1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年三月十九日(火曜日)
午前十時三十九分開会
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出席者は左の通り。
委員長 堀 末治君
理事
重政 庸徳君
藤野 繁雄君
東 隆君
清澤 俊英君
河野 謙三君
委員
青山 正一君
秋山俊一郎君
雨森 常夫君
佐藤清一郎君
下條 康麿君
柴田 栄君
田中 啓一君
堀本 宜実君
小笠原二三男君
北村 暢君
羽生 三七君
上林 忠次君
千田 正君
北條 雋八君
衆議院議員
青木 正君
笹山茂太郎君
芳賀 貢君
政府委員
農林政務次官 八木 一郎君
農林省農林経済
局長 渡部 伍良君
農林省畜産局長 谷垣 專一君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
説明員
農林省農林経済
局金融課長 和田 正明君
食糧庁業務第一
部長 諌山 忠幸君
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本日の会議に付した案件
○森林法の一部を改正する法律案(内
閣提出)
○湿田単作地域農業改良促進法の一部
を改正する法律案(衆議院提出)
○昭和三十一年の災害による被害農家
に対する米穀の売渡の特例に関する
法律案(衆議院提出)(第二十五回
国会継続)
○農林漁業金融公庫法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/0
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001・堀末治
○委員長(堀末治君) ただいまから委員会を開会いたします。
まず、森林法の一部を改正する法律案(閣法第百六号)を議題にいたします。
この法律案は、昨十八日、内閣から参議院先議をもって送付、昨日当委員会に付託されたものでございます。
まず、政府から提案理由の説明を聞くことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/1
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002・八木一郎
○政府委員(八木一郎君) 森林法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
現行森林法は、戦時中及び戦後の乱伐による百十五万町歩の造林未済地と三十万町歩にも及んだ荒廃地に造林を推進するとともに、著しい過伐状態にあった民有林の施業規正によりまして、森林の復興をはかり、かつ、その生産力の保続培養と国土の保全を進めるため、昭和二十六年第十国会において旧森林法にかわって制定せられたものでありますが、その後現在までにおける実施の状況を見ますと、森林計画制度の整備によりいわゆる植伐の均衡をはかるための指導や規正が漸次効果を現わして参りましたことと、公共事業費による造林や治山事業あるいは林道、特に奥地林道の開設事業の助成などによりまして、造林未済地の解消も本年度末までには大略完了するに至り、山林復興の第一階程の目標はほぼ所期通りに達し得たのでありますが、今後は、林産物の需要増加に対応して、さらに一そう森林資源の保続培養とその生産力の増大に努力を続けなければならないと考えられる次第であります。
ところで、森林の伐採状況につきましては、毎年の生長量に比較しますと相当の過伐が行われているのでありますが、これを現在蓄積との相関関係によって考えますと、針葉樹に対する需要は今後とも引き続き相当に強いものと考えられます反面、広葉樹につきましては、薪炭需要が近年頭打ちとなっている等の関係から見まして、将来とも資源的にはさほど案ずる必要はないように考えられるのであります。
このように、資源及び需給の関係並びに現在まで伐採許可に対する申請状況等から判断いたしまして、針葉樹は従来通りに幼壮齢林の伐採規制を存続する必要があると考えられるのでありますが、普通林の広葉樹につきましては、この際伐採許可の対象から除外して事前の届出制に改めても支障がないと考えられますし、また反面、そのことによって林種転換を主体とする造林事業の推進を容易にすることができるとも考えられるのであります。またこの措置に伴い生じます事務上の余力を利用いたしまして、許可の回数を現行の年二回から四回まで増加いたしまして、森林所有者の便宜をはかり、伐採許可制度の運用の円滑を期したいのであります。
なお、わが国森林面積の約一五パーセントに当り、森林蓄積の約一〇パーセントを占める公有林が、林政を進めて参ります上にきわめて重要であり、明治以来しばしば特別施策の対象となったことは今さら申し上げるまでもありませんが、戦後の市町村財政の窮乏等からいたしまして、概していえば、一般の私有林に比べまして現在の立木蓄積が少く生産力が著しく劣っているのであります。かかる状況を放置しておきますことは、森林資源を活用する面からも、市町村の基本財産の造成という観点からしても好ましくありませんので、この際、その経営の振興をはかるために、適切な森林の経営計画を定めて施業を行うよう積極的に指導する必要があると考えるのであります。すなわち、公有林、特に市町村有林につきましては、自主的に経営計画を作成するよう指導奨励し、都道府県知事の認定を受けた経営計画に従って施業を行う場合には、それが森林区実施計画において特に定める一定の限度の範囲内において伐採せられる限り、伐採の許可制度をとらず、事前の届出によって足りることとし、その経営計画の作成に当っては、現在における市町村の財政事情及び技術能力等から見まして、市町村有林及び財産区有林につきましては、その申し出に基いて、都道府県知事が必要な調査資料を提供し、かつ、助言や勧告を行うようにすることといたしたいのであります。
さらに、林業技術の普及によって林業経営の合理化を促進し、農山村民の経済振興と、森林資源の保続培養をはかって参りますために、林業技術の改良指導がきわめて重要であることは申すまでもありませんが、従来林業技術普及員の従事しておりました林業技術普及に関する事務及び林業経営指導員の従事しておりました森林区実施計画の実行確保に関する事務をあわせて能率的に運営いたしますためには、これら両者を統合して一貫性を持たせるとともに、その資質の向上をはかることにあると思うのでありますが、このためにはこれらの任用資格の要件を明確にする必要があると思うのであります。
以上の理由によりまして、森林法に所要の改正をいたすこととしたのでありますが、以下その内容を要約して申し上げます。
第一に、普通林の広葉樹につきましては、従来許可制でありました適正伐期齢級未満の立木についてもその許可制度を廃止して、事前の届出制に改めることであります。
第二に、立木の伐採につきまして許可の申請ができる回数が、従来は二月及び八月の二回でありましたのを、三月、八月、九月及び十二月の四回に改めることであります。
第一だ、公有林、特に市町村有林につきましては、その経営の振興をはかるために適切な経営計画を立てるよう措置し、特に都道府県知事の認定を受けた経営計画に従って施業を行う公有林につきましては、立木伐採についての別ワクの許容限度を設け、その許容限度の範囲内において立木を伐採する場合には伐採の許可を要しないこととするとともに、都道府県知事は、経営計画の作成に関し所要の援助を行うこととすることであります。
第四に、制限林の立木について伐採の許可を受けた者が、伐採に関する施業の要件に違反して伐採した場合、都道府県知事は、その許可を取り消すことができるようにすることであります。
第五に、林業技術普及員及び林業経営指導員の名称を林業専門技術員及び林業改良指導員に改めるとともに、その事務の内容を明確にし、あわせて任用の資格を定めることであります。
以上が森林法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/2
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003・堀末治
○委員長(堀末治君) この法律案は、あらためて精査を行うことといたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/3
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004・堀末治
○委員長(堀末治君) 次に、湿田単作地域農業改良促進法の一部を改正する法律案(衆議院議員青木正君外五名提出、衆第十四号、予備審査)を議題にいたします。
この法律案は、去る十五日、当委員会に予備付託となったものであります。
まず、提案者から提案理由の説明を聞くことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/4
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005・青木正
○衆議院議員(青木正君) ただいま議題となりました湿田単作地域農業改良促進法の一部を改正する法律案に関しまして、提案の理由を御説明申し上げます。
この法律で湿田単作地域と申しますのは、常時排水不良であるために農地としての利用率が低く農業生産力が劣っているいわゆる低位生産地域でありまして、関東を初め各地方に広範に分布しております。
そこで、これらの地域の農業改良の促進をはかるため、昭和二十七年十二月、本法の制定を見た次第でありまして、本法施行以来昭和三十一年まで、農業改良計画に基きまして、団体営灌漑排水で約三万八千町歩、暗渠排水、区画整理、客土等の耕地整備事業で約三万六千町歩、小団地開発事業で五百町歩に及ぶ事業を完成し、相当の実績を上げて参りましたものの、その進捗度は全体計画から見ますると、およそその五分の一にすぎないのでありまして、今後なおすべき事業が多々残されておると言わざるを得ない実情であります。
由来これらの地域は、比較的気象条件に恵まれ、土地条件の整備に伴う経済効果は著しく、わが国経済自立の達成上きわめて重要な地位を占めるものであり、また新農村建設の上からも本地域の農業改良を促進するの要ますます大なる事情にかんがみまして、この際本法の有数期限をさらに四カ年延長いたしまして各般の関係事業をますます促進し、本法制定の所期の目的を達成するようにいたしたいと存じます。
以上が本法案を提出した理由でございます。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/5
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006・堀末治
○委員長(堀末治君) この法律案の審査は、後日に譲ることにいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/6
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007・堀末治
○委員長(堀末治君) 次に、昭和三十一年の災害による被害農家に対する米穀の売渡の特例に関する法律案(衆議院議員笹山茂太郎君外七名提出、第二十五回国会継続)を議題にいたします。
この法律案は、去る十三日、衆議院本会議において全会一致で原案通り可決され、衆議院から当院に送付、同日当委員会に付託されたものであります。
この法律案につきましては、すでに提案理由の説明を聞いておりますが、本日は、まず提案者から法律案の内容その他について説明を聞き、続いて審議に入ることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/7
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008・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) ただいま議題になりました昭和三十一年の災害による被害農家に対する米穀の売渡の特例に関する法律案でございますが、これはこの前、提案理由につきましては御説明申し上げた通りでございまして、昨年の北海道の冷害を初め、全国におきまして相当風水害等によりまして災害があったわけでございますが、これらの災害によりまして、従来米作農家であって非常に災害のひどいところの農家におきましては、飯米の確保が非常に重大な問題でございまして、これらの災害によって飯米の確保が困難になるといったような農家に対しましては、前例によりまして、これらの農家に対しまして、政府米を補給するということによって救済したいということでございます。
ただし、その場合におきまして、この政府米の売り渡しの価格の問題でございますが、これがこうした被害農家でありまするから、できる限り安いところの価格でもって売り渡さなければならぬのでございまして、これらの売り渡しの価格に関しましては、政府が特別会計から売り渡す場合におきましては、一つの基準があるのでございますが、特にこうした被害農家に対しましては、生産者価格をもちまして売り渡しをして参る、こういう考えでございます。第四条に、その価格につきましては、それぞれ北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県、富山県、石川県及び福井県等において生産されたものについては石当り九千四百七十円、その他の都府県において生産されたものにあっては九千四百九十五円というふうにして、生産者価格をもちまして農民の手に渡るようにという考えでございます。さらにまた、これらの被害農家に対しまして、外米を配給する場合があるのでございますが、この外米に当りましても、できる限り低廉な価格をもちまして配給したいというのがこの法律案の趣旨でございます。
そこで、現在の配給状況でございますが、これは御承知の通り、この考え方は、基本配給というものを確保するということに重点を置いて参っておるのでございまして、この基本配給について、これらの被害農家に対しまして、特配によって行うという考えでございます。なお、北海道等におきましては、すでにこうした被害農家に対する救済の一端としまして、現に代金の延納措置によるところの配給をいたしておるのでございますが、これらの延納にあわせまして、この安売りによって救済をしたいという考えでございます。
なお、この法律は、本来ならば被害のあった直後の昨年の十二月一日ごろから施行したいということでわれわれは提案したのでございますが、この前の国会におきましては、継続審議になったのでございまして、そうした関係から、実は救済の時期がおくれておるようなわけでございます。そういう趣旨から、先般の衆議院の委員会におきましては、この法律案の通過に際しまして、付帯決議が設けられまして、そうしてこれから中間端境期に向いまして、飯米に非常に不足をするという点も考慮いたしまして、従来の前例から見ますると、一カ月約四日分くらいの増配を行うのが至当である、こういう付帯決議がなされたのでございます。
これによって生ずるところの国庫財政に及ぼすところの影響でございますが、これはこの法律案を提案した当時におきましての予想におきましては、昭和三十一年度におきましては三千三百万円、昭和三十年度におきましては六千七百万円というふうに予想されておったのでございますが、最近の実情からすれば、これより若干下回るんじゃないかというふうに実は予想されるのでございます。なお、これらの国庫の赤字に属する部分については、財政法によって別途処理する必要があろうと存ずるのでございます。
なお、その他のことにつきましては、お尋ねによりましてお答え申し上げたいと存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/8
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009・堀末治
○委員長(堀末治君) これからこの法律案の審議に入りますが、御質疑の向きは順次御発言をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/9
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010・藤野繁雄
○藤野繁雄君 第一条に、「昭和三十一年の政令で定める災害」、こういうふうになっておるのでありますが、この「政令で定める災害」とはどんなものであるか。従って、本法の適用地域は、具体的にいえばどういうふうな地域をさしておられるのであるか、これをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/10
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011・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) その点につきましては、全国でいろいろ冷害その他風水害による被害があったのでございますが、私どもは、最も地方からも要望もあり、また重点的に実行しなければならぬという地方は北海道であると存ずるのでございます。内地の災害地方からは、これらの問題に関しまして、まだ具体的に強い要望があるということは出ておりませんのでございまして、これらの点については、なお、この法律が出ますれば、各地方からそれぞれ反響があると思いまするし、そうした地方の要望も十分加味して、政令の制定の際におきましては善処したい、こういう考えでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/11
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012・藤野繁雄
○藤野繁雄君 それから第二条の「災害による著しい減収」というのは、どういうふうな程度の減収を考えておられるのか。また「農家の飯用消費量に著しく不足する」というのは、どういうふうな程度を考えておられるのか、これをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/12
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013・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) この点については、こうした災害の救済手段の対象となる農家の認定の問題でございますが、これは平年作におきましては、完全農家であるけれども、こうした災害によりまして保有量が九カ月以上になったもの、こういうものが一つの対象でございます。また、準完全農家、これはまあボーダー・ラインの農家でございますが、保有量が災害を受けて六カ月以下になったもの、それから不完全農家にして平年作が六カ月以上余裕のあるもの、これが災害によりまして保有量が六カ月以上減収したもの、こうしたものをこれらの救済の対象にしたいという考えでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/13
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014・藤野繁雄
○藤野繁雄君 それから第三条です。「飯用消費量を基準として」と、こういうふうに書いてございますが、飯用消費量の基準とはどういうふうなものであるか、どのくらいの程度のものであるか。それから「農林大臣の定める数量」、こういうふうな点を具体的に一つ承わりたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/14
