1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年四月十八日(金曜日)
午前十一時一分開議
出席委員
委員長 足鹿 覺君
理事 佐々木秀世君 理事 高見 三郎君
理事 田中 彰治君 理事 春日 一幸君
理事 横山 利秋君
青木 正君 秋田 大助君
有田 喜一君 遠藤 三郎君
大倉 三郎君 大平 正芳君
奧村又十郎君 川野 芳滿君
笹本 一雄君 杉浦 武雄君
高橋 禎一君 竹内 俊吉君
内藤 友明君 夏堀源三郎君
藤枝 泉介君 山手 滿男君
山本 勝市君 村上 勇君
早稻田柳右エ門君 有馬 輝武君
石村 英雄君 井上 良二君
竹谷源太郎君 平岡忠次郎君
横錢 重吉君 横路 節雄君
山本 幸一君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣 一萬田尚登君
国 務 大 臣 正力松太郎君
出席政府委員
大蔵政務次官 坊 秀男君
大蔵事務官
(主税局長) 原 純夫君
大蔵事務官
(銀行局長) 石田 正君
委員外の出席者
大蔵事務官
(銀行局検査部
長) 渡辺 誠君
参 考 人
(千葉銀行取締
役) 古荘四郎彦君
専 門 員 椎木 文也君
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四月十八日
委員加藤高藏君、吉川久衛君、小西寅松君、杉
浦武雄君、高瀬傳君、古川丈吉君、森清書及び
山本勝市君辞任につき、その補欠として大倉三
郎君、笹本一雄君、村上勇君、有田喜一君、秋
田大助君、青木正君、早稻田柳右エ門君及び高
橋禎一君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員青木正君、秋田大助君、有田喜一君、大倉
三郎君、笹本一雄君、高橋禎一君、村上勇君及
び早稻田柳右エ門君辞任につき、その補欠とし
て古川丈吉君、高瀬傳君、杉浦武雄君、加藤高
藏君、吉川久衛君、山本勝市君、小西寅松君及
び森清君が議長の指名で委員に選任された。
同日
理事井上良二君辞任につき、その補欠として春
日一幸君が理事に当選した。
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本日の会議に付した案件
理事の互選
日本開発銀行法の一部を改正する法律案(内閣
提出第三号)
入場税法の一部を改正する法律案(第二十六回
国会衆法第二〇号、参議院送付)
社会福祉事業等の施設に関する措置法案(参議
院提出、第二十六回国会参法第二号)
会計法の一部を改正する法律案(内閣提出、第
二十四回国会閣法第一六九号、第二十四回国会
参議院送付)
相続税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
九六号)
金融に関する件
千葉銀行における貸付業務に関する件
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001・足鹿覺
○足鹿委員長 これより会議を開きます。
理事辞任の件についてお諮りいたします。理事であります井上良二君より、理事を辞任いたしたいとの申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/1
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002・足鹿覺
○足鹿委員長 御異議なしと認めます。よって許可するに決しました。
続いて理事の補欠選任を行いますが、これは、先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/2
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003・足鹿覺
○足鹿委員長 御異議なしと認めます。それでは、委員長において春日一幸君を理事に指名いたします。
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004・足鹿覺
○足鹿委員長 金融に関する件について調査を進めます。
本日は、古荘参考人が出席しておられますので、一昨日に引き続き、参考人に対する質疑を続行いたします。奧村又十郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/4
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005・奧村又十郎
○奧村委員 古荘参考人には、まことに御苦労さんであります。実は、昨日お越しをいただいて、まだ続きのお尋ねをしたかったのでありますが、できなかったのでお断わりの手紙はいただきましたが、これは、何がお医者さんにでも診断書をおとりになったのですが、またどこが悪かったのですか、そこらの事情をちょっと簡単にお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/5
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006・古荘四郎彦
○古荘参考人 一昨日お調べを受けまして、帰りましたらば、頭が痛くて起き上れないのです。それで寝て、医者には見せませんでしたが、きのう一日、私は床の中におったのです。床の中で秘書の人を呼んで、書いてお断わりせいということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/6
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007・奧村又十郎
○奥村委員 千葉銀の運営については、かねてからかなり世間の疑惑を生んでおりますので、古荘さんとしては、しっかりやっておられるおつもりでありましょうから、できるだけ世間の疑惑を解くように、熱意を持って御出席を賜わりたい、かように思っておりました。よほどの御病気だったと見えて、一日お休みでありますから、これは仕方ありませんが、できれば、医者の診断書くらいはお添えになってお出しをいただいた方が、私らもあとの相談の都合があった、こういうわけであります。これは、その程度にいたしておきます。
昨年七月に、一萬田大蔵大臣とお会いになったはずであります。その際、一萬田さんからは、あなたに申し上げたお話は、きのうこの委員会でよく聞いたのであります。あなたは、一萬田さんからどういうふうに話を受け取ったのですか、去年の七月。やめろと聞いたのですか、あるいはそこまでは聞かなかったのですか、その点を一つはっきりしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/7
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008・古荘四郎彦
○古荘参考人 やめろとは聞きませんでした。君もいい年になったから、銀行屋の年令もみんな若くなっているから、この際考えた方がいいのじゃなかろうか、友だちとしておれは言うということで、大蔵大臣としてお呼びになったのではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/8
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009・奧村又十郎
○奥村委員 そうしますと、大蔵大臣として当然お話があるべきであった。ということは、去年の昭和三十二年の二月、これは異例なことですが、約一月にわたって、ずいぶん厳重な銀行調査があった、その結果に基いて、これは、政府として何かお指図をしなければならぬ段階であった。それに基いてお指図をしたと思うのでありますが、あなたが受け取ったのは、大蔵大臣としての話は聞いたんじゃない、友人として話を聞いた、こういうことであります。これは、重ねてでありますが、その通りですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/9
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010・古荘四郎彦
○古荘参考人 その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/10
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011・奧村又十郎
○奧村委員 これは、どうもまるきり話が違うように思います。それじゃお尋ねしますが、大蔵大臣以外の方で、実は連日ここへ証人として、あるいは参考人として人が来ております。たとえば森脇将光君とか、そういう方ですな。ともかく大蔵大臣以外の方から、一つ頭取をおやめになったらどうかという勧告を、去年の夏あるいは秋、去年中にお聞きになったことはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/11
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012・古荘四郎彦
○古荘参考人 手紙をもらったことがございます。やめたらどうかということ、これは森脇君からですが、森脇君の手紙は、そのまま握りつぶしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/12
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013・奧村又十郎
○奧村委員 森脇君に対して、その手紙を受け取って、あなたは一たんやめるということを森脇君に約束した。ところが、その後温泉へ行って、温泉へ行ったかどこへ行ったか知らないが、二週間ほど森脇君に会わない間に心境が変化されたとか、その約束をほごにして、居すわり工作を始めたとかいうことを、実はこれはうわさに聞いたのですが、森脇将光君から手紙を受け取ったということは、今お話しになった。これは、いつ受け取ったのか、またそれに対してあなたはどういう返事をなさったのか。これは、確かに一度はやめるということを約束したという話を聞いておるのですが、それは、そういう御返事によって約束したのかどうか、その点を一つはっきり……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/13
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014・古荘四郎彦
○古荘参考人 森脇君からそういうことを聞いた覚えはございません。約束した覚えもありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/14
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015・奧村又十郎
○奧村委員 そうすると、森脇将光君から手紙はいつ受け取ったのですか。やめろという勧告の手紙は、いつ受け取ったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/15
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016・古荘四郎彦
○古荘参考人 あまり古くないと思います。最近です。あまり古いことじゃありません。七月云々よりもずっと最近の話です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/16
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017・奧村又十郎
○奧村委員 最近のいつですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/17
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018・古荘四郎彦
○古荘参考人 覚えありません。手紙がありますから、調べればわかりますが、ここに手紙がありませんから、わかりません。最近です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/18
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019・奧村又十郎
○奧村委員 何月ごろ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/19
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020・古荘四郎彦
○古荘参考人 ことしになってからだと思いますな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/20
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021・奧村又十郎
○奧村委員 これは、きのう問題になったのですが、これは、ぜひ古荘さんに明らかにしておいていただきたいのですが、誤解であれば、誤解を解いていただきたい。この三月三十一日の決算期において、千葉銀行の株主名簿には、百十名ほどの新株主が一どきにふえた。それがまた不思議なことには、全部千葉県千葉市の住所である。これは、常識で判断して、三月三十一日に一どきに百株ずつ百十名もふえるということは、おかしいということです。ここは、間違いであれば間違いで、誤解を解く場所ですから、その点、古荘さんはお知りにならぬか、誤解であれば、誤解を解く方法を示していただけばけっこうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/21
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022・古荘四郎彦
○古荘参考人 そういうことは聞いていますが、私は知らぬことです。しかし、それはあるようです。私の関係したことじゃありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/22
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023・奧村又十郎
○奧村委員 あなたは、この間のお話では、他人の債務について個人保証した覚えはないということを言うておられるが、しかし、それはいろんな場合もありますから、個人保証はなさったことはあるのじゃないですか。たとえば、レインボーとの関係において、保証書を渡したとか、個人保証をしたとか、これは、場合によっては別に保証して悪いというわけじゃないが、したとかせぬとかいうことは、やはりはっきりしておいてもらわなければならぬ。その点、一つ明らかにしておいてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/23
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024・古荘四郎彦
○古荘参考人 覚えがありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/24
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025・奧村又十郎
○奧村委員 それじゃ、佐藤何がしというのが、毒を飲んで死にかかったという事件があった。この佐藤何がしの代表する会社は、千葉銀行から金を四千万円借りた。その金は、レインボーの方へいっておる、こういうことですが、これは、千葉銀に対しては担保が入っておる。担保については、これは担保のがれの、担保をはずすことでトラブルが起っておる。ところが、レインボーに対してその金を佐藤何がしから渡した場合に、これは、まさか金融会社たるものが、何の保証も担保もなしに、佐藤の会社からレインボーへ金を渡すはずはない。この際に、あなたが保証しておられるというふうなことをちょっと聞いておりますが、間違いであれば間違いで、この点、一つはっきりおっしゃっていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/25
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026・古荘四郎彦
○古荘参考人 全くそれは事実が違がっております。ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/26
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027・奧村又十郎
○奧村委員 あなたは、レインボーにはいろいろ関係がおありのように思いますが、どうですか、それじゃ、私に一つ教えていただきたい、四千万円もの金を、レインボーに佐藤が金融会社として融資をした、こういう場合に、担保も保証もないということは、常識上あり得ない。どういう担保、保証をつけたのかということが、どうも私どもは疑問に思うのですが、何かあなたは、御存じのことはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/27
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028・古荘四郎彦
○古荘参考人 御質問の要旨が私にはわかりませんが、どういうご質問ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/28
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029・奧村又十郎
○奧村委員 それじゃ、頭取としてのあなたにお尋ねいたしますが、千葉銀から第一相互銀行へ一億円の融資をした、これは事実でしょうな、御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/29
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030・古荘四郎彦
○古荘参考人 事実です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/30
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031・奧村又十郎
○奧村委員 実は、昭和三十一年に第一相互銀行が不祥事件を起したときに、この事実が、私どもの調査に上ったのです。そこで、どういうわけで千葉銀行から第一相互へ一億もの金を融資したか、どういう担保、保証をとって融資したのか、それを一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/31
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032・古荘四郎彦
○古荘参考人 私が信じておりますところでは、りっぱに一億円の価値のあるものを、第一相互が抵当権を持っておる、それをつけて千葉銀行が貸しておるのですから、これは、何ら危険を感じておる債権ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/32
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033・奧村又十郎
○奧村委員 りっぱな担保をつけてある、それに融資しておるから間違いない、そのりっぱな担保というのは、それは何ですか。実は、私もその担保というのは、調べてみておるのですが、ちょっと明らかでないので、その担保を聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/33
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034・古荘四郎彦
○古荘参考人 その詳しいことは説明したくありません。しかし、私は、その担保はりっぱにそれだけ以上のものがあると信じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/34
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035・奧村又十郎
○奧村委員 それは、聞かずともいいことならお聞きしないのです。世間の疑惑を招いておるから、ここであなたは、その疑惑を解く義務があると思う。それで、私はお尋ねするのです。というのは、この第一相互に渡した一億の金というものは、レインボーへいっておる。そこで、担保というものは、レインボーから入っておるという疑惑を招いておる。もしそうでなければ、それじゃどういう担保か、そうでないというあかしを、一つ明確に出していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/35
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036・古荘四郎彦
○古荘参考人 はっきり申し上げましょう。レインボーの持っておる担保を第一相互へ入れて、第一相互が金が要るから、私の方で貸してやったわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/36
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037・奧村又十郎
○奧村委員 第一相互からレインボーへ金がいっておる、その第一相互が、レインボーからの担保を持っておる、しかし千葉銀行と第一相互との間の担保関係というものはないでしょう、その点、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/37
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038・古荘四郎彦
○古荘参考人 担保がついておるもので、その債権を千葉銀行へ譲り渡して、そして借りておるものですから、その担保がそのまま千葉銀行にきておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/38
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039・奧村又十郎
○奧村委員 わかりました。レインボーに対する第一相互の貸付、その債権を担保付のまま千葉銀行が受け取って融資をしておる。これが世の中にいわゆるトンネル融資、そこに……。そこで、その第一相互銀行が、御承知の通り導入預金で一昨年不祥事件を起した。例の一億を第一相互からレインボーへ貸した、これにまた、御丁寧に裏利がついておる。裏利がレインボーの方に渡されておるということになりますと、これは、全く悪質なトンネル融資ということになるんですが、頭取は、そういうことに御存じはなかったですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/39
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040・古荘四郎彦
○古荘参考人 裏利がついておるというようなことは、全然存じません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/40
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041・奧村又十郎
○奧村委員 どうしてこれを回収しないんですかね。これは、もうおととしから問題になっておるんですが、焦げついて取れないというわけですか。これは、もういいかげんに処分なさったらどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/41
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042・古荘四郎彦
○古荘参考人 取れればけっこうですが、第一相互銀行の様子も私にはわかっております。これを無理に取らないところが、やっぱりわれわれの儀礼じゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/42
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043・奧村又十郎
○奧村委員 これについては、大蔵省の銀行検査官の方から厳重な注意を受けておるはずですが、どういう注意を受けておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/43
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044・古荘四郎彦
○古荘参考人 一々覚えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/44
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045・奧村又十郎
○奧村委員 あなた、それはあなたみずから誤解を解くようになさらぬと、仕方がない。これは、銀行局長を呼んで聞かにゃいかぬと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/45
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046・足鹿覺
