1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年四月二日(水曜日)
午後零時五分開議
出席委員
委員長 矢尾喜三郎君
理事 亀山 孝一君 理事 纐纈 彌三君
理事 徳田與吉郎君 理事 吉田 重延君
理事 川村 継義君 理事 中井徳次郎君
加藤 精三君 川崎末五郎君
楠美 省吾君 渡海元三郎君
早川 崇君 古井 喜實君
松澤 雄藏君 今村 等君
加賀田 進君 北山 愛郎君
門司 亮君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣 一萬田尚登君
通商産業大臣 前尾繁三郎君
出席政府委員
自治政務次官 中島 茂喜君
総理府事務官
(自治庁財政局
長) 小林與三次君
大蔵事務官
(主税局長) 原 純夫君
通商産業事務官
(公益事業局
長) 小出 榮一君
委員外の出席者
専 門 員 円地与四松君
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四月一日
地方公務員の停年制実現に関する陳情書
(第七七〇号)
地方交付税制度改正に関する陳情書
(第七七八号)
遊興飲食税減免に関する陳情書
(第七七九号)
国税減税に伴う地方財源の減収補てん等に関す
る陳情書(第
七八〇号)
町村財政確立に関する陳情書
(第七八一号)
同
(第八四三号)
市の設置基準据置に関する陳情書
(第七八二号)
町村自治確立に関する陳情書
(第七八三号)
地方債増額に関する陳情書
(第七八四号)
新市町村建設費増額に関する陳情書外二件
(第七八五
号)
地方制度改革に関する陳情書
(第七八
六号)
町村議会事務局設置に関する陳情書
(第七八七号)
国県に対する各種負担金及び寄附金等の抑制措
置に関する陳情書
(第七八九号)
個人事業税の課税基準の改正に関する陳情書
(第八〇一号)
病院企業債及び厚生年金還元融資の増額等に関
する陳情書
(第八二五号)
消防法の一部改正に伴うガソリンスタンドの設
置制限に関する陳情書
(第八六〇号)
公営住宅に対する国有資産等所在市町村交付金
の免除に関する陳情書
(第八九九号)
自家用貨物自動車の税率低減に関する陳情書
(第九〇三
号)
を本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
出第一〇五号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/0
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001・矢尾喜三郎
○矢尾委員長 これより会議を開きます。
地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたしまして、質疑を行います。質疑は通告順によってこれを許します。門司亮君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/1
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002・門司亮
○門司委員 私はこの前の委員会で、地方税法の一部改正についての問題で、電気ガス税の問題について、自治庁の長官にお伺いをしましたが、一向らちがあきませんので、きょうは一つ通産大臣に来ていただいて、電気ガス税に対する政府の考え方を一応聞きたいと考えております。
まず最初に聞いておきたいと思いますことは、通産省がこの電気料金を定められます場合の考え方を、一応この際明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/2
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003・小出榮一
○小出政府委員 電気料金を決定いたします場合における考え方の問題に関する御質問でございますので、私からお答え申し上げます。電気料金は御承知のように、すべて法令によって定められました基本原則に従って算定をいたしておるわけでありまして、その基本原則は、まず第一には電気の原価、実際にかかります原価、コストというものを計算いたしまして、それに適正な報酬、適正な利潤を加味いたしましたもので算定をいたしておるのであります。従いまして各電力会社別の需給計画に基きまして収入の計算を立て、また実際かかります資本費なり経費を算定いたしまして、その収支の予想のもとに、その差額を算定して料金をきめる。それでいわゆる総括原価主義というもので、全体の原価を総括的にきめまして、それをさらにそれぞれの需用家別に、たとえば大きく分けますと電灯と電力、電灯の中には一般家庭の電灯もありますし、あるいは大口の電灯もございます。それから電力の中では、小口の電力あるいは大口の電力あるいは業務用の電力、臨時の電力、いろいろな種別がございますが、それぞれの種別に従いまして、さらに実際の料金を分けてきめるわけであります。その場合におきましても、やはり原価主義ということで、総括原価の中のさらに個別原価というものを算定いたしまして、それぞれの需用家に対してどういうふうな原価になるかということを算定する。従いまして具体的に申しますれば、電灯の方がいろいろコストがかかるわけであります。平均単価がむしろ高くなるというような結果になっております。すべて原価主義の建前によって総括的にも、個別的にもきめておる、これが電気料金を定めます場合におきます基本的な考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/3
