1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年三月十八日(火曜日)
午前十時三十九分開議
出席委員
委員長 赤澤 正道君
理事 生田 宏一君 理事 畠山 鶴吉君
理事 濱野 清吾君 理事 山本 友一君
理事 井岡 大治君 理事 松尾トシ子君
小泉 純也君 關谷 勝利君
塚原 俊郎君 中嶋 太郎君
原 健三郎君 淵上房太郎君
宮澤 胤勇君 早稻田柳右エ門君
小山 亮君 下平 正一君
中居英太郎君 正木 清君
松岡 駒吉君 山口丈太郎君
眞鍋 儀十君
出席国務大臣
運 輸 大 臣 中村三之丞君
出席政府委員
運輸事務官
(大臣官房長) 朝田 静夫君
運輸事務官
(海運局長) 粟澤 一男君
運 輸 技 官
(船舶局長) 山下 正雄君
運輸事務官
(船員局長) 森 巖夫君
海上保安庁次長 安西 正道君
高等海難審判庁
長官 長屋 千棟君
気象庁次長 太田九州男君
委員外の出席者
大 蔵 技 官
(主計官) 鹿野 義夫君
運輸事務官
(海運局海運調
整部長) 辻 章男君
運輸事務官
(鉄道監督局国
有鉄道部長) 八木 利真君
日本国有鉄道参
与
(職員局長) 兼松 学君
専 門 員 志鎌 一之君
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三月十三日
委員永山忠則君辞任につき、その補欠として河
野金昇君が議長の指名で委員に選任された。
同月十八日
委員佐伯宗義君及び淵上房太郎君辞任につき、
その補欠として宮澤胤勇君及び水田三喜男君が
議長の指名で委員に選任された。
同日
委員水田三喜男君及び官澤胤勇君辞任につき、
その補欠として淵上房太郎君及び佐伯宗義君が
議長の指名で委員に選任された。
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三月十四日
下河原線混雑緩和対策に関する請願(島上善五
郎君紹介)(第一九七〇号)
同(山花秀雄君紹介)(第一九七一号)
同(下平正一君紹介)(第一九七二号)
同(山口丈太郎君紹介)(第一九七三号)
同外二件(福田篤泰君紹介)(第一九七四号)
同(正木清君紹介)(第一九七五号)
佐久間線敷設促進に関する請願(竹山祐太郎君
紹介)(第一九七六号)
同(足立篤郎君紹介)(第二〇三三号)
同(太田正孝君紹介)(第二〇三四号)
岩ノ下小泉地内に簡易停車場設置に関する請願
(志賀健次郎君紹介)(第二〇三五号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
海難審判法の一部を改正する法律案(内閣提出
第一二三号)
旅客船の事故防止対策に関する説明聴取
陸運(日本国有鉄道の経営等)に関する件
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/0
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001・赤澤正道
○赤澤委員長 これより会議を聞きます。
最初に海難審判法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。井岡君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/1
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002・井岡大治
○井岡委員 この前お尋ねをいたしました際に、この法律の改正は事件を早急に処理をしたい、こういうことでございましたが、いろいろお尋ねをしておりますと、必ずしも事件の迅速な処理ができるとは考えられない節があるわけであります。そこでさらにお聞きいたしたいのは、今後の理事官あるいは審判官あるいは剛理事官というような方々を任命するのに、どういうような基準をもって御任命なさるのか、一つお伺いをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/2
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003・長屋千棟
○長屋政府委員 これは前回御説明申し上げました通り、海難審判法制定のときに政令をもって定めておったのでございますが、その後人事院からの申し入れによって一応それを削除いたしましたが、人事院が直接自分できめてくれるはずであったところ、なかなか専門的にむずかしいものですからきめてくれなかったので、今度この法律の改正に従いまして、はっきり同じく政令でもってその任命資格をきめようと思っております。その第一は甲種船長または甲種機関長の免状を受け、船長または機関長の経歴を有する者、第二は十年以上海事補佐人の経歴を有する者、第三は大学またはこれに準ずる学校もしくは教育機関で船舶の運航または機関に関する学科の教授の経歴を有する者、第四は海事に関する運輸部内の職員で行政職俸給表一による三等級の職務の経歴を有する者、第五は十年以上海難審判庁副理事官の経歴を有する者、以上が審判官、理事宮の任用資格でございます。次に副理事官の任命資格は、十年以上海難審判庁事務官の経歴またはこれに準ずる経歴を有し、その職務に必要な学識、技能及び経験を有する者とする予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/3
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004・井岡大治
○井岡委員 そこで今度はこれはおそらく十六条の海難審判庁審判官及び理事官の定数は政令でこれを定めるというような点等を考慮されてお話しになったと思うのですが、それまでに人事院へお願いをしておったけれども、人事院はなかなか政令でやってくれなかった、なぜやってくれなかったのか、その理由をお聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/4
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005・長屋千棟
○長屋政府委員 人事院で給与準則というものを作るということでありまして、それができてから政令を落せばよかったのですけれども、向うからの申し入れによって落しましましたところが、先ほども申し上げたように、専門的の職掌で正ありますので、なかなか向うできめかねておって今日に至った、こういう事情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/5
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006・井岡大治
○井岡委員 給与準則等の点からこれがきめられなかったということになりますと、今お話しになった船長、機関長の、しかも甲種の免状を持って十年の経験を持っておいでになる方々と、おそらく現在の審判官あるいは理事官という方々の給料にかなりの差があるのじゃないか、私はこう思うのです。そこでこの審判官、理事官はどういう給与になっているか、この点を伺いたいのと、民間船区長あるいは機関長でしかも甲種の免状を持っておいでになる、たとえば郵船あるいは商船の会社の給料はどういうようになっておるか、この点を一つお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/6
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007・長屋千棟
○長屋政府委員 予算でいただいておる審判官一人当りの給与額は年間五十六万二千円で、これは全部の平均給でございますから、初任給はこれよりずっと低くなりますし、上にいきますれば相当高額になるのでございます。三千トン以上の外国航路の船の船長と申しますと、これは外国航路の船長の初任給と見ていいと思いますが、これが三万三百円になっております。理事官の一人当りの給与額は最初の初任給は二万五千円、そこに相当の給与の開きがあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/7
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008・井岡大治
○井岡委員 そうしますと、今後おきめになった基準によって理事官、審判官を長官が任命しようとしても、かなりむずかしいのじゃないか。たとえば郵船で甲種の免状を持って十年以上も船長をやっている、機関長をやっている方々を任命したいと考えても、これはできないのじゃないか、こういうことになると思うのですが、この点はどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/8
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009・長屋千棟
○長屋政府委員 井岡先生は十年以上とおっしゃいましたが、船長、機関長の免状を持っておって二年以上ということを基準にしております。実歴を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/9
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010・井岡大治
○井岡委員 私は先ほど長官が十年というふうに言われたと思ったものですから、十年とこう言っておるわけなんですが、いずれにしてもそれはかまいません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/10
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011・長屋千棟
○長屋政府委員 それは副理事官が……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/11
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012・井岡大治
○井岡委員 それも言われました。副理事官も十年以上、ですから、そのことは私別に二年が十年になってもそれは大して問題にならないと思いますが、少くともこういう理事官とか審判官という方は、非常に経験をお持ちでないと実際問題としてやれないのじゃないか。経験とは単に船長を二年やったとか、三年やったとかいうことだけではない。内海航路あるいは外国航路すべてにおいて、十分経験したものでないとできないと思うのです。できない結果はどういうことになるかと申しますと、結局これが判定に不服を唱えて裁判所の方に持っていかなければならぬ、こういうことになってくると、あなたの方では一応ものは解決したという格好にはなろうかと思いますが、現実にはなかなか解決したとは申し上げることができない。むしろ逆に国民が海難審判所というものに対して不信の念を持ってくるのじゃないか、こういうように考えるのです。その結果、事件というものはさらに輻湊化するのじゃないかと思うのですが、この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/12
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013・長屋千棟
○長屋政府委員 大体従来から船長もしくは機関長の免状を持っておって少くとも二年以上の実歴を踏んできた者を採用してきております。従いまして、中には十年もそれ以上も実際に船長、機関長をやった者もおるわけでございます。しかし最低を二年と抑えております。従いまして、免状を持っただけで実際のことを全然やってこない者では役に立ちませんから、あまり二年を長くいたしますと、今度は給与がうんと違って参りまして、採用いたしますときに現在船長として取っておる給与額の半分または三分の一くらいになりますので、採用が非常に困難であります。従いまして二年ということを最低にしておるわけでございます。従いまして、船の運航その他そういう技術的の判断をいたしますのには十分の経験を持っておるものと見ております。ただ船におりますと法律関係がうといものですから、従って審判官としてまず第一に法律関係を勉強しなければならない、それを勉強いたしまして、手続に誤まりのないように期しておるわけであります。非常に審判官の能力が低うございますと、判断に誤まりがあったりして、結論が間違ってくる、そうすると審判を受けた者は非常にそれを不服といたしまして、裁判所へ持っていくわけであります。現在も大体年二件くらいずつ持っていっております。しかし東京高等裁判所において受けました判決のうち、私が被告になっておるわけですけれども、私の方が敗訴したという例は一つもございません。大体技術的にはこっちの判断が認められておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/13
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014・井岡大治
○井岡委員 今の理事官、審判官の方方は非常にごたんのうですから、それでよろしいのですが、この人といえども、いつかはおやめになっていくわけなのです。従って当然補充をしなければいけない。補充をする場合は、今の話を聞きますと、平均にして五万六千円、初任給は二万五千円だ、こうおっしゃっております。一方外国船で三千トン以上の船長さんの初任給は三万三百円だ、こうおっしゃっております。これで二年間の経験を有さなければ理事管、審判官の資格を取得することができないわけです。従って今後の採用等について御任命なさる条件が非常に劣悪じゃないか、劣っておる、従って無理じゃないか、私はこう思うのですが、これで今後十分やっていける、こういうようにお考えなのですか。この点正直に御答弁をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/14
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015・長屋千棟
○長屋政府委員 それは相当高級な人を安く来いというのですから、なかなか得にくいわけです。それと、現在新造船を盛んに作っておりますから、船の方で現在人が足りないような情勢になってきております。従って安いところへ持ってきて人が非常に足りないというので、採用する給料をもっと高くしなければ得にくいということは申されます。今のような人の足りない情勢ですと、なかなか人は得にくいのです。私どもが昭和の初めごろに役所へ入りました当座は、まあのんびりしておったというか、当時の管船局から今度は郵船会社から人を出せ、こう言われますと、給料は安くなるけれども、国家のためだからお前行ってやれ、こういうことで各会社から人を出してくれました。ところが今はそういう工合に、新造船が盛んにできる、人が足りない、それから船の給料が非常にいいというような情勢から人は非常に得にくいのです。従いましてなるべく審判官、理事官の給料を上げてやらなければならぬということは言えるわけです。この前私が申し上げましたように、給料を上げることに努力しておりますけれども、なかなか思うようにいかないという事情があったのでございます。というのは、刑事、つまり司法裁判所ではありませんけれども、まあ裁判に相当する仕事をやっておる。従いまして審判官、理事官に対しては裁判官、検事に相当する待遇を与えていいじゃないか、私はそれを理想として努力してきておるわけですけれども、しかしながらこれは特別職でありません。一般職であります。従いまして運輸省の同じようなそういう技能を持っておる人たちと比べるとあまり私の方を高くするということは均衡上むずかしいのであります。従いましてなかなか私の思うような措置はとれないわけで、おいおいとお願いしてそういうところまて努力していきたいと思っておりますが、なかなか困難の情勢でございます。人が全然得られないのではありませんので、そういう工合に、会社の方から現在外国航路に乗っておる船長を採用するというようなことは困難ですけれども、目が非常に近くて船では危ないというような人、これは私どもの方の仕事には差しつかえないわけでありますから、そういう人をねらったり――これはかたわみたいに言いますけれども、かたわではないのです。これは非常に高度に目なんかはやかましく言われるわけですから、そういう人だとか、海上保安庁の保安官だとか、そういう船の経験を持った人とかわってもらうようにしたりなんかしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/15
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016・井岡大治
○井岡委員 結局十分に確保することができない。たくさんお話しになりましたけれども、そういうように私は結論をつけていいのじゃないかと思う。同時に、目の悪い人なんかをということですが、やはり船長、機関長としての資格をとるときにはそういうことが当然条件になっておる、しかも二年以上の経験を有しておると言いうことでなければならぬ。なるほど近海の場合ですとそれでいいかもしれませんが、外国航路の事件もないとはいえないわけですから、そういう経験のない人をおやりになるということであると、これはかなり疑問があるのじゃないかと私は思います。それから海上保安庁等の職員をこちらに振り向けてもらうということを申されておりますが、海上保安庁の船というものは大体そう簡単に沈まないようになっておる、あるいはまた事故を起さないようになっておる。たとえば陸上の消防車が走っていくときにはそこらをみなのけてしまう。こういうものの経験を持っているからといって、必ずしも私はその審判官あるいは理事官の資格十分だということにはならないと思います。もちろんそれは資格はないとは言いませんけれども、一般のほんとうに実務についた者とはかなり私は差異があると言って差しつかえないのではないか、こういうふうに思うのですが、この点はどう思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/16
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017・長屋千棟
○長屋政府委員 御説ごもっともですけれども、われわれはパイロットまでさばかなければならぬことがあるのです。そうすると。パイロットというものは、船舶運航技術の一番最高級の腕を持っておる人たちなんですね。それを千トン、二千トンの船の経験が二年くらいあったからといって、なかなかその仕事をその通りにやってみろといっても審判官にはできません。それでよく裁決の結果に対して、パイロットが非常に文句を言うことがある。君なんかはわずかな船の経験があってわれわれのような船を動かす専門家をさばくというのはけしからぬ、こういうことを私言ったことがあります。だからそれはパイロットまでやったような者を裁判官に採用すればパイロットをさばくことはできるでしょう。けれどもわれわれは船舶の運航の技術の根本を体得しておって、そうして長年この仕事をやっておるので判断においては誤まりはない。こういうことを先生に聞いていただきたいのですがね。パイロットがそういうことを言いましたから、私はああそれでは君をすぐ審判官に採用してやろう、ただしその給与は二万五千円だと言ったところが、いやそれでは困る。パイロットは御承知でもございましょうが、いいときには月に六十万円くらいの収入がございます、これは税金を取られますけれども。それが二万五千円ではきっこないです。だからそこまで行った者を裁判管に採用しなければならぬということになったら、それはとうてい成り立ちませんから、御説はごもっともですけれども、そういう不可能をしいられても、やはり安いところから訓練してこの仕事にならしていかなければしょうがないのですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/17
