1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年三月五日(水曜日)
午前十一時九分開議
出席委員
委員長 片島 港君
理事 竹内 俊吉君 理事 橋本登美三郎君
理事 早稻田柳右エ門君 理事 松前 重義君
理事 森本 靖君
秋田 大助君 伊東 岩男君
椎熊 三郎君 粟山 博君
井手 以誠君 小松信太郎君
佐々木更三君 原 茂君
松井 政吉君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 田中 角榮君
出席政府委員
郵政事務官
(大臣官房電気
通信監理官) 松田 英一君
委員外の出席者
日本電信電話公
社総裁 梶井 剛君
専 門 員 吉田 弘苗君
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三月五日
委員平野三郎君及び井手以誠君辞任につき、そ
の補欠として高碕達之助君及び稲富稜人君が議
長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
公衆電気通信法の一部を改正する法律案(内閣
提出第二四号)
日本電信電話公社法の一部を改正する法律案(
内閣提出第七一号)
日本放送協会昭和三十一年度財産目録、貸借対
照表及び損益計算書
電気通信に関する件
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/0
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001・片島港
○片島委員長 これより会議を開きます。
日本電信電話公社法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行います。
まずその趣旨について説明を求めます。郵政大臣田中角榮君。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/1
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002・田中角榮
○田中国務大臣 ただいま議題になりました日本電信電話公社法の一部を改正する法律案について、提案理由の説明を申し上げます。
この法律案は日本電信電話公社に新たに監事制度を設けようとするものであります。御承知の通り電信電話に対する熾烈な要望にこたえるために、公社では第一次計画に引き続き、さらに大幅な第二次五カ年計画を遂行しようとしているのでありますが、この際、経営委員会のもとに執行系統から独立した監査権能を有する監事を設けて公社の監査機能を確立し、もって経営の合理化を一そうはかっていくことが必要と存ずるのであります。このような監査制度はすでに国鉄、専売の二公社はもちろん、他の公団、公庫等にも見られるところであります。
その内容といたしましては第一に公社に任期三年の監事二名を置くこと、第二に監事の任免は郵政大臣の認可を受けて経営委員会が行うこと、第三に監事の職務としては公社の業務を監査し、その結果を経営委員会に報告すること、第四に財務諸表に添付すべき監査報告書を作成すること、第五に経営委員会は必要と認める事項について監事に監査を命じ得ること、第六に郵政大臣は経営委員会に対し必要事項を監事に監査をさせ、及びその結果の報告を求めることができること、第七に公社と総裁との利害が相反する事項について、経営委員会から選任されて公社の代表者となり得ることであります。
何とぞ御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。
…………………………………発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/2
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003・片島港
○片島委員長 次に日本放送協会昭和三十一年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書を議題とし、審査を行います。まず政府当局よりその説明を求めます。郵政大臣田中角榮君。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/3
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004・田中角榮
○田中国務大臣 ただいま議題となりました日本放送協会の昭和三十一年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書について、概略御説明申し上げます。
日本放送協会のこれらの書類は、放送法第四十条の規定に基きまして国会に提出いたすものであります。協会から提出されました昭和三十一年度の貸借対照表等の詳細はお手元の書類の通りでありますが、その概要について御説明申し上げますと、昭和三十二年三月三十一日現在における資本総額は四十一億六千九百余万円であり、これに照応する資産は八十九億七千八百余万円、負債は四十八億九百余万円となっております。資産の内容を見ますと、流動資産九億七千六百余万円、固定資産七十四億千八百余万円、特定資産五億二千五百余万円、繰延勘定五千九百余万円となっております。また負債の内容は流動負債四億八千五百余万円、固定負債四十三億二千三百余万円となっております。損益につきましては事業収入はラジオ関係が百七億八千四百余万円、テレビジョン関係が十億三千七百余万円、事業支出はラジオ関係が百二億四千余万円、テレビジョン関係が十三億千二百余万円で、ラジオ関係においては当期剰余金五億四千三百余万円となっておりますが、これは昭和三十一年度収支予算に予定した通り資本支出、放送債券償還積立金、放送債券償還金及び長期借入金返還金に充当されたものであります。またテレビジョン関係においては当期欠損金二億七千四百余力岸となっております。
