局長 大坪 藤市君
水産庁次長 奧原日出男君
通商産業省通商
局長 松尾泰一郎君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
説明員
農林省振興局参
事官 大戸 元長君
—————————————
本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査の件
(輸出検査法案に関する件)
(日ソ漁業交渉に関する件)
(農林水産基本政策に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/0
-
001・堀末治
○委員長(堀末治君) それでは、ただいまから委員会を開会いたします。 輸出検査法の件を議題にいたします。
去る二月二十八日、閣法第二十五号をもって、内閣から輸出検査法案が当院先議をもって提出され、ただいま商工委員会において審議中でありますが、農林水産物の輸出に関連し、農林水産業にも重大な影響がありますので、ここにこの問題を議題として御審議を願い、その取扱いについてあらためて御考慮を願うことにいたします。
まず、政府当局から説明を聞くことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/1
-
002・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) ただいま商工委員会の方で御審議を願っておりまする輸出検査法案の概要について、御説明を申し上げます。
実はお手元に輸出検査法案要綱をお配りいたしておりますので、その要綱につきまして御説明を申し上げるのであります。その前に、簡単にこの提案理由からちょっと説明をさせていただきます。
御承知のように、昨年のわが国の輸出貿易は、前年に比較し二四%強の増加を見たのでありますが、今後予想されます深刻な国際競争に耐え、この好調を継続して参りますには、今後ますます企業の合理化を促進し、生産性の向上をはかりますとともに、他面輸出検査を強化し、わが国輸出品の声価の維持並びに向上をはかることが緊要であります。
さて、現行の輸出品取締法は、昭和二十三年に輸出品の声価の向上の品質の改善をはかることを目的として制定されたものでありまして、その後、数度の改正が行われ、輸出品の検査制度も逐次強化されて参りましたが、何分にも現行制度は、輸出品の製造業者、または輸出業者の自家検査を建前としており、政府といたしましては、単に品目の指定と品質の標準または包装条件並びにその表示様式を定めるのみでありまして、特にその表示をするのに特別の機械器具または知識経験を要するものについてのみ、例外として政府機関または政府が登録をした者の表示を強制しているにすぎないのであります。言いかえてみますると、いわゆるこの製造業者または輸出業者の自家検査というのが原則になっておりまして、例外として一部の品目につきまして強制検査になっているというのが、現行法の骨子であります。
しこうしまして、現在まで約二百品目がこの検査を要する品目に指定されておるのでありますが、この二百品目は大体現在の輸出額の約五〇%に相当いたしております。それからこの二百品目の中でいわゆる自己検査になっておりまするものが七〇%、それからその例外的ないわゆる強制検査になっている品目が大体三〇%ということになっておるわけであります。
このような検査制度では、粗悪品の輸出を完全に防止することは困難であり、最近における輸出検査の状況を見ましても、その弊害が必ずしも少くない実情でありますので、この際一そう能率的、かつ、合理的な検査制度を実施することによって輸出品の質的競争力を強化するため、今度の法案提出になったような次第であります。
そこでこの法案の概要を説明いたしますと、まず第一が、先ほど申しました自家検査を建前とする現行制度を改めまして、政府で指定する貨物につきましては、原則として政府機関または政府が指定する検査機関の行う輸出検査に合格したものでなければ、輸出できないこととしたのが一番大きな意味でございます。いわゆる強制検査を原則といたしたわけであります。
それから第二には、輸出検査を適確に行うために、特に必要がある品目につきましては、その材料または製造中の検査を行い得ることといたしたことであります。いわゆるこの輸出検査は、大体輸出品の最終段階におけるいわゆる事後検査が原則であるわけでありまするが、特殊なものにつきましては、いわゆるその製造過程または原材料の段階において、いわゆる事前検査をしようというのが第二の点であります。
それから第三は、検査機関につきましては、その業務の公共的性格にかんがみまして、公益法人であって、全国一円の規模のもとに十分な検査設備と検査員並びに事務所を有し、公正な検査活動を行い得る者を、申請によってこの検査機関として指定することとしたことであります。
第四の点は、指定検査機関の監督のいわゆる強化でございまして、この指定検査機関の業務規程、役員の選任、解任を認可制とするほか、事業計画、収支予算を事前に政府において検討し、役員及び検査員が不公正な検査を行なった場合には、聴問の上、解任すべきことを命ずる等、公益上の観点から十分な監督を行い得ることとしたことであります。
それから第五は、検査の特例を設けまして、指定貨物のうち、政府機関等による検査を行うことが不適当であると認めるものにつきましては、従来通りに、自己検査と申しますか、自己表示の原則を存置したことであるわけであります。法案の概要は以上のごとくであります。
次に、法案の要綱について御説明を申し上げます。
まず第一は、目的でございますが、「輸出検査を行うことによって、輸出品の声価の維持及び向上を図り、もって輸出貿易の健全な発達に寄与することを目的とすることとすること。」、これは別段御説明申し上げるまでもないと思いますが、現行法におきましてもこういうふうな規定をいたしております。
第二は、検査基準でございます。「主務大臣は、政令で指定された貨物(以下「指定貨物」という。)について、その品質(包装条件を含む。以下同じ。)の検査基準を定めなければならないこととすること。」、これも特に新しいというわけではないわけでありまするが、この指定貨物の指定を、現在は省令でやっておりますのを政令にいたしましたことと、それから検査基準を、現在は告示でやっておりますのを主務省令で定めるということにいたした点、それから現行法はいわゆる自己検査でありますので、検査基準の定め方も等級をきめるということが原則になっておるのでありますが、今度はいわゆるその最低基準と申しまするか、いわゆる三等品とかいうふうな式のきめ方はいたしませんで、少くともこの程度の最低基準を定めなければならぬということで、最低基準を定めることになったわけであります。
第三、検査、「一 指定貨物は、その品質が定められた基準に適合しているかどうかについて政府機関又は主務大臣が指定した者(以下「指定検査機関」という。)の行う検査を受け、これに合格した旨の表示が附されたものでなければ、輸出することができないこととすること。」、これも先ほど申しました通り、この本法の中心点でございまして、いわゆる指定検査機関または政府機関の検査を受けて合格したものでないと輸出はできないということにしたわけであります。「なお、品目が定められた指定貨物を特定の地域に輸出する場合には、一般の検査基準より高い基準に適合していなければ、輸出することができないこととすること。」、原則として検査基準は、第二におきまして御説明申しましたように、最低基準をきめるのでありますが、たとえばアメリカ向け等のごとく文明、文化の高度の地域に輸出します場合には、一般のこの基準よりも高い基準をきめる必要がございますので、そういう場合には、その一般基準よりも高い基準に合格をしていなければ輸出することはできないということにしたわけであります。「二 材料又は設計若しくは製造中の品質の検査を行わなければ指定貨物の検査を適確に行うことができないものについては、その材料又は設計若しくは製造中の品質が政府機関又は指定検査機関の行う検査に合格したものでなければ、指定貨物の検査を受けることができないこととすること。」先ほど御説明申しましたように、いわゆる事前検査を必要とするものについて、この最終段階前、材料の段階あるいは製造工程中の検査をする、こういう趣旨でございますが、もちろんこの材料または製造工程中の検査ということは非常にむずかしいことであり、またこれが非常に多くの商品についていたしますと、行き過ぎになる面もあろうかと考えられるわけでありまして、現在のところ、材料検査をいたすものといたしましては、いわゆる染色の綿織物の原反の生地を予想をしております。それから設計もしくは製造中の品質の検査につきましては、五百トン未満の船舶を予定をしておるような次第でございます。
それから第四、表示、「一 政府機関又は指定検査機関は、検査に合格した指定貨物若しくは包装又は材料にその検査に合格した旨その他必要な事項を表示しなければならないこととすること。二 政府機関又は指定検査機関は、品質を織別するため、指定貨物の品目、等級及びその基準が定められたときは、その指定貨物に等級の表示を附さなければならないこととすること。」、これは現行法と全然同じでございますので、御説明するまでもないかと思います。
第五、検査の特例、「指定貨物のうち、特に政府機関又は指定検査機関の検査を必要としないと認められる一部の貨物については、定められた基準に適合している旨その他必要な表示が附されているときは、輸出することができることとすること。」、いわゆる先ほども申しましたように、今度の検査法の検査の本体は強制検査になるわけではございまするが、先ほど御説明申しましたように、現在検査を必要とする品目の約四〇%は自己検査に実はなっておる現状もございまするので、それを全部強制検査に切りかえるということもいろいろ問題点も多いわけでございまするので、一応特例といたしまして、現行の自己検査を一部残すというまあ特例の道を開いたのでございます。しかしながら、この新しい検査法案の趣旨とするところは、できるだけ強制検査をいたしたいということでございまするので、この特例はできるだけ少くするようにしたいということで、農林省及び厚生省等にお願いをしておるような実情でございまして、現在のところ、この特例といたしましては、厚生省関係の医薬品、農林省関係の農林産物のごく一部がこの特例になるのではないかというふうに予想いたしておるわけであります。
第六、指定検査機関の指定、「一指定検査機の指定は、この法律に規定する検査(以下「輸出検査」という。)を行おうとする者の申請により行うこととすること。二 主務大臣は、指定の申請をした者が輸出検査を行うに十分な機械器具、輸出検査を実施する者(以下「輸出検査員」という。)及び事業所を有する公益法人である等の基準に適合していると認めるときでなければ、その指定をしてはならないこととすること。」、指定検査機関の指定は申請によって指定をするということと、それから指定検査機関の性格あるいはその要件といたしましては、ここに二に規定いたしまするように、公益法人であって十分な検査を要するにし得る者でなければならないという点でございまして、従来とさして変ってはいないのでありまするが、特のこの公益法人ということに限定したところが、現行法と変っている点でございます。
第七、指定検査機関に対する監督
「一 国務大臣は、指定検査機関が定める輸出検査の業務に関する規程(以下「業務規程」という。)を認可することとし、かつ、必要がある場合には、その変更を命ずることができることとすること。」、業務規定の認可あるいは変更命令でございますが、これは現行法通りでございます。「二 指定検査機関の役員の選任及び解任は、主務大臣認可を受けなければ、その効力を生じないこととすること。」、これは新しい規定でございます。それから「三指定検査機関は、輸出検査員を選任又は解任したときは、主務大臣に届け出なければならないこととすること。」、これも新しい規定でございます。この検査員の選任、解任につきましては、本法案によりますと、届出であります。この点も、役員と同様に、認可制にする方がいいんではないかという御意見も多々あるのでありまするが、まあ役員の選任、解任を認可制にし、その検査機関の職員でありまする検査員につきましては、いわゆるその指揮系統を尊重するというような意味におきまして、届出程度でよくなかろうかということで、届出にしたわけであります。「四 主務大臣は、指定検査機関の役員又は輸出検査員がこの法律若しくはこの法律に基く命令文は業務規程に違反したときは、その解任を命ずることができることとすること。」、いわゆる解任命令でありまして、これも新しい規定でありますが、これはいわば伝家の宝刀的な規定といたしたいという趣旨でございます。「五 主務大臣は、指定検査機関が指定の際の基準に適合しなくなったと認めるときは、その指定検査機関に対し、基準に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができることとすること。」、いわゆる主務大臣の適合命令でございますが、これも現行法通りでございます。「六 主務大臣は、指定検査機関がこの法律に違反したとき又は認可を受けた業務規程によらないで輸出検査を行ったとき等の場合には、その指定を取り消し、又は期間を定めて輸出検査の業務の停止を命ずることができることとすること。」、これも現行法通りでございます。
それから第八、輸出検査員の登録、「主務省に輸出検査員登録簿を備え、輸出検査員に関する事項を登録することとすること。」、この輸出検査員の登録制は新しい規定でございまして、この趣旨は、今度の法の建前として強制検査をし、強制検査を建前とし、公正な第三者機関による検査ということになりまして、この必要上指定検査機関に対する監督も非常に強化されるわけでありますが、他方、この輸出検査員につきましても、そのディグニテイを確保するというような意味におきまして、登録制にしようとするわけでございます。
第九、罰則の適用、「輸出検査の業務に従事する指定検査機関の役員又は職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなすこととすること。」、この点も新しい規定でございまして、いわゆる公務に従事する職員とみなす結果、涜職罪あるいは公文書偽造罪等の適用もありまするが、他面、また公務執行妨害罪等の適用をされる面もあるわけでございます。
第十、輸出検査審議会、「通商産業省に輸出検査審議会を設置し、関係各大臣の諮問に応じ、輸出検査に関する重要事項を調査審議させることとすること。」、これは現在は輸出検査審議会設置に関する政令がこの法律と別にあるわけでございますが、法の体系上こちらに移しかえたということでありまして、実体は現状と変りございません。
第十一、適用範囲、「本邦にあるアメリカ合衆国軍隊の海軍販売所、ピーエックス等に納入する指定貨物のうち、必要と認められるものについては、この法律の規定を適用することとすること。」、これも現行法通りでございまして、現在この規定によりまして取締法の適用を受けておりまするのは、カメラ、双眼鏡だけでございます。
第十二、その他、「報告の徴収、立入検査、聴聞、異議の申立等の規定を設けることとすること。」、聴聞以外は全部現行法通りでございます。聴聞の点だけが全部新しい規定になるわけでございます。これは先ほど申しました第七の検査機関に関する監督の第四に、検査機関の役員あるいは検査員の解任を命ずることができるというふうになっておりますが、その解任の場合に十分な調査をいたす必要上、聴聞の規定を設けたのであります。
そのほか、この要綱には出ておりませんが、新しい点といたしましては、罰則の中で未遂罪の適用規定を新設したというのが一つ新しい点かと思うのであります。
なお、付則において経過的規定といたしまして、本法の施行——輸出検査法案の二十九ページをごらんになりますと、付則、施行期日、第一条でございますが「この法律は、公布の日から起算して九月をこえない範囲内で政令で定める日から施行する。」こととして、一応九カ月内に所要の準備をし、また検査機関等につきましては必要な変更をしていただこうという趣旨でございます。
以上で説明を終らしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/2
-
003・堀末治
○委員長(堀末治君) どうぞ御質疑をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/3
-
004・千田正
○千田正君 この法案は予算を伴うかという点と、もう一つは、従来通産省並びに農林省の中に、農林省の場合には輸出農産物の検査というものがありましたが、それを強化しようとするのか、総合的な機関を設けて完全を期そうとするのか、いずれですか。この二点をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/4
-
005・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) お尋ねの第一点の予算的な問題でございますが、現在政府機関である検査機関につきましては、もちろん必要な予算が見られておりますし、また通産省関係で申しますると、繊維製品の検査、あるいは工業品検査所等につきましては、調査のために従来より以上に旅費を必要とするという点で、旅費が増額されておるような次第でございます。この民間の、いわゆる現行の登録検査機関、今度の新しい法律でいいまする指定検査機関については、別段新しい予算は見ておらないのでありまするが、ただ検査機関の検査設備を改善強化させるために、ごくわずかでございますが、一千万円予算がついておるわけでございます。まあその程度で、不十分だという意見もあるわけですが、この三十二年度から、初めてこの検査機関へのそういう補助費が認められたわけで、まあ第一年度としてはやむを得ないかと思っております。
ただ、指定検査機関の検査員に対する、いわゆる人件費の補助的な予算はどうして組まないのかということを、よくお尋ねがあるのでありますが、当初は、われわれ検査を監督する者としては考えたのでございますが、まあいろいろな事情で、そこまでは行き得なかった。また来年あたり、われわれとしましては努力をしたい気持でおるわけであります。
それから第二点のお尋ねは、この新しい法律を制定するに当って、検査そのものを強化するのではないかというお尋ねであったと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/5
-
006・千田正
○千田正君 従来、通産省とか、農林省とか、各省において輸出物に対して検査をしておりましたね。その既設の検査機関をそのままに強化するのか、あるいは別個の政府機関を設けて、総合的に、重点的にやるのか、その点です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/6