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015・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) 消費量の基準の問題でございますが、先ほどの説明で申し上げました通り、この法律の趣旨は、大体基本配給を確保したいというのが眼目でございまして、現在の配給は月十日分となっておりまして、その内訳は、内地米が八日、準内地米二日というふうになっておるわけでございます。そういうようなことを中心に考え、さらにまた完全農家に対しましては、現在一日一合の特配があるのでございますが、これらを一つの消費の基準量に考えて参りたい、こういうことに存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/15
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016・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうすると、一体何月何日からこれを実行し、何月何日までに終りたい、その配給の期間ですね、期間がいつまでであるか。そして第四条には、内地米と外米とが書いてあるが、内地米と外米との区分はどういうふうに考えておられるか、それを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/16
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017・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) この配給の期間は、法律の施行がもっと早ければよかったのでございますが、おくれたので、今の段階におきましては、四月一日から実行するよりいたし方がないと存ずるのでございまして、四月・一日から本米穀年度の十月末日まで、こういうふうに期間は考えておるわけでございます。
それから、この配給につきましては、これらの被害農家に対しまして内地米が八日、準内地米が八日、あわせて月十六日をこの法律の運用によって配給したいという考えでございます。
それから何でございましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/17
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018・藤野繁雄
○藤野繁雄君 内地米と外米との関係、内地米が幾ら、外米が幾ら……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/18
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019・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) 内地米はここに書いております通りでございまするが、外米につきましては、前例によりまして、こうした災害地に対するところの特別価格があるのでございますから、その前例によりたいという考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/19
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020・藤野繁雄
○藤野繁雄君 価格じゃない。十六日分ですね、十六日分だったらば、そのものの内地米と外米との割合……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/20
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021・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) わかりました。その点は、内地米が八日であって、準内地米いわゆる外米が八日分、合せて十六日分でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/21
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022・藤野繁雄
○藤野繁雄君 それから第四条の問題ですが、これはさっき、内地米の値段は書いてあるのでありますが、お話の通り、外米の値段はできるだけ安くと、こういうふうなことでありますが、そのできるだけ安くというのは、一体どのくらいの価格を予定しておられるのであるか、それをお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/22
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023・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) 準内地米については、一般の配給価格よりもトン当り三千七百二十七円ほどの割引といいますか、安売りになるのではないかと考えております。なお、詳しいことは、私より詳しい専門家がおりますから、お尋ねによりましては、食糧庁の方からお答えしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/23
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024・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうするというと、この法律が、さっきお話しのように、昨年度成立しておったならばいいのでありますが、おくれた結果、最初予定しておられた十月からという見当とおんなし結果になるように措置せられるように考えておるのでありますかどうか。それは別な言葉でいえば、さっきお話で四月一日から実施する、そうして本米穀年度だ、こういうことだったらば、その期間だけに最初の予定通りやられるのであるか。あるいは十月からであるから、十月から三月末日までの期間の数量は、あとでいわゆる四月一日からやるためによけいに数量を増して、そして被害農家の負担を軽減されるというお考えであるか、その点について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/24
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025・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) ただいまのお尋ねの点でございますが、当初十月一日から実行したいということで計画しておったのでございます。従いまして、おくれた分についてはでき得る限り、今まで苦労した何といいますか、救済もかねまして、おくれた分を四月一日から十月の末までの間に取りもどすというふうな考え方を持っておるわけでございます。ことに、これから端境期も近くなるに従って、非常に農家が苦んでおる状況でございますんで、そういうような点から、従来こうした場合におけるところの安売りの配給量は月十日分でございましたのでございます。しかしながら、この法律がおくれた関係におきまして、特に今回は、農林委員会としましては、十日分を六日間ふやしまして、十六日分にしたい、こういう付帯決議がなされたのでございまして、政府もその点については尊重するというお答えがあったのでございまして、私どもそういうふうにお願いしたいということを希望しておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/25
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026・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうすると、衆議院の方では、付帯決議のお話がありましたが、付帯決議によって見まするというと、「本法の成立が遅延した事情にかんがみ、政府は、本法施行の日から昭和三十二年十月末日までの間、被害農家に対し現行の特配分の外月四日分に相当する準内地米の配給ができるよう措置すべきである。右議決する。」と、こういうふうに決議しておられるのでありますが、果してこの決議のように実行が可能であるか、あるいは実行するというようなことに政府の方では考えておられるか、お伺いしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/26
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027・諌山忠幸
○説明員(諌山忠幸君) 今のお尋ねでございますけれども、衆議院におきましてそういう付帯決議がなされたわけでございます。政府におきましては、なお財政当局その他との最後的な打ち合せを終っておりませんので、付帯決議の通り四日分を確実に増配するというところまではいっておりません。今後お説に沿うように十分努力いたしたいと、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/27
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028・藤野繁雄
○藤野繁雄君 今食糧庁から答弁があったのでありますが、昭和三十一年度の災害による被害農家の被害の程度というものは非常に大きいのでありますから、衆議院農林水産委員会で決議されたことが必ず実行ができるように、政府においては特段の努力をお願いするということを申し上げて、私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/28
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029・清澤俊英
○清澤俊英君 笹山さん、十八口と言われたことが十九日となって、二つの日数が出ておりますが、あなたの説明の中に、今の藤野さんの質問の中で、どこでそう一日狂いが出たか。毎月外米が八日内地米が八日、合せて十六日分、これが固定配給がこういう場合になっているから、それに何かをつけて十九日分だと、こういう二つ出ているのですが、それはどういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/29
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030・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) 四月一日から毎月十九日分を配給したいというのでございまして、その中の内訳は、内地米が八日、純内地米が八日で、十六日であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/30
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031・清澤俊英
○清澤俊英君 十五日というのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/31
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032・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) 十六日でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/32
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033・清澤俊英
○清澤俊英君 十九日というのはないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/33
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034・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) 私の言い誤まりであったかもしれません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/34
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035・河野謙三
○河野謙三君 外米の八日、内地米の八日というものは、これは限度ですか。その範囲内において希望があれば配給する、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/35
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036・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) これはもちろん被害農家でございまして、これ以上の配給を欲するかもしれませんが、しかし従来の前例もありまして、この程度の救済にいたしたいというのが趣旨でございます。従いまして、限度であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/36
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037・河野謙三
○河野謙三君 そうしますと、希望のない農家がありますね。十六日でなくて、十日でいいとか、十二日でいいとかということがあります。場合によると、内地米を八日もらって外米は要らぬ、そういうことも考えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/37
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038・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) その点は、諸方の情勢については都道府県の知事が認定するわけでございますから、都道府県の知事の認定は農家の希望によって認定されるわけでありますから、その点はそう希望とマッチしないということはないと存ずるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/38
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039・河野謙三
○河野謙三君 この手続は全部、希望配給の形式によって出すのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/39
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040・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) 被害農家の方から、手持ちの保有量がこれくらいに減ったからこの制度によって運用してもらいたいというのが、当然都道府県知事を通じて取りまとめられると存じます。従って、一般の希望配給というあの制度とは、これは全然違うわけでございまして、そういう意味におきましては、希望配給ではなくて、飯米の基本的な配給量を確保したいというのが念願でございまして、希望配給というものとはこれは性質がちょっと違うんじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/40
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041・河野謙三
○河野謙三君 いえ、希望配給とは性質が違うわけでありますが、消費者から見て希望配給の手続によるのですか、それとも一般配給の手続によるのかということを伺いたい。手続はどこまでも消費者の希望によって出すのでしょう。米穀通帳等によって一般の配給の形式じゃなくて、希望配給によって出すのでしょう。だから、希望がなければ、八日と八日となっておっても、それが十日にもなり、八日にもなる。知事の認定のいかんにかかわらず、知事がどのように認定いたしましても、農家自体が希望しないということが出てくるのでないでしょうか。そうじゃないでしゃうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/41
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042・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) もともと、こうした農家は本来ならば配給を受ける資格のない農家が大部分でございまして、災害によって飯米が少くなった、その補給を国の方でやろうということでありまして、その取扱いについては、被害農家の方からこういうふうにしてもらいたいという希望があって、初めてこうしたことが取り運ばれると存ずるのであります。従って、その手続等につきましては、これこれを配給するというような今までの台帳式のものでないということは、これは考えております。その点については、河野さんのいわゆる希望配給といいますか、希望によってこれらの運用をして参るということについては一致いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/42
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043・河野謙三
○河野謙三君 私は少しものの見方がひがんでいるかもしれませんけれどもね。この八日、八日というのは、希望によってやるとおっしゃっておりますけれども、これを固定した配給日数ということになりますと、その受けた農家がそれだけの米が要らないので、これだけ安い米でありますから、横流しその他の弊害もこれは私は絶無とは言えないと思います。そういう点において、そういう弊害をできるだけ少くするために、いろいろな考慮が払われていると思いますけれども、そういう問題が絶対に起らないというだけのいろいろな手続上のあれが出ておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/43
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044・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) そこで、いかなる農家を対象とするかという認定の問題でございますが、単純に被害があったというだけでは、この対象にはいたさない方針で、従来とも運営されてきているのでありまして、その農家それぞれの、今回の災害によるところの減収状況を十分考えて、そうしてほんとうに手持数量が少くて食べるに困っている農家を認定するのでございまして、まあ、さような弊害といいますか、副作用というものは、これは絶無とは言えませんから、そうした監督問題については都道府県知事が責任を持ってやっていただきたいというふうに、われわれは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/44
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045・河野謙三
○河野謙三君 もう一点、外米の配給価格の何が出ておりませんね、外米の。これは農林省に伺った方がいいと思いますが、この場合には内地米の価格は出ていますが、外米の価格は一体幾らになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/45