○足鹿委員長 検査部長がいるそうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/46
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047・足鹿覺
○足鹿委員長 発言中です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/47
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048・奧村又十郎
○奧村委員 検査部長にお尋ねいたします……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/48
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049・奧村又十郎
○奧村委員 実は、これは大事なことで、これをお尋ねしないことには、当委員会がこの間からいろいろ質疑をやっておったことが、私に言わせれば、焦点がぼけてしまっておる。坂内ミノブさんを未処分のまま釈放した、それから古荘さんも、某所でもって検察庁の調べを受けたが、そのままになっているということで、検察行政のあり方というものが相当問題になっておる。で、あなたは、やっぱりこの際特別背任罪になるかならぬがということは、あなた確信を持っておられるのだから、この際にはっきりと潔白を証明なさるべきなんです。こういう問題は、そこがポイントですよ。だから、そこをお尋ねしなければならぬ。銀行局の検査部長にしたって、この点は、世間の疑惑を招いておるのだから、はっきりしなければいかぬ。検査部長にお尋ねしますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/49
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050・足鹿覺
○足鹿委員長 奧村君に御注意申し上げますが、ただいままでの理事会の申し合せば、古荘参考人に対する質疑を行うということになっておりますので、その範囲内において御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/50
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051・奧村又十郎
○奧村委員 それじゃ、委員長のお指図に基いて、古荘参考人だけにお尋ねいたしまして、いずれ別の機会に、大蔵省の銀行局検査部の方によくお聞きします。
そこで、千葉銀行が第一相互へ一億融資をするということについては、非常にいろんな角度から疑惑を招いておる。そこで、千葉銀行から第一相互に一億融資した際に、古荘さんの保証がついておる、あなたがそれを保証しておられるということを聞いておるのですが、そういうことはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/51
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052・古荘四郎彦
○古荘参考人 ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/52
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053・奧村又十郎
○奧村委員 そうすると、その担保は、どういう形式になっておりますか。一たんレインボーの資産が、第一相互に一億借り入れの担保として入っておる。それはレインボーと第一相互との関係です。それじゃ、千葉銀行と第一相互との一億の融資の担保関係は、どうなっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/53
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054・古荘四郎彦
○古荘参考人 担保のついている債権を、そのまま千葉銀行へ担保に入れているのですから、その第一相互がとっておると同じような意味において、千葉銀行が担保を持っているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/54
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055・奧村又十郎
○奧村委員 担保というものは、登記をせにゃならぬ。登記しておかにゃ、いつの間にか第一相互とレインボーとの間で変なことになって、千葉銀行はもぬけのからということになっては困る。そうすると、登記してあるのですか。千葉銀行と第一相互との間にどういう登記関係、債権確保の方法をとっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/55
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056・古荘四郎彦
○古荘参考人 それは、ちゃんと手続をしてあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/56
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057・奧村又十郎
○奧村委員 どういう手続ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/57
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058・古荘四郎彦
○古荘参考人 登記してあるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/58
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059・奧村又十郎
○奧村委員 第一相互にその資産が担保に入っておるわけでしょう。そうすると、第一相互が最初の担保で、あなたの千葉銀行の方はその次の第二担保という、ことなんですか。僕はどうも金融のことははっきりわからぬけれども、一つの担保があっちにもこっちにも入るということは、常識上わからないのですが、その点を一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/59
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060・古荘四郎彦
○古荘参考人 それは、第一相互が担保を一番抵当権でとっております。そのとっている権利を、そのまま千葉銀行に譲り渡しているとお考えになるのと同じです。それだけは第一担保です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/60
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061・奧村又十郎
○奧村委員 そうすると、第一相互に対しては、レインボーがら返済してあったと思うのですが、その関係はどうなっていますか。済んでおりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/61
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062・古荘四郎彦
○古荘参考人 第一相互に対してレインボーが済んでおれば、第一相互はレインボーに対する債権は持たぬわけです。済んでいないわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/62
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063・奧村又十郎
○奧村委員 ちょっとこれも実は聞いたのですが、断じてそういうことはないとあなたがおっしゃれば、そのことが、この委員会で明白になるわけですが、片山何がしなる者に一千万円の保証書を一時渡して、取り返しているというようなことも聞いておるのですが、そういう事実はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/63
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064・古荘四郎彦
○古荘参考人 これは、少し問題がありますので、私は、はっきりお答えしたくないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/64
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065・奧村又十郎
○奧村委員 それでは、まんざら否定もしておられない。
それでは続いてお尋ねしますが、第一相互を通じてのいわゆるトンネル融資と同じような行き方が、平和相互を通じて、千葉銀行から平和相互へ三千数百万円を貸して、平和相互からレイーンボーにその金が流れておるということを聞いておるのですが、そういう事実はありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/65
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066・古荘四郎彦
○古荘参考人 そういうことはないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/66
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067・奧村又十郎
○奧村委員 私は、残余の質問は、検査部長及び銀行局長にいたしたいと思いますので、それを保留いたしまして、古荘参考人に対する質問は、これで終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/67
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068・足鹿覺
○足鹿委員長 春日一幸君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/68
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069・春日一幸
○春日委員 それでは、お伺いをいたしますが、あなたは、佐藤明正という人を御承知でいらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/69
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070・古荘四郎彦
○古荘参考人 私は、名がはっきりしませんか、佐藤明正というのは、片山君の方に何か関係がある人ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/70
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071・春日一幸
○春日委員 これは、加藤孝主君が事業を整理いたしましたときに、加藤孝三君にかわってその事業を継承した男と聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/71
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072・古荘四郎彦
○古荘参考人 承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/72
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073・春日一幸
○春日委員 いかなる経過で御承知でいらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/73
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074・古荘四郎彦
○古荘参考人 加藤孝三がいよいよ不渡りを出しまして、その後に、加藤孝三の仕事を全部自分が引き受けたというので、私のところに整理問題で会いにきたわけです。それから承知しておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/74
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075・春日一幸
○春日委員 この佐藤明正君こそは、あなたの銀行の東京支店長の田尻君という人のまん前で自殺をはかった。これは未遂となっておりますが、銀行の最高責任者たる頭取のあなたは、そういうような重大事故については、その経過てんまつ等は当然御承知でありましょう。これについてお伺いをいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/75
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076・古荘四郎彦
○古荘参考人 その話が電話で参りましたから、とにかく関係者であるから、できるだけの好意を向けて、私は、病院の費用でもこちらで見てやりたまえと言っておきました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/76
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077・春日一幸
○春日委員 自殺をはかった佐藤君に対する救護の問題を聞いておるのではありません。どういうわけで、佐藤君というこの銀行とは第三者的関係にあります者が銀行に参って、しかも支店長の前で死の抗議ともおぼしき自殺をはかったか、これは、よほどの内容がなければならぬ。あなたは、支店長の前でこのような自殺の行為が行われたということであれば、どういうわけでこんな事故が起きたのか、当然お調べになったことと思うが、その経過についてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/77
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078・古荘四郎彦
○古荘参考人 佐藤君がこのことをやったのは、私は少々病的じゃないかと思っております。佐藤君がこの加藤の方の整理をしますときに、自分が友人の金か何かを相当立てかえて、その結果、この整理によって相当な利益を得ると考えた、ということを本人が言っております。しかるに、みんな加藤からだまされて、全然残っておらぬというので、私のところに泣きついて参りまして、何とか助けてくれと言ってきたのです。最後には、少し今いうノイローゼじゃないかと思われるような状態に立ち至っておりましたので、君が加藤の方の整理をするならば、それに対して相当な報酬を銀行じゃ出してやろう、一生懸命やりたまえ、こう言って別れておったとき、あのを行動に出たのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/78
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079・春日一幸
○春日委員 縁もゆかりもない男が銀行に金を貸してくれと言ってきて、金を貸さなかったので、いきなり自殺をする、こんなばがなことは、常識人として考えられません。そこで、ただいまのお言葉の中で、加藤君の始末をしろ、始末を上手にやったら報酬として考えてやろう、こういうことでありますが、ならば、加藤君とあなたの銀行との間には、いかなる貸借関係があったのでありますか、これをお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/79
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080・古荘四郎彦
○古荘参考人 相当いろいろな担保を持ってきての貸し出しがあります。森脇との関係が一口あります。私が病院に入院しておりますときに、加藤が森脇と一諸に参りまして、暮れに金が二千万円要る、森脇の越年資金に要ると言ってきたから、それならめんどうを見てやったらどうかということを、私は病室から常務に言ってやったのですが、それを簡単に考えて、銀行でそれを貸してやったわけです。そうすると、森脇の担保をもって金を借りて、その金を森脇に払わずに、加藤孝三は持って逃げたわけです。加藤が森脇から担保逃げをしたわけです。そういう関係で、そのあとをやっているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/80
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081・春日一幸
○春日委員 加藤孝主君の事業の業種は何でありますか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/81
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082・古荘四郎彦
○古荘参考人 いろいろやっているのでしょうが、やはり金融業者と言った方がいいでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/82
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083・春日一幸
○春日委員 あなたの銀行は、森脇といい、あるいはこの加藤といい、こういう金融業者、言うならば高利貸しさんですね、こういうところへもずいぶん思い切った貸し出しを行われておるのでありますが、あなたは資金融通準則という現在銀行家が準拠せなければならない法律、政令、こういうもののあることを御存じですか。こういうような金融業者にもじゃんじゃんお貸しになっておるのですか、ちょっと伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/83
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084・古荘四郎彦
○古荘参考人 御質問の金融準則等のことはよく承知しております。その他の人たち——今の貸し出しについても、準則に応じて貸しているつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/84
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085・春日一幸
○春日委員 それではちょっと伺いますが、私、金融準則をそこに持っておりますが、高利貸しに銀行の金を貸してもいいというのは、一体どこにありますか。それは、あなたは銀行家ですから、少くとも銀行家というものは、どういう工合に資金を運用せなければならぬか、これは、あなたは最高責任者として、少くともこれだけは御承知になっておらなければならぬ。従いまして、金融準則の中に甲、乙、丙の区分はあるが、少くとも高利貸しに銀行の金を貸してもいいというのは、どこにもない。あるならば、私の後学のために教えていただかなければならぬし、またそれが貸し得るということになっておるといたしますれば、今日中小企業が金詰まりですし、大企業の諸君も資金難のために困難に耐えておる。この段階に高利貸しさんのところへ銀行の金が——銀行の金は預金者の金であり、足らざるところは日本銀行から借りた金である。こういうものが高利貸しのところへ幾らでも流れていく。そうして、そういうことが可能である。こういうあなたの確信では、これがその通りに法律ができておるならば、法律を直さなければならぬと思う。そうでないとすれば、あなたがこういうような理解の上に立って千葉銀行を運営されたとすると、これまた重大な事柄であろうと思う。従いまして、これは、どこにそういうことが出ておりますか、ちょっとお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/85
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086・古荘四郎彦
○古荘参考人 私は、あなたと議論しようと思いません。が、あなたのお言葉の中を拝聴しておりますと、金融の準則というものは、高利貸しには貸してはいけないとか、どういう人には貸していけないというな規定があるように拝聴いたしますが、そういうものじゃないはずです。たとい高利貸しであろうとも、準則に沿った貸し出しはあるはずです。高利貸しに貸してはいかぬとか、だれには貸してはいかぬとかというような、人によっての差別はないはずです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/86
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087・春日一幸
○春日委員 人によって区別があるなどとは、私は一言半句も申し上げておりません。すなわち融資対象につきましては、業種の区分があるはずであります。甲、乙、丙とそこの中に、ことごとく区分は制限列挙して、法律はこれを明示いたしております。そこで、その丙というものは、申し上げるまでもなく、これは貸し出しをしてはならぬ、こういうところなんです。あるいは、貸し出しをせなければならぬときには、銀行の預金の増の何%の限度内において云々、こういう非常にきびしい制約があることは、頭取は御承知の通りであります。何のたれがしに貸してはならぬということはないけれども、たとえばそういう高利貸しとか、金融業とか、そういうところへ銀行の金、少くとも日本銀行が流していった金が流れていくということについてはおのずから一定の規制、限界があると思う。私はそれを伺っておるのです。どういうわけで高利貸しのところへ、そのようにたくさんお金を貸すことが可能であるか。この資金融通準則に基いて、あなたはどれを基準にしてそういうような。貸し出しをなさいましたか、伺います発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/87
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088・古荘四郎彦
○古荘参考人 お話を伺っていると、どうしても議論になるので、私は避けたいと思いますが、日本銀行から流してきた金を高利貸しに貸したという事実はございません。——ちょっとお待ち下さい。最近この問題のために、私の銀行は緩慢なる取付にあっております。そのために、日本銀行から拝借をしておりますけれども、その日本銀行から拝借した金を高利貸しに流したとおっしゃいますが、必ずやはり規制に沿って、たとえば商業手形の割引であるとか、商業資金の融通であるとかいうような、必ずそれに沿ってやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/88
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089・春日一幸
○春日委員 あなたの会社の資本金はたしか四億何千万と伺っておりますが、しかし、あなたの銀行の預金量は三百数十億と聞いております。そこで、あなたは銀行の頭取として、株主の代表権を行使しておられるのだが、株主の資産というものは、わずかに四億何千万でしかない。しかしながら、あなたが運用できるところの資金量というものは、三百数十億なんです。これは、日本銀行から一銭も借りておらぬとおっしゃる。ときには、そういう場合があったかもしれないが、現在においては、日銀の金を借りなければならない。それはまた別の問題といたしましても、そのあなたが、あそこに貸したり、ここに貸したりされる金は、これはあなたの金でもないし、株主の金でもない。ただ預金者の金をあなたが預託を受けて、しかもそれが、銀行法に従い預託を受けて、そして、これを軍用することを銀行が認められておるにとどまるものである。あなたが、どこにどういう工合に金を貸そうと、おれの自由自在だ、こういうことは許されませんですね。それだから、あなたの金の貸し方というものは、この資金融通準則にダーッと書いてある。これに違ったことをやれば、懲役三年以下ということはきちっと書いてあるのですよ。そこで、私は、この中のどこを見たところで、高利貸しに金を貸すということについては、すなわち金融業というものは、この別表によりますと、これは丙以下なんです。丙というものは、どういう工合に書いてあるかというと、丙というものについては、これは「現下の経済再建上設備資金の必要度が低く、その資金の供給を差当り差控えなければならないもの、」こういう工合に規定しておるのです。そういうわけになっておりまして、こういう法律に違反をした場合には、金融緊急措置令の第十一条において、これに違反をした執行した者は、三年以下の懲役または一万円以下の罰金云々ということが書いてあるが、これは、まあここの問題ではないといたしましても、あなたがお貸しになる金は、あなたの金でも何でもない、みんな預金者の金を、しかもこの法律に基いて、あなたが信託を受けておるというだけなんです。信託を受けておる限りにおいては、そんなどんぶり勘定みたいに、ああ森脇さん、五千万円、さあどうぞ、加藤さん、二千万円さあどうぞというような工合に貸されては、むちゃくちゃになる。預金者の安全を確保することのために、かつは金融の公共性を十分確保していくことのために、この法律を作って、そうしてあなた方に、この通りにやっていただかなければならぬ。間違ったら、こういう工合に国家は制裁を加えるぞ、こういう金融秩序ができておる。従いまして、そういうところに金を貸してはならぬ、こういう工合に書いてあるのだけれども、しかし、まあこれはあなたと今——あなたもおっしゃった通り、限られた時間の中でこの問題をやるのは、本筋ではありませんから、これは、後刻銀行責任者大蔵大臣がら、この問題は明確に聞いて、そうして、法律に違反をしておるなら、違反に関するそれぞれの刑事上、行政上の執行があるであろうから、これは別問題といたしまして、とにかく明らかになったことは、あなたの銀行では、高利貸しに金がずいぶん出ておるということは、これは、お認めになるわけでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/89
