1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年三月十八日(火曜日)
午前十時三十四分開議
出席委員
委員長 西村 直己君
理事 内海 安吉君 理事 荻野 豊平君
理事 久野 忠治君 理事 三鍋 義三君
逢澤 寛君 池田 清志君
井原 岸高君 木崎 茂男君
薩摩 雄次君 徳安 實藏君
馬場 元治君 松澤 雄藏君
井谷 正吉君 井手 以誠君
中島 巖君
出席国務大臣
建 設 大 臣 根本龍太郎君
出席政府委員
建設政務次官 堀内 一雄君
建 設 技 官
(河川局長) 山本 三朗君
建設事務官
(住宅局長) 植田 俊雄君
委員外の出席者
大蔵事務官
(主計官) 松永 勇君
農林事務官
(農地局参事
官) 正井 保之君
農林事務官
(林野庁林政部
長) 戸嶋 芳雄君
建設事務官
(河川局次長) 関盛 吉雄君
建設事務官
(河川局水政課
長) 国宗 正義君
建設事務官
(住宅局住宅総
務課長) 鮎川 幸雄君
専 門 員 山口 乾治君
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三月十四日
委員井原岸高君辞任につき、その補欠として馬
場元治君が議長の指名で委員に選任された。
同月十八日
委員志賀健次郎君及び神田大作君辞任につき、
その補欠として井原岸高君及び井手以誠君が議
長の指名で委員に選任された。
同日
委員井原岸高君辞任につき、その補欠として志
賀健次郎君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
地すべり等防止法案(内閣提出第七六号)
地すべり等による災害の防止等に関する法律案
(井手以誠君外二十五名提出、衆法第一号)
公営住宅法第六条第三項の規定に基き、承認を
求めるの件(内閣提出、承認第一号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/0
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001・西村直己
○西村委員長 これより会議を開きます。
公営住宅法第六条第三項の規定に基き、承認を求めるの件を議題とし、審査を進めます。本件につきましては、前回の委員会におきまして質疑はすでに終了いたしております。
これより本件を討論に付します。討論の通告がありますから、これをお許しいたします。三鍋義三君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/1
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002・三鍋義三
○三鍋委員 私は日本社会党を代表いたしまして、公営住宅三カ年計画案に対するところの賛成の討論をなさんとするものであります。
率直に申し上げて、本計画案に対しましては必ずしも満足するものではないのであります。その理由は、過去二期における計画の実績によりましても明らかでありますように、審議会のごく控え目の答申に対してさえ、これが十分に尊重されていないからであります。すなわち第一期の計画に対しましては六九%にすぎず、第二期計画に対しましては九二%という実績でありまして、そのうち第二期計画におきましては一種の犠牲においてかろうじて面目を保っているという結果になっているからであります。今度の第三期計画にいたしましても、三十三年度の予算決定後において審議会の答申がなされ、閣議決定を見ているのでありますが、このこと自体すでに変則であるばかりでなく、その初年度計画においてすでに積極性に乏しく、依然として一種を一千戸減らすことによって二種をわずかに二千戸ふやしているにすぎません。この点は審議の過程において当局に対して十分ただした点でありますが、必ずしも満足のできる答弁を得られなかったことを遺憾とするものであります。特に最近における公団住宅における家賃の高騰によりまして、一極入居階層との間に空白地帯ができてきております。この事実を無視することはできないのではないでしょうか。この階層に対するところの住宅対策を今後どうするのか、また不燃性公営住宅、特に中層耐火住宅の増加と標準建設費の引き上げの問題、用地対策の強化、拡充といったように幾多の問題が残っていることはすでに御承知の通りであります。特に引揚者の住宅対策に対しましては、三十一年三月二七日の閣議によって住宅対策が決定されておるのでありますが、その予算措置というものは全然なされていないということは、私の最も遺憾とするところであります。また答申案による共同施設は、必要に応じて建設するといったようなあいまいなる表現を用いているのでありますが、これは住宅施策の一環として当然実施さるべきものであるにかかわらず、これも全然予算の措置がなされていないのであります。以上によりましても、すっしきりた気持で本法案に賛成できないというわが党の気持は十分御理解願えると思うのでありますが、次善の策といたしましてやむを得ず賛成の意を表するものであります。ただ当局におかせられましては、その実行に当っては、これらの諸点を十分御考慮の上、遺憾なきを期せられたいのであります。
以上申し述べまして、本案に対する賛成の意を表し、私の討論を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/2
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003・西村直己
○西村委員長 討論はこれにて終局いたしました。
公営住宅法第六条第三項の規定に基き、承認を求めるの件につきまして採決をいたします。本件を承認するに賛成の諸君の御起立をお願いいたします。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/3
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004・西村直己
○西村委員長 起立総員。よって本件は承認するに決しました。
なお、報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/4
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005・西村直己
○西村委員長 御異議なしと認めます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/5
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006・西村直己
○西村委員長 次に、地すべり守防止法案、地すべり等による災害の防止等に関する法律案の両案を一指して議題とし、審査を進めます。
質疑の通知がございますからこれを許します。井手以誠君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/6
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007・井手以誠
○井手委員 私は先日、地すべりの現地に再び地すべりの危険が生じたというので、昨年の夏に大惨害を起しました伊万里市の人形石山に現地視察をして参りました。大臣も多分御視察になったと思いますが、長崎、佐賀の県境のところが一面今日亀裂を生じております。特に人形石山の南側にも、新たに二百メートルばかりの亀裂が生じております。下の方の部落が立ちのかねばならぬという緊急な事態に立ち至っております。この前の地すべりから移転をしたところが、再び移転先が移転をしなくちゃならぬということも起っておりまするし、同時にまた移転家屋の立ちのきの状況を私は詳しく調べて参りましたが、やはり家屋移転については、もっと積極的な対策が必要であることを私は痛感いたしましたので、先般大臣に数点についてお伺いはいたしましたけれども、重ねて大臣の所見を承わりたいと思っております。
地すべり対策は御承知のように予見される大災害区域を指定して、防災工事を施し、できれば未然に地すべりを防止する。不幸地すべりがあった場合には、被害を最小限度に食いとめるというのが第一だと考えております。そのためには区域内の住民を強制的にでも立ちのかせて、家屋その他の工作物を移転させることが必要であります。それが第二だと考えております。次は地すべり地帯が一般の耕地率十五%に比べて四〇%に上っております。すなわちほとんど農家であるということを考えますならば、その関係農地の保全と移転する農家の援護をすることが、私は第三の対策だと考えております。従って生命財産を守る上から、また事業の順序から申しましても、家屋移転が私は先決問題だと考えるのです。中には、防災工事には非常に莫大な費用がかかる、また全体の防災工事を行うためには、さほど危険に瀕していない家屋を強制的に立ちのかせなければならぬ区域もあろうかと私は考えておるのであります。かように考えて参りますと、家屋の強制移転に伴う補償ないし援護ということが、私は地すべり対策の中心でもあると信じておるのであります。現地を見て私はそう信じておるのであります。決してそれは大蔵省その他の考えておるような、生命は自分のことだ、あるいは財産はみずから守るものだというような考え方ではなくして、国家的立場から農地を保全し、国土を保全する、民生を安定する、そういう立場で私はこの法案の審議にかからなければならぬと考えておるのであります。もちろん私は防災工事の技術的な問題については当局にまかせてもいいと思います。それよりももっと考えなければならぬことは、家屋移転をめぐる諸問題にもっと血の通った、効果のある対策が私は絶対に必要だと考えております。そういう意味で私はお伺いをいたすわけであります。第一に、何ゆえに国みずからが、あるいは都道府県知事が移転の勧告をしないのか、国土保全と人命財産を守るために、公共的立場から当然移転の一勧告を行うべきであると私は考えております。私の承知したところでは、建設省の試案には家屋移転の勧告があったと私は記憶をいたしております。関係住民は生命財産の不出安を感じながらも、なお動く土地に執着を持っておる、かじりついておるというこの住民の心情、それは第一には父祖伝来の土地に愛着を感じておる、さらに移転に要する費用を持たない、適当な移転が、見つからないこと、また移転しましても新しい生活が安定するまでの不安があること、また果して移転して農業経営が成り立つかどうか、こういう不安があると私は考えておる。この根強い感情と不安を、この法律によって、国の力によって除いてやらなくては、乗り越えなくては、私はほんとうの地すべり対策となり得ないと思う。そういう意味から、なぜ国家的立場から移転勧告をしようとなさらないのか。法案によりますると、地元市町村が県の勧告に基いて関連事業計画を立てることになっておる。そういう自主的な措置もわからぬではありませんけれども、なかなか土地を離れ得ない、離れようとしても費用に困っておる、移転先の不安があるという、この事実について、
この勧告言ができない理由を一つお示しを願いたいのが第一点であります。
第二には、ただいまも申しましたように、家屋移転は困難な問題であります。それは大臣も十分御承知なさっておると思いますが、ダムの水没地帯、あるいは軍事基地における問題、それらを考えると、家屋移転というものはなかなか簡単にやれるものではございません。莫大な補償金を出してもなお困難である。それは自分たちの生命、財産に危険があるから、自分たちがすればよいではないかというものの、そう簡単には参らないのであります。そこで第二にお伺いしたいのは、果して関連事業計画程度のもので、家屋移転というものの実際の効果があるかどうか、この二点についてまず大臣の御意見を承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/7