-
007・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) この現在の政府の検査機関については、別段それを統合する、あるいは総合するという考え方は、全然ないわけであります。一応現行通りでございます。しかし、民間の検査機関につきましては、別段総合してやるという考え方は実はないのでございまするが、先ほども申しましたように、現在の検査品目の中で七〇%がいわゆる自己検査になっております。自己検査と申しましても、大きなメーカーは自分で自分自身の商品を検査しておりまするが、中小企業になりますると、おおむね団体を作られてやっておられます。従って、その団体が今度のこの検査法にいう指定検査機関になる資格を有するかどうかという問題なのであります。もちろん、中には、かなりその資格を有せられる検査機関もあると思われまするが、そうでない検査機関もございまするので、できればこの九ヶ月内にできるだけ所要の、本法にいう検査機関の資格を備えるように、必要な編成がえをしていただきたいというふうに考えておるわけで、それを総合するという考え方は、あまり今のところはとっておりませんが、この法律でもおわかりの通りに、全国一円で、この検査をし得る能力がなければならぬわけでありまする関係上、あまり小さな組織では、実際問題として指定検査機関の適合基準に合致しない場合もあろうかと思います。通産物資につきましては、われわれはできるだけ、小さい商品別に検査機関を作るというよりも、できるだけ総合した検査機関ができるように指導して参りたいというふうな気持でやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/7
-
008・千田正
○千田正君 今の局長の御説明によるというと、この法の目的は、国際的な信用を維持して、日本の輸出貿易の産業の振興をはかるというのが目標でしょう。従来あった機関では、いろいろな悪評をこうむったり、あるいはいろいろな非難を受けたりするから、従来のものであってはならないというのでこの法を出したのでしょう。そうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/8
-
009・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/9
-
010・千田正
○千田正君 そうだとすれば、従来のような機関ではいけないということでしょう。強化しなければならない。あるいは今あなたが、たった一千万円ぐらいのものを出しているそうだが、こんどの法案の内容によると、検査の第二の項においては、材料並びにこの製造中といえども、その内部にタッチして検査する、こういうことになりますというと、あだやおろそかな予算ではできないと私は思う。製造中のものを検査する、あるいは材料を吟味する、こういうようなものが検査の内容に入ってきている以上は、簡単な検査ではならないと思うのですが、一千万円ぐらいの予算では、あなた方が出した法案の完全を期せられるかということを、私は非常に疑問に思う。
もう一つは、第一条の目的に沿うような案であるならば、少くとも国の威信にかかわるような商品を海外に輸出するということをある程度チェックしなければならないとすれば、従来あったような機関を十分に監督し指導していかなければならない。私はそう思うのですが、あなたのお考えはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/10
-
011・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) 先ほど申し上げましたのはちょっと誤解を引き起したかもしれませんが、最初にも申し上げましたように、現在二百品目ぐらいの検査品目があるわけであります。その中の三〇%につきましては、新しい法律にいうのと実は同じような検査をしているわけでございます。従って、現在は登録検査機関と言っておりますが、今度は名前が指定検査機関というふうに変りますが、この本法にいう指定検査機関の基準に合致する資格を備えているわけでありまして、従って、三〇%の部分につきましては、なお指定検査機関が若干弱いというようなものも中にはないことはないかと思います。それはこんご指導するにしても、大体におきまして、本法にいう指定検査機関の資格に合格をするわけでございますので、その方は一応問題はないと考えております。従いまして、あとの七〇%のものがいわゆる強制検査ではなく、いわゆる自己検査でございますので、検査機関の性格におきましても、本法にいいまする指定検査機関の資格に到達しないものがかなりあるわけでございます。従って、それらのものにつきましては、もちろんこの指定検査機関の基準に適合するようにしていただく。それが結局、言いかえてみれば、かなり強化をしていただかなければならぬ、あるいは協同組合的なものならばここでまた新しい団体を作っていただかなければならぬということになるわけでございます。従いまして、その意味におきましては、いわゆる強化をしていただくことは、これは明らかなのでございます。
それから第二の、材料または製造工程中の検査でございますが先ほど来申し上げておりますように、製造過程にありまする船舶の検査につきましては、これは運輸省みずからが国の検査をするという建前になっております。それから染色織物につきましての原反生地の検査につきましては、現在自発的に繊維製品の検査協会があって検査を実はいたしておるわけであります。それをいわば合法化するというか、若干手直しをし、また強化をさせるという趣旨でございまして、この材料または設計もしくは製造中の品質の検査は、非常に拡充するということになりますれば、もちろん大へんな機構を必要とし、また予算を必要とするかと思いますが、まあ今のところは予算的措置はあまり必要でないと思います。ただ、一般的に検査制度につきましては、先ほど来申しておりますように、できるだけ予算をとりたいというふうには考えておるわけですが、先ほど申しましたように、第一年度一千万円ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/11
-
012・千田正
○千田正君 今のあなたの御説明を聞くというと、大体中小企業の人たちの自己検査というものがあまり完全じゃないようだと。そういうものはこの法律に基いて適確性を持ったものに作り上げたいという御意向のようですが、しかしこれは、大資本家は自分の手で十分な厳重な検査をするが、中小企業の人たちが自己負担でこういう検査をするということは、あまりに中小企業の育成という面からいっても、親心のないやり方じゃないか。むしろ政府がそういうような指導の予算を十分持っていって、そうして政府みずからが指導していくのがこの際いいんじゃないか、私はそう思います。これじゃあまり、大資本の方が自分たち金があるからどんどんやっていくが、中小企業の連中だけは自己負担でそうしてやっていけというのは、親心のないやり方じゃないか。この点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/12
-
013・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) 今度の法の建前では、大資本といわず中小資本の製品といわず、指定検査品目になったものはやはり全部指定検査機関の検査を受けるわけでありまして、大資本は自分で勝手にやるというわけのものでは実はないわけであります。
それから予算の問題につきまして、不十分であると言われる点は、これはわれわれも実はそのように思っておるのでありますが、これもいろいろ財政の都合でやむを得ない、できるだけ来年あるいは再来年に努力をいたしたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/13
-
014・清澤俊英
○清澤俊英君 二点ばかりお伺いしたいですが、ここにある主務大臣というのは、範囲ですね、これは通産大臣だと言うておられるのか。今言われる通り、厚生関係では薬品があり、水産関係では塩干魚がある。これがまあ大体検査を受けない対象になっているというようなお話がありましたが、そういうものを今度入れろと、こういうんですね。そうしますと、主務大臣と、通産大臣と関係大臣との関係はどういうふうになるんですか。無関係で通産でやっていかれるのかどうか、それが一点。
それから簡単ですから、その次も聞きます。その次には、全体の輸出品のうち五〇%が今までは放任であった。大体検査をやってきたものが五〇%で、うち強制検査が三〇%、自己検査が七〇%だと、五〇%のうち。この法律によってこの比率がどう変りますか。この比率がどういうふうに変っていくのか。この二つだけ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/14
-
015・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) 主務大臣と申しておりまするのは、その商品に関する主務大臣でありまして、現在のところは通産大臣、農林大臣、それから運輸大臣、厚生大臣と、こういうことに、商品別に主務大臣は変っております。ただ、この輸出検査行政の総合統一という点で、いわゆる通産省が幹事役を仰せつかっておる、こういうことなんであります。それぞれ主務大臣がやられることになるわけであります。
それから七〇%、三〇%の問題でございまするが、われわれの気持としましては、この七〇%の現在の自己検査ができるだけ強制検査品目になるように、実は期待をいたしたいと思いますが、必ずしも中にはそういうふうに参らぬものもあろうかと思っております。まず第一段といたしましては、自己検査の七〇%をできるだけ強制検査の方向に持っていく、その後に残りの五〇%、全然検査をいたしていない商品がございます。そのうちでも、かなりまだ検査を必要とするというようなものもありますが、第二段にそういう品目に手をつけたい、こういうふうに思っております。ただ、御存じのように、大きな機械とか、船舶とか、あるいは大メーカーだけの作っておる輸出品については、検査をする必要のないものも中にはございます。そういうものは別でありますが、できるだけ検査品目は拡充したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/15
-
016・清澤俊英
○清澤俊英君 それで、その主務大臣の範囲ですね、今言われた通り厚生、農林、通産として、おのおのの所管内における大臣が責任をもってやっていく、その幹事役として通産大臣がやっていくと言われるが、そういった規定はこのほかに何か別にありますか。そういうものを規定しまする法案か何か、別にありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/16
-
017・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) この検査法案をごらん願えれば、ある所では通産大臣と書いてあります。ある所では主務大臣と書いてあります。これでわかるはずであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/17
-
018・青山正一
○青山正一君 ただいまの千田さんなり清澤さんに関連しての質問ですが、農林水産関係、食糧関係のものは、二百種類の中に何十種類くらい含まれておりますか。たとえば農林水産なんか輸出に関する法律というものが確定されておりますし、それから真珠の関係もやはりはっきりいたして何か適用の法律があるわけなんですが、そういうものはこの法の適用を受けますかどうですか。そういう具体的な例について、一つ御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/18
-
019・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 農林関係の物資で、私の方の農産物輸出検査所で検査をいたしておりまする種類は、指定品目が三十八点、その中で強制検査をやっておるのは八、これは茶、豆類、温州ミカン、花筵、野草筵、ほしシイタケ、カン詰、冷凍水産物、こういうふうになっております。
大体の金額を申し上げますと、生糸等特別の輸出検査機関があるものを除きまして、そのほかのもので八百二十九億が総輸出額になっております。その中で、ただいま申し上げました三十八品目が七百十九億になっております。その中で、八品目が約六百億になっております。従いまして、大体八割四分ばかりが検査を受けておる、こういうことになっておるかと思います。その中で強制検査をやっておるものは七割ぐらい。従って、全体の六割近くが強制検査をやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/19
-
020・青山正一
○青山正一君 真珠は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/20
-
021・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 特別の法律がありますから、特別の法律でやるものは生糸とか真珠……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/21
-
022・青山正一
○青山正一君 この輸出審議会のメンバーは、これは各省と相談してきめるわけですが、やはり農林関係からもメンバーが出るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/22
-
023・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) もちろん出ます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/23
-
024・河野謙三
○河野謙三君 まず基本的な問題で伺いたいのですが、従来輸出物資についていろいろ問題があったことは事実ですが、しかし、この問題があったのはどこまでも、全体から見れば一部だと思うのです。しかるに、今度非常に飛躍して、原則として強制検査にして、一部例外を認めるということまで急速に進んだのはどういうわけです。私たちの考えでは、どこまでも従来の自主検査を建前として、一部、問題があったり、または問題がありそうなものについて、順次強制検査というようなものにワクを広げていったらいいのじゃないかと思うのですが、この点はどういう御見解なのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/24
-
025・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) ごもっともなお尋ねと思うのでありますが、実は確かに新聞をにぎわすような問題になるのは、いわば氷山の一角であります。そのほかに隠れた問題がいろいろあるのでございまするが、それよりも今の現行法の検査の建前が、何と申しますか、えらい粗悪品でありましても、これは三級品だ、四級品だというレッテルを張れば、もうそれでいいことになっております。検査というよりも、政府は一等品はこういう基準、二等品はこういう基準、その他はこういう基準をということになると、これはその他なんだということで自分でラベルを張れば、何でも出せるという建前になっておるわけです。従って、最低基準という観念がないのでございます。
今度の法の建前は、いやしくも輸出品といたしまして最低基準をきめまして、その基準に要するに合格しないものはもう輸出しちゃいけないのだという建前にしようというのが、最も大きな改正点であります。あとは検査機関の性格とか、それからその検査を強制するために起るいろいろな問題解決のために、いろいろ機関を指定監督するだけのことでありまして、根本は最低基準というものを設けて、最低基準に合格しないと輸出ができないことにしたい。今のところは、どんなものでも輸出していい、ただ一等、二等、三等とやれば、おれのものは一等だ、おれのものは三等だ、だから三等で輸出していい……。その体制が非常にまずいのであります。海外を旅行された場合によく聞く疑問は、検査機関が検査してパスと書いてある。これは何だ、こういうわけです。それは今の現行法自身がそんな体系になっているためにこれはやむを得ないのでありまして、三等品でもそれで合格ということになるわけであります。だから、そういうことを今度の法律ではないようにしたいという意見が、その趣旨なのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/25
-
026・河野謙三
○河野謙三君 それはよくわかりますけれども、その政府の考えている趣旨を徹底させるためには、規格の標準でも設けて、従来の行政指導で事足りるように私は思うのですけれども、行政指導ではできませんか、それは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/26
-
027・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) われわれといたしますれば、もちろん行政指導でかなり補える面もあろうかと思いますが、はっきりした基準をきめて、公正な第三者による検査機関にやる方が、よりよいのではないかと考えております。もっとも先ほども申しましたように、農林関係の輸出につきましては、かなりそういう行政指導で効果を上げられているような品種もあるようでございます。そういうものについては、急にやり変えるということも若干むずかしいところもあるようでございます。それは一応特例として認める、こういうわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/27
-
028・河野謙三
○河野謙三君 ちょっともう二点だけ。それから、この法律によって各業界に検査協会といいますか検定協会というものが発足するわけですね。その場合の検査の検査料金ですか、これについて何か一定の基準を設けて指導されるのですか。各品目について従価比率で何%とかということになるか、何か検査料金についての規定は設けられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/28
-