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090・古荘四郎彦
○古荘参考人 高利貸しに高利貸しの資金を貸している覚えはない。高利貸しの人が、しかも私どもの取引は、高利貸しというものは何人もありません。その人たちが商業手形を持ってくるとか、品物を買い入れるとき、その品物の倉荷証券を持って、それを担保にして金を貸してくれとかいうような場合に貸しておりますのは、高利貸しに貸しておるのじゃない。そこを、誤解のないようにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/90
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091・春日一幸
○春日委員 それは、金融業の諸君が、そういうような事業家から金を貸してちょうだいといってきたら、もとより手持ちの金におのずから限度がある、自己資金では弁ぜられない、よってそれを第三者に頼む、そういうような場合は、それぞれの法律に基いて、大衆からその金を集める場合もあり得るであろうし、そうして銀行に頼む場合もある。そこでこの加藤君にしろ森脇君にしろ、あなたに頼む。あなたがその金を出された、これだけのことではありませんか。だから、商業手形だとか何とか言ったって、それは彼自体が、森脇君なり加藤君なりが、何らかの、鉄道なりあるいは肥料なりあるいは雑穀なり、そういうような商売をおやりになっておって、そこであなたのところへ来る商業手形なら、私は何も非難はいたしません。ただ、これは発行人は何とあろうと、そういう発行人は金融機関から借りるべきである。借りられないときに高利貸しのところに行く。高利貸しの金であれば問題はない。ところがない。足らざるところを銀行で借りる。そういうような借り方は、現在の法律は許してはいないが、これは別に問題にいたしましょう。
そこで、私はあなたにさらに伺いますが、そうすると、あなたは、この加藤君とお取引があった。そこで伺いますが、あなたは、この中外印刷株式会社渡辺一郎君に四千万円という手形を、四千万円という金をお貸しになっておる。すなわち彼が持っておりまする一億数千万の担保に、さらに渡辺君発行の四千万円の証券の提供を受けて、これに対して四千万円お貸しになっておりますね。こんな事実はございますか。これは、三十年八月の物語。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/91
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092・古荘四郎彦
○古荘参考人 そういう事実はあったのです。今はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/92
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093・春日一幸
○春日委員 その通りです。この事実がございました。そこで、この渡辺君に——すなわちあなたからそのようなお取引のなされました渡辺君に、聞くところによりますると、これは、あなたがレインボーへ金を貸さなければならぬ。ところが、これはレインボーへの直接貸しはできない状態にある。従って、君あてに金を貸すから、君からこれこれの担保を提供してくれ、そこへ商手四千万円をあわせて出してくれ、その金は、君の口座へ入るけれども、必ずこれはレインボーへ渡してやってくれよ、こういうようなことで、この金は中外印刷へお貸しになったのでありますか。かくのごとくに述べておりますが、事実はその通りでありますか。また違っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/93
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094・古荘四郎彦
○古荘参考人 古いことではっきり覚えておりませんが、それと少し事実は違うと思います。中外印刷も、ある部分、金を使っていると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/94
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095・春日一幸
○春日委員 そういたしますと、この四千万円は、とにかく中外印刷そのものが使うのではなくして、その全部かあるいはあなたが今おっしゃったような、なかんずくその一部かを合同で使用する、まあこういうような意味合いで、そこで、すなわちレインボーにこの金は用立てる、用立ててくれよ、こういう約諾のもとに、中外印刷へ、あなたの銀行からお貸し出しになったということでありますが、事実関係はその通りでありますか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/95
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096・古荘四郎彦
○古荘参考人 それを、はっきり私自身は覚えておりません。先ほど申し上げたように、中外印刷のその金を使って、あるいは全部使ったか何か知りませんが、とにかくレインボーにその金をすぐ渡したとは思いません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/96
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097・春日一幸
○春日委員 これは、後ほど参考人なり証人なりとして、渡辺君にここでお述べをいただけば、これらの問題は明らかになりましょうし、記録によって調査すれば、これはもう一目瞭然であることであります。そこで、頭取のお答えによりますると、多少額において、あるいは時期においてズレはあるようでありまするが、要するに最終的にレインボーへその金を御用立ていたしまするために、中外印刷へあなたの銀行からお貸しになった。しかもそのことは、頭取からこの渡辺当人に対して、そういう御交渉の結果、そういうような貸付が行われた、こういう事実は、事実としてはあるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/97
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098・古荘四郎彦
○古荘参考人 私は、渡辺という人にはずっとあとで会って、最初のときは、私と渡辺との間に話はございません。その中には加藤が入っていると思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/98
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099・春日一幸
○春日委員 何のだれ人が中へ介在いたしましょうとも、レインボーへ金を用立ていたしまするために、すなわちそのような中外印刷の担保の提供によって、中外印刷の口座へあなたの銀行から金が出された、そういう事実は、あるこことはあるのでございますね。お答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/99
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100・古荘四郎彦
○古荘参考人 四千万円貸したことが事実にあることは、私は確実に覚えております。その間のいきさつがはっきりしないと私は申し上げるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/100
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101・春日一幸
○春日委員 はっきりしないとは、どういうことでありますか。今あなたは、私の質問に答えられて、その四千万円の金を全部レインボーが使ったとは思わない、一部中外印刷も使ったであろうと思う、なおそのレインボーへ渡った時期についても、多少ずれておると思うと、これだけ明細な御記憶があるわけです。従いまして、そういう事実、実態についてお伺いをいたしております。額の多少の違い、あるいはまたお出しになった中外のその金がレインボーへ渡った、そごに多少の空間があるかどうか、これは私は伺っておりません。すなわちレインボーに用立てるために、中外印刷をパイプとして御融資になった事実はあるのですかと伺っております。この事実関係についてだけお答えを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/101
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102・古荘四郎彦
○古荘参考人 今申し上げたように、それがはっきりしてないということを申し上げておるわけです。金額も時期も、全部使ったのか、半分使ったのか、あるいは一部使ったのかはっきりしないから、すべての点がはっきりしないということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/102
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103・春日一幸
○春日委員 すべての点がはっきりしないとは、私はどうも理解ができないのであります。ただいまの御答弁によりますと、貸したけれども、その額が全部レインボーが使ったのかどうか、一部は中外も使っておるように思うと今おっしゃったではありませんか。そうですね。そうだといたしますれば、そういう貸付が行われたという事実があったんではありませんか。ただ事実だけです。時期と、あるいは額、それはどうでもようございます。レインボーへ用立てることのために中外印刷へ貸付が行われて、これこれの担保が提供された。これは、後ほど記録を調べてみれば、あるいはそれらの証人を呼べば、すぐわかることですから、これは、議事を進行いたしますために、ありのままに御答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/103
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104・古荘四郎彦
○古荘参考人 今申し上げますように、その金が四千万円出たことは、私は確実に覚えておりますが、その金がレインボーにいったやら、レインボーに貸すために貸したものやら、中外印刷が全部使ったものやら、何かレインボーにいったんじゃなかろうかというような気がするだけの話です。それがはっきりしないということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/104
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105・春日一幸
○春日委員 あなたは、少くとも天下第一流の銀行家でしょう。私は、この際あなたは、みずからその責任を退かれて、さばさばした気持でおられると思うのです。そんなインチキな答弁はありません。
そういたしますと、四千万円の貸し出しがあったという事実は明らかになりました。そこで、私は伺いますが、この提供されたところの中外印刷の不動産と、それから渡辺君発行の四千万円の商手は、その後あなたの方から無傷で解除されて、本人のところへ戻ってきておる、この四千万円は。これを、何人がその資金調達をしてこれを返しておりますか。中外印刷は、その金を持っていっておりません。あなたの方の銀行から借りたんだけれども、その金を返済しておりません。にもかかわらず、提供した不動産と提供したところの約手は、本人の手元にまで戻ってきておる。これは、何人が払ったのでありますか。私どもの調査によりますと、ここに初めて加藤君が登場してきたことが明らかになっておりますが、この点の事実を、一つお述べ願うことにいたしましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/105
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106・古荘四郎彦
○古荘参考人 どうもいろいろな取引だから、私は一々覚えておりませんけれども、そうなっておるとすれば、加藤君がほかの担保を出して借りて、そちらを払ったんじゃなかろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/106
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107・春日一幸
○春日委員 今頭取のお述べになった通りです。すなわち、ここに四千万円という金をだれかが出さなければ、中外印刷というものが提供しておる担保は返ってこないわけです。ところが借りた本人、名儀上の借受人である中外印刷は、むろん自分で使っていないのだから、そんな金を持っていくはずはない。にもかかわらず、担保は、頭取古荘さんと中外の渡辺さんとが約束した通り、無傷で戻ってきた。そのいきさつはここに四千万円の現金は、加藤孝三君がこれは土屋ビル、この土屋ビルを担保に提供いたしまして、あなたの銀行から借りておる。この関係が明らかになっておるわけであります。すなわちこの加藤君が貸して、取引関係のあるこの土屋ビルとレインボーの鎌倉別邸、この二つを共同担保にいたしまして、あなたの銀行へ差し入れて、そうしてここで六千万円の金を、加藤君にあなたはお貸しになっておる。このうち、なかんずく二千万円を加藤孝三君が使って、そうして四千万円をレインボーが使った。すなわち前に借りたところの金を、すなわち担保を解消することのために、この四千万円という金が千葉銀行へ——事実上はレインボーが使ったのだけれども、そういうふうに解消しておる。ここで加藤君が登場してきた、こういうことになっておりますが、この関係は、今あなたがお述べになった通りでありますが、大体私どもの調査とも符合いたします。大体そういうことでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/107
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108・古荘四郎彦
○古荘参考人 私は、あなたから御説明を聞いて、よくわかったような気がいたします。その通りでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/108
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109・春日一幸
○春日委員 私の苦心の調査は、事実とぴったり合っておるということで、われわれの今までのさまざまな発言の信憑性が、この一事をもってしても、何となく確実になってきたと思う。
そこで、佐藤明正君の自殺事件とからんで参るわけでありますが、昭和三十二年十二月、加藤孝三君は没落する。そしてこの整理について、冒頭お話のあったように、佐藤明正君がこの代表取締役として就任してくる。そこで、結局後事を引き受けたところの佐藤君は、この住友ビル、これの事実上の所有者になってきたわけなんです。当時加藤商会から住友ビルを対象として行われておった融資は、たしか千五、六百万のものであったようでありますが、長い間ですと、これが高利でありますから、たちまちにして四、五千万円になってきた。そうすると、加藤君のやっておった事業の中の残存財産として代表的なものは、この土屋ビルになってきた。しかもこの土屋ビルの所有権は、この佐藤明正君の手に帰属してきた、こういうことでございます。それでありますから、結局佐藤明正としては、この住友ビルを対象として、そしてあなたに金を貸して下さい。今ここに金が——あなたの方で結局最初に借りた中外印刷の金を返すために、しかもその指示をなすったのはあなたです、その金を返すために、加藤君はこの土屋ビルと、それから坂内さんの鎌倉の別邸とを共同担保で入れて、あなたから六千万円借りておるわけです。しかし、この土屋ビルというものは、かれこれ七、八千万の価値があるそうです。しかし加藤君は、土屋ビルを提供することによって、あなたの方から借りておる金はわずか二千万円でしかない、だから四千万円の責任はあなたに負ってくれと言っておるはずです。四千万円の責任をあなたが負って下すって、これを解除していただきさえすれば、すなわちあなたの方の銀行に佐藤は二千万円の借金しかないから、従いまして、これを七、八千万円に処分すれば、五、六千万円の金が出てくる。だから、あなたの方は、当然レインボーに、頭取個人の才覚で、この辺の操作で四千万円というものを貸しておる。だから、それは四千万円あなた責任を負って下さい、私は三千万円持ってきます、だからこれを解除して、そうしてこの土屋ビルを第三者に売れば、ここに四、五千万円の金が出て参りますから、返してちょうだい、返してちょうだいといって、あなたのところに通うこと、千葉街道を往復すること十幾たびと書いてある。そうして、あなたのところに哀訴、嘆願するけれども、あなたは言を左右して、まあ待て、まあ待てと言うて、ちっとも話に応じてくれない。そこでこの佐藤明正が死の抗議をして、そうしてこの不道徳きわまるところのあなたに対して反省を求めたいとか、そういうようなことで、ここでカルモチン自殺となった。こういうふうに佐藤明正君は述べておりますが、大体この全貌は、ずっと今述べてきた点で明らかになっておる。佐藤明正は何がゆえに自殺したか、その目的は何であったか、その経過、てんまつ、概略、あなたの思い出はよみ返ってきたと思うので、この点述べていただきたい。佐藤明正はどうして自殺しなければならなかったか、この点を、あなたは一つ思い起していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/109
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110・古荘四郎彦
○古荘参考人 佐藤明正は、自殺する前には、ちゃんと私の言うことがわかっておったはずです。というのは、加藤孝三は、千葉銀行から相当な借りがあります。土屋ビルを対象にしてレインボーに四千万円の貸しがあります。借りは貸しの何倍かあるのです。君の方では、貸しがある方だけのものを取り立てて、借りの方は知らぬ顔をしておるということはどういうわけか。私の言うことは、加藤孝三が千葉銀行に相当な借りがあるから、それを払わずに、それはそうしておいてくれ、おれの方の貸しのあるこの四千万円だけを払ってくれと言ってきておりましたから、それは君どう思うか、おれは銀行の頭取として考えるのに、こっちの貸しはそのままにしておいて、君の方の貸しの方だけを持ってきて銀行から解決しようというのは無理じゃないか、それで、先ほど申し上げたことに当ってくるのは、加藤の方の整理をしたまえ、穴は幾らかあいても仕方がないと思う。そうしたら、この整理に対して、おれは君にお礼をやろうじゃないか、そうすれば、君の生活費くらいは出てくるのではないか。ごもっともです。それで、最後には自動車を売って、その売り上げを幾らかくれということまで話をしておるくらいです。それですから、佐藤は、おそらく私を恨んだことを口走るかもしれませんけれども、私は、良心は恨んでおらぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/110
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111・春日一幸
○春日委員 とにかく人が死ぬんですよ、自殺をするんですよ。そのときには、良心は恨んでいないけれども、何かが恨んでおる、よほど恨まなければ、死ぬなんてことはできませんよ。だてや酔狂なんかで死ぬわけではない。ですから、その点のいきさつは、十分冷静に、良心的に、人間的に御判断にならなければならない。
こうじゃありませんか。レインボーに四千万円貸したいけれども、直接には、貸せない、ですから、中外さん、一つあなたがパイプになって、名義だけ貸してくれ、貸すについては担保が正要るから、担保を出してくれと言った。それで、あなたの方の銀行のごきげんを損ぜざらんことを考えたところのこの中外は、よろしゅうございますといって、頭取の言葉ですから、自分で使いもしないところの金を、担保を提供して、手形も書いた。あなたのお約束通り、それは戻ってきた。ところが、あなた自体は、あのとき何という策略を用いましたか、すなわち中外のこの担保を解除するということのためには、四千万円の現金が必要になってくる。そこで加藤孝三をそそのかして、お前なんとか考えろ、土屋ビルを提供したら、お前に貸そうじゃないか、そこでおれは六千万円貸すから、その中で二千万円だけ、加藤、君使え、四千万円だけは一つレインボーの使っている中外の担保を落すように、この金を使ってくれや。そこで、そういうあなたの懇請を受けて、加藤孝三一派なるものが、そういうような担保を提供する行為を行なったわけです。土屋ビルを担保にし、そうしてレインボーの鎌倉別邸を共同担保にして、六千万円使った。そうすると、本日この加藤なる者はレインボーと関係がないとすれば、あなたほど密接な関係がないとすれば、第三者のために、自分の所有権を担保にいつまでも取られておることは、どうにもならぬ。約束が違うから担保を解除してくれ、それはそれ、これはこれだということで、担保を解除して下さい、解除して下さいといって、この男が千葉街道を十何べんも往復したというけれども、それは、われわれ第三者が聞いても、なるほどなと思う。あなたは、そこで理不尽の応答ばかりしておられるが、やがて冬が迫りくる、そしてお正月には、従業員に金もやらなければならぬ、そうでしょう。そして頭へ血が上ってきて、佐藤明正は、千葉銀行東京支店で自殺ということになってくる。あなた、その点について良心に苛責するところはありませんか。人に金を貸して、加藤孝三一派を踊らして、そうして担保を取って、そうして一つの目的は達したが、これを早く抜いてちょうだい、あなたの御用に使った担保を、私も金が要るんだから抜いてちょうだい、抜いてちょうだいといっておる。今あなたは、えへらえへら笑っておるが、この男は、かねてあいつの前で死んでやる、自殺してやるということを、多少ヒステリックなきらいはあるけれども、佐藤君が遂に死の道を選んでいったというのは、どうもわれわれは、同情できぬものでもないが、筋道は、大体こんな調子のものでありますか。これが判断は、一人々々がするでありましょうが、大体こういう筋道でありますか。なかなか大したもんだよ。大体こんな調子ですか。—よろしい。それでは、この問題は、大体全貌が明らかになりましたから、後刻まとめて判断を行うことにいたします。
次にお伺いをいたしたいことは、今度刑事事件に問われましたところの坂内さんの抜き担保事件、これは罪名によりますると、詐欺容疑ということになっております。これは、昨日も法務当局に伺ったのでありまするが、これが詐欺容疑であるからには、被害者というものがあるわけです。被害者というのは、千葉銀行であるわけなんですね。それで、あなたの方は、これを被害だと感じられましたか。あなたの方が感じられた被害感は、どういうものでありましたか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/111
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112・古荘四郎彦
○古荘参考人 この千万円の担保がそのまま向うで使われてしまって、この千万円を銀行に返済しませんければ、被害者になると思います。しかし、千万円返さるべきいろいろな手続を講じてあります。それだから、私は被害者にはまだなっておらぬと思います。被害を受けそうな感じがするというところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/112
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113・春日一幸
○春日委員 これは、私はいろいろなニュアンスがデリケ—トにあると思うのでありますが、そこで、新聞報道でありまするけれども、検察庁であなたが参考人として述べられたところは、警察当局が調査したところでは、勧銀から四千万円借りられるから、この担保を抜いてちょうだいとあなたに頼んだ、こういうわけなんですね。だから、あなたは、ああよっしゃとばかりにこれを抜いたわけなんですね。そこで、不日偽わりを言うて抜いたということが、詐欺容疑に問われておる。ところが、あなたは、坂内君が言うからには、これは間違いあるまい、だがら、きっと勧銀から借りれるものであろう、こういう推測、確信を持ってこれを抜いた、こう言われておりますが、この点の事実関係はどうでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/113