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004・門司亮
○門司委員 今のお話で大体の方針はわかりましたが、問題になりますのは、電気料金の算定は非常にむずかしいので、実際の問題としてなかなかしろうとにわからぬのであります。そこで、この電気ガス税という税金は、御承知のように従量制でなくて、従価制でとられております。そうなって参りますと、今のお話を聞いてみましても、幾つかの方式で定められておりますので、必ずしも平均化した、あるいは公平化したものではないように考えられます。これはどうしてそういうことになるかといいますと、一般家庭の使っております電気の料金というものと、それから大口の消費者に対するものと、もう一つは今お話の中にもちょっとありましたように、産業別による、いわゆる業種別に基く料金が定められておることは、あなたもおそらく御存じだと思います。そうなって参りますと、税金は従価制をとっております関係から、そういう割引その他の恩恵に浴しない一般需要者というものは、どうしてもやはり高い税金を払っているという形が出て参ります。従って税金の面から考えますと、理論的には一応従価制をとっているのだからやむを得ぬというお話になるかもしれません。しかし払う方からいいますと、片方では従量制による割引が行われているという矛盾というものは、どうしても考えないわけに行きません。そこで問題になりますのが、一律に一割の税金をとるということになりますと、今申し上げましたようなことで、結局いわゆる小口の一般の消費者、ことに低額の電気しかつけられない家庭、一灯並びに二灯くらいしかつけられない家庭の税金というものは非常に高いのであります。そうしてこの税金は、御承知のように例の生活保護家庭であろうとなかろうと、電気料金として徴収されるという矛盾があるわけです。そこでこれを一体どう是正していくかということが、私どもからいわせると一つの大きな問題だ、そういう面について通産省が電気料金をきめられます場合に考慮されておったかどうかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/4
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005・小出榮一
○小出政府委員 電気料金をきめまする場合におきまして、御指摘の電気ガス税という関係を考慮したかどうかという御質問でありますが、申すまでもなく電気ガス税というものは、結局地方税といたしまして、実際に電気、ガスを消費する消費者にかかってくる税でございます。従って一応料金体系とは全然別個の問題でございます。従いまして料金制度そのものの中で、この電気ガス税の問題を調整し、考慮するということは、これは電気、ガスの建前上できないということになります。従いまして、電気ガス税の問題は電気ガス税の問題として別個の見地からこれを処理すべきものであると考えます。従ってお示しのように、現在の従価主義と申しまするか、一律に実際の支払い料金に対して一割なら一割ということでかけられるということ自体がいいかどうかというような問題もありましようし、また地方財政との関係の問題もございまして、実はこの電気ガス税の問題に限らず、公益事業に関する地方税なり、あるいは国税の問題全般につきまして、相当検討すべき問題があろうかと思います。しかし料金制度それ自体の中で、この電気ガス税の問題を考慮して、料金をきめるということは、これは建前上できないことでありますし、またそういうふうにはいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/5
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006・門司亮
○門司委員 これは通産省関係として地方税である税金のことまで考慮して考えることはできないことになるかとも思います。これは私は通産省から見た一つの考え方だと思います。しかし実際の問題としては今のお話にもちょっとありましたように、問題点が事実上あるわけであります。従ってお聞きしたいと思いますことは、今度の税法の改正ではさらに非課税の分が制定されております。非課税をきめる場合に、通産省と自治庁との間に何らかの話し合いがあったかどうかということを、この機会に聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/6
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007・前尾繁三郎
○前尾国務大臣 今度の非課税を採用しました種目につきましては、もちろん通産省と自治庁と十分打ち合せをいたしまして、最後的にきまったものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/7
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008・門司亮
○門司委員 その場合の通産省の考え方としては、どういうことがその基本になったかということでありますが、自治庁の言い分では問題はこの電気料金がいわゆる製品のコストの中に占める割合によって、大体算定をした、こういう答弁でしたが、その通りでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/8
