1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年三月二十八日(木曜日)
午後二時二十分開会
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出席者は左の通り。
委員長 岡 三郎君
理事
有馬 英二君
野本 品吉君
矢嶋 三義君
委員
川口爲之助君
近藤 鶴代君
左藤 義詮君
林田 正治君
林屋亀次郎君
三浦 義男君
吉田 萬次君
安部 清美君
高田なほ子君
松永 忠二君
湯山 勇君
野田 俊作君
国務大臣
文 部 大 臣 灘尾 弘吉君
政府委員
文部省初等中等
教育局長 内藤誉三郎君
文部省大学学術
局長 緒方 信一君
文部省管理局長 小林 行雄君
事務局側
常任委員会専門
員 工樂 英司君
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本日の会議に付した案件
○国立学校設置法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
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001・岡三郎
○委員長(岡三郎君) これより文教委員会を開会いたします。
まず、委員長及び理事打合会の経過について報告いたします。
定通法の一部改正、盲ろう学校の幼稚部、高等部に対する学校給食及び整備に関する件、盲ろう学校就学奨励法の一部改正に関する件、へき地教育振興法の一部改正に関する件について、法律案の委員会提出に関する提案が、社会党矢嶋委員からありましたが、これらについては各会派で検討をお加えになり、次回に協議することになりました。
次に、本日の日程として国立学校設置法の一部を改正する法律案から質疑に入ることといたしました。
以上報告の通り取り運ぶことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/1
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002・岡三郎
○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。
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003・岡三郎
○委員長(岡三郎君) 国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/3
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004・矢嶋三義
○矢嶋三義君 ただいま新たに研究所を設置する内容と、それから学名の変更、位置の変更を内容とする国立学校設置法の一部を改正する法律案が上程されているわけですが、この内容に入る前に、私は大臣に大学全般のことについて一、二伺いたいと思うのでございます。
それは、先般私立大学の研究設備助成に関する法律案を審議し、これを衆議院に送ったわけですが、その審議の過程において助成予算の積み上げ等について、当時高田委員から質問してみますと、はっきりした積み上げの数字を持っておられないということがわかったわけです。そこでこの際承わりたいのは、本法律に基く私立大学の研究設備の整備計画をも含んで、国立大学、これは研究所も含むといたしますが、これらを大学らしい一定の水準に整備、充実する年次計画的なものを持っておられるのかどうか、また立てようとされているのかどうか。今の岸内閣並びに前内閣においても経済再建五カ年計画というようなものを持たれていたわけですが、それらとマッチした年次計画を持たるべきだと思うのです。それからまた科学技術の振興を通して国力の充実をはかると言われているのですが、われわれが伝え聞くところによりますと、ソビエトにしても、アメリカにしても技術者の養成ということについては、確たる年次計画を持って着々とやっているわけです。日本でも最近原子力開発ということが盛んに叫ばれておるが、いざとなると技術者、専門家が不足して、機械を持ってきても使えないという嘆きがあるということを聞いているわけなんです。従ってそういう年次計画をはっきり持つべきだと思うのです。今度の予算を見ましても、昭和三十一年度の自然増収から三百億を特別会計にぶち込んで、そうして財政投融資をやられているわけです。ああいう一つの意気込みをもって私立大学を含んだ日本の大学の施設、設備の充実する年次計画を立てて、ああいう意気込みで日本の経済が前向きになっている今やれば、私は相当短期間でやれると思うのです。そういう意思があり、そういう政策を持つか、持たんかというところにあると思うので、どうも過去私は国会におって数カ年間審議してみると、大学に対する問題も私は行き当りばったりのような感じを受けるわけです。従って私はこの際はっきりとしたデータに基いた計画をもって進んでいくべきだと思うのです。それらに対する大臣の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/4
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005・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) お答えいたします。科学技術教育の充実振興ということにつきましては先般来しばしば申し上げたわけでございますが、御質問にありますように今日の段階におきましては、私立についてはこの間申し上げましたが、国立関係におきましても全体を総合しての年次計画というものはまだないのでありまして、この点はまことに遺憾に存ずる次第であります。文部省といたしましては科学技術教育を画期的に振興したいという希望を持っております。それの裏づけとなるべき計画を作成いたしたいと考えております。でき得るならば、そういう計画のもとに今後予算の要求等もいたしたい、こういう気持を持っておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/5
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006・矢嶋三義
○矢嶋三義君 国立大学の整備計画は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/6
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007・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 国立大学につきましても、総合した計画の一環として考えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/7
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008・矢嶋三義
○矢嶋三義君 その計画はどこで作成しますか、またいつごろを目途に作成せんとしておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/8
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009・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) それは文部省の方でいたしたいと思っております。そしてその計画は、文部省といたしましては次の予算要求に間に合せたい、こういう考えをいたしておりますので、なるべくすみやかに結論を得るように急いでやりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/9
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010・矢嶋三義
○矢嶋三義君 大臣としては年次計画を立てる場合に、何年次ぐらいの計画を立てるのが適当であるというようなお考えを持っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/10
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011・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) これは早いにこしたことはないのでございますが、しかしながら全体の計画が一体どの程度の財源を必要とするかというふうなこととも関連して年次計画を定めてやらなければならぬ。また一面から申しますというと、御承知のように経済自立計画というものを政府としても考えておるわけでございますので、それらとやはりにらみ合せて考えなくちゃならぬと思います。今何年間というようなことは結論を持っておりませんけれども、気持といたしましてはなるべくすみやかに、こういう考え方をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/11
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012・矢嶋三義
○矢嶋三義君 私はこの学術会議、あるいはあなたの最高の諮問機関である中央教育審議会を百パーセント活用して、早急に積極的に私は計画を樹立していただきたいと思う。警察予備隊が発足以来現在に至る自衛隊の陸海空の実情、これに至る経過を顧みた場合に、また最近の産業界に対する過剰と言える程度の施設に対する国庫の財政投融資、そういうものの実態を考えるときに、大学並びに研究機関の整備充実は国として必要であるからやるという決意に燃え、方針を打ち出せば、私はできるできないの問題ではないと思う。その積極性が、私は口には言うけれども、本日までなお足りないところに、御承知のように貧困なる状態にある一番大きな原因になっておると思う。従って私は先ほど申しましたように、大臣がいかような計画をいつごろまでに持たれるかということを重大関心を持って見守っておりますから、この点については大臣の格段の御関心と御検討を強く要望し期待いたしておきます。
次に、この内容面を少し承わりたいと思うのですが、商船大学はもと清水の校舎にいたわけですが、これはもう全部清水を引き揚げられたのですか。一部清水に残っておりますのか、どうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/12
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013・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) まだ一部は清水に残っております。(矢嶋三義君「どういうのが残っておりますか」と述ぶ)一般教育の方が残っておりまして、こちらに参っておりますのは三年四年でございます。一年、二年の課程はまだ清水の方に残っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/13
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014・矢嶋三義
○矢嶋三義君 この商船大学の校舎が問題になった当時、いついつは全部東京に移すのだということを承わったように私は記憶をしておるし、また清水の校舎というのは実にお粗末なバラックであったと思うのですが、東京に全部がお引き揚げになるのはいつごろと予定され、また清水の校舎はその後どうされる計画があられるのか、その点お答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/14
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015・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 私どもといたしましては、大部分が、一部は清水に残る必要があるかと存じますけれども、大部分がすみやかに東京に帰ってくることを強く期待しておりますけれども、ただいまのところまだその見通しといたしましてはいつごろということは見通しがついていない状況でございます。
なお、清水の跡でございますけれども、これは御承知のように昭和二十年にできた校舎でございます。跡は一部は教育研究の必要な施設設備は残しまして、実験実習等の施設に使っていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/15
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016・矢嶋三義
○矢嶋三義君 東京商船大学の実験実習の設備となるというわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/16
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017・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/17
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018・矢嶋三義