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114・古荘四郎彦
○古荘参考人 おっしゃる通りです。
それで、その権利書を向うに渡しさえしなければ、問題は起らぬわけです。不幸にして、その権利書が向うの手に渡っております。しかし、その権利書によって、坂内はこれは使っおりませんから、事実上はまだほんとうに被害を受けてないことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/114
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115・春日一幸
○春日委員 その点はわかりました。そこで、私はこの一点だけ伺っておきたいのでありますが、ただいま申し上げましたような資金融通準則でありますか、この法律に基いて、政令に基いて、政府はしばしばあなたに対して注意を喚起し、警告を発したとあるわけですね。そのときあなたの方は、一体政府の警告や、あるいは指図を受けられて、てんでそれに従われなかったのですが、また従わなくて、本日まで何ら次の段階における、たとえば処分権とか、いろいろなことがあるでしょう。私の調査したところでは、銀行局というものは監督権があり、検査権があって、検査に応ぜざる場合においては、すなわちその処分権があるわけなんです。検査権の中には、回収せよといって命じて回収ができないときには、その担保を執行しろ、こういうような命令もあるわけなんです。そういうふうな命令を発しても、ちゃらんぽらんのむちゃくちゃをやって、いうことを聞かぬ場合においては、むろんその責任者を処分し、解職し、あるいは銀行業務の停止を命ずることができるようになっておるわけです。少くともこれらの大へんな不良貸付、あるいは不当貸付、焦げつきなんというものがあります。従いまして、これについて当然注意があり、警告があり、指示があったと私は思う。ところが、そういう指示は、あなたの方はいかなる執行を通じてこれにこたえられましたか、この点の経過、結果を一つ伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/115
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116・古荘四郎彦
○古荘参考人 御趣旨に従って、できるだけのことをやって参っておりました。しかし、意見の相違があるのです。これはすぐこれを——不動産なら不動産を競売に付した。これを処分したがいいか、もう少し時期を見て適当な人に売るがいいかということは、これは、たとい監督官庁のお方といえども、私たちと意見の相違をすることがあります。しかし、監督官庁からは、これを直ちに処分せよという御命令は受けておりません。早く整理せよという御命令は受けております。それは尊重しております。それでございますから、監督官庁の御趣旨に従わぬ、その通りにやらなかったということは、はなはだ相済まぬと思っておりますけれども、決してそれを軽視しておったわけではないということを、私は断言いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/116
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117・春日一幸
○春日委員 重視されて努力をされた、最善の努力を尽された、その結果は、ここに現われております通り、三十一年五月に六億九千万円がれこれの貸し越し残がある、これは、本日において十一億五千万円になってきておる。これは、大蔵省が監督し、警告し、注意をして、そうして、あなたもこれを重視して、一生懸命にやった、一生懸命にやって五千万円ふえたとか、利子が七千万円ふえたとかいうことならばいいけれども、倍近いところの十一億五千万円にこれが膨張したということでは、われわれは、大蔵省の監督権もさることながら、これは、あなたの方としても、少くともその銀行当事者の執行が誠意を尽して、すなわち善処したかどうか、これは疑わしいと思うけれども、このようなことになったことについては、よほどの事情がなければならぬ。第三者が納得できる、また国会が納得できるその事情は何でありますが、これを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/117
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118・古荘四郎彦
○古荘参考人 一々の場合によって説明しなければなりませんから、これは、貸し出しの内容に触れますから、お断わりいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/118
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119・春日一幸
○春日委員 それではどうも調査が進行しないのですけれども、今私が伺いましたのは、この間において、銀行局当局がら警告が発せられた、注意か指示があったのですね。それで、あなたはこれを重視して、善処されたわけなんです。最善の努力をされたわけです。最善の努力をされたからには、この期間においてそれが圧縮されてしかるべきだと思う。われわれの記録によりますと、古川メモは昭和三十一年の五月だが、これによりますと、大体において六億九千万円、これが、本日検察庁の調査によると、十一億五千万円です。かれこれ五億ふえておる。ベリー・ベストを尽して五億も逆にふえるというのはどうしても私はわからないのです。大蔵省が何と言おうが、かんと言おうが、あなたが今言われたように、意見の相違ということがあるのだから、それは、大蔵省は大蔵省、頭取は頭取、別の見識と見解があるのだ、こういうことならよくわかる。大蔵省が注意しようと、そんなものはへっちゃらだ。私が注意してこのような貸し出しをやったんだ、こういうことならわかるけれども、あなたは、大蔵省の警告を尊重された、全くその通りですから善処しましょうと約束された。約束して逆にふえていったということは、何かよほど内部的にも事情があったかとも思う。それとも、大蔵省には何とか善処しましょうと答えて、実は、あなたはあなた独自の見解で独自の執行をされたのか、この点、一つ伺っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/119
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120・古荘四郎彦
○古荘参考人 今申し上げましたように、大蔵省の御警告に対しては、十分尊重しております。しかし、不幸にしてその御趣旨通りに貸し出しの整理ができなかったことを、はなはだ申しわけないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/120
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121・春日一幸
○春日委員 申しわけないのは今の結果ですけれども、そういうような注意、勧告を受けながら、あなたはその警告を重視しながら善処して、なおかっふえてきたには、何かよほどの理由があったのでしょう。あなたの立場としては、やむにやまれぬせつない理由その他の理由があったかとも思うのだが、それを、われわれがわかるように御説明願えませんが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/121
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122・古荘四郎彦
○古荘参考人 何かお言葉を伺っておりますと、妙な意味でもあったように聞えてならぬのですが、そういうことは断じてございません。私は、こうしていくことが銀行のためにいいと思った。それが悪かったかもしれません、私はそう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/122
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123・春日一幸
○春日委員 妙ということはなにですが、せつないということは、全く言うに言われないということがせつないということなんです。私は、あなたと坂内氏との間に妙な関係があったなどとは言っていない。何かあなたが、自分で問わず語りにそんなことを言っては、あなたのためによろしくあるまい、坂内氏のためにもよろしくあるまい。私がせつないということは、人間として、男としてまことに苦しい、言うに言えないことがあったのではないか、そういうことが、銀行業務を通じて頭取にあり得るならば、そのような法律上の欠陥を立法の府において補完措置を講じなければならぬという立場で、私は伺っておる。あなたが聞きもしないことを、妙な関係があったように思われて、何だかんだ言って、そういうことを問わず語りにおっしゃっては困るのです。
それから問題を先に進めまするけれども、一体、この先レインボーの取引はどうなるお見通しですか。あなたは、今度さばさばした気持で頭取をおやめになったでしょうけれども、あなたの責任はこれで終ったものではないと思うし、またそれだけに、あなたの責任感は相当のものであろうと思う。従って、このレインボーの十一億五千万円の貸し出しはどうなっていくのが、相当の見通しもあろうし、確信もあろうと思うのだが、この際これをお述べ願っておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/123
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124・古荘四郎彦
○古荘参考人 私は、時間をかしてもらったならば、銀行に損をかけずに整理ができると信じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/124
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125・春日一幸
○春日委員 どのくらいの時間ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/125
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126・古荘四郎彦
○古荘参考人 これは、私が今、たとえば来年の末までには解決するというような時期を切ってお約束はできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/126
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127・春日一幸
○春日委員 今まではあなたが、この貸し出しをしなければこれがつぶれる、だから、あのパイプ、このトンネル、こういう地下水を通じてどんどん貸してこられて、整理してみるとこんなことになっちゃったんですね。それだから、私はこの際伺っておくのだけれども、今まであなたのおやりになった手段、方法を尽すことにおいては、あなたの今申されたような効果は上ってこないのではないかと思う。すなわちこの法律に書いてあるように、これはだめだと見限ったならば、担保権の執行というような段階も時には必要ではないかと思うのです。
私は、この際伺っておきますが、一体先般来ここで述べられておるところによると、特に森脇氏の証言によりますと、三億円の評価で担保に入れられておりまする貴金属類、貴石類、これは、森脇氏が、さる鑑定のオーソリティが鑑定したところによりますと、三千数百万円くらいじゃないかというようなことを言っておられました。そういうような工合で、これは、担保を処分していくと、大体どういうことになるのでございましょうか。あるいはレストランを経営しておれば、十一億何千万というものが将来回収できる、そういう見通しが立ち得るのでございますが。あるいはまた二億何千万といわれておる生地類、これは、御承知の通りはやりすたりもあろうし、あまり長く置くと、虫のつく心配もあろう。こういうものは、時間をかせば、十一億五千万というものが回収できるとおっしゃるけれども、いかなる方法で回収できるか、具体的な構想を述べて、この際預金者に対して安心感を与えますために、また株主に対して、うちの頭取は、一つの確信を持ってやっておってくれたんだという理解を与えるためにも、銀付に損を与えぬでこの問題の整理ができ得るというあなたの構想、これを一つお述べ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/127
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128・古荘四郎彦
○古荘参考人 貴金属だとかいうようなものの評価は、森脇さんのことを何か例におとりになったが、私は、これは信じません。しかし、そういうものではなくして、相当な価値があると思っております。
それから羊毛の製品でも、相当な価値があると見てます。一番望みを託し得るものは不動産です。不動産は、たとえば一億円に評価しておりますものが、まだ実行ができませんでしたけれども、二億三千万か四千万の約束ができがかったのもあります。一億円貸してありますものについても、八千坪の地所が今は二万円、あるいはいいところは三万円するというようなことでございますから、私は世間で言うようなものではないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/128
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129・春日一幸
○春日委員 ということは、事業からそういうような利潤を生ずることによって回収することはできないので、結局不動産を換価処分するという、そういう段階に来ておる、またその方法以外にはない、こんなふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/129
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130・古荘四郎彦
○古荘参考人 私は、この際は不動産の処分——処分についても、やはりいろいろあります。ビルディングを作るとかいうような案もありますが、とにかく不動産そのものの評価が幸いにして相当上っておりますから、これは世間の考えておるのと違うというようなことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/130
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131・春日一幸
○春日委員 では、次に、あなたの銀行の貸付業務に関する業務方法、これはどういう工合になっておりますか。巷間伝うるところによりますと、あなたの銀行は古荘天皇みたいなもので、支店長を呼びつけて、あそこへ三千万円貸してやってくれといえば、へいとばかりに貸さねばならぬというような状態であったというようなこともいわれておる。さまざまな不当融資というか、不正融資というか、情実融資というか、そんな融資が数限りなくあるといわれておるのでありますが、しかし、私はどうしてもわけがわからぬのは、やっぱり銀行には業務方法というものがあるわけなんです。たとえば支店長権限、ある一定の金額をこえれば、これは本店審査部における審査部権限、ある一定の限界をこえれば、重役会議における議決を必要とするとか、私ども長く大蔵委員をやっておりますから、金融制度とか金融業務の運営については、いつしか門前の小僧で、だんだんとこれを知るに及んできておる。大体の秩序、基準というものがあるはずだが、あなたの銀行の貸し出し業務に関する業務方法の基準は、どういうようになっておるか、これを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/131
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132・古荘四郎彦
○古荘参考人 私のところのその基準は、ほかの銀行の基準とちっとも違ったところはないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/132
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133・春日一幸
○春日委員 ないといいますと、この際後学のために、またわれわれの調査のために、どういうことになっておるのか、それを一つお述べを願いたいと思います。あなたの銀行の業務基準、業務規定といいますか、これを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/133
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134・古荘四郎彦
○古荘参考人 私のところは、貸し出しを申し込まれますと、一番下の方でまず調査をして、関係の係の人が全部判を押して、下から上に持ってきます。そうして、最後に、大きな金額については重役会の決議をする。これは、ほかの銀行の行き方とちっとも違っておらぬと思います。特別な規定は何にもございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/134
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135・春日一幸
○春日委員 重役会の議を経なければならない貸し出しのミニマムといいますか、大体いかなる金額でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/135
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136・古荘四郎彦
○古荘参考人 ただいまのところは、一人に対して三千万以上のものは、みんな軍役会にかけることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/136
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137・春日一幸
○春日委員 そういたしますと、このレインボーに関する貸し出し、あるいはその他いろいろあるわけでありますが、そういうような貸し出しは、みんな重役会の満場一致の議決が——満場一致でなくてもよろしいのですが、やはり議決は取りつけてはあるのでありますね。それを伺っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/137
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138・古荘四郎彦
○古荘参考人 全部関係者が判を押しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/138
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139・春日一幸
○春日委員 それでは、もう一つ伺っておきたいのでありますが、不良貸付、不当貸付とおぼしきものでありますが、この小倉誠という方、これは、三楽、コロンバン、丸千葉商会、これは目下休業中であります。こういうような、これまた料理屋またはレストランでありますね。ここへ一億五千万融資されて、これがまだ利子も払えないような状態で、目下焦げつきになっているそうですが、こんな事実もありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/139
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140・古荘四郎彦
○古荘参考人 私は、それは焦げつきとも何とも思っておりません。金額は幾らか覚えておりませんけれども、一億以上ありましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/140
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141・春日一幸
○春日委員 私どもが言っておりますのは、金融準則によると、サービス業、飲食店というものは、貸し出しを差し控えるべき範疇に入るべきものです。そういうところに何億、これは一つの例です。もっとあるのですが、私はくどくなりますから申し上げませんけれども、こういうサービス業や料理店に貸すなというわけじゃありませんが、あなたの県下に私は何回も遊説に行っておるのですが、中小企業者が、金詰まりと重税とでほんとうに困ってあえいでおる。そういう人たちには貸さないで、とんでもないこういう東京の大きな料理屋だとか、あるいは人跡未踏の北海道の山の中の阿寒鉱業だとか、そんなところに何億という金をやってしまって、そもそも地方銀行の使命というものは何と理解しておりますか。それはそれといたしまして、そこでお伺いをいたしますが、あなたは昨年の十一月に、株主総会で定款を改正されて、そうしてこの会長制を設けられたはずであります。だから、どういうわけで昨年の十一月にこの会長制を設けられなければならなかったのか、これは、大蔵省からの何らかの指図があったのでありますか、あるいはまた、株主問におけるそういう意見があったからのことでありますか、どういうわけでこの会長制を新しく設けられたのか、これを伺っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/141
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142・古荘四郎彦
○古荘参考人 どこからも指図を受けたのじゃございません。しかしながら、会長を設けるような機会が起りそうな感じがいたしましたので、重役会にはかってきめたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/142
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143・春日一幸
○春日委員 この制度を設けられて、本日までこれを実施されなかった理由は、何でありますか。たとえば銀行の株主総会は、半期目かと思うのでありまするが、そこで、少くともその会社の定款というものは、国の憲法と同じですね、だから、それを改正するということについては、よほどの理由がなければならぬ。よほどの必要性がなければならぬ。会長制を設けて、それを本日まで実施しなかったということについては、設けんとしたときと、設けられた後における情勢に相当な変化があったのではないかと思うのでありますが、この関係はいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/143
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144・古荘四郎彦
○古荘参考人 設けましてから、まだ総会がございません。臨時総会を開いて、会長制を設けるだけの時日がなかったのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/144
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145・春日一幸
○春日委員 そういたしますと、やがて株主総会が開かれるわけでありましょう。
ちょっと伺いますが、臨時総会でなければ、その会長というものは選任できないのでございますか、これは役員会、あるいは取締役会、そういうもので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/145
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146・古荘四郎彦
○古荘参考人 それは、取締役会でできますけれども、私の頭の中では、役員のかわるようなことを想像して作ったものです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/146
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147・春日一幸
○春日委員 役員がかわるということが想像される事態が、昨年の十一月にあったわけです。事態が穏やかならず、大蔵省もやかましい、検察庁も動き出した、これは、どうしてもある程度頭取さんとしては、この際責任をとらなければなるまい。しかしとるにしては、あなたがきれいに全然手を引いてしまったのでは、なかなかこの混雑しておる再建というものについてはおぼつかない御心配が、当然頭取の責任においてあったと思う。そこで、あなたは頭取を引いて、政府の指示によってしかるべき頭取を迎えるように、そうして、わしは会長になって再建を策そうとお考えになったと思う。さらばこそ、ここに定款を変更して、このような会長制をおしきになったと思うのでありますが、その程度の状況は、ただいま私が申し上げたようなものでありますか、いががでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/147
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148・古荘四郎彦
○古荘参考人 お考えに同調いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/148
