1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和三十三年二月七日(金曜日)
午前十時五十三分開議
出席委員
委員長 片島 港君
理事 上林山榮吉君 理事 小泉 純也君
理事 竹内 俊吉君 理事 橋本登美三郎君
理事 早稻田柳右エ門君
秋田 大助君 伊東 岩男君
川崎末五郎君 齋藤 憲三君
椎熊 三郎君 中曽根康弘君
平野 三郎君 小松信太郎君
杉山元治郎君 原 茂君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 田中 角榮君
出席政府委員
郵政政務次官 最上 英子君
委員外の出席者
日本電信電話公
社総裁 梶井 剛君
専 門 員 吉田 弘苗君
―――――――――――――
一月二十三日
委員廣瀬正雄君辞任につき、その補欠として南
條徳男君が議長の指名で委員に選任された。
二月七日
理事廣瀬正雄君委員辞任につきその補欠として
上林山榮吉君が理事に当選した。
―――――――――――――
二月四日
郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関
する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第
二三号)
公衆電気通信法の一部を改正する法律案(内閣
提出第二四号)
郵便為替法の一部を改正する法律案(内閣提出
第二一号)(予)
郵便振替貯金法の一部を改正する法律案(内閣
提出第二二号)(予)
一月十八日
獅子島地区に公衆電話架設の請願(池田清志君
紹介)(第三〇二号)
電話加入権の担保制度確立に関する請願(川野
芳滿君紹介)(第三〇三号)
元町に無集配特定郵便局設置の請願(森本靖君
紹介)(第三〇四号)
物部村内根本屋、別府間に公衆電話架設の請願
(森本靖君紹介)(第三〇五号)
鵜之江部落に公衆電話架設の請願(森本靖君紹
介)(第三〇六号)
平山、岩立地区に公衆電話架設の請願(八木昇
君紹介)(第三〇七号)
駒鳴地区に公衆電話架設の請願(八木昇君紹
介)(第三〇八号)
内野地区に公衆電話架設の請願(八木昇君紹
介)(第三〇九号)
椿原地区に公衆電話架設の請願(八木昇君紹
介)(第三一〇号)
伊万里市の電報電話局庁舎建設促進に関する請
願(八木昇君紹介)(第三一一号)
伊万里市内通話区域の統一に関する請願(八木
昇君紹介)(第三一二号)
一本木簡易郵便局を無集配郵便局に昇格の請願
(山本猛夫君紹介)(第三一三号)
郵便切手類等の売さばき手数料引上げに関する
請願(山本猛夫君紹介)(第三一四号)
岩手福岡郵便局舎新築に関する請願(山本猛夫
君紹介)(第三一五号)
電話加入権の担保制度確立に関する請願(河野
密君紹介)(第三四七号)
同月二十七日
騰波の江地区に無集配特定郵便局設置に関する
請願(赤城宗徳君紹介)(第四五七号)
羽根村に公衆電話架設の請願(森本靖君紹介)
(第四八一号)
東灘部落に公衆電話架設の請願(森本靖君紹
介)(第四八二号)
小川部落に公衆電話架設の請願(森本靖君紹
介)(第四八三号)
同月三十一日
曽慶簡易郵便局を無集配郵便局に昇格の請願(
志賀健次郎君紹介)(第四九八号)
佐渡彌彦国定公園記念切手発行に関する請願(
北れい吉君紹介)(第五〇八号)
の審査を本委員会に付託された。
一月十八日
電話料引下げに関する陳情書
(第
一一五号)
政府剰余金による電話設備費負担に関する陳情
書
(第一一六号)
電話金融取締りに関する陳情書
(
第一一七号)
短波放送の利用に関する陳情書
(第一一八号)
二月一日
京阪神地区に教育テレビ放送許可に関する陳情
書外七件
(第二四五号)
を本委員会に参考送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
理事の互選
郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関
する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第
二三号)
公衆電気通信法の一部を改正する法律案(内閣
提出第二四号)
郵便為替法の一部を改正する法律案(内閣提出
第二一号)(予)
郵便振替貯金法の一部を改正する法律案(内閣
提出第二二号)(予)
郵政事業に関する件
郵政監察に関する件
電気通信に関する件
電波監理及び放送に関する件
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X00219580207/0
-
001・片島港
○片島委員長 ただいまより会議を開きます。
本日の日程に入る前に理事の補欠選任についてお諮りいたします。すなわち理事でありました廣瀬正雄君が去る一月二十三日委員を辞任せられました結果、理事が一名欠員になっておりますので、この補欠選任を行わねばなりませんが、これは委員長において指名いたすに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X00219580207/1
-
002・片島港
○片島委員長 御異議なければ、委員長より上林山榮吉君を理事に指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X00219580207/2
