1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年四月五日(金曜日)
午後一時十五分開会
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委員の異動
本日委員荒木正三郎君辞任につき、そ
の補欠として北村暢君を議長において
指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 堀 末治君
理事
重政 庸徳君
藤野 繁雄君
東 隆君
委員
青山 正一君
下條 康麿君
柴田 栄君
仲原 善一君
堀本 宜実君
北村 暢君
小林 孝平君
島村 軍次君
千田 正君
国務大臣
農 林 大 臣 井出一太郎君
政府委員
農林政務次官 八木 一郎君
農林大臣官房長 永野 正二君
農林省農林経済
局長 渡部 伍良君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
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本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査の件(日
ソ漁業交渉に関する件)
○農業災害補償法の一部を改正する法
律案(内閣送付、予備審査)
○農業災害補償法臨時特例法を廃止す
る法律案(内閣送付、予備審査)
○農業災害補償法第百七条第四項の共
済掛金標準率の改訂の臨時特例に関
する法律案(内閣送付、予備審査)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X02519570405/0
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001・堀末治
○委員長(堀末治君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
最初に、委員の変更について御報告いたします。荒木正三郎君が辞任されて、北村暢君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X02519570405/1
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002・堀末治
○委員長(堀末治君) 議題に追加して、日ソ漁業交渉の件を議題に供します。
この件について農林大臣から発言を求められておりますので、お聞き取りを願います。
速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X02519570405/2
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003・堀末治
○委員長(堀末治君) 速記をつけて。
この際、お諮りいたします。国会法第五十二条によりまして、本委員会を秘密会といたすことに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X02519570405/3
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004・堀末治
○委員長(堀末治君) 御異議ないと認めます。
それでは、議員、国務大臣、議事に関係ある政府当局者及び事務をとる職員以外のお方の御退場を願います。
ただいまから秘密会に入ります。
午後一時十七分秘密会に移る。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X02519570405/4
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005・井出一太郎
○国務大臣(井出一太郎君) それでは、このほど来引き続いて交渉をして参りました日ソ漁業問題について、とりあえず御報告を申し上げたいと存じます。
クータレフ団長を中心といたしまする先方の代表団が到着しましたのは二月の十二日でございまして、十四日に最初の顔合せをいたしまして以来今日までおよそ五十日の日子を要したわけであります。まあその間、当委員会の皆さま方からも非常な御心配をいただき、あるいは激励をちょうだいいたして参りましたが、ようやく大詰めに入って参りましたので、従来、断片的には御質疑に答えるなりいたして、御報告も申し上げましたが、今日は取りまとめて一応の御報告を申し上げたいと思ってやって参りました。