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149・春日一幸
○春日委員 そういたしますと、古荘頭取、これは、なかなかいろいろな判断があるのでありますが、そこで、あなたは十一月には、もうおれは頭取をやめなければならぬ、こういうような心境になられた。またそういうような情勢は、客観的に必至の気配があった。それは、やろうと思えばやれるのです。今あなたは、臨時総会を開いてなどとおっしゃったけれども、実際は取締役会で、役員の変更をしようと思えば、やってやれないことはない。しかるに、あなたはそれをやらなかったということは、やるに及ばずという形になってきたわけなのだと私は推測せざるを得ない。昨年の十一月には、どうしてもおれはやめなければならなかった、けれども——私は毒舌を浴びせかけて恐縮ではありますけれども、この間においてさまざまな変化があったわけなのです。またあなた自体の運動もあったと思う。現に一月の七日に、あなたは、岸総理大臣と、それから某代議士と三人でいな垣で御会談になった。そうすると、岸総理はごきげん上等で、そこで、色紙をものしてあなたを激励したわけなのです。その後、うちの横錢君がいろいろと述べておられるところによると、これは、後日明らかになると思うが、真相はだれも知らない、当事者だけしが知らない。あなたの心の中には何かこたえるものがあるかないか、私は知らぬが、その横錢君の言われるところによると、一萬田大蔵大臣とも会われた。その他与党の責任者である幹事長とも会われた。その後さらにいろいろと情報が参っておりますが、あなたの千葉市におけるさる弁護士を介して、最も有力な人とも会談された。幾つかの会談が積み重ねられていったわけなのです。そうすると、あなたは、あなたに対する非常な攻撃といいましょうか、あるいは非難といいましょうか、そういうふうなものがだんだんと解消し、あなたの政治力によってこれがだんだんと押えられてきて、もはや頭取をやめるに及ばず、だから、こういう情勢においては、会長制なんというようなものはこのままにしておいて、頭取でやっていこう、こういう工合に心境の変化がもたらされたのではないか。さればこそ、この会長制というものが、設けられたまま空席で本日に至っておるのではないが、こういうふうに考えるのだが、これは、私の手前勝手な推測かもいれないけれども、どうしてもやめなければならぬというような昨年の情勢が、やめなくともよくして本日に至っておるについては、これは、何か相当の理由がなければならぬが、その理由は何でありますか、この際御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/149
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150・古荘四郎彦
○古荘参考人 今の御意見は、全部私は否認いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/150
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151・春日一幸
○春日委員 否認だけでは理解ができません。要するに昨年の十一月は、やめなければならないような事態であったとあなたはみずから述べられておる。しかるに、本日やめるに及ばずして、会長制は室席のまま、あなたは頭取のまま現状に及んでおる。これは、あなたが少くとも千葉銀行の定款変更までしてそういう会長制をしかれたことと、その後の実態とが、がらっと変ってきておるのです。これは、どういうわけでその会長が空席であり、あなたが頭取の現職にこの間まであられたのか、この点を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/151
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152・古荘四郎彦
○古荘参考人 私は、御説がもっともだと思うときは、全部同調しております。自分の意思に反して、あなたの御意見を反駁しているわけじゃございません。あの後の、さっき私が御意見に同調しますと言いました以後の御意見は、全部私の考えと違います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/152
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153・春日一幸
○春日委員 それでは、ただ一つ伺いますが、一月の七日、いな垣において、あなたは岸総理大臣とお会いになりましたが、そのとき、あなたは心の中にいろいろと悩みがあったであろう、当然この問題はお話にもあったであろうと思う。そこで、激励のために色紙をものされたということでありますが、あなたが岸総理大臣に対して、私は長い間お世話になったが、この際頭取をやめて、会長になろうと思うというようなことにも触れてお話があったと思うのですが、そのとき岸さんは、あなたにどういうような激励のお言葉をおかけになったか、ちょっと伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/153
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154・古荘四郎彦
○古荘参考人 はっきり申し上げますが、そのときは、金のことにも、政治のことにも何にも触れないのです。実に愉快に酒を飲んで、そうして、激励の言葉じゃございません、書かれた言葉は、決してそういう言葉じゃないものを書いてもらって——私ばかりじゃないです。そんなことを言っては悪いかもしれないが、芸者にまで書いて下さった。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/154
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155・春日一幸
○春日委員 そこで伺いますが、そのいな垣の会合は、大体何時から何時までその時間が持たれましたか、ちょっと伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/155
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156・古荘四郎彦
○古荘参考人 何時間か、やはり大体三時間か四時間になるでしょうか、よく覚えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/156
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157・春日一幸
○春日委員 実に三時間といえば、三六、百八十分、四時間といえば、かれこれ二百四十分、非常に長い時間ですよ。そんな三時間、四時間以上という長い時間を、あなたの心の中に去来するのは、あなたの心配です、もだえがある。実際こんなレインボーに対して、大へんな貸し込みでできてしまっておる。頭取をやめなければならぬかしれぬというような、そういう心境にあなたはあられた。そこで、とにかく一国の総理大臣、あなたとは親交のある岸さんとお会いになった。そのときあなたが、私は制度も、こういうことで会長制をひいたのだがというお話は、金のことでも何でもない。あなたが政治献金するとかなんとか、そんなことを言っておるのではない。こういうあなたの出所進退というか、あなたの心境というか、長い時間の間には——五分か十分の立ち話なら、話がそこまでいかぬでしょうけれども、お芝居のお話もあるであろうし、世間の話もあるであろう、さまざまなお話の中に、あなたの心の中を占めておるそのことについて、お話がなかったとは思えない。それをお話しになったとき、岸さんは何と言いましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/157
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158・古荘四郎彦
○古荘参考人 ちょっとおかしいですよ。私が何にも言わないから、岸さんが何とも言うはずはない、何とも言いません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/158
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159・春日一幸
○春日委員 それではもう一つ、逆なことでございますけれども、三年前に、千葉銀の労働組合の書記長の渡辺が公金を拐帯して、あなたに一書をものして——これは、岸さんと違った別の揮毫を残して、行方不明になったわけだ。この置き手紙には、どういうことが書いてありましたか、これをまず伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/159
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160・古荘四郎彦
○古荘参考人 もう古い話で、よく覚えていませんが、さんざん悪口を書いてありました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/160
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161・春日一幸
○春日委員 私たちが聞いたところによりますと、私は、ここで百万円か何かの金を持って逃げるが、おれが百万円くらい持って逃げたって、これは何だ、頭取、あなたは何千万円、何億という金を私しておる、私を告発してみるならしてみろ、あなたの非行をあばいてやる云々ということが書いてあったそうですが、大体こんな格好のものでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/161
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162・古荘四郎彦
○古荘参考人 私はそういうことは——悪口は書いてあったように思いますけれども、私の非行がどうだとかこうだとかいうことは、どうも書いてなかったように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/162
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163・春日一幸
○春日委員 なぜあなたは、一体この人をすぐに告訴しませんでしたが。少くとも公金、これは株主の金でありまして、これを持って逃げた。しかもさんざん悪口を書いて逃げた男を、どうしてあなたは即刻告訴しなかったのでありますか、その点のいきさつを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/163
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164・古荘四郎彦
○古荘参考人 これは非常にむずがしい問題で、告訴したがいいかしないがいいかということは、やはりわれわれ経営者として非常に苦慮したのです。しかしながら、警察の方には十分手を打って、北海道あたりまでも調べたわけですが、出てきません。もう少し力を入れたらば出てくるだろうということをいわれておりますけれども、なかなか出てこないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/164
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165・春日一幸
○春日委員 私が伺っているのは、なぜ即日、その被害が発生したときに、あなたの方が告訴されなかったが。犯人が遠いところに逃げていってしまっては、つかまりっこありませんよ。それから時間がたてば、問題がこんぐらがってきますよ。従って、犯罪が起ったとか、被害を受けたときには、捜査の便宜のためにも、また慣例もそここにありますが、すぐ告訴するのが普通です。ところが、あなたはそれを長い間伏せておいて、告訴されなかった。現在は、むろんそういう捜査の段階にありますが、告訴されなかったのは、どうも私どもは理解できない。どういうわけで告訴されなかったか、そういう点の事情を私は伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/165
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166・古荘四郎彦
○古荘参考人 告訴せずに伏せておいて、つかまえた方がいいと考えたがらです。あるいはすぐ告訴した方がよかったかもしれません。しがし、私たちは、いいと考えてみんなで協議をしてそうした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/166
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167・春日一幸
○春日委員 告訴しないで、だれがつかまえるのですか。告訴することによって、警察は活動を開始すると思うのです。あなたがそれを告訴しなければ、つかまえようがないじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/167
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168・古荘四郎彦
○古荘参考人 われわれの方では、手を尽すだけ尽して、自分のうちに人を張り込ませるとか、いろいろなことでつかまえられると思ったのです。それで、つかまえられなかったら、今度いよいよ告訴したのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/168
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169・春日一幸
○春日委員 まるでレインボーへの貸付のような御答弁で、日本では警察機関も検察機関も十分ありますのに、被害が起きたときに、自分の力でやれると思ったなんというあなたのおっしゃることは、全く常識の基準を逸脱することもはなはだしいと思うのだが、それでは、時間でありますから、最後だけ一つ伺っておきます。
この点はいかがでありますか。東日貿易で割り引いた一千万円の手形のことですが、一昨日伺いました、手形をレインボーに貸し与えた。なぜ貸したがという間に答えて、あなたは、これは銀行から貸してはいかぬ、貸されないという状態になっている、だがら貸しようがないがら、私の手形を貸した、こういうことをおっしゃっている。私は、どうもわけがわがらぬのは、そのときあなたは、銀行の現職の頭取でいらっした。しかも、一千万円貸すことは、本人のためにもというよりも、むしろ銀行のためにいいことだ、これを今つぶすよりも、生かしておいてあとで回収した方が銀行のためにいいという大確信の上に立って、これを貸したとおっしゃっていらっしゃる。だとすれば、いやしくも現職の頭取が、銀行のためにいいという確信だにあれば、一千万円ですから、あなたの方は十一億五千万円の貸付の残があって、そこに一千万円貸すことがこのレインボーの危急を救い、かつこれが銀行のためになると考えたら、当然重役会において、あなた自身重役を説得して、また頭取の権威において、それは銀行から正常に流し得べき立場にあったと思う。またそのことをなすべきであると私は考える。にもかかわらず、あなたはそのことをなさずして、きわめて安易に自分の手形を書いて、レインボーへ、これで現金にかえろや、こういうことをされたということは、どうしてもその辺の前後の事情から推して、われわれは理解できない。どうしてそのとき、頭取が銀行のために役立つと確信したら、そのような大きな貸付のある相手先に対して、一千万円の貸し出しが銀行から正常のルートでできなかったか、この点を一つ伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/169
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170・古荘四郎彦
○古荘参考人 きのうもおとといも申し上げた通りです。銀行からレインボーには貸さないということを申し合せておるわけです。そこで、これをほうっておけば、いよいよレインボーは不渡りを出すというような場合ですから、私は、自分の危険をあえてして貸したわけですが、いよいよその危険に遭遇したわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/170
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171・春日一幸
○春日委員 これは、レインボーを救済しなければならぬ。レインボーを救済することが、千葉銀行としてどうしてもとらねばならぬ道であると、あなたは頭取として判断されたわけですね。そうすれば、あなたが重役会の招集をして、これを説得できないはずはないと思う。あなたが重役会に言うてもだめだ、それならおれがやるというようなことでは、現実に重役を裏切る背信行為にもなるであろう。事情として、新しい取引先なら別です。ところが古くて、しかもそのような膨大な取引実績のある相手なんです。これに対して貸し出すのが銀行のために役立つ。このことをしなければ、レインボーは下渡りを出す。不渡りを出せば、銀行にはその泥がはね返ってくるということならば、当然重役会で説得して、千万円貸すべきじゃありませんか。現実に東日貿易に百万円——あなたが救わんとするところの相手は、銀行がら正常に借りれば千万円で役に立つものを、百万円という高利を払って、大きな損害を受けているのです。どういうわけでそれだけの労をとり得なかったのでありますか。この点が、どうも私にはわかりません。なぜわからぬかというと、この問題では、森脇君が全然別のことを言っている。森脇君は、その金は古荘さんが自分で現金を受け取られた。これは、東日貿易の方を証人としてここへ呼ぼうといたしましたら、東日の主人は、今私文書の関係で自由な立場におられないため、そういう形で真相を明かにすることができませんが、後日真相が明らかになると思う。森脇君は、頭取が千万円を東日で現金化されて手に入れられた、その一千万円は、レインボーにいっておる気配もないし、かつまた個人消費の額にしては大き過ぎる。従って、この金の行きどころについては、判断する人の判断しようによっては、おのずからさまざまな判断が出てくる、こういうことを言っておる。だから私は、ここにあなたが一千万円の約手をレインボーに貸すということの必然性、合理性を理解することなくしては、どうも森脇君の証言の方が正しいのではないかと疑われる。どうか、一つ合理性、妥当性、必然性、こういうものが成り立ち得る御答弁を願っておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/171
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172・古荘四郎彦
○古荘参考人 私の言うことが御信用できなければ、仕方がございませんが、それは、受け取った方の人にお聞きになればわかるでしょう。レインボーにお聞きになれば、一番わかります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/172
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173・春日一幸
○春日委員 問題は、そこなんです。私はきのう刑事局長にも申し上げた。だから、都合によっては、この問題の真相を確かめるために、坂内君を調べてもらおうと思っておったら、坂内君は、一昨夕処分保留のまま釈放されて自由。あなたとは古い御関係なんだから、この問題について質問があれば、どういう答弁をするか——悪い心ではないけれども、常人が推測すれば、さまざまな判断が成り立ち得る。口うらを合せようとすれば、すぐに合うのです。だから、森脇証言が事実かどうか。少くとも森脇君は、ここで宣誓を行なって、もしも偽証をすれば、刑事罰に問われるという厳しい立場に立って陳述を行なっておる。それとあなたとは違う。しかも、あなたの答弁の中には、非常に必然性がない。少くとも銀行の頭取が、頭取の現職にあって、この一千万円を貸すことが銀行のためになるという大確信をして貸したと言う。そういう大確信があれば、重役会でその賛成を取りつけることが可能であろうと私は考える。あなたは十一億五千万円を貸してきている、その頭取が、こんなに大きな政治力、指導力を持っておるあなたが、千万円の了解が取りつけられぬというはずは断じてない。だから、どうしても私は了解ができないのであります。しかしながら、この問題は、いずれ森脇君を再度ここへ呼んでいただくなり、金を渡しましたところの当事者をここに御出頭願うなりして、真相を明らかにしていきたいと思うのです。
約束の時間ももうだいぶ過ぎておりますので、これで終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/173
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174・奧村又十郎
○奧村委員 議事進行に関して、私は委員長に要求をいたしておきます。この大蔵委員会は、重要法案をたくさん抱えながら、千葉銀行事件について、大蔵省の金融機関検査がこれでいいのか、あるいは検察庁の検察行政がこれでいいのか、国会の行政機関を監視、監督する立場から調べてきたのでありますが、これの一応の結論をつけるために、私は委員長に要求いたしておきます。と申しますのは、どうもこの古荘前千葉銀行頭取が、何ら銀行のために悪いことをしていないというふうなお言葉が続いておる。もしそれがその通りであるとするならば、この言葉を裏返しますと、日本じゅうの銀行は、やはりこういうことをやっておるのか、また、そういうことをやっておって、大蔵省や検察庁が手を入れぬのかということにもなりますので、これは、もう少し究明しなければならぬと思う。私は、今までのこの委員会の審議における森脇将光証人なり、あるいは古荘参考人なり、あるいは大蔵大臣なり、その他の方々の答弁によりましても、どうも古荘前頭取は、数々の特別背任罪を犯しておられるという疑いが解けないのであります。従って、私は、まだまだお尋ねしたいことがある。しかし、特別背任罪があるとするならば、当然最高検察庁が処分をしなければならぬ。だから、その成り行きを見なければならぬ。しかし、坂内ミノブは、処分保留のままで釈放された、また古荘さんも、内々任意出頭で調べを受けたが、これも処分はされなかった。昨年から調べて、また検察庁の合同会議を今年の春開いて、十二分に調査して、しかも、手入れをしながら処分は保留しておるということについては、どうも私は、検察庁のあり方について疑いを持つのであります。また大蔵省にしても、今日のお話によりますと、大蔵大臣が、法律に基いて、千葉銀行の頭取に対して何ら勧告をしていない。個人的に話はしたが、大蔵大臣としての勧告をしていないと言う。この金融行政のあり方については、まだまだこれは追及しなければならぬことがある。しかし、これについては、まだこれから検察庁なり大蔵省が十分の処置をつけられることと思いますから、適当な時期に、当委員会であらためてこれを取り上げなければならぬ。こういう意味合いにおいて、委員長において善処せられまして、適当な時期に質疑の機会を与えられんことを要求いたしまして、私の議事進行に関する要求を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/174
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175・足鹿覺
○足鹿委員長 奧村君に申し上げておきますが、別に本問題の調査を打ち切ったわけでもありませず、調査はまだ続行いたしておりますし、昨日の残余の質疑等もあります。一萬田、唐澤両大臣に対する質疑も残っておりますし、その取扱いについては、理事会でよく相談をいたしまして、御趣旨に沿うように善処いたします。
石村英雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/175
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176・石村英雄
○石村委員 ごく簡単に古荘さんにお尋ねしますが、三十年の一月に大蔵省の検査を受けられて、いろいろと指示をお受けになったと思うのですが、その指示の中に、貸し増しを今後してはならないという条項もあったかと思うのですが、それは大体何件くらいで、総体の金額はどのくらいありましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/176
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177・古荘四郎彦
○古荘参考人 出し抜けにお聞きになりましても、覚えておりませんがね。何件あって、金額は幾らであるかということは覚えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/177
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178・石村英雄
○石村委員 大体の見当くらいは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/178