-
003・片島港
○片島委員長 郵政事業に関する件、郵政監察に関する件、電気通信に関する件、電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。
まず郵政大臣より所管事項について説明を求めます。田中郵政大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X00219580207/3
-
004・田中角榮
○田中国務大臣 それでは私から所管事項につきまして概略御説明申し上げます。去る十一月に開催されました本委員会におきまして、一応業務につきまして御報告申し上げましたので、本日はその後に生じました当面の重要課題等につきまして御説明申し上げます。まず今国会に提出を予定いたしております法律案等について申し上げます。今国会に提出を予定いたしております法律案は、ただいまのところ十一件でありますが、このほかに条約が数件ございます。
第一は、郵政省設置法の一部を改正する法律案でありますが、そのおもな内容は、大臣官房に官房長を置くこと、電気通信監理官を廃止して新たに電務局を置くこと、電波監理局に新たに部制を設けることにいたそうとするもの等であります。
第二は郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案でありますが、そのおもな内容は郵便切手類及び印紙のりさばき手数料は、昭和二十九年に定められましたが、その後における売りさばきの実情、労賃その他売りさばきに要する経費の増加に伴い、これを引き上げ、また売りさばき額の低額なものに対しましても一定の手数料額を保障いたそうとするもの等であります。
第三は、お年玉つき郵便葉書等の発売に関する法律の一部を改正する法律案でありますが、この法律案は、郵便はがき及び郵便切手に付する寄付金を受ける団体の範囲を最近の社会的要請に即応させるとともに、寄付金付郵便はがき、郵便切手の発行手続に関する規定及び寄付金の管理並びに寄付金の使途の適正をはかるのに必要な規定を整備いたそうとするものであります。
第四は、郵便為替法の一部を改正する法律案でありますが、そのおもな内容は、電信為替の利用者の利便をはかるため、為替金を受取人の居宅に送達するとともに、差出人から受取人あての通信文を為替金とともに受取人に送達する制度を設けようとするものであります。
第五は、郵便振替貯金法の一部を改正する法律案でありますが、そのおもな内容は、加入者及び小切手の所持人の利便をはかるため、小切手の支払いをすみやかにすることができるよう、払い出しの方法を改正いたそうとするものであります。
第六は、簡易生命保険法の一部を改正する法律案でありますが、そのおもな内容は、保険金最高制限額を引き上げようとするものであります。
第七は、公衆電気通信法の一部を改正する法律案でありますが、そのおもな内容は、現在日本電信電話公社では農山漁村等における電話の普及に資するため、その電話需要の特殊性にかんがみ、低料金で部落電話的な機能を有する地域団体加入電話の制度を設けて、試行サービスとして実施いたしておりますが、これは法定化すること、及び現在日本電信電話公社並びに国際電信電話株式会社におきまして、試行サービスとして実施しております加入電信を法定化いたそうとするものであります。
第八は、電話加入権質に関する臨時特例法案でありますが、そのおもな内容は、第二十六国会以来懸案となっておりました電話加入権の質権設定につきまして、一定の条件のもとに期限を付して、これを認めることにいたそうとするものであります。
第九は、日本電信電話公社法の一部を改正する法律案でありますが、そのおもな内容、日本電信電話公社の監査機能を充実するため、監事制度を設けようとするものであります。
第十は、電波法及び放送法の改正についてでありますが、最近における電波界、放送界の状況は現行法の制定当時には到底予想もし得なかったほど急速な発展を見、国民生活の上にますます重要な影響を与えつつある情勢でありまして、現行電波法及び放送法はこの情勢に即応し得ない点が生じて参りました。特に、日本放送協会については、その公共的使命を一そう明確にする必要がありますので、これらの点について所要の改正を加えようとするものであります。
次に条約関係について申し上げますと、昨年八月カナダのオタワにおきまして開催されました万国郵便連合大会議におきまして、わが国の代表が署名調印をいたしました万国郵便条約その他の関係約定を今国会に提出する予定であります。さらに日本、フィリピン間小包約定、日本、南アフリカ連邦間小包約定及び日本、ビルマ連邦間小包約定の締結及び日本、アメリカ合衆国小包約定の改締の条約案につきましても今国会に提出する予定で、目下取り運び中であります。
以上がただいまのところ今国会で御審議をいただく予定の法律案等であります。これらのうち郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案、郵便為替法の一部を改正する法律案、郵便振替貯金法の一部を改正する法律案及び公衆電気通信法の一部を改正する法律案の四件につきましては、すでに国会に提出いたし、その他のものにつきましても目下鋭意取り運び中でありまして、これらにつきましてもでき得る限りすみやかに国会に提出いたす所存でございますので、何とぞよろしく御審議を賜わりますようお願い申し上げます。