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046・諌山忠幸
○説明員(諌山忠幸君) 先ほど笹山委員からおっしゃいましたように、大体私どもが外米について数字を考えます場合には、現在内地米の基本の配給は、御承知の通り、十キロ当り七百六十五円になっていますが、それに対しまして、準内地米が七百五十円でございます。そういうような同じ割合で、内地米の政府の売却価格にかけたようなものをすでに考えて参りますと、それだけ安売りになるわけでございます。そういう考え方からいきますと、大体石当り五百円程度のもので、トン当り三千七百円ぐらい引いて売ることになるのじゃないか。従来外米を売っております場合にも、内地米と外米との差を内地米の下げた額にかけて外米の価格に直す、その割合でやっておりますので、その程度のものを下げた率に提出することになるのじゃないか、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/46
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047・河野謙三
○河野謙三君 そうすると、内地米八日と外米八日、半々という原則になっておりますが、内地米から起る国庫負担と外米から起る国庫負担と、どちらが多くなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/47
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048・諌山忠幸
○説明員(諌山忠幸君) これは内地米の方が大体四千七百円ぐらいになりますので、準内地米の方は三千七百円ぐらいでございますから、千円ほど内地米の方の国庫負担が多くなる、こういう勘定になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/48
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049・河野謙三
○河野謙三君 しかし、それは政府の平均計算であって、本来被害地である北海道とか東北とかいう所は、外地米が内地の港に着いてからの諸掛りが非常にかかっているでしょう。農林省の原価が高くなっているでしょう。だから、そういうふうな算術平均で出てきたのでは、実質にならぬと思います。現実に、たとえば北海道なら北海道の外米の単価、東北なら東北の外米の単価というものを、現実にそろばんではじいた場合には、どうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/49
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050・諌山忠幸
○説明員(諌山忠幸君) お説の通りでございます。私どもが今売っております準内地米の価格は全国一本の価格にいたしておりますので、そのコスト計算を地帯別にやって参りますというと、これは北海道まで相当運賃もかかるということは、今私ども調べは持っておりませんけれども、普通東京から北海道の港に着く場合もございますけれども、北海道の港に着きます場合に船賃もいろいろかさんで参りますし、そういうものを見ますというと、やはりトン当り運賃が二千円ぐらいかかりますので、普通は東京あたりで考えますよりも二、三千円高いものになるのじゃないか、こういうふうに考えますけれども、私どもといたしましては、内地全般で同じ価格で売るという原則から、その価格からどれだけ引いて売るかというその分だけが、今度安売りによるところの政府の財政負担である、こういうふうな見方をいたしておりますので、そういう地帯別のところまでは計算をいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/50
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051・河野謙三
○河野謙三君 笹山先生なり芳賀先生に伺いますが、私は、今の御説明によりましても、かりに北海道で外米を食べる場合には、今の政府の計算の販売価格でいきますと、政府の財政負担は、内地米を北海道の農民の希望によって与えた方が、外米を与えるよりは負担は軽いのですよ。それを、いたずらな観念論にとらわれて、何でも外米と内地米と半分々々だということでなしに、北海道の農民の場合には、外米を配給するより内地米を配給する方が、国の負担が軽くなるなら、そういう八日、八日ということにとらわれる必要はないと思うのですが、そういう点は提案者はどういう御意見を持っておられますか。これは国が負担をするのですからね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/51
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052・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) 実は私どもも、北海道の農民の希望からいいますと、内地米を多くしたいと思っておったわけでありますが、政府の手持操作の関係といいますか、そうした関係におきまして、八日分は、半分は準内地米にしてもらいたい、そうした強い要望がありまして、そういうふうな需給操作の関係上やむを得ないとすれば、それは仕方がなかろう、こういうふうに私たち妥協したわけでございまして、気持といたしましては、農民の希望からいっても、内地米を配給したいという考えは御同感でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/52
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053・河野謙三
○河野謙三君 私は、農民の希望とか何とかいうことじゃないのですよ。これだけ国が国庫の負担において救済してやろうという以上は、国としては、救済しながらも、国の負担が幾らかでも軽いことをいろいろ考えなければいかぬでしょう。農家も内地米を希望するのだ、国の経費においても、負担においても、内地米をふやした方が負担が軽いというならば、その道を選んだらいいと思う。何も今内地米の操作が非常に苦しいことでもなく、またこの数量も微々たるものであるから、かりに北海道の農民が、八日の外米を全部削ってこれらを内地米にしたからといって、今の内地米の需給関係に何の影響はない。それによって国の予算が軽くなるということであれば、どうしてその道をとらないか。芳賀さん、特に北海道の事情は詳しいのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/53
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054・芳賀貢
○衆議院議員(芳賀貢君) 河野さんの御指摘の通りですが、実は北海道は平年時においても消費県になっているので、基本配給をやる場合の原則が、やはり内地米が現在八日、あるいは準内地米が四日という、その基本の上に立っておるのです。ですから、その原則的な消費県に対する配給の基準がきめられているので、特に被害農家のみに対して優遇するということもどうかという観念が一つあったのです。しかし、御指摘のように、国の財政面からいった場合は、むしろ内地米を重点的に配給した方が、被害者も喜ぶし、また国の見地から見てもいいということであれば、でき得れば、なるたけ行政的な措置でそういうように実現できれば、それ以上のことはないと思います。そのようなことを一つ政府の方に強く要求しますと、あるいは実現できるかと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/54
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055・河野謙三
○河野謙三君 食糧庁の方もそういう計算はこまかくできていないようでありますが、これは一つ提案者の方でも政府と十分御相談なさって、ただ北海道の一般の配給が半々になっているのであるからというようなことで、いたずらにとらわれないで、御検討を私は希望いたしまして、一応質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/55
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056・東隆
○東隆君 私は、今河野さんの発言で、衆議院の方から付帯決議が出ておりますが、そのうちで「特配分の外月四日分に相当する準内地米の配給ができるよう措置すべきである。」と、こういうふうになって、付帯決議の案文が純粋の純でなくて準備の準の字になっているようですが、従って私は、今の河野さんの発言を一つこの際生かして、われわれの方では一つこれを純粋の純に直して付帯決議をつけたい、こういうふうに考えておりますが、これはあとで御相談願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/56
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057・堀末治
○委員長(堀末治君) ちょっと速記をとめて。
午前十一時二十七分速記中止
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午前十一時五十三分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/57
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058・堀末治
○委員長(堀末治君) それでは、速記を起して。
これにて暫時休憩いたします。午後は一時から再開いたします。
午前十一時五十四分休憩
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午後一時四十三分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/58
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059・堀末治
○委員長(堀末治君) 午前に引き続きまして、委員会を開きます。
これより農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出、閣法第八号、予備審査)を議題にいたします。
この法律案は、去る十四日の衆議院農林水産委員会において全会一致で原案通り可決されて、遠からず本会議を通過して当院に送付される見込みでありますので、きょうから審議を始めることにいたしたいと存じます。
この法律案につきましては、すでに提案理由の説明は聞かれてありますので、本日は、まず政府当局から補足説明を聞き、続いて審議に入ることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/59
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060・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) それでは、ただいま議題となりました農林漁業金融公庫法の一部改正案の説明を補足して申し上げます。
昭和二十六年の四月一日に農林漁業資金融通特別会計が貸し出しを開始いたしましてから、公庫の融資総額は千四百五十六億円になります。お配りしてございます資料を見ていただけばいいと思います。そうして三十一年度末の融資残高は九百九十六億円をこえる見込みでありますことは、先ほどの提案理由の説明に申し上げた通りであります。右の貸出金の原資の構成は、ここの「出資金及び借入金年度別一覧表」この表で見ていただきたいと思います。三十一年度末の状態を見ますと、一般会計からの出資金が四百二十六億七百万円になります。これ、ちょっと合計が入っておりませんが、一般会計出資金を二十六、二十七、二十八、二十九、三十年、これを合せますと四百二十六億七百万円、三十一年度末の合計を今申し上げておるわけです、今この表には書いておりませんが。それから産業投資特別会計からの出資金が七十六億二千六百万円、そうして合計が、三十一年度計画の累計のところで見ていただきますように、五百二億三千三百万円。それから三十一年度末において金利の伴う借入金は、産業投資特別会計から二十六億二千三百万円、資金運用部から五百九十二億七千百万円、簡易生命保険及び郵便年金特別会計から五十五億、合計六百七十三億九千四百万円となる予定であります。(「合わないじゃないか」と呼ぶ者あり)これはマイナスを引いて、合計をとっておりますから……。
三十三年度の予算では、三十二年度予定の欄で見ていただきますように、産業投資特別会計から七十億円の出資、資金運用部からの借入金が六十三億、簡易保険及び郵便年金特別会計からの借入金が百十七億、合計二百五十億、それに回収金を百億見込みまして、貸付の原資としては三百五十億円を予定しております。三百五十億円は、この農林漁業金融公庫三十二年度貸付予定計画表、それの三十二年度予定額の一番下の総計、この内訳が、今申し上げましたように、前の表の出資金と借入金と回収金百億を合せたものになっているわけであります。
この農林漁業金融公庫昭和三十二年度貸付予定計画表、この計画の内容を前年度と比較して御説明申し上げますと、この表の通りであります。前年度は二百九十億になっておったのであります。従いまして、総体として六十億の増加となっております。まず土地改良費の関係では、前年度百十三億で、本年度百十九億、六億余り増加になっております。これはおもな理由は、耕地の改良の補助事業の費用がふえましたので、それに見合いまして、自己負担分の増ということになります。林業関係は三十四億六千六百万円、昨年は三十三億七百万円で、一億五千九百万円の増加になっております。そのおもな理由は、伐採調整資金の貸付対象といたしまして、保安林を取り入れたことによるのであります。次に漁業関係では、昨年は三十一億七千八百万円で、ことしは三十三億四千八百万円、一億七千万円の増加になっております。このうち漁業災害復旧の費用から四千万円が減りましたが、漁船にレーダーとか漁群探知機等の新しい科学装置を搭載する事業を新しく取り上げる等によりまして、実質上二億円余りの増加ということになります。締めて一億七千万でありますから、このうち災害復旧の分が四千万円減少しておりますから、それを実際使える分としてはほかの費用でふえますから、実質上四千万円ふえるということになります。塩業関係は十七億でありまして、昨年に比べまして二億ふえております。これは新規の塩田開発に伴う必要経費を計上しているのであります。次に共同利用施設でありますが、三十一億二千三百万円であります。前年度に比較しまして四億三千二百万円の減少となっております。これは農業施設の大部分、それから林業施設、水産施設、畜産施設等の一部が新農山漁村建設総合対策のワクに組みかえられたためであります。そのかわり、寒冷地対策費等がかわりに入っております。新農山漁村建設総合対策は二十六億三千五百万円といたしまして、十一億三千五百万円の増加になっております。これが、先ほどの共同利用施設から一部組みかえますと同時に、新農山漁村建設総合対策は第二年度に入りますので、計画の増加をあわせて含んでおります。
それから小団地が昨年三億で、ことしは二億六千五百万円、三千五百万円の減少になっておりますが、これは小団地の補助金が減りまして、それに見合って減っているのであります。次に主務大臣の指定施設六億四千万が六億、四千万円減っております。これは農業改良資金制度に振りかえられた対象がありますので、それに見合ってこちらから落したものがあるのであります。この中で、実際は内容は相当減るべきでありますが、約四億五千万円を畜舎、サイロに振り向けまして、それはその中の二億が寒冷地対策として新たに設けられたことになっているのであります。
〔委員長退席、理事藤野繁雄君着席〕
実質的にはこの費目も相当増額されたことになっております。それから次に自作農維持創設の金でありますが、昨年二十五億で、本年度は五十億になっております。これは自作農資金も三年目になりますので、これの運用等につきましてもようやくなれてきたのでございます。旺盛な資金需要に対応して増額をいたしまして、小農対策の万全を期したいと、こういうふうに考えるのであります。それから主務大臣の指定災害復旧、それから奄美大島はそれぞれ前年通り三億、一億というものを計上しております。開拓関係につきましては、昨年八億をことし十億にいたしておるのであります。これは主として寒冷地対策による増ということになっております。
なお、そのほかに、従来の成績に見まして、あまりワクをやかましくいいますと必要なところに出ないということが、従来の経験からいたしましてありましたので、約十五億を予備費にとりまして、そのつど、それぞれの需要に応じて各費目に追加交付ができる準備をいたしておるのであります。
以上の貸付計画に基きまして貸付を実行するために要する三百五十億円の原資のうち、七十億は政府の産業投資特別会計から出資金になっておりますが、出資金につきまして公庫法上資本金の額を明示することとなっておりますので、法律第四条、政府の出資金を、四百七十六億七百万円を五百四十六億七百万円と改めるのが、今度の法律になっているのであります。
なお、借入金の分は予算上の措置で足りますので、金額を法律上明示しないことになっているのであります。また現在までに政府から国庫に対して出資のあった金額四百七十六億七百万円のほかに、日本開発銀行からの債券の償還に伴いまして、政府の産業投資特別会計から出る出資があったものとされた金額二十六億二千六百万円、これは前の表の二十八年度、三十年度の産業投資特別会計の金額の合計になりますのを加えますと、公庫の登記済みの資本金は現に五百二億三千三百万円であります。三十二年度に七十億を加えますから、実質的な公庫の資本金は五百七十二億三千三百万円となるのであります。
以上、明年度の公庫融資の概略、この法律案に直接の関係あります事項につきまして、御説明申し上げました。御質問があれば……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/60
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061・藤野繁雄
○理事(藤野繁雄君) ただいまからこの法律案の審議に入ります。この法律案について御質疑の向きは、順次御質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/61
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062・清澤俊英
○清澤俊英君 七十億を増加して五百七十二億ということでございますね。これを見ますと、「第四条中「四百七十六億七百万円」を「五百四十六億七百万円」に改める。」となっておりますが、どっちがほんとうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/62
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063・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) いつ言ったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/63
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064・清澤俊英