029・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) この検査料金につきましては、現在百分の一を下らざる範囲においてきめるということになっております。要するに、一番高いというのは一分ということになって、現状は大体千分の三くらいが平均になっておるのじゃないかと、こういうふうに考えております。そう大した金にはなっておらぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/29
-
030・河野謙三
○河野謙三君 ちょっと今はっきりしなかったのですが、それは百分の一とか千分の三以上になってはいけないというので、最高をきめるのですか、それとも最低をきめるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/30
-
031・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) それぞれの検査機関がその百分の一の以内において、自分のたとえば検査所要経費をまかなうというところから、適当な率をきめて認可を受けるということになっております。それは今、先ほど申し上げましたように、千分の三、商品によりまして一番高いものは千分の七くらいではなかったかと記憶しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/31
-
032・河野謙三
○河野謙三君 そうしますと、今度はこの法律によって検査規定ができ、検査協会が発足すると、業者から見れば、従来よりも大体において高い検査料金を払わされるということになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/32
-
033・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) 現在全然検査をやっていないものにつきましては、それだけもちろん負担が出ますが、今の自己検査になっておるものは、多かれ少かれその組合あるいは協会等の検査を受け、そうして検査料金を払われておるわけであります。従いまして、まだこれは必ず高くなるとも申し上げかねるのでありますが、そう大した差はないのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/33
-
034・河野謙三
○河野謙三君 従来実際に検査をやっていますね。それらの業界の組合員が検査料金を払っておる、その検査料金よりも、今度この法律によってこういうものが発足して、負担が重くならぬようにという指導は私はさるべきであると思うのでありますけれども、そういうところまで思いを及ぼしておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/34
-
035・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) 私たちといたしましては、できるだけ負担が増高しないように指導したいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/35
-
036・河野謙三
○河野謙三君 その問題もちょっと不徹底で、私もう少し伺いたいのですが、最後に、いかにこの法律を作って検査を厳重にしても、検査をだれがやるかという人の問題ですよ。そこで、まずこの役員ですが、役員は、たとえば組合長とか理事長というのが出るのでしょうが、そういうものは業界からでなく、業界以外の第三者から選ぶということなんですか。それとも、業界であろうが、第三者であろうが、そういうものは一向かまわぬということなんですか。役員選任についてあなたの方が認可権を持つのですか、何か一つの基準をお持ちですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/36
-
037・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) 先ほども御説明申し上げましたように、公益法人であるということを今度新たに検査機関指定の条件にしたわけでありまするが、公益法人の役員、いわゆる業界と関係がない、という語弊がありまするが、いわゆる従来のような、たとえば何とか組合の組合長とか理事というものでない、公正な役員にその役員になっていただきたいというふうに考えておるわけであります。特に公益法人とうたいましたのは、そういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/37
-
038・河野謙三
○河野謙三君 そこは私は非常にむずかしいと思うのですがね。業界から出せば弊害が起る、といって、業界以外から、いわゆる学識経験者というようなものを選べば、その人はその業界には無知識です。名前は学識経験者であっても、無知識である。無知識である人が重大な検査の責任を負うというようなことも、これはおかしな問題であって、そこらの点が私は不徹底だと思う。と言って、じゃ知識のある者が、だれか第三者ということになるというと、役人の職におったものがいいだろうということになる。そうすると、各検査協会にみな通産省なり農林省の役人が出てくる。そこに一つのまた問題が起るということですね。まあ私、ここは通産委員会じゃありませんから、あまり掘り下げて聞くことはどうかと思いますが、それらの点にどうも、われわれはちょっと納得がいかない点があるのですが、まあもし御答弁がなければいいし、あればまたなおけっこうですが、そこらのところ、どういうふうに割り切ってお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/38
-
039・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) 今、河野先生のお尋ねの点、非常にむずかしい御質と思うのでありますが、率直に申しまして、公正な検査機関であるという以上は、どうしても業界とのつながりを断ち切るようにしなくちゃいかぬということで、こういう公益法人にしたのであります。従って、その意味においては、お言葉を返すようでありますが、割り切れ過ぎておるわけであります。ところが、割り切れ過ぎると、先ほども言われるように、果していい人が発見できるか。現在その三〇%に該当する強制品目につきまして二十六登録機関がございますが、これらの運用はいわゆる業界からでなしに、第三者からその役員を選んだ機関に実はなるならば、これは私は円滑に動くと思うのです。役人の古手が出ておるじゃないかというお尋ねでございましたが、全然入っておらぬと申し切れぬと思います。若干は有能な役人の古手が入っておると思います。
で、もともとこの検査制度というものは、この法の建前がいわば警察的なものであって、業界のいやがるものを検査するということ、一見法をごらんになるとそういうふうに見えるわけでございますが、業界に全然反対されるものを政府が幾ら検査をしようとしても、これは実際問題としてできませんので、業界からも、いろいろ弊害もあるからこういう検査もしてもらいたいが、役所の方もどうかということで、両者の意思が合致して一つここで相談の結果、こういう検査機関を作ろうじゃないかということが過去の例であるし、また普通の行き方であると思う。従いまして、実際問題といたしましては、公益法人ということで割り切っておりまするが、二十六の従来の検査機関の例から見ましても、非常に円滑にいっておりまするので、今後の問題としては、われわれとしてはそう問題はないんじゃないか。ちょっと考えてみますと、全然業界に足がかりのない人を役員に選んで果してうまくいくかというと、われわれも立案の当初においてそういう疑問を持ったのでありまするが、やはりその業界に今、何とか会社の社長さんとか、重役さんでなくとも、やはり業界に関係をなすった人で、そういう現実に何とか会社と関係のない方もたくさんおられるわけですから、そういう人で有能な人に役員になってもらえば、まあ円滑にいくんじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/39
-
040・河野謙三
○河野謙三君 もう一つ。あのね、松尾さん、あなたがその気持でいられれば、私は何にも問題がないと思う。だが、あなたがいつまでも局長をしているわけじゃないのだな。そこで、あなたの今のお気持を率直に受け入れて、私が言葉に表わすと、私が最初申し上げたような強制検査を建前にするというのじゃなくて、一部に弊害のあったもの、もしくは業界から進んでこの法の適用を受けたいという申し出のあったもの、これを原則として、この法律で示すように、初めから強制検査を原則にするのだ、建前にするのだ、こういう行き方でない方がいいと思う。それがあなたのお気持なんだ。あなたのお気持とこの法律に書いてあるのと、だいぶ違うのです。あなたのお気持はどこまでも、業界からの希望によってこれをやっていきたいと。それなら私はいいのです。ところが、あなたはいつまでも局長をしているわけじゃないのですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/40
-
041・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) ちょっと今の点で……。ちょっとそれは、今率直に申しまして、今の体系では、皆様方が、積極的に強制検査にしようという業界の熱意が実はないわけなんでございまして、いいかげんなことでごまかしておけ、レッテルを張って出しておけばいいじゃないか……。またいろんな団体の幹部について、まあそう言っちゃおこられるかもしれませんが、まあレッテルを、検査のしるしを売るというようなことに堕している場合が多いわけであります。少くとも今度の法の建前はそうじゃなくて、強制検査というと少し語弊がございまするが、要するに、最低の基準を設けてその検査で合格しないものをなくしたい、そのために、検査機関も公正な検査機関をできるだけ育成するのだということであります。その検査機関の育成の過程におきまして、私は先ほど申したように、役所に幾らも金もない、予算もこれが多額にあるというなら別でございますけれども、予算もないのに、大いにやれやれと言ってみたって、できないわけであります。実際は心からなるやはり業界の協力がなければ、実際はできないのだということを申し上げたわけでありますが、やはり建前としては、この強制検査ということを建前にしていかなければ、ほんとうの輸出品検査はできないのじゃないかという趣旨で、こういうような法案をお願いすることになったわけでありますが、まあ一つそういうことで御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/41
-
042・東隆
○東隆君 実は輸出品に不良品があるというような問題は、検査の是非の問題よりも、私は、輸出する業者が多くて、そうして自分の扱っておる品物を輸出するために値段を崩すわけですね。そういうような問題が非常に多いために、私は、粗悪品その他がやはり流れていく、そういう情勢が非常に多い。そういうような関係で、輸出するものについては、特に農林水産物なんかはやはり一本に統一をして、そうして輸出をするというような態勢をとらぬ限りは、農林水産物なんかはうまくいかぬのではないか。それからほかの工業生産品、ことに小さなものについて、ある程度まとめなければ、今のように業者が外国の輸入業者と、競争をして、そうしていろいろやる、そういうような態勢のもとでは、非常に粗悪品になってしまうと思うのです。そういうような意味で、現在のように不良品が出ることを検査によって解決をつけるというよりも、私は今の輸出の態勢そのものに大きな欠陥があるのじゃないか、こういうことを考えるのですが、その点についてどういうお考えですか。
それから特に農林水産に関しては、一つ農林省の方からお答えを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/42
-
043・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) ただいまのお尋ねの点は、ごもっともとも思うのであります。まあ御承知のように貿易業者の数も多い。これはまあ日本のやはり人口問題等の関係もあるとは思いまするが、ともかく現実問題として数が多い。それが非常に競争が過多になる結果、価格も下り、価格が下ればどうしても品質も悪くなるということで、弊害が起ってくることはこれは事実でございまするが、従いまして、もちろんこの輸出品検査法だけでは品質確保という問題は目的を達しないだろうと思うわけであります。
大体、御存じのような輸出入取引法というものがあって、できるだけ業界を組織化しまして、といいますと、輸出組合を結成しまして、輸出組合の中で価格あるいは数量その他のいろいろな取引の条件を協定をして、できるだけそういう弊害がないような措置も、法律上認められている。独禁法からも適用除外になって、認められている。今三十四ほどの組合ができておりますが、その組合が非常に活動しておりまして、もちろんこれは現状をもって十分とは言えませんが、協定の数にいたしますと約六十七、八くらい、そういうあるいは価格、あるいは数量、あるいは両方というような協定をいたしまして、できるだけ今御指摘のありましたような弊害のないように努力をしておる次第であります。この検査法とあわせて、輸出秩序の確立の必要であることをわれわれも痛感をするわけであります。現行の輸出入取引法によりまして、できるだけ業界がそういう態勢を、輸出秩序を確立していただくように、まあ御指導申し上げておるような状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/43
-
044・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) ただいま通商局長からお話があった点に尽きておると思います。私の方でも、結局一方からいいますと、現在ある業者のほかに新しく同じような事業を営むことを押えない限り、今の問題が出てくる。それから同じ業界の中でも、ある人が抜けがけしようとすれば、そういう問題が起るのであります。しかし一方からいえば、新しい人が出るのを無理やりに押えるというわけにもいかぬ。そこにむずかしい問題が起るのであります。しかし、私の方では、輸出品につきましては、特に今通商局長からお話がありましたようないろいろな制度を利用しまして、そういう心配のあるものについては、積極的に業界の全体の話し合いをしていただきまして、今後どういうふうに持っていくかということを、得心の上で遺憾のないように措置しよう、こういうふうに考えております。
輸出検査法とは直接関係ないのでありますが、昨年度のミカンのカン詰のイギリス向けの輸出等を見ますと、次次とアウトサイダーが出てきまして、次々と安い値を出す。従って、ロンドン市場では先に仕入れた人はみな損をしておる。売れなくなる。現在まだ五十万箱ないし七十万箱の滞貨がある、新しい注文は一つもこない、こういうふうな状態でありますので、これでは困りますので、輸出組合のほかに、輸出をする場合全部一本のパイプで出す。すなわち輸出共販を作りまして、そこの統制のもとにそれぞれの商品を出していって、そういうことの起らないようにしよう、こういうふうに処置いたしております。ほかの品目につきましても、そういうおそれのあるものについては、業界全体のお話し合いで、そういうふうに指導しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/44
-
045・東隆
○東隆君 今の問題で、ミカンの例も何んですが、そのほかのものですね、一定のブランドのものがこわされておる。そんなような関係で、これは戦前に日本輸出農産物会社法という法律がありましたが、これはもちろん外貨獲得のためにこしらえたものですけれども、農林水産物に関する限り、こういうような法律をこしらえて、そして農林水産の部会をこしらえまして、そしてやらなければ、輸入をするものは、これはそう弊害はないと思いますけれども、輸出をするものは非常に大きな問題を起すのじゃないか。これは検査その他、農林水産物の方は、食糧事務所の検査ですけれども、そういうふうな木材関係、全部あるはずですから、そっちの方面でやるとして、そうすると、私はこの輸出検査法によって農林水産物はあまりプラスになる面がないのじゃないか。それで農林水産物において改善を要すべき点というのは何かといえば、私はやはり輸出をするものを一つのパイプによって、そうして同じ値段で、そうして何をする、こういうような態勢を確立することが、これが喫緊の急務であって、輸出検査法その他によっていろいろな形でもって、かえって屋上屋を架するような態勢はつまらない話である、こんなような気がするのです。その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/45
-
046・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) やはり農産物につきましても、日本の品物だけがひとりで市場を支配するというわけにいかない。ことに最近では、中共等のお茶そのほか、非常に猛烈な競争が起きておるわけであります。従いまして、品質を保全することは、それ自体として非常に重要なことであります。しかし、それかといって、それによって、先ほどほかの先生からお話がありましたように、手数料を増すということは困りますし、従って、私の方では輸出検査法の中で、必ずしも通産物資とは同じではありませんけれども、一つ一つが小さい、全国にばらまかれる、それから負担力が小さい、それから大体ある時期に集中しておる、全部強制検査というものはなかなかむずかしい問題でありますから、必要な品目だけ強制検査をする。ずっと実績をとりましても、やはり検査によってクレームが少ければ少いほど、輸出が伸びておるわけであります。しかし、これはこれとして必要であると思います。
それのほかに、先ほどお話しの、何といいますか、みずから国内の業者が不当の競争によって自分の市場をこわすことを防止する方法は、どうしても考えなければいかぬわけであります。ただいまのところは本格的に、お話に出ましたような検査機関を作るというわけにもいきませんので、業種別にそういう機関を作って解決していきたい、こういうような考えでおるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/46
-
047・東隆