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008・根本龍太郎
○根本国務大臣 ただいまいろいろと御意見がございましたごとくに、地すべり地帯における家屋の移転の問題は、長い間の土地に執着しておる農民の心境からしますれば、なかなか困難な問題があるのであります。その困難な問題は土地に執着しておるということのほかに、移転のために相当の費用がかかる、あるいはまた移転する先について十分なる措置がないということに対する不安、これに対する保障がないということが大きな原因であることは御指摘の通りと存ずる次第でございます、政府が本法案を出すに当りまして、何ゆえに強制的に移転の勧告、あるいはそうした法的措置をとるような考えを持たなかったかという点が、第一点の御質問のようでございますが、先般も実は私が当委員会における御質問にお答えをいたしましたごとくに、本来ならばそういう危険地域については全面的に国家が買収して、そうして他に移転せしめるということも考え得る一つの方策でございます。ところがこれについては何しろ非常に膨大な経費がかかるのみならず、私が二、三現地について見たところによりましても、市当局、当県局が再三勧告してもなかなかできないのみならず、その県内において適当な移転先を見つけることはほとんど困難である、そういう状況であるがゆえに、どうしてもこういう問題の本格的な解決ができない。それでは、たとえば北海道とか、あるいは他の適当な土地にあっせんしたらいいじゃないかという御議論も出るのでありますが、やはりその土地に住んでいる人からすれば、たとえば北海道なりその他東北なりにおける地方にあっせんするとしても、なかなか抵抗があってそこに行けない、こういうような事情がありまして、強制的に立ちのきの法律的措置をすることは憲法上の問題もあってこれができないということと、予算上の問題、二つの点から本法律案において危険区域を指定し、その区域内におけるところの人々を強制移転させることは立法措置としていたさなかったわけでございます。
その次に、移転の場合において勧告によってやらずに、自主的に町村における計画に基いてこれをやるようになったのは微温的じゃないかというような御意見でございます。これもごもっともでございまするが、やはりこの事業は主として県をしてやらしめる建前になっておりまして、県が一応の計画を立て、これに基いて関係市町村が現実に適したところの計画を立てて、これに対して政府がいろいろと協力申し上げる、こういう態勢が最も実際的じゃなかろうか、こういう観点で措置をいたしたのでございます。そこで問題は、それならば移転に対するところの補助をもう少し考えていいじゃないかというのが御議論の点だと思います。実はこの法案を作るに当り、また予算措置に当って私はそれを考えました。率直に申し上げまして、その主張もいたしたのでございます。ところが従来、災害の関係方面におけるそういうような場合においても、災害が実際に起きた場合以外にはそういうふうな補助措置はしていない、こういう関係で、どうしても関係方面との意見の一致を見ません。そこでやむなく融資の措置をもってこの問題を解決しよう、こういうふうにいたしたわけでございます。これによっても、従来ほとんどあまり顧みられないでおった状況からすれば一応の進歩と考えるのでありまして、これは漸次実施の後、さらに国家財政の充実に伴いまして漸次御趣旨に沿うように努力いたしたいと思うのでありますが、今回の立法措置並びに予算措置においては、この程度をもっていたすよりほかなかったという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/8
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009・井手以誠
○井手委員 大臣が退席なさいましたので、根本的問題については省略したいとも考えおりますが、一歩前進だという意味では私は理解できない。しかしせっかく作ってもこの重要な事態の問題については、緊急事態に対処する法案としては非常に微温的である、これははっきり申し上げられると思います。災害のときでさえこうだというお話であるけれども、大きな災害が目の前にぶら下っておる、見えておる。それをなかなか立ちのかない農家の人々を立ちのかせる、そして農地を保全していく、こういう問題であるならば、むしろ一般的な災害以上に考慮すべきだということを特に私は強調いたしておきたいのであります。これ以上は意見になるから申し上げませんけれども、先刻大臣は憲法の立場もあるとおっしゃいました。しかし今の自民党政府は、公共の福祉のためならばずいぶん拡大解釈なさっておるはずであります。憲法上云々は私は聞えないと思う。せっかく法を作ったならば一つ動くようにしてもらいたいと思うのでありますが、これは局長でけっこうですが、助成金をくれないから勧告を取りやめたのではございませんか。正直なところをおっしゃっていただきたいと思いますが、初めは勧告があった。勧告がなくては実際問題上は工合が悪いということで、草案にはあったと思う。ところが補助金をくれないのに強制的に立ちのきを勧告するということは工合が悪いんじゃないかというので、非常に後退して関連事業計画の中に織り込まれたのではないかと私は御推察申し上げておりますが、正直なところをおっしゃっていただきたい。正直におっしゃれば私の方も次の前進を期待して引き下ってもよいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/9
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010・山本三朗
○山本(三)政府委員 ただいまのお話でございますが、もともと一番先は勧告より移転の命令と申しますか、そういうものを出そうというような話もございました。この当時におきましては、やはり命令を出すというようなことになりますと憲法上の問題があるというようなことを、法制局あたりに相談したときにはそういう問題がございました。その次になって、やはり勧告ということを草案の申に入れたことがございました。ただ勧告をいたしましても、命令でないと応じないものはどうにもならないという点もあったわけでございます。先ほど大臣が申し上げたように、その間いろいろ予算の折衝もございまして、補助金を出すのはほかの事業との関連もありましてできないということで、私どもも主張を引っ込めたのでございますが、そういう点もございまして、勧告ということを取りやめたのでございますが、一方におきましては、やはり自分らが一つ計画を立ててやるつもりになってもらうという点を、自主的にやるというような考えも持っていただいた方がよいじゃないかというような点もございまして。結局補助金の問題と自主的にやってもらうという二つの結果から、こういう案になったというのが真相でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/10
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011・井手以誠
○井手委員 おっしゃるように、勧告にも応じない場合は困る、そうして地元で計画したことに応じない者が出てくるというのも当然でございます。しかし局長の答弁は比較的正直でございますので、その点についてはあまり追及をいたさないことにいたします。この関連事業計画でむずかしい勧告移転をやらせようというのは、これはなかなか大へんですよ。その点は十分衡に当られるあなた方はお考えなさらないといけない。見てごらんなさい。電源開発の水没地帯、軍事基地の問題、なかなか大へんですよ。この点については一つ与党の皆さんと御相談をいたしたいと思っております。
それでは条を追って若干質問を進めたいと思います。標識は必置施設になっておるようであります。必ず設けねばならぬようになっておる。数も相当多くなくてはならぬと思いますが、これに対する補助金はどういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/11
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012・関盛吉雄
○関盛説明員 標識の設置につきましては、費用の負担は都道府県の負担ということにいたしておりまして、従って補助金の対象にはいたしておらない用負担につきましては、地方交付税の際に自治庁と相談をいたしまして、普通交付税算定の対象にしていただくように折衝をいたしております。なおこすが、これは約一千五百万円程度でございますが、三カ年間で指定するといたしますると、年間約五百万円程度全国で必要とすることになろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/12
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013・井手以誠
○井手委員 必ず設けねばならないというこの条文からいって、補助の対象にしないというのはおかしいのじゃないですか。政務次官どうですか。そういう必置事項に対して。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/13
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014・堀内一雄
○堀内政府委員 ただいまの御指摘の点につきましていろいろ自治庁とも交渉をいたしておるのでございますが、この問題は府県知事当然の仕事になっておりまするので、特別にこれがために補助金をつけるといようなことはいたさないでもいいじゃないかというような見解からやっておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/14
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015・井手以誠
○井手委員 いたさぬでもいいじゃないかということではなくて、いたさない方になってしまったのじゃないですかな。繰り返しますけれども、しなくてはならぬ、せねばならぬという強制的な問題については、やはり国が助成をするというのが私は基本的な建前だと考えております。しかしこの点はこれ以上申し上げません。
次にお伺いしたいのは警報の問題であります。この警報というのは、機具から申しますならば自動警報機ということになるでありましょう。非常に危険に瀕しておる地すべり地常で、その危急を警報する、そういう施設は私は非常に必要だと思います。私あまり内容を承知しておりますから工合が悪い点もありますけれども、あなたの力では一貫してやはり警報機を設置させようというお考えのようでしたが、この原案によりますると全然抜けてしまっている。警報が必要でなくなったのか、あるいは必要であるけれども大蔵省が云々というならば、標識と同様の措置はとれるはずで、あります。全然条文からなくなってしまっている。私は次々に地すべりが起っておる危険な地帯では自動警報機が非常に必要だと存じておりますが、なぜ削除されたのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/15
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016・山本三朗