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009・前尾繁三郎
○前尾国務大臣 門司さんもすでに御承知のように、この非課税につきましては、大体電力料金の製品に占める割合ということ、さらにその産業自体が必要であるかどうかという重要度といいますか、そういう点でしぼっておるのであります。以前は御承知のように基礎産業といいますか、基礎物資につきましては非課税にする、あるいは電力料の占める割合を、特に割合の高いものについて非課税にするというようなことにいたしておりましたが、最近におきましては重要な新規産業の育成ということが主体になっておりまして、昨年も本年もそういう観点からと、それからやはり電力料金の製品に対するコストの割合、両方を相勘案してきめておるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/9
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010・門司亮
○門司委員 そこで問題になりますのは、御承知のように個々の製品別にそのコストの中に占める割合というようなことも一応いえるかと思いますが、実際の今の電気料金の徴収の実態を見てみますと、一般家庭用のもの、それからもう一つは大口消費に対する割引がされておることも御承知の通りだと思う。その次にもう一つありますのは、産業別の料金が違っておるということであります。従ってかりに私の調査した範囲内だけでも、電気料金の産業別のものを見てみますと、基本料金として定められているのは化学工業が三百四十円、食料品関係が二百二十三円、石油関係が二百二十九円、金属第一次産業三百円、金属工業が四百二十円、機械工業が四百三十八円、電機関係が三百三十七円、国鉄が五百二十九円、そのほかに特別産業としてきめられておりますいわゆる電気化学工業につきましては二百六十五円、この中には御承知のように肥料、あるいはソーダというようなものが特別の保護を受けておる。さらに公益関係、ガスその他のものにつきましてはさらに安い二百四十八円という基礎単価になっておる。従って今のお話のようなことになって参りますと、産業別料金によって一応の保護を受けておる産業というものがさらに個々のコストの問題から割り出されてきて、これが非課税になるのであって、このようになって参りますと、これは二重の恩点を受けることにならざるを得ないと思う。一般家庭の電気料金は御承知のようにたとえば東電を例にとりますと、二十ワットで一カ月の料金が七十三円何がしでありますか取られておることは事実であります。そういたしますと、片方には大口消費量についての割引がある、その上に産業別のこうした基本単価における配慮が行われておる。その上にさらに産業自体についてのコストの問題で非課税にする、こういう形が出ておる、そうしてこれにはそういう保護をしておる。一般家庭には、先ほどから申しましたように保護家庭でありましても、電気料金を支払う限りにおいてはちゃんと税金を取られておる。こうしたことはただ単に電気料金と税金とは別だという考え方で割り切るということは、あまりにも政治性がなさ過ぎると考える。少くとも今日のこの電気料金に対しまする非課税の対象は、今日の段階では、もう私どもとしてはこれをある程度整理すべき時代ではないかと思う。それは今申し上げましたような幾つかの段階に分けて、電気料金自身に保護が加えられておる。その上にまた税金まで免除するということは、今の段階ではなすべきことではないのではないかと私は考える。従って必ずしも今のような答弁で私は満足するわけには参りませんが、通産大臣としては一体この点をどうお考えになるのか。それでもやはり保護するものは保護するのだ。そうして取るものは保護家庭からでも、これは税金であって、地方税だから別だ、私の知ったことじゃないというようなことをお考えになって、今度の電気ガス税の非課税品目を加えたということが妥当であるというようにお考えになるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/10
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011・前尾繁三郎
○前尾国務大臣 御承知のように電気ガス税は、いずれも照明用の電気だけに課税をしておりまして、それが次第に工業用の電気にも課税するというようなことになりましたのでありますが、その間におきまして極力重要度のあるものにつきましては残していただきたい、こういうことできておったわけであります。それから一方料金制度についていいますと、ただいま御説明いたしましたように、大体はコスト主義ですべて貫こうというのできておったわけでありますし、今後も極力それでいかなければならぬというふうに考えておるわけであります。ただ次第にコストが上って参りまして、電力料金を上げていかなければならぬ。また諸外国との関係から考えましても、それをそのままコスト主義一本で上げていくというわけにも参りませんので、いわゆる政策料金ということが加味されるようになってきたのであります。その政策料金を加味すること自体がいいか悪いかということは今後の問題だと思います。というのは、今後いろいろ電源開発をやっていきますためには、外債その他によらなければならない。