次に、特定郵便局制度調査会の答申について申し上げます。
昨年五月二十八日の閣議決定に基いて設置されました特定郵便局制度調査会から、さる一月十四日諮問に対する答申がありました。その骨子となっている基本的な重要問題点を申し上げますと、第一点は、特定郵便局という制度を存置する。すなわち選考により任用する局長を長とする郵便局を認める。第一点は、特定郵便局長の任用は政治的圧力や組合運動等の対象とすべきでない。なお特定郵便局長の政治活動、市町村会議員の兼職は許すべきでない。第三点は、簡易郵便局の受託者の範囲を公益法人、個人にまで広げ、恩給その他国庫金の取扱いを行うことができるようにして、簡易郵便局方式を活用し、郵政財政の負担を軽減し、郵政事業の窓口機関の増設に資する方策をとるべきである等であります。今後における特定郵便局の運営につきましては、この答申を尊重いたしまして、適切な処置を講ずるよう目下鋭意検討中でありまして、早急何らかの結論を得たいと思っております。
次に郵政事業のサービス向上と貯蓄の増強に資するため、従来の特定郵便局新設の規模を拡大し、予算に計上の二百局のほか相当膨大な置局を行い得るよう長期計画を樹立することといたし、目下所要の作業を進めております。
次に郵政省所管昭和三十三年度予算案について御説明申し上げます。まず郵政事業特別会計予算について申し上げますと、この会計の予算総額は千六百七億九千七百万円でありまして、前年度の千四百三十五億二千五百万円に比して百七十二億七千二百万円の増加となりますが、その歳出予算の内訳を申し上げますと、郵政省において取り扱う郵便、郵便貯金、簡易生命保険及び電気通信等の諸業務に要する業務費が千百七十六億七千九百万円、収入印紙、失業保険印紙等の収入をそれぞれの会計に繰り入れる業務外の支出額が三百七十七億五千八百万円、公債及び借入金の償還金が一億六千六百万円、予測しがたい経費の支出に充てるための予備費として八億円、郵便局舎等の建設費として四十三億九千四百万円を計上いたしております。
次に定員関係について申し上げますと、郵政事業特別会計における昭和三十三年度の予算定員は二十六万六百七十七人でありまして、前年度に比べ二千六百十五人の増員となりますが、この増員は主として郵政窓口機関の増置、郵政業務量の増加、特定局における電話施設の増加に伴う所要人員並びに常勤労務者の一部を定員化するに伴うものであります。
次に歳入予算について申し上げますと、歳入予算総額は歳出予算と同額の千六百七億九千七百万円でありまして、その内容といたしましては、郵政固有業務収入及び雑収入が五百六十億一千三百万円、郵便貯金、保険年金、電気通信等の各業務の運営経費に充てるため他の会計から繰り入れられる他会計からの受け入れ収入が六百三十八億八千百万円、郵便局舎等の建設財源に充てるため郵便貯金特別会計、簡易生命保険及び郵便年金特別会計の両会計から受ける設備負担金が五億四千五百万円、郵便局舎等の建設財源に充てるための借入金が二十六億円、以上のほか収入印紙等の売りさばきに伴う業務外収入が三百七十七億五千八百万円となっております。
次に郵便貯金特別会計予算は、歳入歳出ともに五百三十三億九千百万円でありまして、このうち歳入予算は、郵便貯金の資金を資金運用部に預け入れることによって生ずる利子収入等が四百八十一億八千五百万円、歳出経費の財源に充てるため資金運用部特別会計から繰り入れを受ける他会計からの受け入れ収入が五十二億六百万円となっております。これに対し歳出予算は、郵便貯金の頂入者に対して支払う利子が三百五十一億三千三百万円、郵便貯金業務運営のために必要とする経費が百八十二億五千八百万円となっております。
簡易生命保険及び郵便年金特別会計は、歳入が千三百九十八億三千三百万円で、歳出は四百八十七億二千九百万円を計上いたしており、歳入超過額九百十一億三百万円は法律の定めるところによりまして、積立金として処理することになっており、一般公共貸付の運用原資といたしまして八百五十八億円を確保する予定となっております。
なお参考までに郵便貯金及び簡保年金の資金と財政投融資資金との関係について申し上げますと、三十三年度の政府財政投融資原資見込額三千五百七十二億円のうちには郵便貯金の資金が一千百五十億円、簡保年金資金が八百五十八億円、合計二千八億円が含まれておりまして、この金額は全投融資原資の五六%を占めている実情でございます。
次に当省所管一般会計予算案について御説明申し上げますと、歳出予算総額は十七億七千四百万円でありまして、これを前年度予算額十六億四千百万円に比べますと一億三千三百万円の増加となっております。この増加のおもな事項といたしましては、電気通信監理機能の充実に要する経費として四百万円、マイクロ散乱波、ミリメートル波等電波技術関係重要施策実施に要する経費として四千六百万円、放送局、テレビジョン局等の監督に必要な機器類の整備充実に必要な経費として八百万円、定員の増加並びに職員の昇給に必要な経費として八千九百万円等が主たるものでありまして、他方海外放送交付金の減少千五百万円等がありますので、前述の通り一億三千三百万円の増加となるわけであります。