以上で概要の説明を終りますが、何とぞよろしく御審査のほどをお願いいたす次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/4
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005・片島港
○片島委員長 ただいまの説明についての質疑は後日行うこととし、本日は説明聴取にとどめます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/5
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006・片島港
○片島委員長 次に公衆電気通信法の一部を改正する法律案を議題として審査を行います。
本案については、さきに大臣より提案説明を聴取いたしましたが、この際さらに主要な改正点について事務当局より補足説明を求めます。松田政府委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/6
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007・松田英一
○松田政府委員 公衆電気通信法の一部を改正する法律案につきましては先般大臣から提案の理由を御説明申し上げましたが、私から補足的に各条につきまして大体の改正点の趣旨を御説明申し上げたいと思います。
大体条文を追って参りますが、第七条、第八条、第九条に改正がございます。これは加入電信の制度をこの法律改正で認めて参りますために、将来その加入電信を郵便局その他のところに公社から委託するということも考えられますので、現在委託の規定につきましてはこまごまと列挙してございますけれども、これを将来問題が起るつど改正していきますと非常にわかりにくくなりますので、この際公衆電気通信業務の一部というふうにいたしまして、さっぱりとやれるようにしたわけでございます。
次に第十二条の二でございますが、これは試行的な公衆電気通信役務といたしまして、「公社又は会社は、公衆電気通信役務であって、この法律で定めるもの以外のものを試行的に提供することができる。」という規定を新たに作ったわけでございます。これは先般森本先生からの御質問にもございましたように、今まで地域団体加入電話あるいは加入電信を試行的にやっておったわけでございまして、現在の公社法としてその手がかりになる規定は六十八条にございますけれども、これほど将来大きくなっていく制度を郵政大臣の認可ということもなく、もちろん法律にもまだ正式の制度としてやるまでの段階には至ってないものを、何となしに始めることは感心したことと思いませんので、ここにこの規定を置きまして、将来もしこういった重大な新しい役務を始めていくときには、一応試行的にやれるという根拠規定を置いたわけでございます。
次に第二十五条でございますが、これは地域団体加入電話と関連して参ります最初の規定でございまして、地域団体加入電話はその特殊性によりまして、従来の加入電話とは少し性格が異なって参りますので、第二十五条の中で加入電話と公衆電話以外に地域団体加入電話という一つの種類の電話を認めることといたしたわけでございます。そこで二十五条の二号にそれを入れまして、「一定の地域内に居住する者が公社から公衆電気通信役務の提供を受けることを目的とする組合契約によって設立した組合と公社との契約により設置する電話」というふうに書きまして、組合によって団体加入電話をやらすことにしたわけでございます。
その内容といたしましては、四十三条の二以下に団体加入電話の内容が出て参りますので、まず四十三条の二において地域団体加入電話をやるためには組合でなければならないということにいたしまして、次の一定の基準に適合した一定地域内に居住する者が次のような事項を含む事項について組合契約を締結して組合を設立する。私どもの考えといたしましては、組合ということにいたしますのは、結局公社が大体公衆電話というものを独占的にやっていくという現在の法律の建前といたしまして、その下部にある一定の人格者を認めてそれに下請をさせると、いう式の考え方は、公衆電気通信の体系としては感心しないと思いますので、民法上の組合というものを考えまして、民法上の組合が物事を行うという場合には、民法上の組合は法人格を有しませんので、観念的には各組合員が公社の電話の利用者となるという観念もとり得るように思いますから、組合という観念をここに入れたわけであります。ただし民法上の組合といたしましても、それは現行の組合員の任意な申し合せ、任意な組合契約によってできるということにいたしましては、またこの団体加入電話の運用がうまく参りませんので、この場合その一号、二号、三号、四号に掲げてあるようなことを組合契約の内容に盛ってもらわなければならないということで、法律上の要請といたしましてこの規定をあげたわけでございます。第一号は当然でございますが、二号、三号それぞれ公平な取扱いを受ける権利を確保させたり、あるいは業務執行の便利のために代表者を通じてやっていくという問題、その他のことについて要請をしたわけでございます。それから組合員の加入申し込みの場合に、勝手に組合が選定をいたしまして、ある者は入れる、ある者は入れないというようなことがあると、公衆電気通信役務の公平な提供に差しつかえがあると思いますので、第二項の規定を設けたわけでございます。
四十三条の三は、一般の加入電話にもありますように、一つの地域団体加入電話については一つの組合に限るということでございます。