しかしこれはあくまで合理的な料金、政策料金は極力排除してやめていかなければならぬ、こういうような状態にあるわけであります。そこで御承知のように、電力料金全般に関しまして、ただいま料金制度調査会というのを設けまして、極力合理的な料金に直していこうというので、いろいろ検討していただいておるのであります。この両方のかみ合せの問題でありますが、ただいま極力政策料金はとりたくないといいながら、なおかつとらざるを得ないというようなものに対しまして、さらに今度は地方税が課税されるということになりますと、せっかく無理な政策料金をとっておりながら、なおかつ課税を受けるということでは、率直にいいますと意味をなさぬ。こういう観点もありますので、われわれとしましては極力料金制度も合理化していくという反面におきまして、従来からの方針に従って、どうしても新規の育成をしなければならぬというものにつきましては、従来通りの免税をやっていただきたいという考えでありましたが、それにいたしましても極力しぼっていかなければなりませんので、昨年よりは今年はさらに電力料金の占める割合ということについても厳格にして、しぼってお願いをしておるようなわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/11
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012・北山愛郎
○北山委員 関連して。ただいまの電気税に関係をして、電気の需要者についての地方税制度の上で、私どもからいえばいろいろおかしな点があるわけでありますが、なお電力会社につきましても、電気料金をできるだけ安くしておくという意味において、御承知のように地方税制の上では、固定資産税の上で発電施設について非常な優遇があるわけです。これはやはり電気のコストというものを安くしよう、こういうわけで電力会社の固定資産については、特別の三分の一というような優遇措置を講じておるわけです。ところが果してそういうふうな地方税の制度の上で考えてやっても、会社が正しい経理をやっておるのかどうか。私が疑問に思っておることは、たしか一昨年だと思いますが、東北電力と電源開発が福島県の県庁の建築の資金としてそれぞれ五千万円ずつ寄付しておるのです。そういうことを見ますと、公益事業としてしかも認可料金でできるだけ低コストの電気を供給しなければならぬ。そのためにはいろいろ地方税の上で地方団体は犠牲を払っているにかかわらず、そういうふうな莫大な寄付というものを電気会社がどんどん出すと、何をしておるかわからぬということです。そういう余裕があるならば、電気料金をもっと下げるなり、あるいは固定資産税をまともに取るなりした方がいいのではないか。一体こんなことを、これを監督しておる通産省としては知っておるのか、認めておるのか。県庁を作るのだから悪いことではないのですけれども、これは別な経費でやるべきものであって、電気会社が県庁を作る金を一億円も出すということはおかしいのではないか、この点を伺っておきたい。
それからもう一つ、電気税の問題もそうでありますが、少くとも電力会社というものは公益事業であります。従ってその料金政策の上で、産業奨励上いろいろな料金の差等を設けておる。産業の振興奨励という点ももっともでありましょうが、しかし公共的な用途の電気に対しては、特別な安い料金をきめてもいいのじゃないか。たとえば街路灯の問題でありますが、この街路灯というのは御承知のように地方団体としては十分これを設置をして、その経費を地方団体が負担をして、街路を明るくするということが交通からいっても防犯からいっても必要なわけでありますが、現実には東京都ですらも年間百五十万ぐらいしか出していない。大部分は町内会、部落会がみな金を出し合って、あの街路灯を維持しておるわけなのです。やっているところは幾らかついていますが、やっていないところは、ほとんどまっ暗だというようなことで、これは全国的にそういう状況なのですが、やはり盛り場だけでなくて必要な街路、そういうところの照明は明るくしておくというのが文化都市なわけでありますから、少くとも公共性がはっきりしておる街路灯の電気は、普通の三分の一とかそういうことに優遇をすることが、公益事業としての電気事業の当然やるべきことではないか、こういうふうに考えているのですが、現状はどうなっておるか。また現状がそうなっておらないとするならば、今度電気料金をきめる場合に、通産省としてはこの街路灯の電気について安い料金を特別にきめるというようなお考えがあるかどうか、これをお聞きしたいわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/12
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013・前尾繁三郎
○前尾国務大臣 御承知のように電源を開発して参りますためには、相当な金が要っておるわけでありまして、国としても財政資金を投入し、また一面におきましてはこうやって地方税の軽減も受けておるわけであります。経理は決して楽ではないのでありますし、余裕があれば電源開発をやっていかなければならぬ、こういう状況であります。従いまして電力会社の経理につきましては、相当厳重な監督をやっていかなければならぬと思います。ただいまのお話のような寄付金につきましては、当時の事情はよく知らないのでありますが、極力そういうものでも押えていくというのは、ただいまお話の通りだと思います。ただ県庁の建築ということになりますと、むしろ電力会社によけい出してくれというようなことで、ついに断わり切れなかったというような事情でないかと思います。私は今後におきましても、極力電力会社の経理については十分監督をして、むだ使いのないようにということについては、従来も努めては参りましたが、さらにやかましく監督していかなければならぬというふうに考えております。あとの問題につきましては、ちょっと政府委員から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/13