次にこれら業務の運営に必要な定員について申し上げますと、本年度予算定員は二千九百五十五人で、前年度予算成立定員二千九百四十二人に比べ十三人の増員となっておりますが、この増員は、電気通信監理機構の拡充強化に伴って十五人の増員が認められ、ほかに二名を科学技術庁に組みかえたことによるものであります。
次に昭和三十三年度の日本電信電話公社予算案の概要を申し上げますと、昭和三十三年度は電信電話拡充第二次五カ年計画の初年度に当り、加入者開通二十五万加入、公衆電話増設一万個、市外回線増六十六万キロメートル、電話局建設百五十五局等の施設増によって、電信電話の拡充とサービスの向上を強力に推進いたしますとともに、テレビ中継網の整備にも重点をおきまして次のように編成されております。損益勘定におきましては、収入は一千六百九十四億円、支出は一千四百二十三億円で、差引二百七十一億円の収支差額を生じますが、これは建設財源及び債務償還に充てられることになっております。建設勘定におきましては、その総額は七百五十億円でありまして、前年度の六百三十四億円に対し百十六億円の増加となっております。建設資金の調達は、自己資金を五百八十九億円、外部資金を百六十一億円と予定しておりますが、そのうち自己資金の内訳は、減価償却引当金二百八十六億円、設備負担金十七億円、資産充当五十七億円及び収支差額二百七十一億円から債務償還四十二億円を差し引いたものであります。外部資金の内訳は、加入者及び受益者債券六十七億円、電話設備負担金五十九億円、運用部資金二十億円及び簡易生命保険及び郵便年金積立金、運用資金十五億円となっております。またこれに対する支出といたしましては、一般拡張工程に六百九十億円、町村合併に伴う電話サービス改善に三十億円、農山漁村電話普及特別対策に三十億円となっております。
次に甘木放送協会の昭和三十三年度予算案につきましては、日本放送協会におきまして従来に引き続き目下新会長のもとにおいて成案を急いでおりまして、業務全般について一そう能率化と合理化をはかりながら、その使命達成をはかるよう考慮し、特に聴取状況の改善、良質放送の実施に留意し、これに必要な諸施設の増設並びに改善を考慮しており、近い機会に国会に提出いたすことができることと存じます。その節はよろしく御審議下さいますようお願いいたします。
以上まことに簡単でございますが、一応私の報告を終りたいと思います。なお詳細の点につきましては、御質問をいただきましてお答え申し上げたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X00219580207/4
-
005・片島港
○片島委員長 次に日本電信電話公社の事業概況について、総裁より説明を求めます。電信電話公社総裁梶井説明員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X00219580207/5
-
006・梶井剛
○梶井説明員 日本電信電話公社の本年度の事業概況につきまして御説明申し上げます。まず予算の実施状況でありますが、本年度の建設勘定予算は成立額六百三十四億円と前年度からの繰り越し四十五億円とを合計いたしまして、総額六百七十九億円でございますが、工事は年度初頭より順調に進行いたしまして、十一月末までの支出額は四百八十八億円、総額の七二%の進捗を示しております。現在までに実施いたしましたおもな工程について申し上げますと、サービス工程につきましては、農山漁村電話普及特別対策を含めまして加入電話十八万七千、公衆電話一万一千七百の増設計画に対し、十一月末にはそれぞれ十六万三千及び七千四百の架設を終り、それぞれ八七%及び六三%の進捗を示し、市外電話回線につきましては、約四十七万キロの増設計画に対し三十九万三千キロを増設いたしまして、進捗率は八四%となっております。基礎工程についてみますと、電話局の建設は百三十局の計画であり、そのうち年度内にサービス開始を予定しているものは六十七局でありますが、十一月末までに四十二局がサービスを開始しております。長距離ケーブルにつきましては、七区間の新設予定に対し三区間を完成しております。その他、町村合併に伴う電話サービスの改善並びに農山漁村電話普及特別対策につきましても目下鋭意進捗をはかっております。以上の結果、十一月末における加入電話の数は約二百五十六万、公衆電話の数は約六万となりました。しかしながら市内通話のつながる割合を十大都市についてみますと六六%でございまして、そのつながらない原因の大半は相手方のお話し中であり、この面からも電話の不足がサービスの向上をはばんでいることがうかがわれます。また市外電話回線は三百三十七万三千キロとなり、その内訳は公衆線三百八万九千キロ、専用線二十八万四千キロでありまして、公衆線のうち四三%が即時回線となっております。
電報につきましては、受け付けてから配達されるまでの平均所要時間は、普通電報で五十四分、至急電報で三十八分であり、間違いの字数も一万字当り一般電報で十一・七字、照合電報で二・八字とそれぞれすでに戦前を上回っております。また加入電信は、三十二年四月より名古屋におきましてもサービスを開始し、東京、大阪を合せまして十一月現在三百六十五加入となっております。