○東隆君 私は、農林水産物のようなものは、普通の輸出業者、貿易業者の手に入って、そうして向うの品物をとるために、こちらのものを非常に安く輸出をする、こういうような場合が出たときに、国内における価格その他に大きな影響を与えるし、非常にいろいろな問題が起きてきております。そういうような点を排除して、そうして適正な価格でもって輸出できるような態勢、これを作ることが、私は一番農林水産物を輸出する上に必要なことじゃないかと思います。貿易業者も、輸出入業者も、輸出をするものにおいて損をしても、輸入をするものにおいてもうければいいと、そういうような計算でやられたのではかないません。外国の商品を扱ってもうけるのは、これはけっこうですけれども、しかし国内の商品を扱ってもうけるのは困ったことになりますし、ハッカを例にとっていうと、ブラジルのハッカを扱って商売をする人もありましょうし、そういうような人に扱ってもらっては、迷惑しごくなものがたくさんあると思う。そういうような点で、やはり農林水産物に関する限りは、一つパイプを整備する意味においても、何かまとまったものを作っていかなければ、将来において非常にむずかしい問題があるとこう思いますが、この点は一つ、輸出検査ごとに違うけれども、その点を一つ構想を練っておいていただきたい、そういう点なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/47
-
048・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) お話の点はよくわかるので、私の方もそういう点については十分検討していきたいと思うのであります。ただ、先ほど申し上げましたのは、包括機関を作りまして、そこへ何もかも都合のいいように入れて、そうしてブランチならブランチを作ってやった方がいいのか、部門別なら部門別にやった方がいいのか、こういうことはもっと研究しなければならぬ問題で、これは貿易全体の関係、あるいは相手国の事情もありますから、よく検討していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/48
-
049・佐藤清一郎
○佐藤清一郎君 先ほど千田委員の質問に対して、この法律によって人員の増加がないというようなお話でありましたが、これは各省ともこの法律が通りましても人員の強化はしないで、検査は実際にこの法律の目的が達しられるような状態なんでありますか、その点についてお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/49
-
050・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) 政府の検査するものにつきましては、大体人員の増加は考えておりません。現状通りということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/50
-
051・佐藤清一郎
○佐藤清一郎君 そうすると、これは検査内容というものを見るというと、当然人員を増加しなければこの法律目的が達せられないようなんですが、にもかかわらず、人員をふやさないということは、今年はふやさないけれども、こうやっておいて、この法律さえ通せば、また来年今度大蔵省に話をして、人員を強化しようと。これには監督規定まで設けてあるわけですから、検査官の監督までもしなければならぬ内容が含まれておるわけですから、来年はやはり増員するつもりですか。その点一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/51
-
052・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) この検査機関といたしましては、先ほど来御説明申しておりますように、政府機関みずからがやる場合と、それからその民間の指定検査機関のやる場合と、二通りあるわけです。先ほどのお話で、人員は一応現状通りと申しましたのは、政府でやる機関については人員の増を考えていない……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/52
-
053・佐藤清一郎
○佐藤清一郎君 いや、今のところ考えておらぬが、来年度ふやすかどうかということを……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/53
-
054・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) これは品目の増加があるかどうかにかかるわけでありまして、これは省によって若干行き方も違うかと思いますが、通産省関係の物資にしましては、あまり政府機関みずからのやる検査ということを多くふやすつもりはないわけでありまして、できるだけ民間に、有力な構成で検査機関を作っていただいて、そしてやっていただくという趣旨でございます。従いまして、ほかの農林、厚生は私もよくわかりませんが、来年におきましても政府の検査機関については、若干の必要な増はあるかもしれませんが、多数をふやすという考え方はしておりません。民間の検査機関につきましては、検査を強化するにつきまして若干の検査員の増は当然起るのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/54
-
055・佐藤清一郎
○佐藤清一郎君 民間の人員の増加はどのくらい、そうすると増加になりますか。そうしてその負担によって価格に影響を及ぼすようなことはないのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/55
-
056・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) 実はまだどの程度、現在の登録機関でない検査機関が今度の新しい指定検査機関になられるかということも、一応われわれとしましては、この機関は指定機関になられるだろうということはしておりますが、まだはっきりとどの機関がどう編成がえされるだろう、どの程度検査員がふえるだろうというところまで、実はまだ深く御相談申し上げていないわけであります。先ほど来申し上げておりますように、九カ月間の準備期間内にそういうような御相談も申し上げ、できるだけこの指定検査機関になっていただこうというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/56
-
057・佐藤清一郎
○佐藤清一郎君 日本は人口過剰でありますから、究極において役人をふやすことも必要だろうかとも考えますけれども、一体一つの法律を作ると、いつでもそこには人員が増加できるような法律を作って、そして日本は役人が多過ぎるというので、行政整理をしようというような考え方もずいぶんあるようですが、法律を作るたんびに人員増加が伴ってくるような現状において、検査規定を設けて厳重な検査をすることも、これは輸出品の日本の成果をあげる上において、また向上をはかる上において、当然必要だろうと思いますが、今年はやらぬが、その法律が通れば必ず各省においてどうだとかこうだとか言うて、私はふえるだろうと想像いたしますのですが、今話を聞けば、自分のところはやらない。農林省はどうか、厚生省はどうかというように、私は質問したくなるのですが、時間もだいぶたっておりますから私はただ意見を述べただけで、返答は聞かなくてもけっこうですが、なるべく検査目的が達せられるように、人員は現在の人でも間に合うような能率的な方法で一つやっていただきたいということを申し上げて、私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/57
-
058・島村軍次
○島村軍次君 私、資料を一つお願いしたい。今度のこの輸出検査法の対象になる、大わけでいいのですが、品目ですね、できたら金額、そしてこれが今やっておる検査は、あわせて国がやっておる検査については、対象的によくわかるような資料を願いたい。
それから、もう一つ希望を申し上げたいのは、輸出検査法はなかなか問題もあるのじゃないかと思いますから、ちょっとお諮りを願って、あるいは連合審査の形をとるか、もう一度御審議を願うようなことに委員長で諮ってもらいたいと希望を申し上げます。
質問はですね、この審議会というものの構成が六十名になっております。この大体の見通しはどういうふうな関係でありますか。第三者を主体にする意味のものであろうと思うのですが、やはり検査等の関係で構成がなかなかむずかしいのではないかと思います。内容についてはどういうふうなお考えをお持ちになっておりましょうか。
それからもう一つは、輸出品取締法との新旧対象ができておる。これは法律を見ていませんが、輸出品取締法というのは廃するのですか、そういうことなんですか。その点……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/58
-
059・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) 輸出検査審議会でございますが、現在も審議会設置に関する政令がございまして、実は繊維部会、機械金属部会、雑貨部会、農林水産部会、医薬品部会、化学部会、運輸部会、七つの部会が設けられておるわけであります。大体これをこのまま踏襲する予定になっております。もちろんこの農林水産部会等につきましては、これは農林経済局長の渡部さんが部会長になっておられまして、その他、農林水産関係の協同組合あるいは生産者の輸出組合が委員になっておるわけであります。やはり問題はなかろうかと思っております。
それから現行の輸出品取締法は、この新しい法律ができますれば、同時に廃止することになるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/59
-
060・島村軍次
○島村軍次君 この法案の問題は、ただいま申し上げたように、日本の輸出を伸ばす上に重要な問題になってくるのじゃないかと思いますが、そこで今までやっておられましたいろいろな弊害等について、先ほどの説明を承わってみますと、どういう点にあったかというようなことも審議の必要があろうと思いますので、重ねて一つ連合審査の方を委員長におしてお諮りを願したいことを希望を申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/60
-
061・仲原善一
○仲原善一君 一点だけ。先ほど佐藤委員からのお話に関連する問題ですが、予算に関連する問題ですが、検査の場所ですね、場所はどういうところでおやりになるかということを聞きたいのです。と申しますのは、農林水産物は非常に零細なのがあっちこっちありまして、それを一ところに集めて、たとえば貿易港である横浜であるとか神戸に集めてやるのか、現地まで派遣してもらって相当集積したところでやっていただくのか、そういう問題について。場所の問題ですね、検査の場所の問題が具体的には農民にとっては相当重要な問題で、たとえば神戸まで持って行って、そこで検査を受けるということになれば、大へんに負担になりまするし、従来のように自主的検査の場合には、お互いに了解しておりますけれども、強制検査になると、その点相当農民側の負担というものも検査の場所と関連してくると思いますので、その点ちょっとお伺いしたいと思います。
もう一つは、品目別の検査をやる、それは指定検査機関でおやりになるのか、同じ検査品目のものについても、二つでも三つでも、いわゆる公益法人を作って検査をやられるのか、一つでなければならぬのか、そういう問題、それから行政区画の問題もあわせて一つ伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/61
-
062・松尾泰一郎
○政府委員(松尾泰一郎君) 検査の場所はおおむね、検査機関の事務所、事業所が港にございますので、その港でやるのが原則でございまするが、必要によりましてその生産の場所に出張いたしまして検査をやる。これは現在と変りなかろうかと思います。
それから検査機関につきましては、先ほどの要綱の中でもはっきりしておりますように、一品種全国を通じて一個というふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/62
-
063・藤野繁雄
○藤野繁雄君 資料としてお願いします。この法律を読んでみるというと、政令や主務省令にまかせているのが非常に多いので、政令、主務省令というものを見なくちゃどういうふうに運用されるかわからない。であるから、まだできていないだろうが、草案があったらば、それをこの次の機会に資料として出していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/63
-
064・堀末治
○委員長(堀末治君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/64
-
065・堀末治
○委員長(堀末治君) 速記を始めて。
午前中は、これにて休憩いたします。午後は二時から開会することにいたします。
午後零時三十七分休憩
—————・—————
午後二時四十三分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/65
-
066・堀末治
○委員長(堀末治君) それじゃ、これから委員会を開きます。
ただし、次長からの先ほどの希望がございますので、この問題は非常に微妙な段階におりますので、速記はとってほしくないということでありますし、なお委員外の人にはお気の毒だけれども同席を一つお断りしてもらいたい、こういうことでございます。でございますから、はなはだ恐縮ですが、委員外のお方の御退席をお願いいたします。
それじゃ、これから速記をとめて、懇談に入ります。
午後二時四十四分速記中止
—————・—————
午後三時四十四分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/66
-
067・堀末治
○委員長(堀末治君) 速記を起して。
先般来、農林水産基本政策の件を議題として引き続いておるのでございますが、本日は大坪振興局長からいろいろ説明を聞くことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/67
-
068・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) 委員長の命によりまして、振興局の所管行政、特に三十二年度の予算のことに関しまして、時間も切迫しておるようでございますから、概要を御説明申し上げたいと思うのでございます。
振興局は、まず農業に関しまする各般の試験、研究、それに基きまして普及員を主体といたしましての農業改良普及事業、それに農産物の補助金、改良資金等によりまする助成施策によりまして、行政的な方法によりましての生産の増強、こういうことを中心といたしておりますが、昨年度より新たに新農村の建設計画を樹立いたしまして、これに基く施策を実行いたしたのでございます。同時に、海外移住に対しまする事業も振興局の所管と相なったわけであります。
このために、振興局に二部、研究部と普及部の二部と九つの課を持っておりますが、地方組織といたしましては、農業技術研究所、農業試験場、バレイショ原種農場等二十一の場所が置かれておるのであります。三十二年度におきましては、新農山漁村の建設計画を大幅に増額いたしますと同時に、その他の事業につきましても引き続き必要なる予算を計上いたしまして、その効率的な運営をはかって参りたいと、かように存じているのでございます。
振興局の予算の総額は、三十一年度は七十六億でありましたが、三十二年度におきましては八十六億見当を計上いたしておりまして、約十億円の増加と、かような格好に相なっております。
次に、その内容につきまして概略を申し上げたいと思うのでございます。 まず第一が、新農山漁村建設総合計画でございまするが、これは昨年度より実行いたしたのでございます。昨年は閣議決定に基きまして、新農山漁村建設総合対策要綱というものを、三十一年の四月六日にこれを実施いたしているのでございます。新農山漁村計画の考え方は、もう私が御説明申し上げるまでもないことでございまするが、適地通産の思想によりまして、いわゆる従来のようなただ単に上からの施策じゃなしに、農山漁村の実情に即しました総合的な計画、土地条件の整備でありますとか、あるいは共同施設の充実でありますとか、新しい技術の導入でありますとか、新しい機械の導入でありますとか、その土地々々におきまする実態に即した計画を、市町村長、農業団体長、青年の代表者、その他各般の関係の方々より計画を樹立してもらい、それに対しまして政府が助成をして参る、かような格好に相なっているのでございます。
で、新農山漁村計画は、いわゆる基本的な計画というものを樹立して参る。で、基本計画の中に、一般的な助成事業、これは農地関係でありますとか、あるいは林野関係でありますとか、水産関係でありますとか、いろいろ個別の補助金がございまするが、一般的ないわゆる補助事業、それから私の方で特に指定いたしまする特別助成事業、それから融資の事業、こういうような三つの計画を各町村におきまして具体的に樹立する、かような格好に相なったのであります。昨年度は計画地域といたしまして九百の地域を指定いたしたのでございます。同時に、五百三十六の特別助成地域をその計画地域の中から指定をいたすことに相なっておるのでございまして、これらに対しまして十三億の補助金を交付いたし、同時に、十億あまりの公庫の資金を融資して参る、かような格好に相なったのであります。三十二年度におきましては、この新農山漁村計画に対しまする各農村の希望が熾烈でありまするので、私どもといたしましては、これを大幅に増加をするという計画を立てまして、まず第一に、本年度五百三十六特別助成地域を指定いたしましたが、来年度におきましては、これを総数といたしまして千五百にする。新たに九百六十六の地域を指定する。これは御承知のように、二カ年継続事業になっておりますから、昨年におきまする五百三十六の地域は来年度も引き続き助成の対象に相なるわけであります。さらに、新たに九百六十六を指定いたしまして総計千五百とする、かような計画に相なったわけであります。そのために必要な補助金といたしまして、約三十億足らずの補助金を計上いたしておりますから、本新農山漁村計画に関しまする補助金の総額は前年度のほぼ倍、こういうような格好に相なるのでございます。なお、新農村建設計画につきましては、従来各方面よりいろいろの御批判があったのでございまして、特に特別助成の対象としまする事業につきましてあまりにこまかい基準を設け過ぎるというような御意見がありました。また、あまりに地方にまかせっきりで、いわゆる指導性がないというような御意見を承わっておるのでございまするが、これらにつきましては、本年度におきましては、そういう異なった二つの御意見を参考といたしまして、新しく助成の要綱を目下検討いたしておる、かような次第に相なっておるわけであります。これが新農村計画に関しまする概要でございます。