この間、正式な委員会を開きますること二十数回に及びまするし、また小委員会も十数回の開催をしているわけであります。すでに先にも申し上げましたが、わが方といたしましては、過去四十年にもわたる北洋漁業の歴史がございますので、この間の漁獲統計というようなものがしっかりとそろっておりまするので、それに準拠いたしましての主張を展開したわけであります。すなわち、年間三十万トンないし四十万トンくらいは従来とっておったのでございまして、それでもなおかつ、資源にはさしたる影響はないというように考えられまするので、その基礎の上に、豊漁年十六万五千トンという主張をいたしたわけであります。それに対しまして先方側は、昨年五月のモスクワにおける交渉の際に、河野・イシコフ両氏の間において、八万、十万という線がきめられておるのではないか。豊漁年は十万、不漁年は八万というこの約束にこだわりまして、その限界内で事をきめるのが今回の委員会の任務である、こういうような主張に立っておるわけであります。そうして最初の向うの打ち出し方は、一九五七年は不漁年である、こういうような論点を展開して参ったのでありますが、その間、双方非常に火花の散るような論争がございまして、最終的には豊漁年と認めるという段階までは上ってきたのでありますけれども、なかなかそのワクを破って出るということはようしない状態でございました。約一カ月の間、こういう対立したままの状態が続いたのであります。その間に、こちら側としましても話し合いの過程において、━━━━━━━━━━十四万五千トンという線を示したことがございました。これに対しては、いろいろと考慮をめぐらしたようでありましたが、結局は拒絶をして参ったのであります。そのような状態で、どうも委員会という場がなかなか動きがとれません。そこで、私もクータレフ団長と個人的に接触を持つ、こういう機会を幾たびか作って打開をはかろうといたしたわけでありますが、なかなか先方は━━━━━━━━━━個人的にはかなり親しい話し合いまで参りまするが、事、重要な問題になりますると、やはりいつでも行き違いになるというような状況で経過して参ったのであります。
そこで、これをもう少し別な角度から打開をしてみたいということで、岸総理大臣ともお話をいたしました結果、三月の十五日に、総理がテヴォシャン大使を招致いたしまして、第一回の岸・テヴォシャン会見というものが持たれたのであります。わが方の主張といたしましては、━━━━━━━━━━要すれば、日ソ国交が正常化をいたしましたこの初年度において、両国はますます親善関係を深めなければならないというこの事態において、あなた方のようなかた苦しい立場だけを保持しておったのでは、これは両国の将来に暗影を投ずるおそれがある、こういうような見地からもう少し大所、高所に立って判断をしてもらいたい、日本の国民感情からいたしましても、条約のなかった昨年の漁獲量を下回るというようなことでは、これはとうてい承服するわけには参らない、こういう論拠のもとに、岸総理からテヴォシャン大使に強く先方の再考を要請をいたしたわけでございます。私もこれと表裏一体の形で接触を保ちながら来たわけでございますが、三月二十一日になりまして、先方から回答が寄せられました。この回答は、一九五七年度の総漁獲量については、例外的措置として十二万トンまで認める、と同時に、オホーツク海におけるサケ、マスの漁獲は、将来は全く中止されるべく、そして本年度は著しく削減をしてもらうということを条件として、十二万トンを認める、こういう回答が寄せられたわけでございます。しかし、わが方としましては、右の二条件には同意することができませんから、その後も双方の代表間において交渉を継続いたしました。━━━━━━━━━━その過程において、先方もだいぶ日数もたちまするし、そろそろ予定した日限も到来をするというようなことから何とか取りまとめたいという気持がほの見えたのでございます。しんぼう強く交渉をいたしましたが、やはりもう一度岸・テヴォシャン会見をすることによって打開をはかろうということから、四月の二日に、岸総理から「例外的措置」という表現を変更しなさい、あるいはオホーツク海における問題も考慮してもらわなければ困るということを強く要請をされたのでございます。
その結果が、四月の四日、つまり昨日になりまして、先方から回答して参ったのでございます。今の二点について、「例外的措置」という言葉は、これを表現において考慮をする、オホーツク海の問題については、先ほど申し上げました将来にわたって中止するとか、著しい制限を課するとかという問題は、今回はこれを言い出さないという回答がございました。言い出さないということは、これは将来またそういう発言をする権利を留保するという意味が背後にあるわけでございまして、それならばそれで、こちらもさようなものはとうてい受け入れられないというような発言を留保するというようなことでございました。問題を先に持ち越したという感じでございます。こういう段階でございまして、昨日夜の七時から十二時を過ぎるまで五時間余りの間、日本側とクータレフ以下先方側とさらに折衝を重ねまして、まあけさ早朝と申しましょうか、まあ両方の間でとりあえず一応の合意が成立をいたしたわけでございます。それは「例外的措置」という言葉にかえるに「一九五七年についてのみ」と、こういう表現にいたしました。要するに英語で言うとオンリーというような意味のロシア語でありますが、トーリコという言葉をもって当るということなんでございますが、これはまあ表現の違いだと言われればそれまででございますけれども、はるかに軽い感じではなかろうか、こう存じております。