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018・井岡大治
○井岡委員 もう長官の言われるのはあまり正直なものですから、私自身これ以上長官にお附きしょうとは思いませんが、しかし長官はそのパイロットとこれと比較してものを話されることは、これは論理の飛躍であって、あまりにたとえが大げさ過ぎるから、この点だけは長官、そういう比較はなさらないようにしていただきたい。
そこで私は大蔵省にお聞きしたい。現在非常にこの海難事故が多いということで、副理事官を設けよう、こうなさっておいでなんです。大蔵省はこういう問題についてどんなにお考えになっているか、運輸省が言うてこないからこんなものはほうっておいてもいいとか、こういうふうにお考えになっているのか、この点ははっきりしてもらいたい。現にいまだ洞爺丸の問題が解決しない。毎年々々事故が起っていっている。おそらく南海丸の問題だってこれは同じように二年も三年もかかるでしょう。現実に経験のない者にやらそうとするところに無理がある。だから単に大蔵省は運輸省がと言うてこないからといって、こういう問題をなおざりにするということは、大蔵省怠慢だといわなければならない。むしろ大蔵省のフアッショなんです。大蔵省はどう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/18
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019・鹿野義夫
○鹿野説明員 大蔵省が怠慢だというお話でございますが、運輸省からもこの海難審判所の増員及び経費の充実に
つきましては、いろいろ御要求も実はございます。大蔵省といたしましても、ほかの官庁と同様に詳しくお話を聞いて、同時に御相談申し上げながら予算というものを作り上げているわけでございまして、海難の件数につきましても、たしか毎年だんだん増加いたしておりまして、年々繰り越される件数が相当あるというふうに私らも聞いております。しかし全体の要員といたしましても、一応二十九年以来、三十年度には書記、審判官も五名ずつ増員いたしておりますし、三十二年度にはやはり調査員を二名ふやしておりますし、今回につきましては書記の振りかえ等二名の増員が可能でございましたし、同時に事務処理の関係から事務官を副理事官の身分に切りかえるというようなお話にもかなり応じているようなわけでございまして、特にその点現在の陣容でだんだん繰り越される件数がふえつつあるのは、一応ここいらでもって峠になって、とにかくふえないで少しずつは繰り越しの件数なども減っていくような状態にいけるのではないかという海難審判所の方のお話でもあり、そういうところで大体の計数が固まっているということでございます。別に一方的に理不尽に予算を切ったはったというような関係でできているとは思いません。ただ庁費の関係につきましては全般的な節減の関係もありまして、若干削減されたような形になっておりまして、幾らかおつらいかと思いますが、やりくり工夫をしてやっていただく以外はないかと思います。全体といたしましてはそういったような状態になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/19
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020・井岡大治
○井岡委員 大蔵省は人が出したものを削るときには詳細に、お前のところの給与は高い、お前のところの設備はどうだといって削っていくのです。ところが要求をしなければ、いかに国民が要求しておるものでも、あるいはぜひやらなければならないものでも、これはこういうようにしてやろうという考え方はどこにも見当らないのです。今度の問題でも、私はこれは運輸省が要求されたかどうか知りませんよ。知りませんが、副理事官を設けるに当って、どこからこの副理事官を採用するのだと言ったら、事務官から採用する、こういうのです。そうして事務官の補充をするのかと言ったら、補充はしないというのです。件数は年々ふえております。たとえばこれは海難審判庁の長官が発表された数字ですから間違いないと思いますが、昭和二十九年年度には一万一千四百四十件、三十年度には一万四千七百三十八件、三十一年度は一万五千九百三十二件、三十二年度はまだ終っていないけれども、一万七千六百九十七件という件数が出ている。毎年千件から二千件の処理が残っている。なるほど副理事官を七名設けて若干の処理はできるとしても、その副理事官が仕事をしていく上における事務官というものは補充をしないのだという。ですから大蔵省のこういう問題に対する考え方というものはまことに冷淡だといわなければならぬ。運輸大臣はこういう問題についてどうお考えになっているか、要求されたのかしないのか、この点大臣の答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/20
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021・中村三之丞
○中村国務大臣 私も海難審判庁長官からいろいろ聞きまして、仰せのように事件が残っているということは遺憾として要求はいたしました。しかし今今日のところ、審判を促進するために現在の方法で一種の組みかえ的なことをいたしまして、できるだけ促進したいということでございまして、理想に達しないことは私も非常に遺憾としておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/21
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022・井岡大治
○井岡委員 この間から私は長官に聞いており、大臣は終始一貫お聞きになったと思うのです。現に私の今尋ねたことに対する長官の御答弁から推して考えるならば、今後審判官、理事官というものを採用するのは非常に困難だということだけは明らかなのです。もっと言いかえて申上げますならば、これは困難を乗り越えてできないのじゃないか、初任給が二万五千円、一方二年間の経験を持った、こういう条件がついておる。あるいは副理事官の十年間の経験を持った、こういうようになってくると、一方において船長は三千トンの船で三万円の月給を取っておいでになる、引っぱってこようとしても引っぱってこられない。昔は艦船本都から引っぱってこられたが、今は国家権力というものはそれほど強くない。そうなったらこれをどうするのです。今の二十七名の理事官、裁判官は、これは死なないのですか。死なないという保証をするのですか。人間である限り死ぬこともありましょう。病気をなさることもありましょう。そうなって補充ができなかったらどうするのです。迷惑するのは国民じゃないか。大臣どうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/22
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023・中村三之丞
○中村国務大臣 そう極端に私は突き詰めて考えておりません。現在の審判庁が欠員を生じた場合は、それを補充する努力はまたいたさなければなりません。もとより現役の船長を持ってくるということはむずかしいのでございます。この点は私も認めざるを得ないのでございますが、現在の審判官、そして今度設けようとする副理事官は簡易な事件をやってもらってできるだけ現在の理事官の仕事を軽くして、そして審判の促進をはかり、事件が残って翌年度に繰り越されないように努めたいという、これは最小限の努力でございまして、どうぞこの点御了承を願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/23
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024・井岡大治
○井岡委員 それは了承できません。昭和三十二年度一万七千六百九十七件ですか、約一万七千七百件です。これ以上事故が起らぬということを保証されるなら、私はある意味においてはそれを了承しましょう。しかし年々千件から二千件海事事件が上って起っておる。ですから本年七名の副理事官をこしらえても、ようやく今のものが処理できるというだけであって、来年にはまた残っていくということです。そこで理事官、審判官を得るように努力しようというお考え、これはもう努力してもらわなければなりませんが、具体的にどういうように努力するか。たとえば今長官は、われわれの仕事というものは、裁判官ではないけれどもある意味においては裁判官と同様の仕事をしておる、たとえば審判所の判決に不服があって、東京高裁にこれを持っていってもわれわれは勝っておる、これだけのわれわれの努力、こういう点等を考えてみれば、われわれは十分経験者だ、公平を期している、ですから特別職等によって考えなければ当事者はなかなか困難だと言われておる。だから大臣は、たとえば特別職にするという具体的な答弁がない限り、努力しますと言ったって、何を努力するのですか。この点具体的に答弁して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/24
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025・中村三之丞
○中村国務大臣 今すぐそれを特別職を設けるということは私はここで言明はいたしかねます。軽々に申し上げて実行できなければ、また皆様から私は御意見を承わらなければならぬ。私は申しませんが、しかし今海難審判長官が申しておりまするごとく、現在の人員、機構をもって最善を尽しておることは御了承願いたい。しかしその結果残っておる事件がありますことは、これは私申しわけないことと思います。しかしこういう特殊の経験と技能のある人というのはなかなか得られないのでありますけれども、一方におきましてまた現役から退いた人で多少の余裕もある、そういう人をここで採用することもできるのであります。あるいはそれは老朽を入れるというおしかりを受けるかもしれません。しかしまた一方申しますれば、経験のある、そうして穏健なる判断をする人物も得られないことはないと私は思うのでございまして、今後この海難審判につきましては長官もわれわれも努力をいたして参りたいと思いますが、現在の事情におきまして、そういうおしかりを受けるような人員、待遇であることは私も認めざるを得ないのでございまして、今後の努力に御期待を願う以外にはないと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/25
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026・井岡大治
○井岡委員 私は大臣の失業救済の考えは非常にいいと思うのですが、長官は年々船舶がふえていっているのだとおっしゃっておられる。船舶がふえるということは、事故がふえるということとある意味において同意語になると私は思うのです。正比例的に一隻ふえたから一つ事件がふえると言うのじゃないけれども、当然事故があるものとわれわれは予想しなければいかぬ。やめていった者で何とか得られるだろうというような安易な考え方では、いわゆる海難審判業務というものはうまくいかないのじゃないか、円滑にいかないのじゃないか、その結果法律を改正するというだけで糊塗をされようとするからこういうことになる。大臣が根本的にどうやったらいいのだということをここではっきりおっしゃっていただければ私は質問をやめますが、しかしそうでない限りは私はやめられないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/26
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027・中村三之丞
○中村国務大臣 私は現在の機構、方法以外はないと思います。しかし事故ということにつきましては、後ほど中間報告でも申し上げますように、一方において事故のないように努力をする、南海丸あたりの経験にかんがみましてこういうふうにやりたいと思っているのでございまして、審判はこれを促進して、そうして一方において事故がふえないようにこの防止対策をやっていく、こういうふうに私は心がけておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/27
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028・井岡大治
○井岡委員 洞爺丸の問題は済んでから五年になるのですよ。これは海難審判所の職員の方はほんとうに寝ずにおやりになっておられると私は思うのであります。ところが一方遺族の方では、いつまでたったら結審がつくのだという不安を持っている。これは私は単に洞爺丸の問題だけを言っているのではない、どこの問題でもややこしい問題になってくるとそういうふうになってくるのじゃないかと思う。そこでそのためにだんだんこれが多くなっていく、残っていくということでは、結局法律を改正した趣旨というものが弱くなってしまう、だからこの際明確に何らかの処置を講じなければいかぬのじゃないか、こういうふうに私は申し上げているのです。ですからこの点について、あなた方の方でどういうように今後やっていくということさえ言われれば非常にけっこうだと私は思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/28
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029・小山亮
○小山(亮)委員 今の質問に関連して大臣に伺いますが、大臣は今、現状において審判員の陣容というものははなはだ不完全ながら、内容はこれでやっていけるのだという意味のお話をなさいました。あるいは現状においてはそうかもしれませんが、今は非常に海運界が景気が悪いときでありますから船腹がよく動いておりません。しかし一たび海運界に多少とも好景気がくるということになりますと、どうしても船腹がたくさんにふえてくるということは当然なんです。日本の将来というものはまだまだ船腹をふやさなければならぬ状態でありますから、従って理事官というものはますます必要になるということは当然である。先ほどもお話しになりましたように、理事官の補充について大臣は、長い間の海上履歴があって、やめて陸に上ってくる人がある、そういう人を理事管にすればいいということをおっしゃいましたが、ほんとうの理事官はそれであってはならない、どうしても若手の理事官、身を挺してすべての海難の調査に当るような人が必要なんです。でありますから大体六十才くらいの年令になった人から後の、やめてきた人を審判官にしておけばいいというような簡単なものじゃない。これはどうしても若い時分から、これ専門にいく人がやはり必要なんであります。しかも好景気になりますとややもすると、陸上における人が海の方にどんどんとられていくのです。船長が足りないということになりますと、理事官の中で資格を持った人がどんどんと海上にとられていく。ですからむしろ陸の方が少くなる。練達たんのうな理事官というものは、国の海難防止の建前から申しましても絶対必要なんです。そういう意味におきまして、この予算が十分に取れないということはまことに悲しむべきことなんです。なぜこの予算が取れないかといいますと、具体的にいいますと、大蔵省の役人は海というものに対する観念がほとんど私はゼロだと思うのです。海というものをあまり研究しなさ過ぎる。海国日本だといいますけれども、一体大蔵省のだれがどうして海のことを研究しておいでになるか。また世界の海運事情というものを大蔵省のだれがどうして研究しておいでになるか。また技術問題に対しても、そういうような問題に対しての研究をどんな方法でしておいでになるかといえば、私はほとんどないと思う。運輸省あたりから予算を請求せられるときに、わずかに説明に行くのを聞いて、その程度でやっておるのじゃないか。私はそれではだめなんだと思う。進んで大蔵省の方でこの点はどうだ、あの点はどうだ、諸外国に比べて貿易外収入を獲得する方法等をむしろ運輸省の方に相談をするというようになってくるのでなければ、日本の海運の伸展ということはあり得ないと私は思う。今日はこの問題は留保しまして、いずれ大蔵大臣もしくは大蔵省の主計局長等々を委員会に招聘しまして、その際に私は十分申し上げるつもりでおりますから、きょうは申しませんが、この海事審判に対するところの費用が足りないために、どんな苦労をしておるかということがわかるのです。洞爺丸の事件を一つ例にとってごらんになってもわかりますよ。船員に対する処罰は海事審判を先行してくれ、その後に刑事裁判なり民事裁判なりの適用を受けさしてくれということを、私どもはかねて法務省等に強く申しまして、一応そういう了解を得ておるのです。しかし事件がありましてから、技術審判の方が長引きますために、刑事裁判というものは待っていられない。ですからどうしても検察庁の方が先に手を伸ばしてくるということになります。これは実に悲しむべきことでありますので、私はどうしても技術審判をもっと迅速にしてもらいたい。それにはこの理事官その他の審判官というふうなものの内容をもっと強化してもらいたい、増員をさしてもらいたい。御承知のように洞爺丸事件なんというものは、もう事件が発生しましてから五年になります。生まれた子供が小学校に行くようになって、まだあの事件の解決がつかない。こんなばかなことが一体あり得る道理がないのです。これはひとえに費用が足らない、金が足らないのです。このわずかな金を惜しむためにこういう事件が進捗しない。従って海難防止ということが思うようにできないのです。毎年々々の統計を見ますと、日本の船で遭難します船は約三千であります。そうしてこれがためにこうむる国家の損害は二十億円です。これをどうにかして少くするにはどうしたらよいか、これはやはり船員というものに対するところの取締り、こういうようなものをもっと強化しなければだめなんです。それがために費用が必要なんです。国家の莫大な損失を防ぐために必要です。ですから大蔵省はこの点について特に留意をしていただきたい。海国日本の名に恥じないような、大蔵省の予算に対する勘案をしていただきたい。私はそれを特に申したいのです。大臣と大蔵省関係の主計官との答弁をあわせて伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/29
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030・中村三之丞
○中村国務大臣 御指摘のごとく海運界というものは今後人も船も要求する。もとよりただいま海上運賃低落のために多少低姿勢にありますけれども、しかしこれは低姿勢から高姿勢に進んでもらわなければ、日本海連の国際的地位の改善はできない。そうでありますから、そういう有能な人を審判官に得ることはむずかしいと思います。しかし必ずしも得られぬことはないと思うと同時に、現在の理事管も有能な人でありますし、今回の措置によりまして簡易な事件を副理事官によって処置していくということによりまして、できるだけ可能な努力によって進めていきたいという、この考えはこれは御了承を願わなければなりません。なお洞爺丸は五年もかかりましたことは遺憾でありますが、これも四月には結審することになっておる次第でございまして、次々に起って参ります海難の審判、どこにその原因があったかということを突きとめて、そして事故防止に役立たしめるということにしなければならぬのでありまして、洞爺丸の点はおそくはなりましたけれども、やっと解決の機運になったということは、小山君もとくと御承知のことだと思うのであります。どうか今後こういう事件はすみやかに解決するという方針をもって進むように努力いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/30