次に、特にこれは農山村等の後進的な地帯より非常に御要望の強い小団地関係の事業でございますが、これは三十一年度におきましては、三百五十の町村を対象といたしまして助成をいたしたのでございます。助成率が三〇%で、補助金は九十万円でございまするが、この小団地の事業は、三十二年度におきましては、新農村計画の中にぶっ込んでやったらいいじゃないかというような御意見もあったのでございますが、私どもといたしましては、特にこの小団地の事業は、何と申しまするか、特に農地条件の整備等のおくれている所をこの小団地の事業によりましてできるだけ引き上げて、その上でいわゆる新農村を建設して参る。従って、これはずいぶんと趣旨が違うのであります。ぜひ三十二年度もこれを継続するという主張をいたしまして、本年は三百の市町村を指定して参りたい、かように考えまして、約三億の予算を計上いたしているのでございます。その中に青森、岩手、岐阜の三県につきましては、冷害対策として、一部七カ村ほど実行して参りましたが、残りがありますので、これは同様に三十二年度でその残事業を実行して参る、かように考えているわけでございます。
次に、農業改良資金制度でございまするが、この制度は昨年国会において御審議を願いまして、通過いたした制度でございます。従来からいろいろと問題のありました少額補助金等を整理をすると、と同時に、できるだけ農業生産力の減退を来たさないように改良資金の一つの骨といたしまして、技術資金を無利子で貸してやる。もう一つは、農業協同組合系統機関等におきまして、相当の余裕金がありまするが、これがなかなか農家の必要とする資金に回らないで、他の方面に回るというような傾向がありましたので、これに対しましては、いわゆる県の資金特別会計が農家にこの改良資金として、改良資金の基金を運用いたしまして、貸し出しについて保証をすると、こういうような二つの骨をもちまして、昨年度より実施して参ったのでございます。
ところが、この制度の運用につきましては、実は当初からこれは全然予期しないでもなかったのでございまするが、地方におきまして、目下地方財政事情がきわめて窮屈でありまするので、予算の計上というものが、相当府県の予算の計上というものがおくれたということと、もう一つは、この資金の取扱いにつきまして、各県間におきまして、県内の調整が、均衡が事務の点につきましてとれなかった、こういうようなことで、相当程度この運用はおくれて参ったのでございます。しかしながら、ごく最近におきまして、近県の、主務課長を招集いたしまして調査いたしましたところ、ほとんど各県とも大体本年度内におきまして所期の目的を達成し得ると、こういうような段階に相なっているのでございます。
で、三十二年度におきましては、この事業を継続的に実施することにいたしまして、所要の予算を計上いたしておりまするが、総額におきましては、金額は減少いたしております。しかしこれは前年度の、つまり三十一年度の、今年のでございますが、返した金がその基金の手元に返ってくる、こういう関係におきまして補助金が減ったのでございまして、事業分量といたしまして、技術導入資金につきましては、前年度より少し上回った程度の事業が実施可能でありまするし、また施設資金におきましては、約三割程度の事業量の増加を期待し得ることに相なっておるのでございます。
なお、昨年におきましては、利子補給という制度が補助金としまして確立していなかったのでございまして、いわゆる基金の運用で、必要な利子を補給するということが建前であったのでございます。しかし、こういうようなことを基金の運用だけにまかしておきます場合には、府県間におきまして非常にアンバランスができてくる。建前といたしましては、利子補給をするということになっておりましても、府県間のアンバランス等の関係で、できないような県も実は出てくるような憂いがございますので、三十二年度予算におきましては、利子補給の補助金の制度を確立いたしております。もちろん金額は八百五十万円見当でございまするが、制度といたしまして、必ず利子補給をするという建前になっておるわけでございます。
次に、農産物の種子対策でございますが、これらにつきましては、品種改良の基本的な施策といたしまして、従来から各府県各府県におきまして、それに適応しまする品種を選定いたしまして、耕作組合等と県が中心となりまして、品種の配付計画、並びにこれに必要な補助金を計上して参っておりたのでございまするが、来年度におきましても、所要の補助金を計上いたして参っております。主要農作物につきましては、前年度より約一億三千万円ほど減額はいたしておりまするが、これは原採種圃の補助の単価というものを切り下げた。切り下げたと申しましても、一時のような、いわゆる差額補給というようなもう必要がなくなった、いわゆる謝礼的な意味合いにおきまして、これを交付してもらいたい、こういうような方式に切りかえましたので、金額自体としては減っておりまするが、種子の確保、優良種子の確保対策として支障ないものと、かように考えておるのであります。
それから特殊農作物につきましても、同様な方針によりまして、前々度に引き続いてこれを実施して参る。これに所要の予算を計上いたしておりまするが、これらにつきましては多少、特産物でありますので、年とともに変りますが、来年は特にこういうものにつきましての特別の施策をとって参りたい、かように考えておるのであります。
次に、畑作振興に関する問題でございますが、御承知のように、今までの私どもの農業の振興策といたしまして、畑作はえて軽んじられるといっては語弊がありますが、水田のような手厚い保護がなかったということは事実であろうと思うのでございまするが、世界の農業の事情等も勘案いたしまする場合に、どうしても畑作経営というものにつきまして、さらに一段と意を用いていかなくちゃならない、かように考えるわけでございます。
畑作改善につきましては、まず第一の要件は土壌の改良、こういうことにあると思うのでございますが、これには、いわゆる心土耕、混層耕等の土層の改良、こういうような施策を強力に取り入れる必要があると思うのでございます。昨年度は、特殊土壌地帯にトラクターを一台、並びに畑地を主としておりまする府県十一県に対しまして、同様トラクターを助成して参ったのでございますが、北海道並びに寒冷地を除く一般の内地の各府県にも、昨年度と同様機械を助成して参ると同時に、本年度は新たに耕作用のホイール・トラクター、これは心土耕、混層耕と違いますが、いわゆる耕作用の大型機械、こういうようなトラクターを十一セットだけ助成して参りたい、こういうように考えているのでございます。同時に、大豆の生産の振興をはかりまするために、大豆生産改善の展示圃施策を助成して参りたいと思うのでございますが、今日の大豆は、戦前の大豆に比べまするというと、品質並びに生産が相当落ちているようでございます。これにつきましては、その間試験研究、あるいは品種改良並びに助成等に、必ずしも十分でなかったというような点が考えられまするので、大臣は特に一つこれを抜き出しまして、三百カ所、大豆作の集中しております地帯に展示圃を設置いたしまして、それと同時に農薬の防除機具も併置いたしまして、大豆作の振興をはかって参りたい、かように考えているわけであります。
次に、寒冷地の問題でございますが、これは当委員会等におかれましても、寒冷地農業振興の対策を確立すべきであるというような御決議もあるのでございまして、本年度は特に一つの項目を設けまして、総額私の方の記憶だけで二億三千万円の予算を新たに計上しております。農地局等におきましても、これに見合う予算を計上いたしておりますが、まずその方策の第一といたしまして、ただいま申し上げましたように、寒冷地等におきまする土壌条件の改良ということがどうしても必要でありますので、トラクターを五十セット、これは国の予算で国で購入をいたしまして、道庁、並びに都道府県に貸す、こういうような新しい構想でございます。いわゆる府県に機械化センターを作らせる、こういうような格好になっております。で、そのほかにテンサイ関係の機械を五セット入れる。そういうような方法によりまして、まず土層の改良というものを、土壌の改良というものを主力において参りたい。これはもちろん畜産局の施策と見合うのでございまして、畜産局におきまして、ちょうど乳牛の導入をする、こういうような計画がございまするが、これと見合いまして、私どもの方におきましても、機械力によりましてまず土壌をよくする。同時に、機械力によりまして労力を節減をする。その余った労力をもちまして、家畜の導入をするという畜産局の施策と見合った施策をとることに相なっておるのでございます。
次に、寒冷地対策といたしましては、どうしても耐冷性の強い作物でありますテンサイでありますとか、亜麻でありますとか、こういうものを奨励して参る必要がありまするので、前年度に引き続きまして、テンサイに関しまする原々種、原種並びに採種圃の所要の補助金を計上いたしますと同時に、東北におきましても、これが果して経済的な農作物として成り立つかどうかという研究を、前年度もやっておりますが、本年度はさらにこれを強化して参りたい、かように考えておるのでございます。東北地方におきましては、私どもの実行いたしました試験研究の結果、まだ詳細に取りまとまっておりませんが、地方によりまして相当アンバランスがある。いい所は、青森県等におきましては非常にいい成績を上げている所もありますが、その他の県におきましては地域的にアンバランスがあるという点もございまして、これはもう二、三年試験研究を継続して参らなければいかぬ、かように考えております。
なお、寒冷地の農業振興といたしましては、試験研究を充実して参る、これがどうしても必要でございますので、北海道におきまして寒冷地関係の試験研究の施設を充実して参るために、所要の予算を計上いたしておるのでございます。テンサイにつきましては、これは北海道の農業の基本施策として今後もともに指導奨励して参る必要がございますので、工場設置につきましては、昨年芝浦精糖株式会社をして北見に工場を設置させることにいたしまして、目下工場建設をやっておるわけではありまするが、大体本年の十月中ごろからは操業可能である、かように考えておるわけでございます。
次に、植物防疫関係でございまするが、これは私どもの方におきまして、発生予察事業に対する補助並びに防除に対しまする補助、こういうような前年度よりの予算を継続して実施して参りまするほかに、全購連に対しまする農薬の備蓄並びに市町村に対しまする防除機具の購入補助は、前年度と同様実施して参りたい、かように考えておるのでございます。
次に、農村青年対策でございまするが、新農山漁村を建設して参りますためには、どうしても農村の青年の力というもの、実行力というものを活用するということが必要でありまするし、また二、三男対策等から考えてみましても、農村青年対策というものが必要でございますので、来年度におきましては、これが総合施策として、四千六百万円ほどの予算を新たに計上いたしておるのでございます。これは一つは、経営技術の研修をやる、技術的な研修というものを強力に実行する。大体対象といたしましては、一万人見当の者をこの研修の対象とすると、かように考えておるのでございます。
同時に、農村建設青年隊の事業を拡充して参る。短期間の農村建設青年隊を約二百カ村に新たに創設をいたしたい。もちろんこれは新農山漁村建設計画の特別助成事業及び一般助成事業の事業内容とにらみ合せまして、一面学習しつつ他面農村の建設に従事をする。私ども基本的な考えといたしましては、いわゆる労働力ということももちろん必要ではありますが、同時に、機械力その他科学技術的な面を強く農村建設青年班の教育の内容といたしまして、それによっての農村建設をやって参るとかように考えておるわけでございます。農村建設青年隊につきましては従来府県に二十五隊やっておりましたが、新たに二隊追加しておりますが、これは長期の建設隊でございまして、農山漁村の特別施策としての農村建設隊は短期間のものでございます。
次に、農業移住の問題でございまするが、これは昭和二十七年でありましたか、初めてブラジルに戦後移住が始まったのでございまするが、現在まで、ブラジルを主といたしまして、南米及び中米方面に六千名見当——これは前三十一年十二月末でございます。六千名見当の者を送り出しております。で、来年は九千人を送り出す計画に相なっておりまして、これに必要なる予算を計上することになったわけでございます。
農業移住に関しましては、外務省の方で送り出し以降のことは所管いたしておりまするので、農林省といたしましては、移住者の募集、選考、訓練並びに移住地の現地調査、こういうことが私どもの方の所管事項に相なっておりまするが、これらの募集、選考、訓練というものにつきましての事業は、海外協会連合会をして実施せしめておるのでございまして、これに対しまする補助金といたしまして千九百万円ほどの予算を計上いたしておるわけでございます。
次に、農業に関しまする試験研究でございまするが、農業振興の基本的な命題といたしまして、農業の試験研究が重要なこと、これは申し上げるまでもございません。特に前年度より、試験研究は最も重要な施策として、技術会議が新たに農林省の中に持たれたのでございますが、私どもの方といたしましても、技術研究所並びに地域試験場、及び補助の対象となっておりまする各都道府県の農業試験場でございますが、各研究機関の有機的な運営をはかりまして、これが成果を全うするような施策を施して参りたい。特に先ほども申し上げましたが、今後におきましては寒冷地の試験研究並びに畑作関係の試験研究はさらに一段と充実いたして参りたい、かように考えておるわけでございます。国の補助金も府県の補助金も少額でありますが、三十二年度は三十一年度より増額に相なっております。
なお、新たな予算といたしまして、各試験場に共同実験室を設ける。これは場所は三カ所ほどでございますが、二億五千万円ほどの予算を計上いたしておるのでございます。このほかに、技術会議の方で、これは農業関係ばかりじゃありませんが、林業、水産その他も含めまして、別途の予算として七億足らずの予算が計上になっておる、こういうように相なっておるわけでございます。
次に、農業改良普及事業の関係でございまするが、これは現在各府県に専門技術員と改良普及員を、これは生活もあわせてでございますが、置きまして、事業の推進をして参っておるのでございます。で、来年度におきましては、これらの普及員を維持いたしますると同時に、必要なるベース切りかえ等の補助金も計上いたしたような次第であるわけでございます。
で、普及員の今後のあり方といたしまして、現在はいわゆる中地区と申しまするか、普及員の駐在所といたしまして二千百八十六でございましたが、もちろんその数字は少し減っておりまして、二千足らずという数字になっておりますが、ここに駐在をいたしておりまするが、その後におきまする町村の合併等の事情を勘案いたしまして、普及地区の最終目標を千五百、こういうふうに考えまして、千五百を単位といたしまして、予算の組みかえをいたしておるのでございます。
普及員に対しましては、今後はいろいろと普及員の所掌しまする事務、たとえば改良資金でありますとか、あるいは自作農資金でありますとか、そういうような資金の取扱いを、農家の指導という面から関係をすることに相なっておりまするので、現在もその普及員の数が全体的に足らない。こういうような事情の上に新たな事業が相当加わっておりますので、第一には普及員に対しまして、オートバイでありますとか、スクーターでありますとか、そういうようないわゆる機動力の発揮できるような機具をできるだけ助成をして参ります。同時に、農業団体並びに市町村等の技術員と現地におきましてよく緊密に連絡をいたしまして、それらの方の力も借りる。こういうような施策によりまして、普及員の足らないところを少しでも補って参りたい。同時に、新農村建設でありますとか、畜産、園芸、こういうような、現在農村におきまして最も要求されているようなことに対しまする十分なる指導ができまするように研修を強化する。特に技術的な、専門的な研修を強化する。こういうようなことになりまして、普及員に課せられている使命を全うし得るような態勢を確立して参りたいと、かように考えておるわけでございます。
大体、私どもの方のおもな予算の項目といたしましては、以上申し上げたことでございまして、総額といたしましては八十六億、こういうふうな数字になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/68
-
069・河野謙三
○河野謙三君 ちょっと伺っていいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/69
-
070・堀末治
○委員長(堀末治君) どうぞ御質問を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/70
-
071・河野謙三
○河野謙三君 試験場の予算で、このいただいた資料によりますと、今年度は技術研究所と地域農業試験場の予算が十二億何がしになった。なお前年度は一億三千万円となっておりますが、そういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/71
-
072・大戸元長
○説明員(大戸元長君) それはおそれ入りますが、ミスプリントがございますので、御訂正を願いたいのでございますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/72
-
073・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) 前年度十一億でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/73
-
074・河野謙三
○河野謙三君 前年度は十一億何がしですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/74
-
075・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) 前年度と申しまするか、三十一年度はでございますね、十一億二千四百三十八万七千円でございます。三十二年度、来年度が十二億六百五十二万六千円、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/75
-
076・河野謙三