なお、収入につきましては、おおむね順調な経過をだどっており、予定よりもある程度の増収を見得るものと思われます。
次に最近の労働情勢について申し上げますと、全電通労組の昨年春の賃金引き上げ要求につきましては、四月十六日仲裁裁定が提示され、これに基く補正予算の成立を待って、基準内賃金を四百十円引き上げることとして春季闘争は終了いたしました。その後組合は、九月以降合理化問題、貸金引き上げ問題及び年末手当問題等につき、要求書を提出し、秋季年末闘争に入りましたが、合理化及び年末手当問題につきましては団体交渉により十一月八日基本的事項につきまして了解点に達し、十二月二日に協約、覚書等の仮調印を行い、早期に妥結を見ることができました。合理化問題につきましての妥結の内容は、労働条件特に要員に関係のある設備計画等については組合と事前協議を行うこと、機械化等により生ずる剰余人員は、配置転換等をより広く行うことによって吸収し、人員整理等の事態をなるべく到来めしめないようにすることを中心としたものであります。今後第二次五カ年計画の遂行に当りましては、この基本線に沿いまして、誠意をもって事態の解決をはかることによって事業を円滑に運営し、もって国民の与望にこたえて参りたいと考えております。なお基本賃金の引き上げにつきましては、年末まで団体交渉を行いましたが、結論を得ず、組合は公共企業体等労働委員会に調停を申請し、現在その手続中であります。
次に本年度をもちまして、昭和二十八年度から着手いたしました第一次五カ年計画は終了することと相なりましたが、おかげをもちまして計画に対しておおむね順調な成果を上げ得る見込みであります。すなわち昭和二十七年度末と対比いたしますと、加入電話は五年間に百三万を増し一・七倍、公衆電話は四万五千個増で三倍、市外電話は二百万キロを増設して二・五倍とそれぞれ増加することになります。しかしながらこのような拡張にもかかわらず、加入電話の需要充足率は依然わずか三〇%内外にとどまり、市外通話につきましても大部分は依然として長い待ち合せ時間を要しております。元来第一次五カ年計画は、戦災都市におけるサービスの復興を中心として計画されたものでありますので、勢い大都市に重点が置かれ、地方都市、農山漁村に対するサービスの改善までは遺憾ながら十分力が及ばなかったのであります。本来電話サービスは、申し込めばすぐ架設され、その電話から全国至るところの場所と即座に通話ができるというものでなければなりません。もちろん現状をもってしましては、短時日にこの目標に到達することは困難でありますが、公社といたしましては今後十五カ年間におおむねこの目標を達成したいと考え、引き続き三十三年度より第二次五カ年計画の実行に着手することといたしました。そのおもなる目標としましては、第一次五カ年計画よりも規模を拡大いたしまして、一、五カ年間に百三十五万の加入電話を増設し、昭和三十七年度末には加入数を約四百万、電話機数を約六百万とすること、二、公衆電話を六万五千個増設し、現在の二倍に増加すること、三、市外回線を四百三十万キロ増設し、県庁所在地、これに準ずる都市相互間及び京浜、京阪神、中京地区等の同一経済圏内並びに同一市町村の市外通話を即時とすること、四、市外通話即時化に要する市外回線増設並びにチャンネル・プランの決定によって今後増加するテレビ放送中継線の需要にこたえるために、マイクロウエーブ、同軸ケーブル等の市外伝送路の拡充整備をはかること、五、電報の中継機械化を完了するとともに、加入電信サービスを全国に普及させること、六合併市町村並びに無電話部落に対する電話サービスの改善を一応完了すること等を計画しております。
この計画を実施するための所要資金は約四千百億円に上り、このうち約千五百億円を外部資金に仰ぐことを予定しておりますが、これの調達につきましては相当の困難が予想されますので、特に皆様の御理解と御援助をお願いする次第でございます。
次に昭和三十三年度の公社予算案について申し上げます。三十三年度の予算案はただいま申し述べました第二次五カ年計画の初年度分として編成いたしました。
まず事業収入について申し上げますと、電信収入九十六億円、電話収入一千五百四十八億円を中心といたしまして、合計一千六百九十四億円の見込みでありまして、三十二年度予算に比べ二百二十一億円の増加となります。この収入見積りは、昨年四月から十月までの収入実績を基礎とし、かつ経済の動向は三十三年度におきましても現状を維持するものとして算定したものであります。支出について申しますと、給与総額は五百六十八億円でありまして、前年度に比し四十六億円の増加となっております。物件費は二百四十四億円で前年度に比し十一億円の増加となり、業務委託費は二百十三億円、減価償却費は二百八十六億円で、前年度に比しそれぞれ十六億円及び二十八億円の増加となっております。以上の結果、収支差額は二百七十一億円となり、前年度に比して九十五億円と相当大幅の増加となっておりますので、これが確保につきましては格段の努力をいたさねばならないと存じております。
次に建設勘定でありますが、三十三年度は総額七百五十億円でありまして、前年度の六百二十四億円に対し百十六億円の増加となっております。建設資金の調達は、自己資金を五百八十九億円、外部資金を百六十一億円と予定しておりますが、そのうち自己資金の内訳は、減価償却引当金二百八十六億円、設備負担金十七億円、資産充当五十七億円及び収支差額二百七十一億円から債務償還四十二億円を差し引いたものであります。外部資金の内訳は加入者及び受益者債券六十七億円、電話設備負担金五十九億円、運用部資金二十億円及び簡保資金十五億円となっております。