○矢嶋三義君 それだけにしてはあの広大な地域はもったいないですね、どうされますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/18
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019・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これは一部をそういうふうに使っていきたいと存じております。相当広大の施設でございますから、あとの使い方につきましてはなお十分考究いたしますけれども、現在はただいま申し上げましたようにまだ一年、二年は向うに残っておりますから、それがこちらに引き揚げてきます見通しがつきましたときにおきまして十分考究いたしますけれども、一部はわれわれとしましてはやはり実験実習の施設としてあそこに確保いたしたいと、かように現在のところ考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/19
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020・左藤義詮
○左藤義詮君 関連して……。清水の場合、私も何回か見て知っておりますが、あれの処置については今矢嶋委員のお話のようにせっかくのものでありますので、海員教育の面にぜひ活用の方針をお立て願いたいと思うのですが、この際お尋ねしておくのは、東京へ戻りまして、敷地も限られておりますのですが、あれ以上、たとえば今の定員、研究施設等も拡張する余地はないと思うのですが、このお見通しはどういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/20
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021・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これは元の高等商船学校の施設といたしましては、ただいま使っておりますのがあるいは限度かと思いますけれども、さらにあれに隣接いたしまして水産講習所のこういう建物が、まだ自衛隊が使っている建物がございまして、こちらの方の明け渡しの見通しがつきました際にはそれを全部使用いたしたいことをわれわれとしては念願いたし、また期待いたしておるような次第でございます。そういう期待のもとにただいま申し上げましたようなことを申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/21
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022・左藤義詮
○左藤義詮君 水産講習所跡が商船大学に利用されることは非常に望むところでありますが、防衛庁とそのお話し合いがついておりますか、あるいはいつごろになって明け渡しされるものであるか、お見通し等お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/22
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023・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) まだ十分その見通し等につきましてはついておりません。ただ、今引き渡しを受けましたところは、防衛庁の建物がこちらにできまして、三十年の四月に引っ越しができましたので、その跡にただいま申しました商船大学の三年、四年を移したわけでございまして、引き続きその隣接の水産講習所の使用の建物につきましてもまあ引き渡しを受けたいと念願いたしておるわけであります。しかし、まだ具体的の見通し等につきましてはついていないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/23
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024・左藤義詮
○左藤義詮君 貿易の発展、特に貿易外収入、いろいろな点から考えましても日本の海運の前途に期待することは非常に大きいのでありますが、政府としてはこれに非常に力を入れておるのでありますが、そういう点から海員、ことに高等船員の需給状態が非常に窮迫している。しかもこれを満たしますために、実習期間も入れまするというと、四年、五年以上の年月が要るわけでございますが、そういう点で東京と神戸と二つだけの大学、その東京の方が、水産講習所等から考えましても、清水から引き揚げてきても、なかなかこれを拡張する見通しは十分でないと思う。神戸の方は戦災を受けましたのが大学に復活してやっているのですが、現在定員がたしか航海、機関六十、六十ですね、あの施設及び教授陣容等から見ましても、もう少し増募ができると思うのでありまするが、本年度だってこの高等船員の需給状態の逼迫していることからごらんになっても、当然私は拡張するだけの予算折衝をなさるべきだと思うのでありますが、一向そういうことが出ておりませんのでございます。何かお見通しがありますかどうかですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/24
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025・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 船員増募の、商船学校の学生の増募の問題につきましては、今後の問題としては十分研究いたしたいと存じますが、これは御承知のように海員の、船員の需給につきましては、運輸省に海上航行安全審議会船舶職員部会がございまして、そこで慎重に審議いたしまして計画が立つことになっております。本年度につきましては、その方面とも十分折衝いたしました上、増募をはかるまでに至らなかった次第でございます。今後の問題といたしましては、さらに関係方面と連絡をいたしまして検討を続けていきたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/25
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026・左藤義詮
○左藤義詮君 非常に重大な問題でございますので、本年度はもうすでに四月予算がきまって入学試験も済んだようでございますが、しかも非常に志願者が多く、将来日本の海を背負っていこうという希望者が多いわけでございますが、明年度はぜひ東京の学生はもちろんでございまするが、神戸でも定員をふやして、それに応ずる施設、教授陣容等も十分樹立して、強力に推進されるように明年度の予算折衝に当っては文部省にもぜひ御奮発をお願いしたいと思います。文部省いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/26
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027・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 御質問の御趣旨はごもっともに存じます。船員の需要につきましては、御承知のように貿易その他につきましては相当変動の多いものでありますので、簡単にきめるわけにもいかぬと思いますけれども、しかしわが国といたしましては、何といたしましても貿易の振興をはかり、海運の振興をはからなくちゃならない立場に置かれておると思います。御趣旨に沿うように今後努力いたしたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/27
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028・高田なほ子
○高田なほ子君 ただいまのに関連して……。定員増の問題が今左藤委員から御発言があったわけですが、これは大臣の御答弁にも考慮されるようなお話でありますが、これはしかるべくすみやかに定員増という問題が実際に考えられなければならない。私は御答弁だけでなく、やっぱり実際に予算化するような御熱意というものを持っていただきたいということを常に感じておるのですが、関連して……。神戸商船大学に過般来、決算委員会の視察のついでに、当文部委員会が全員一致でもってあの設置を可決したので、その後いかがかという気持で参上いたしましたところが、文部省はこの講堂を建てる予算を取っておりながら、商船大学自体が寄付を集めなければ、その金は渡さぬというようなお話で、大へんに寄付集めに苦慮をしておられることを伺ってきたんです。もちろん財源には限りがありましょうけれども、全大学をあげて寄付集めに狂奔しなければならない。神武景気のこの造船界から寄付を集めるということは、そう至難なわざではないかもしれませぬが、そもそも教育者が寄付集めに頭を下げて歩かなければならないような、そういうやり方というものに非常に私は憤りを実は感じたわけです。お気の毒に感じてきた。国の予算が——神戸商船大学の講堂ですか、作る予算が組んであるものなら、なぜ寄付集めなければ渡さぬというようなことをなさるのか。とっても私にはこういう冷酷なやり方が、わけがわからないのです。左藤委員の御発言がありましたので、この際、定員増とにらみ合せて、国の予算を当商船大学に出す場合に、大学自体が寄付を集めなければ出さないというような、そういうきまりというものはいつ一体きめられたものか、伺っておきたいのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/28
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029・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) お話のございました学生の増募につきましては、来年の予算におきましては、特に理工系につきましては、十分検討いたしまして、相当な増を予算上にもはかっておる次第でございまして、ただいま御審議願っておるような状況でございます。ただ、商船関係につきましては、先ほど申し上げましたように、船員の需給をきめますところの審議会と十分相談をいたしまして、今年度はそこまで至らなかったということでございます。
それからなお後段にお述べになりました学校の施設、設備等につきまして、地元の寄付を受けることについてでございますが、これは御承知のように、ただいまの新制大学ができましたときにも、地元の相当な、何と申しますか、整備のための協力会というようなものが地元にできまして、そちらの御協力を得て、新制大学を順次整備してきた経緯は御承知の通りでございますが、しかしこれは本来国費で整備しなければならぬことは当然でございまして、しかしながら急速に、なるべく急速に、新制大学を盛り立てていこうという観点に立ちまして、地元におきましてもそういう御協力のあるようなところは受けたような状況でございます。神戸商船大学につきましても、そういう当初のお約束がございまして、その観点から、一部は地元の寄付に待って施設を整備しておるという状況は、今お話の通りでございます。それがいつきまったかということでございますが、地元の御協力を得て整備をはかっておるという実情を御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/29
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030・高田なほ子
○高田なほ子君 ことしに入られてから、文部省は神戸商船大学に出かけて、実際お調べになった事実がございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/30
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031・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) ことしになりましてから参った事実はないと存じますが、あるいは担当が行ったかもしれませぬが、ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/31
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032・高田なほ子
○高田なほ子君 昨年はいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/32
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033・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 昨年はたれか係の者が行って、十分調査をいたしたと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/33
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034・高田なほ子