○清澤俊英君 今です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/64
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065・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) それじゃ言い間違いです。六億です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/65
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066・河野謙三
○河野謙三君 いただきました資料の回収状況一覧表、これを説明してもらいたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/66
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067・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これは、それぞれの資金に貸付条件として割賦額があります。それから一部繰り上げ償還額があります。予算の方は、初めの方はやはり年賦の約束通りでありましたが、三十年度あるいは三十一年度では、一部繰り上げ償還のものも見込みまして計上いたしております。しかし、実際には繰り上げ償還額が相当ふえまして、三十年度等では相当ふえております。三十一年度も、ここにはまだ実績は出ておりませんが、百十億ぐらいになるのじゃないか。もうちょっとたってみないと、はっきりと締め切りができませんが、今の推定では百十億ぐらいは繰り上げが出るのじゃないか、こういうように思っております。それから承継のやつは、先ほど申し上げましたように、復興金融公庫からの借入金等の引き継ぎがあるわけであります。その分を計上いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/67
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068・河野謙三
○河野謙三君 この予算額と実績というのは非常に大きく狂っておりますね。これは大体御説明があったのですが、どうしてこんなに大きく狂ってくるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/68
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069・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これはやはり繰り上げ償還、私の方では、予算額として繰り上げ償還は初めから予定して計上するわけにはいかぬわけです。一応約束の予算額を計上するわけです。それが実際こういうふうに繰り上げ償還が出ておるわけなんです。二十九年、三十年、三十一年は百億になっておりますが、二十八年、二十九年、相当災害があったので、これだけ出ておる。だから、地方によって、被災地区とそうでない地区との収納状況が違ったのじゃないか。いい所は返ってくる、逆に災害を受けた所はあるいは延びておる。今、六ケ月以上の延滞になっているのが約十五、六億になっておりますが、一方ではそういう所があると同時に、何といいますか、農作物の収入が相当確保された所はどんどん繰り上げ償還ができる。こういうわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/69
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070・河野謙三
○河野謙三君 そうすると、あれですか、繰り上げ償還その他こういうふうに回収状況がいい反面、期日に回収のできない分も相当あるわけですね。それを差引いたとしますと、どのくらいになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/70
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071・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) ですから、昨年の秋、大体十五億ぐらい六カ月以上延滞になっておる金額があります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/71
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072・河野謙三
○河野謙三君 差引いたしますと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/72
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073・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) だから、それをこれから差し引けばいいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/73
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074・東隆
○東隆君 個々の貸付予定計画表をながめてみたときに、今までのやり方が、補助金と金融の関係と二つ相待って、農業政策の方面における大きな眼目にしておったと思うのですが、その場合、補助金関係が次第に整理をされていく場合に、立ちらの方が当然多くなっていかなければならないのではないか。そういうような関係をながめてきたときに、改良普及の関係の基金制度と相待って、どういうようなふえ方をしておりますか。それはわかりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/74
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075・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 先ほど御説明申し上げましたように、主務大臣指定施設の中に入るというもの、これらは相当改良基金の方に入っております。改良基金の方は改良基金の方でふえております。それに、本来ならば、先ほど申し上げましたように、主務大臣指定施設の相当大きい部分がそっちへいっているわけですが、かわりに、畜舎、サイロ等が冷害対策施設等の関係でまたこっちに追加された、こういうような格好になっております。質的な関係では、やはりこまかい補助金に相当するものは相当ふえてきているのではないかと思います。それから総体で見ていただきますと、
〔理事藤野繁雄退席、委員長着席〕
公庫の貸出額それ自身も年々ふやしてきているわけであります。ことしは昨年の二百九十億に比べて三百五十億と、相当ふえてきております。ただし、お説のように、補助金をいきなり金融にかえるという問題は、これはなかなかむずかしい問題でありまして、直接の振りかえは、公庫の金よりも改良基金の金の方が、補助金を基金の方に振りかえる、こういうふうに御了解願った方がいいのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/75
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076・東隆
○東隆君 私は、農地改革後における共同経営であるとか、あるいは農業の近代化、機械化、こういうものを中心に考えたときに、この金融公庫でもって貸付をするものは、共同組織を中、心にして大きくのしていかなければほんとうのものが出てこない、こういうふうに考えるのですが、そういうような意味で、金融公庫がそういう役割を果しておることはよくわかるのですが、この主務大臣の指定施設という関係、これがやはり個々のものを対象にしておるのではないかと思います。こういうようなものは、おのずから別途な考え方に立つべきではないかと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/76
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077・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 主務大臣指定のもので現在残っているのは、畜舎、サイロと葉タバコ乾燥室です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/77
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078・東隆
○東隆君 漁網だの何だの……、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/78
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079・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) それは漁業の方で残っているわけです。これは何といいますか、借入者の業態が違いますから、漁業、農業、林業によってそれぞれ借り入れの主体に多少の差異を認めているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/79
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080・東隆
○東隆君 漁船の方は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/80
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081・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 共同利用施設の中に、水産の分が一つあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/81
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082・東隆
○東隆君 今のものは、共同利用施設の中が分れるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/82
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083・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 共同利用施設の中を農業施設、林業施設、水産施設、畜産施設、蚕糸施設、電気導入施設、その他、こういうふうに一応分けております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/83
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084・東隆
○東隆君 今のように分れて、それが共同施設、共同利用施設でありますと、何か共同の組織を通して出るもののように考えますけれども、何か個人に行くものが中に含まれておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/84
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085・和田正明
○説明員(和田正明君) 今の東さんの御質問、合成繊維漁網の問題だと思いますが、それは主務大臣指定施設というのが三十一年から、法律改正をいたしましたときに、この委員会で皆様の御要望がございまして、個人に対する合成繊維漁網の貸付、組合が自営をいたします場合の合成繊維漁網と、二種類の融資ワクが別々に組んであります。実際は需要が組合の自営の方に出てくる場合もあるし、個人の方に希望が出てくる場合もあるし、実態によっていろいろ動きますので、それを一本のところへ、共同利用施設のところに計上するという御要望がございましたので、そのように予算措置を本年度からいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/85
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086・東隆
○東隆君 私はやはり、共同利用施設の中に、個人の利用に対する融資、これはやはり分離しておいて、そしてやはり共同の組織を大きく活用さしていくような形に融資をすべきじゃないか、こういう考えを持っております。その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/86
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087・和田正明
○説明員(和田正明君) 一応個人が使います場合と組合が使います場合とは違いますから、法律の制度論としては、お話のように、主務大臣指定施設という項で貸すわけでありますけれども、予算ワクとしては共同利用施設の方に一本といたしまして、漁協転貸という形で実行いたしております。漁協を通して貸すということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/87
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088・東隆
○東隆君 ここのうちの自作農維持創設資金は、昨年の実績は、私は予定額よりも相当進んでおるのでないかと思いますが、それで、この見当はどのようになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/88
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089・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 昨年は冷害対策等の関係で、当初二十五億に対して十九億余りを追加しました。四十四億余りになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/89
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090・東隆
○東隆君 私は、この自作農維持創設資金のワクが二十五億ふえておりますけれども、この資金の要請からいくと、必ずしも多いワクでないと思うのですが、これに対してどういうような御見解をお持ちですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/90
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091・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 今までの貸付状況等を勘案しますと、五十億は相当の金額になります。やはり年賦償還計画を立てて手続をふまなければいかぬということになりますから、貸付の審査等についても、三年目ですから、非常になれてきましたけれども、相当な金額だと思います。昨年度のやつは、冷害対策で急に十九億ばかりふやしたわけでございます。そういう点も考慮いたしますと、まあ相当潤沢な金額と思います。しかし、私の方では、先ほど申し上げましたように、予備費も取っておりますし、どうなりますか、三十年度、三十一年度の作柄が非常にいいのでありますから、百十億の償還予定が多少まだゆとりがあるんじゃないかと思いますが、そういうものも勘案いたしまして、年度の進行に応じて、それぞれの費目の要望度合を見まして、それらの金で調整をしたいと、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/91
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092・東隆
○東隆君 私は、全国的にも農家の負債が相当ふえておるんじゃないかと、こういうような考えを持っておるのですが、この場合、特別融資をやることによって、長期資金によって借りかえをするというようなそういう資金源ですね、そういうものはまだ考えられておりませんから、従って、農家に対するそういう資金源として、この自作農維持創設資金ですね、これを相当量拡大をする必要があるのじゃないか、こういう考え方を持つと同時に、予備費が十五億ほどございますから、これを一つできるだけ活用ができるように、この際組みかえをしてもらいたいと、そういう点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/92
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093・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これはあくまで予備費で取っておるのでありますから、年度の進行に応じてそういう点は十分考慮いたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/93
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094・重政庸徳
○重政庸徳君 この金は土地改良、林業、漁業、塩業その他共同でやっておるものとなっておりますが、これは申込額の何パーセントくらいが決定額になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/94
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095・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 本年度の貸付状況を見ますと、今までのところでは、費目によっては相当余裕を残しておるところもありますから、今、三月十日で細め切りまして、支出調整をやっております。これは三月一ぱいで過不足を調整して、余っておるところから足りぬところへ回わすと、こういうことになっております。これは初めのときには、何といいますか、非常に熾烈な要求がありまして、ものによっては申し込みの半分にも割当が満たないというような状態でありましたが、二十六年からもう相当の年数を経てきておりますから、ことしの状況としては、あるいは豊作の関係で繰り上げ償還をし、あるいは手元の金の余裕もあったということもあるのかもしれませんけれども、割にゆっくりしておりましたです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/95
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096・重政庸徳
○重政庸徳君 ところが、そういう質問をしましたのは、たとえていえば、土地改良の事業をとってみても、必ずしも事業者は満足する金がいっておらぬ。いわゆる補助金の八割が限度になりますが、工事ができる金が行っておらぬようにも思う。今は県の財政も御承知のような状況であるし、たとえていえば、この補助金を差し引いた額の八割を限度として貸すのだが、それが六割とこうなった場合に、県も苦しいから、県の方に取ってしまうのですよ。で、たとえて土地改良でいえば、県営事業、団体営事業とこうあるのだが、いわゆる町村がやる団体営事業、この面が非常に悪い、県の方へ取ってしまうものだから。そういう例がある。ところが、そういうことはできるのですか。貸付の手続決定等はどういうようにおやりになっておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/96