それから「豊漁年」ということを向うは決定的に打ち出して参ったのでありますが、われわれの方といたしましては「委員会が豊漁年とみなす一九五七年」という表現に変えさせました。と申しますのは、委員会において、日本側とソ連側と豊漁年に関する若干の差があると、こういうことでございます。と申すのは、わが方は大体豊漁年だという主張を展開して参りましたが、向うは最初不漁年だと言ったのですから、それがだんだんと上ってきて、まあ一九五七年は豊漁年だと思量するが、五十五年に比べると少しく低いというようにまあ申すのでありますから、そこで、両者をとって「委員会が豊漁年とみなす」、こういう表現にいたしたのでございます。
それからオホーツク海の問題は「将来にわたって」ということはもうお互いにこれは書いっこなし、ただ本年度の漁獲については、まあこちらも資源保護というような意味、あるいは向う側の漁業調整の問題等をも考慮することによって、母船二隻、一万三千トンというところで妥結いたしたのでございます。━━━━━━━━━━これはまあ委員各位あるいは顧問の諸君と相談をいたしました結果、まずこれならば経済ベースに乗って二船団が十分可能であろうという見解に基いて、こういうふうなところで結論を出した次第であります。
それからゆうべ、約二時間にわたって相当に議論をいたしました問題は、例の距岸四十海里という問題であります。昨年の協定において、日本側の接岸距離というものが相手方の陸地から四十海里ということに相なっておったのでありますが、これは将来すみやかに再検討をすると、こういうことに相なっておりました。そこで、条約付属書に基く再検討が行われたのでありますが、基本的には、問題がまだ持ち越されまして、さらにこれは五八年に再検討する、そして五七年は暫定的に四十八度線から南の部分、これは千島の太平洋岸とオホーツク海岸と両方に適用されることに相なるのでありますが、そこだけは二十海里、四十八度から北は従前通り四十海里と、こういうことで合意をいたしたのでありまして、さらに来年の委員会でこの問題は科学的資料等に基いて再検討するということに相なります。この意味は、母船式によりまするものは四十海里を隔てても、まあ船の装備がよろしゅうございますから、このラインを侵すというようなことは防げまするが、北海道を基地といたしまする小漁船に関しましては、ときによっては危ないということもございますので、これに対する制限を緩和させた、こういうことであります。
そのほかベニザケの資源保護の問題、これにつきましては、北緯五十二度以北、東経百七十度二十五分以西のカムチャッカ半島の東方海域を地域的に指定をいたしまして、ここでは七月二十日までしかベニをとることを許されない、あとは停止をするということを日本側が自発的にやろうということで話をきめたわけであります。このベニザケの問題は、これは日本側の学者も、たとえば藤永博士のごときも論文を発表しておるというような次第でございまして、ベニについての規制はやはりしなければならぬというのは、これはまあ日本側としても考えなければならぬ点でございましょう。そういうふうな次第で自主的に、時期と地域をある一定部分に限ると、こういうことにしてベニザケの保護をいたしたいと考えるわけでございます。先方は最初はベニザケは七千トンだ、あるいはこのベニの問題にからみ合せて、ほかの魚種について、それぞれ十二万トンの内訳をきめよというような提案をしてきたのでありますが、それはとてもそういうことは漁撈の実際問題としてできることじゃありませんが、今のこっちの自発的な方式でベニの規制に協力をしようということにいたしました。
それから小ニシンの混獲許容限度の問題、これは一漁船一航海について、尾数について全漁獲量の一〇%をこえない範囲とする、一〇%をこえたときは、当該漁船による当該場所における操業は中止させる、または大きな網目の漁具にかえなければならないというのが小ニシンに対する規制でございます。
それから雌ガニ、子ガニの漁獲許容限度及びカニ網の設置についての問題でありますが、これは網一反当りの平均一尾という程度をこえない混獲率とする、あとこまかいこともございますが、そういうふうな程度にいたす。
それから科学的調査の問題がございまして、この調査研究の基本方針を定めまして、一九五七年度の共同調査計画をきめたわけであります。なお、お互いに資料を交換するとか、あるいは漁業使節団の交換を実現するように両国政府に勧告をするというふうな問題もきめられたわけであります。
まあ、おもなるポイントはさような点でございますが、これが正式文書として、委員会において採択されることになっておるのでありますが、ただいまこれを整理中でございまして、私も午後からはそちらの方へ参る予定でおるわけでございます。まあきょう一日くらい、そういった準備に追われまして、多分明日、両者の正式決定を見るということに相なろうかと考えておるわけであります。