○高田なほ子君 私は何をお調べになったか、実際疑問に思って尋ねているわけです。協力会が学校の設備の完備に協力するということにはやはり限界があるのじゃないかと思うのですが、現在なおもって学生は雨の中を本校の荒れさびた校舎に朝食を食べに飛んでいかなければならぬ。そのことを解消するために学長が非常な苦労を払って、いま学生寮や食堂の建設、あるいは校舎の整備のために非常な骨身を削るような苦労をしておられる。そういう苦労をもう少し軽減さしてあげなければ、ただここでどんどん設置して、それでこのつじつまを合せるというようなことであってはまことに相済まないと、どうか一つ文部省は新しく設置される、あるいはされた大学の整備という問題については、ほんとうの親心をもって学長やその他の教授が塗炭の苦しみをなめながら学生を守っていかなければならないという、こういう境地に陥れないように十分に一つこれは援助と御指導を願いたいというふうに私はほんとうに感じるわけです。
関連して次にお尋ねをいたしますが、東京水産大学も今度新たに設置になるようでございますが、東京の水産大学の方には文部省から最近御視察に参られましたでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/34
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035・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 文部省としてはそれぞれ係がございますから、これは視察に行っておると存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/35
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036・高田なほ子
○高田なほ子君 どうも私の伺うところではあまり視察に行っていらっしゃらないようでございますが、たまたま卒業式の招待が各議員に配られたように思います。で、私はやはり水産大学についても当文部委員会は責任をもってあそこに、移転を責任をもってあそこにきめたわけです。また文部省としてもそうであろうと思うのです。けれども、やはり新しく今発足し、また発足整備途上にある大学に対しての国の手というものは、あまりにも形式的であって愛情が薄過ぎるように思うのです。卒業式に文部大臣の代理を立てて式辞を朗読するだけが私は文部大臣の御使命ではないと思います。もっと常時まだ整備し切らない大学については特に大臣がみずから足を運ばれて、国立大学の面目が立つようにどうか一つがんばっていただきたい。水産大学のあの学生の寮を一度でも私は大臣に見ていただきたい。そうして貴重な標本がまだ廊下にちりほこりにまみれてころがっている実情を見ていただきたい。単にこの国立学校設置法の一部を改正する法律案で体裁を整備するだけでは何にもならない。どうかこれは近くにあるところでありますから、より一そうの御努力をもってほんの一時間でもよろしいですから、足を運ばれて、一つどこに欠陥があるか、どうしなければならないかという、その現実に直面していただきたい。私は余分なことを質問いたしませんが、これをお願いし、かつこれに、私の意見に対する大臣の御見解を承わらせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/36
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037・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) まことに御親切な御忠告をいただいたわけであります。私に対する御要望につきましては十分了承いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/37
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038・矢嶋三義
○矢嶋三義君 先ほどの答弁では、この清水の校舎の跡は将来実験実習の場にしたいと、こういうまあ答弁があったわけですが、東京商船大学並びに神戸商船大学の両大学の実験実習に供するようにしようという、こういうお考えかと推察するのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/38
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039・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 現在のところは東京商船大学としての実験実習施設と考えておりますけれども、まだこれは先ほどもお話がございましたように、広大な地域でございますので、これをどういうふうにするかということにつきましてはさらに今後とも研究を続けていきたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/39
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040・矢嶋三義
○矢嶋三義君 私は意見を述べて大臣の答弁をわずらわしたいと思うんですが、神戸に商船大学を設立する場合に、賛成論と反対論とあったわけです。この反対論の一番大きな理由は、当時東京商船大学は清水にあって、風が吹けばゆれるようなバラックで施設設備は十分でない、こういうときに、神戸に新しい商船大学なんか作るよりは、わずかしか予算はさけないんだから、清水にある商船大学を充実し、それから船員の養成を拡大する必要があれば、清水の募集人員を多くして、一つがっちりした商船大学にした方がよろしい、これを、わずかな予算を東京と神戸に分って、しかも昔の高等商船時代の海上勤務員の閥ができたらあぶはちとらずだ、かつて日本の陸軍と海軍の対立が激しかったことは、日本の敗戦の大きな一つの要素となっておるのであるが、かつて東京高等商船と神戸高等商船というのは非常に対立が激しくって困ったんだ、それが、新たに神戸に商船大学ができるというと、またそれが復活することになる、こういうのが私は最も大きな反対理由だったと思うのです。私は、ごもっともだとその当時聞きました。しかし、結果は、神戸の商船大学というのは、私は、かなり政治的なにおいを持って設立されたと思うんです。その後、生み落した以上は、神戸商船大学の充実を当然はからなくちゃならぬ。ところが、先ほど高田委員からも指摘されたように、われわれはいろいろ陳情を聞いておりますが、遅々として整備が整っていないのです。しかし、はっきり大学ができたのだから、両大学を育てていかなくちゃなりませぬ。しかし、私は、面大学の当事者は再びその閥が生じないように細心の注意を払って対処されていると思うんですが、せめて、実験実習というような、だんだんと進歩していくわけですから、優秀な実験実習所をこしらえなくちゃならぬ。それには、私は清水なんか格好の所だと思うんですよ。そして、東京と神戸の両大学が共有するようにすれば、予算も効率的になるし、それから両大学の融和という点にも私は役立つと思うのです。従って、将来清水に実験実習の施設をされるとすれば、相当の国費を投じて両大学の共有の実験実習の場にされてはどうかと、かように私は考えるわけですが、いかがでございましょうか、大臣の御見解を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/40
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041・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 従来の経過をよく承知いたしておりませんので、いろいろ教えられたと思うのでございます。両大学のいわゆる閥のようなことが将来いろいろな面において妨げとなるようなととがあってはならないと思いますので、教育に当りましては十分に気をつけてもらいたいと思いますが、今お示しの実験実習の場を共同で使うと申しますか、これも一つの考えであろうと思います。一つ参考にいたしまして、さらによく検討させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/41
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042・矢嶋三義
○矢嶋三義君 次に、東京水産大学の件について伺いたいと思うのですが、この大学もずいぶん戦時中、戦後と気の毒な大学なんですね。水産講習所を追われ、久里浜に行ってからは全く米軍のとりこみたいに、米軍基地のまん中にあって、実に気の毒な戦後の十カ年間を経過したわけなんですが、先ほども指摘されたように、品川の施設設備は今なお不十分だというわけですが、久里浜の方はどうなっておりますか、その後。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/42
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043・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 久里浜は、今度こちらに移転が完了いたしますと、これは国有財産として大蔵省に移管をすると、かようなことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/43
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044・矢嶋三義
○矢嶋三義君 いつ全部品川の方に引き揚げますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/44
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045・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これは、三十二年三月末をもってこちらに移転をいたしたいと存じております。ただ、実際問題といたしましてこちらの建物の関係等でございまして、若干のおくれはあるかと思いますけれども、三月末を移転の時期といたしまして進めたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/45
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046・矢嶋三義
○矢嶋三義君 それで久里浜は完全に文部省の手から離れるわけですね。利用計画等はないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/46
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047・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) さようであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/47
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048・矢嶋三義
○矢嶋三義君 品川の校舎の整備が一通り整うのは、何年度を目標にされておりますか。ということは、私は最近見ていないのだけれども、あの大学にはずいぶん得がたいりっぱな標本なんかあるのですね。そういうものが放置されているわけですよ。早急に整備する必要があると思う。私は、七十二国立大学はあるが、七十二分の一という考え方がそもそも間違いだと思うのですね。各大学に水産学部というのはありますよ。ありますけれども、東京水産大学というのは単独の唯一の大学だしね。それから商船大学は神戸にあるけれども、日本に二つあるわけです。その使命も、他の大学ももちろんそうですが、きわめて格段と重いわけで、七十二分の一というような気持で特殊性のあるこういう大学を見てはならぬと思うのですね。どういう計画を持っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/48
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049・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 一応移転をいたしますための施設は今度整備いたすわけでございますけれども、なお、内容の充実整備につきましては、今後とも力を入れていかなきゃならぬと思います。ただいまお話のございましたように、七十二の国立大学がありますけれども、これは水産大学を特定いたしませんでも、各大学のそれぞれの特色に応じまして緩急をはかって整備をしていかなきゃならぬと存じます。水産大学につきましても、十分今後の問題といたしまして内容の充実につきましては力を入れたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/49
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050・矢嶋三義
○矢嶋三義君 この東京商船大学並びに東京水産大学に関する校名、位置変更の法律案を今年度出した理由は、どういうところにあるのですか。もう少し早くこれは出してよかったのじゃないですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/50