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097・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) この公庫の発足当時では、土地改良等四割から五割くらいの自己負担分の要求に対して貸しておりました。三十一年度は、十分言いなりに貸しましても、まだ余裕が相当出ておるような状況であります。今お話しの、県の方が公庫の金をほかへ回すということは、正当なことではできないわけでありまして、もしそういうことがあるとすれば、具体的に御明示願えますれば、私の方で調査いたしたいと思っております。補助金をどっちかへ県の方で回す、あるいは補助金を一時県金庫の中へ入れて、それをほかへ融通する、これは県としてしばしば聞くところでありますけれども、公庫の借入金の方は団体に直接行きますから、そういうことは起り得ないことと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/97
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098・重政庸徳
○重政庸徳君 私は、どこの県にあったということを言うのではないのだが、確かにあったのです。私はそれに遭遇したのです、そういう陳情に。それで農林中央金庫に行ってお話ししたのですが、そういうことが確かにある。たとえていえば、県営事業及び団体営事業に五割五分なら五割五分とこうなった場合に、その率を県営事業の方が早く取る。それで団体営の町村事業の方は率が非常に下って、とにかく事業ができぬというような状況が生ずるのですよ。この点は一つ、あるいは正当なことじゃないだろうと思うのだが、注意してもらいたいと思います。こういうことが現在あったのだから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/98
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099・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) ちょっと私誤解しておりましたが、県に対する割当のうち、県営部分に優先的に取って、団体営の方をあとにすると……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/99
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100・重政庸徳
○重政庸徳君 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/100
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101・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 今年三十一年度では、県の世話する係官の方で遠慮して申し込まなくて、そういうことがあったとすればあり得るのですけれども、今年は相当ゆっくりしているから、どんどんむしろこちらの方で計画分は早くやれ早くやれといって、今年は非常におくれておりましたぐらいでありますから、いつのことになりますか……。しかし、私の方でよく注意します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/101
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102・重政庸徳
○重政庸徳君 これは、農林漁業金融金庫は農地事務局長に全責任を持たしておるのじゃないですか、この割当及び率に関しては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/102
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103・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これは農地事務局の方から意見書をとります。しかし、こまかいものについては、あまり一々農地事務局の方が詳しくはタッチしていないと思います。大きいものは相当やかましく言っておると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/103
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104・河野謙三
○河野謙三君 ちょっと、もう一つ伺いたいのですが、この資金の流し方は、中金を通すのと、それから一般金融機関を通すのとありますね。これは一体両者どのくらいの比率になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/104
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105・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 一般金融機関は二弱になっております。あとは八を中金と信連に半々。中金を通さないで、信連に直接貸しております。それから中金を通して貸しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/105
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106・河野謙三
○河野謙三君 その場合の手数料は、一体どのくらいになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/106
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107・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 両方とも同じでありまして、平均しますと、丁六余りになっておると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/107
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108・河野謙三
○河野謙三君 一・六%。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/108
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109・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) ええ、一分六厘。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/109
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110・河野謙三
○河野謙三君 それで、その一・六%の手数料を取られる中金なり金融機関というのは、責任はどの程度持っているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/110
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111・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 二割を持つことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/111
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112・河野謙三
○河野謙三君 貸付に対して、もし回収不能の場合には二割を負担する。過去の実績からいきまして、回収不能というようなもので、実際に中金なりその他の金融機関が負担した部分が、どれだけありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/112
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113・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 先ほど申し上げましたように、貸付残高で千億ばかりの中で、六カ月以上延滞しているのが十六億程度でありますから、まだそういう最後の手段をとっておるものはありませんです。これからの問題になってくると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/113
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114・河野謙三
○河野謙三君 そうしますと、大体において回収状況は非常によろしいわけですね。当初二割の負担をさせるという前提で、その手数料を一・六%と計算された当時の基礎数字と、回収状況というものは予定したよりもよかったということになれば、その手数料というものについては再検討するというようなことになるのじゃないかと思いますが、そういうふうなまだお考えはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/114
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115・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 三十一年度に一分九厘から一分六厘に下げたわけです。それで、今後の問題としては、今の貸出残の管理で、公庫の管理方法を少し変えなければいかぬのじゃないか、こういう問題が出てきます。公庫の支所をブロック別に作って、一方では大口のものを直貸しして、それと同時に、今までの貸し出しの監督もやっていこうと、こういうことも今研究しております。そういうものとにらみ合せて、将来の手数料なり金利の問題はあわせてやろうと、これは三十二年度の課題に残しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/115
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116・河野謙三
○河野謙三君 私は、まだこまかい数字を検討しておりませんけれども、ごく大ざっぱの議論ですが、大体今の中金の経営の余裕のある業態、こういうものから見まして、この資金の手数料のみならず、中金の手数料全体について。もう少し農林省は検討される必要があるのじゃないか。特にこの議題とは別でありますけれども、災害の資金等中金を通しますね、こういう場合の中金の手数料等につきましては、大いにこの際検討しなけれどいかぬのじゃないかと思うのですが、これは一つ、もし検討されたものがありましたら、別に資料でいただいてもけっこうですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/116
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117・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 中金の金利自体は、昨年一分下げまして、この四月からまた五厘下げます。従って、原資は八分五厘になって末端で一割、二十九年度当時に比べて一分五厘安くなる。さらに、この一般金利低下の傾向に関連して、今の中金の何といいますか、相当大きい部分が、つまり四百億近くの残高が中金を通して出ているわけですが、お話のように、その部分による利益というものは、中金としても相当大きいわけです。従って、これらの調整を、公庫の手数料を減すことによって中金にどう影響いたしますか、それから今のままにすれば、さらに中金全体の大きい金利が総体としてどれだけ下っていくか、こういう私の方としては、公庫の貸し出し金利それ自体も、今災害の五分五厘から七分五厘までありますが、これらについても検討を加えなければならなぬのではないか、こういうふうに考えておりますが、三十二年度のそういう問題についてもある程度の結論を出したいと、準備を進めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/117
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118・河野謙三
○河野謙三君 一般の中金の金融は、国全体のこの金融の情勢とにらみ合して、それにスライドしても仕方がないと思います。ただ、中金が扱っておる資金の中で、先ほど申し上げた災害の救助資金であるとか、公庫の金を扱ういうことによる手数料であるとか、こういうものは別途にコスト計算からいって扱っておられると思いますが、さらに、これはもう少し厳格に、コスト計算による政策的な資金ですから、これを一般の金融ベースと全然切り離してやっておられると思いますが、さらに、もっと徹底的に切り離して私は御考慮願った方がいいのじゃないかと思いますが、そういうお考えであることに間違いありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/118
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119・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 今の災害資金は、これは中金のお金でありまして、ほかから原資をとっておるわけではありません。中金なり信連なり、短期の金に利子補給をつけております。中金で恩恵を受けておるのは、この公庫の金による手数料収入の上りであります。従いまして、この中金の分については、先ほど申し上げましたように、中金自体の利下げの問題と、公庫の手数料の問題、それから、さらにはこの公庫の貸し出し金利ですね、これは当初から変えておりませんから、これはもっとさかのぼれば、原資の無利子の出資額の増額とも関連するのですが、今年、昨年、一昨年、十億ずつしかくれなかったのを、三十二年度は七十億程度、ちょうど何といいますか、貸し倒れ準備金がある程度埋めるところまでもうちよょっとふえれば、今度は貸し出し金利を下げるところまで行くわけです。三十二年度に準備しました三十三年度の予算では、そういう点についても総体として改善したいと、こういうつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/119
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120・河野謙三
○河野謙三君 くどいようでありますけれども、たとえば開拓者の融資であるとか、それから災害の場合ですよ。異常災害等による国庫の低利資金が流れますが、そういうものは中金を通しますね。もし私が間違っておったら……。そういう中金自体の資金によるものでなく、政府の資金を中金に通すという場合に、政府はこの資金のこういうものについては、私がさっき言ったように、原価計算を別途立てて手数料をきめるべきである。そのきめ方も、もっと厳格にしなければならぬ。従来、私はかって申し上げたことがあるのですが、中金というものは、まるで坊主みたいに、人の災難で金をもうけるようなそういう傾向があったのですよ。農村にあちらこちらにいろいろ災害があると、そのつど中金は政府の資金を出して流すということが、かつてあった。人の災難によってもうけるのは坊主だけですよ。それと同じ傾向が中金にあったことも事実なんです。これは厳格にやっておられるかと思いますが、さらにその点については厳格な態度で臨んでもらいたい。
それからもう一つこまかいことで、ついでに……。いただきました三十年度資金の都道府県別貸付決定額、この表で、私、しろうとでちょっとわからないんですが、東京都あたりで塩業の資金が出ておる。それから東京都のような所で、あまり山なんかないような所で、林業の資金が非常に大きく出ておる。これは一体、貸付の対象になる団体なり会社が東京に所在しておるというところから、こういうようになるんですか。これは府県別の場合に、事業地と別に、貸付の対象の会社が東京に本社があるというので、東京に入っている、こういうことからこういうようになっておるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/120
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121・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) その通りです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/121
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122・田中啓一
○田中啓一君 こまかいことでありますが、共同利用施設に対する貸付というのは、予算額でも実績でもなかなか多いのでありますが、共同利用施設の内容というものは、どういうようなものが具体的にあげられておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/122
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123・和田正明
○説明員(和田正明君) 共同利用施設は、農業倉庫、それから木炭倉庫、魚田開発、製氷冷凍施設、水産増殖施設、これは養魚池を作りましたり真珠の養殖のいかだを作りましたり、作業場を作る、それからたとえば投石をいたしましたり岩礁爆破をいたしましたりする、それから油のタンク、それから漁船漁具の修理工場、酪農関係で申しますと集乳施設、乳製品製造施設、孵卵育雛施設、羊毛加工施設、食品加工、家畜市場、それから飼料製造工場、製糸で申しますと乾繭倉庫、稚蚕共同飼育所、それから蚕種の製造施設、電気導入施設、おもなものはそういったようなものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/123
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124・田中啓一
○田中啓一君 その食品加工施設に対して貸す相手方は協同組合ですか、会社はなし……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/124
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125・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 会社としては対象——何と申しますか、株主の九〇%以上が協同組合である場合は、会社も一応入りますけれども、一応共同施設ということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/125
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126・田中啓一