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179・古荘四郎彦
○古荘参考人 覚えておりませんので、ちょっと申し上げられませんが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/179
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180・石村英雄
○石村委員 御記憶がなければやむを得ませんが、その中に、坂内関係も入っておるわけなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/180
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181・古荘四郎彦
○古荘参考人 これは、ちょっと御質問が——一切これに貸し増しをしてはならぬというような指図というものはないのです。それは、これは相当注意をして、大いに回収に努めよということはありますけれども、貸し増しを絶対にしてはいかぬというようなお指図は、受けておらぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/181
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182・石村英雄
○石村委員 ちょっと大蔵省関係の答弁と違うわけなんですが、まあ絶対に一銭一厘もふえてはならぬという意味ではないかもしれませんが、大筋において、この関係については今後あまりふやしてはならないというような趣旨の指示はあったわけなのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/182
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183・古荘四郎彦
○古荘参考人 その通り、それはございました。その中にレインボーも入っておると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/183
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184・石村英雄
○石村委員 それからこの委員会で、いつも某代議士、某代議士で、質問者にも聞く人にも通ずる某代議士という名前が出てきますが、これは、坊政務次官じゃないのですが、それこそわからない某でございますが、某代議士関係も、その中に入っておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/184
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185・古荘四郎彦
○古荘参考人 某とおっしゃると、私も、幾らも某が出ておるので、わかりません。入っていたかもしれないが、わかりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/185
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186・石村英雄
○石村委員 それから千葉銀行と第一相互銀行との関係は、どういう関係にあるんですか。たとえば第一相互は、千葉銀行の子銀行と申しますか、系列銀行というような関係にでもあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/186
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187・古荘四郎彦
○古荘参考人 一時非常に親しくしておりました。今はもう一億円の貸し出しがあるだけで、全然何にもございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/187
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188・石村英雄
○石村委員 一時親しくしておったというのは、個人的な関係で親しいというのですか。何か資本関係なんかで緊密な連絡があったというような意味で親しいというのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/188
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189・古荘四郎彦
○古荘参考人 あそこの頭取と常務と、それから、そのほかに根橋という大蔵省の検査官をやった人がおりまして、そういう関係で親しくしておったのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/189
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190・石村英雄
○石村委員 そうしますと、レインボーへ第一相互が一億円貸して、その債権を担保として、第一相互にあなたの方で一億お出しになったというのは、レインボーへ千葉銀行として出すわけにいかないから、第一相互を通じて出したということに、結局はなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/190
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191・古荘四郎彦
○古荘参考人 そう言っていいか…、。私は、千葉銀行がレインボーに貸している額がふえてきましたから、これは、なるたけ額を減すために、ほかの方から借りられるなら借りさせようといって、いろいろやったものです。その一部なのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/191
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192・石村英雄
○石村委員 好意的にいえば、直接レインボーに貸してはいろいろ危険もある、第一相互を中に入れれば、それだけ安全性もふえる、こういうお考えであったというわけなのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/192
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193・古荘四郎彦
○古荘参考人 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/193
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194・石村英雄
○石村委員 次に、お尋ねしますが、加藤孝三という人は、どういう事業を営んでおる人なのですが。会社か何か知りませんが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/194
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195・古荘四郎彦
○古荘参考人 先ほどお答えしたのですけれども、これは、まあ総括的にいえば、金貸しでしょうが、元来は事業家です。これは、千葉県で事業をやっておったのですが、失敗して東京へ来て、金貸しをやったのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/195
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196・石村英雄
○石村委員 以前は事業家で、現在は金貸しをやっておった人——もうなくなったかどうか知りませんが……。千葉銀行として、この加藤孝三関係の貸付金がある、こうおっしゃったのですが、これは千葉県でいろいろ事業をやっておるときの貸付金なのですが、金貸し業になってからの貸付金なのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/196
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197・古荘四郎彦
○古荘参考人 千葉県では失敗しまして、その人の借金がほかの人に肩がわりされております。今、加藤孝三は、千葉県の仕事ではたくさんのものはありませんが、少しあります。千葉県でやはり仕事をしております。何か生命かなんかやっております。それに幾らかあると思います。しかし、大体は東京における仕事の貸し出しです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/197
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198・石村英雄
○石村委員 そうすると、東京における仕事の貸し出しとは、つまり千葉銀行が加藤孝三氏に貸しておる貸付金の内容は、加藤孝三氏が金融業としてやっておる業務に対する貸付金だ、こういうことになるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/198
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199・古荘四郎彦
○古荘参考人 それが、先ほどから出ている高利貸しをしているかいないかという問題に対する答弁のようになりますが、加藤孝三が仕事をしておって、その仕事の上でとった手形を割り引きしてやっているのがおもなるものです。その裏に、割り引きするために持っておる不動産を担保に入れておる。不動産を担保に入れて、商業手形を割り引きしてやったというようなのもあるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/199
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200・石村英雄
○石村委員 最初、加藤孝三さんかだれかが金融業、高利貸しだというような話が出たとき、私は、あなたがそんな高利貸しに金を貸してはおらぬとおっしゃるものですから、この高利貸しなるものは、単なるブローカー的な介入にすぎないのか、こう考えておりましたが、やはり直接には、その金融業者に貸しておられる、こういうことに結論はなるわけなんですね。加藤孝三がブローカーとして千葉銀行へその手形を持ち込んだというのではなくて、あなたの方でさらに割り引きせられた、こういうことですから、加藤孝三は、ちゃんとその中に入っているわけなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/200
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201・古荘四郎彦
○古荘参考人 金融業者が金を借りにきますと、それは、今のようなブローカーのものもあるし、自分が担保を入れておいて、自分が貸してやる手形を持ってくる場合もありましょうし、一がいにあなたのおっしゃるように、高利貸しに直接貸しておるという簡単なものじゃないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/201
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202・石村英雄
○石村委員 直接ではないかもしれないが、少くともブローカー的な介入ではないということを言われるわけなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/202
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203・古荘四郎彦
○古荘参考人 ブローカー的な介入もあります。それだから、今私が申し上げるのは、ブローカー的ばかりでもないし、高利貸しとしての借り入ればがりでもないということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/203
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204・石村英雄
○石村委員 その次にお尋ねしますが、古荘さんは、今度三月の終りか四月の初めかに、株主に何か文書をお出しになっていらっしゃるようですが、その文書の中に「当行は総ての点に万全の策を講じ御当局の御諒解も得御心配を御掛けする様のことは断じて無之」というようなことが書いてあるのですが、この「御当局の御諒解」とはどういうことをさすわけなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/204
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205・古荘四郎彦
○古荘参考人 私たちで御当局と言いますと、大蔵省がまず第一、その次が日本銀行です。日本銀行へ参りまして、こういうふうになったからお金を貸してほしい、よろしい、君の方には、預金額全額でも融通するという了解を得ているわけです。それから大蔵省にも同じことを申し上げておる。これは、大蔵省から金を拝借するわけじゃありませんが、こういう状態であるかと言って、御了解を得ているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/205
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206・石村英雄
○石村委員 つまり資金的な援助なり、その他行政的な援助を受けるということの了解を得た、こういうことなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/206
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207・古荘四郎彦
○古荘参考人 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/207
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208・石村英雄
○石村委員 では、これでけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/208
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209・足鹿覺
○足鹿委員長 横路節雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/209
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210・横路節雄
○横路委員 古荘さんにお尋ねをしますが、レインボーに対しまして、あなたの銀行からでなしに、よその金融業者からといいますか、そちらから借りるときに、あなた個人として保証されたことがございますね。その点、一つお尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/210
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211・古荘四郎彦
○古荘参考人 これは、保証というと、保証書を入れたとかなんとかいう意味でなしに、君やってやってくれというようなことを言うたことはあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/211
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212・横路節雄
○横路委員 実は、昭和三十一年の六月十三日に片山哲雄からレインボーはたしか一千万の融資を受けておる。そのときあなたは、何というのですか、保証書というのか、念書ですな、片山哲雄が三十一年六月十三日にレインボーに一千万円を貸した。それに、ちょっとあなたは署名なすっていたわけですね、それは口先だけでなしに……。今口先だけだとおっしゃるから、その点一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/212
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213・古荘四郎彦
○古荘参考人 それは、ほんとうは疑問があるのですよ。あれは、あそこにやったのじゃない。それは、私その証書を見ました。私は少し大胆かもしらぬが、どうも認めを一つ押したのじゃないかと思うのです。しかし、これは解決いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/213
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214・横路節雄
○横路委員 解決したかしないか、私は別にそのことをお尋ねしておるのではなしに、あなたが署名されて判を押されているのをちょっと見たものですから、それでお尋ねしたのです。
それからもう一つ。これは、先ほどからいろいろ話題に出ております加藤孝三からレインボーが三千九百万借りた。そのときに、やはりあなた個人として保証されておる。それがあとで、加藤孝三が森脇から金を借りるときに、その証書が森脇のところに渡っていったのだというようなことになって、そのときに、加藤孝三の方から、レインボーが金を借りた。それにあなたがやはり保証せられている。あなたの考えからすれば、名前を書いてちょっと判を押したということになるかもしれませんが、その点の事実はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/214
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215・古荘四郎彦
○古荘参考人 これは、加藤孝三が中へ入りまして、森脇の債務と加藤孝三の債務を整理します、いよいよその借金はこうするということになって、私が立ち会ったわけです。立ち会ったときに、加藤孝三の高利の利息がたくさん残っておる。この利息の上にまた君が高利を取るのはよしたまえ、それで安い金利にして……、非常な高い高利だから、これは負けたまえ。それは負けましょう、ただしこっちの方の金を返したならば、それは負けましょうということになったわけです。それで、整理のときに、それに対しては担保が、利息のようなものだからない。それで古荘さん、あなたちょっと認めを押しておけというので、私が押したのが間違いのもとです。それだから、私は証書に判を押したのじゃない。念書か何かに押したのがひっかかった。これは、何とか解決しようと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/215
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216・横路節雄
○横路委員 今のお話で事情がわかりました。加藤孝三からレインボーの坂内が三千九百万借りて、それで、あなたの名で認めを押されておるということが、よくわがりました。
次に、きのうここに法務省の刑事局長がきまして、レインボーの坂内の事件ですね。三月二十四日に逮捕状が出て、四月の十五日に拘置満了で釈放されている、あれは詐欺の容疑事件なんですね。その詐欺の容疑事件というのは、三十一年に東京証券金融ですか、それの担保八千万、これを抜いてくれれば、勧銀から四千万借りられて、その四千万はあなたの方にお返しするからということでありましたが、そこで、あなたのお話を聞いていて、何かあなた御自身としては、別にその件については、まだ被害を受けたとは感じていない。そういうようにたしか春日委員かに答弁されたと思うが、やはりそうでございますか。今でもその件については、別に被害を受けたとはいまだ感じていらっしゃらないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/216
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217・古荘四郎彦
○古荘参考人 被害を受けるかもしれませんが、まだ向うは、これを返すべくいろいろな手段を講じて、現実にその金額に相当するものを、平河町の土地に抵当権をつけてあるのです。それがそのまま売れれば、その千万円はこちらへ返ってくることになるのです。そのほかに、いろいろな整理について約束しつつあるときに、あの千万は先に返します、返しますということを、たびたび私と約束ができておるわけです。それですから、その約束が履行されれば、担保を抜いても、こちらは被害を受けなかったんじゃないか。見方によっては、被害を受けかかったようにも見えるのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/217
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218・横路節雄
○横路委員 担保解除の件は、昭和三十一年の十二月二十八日、官庁の方は、世間でいういわゆる御用納めという午後の一時に、いわゆる抵当の解除について登記が終っているわけです。そのとき能重という当時の支店長は、どうもこれはおかしいというので、いろいろ疑問に思ったが、あなたの方から電話で、ぜひやってやってくれ、こういうことでやったんだ、こういうように聞いているのですが、やはりあなたの方で、あなた御自身が頭取として、東京の支店長の能重氏にぜひ担保を抜いてやってくれ、こういうようにおと電話なさったわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/218
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219・古荘四郎彦
○古荘参考人 これは、私がそのときは病院に行って寝ているときなんです。それで専務——そのときは専務ですが、専務や常務を呼びまして、これは大丈夫だから——そのときじゃないと思います。大丈夫だから抜いてやって、金さえ入ればいいじゃないか。これは、どういうわけかというと、勧業銀行から金を四千万借りるのには、こちらに抵当権がついていると、勧業銀行あたりは規則で貸さないというのです。だから、抵当権を抜いたきれいな権利書がほしい。それはもっともだから抜いてやったらいい、それで、金を借りるまでこっちもひっかかりをつけることはないじゃないかということでやった仕事です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/219
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220・横路節雄
○横路委員 今のお話で、あなたは当時病院に入られておったが、専務、常務をお呼びして、大丈夫だからというあなたの考えでそういうことになったという事情は、よくわかりました。
そうすると、私は、東京地検にしろ最高検にしろ、実におかしいと思うのです。一年以上東京地検は特捜部で捜査して、そうして、今の件について、これは詐欺容疑だ、詐欺の件については、別に親告じゃないから。実はおれの方でやったんだ、こういう。当事者のあなたは、いや大丈夫なんだ、別に被害を受けていないのだ。そうすると、これは、全く東京地検なり最高検の行過ぎだと思うのです。あなたはそうお思いになりませんか。あなた御自身が別に被害を受けておらない、しかも平河町の地所が売れれば大丈夫だ、こう自分で思っている。それを、東京地検では、一年以上その件について捜査をして、そうしてこれは大丈夫だ、こういって、やはり相当な事情があって逮捕した。この東京地検や最高検のやり方を見て、あなたのお話を聞くと、これは非常に不届きだ。あなた自身、そうお思いになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/220
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221・古荘四郎彦
○古荘参考人 私は、地検とか、そういう方面のお仕事に対しては何とも言いません。しかし、私はそう感じております。地検から調べられましたときにも、今申し上げた通りに言ったんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/221
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222・横路節雄
○横路委員 私は、あなた自身がそういうようにお思いになっていることは、当然だと思います。
もう一つ、この問題については、詐欺容疑だということもありましょうけれども、先ほどあなたが不用意におっしゃいましたか、大した、そう重く考えられないでといいますが、認めを押されたということでだいぶレインボ—は、他の金融業者から金を借りるときに、一応あなたが保証したということになっている。そうして地検では、それは詐欺の疑いがある。しかし、あなた御自身は、どうも何も詐欺じゃないのだ、こう思っている。背後には、東京地検の方では、どうもあなたのこのやり方というものは、頭取として、その職にある者として、これは第三者のために利益を与えるような行為ではないか、そのことは、銀行に迷惑を及ぼすんじゃないかという、私は、詐欺容疑のこともありましょうが、そのうしろに、あなた自身に対するところの背任という点等の疑いも、私は地検で持たれたのだろうと思うのですが、その点については、あなた御自身は別に銀行に対しては、全然レインボーについては迷惑をかけてない、レインボーの件については、今でもそうお思いになっていますか、それとも、これはやはり少し行き過ぎだ、銀行には迷惑をかけているなとお思いになりますか。その点は、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/222