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031・鹿野義夫
○鹿野説明員 大蔵省といたしまして海運の問題、また海難防止の問題について全然認識がないというようなお話がございますが、その点われわれも微力ながら勉強はいたしておるつもりです。もちろん知識が十分でないということはみずから反省いたしておりますが、その点につきましてはいろいろ運輸省を通じて勉強させていただいております。全体の海難防止の問題につきましては、大蔵省といたしましては、ことしは特に気象関係に重点を置きまして、たとえばレーダー装置の整備、あるいは数値予報、模写電送等によって、気象の正確な把握、伝達ということについては、相当思い切った予算的な措置もいたしておるつもりでございます。また直後の海難防止の関係といたしまして、燈台の予算あるいは海上保安庁の予算についても、一応曲りなりにもその任務が達成できるだけの予算というものは組まれているのではないかと私は考えております。その中でもお話の海難審判庁の問題にいたしましても、先ほど申し上げました通り件数が繰り越される。要するに滞っている件数が年々ふえるという状態に対しましても、審判庁の方から再三のお話がありまして、私らもその点何とかしなければならぬという気持でおります。今回の副理事官の制度を設置することによって、少くともその滞留している件数がだんだんふえるということでなくて、そのふえるような傾向がこれによって峠を越して少しずつでも整理されていく方向にいくのだというお話を私は聞いております。振りかえあるいは増員等によりまして、幾らかの人間をふやすということも、全体の定員の問題としては容易でないのでありまして、一たん定員問題としてルーズにふやすということになりますと、逆にまた公務員ばかりがふえて何をしているのだというおしかりもございますし、その点は大蔵省としても常にやはり慎重なる態度で臨まざるを得ないということは、重ねて申し上げざるを得ないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/31
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032・井岡大治
○井岡委員 今の鹿野さんの御答弁では私はどうしても納得できない。海難審判庁の所員、審判官、理事官をふやすことによって、他にも影響を持つから、われわれは公平にものを考えるのだ、そういうものの考え方をしておるから、長官がお困りになる。私は別に長官の肩を持とうとは思わない。できればこんなばかな法律なんて通したくない。法律を通したって一つも人はふえない。それでやれと言ったってやれないことはきまっておる。この前法律を通したら、あなた方はやれると言ったじゃないか、こう言って突っ込まれたら、これは長官が一番困る。だから私は、こんなものはつぶしてしまった方がいいと思う。いいと思うのだけれども、何とか努力をなさっておることについては、われわれも協力しなければいかぬと思うから、私は協力している。そういう点について、今の鹿野さんの御答弁を聞いていると、全く理解がされていない。どう考えるか、もう一ぺんそのことを言って下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/32
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033・鹿野義夫
○鹿野説明員 この副理事官制度を設けるということは、今までの単なる事務官という肩書きでは、割に軽い問題についても、理事官としての資格がないために事件の処理ができない。それを理事官という肩書きを持つことによって、片一方ある程度事務をとりながら、その合間々々でも軽い懸案については片づけられるという意味で、この制度はプラスの面があるということで、この制度をお作りになったというふうに私は聞いております。また海難審判所全体の定員その他の問題が苦しいということは、再三お話をお聞きしております。事実また先ほど申し上げましたように、三十年以来、ぽつぽつ定員の増加、その他振りかえの増加等によって充員はいたしておるわけであります。先ほど申し上げましたのは、今全体の定員評価についてはやはり相当しぶい態度といいますか、慎重な態度で臨まないと、またいろいろ定員がふえ過ぎるというような御批判もありますから、大蔵省としては、やはりいろいろ慎重に検討をしております、こう申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/33
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034・井岡大治
○井岡委員 これは単なる定員をふやすという問題じゃないのですよ。大蔵省の事務官を一人採用するというのと違うのです。事件が国民につながっているのです。この事件を処理しなければ、国民は納得しないのです。単に事務官をふやすというのじゃなくて、国民の利益を守ってやるという立場から、大蔵省はこれくらいは大いにしゃべってもいいと思う。大蔵省は大体自由にものを考えているはずですから……。ところがこういう問題になってくると、ほかの方との均衡上やらないのだ。それでは迷惑をしているのはだれなんです。先ほど小山さんもお話しになっておったように、私も申し上げたように、五年もたって、まだ結審が出ないというのは、一生懸命やっておいでになるけれども人が足りないことも事実なんです。あるいは旅費が足りないことも事実なんです。こういう点を考慮していくならば、当然こういう問題について、特別な配慮というものがあってしかるべきじゃないか、こう申し上げているのです。今度の南海丸の問題はどうするのです。おそらくこの問題だってかなり時間がかかるでしょう。船の検査から何からやっていったら、長くかかるでしょう。遺族の方々は、何とか早く解決をしてもらいたい、こう考えておいでになると思うのです。われわれのところにもそう言ってきておる。そういう点等を考慮するならば、単に、他の関係省との権衡からくる定員増は認められないのだという一般論では、われわれは了解できない。それなら将来ともこれはこのままでやっていけということと同じなんです。大臣は先ほど何とか努力して充足をしてやっていこう、こう答弁をされておりますけれども、一方大蔵省としてはそういうことは、また来年になったら、これは権衡からどうも困る、こういうことをお話しなさることは必然性を持っていると、われわれは推察できる。それでは結局迷惑するのは国民だということになる。ですから、こういう点について考え直す必要があると思うが、この点どうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/34
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035・鹿野義夫
○鹿野説明員 今仰せられた点でございますが、大蔵省としては別に他の均衡だけをもって、これが云々ということを申し上げているわけでもないし、また海難審判所の特殊性を、(「言ったじゃないか」と呼ぶ者あり)勉強していないといいますか、認めないというようなことを申し上げているわけではございません。ただ定員問題につきましては、全般的な問題としても、一応慎重に扱わざるを得ませんということを申し上げたのでございますが、口がすべったというようなことであるかもしれません。来年度のことを今申し上げるわけにいかないのですが、ただことしの問題として、全体として、書記の関係では二名の振りかえ増になっており、常勤労務者の定員化もあって、ほかとのバランスで、全然何もかも認めないというようなことを申し上げているのではございません。われわれの認識不足の点があれば、さらに勉強して、今後の処置をとっていきたいと思いますが、ことしはこの予算でやっていただくということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/35
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036・小山亮
○小山(亮)委員 鹿野主計官をいじめるわけではないのですが、あまりひど過ぎるのでここで問題にしているのですよ。説明の必要はないのですが、日本の船は御承知のようにすっかりやられてしまって、ほとんどゼロになったところから、とにもかくにも四百万トンくらいの船腹を持つように急激に増加したのですから、従って海上における遭難率というようなものも非常に激増している。だからあなた方の方では毎年々々ちゃんと計画的に人員をふやしているとおっしゃっても足りないのですよ。ほかの方でもこういうふうに急激に増加したものもあるでしょうけれども、海の方はことさらに激しいのです。そして海難率というものも激増している。従って審判所では目が回るほど忙がしくても、まだやり切れぬという状況で、審判事務は山積しているわけです。今度ふやすという理事官も、資格を御研究願えばわかるのですが、これは海技免状を持っているところの資格がある人をふやさなければならないので、大学を優秀で出てきた法学士をふやせば、それでいいというのではない。これはやはり特殊の技能を持った者をふやさなければならないのですから、あなたの方で、必要があればふやすと言うても、そう急激にふやせない。ふやすように今から養成しなければならない。さっき大臣が言われたように六十才、六十五才、七十才になれば、もうみな海の勤めはできないから、審判官にしたらよかろう、そんなものじゃない。これは若手でなければいけない。養老院じゃないですからね。そこをよく考えていただいて、切ったら赤い血が出るような、ほんとうに役に立つ審判官を必要としているのです。出張させても、看護婦がついて行かなければ出張できないような、そんな審判官は要らないのです。そこをよく考えられて、どうか海国日本の審判所として恥かしくない機構を作られるよう、特別な御考慮をお願いしたい。あなたをいじめるわけではないが、あなたはいつも来るから、矢面に立ってお気の毒ですけれども、これは一つほんとうに真剣に考えていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/36
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037・赤澤正道
○赤澤委員長 ほかに質疑はございませんか。――なければ、これにて質疑は終了いたしました。
これより討論に入るのでありますが、別に討論の通告もございませんので、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/37
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038・赤澤正道
○赤澤委員長 異議なしと認め、これより採決いたします。海難審判法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/38
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039・赤澤正道
○赤澤委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
この際、生田宏一君より発言を求められておりますので、これを許します。生田君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/39
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040・生田宏一
○生田委員 海難審判法の一部改正の法律案につきましては、われわれは賛成をいたしましたが、この際左の通りの附帯決議を付したいと思いますので、その動議を提出いたします。
海難事故は年々増加の傾向にある。海難審判の適正については勿論、早期に結審に達することが緊要であると考える。
しかるに海難審判の処理にあたつては、海難審判関係職員の定数並びにその待遇は必ずしもその要請に副い得るものとは言い難い。
政府は、この際、海難事故の防止に必要なあらゆる施策を講ずると共に、海難審判事務の早期処理を行い得るよう予算その他に特段の考慮を払うべきである。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/40
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041・赤澤正道
○赤澤委員長 ただい生田宏一君より提出されました動議のごとく、海難審判法の一部を改正する法律案に附帯決議を付するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/41
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042・赤澤正道
○赤澤委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
なお、ただいま可決されました本案の報告書の作成等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/42
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043・赤澤正道
○赤澤委員長 それではさよう決定いたしました。
この際、政府から発言を求められておりますから、これを許します。運輸大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/43
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044・中村三之丞
○中村国務大臣 ただいまの御決議の趣旨は、われわれこれを実行する責任を持ちます。今後海難審判の能率を促進するために努力をいたして参りたい決心であります。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/44
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045・赤澤正道
○赤澤委員長 次に陸運及び海運に関して調査を進めます。
この際、旅客船の事故防止に関して政府より発言を求められておりますので、これを許します。運輸大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/45
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046・中村三之丞
○中村国務大臣 先般の南海丸の事故は、まことに遺憾なことでございましたが、運輸省は全機構をあげまして、これが将来の対策について研究をいたしました結果、ここに中間報告としてお手元に差し上げた次第でございます。なお、姉妹船であるわか丸についても検査をいたしました。とりあえずここに御報告いたします。
これは大体官房長から御説明を申し上げ、また皆様の御質問、御意見等を承わることができますならば、まことに幸いとするところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/46
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047・朝田静夫
○朝田政府委員 それではお手元に差し上げてございます旅客船事故防止対策委員会中間報告という資料に基きまして、各局にまたがる事項でありますので、私から御説明を申し上げます。
過般の南海丸事故にかんがみまして、当運輸委員会における御質疑、御意見等を通じまして率直にわれわれの行政を反省いたしますとともに、事故の絶滅を期するために、この際考えられるあらゆる問題を総合的に検討をいたしまして、その対策を考究いたしたのでございます。
〔委員長退席、濱野委員長代理着席〕
かかる目的のために去る二月五日、運輸省内に旅客船事故防止対策委員会というものを設けて検討を続けて参ったのであります。これはその中間報告でございます。今後この方向に向って積極的に努力を進めて参りたいと思いますが、なおこれらの諸点について当運輸委員会の御高見も拝聴いたしまして、実施に移して参りたい、こう考えるのでございます。
まず第一に、海運局関係でございまするが、最初の老朽船の代替建造による船質の改善であります。御承知のように国内旅客船には老朽船が非常に多うございますので、早急にこれらの代替をはからねばなりません。三十二年度におきまして旅客船保有会社という構想を持って、共有制度を通じて船質改善をはかって参りたいと考えたのでありますけれども、不幸にして予算が成立をいたしませんで、まことに残念であったのでございますが、三十四年度の予算につきましては、ぜひともこれが実現をはかって参りたいと考えているのでございます。それまでの当面の問題といたしましては、開発銀行、中小企業金融公庫等の融資のあっせんを強力にはかって参り、当面の問題処理に当って参りたいと思っております。北海道につきましては、離島航路整備会社がただいま発足するように準備をいたしており、その次の2と3は相関連をする問題でありまして、気象、海象の情報の入手と伝達につきまして、航路及び企業の実情に応じまして、その手続を定型化していこうと考えております。従いまして船長の出航判断を助け、合理化をその方面においても続けて参るように、一つの態勢を行政指導によって行いたいと考えるのでございます。その次の4のPR活動の強化でありますが、これは何としても運航、営業の担当者にその協力を求めなければ、どうしても海難防止の実効は上りません。特に小型船につきましては、こういった周知宣伝、あるいは施設の補助といったようなものにつきまして、関係団体をメンバーといたします海難防止協会を新設いたしまして、その方面の活動を強力に推進して参りたいと考えているのであります。この防止協会は四月早々発足の準備をいたしております。
次に船舶局の関係でございますが、この対策委員会で決定いたしました南海丸の僚船のわか丸の実船試験の試験結果は、別紙につけてお手元に配付をいたしている通りでございます。去る二月二十五日から二十八日までの間に運輸省を中心にいたしまして、大学、運輸技術研究所の協力を得まして、傾斜試験、動揺試験、あるいは実船航行試験、旋回試験というようなものも実施いたしてみたのでございますが、その結果は復原性の基準に適合していることが判明いたしたのでございます。しかしながら現実に事故が起っておりますので、安全性を高めるために必要な改造を行うことを会社側に対して慫慂いたしました。会社側でも具体案を提出して参りましたので、これを承認することといたしたのでございます。今後の対策といたしましては、船舶安全基準の適用上、さらに沿海区域一本というものを細分化していくか、あるいはその中に特定区域を設定いたしまして、一段高い安全基準を適用する必要があるのではないかということで、船舶造船技術審議会の安全部会に、この方向に向って検討を進めるように諮問をいたしたいと考えているのでございます。次に復原性の資料のない、主として復原性規則の制定以前の船でございますが、さしあたり沿海区域の旅客船の二百隻を目途にいたしまして、一斉調査をいたしたい。検査時期を利用いたしまして、復原性試験を行い、適当な措置を講じて参りたい。それからこの方面との関連から定員というものについても、この調査とともに各船別に再検討をして参りたいと考えているのでございます。その他そこにあげられておりまする通信施設、あるいはゴム・ボートについての法制化、あるいは検査方法の組織の強化、レーダー、測深器の設備の強制、あるいは航海計器の検査、非常出入口の表示、夜間でも識別し得るような表示、海図の備えつけ、非常訓練を国際航海のみならず、国内旅客運送についても拡大をしていくというような点につきまして、それぞれ検討をいたしまして、すでに成案を得ておるものもございます。