○田中啓一君 たしか砂糖会社と協同組合とが何か共同出資をして、そうして乳製品の工場を作って販売しておるようなものがあるやに聞いておるんですが、たとえば名古屋精糖と長野県の農協とが共同して……。ああいうところでは、今言った条件に合っておるんですか、また合わないから貸しておられませんか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/126
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127・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 公庫の金は貸しておりません。中金独自の金で雪印等に貸しておるのはあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/127
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128・田中啓一
○田中啓一君 たとえば雪印のようなものは、おそらく条件に合う——合わないんですか。そうすれば、結局はもうほとんどこれは、対象が協同組合だけのようなものですね。
なお、引き続いてお伺いしますが、主務大臣指定の施設のおもなものはどういうものがありますか。実績的に話していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/128
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129・和田正明
○説明員(和田正明君) それは法律の十八条の八号で主務大臣が告示をすることになっています。その告示に載っておりますのは畜舎、サイロ、それから堆肥舎、蚕室、農機具、排水ポンプ、灌水施設、それから蚕具、葉タバコ乾燥室、製茶施設、合成繊維漁網綱、これだけ十一項目載っておりますが、そのうち畜舎、サイロと葉タバコ乾燥室を除きましたのは、御承知のように、昨年改良基金制度ができましたので、先ほど局長も御説明になりましたように、畜舎、サイロと葉タバコ乾燥室だけが本年度の融資額として残っております。なお畜舎、サイロは集約酪農地区に限定をして残っております。一般の地帯の畜舎、サイロを改良基金で処理をいたす、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/129
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130・柴田栄
○柴田栄君 農林漁業金融公庫の貸付については、まあだいぶだんだん事業が落ちついてきたのと、ワクも一相当拡張されたので、需要とそれから融資との間がだんだん落ちついてきているはずだと思われるんだが、三十一年度あたり、需要に対しまして総括的にどれくらい融資ができておるわけでございますか。まあ、それは事業別には、だいぶ違いがあると思いますがね。しかし、大体の傾向が出ておるんじゃないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/130
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131・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 要求に対して貸出の割合がどのくらいかと、こういうお話でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/131
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132・柴田栄
○柴田栄君 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/132
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133・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 三十一年度ではほとんど要求を満たして、ある費目では多少余裕が出て、ほかへ振りかえるというようなものもあります。ただ、いつでも問題になりますのは、一応要求として出てくるんでありますが、その要求の内容を審査して相当問題があるやつも、要求の中にあげますから、ただトータルの締めくくりだけでははっきりしたことは言えませんけれども、ことしは大体満たされているんじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/133
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134・柴田栄
○柴田栄君 そうすると、額は相当ふえてきているのですね、資金源総ワクが。まあ国の事業の補助のあるものとないものとの割合、おそらく非補助の割合が相当ふえてきているという気がするのですがね。そんな傾向はどんなことになっているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/134
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135・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) ちょっと種類別に申してみますと、土地改良では非補助が三十一年度六十四億が六十六億に、これはちょっとふえております。林業では三十億二百万円が三十億七千五百万円になっておりますから、これも非補助がちょっとふえております。それから漁業は三十一年度二十九億二千八百万から三十一億七千八百万、これもふえております。塩業も十一億が十四億、共同利用施設は三十四億が非補助三十億、こういうふうになっておりますから、これはちょっと非補助が減っております。それから主務大臣指定、これはちょっと今の関係で比較にならぬかと思いますが、五億四千が五億になっておりまして、減っておるといえば減っております。開拓関係では、七億一千が六億九千になっております。これもちょっと減っております。しかし、トータルとしては、非補助のやつがふえているという格好になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/135
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136・柴田栄
○柴田栄君 そうすると、それはあまり大した影響はないわけですね。そこで大体要求——要求といっても、ほんとうに要求が全部出ているのか、あるいは出る前にしぼられるのか、その辺はようわからぬと思うのですが、都道府県別の事業対象別に考えると、先ほど河野さんがおっしゃったように、ちょと考えられないような所に割合に多い事業があるというようなことで、県によってこの制度の、何といいますか、指導というか、また徹底してないような、だいぶ差があるということはないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/136
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137・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これは先ほど申し上げましたように、とにかく総体といたしましては千五百億も出ておるわけでありますから、当初のこのスタートのときに比べまして、充足率が上がることはもう当然であります。従って、こういう結果が出ることは、一方では年々充足している、一方ではワクがふえておるわけですから、需要供給の関係で楽になってくることはもう当然ではないかと、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/137
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138・柴田栄
○柴田栄君 そういう点でだいぶ調整もされ、まああるいは徹底もしなければならぬというはずだと思うのだが、たとえば一つの例として、造林資金等については、これはもう長期資金としてはほかに一つも方法がないわけで、もっと徹底して利用せらるべきだというように私は考えておったのです。なかなか出てこないのだということで、非常に不思議に思って、地方で聞いてみると、県の名前をはっきり言ってもいいけれども、特定県では、まだ一件もそういうものを申請したことはないという県があるのです。それで県の林務にその話をしたところ、まだ一件もありません。それから森林所有者に聞いてみると、そういう話はまだよう聞いていないと、おそらくむずかしいと思ってよう申請もしなかったと、こういうような例を聞くわけです。これでは、しかも一方においてお話のごとくだと、多少事業対象によっては資金がだぶついているような格好に見えるものもあるんだ。末端に行ってみると、そういうものを使う方法も知らない、県自体もある方法を積極的に指導もしなければ、あっせんもしないのだということのために、せっかくの制度が、非常に知っているために活用し、知らないために難儀しているのだということがあっては、これは行き届いていると思っておられても、実はそうではないという場合があり得ると思うのですが、こういうことに対してもう少し徹底させていただくということで、公平に施策を利用させていただくということに対する御努力を願うわけに参りませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/138
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139・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これは私の方では差別をするわけではありませんが、県の力の入れ方によって相当違いが出てくると思います。ことに例示になりました造林等について、借ること自体ではなくて、造林事業を推進する上において、県の施設、県費負担、そういうところも、まあ県によって頭からそういう新しい事業を、何といいますか、県費負担で出すということを、県の施策として取り上げることを忌避——忌避というとおかしいかもしれないが、幾ら言っても見向きもしない県もあります。ですから、この金自体を借ることについて県で民間から出てくるものを押えているわけではないと思いますけれども、県がそういうふうに熱心でなければ、おそらく当局者もまあまあということになっているのではないか。これは公庫あるいはそれの受託機関が幾ら言っても不十分でありますので、やはり農林省としての助成施策も一方から持っていかないといかぬ。御注意の点は、関係局ともよく相談したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/139
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140・柴田栄
○柴田栄君 今の場合、造林の場合に例をとれば、補助事業に対して、あるいは県負担、従って再建途上の県では、再建整備中の県等では、公共事業費が受け入れられないというようなことで押える面もあるかもしれぬが、非補助のもの等もやはりあるのですが、そういうものを一括してやはり扱わないと——扱わないというと語弊があるのだが、知らせもしない、積極的に指導もしないという面があるのですよ。そういう面についてもう少し公平な行政をするために、何とか徹底させていただく方法を、ぜひお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/140
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141・堀本宜実
○堀本宜実君 これは小さいことなんですが、この金融公庫の運営の問題なんですが、主として業者が書類申請をやってくる、その申請が書類審査による場合が多いと思うのです。そういうことで、ほんとうに実効のある審査をする、しかも公平にこれを行うということについての方法が、いろいろとられておるだろうと思いますが、そういうことについて伺いたいと思いますが、特にこの融資対象の事業別から見ますると、特に耕地の面が大きいのと、もう一つは、次に自作農の維持創設の貸付が第二位で、五十億あるのですが、特にこの問題に利は多いと思う。ほんとうの書面審査というか、書類審査によって貸しつけるために、実際の実情というものがだんだんと、官庁を経由している間に、実情に副わないところへ行くような傾向がないでもないと思うのですが、それについては、たとえば農業委員あたりの意見を聞くことになっていると思うのですが、また県には県としてそれぞれの審議会等を設けられておるだろうと思うのですが、その実際の通用の面についてお話を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/141
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142・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 一般のものにつきましては、受託金融機関が、かりに申込者の信用状況なりあるいは実際の計画について疑問があれば、現地に行って審査して、そしてきめる、こういうことになっております。それから自作農のやつは、これはお話のように、改良普及員に農業計画を立てさす、同時にその村の農業委員会等の意見もつけて知事がきめる、こういうふうになっておりますから、建前としてはいいわけなんでありますが、これも先ほどの柴田委員からお話がありましたように、県によって指導の厚薄はあります。それらの点は、随時係官の会合、これは毎年一回ないし二回やっておりますから、先ほどの県の出入り、進捗工合を見て、注意をいたしてきておるのであります。これは何といいますか、農林省が見ていると、県によって早くスマートにやってくるのと、もうぎりぎりになって、きょうまだろくなやつが出ない。これは県によっていろいろ出てきておりますが、一つは県の財政なり県の方針とも関連すると思うのでありますが、それらの点も十分留意していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/142
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143・堀本宜実
○堀本宜実君 これは、県には審査する段階はないのですか。機関は県に置いてありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/143
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144・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 自作農は県でやっておりますが、そのほかのやつも県と大てい相談さしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/144
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145・堀本宜実
○堀本宜実君 いや、県に特別な審議機関というものは、自作農にはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/145
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146・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 自作農にはありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/146
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147・堀本宜実
○堀本宜実君 これが書類で上ってくるために、その書類というものは非常にいろいろな方法、つまり何といいますか、上手下手がありまして、それによって審議をするという実態ですから、結果は非常に不合理だと思う。最近、だれかからもお話がありましたように、非常に負債がふえてきた。果してその自作を維持するかどうかということに困る。ことに階層分化が非常にあるというような現実から、この資金の増額とあわせて、これが貸付の公平、そして償還の円滑を期するために、何か自作農者の組合というようなものを作って、そしてお互いが相互に助け合うことのできるような機関を作って、この資金の円滑な貸付をし、救済をするという立場に立つのがよいのじゃないかと思うのですが、農林省はそういうお考えはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/147
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148・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 自作農の金は、個人の人的保証あるいはその人の持っている農地を担保にして、いずれでもよろしい、こういうことになっております。これもやはり地方によりまして、お説のような連帯の多い所と、やはり他人のことにはかかわりたくないから、農地を担保にしてでも借りたい、こういうふうにやはり傾向があるようであります。それをあまり、いずれもやかましく言わぬということになると、千葉県なんかは、改良普及員がとにかく改良普及事業を、全然手が出ないほどむずかしい振興計画を立てさせて、そしてやっていく。そうすると、非常にむずかしくなりまして、改良が促進されない、こういうようなことになります。私どもではそういう、とにかく過去の経験を見まして、たとえば書類なども従来の三分の一くらいに簡素化しまして、もうなれてきたのですから、農業委員会なり改良普及員の指導でもっと金額もふえてくるわけでありますから、そんなやかましいことでは出ませんから、簡素な方法でやっていくという方針をきめております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/148
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149・堀本宜実
○堀本宜実君 最後に、これは農林省から見た場合に、そういうようなお答えでけっこうだと思うのですが、実際問題として、われわれは取り扱っておりますがほんとうに金には貧乏しているけれども、心の貧乏はしておらないというような人がある。それからやかましい問題で、何か統計だとか書類だとかというところに重点を置き過ぎるために、払い得るというような人、それから払い得るけれども一とき困っているというようなわずかの幅の人にしか、貸し与えられないような制度なんです。ほんとうに困っている小作の人たちが、働いて、自分が自作農地を求めようとしたような人に、真実には金は行かない。こういう結果がありますことはもう現実でありますので、私どもは少くとも、欲をいえば、小作者についての、自分が小作地を自作農に借り入れる金等は、できれば無利子にしてやってもらいたいと思うのですが、少くとも自作農者の組合というようなもので相互に保証をしてやって、共存共栄の立場から自作農者をふやしていくという制度、あるいは家庭の都合で離さなければならないようなものをこれでくいとめてやるというようなことに、この趣旨がもっと徹底するように、農林省としても働きかけ、また、もしそれができないということなら、県に少くとも農業会議その他いろいろありますので、そういうところの審査を経て、公平にこれが貸付をするように、将来考えていくべきものではなかろうか。このことを要望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/149