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051・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 商船大学につきましては、この三月末をもちまして、先ほど申しましたような、第四年次の学生はちょっと前に移っておりましたが、三年の学生とそれから本部の事務局、これが全部移転完了しますので、三十二年度から法律を改正したい、かようなことでございます。水産大学につきましては、三十二年三月末をもちまして全部移転を完了いたしますから、この機会に改正の御審議をお願いしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/51
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052・矢嶋三義
○矢嶋三義君 私は、商船大学、水産大学に関する質問は、一応ここらで終って、後刻物性研究所について質疑いたしたいと思います。大学関係については、一応終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/52
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053・岡三郎
○委員長(岡三郎君) ほかに大学関係についての御質疑ございますか。……それでは次に進行いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/53
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054・矢嶋三義
○矢嶋三義君 東京大学に物性研究所を付置される法律案が出ておるわけですが、原子核研究所を東京大学に付置する場合に、この原子核研究所は全国の大学研究学徒の共同研究用として設けるんだということが説明され、この運用に当ってはその設立の趣旨に沿うように十分の注意をしてほしいということを当時要望したわけですが、その後の運用状況はいかようでありますか、お答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/54
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055・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 原子核研究所につきましては漸次年次を追いましてその内容を充実して参りまして、そうしてただいまお話のようにこれは共同利用の研究所でございます。これはもちろん東大の付置研究所でございますから、東大が相当な自主性を持ちますわけでございますけれども、その施設の利用等につきましては共同利用の目的を達するように現在も運営されている状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/55
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056・矢嶋三義
○矢嶋三義君 うまく運用できているのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/56
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057・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) うまく運んでいるつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/57
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058・矢嶋三義
○矢嶋三義君 物性研究所も同じような立場で付置されると了承していいのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/58
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059・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) そうであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/59
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060・矢嶋三義
○矢嶋三義君 この物性研究所の研究部門の構成とか、あるいは予算、定員等はどのようになっておりますかお教え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/60
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061・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これも年次計画で漸次整備を進めたいと存じます。完成年次におきましては大体二十研究部門ぐらいを予定いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/61
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062・矢嶋三義
○矢嶋三義君 二十ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/62
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063・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) はあ。なお検討いたしますけれども、現在のところ二十ぐらいの予定をいたしております。三十二年度は初年度でございますけれども、初年度におきましては三部門をもってとりあえず出発をいたしたい、かように考えております。大体三年次計画でいきたいと思います。
そこで予算でありますが、これは経常費三百四十七万五千円、設備費三千万、それからなお施設費といたしまして四千万を計上いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/63
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064・矢嶋三義
○矢嶋三義君 すると三年次計画といえば完成するまでに、今説明があった設備費三千万、施設費四千万の約三倍と、こう思ってよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/64
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065・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) それは将来の予算にかかりますけれども、完成までにおきましては三倍よりも、まあ部門の数から申しましてももう少しふえるかと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/65
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066・矢嶋三義
○矢嶋三義君 こういう研究所はわが国では初めてですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/66
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067・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 物性研究所としては初めてであります。今の御質問の意味が共同利用の研究所であれば、先ほどお話の原子核研究所、あるいは京都の基礎物理研究所がございますけれども、この物性研究所としてはわが国に初めての研究所でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/67
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068・矢嶋三義
○矢嶋三義君 速記をとめて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/68
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069・岡三郎
○委員長(岡三郎君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/69
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070・岡三郎
○委員長(岡三郎君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/70
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071・矢嶋三義
○矢嶋三義君 この設立三年次計画の内容等は学術会議の要望の線と大体一致しておりますかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/71
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072・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これは内容をいろいろ整備しますにつきましては、学界の方と十分連絡をとって意見を聞いて進めていきたいと存じております。物性の研究所も相当ございますから、物性の研究所にも十分相談をしつつ進めておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/72
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073・矢嶋三義
○矢嶋三義君 この研究所の職員は定員何名くらいになる予定であり、また研究者は年間何人くらいここに入る予定ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/73
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074・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 初年度の定員は三部門でありまして二十名を予定いたしております。これが完成いたしました場合の計画といたしましては二百七十名くらいを予定をいたしております。これはなお今後の進展に基きましてなお検討いたしますが、一応の予定はさようにいたしております。それから研究者の利用の数でございますが、これはここでお答えいたしかねますが、わが国でも相当物性の研究者はたくさんあるわけでございまして、全国の利用施設としてこれを使っていきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/74
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075・矢嶋三義
○矢嶋三義君 この研究所の設立については専門学者が計画し、タッチされていると思うのですがね、どなたが中心でこれを推進されているわけですか、専門家としては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/75
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076・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 学術会議の茅会長、それから小谷博士、かような方々が代表的な方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/76
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077・矢嶋三義
○矢嶋三義君 こういう研究所を設立する場合はその計画をし、それを推進していく場合に将来責任者として所長のポストにつくような人が当初からタッチされている方がいいと思うのですが、そういう予定された人がタッチしておりますかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/77
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078・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) この所長の問題は、今後の問題でありましてまだきまっておりません。しかし相当広い範囲で先ほどから申しますように御相談に乗っていただいておるわけでございます。所長としてはよくわかりません。その関係の方々は十分タッチしておられると存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/78