その次の船員局関係の問題といたしましては、船舶職員について、旅客船の航路の実情に応じまして、その資格について法制的に検討を加える必要があると考えられるのでありますが、さしあたり行政指導によりまして、各航路によって適正な職員の配乗を行うようにいたして参りたい。また同時に属員につきましても、優秀な属員の配乗をあわせて指導して参りたいというふうに考えておるのでございます。あるいは教育指導、特にローカル気象の教育指導に重点を置きまして、講習会その他の方法をもちまして啓蒙をはかって参りたい。また労働条件、労務管理の悪いところは事故が起りやすいという実績もありますので、強くこの方面に対しまする行政指導と調査研究を進めて参りたいというふうに考えておるのでございます。
次に海上保安庁の関係でございますが、特に旅客船に対しまする取締りの強化をいたしますために、去る二月二十五日に現地に指令を発しまして、特にこれからの行楽シーズンを控えまして、立ち入り検査、あるいは保安官の派遣等の方法によりまして、この取締りを強化して参りたいということにいたしております。旅客船航路の航路標識の整備、あるいは潮流図の作成、あるいは潮流の強激な水域にステーションの設置、海流の予報、あるいは通信所の聴守態勢を強化するということをそこに掲げておりますが、できる限りの工夫をこらしまして、これらの方面の具体化をはかって参りたいと思います。何分にも予算等の措置が必要であるものもございますので、現状のワクの中においても続けて参りますと同時に、三十四年度の予算編成に当ってもこういうことに重点を置いて推進をして参りたいと考えるのでございます。
次に気象庁の関係でございますが、今回の事故にかんがみまして、気象、海象資料の収集強化をどうしてもはからなければならないということに結論を出しました。特に離島、みさきの突端等に風向あるいは風速の観測ができるように、ロボット観測所を設置して参りたい。三十三年度予算におきましては、これを要求いたしたのでございますけれども、不幸にしてこれも予算の成立を見ませんので、実行におきまして特定個所を一カ所でも新設をいたしまして、試験的な観測を行いたい。一カ所大体百万円程度でございますので、何とか実行経理の上において工夫をこらしてみたいと考えておるのでございます。その次は、こういうことによりまして、陸上風と海上風との差異、あるいはその相関関係も究明できると存じます。またそれに基きまして、予報なり報知の態勢がそこに作られ得ると考えますので、ぜひともこういう方面の海象、気象の資料の収集の強化ということをはかって参りたいと思うのでございます。それから放送機関の気象注意報、警報の周知の迅速化を推進いたしますとともに、先ほど申しましたように海象、気象の資料の収集強化によりまして、ローカルな局地的の気象の報知も可能となりますので、その方への努力も続けて参りたいというふうに考えるのでございます。防災気象連絡会の活用あるいはまた気象知識の普及指導といったものの努力も続けて参らなければならぬということを、ここで一応中間報告として結論めいたものを出しておるのであります。
以上申し述べましたような諸点につきまして、今後長時間をかけて科学的に調査研究を要するものでございますけれども、さしあたり早念に実施に移していけるものにつきましては、逐次その具体化について推進をはかって参りたい、こういうふうに考えております。以上がこの委員会の中間報告でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/47
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048・濱野清吾
○濱野委員長代理 質疑の通告がありますから、順次これを許します。小山君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/48
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049・小山亮
○小山(亮)委員 ただいまの提案に対しまして、ごく簡単に質問をしたいと思います。第一に、旅客船事故防止対策委員会中間報告というのがありますが、これはどういう機関でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/49
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050・中村三之丞
○中村国務大臣 これは省内に設けましたものでございまして、運輸次官を委員長として構成をいたしまして、各局において研究し、大体中間報告としてお手元に差し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/50
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051・小山亮
○小山(亮)委員 そうしますと、これは法制化された委員会でありますか。運輸省内の私的の機関であって、何ら法制化されたものではない、こう解釈してよいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/51
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052・中村三之丞
○中村国務大臣 別に法制化をいたしておりません。行政的な判断においてこしらえたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/52
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053・小山亮
○小山(亮)委員 委員会のメンバーは何人あって、たれとたれが参加しておって、委員長はたれなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/53
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054・朝田静夫
○朝田政府委員 ただいま大臣から申し上げましたように、委員長は事務次官でございまして、委員は官房長、海運局長、船員局長、船舶局長、港湾局長、海上保安庁長官、気象庁長官、運輸技術研究所の所長、航海訓練所の所長でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/54
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055・小山亮
○小山(亮)委員 幾人ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/55
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056・朝田静夫
○朝田政府委員 事務次官の委員長を含めまして十人であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/56
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057・小山亮
○小山(亮)委員 この委員会の報告がいろいろありますが、責任はたれがとるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/57
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058・中村三之丞
○中村国務大臣 これは予算的措置も要します。また法制の改正もあるだろうと思いますが、当面の行政指導あるいは措置においてできるものもございます。これらは一切運輸大臣が責任を持って行うべきは行うていく、こういう決心でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/58
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059・小山亮
○小山(亮)委員 私自身も毎年々々頻発する海難事故に対しては、どうこれを防止したらいいかということを実は真剣に考えておる。これに対して私自身も構想を作ってございますが、政府方の構想とは多少違ったところもあると思いますので、それにつきまして二、三の質問をしてみたいと思います。統計をとってみましても、昭和二十五年から三十二年までの間に海上に起りました事故は一万六千件をこえております。これは漁船を含めてでありますが、一年に三千件以上の海難事故が平均しておる。こういうことをどうして防止したらよいかといって、この海難の起った原因を探求してきてその種類を分類してみますと、大体四つに分けることができる。その一つは何かというと、船員の素質が悪い、あるいは船員の不注意により当然なすべきところの職務を怠ったというようなことによって起ったところの事故というものが、統計からいいますと一番多いのです。この一番多いのはなぜかというと、今までの海難審判というものが船員に対する処罰に限っておりましたから、現行の海難審判法に変りましてからは船員外の海難の原因というものを探求して、それに対するところの意見を付したり、あるいはそれに対する戒告をしたりすることができるようになりましたけれども、改正前の審判法でありますとただ船員を処罰するだけの法律でありますから、従って統計からいいますと船員によるところの過失というものが、海難事故で一番多いことになっておる。その次の原因は何かといいますと、航路標識が不十分であるということです。当然やらなければならぬところに航路標識がない。それがために起ったところの海難事故というものがかなり大きい。たとえて申しますと昨年起りました第五北川丸事件、これは遭難し現場を見ましても、あの暗礁には、そこに暗礁があるということを航海する船に示すだけの標識が当然なければならぬところにそれがなかった。こういうようなことが、やはり過失の起った原因の一つになっております。もちろんそれは船員の過失にもよりましょうが、標識があったらあの遭難は起らなかったのではないかと思わせる節がある。瀬戸内海においては、もっと航路標識がたくさんなければならぬのです。それにもかかわらず航路標識というものが当然あるところにない、あるいは日本の沿岸においても非常に航路標識が少いのです。これはもっと思い切って航路標識をやらなければならないということと、遭難した場合にもし救助施設というものが十分であれば、こんなに多くの船が遭難しないでも済んだと思うようなことが多い。この救助施設というようなものは、日本では全くおくれております。今船の隻数や何かから申しますとたくさんあるように見えますが、みんな小型の船であります。暴風の中に怒濤を冒して遭難しておる船を救済に行くなんというには、実に設備が不完全です。これは急速に何らかの処置をしなければならぬ必要に差し迫られております。これが第二点。もう一つの欠陥は船体の構造の欠陥、私は南海丸の遭難は船体構造上の欠陥であるということを強く前回指摘しましたが、今日わか丸の復原力の試験その他をやってみた結果を見ましても、わか丸より一年前にできた南海丸でありますれば、これよりまだ設備が不完全だったと思われる。そうしますと、設備が非常に不完全だったということが言えるのです。もう一つは気象の観測と気象通報というものが不徹底である。これを徹底させもっと強北させる。第四点は、海難防止対策というものが大体押し詰められてから考えられると思うのです。この四つのものに対するところの具体的対策というものが運輸省にほしいと私は思うのです。船員に対する問題もそうです。これは船員局長も御承知でしょうけれども、第十三次の造船ででき上ってくるような船を見ますと、ほとんど電動船です。一切のものがボタンで動くようになっている。これはやがて近い将来、今後十年の後には、必ず日本の船舶界というものは原子力の時代に変ります。アメリカがどんどん商船を作っておりますから、これは早急にくると思うのですが、この事態になったら現在のような日本では私は立ちおくれると思う。というのは、電動船になりましてからの船員の素質というものが非常に落ちております。今までの古い型ではいいのだが、新しい電気というきわめて高度の装置というものをマスターするだけの技術を持っておりません。これは実に悲しむべきことなんです。無線電信の技師というものは、今日船には一名でいいというのに、二名でなければいかぬ、三名でなければいかというふうに言います。ただ船の実情を見ますと、航海機具や何かで、無線装置や何かの機具は無線電信の技師に教わらなければうまく操縦できない。これをうまく取扱いをすることができないというような状態にまでなっております。そうしますと、やはり電気に対する十分な知識を持ったエンジニアあるいは航海士もむろんそうですが、この面を商船学校の教育に強く取り入れなければいかぬじゃないか。しかも教育というものは、今年学校に入りました生徒が、大体五年半なり六年後に船に出るのですから、今私たちが考えていることは現状に合ったのでは間に合わない。今後六年なり七年後に今の教育を受けた人が学校を出てくるのですから、そうしますと、学校を出てから十年なり十二、三年しなければ船長、機関長になりません。そうすると、私どもが今考えていることが十年、十五年の向うにはどうなるかということを考えてそれに適応するような教育方針を今から考えなくちゃいかぬじゃないか。私はこの点は昨日商船教育の改善に関して文部大臣のところに行きました。係の人を呼んでもらって十分話したところなんですけれども、これはむしろ運輸省の方が改正に率先して案を立てまして、文部教育に対して注文をして、十年、十五年後の日本の海運界において、ほんとうに世界を相手に活躍のできるような人間を今考えなくちゃ間に合わないというふうに考えます。
それともう一つは、これに関連しまして、たとえばこの間起った南海丸のような船は、あれは一級船でございまして、三級船の規則からいいますと、船長は甲種二等運転手で済むのです甲種二等運転士でも技術のある人であるならば必ずいけないというわけじゃありませんけれども、少くとも人命を四百人、五百人と預かるような船の船長であるならば乙種船長であるとかいうぐらいの資格のある人に私は乗ってもらいたいと思うのです。それはやはりそれだけの試験をされ、教養を持っている人に乗ってもらわなければ危険じゃないか。だれでもいいということになりやすいのですから、どうしても私は相当の資格を持った人、多数の人命を預かる船に限って、そういうことを私はしなければいかぬのじゃないか、こういうふうに考えます。同じ五百トンの船でも、三級船で貨物船でありますなら、それは甲種二等の運転士でもいいけれども、人間を大ぜい乗せているということを考えますと、人命保護の立場からいっても私は資格の高い人を乗せるということが絶対必要じゃないか、こういうふうに考えます。
それから船員の問題も、そうなって参りますると、乙種船長というものは不足なんです。なかなか免状がとれない。技術を知っておってもなかなかとれないというような者には、もっと簡易な講習をたくさん設けてやって、どんどん数年で資格のとれるように親切な指導をしてやっていただきたい。これは実地からきた人は、やはり最後は何か乙種船長にでもなって、とにかく自分で一生やりたいという人が多いのです。しかも技術の優秀な人が多いのですから、そういう人にはなるべく親切に免状のとれるような方法をしてもらいたい。漁船のエンジニアとかいうものに対しては、農林省の水産課の方で資料を出して、非常に養成をやっております。けれども免状を持った人は、漁船の乗組員であっても普通商船の乗組員と違いはないのですから、習うことは同じことを習っているのですから、むしろ漁船のエンジニアであっても、あるいは漁船乗組の運転士でありましても、これは運輸省でこの養成をしなければうそじゃないか。むしろ農林省がこんなことをやるということの方が変則で、運輸省がやるのがほんとうじゃないか。しかるにこちらがやらぬものだから、あるいは予算が取れないものだから、結局農林省に持っていかれてしまうということになるのじゃないかと思うのですが、この点は私は海難防止の建前に重度な関係がある問題だと思いますから、とくと考慮してもらいたいと思います。
それから船体の構造の面についてもそうであります。わか丸の試験の結果を私は報告書をちょうだいいたしました。なお詳細な復原性規則に当てはまるところの計算表というものがありませんので、要求しまして、けさもらったのですから、私は見ておりません。それから復原曲線という曲線の表をけさもらったのですが、詳しいことを私は言えないのですが、従来ちょうだいしましたわか丸の資料だけで見ますと、一応これは原則に合うようになっておると私は思うのです。ただはなはだ遺憾なことは、フル・スピードで航海していってかじを強くとったというときに、傾斜が七度半から八度かしぐ。普通の状態において船が大きくかじをとつて八度もかしぐということは、非常に不安を感じます。それからわか丸の試験だけで申しますと、あの乗組員が大体三等室、二等室、一等室というところがあって、そこのきめられた自分のいすについておる、すわるべき場所にすわっておって試験した場合に、あの安全性があるということになるのですが、もしあの連中が全部一番上甲板に出ておったときに大きくかじをとった場合には、これは七度や八度の傾斜では済まない、うんとかしぐ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/59
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060・濱野清吾
○濱野委員長代理 小山君発言中ですが、大臣が今閣議で出たいとおっしゃるのですが、よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/60
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061・小山亮
○小山(亮)委員 大臣はいいです。これは大臣が聞いてもしようがないのだから……。
そういう状態から見まして、非常にかしいで危険じゃないか。私はそういう面から見ると、注意書に大ぜいの人が甲板に出ちゃいけないとか、大かじをとっちやいけないとかいう注意書を出しましたが、注意書を出したから役人の方としてはやるだけのことはやったということになりますが、甲板に大ぜい人が出ちゃいかぬということは――瀬戸内海のあの辺を航海する船が、甲板に人が出ちゃいかぬぞといったら、瀬戸内海の魅力はないですよ。あの辺を航海する人は、中へ入れといったって、雨風でもある日でなければ中へ入れということは無理ですよ。われわれでも外は見たいですよ。だから雨風のある日は別として、雨風のない日でも、フルでもってかじをとるとあの状態で七、八度かしぐ。甲板の上にうんと人がいたらもっとうんとかしぐだろうということを考えますと、私はむしろそんなに人が乗れば危険だという上甲板を許すことが無理だと思う。人が乗っちゃ危ないという甲板をこしらえさせるということがおかしいじゃないか。人が幾ら乗っても大丈夫だ、全部が乗ってもいいという場合にのみ上申板があっていい。それを何人乗ったらいけないとか――今のお客なんか船員がいろいろ言ったって聞きやしません。昔だって聞きやしなかったのだから、今のお客は鉄砲でも見せなければなかなか言うことを聞きません。そういう客が乗るのですから、その場合を考えて、役人は法律を出して通知を出せば必ずその通り順奉すると思っても、お客さんというのはなかなか言うことを聞かないのが乗るということを考えれば、その上甲板を作ることが無理なんだと私は思う。だからあの検査のいろいろな試験の結果から見ますと、なるほど安全法にはちゃんと規定に載っておりますよ。厳重にバラス等を積んだりなんかして合せるのですから、そうなる。それから復原性の規則にも決して抵触しないように改正しておやりになっているに違いない。それでもなおかつ沈むのだ。それでもなおかつこの間沈んだのですから、私はこの法律自体を一ぺん考えなければいかぬじゃないかと思う。あの法律に合っておっていけないというなら、まだこの法律だけでは不十分だということになるでしょう。そうしますと現行の安全法、現行の復原性規則というものの全面にわたって改正の必要がありはしないか。これは大へんなことになりますから、なるべくそういうことがない方がいいのでありましょうが、できれば官民合同の――これを作った時分と船の速力も違ってきているのですから、私は再調査する必要がありはしないかと考えます。