大体以上のような経過でございまして、この五十日間を顧みますると、まことにじんぜんと日がたち、結果として現われたこの結論というものは、まあ大方の御期待から見ますると、御批判もあろうと思いますが、われわれ交渉の任に当りました者としては、精一ぱいの努力をいたしたつもりであります。そしてこの問題が、なお将来に持ち越された部分も多いのでありまして、こういう点を今回明確に割り切ることができなかったということも━━━━━━━━━━ございまするが、それにいたしましても、ともかく十二万トンという一つの目安は、━━━━━━━━━━一つの実績━━━━━というふうにも解釈し得ると思うのでございます。折から漁期も非常に切迫をいたしておりまするし、まあこの辺で結論を見出し、自余の問題は、これの国内配分の問題をどうするか、いろいろこまかな問題も残ると思いますが、当委員会の御示唆等もいただきまして、遺憾なきを期したい、このように考える次第でございます。
以上簡単でありますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X02519570405/5
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006・千田正
○千田正君 質問する時間がないでしょうから、注文を申し上げたいのですが、ただいま農林大臣以下、農林省の水産庁各位の御奮闘に対しては、大いに感謝いたします。御報告のありましたうち、発表して差しつかえない部分ですね、われわれ委員に一応資料として配付していただきたいと思うのです。これは来年またこういう問題が当然繰り返される、また持ち込んだ分もありますので、われわれも研究さしていただきたいと思いますから、一応妥結して調印しましたなら、その資料を一つ配付していただきたい、この注文だけ申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X02519570405/6
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007・青山正一
○青山正一君 もう質問時間も何もないのですが、しかし、質問したいことは相当あるわけなんです。しかし、本問題については、農林大臣以下漁業委員会の非常な努力によって、ここまでの成果を得たということについては感謝しております。ただ、今後の問題についていろいろ質問したいこともありますが、時間も許されておりませんですから、いずれ官房長を通じていろいろ御質問申し上げたいと思います。急いでおりますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X02519570405/7
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008・堀末治
○委員長(堀末治君) 以上で秘密会を閉じます
午後一時四十五分秘密会を終る発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X02519570405/8
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009・堀末治
○委員長(堀末治君) なお、ただいまの秘密会の会議中、特に秘密を要するものについては、本院規則第五十八条により、これを会議録に記載しないことにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X02519570405/9
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010・堀末治
○委員長(堀末治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、その個所については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X02519570405/10
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011・堀末治
○委員長(堀末治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X02519570405/11
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012・堀末治
○委員長(堀末治君) 速記を起して。
農業災害補償法の一部を改正する法律案(閣法第百三十一号)、農業災害補償法臨時特例法を廃止する法律案(閣法第百三十二号)、農業災害補償法第百七条第四項の共済掛金標準率の改訂の臨時特例に関する法律案(閣法第百三十三号)を一括して議題といたします。
これらの法律案は、いずれも昨四月四日、内閣から、予備審査のため提出、同日当委員会に予備付託となったものであります。
まず、政府から提案理由の説明を聞くことといたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X02519570405/12
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013・八木一郎
○政府委員(八木一郎君) 農業災害補償法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