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014・小出榮一
○小出政府委員 前段の、県庁その他地方公共団体との協力の問題等につきましては、ただいま大臣からお答えした通りでございます。あと街路灯その他公共的なものの需要に対する特別措置の問題でございますけれども、街路灯につきましては、御指摘のような要望は、かねがね私どものところにも各方面から参っております。現状といたしましては、特に街路灯なるがゆえに特別な料金というふうな措置は、実はまだいたしておりません。しかしそれにはいろいろ問題もございまして、公共的利用といっても、同じ街路灯でも、公共的なものとそうでないものとの判定、限界の問題等もございます。一般的にはなかなか原則がきめにくいわけでございますが、街路灯に限らず、いわゆる公共的な需要——水道でありますとか、あるいは学校でありますとか、こういうふうなものに対しましては、御承知のように従来からある程度の特別措置はいたしておりまして、例の三割頭打ちの適用の問題も、実はそういうふうな公共的な需要には適用になっております。これをさらに今回も延長したわけでございますが、街路灯の問題も含めまして、同じ電灯なら電灯の中で、さらにこまかく種別を分けてやるかどうか。外国の例で申しますれば、家庭の電灯の中でも、単なる電灯の料金と、それから電気ヒーターとかいうふうな電気機器を使う場合におけるその料金と、別に分けて計算している例もございまして、その辺までこまかく分けるかどうか、いろいろ議論がございました。先ほど大臣からお話がございましたように、電気料金制度調査会の一つの研究の課題となって、ただいま部会において検討さしております。街路灯の問題もあわせてその際に十分検討いたしまして、全般的な料金制度の改正の際に、これをどういうふうに処置するかということをきめていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/14
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015・北山愛郎
○北山委員 その街路灯ですね、これはもう論議の余地がないのですよ。街路灯の電力くらいはただでもいいのです。そうすれば道路が明るくなって、そうして今問題になっておる交通事故なども、ある程度防げるのです。道路というものは、ただ路面を作るだけが道路じゃないので、道路を作る以上は一定の道路照明というものが条件としてあるはずなのだ。だから今の基準がどうのこうのといっても、これは単なる家の前を照らす電気だというような考え方ではなくて、一定の大きさの道路には当然一定の照明が必要だ、これが公共のあり方だというふうな見地から電気料金の政策をきめるべきじゃないか。これは当然考えるべきなのです。もちろんこれは通産省ばかりではなくて、建設省あるいは自治庁も怠慢ですよ。今の街路灯を黙って地元の部落会、町内会にまかせて、部落会費、町内会費の半分とか三分の一は電気料金に使っているのですよ。ほったらかしている。だからまっ暗なのです。しかも高層建築物のあるところほどまっ暗なのです。銀座とか新宿とかいう盛り場だけがむちゃくちゃに明るい。これが日本の社会の現状なのです。だから、これは決してむずかしいことではない、電気の量からいってもそう大したことはないのですから、やはり電気料金の政策をきめる場合には、少くとも公益事業なんですから、そういう公共性の大きな電気料金については、ただとは言わなくとも、当然三分の一とかそういうことに値下げをするというくらいの言明は、通産大臣としてもしていいのじゃないか。どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/15
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016・前尾繁三郎
○前尾国務大臣 御趣旨はよくわかります。公共性のあるものにつきましては極力考えていかなければならぬと思っております。ただ、ただいま料金制度調査会の民間の各代表の方に審議をいただいておりますので、私が先にそういうことを言うたりなんかしますと、これはどうも政府の方としてちょっと困りますので、その点は御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/16
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017・門司亮