それからまた大へんいやなことですが、運輸省の中の機構も、もう一応新しい時代に適応するように考える時代が来ておりはしないか。ちょうど国鉄の事件がありまして、国鉄の洞爺丸、紫雲丸の事件がありまして、国鉄の内部機構の改革をやりまして、海運関係というものを独立さしていろいろ新しい構想で案を立てましたが、ある種のああいったようなものをこしらえる必要がありはしないか。たとえば船員の素質向上という面から、船員教育というものをもっと高度にしようとしましても、普通船員と高級船員と違うのですし、その場合にこういうものは特別に技術とかなんとかいうものの特殊な研究を必要とするのでありますから、むしろこれは切り離して――高級船員に対するところの技術指導であるとか、あるいは免状の問題であるとかいったようなものは、一つ切り離してしまって、一般の船員局で今やっておいでになるような船員の待遇改善をするとか、あるいは厚生施設をはかるとかいったようなことを中心におやりになるか、それと切り離して十年、十五年の将来を考えてどういう対策を立てたらいいか、あるいは文部省に対してはどういう注文をして――大体船員教育を文部省に持っていかれているのが私は不満ですけれども、しかしこれも待っていかれている以上は仕方がないから、これをあなたの方でどういうふうにやれという指導をする方針を立てて、運輸省がむしろイニシアチブを立てる必要がありはしないかというふうにも考えられるので、この点に対する運輸省内におけるところの機構の新しい構想をおやりになる時期がきているのじゃないかというふうに私は考えるのです。これはもちろん意見ですから、私の意見に反対で、それよりもっとこういういい意見があるのだという御意見があなた方にあるならばけっこうです。
それから海難防止協会というものに対しまして、私は大いに異論がある。これは個人的には辻さんにも粟澤さんにも自分の意見を申し上げておりますが、現在海難防止協会というのは全国にもたくさんあります。個々に独立しておってそれぞれの活動をしておるが、動いているところもあれば動いておらぬところもある。これではいかぬから、一つにしてしまって、中央で一元的統制のもとに機動性のあるものを作ろう、それには今度モーター・ボートの納付金というものがあるから、それを使ってやろうというふうな構想でお考えになったのじゃないかと私は思うので、そういうことを積極的にやろうという考えに対しては私は敬意を表するが、ただ従来のお役人さんがおやりになる常套手段で、現在ある機構をやたらにぶちこわしてしまって一つにまとめて、その上に役人が号令をかけたらこれはスムーズに動くだろうという翼賛会式の考え方、これは今日は古いと私は思うのです。そういうような共産党式か翼賛会式か知りませんが、そういう型をやめて、従来神戸なら神戸、東京なら東京に海難防止会というものができてきたのはおのずから歴史があるのです。できなければならぬ、やむにやまれざる歴史があってできてきた。それでやっておる。せっかく動いているものを、今度は全然色の違った、性格は同じであってもいろいろ感情とかあるいは今まで生活環境とかが違っておりますと、人間というのは合せても一ぺんに仲よくなるものじゃない。そういうものを一ぺんに合せて親方をこっちへ持ってきたから、貴様これからおれの言ううことを聞けといっても、そうしなければ銭をやらぬぞといっておどかせばいやいやながらついてくるかもしれないけれども、機構をいじってしまうということは結局角をたわめて牛を殺すことになるので、私はそういうような行き方でなくて、各地方々々にそれぞれの特殊性があるのだから、その特殊性のあるそれはそのまま生かしてフルに現状のまま活躍させて、そうしてやがて大同団結をする機運がおのずからわいてきたらそれを一つにする。今いたずらに役所がいろいろな型を作ってそれに当てはめるということに対しては、これは結局海難防止対策をなくなすのですから、私はこれに対しては絶対に反対です。これはあなた方がいかなることをおっしゃっても、今のようなままをすぐにやろうとおっしゃることは私は絶対に反対します。これは結局海難防止対策というのをなくなすのですから……。そのほかにおやりになることはたくさんある。だから役所がこれをやって、しかも聞くところによればもうすでにこの会の会長になる人もきまっておれば、理事長ですか、事務総長になるような人もきまっておるというようなことを開いておる。それは私はなおさら反対です。まずやらぬ前に人事を大体きめてしまっていくなんというばかなことはないですよ。それからこういう機構ができることに対して、世間ではこういうことを言っておる。私はあえてそういう意図のもとに行われているものでないということを十分に承知しておりますが、世間ではこういうことを言っておる。来年はちょうど参議院の選挙である。その選挙の対策として選挙前にこういった全国的な組織を作って一令のもとに運輸省の方でもと運輸省に関係しておったところの役人の中から、全国区の参議院に出ようとする人が楽に出られるような機関を作るのだとすら言っている。私はそんなことはあろうとは思わない。しかしながら、李下に冠、瓜田のくつということを言うのですから、これは疑ぐりのようなことが出たら、煙が出ないようにするためには、こういうようなあまり機構いじりのような一元的な権力統制をもってやるように考えられることをおやりにならぬ方がいい。これはせっかくほんとうに日本の海難をなくなそうとして進んでおるあなた方のきれいな気持をかえってそこなうのですから、そういう意味において、そういうことは現在のPR活動の強化というこの面だけは、私は無条件で賛成をしかねるということを一応申し上げておきます。
私の言ったことは、長々と申しましたが、海難防止の対策としては船員問題、船体構造の問題、これに現在の法律改正の問題も含んできます。それから航路標識、これは今の海上保安庁やなにかの設備の内容をもっと検討しまして、ああいうのをむしろ運輸省の外局に置いておくというのが間違いで、鉄道自体が、国鉄は公社ですから別になったとしても、海難防止というのは本省の中に入れずして、運輸省よりかむしろ保安庁の中にあっていいのじゃないかと思う、手足を持っておるのですから。これは行き過ぎかもしれませんが、いろいろの行きがかりがあってそうもできないだろうが、保安庁までが一つに入ってしまって、国鉄はむしろ公社だから別になってやるというような行き方の方が将来いいのだとすら思うのです。これは意見です。ただ船員問題と船体の構造と航路標識の問題と気象観測――気象観測だけは、アメリカがいろいろな援助をしてくれたころはよかったが、今はそれはないのですから、もう少し思い切ってやらないと、安全が保てないと思う。この四つを強化するような具体策を何とか一つお考え置きを願いたいと思うが、もしそれに対する当局の何か具体的な方針があるか、あるいは御意見があったら聞かしていただきたいのです。長くしゃべりましたが、せんじ詰めたところはこれだけですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/61
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062・朝田静夫
○朝田政府委員 ただいま小山先生から御高見を拝聴いたしましたが、まず第一に航路標識の問題でございます。具体的な問題といたしましては、私どもの方では主要の旅客船航路筋で、航路標識の整備を要する個所は百三十九カ所と考えておるのでございます。この所要経費は約五億一千万円であります。これを五カ年聞で整備いたします方針を立てまして、三十三年度におきましては十四カ所、予算額といたしましては約三千百万円でもって、特に旅客船航路筋の航路標識の整備をはかりたい、これが具体案でございます。
第二点の救助施設が貧弱であり、現在の海上保安庁の巡視艇の不足をわれわれも絶えず訴えておるのでございますけれども、これは仰せの通りであります。ただ三百五十トンあるいはそれ以下の内火艇程度の二十三メートル二隻、その代替建造はまことに仰せの通りであって、不十分きわまるものでありますから、将来こういったものにつきましては、予算の根本的な――今の一般会計でなしに、その他の適当な方法を防衛分担金等との関連におきましても考えて参りたい、こう思うのであります。
その次の船舶の構造の問題でございますが、先ほど冒頭で説を申し上げましたように、この問題につきましておっしゃる通りでありまして、沿海区域において航路ごとに特殊な事情を考慮いたしまして、特定区域を設けるか、あるいは沿海区域をさらに細分化するか、それに応じて安全基準のグレードを高めていくかという問題につきましては、その航路におきまする気象、海象その他交通量、きわめて重要な問題を科学的に数字の基礎をもって考えませんと、制度としてはなかなか踏み切れない面もございます。従いまして官民合同の専門家を集めました造船技術審議会の安全部会にこれを諮問して具体案を得たい、こういうふうに考えておるのでございます。
その次の仰せの気象のインフォーメーションの入手、伝達の問題でありますが、この問題につきましては、そこに掲げましたようなことで、船長の出航判断の問題、あるいはその入手と船側に対する伝達の問題につきまして、一つの定型化をはかって参りたいというのでございます。ところが企業の規模あるいは実情等によりまして、なかなかそういった具体的なルートといいますか、あるいは取扱いの態勢といいますか、そういったものを一がいにきめかねるような実情もございます。御承知のように瀬戸内方面におきましては、零細な定期航路業者もございますので、すべて画一的にこういう方法というようなことはなかなかむずかしいのでありますので、最大公約数的に、最小限度この程度の伝達方法の定型化はどうだ、こういうことで、今実態調査を進めておるような次第であります。
その次の船員の配乗と教育の問題でございますが、配乗の問題につきましては、先生の今お述べになりました御意見の通りここに書いてあるのであります。問題といたしましては、各航路の実情に適応して、適正な配乗を行うような行政指導を行う、こういう抽象的な文句でございますが、乙二の免状では、旅客船の多数の人命を預かる航海に従事いたして参るときに、そこに問題がありますので、少くともそれ以上の級の免状の授与者、及びそこにいった実力者をもって配乗をさせるように行政指導を行う、こういうことをここで言っておるのであります。属員につきましても、国際条約にありますエーブル・シーマン制度、こういうもの――わが国はこの条約については批准をいたしておりませんけれども、こういう趣旨にかんがみまして、将来法制化を行なって参りたい、こういうふうに考えるのであります。
最後に運輸省の機構問題でございますが、先生の御意見を参考といたしまして、将来検討をしてみる考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/62
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063・小山亮
○小山(亮)委員 保安庁長官に伺いますが、大型救助艇がどうしても必要だと思うのですが、それとヘリコプターですね。あるいは飛行機でも、そういう海上の偵察、それは予算をこの間請求して取れなかったのですが、大体来年度どのくらい必要なんですか、どうしてもやってもらいたいというのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/63
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064・安西正道
○安西政府委員 先ほど官房長から御説明いたしましたように、海上保安庁では、巡視船の整備の必要性を考えております。ことに現在、戦争中に海軍が作りました飛行機救難艇というのが相当なボリュームを占めておりまして、すでにこの種の船につきましては、船齢がもう老齢化いたしましても、至急代替建造を要するというような状況になっております。また同時に最近におきましては、遠距離海難が非常にふえて参っておりまして、従来は海上保安庁は中堅といたしまして四百五十トン型の船を整備いたして参りましたけれども、今後におきましてはどうしても遠距離海難に対する大型巡視船が必要であるというような構想を持っております。ことに最近におきましては、漁船でありますけれども、カムチャッカ方面あるいはまた遠くアッツ島方面の水域に出動いたしておりまして、非常に北洋の海難が急激に増加いたしております。また同時に南太平洋における漁船の遭難も相当ございまして、実はこういったような大型の巡視船をどうしても整備して参りたいというふうに考えまして、相当大量な予算を要求したわけでございます。先ほど官房長がちょっと触れましたけれども、そのためにはわれわれの方でも相当財源を考えていかなければならないと考えまして、実は一昨年の予算から――防衛庁の船を作ります場合におきましては、アメリカとの協定によりまして、防衛分担金をそれに要した予算の半額は減らすことができるというような建前になっております。従いまして海上保安庁につきましても、ぜひそういったような方式を適用してもらいたいということを大蔵省にお願いして参りましたし、また外務省方面にもそういう連絡をいたして、実は一昨年からやっておったわけでございますが、何分にもその交渉を始めたのが非常におそうございまして、時間切れとなりましてこれが実現いたしません。来年度の予算につきましても、実は早くから大蔵省方面と折衝をしておったわけでございます。大蔵省の方面としても一つできるならばその方式を考えてやろうじゃないかというようなことで、アメリカの方と、外務省を通じまして折衝してもらったわけでございますが、本年度には何分にも三十億という防衛分担金を減らすという大きな交渉がございまして、そのために、また時間切れになったような始末でございます。こういう点につきましては、さらに構想を新たにいたしまして、交渉を継続していきたいというように考えております。また最近におきましては、先ほどお話がございましたように飛行機あるいはヘリコプターによる救難というものが、非常に大きな成果を上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/64
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065・小山亮
○小山(亮)委員 遠距離救助艇は、何トンぐらいのが要るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/65
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066・安西正道
○安西政府委員 来年度の予算に要求いたしましたのは、千二百トン型が一隻でございます。それから六百五十トン型が一隻でございます。それから四百五十トン型あるいは三百五十トン型の船舶を約四隻程度要求いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/66
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067・小山亮
○小山(亮)委員 予算はどのくらいの見積りですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/67
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068・安西正道
○安西政府委員 総額で二十一億程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/68
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069・小山亮
○小山(亮)委員 宗谷丸関係の予算は、あなたの方でお取りになっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/69
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070・安西正道
○安西政府委員 あれは文部省で取りまして、海上保安庁に移管になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/70
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071・小山亮
○小山(亮)委員 海上保安庁は一文も、ない……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/71
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072・安西正道
○安西政府委員 要求といたしましては、南極関係一本で要求いたしております。そうして移管になりまして、実際は海上保安庁で支出するようなシステムになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/72
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073・小山亮
○小山(亮)委員 新しく要求しているのでは、ヘリコプターは幾つの予定ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/73
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074・安西正道
○安西政府委員 飛行機が一機でございまして、ヘリコプターは二機でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/74
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075・小山亮
○小山(亮)委員 いいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/75
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076・濱野清吾
○濱野委員長代理 下平君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/76
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077・下平正一
○下平委員 国鉄に関係して、二、三御質問いたしておきたいと思います。
最近の国鉄のいろいろの情勢の中で、特にきょうお伺いしたいのは労使の関係についてでありますが、まず第一点は、昨年あたりから第二組合ができるというような動きがありましたが、国鉄内部の労働組合の実情というものが一体どうなっておるかということを、機労あるいは第二組合、国労というふうに分けて、どんな形になっておるか、まず御質問をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/77
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078・兼松学
○兼松説明員 ただいま役員が不在でありますので、私からお答えいたします。ただいま私どもの承知いたしますところでは、国鉄関係の労働組合は国鉄労働組合、それから職能別の労働組合、新潟地方の労働組合、それに機関車の労働組合、四つあるように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/78