○山本(三)政府委員 御説の通り当初にむきましては自動警報機というのを考ええまして、それによりまして地すべりの現象をとらえまして自動的に警報を出そうということを考えまして、いろいろとそれに該当するような機械も探してみたのでございます。実は鉄道等におきましては、鉄道の高い切り取りの部分の上に大きな石があって、それが落ちる心配があるというような場合に使っておる機械がございまして、これなら使えないかということで研究いたしましたが、ただその当時いろいろと先生方の中にも、こんなもので地すべりというものは警報できないというようなことをおっしゃる方もございまして、私どももいろいろ研究したのでございますが、そういうものを地域全般的に備えつけることができまするならばいいわけでございます。ただ一点か二点につきまして、完全な現象をもしとらえることができなくて失敗いたしましたような場合には、それに依存したために危険が生ずるというようなことが起こると非常に心配であるという点から、現在の状況におまましては自動報機というのもまだあまり自信がないというような点もございまして、自信を持って入れることができなかったわけでございます。一方予算的な問題におきましても、今この補助等の問題も予算のときに要求はしておったわけでございますが、これも小さいものに対する補助であるからということで、われわれの主張通りにいかなかったのでございます。そういう点もございまして、この法案に入れることがてきなかったのでございます。一方標識という問題につきましては、さきに申し上げましたそういうふうな不安の点もございません。これは標柱を立てましてこれが地すべり地域であるということを標示するものでございますので、そういう心配もございませんので法律に掲げた、こういうのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/16
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017・井手以誠
○井手委員 標識は行政上の必要である、しかし警報は実際上必要なんですよ。私ずっと各個所を見て回りましたけれども、多くのところは鳴子式に警報機みたいなものを据えているのです。かえって害があるようなお話がありましたけれども、そんなことは絶対にございません。もっと上の方から崩れてくるのに、下の力からそんなにわかるものじゃないのです。なくてはならぬ警報機です。もし予算の点でいけないというならば、やはり標識と同様に補助金のない必置施設にしてもいいのじゃないか。私はぜひ必要だと存じておりますので、この点も与党の皆さんに御相談をいたしたいと思っております。委員の中にいろいろ反対の意見もあったとおっしゃいますが、それは実情を御承知ないからだと私は思うのでありまして、その点は一つ建設当局も十分御考慮願いたいと思う。今でも警戒の小屋を建てて、鳴子式にやっているのを私はよく見ているのです。そういう危険のある地帯ですよ。そうでないところは著しい被害を及ぼすとか、先般綱島さんのお言葉ではありませんけれども、そういう制約があります。やはり指定されたところは危険地帯です。どうぞその点は十分御考慮願いたいと思う
次に条文のことでございますが、防止工事の基本計直はどういう内容をさすのか、それをお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/17
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018・山本三朗
○山本(三)政府委員 防止工事の内容につきましては、主務省令で、定めることになっておりますが、その省令の内容といたしましては、地すべり防止区域の状況、それから工事施行区域、受益区域の範囲及びその状況、防止施設の種類、規模、数量等を定めまして、基本計画の内容といたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/18
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019・井手以誠
○井手委員 次に十八条に示されておる行為の制限であります。この点については先般鉱業権の試掘、採掘のことで一通りお尋ねをいたしましたが、
〔委員長退席、荻野委員長代理着席〕
こういう行為をやろうとする場合には許可が要る、現にやっているものについてば許可とみなす、もし違反した場合には制限または禁止をすることができる、こういうのが私は条文の骨子だろうと意っております。ところが現に存在する家屋とか工作物あるいは電柱、さらに水道施設等々の現に存するいろいろな施設、こういったものはどうなるのか。それはただいま申しましたように二十一条の監督処分であるとかいうもので、違反した場合はこうするということを書いてある。しかしその所有者というものは違反したものだとは考えないはずです。「行為」に違反したものはいけないとありますけれども、本人は違反したとは考えていないはずであります。現に存する施設、家屋その他の工作物、あるいは電柱その他の構築物、あるいはいろいろな施設、こういった現に存する施設の所有者が、ずっと今まで何事もなくやってきておる。それがある時点から違法になった、違反になった、こういうときにどういうふうに認定されるのか、法律の解釈は、私は非常にこの点はむずかしいものだと思うのです。本来ならばこの条文については、地すべりのおそれのある、あるいは助長するものについては制限または禁止することができるという前提のもとに、やはり私は条文を並べるべきものだと考えております。あなたの方の考えは、現在やっているものはこれは許可とみなす、違反したものは制限禁止をすることができる、そうなりますると、善意による従来通りやっておるものが果して違反になるのかどうか、悪意でないと思ってやっておるものの行為が果して違法行為になるか、この点が私は問題であろうかと思いますので、一つ見解を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/19
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020・関盛吉雄
○関盛説明員 ただいま井手先生の御質問は、当該地すべり区域内において従前から、本法の施行以前から施設を持っておる。それがたとえば住宅であるとか、あるいは電柱その他のような施設であって、そのまま適法にあった、今回この法律の施行によってそれが不適法なものとみなされる、こういう場合にはこの第十九条の経過措置であるということになるわけでございまして、十九条は御指摘の通りに、施設とやっておる行為と、二つの事柄を規定しております。従ってこの限りにおいては前条第一項の許可を受けたものとみなすということでございますので、十八条の行為の制限に関する許可があったということになるわけでございます。ところがそれがこの法律の施行とその後の実態との関係において地すべりの防止を阻害する原因になっておる、こういうふうな事実が現われたときには一体どうするか、こういう問題でございますが、これはこの監督処分に関する第二十一条の第二項の問題に具体的になる場合は、なるケースがあり得ると思うのでございます。従って第二十一条は「都道府県知事は、次の各号の一に該当する場合においては、第十八条第一項の許可を受けた者」この第十八条第一項の許可を受けた者は、十八条一項の本文及び十九条の経過措置によって許可を受けたものと見なされる場合も該当すると解釈するわけでございますので、それが「地すべりの防止上著しい支障を生じたとき。」あるいは「地すべり防止工事のためやむを得ない必要が生じたとき。」あるいはその他「公益上やむを得ない必要が生じたとき。」というような一号二号三号のような場合におきましては、「必要な措置を命ずることができる。」こういう地すべり防止重要な阻害をなす原因になるという場合には、ただいま申し上げました二十一条第二項の場合に該当することもあり得る、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/20
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021・井手以誠
○井手委員 二十一条第二項の場合、工事上やむを得ない、防止上支障がある、そういうことで許可を受けたもと見なされた従来の家屋、工作物いろいろな施設の制限禁止が果して可能ですか。適法にやっている、特別に変った工事をしないでそのまま存置しているような場合言、利用しているような場合に、新しく著しく支障を生じたものと認定できるかどうか。たとえば重量物であるためにずずっとその土地が下るような場合も含むでしょう。何も利用しなくても重量ある工作物があるためにその地盤がずっとすべるような場合も予想される。そういう場合に「防のためやむを得ない必要が生じたとき。」というこの条文で、法律用語で、果していろいろな制限をすることができるかどうか。この点を重ねてお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/21
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022・関盛吉雄
○関盛説明員 具体の場合になりますと具体のケースについて判断をすべきことと思いますが、「防止工事のためやむを得ない必要が生じた」という場合以外の場合におきましては、この第二十一条の第二項の第二号に該当する場合、これが「地すべり防止上著しい支障を生じた」こういうことの認定の問題だと思います。井手先生はこれでは狭いのじゃないかという場合もあるのじゃないかというような御意見、御質問のようだったと思いますが、この地すべりの防止上必要だという場合は、やはり場所々々によって基準がいろいろありましょうけれども、地すべり防止上その施設なり何なりが置いてあることが防止を阻害する原因になるという場合には、この条項が必要な場合として適用せられることだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/22
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023・井手以誠
○井手委員 この点はもう解釈がはっきりしておればそういろいろお尋ねをすることはございませんけれども、やはりいろいろな場合を予想しておかねばならぬのであります。地すべり防止上、やはり工事の制限禁止ということは非常に重大な問題である、その意味でお尋ねをいたしております。たとえばその地帯に水道施設がある、あるいは電柱があって台風その他のために非常に地盤をゆるがすおそれがある、それはやはり地すべりの原因になる、そういうふうな、たとえば電柱その他の工作物あるいは水道施設などの施設があった場合にはこの二十一条の第二項の規定で、第一項のいろいろな制限禁止事項を行い得るかどうか、その点を明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/23
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024・国宗正義