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223・古荘四郎彦
○古荘参考人 今の千万円だけのお話ならば、迷惑をかけてないと思います。これは、すでに貸していた担保を一時抜いてやっただけで、その担保のものは、まだどこにも利用せずに向うは持っているのですから。しかし、レインボーの問題については、私は行き過ぎだと思っています。それは、私はそう認めています、自分自身が。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/223
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224・横路節雄
○横路委員 私、これで終りたいと思いますが、今古荘さんのお話で、東京地検がレインボーの社長坂内に逮捕状を出して逮捕した四千万円の抵当権を抜いた件については、古荘さんとしては、何ら迷惑をかけてない、自分のやったことは間違ってないのだという。その間違ってないと本人が考えているものを、東京地検が一年も捜査して、そうして、十分事実があるとして詐欺の疑いで逮捕したということについては、それは、だいぶ私は問題があると思う。これは、先ほど奥村君からもありましたけれども、やはり適当な機会に、この点については坂内氏等についても、参考人として呼ばれるような機会をぜひ考慮してもらいたい。
以上で終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/224
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225・足鹿覺
○足鹿委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。
参考人には、御多用中のところ、長時間にわたり出席をいただき、ありがとうございました。
暫時休憩いたします。
午後一時二十三分休憩
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午後六時二分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/225
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226・足鹿覺
○足鹿委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
金融に関する件について質疑を続行いたします。横山利秋君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/226
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227・横山利秋
○横山委員 正力国務大臣に本委員会へおいでを願いましたのは、すでに御存じのように、先般千葉銀行事件につきまして調査をいたしております当委員会に出て参りました森脇将光証人が三月十八日、「中洲の喜可久において、ある会合があったことは事実であります。そのとき私が知っております範囲は、唐澤法相と正力国務相と中山貞雄と古莊頭取であったと記憶しております。こういう証言をいたしたものであります。唐澤法相ももちろんきわめて重要な職務についておられる方でありますが、あなたはまた警察関係を担当されまして、実に重要な職務であります。本事件を調査をいたしております警察関係の最高責任者として、もしも森脇証人の言うがごとく、この種の会合に出席をせられておるといたしますならば、これは国民の疑惑を待つまでもなく、国務大臣としてその地位にあることはできないのではないかと想像されておるのであります。従いましてあなたにお伺いをいたしたいことは、三月十八日、この森脇証人の申しましたように、中洲の喜可久に出席をしておられたのであるかどうか、それをまず明白にお伺いをいたしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/227
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228・正力松太郎
○正力国務大臣 三月の十八日には、古荘君がすでに申しました通りに、私は出席いたしておりません。のみならず、古荘君とは二年来ほがでも会ったこともありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/228
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229・横山利秋
○横山委員 森脇証人は、この点に関しまして、二度、三度与野党の委員に対して証言をいたしております。これは宣誓をいたしましての本委員会での証言でございますから、きわめて森脇証人としても厳粛な立場でせられたことと思うのであります。それでは私がお伺いをいたしますが、三月十八日あなたがここへ出席をしていないという確証がおありであろうか、それを裏づけする何かの確証をお持ちでありましょうか。その点を重ねてお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/229
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230・正力松太郎
○正力国務大臣 三月十八日はちょうど予算委員会がありまして、予算委員会が晩の七時ごろまで続いております。その予算委員会が終了してから、公安委員長室に帰りまして、来客がありまして、それから自分のうちに帰りました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/230
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231・横山利秋
○横山委員 きのうも唐澤法務大臣においでを願ってお伺いをしたのでありますが、事重大な問題でありますだけに、唐澤法務大臣は詳細にわたってその日の自分の行動について記録を持って参られまして、ここで重ねて、自分の職務上かかる疑惑を持たれたということは、何としてもがえんじないところである、法の威信にかけて自分としては絶対に潔白を証明しなければならぬと、こういうふうにおっしゃったのであります。本日あなたの御答弁は、何といいますか、さっぱりしているようではありますけれども、もう少し克明に、おうちへお帰りになったのは何時であるか、そうしてこれはどういうふうに証明されるのか。これは私が国民にかわってあなたに聞いておるのであります。私に答える気持であってはならぬのであります。あなたが十分にその点を、私を通じて国民の諸君に、こういう事情であったから、私はそのような会合に出ていないならいないというふうに、克明にお話をなさることが必要であろうかと思います。重ねてあなたの詳細な御答弁をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/231
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232・正力松太郎
○正力国務大臣 先ほど申し上げました通りに、十八日の夕方、七時近くまで参議院におりまして、安部委員の質問に答えております。それから公安委員長室へ帰りまして、河原という新聞記者に会っております。それから七時四十二分の汽車で逗子のうちに帰りました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/232
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233・横山利秋
○横山委員 新聞記者にお会いになったとすれば、これはその新聞記者が証明できるかもしれません。しかしその後のあなたの行動というものは、近親者以外には証明する者がないように私は思うのであります。おそらくこの中洲の喜可久における会合というのは夜であろうし、夜ふけであったかもしれないのであります。あなたのその後の行動について証明する者がないとすれば、やはり多少の疑惑が残るのを余儀なしとしないのであります。私は今ここでその御本人であるあなたから聞くのがまず第一の順番であります。ほんとうならばそれを裏づけする人に聞くのが当然であろうと思います。しかしもう時間がございません。ここで森脇証人の言うのが事実であるか、あなたの言うのが事実であるか、何とかこの際、警察担当の大臣であるあなたの行動について立証を何かの形でなさなければならぬと思います。その点につきまして、大臣、きのう唐澤法務大臣は本委員会において、いろいろな問題があるけれども、井上委員の質問に答えて、私としては提訴したい、こういうふうにきっぱりお答えになりました。本日の夕刊を見ますると、唐澤法務大臣は森脇氏を告訴すると、閣議後の新聞記者会見で語られたそうであります。私はこの告訴する結果というものがどういうことになるか、一時も早くその結果を、政治を明朗化するために、得たいと思うのでありまするが、あなたはどういう処置をなさろうとするのか。これまた重要な職にある大臣としてのお考えを明確にされたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/233
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234・正力松太郎
○正力国務大臣 先ほどのお尋ねによりますと、何だか私がはっきりせぬようでありますが、そうではありません。先ほど申したごとく、参議院の予算委員会で、確かに六時四十分ごろ安部参議院議員に私が答弁しておる。これはりっぱに参議院の記録に載っております。それから公安委員長室に行ったことにつきましては、その会った記者も知っております。またそのときの秘書、その他二、三の者も知っております。そうして七時四十二分の列車に乗りまして、そうして逗子へは八時四十分に着いております。これはりっぱに証拠があります。それから、なお唐澤法務大臣が告訴をしたから、私がどうするかについては、よく考慮いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/234
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235・横山利秋
○横山委員 これがほかの大臣であったらそれで済むかもしれません。一般の職務をつかさどっておられる大臣であるならば私どもはこうも言わないのであります。それからいま一つは、あなたは八時何分かにおうちへお帰りになったというけれども、しかし、この中洲の喜可久における会合については、時間が明示されておらないのであります。あなたの言うところの証言は、さる方々については時間が一定の時限における証言になるでありましょう。そうだといたしましたならば、このような時間についてはどうなるのかという問題があるわけです。しかし私は今ここであなたに対して最後の御質問をいたしたいのは、あなたが警察を担当しておられる。警察は地検等と相待って千葉事件の調査をしておる。この調査をしておる一番最高責任者のあなたが疑惑を受けたということです。従って法相は森脇氏を告訴するにしても、おれは別だ、そうは参りますまい。あなたもここで身の潔白を証明をする決断というものが必要なのではないか、こう申し上げておるわけであります。この点を十分御理解の上、確たる答弁を願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/235
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236・正力松太郎
○正力国務大臣 私は私のアリバイについては、さっきも申し上げました通り、ちゃんと運転手に聞いてもわかるのであります。それから繰り返して申しておきますが、古荘君は、私は二年来古荘君に会ったこともありません。これは古荘君に聞けばわかる。従って料理屋などではもちろん会っておりません。これは古荘証人に聞けばわかります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/236
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237・横山利秋
○横山委員 これは水かけ論に終るおそれがありますから……。しかし何かが事実であります。あなたが言うのが事実か、本委員会において正式に証言をいたしました森脇証人の言が事実か、どちらかが事実であります。しかし今日、あなたから言わせるならば、あなたは被害者だ。被害者が、おれはこうだとおりしゃる。それだけでは済まぬじゃないか。しかもあなたのおっしゃる点は、一定の時限においておれはこうだったとおっしゃるけれども、その時間以外については、あなたは言ってはいらっしゃらないではないか、こういうんですよ。従ってあなたがおっしゃるように、古荘と二年以来会ったことがないとおっしゃるけれども、それではかりに森脇の言うことが事実であったということが何かの機会に証明をされたら何となさるか。かりに法務大臣が森脇氏を告訴する、森脇氏がまたこれに対して、そんならおれもはっきりこの間言わなかったことを言うというて、あなたについてもこうなんだという、今おっしゃった以外の時間であなたが出席しておったと言ったなら何となさる、こういうのですよ。従ってあなたは、私の聞いているのは、法務大臣がこれほどのかたい決意を持っておるのに、警察担当の大臣であるあなたが、おれの言うことは間違いがないのだから、これで白だと言ったって済まぬではないか、こう言っているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/237
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238・正力松太郎
○正力国務大臣 先ほど申し上げました時間の点についてなお念のために申しておきます。その日の十時には赤城農相を羽田へ送っております。それから衆議院の科学技術委員会に十二時ごろまで出ております。それから十二時半から閣議であります。それから三時半からは衆議院の科学技術委員会にまた出席をしております。そうして四時から参議院の予算委員会に行っております。そうして六時四十分まで出席しております。それから公安委員長室に行っております。それから七時四十二分の汽車で帰っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/238
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239・横山利秋
○横山委員 私の聞いておることに対してそういうふうにおっしゃるならば、私は最後まで言わざるを得ぬ。それでは、うちへ帰ってからの時間は、あれからどうなりましたかということになります。うちへ帰ってから擬ましたとあなたは言うに違いない。ほんとうに寝ておったかどうかということになると、家人の証言ということになります。そこへいけば、私はあなたの潔白を証明するものはこれは近親者以外にはなくなるのではないか。お互い政治家として、夜のおそくなるのはありがちのことなんです。うちへ帰って、こういう秘密の会合でございますから、もう一度何かのことで出かけるということはあり得ないことではないでありましょう。私の聞いておるのはそういうことではない。私の聞いておるところはきょうは時間がありませんから端的に私は聞いておるのです。もしもあなたはそれはおっしゃるけれどもそうでなかったらどうなさると聞いておる。それに対して唐澤法務大臣はそうではない、私はそうではないけれども、しかしそういうことを法務大臣ともあろうものが、ぬれぎぬを着せられたとしたならば、私としても法の威信にかけて断固たる立場に立たざるを得ぬ。こういうことを約束された、本日告訴をされた、こういうことを決定されたそうです。あなたは今、おれは法務大臣とは違うのだ、こういう立場でしょう。あなたがどうしても法務大臣と同じように警察を担当せられている大臣として、それこそまたその法の威信にかけてという点については、どうもあなたの言葉は濁っているような気がする。その点に対してあなたの決断を最後に私は聞いておきたい。その決断さえはっきり聞かしていただければ、私はそれで質問を打ち切ってもよろしいと、こう言っておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/239
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240・正力松太郎
○正力国務大臣 私も大臣の職を汚しております。私の言うことに間違いがあったらむろん重大な決意をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/240
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241・横山利秋
○横山委員 そういたしますと何ですか、大臣は唐津さんと違って——唐澤さんはきょうからさらに一歩を出して法の威信のために自分の置かれておる立場から考えて、さらに一歩を越えて森脇氏を告訴をする、こういう決意を表明せられておる。告訴をすると言うておられる。それであなたはその点についてはおれはやらぬと、こういうことをおっしゃるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/241
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242・正力松太郎
○正力国務大臣 私は、告訴をしたいとは申しません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/242
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243・横山利秋
○横山委員 その理由はいかなる理由でございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/243
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244・正力松太郎
○正力国務大臣 あまりにも明白であります。私は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/244
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245・横山利秋
○横山委員 何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/245
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246・正力松太郎
○正力国務大臣 私は、私がもしも間違ったら、自分としては重大な決意をします。また場合によっては告訴もいたしましょう、向うが間違っておるなら。それはまだ決意をしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/246
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247・横山利秋
○横山委員 私の言うことには間違いない。私の言うことが間違っておったならば責任をとります。あるいはまた告訴もいたしましょう。まあお答えはそういうことであります。しかし今や国会はいろいろな事情から最終段階であります。あなたがここで国民の前にこの問題について正式に国会を通じてものが言える最後の段階だろうと思います。その段階において唐澤法務大臣のきのうの言明及びきょう夕刊に記載されておりますこの決意とあなたとは若干の違いがあるように私は思うのであります。これは私は名誉棄損罪で唐澤法務大臣が告訴をすると、新聞記者会見で所信を明らかにされたことは、きのうはおっしゃってはいませんでした。しかしきのうまさに唐澤法務大臣は井上良二氏の質問に答えて、善処をいたします、その決意はじきに明らかになるでありましょうし、あなたの意見と同様となるでありましょうと言われた。きょう短かい時間ではございますけれども、あなたの御意見が唐澤法務大臣の行動及び言明と若干違っておる点があるので、私は一まつの不安なしとしないのであります。私の質問はこれで終りますが、しかし私が言うところの一まつの不安なしとしないという点について、正力国務大臣からお言葉があるならば、最後にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/247
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248・正力松太郎
○正力国務大臣 先ほど申し上げた通りで、別に繰り返す必要はありません。私の言葉に間違いがあったら責任はもちろんとります。また絶対に間違いないと確信しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/248
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249・横山利秋
○横山委員 これで質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/249
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250・春日一幸
○春日委員 関連して。大体あなたの言わんと欲せられるところは述べられたと思うし、承わったと思うのですが、唐澤さんはあなたと同じように、俯仰回顧天地に恥じず、必ず私は出ていないと言っておられた。にもかかわらず、検察行政の責任者たる立場において、みずからの潔白を立証するの必要を認められた。そこで森脇君を名誉棄損ということで告訴するということを本日明らかに言明された。ところが同じ立場にあられるあなたが、しかもただいま横山君の述べられた通り、警察大臣たるあなたが、唐澤さんがとられた道をとられないということは、何かそこに特別の理由があるのでありますか。この点を一つお答え願いたい。同じ国務大臣であり、片っ方は検察行政の責任者、片っ方は同じく警察行政の最高責任者である。片っ方はなお身の潔白を立証することのためには法的措置をとると言われたが、あなたはそのことをあえてなさらない。ここに私は相違点があると思うのだが、何がゆえに唐澤さんがおやりになることを、あなたはおやりになり得ないのであるか。その理由を明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/250
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251・正力松太郎
○正力国務大臣 私はやり得ないことは絶対にありません。必要と認めれば告訴をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/251
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252・春日一幸
○春日委員 本日の段階においては、昨日唐澤さんは、われわれはかくかくの次第で、従って何らやましいことはない、けれども国民に負うておるその立場から、これはどうしても何らかの措置をとらねばならないが、これについては慎重に検討いたしておる、しかし、検討の結果本日これを名誉棄損でありますか、告訴の手続をとるということを言明されたわけであります。そこであなたのとられるべき態度について、横山君が質問されましたが、あなたは唐澤さんのおとりになったその措置をあえてとらないとするならば、そのとらない理由は何であるか、これを一つ伺っておきたいと思います。何かその立場上唐澤さんの立場とあなたの立場と、またはその内容、実態等について相違があるのでありますか。その点はやはり国民があなたに警察行政を信託しておる立場において、この点をやはり国民の前に明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/252
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253・正力松太郎
○正力国務大臣 私は一つも唐澤君の立場と違いません。必要とあれば告訴をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/253
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254・春日一幸
○春日委員 唐澤さんは断じて顧みてやましいものもないし、なお述べたところによって明らかにはなったと思うが、しかし必要とあればその措置をとろうと考えて、熟慮の結果必要を認められて、ここにその手続をとるべき旨明らかにされたわけであります。あなたは必要とあらばその措置をとると言われるのでありますが、一方同様の立場にあり、同様の内容の事柄について、一方は必要と認められたのでありますが、あなたは本日の段階においてその必要をお認めになりませんか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/254