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079・矢嶋三義
○矢嶋三義君 これは大臣に私は要望いたしますが、今所長はだれにするつもりかなどということを伺おうとするつもりじゃないのですが、研究所ができ上って何の何がしを研究所長に命ずる、でなくて、こういう専門家に所長をまかしたら適当であろう、まあ学術会議あたりも意見を持っていましょうしね、そういう人を選定されて建設段階からそういう人を選ばれていった方がどちらも都合がよく研究所設立の趣旨に沿うと思いますので、さように御配慮をいただきたいと思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/79
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080・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 研究所長の人事はまあ御承知のように東大の付置研究所でございますので、東大中心に考えていかなくちゃなりませぬが、今御心配といいますか、御意見にありましたようなことは御心配いただかなくてもいいような状態にあると私はまあさように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/80
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081・矢嶋三義
○矢嶋三義君 これは独立研究所ですから予算は全額直接いくわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/81
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082・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) もちろんそれは東大の予算として配賦せられるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/82
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083・矢嶋三義
○矢嶋三義君 いや、東大の予算の中に物性研究所の予算と項目として入って、他の学部に流用されるというようなことは絶対ないわけだね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/83
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084・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これは東大の研究所の予算の中に入りますけれども、それは他に流用されることはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/84
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085・矢嶋三義
○矢嶋三義君 この場合、この研究所の予算と関連して、再三問題になる研究費の問題について大臣に予算の組み方について承わりたいと思うのです。もう常々陳情を受け、この委員会でも問題になっているわけなのですが、大学の教授の研究費というのは校費にぶち込んでいくわけですね、従って末端の研究者に研究費が届くまでには、光熱費とか水道費とかいろいろな名目で差し引かれたものが末端の教授に届いて、非常に少額になってくるわけですが、今後予算の編み方としてかような校費と純研究費というものは別個に私は組み立てて、そうして研究は研究費としてそのまま届くような予算の編成の仕方に私はすべきだと思うのですが、承わるところによると、研究所によれば庁費と研究費を全く分離して予算に組んで流れるようにしてあるところがあると聞いているのですが、どうしても大学の場合はそういうふうにしないと、今のように校費という名前でぶち込んでしまったのでは、研究費を若干文部省で単価を上げても、末端の教授にはなかなかそれが届いていかない。大学では御承知と思いますが、なかなか事務局長さんが幅をきかしておって、教授の方は学者で比較的におうようにされておるもんだから、幾ら予算を組まれて幾らくるのかよう知らないで、もらった研究費が少くてどうもならぬ、これでは研究ができないといって嘆いておるのが実情で、私は気の毒でならぬと思うのですが、さような予算の組み方にされてはどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/85
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086・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 率直に申し上げますが、私も実は大学関係の予算の組み方がよくわからないのです。非常に複雑と申しますか、こみ入っているように思うのでありますが、これも長い間のしきたりがさようなことになっておるのではないかと思うのでございますが、また大学自体にいろいろ都合もあって、あまり文部省の方からかれこれ申すのもどうかと思う点もあるのでございますが、今お話のような点につきましては、もう少しわかりやすい予算にしたらどうかというような気持がいたしておりますので、さらによく御趣旨もあることでありますので、検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/86
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087・松永忠二
○松永忠二君 一つ大臣にお尋ねいたしたい点でありますが、前の法律でも理振法の一部改正が通り、私大の研究に対する設備助成が出てきた。今度また物性研究所というのが設置されるわけでありますけれども、近ごろ高等学校あたりでも実は理科設備、あるいは旋盤その他のそういう機械類を購入するということは非常に至難になってきておる。そうして実は購入をしたいのだけれども、事実上購入しようとしてもその機械はとうてい手に入らない。これは、この他の産業の方面で非常に産業設備が急速に進んでいるためにその希望する機械が手に入らないという状態が出てきておるわけですが、私の、たとえば静岡県あたりでも水産高等学校の施設として旋盤を購入したいと考えてもこれはとうてい手に入らない。そういうところから高等工業学校あたりから古いものを回してもらって便宜をはかってもらわなければできない状態になってきておるわけですが、こういうふうにいろいろな研究施設ができてくるわけでありますけれども、そういう点についてやはり今の産業界の情勢とからみ合せてみて、学校の機械設備の購入というものについて何らか文部省として措置を講じてもらわなければできないというふうな情勢が出ているように私どもは考えるわけですが、こういう点についてどういうふうな、まあそういう点ほとんど心配はないのか、何らかそういう点について考慮を払っていかなければできないというものなのか、そういう点について一つお考えをお聞きしたいわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/87
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088・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 高等学校等で必要とする機械設備が手に入りにくいというようなお話でございますが、そういうふうな場合に文部省としてお世話のできるものはこれはお世話をしてよろしいと思いますが、実情がどういうふうになっておりますか、よく承知いたしませんので、その辺の点につきましては政府委員からお答えをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/88
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089・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) ただいまのお話は、高等学校の関係を主としてお話しになったようでございますが、大学関係の、先ほどから申しますような、研究所に備えます実験装置は、これは相当特殊なものでございますので、これは大体今のお話からはずれるのではないかと思います。私も高等学校の問題につきまして十分に実情を承知いたしておりませんが、これはよく状況等も調査いたしました上、あるいは先ほどお話がございましたかと思いますが、産業界方面とも十分連絡をして、その協力を得るという必要もあろうかと思います。産業教育のために地方でも連絡機構等がございますので、さような必要もあろうかと思いますので、実情を調査した上で何らかさらに検討をしなければならぬかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/89
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090・松永忠二
○松永忠二君 今のお話で、たとえばここで問題になっておる付置研究所の機械等についても、ほとんど購入することができないという状態にはないと、その他の大学関係においてもそうであるというお話でありましたが、一つ実情をよく御調査いただいて、そういう点についてやはりちょうど建築における鉄材の値上りに伴ってこの一部を確保するというようなことが必要になってくると同じような状態がこういう部面にも出てきてはいないかというふうに考えるので、この点について一つ御研究を進めていただきたい。で、もう一つの点でありますが、この付置研究所というのは、大体というよりも、ほとんど旧制の大学に付置されているのが現状であるわけであります。ところが、新制大学についても、実は従前長く研究をしているために、相当特色のある、しかも充実した研究機関というものを持っておるわけであります。ところが現状においては、付置研究所としてほとんど認められておらない、認めることがほとんど不可能に近いという状態になっておるように私ども聞いておるわけでありますけれども、こういう点について今後どういうふうに進めていくお考えであるのか、そういう点を一つお聞かせをいただきたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/90
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091・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 研究所につきましては、各大学のそれぞれ特色のある研究をいたしていく上におきまして、これを十分検討の上付置していかなければならないと存じます。ただ大学におきまして、やはりこれは相当学術の研究ということを深くいたしまして、そうして研究者の養成をはかる大学もございまするし、それからなおまた専門技能者を養成していくという大学もこれはございます。いろいろな特色を持っておるわけでございまして、専門の研究を深めていくという研究施設を設置いたしますのは、どうしても今お話のように、学術の専門的な研究を深くやっていく大学に付置されるのが通常になって参ると思います。しかしながらこれはおのおの特色がございますので、これは十分検討して進めていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/91
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092・松永忠二
○松永忠二君 そうすると今のお答えによれば、決して付置研究所というのは旧制大学に限ったわけではなくて、現実に充実している研究機関であり、また施設も充実しておるし、特色のある研究もやっているということであれば、今後付置研究所というのはそういうところにも認めていきたいという方針なんでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/92
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093・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これは必ずしも付置研究所は新しい大学には全然ないということではございませんので、その大学の研究の成果なり業績なりによりまして検討して参りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/93
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094・岡三郎
○委員長(岡三郎君) ちょっと聞きますが、この二十名の定員で、純増七、振りかえ十三名で、研究部門としては結晶第一を新設して、電波分光、理論第一を理工学研究所より振りかえると書いてありますが、あとずいぶん分子とか、理論第二、固体核物性、半導体等々、一ぱいあるんですが、これは東大に全部やらせるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/94