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150・小笠原二三男
○小笠原二三男君 これは全くしろうと論で、わからないからお伺いするのですが、三十二年度の貸付予定計画のところを見ますと、昨年度より六十億増となる。必要のある貸付分配を見ますと、重点的には、どういうところがまあ重点になったのかということですが、農山漁村建設総合施設費が十一億の増、自作農創設が二十五億の増、そして初めて予備費が十五億ということで、大体ここで五十億という金になっておるのですが、たった六十億の増の金のうちに予備費を十五億というふうに手づかみにしておる理由はどこにあるのですか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/150
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151・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これは先ほど来お話が出ておりますように、ワクをきめておきますと、いつまでたってもそのワクに各局が拘泥して、もっと臨機に使って、その年によって需要がうんと出てくるやつに回してくれといっても、なかなか回してくれないわけであります。それが期末に行って余った、さあほかに回そうということになると、事務がうまくいかないわけであります。そこで、これはここ一、二年の経験に徴しまして、一応従来の実績をもとにするワクを作っておくけれども、先ほど申しますように、六、七年のいろいろの充足度合が違う、あるいは傾向が変ってきておるわけでありますが、それらを何といいますか、スムーズに運用するためには、四半期ごとぐらいに調整して、ほかのワクについてやかましく言わないで、予備費で充足していった方が公庫の運営上スムーズにいくのじゃないか、こういう考え方でやっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/151
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152・小笠原二三男
○小笠原二三男君 これは農林予算とうらはらといいますか、総合的に考えられる一環としての中金の貸し出しだと思うのですが、農林当局としては、本年度の重点というようなものは何だから、これに対してこの金は回るべきであると、当初予定された目的のない金が、六十億のうち十五億も出ておるということは、どうも納得がいかない。途中で需要供給の関係で調整費に使うということでは、あまりにも無定見じゃないか。五億でも三億でも、それは調整財源は少い方がいいので、農林省自体としてしっかりした計画があるならば、これだけの膨大な予備費を置くということはおかしい。かえって逆に、私は全くのこれはしろうと議論ですから、逆にこういう調整財源を置けば、殺倒してくるあの手この手の要求を満たしてやることもできるだろうということで、まあわれわれ農林関係の議員だとか何だとかいうのが行ってゆさぶったときに、使う金になるということで出しておるというなら、これは全くおかしな話なんで、十五億という金は小さい金ですか、大きい金ですか、あなたの感覚としては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/152
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153・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) この金融公庫の貸付につきましては、公庫発足の当時につきましては、非常に貸し出しについての熾烈な運動がありました。最近は、先ほど来申し上げますように、年々資金の額が増額するし、累計もふえておりますから、そう熾烈な運動というものはありませんです。ただ、先ほど申し上げますように、三十一年度の状況で見ましても、年度の終りに行って過不足を調整するというふうなことができておりますから、そういうことを、もっと早く金を貸してやれば、もっと適切な事業ができてくるんじゃないか、こういう経験から予備費を出しておいたのでございます。もっと事務的に申しますと、この十五億も、さらにぎしぎし各局で資料を出さしてやれば、分けられぬこともないのでありますが、この予算編成当時は年の暮れごろでありますので、まだそれぞれの係でどれだけ使うかを秘にしておるわけでありますから、私の方で無理にどうだというわけにもいかぬのであります。
それから、なお、この三十一年度におきましては、災害の費用というようなものも三十年、三十一年度と非常に少いわけでありますが、災害のときにいつでも災害復旧費の自己負担分なり、あるいはつなぎ等について金が問題になりますので、そういう場合も——これは八、九月に最も大きく起るのでありますが、やはり準備をしておいた方がいいんじゃないか。一応割ってしまいますと、その分から災害の方に回すということが困難な例はしばしば経験しておるのでありますから、そういう点も考慮しますと、十億程度持っておった方がいいんじゃないか、こういうふうに考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/153
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154・小笠原二三男
○小笠原二三男君 どうも私には、そういうことになって、災害の金も予備的に持っていないと、とっさの場合困るということになれば、八、九月のことですから、十月以降までこの予備費の割り振りはできない。第一四半期その他で調整してゆくということは、まあできない。後半の部分に、下半期の部分にこれはそのまま持っていかなければならぬ。そうすると、場合によってはこれは死に金になるかもしらぬ。下半期になってしまってはですね、そういう場合もあり得ると思うんです。それから、もしもそういう災害のことが予定されるならば、一般本予予算の方でやはりそれだけの準備があっていいはずだと思うのですが、そういうこともあまりない。
それで、もう一つ伺いたいのは、農山漁村建設総合施設費というのが、本年は十五億で、来年度が二十六億になるんですが、当初の年度でやったこの十五億の貸付の対象は、どういうものなんですか。そしてまた、そのことから、どうして二十六億とふやさなければならない事情、理由、根拠があるのですか、それを説明していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/154
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155・和田正明
○説明員(和田正明君) 今の新農山漁村総合施設の融資対象を申し上げますと、一つは補助事業の地元負担の融資でございまして、それは農用地交換整備事業ということで、交換分合等を行います公共事業費の補助残を埋める部分が一つでございます。そのほかは主として国庫補助事業でございます。村別に、先ほど局長が御説明になりました共同利用施設、つまり農協なり部落なりで倉庫を作りますとか、果物の選果場を作りますとか、あるいは水産で申しますれば、小さな漁船や漁具の修理の工場を作るとか、そういう主として部落とか村としての共同利用施設を融資の対象にいたしております。
十五億が二十六億に広がりました理由は、昨年度は初年度でございましたので、指定をいたしました町村の数が五百ばかりありますが、本年度は二年度になりますので、その昨年指定をいたしました村の継続事業のほかに、三十二年度に追加をいたします村がやはり五百近くあるはずでございますが、事業計画が倍になりますので、融資額をふやした、こういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/155
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156・小笠原二三男
○小笠原二三男君 私、この金と予備費になっている金とを合せるならば、二十六億以上の金です。これは国の食糧増産なんというような一つの方針の下に、計画的に使われる金ではなくて、それは新農村建設であろうが何であろうが、いいことはいい。悪いとは申しません。いいことではあるが、それぞれ各個ばらばらに思いついた仕事をすることのために、二十六億もの金があるいは使われるということについては、いささか疑義がある。たった六十億の金がもう少し重点的に使われてよさそうに、しろうと考えでは考えられるのですね。そういう私の考えからすれば、予備費という無目的の金が十五億も出ておる。新農村建設ということで、有線放送とか何とか、生産のために直接必要だというものよりは、そうでない全体の村民なり部落民が利用をされる施設でないと承知しないというような地元の向きもあって、そういう何と申しますか、非生産的なものに金が使われるという向きもないでもないように思われる。そうなれば、どうももったいないように私考えるのですが、何かこういう点は、もっと農林省が重点施策として、大臣説明等にあるような、そういう仕事を進めるために指導するとか、チェックしていくとか、そういうようなことはおやりになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/156
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157・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これは新農村の分は、一町村二カ年計画で達成することになっておりますが、先ほど金融課長から説明ありましたように、昨年度の引きついだ分と今年から指定になる分との、合計の所要量になるわけです。その新農村建設の内容は、有線放送が非常に普及したので、有線放送が問題になっておりますが、それだけではないのでありまして、たとえば綿羊の消毒所であるとか、肉の加工所であるとか、くだものの選別場、あるいは木炭集荷場、いろいろな共同施設、それから耕地の整備とか、畦畔の整理等が入っております。小農道の整理等も入っておると思います。いろんなものがその村々において計画されるわけです。特定の費目を入れなくちゃいかぬということでないのが、新農村計画の特色であります。その村に応じた共同施設を作るため、その部分の補助対象になるものは自己負担分と、補助にならないものはその施設の費用を見ておるわけであります。従って、新農村建設計画の方で、一応予算ではこれだけ出ておりますが、さらにこれでは足りないということになれば、この予備費から回すことも可能であると思います。それから私の方としては、もし土地改良、林道そのほかの方は、これはやはり補助事業の自己負担分と非補助事業の分が入っておるわけでございます。それらの分で今年も同じように、要望が今予定しているワクで済むようになれば、最も希望の多い自作農の方に回すこともいいのではないか。しかし、これは最初申し上げましたように、各費目の伸び工合、それから災害の予定等を見まして、一四半期二四半期は、準備ができればこの範囲内でどんどん貸せるわけであります。何といいますか、過不足が出そうになるのは、第三四半期なり第四四半期に入ってからなんですが、そのときにこの予備費をどの費目に分配したらいいかということをきめればいい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/157
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158・小笠原二三男
○小笠原二三男君 私はあれこれと申し上げましたが、本年度までの貸付の状況を見ますと、根幹になっている貸付事業対象より、「その他」ということで一括になっているものが、従来の二十六年から三十一年までの計で八%の割合を占めておるのが、三十二年度で一躍三二%をこえた。その中でこえてもしょうがないと思われるのは、またこえなければならぬと思われる、必要と思われるものは、自作農創設維持資金なり開拓の金の二億の増、こういうことはぜひまあやってもらいたいという願いは持つ。けれども、それがふえたからといって、これほどまで「その他」というものがふえていくはずのものではなくて、無目的と申しますか、限られた資金のワクの中で、農林施策の上で重点的に今日資金を効果的に使わなければならぬというのに、根幹の事業以外にばらまかれる金額が比率として大き過ぎるということに、私は疑義を持つ。たった六十億と申しても、これは何に使ってもいいのだということでなしに、やはり農林施策を進展させようというために出る金でしょう。国民の税金でしょう。それが無目的に、コントロールもできないような方面に、それは有線放送でもあるいは小さなさまざまな共同施設でも、作らないよりは作った方がむろんいいけれども、今の日本の置かれている実情からいって、食糧増産なりその他根幹の仕事を抜きにして、そういう総花式なことに資金が非常に大きなウエイトを占めて使われるということには、もうしろうと考えで、疑義がある。
要するに、どっかで、この間予算委員会の公述で京都大学の桑原教授が言っていましたが、今日の農林省で農林施策が混迷している、集約されておらない。従って、もうどうやったらいいのかわからぬためでおります。新農村とか何とか、いろいろの名前をつけて金はばらまくけれども、それによって何をどう日本の農政を進めようとしているのかわからぬという公述をしておった。何かそういうようなことも、こういうような点に、資金の効率的な運用というような点に欠ける気がして、私、僭越な質問を申し上げておるのです。限られた六十億の金が「その他」という方で、大きな、たとえば土地改良の金百十三億が百十九億になる。全くこれは自然増的にふえたというような金額とも思われない金額を、林業関係でも同様、漁業関係でも同様。しかも漁業関係で、漁船建造のための融資等が二十八億がたった三十億で、二億しかふえていない。百十何億の土地改良の金がたった六億しかふえない。そうして塩業者は、この塩業というのがありますが、塩業専業者は幾らあるか知らぬが、この耕地の方の関係からいえば、十五億が十七億と、二億もはね上っておる。だから、どこに、何というか、統一的な施策的な検討をされてこの金を配分したのか、私のような者にはわからぬのです。塩業資金に十五億が出ておる、そのことさえ私はびっくりする方なんです。日本農家の全体のうちの比率からいって、塩業をやる方の比率がどれだけあるのか知りませんが、一般的な根幹的なものにもっともっと金を出されていいのではないか。その他のものは相当これは、限られた質金であるならば、はしょっていいのではないかという考えで私は申し上げているのですが、これはあとで一般的な意見を局長から私は伺っておきたいと思います。
それから最後に一つ伺いますが、土地改良の金は、今までの累計では六百八十二億の貸し出しになっておりますが、償還期の来ているものもあると思いますが、その償還の状況はどういうことになっておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/158
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159・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) まず、前段からお答えいたします。
三十二年度の「その他」の項目がふえたのは、自作農で二十五億、ですから約七%ふえております。それから予備費が十五億でありますから、これは約四%ふえております。それで一一%ふえておりますから、三十一年度の比率とそう変らないわけであります。今、重点的に申されておりますが、たとえば、ことし三十一年度のたとえば土地改良等の需要要請は、これはむしろ何といいますか、予定が多かったんじゃないかと思います。これはおそらく昨年、一昨年と二カ年豊作でありますから、そういう関係から少かったのじゃないかと、私の方では一応推定しておるのであります。しかし、三十二年度もそういうふうな状態で、需要が活発でないかどうかということは、これは保しがたいと思います。従って、やはりどうしても土地改良が一番大きい金であります。これがちょっとふえるということになれば、金額的には大きい需要増のファクターになります。従って、三十一年度の貸し出し実績、三十一年度の需要実績だけで三十二年度の予定額をきめるわけにはいかない。そうかといって、非常なゆとりをもって、ことしみたように、年度の終りになって大急ぎで調整しなければいかぬということになれば、需要の多いところが口をあけて待っておるのに、期末に行って金が来るということになれば、その事業自体がうまくいきませんから、もっと明白に第三四半期なり第四四半期の初めにおいて調整ができるようにした方がいい、こういうわけで予備費をとっているわけでありますから、今までの貸し出し実績と、これはやはり一般の農林省の補助費その他と関連を持っております。それとはまた別のファクターで公庫の需要が出ておりますから、それらを総合して、やはりゆとりのある予定で進めた方がいいのじゃないか、こういうつもりでおります。
それから三十一年六月末で六カ月以上延滞になっているのは、土地改良関係で一億五千万であります。これは林業が二億九千万、水産が二億九千万でありますから、土地改良の償還は比較的よろしいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/159
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160・小笠原二三男
○小笠原二三男君 償還期に来ておる金は幾らで、それで未納になっておるのが幾らというふうに言っていただきたい。なかなか状況がいいといっても……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/160
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161・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 償還期に来ておりますのは十五億で、十五億に対して一億五千万が六カ月以上延滞になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/161
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162・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうすると、今後も年々こういう金を出していくなら、ここ二、三年で一千億をこえる金になるでしよう、貸す金は。もうこれの償還については何ら、心配する見通し材料はない、大丈夫だと、こういうことですが、この投資はこれだけ経済効果が上っておる、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/162
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163・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 今までの状況からいえば、よく償還ができておると、こういうのでありますから、これを阻害する要因が、たとえばまず大災害が起るとか何かなければ、この状態が続くんじゃないか。しかし、三十年、三十一年の豊作ということが相当償還を促進した大きいファクターになっておることは、いなめないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/163