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079・下平正一
○下平委員 職員数はどのくらいあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/79
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080・兼松学
○兼松説明員 正確には聞いておりませんが、組合のそれぞれ発表せられましたところでは、国鉄労働組合が約三十六万人、機関車労働組合が五万人、職能別及び新潟地方は、正確な数字はわかりませんが、私どもは合計して一万に満たないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/80
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081・下平正一
○下平委員 国鉄の業務がノーマルな形で進んでいくためには、前々からこの委員会でも問題になっておりまするが、予算の措置をするとか近代化をするとかいろいろなことも必要だが、根本になるのはやはり労使のあり方というものがすなおな形にいっていなければならぬということが、前々から指摘をされておるわけであります。この国鉄の中に四つの組合があるというような形について、一体当局はどんな基本的な考え方を持って、組合対策といいますか、労務対策といいますか、そういうことをやっておられるか、基本的な考え方について若干聞かしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/81
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082・兼松学
○兼松説明員 国鉄としては公労法の建前によりまして、職員は組合を結成する自由と結成しない自由とをそれぞれ自由に持っておられるわけであります。従いまして職員の組合の結成というものは、職員のそれぞれの自由意思によるものであると考えております。その存在いたしますすべての組合と最も円満な労使関係を樹立いたしたいというのを念願にいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/82
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083・下平正一
○下平委員 公労法に基いて組合の結成は自由だという形でありまするが、現実に仕事を進めていく上において、いろいろの形の組合が続々タケノコのように出てくるという形は、やり方としてもあなた方はやりにくいと思うのです。そういう点についてはどんなお考えを持っておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/83
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084・兼松学
○兼松説明員 私どもの日常の接触といたしましては、数が多いだけよけい接触するということは、まことに私どもとしては時間はかかりますけれども、これは法律に認められた結社の自由ということからして、管理者としてあるものに対しては公正に扱わなければならない責務があると考えて、公正に扱うように努力いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/84
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085・下平正一
○下平委員 時間があまりありませんので問題を少し飛ばしていきますが、今職員局長が言われた言葉が、私は今の国鉄の組合対策の現実だと思うのです。それは今公正に取り扱うとか公労法上の云々というようなことを言いましたけれども、最近の国鉄当局の組合対策というものを見ると、何か第二組合的なものを育成強化をしていく、そして労働組合の中に棒を突っ込んでかき回すというような、きわめて意識的な第二組合工作というものが露骨に出ているような気がするのです。時間がありませんから、私は今度は端的に事実の問題について職員局長の考え方を聞きたいのですが、公正な取扱いをする、こう言いましたけれども、最近起きた事例では静岡の局に第二組合が出て参りました。この静岡局の第二組合発生の経過をしさいに調べてみると、きわめて意識的に、局長以下の幹部、いわゆる管理者の立場にある諸君というものが、第組合の育成に非常に熱心、というよりは意識的に第二組合を作らせるような方向に向いているという事実があるのです。たとえてみますると、昨年の暮れあたりから、東京の下落合に労働問題研究会ですか、短期労働大学というようなものができております。これは御存じであると思いますが、この短期労働大学に対して、静岡の局長の広瀬真一がきわめて意識的にこういうところに参加させているという事実があるのです。たとえてみますと、昨年の十一月に開かれたこの短期労働大学に対しては、どういう形で行われておるかといいますと、静岡監理局の局長名の通達をもって旅費を支給して、この労働講座に参加をさせているわけでありますが、こういう事実に対して職員局長あるいは国鉄経営の本庁の立場としてはどういう理解を持っておられるか、ちょっと御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/85
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086・兼松学
○兼松説明員 今の点については初めて伺いますが、組合の結成その他に対して管理者が特別のことをいたすというようなことは夢にもないと考えております。またあるべきでないとも考えております。それからお話のありました短期の講座の件でございますが、労働問題に関する講座等につきましては、折に触れまして私どもの方でも労働関係の者を参加させた例はございます。やはり部内だけでやっておりまして十分知識を得られない場合には、部外の権威者の講座とか講習会に参加をする機会を与えることは、ときにいいこととは考えております。今おっしゃった点の内容についてはよく承知いたしませんが、本社でも労働関係の職員を労働関係の講習とか講演会に列席せしめたことはございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/86
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087・下平正一
○下平委員 私は本来の職務遂行上必要な労働関係の担当者が、その職務執行上の知識を得るために労働講座に出る、あるいは当局が労働関係者をそういうところに出席させる、こういうことについては今ここで問題にしていないのです。私が調べてきた事実によりますと、静岡監理局達の二百六十七号、三十二年十月十七日付によって、労務管理とかそういうものに全然関係のない職員を、出張扱いをもってこの労働講座に出席させておるわけなんです。出席した人間を調べてみると、沼津駅の操車掛兼運転掛の庄司栄一、豊橋駅の操車掛兼予備助役の後藤三男、浜松駅の操車掛の鈴木平、清水駅の庶務掛の渡辺金次、静岡駅の信号掛の吉田衛、以上の五名で、職名を見てもこれは決して労務管理あるいは労働担当者とはいえない職名でありますが、今の五人を局長名をもって出張旅費を払って、そうしてこういう労働講座に出席をさせている、こういう事実があるわけです。こういう事実についてはどんなふうに職員局長お考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/87
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088・兼松学
○兼松説明員 その事実につきましては、ただいま先生から初めて伺ったものでございますが、私たちとしてまだ調査をいたしておりませんが、私どもは多数の人を管理しておりますので、助役とか駅長になるような階梯の人が、ある経度労働問題に十分な理解を持つ機会を与えるということ自体は、ときに適切なものであるとは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/88
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089・下平正一
○下平委員 職員局長に記録をしておいていただきたいのですが、「現場職員の管外駅務見学について、」こういう昭和三十二年十月十七日付の静岡管理部の営第二六七号という通達です。この通達で、以上私が申しました五人が出張扱いでこの労働教育講座に出ております。この労働教育講座の中身を見ますと、この主としての目的は、ここへ出ていって、そして国鉄の労働組合のあり方がいけないから第二組合を作るのだ、こういうことが中心目的であります。朝九時から五時までいろいろ相談をして、あと一時間は討論をするというような形で、少くとも三日間にわたって当局が旅費を支給して、これら一般職員を第二組合結成のために派遣をしている、こういう事実なのであります。これはどう考えてみても、明らかに労組法第七条によるところの便宜供与ないしは当局の支配介入という形になると思うのでございます。職員局長が、今そういう事実はまだ聞いていないというようなお話をしておりましたけれども、私の調査をした範囲では、ここに出張命令簿、それから本人たちの出席をした時日、その内容、それから当日の静岡駅その他におけるところの出勤簿の取扱い状況等が写真で資料として参っておるわけでありますので、おそらくこの事実というものは否定のできない事実だと思います。もしこういう事実があるとすれば、こういう事実については一体どういう処置をするか、まず第一にこの点について意見を聞いておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/89
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090・兼松学
○兼松説明員 内容を十分了知いたしませんと、にわかに判断はいたしかねると思うのでございますが、現場職員を機会に応じて管外見学させて旅費支給するということは、ある限度においては従来からも各局でも行なっておる習慣でございまして、この点の事態については、私は今後も問題は別にないのではないかと思います。それからたまたま組合員が行きました、それが労働問題をいろいろ教えるところであり、またそのこと自体が直ちに管理者が第二組合を結成さすためにやったというようなことは、私どもとしては夢にも予想してないことでございます。今後もそういった目的のためにそういうことをするということは、あるべきでないと考えております。見学というものはあくまでも見学である、また講習は講習を受ける機会を与えるので、判断自体は、受けた本人の問題であろうと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/90
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091・下平正一
○下平委員 今兼松職員局長は、職員の教育あるいはその他の問題で管外出張させることがある、その管外出張の中には、将来駅長か助役になる諸君の中には、労働問題をよく知ってもらわなければならぬから、そういう点もあるのだ、こう言われました。そうすると、たとえばこの短期大学に出張するというようなことが、それも管外出張の視察の当局が言うこの通達の目的に合うのだ、こういうふうに判断ができますが、そういう判断をして間違いありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/91
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092・兼松学
○兼松説明員 通常見学というのは、鉄道の作業自体の見学が多うございまして、労働関係者とか管理者以外には、比較的にそういった機会をやることは少いと思います。今までの実例では、管外見学は主として作業を中心とした見学が、現場職員には多うございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/92
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093・下平正一
○下平委員 私は今までのそういう点を経過として聞いているわけではないのです。私も現場におりましてずいぶん管外出張に出ましたが、今職員局長が言ったように、将来駅長か助役になるような諸君には、この管外出帳で労働問題等に対するいろいろの便宜等も与えてやるのだ、今言った静岡営達の二六七号という達の内容は、そういう労働問題に旅費を出して、お前たち勉強して見てきなさいということも含まれておるというあなたの答弁ですが、そういう答弁が事実かということを聞いておるのです。そういう考え方でその二六七号は出ておるかどうか、こういうことを聞いているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/93
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094・兼松学
○兼松説明員 その二六七号自体は、私まだ読んでおりませんので、その内容の趣旨につきましては、よくそれを見ました上で、またその内容を出しました監理局長の意図等も聞きました上で、お答え申し上げるのが適切であろうと思います。私としてはまだ見ておりませんので、的確な意見を申し上げかねるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/94
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095・下平正一
○下平委員 それではこの通達にこだわらず、基本的な考え方としてお伺いをしたいのですが、これは現場の諸君がほかの業務機関の視察なり見学をして、自分の駅のあるいは区の業務の向上をはかるのだ、こういうことが管外視察の目的だと思うのです。そういう管外視察の中に、一般的にいって、労働問題のこういったような視察、見学等も当然含まれておるのだ、こういうふうな解釈をさっきあなたはちょっと言ったのですけれども、一般的な解釈として、管外出帳の中には労働問題というものが含まれておるのだ、これも視察の目的、見学の目的の一つであるというふうな考え方であなた方は指導されておるか、そういう点について、一般的な問題として答弁をしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/95
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096・兼松学
○兼松説明員 特にその職責上任務にある者を除きましては、一般的にはそういったことを優先しては考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/96
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097・下平正一
○下平委員 そうすると、現実に静岡の局で出したこの五名の人間というものは、特別に労務管理を担当しておるとか、そういう職員ではありません。職名上、操車掛とか予備助役というものは、そういう職務ではないと思います。そういう一般的な職名の人たちが、こういう形で、符に労働問題専門に教育をするために管外出張をさせたという事実は、明らかに、あなた方の指導方針と間違っておると解釈して差しつかえないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/97
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098・兼松学
○兼松説明員 その点は、私も的確に間違っておったかどうかについては、ちょっとここで申し上げかねるのでございますが、見学のいろいろな一つに、将来の管理者になるような人が労働問題に対する理解を持つ機会がたまに与えられるということ自体は、私はあり得ることだとは考えておりますが、特にそういったような指導をいたしたというような実例は、何ら過去においてございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/98
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099・下平正一
○下平委員 管外出張とかそういうようなものの定義をもっと明確にしていただきたいと思うのです。大体私は、その現場の教育に必要な技術的な面あるいは職能的な面、こういうものが中心に視察、出張なさるのが当りまえだと思うのです。これは操車掛が何のために労務管理が必要となるのですか。駅の操車掛が旗を振るために、なぜ第二組合の理論を知ったり、あるいは労働運動問題のいろいろを知る必要があるのですか。これは当局が当局の金を出してやらせることは、やはりあくまで操車掛であったら操車掛の職務を遂行するための参考にする、また庶務掛をやるとしたら、庶務掛がその業務を完全に遂行できる参考のために出張させるということが当りまえじゃないのですか。操車掛にお前勉強してこい、こういう形で金を出しておきながら、操車の勉強はどこでもやっていない、どこの駅にも行っていない。出張の三日間は、すべて下落合の会場に姿を出しておる。しかもこれは明らかに本人はそういうところに行けと言われて行ったと言っておる。決して操車掛が新鶴見の操車場やその他の操車場に行ったということはない。駅長からの内意によって、下落合にかくかくの講座があるから、ここ三日間行ってこいといって旅費を支給されてきました、こう言っておる。あるいは今あなたが言ったところの将来駅長になるような人、これは一体操車掛が将来駅長になることがどこにあるのですか。そういう事実があるのですよ。だからあなたの言うことは、これはもう労務管理とかそういう職にある人については、あなたの言うことは了解する。たとえば本庁の労働課の諸君とか、あるいはまた監理局の労働担当の職員が自分の職責を遂行するために、あるいは労研の会議に行ってきた、総評の大会にも行ってきた、これは了解するのです。しかしそうでないところの一般職員が業務の研究、業務の参考といって出される出張にそういう問題が含まれるということがいいか悪いかということを私は言っておるのです。こういう事実があるのです。これはほんとうにあなたはいいと思うのですか。これにあなたは含まれると思うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/99
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100・兼松学
○兼松説明員 その事実については初めて伺った事実で、私も今初めて――そういったようなことについて何ら私どもの方としては指示したこともございませんし、そういう点につきまして、今後誤解のないように十分事情を調べたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/100
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101・下平正一
○下平委員 職員局長に明確にしていただきたいことは、私はさっきから言っておるのです。私の言い回しがちょっと悪いかもしれませんが、少くとも直接業務に関連をする業務の視察なり見学なりという形があなた方が金を出してやらせるところの管外視察のほんとうの使命じゃないかと思う。この点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/101