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095・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これは先ほども申しますように、完成のときには二十部門ほどで、これは東大の付置研究所でございます。これは東大の付置研究所である物性研究所の中の研究部門でありまして、大学で申しますと講座に当るものであります。二十ほどの研究部門を備えていく、かようなことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/95
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096・岡三郎
○委員長(岡三郎君) そうすると、今の松永君の質問と関連するんですが、こういうふうにまとめて置かないとこれは工合が悪いものがあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/96
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097・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これは先ほども御説明いたしましたけれども、全国の研究者に共同に利用させる建前でございます。そこで特に実験的な研究が必要でありまして、実験設備を同一の個所に集めて付設をいたしまして、そこで総合的に研究をしていくという必要がありますので、相当規模としては大きな研究所になりますけれども、同じ所にこういう部門を設け、あるいは実験装置も同じ所に集めてやっていくことが必要で、そういう意味で共同利用の研究所として設置いたしたいという考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/97
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098・岡三郎
○委員長(岡三郎君) その考え方はよくわかるんだが、学者の中にもなかなか学閥というのが多くあって、聞くところによるとなかなかその系統というのが重視せられておるというようなことを聞くわけですが、その研究所へ入る人員の配分、そういったものはどういうふうにしてコントロールするんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/98
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099・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これはあくまで東京大学の付置研究所でありますから、人事あるいは予算といったようなものは、東大の自主性が認められなければならぬと存じます。しかし研究施設を共同に利用して、この研究を共同で十分効果を上げて使っていくということにつきましては、物性研究所の中でその運営方法等につきましても十分協議の上、効果的効率的な方法を考えられていくと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/99
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100・岡三郎
○委員長(岡三郎君) そうすると考え方はわかったんだが、今の質問では、片寄るというふうな点についての心配ですね、その解明がなされていないと思う。たとえば地方の大学からこういうところへ入るということはなかなか容易でないというふうに、私は、モンロー主義的な傾向が強くなって、やっぱり東大なら東大系、あるいは一部分旧制の工業大学なり京都大学なりというように、そういうところにほとんど全部占められてしまうんではないか、こう思うんですが、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/100
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101・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) それは、先ほど矢嶋委員の御質問に対してお答えもしたんでありますが、設置の初めから学術会議の勧告によってできたものでございますし、今日まで進めて参りますにつきましても、学術会議の物性研究者の人々に十分相談をしてやっておりますので、それらの方々の意見をさらに徴しまして、十分効率的にただいま言われましたような弊害のないような運営の方法を考えてもらいたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/101
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102・岡三郎
○委員長(岡三郎君) それで、将来を考えて二十部門で一応東大に物性研究所を確立するということで、これでわが国としては足れりと考えておるのか、将来こういう研究はさらに多角的にせにゃならぬというので、競合するという面も考えて、あるいは分野が変った面に対する研究ということも考えて、別の所へ増設するということの考えはあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/102
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103・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 学術会議の昨年の勧告におきましては、まず一カ所を考えて、ここに十分設備を充実して効果を上げていきたいということでございます。これは、学問の進歩によりまして、将来のことはあるいはさらに設備しなければならないこともあるかもしれませぬけれども、目下のところ、この一カ所を充実して、そこで共同研究の実を上げたい、かようなのが学界の意見でもあるように承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/103
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104・岡三郎
○委員長(岡三郎君) ちょっともう一点。広く人材を登用して、ここで十分なる研究をさせるということはわかったんだが、その研究生を集める方法ですね。こういった点についての配慮がなされていないんですか。これはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/104
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105・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これは、物性研究者の共同利用の研究所でありますので、特別に研究生ということじゃございません。学者が部門々々に属しまして、そうして担当部門において研究を進めていく、さらにそれを総合して物性の研究の実を上げる、かような組織になって参るわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/105
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106・岡三郎
○委員長(岡三郎君) そうすると、二十名で三部門やるんでしょう、初年度は。二十名で三部門ですね。そうすると、一部門ずつについては、教授一名、それから助教授が一名、助手が二名ときまっているわけですね。そうするというと、おのずから、部門ができても、そういうふうにきまってしまえば、よそから利用するといったって、ちょっとむずかしいんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/106
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107・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 研究部門の構成は、教授、助教授、助手が一・一・二と、こういう比率で構成いたします。そこで研究をして参るわけでございますが、全国の研究者もそこに集まりまして、そしてそこに施設されます研究施設を使って研究をしていくわけでございます。そこに所属いたしまする研究者としましては、今お話の通りでありますけれども、しかし、その研究所を大学の研究者が利用していくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/107
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108・松永忠二
○松永忠二君 もう一点。大へん楽観的なお話を私聞いたわけなんですが、実は大蔵省あたりでは、付置研究所をもう少し数を少くしろということを盛んに言っているように私どもは聞いておるわけです。そういうようなことから考えて、今のお話では、新しい地方にある大学にもということだけれども、ほとんどこれは古い当時の医大なり大学であった所にのみ付設されて、新制大学と称せられるような所にはほとんどこれが付置されているのはないと思うんです。そういう点で、実は新制大学でも、長く専門学校当時から相当充実した研究施設を持っておる、研究機関を持っておる所があるわけなんです。そうしてまた、研究所の定員を確保して、それで研究を充実していきたいということを要望している所もたくさんあるわけなんです。ところが、現実には、現在ある付置研究所でもこれを数を少くさせることをむしろ強制されている段階だというふうに私ども聞いておるわけなんだが、そういう点については、やはり文部省としては、現在の付置研究所を拡充し、なお、新しい新制大学の地方においても充実された研究機関については、研究所に昇格をさしていくということについては、基本的に間違いないわけなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/108
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109・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 先ほど申し上げましたように、現在の新しい、旧制大学以外の大学におきましても、現在研究所の設置されている所はございます。そして、考え方といたしましては、先ほど申し上げましたように、それぞれの大学におきましてその研究成果が上り、その研究の業績の高い所には、そういう方向に検討していきたいと存じますけれども、具体的に、どの研究を取り上ぐべきかという問題は、これはおのずからそのときの判断、具体的な問題として判断していかなければならないと存じます。また、今お言葉の中にありましたように、これは予算の関係もございますので、それらの検討は十分しなければならないと存じますけれども、しかし、考え方といたしましては、私申し上げましたように、何も旧制大学に限って研究所を置くということじゃないのでございまして、それぞれの研究に応じまして検討していかなきゃならぬ、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/109
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110・岡三郎
○委員長(岡三郎君) 私ちょっと聞きたいのだが、なぜ聞くかというと、地方の大学になかなか優秀な教授は行かない。そのために、地方の大学には、充実せい充実ぜいと言っても、それに伴うようになかなかうまくいかない。設備はある程度不足していても、相当な優秀な教授が行けば、その大学というものは特色のある生徒を養成することもできるんだ。過渡的な段階は別としても、戦後十年たった今日においては、文部省が現在あるものを格差をつけて旧制大学と新制大学というものはもう違うんだという考え方が一応強くなっておるようだが、しかし、このままでは新制大学というものは見殺しにされてしまう、こういう意見が非常に強いわけで、まことに私たちももっともだと考えておるわけです。地方の方から優秀なる人材がたとえば東京のこういうふうな物性研究所へ来る場合に、それは門戸を開放するといっても、それに伴う旅費とか滞在費、こういったものがどのように考えられておるかということを聞かなければ、私はなかなか納得できないのだがね。これは十分そういう費用が取れますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/110
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111・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) この物性研究所におきましても、これが完成いたしまして十分運営ができます暁におきましては、この運営の予算を取りまして、そうしてただいまおっしゃいましたような旅費等につきましても考えて行きたいと思います。従来の共同利用の研究所におきましてはさような計らいをいたしておると存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/111