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255・正力松太郎
○正力国務大臣 私は必要とあれば告訴もいたします。また唐澤君の立場と同じことでありますから、必要と認めれば告訴をいたします。断じてやましい点はありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/255
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256・春日一幸
○春日委員 だから私がお伺いをいたしておるのは、同様の立場にあられるところの唐澤さんが、同様の内容の事柄について必要と認められたわけであります。時限的にも、唐澤さんの問題とあなたの問題とは、同時にここで発生したわけであります。従って手続をとられるにつきましては、一方がその手続をおとりになったら、あなたもやはり時限をひとしくして、その手続をとられてしかるべきだと思うわけであります。国民の受けるところの疑惑は、片っ方はその必要を認めて手続をとられたのに、片っ方は同じ立場にある正力さんがその必要を認められないということは、この手続を避けることのために何らか特別の事情があるのではないかと、こういう疑惑を持つ場合なしとしない。私はあなたのために申し上げるのでありますが、片っ方がおとりになったような態度を、疑惑を払拭するためにあなたはおとりになってしかるべきだと思うが、これの相違点について何か事情があるのでありますか、明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/256
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257・正力松太郎
○正力国務大臣 一つもやましいことはありません。従って唐澤君の立場とも同じことだと思いますが、なおよく考慮いたしまして、断じて潔白を明らかにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/257
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258・春日一幸
○春日委員 片っ方の唐澤さんはすでに告訴の措置をとる旨を明らかにされておるわけであります。あなたも今ここで私がお伺いをいたしますからには、そういう告訴の手続をおとりになる決意であるか、あるいはそのことをおやりにならぬのであるか、この点一つ伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/258
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259・正力松太郎
○正力国務大臣 やらぬとは申しません。必要とあればやります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/259
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260・春日一幸
○春日委員 唐澤法務大臣は、あなたのような意地の悪い答弁をなさっていない。あなたがそういう意地の悪い答弁をなさるなら、私もいつまでもその点を明らかにしていきたいと思う。唐澤さんは同じ時限で起きた問題で、同じような形態の事柄について、必要を認められて告訴するということを明らかにされた、決意を表明されたのであります。私はあなたに伺っておるのは、やはり警察大臣、検察大臣、これはともに国民の前にそのいさぎよさを明確に立証しなければならぬという必要性があると思う。従いまして今ここで必要があればその措置をとると言われておりますが、片方はすでに必要ありとして告訴の手続をとる決意を明らかにされておる。今やあなたもその決意を私の質問に答えて明らかにさるべき段階であろうと思うのでありますから、必要があれば手続をとるとかなんとかいうことでなしに、今必要を認めておられるか、あるいはまた唐澤さんと同じような措置をおとりになるのであるか。この点を明らかにしていただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/260
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261・正力松太郎
○正力国務大臣 何べんも繰り返すようでありますが、私は、当日古荘君が私が出ていないということを明言しております。また私のアリバイも説明がついておりますから、大した必要はないと思いますが、それでもなお世間がかりに御注意のように疑惑を持っておるとすれば、告訴いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/261
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262・春日一幸
○春日委員 唐澤さんは昨日あなたと同じように、やはりその記録に従って、ここで詳細明確に述べられた。私自体の立場においてはこれで明確になったとは思うけれども、私の置かれておる立場が立場でありますだけにと前提されて、いやしくもどんなに少くても疑惑がかかるということは、立場上好ましい状態ではない、従って必要あればその措置をとると言って考えられた結果、本日に至ってその手続をとることを明らかにされたわけであります。そこであなたも私の質問に答えて、何回か繰り返すようでありますが、同じ立場にあられて、同じ時期に発生した問題であります。それを同じような立場において払拭するために、疑惑を一掃することのために、その手続をおとりになってしかるべきものであると思う。片方の唐澤大臣がおとりになっておらなければ、私はこのような質問をいたしません。本日唐澤さんはその手続をとることを明らかにされた。そうしてあなたが今それをおとりにならぬというようでは、これは唐澤さんはあれほど俯仰回顧天地に恥じない、そうして述べられたところに確信を持ってやっておられるが、しかし、正力さんについてはその手続をおとりにならぬというのでは、何かこの発言問題について、すなわち森脇証言について、その実態があなたと唐澤さんとの間には多少の違いがあるのかしら、その疑惑を持つことは、これは当然だろうと思う。すなわち警察行政の最高の責任者たるあなたが、これは、やはり唐澤さんと同じような立場において問題の処理をはかられるのが至当であると考えるが、この点いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/262
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263・足鹿覺
○足鹿委員長 静粛に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/263
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264・正力松太郎
○正力国務大臣 私は、その手続をとらぬとは申しません。必要なればとります。御好意のほどは感謝いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/264
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265・春日一幸
○春日委員 片方はとると明らかにされました。あなたがとるとここで明らかにされない理由は何でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/265
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266・正力松太郎
○正力国務大臣 一つも何らの理由もありません。従って、私はとらぬとは申しませんが、何も今この場ですぐ告訴すると言わなくてもいいじゃないかと私は考えておるのであります。私は庸澤君と立場は一つも違いありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/266
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267・春日一幸
○春日委員 唐澤さんは、本日の夕刊をごらんの通り、新聞記者団に、告訴の手続をとると、このことを明らかにされました。私は、あなたにおとりになりますか、おとりになりませんかと、これをお伺いいたしております。おとりになるならばおとりになる、おとりにならなければおとりにならない、これを明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/267
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268・正力松太郎
○正力国務大臣 たびたび繰り返すようでありますが、告訴の手続をとらぬとは申しません。私はよく考えて、必要ならとります、こう申しているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/268
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269・春日一幸
○春日委員 今その必要をお認めにならないとするならば、その理由は何でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/269
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270・正力松太郎
○正力国務大臣 何もとらぬということは申しませんので、告訴をすることについては、なお一応考えるというだけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/270
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271・春日一幸
○春日委員 それでは、私はかくのごとくに理解して差しつかえありませんか。唐澤さんは、あなたと同じようにアリバイをあげられて、省みて何もやましくない。そこには出ておりません。述べたところによって御理解願えると思うが、私の置かれてある立場が立場であるだけに、私は、ことごとくこの疑惑を一掃するために必要な措置を考えてみたい。考えられた結果、告訴手続をとることを本日新聞記者団に明らかにされました。そこで私は、時限的にも、また内容的にも同じ立場にあられておりまするあなたが、本日この段階において、唐澤君のとったと同じ措置を私もとろうと思う、こういうことを述べられれば、なるほど両者ともことごとく実態はそうではなかったなと、国民は受け取るし、私も少くともそう受け取る。ところが、唐澤さんはおとりになるけれども、あなたはなおそのことについては考慮を要するということなんですね。だから、おとりになるという決意の表明を、なお熟慮してみなければ決断ができないということでは、やはりそこに相当の内容に相違がある、かくのごとくに私は理解してもやむを得ないと思うが、それで差しつかえありませんか。国民もまたそのように判断するかもしれませんぞ。この点、明らかにしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/271
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272・正力松太郎
○正力国務大臣 唐澤君とは一つも立場の違うところはありません。しかし、何も今ここで告訴しますと言う必要はないと思いますから、よく一つ考えてみます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/272
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273・春日一幸
○春日委員 ずいぶん意地っぱりな御答弁で、それでは、私は私なりに解釈するよりしようがない。これでは唐津さんのおとりになった態度と、あなたのおとりになっておる態度とは、現実にここは相当の開きがある。従いまして、そのもとにも相当の相違があるものと理解をいたしまして、私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/273
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274・足鹿覺
○足鹿委員長 次に、千葉銀行における貸付業務に関する問題について、次のごとき決議をいたしたいと存じます。案文を朗読いたします。
千葉銀行における貸付業務に関する決議
本委員会に於て、千葉銀行の経営に関し、政府、銀行関係者並びに証人参考人等を招致して事態の真相を調査追求した結果、同銀行に対する大蔵省の監督には極めて遺憾の点が数多く認められる。
仍って金融機関の公共性の保持と預金者の保護に万全を期することは、大蔵省の責任であり、義務である。
大蔵省はこの趣旨を体し本件の経緯にも鑑み、千葉銀行に対する善後処理については勿論一般金融機関の監督上遺憾なきを期すべきである。
右決議する。
以上であります。
本決議案について横山委員より発言を求められておりますので、これを許します。横山利秋君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/274
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275・横山利秋
○横山委員 私ども社会党は、ただいま委員長から御発表になりました決議案に賛成をいたします。ただしかし、この際私どもとして、その立場を明らかにいたしておきたいと思うのであります。
本来私どもが、千葉銀行に関連をする諸問題につきまして、政府、銀行関係者、並びに証人、参考人を招致して事態の真相を追及しようといたしましたゆえんのものは、金融を健全ならしめるとともに、政界に対する疑惑を明らかにすることにほかならなかったのであります。ここに一応中間的な措置とも言えます決議案を本委員会において可決するに際しまして、私どもとしては、その他の問題について、どうしても政府において善処をせられる必要があると痛感するのであります。
その第一は、決議案にもございますように、銀行を監督し指導する大蔵大臣の責任と権限は、法律によって明らかなところであります。すでに大蔵省は、千葉銀行を歴年監査して、その経営の失態を明白に知悉していながら、次第に不良貸付を増大させ、ついに今日の事態に陥らしめ、貯金者に多大の不安を与えつつある責任は免れがたいところであります。のみならず大蔵大臣は事情を知悉しながら、本年二月、かくのごとき事態にある千葉銀行の古荘頭取に対し、一方で金融を停止しながら、他方では融資を望んでおられる者を紹介するがごときは、軽率きわまることでありまして、その職務に忠実であるとは言いがたいのであります。この際政府は、大蔵大臣以下大蔵省関係者の責任の帰趨を明らかにすべきであると考えるのであります。これが第一であります。
第二番目は、唐澤法務大臣、正力警察担当国務大臣が、証人森脇将光氏によって千葉銀行事件に関連あるがごとき証言をされたことは、その職務上国民に与える影響きわめて重大なものであります。従って、両大臣はすみやかに成規の手続を踏んで、その曲直を明らかにすべきであると考えるのであります。
第三は、岸総理が一月初旬、問題の渦中にあります古荘頭取と料亭において会談をした事実が、国民の疑惑を招いたこともはなはだしいものであります。この際岸総理は、会談の経緯を明らかにすべきであると考えるのであります。
第四は、司法検察当局は、千葉銀行に関連する一連の問題について、国民が深甚の注意を払いつつあるにかんがみまして、いやしくもその行動に誤解を与えるごときことのないよう、全力をあげて必要なあらゆる措置を講じ、すみやかにその真相を明らかにすべきであると考えます。
以上四点を申し上げましたが、政府は、直ちにこれらについて措置をされるよう要照してやまないものであります。
本国会は近く解散に相なることになっております。この間政府にゆだねられる任務はきわめて重大でありまして、国民の疑惑を一掃いたしまして、そうしてりっぱな政治をいたしますためには、それぞれ関係のところの責任の所在、また自分に加えられた疑惑を明らかにすることによって、本来の目的たる金融の健全に資する必要があると痛感したのであります。
以上社会党は、このよって立つ立場並びに考え方を申し上げまして、ただいま上程されました決議案に賛成をするものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/275
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276・足鹿覺
○足鹿委員長 これより本決議案について採決いたします。本決議案を本委員会の決議とするに御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/276
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277・足鹿覺
○足鹿委員長 御異議なければさよう決します。
なおただいまの決議は、委員長において関係大臣あて参考送付することといたしますから御了承願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/277
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278・足鹿覺
○足鹿委員長 次に、相続税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
御報告申し上げますが、本案に対しまして大平正芳君及び石村英雄君より修正案が提出されております。この際提出者の趣旨説明を求めます。大平正芳君。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/278
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279・大平正芳
○大平委員 ただいま議題になりました相続税法の一部を改正する法律案につきましての修正案の趣旨を御説明申し上げたいと思います。
案文はすでにお手元に差し上げてありますから、朗読を省略いたします。
政府案によりますと、配偶者控除制度について三分の一の税額控除方式に改めることとしておりますが、これでは配偶者相続の性格にかんがみ十分ではないと認められますので、これを二分の一の税額控除方式に修正することが適当であると認めるものでございます。
以上が修正案の趣旨でございます。何とぞ御賛成いただきますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/279
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280・足鹿覺
○足鹿委員長 これにて修正案の趣旨説明は終りました。御質疑はありませんか。——御質疑がないようですから、本案並びに修正案に対する質疑はこれにて終了いたします。
国会法第五十七条三の規定により、本修正案に対し、内閣において御意見があれば、この際述べていただきます。一萬田大蔵大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/280
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281・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 修正の趣旨は了承いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/281
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282・足鹿覺
○足鹿委員長 これにて内閣の意見は終りました。
なお、本案につきましては討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ることといたします。
まず修正案について採決いたします。本修正案を可決するに御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/282
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283・足鹿覺
○足鹿委員長 御異議なしと認めます。よって本修正案は可決いたしました。
次いで、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。これを可決するに御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/283
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284・足鹿覺
○足鹿委員長 御異議なしと認めます。よって本案は修正議決いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/284
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285・足鹿覺
○足鹿委員長 次に、第二十四回国会より継続して審査いたして参りました会計法の一部を改正する法律案、第二十六回国会より、継続して審査いたして参りました社会福祉事業等の施設に関する措置法案、日本開発銀行法の一部を改正する法律案及び入場税法の一部を改正する法律案の四案を一括して議題といたします。
御質疑はありませんか。——御質疑がないようですから、四法律案に対する質疑はこれにて終了いたします。
なお四法律案につきましては、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ることといたします。
採決いたします。四法律案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/285
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286・足鹿覺
○足鹿委員長 御異議なしと認めます。よって四法律案は、いずれも原案の通り可決いたしました。
なおこの際お諮りいたしますが、ただいま可決いたしました社会福祉事業等の施設に関する措置法案に対して附帯決議を付したいと存じます。
案文を朗読いたします。
社会福祉事業等の施設に関する措置法案に対する附帯決議案
政府は、この法律の実施にあたって、次の点に充分留意し、社会福祉事業等の健全な発達に資するように努むべきであるが、社会福祉事業施設等の基準に合致しないものに対してまで、この法律に規定する措置をとるようなことをしてはならない。
(1) 無償貸付は、被保護者等を収容する施設の用に供されている財産について行うものとし、その範囲は、当該施設の軍営上必要な適正規模のものに限ることとし、かつ、この法律施行の際貸付中のものを主とすること。
(2) この法律施行の際貸付中の財産に係る既往の貸付料等で未納のものについて、完納しない限り、無償貸付をしないこと。
以上であります。
お諮りいたします。本附帯決議案を付するに御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/286
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287・足鹿覺
○足鹿委員長 御異議なしと認めます。よって本附帯決議を付するに決しました。
また同じくただいま可決いたしました会計法の一部を改正する法律案に対しまして、附帯決議を付したいと存じます。
案文を朗読いたします。
会計法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案
本改正法施行に当り「最低の価格の申出をした者」を契約の相手方としない場合は、その運用に当っては政府は中小企業者に不利になることのないよう配慮をするべきである。
以上であります。
お諮りいたします。本附帯決議案を付するに御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/287
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288・足鹿覺
○足鹿委員長 御異議なしと認めます。よって本附帯決議を付するに決しました。
この際お諮りいたします。ただいま議決いたしました五法律案に関する委員会報告書の作成並びに提出等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/288
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289・足鹿覺
○足鹿委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。
本日はこの程度にとどめ、次会は来たる二十二日午前十時三十分より開会することとし、これにて散会いたしま
す。
午後六時四十七分散会
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804629X03619580418/289
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