1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年二月二十五日(火曜日)
午前十時五十一分開議
出席委員
委員長 齋藤 憲三君
理事 秋田 大助君 理事 有田 喜一君
理事 志村 茂治君
久野 忠治君 小坂善太郎君
小平 久雄君 須磨彌吉郎君
橋本登美三郎君 原 健三郎君
平野 三郎君 藤枝 泉介君
堀川 恭平君
出席国務大臣
国 務 大 臣 正力松太郎君
出席政府委員
科学技術政務次
官 吉田 萬次君
総理府事務官
(科学技術庁長
官官房長) 原田 久君
総理府事務官
(科学技術庁企
画調整局長) 鈴江 康平君
委員外の出席者
科学技術事務次
官 篠原 登君
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二月二十五日
委員赤澤正道君、保科善四郎君、南好雄君及び
山口好一君辞任につき、その補欠として久野忠
治君、原健三郎君、藤枝泉介君及び堀川恭平君
が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員久野忠治君、原健三郎君、藤枝泉介君及び
堀川恭平君辞任につき、その補欠として赤澤正
道君、保科善四郎君、南好雄君及び山口好一君
が議長の指名で委員に選任された。
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二月十九日
理化学研究所法案(内閣提出第七三号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
理化学研究所法案(内閣提出第七三号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803913X00719580225/0
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001・齋藤憲三
○齋藤委員長 これより会議を開きます。
理化学研究所法案を議題といたします。
政府より提案理由の説明を聴取いたします。正力国務大臣。
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―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803913X00719580225/1
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002・正力松太郎
○正力国務大臣 ただいま議題となりました理化学研究所法案につきまして、提案理由を御説明いたします。
わが国産業の発展と国民生活の向上を期するためには、その根源をなすところの科学技術の飛躍的な振興をはかる必要があることは、あらためて申し上げるまでもないところであります。そのためにとるべき方策は少くないのでありますが、なかんずく、わが国における研究活動を一段と活発ならしめるとともに、その研究成果を産業界に取り入れ、その企業化を促進することは、科学技術振興上の要諦であると考えるのであります。
周知の通り、株式会社科学研究所は、多数の優秀な技術者と研究設備を擁し、財団法人理化学研究所以来、四十年になんなんとする輝かしい歴史的伝統を持ったわが国有数の研究機関であります。また同研究所は、物理、化学及びその応用等、各研究部門の知識経験を総合結集し得るという意味においても、また基礎研究から、応用研究を経て、工業化試験までを一貫して実施し得るという意味においても、名実ともにりっぱな総合的研究所でありまして、今日まで幾多のすばらしい成果を上げて参っておるものであります。
同研究所は、昭和二十三年に財団法人組織を改組し、名称も改めて、株式会社科学研究所として発足したのでありますが、さらに昭和二十七年には、株式会社としての収益事業のために設けた製薬部門を科研化学株式会社として分離し、以来研究部門のみをもって立つところの純然たる研究機関として、研究及びその成果の普及という業務を行なってきたものであります。しかしながら、研究機関として自立採算をとるということは、資金的基礎が脆弱なため、少からぬ困難がありましたので、昭和三十年株式会社科学研究所法が制定され、それ以来毎年相当額の国の援助が行われて、今日に至っているものであります。
本法律案は、同研究所の名称を理化学研究所と改めるとともに、従来の株式会社の形態から特殊法人の形態に切りかえようとするものであります。なぜ特殊法人に切りかえをする必要があるかという点につきましては、次の二点を指摘する必要があります。
第一点は、研究機関としての性格並びにこれに対する国の援助の強化という点から見て、特殊法人を適当とすることであります。すなわち、現在の科学研究所の法律的な根拠をなしておりますところの株式会社科学研究所法に関する国会審議の際にも、株式会社という組織が当研究所にとって適当な形態であるかどうかが問題になったのでありますが、今日までの経過実情から判断しましたところ、必ずしも株式会社組織が妥当ではないという結論を得るに至ったのであります。現在のような株式会社の形態では、とかく画期的な発明の源泉をなす基礎的研究の実施、あるいは、わが国にとって必要な基礎的研究から応用研究、工業化試験への結びつけ等、営利性に合致しがたい事業を重視するわけにはいかないのみならず、研究所に対する政府の今後の援助強化の面から見ましても、また政府の方針を研究所に反映させるためにも、特殊法人の形態が望ましいと考えられるのであります。
第二点は、今般新技術の開発という国家的事業の遂行を同研究所に実施せしめようとしているのでありますが、この種の事業は、一株式会社に行わしめるのを適当とは認められないということであります。新技術の開発と申しますのは、わが国独自のすぐれた研究成果であって、企業化に伴う不安が大きいために、企業化することが困難と認められるものを、実際的規模において行うことをいうのであります。わが国には、すぐれた研究成果が少なからずあるということは一般に認められているところでありますが、残念ながらこの研究成果を産業に導入できるようなところまで発展させ、開発することに遺憾の点が多かったのが実情であります。
このたび、国の研究機関その他の研究機関において上げられた主として公共的な研究成果のうち、民間企業の危険負担によっては開発することが困難である重要な新技術を開発するとともに、その開発の成果をできるだけ広く民間企業に活用させるという新しい事業を、同研究所に担当せしめようと考えているのでありますが、このような国家的な事業の遂行は、特殊法人の形態で行わしめることを妥当とすると考えるのであります。
これを要するに、政府といたしましては、同研究所の研究機能を拡充強化すると同時に、新技術の開発の業務をこれに行わしめようとする考えでありまして、この考え方に基いて、従来の株式会社を改組して、特殊法人にしようとするものであります。
次に、本法案の概要を御説明いたします。
第一に、同研究所の設立の目的は、総合的な試験研究の実施、新技術の効率的な開発、並びにこれらの試験研究及び新技術開発の成果のわが国企業一般に対する普及の事業を行わしめることにあります。
第二に、同研究所の性格は、いわゆる特殊法人でありまして、政府は予算の範囲内においてこれに出資し得るものといたしております。
第三に、同研究所の性格にかんがみ、その定款及び業務方法について認可制をとるとともに、役員すべてを内閣総理大臣の任命といたしております。
第四として、新技術の開発業務につきましては、その円滑な運営を期するため、研究所に開発委員会を設置するとともに、開発実施計画について認可制をとっております。
第五として、同研究所に対しては、登録税、不動産取得税を非課税とする等、税制上の助成措置をとっております。
最後に、科学研究所から理化学研究所への切りかえのための措置として、科学研究所の解散等につき商法の特例を置き、また評価審査会を設ける等の経過規定を定めております。
以上、本法案の提案理由及びその内容に関する概要の御説明を申し上げました。何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことを切望する次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803913X00719580225/2
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003・齋藤憲三
○齋藤委員長 以上をもちまして、提案理由の説明は終りました。
本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803913X00719580225/3
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004・齋藤憲三
○齋藤委員長 この際、お諮りいたします。すなわち、本理化学研究所法案について、日本学術会議会長茅誠司君、東京芝浦電気株式会社専務取締役瀬藤象二君、株式会社科学研究所会長村山威士君、財団法人望月電波研究所所長望月冨昉君を参考人として選定し、来たる二十七日午前十時よりその意見を聴取いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803913X00719580225/4
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005・齋藤憲三
○齋藤委員長 御異議なしと認め、さように決定いたしました。
本日の議事はこの程度にとどめ、次会は明後二十七日、午前十時より開会し、理化学研究所法案について、参考人より意見を聴取いたします。
これにて散会いたします。
午前十一時三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102803913X00719580225/5
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