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112・矢嶋三義
○矢嶋三義君 共同研究所の運営というものは、非常に困難性はあると私は思うのです。しかし、国内の各所に設けることも物的に人的に事情が許さん点があるでしょうから、ある特定の所に充実した共同研究所を作ることはいいと思うのですが、運営の面についてはよほど細心の注意を払わなきゃならぬと思います。
私は、これと共通した問題として承わりたいのですが、宇治にこしらえる研究用原子炉設置ですね、この設置について、京都大学と大阪大学が対立して感情的なものにまで入っているのじゃないかというようにわれわれは外部から推測するわけなんですが、これは京都大学の付置研究所の性格を与えようとしているように私は承知しておるのですがね。そういうところにやっぱり問題があるのじゃないか、一つは。あの宇治の研究用原子炉の設置については、わが国初めてのことであるし、ちょうど大阪からも京都からも便利なんですから、ああいうのは、大学の付置でなくて、独立の研究所にしたらもう少しスムースに行くのじゃないかと、かような見解を私は持っておるのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/112
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113・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 独立の研究所と言われますのは、たとえば文部省のあるいは教育研究所のような形をお考えになっているのかとも思いますが、ああいう原子炉のようなものにつきましては、やはり一つの大学が責任をもって管理をしていくという体制をとりませぬとやはりうまくいかぬのではないかと私は考えております。で、利用といたしましては、今お話のように、共同利用ということを原子炉につきましても考えておるわけでありますけれども、しかしやはり一つの京都大学というものが、これが十分管理の責任をもってやる、研究所の運営につきましては、これは全国のものが十分共同して利用していく、かような体制を確立したい、かような計画なのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/113
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114・矢嶋三義
○矢嶋三義君 直接この法案の内容とは関係はないわけですけれども、研究所の性格という面からは共通だと思う。今御答弁がありましたように、宇治の研究用原子炉はやはり研究用として京都大学の付置研究所として置きたい。これは原子核研究所、あるいは物性研究所の東京大学の付置と全く同じ性格を持っておるわけですね。そこで私はこの際伺っておきたいのですが、設置準備委員会はその後どうなっているのですか。わずか千キロワットから五千キロワット程度の教育訓練用の原子炉を作るに当って、京都大学と大阪大学の、同じ学者があれほど対立しているのは、われわれはそういう方面には知識がないからいよいよわからないのですがね。湯川準備委員長はもちろん御病気もあったでしょうが、おやめになったのは、設置準備委員会の委員長としてああいう状況になって設置できないのにいや気がさしたのではないかと推測しているような面もあるし、また動力協定が二月に原子力委員会で大体きめられて、これが湯川さんのお考えと非常に違うところに湯川さんもいや気がさして、御病気ではあるし、やめられた。こういうふうに私は推測をしておるのですが、私は当らずといえども遠からずだと思うのですが、宇治に研究用原子炉を作るについては、文部大臣何とかならぬものですかね。設置準備委員会の運営等については大臣に責任がある。これは今準備委員長はどうなっているのか、それはどういう見通しを持っておられるのか、また京都大学と大阪大学のあの対立というものはいかように見ておられるのか、私はこの際伺いたいのです。こういう教育訓練用の二、三千キロワットの原子炉も作り得ない状況にあるのに、一方では、これは動力協定だ、発電だ、発電だと事業家連中がわめき立てているのは全くナンセンスものだと思うのですね。一体日本の国の原子力開発のバック・ボーンはどこにあるのか、どういう方針で進んでおるのか、全くナンセンスものだと私は思うのです。これは文部大臣として早急に善処しなくちゃならぬ問題だと思っておるのですが、この際伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/114
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115・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 京都大学の付属のものといたしまして、研究用の原子炉、実験用の原子炉を設置して、そこで研究するという計画を立てるに至りますまでの間には、相当長い期間専門の学者、ことに設置準備委員会の諸君が検討いたしまして、その結果宇治が適当であろうということで、一応宇治ということに予定をせられたわけでございますが、その設置場所をめぐりましていろいろ議論が起っておるわけであります。その議論のよって来たるところは、宇治川にといいますか、淀川に近い関係で川が汚染されるのじゃないかと、その結果下流の住民諸君にとって、非常に害を流すということになれば場所として不適当である、こういう議論が出てきましたわけでございます。計画といたしましては、さような害毒の流れないように十分な危害予防の措置もとっているつもりでございますけれども、その問題をめぐって、いろいろ議論が行われているわけでありまして、まだ決着するところまで至っておらないのでございます。その間湯川博士が健康を害されまして、辞意をもらしておいでになるというようなのが現在の段階でありまして、この問題は学者によりまして、いろいろ議論がございます。そこまで至るまでの間におきましても、相当な研究をして、これなら大丈夫であろうということでやられたことと私は信じますけれども、これに対する反対の説があります。しかも下流の多数の人たちの人心に相当な大きな影響を与えている問題、そこで私といたしましては、この問題につきましては、さらに検討をいたしまして結論を得たい。万が一下流の人たちに非常な不安を与えるというような状態のもとに問題を進めて行くということはいかがであろうと、こうも考えまするので、設置準備委員会の諸君に引き続いて検討をお願いいたしますと同時に、この問題はさらに原子力委員会等にも連絡いたしまして、そちらでも十分に一つ検討してもらいまして、最後の結論を得たいと、かように考えている次第でございまして、念には念を入れてとの問題を取り扱いたい、さように考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/115
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116・矢嶋三義
○矢嶋三義君 その点についてもう一回聞かしてもらいますが、それは、宇治設置については、設置準備委員会に再検討していただいている。その結論に基いて宇治にするか、あるいは変更するかということをきめる、こういうことと了承してよろしゅうございますね。
それからもう一点、汚染防止の予算は十分だと、さらに今後において十分専門家の要望される予算が確保できるという見通しに立っておられるかどうか。
以上、この二点を念のために承わっておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/116
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117・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 設置準備委員会におきましていろいろ検討せられました結果、宇治が第一の候補地となったわけでございますので、一応それで済んでいるわけでございますが、しかしこれはいわゆる予定地でございます。この予定地をめぐって議論があるわけでございます。引き続いて、設置準備委員会の方々の御検討をわずらわしているわけでございます。最後に原子力委員会にかけまして、そこで最終的の決定をみるようにいたしたいと思います。ただいまのところはさようなわけでございますので、宇治を予定地として進行いたしておりますけれども、最終の結論が違ったものになって参りますれば、さらに別の適当の地を選んで実行に移して参りたい、かように考えている次第であります。
第二のお尋ねにつきましては、政府委員からお答えいたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/117
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118・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 汚染防止の予算についてのお尋ねでございますが、これも年次計画で進めますので、第一年次といたしまして、昭和三十二年度の予算といたしましては、六千五百万円を計上いたしております。これはただいまお話しの設置準備委員会におきまして検討されました第一年次のこれは計画であります。しかしなお今日その対策につきまして、なお進んだ研究が行われておりますので、その方向がきまりましたならば、今後の問題といたしましては、さらに予算的にも検討しなくちゃならぬと、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/118
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119・矢嶋三義
○矢嶋三義君 次に違う点に移りますが、先ほどの説明では、定員二十名のうち、十三名は振りかえであるという御説明があったわけです。私たちがいただいている資料によると、本年度は学部、学科の増設等によって教授、助教授等教育職員が相当数増員になっております。ところが一方、たとえば教員養成の二年課程を募集停止したところがかなりありますから、承わりますと、六十一名の減員をやられるということを聞いているわけです。先般われわれは大分大学に視察に行ったときも、あの大学では二年課程の募集を停止したので六十一名の減員の中の一部が割り当てられてくると、一年は募集停止しても実際は困るのだということをるる説明しておりましたが、こういうこの減員された人がこういう研究所とか他の大学の学部、学科になかなか振りかえの平行異動は大学であるだけできぬと思うのです。私は、どの程度それはできる見通しなのか、ことに私は二年課程の募集停止に伴う六十一名の減員を本年度やるというのは、これは不当だと思うのですが、どういうようにお考えになっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/119
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120・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) ただいまのお尋ねは教員養成大学ないし学部におきます学生定員の減少に伴う教官の減員でございますが、これは御承知のように、最近教員養成学部を出ます学生の就職が非常に悪くなって参りました。これは原因はいろいろありますけれども、一番大きな原因は退職者が少くなったということであります。従いまして、国立学校の養成、主として教員になる人を養成する大学でございますので、この養成の数をどうしてもこれに調整して考えていかなければなりませぬので、学生を減らした、それで減らした数は二年課程におきまして四千四百四十人になります。四年課程におきまして若干ふやしましたので、差し引きいたしますと、四千百数名という数になりますが、これだけの数をやはり減じますと、やはり教官につきましても減少しないというわけには参りませぬ。これはお話のように、教官は教育課程によって数がきまるわけでありますけれども、しかしながらまあ特に一般教養の教育の面につきましては、四千名もの減少になりますと教官の減もどうしても出て参るわけでありまして、これらは最小限度に押えまして、ただいま六十一名というお話でございまするけれども、教官といたしましてはその中の四十一名、これだけの減少になったわけでございます。この減少された人が今の、たとえば今お話のございました物性研究所等に転換していく、これはとてもできない、これは特別の研究所でございますからできないと思います。実際にどういうふうに減少の計数を割り当てるか、あるいはそれをどう措置していくべきかということは、これは今るる検討いたしておりますから、なるべく適当な方法で不当のことが起らぬように十分措置していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/120
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121・岡三郎