○河野謙三君 今局長は、農村振興の基本は試験研究から始まるのだ、この御説ごもっともだと思うのですがね。それについては、農林省の当初の要求はどのくらいであって、それが結論においてこうなったという、農林省としては試験研究には初めどのくらいの予算を要求したのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/76
-
077・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) 当初の数字はちょっと心に記憶できておりません。と申しまするのは、いろいろ何段階も折衝いたしまするので、それももちろん、これは調べてすぐわかりますけれども、あとで一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/77
-
078・河野謙三
○河野謙三君 今さら多いの少いのと言っても仕方ないけれども、十二億の試験場の予算、これをちょっとさらに分けて伺いたいのですがね。この十二億の予算のうち、人件費と事業費は、試験場はどういうふうな比率になっております……。大づかみの数字でいいですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/78
-
079・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) 試験研究費の人件費、事業費の割合の問題でございますが、これは御承知のように、ずっと以前は半々程度でありましたのが、ごく最近におきましては六、七あるいはそれ以下に人件費が減っているというふうな、概括的な大体数字に相なっております。本年度、三十二年度におきましては、人件費、事業費の割合がどうなるかということにつきましては、こまかい数字は出しておりませんが、施設の点は相当増額されておりますが、いわゆる人件費におきましては、ベースの引き上げがあった。ところが、事業費と申しまするか、事務費の点につきましては、旅費でありまするとか、あるいは研究に所要な機具、器材、大きなたとえば共同実験室を作りますとか、そういうようなやつは相当内容が充実しておりますが、ベース・アップ程度の増額というものが他方に、事業費の方に盛られていないということになりますので、前年度よりも三十二年度は少し悪くなるんじゃないか、かような大体ことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/79
-
080・河野謙三
○河野謙三君 そうすると、振興局の予算がふえておるけれども、振興局の中でも一番の中核体は試験場だと思うが、その試験場の予算が一億程度ふえたということは、内容を見れば人件費がベース・アップをされたということで、完全に事業費そのものについてはふえるどころか、減っているというような結果になっているのですが、そうでしょう。それじゃ振興局の予算がふえたということにはならないんじゃないか。
意見がましいことを言ったってしょうがないから、もう一つ伺いたいのですが、現在地方の試験場に委託研究といいますか、依頼研究といいますか、こういうものをしておりますね。これを何種類くらいやっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/80
-
081・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) 委託研究の費目は種子検定試験——たくさんございまして、どうもこれはよく数字を締め上げて、みなければわかりませんが、数百に上ると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/81
-
082・河野謙三
○河野謙三君 私は、今局長の記憶がないほど数が多いと思います。ところが、そういうこと自体が、私は地方の試験場を見ると、依頼研究をしている意味がないと思います。農林省自体が八地域、狭い日本で八地域に分けて、試験場を持っているから、この地域地域の特色は一つ一つの八つの試験場で出てくる。そこで農林省がじかにやられればいいのに、各県試験場に従来の惰性で検査の依頼をされて研究の依頼をされて、それの補助金をつけて、そうして各府県もまたわずかの補助金をもらって、おつき合いで県も予算を組んで、何だかわけのわからない農林省の試験場のまねごとみたいなことをして、何ら意味なく試験場の運営をやっているというようなのが、各試験場の実情です。だから、そこで私は、ここらへきたら、そろそろ各府県の依頼の研究というようなことはやめて、その予算をあげて農林省直接の試験場にぶち込んで、そうして徹底的に試験研究を充実する。地方の試験場は、農林省の試験場とは異なって、農事の普及、指導に重点を置いたものにするお考えはありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/82
-
083・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) 試験研究のやり方の問題でございますが、実は私は専門家じゃございませんので、あるいはおしかりを受けることになるかもしれませんが、大体基本的な試験研究というものは国の試験場でやる。ただその適性試験と申しますか、適用性の試験と申しまするか、国の試験場でやったのでは実地に即さない、その地域に適するかどうかわからないというような、地域々々に特に依頼しなくちゃならないような試験研究は、これは地方の試験場でやる、こういうような概括的な方針を立てまして、それを具体的技術的に組み合せまして実行いたしておるのでございます。従いまして、国の試験場で全部をやってしまうということは、これは事実実行不可能じゃないか、かように考えておるのでございます。同時に、府県の試験研究機関の中で必要なものは国に吸収したらいいじゃないかというようなふうにも受け取れまするが、これも実は定員の増加という問題にすぐひっかかって参ります。これもなかなか実行できない、さような格好に相なって参ると存じます。基本的な試験研究は国の試験場でやり、地域的なその地域々々に応用するような試験研究というものは地方でやる、こういう原則でやっておりますので、直ちに御意見のようなことに実行を移すということは、これは少し、もう少し研究を要するのじゃないか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/83
-
084・河野謙三
○河野謙三君 まあ局長さん、しろうととおっしゃいまして、私ももっとしろうとです。しろうとですが、各府県の試験研究所を一回り回ってごらんなさい。各府県へ依託している、あなたの方で数百といういいかげんなものを依頼して、わずかな補助金をつけて、それも金を全部つけてからこれだけ研究しろというのじゃない、少しばかり呼び水をくれて、何百というもちろんいいかげんな、数百というのだからいいかげんなものもあると思うわけですよ。それよりも、地域の特色によって、どうしてもたとえば私のいる神奈川県なら神奈川県でなければいかぬというふうな、そんなものをしぼっていけば、十五か二十ですよ。私はそれを整理しろというのです。八つ農林省の試験場があるから、東北、関東、近畿、北陸にあるのだから、その地域の特色が出ておる。そこで私が言いたいのは、もっと試験場の充実をするためには、国の予算を、地方の方へわけのわからぬ補助金を出していくよりは、そこに重点的にやった方がいいということを申し上げているわけです。私もしろうとですから、これ以上突っ込んで申しませんが、あなたの方も不勉強だから、もう少し勉強された方がいいと思います。各府県へ行って各府県なり試験場の声を聞いて、技術者の意見を聞けば、すぐわかる。
そうすると、もう一点伺いたい。農薬について、全購連の備蓄とかその他の農薬については相当補助助成していますね。ところが、国が農家に安い農薬を買わせるためにいろいろ補助助成しておる。ところが、農薬の価格について何らの農林省の方には指導力がないのだね。だから、私は、農薬についてのいろいろな国費を投じているにかかわらず、農薬というものの価格については全く無統制であって、このごろ景気がいいからもうかるのはけっこうだけれども、農薬業者がケタはずれにもうかっておる。ところが、あにはからんや、農薬については国が補助を出しているというのは、どういうわけですか。農薬の価格については、あまりもうけて暴騰したときには政府は何とかするということがあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/84
-
085・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) まず第一点の試験研究の問題でありますが、これは試験研究の対象が品種別に非常にたくさんこまかくございまして、その結果、それをさらに各地域心々に実態に即するようにやります場合には、総乗的になりますから非常に多くなって参ります、このやり方につきましては、いろいろ御意見も、まあわれわれといたしましては今後とも十分拝聴いたして参りたいと思いまするが、実は技術界の方で総合的にこういうことも根本的に検討するといったような格好になっておりますので、技術会議の方で私どもの方と一緒になって研究するようにしたいと考えております。
次に、農薬の問題でございますが、御指摘の通りに、価格問題等に対しましての施策が十分でないという点はお説の通りでありますが、実は、農薬等におきましては、いろいろ製造の方法等を承わってみまするというと、何と申しますか、きわめて簡単なやり方と、品質をよくするために、非常な精密なやり方と申しますか、そういうものがございまして、一律に価格をどうこうするということが非常に困難なものだというふうに考えておるのでございまして、国の施策の足らないという点につきましては、まことにこれは申しわけないと考えておりまするが、今後におきましては、できるだけ一つ増産をさせるということによりまして、農家の困るような価格にならないようなことはぜひ考えていかなければならぬ、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/85
-
086・河野謙三
○河野謙三君 これは、農薬の問題に限らず、振興局長、これはすべて政府が補助金を出し、または助成しておるという物資については、最終の消費者価格について、政府が何らかの規制を加えて、政府が責任を持つという前提に立たなければ、私は、補助金なんか出すべきではない、これは考え方、思想の問題ですよ。そういう考え方なり、そういう思想には共鳴されますか。補助金を出すんですよ。極端に言うと、国民の血税をしぼってこれを加えるんですよ。そうしておいたその品物がいかに商われておるか、いかに流通過程において資本家のおもちゃになっておるか、こういう形で、これを拱手傍観しておるのは無責任だと思う。それならば初めから補助金を出さなければいい。初めから政府が助成をしなければいい。助成する以上は、政府が監督指導する責任があるというのが、私の考え方の基本ですが、そうじゃないですか。むずかしいむずかしくないの問題は別だ。やり方がむずかしい、だから困難だというのはわかります。しかし、ほうっておいていけないということだけはわかりますよ。そうじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/86
-
087・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) 実は、農薬につきましては、全購連に対しまして、来年度も備蓄をさせる、それに対しまして補助金を計上する、予算を計上いたしております。しかし、これはできるだけ一つ補助の効率を高めますために、原材料で備蓄をする、製品で備蓄するよりも材料で備蓄をいたしまして、滞貨の少くなるのを期待をいたしておるわけであります。前年度の金額に比べますと、全購連に対しまする補助金は、農薬備蓄についての補助金は、相当減少しておる、こういうような格好になっておりますが、もともとこの農薬の備蓄の制度は、農薬の所要の時期、特に異常発生時期に需給が間に合わぬということになるのを防止いたしまするために、一定の数量をあらかじめ応急の場合に間に合わせるということを一つ大きな使命といたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/87
-
088・河野謙三
○河野謙三君 お話し中ですが、それを伺っておるのではないのです。は、価格について、成り行きまかせで私あっていいのかどうかということです。最近の農薬の価格というのは、農薬業者の生産費から見てあまりにも高過ぎる。こういう場合に、ただ黙って政府は見ているのかどうかということの考え方です。農薬の備蓄や何かのことを聞いているのではない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/88
-
089・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) まあ全購連の備蓄の問題は、多少目的が違っておりますので、御了承を願うということにいたしたいと思います。価格の問題につきましては、これはなかなか価格そのものをずばりと押えるというようなことは、まあいろいろな困難な場合も多いのでございまして、私どもといたしましては、もちろんそういう場合に異常な値上りをするというような場合におきましては、関係の業者等に行政的な指導を加えて参る、同時に、一つできるだけ増産いたしまして、需給の均衡のとれるような措置をとる、なお、外国からの輸入等も顧慮するというようなことがあると思いますが、ただいま御説のように、ただ単に農薬が上り過ぎる、特に補助の対象となっているものについて、そのような事態を招来するということは、これは行政的にとるべき策ではないと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/89
-
090・河野謙三
○河野謙三君 私は一言だけつけ加えるが、私は具体的な方法はあると思う。何も価格統制をやらなくてもいいと思う。価格を抑圧するためには、国内の増産が第一でありまするけれども、緊急の措置としては、たとえば国内の石炭が上れば、石炭の輸入をやるじゃないですか。鉄が高くなれば、鉄の臨時輸入をやるじゃないですか。外国の方が農薬は進んでいるじゃないですか。外国の進んだ農薬を緊急対策で一時輸入して、国内の価格を押えるというのはわけないじゃないですか。なぜそういうことをやらないか。そういうことをおやりになる御意思があるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/90
-
091・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) 需給逼迫のために価格が騰貴したというような場合には、当然先生のお話のような措置をとるべきものである、またとりたいと考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/91
-
092・柴田栄
○柴田栄君 新農村建設でこれは非常に重点的に取り上げられておるし、自主的に、総合的に農山漁村の振興に関する計画と並びに実施を推進する、こういうふうにおっしゃっておりますが、そういう場合計に、たとえば計画の樹立等について、実際にはもう少し計画樹立についてまで、積極的に技術的に、経済的に指導して計画を立てさせるということまで推し進めていただかぬと、非常に形式的な計画で出発するというような場合がある。またその計画も立たないために、申請もできないのだというような場合があって、そういう後進地域は一そうおくれていくというような事態が相当残っていると思うのですが、こういうことに対しては、一体もっと自主的に進めろということで、見ていないで、計画樹立にまで積極的な指導をしていただくお考えはないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/92
-
093・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) ただいま御意見の点は、まことに私どももその通り考えるのであります。一つは、計画に実情に沿うようにできるだけ準備期間を長く持たせるということが必要ではないかと思うのでございまして、そういう意味合いからいたしまして、来年度計画指定の町村につきましては、昨年の暮れごろから準備期間を置かせるという意味合いにおきまして、予備地域という方策をとりまして、大体お前の方は立地条件等から計画地域に指定し得る可能性があるから、具体的な計画をすみやかに立てるようにというようなことで、準備期間というものを、相当長くとることにいたしておるわけでございます、もう一つは、顧問団というものを道府県に設置をいたしております。この顧問団が各指定村を回って指導する、あるいは指定村の方から顧問団の方に特別の技術的な援助を受ける、こういうような、いわゆる計画につきまして、実情に沿うような指導を受けるということが必要でございますので、そういうような制度を実はとっておるのでございまして、これが運用につきまして、今後とも一つ十分に効果が上るように検討して参りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/93
-
094・柴田栄
○柴田栄君 よくわかりましたが、指定をする場合、あるいは予備期間を長くして準備をさせるための指定をするような町村の基準というものは何かあるのですか、計画がなかなか見通しが立たないと、申請する、あるいは指定を受けるということも困難だというので、後進性の町村はいよいよ残されていってしまうというような危険を感じているのですね。そういうことを救って、さらに一そう再建設を促進しなければならぬというような部面を救っていくということについては、何か特別の方法をお考えいただいておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/94
-