○国宗説明員 今お尋ねの問題につきまして、まずこの地すべり等防止法案におきまして、かような有害行為を今回あらためて立法として禁止いたすことに相なったわけでございますが、その場合に、地すべり防止区域が河川等のような施設といたしまして非常にはっきりいたしております公物につきましては、河川区域を認定いたせば何の経過措置の処分を待たずして直ちに全部許可を受けなければならないことに相なるわけでございます。で、このように新しい公物の管理法規を制定いたしまして有害行為を禁止いたします場合の経過措置として、二つの方法があるわけであります。何らの措置を要せずしてみな許可を受けるべし、こんな場合は最も極端な場合員でありますが、この法律案におきましてはさような措置をとっておりませんで、経過措置としては二つの方法が考えられるわけでございます。まず一つの方法といたしましては、一定期間、たとえば三カ月内に、全部さような該当有害行為は新たに取り締られることになったがゆえに許可を受けなければならないといたしまして、その三カ月内は違法ではない、しかしながら三カ月内に許可を受けなければならない、かようにいたしまして、何らの補償を行わずして新たに有害なる行為に該当すれば禁止をし、あるいは条件を付し改築を命ずることは可能でございます。この法律案におきましてはさような極端な方法をとらずして、従来いろんな施設として利用されておる、あるいは家屋等がある、工作物等もある、先ほど御指摘のような電柱もあり、あるいは水道の工作物も、あるいは防止施設に役立つ工作物自身もあるわけであります。さようなものをこの経過措置におきましては許可を受けたものとみなすといたしますことは、非常に現状の利用方法を尊重いたしておるわけでございます。従いまして十九条におきまして全部許可を受けたと同じききめがある、同じ扱いにする、かような扱いにいたしました上で、先ほど御説明いたしましたように二十一条第二項におきまして、実は一、三号は該当しないわけでございます。一、三号はいかに許可を受けたものといえども、このような事情に相なりますれば許可を取り消されるのは当然でございます。しかしながら地すべり防止工事のためにやむを得ない場合あるいは三号の地すべり防止以外の理由によって取り消される場合は、正当なる補償が当然要求されるわけでございまして、これはここにみなされた人ばかりでなくて許可を受けた人についても同じでございます。ここに書いてありますことは当然なことでございまして、何ら新しいことではないわけです。
〔荻野委員長代理退席、委員長着席〕
二号の著しい支障が生じた場合のみが問題になるわけでございまして、十八条におきます許可の基準と全く同じでありまして、著しい支障が生じた場合とみなされた人に対しても、これは何らかの措置をとるのもやむを得ない措置でございます。ただしこの場合におきまして著しい支障があります場合におきましても、この経過措置を尊重するゆえをもちまして、三項においては十分なる補償を行う建物になっておるわけでございます。従いまして先ほどお尋ねの電柱の施設、これは実際に当てはまらないかと思いますが、地表水の滲透を助長する行為に該当する、それから水道の施設が、第一の地下水を誘致し、または停滞させる行為で地下水を増加させる、さような有害行為に該当いたしますことが判定されます場合におきましては、従いまして二十一条第二項第二号に該当するわけでございます。さような場合においては、その所有者に対して必要な措置を命じ得る、かような結論になるわけでございます。さような場合におきましても、この法律等においては特に経過措置を尊重して、正当なる損失補償をいたす、その上で措置を命ずる、このようになっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/24
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025・井手以誠
○井手委員 二十一条第二項第三号の「防止上著しい支障が生じたとき。」というこの条文によって救える、こういう御答弁のようです。そうはっきりしておれば、もうけっこうであります。ただ家屋移転の計画に応じないで引き続きそこにおろうとするような場合、水の関係がない工作物その他の場合、これは十八条に地表水や地下水が中心になっておりますが、その「地下水を誘致し」とかあるいは「停滞させる行為」とか、こういうようなものでない場合目の行為、たとえば自分はあくまでも父祖伝来の土地を守っていきたい、こういうふうで家屋の関連事業計画に応じないような場合、こういう場合はどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/25
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026・山本三朗
○山本(三)政府委員 十八条に掲げてございますのは、第一項の一、二は地下水、地表水の問題でございまして、四号も主として水に関係いたしますが、三号、五号におきましては地上に乗ります重量物等によって地すべりを助長するものをここで許可を受けさせようということにいたしております。従いまして、たとえば第五号におきましては「前各号に掲げるもののほか、地すべりの防止を阻害し、又は地すべりを助長し、若しくは誘発する行為」ということになっております。これでは政令で内容をきめるわけでございますが、主として重量物の載貨であるとか、盛土等をいたしまして、地すべりの均衡を破るようなことを規定しようということにいたしておりますので、こういうものに該当いたしまして助長するというようなものがございますならば、当然これを二十一条の二項にかけて必要な措置を命ずるということに相なるわけでございまして、家屋がすべてそれに該当するかどうかということは、具体的の問題にならぬと判定はできないというふうに考える次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/26
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027・井手以誠
○井手委員 ただいままでの御答弁によりますと、制限禁止の行為について重要なことになるのは二十一条第二項第二号、さらにこれを生かすためには十八条第一項第五号、これを活用するという結論のようであります。そうであればけっこうであります。そうであれば私はこれ以上申し上げることはありません。それに該当すればけつこうです。ただ私は家屋の場合はあり得ると思う。立ちのかない場合にはどうなるのか、この点を一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/27
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028・関盛吉雄
○関盛説明員 地すべりの防止区域の中、もしくは危険区域の中で立ちのかない、こういう立ちのかないということによる結果が、地すべり防止を阻害する、原因になっておるということであれば、これは一つの行為制限の各項に該当する具体的の場合があるかもしれませんが、その住宅が立ちのかないことによって住宅自身が危険である、こういう問題によりましては、この十八条
の行為制限とは直接関係は少し薄くなると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/28
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029・井手以誠
○井手委員 小さな問題のようですけれども、現実にこれはかなりあり得ると思います。それで、十八条の制限よりは家屋の場合は薄くなるとおっしゃいますが、応じない場合はどうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/29
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030・関盛吉雄
○関盛説明員 関連事業で示しております住宅の移転に対する勧告の措置でございますが、これはまず第一段階におきまして関連計画を立てまして、そしてその危険区域内の居住者本人がその移転の申請をいたしまして、それに伴った勧告の期間内に行われました移転措置に対しましては融資の措置が確実に追随するような措置を考えておるわけでございます。従って、個人が動かない、こういうことについては、これは直接強制するという法的な手段は、個人のためには特に講じてはおりません。これは先ほど大臣からちょっとお話がございましたように、憲法上の関係もございますので、この法律の一建前といたしましてはそういうふうにいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/30
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031・井手以誠
○井手委員 家屋移転は、直接危険がある場合と、防止工事、さほど移転が必要でない家屋も移転させねばならぬ場合言が相当あると私は思います。それは最初に申し上げた通りです。そういう場合にどうなるのか。憲法上云々だけでは私は解決できないと思います。やはりこの二十一条の第一一項、第二号でおやりになるつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/31
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032・山本三朗
○山本(三)政府委員 その家屋があるために地すべり工事ができないとか、あるいは地すべりの防止上非常に支障があるという場合には、やはりこの二十一条の二項によりまして、必要な措置といいますから、移転を命ずることも考えられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/32
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033・井手以誠
○井手委員 それで明確になりました。
そこでもう一つ関連してお尋ねいたしたいのは、危険地帯には立ち入ってはならぬということがないようであります。測量その他の調査のためには立ち入ることができるようになっておりますが、この危険な地帯に立ち入ることについての制限はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/33
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034・国宗正義
○国宗説明員 危険区域につきまして立ち入り禁止の規定を設けなかったゆえんのものは、立ち入りましても特に地すべりを助長しあるいは誘発するというおそれがないからでございまして、具体に危険があります場合には逆に、そこにおる人間に対して、法律案の第二十五条によって立ちのきを指示いたしまして、避難のために必要な措置を議するようにいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/34
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035・井手以誠
○井手委員 ここらで一つ農林関係に移りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/35
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036・西村直己
○西村委員長 井手委員に申し上げますが、農林大臣は御存じの通りきょうソ連に立って、石井さんがかわって、地すべり関係の政務次官は瀬戸山君ですが、参議院の予算と農林とかけ持ちで発言中なんだそうで、その点御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/36
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037・井手以誠
○井手委員 それでは林政部長と参事官に一つ。