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102・兼松学
○兼松説明員 原則として先生のお言葉は全くその通りであろうと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/102
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103・下平正一
○下平委員 そうすると今ここに列挙された操車掛、庶務掛以下信号掛を含めた五名の出張は、こういう諸君をして、これらの諸君の職務執行上へ全然関係のない労働問題研究所というようなところにかりに出すような指示、出させるようなことがあったとすれば、明らかにこれは間違いですね。もっと端的にいうならば、明らかに労働組合に対する労組法第七条にいうところの支配、介入なんです。もう一つは経費援助なんです。これは事実の点は別問題としてもいいのです。今あなたが言われたように、直接業務に関係のない管外出張というような形は、原則的にはそれはいけないことだという認識に立てば、こういう事実がもしありとすれば、明らかにこれは支配、介入であり、経費援助である。もしかりにこれが静岡鉄道局長の広瀬真一ですかね、こんな者の意思、あるいはその意思に基いて、かりに駅長からこれらの者に下落合に出席をせよという指示があったとしたならば、これは重大な違反の問題として取り上げられることになると思うのですが、そういう点についてあなたの見解はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/103
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104・兼松学
○兼松説明員 組合の組合員に組合の問題を研究する機会を管理者が与えるということの良否というものにつきましては、原則としては、私どもの方としては無干渉ということが建前であります。その問題につきまして、今初めてそういった事実を承わったので、私もその事情は調べてみますが、今後もそういった誤解を受けるようなことはすべきでもないし、またないだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/104
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105・下平正一
○下平委員 誤解とかそういうことでなくて、原則的にこれは明らかなる支配、介入だと認めませんか。あなたは組合の問題に当局が経費を出して、もちろんこれは勤務も操作しているのです。操車掛はそれに出るためにはその日の勤務操作をしなければならぬ。出張の命令を見れば、明らかにその日は三日間にわたって、出張という勤務、休暇規定に基いた操作をしているのです。こういうことの事実のあるなしということについては、あなた方が調査すればいいのです。管外出張の原則に立っていえば、こういう形の経費の出し方、あるいは職員の勤務の操作、あるいは出張の仕方が間違いだということは、ここであなたも認定できると思うのですが……。事実がなければいいのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/105
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106・兼松学
○兼松説明員 出張の問題の可否については、私は必ずしも適切な目的の出張であったかどうかという点については問題があると思いますが、それが別に組合の関与であったということには直接の関係はないので、問題はむしろその出帳の命令を出したことの適否という点では異例なものであるとは私も存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/106
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107・下平正一
○下平委員 その次にちょっと職員局長にお伺いしたいのでありますが、先ほど職員局長は公労法云々ということを言われました。今幾つもできている組合というものは、みな公労法に基いてできている組合であるから、これに対しては公平な取扱いをしたい、こう言っておられました。あるいはまた組合ができることについては、当局としては意識的な介入をしていない、こう言明されたのでありますが、静岡に今起きている事件を見ますと、たとえば今ここで一つ現実の事実を提供してあなたに御答弁をいただきたいと思うわけでありますが、今度できましたところの静岡の第二組合の発起人となって、中心的に動いている人間は、だれかといいますと、これは公労法第四条第二項にいうところの職員組合を作ったり、あるいは組合に入れないという立場の職員がやっているのです。たとえばここに具体的に名前をあげますと、興津善作というのですが、これは静岡駅の指導助役です。この指導助役の興津善作という男が今度の第二組合の発起人になってやっているのです。これはあなた方も調査をしてみればすぐわかることだと思います。あるいはまたこの第二組合の結成のために一生懸命飛び歩いて世話役活動をしてやっているのは、たとえば駐在輸送長の道下憑、この男は僕と十何年も一緒にいた男ですが、この駐在輸送長の道下が駐在という性格を利用して、これが中心的な役割を果しておる。今職員局長は公労法に基いた組合であるから、公正な取扱い方をする、こう答弁をされましたが、公労法上からいって非組合員である管理者の立場にある、たとえば興津善作というものが発起人になって作っているような組合というものを、果してあなた方は公労法上どこで正当な組合と認めるのですか。この見解を一つ聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/107
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108・兼松学
○兼松説明員 組合の認定につきましては公労委で認定をされることになっておりますので、私どもは常に新しい組合ができましたときも、その組合が公労委で正式に御認定を受けて証明書の交付を受けてから初めて交渉に入ることにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/108
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109・下平正一
○下平委員 それはきわめて通り一ぺんな形式論でありまして、そんなことを聞いているわけじゃありません。それでは角度を変えて御質問しますが、管理職という立場は、形は変っても、あなたと同じだと思うのです。職員局長という立場も、駅の助役という立場も、非組合員であるという立場、管理の立場にあって組合に入れないという立場は全く同様だと思う。従って組合に対するいろいろな解釈、組合に対するいろいろの措置というものは、職員局長以下各局の非組合員のところまで一貫したものだと思う。そうでなければおかしいと思うのです。ところが現実には非組合員、管理者の立場にあるところの静岡駅の指導助役興津善作が発起人になって、そうして第二組合を作っておる。この管理者の立場としてあなた方は、自分の部下の行動についてどういう理解を持ちますか。管理者の立場として、一貫した管理者の立場というものは貫かれておるはずです。あなた方は組合に干渉しないと言っておる。ところがその管理者の最末端機関であるところの指導助役の階級、現に興津善作が発起人として一番運動しておる。こういう点についてあなた方は監督上、あるいは今言った組合には関与しないというあなた方の考え方からどういうふうにこれを理解し、どういうふうな考え方を持っておるか、これをちょっと聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/109
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110・兼松学
○兼松説明員 今その事実も氏名とともに私は初めて承わるものでございまして、その個人の問題については私は差し控えますが、そういった行動は、一切管理の職にある者はすべきでないというものでございまして、管理者側の者は、駅長といわず、監理局長といわず、組合の結成及び活動には関与しないというのが私どものはっきりとした方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/110
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111・下平正一
○下平委員 職員局長はその立場上こういった労働問題については、各局の状況あるいは各地の情勢等について逐次情報をとり、その対策を考えるというのが職員局長の大体の任務だと思います。静岡の問題についてはまだ何点もありますけれども、時間があまり許しませんので省略をしますけれども、あなたはほとんどそういう事実を知らないというようなお答えしかないのです。静岡の第二組合問題について、あなたはそれではノー・タッチということなんですか。大体どういうふうな情報をとって、どんな程度の理解をしているか、それをちょっとお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/111
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112・兼松学
○兼松説明員 私どもは静岡にできる数日前に、職能別の菅原委員長から、われわれが長年準備をしているので、近く静岡に結成することになるということをあなたに知らせるという通知を受けました。静岡の局の方からは、その問題に関しては私どもの方には積極的に何ら注意がありません。私どもが情報として引きますのは、職能別の組合の幹部を通じて引きましたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/112
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113・下平正一
○下平委員 もう一つ問題を変えて御質問いたしたいのでありますが、静岡における当局が主として予備助役、運転係、こういうものを通じて意識的に第二組合を作らせているという形は明らかであります。本委員会でこの当否、あるいはこれを立証してどうのこうのと言う意思は毛頭ない。当然これを処理すべき機関がありますから、その機関で処理されると思うのでありますが、私が言うのは、そういう当否の争いをするということでなくて、正当な労務管理のあり方としてまずいのじゃないかという点で今取り上げているわけです。たとえてみますと、こういう事実ある。今年の一月二十一日と二十二日、これは静岡駅に起きた事件でありますが、静岡駅の指導助役の興灘善作という男が、非番者及び公休日に当る操車掛十二名をマージャンをやるからちょっと集まれといって集めた。集めた家は、静岡駅の小野田運転掛の自宅に集めた、こういうのです。その家で協議をされたことは――まずお酒が出たそうであります。そうしてなるべく早くお前たちは国鉄労働組合を脱退せよ、そうして新しく運輸労働組合というものが静岡にできるのであるから、この運輸労働組合にお前たちは入らなければいかぬ、こういうことで、首席助役興津善作の名前で、運転掛の小野田という男の家に集めて協議をしている。しかも奇妙なことには、この一月の二十一日、二十二日の両日、小野田運転掛の家に集まったこれら操車掛その他については、業務研究という名前で超過勤務手当が三時間支給されている。私も指導助役という立場も四、五年やりました。ずいぶんいろいろやりましたが、普通の常識では、業務研究という形で個人の私宅を使うということはあり得ないことなんです。必ず駅には講習室があります。なければ、機関部の講習室を借りてもいい。必ずそういう場所が駅にはある。中間駅に行ったら、ちゃんと夜間泊まるための設備がある、そこの部屋を使えばできるのです。少くとも個人の私宅にこれらの人間を集めて業務研究をやるということ自体が、まことに不可思議なんです。当時出席した連中から証言をとってみると、お酒が出た、国鉄労働組合を早く脱退しろ、今運輸労働組合ができつつある、これに入れ、これにどうしても入らなければ、将来の栄達にも昇進にも差しつかえがあるぞ、こういうことなんです。しかも、駅長は村松啓吾ですが、この業務研究会に対しては、これは駅長権限だと思う。そうしてこういう業務研究会に対して超過勤務手当が三時間ちゃんと支払われている。これは全部一切の書類が写真版によって私のところに送られてきていますが、こういう事実についてはあなたはどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/113
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114・兼松学
○兼松説明員 私の予想もしておりませんでしたお話でございますので、十分事実を調べて、内容を私もはっきりしてみたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/114
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115・下平正一
○下平委員 あなたはここに来て、何も知らなかった、何も知らなかったと言えば、それでこの国会は通るものと思うのですが、それはちょっとおかしいと思う。少くとも最初に私が言ったように、あなたの任務というものは、職員局長という立場になれば、こういう問題を直接担当する最高の責任者でしょう。その人が、この静岡問題については何も知らぬ何も知らぬ、これだけでは通りませんよ。私たちがあなたに来ていただいたのは、あなたも職責上、いろいろな静岡の問題については当然調べてある。だからあなたに来ていただいていろいろ事件を問いただしてみて、私どもが間違っていれば間違ったでいい。もし共通の意見が出るならば、それに対して是正をしていく、こういう方向をとりたいからこそ、あなたにわざわざ来てもらっている。総裁や副総裁に来てもらってもわかりはせぬと思いましたから、担当のあなたに来てもらっている。職務怠慢じゃありませんか。何も知りません何も知りません。これは明らかに問題になれば、労組法にいうところの不当労働行為として、あなた方は処罰の対象になるほどの重大な問題です。また労務管理として、こんなことが事実としたら、あなた方は職員局長のいすにおられませんよ。それほどあなたの職責というものは重大にかかっているところの問題なんです。何も知らぬ何も知らぬという形でここの国会だけを乗り切ろうということは、怠慢もはなはだしい。もしあなたが事実を知らないとすれば、かりにこういうようなことが行われたとしたらどうするかというくらいなことは、あなたはここで答弁すべきでしょう。ただたんぼのかかしじゃありません。そのくらいの答弁ができなくて、何も知りません何も知りません、これでは何のためにあなたは国会に出て来ているのですか。少くともこれらの事実に対して君らの見解ぐらいは表明すべき義務がある。見解だけでもいいから、あなたは表明しなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/115
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116・兼松学
○兼松説明員 その事実についてはほんとうに存じませんのでございまして、また駅長がそういったことはすべきでないと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/116
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117・井岡大治
○井岡委員 関連。さいぜんあなたは、数日前に菅原さんから、静岡の方で職域組合を作るのだという通知を受けた、こういうのですね。職員局長という仕事は、そういう通知を受ければ、当然どういうことになっているかといって静岡の方に照会するのが職員局長でないでしょうか、お尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/117
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118・兼松学
○兼松説明員 必要に応じては、職責上照会することもございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/118
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119・井岡大治
○井岡委員 必要に応じてはというよりは、労務管理、労務行政をやるものは、労働組合ができれば、あなたが団体交渉の対象であると同時に、いろいろな問題についてあなたが直接関係していかれるのじゃないですか、この点をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/119
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120・兼松学
○兼松説明員 新しい組合が結成されますような場合には、私どもとしては非常に関心がありますので、その動きその他について特に気をつけて見ておりますし、直接組合が動くについて私ども折衝の問題もありますが、既存の組合がそれぞれ地方で動かれる点につきましては、私どもは直接の交渉とは関係ないわけですので、私どもとしては、事前というよりは、いろいろの現実にあったそれぞれの姿を各局から精密に知らしてもらいたいということで、私どもの情報は、すべてどういうことが行われたかということを聞くことにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/120
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121・井岡大治
○井岡委員 先ほどあなたは、そういうことがあっただけであって、今のお話では、そういう事実が起ってきたら照会をして聞くのだ、こう言っておられる。照会されましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/121
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122・兼松学
○兼松説明員 この話がありましたので、私は静岡の監理局長に、そういう連絡があるが、静岡の方での動きはどうかということを聞きました。自分の方もうすうす聞いているけれども、日取りははっきりわからないが、動きはあるようだという情勢でありました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/122
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123・井岡大治
○井岡委員 それではあなたは知っているじゃないですか。動きがあるのに、どういう動きだ、またどういうような人聞がどうやっているのだというようなことは、当然あなたはお知りになっているはずなんです。ところが同僚の下平君が聞いたら、何も知らぬ、何も知らぬ、こういうことです。あなたはお知りになっている。都合の悪いところだけは知らないと言って、これを過ごそうとされている。それしか考えられないじゃないですか。ではその静岡からあなたに照会をしてきたことは、どういうことを照会してきたのですか。照会の内容を具体的に納得のいくように言って下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/123