095・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) 農山漁村の計画町村として指定するという場合の基準につきましては、厳密にどういう基準がなければならぬというような意味の基準はありません。ただ、これは後進地域あるいは進んだ所、そういうようないろいろな事情を勘案いたしまして、しかも、これが全国の町村に及びまするように、まず、あらかじめ府県の方に、大体総指定村はこれだけの数字になるから、県の方で第一次選考をする意味で選定をしてほしいということを申しておきました。府県が一応第一次の選考をして農林省の方に持って参る、かような取扱いでございまするが、その場合に、府県におきましては、まず、指定となるべき町村がこういう計画を実行して参るのに条件がそろっている、その条件といたしましては、中心人物——町村長でありますとか、あるいは協同組合長でありますとか、あるいは中堅青年でありますとか、その中心人物がしっかりしておりまして、そうしてこの中心人物——人的な構成におきまして間違いがないということも一つの大きな、何と申しまするか、選定する場合の参考材料になると思います。同時に、これが事業を実行しまする場合に、多く農業協同組合の力にたよらなくちゃならぬと、そういう場合が非常に多いのでございまするから、睡眠組合ではちょっとその指定の場合に、事業執行という段階になりました場合につまり、こういうような事情でございまして、人的並びに経済的な条件というものが、この実行をしで参るのに支障がないというようなことは、少くとも最低の要件として必要じゃなかろうか、かように思うのでございます。先年度におきましては、従来からやっておりました農村計画で相当進んだ町村がございましたので、昨年度は大体もう計画を実行し得るというような町村だけを指定いたしましたが、今後におきましては、大体計画の指定が進むにつれまして、今年度あるいは来年度、五カ年日あたりには相当おくれた町村というものが対象になる公算が大でございますので、今から農業協同組合の再建とか、そういうような点につきましては、特に意を用いておかなければならぬのじゃないか。この点は町村当局等に対しましても強く私どもが要望いたすのでございます。つまり実行し得る、実行の対象になる団体が相当経済的な基盤がしっかりしておることが大きな一つの目安と、こういうような格好に大体なっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/95
-
096・柴田栄
○柴田栄君 御説明よくわかりましたですが、そこで、それによって新農村建設は進め得ると思うが、相当指導者の面においてはそれぞれ中心人物は、あるいはそれを奮起させてやるということができるとしても、現在のたとえば農協その他の団体が眠っているのだと、そういう基盤がないと置いてけぼりを食うのだということで、つまり、いつまでたっても救われる道がないと、あるいは呼び水もなかなかもらえないということになれば、そういう町村はさらに懸隔が大きくなってくると、国全体としては、そういう所をも、また特に眠っておるならば起してやるという手段を強く講じていただかないと、公平な政治にはならぬのじゃないかという気がするのですが、そこで、この予備段階というものに対して、もう少しこれもまた一つ力を入れていただくという——これは新農村建設の総合計画外になるかもしれぬが、あるいはしかし、予備とすればないこともないと思うのだが、そういうことに対して、今後特にお考えをいただくという意向はないかどうか、一つ御意見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/96
-
097・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) 新農村の指定につきまして、三十二年度、つまり来年度等はさした支障はなかろうかと思いますが、私どもの計画といたしましては、三十五年度までには少くとも全部指定を終ると、全国四千五百くらいの見当に大体農林漁業金庫がなるのじゃなかろうか、かように考えておりまして、三十五年度には少くとも全部指定する、こういうようなことにいたしておりまするから、四年目、五年目あたりは、御説のような事態が予想されるわけでございます。で、これは実は、いわゆる農林行政の総合施策によりまして実行して参る以外には実はその方法はない。で、小団地等の問題も、そういうような含みもございまして、できるだけ一つ山間等の生産力の低い町村を主体として土地条件の整備を待つと、なお協同組合等につきましては、再建整備でありますとか、そういうような各般の施策を施していく。で、府県におきましても、大体三十四年、五年になりますと、回ってくる町村があらかじめ予見できるという事態になりますので、これは事前の措置として、ただいま申し上げましたような農林行政全般についての総合的な施策を施しますると同時に、それでもなお指定した場合に、事業の遂行し得るような能力が生まれてこないというような事態が予見されまする場合には、あるいは事前の必要な措置をとりますると同時に、なおいけないという場合には、いわゆる補助金等につきましては、融資の率を増すとか、あるいは助成の単価を上げるというような方法も検討しなければならぬじゃないか、かように一応予見されるわけでございまして、これは今後の問題として、十分一つそういう場合を想定して検討してやって参りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/97
-
098・仲原善一
○仲原善一君 ただいまの新農村建設の問題に関連してお尋ねを申し上げたいと思うのですが、その一つは、最初局長がお話しになりました通りに、非常に重点施策でございますが、適地に通産と申しますか、その町村に適したいろいろな振興の計画を立ててもり立てていくというお話でございます。全くわれわれとしましては同感でございますが、しかし、農林省でお示しになっておるいろいろの融資なり補助の対象になっている事業が少し狭過ぎて、これがほんとうの意味の適地通産にならぬではないかという気持が一ついたします。これは、事業の種目はそれぞれ示されておりますけれども、これ以外に実は具体的には町村では希望している事業がたくさんございます。一例を申しますと、簡易水道というようなものがございますが、これは農村の特に婦人の労力を節約して生活改善に非常に役立つ一つの事業でございますけれども、そういう重要な一つの事業が、この新農村の計画の事業の中から落ちております。その他数えたてますとたくさんございますけれども、ただいまのお話の通りに、昭和三十五年までにはほとんど全町村を指定するという意気込みでやっておられるようでありますので、もう少しこの補助なり助成、それから融資の対象になる事業の範囲をふやしていただきたい。しかも、ほんとうの民主的に下から盛り上る、その土地に適当した事業というものを弾力性のある考え方が採用していただく意思があるかどうかをまず第一にお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/98
-
099・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) ただいまのお話は、特別助成の対象になる事業費目が非常に限定されておる、また、融資の対象になる費目が限定されておるという御意見かと思いまするが、先ほども申し上げましたように、確かに昨年度お示しいたしました要綱に基きまする補助の対象事業は、一面から見まするというと、御意見のような点がないでもないと考えるわけでございます。そこで、本年はあの要項をすみやかに修正いたしまして、もう少し実情に沿うように一つ修正もしたい、かように考えておりまして、目下振興局が中心になりまして、各原局と協議中でございます。おそらく、今までの見通しといたしましては、概括的なことといたしまして、あまりこまかいことを規定しない、こういうような形で実態に沿うようなふうに修正したい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/99
-
100・仲原善一
○仲原善一君 次に、ちょっとお伺いしたいのは、新農村計画の樹立に関連して、実は農林省以外に厚生省なり、あるいは自治庁で新町村、合併町村についての振興計画をそれぞれ立てておりますが、相当の関連をもって御指導になる意思があるかどうか。全く別々にそれはおやりになるのかどうか。それは総合的におやりになれば、非常に経費の節約なり、あるいは村にとっても総合的な建設ができるのではないかという意見を持っておりますので、その点は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/100
-
101・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) 新農村のまあ考え方と申しますか、指導理念といたしましては、農業に関しまする経済的あるいは社会的な立地条件を基本にいたしまして、その立地条件によって適当な区域を設定をする、かような考え方でおるのでございます。従いまして、これは必ずしも行政区域と一致する、かようなふうなことにはこれはならぬかと、かように考えられるのであります。ただ実際問題といたしまして、いろいろ実行をいたすのは地元の市町村なり協同組合でございますので、考え方の基本は違いまするが、実行段階におきましては、できるだけそれが市町村計画、あるいは農林漁業の振興計画が一体となって運営されるようなことになった方が望ましいと、こういうふうに私ども考えまして、その点につきましては、関係の省とも相談をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/101
-
102・仲原善一
○仲原善一君 それからこの一番背後に流れている問題で、やはり将来の農村計画を立てる場合に、潜在失業者と申しますが、二、三男対策の問題があろうかと思います。それでこれを織り込んで、新農村の建設は当然やるべきであろうと思いますが、先ほどの局長のお話しで、農業移民の問題がありますが、これとの関連について若干お伺いしたいと思います。先ほどのお話では、九千人の移民を考えたいというお話で、予算といたしましても千九百万円ばかりを海外移住協会に流して、移民の募集なり、言語なり、あるいは訓練なり、移住地の選択というようなことにお使いになるというお話でございましたが、海外協会なるものが、ほんとうは手足が末端になくて、非常にそういう点は宙に浮いているような私は気がいたしますので、最近農林省等でも御指導になって、全拓連と申しますか、全国拓殖農業協同組合連合会というものを設立をして、もっぱら農業協同組合を中心として、手足にして移民の募集なり、そういうことをやりたいという御意思があったように考えております。そういうものについての予算が果して組んであるのかどうか、これは新農村の建設にうらはらになる問題でありますので、その点の御意見なり、あるいはその措置についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/102
-
103・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) 移民の問題でございますが、これは私どもといたしましては、移民の九八%以上、ほとんど一〇〇%近くが農村の農民でございますので、少しでも一つ多く海外に発展せしめたい、かように考えておりまするが、受け入れ国との関係で一応の総数は、三十二年度におきましては九千名程度、こういう格好になっております。それで、これは受け入れの方の数を増すと同時に、送り出す方のそれをマッチさせる、ポンプの吸い出しとなんとの、そういうような関係になるわけでございますが、送り出しの方の関係は、私どもの方の、こちらの方から出す人間の募集の選考、こういうのは農林省の所管になっておりますので、海外協会にやらしてはおりまするが、なお、農業者一般のことについての啓蒙と、それからお互いの世話というものをやらせまして、送り出しについての姿勢を強化して参る必要がある、かように私どもといたしましても考えているところでございます。幸い、先年農業協同組合が中心となりまして、全国のただいまお話のござました全国拓殖農業協同組合連合会というのが結成されましたがこれの主たる仕事は、外地におきまする移民についての知識の啓蒙宣伝、つまり、外地事情の紹介、あるいは外国に移住した場合の心がまえ、こういうような啓蒙宣伝と、それからいよいよ移住いたしまする場合に、残った財産のお互いの世話でありますとか、いろいろ移住につきましては、引っ越して参るのでございまするから、いろいろの世話が要るのでございまするが、そういうような移住についての世話というものを一つの仕事の内容といたしておるのでございまして、これによりまして、内地側の送り出しにつきまして、従来ややともすれば農民についての、移民についての知識なり、経験なり、あるいは移民をやる場合の世話が足りなかった点をこれでカバーして参りたい、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/103
-
104・仲原善一
○仲原善一君 これの予算は組んであるわけでござい示すか、今の全拓連ですか、あれには。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/104
-
105・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) これは、協同組合でお互いがそういうような仕事をやっているという建前でありまするので、海外協会連合会の中にはっきりした態勢といたしまして、総額幾らという金額は組んでおりませんが、今後の予算の運用といたしまして、いろいろな政府の仕事をやってもらうという必要がありました場合に、関係の費目から各種の団体に出すような場合に、その仕事の内容によりまして必要な場合には出す、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/105
-
106・千田正
○千田正君 今の御質問はまことに適切なことだろうと思いますが、お答えを聞くというと非常に内容が消極的でありまして、この予算の内容を見ましても、昨年は六千人、本年は九千人出すというのに、予算の内容を見ると、わずかに三百万足らずしかふえていない。三百万円では足りませんよ、三千人ふえたのでは。こんなことで積極政策ができるかということを私は質問したい。あなたももう少し積極的にこういう問題を考えてもらいたいということ。ただいまのお答えのうちに、内地を張るに当って、その財産の跡始末その他に対して、農林省としては、あとを片づけるについてはみるということですが、きのう、きょうの新聞で御承知のように、愛媛県のある人たちが移住するに際して、自分の所有地を売却したところが、大蔵省から直ちに税金をかけられて、不当だというて、不当じゃない、普通の財産の譲渡と同じような税金をかけられて旅費にさえ差しつかえる、こういうことが新聞に出ておりました。これではちっともそこまで手が届いていないのじゃないか。局長にお尋ねしますが、各国の移住の状況の資料を大体あなた方御調査なさっておると思いますが、イタリーにしましても、ドイツにしましても、スペインにしましても、移住する場合において、その国の国策は——移住民に対する方針は御存じですか。御存じであったならば、きょうでなくてもよろしいのですが、そういう資料をわれわれに提供していただきたい。昨年は六千人、今年は九千人、三千人ふえるのに対して、わずかに三百万円足らないところの予算で、かゆいところに手が届くような親心のように移住の政策が立てられるかどうか。これは一考どころじゃない三考もお願いしたいと思います。来年の予算に対して、ただいまもお話のありました拓殖農業協同組合連合会というものができたとするならば、それに対する予算の確立というものをはっきりしてもらいたい、各国との受け入れ状況、それらの資料も提供していただきたい、かように思いますので、今私がお尋ねしたうちで、特に将来移住する人間の跡始末はあなた方、真剣にやるかどうか。それから調査あるいはその他に対して、わずかにこれだけの予算では移住先の調査にも不足すると私は思いますが、予算に対するところの別の考えを持っておるかどうか、この二点をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/106
-
107・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) 諸外国におきまする移住の政策の実況につきましては、後刻、私どもの方でできるだけの資料を取りまとめて提出したいと思います。
それから移住に関しまする国庫補助金でありまするが、これは千九百万円と申し上げますのは、農林省関係だけの予算でありまして、このほかに外務省では相当の予算を計上いたしておるわけであります。私どもの方では訓練と募集の補助金だけを計上いたしております。お話のように、私どもの方の施策といたしましては、十分かゆい所に手の届くようなお世話も目下のところつきかねておりますので、農業協同組合が中心になりまして、先刻お話のありました拓殖農業協同組合連合会を組織しまして、これが中心となりまして、財産の世話とか、いろいろなことを今後強力にいたして参りたいと思っておりますが、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、正面から幾らの金額ということにはなっておりませんが、いろいろな仕事をやってもらうので、私どもといたしましては、三十二年度予算が成立いたしましたならば、その中からある程度の金額は出したいと、かように考えております。なお今後とも御意見のように、移住に関しまする施策は十分でないと思いますので、予算、機構その他の点につきましても、できるだけの努力をしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/107
-
108・千田正
○千田正君 今、私がちょっと参考までに申しましたが、あなたにも新聞で御存じかもしれませんが、具体的に起った事情ですから、これを同じ政府内で、現岸内閣が政策の一つとして海外移民ということを考えておるのならば、財産を処分したものが、ちょうど遺産相続と同じように、ほとんどその大半が税金として押えられておる、そのため旅費の予定がつかないというような状況にあるのです。今、こういう問題に対しましては同じ政府部内ですから、農林省、外務省が一致して大蔵省との間に話し合いをつけられるような方法をとっていただきたい。そうじゃなかったらとても渡航などできませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/108
-
109・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) ただいまの問題は、移住をするために所要の資金を獲得する手段として土地を手放し、それについて多額の税金を取られたということになりますと、これは当初の目的が実行不可能になるというようなことも考えられますので、よくその点実情を調査しますると同時に、制度的にも一つ研究いたしまして、そういうことのないように、今後一つ努力をして参りたいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/109
-