建設工程について申し上げますと、まずサービス工程でありますが、昭和三十三年度におきましては農山漁村電話普及特別対策を含めまして加入電話二十六万二千個、公衆電話一万四千個を増設してサービスの改善をはかることといたしております。市外電話サービスの改善につきましては、第一次五カ年計画中に実施いたしました各地方の中心都市相互間の長距離即時サービスを維持するとともに、三十三年度はこれらの大都市と主要都市との即時サービスを開始することとし、札幌——旭川間、東京から金沢・富山・浜松・熱海間、大阪——高知間、福岡から大分・長崎・鹿児島間等二十四区間の市外通話を即時にいたしたいと考えております。また、横浜——小田原間、金沢——富山、神戸——加古川、堺——岸和田等の近接都市間の市外通話を即時化するよう計画いたしております。次に基礎工程でありますが、三十二年度末におきまして設備が行き詰まって電話の増設ができない局は約三百三十局に達しておりますので、これの対策並びに市外通話の自動即時化をはかるため、三十三年度におきましては前年度より継続の六十三局のほか、九十二局の工事に着手し、合計百五十五の新電話局の建設工事を行いますが、このうち年度内に完成してサービス開始をする局は六十一局の予定であります。市外伝送路につきましては、市外通話の即時化並びにテレビジョン中継網の拡充をはかるため、同軸ケーブル及び無装荷ケーブルを前年度より五区間増の十二区間に布設するとともに、マイクロウエーブにつきましては前年度からの継続八区間のほか、既設の幹線のルート増設並びに十五区間の新設に着手する計画であります。なお電報の中継機械化につきましては、前年度と同様五局を行います。
次に町村合併に伴う電話サービス改善計画は、前年度に比し十億円増の三十億円をもって実施することとし、二百三十七局の電話局を合併するとともに、市外回線を一万三千六百キロ増設し、同一市町村内の市外通話サービスの改善をはかりたいと考えております。
農山漁村電話普及特別対策につきましては、前年度の倍額の三十億円をもって四千個の公衆電話及び一万二千加入の共同電話を設置するとともに、現在試行中であります地域団体加入電話の制度を本実施に移すこととし、約百カ所に設置する予定であります。
以上をもちまして三十三年度予算案の説明を終りますが、次に今国会におきましては、公社関係につきまして日本電信電話公社法の一部を改正する法律案、電話加入権質に関する臨時特例法案並びに公衆電気通信法の一部を改正する法律案が政府より御提出の予定になっておりますが、本法案成立の暁には、実施に当り遺憾ないよういたしたいと存じております。
以上をもちまして説明を終らせていただきますが、この機会にあらためて日ごろの御指導、御鞭達に対しましてお礼申し上げますとともに、今後ともよろしく御援助を賜わりますようお願い申し上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X00219580207/6
-
007・片島港
○片島委員長 これにて説明を終ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X00219580207/7
-
008・片島港
○片島委員長 次に郵便為替法の一部を改正する法律案、郵便振替貯金法の一部を改正する法律案、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案、公衆電気通信法の一部を改正する法律案、以上四法律案を一括議題とし審査を行います。まずその趣旨について説明を求めます。郵政大臣田中角榮君。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X00219580207/8
-
009・田中角榮
○田中国務大臣 ただいま議題となりました郵便為替法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
この法律案は電信為替による送金を迅速化し、その送金とともに通信文を伝達する制度を設けまして、利用者の利便をはかろうとするものであります。その改正の要点について申し上げますと、第一点は為替金の払い渡しにつきまして、現在の取扱いによりますと電信為替証書を発行してこれを受取人に送達し、その電信為替証書と引きかえに郵便局の窓口で現金を払い渡すことになっておりますが、この方法のほかに、差出人及び受取人の利便を考慮いたしまして、差出人の請求がありました場合は、郵便局から為替金の額に相当する現金を書留郵便物として受取人に送達することによりまして為替金の払い渡しをする制度を設けまして、送金の迅速化をはかろうとするものであります。なおこの取扱いをする電信為替につきましては、その手数や封筒等の調整費を勘案いたしまして、現行の料金のほかに三十円の付加料金を徴収しようとするものであります。第二点は、電信為替の差出人から受取人あての慶弔その他送金の目的などを内容とする通信文を、電信為替証書または為替金に相当する現金とともに受取人に伝達する制度を設けることによりまして、電信為替のサービスの向上をはかろうとするものであります。第三点は、通信文の伝達を伴う電信為替の業務の一部を日本電信電話公社に委託することができる道を開き、利用者の利便をはかろうとするものであります。