○委員長(岡三郎君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/121
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122・岡三郎
○委員長(岡三郎君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/122
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123・矢嶋三義
○矢嶋三義君 委員長から注意があったので、ここでもう多くを聞きませんが、しかしあなたの今のお言葉の中に私はちょっと気にさわったところがあるのですがね。退職者が少くなったから教員養成学校卒業生の就職口が悪くなったので減らしたという言葉があったが、退職者が少くなったのではなくて、教員の定員減をやっているからですね。これは、やると長くなるから次の委員会まで各県で今盛んに定員減、それから勧奨退職というのをやって、各県の初中教育界は混乱しているのです。その状況を資料として出していただきたい。そのときにあらためて文部大臣の御見解を聞きたいと思っておりますから。
それからこの六十一名の減は四千百人ばかり生徒が減るから六十一人減ずるのだというが、一年生がいなくなったからといって二分の一教員を減らすというわけにいかぬと思うのです。六十一名の算出をどういうふうにされたのかあとでお伺いしたいのですが、大学では非常に困ると言っているんですがね。その何人減員するかというときには、文部省が机の上で計算したいろいろな数字もあるだろうけれども、やはり大学当局とも十分打ち合せて、あまり困らないようなやり方をしていただかぬと、実際教育を進めていくに当って支障があるのではないかと思うのです。あなたの先ほどの答弁では、できるだけ無理のないように善処するということですから、大学側の意向も聞いて善処してもらいたい。これが二年課程全部なくなったときにその関係者を全部整理するというようなこと、これは当然だと思うのですけれどもね。今年一年募集を停止したからといってあまり多くの定員を減らされたのでは各大学は困ると思いますので、非常にわれわれが視察したときに強く要望されていましたから、あなたに御善処を要望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/123
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124・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) ただいま資料の話ございましたが、これは初中関係のことでございますし、ちょうど今、そういう退職とか採用という問題はこれからの問題だと思いますから、今すぐ資料はちょっと出かねるかと思いますが、初中にもよく伝えますけれども、その点お含みおき願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/124
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125・矢嶋三義
○矢嶋三義君 自治庁に聞いたら知っているがな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/125
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126・野本品吉
○野本品吉君 先ほどお話がちょっと出ましたが、大学の設備の拡張充実等のための地元負担と申しますか、地元の寄付と申しますか、これは私は十分考えていかなければならぬ問題だと思う。で、実情は大臣も御承知だと思いますが、県立の高等学校の拡張、設備の充実等の場合におきましても、全国的に見ると大勢としては三分の一くらいの校舎の増改築というような場合に地元負担になっている。それからして市町村の学校の増改築等の場合におきましても、そういう寄付的な形をとられる場合が相当あるので、これは単に学校だけでなしに、国立、県立のいろいろな機関の増設、改築等の場合の地元の寄付の多いことは、これは御承知の通り地方財政に非常な圧迫を加えておる。実質的に非常な好ましくない事態を起しておりますので、これは地方行政に明るい文部大臣としましては私が申し上げるまでもなく十分に御承知のことと思いますので、こういう事態は少くも好ましい事態ではない。従って将来こういうことを解消する方向に向って十分の御配慮を願いたいという希望を持っております。
それからまあ大学の場合、設立当初は自分の町へ、自分の地方へ大学がほしいというのでいろいろな条件を申し入れて、いわば工場誘致と同じように大学の誘致運動のありましたことも御承知の通りでございます。まあその場合にはある条件を地元から積極的につけたわけだと思いますが、それができてしまって幾年たちましてもかねての約束だからということで、いくことはこれはうまくないと思う。いわばまあ弱味につけ込んでしぼり上げるというような形になってくるので、これはもう感心したことではないので、まあ大臣は十分御承知のことと思いますけれども、一応私はこの点についての大臣の将来の御方針をここで明らかにお聞きしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/126
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127・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) いわゆる地元負担という問題でときどき、またところどころ厄介な問題を起しておるということは私もよく承知いたしております。この大学の問題につきましてはお話もございましたけれども、設置当初のいろいろないきさつもあることだと思います、もしまたそういうことがなかったら、今日ほどたくさんの大学をわれわれは持つことはできなかったであろう、かようにも考えるのでございます。まあいろいろないきさつのもとに大学ができておりますので、その分については一つお約束だけは実行していただきたい、こういうことにもなろうかと思うのでございます。文部省も自分で何もかも財源を持っておるんなら言うことはないのでありますけれども、一面から申しますというと、厄介なものが別におるわけでございますので、予算を獲得する上から申しましてもきまったことだけは一つぜひ実行していただきたいと思うのでございますが、しかしでき上りましたものの拡張であるとか、あるいは充実であるとかいうようなときに、こちらが地元の寄付を当てにして計画するというようなことは避けて参りたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/127
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128・野本品吉
○野本品吉君 それだけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/128
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129・岡三郎
○委員長(岡三郎君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/129
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130・岡三郎
○委員長(岡三郎君) それでは速記開始。
他に御発言もないようでありますから、御質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/130
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131・岡三郎
○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。
これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/131
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132・松永忠二
○松永忠二君 私は、日本社会党を代表いたしまして、国立学校設置法の一部を改正する法律案に賛成をいたします。
この際一、二の点につきまして要望をする点を述べたいと思うわけでありますが、特にその第一点といたしまして、東京商船大学並びに東京水産大学については、この設備の充実については、はなはだ遺憾な点もあるというふうに考えられますので、この設備の充実については、格段の御努力をいただいて、これを設置いたしましたところの目的に十分沿いますように、今後その充実に御努力をいただきたいと思うわけであります。
その第二の点といたしまして、付置研究所として東京大学に設けられますところの物性研究所については、この年次計画を完全に実施をして、この物性研究所を設置いたしました目的を完遂することに努められたいと思うわけであります。
なお、これが特に共同に利用する研究所でありますので、その共同に研究する研究所としての目的を果すために、この利用に当っては特に御留意をいただいて、共同研究としての目的が十分果し得るような財政的な措置等もなされて、この活用に遺憾のないようにお考えをいただきたいと思うわけであります。
なお、この付置研究所は、現状においては、主として旧制大学を中心として設置をされておるようでありますけれども、新制大学等についても、特にその研究が特色があり、充実をしているものについては、これらの大学にも今後付置研究所を設けるというような基本的な方針を貫くために今後御努力をいただきたいと思うわけであります。
これらの要望の点を述べまして、私は国立学校設置法の一部を改正する法律案に賛成をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/132
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133・野本品吉
○野本品吉君 私は、自民党を代表いたしまして、国立学校設置法の一部を改正する法律案に賛成の意を表します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/133
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134・岡三郎
○委員長(岡三郎君) 別に、ほかに御意見もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/134
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135・岡三郎
○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。
これより採決に入ります。国立学校設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/135
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136・岡三郎
○委員長(岡三郎君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第百四条によって、本会議における口頭報告の内容、第七十二条によって議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/136
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137・岡三郎
○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたします。
それから、報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は、順次御署名願います。
多数意見者署名
矢嶋 三義 吉田 萬次
野田 俊作 近藤 鶴代
高田なほ子 安部 清美
松永 忠二 林田 正治
川口爲之助 林屋亀次郎
三浦 義男 野本 品吉
有馬 英二発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/137
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138・岡三郎
○委員長(岡三郎君) ちょっと速記をやめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/138
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139・岡三郎
○委員長(岡三郎君) 速記をつけて。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時二十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615077X01419570328/139
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