110・島村軍次
○島村軍次君 今の移住の問題は、千田さんから御意見が出てきた過去の事情もあり、資料としてお調べになっておるものがあろうと思いますから、出していただきたい。
それから今の御説明を聞いておりますと、振興部長はだいぶお忙しいようですが、移住の問題については、もっと一つ積極的にやってもらいたい。まあたくさんな例をみな御存じだろうと思いますが、そこで、拓殖農協の問題も、最初の構想ではブラジルあたりで土地を買い入れて、そうしてそれにもっていって移住する、それに二、三男対策を予定して、その移住費なり、向うでの農業資金を拓殖農協で貸し付ける、その引き受けは、つまり長男がやるというような考えもあったように伺っております。大体お聞き及びであろうと思いますが、これはやはりいろいろな金融ベースの関係がありましょうから、なかなかうまくいかぬと思いますが、もとよりこういう問題についても、たとえば産業資金とか、あるいは一般の国民の農林省関係の資金でもです、出し得るような道を将来も考えるべきじゃないか、私はこう思うのです。これはあとの御研究で一つやっていただきたい。希望を申し上げておきます。
簡単ですが、ちょうどいい機会ですから、この間兵庫の視察に参りましたときに、例の姫路の試験場の問題がありました。そこで農林省の御決定に対してかれこれ申し上げるわけじゃないのですが、あとの処分について、どういうお考えをお持ちになっておりますか、一つ承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/110
-
111・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) 姫路の試験場の移転の問題は、地域試験場としてこれが整備を目下着々実行いたしておりますが、その過程におきまして、さらに地域試験場の完成と申しますか、合理性を推進して参るために、三十二年度に所要な経費を計上いたしまして、引っ越しの計画をいたしたわけでございます。これは大体二カ年で引っ越すという計画になっております。しからば、残った姫路の試験場の跡地をどうするか、これが第一の問題であろうかと思いますが、この点につきましては、今後県当局とも十分に一つ相談をいたしまして、今までいろいろ地元からも応援を受けておりますし、そういうようなつながりもございますので、これは地元側の期待を全く裏切るようなことのないように十分な措置をとって参りたい。その方法としては、わが国におきまする農業機械化のセンター、これは試験研究の一つの項目でございまするし、また姫路の今の試験場を兵庫県の試験場の分場等に活用して参りたいというようなことも一つの施策ではなかろうか、かように実は考えておりまするが、これは、いよいよこれが二年間にわたりまして実行されますので、その過程におきまして、地元側の今までの応援と申しますか、そういうようなことにつきまして期待を裏切るようなことがないように十分な施策をとって参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/111
-
112・清澤俊英
○清澤俊英君 この予算を見ますと、だいぶ寒冷地帯の振興対策が、北海道並びに東北やら、いろいろ予算に盛ってありますが、私は積雪寒冷地対策に対しては、もっと根本的な試験研究がやられなければならないのじゃないか。それについて、昭和九年の冷害対策として、一応新庄の積雪試験場などが取り上げられましたが、それが最近は農林省関係に移されて、総合農業研究所の支所か何かになっておりまして、わずかに係員が三名ぐらいでやっておる、こういうような状態だそうですが、これは農林省だけの問題ではないでしょうが、もっと根本的な積雪の問題あるいは寒冷の問題等が気象を通じ大がかりに研究されるべきじゃないかと思われるのだが、今はほんの存続しておるというだけで、経費もろくろく与えられないで、三人か四人の係員がごそごそ何かやっておる、これでは本当の積雪寒冷地対策というものができないのじゃないと思うが、その点どうお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/112
-
113・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) 積雪寒冷地の試験研究の重要なることは、これはもう申し上げるまでもないのでございまして、私どもといたしましては、今後これを大いに一つ重視して参りたい、そのために岩手県で新たに高冷地の試験研究を始めるということになっておるのであります。従来からありました試験の研究所——新庄の問題がございましたが、これにつきましても、できるだけ内容を充実して参りたい、かように実は考えるわけでございますが、新庄だけにつきましても、すぐそれを廃止するとか何とかということは、なかなか困難でございますが、御意見の点もございますので、配置転換等も今後研究していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/113
-
114・清澤俊英
○清澤俊英君 今のところ、高冷地の試験研究というものは、何々植物とかというようなものを前提にしての研究だけを今しておる。もっと雪あるいは寒冷というようなものを、気象を中心にしたそういうものの現実の情勢といいますか、もしくはどうしてそういうものの害を防ぐかといったような研究がもっと進んでいかなければならないと思います。と言いますことは、昭和九年のあの冷害の後を受けて、そうしてたくさんの飢饉が東北方面を襲いました。そのあとで立てられた対策は、それが中心になったと思うのです。ところが、最近は農地解放等によって食糧が非常に農家の手に残るという関係上、飢饉なんてあまり起らない、こういうような関係上あまり忘れてしまって、最近行われている東北振興法なんというものを作ってやっておりますが、二百億の金を出して一つ事業を起すというようことで、現実を中心にした、表を走っただけで、根本に突き進んだことを研究しようということが全く忘れられている。いつまでたっても、新庄の試験場のごときはだんだん縮まるだけで、そういうものが忘れられておる。毎年同じことを繰り返している。なぜもっと根本的なものを研究して、寒冷地対策というものが提唱せられないのか、こういうことを考えるのでありますが、それはどういうようにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/114
-
115・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) 寒冷地農業の試験研究につきましては、ただいま北海道、東北、北陸、この三つの国立の三試験場におきまして、基本的な一つの研究テーマを取り上げまして、地域試験場が中心になって府県の試験場と協力して実効を上げて参っております。その試験研究の対象は、まず第一は、常冷性の気象を回復して参る、こういうことが基本原則の一つであろう、それから第二といたしましては、寒冷積雪地帯の畑作の振興のための試験研究を強力にやって参る、東北、北海道は相当畑地帯が多いのでございまして、この畑作関係の試験研究を重視して参る、それから第三といたしましは、寒冷積雪地帯の乾田及び水田単作地帯の改善こういうようなことがまあ一つの大きな項目となっておりまして、これを随時連絡いたしまして、基本線といたしましては研究を継続いたしまして、今日におきましては相当の成果を上げておる、かようなふうになっておりますが、なお、今後もこれはさらに強力に進めて参らなければならない。で、寒冷地関係の試験研究で、これはごく大ざっぱな数字でございまするが、国の機関でこれの試験研究に充当しておりまする金が三億八千万円程度でございます。都道府県に対しましては補助金として計上いたしておりますが、五千万円見当というものが、つまり国の三億八千万円と都道府県に対しまする補助金の五千万円というものは寒冷地の試験研究に充当されていると、かような現状に相なっておりまして、ただいまお話の新庄もこの数字の中に入っておりますが、なお、御不満の点もあろうかと思いまするが、私どもといたしましては、寒冷地試験研究は相当重視をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/115
-
116・藤野繁雄
○藤野繁雄君 日本の外貨関係からも、国内に砂糖の奨励ということは最も必要なことです。そこでテンサイ糖の問題が出てくる。そしてテンサイ糖の法律を通過させる際には、カンショ等も同一の方法をとるようにという要望をして、あの法律は通ったんであります。その後、政府はカンショ等に対するところの政策を考えられたかどうかということが一つ、また、鹿児島県の大島その他の問題からすれば、テンサイ糖も同じように価格の安定ということが必要だから、カンショ等からできたところのものもテンサイ糖と同じように価格安定の方法を考えられているかどうか、お尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/116
-
117・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) 砂糖、これはまあだいぶお話がありましたように、相当大量に外国から輸入しておりますので、できるだけ外貨を節約するという意味合いにおきましても、農家の経営安定という点からも、これは大いに奨励していかなくちゃならぬと、かように考えておるのであります。カンショ等は鹿児島県の主として島嶼部に生産をされております。これは現在までのところ、ほとんど黒糖という格好になっております。これの振興対策といたしまして、これはまあ御承知のように中小規模の工場設備で製造が行われておりますので、農家の手取りというような点から見ますというと、これを合理化するということがまあ必要じゃないかと、かように考えるわけでありますが、御承知のようにこれを白糖化するというふうになりますというと、相当の規模を持った工場を作る、かような格好になって参るのでございますが、立地条件等からいたしまして、その点がなお一つの事業の対象としては、これは今後研究を要すべき点が多々あると、こういうような格好になっておりまするが、この問題につきましては、私どもといたしましては、今後さらに検討を続けて参りたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/117
-
118・安部キミ子
○安部キミ子君 今までの説明の中で、漁業対策というものが一つも出ていないように見ますが、振興局じゃやらないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/118
-
119・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) これは実は、全体の問題といたしましては水産庁の所管でございますので、私の方は主としていわゆる純農業関係でございまして、水産関係は水産庁がありますので、漁村の問題等もそれに関連いたしまして水産庁の方で所掌いたしておりますが、新農山漁村のいわゆる総合計画におきましては、私どもの一応所管となっておりますが、これの具体的な実行につきましては、全部水産庁の御意見を承わってやる、かような格好になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/119
-
120・安部キミ子
○安部キミ子君 そうしますと、新農山漁村建設総合対策というその「漁」という字は要らないのでしょう。なぜ看板を掲げてありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/120
-
121・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) 農林省全体を取りまとめて新農山漁村建設の総合計画をやりますので、その関係におきましては、漁村が関係するわけでございます。三十一年度の五百三十四の指定村におきましても、漁村計画というものが相当たくさん入っております。共同施設でありますとか、そういうような計画が実行に移されておるのでございます。その部門だけが私どもの方の所管で、その他は水産庁の所管でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/121
-
122・安部キミ子
○安部キミ子君 それには予算は何ぼくらい組んでありますか。予算はないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/122
-
123・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) これは昨年は十三億、三十二年度、来年度は約それの倍の二十六億、総額で、いろんなものを合せますと三十億くらいになりますが、この中で各村々、と申しますと、たとえば海岸地帯の村でありますというと、農村計画、山村計画、漁村計画、一緒に村で計画を立てるわけであります。その場合に、漁村が村の大部分を占めているというような所におきましては、漁村の振興のための計画が最重点となってくる、それで山村が主たる村の、主力を占めている所におきましては、林業計画が出て参る、かような格好で、それは村々の計画を樹立する場合にその関係はまあきまって参る、こういう格好になるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/123
-
124・安部キミ子
○安部キミ子君 振興局という看板の建前から今お話がありましたように、漁村も入れての対策をお立てになるということには間違いないのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/124
-
125・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/125
-
126・安部キミ子
○安部キミ子君 それらのことについていろいろ研究したり、補助金を出したり、奨励したりという事業があると思うのですが、非常に漁村というものが軽視されて——軽視しておるというよりむしろ無視されて、実際には振興局というものには漁業対策というものはほとんどないと言っても過言ではないと思うのですが、どうなんですか。要らないのですか。振興局というものは漁業問題は今のお話ではあるようなことをおっしゃるのですが、全然ないのですが、一体ないのですか。しなくてもいいのですか。振興局はしないという建前なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/126
-
127・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) 漁業自体の問題、それに関連いたしまする漁村の振興の問題は、振興局ではなしに、水産庁の方でこれを所管するという役所の建前から、実はそういうふうな格好になっておりまして、私どもの方といたしましては、それはそういう点から考えますと、御説の通り、振興局という名前が、ちょっと官房という格好でその部門だけになっておるのでございまして、それはまあ御説の通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/127
-
128・東隆
○東隆君 私、たくさんあるのですが、一点だけシュガー工場の問題ですね、実は、私どもは道南に希望しておりましたし、そういうふうに進んでおりましたが、いろいろなことで北見に作られる、そして非常に混乱を起したりしておると思うのです。私は、これを正しい軌道に乗せるためには、どうしても道南に工場を建てなければいかぬと思うのです。そういうような点でどうお考えになっておりますか、それを伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/128
-
129・大坪藤市
○政府委員(大坪藤市君) テンサイ糖の工場建設の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、三十二年度操業と目標といたしまして、北見の方にシュガー工場を建設中でございます。道南の方に台湾製糖のほか工場を設置したいという希望がございましたが、その後見返り資金の事情、鉄鋼の値上り、その他の関係で一応台湾製糖の方は希望を一時中止しておるというような格好になっております。三十二年度操業を目標にどうするかという点につきましては、これは目下検討いたしておりまするが、台湾製糖の方は今までのところ、道南の方に工場を建設するというような強い要望は、私どもの方に案をまだ持ってきておりませんので、台湾製糖関係のシュガー工場は、現実問題として、本年も操業着手はできないのではないかと、かように一応考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/129
-
130・河野謙三
○河野謙三君 先ほどお尋ねしたことに関連して資料を要求しますが、各府県に研究の委託をしておりますが、それが何百種類かになるそうですが、はなはだお手数ですが、その種類と、それにつけておる題目別の補助金、これが一つ、それから農林省の予算はわかりましたから、各府県の試験場の予算というものはおわかりになっているでしょうね。少い所で三、四千万円、多い所は六、七千万円の試験場の予算を組んでおる。各試験場の予算並びに各府県別の農林省の地方の試験場に対する補助金、三十一年度のものはわかっておりますが、来年度のものは、あなたの方で委託されますね、それの種類別を一つもらいたい一。はなはだお手数と思いますけれども、私一つ勉強したいと思いますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/130
-
131・安部キミ子
○安部キミ子君 今の漁民対策、漁業対策ですが、これを振興局という看板において当然私は取り扱わるべき筋合いだと思います。ことに農林水産すべての立場から考えて、一番今谷間になっているところは漁業問題です。この沿岸漁業の漁民の問題は重大な問題ですから、これを当然私は振興局で取り上げてもらいたいと、これは要望します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/131
-
132・堀末治
○委員長(堀末治君) 本日は、これにて散会いたします。
午後五時四十五分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01319570305/132
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。