以上まことに簡単でありますが、この法律案の提案理由及びその内容の概略を説明申し上げた次第でありますが、何とぞ御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。
次に郵便振替貯金法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
この法律案は、郵便振替貯金の小切手払い制度につきまして、小切手の呈示があった場合に直ちに支払いをすることができるように取扱い方法を改めますとともに、小切手払いの料金を廃止し、また簡易払い制度につきまして、支払い通知書の制限金額を引き上げまして、利用者の利便をはかろうとするものであります。その改正の要点について申し上げますと、第一点は小切手の支払いにつきましては、現在の取扱いによりますと、郵便局において小切手の呈示を受けた際、口座を保管する地方貯金局に支払い資金の有無を電報または電話で照会した上、支払いをすることになっておりますが、この方法は支払いまでに時間がかかりますので、これを加入者との予約によりまして、自動的に小切手の支払いに充てる資金が地方貯金局からあらかじめ郵便局に通知されるようにしておき、郵便局においてはその通知された金額の範囲内で小切手の呈示を受けた際は、直ちに支払いをすることができるように改め、加入者及び小切手の所持人の利便をはかろうとするものであります。第二点は、現在の小切手の支払いにつきましては、自己を受取人に指定して振り出した小切手による場合を除いては、払い出しの料金を徴収するほか、電報または電話による口座現在高の照会の料金を徴収することとされているのでありますが、一般の小切手取引の実情にかんがみましてこれらの料金を廃止して、加入者の要望にこたえようとするものであります。第三点は株式配当金の支払いなどに利用されております簡易払いの支払通知書一枚の金額は、現在三万円以下と定められておりますが、この制限額を五万円に引き上げまして、加入者の利便をはかろうとするものであります。
以上まことに簡単でありますが、この法律案の提案理由及びその内容の概略を御説明申し上げた次第でありますが、何とぞ御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。
次に郵便切手類さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案につきまして提案理由を御説明申し上げます。
この法律案は、郵便切手類及び印紙の売りさばき人に対する売りさばき手数料率を改訂し、かつ買い受け月額の低い売りさばき人に対しても一定額の手数料を保証いたしますとともに、郵政大臣が、郵便切手類及び印紙の売りさばきに関する業務の円滑をはかるに必要な事項について売りさばき人に対して指示等をすることができるようにいたそうとするものであります。
その改正の要点について御説明申し上げますと、まず売りさばき手数料の改訂についてでありますが、現行の売りさばき手数料率は、昭和二十九年四月に改正実施されたものでありまして、その後四カ年を経たにすぎないものではありますが、最近における売りさばきの実情から見ますと、一般の労賃その他の売りさばきに要する経費が若干増加しているものと認められ、また印紙税法の改正等に伴い百万円を相当上回って売りさばかなければならない売りさばき所もあり、これらのものに全く手数料を支払わないこととしておくことは著しく社会通念に反すると認められますので、これら諸種の事情を考慮いたしまして、買い受け月額一万円以下の金額に対する手数料率百分の六を百分の七に、買い受け月額一万円をこえる十万円以下の金額に対する手数料率百分の三を百分の四に、買い受け月額十万円をこえ百万円以下の金額に対する手数料率百分の一を百分の一・五に改訂するほか、従来手数料の対象とならなかった買い受け月額百万円をこえる金額にもその百分の一に相当する額の手数料を支払うことといたそうとするものであります。なお以上のように売りさばき手数料率を引き上げましても、全国八万有余の売りさばき人のうち約四八%の者は買い受け月額が三千円以下であり、しかもこれらの売りさばき人は、農漁村等割合へんぴな地域において郵便局の補助的施設としての機能を最もよく発揮しているものであるのにかかわらず、その取得手数料の平均額はわずかに百円程度というきわめて些少な額であり、また後に申し述べますように、新たに売りさばき人に対し売りさばき業務を行うに必要な指示をすることができることといたします関係上、一定額の保証という意味におきまして、三千円以下の買い受け月額のものに対しましても買い受け月額三千円のものとみなして手数料を支払うことといたしております。次に売りさばき人に対する郵政大臣の指示事項等についてでありますが、これは郵便局の補助的施設としての売りさばき所の機能を十分に果させるため、郵便切手類及び印紙の売りさばき業務の円滑を期する上に必要があるときは、郵政大臣は売りさばき人の守るべき準則を定め、また売りさばき人に対し売りさばき所に設けるべき設備並びに常備すべき郵便切手類及び印紙の種類及び数量について指示することができるようにするとともに、あわせて郵便料金表の掲示を義務づけることといたそうとするものであります。さらに従来売りさばき所におきましては現金封筒の売りさばきをしていないのでありますが、利用者の利便をはかるため、その売りさばきができるようにいたそうとするものであります。