農業災害補償制度については、ここ数年来その改正が論議されて参りましたが、本制度の運営の現況にかんがみ、これが改正をすみやかに行う必要があるので、今回制度内容の合理化、農家負担の軽減、事業実施主体の特例及び監督の強化を目途として、この法律案を提案した次第であります。
その第一は、制度内容の合理化であります。従来この制度の内容について農家の間にその合理化の要請はかなり根強いものがあります。従って今回は、極力その要望にこたえることとした次第であります。すなわち現行制度は一筆反建でありまして補償内容が土地生産力の実態に即応しないという非難がありましたが、それに対しましては一筆石建制を採用するとともに石当り共済金額の選択制の道を開きました。また料率については極力その個別化をはかることといたしました。さらに強制加入制度の緩和措置として、一定規模以下の農家については、任意加入制を認めることといたしました。なお右のほか損害評価及び損害評価会等に関する規定の整備をはかることといたしました。
第二は、農家負担の軽減であります。共済掛金の国庫負担につきましては従来通常被害率のうち全都道府県中最低の被害率に対応いたします部分について三分の一が国庫負担となっておりましたのを二分の一に改め、農家負担の軽減特に低被害地の農家の負担割合の軽減をはかった次第でございます。
第三には、共済事業実施主体の特例であります。従来農業災害補償制度は、市町村段階の農業共済組合と都道府県段階の農業共済組合連合会によって運営されて参ったのでありますが、農業共済組合の事業の規模が小さいこと、その他の理由により農業共済組合によって運営することが農家負担等の面から見ても必ずしも最善とは考えられない場合があります。
このような場合において農業共済組合があらかじめ市町村と協議しその総会の特別議決を経た上当該市町村に対して共済事業を行うよう申し出てその承諾によって市町村に共済事業をうつすことができる途を開いた次第であります。
第四に、監督の強化であります。農業共済団体につきましては、従来とも会計検査院、行政管理庁等からしばしばその運営が適切でないとして御指摘を受けている次第でございます。そこで農業共済団体の猛省を促すとともに、その行う共済事業または保険事業を適正かつ効率的に行わせるため特に必要あるときは、行政庁は、農業共済団体に対して業務の執行方法の変更その他監督上必要な命令を発することができることとし、その命令に違反した場合は、農業共済団体の役員の改選または解任を命ずることができることとした次第でございます。
以上の改正に伴い、本制度の運営につきましては、その適正かつ効率化について万遺憾なきを期する所存であります。
以上がこの法律案の趣旨でございます。
次に、農業災害補償法第百七条第四項の共済掛金標準率の改訂の臨時特例に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
農業災害補償法第百七条第四項の共済掛金標準率につきましては、五カ年ごとに改訂することになっており、水稲及び麦につきましては本年度がちょうど改訂期になっております。しかし、さきに御説明した農業災害補償法の一部を改正する法律案によって引き受けの方式、料率の算定等について改正を予定いたしておりますので、この際は、水稲及び麦について料率の改訂を一年延長することとした次第であります。
以上がこの法律案の趣旨でございます。
最後に、農業災害補償法臨時特例法を廃止する法律案についてその趣旨を御説明申し上げます。
農業災害補償法臨時特例法、昭和二十七年六月に制定されたのでありまして、政府はこれに基き、同年六月から五カ年の試験実施期間を限り、水稲と麦について全国から五%程度の組合を選定いたしまして、農家単位に減収石数を算定して共済金を支払う制度を試験的に実施して参ったのであります。この農家単位の方式につきましては種々の利点もあることはあるのでございますが、農業補償災害制度運営の現況から見て、今直ちにこの方式に移行することは無理かと存じますので、その期間満了とともに同法の付則第二項及び第三項の規定により同法を廃止するとともに必要な経過措置を規定した次第であります。
以上がこの法律案の趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X02519570405/13
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014・堀末治
○委員長(堀末治君) これらの法律案の審査は、後日に譲ることにいたします。
ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X02519570405/14
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015・堀末治
○委員長(堀末治君) 速記を起して。
本日は、これにて散会いたします。
午後一時五十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615007X02519570405/15
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