今までの質疑応答で大体私の考えは御理解願えたと思いますが、申すまでもなくこの地すべり対策は、防災工事、家屋等の移転、それから移転する農家の援護、いわゆる農家の保全を加えた土地利用計画、これが私は三本の柱にならなければならないと考えております。従って農林省でも従来第三の土地利用計画、地すべり地帯の農地をいかに活用するか、水田であったものを畑にするとか、いろいろ利用方法はありましょう。もったいない農地でありますから、いろいろな活用方法がありましょう。さらに立ちのかねばならぬというので、農家の補償なり援護というものは当然私は農林省で考えねばならぬ問題だと考えます。ところが提案されました本法案によりますと、三本の柱の一つであった土地利用計画というものがずっと後退をして、防災工事の付帯工事みたいなものになっておるという印象を私は受けるのであります。名前の通り関連工事ですから、防災工事のつけたりの工事になっておる。私はその点で非常に多くの不満を持っておるのであります。関連事業は原案によりますと、家屋その他工作物、農地及び農業用施設が中心になっておりますが、住民の百パーセント近くは農家であります。従って転移する農家の援護とか助成とか、こういうものを行うのが私は当然ではないかと存じております。たしか農林省の数次にわたる草案にはこういうものがあったと思う。これは具体的に申しますならば、土地の売り渡し、移転先の家屋の敷地の取得、それから移転後の農業経営のやり方あるいは近くに移転できぬで入植ということも考えられるでありましょう。あるいは中には海外移転ということもやはり考えなくてはならぬことがあると思う。さらに自作農創設維持資金の援助で、あるとか、あるいはだれも買わない農地を国が買収するという事態も起ってくるでありましょう。あるいは近接のところに新しい部落を作るという場合には、道路の問題も起ってくるでありましょう。そういうふうに移転する農家が移転しやすいように、また農業経営が成り立つように、そういった援助なり補償なりが私はこの法案には絶対必要だと存じております。農林省はさょうに初めはお考えになったはずでありますが、この原案によりますとずっと後退して、関連・事業のようにつけたりの仕事になってしまっておる。私は参考までに申し上げますが、東インドのダモダール河の上流の開発で、そこに人工湖を作るために、開発会社が湖底に沈む部落民のために高い、健康的なところに近代式な住宅を建てて、そこに集会所なり、寺院なり、文北施設まで作って、新しい部落を建設するための万般の準備をしたことを承わっております。それほどまでしなくてはなかなか部落の移転ということはできない。所にもよりましょうけれども、やはり集団的に地すべり地帯の下にあります被害を受けるおそれのあるところは一戸とか二戸じゃなくて、十数戸とか二十戸とかいうのがかなり多いのであります。あるいはもっと多いところもありましょう。そうすれば、こういう被害のおそれのある部落の人々は集団的に移転をしなければならぬ。その移転する農家が成り立つようにあなたの方が援護してやるのが、私は農林省本来の任務であると信ずる。ところがそういう措置はほとんどこの法案には盛られていない。しかもただいま例をあげました束インドの開発会社の問題にいたしましても、それほど当局が、会社が手厚い対策を講じておきながらも、農民は方角が悪いとか、農業済営が変るとかいうようなことでなかなかそれにも応じなかったと私は聞いておるのであります。一体農林省は、そういうあなたの関係の農家が移転するという場合に、どのようにお考えになっておるか。私はこの点については、実は大臣に聞きたかったのです。ただ防止工事をやれば何とかなるだろう、金を貸せば移転としやすくなるだろう、こういう程度の一もので農村を見てもらっては困る。農林省はそんな冷たい目ではないと私は思っておりますが、この集団的に移転関しなくてはならない農家の対策について、どのようにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/37
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038・正井保之
○正井説明員 お答え申し上げます。地すべりの対策につきまして、防止工事だけで事が済まないという点につきましては、私どもかねがね意を用いて山おりまして、お話のごとく、当初たとえば立ちのかなければならない場合に、住宅については建設省の方で融資措置の考慮を払われますし、また関連しまして、農業用施設につきましては私どもの方で、幸い農林漁業金融公庫でもってそういった生産施設に対する融資の準備がございますので、これを活用する、同時にまた農地を取得しましたりする場合、あるいは農地を売っていかなければならぬ、移転しなければいけない、こういうふうな場合のことも、あるいは入植の措置のことも当初要綱に書いておったわけでございますが、これらは実は法律事項としましては一般的に私ども開拓の仕事等を、やっております。従いまして、それの一環として十分措置できることでもございますし、また農業用施設に対する融資措置につきましても、ただいまございます農林漁業金融公庫法に基きまして、その業務方法書によって運用の道は講じ得るということで、特に法律的な規定としましては設けてはございませんが、そういう点についての準備なり対策は考えておるわけでございます。土地利用計画という名前が実は消えておりますけれども、土地の利用計画につきましては、ただ農耕地の利用ということだけでなしに、それは当然家屋の移転と関連しまして総合的な計画であるべきである、こういうふうな意味合いにおきまして、土地利用計画という用語は実は関連事業というふうな名前に変ったわけであります。
それから防止工事のみに重点が置かれているんじゃなかろうか、こういう御質問でございますが、この点につきましても、これまでも答弁がなされておりますが、地すべりに対しまして、まず第一段としまして、地すべりそのものをでき得べくんば防止する。御承知のように、地すべり地帯は農業用地としましても決して悪くはございませんし、また利用されているところでありますので、まずそれをとめることによって利用するということを考え、次いでその土地を利用していく上に、あるいは水路の位置が変りますとか、ため池を動かしますとか、あるいは従来水田であったところを畑として十分利用することはよろしい、そういったことの土地の利用方法について工夫をこらすという意味合いにおきまして、関連事業として総体的な計画措置をとる、そうしてこれにつきましては、一般の土地改良事業とは別に国の助成の方途も講ずる、こういうようなことを考えているわけでありまして、決してそういった農村の実態にそぐわないようなことではないと存じております。なお、重点的な移転が要る場合でございますが、これは実は私ども開拓の仕事をやっておりますが、市町村におきましては、大規模のものは新規開拓の構想をもちまして国が積極的に計画から実施までの各段階に対して指導性を持ってやりますけれども、小規模のものにつきましては、市町村が計画を立案し、また実施にタッチしていただく、こういうふうなことを考えておりますので、そういう計画の一環として取り上げたいというように考えております。
なお、いろいろ文化的なインドの開拓の例についてお話がありましたが、私ども今後開拓につきまして反省を加えまして、営農類型も改訂して、早期に安定するような方法も考えておりますので、そういった施策ともにらみ合せて措置して参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/38
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039・井手以誠
○井手委員 大蔵省の松永さん、ずっとお聞きになっていて下さいよ。これは建設省にしても、農林省にしても、あなたの方にずいぶん御相談があったと思うのですが、出されたならば、やはり原案は建設省も農林省も守らなければならぬから、非常に苦しい答弁をなさっておる。実態を知っていればこそ非常に苦しい答弁をなさっている。これには、二十戸、三十戸集団的移転しなくてはならぬという地すべり地帯の農地の活用については載っております。けれども、移転する農家の援護ということは全然抜けてしまっているのです。私は予算がしぼられたためにこういうことになったと思っておりますが、これではとても移転する農家に対する措置にはならぬと思う。たしか抜けているのです。農地の保全だけは、完全利用ということがうたってありますが、移転する農家については全然書いてありません。今参事官はあれもする、これもするとおっしゃったけれども、少くとも訓示規定くらいはここにうたうべきだと私は思う。なおこの点については委員の皆さんにも御相談申し上げたいと思っております。何か少し足らぬところがありはしませんか。これは大概省にはあとで聞きますが、農林省の方にもう一ぺんお伺いします。これは農林省として、自分から言えば家族のものですよ。家族のものが集団的に移転しなくちゃならぬ、移転するにしたって、助成金はくれない。もちろん、利子のつく金は貸してもらえるでしょう。しかし移転しなくちゃならぬというその煩瑣な仕事、作業というものは大へんなんですよ。しかも数年間はその農地からは収穫はないわけです。全然ないとは申しませんけれども、ほとんど現金収入は考えられない。そういう農家に対して、どういうふうにして援護するということくらいは、もう少しうたってもいいじゃないですか。この点はほんとうは農林省の所管ですから大臣に聞きたかった。あまりにもこの点について冷たいような気がいたしますので、もう一ぺん農林省にお伺いいたします。大蔵省の方にはあとでまとめてお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/39
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040・正井保之
○正井説明員 重ねての御質問でございますが、法文にはそういったいろいろの、たとえば入植のあっせんでありますとか、あるいは他に移る場合に農地を売却していかなければならない、そういった場合の農地の売却のお世話であるとか、あるいはそれをまた買う場合に、実は買う農家が金が足りないとかいうふうな場合における融資のことですとか、そういったことにつきまして一々の規定をここに書いてございませんが、それぞれの関係の法律なりあるいは措置によりまして、地すべりのおそれのある地帯における農業の経営の転換ということにつきまして、何とかやっていけるというふうに考えておるわけでありまして、そのようにやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/40
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041・井手以誠
○井手委員 大体のところは苦しい答弁の中からも理解できますが、端的に申せばきわめて不十分である、これ以上は意見になりますから申し上げませんが、十分この点については今後お考えおきを願いいたいと思います。あれもこれも世話したいとおっしゃるが、何かもう少し具体的なものはありませんか。あるいは新農村、新部落建設計画というようなものでこういうふうに優遇したいとか、道路の方はどうするとか、あるいは農地の買収はどうするとか、宅地のあっせんはどうするとか、いま少し関係住民に説明できる程度のものはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/41
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042・正井保之