以上でこの法律案の提案理由の説明を終りますが、どうか御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いする次第であります。
最後に、公衆電気通信法の一部を改正する法律案について提案理由の御説明を申し上げます。
この法律案は、現在日本電信電話公社が試行的に実施しております地域団体加入電話並びに日本電信電話公社及び国際電信電話株式会社が試行的に実施しております加入電信について、その提供条件等を法定しようとするものであります。地域団体加入電話は、いわば構内交換電話の内線電話機の設置場所を地域的に拡大したような形態の部落電話的な電話でありまして、電話回線をできる限り共同で利用して原価の切り下げをはかり、農山漁村等における電話需要に適合させ、電話連絡が不便な農山漁村等における電話の普及をはかろうとするものであります。また加入電信は、加入電話の電話機のかわりに宅内装置としてテレ・プリンターを置き、電信加入者が直接相手方を呼び出して通信文を送受信することができるようになっているものでありまして、国内におきましては東京、大阪、名古屋各地区およびその相互間において、国際通信系にありましては対サンフランシスコ、対アムステルダム、対ハンブルグ間において試行的に実施しております。
次にこの法律案のおもな内容について申し上げます。まず地域団体加入電話は、一般の加入電話と異なる特殊な電話でございますので、その設置地域は、その居住者が社会的、経済的に相互に比較的緊密な関係を有し、かつ電話による連絡が不便な地域であって、公社が郵政大臣の認可を受けて定める基準に適合する地域に限ることといたしております。またその加入契約を締結することができるものにつきましても、公社から公衆電気通信役務の提供を受けることを目的とし、かつ利用の公平、公社に対する代表者の選任等、本法で定める事項を含む組合契約を締結して設立した組合に限ることといたしております。なお地域団体加入電話の交換設備、電話機等につきましては、構内交換電話の場合と同様技術基準を定める等必要な措置を講じて、その加入者たる組合がこれを自営することができることといたしております。またその料金につきましては、市外通話料は法定料金によりますが、その他の料金は公社が郵政大臣の認可を受けて定めることといたしております。その他の公衆電気通信役務の提供条件につきましては、おおむね一般加入電話に準じて取り扱うことといたしております。
次に加入電信について申し上げます。加入電信に関する業務は、もっぱら国際通信を行うものにつきましては国際電信電話株式会社が行い、国内通信を主とするものにつきましては日本電信電話公社が行うことになっております。その提供条件につきましては、おおむね加入電話の場合に準じて取り扱うことにしておりますが、次の事項等につきましては加入電話の場合と異なっております。すなわち加入電信の設備の他人使用につきましては、公社または会社と特に契約をした場合及び公益上特に必要がある場合であって郵政省令で定める事由がある場合を除き禁止することといたしております。また加入電信の端末設備の加入者による設置につきましては、公社または会社が業務の遂行上支障がなく、かつ特に必要があると認められる場合であって、郵政大臣の認可を受けたときは、電信加入者がその端末設備を設置することを承認することができることといたしております。また料金につきましては公社または会社が郵政大臣の認可を受けて定めることといたしております。
以上が地域団体加入電話及び加入電信についての概要でありますが、なおこれに関連いたしましてその他若干の修正をすることといたしております。すなわち公社または会社は、この法律で定める公衆電気通信役務以外の公衆電気通信役務を試行的に提供することができる旨明文の規定を置くこと、公社または会社は、本法で定めた公衆電気通信役務の提供条件以外の提供条件であって、郵政省令で定める重要な事項を内容とする契約約款を定めようとするときは、郵政大臣の認可を要することなどであります。
以上でこの法律案の提案理由の説明を終りますが、何とぞ御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X00219580207/9
-
010・片島港
○片島委員長 なおただいまの説明についての質疑は後日行うこととし、本日は説明聴取にとどめます。
次会は公報をもってお知らせすることとして、本日はこれをもって散会いたします。
午前十一時三十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X00219580207/10
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。