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164・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それで、こういう膨大な貸しについて、損害がないようにと申しますが、完全回収ができるように、やはりいろいろ今後考えられていく部面もあると思いますが、そういう必要もない、大丈夫だと言うことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/164
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165・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これはやはり金額が大きくなりますと、それぞれの資金について据置期間等がありますから、据置期間が経過した、償還期に到達した金額がだんだんふえていくわけでありますから、これの管理についてはやはり今後とも、もっと力をいたさなければいかない。そのためには、公庫自身がブロック別にその管理機構等を持つ必要があるんじゃないかと、先ほどどなたかお話がありましたように、そういう点ももう準備しなければいかぬというので、三十二年度からは、公庫のブロック別の支所を設立することがいいかどうかということを議題にしたいと思います。
それから公庫の貸し出しの初めにはある程度、何といいますか、林道資金で、もうとっくの昔作った林道に貸し出しをしたとか、あるいは架空の林道に貸し出しをしたという例もありまして、刑事事件等もあった。そういう問題も最近ではもう跡を断っております。それから、さらに公庫においては毎年貸し倒れ準備金として大体〇・三%ぐらいを積んできております、平均しまして。その金が十六億ばかり積まれております。ですから、貸付の管理と、それからそうやっても天災等で返らない場合もありますから、それに対する準備等も両々やっておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/165
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166・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それから、先ほど共同利用施設で農業倉庫に貸付をしておるということですが、これは今までにどの程度の貸付をしておりますか。そしてこれは何に利用されておるのが大部分ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/166
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167・和田正明
○説明員(和田正明君) 今はっきりと数字がわかりませんが、大体毎年四億くらいずつその貸付を実行しております。今年は四億のワクで実行いたしまして、希望が上回りましたので、余りましたものを、さらに二、三億回しております。何に利用されておるかということでございますが、これは農協の農業倉庫でございますから、主として米麦その他を入れておるわけでございますが、非常に古いもので煙蒸等の施設の不十分なものを更新することをいたしましたり、それから一部は連合倉庫等を作ったりするために、貸付をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/167
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168・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうすると、これはこの予約買付なり何なり、米の統制ということで、農協がこの点を扱いまた、倉庫に入れるというようなことから上ってくる金で、この返済をするというようなことになるのだろうと思いますが、従って、これは将来米の統制という問題がはずれるというようなことになれば、この回収ということについては相当影響があると思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/168
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169・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 農業倉庫の整備は現在の統制時代に対処するのを目的としておるのでありますが、私どもの方では統制撤廃ということを予想しておりませんが、協同組合等の会合等では、万一統制撤廃になった場合は、やはり平均売りするために相当持っておかなければならぬ。従って、何といいますか、和戦両様の準備をするために、急遽この農業倉庫の整備をやるべし、こういう意見、これは昭和二十五年に第一次の農業倉庫整備計画を立てまして、五カ年計画でこれを完了しようということでやってきておるわけであります。しかし、何といいますか、燻蒸施設あるいは倉庫の建築様式等がだんだんりっぱになってきますから、古いやつはだんだん建てかえたいというので、五カ年過ぎましてもまだもっとやりたい、もっとやりたいというのが出ておるわけでございます。これは統制時代あるいは統制がはずれた場合にも、今のうちに整備しておくことがいいと思うのであります。私の方では統制撤廃を前提にしてという考えでおりませんが、もし万一統制撤廃になっても、倉庫があることによって農産物の販売も有利になるということをねらっておるのであります。それによって償還資金は得られるものと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/169
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170・小笠原二三男
○小笠原二三男君 これは話はちょっと横道にそれますが、二年ぐらい前かに、私たち地方行政でやっておる場合に、倉庫業者から、農協の倉庫を自分の村内地内に建てるのでなくて、都市の方に持ってきてどんどん建てる、そうして米麦の倉庫でなしに一般倉庫貸与でマージンをとっておる、けしからぬというような抗議、陳情を受けて、実態を調査したことがあるのですが、そういう点についてはあなたの方ではどういう状況にあると把握されて、また指導しておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/170
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171・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) これは数年前にお話のようなやつが、神戸その他であったのであります。それらはやはり、主要集産地に建てるという名目で建てておるのであります。一般倉庫業者から抗議があったことも私承知しておりますが、私の方では、やはり農業倉庫でありますから、自分の生産物あるいは購買品を保管することを主としなければ行き過ぎであることは明らかであります。行き過ぎのないように指導をいたしてきております。神戸の話、その後どうなりましたか、問題は両方で協調ができたことと承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/171
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172・東隆
○東隆君 余剰農産物の見返り円でビート工場を北海道でやっておるのですが、そこで、これは会社の場合にはあの形でもって開発公庫を通して出ておりますが、協同組合のかりに工場をこしらえる場合に、当然国の低利資金はこの公庫を通して得なきゃならぬ、それ以外に道はないように思いますが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/172
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173・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) お話の通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/173
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174・東隆
○東隆君 そういうように考えますと、今までの計画からいって、共同利用の資金か何かのワクに当然考えておかなければならぬことではないかと思います。従って、そこに考えるとすれば、計画のワクは必ずしもふえておらないように思うのであります。そこで、これをどういうふうに処理をされるのか、その点を伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/174
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175・渡部伍良
○政府委員(渡部伍良君) 私の方では、第三次の余剰農産物の受け入れば切れましたが、第四次以降の分については、ことし七月以降の問題でありますので、まだ未定であります。もし見返り円を当てにしてビード工場を作る計画が、見返り円が来ないということになれば、やはりこの中からやりくりしていかなきゃいけないということならば、その含みも私の方ではいたしております。これは国の政策としてやる分は、この共同利用施設のワクの変更によってやらざるを得ない、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/175
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176・堀末治
○委員長(堀末治君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/176
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177・堀末治
○委員長(堀末治君) 速記を起して。
他に御質疑がなければ、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/177
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178・堀末治
○委員長(堀末治君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/178
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179・堀末治
○委員長(堀末治君) 御異議ないものと認めます。
それでは、これより採決に入ります。農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案を、原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/179
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180・堀末治
○委員長(堀末治君) 全員賛成と認めます。よって本案は、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条による議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例によってこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/180
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181・堀末治
○委員長(堀末治君) 御異議ないものと認めます。よって、さように決定いたします。
なお、本案を可とせられました方は順次御署名を願います。
多数意見者署名
河野 謙三 下條 康麿
堀本 宜実 雨森 常夫
柴田 栄 佐藤清一郎
上林 忠次 田中 啓一
羽生 三七 千田 正
小笠原二三男 北村 暢
東 隆 清澤 俊英
藤野 繁雄
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/181
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182・堀末治
○委員長(堀末治君) 次いで、午前に引き続き、昭和三十一年の災害による被害農家に対する米穀の売渡の特例に関する法律案を議題にいたします。
この法律案につきましては、午前中懇談の際、いろいろとこれによって生ずる赤字の処理についてお話がございましたのですが、この際、その問題についてあらためて御質疑を願って、政府の御答弁をいただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/182
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183・小笠原二三男
○小笠原二三男君 これは、ただいま委員長のお話の通り、午前中の懇談でいろいろお話をしたのですが、結論的に、この法案は国の財政負担の伴う法案でございますが、政府としてはどういう御所見をお持ちであるか、お伺いしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/183
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184・八木一郎
○政府委員(八木一郎君) 本法案の施行によりまして赤字が出るが、その安売りの数量は目下のところ推測にすぎないのでございまして、確定するのを待って処理したい、こう考えておりますが、政府としては、その時期方法は別としまして、一般会計からの繰り入れで処理する考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/184
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185・小笠原二三男
○小笠原二三男君 三十二米穀年度の赤字がかりに生ずるであろう場合において、一般会計からこれを繰り入れるかどうかということについては、まあ内閣にある調査会等の御意見等によってはいろいろ変更になる場合もあるかと思いますが、従って、抽象的に一般会計から繰り入れると言われても、一般の食管の赤字に対する繰り入れという形で行われるのか、それとも、この災害農家に対するこの法律に基いての国の負担分は国の負担分として、別途食管の方にお入れになるのか、この点を明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/185
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186・八木一郎
○政府委員(八木一郎君) ごもっともなお尋ねでございます。政府といたしましては、この種の事務は、前に数回前例もございます。で、この前例なども端的に申せば一般会計から出ておるし、当然一般会計よりの繰り入れ処理で始末をつける考えでございまして、時期と方法の細目に関しては、数量の確定を待ちまして処理することにいたしたいと考えておりますから、御了解を賜わりたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/186
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187・小笠原二三男
○小笠原二三男君 その時期ということはわかるのですが、方法もおまかせ願いたいということがどうもひっかかりになる。その方法とは、この法案の施行に伴う別途の法律を出して、それで国の負担分を明らかに補てんしていくのだという方法ですか。その点を明らかにして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/187
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188・八木一郎
○政府委員(八木一郎君) 御指摘の通り、前例もそうなっておりますが、別途の法律を出しまして処理するということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/188
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189・堀末治
○委員長(堀末治君) 他に御質疑はございませんでしょうか。——他に御質疑がなければ、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/189
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190・堀末治
○委員長(堀末治君) 御異議ないものと認めます。
それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/190
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191・堀末治
○委員長(堀末治君) 御異議ないものと認めます。
それでは、これより採決に入ります。昭和三十一年の災害による被害農家に対する米穀の売渡の特例に関する法律案を、原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/191
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192・堀末治
○委員長(堀末治君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条による議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例によってこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/192
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193・堀末治
○委員長(堀末治君) 御異議ないものと認めます。よってさように決定いたしました。
なお、本案を可とせられた方は順次御署名を願います。
多数意見者署名
重政 庸徳 河野 謙三
下條 康麿 堀本 宜実
雨森 常夫 柴田 栄
佐藤清一郎 上林 忠次
田中 啓一 千田 正
小笠原二三男 北村 暢
東 隆 清澤 俊英
藤野 繁雄発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/193
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194・堀末治
○委員長(堀末治君) どうもありがとうございました。
それでは、本日はこれにて散会いたします。
午後三時五十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X01819570319/194
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