○門司委員 時間がございませんから、あとで大蔵大臣に少し聞くことがありますので、通産大臣にはあまり聞かないことにしておきますが、最後に一つ聞いておきたいと思う問題は、われわれは電気ガス税の改正について、先ほどから申し上げましたようないわゆる大産業、それから今日非常に大きな利潤をあげていると考えられるような産業は、今申し上げましたような基本料金の中でかなり保護を受けておる。従って、これらの産業から生産されるもののコストの中で何割を占めるからということで、さらにこれを非課税にするということ、これ自体けしからぬと思っている。ところが今度の税法改正ではこの範囲が広がったということになって、われわれの従来の主張から考えると全然反対の方向に向っている。そこで私は率直に大臣にお聞きしておきたいと思うのです。これは通産省の立場から一つお答えを願えばけっこうだと思うのだが、税の負担の均衡を保つことのために、先ほどから申し上げておりますように、要保護家庭というようなところには、もう税金をかけないということは、これは自治庁でもやればやれると思う。またそういうことをおっしゃったわけだ。それからもう一つの問題は、負担の不均衡を是正することのために税率を一応下げるということも考えられる。しかしこれは直ちに地方税に響いて参りますので、やはりこれの穴埋めをしないわけにいかない。そこで通産大臣に聞きたいのは、現在、税法の四百八十九条の一項に書いてありまする二十幾つかの非課税があります。それにまた今度やる十ばかりの非課税が加わります。これらの問題についてもやはり税金を百分の三程度かけても差しつかえないのじゃないか。そうして一般の税率を七%まで下げるということにすると、大体地方財政の上で大した穴もあかないし、それから負担の均衡においても、何も多くのものを使っているのを同じように納めろとまでは言わなくても、負担の均衡上から百分の三%くらいのものはやはり払ってくれてもいいのじゃないかというようなことが考えられるのです。従って非課税をなくして、現在非課税となっておるものについては百分の三%くらいの税率をかけていくということ、こういう形に持っていけば、大体地方財政に大した穴もあかなければ、負担の均衡の上からいっても無理はないというように考えられるのでありますが、こういう考え方ができないかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/17
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018・前尾繁三郎
○前尾国務大臣 通産省の立場といたしますと、これは大体輸出産業でありまして、そのコストから見ますと、将来伸ばしていかなければならぬものでありながら、外国との競争にはなかなかたえがたいというようなものについてお願いをしておるのでありますから、これに課税をされるということは、われわれとしては非常につらい立場にあるわけであります。ただいま申し上げました料金制度調査会の半面におきまして、また地方税の調査会も設けられることと思いますが、その際にいろいろ根本的な問題の討議に移していただきたいと思います。われわれ現状におきましては、何と申しましても今後の輸出を伸ばしていかなければならぬという主要命題から考えますと、これだけはどうしてもお願いしなければならぬということできまりましたようなものばかりでありますので、その点は御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/18
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019・門司亮
○門司委員 通産大臣は何だか料金の調査会に全部まかしてしまって、責任を負わないような形をとっておられますけれども、考え方としてはもう少しはっきりしていただいたらどうなんでしょうか。われわれも同じように一〇%の税金を納めろとは言わないのです。保護すべきものはやはり保護すべきだとわれわれも思う。ただ、さっき申し上げましたようにこの電気ガス税というのは従量制をとらないで従価制をとっている形からくる不均衡というものは、何といってもおおいがたいのです。さっき申し上げましたように、大口需用については五百キロワット以上はやはり二%ないし三%くらい安くなっている。それから従量制につきましても、二十九年の十月の値上げのときの条件として、一三〇%の付加率がやはりかけられております。こういうことをざっと考えて参りますと、どう考えても、この一般需要者が非常に割高の料金を払って、さらに高い税金を払っておる。大産業ほど安い割引された電気料金を払って、しかもその中に非課税がたくさんあるということになりますと、どう考えても今日の社会では、私どもではこれを承認するわけにはいかない、と同時にまた社会一般の情勢ももうできるだけ非課税はなくしてもいい段階だと私は思う。われわれはこの非課税を全部なくして、そうして同じように百分の十を取れというのではありません。これをかりに百分の二程度をかけるということによって一般の需要者の分を、さっきも北山君から申し上げましたように、やはり街路灯等についてはやめろ、あるいは要保護者等については税金をかけない、そういうものを考え、さらに一般需要者との均衡化をするために、われわれはこの電気ガス税を一般に対しては今の百分の十を百分の七までに下げたいのである。そうすることによって、電気ガス税の均衡がとれていく、こう私は考えておる。だから、私は率直に一つお聞きをするのだが、今の電気ガス税のかけ方というものが、さっきから申し上げておりますように、幾つかの恩恵を受けておる産業と、一般の家庭との間に不均衡があるというようにわれわれは考えておるからこういうことを申し上げるのだが、通産大臣は不均衡でないとお考えになっておるかどうか、その辺の考え方を一つはっきりしておいていただきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/19
