1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和三十二年五月六日(月曜日)
午前十一時二十九分開議
━━━━━━━━━━━━━
議事日程 第三十号
昭和三十二年五月六日
午前十時開議
第一 日本国とノールウェーとの間の通商航海条約の批准について承認を求めるの件(委員長報告)
第二 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約の補足議定書の締結について承認を求めるの件(委員長報告)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615254X03119570506/0
-
001・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 御報告いたします。
去る三月十五日、本院において議決いたしました原水爆の禁止に関する決議は、議長から岸外務大臣に対し、国際連合及び関係各国へ伝達方を依頼いたしましたところ、本日、外務大臣から議長あて、国際連合、ソ連政府、米国政府及び英国政府に伝達した旨及びこれに対しそれぞれ回答があった旨の通知に接しました。
なお、米国政府、英国政府及びソ連政府からの回答文並びに右決議文伝達とその後の経過概要な参考として送付して参りました。その内容につきましては、公報をもってお知らせいたします。
その他諸般の報告は、朗読を省略いたします。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615254X03119570506/1
-
002・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。
この際、お諮りいたします。
岡崎真一君から、海外旅行のため会期中、請暇の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615254X03119570506/2
-
003・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって許可することに決しました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615254X03119570506/3
-
004・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 日程第一、日本国とノールウェーとの間の通商航海条約の批准について承認を求めるの件
日程第二、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約の補足議定書の締結について承認を求めるの件
以上、両件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615254X03119570506/4
-
005・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。外務委員長笹森順造君。
〔笹森順造君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615254X03119570506/5
-
006・笹森順造
○笹森順造君 ただいま議題となりました二件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を一括して御報告いたします。
まず、日本国とノールウェーとの間の通商航海条約の批准について承認を求めるの件について申し上げます。
この条約の署名に至るまでの経緯と内容の概要は次の通りであります。すなわち、戦前のわが国とノールウェーとの間の通商航海関係は、明治四十四年の通商航海条約及び特別相互関税条約によって規律されておりましたが、戦後、ノールウェーは同条約を復活させる意両はなく、これにかわる新しい条約の締結を希望する旨、申して参ったのであります。従って、戦後における両国の通商関係は、サンフランシスコ平和条約第十二条の規定に基いて暫定的に規律されてきたのでありますが、昭和二十八年鳳来、両国間で新しい通商航海条約案の折衝が行われました結果、本年二月二十八日、本条約の署名が行われたのであります。この条約は、わが国としては、さきに締結せられました日米通商航海条約に次ぐ戦後第二番目の通商条約でありまして、両国間の通商航海関係を規律し、かっ、これを促進するため、輸出入貨物に対する最恵国待遇、相手国商船に対する内国民待遇及び最恵国待遇、その他入国、居住等の事項に関する待遇保障などを規定したものであります。政府といたしましては、わが国とノールウェーとの間の通商航海関係は、この条約によって初めて安定した基礎の上におかれることとなるのみならず、現在、交渉の途上にある他の諸国との通商航海条約の締結交渉にも好影響を与えることが考えられるとの見解でありました。
委員会においては、その他の諸国との通商航海条約締結交渉の現状と見通し、また、本条約の議定書に書かれているノールウェーと北欧諸国との経済上の特殊関係と本条約との関係等につき質疑があった後、四月三十日、採決を行いましたところ、本件は全会一致をもって承認すべきものと議決いたしました。
次に、日米間の所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための条約の補足議定書に関する件は、わが国と米国との間には、昭和二十九年四月に署名されたいわゆる日米所得税条約がありまして、両国間の経済活動及び人的交流の円滑化をはかっておりますが、このたび日本輸出入銀行及びワシントン輸出入銀行が、それぞれ相手国内の源泉から取得する貸付金または投資の利子に対して、相手国における課税を免除することとするため、右の条約を補足する本議定書が作成されたのであります。
政府の説明によりますと、現状においては、日本輸出入銀行はアメリカに対して投資を行なっておらず、ワシントン輸出入銀行が、主としてわが国の電力会社に対して借款を供与している状態でありますが、この議定書の締結によって、将来わが方の輸出入銀行が取得する利子について免税される道を開くとともに、本措置により、わが国への投資の促進をかはりたいとのことでありました。
委員会においては、この議定書の内容は、相互的な建前になっているようだが、日本の輸出入銀行が、米国に貸付または投資することは差し当り予想されないので、実体的には片務的約束ではないか。また、むしろ広範な基礎において、実質的相互免除となるこの種のものが考え得られなかったかとの点、さらにまた、東南アジア諸国とこの種協定を結ぶ必要性等についても質問がございました。
委員会は、四月三十日、本件の採決に入りましたところ、本件も全会一致をもって承認すべきものと議決いたした次第であります。
以上、御報告いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615254X03119570506/6
-
007・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより両件の採決をいたします。
両件全部を問題に供します。委員長報告の通り両件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615254X03119570506/7
-
008・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。
よって両件は、全会一致をもって承認することに決しました。
本日の議事日程は、これにて終了いたしました。
次会の議事日程は、決定次第公報をもって御通知いたします。
本日は、これにて散会いたします。
午前十一時三十九分散会
—————・—————
○本日の会議に付した案件
一、請暇の件
一、日程第一 日本国とノールウェーとの間の通商航海条約の批准について承認を求めるの件
一、日程第二 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約の補足議定書の締結について承認を求めるの件発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102615254X03119570506/8
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。