○正井説明員 たとえて申しますと、集団的に相当まとまって移転をするというふうな場合には、先ほど申し上げましたように市町村単位でもって計画を立て、また実行していただくつもりでおります。市町村の開発計画、これは土地改良等も関連がございますれば当然その計画の中に入るわけでありますが、そういった措置を考えて参りますし、近くに適当な開拓地がございますれば入植者として、自作農として精進する十分の見込みがある場合は当然この入植者として迎えるという措置ができるわけでありまして、入植者ということになりますと、それは住宅の資金の補助が出ますし、また開墾作業あるいは土壌改良、こういったものについての助成も出るわけでありますし、また基本的な営農資金の融通、こういったことも当然に措置されるわけであります。また増反の扱いを受け得る者につきましては、これは非常に安い値段でもって、入植地と一体になっているような一部の土地につきましても配分があるわけであります。また直接農地を買いたいというふうな場合に、もしその地すべり地帯の農家が自作農資金を受けるにふさわしい条件、これは一般的に中庸以下の農家を対象に農地の不足資金を自作農資金で融通しておりますが、そういった場合には自作農資金をまた融通して回すことができるというふうなこと等があるわけでありまして、こういったようないろいろの現在利用し得る施策、こういったようなものを総合的に集中的に活用するというふうなことを、それぞれ具体的な事案に応じまして措置して参るというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/42
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043・井手以誠
○井手委員 ただいままでいろいろお示しになった対策については、それはもう一般的なことでありまして、一般的なことも予算の制約でなかなか重点的にやることが困難だ、だからやはりそういう問題は、こういう緊急事態に対しては特別に優先的にやる、そういうことをうたうことが私は地すべり対策の法案だと思う。
次にこれはまた建設省に戻りますが、農林省も関係がありますのでお聞きを願いたいのですが、家屋移転の問題、家屋移転に対する助成ないし融資の問題です。私先日伊万里市の人形石山の復旧状況を見て参りましたが、二十三万円の家屋が公営住宅のように建てられております。そこを見ますと、とてもそれでは農業経営は成り立たないということを、関係者も痛切に訴えますし、私が見ましてもはっきりわかるのであります。公営住宅のようなところに移転しましても、農業経営は絶対できません。そこで家屋移転に対する融資は三十万円、それに用地買収に三万円、最高三十三万円だと私は承知いたしております。先日私は本委員会におきまして、助成金はくれない、そうであるならば融資ぐらいは簡単にできるような措置はないか、具体案を次回の委員会にお示しになるように申し上げた。御用意ができておるならば一つ全部の委員さんにお配りを願いたい。なるほど移転します場合には古材を使うことができるでありましょう。しかしそのままでありますならば、その古材木でも五年、十年は耐久年数がまありましょうけれども、一たんこれを移転して建築するという場合には、その古い材料はなかなかそのまま使えないのが常識であります。そのままであればなお十年くらいもてる場合でも。新しくぽこっとよそに持っていって建てる場合には、その古い材木というものはそう簡単に使えないのが普通であります。そういろいろ考えて参りますと、農業経営からいきますと三十万円では足りないのです。しかもそのほかに農舎、畜舎の問題があります。この融資の限度を引き上げるお考えはございませんか。それから農舎、畜舎に対してはどの程度までお貸しになるつもりでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/43
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044・鮎川幸雄
○鮎川説明員 先般手続の点がどうなるかというお話がございましたので、まず手続の点について最初御説明申し上げます。
ただいまお配りいたしました資料によって御説明申し上げますが、まず地すべり防止地域が指定されますと、それを主務大臣は公庫に通知いたしますが、その区域におきまして家屋の移転という問題が起ってくるわけでございます。そこで家屋の移転につきましては、関連事業計画によってほかの事業と一緒にそれについての計画ができ上るわけございますが、家屋の移転につきましては、すべてこの融資によって行われるものばかりではなく、自力によってできる場合、あるいはどうしても融資によってはできない場合、その他いろいろその状況によってあるかと思います。こういうような総合的な観点から、家屋の移転計画というもの一が市町村において作られるのではないかと考えられるわけでございますが、特に融資関係について申し上げますと、家屋の移転の計画をまず市町村が作りましたならば、これを公庫の支所の方に通知をしていただくようにしたいと思います。そういうふうにまとめて計画が行われますために、申し込みの受付及び審査につきましてはできるだけ簡単にいたしたいと私どもは考えておるわけでございますが、融資として必要な最小限度の手続はやっていただかなければならないことはもちろんございます。まず申し込みの受付、審査につきましては、従来は御承知のように原則として金融機関で申し込みを受け付けまして、抽せん等の手続によってやっておるわけでございますが、この場合には原則として地方公共団体にお願いしたい。もちろんいろいろな事情で公共団体でできがたい場合には、金融機関としてできる道を聞いております。その場合の提出書類も一般の場合と比べまして、できるだけ簡単にいたしたいというふうに考えておるわけでございます。設計審査につきましても、従来公雄におきましては、公庫において建築の基準を示しておりますために、設計審査も行いまして、現場審査も数回行なっておるわけでございますが、この場合においては、建築基準法に基いておればよろしいという建前をとっておりますので、設計審査、現場審査につきましても、できるだけ簡素化いたしたいというふうに考えておる。なお融資につきますその他の問題につきましては、これは全般的に簡素化いたしまして、できるだけ必要最小限度のものといたしたいと考えておるわけでございますが、その他といたしまして、イ、ロ、ハと書いてございますが、たとえば保証人につきましても、必要に応じてつける、それから契約手続もできるだけ簡素化する、抵当権などもこれは全額が少い場合などはつけなくてもよろしいというふうにいたしたいということについても、検討いたしておるわけでございます。手続については以上のように考えておる次第でございます。
なお融資の限度を引き上げる考えはないかというお話でございますが、従来公庫におきまして一般の貸付をいたしておりますが、その限度に近い線を、この地すべりの場合にも貸すようにいたしておるわけでございまして、これをさらに引き上げますと、移られる方の負担の問題もございます。それからさらに畜舎、農舎の農業用のための融資の問題がございます。私どもは、家屋の移転については、この程度において一応のこの目的を達するのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。なお自力によって、あるいはもっと資力のある方がこのような規定によってやらない場合、一般の手続においてやろうとされる方がございますならば、その方法によってやる道も開いておるわけでございます。この場合には特に応急に移転をしなければならないという方々について、必要な限度を定めたというような考えをいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/44
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045・井手以誠
○井手委員 手続その他のことについては、実際問題でございまして、ここで詳細申し述べる時間の余裕がありませんので省略いたしますが、今の御説明によれば、一般建築の基準に基いてというような話があります。平たく申しますならば、農家の場合は最高限度が三十万円どまりになるか、あるいは四十万円になるか、それはあとの問題になりますけども、一応今のところは三十万円になっておるようであります。その場合には、市町村長の証明があれば、どういう設計をしようと、どういう基準でやろうと、やはり農業経営がやりよいように、それぞれの地勢に応じて建て方もあるでありましょう。だから、移転のために必要だという農家であれば、移転するものであれば、その設計とかあるいは基準とかというものは自由にさせて、最高限度までは貸す、またそれを越えて、たとえば七十万円で建てようとか八十万円で建てようというものは、その差額は自己負担だ、最高限度までは貸すというような大まかな行き方が平たく言えばほんとうだと私は思っておりますが、それでよろしゅうございますか。たとえば三十万が最高限度と仮定した場合に、それでもよろしゅうございますか。三十万円の問題は別にいたしまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/45
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046・鮎川幸雄
○鮎川説明員 ただいまの御質問は、たとえば五十坪くらいの建物を移転した場合に三十万円の融資があって、その土に自己負担がある場合、そういうようなものが認められるかどうかというような御趣旨に承わったのでありますが、特にその点私どもも、地すべりにおける住宅移転というのは現に家が建っておりますので、建物などの坪数とかその他に制限を加えますと、実情に沿わないという点も考えられるわけであります。ところが現在の公庫法におきましては、三十坪以下の住宅は——貸付の対象にならないものとかいろいろな制限がございます。この際は金額は限度をきめておりますけれども、その他におきましては実情に即するようなふうに自由にできるようになっております。従って残った分は自己負担ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/46
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047・井手以誠
○井手委員 もう一つお尋ねしますが、限度以上のものは自己負担、これはわかりました。そうしますと、設計様式その他ついて農家の自由だ、これでよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/47
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048・鮎川幸雄
○鮎川説明員 公庫においては特別に設計についての注文はいたさないことにいたしております。御承知のように、一般建築に建築基準というのがございますが、この一般建築の基準に合致することだけはお願いいたしたいと考えておる次第あります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/48
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049・井手以誠
○井手委員 一般建築の基準に合致するとはどういうことでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/49
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050・鮎川幸雄
○鮎川説明員 これにつきましては、確認の申請という手続を受けまして、建築の確認がされるようになっておりますが、その確認に合致するものであればいいことになっております。一般建築をいたします場合には、それぞれの建築基準法に基いて確認の申請というものを受けておるわけでありますが、それは地すべりの場合ではなくして、すべての建築物について、それが適用になっておるわけであります。その手続によりまして確認を受ければいいわけでございますが、特別にむずかしい注文はいたしてないわけでありまして、普通の建物であれば確認ができるような仕組みになっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/50