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020・前尾繁三郎
○前尾国務大臣 現在の料金制度は非常に複雑怪奇でありまして、私は率直に申し上げまして、これは根本的に改めなきゃいかぬというふうに考えておるわけであります。従ってこれはもう根本的に考えるのですから、実は一年の期限で年末に答申してもらいたいと言っておるのでありますが、外国の制度なんかから考えますと、ただいま申し上げたような点が今までの料金には全然考えられておらぬ。従ってこれは従来の考え方を一擲して、そうして料金制度というものについても違った角度から考えてもらいたいというので、あの調査会を作りました。御趣旨については私は決してさからうわけでも何でもないのであります。またそれがきまりまして、その上に今度は地方税をどういうふうに取っていくかということも、新たに検討し直さなければならぬ問題だ、こういうふうに考えておるのでありまして、一々の点についてどうこうということは申し上げられませんか、私は御趣旨の点なども十分考えて料金制度をきめていかなければならぬ、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/20
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021・門司亮
○門司委員 時間の関係もありますし、そう長くお話申し上げるわけにもいかないのでありますが、通産大臣にお願いしておきますことは、実際この電気料金はわからぬのであります。今私の手元に東電の電気料金の表がありますが、これは見たってわからぬのです。どれとどれを比較していいのか、ちっともわからぬ。会社の人に聞いてみても、一向わからぬ、こう言うのです。これはこしらえた人に聞かないと一向わからぬ、こう言うのです。こういうわからぬものが基礎になって、そうして税金だけはわかりすぎるほどおかしなことになっているのです。ここに私は問題があると思うので、ぜひ一つこれはごく近いうちに是正の方向に向ってもらいたいと思う。これは自治庁としても通産大臣は今のような御答弁ですが、どういう状態になっておるかわけがわからぬのだが、ただいろいろな申請が出てくるから、これはみな非課税にするのだということになると、これはどうにもならなくなってくる。そうしてさっきから申し上げておりますように、産業別に料金が保護されている、その上に製品別に非課税の対象にしてくれということになると、これは二重にも三重にも大産業だけが保護されるという形が出てくるのであります。この点については一つ特に御注意願いたいと思っております。
今度は大蔵大臣にごく簡単に一つだけ聞いておきますが、私は大蔵省が反対をしている拠点だと思いますが、われわれが考えておりますのは地方財政が非常に逼迫しておりまして、同時にことに問題になりますのは、市町村の責任で課せられております消防施設であります。これは国民の生命、財産を守る上からいうと、警察よりももっと切実な問題である。この消防の施設に対して地方自治体が支出しております金は非常に大きなものであって、しかもこれはまだなかなか充実されない。火事はかなりたくさんある、私どもとしてはどうしても消防施設を完備しなければならないと思っておりますが、それには今日の地方財政のあり方では、なかなかこれが完備するだけの財源が出て参りません。そこでこれの財源措置としてわれわれが考えます一つの問題としては、この際目的税の形において、消防施設税を新設したらどうかという考え方を持っておるのであります。時間がございませんからごく簡単にその内容をお話申し上げますと、この納税義務者といたしましては、民営の損害保険会社を対象にいたしまして、そうしてその都道府県内の収入火災保険料を基準として、百分の三程度のものをかけることによって、総額において二十四、五億、約三十億ぐらいと思いますが、そのくらいの財源を捻出することによって、今日の消防施設の充実を期していきたい。そうしてやはり国民の生命、財産というものを守っていきたいという考え方をわれわれは持っておるのでありますが、同時にこの問題がなかなかうまくいかないのは、大蔵省がなかなかうんと言いそうもないという話を聞いておるのですが、一体大蔵大臣、これはどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/21
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022・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 消防施設をなるべく完備充実をしたいという点、これは異論がございません。ただどういう方法によってこれをやるかというので、ただいまの御意見では特別に消防施設税でも創設してはどうかということであったようでありますが、これにつきましては特に自治庁あたりとも相談をいたしたこともあるのですが、自治庁の方もなかなか賛成がないようであります。(「反対だよ」と呼ぶ者あり)ただいまのところは保険会社等から相当な寄付もありまして、消防の充実をはかっておりますが、こういうこともある意味においてはこそくかもしれません。まあ私としては消防の充実には異論がないのでありますから、どういうふうにするか、もう少しこれはほかの関係とも、また関係省とも一つ相談をしてみたい、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/22