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124・兼松学
○兼松説明員 管原委員長から私が聞きましたので、私の方でこういう情報があることを伝えましたら、自分らもうすうす開いているということを、静岡の局長と私が話しましただけで、それ以上のことは結成されたその日になって私どもは知りましたので、それ以後の問題としては承知しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/124
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125・井岡大治
○井岡委員 結成をしたので知りましたというのだったら、結成をするまでの経過というものは、あなたはお聞きになっておらないのですか。あなたは労務管理を担当されておられる。これはどんな小さな会社の労務担当者であっても、結成の経過というものは十分お調べになっているはずです。国鉄は国の公器を預かっておられる。その組合が今後どういうような行動をとるか、どういうような活動をするかというようなことについては、当然職員局長は知っておかれるべき性質のものだと思う。それを知らないと言われるのだったら、あなたは何のために職長局長をおやりになっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/125
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126・兼松学
○兼松説明員 その点はまことに、無能力と言われれば無能力な点でありまして、申しわけないのでございますが、現実には新組合等の動きはなかなか私ども捕捉することの一番困難な動きでございます。その点だけについて私ども承知するだけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/126
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127・井岡大治
○井岡委員 困難だったらあなたは静岡の監理局長に聞くのでしょう。どういうことだと言って聞かないのですか。聞かないなら聞かないとはっきり言いなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/127
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128・兼松学
○兼松説明員 聞く場合もございますし、聞かない場合もございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/128
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129・井岡大治
○井岡委員 あなたはそういうことで職員局長が勤まるのですか。聞く場合もありますし、聞かない場合もあります。そういうとぼけた答弁をするものじゃないのです。われわれは単にしゃべっているのではない。国民の一員として聞いている。国鉄の労働組合の動きいかんは、国民に大きな影響を持っている。従って国民の一員として聞いている。聞く場合もありますが、聞かない場合もあります。何というなめた答弁をするのです。もう一ぺん答弁をしなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/129
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130・兼松学
○兼松説明員 言葉が足りませんで恐縮でありますが、私としては事情が聞ける場合には、できるだけ聞くように努力はいたしますが、常に必ずしも十分にとれない場合もある。ことに組合の結成等のことは非常に秘密に行なっているようでございまして、私どもとしても一番聞きがたい情報になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/130
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131・山口丈太郎
○山口(丈)委員 関連質問。ちょっとお尋ねしますが、私は今の下平君の質問に関連してではありますが、第二組合がどうのこうの、そういう問題ではないのです。当局はちゃんと形式的に公文書を出して、そうして協議されたのが、いわば組合内部の撹乱のための工作、第二組合、第三組合を作るとか、そういうようなために、その目的をもって公文書を出しておるのです。そして行った。そうして戻ってきたら、ちゃんと写真にあるように、責任者が押印をしておる。責任者が認めておる。ちゃんと決裁しております。そうすると、これはやはり労働組合法でいう権力の不当介入、それから組合に対する利益提供ということは間違いない事実です。ちゃんと決裁しているのですから。あなたは知らぬと言うのだったら、この書類もちゃんとありますし、一ぺん取り寄せて見られたらどうです。それからそういう事実があれば、それがたとい当局側に有利なことであるとしても、当局というものは、経営者というものは、あくまでもやはりそういう部下の行為については、厳正でなければならぬ。そうすると、こういうようなことが問題になるとすれば、そうしてこれが往々にして中央部に対する一つの忠誠といいますか、そういうことで、おれは第二組合を作るのにこういうふうにしてきたのだというような、功績といいますか、それで自分の立身栄達をはかろうとするような行為も、ないとはいえないです。ずいぶん職場にはそういうおべっかを使うやつがある。けれどもそれは、いわゆる厳正良心的な経営者であろうとすれば、そういう行為はほめられるべきではないので、かえってこれは厳密にいって処分せらるべき、逆の結果のものである。あなたは首切り浅右衛門といわれるくらい恐れられてるのですが、それにはいわゆる厳正な処分をするというのが建前であるとすれば、どういうふうに――鉄道監理局長名で出ていますよ。むちゃくちゃですわ。処分はどうするのです。はっきり証拠書類があるのですから、間違いない話です。そうすると首切り浅右衛門はどうするのです。その点はっきりしておきたい。推定じゃありませんよ。証拠があるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/131
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132・兼松学
○兼松説明員 出張命令自体につきましては、まだ調査いたしておりませんで、的確にお答えいたしかねますが、かりに出張いたしましたということと、組合の介入との間に、直接因果関係があるかどうかということにつきましては、私はさらに調べる必要があると考えております。不当労働行為ということは管理者としてもすべきでないということは、はっきりした事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/132
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133・山口丈太郎
○山口(丈)委員 その出張命令が、あなたの言われるような、ナマズをヒョウタンで抑えるような、そんなことじゃない。がっちりきまっている。命令書があり、それに印を押して、ちゃんと超過勤務手当がついているのです。責任者が決裁しているのですよ。ところがその目的は、ちゃんとここに書類があって、きちっとしておる。何ら国鉄の直接の業務に関連するものでない。協議された内容は、たとえば運転士なら運転士として必要な教育をするとか、あるいは私鉄へでも行って電車なり何なりの運転操作の状況を見学するなり、そういう業務に直接関係のあることであればよろしいけれども、何ら固有の職務に対する必要な業務の研究がなされているのじやなくて、一般的な労働問題に事寄せて一方の運動を助成するような行為が――ようなじゃない、助成する行為が行われている。これは国鉄の一般業務と何ら関連性のないものなんだ。それをあなたはお認めになりますか。このようなはっきりした証拠書類がある。そうするとこれは組合内部に対しての大きな権力介入であり、利益の提供であり、職権の乱用である。この三つは言わずともこの書類一枚ではっきりしている。こういう工合にはっきりしておれば、あなたは首切り浅右衛門で人の首を切るのは上手なんですから、どういうふうにされるかと言っている。それに対してあなたはずるずると逃げないではっきりされたらどうです。あなたたちの会であなたが私と立場を変えて、私が今のような答弁をしたらあなたはそれで満足するのですか。ずるずるしたことはいけませんよ、その点はっきりして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/133
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134・兼松学
○兼松説明員 まことにふなれで御満足いただけないことは恐縮に存じます。事情につきましては十分調査いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/134
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135・山口丈太郎
○山口(丈)委員 それならこれ以上追及しませんが、調査の結果は文書にして手元に報告していただきたい。これを一つ委員長からも強く要望しておいて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/135
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136・下平正一
○下平委員 私は先ほどから二つの事実をあげていろいろお話ししたのでありますが、職員局長の立場としてまだ事実の把握をしておられないというので、この事実について追及をしてみても意味はないと思うのです。これは今山口委員からも言いました通り一括して報告してもらうとして、その事実を述べますのでこれはあとに譲りますが、先ほどから言ったように職員局長という立場の人に来ていただいたのは、少くともそういう物事に対する見解を明確にしておいていただきたいということなんです。見解が明確になっていればこんな間違いも実は起らないのです。あなたが国会に来てその見解を明確にしない。明確にしないということは、裏を返せば、いやな話ではありますけれども、国会では見解も何も明確にしないで、事実を調べますということにしておいて、実際の下部においては局長が先頭に立って第二組合の育成をやっているととられても仕方がないと思うのです。だから少くともあなたの立場上、こういう問題に対する見解だけは明らかにしておいて下さい。それはきょうあなたにここに来てもらった以上、あなたの義務ですよ。見解を明らかにする第一点としては、先ほど言った興津善作など非組合員という立場にあり、公労法の第四条第二項に基いて組合を結成しまたは加入してはならぬと明確にされている人たちが、組合結成に対して動いているという報道についてのあなた方の見解、そういうことがいけないならやってはならぬという見解を明らかにしなさい。もしそういう疑いがあるならば厳重な通達を出しなさい。あなた方はよく通達を出すでしょう。労働組合運動については総裁の通達を出したり、総務部長通達を出したり、要らざるおせっかいだというようなところまでよく通達を出されるが、管理者の立場にある諸君のこういう行動については、ただの一ぺんも通達を出していないじゃありませんか。あとで新潟鉄道監理局長の通達を一つお伺いする予定なんでありますが、一つも出してないじゃないですか。だから見解を明らかにするとともに、こういう処置が行われないような通達を出すということの言明をこの際あなたの立場上やるべきです。第二の問題は、先ほど言った通り静岡の駅長が小野田の宅で局長の命令によって業務研究会を開いたという問題です。この業務研究会に対して一人三時間の超過勤務手当がつけられている。業務研究会を個人の私宅でやっていいかどうか、このくらいの判断や方針くらいあなたはお持ちでしょう。それをなぜ明確にしないのですか。そういうことが明確であれば、もしそういうことがありとするならば、今後あなたの責任において通達なり何なりによって十分指導しますということが言えないのですか、言えるでしょう。第三点の問題は、管外出張の問題です。先ほどあなたがこの点について原則としてやはり業務に直接関連したことだ、こう言いましたから、この点については了承いたしますが、これも何らかの形であなたは明確にできるはずなんです。そういう事実の調査ができていなくとも、あなた方の方針なり考え方によってここでお考えを述べられることはできるはずなんです。そういう点について一つ今日は明確にしていただきたいことが一つ。
最後に私は通達について一つお伺いしたいのでありますが、時間がありませんから簡単に伺います。二月十八日付で新潟の総務部長名で三項目の通達を下部に流しております。ここにきわめて組合に対する支配介入が濃厚な通達が一つあるのです。第一項は、勤務時間中の組合活動をさせてはならない、勤務時間中に組合活動をやっている者を見つけたら厳重注意せよ、第二項は、組合所属を異にしていることを理由に非協力の行動に出て業務に支障をもたらすような所為に出た場合には、その非協力等に対し懲戒処分を行うから直ちに報告せよ、第三項は、組合所属を異にするという理由で感情的そごを来たすおそれがある所為をした者に対しては、昇給の際自由裁量の基準とせよ、以上の三点を骨子にしたところの通達が総務部長名をもって二月十八日に出されておる。私は、一項、二項については問題点はありますけれども省略をいたしますが、少くとも三項の組合所属を異にするという理由で感情的そごを来たすおそれがある所為をした者に対しては、昇給の際の自由裁量の基準とせよ、これは明らかに組合に対する支配、干渉であります、差別待遇であります。たとえばこれを具体的に言うならば、ある駅のAという者が国鉄労働組合に所属しておる、Bという者が第二組合に行っておる、そこでAがBに、今の組合運動の上からいって第二組合の方に行くことはいけない、労働者の力を弱めることだから何とかお前国労にとどまるべきだ、第二組合に行くのはいけないじゃないかということをお互いに討論し合う、その討論をし合うことが少し発展していけば多少感情的にもなりますよ。組合の運動に対する組合員としての批判が、なぜ昇給の際の基準の対象にならなければならぬのですか。この通達の第三項について、若干私は説明をしていただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/136
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137・兼松学
○兼松説明員 下平先生のお話の非組合員が労働運動に関与すべきでないということにつきましては、もちろん当局としても平素そういうふうに指導しておるつもりでございますが、もし至らない点があるとすれば十分今後とも指導して参ります。それから自宅で業務研究をしたという事実につきましては別として、もしそういうことがあれば適切でない行為であると私は考えております。
それから新潟の部長の通達につきましては、これもただいま初めて先生から私伺うものでございます。しかし第三項がもし先生のおっしゃったように――私は今読まれただけではそう解さないのでございますが、組合員が相互に組合を批判することなどが、その人の勤務成績などに関係があるとは私ども夢にも考えておりませんし、またそういう解釈にとられるようなことをいたすはずがないと考えております。私どもといたしましては、そういったようなことはあるべきでないし、また解釈上誤解があればただすようにはいたします。組合所属がいかぬとか、その議論が昇給問題と関係があるとは、私どもとしても夢にも予想もいたしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/137
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138・下平正一
○下平委員 時間もだいぶ過ぎておりますので、そうそう長くも続けられませんので、理事会にお願いをしてこの質問は次会に留保しておいていただきたいと思いますが、もう一つのことは、今職員局長さんにせっかく来てもらったのは、総裁やそういう方ではかえって答弁が抽象的になろうかと思いまして、事情をよく知っておられるあなたに来てもらえば、私どもに誤解があれば誤解が解けると理解をして、せっかくあなたに来ていただいたわけでありますが、あなたもわかっておられないようです。そこで必要によっては参議院では何か現地に調査に行くとかいうような話も聞きましたが、私どもも委員長さん、あとで理事会等でお願いをいたしまして、次会までに……。この兼松さんの答弁ではわかりませんから、この人も何も知らないという人でありますから、その知らない人を国会へ呼んでも意味がございませんので、必要によっては監理局長なりないしは当該の駅長、それから当該の興津善作ですか、これらの諸君をやはり参考人として本委員会に呼んでいただいて、そして事実をいま少し究明したい、こう思いますので、それらの点を留保しておきたいと思います。さらに兼松さんにまたこの次に来ていただくことになろうかと思いますが、一言あなたに言っておきたいことは、知らぬ存ぜぬの一点張りでは、とてもこの問題の処理はできないという一点であります。それから少くとも今あなたは三点についてあなたのいろいろの見解を言われましたが、この見解がどのように現場に通達され、どのように実行に移されているかということのこの経過措置について、これからあと一週間くらいの間の委員会において来ていただいて報告を求めますので、その際にもっと具体的に答弁ができるように十分に御調査をしていただきたいということを念を押しておきたいと思います。それからこの国鉄の労務管理の中で一番中心的に出ているのは、静岡、新潟、広島であります。静岡の監理局長さんも、うわさに聞くと十河総裁の直系だ、御三家の一人だ、ここらあたりでというような考え方で、多少私どもが常識的に判断しても労務管理の中に行き過ぎがあるように見受けられるのです。そのために特に私どもこれを取り上げたのでありますが、今あなたの答弁、あるいはいろいろのお答えを聞いておりましても、そういう感を私は非常に深くしているのです。この労働問題がこんなような形の中で安易に進められていくと考えられたら、重大な間違いだと思うのです。私どももいやしくも国会議員であります。少くとも私ども国会議員が問題を取り上げるという形は、何も事実を捏造したり、あるいはためにせんがために取り上げているわけではないのです。やはり相当の事実、相当の決意と、あるいはこれを是正する方向というものは皆さん方と相談の上でもいいから、もっとノーマルな形に持っていきたいという形で取り上げておりますので、この問題はもっとあなたの答弁によって執拗に食い下りますから、その点は今から覚悟をして、一つ十分な用意をしていただきたい、こう思います。それでは委員長、理事会で以上の点をまた御相談することにいたしまして、きょうの質問はこれで打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/138
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139・濱野清吾
○濱野委員長代理 本日はこの程度で散会いたします。
午後一時四十分散会
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803830X01519580318/139
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