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051・井手以誠
○井手委員 確認という言葉がだいぶ出ましたが、それでは設計とか様式とか、そういったものの制約はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/51
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052・鮎川幸雄
○鮎川説明員 特別に制約はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/52
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053・井手以誠
○井手委員 三十万円ではどうしても低うございます。今の農家の実情あるいは建築の状態から申しますと、どうしても低い。私現地の農家の方から、方々から聞きましたけれども、とても三十万円ではやれませんというのです。先刻も申し上げますように、移築する場合、家を解いてそれを他に持ってきて建築する場合、古い材料が必ずしも全部利用できるとは限りません。これはあなたもおわかりだろうと思う。そういうことからいろいろ考えますと、地方によっても違いましょう、農家によっても違いましょうけれども、今坪当り大体三万円、三万五千円は要るわけであります。あなた方がお考えになっておるように、公営住宅とかあるいは何とか住宅というもので建てるのとは違って、農家は一軒建ちであります。台風にも耐え得るような堅牢なものを建てなければならぬことは申すまでもないのであります。三寸角とか五寸角とか、建築の専門用語は避けますけれども、小さな材料では農家の建築物にはならないわけあります。そういうことを考えますと、三十万円では足りません。建設省、農林省あたりでは、初め坪当り二万三千円か二万七千円をお考えになったようでありますが、原案によりますと二万円に引き下げられておる、それでは足りないのですよ。坪数はともかくとして、問題の単価が悪いのです、普通建築する場合に、材木代は三分の一くらいでしょう。しかし三分の一の材木代が、あるいはほとんどかえなくてはならぬ場合が出てくると思うのです。そういう場合を予想いたしますと、三十万円の限度は低過ぎます。これでもなお三十万円でよろしいというお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/53
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054・鮎川幸雄
○鮎川説明員 この前御説明申し上げました坪当り単価の二万円と申しますのは、平均的な計算の基礎としてそういうものに考えておるということを申し上げたわけでありまして、場合によりましては、非常に新しい家を移転する場合には、そのままで移転しますと平均的な二万円もかからない場合もあるかと存じますし、また今御指摘になりましたような古い家を移転するというような場合には、古材は使えなくて、ほとんど新築に類することもあるかと考えます。その場合には三十万円では十五坪ということはできかねるかと思いますけれども、かりに三万円といたしますと、十坪の家になるわけでございまして、新築とすれば単価は高くなって参ることは当然でございますが、私どもは先ほども申し上げましたように、当面の地すべりのために移転を必要とする最小限の費用として一応考えられる限度の金がこれでいいんではないだろうかというふうに考えた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/54
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055・井手以誠
○井手委員 そこにあなたの間違いがある。なるほどおっしゃるように新築同様のものもある、それは三万円もかかるかもしれない、そういう場合には坪数を減らせばいいじゃないか、坪数を減らして農業経営ができますか。これはサラリーマンの家庭とは違います。長くなりますからあとは委員の皆さんとの御相談になりますけれども、三十万円でできやしませんよ。少くともやはり私は三割ぐらいは引き上げなくちゃならぬと思う。三割ぐらいは引き上げなくちゃ実情に沿いません。実情に沿うとおっしゃったけれども、沿いませんよ。あなたが農業経営の内容というものをあまり御存じないからだと思うから責めはしませんけれども、とても三十万円ではできるものじゃありません。運搬だけでどのぐらい費用がかかりますか。家を解いてそれを運搬して建てるという費用だけでも、ものすごい金額になります。かわらをはがすだけでも自分の家族だけでできません。親戚あるい友人を集めて参りましても食事ぐらい差し上げなければならない。費用がかかるのですよ。そんな三十万とか三十三万でできるものではございませんから、この点はとくと御研究を願いたいと思います。
そこでもう一つ進んでお尋ねしますが、先刻来申し上げますように、移転する者の立場というものは非常に気の毒であります。据置期間はどうしても五年ほしいというのです。私、利子補給については——助成の問題は先日十分意見を申し上げ、質問いたしましたから本日は申し上げません。補助のできない、助成のない融資措置、それに限定をして私はお尋ねをいたしますが、四、五年はやはり農作物の収入も上らない、費用はかかる、こういうときには据置期間はもっと長期が必要であると思う。その点については農林漁業金融公庫とそれから住宅金融公庫の両方から一つお答えをいただきたいと思います。少くとも据置は五年、実際の償還期間は十五年ぐらいは必要である、これがもう関係住民の一致した切なる要望であります。あわせてもう一つお伺いしたいのは、この利子をどういうふうにお考えになっておるのか。県なり市町村でそれは補給してくれという行政措置をなさるつもりであるか。本人に払えとは、これは無理だと思うのです。その点もあわせて承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/55
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056・鮎川幸雄
○鮎川説明員 ただいま据置期間の問題についてお話がございましたが、公庫におきまして災害復興の場合にも据置期間を設けておりますが、災害復興の際の期間の三年というような例に準じまして、この際も三年以内というふうにいたした次第でございますが、特にそういうふうにいたしましたのは、負担力の点から考えた次第でございまして、償還金並びにその後の元利金等の償還金の程度が、この程度にいたさなければならないというふうに考えて、据置期間を定めた次第でございます。
なお市町村その他公共団体が利子補給を考えるようなことについてどういうふうに考えておるかというお尋ねでございますが、私どもも国におきましてはこういうような条件で貸付をいたしておるわけでございますが、いろいろな場合においてはこれでは十分でないという点も考えられるわけでございます。そういう際には公共団体、市町村、府県等におきまして、特にこれについて自己資金分の負担の面とかあるいは利子負担について、非常に無理であるというような状況がございましたならば、そういうような公共団体において特にそういうことをやってくれるということは望ましいというふうに私どもは考えておるわけでございます。ほかの例を申し上げて恐縮でございますが、住宅金融公庫から貸し付けております産業労働者住宅などにつきましても、法律で特にそういうものにつきましては関係地方公共団体の技術上とか財政上の援助ができるだけ望ましいということを明記いたしておるわけでございますが、特に地すべり住宅についても同様なふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/56
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057・井手以誠
○井手委員 これは申し上げるまでもないと思いますが、私もちょっとうかつのようにも考えますが、三十万円はまるまるですか、三十万円の七割ということになりますか、ちょっとその点を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/57
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058・鮎川幸雄
○鮎川説明員 二十万円が必要な場合は三十万円まるまる貸すようになっております。ほかの例でいきますと八割貸付ということをいたしておりますが、これは金額で定めておりますから、三十万円の場合は最高は三十万円ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/58
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059・井手以誠
○井手委員 それでは農林省にお伺いいたしますが、今尋ねた問題です。こういう緊急な事態に処する対策として農林漁業金融公庫から貸す条件、自作農創設維持資金ですら五分五厘の利率、十五カ年償還だと私は記憶しておりますが、おそらくそれよりも悪い条件ではないと私は思っております。農林漁業金融公庫の場合どういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/59
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060・正井保之
○正井説明員 自作農維持資金の場合は五分五厘で貸しておりまして、今回の農業用施設の場合は七分にいたしておりますが、実は自作農資金との均衡の点についての御質問と存じますが、自作農資金は、御承知のようにすでに非常に借金をしておりまして、基本的な生産手段である農地あるいは採草、放牧地を手放さなければやっていけないというふうに非常に差し迫っておるような場合、あるいは現在の農業経営そのものが新たに農地を——あるいは小作地の場合もございますが、新たに農地を取得しなければ現在直ちにやっていけないというふうに非常に切迫したものにつきまして、かつまたそういう方でありますから経営規模等も小さいわけでございまして、中庸規模以下のそういった非常に困窮して、差し迫った人のみを対象にしておるわけでありまして、片一方現在の地すべりの場合もいろいろと条件に恵まれないわけでございますが、地すべりが起る以前にそういった家屋を移転し、あるいは農業用施設を移転する、それに必要な資金を貸すというようなことで、若干そこに性格上の違いもあろうかと存じます。私どもの方としましてはこういった農舎でありますとか畜舎、こういった農業用施設につきましては、個人施設としまして特に大臣が指定した場合に公庫から金を貸し出す、そういうような建前になっておりますが、ただいま申し上げました条件というのは、災害にかかった場合にそのつど大臣の指定があるわけでありますが、その場合の条件に大体歩調を合わすというような意味でございまして、条件につきましては、一般の場合ですと七分五厘を七分に下げる、それから償還の期限も十年を十五年に延ばすということでございます。なおまた一般の災害の場合は、そういった条件のほかに据置期間は実は一年になっておりますが、すでに災害をこうむったものが据置期間が一年になっておりますが、この場合は、いろいろ金融を担当しておる方面とも相談をいたしまして、二年というふうに延ばしたわけでございまして、お話の五年という長期のものではございませんが、できるだけ移転に伴う償還を楽にするという意味合いでの努力はいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/60