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023・門司亮
○門司委員 どうも自治庁が反対しているということになると、また郡さんに来てもらって話をしなければならぬが、これは大臣も御承知のように、今日の損害保険というのは、戦争の直後は、これは大臣の方が私よりよく御存じだと思いますが、運営か非常に困難で、政府資金を借りて何とか支払いを円滑にすることに努力しておったことは、私は大臣の方がよく御存じだと思います。ところが最近の損保業界の資産を見ますと数百億です。六百億といわれておるのですが、そういたしますとこの金は、どう考えても生命保険と違いまして、毎年々々かけてかけ捨てになっていくんですね。多数の不特定の人が余した金が、保険会社の利潤になっているんですね。厳密に言えばこれは割り戻すべき性質があると思うんです。この金を保険会社が、これは自分の金だとして取るということは、損害保険の建前からいうと少しおかしいと思う。時間があれば大臣と少しこの議論をした方がいいのですが、きょうはこの議論をする時間がないと思いますが、そういうことで今日の保険会社はそういう非常にたくさんの利潤を上げております。この利潤を上げております反面には、やはり市町村の努力による消防施設の充実あるいは水道その他の施設の充実等が、かなり私は大きな役割を演じておると思うのです。そういたしますと、地方自治体が住民から取り上げたごくわずかな財政の中から捻出した金によって、消防施設の充実をはかっていく、そのことによってさっき申し上げましたような保険会社だけは大きくなっていくということになりますと、今大臣は多少寄付をしておるようだとお話しでありますが、これはなるほど寄付はいたしております、東京都にポンプ一台か二台かやって、函館の大火事のときに少し出したということは聞いております。しかしこれは何億という金になる心配もありませんし、日本全体を潤すものではとうていございません。そこで問題になりますのは、やはり公益性を持ち保険会社として存在しておる以上は、さっき申し上げました利潤というものが、必ずしも保険会社の独占でいいか悪いかという議論は一応抜きにいたしまして、当然の措置として、目的税として何がしかの税金を納めてもらうということは、これは保険会社のためにも私はよろしいと思う。その保険会社にいたしましても、消防の施設を充実していって、そうして火災が少くなり、あるいは類焼、延焼等が防止されるということになりますと、これはやはりそれだけ保険会社の利潤も上ってくるのでありますから、保険会社は私は決して損をしないと思う。だからこれについては、大蔵省か率先してそういうことをやれと言われると思うのですがどうですか。保険会社のためにも私はこういうものがあった方が実際はよろしいんだというふうに考えるのですが、大蔵省の意見を一つこの際もう一度聞かしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/23
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024・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 仰せのように、損害保険、ことに火災保険と消防の関係ですが、これは火災が少くなれば少くなるほど保険会社はいいわけですから、そういうような関連において、御意見も私は一面ごもっともと思うのです。しかるがゆえに、今日保険会社もそういう点を見て、相当な寄付金をいたしまして、消防施設の充実に尽しておると思います。これを目的税として税にまで踏み切るかどうか、この点については、なお私は公平の問題等いろいろありますので検討を加える必要がある、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/24
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025・中井徳次郎
○中井委員 まだ大蔵大臣の質問も残っておりますし、今の御答弁でございますと、必ずしも的を得た御答弁ではなさそうであります。少し御研究を願って、これは日をあらためて一つ質問を展開していきたい、かように思います。社会党の方も、きょうは党葬がございまして、一時からそこに行かなければなりませんので、きょうはこの程度にして、大蔵大臣にあしたでもあさってでも出てきてもらって、質疑を続行したい、かように思います。一つお取り計らいを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/25
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026・矢尾喜三郎
○矢尾委員長 了承いたしました。こまかい点については、理事会にお諮りいたすことにいたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時五十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804720X02519580402/26
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