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061・井手以誠
○井手委員 自作農創設維持資金が必要であることは、私は認めております。困った農家にお貸しになることは承知しております。しかし、地すべりの場合よりも、もっと困難な農家だというふうなお考えのようですが、地すべり地帯では、自分の農地が八反も一町歩も一ぺんになくなってしまうという事態も考えられます。そういう場合に、自作農創設維持資金よりも条件が悪いということは、私は考えられぬと思う。そこで私がお尋ねいたしたいのは、移転する農家が、先般も申し上げましたように、たとえ簡素化されても、かなりの手続が要るでありましょう。家屋は住宅金融公庫から、農舎、畜舎は農林漁業金融公庫から、両方に申し込んで、両方に払わなければならぬ。そういうことよりも、むしろ一本にして住宅金融公庫から貸せませんか。そういう方法はございませんか。これには幸い農林漁業金融公庫のことは触れてありませんから、今の制度で活用すればできるそうであります。条文を修正することも要らぬでありましょうむしろ一本になって、四十万円か五十万円の限度で融資するということにはできませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/61
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062・正井保之
○正井説明員 ただいま自作農資金の点についてのお話でありましたが、実は地すべり地帯につきましても、農家が地すべりによって農地を失うおそれもあるし、この際農地の取得を希望するというふうな場合、やはり経営規模等が中庸以下で、かつ手持ちの資金がないというふうな事情の場合には、そういう新たな農地の取得につきまして、自作農資金は一般の場合と同様の条件でお世話をできることになっております。そういう意味で、必要に応じてはこういうものの活用ということも考えられるわけでありますが、そのように必要があればまた処置いたします。
それから住宅金融公庫から借りられないかというお話でございますが、これは住宅金融公庫の方の建前等もあろうかと存じますので、問題があろうかと思います。ただ私どもといたしまして、非常に手続が煩瑣であるということの心配についての御質問もあったわけですが、公庫資金を借りる場合、農協を通じて借りる場合には、いろいろの手続は、先ほどお話がありましたように、関連事業計画がきまり、あるいは地域指定があり、そういった前提さえそろいますと、農業協同組合が借りる、そしてそれを該当の農家に貸すという二段の構えにいたしまして、農家はほとんど借用証書を入れるというだけで、手続の方は簡素化して参るということで、公庫でも大体検討いたしておりますので、手続が煩瑣になるということは避け得るのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/62
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063・井手以誠
○井手委員 手続が煩瑣になることを避け得るという見込みのようですが、両方に申し込み両方に払わなければならぬ、しかも料金が違うということなどがあるから、むしろ一本にしてはどうかと私は承わっているわけであります。できないならできないで構わない。しかし、やはり農家のことを思うならば、一本にすべきではないかと思いますが、その点、できないならできない、考慮するなら考慮するでけっこうです。——御答弁ないようでありますから、原案のままでしょうが、これは私どもの方で問題にいたしましょう。
もう一つ、昨年地すべりで非常に惨害を受けたところがありましたし、現にそういう事態も起っておりますが、これは昨年の分までさかのぼって適用になるわけですか。遡及ということには問題がありましょうけれども、一般の災害には、特別立法はさかのぼって適用することが普通でありますので、この点念のために一つお伺いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/63
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064・正井保之
○正井説明員 農業用施設の資金の貸付は、農林漁業金融公庫でいたしておりますが、公庫の建前は、自作農資金の場合は、すでにある高利債の借りかえという意味で運用をいたしておりますが、その他については、すでに予定された制度のもとの運用ということで、一般に肩がわりの資金を融資するというふうな運用はいたしておらないのが実情であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/64
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065・鮎川幸雄
○鮎川説明員 住宅の関係について申し上げますと、この法律は、国会を通過したならば四月一日から施行になるようになっております。従いまして、住宅関係分のこの条件で貸付を受けられるものにつきましては、この法律施行以後の問題になるわけでございまして、従来地すべりによって災害を受けた場合には、災害復興住宅の一環といたしまして、その貸付の対象にもなりますし、またこのような制度がなかった場合には、公庫においては、一般貸付と同じような条件ではございますけれども、そういう災害復興のために、特別に融資をいたしているわけでございますが、そのような措置でやられるわけでございます。過去の災害を受けたものについては、そういう処置になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/65
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066・井手以誠
○井手委員 それでは、原案の責任者にお伺いしますが、家屋移転に対する政府の融資の措置は、関連事業計画が作成されて、知事の承認を受けたあとでなくては、その効力は発生しない、こういうような結論になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/66
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067・山本三朗
○山本(三)政府委員 その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/67
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068・井手以誠
○井手委員 それでは、それまでの間に立ちのかねばならない緊急なものに対する措置は、この法の適用恩典が受けられない、こういうことになりますね。
重ねて伺いますが、一般のたとえば二十八年災害のごときは、二十四の特別立法をいたしました。そして秋の臨時国会で成立いたしましたが、六月、七月に発生した大水害の被害対策について適用をいたしました。その後政府が提案いたしましたいろいろな災害関係の臨時立法についても、さかのぼって適用をいたした。たとえば佐賀県伊万里市人形石山における大惨害、あれが動機となって今度の法案が提出された。そういうことをいろいろ考えて参りますと、やはりさかのぼってやるべきではないですか。その点を一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/68
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069・山本三朗
○山本(三)政府委員 この法律の建前といたしましては、法案の施行をしていただきまして、その上で関連事業計価を立てるわけでございますが、それをできるだけ早くいたしまして処置をいたしたい。こういう建前にしているわけでございますので、それらを急ぎやっていただきまして、この法律に乗せてやっていく、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/69
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070・井手以誠
○井手委員 関連事業計画を急いでやりましても、現に進行して、立ちのかなければならぬ人には適用できないのは、およそおかしいじゃないですか。一般の災害というのはさかのぼって適用いたします。数年前にさかのぼってということはありませんけれども、夏に起った災害について特別の措置をしなくちゃならぬもにのついては、次の国会において立法し、そしてさかのぼって適用したことが従来の例であります。この災害、場合によっては災害以上の対策であると言われるこの地すべり対策に、さかのぼらないという理由はどこにございますか。そのくらいはちっと研究して話し合って、実情に沿うようにやってもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/70
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071・山本三朗
○山本(三)政府委員 災害の問題につきましては負担率につきましてはただいまのお話のようにさかのぼってやったのもございます。従いまして、できるだけ早くやらなければならぬものでありますけれども、緊急の措置を要するものにつきましては、当然関連計画というものもすぐできるだろうと私は承知しておるわけでございますので、それらを督励いたしまて、早くやろう、住宅の問題につきましても、移ってしまったものではなくて、これから移ろうというものが対象でございますので、そういう手続を早くやりますれば十分間に合うというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/71
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072・井手以誠
○井手委員 それでは、それ以上の答弁はできないわけですね。関連事業を急いで早く実施したい、こういうことのようですが、すでに起こった問題——今日ではどうしてもそこまではやはり適用するという踏み切りはできないわけですね。それは結論だけお聞きしましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/72
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073・山本三朗
○山本(三)政府委員 その通りでございまして、急いでやりますならば十分間に合うというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/73
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074・井手以誠
○井手委員 委員長にちょっと御相談いたしますが、この問題についてはなお大蔵省の意見を聞かなくてはならぬと思います。せっかく松永さんお見えいただいておりますけれども、ちょうど昼になりましたので、次会まで保留さしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X01519580318/74
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075・西村直己
○西村委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十四分散会
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