次に四十三条の四は、この地域団体加入電話の設置地域をきめたわけでございまして、大体前半の方は有線放送電話の法律の中に書いてあるのと同じような文句でございますが、ただしこの場合には、公社の電話に当然つながっていく、あるいはその一系列になる電話でございますので、その関連というものを十分に考えていかなければならないということで、「公社が郵政大臣の認可を受けて定める基準に適合するもの」という一つの規定を付加して作ったわけでございます。
四十三条の五は、これに対して他人使用の場合とか、あるいは通話の停止解除とかという規定を加入電話の場合と同様に準用いたしました。
第四十四条は、こまかい規定でございますが、団体の加入電話というものができましたために、級局の設定の場合の数の勘定の必要上ここに入れたわけでございます。
それから第四十六条は、通話の種類でございますが、団体加入電話といたしましては、大体市外通話というものは普通の加入電話の場合の通話と同じように扱うことにしておりますが、市内通話については特殊な料金体系というものを考えております。いずれにしても通話というものは、一般加入電話と同様に扱う必要がありますために、ここに団体加入電話ということを入れたわけでございます。
次に五十一条以下でございますが、これは団体加入電話というものは、組合の中で交換機を持ちまして、その下に組合内の電話機があるという格好でございますので、当然構内交換電話の場合と同じように、組合の中の交換施設を通して交換手が組合員の電話をお互いに交換をさせ、あるいは他の加入者に対して通話を接続する仲立ちをするものでございますので、その組合交換設備あるいは交換設備に従事する者についての規定を大体そのまま当てはめるという意味で、その趣旨に従って団体加入電話の場合を入れたための改正でございます。五十一条、五十二条、五十三条と同じ趣旨で、法律的な内容としては変っておりません。
次に加入電信でございますが、第三章に加入電信の規定を新たに一章としてつけ加えたわけでございます。加入電信は大臣の御説明でも申し上げましたように、大体国際的なものは国際電信電話株式会社で実施する、国内的のものは電電公社で実施するという建前は、公衆電気通信法あるいはその他の法律規定からくる建前を全然くずしていないわけでございますが、ただ特殊なところは、電話の場合には大体国内で作っております電話のみを通しまして国際通話が行われているという体系になっておりますけれども、加入電信の場合には、国内的には実は和文と欧文と両方を送り得るという建前になっておりますので、技術的にも六単位と申しまして、やや、電気的な符号を作るのに複雑な機械構成をとっております。一方国際的には英文のローマ字でございますので、単位が少うございますので、五単位の符号によってやれる。従って機械も幾らか簡単であるという点がございますので、その点を全部六単位というもので統一をして、それから国際通信を扱わすということにいたしますと、六単位から国際的につながる場合にコンヴァー夕ーという変換装置を入れまして変えなければならないとか、あるいは高いものを——複雑な機械でございますので若干高いわけですが、その高いものを国際電報のみを使う人に押しつけるということになりますので、やはり国際電報だけを非常に多量に扱っていくというものに対しましては、独特のシステムを作った方がいいという前提でこの法律規定はできております。
第五十五条の二は、加入電話の場合にもございますように、加入電信について一人契約することができるというのはほかと同様の規定であります。
第五十五条の三はこれは公社の場合には、やはり将来の目標といたしましては全国を区域に割って電信加入区域というものを設定してやっていき、全国的にカバーさせるという計画を持っておりますので、電信加入区域の規定を置いたわけであります。国際電信電話会社の場合におきましては大体東京、大阪を中心として特別の国際電報の必要あるものに対して認めていくという限られたものでありますので、特に加入区域という規定を作らないで適当に運用して、たとえば料金の認可のときの基準等によってまかなえるというふうに考えまして、ここにはこの規定を置きませんでした。
次に五十五条の四は、電信加入区域の申し込みの承諾の規定でありますが、これは加入電話の場合とほぼ同様の規定で、五十五条の四、五十五条の五等が作ってございます。要するに区域外の場合には特別の負担というものを条件として公社は承認していくということになります。
それから五十五条の六は、他人使用の制限でありますが、これは加入電話の場合には他人が使用するということを前提といたしまして料金的の規制だけを考えておりましたが、この加入電信の場合には普通の電報と比べまして非常に多量に安く電報がはけるという性質を持っておりますので、これを乱用されますといわば私設の電報局ができるという感じになりますので、専用の電信の場合の規定の仕方も考えましてこの程度の制限規定を置いたわけでございます。それから通信の停止及び電信加入契約の解除につきましては、電話の場合と同様に五十五条の七で準用しております。
それから五十五条の八の規定は、電信加入者による設置となっておりますが、これは電話の場合におきましては構内交換電話等につきまして自営の道を開いております。ただ加入電信につきましては現在やっております公社の加入電信というものは非常に複雑でございますし、また将来発展の余地もありますので、現在公社といたしましては今の段階では自営というものを認めるのは適当でないと考えております。しかし国際電電の場合には、これは世界的にほぼ画一したいわゆる五単位の機械を使ってもおりますし、ある場合には、たとえば専用の国際電信の委託のための線を持っておるというふうな場合には、それが変るというふうな場合もございますので、ある特定の場合には郵政大臣の認可を受けて自分でその設備ができるという道をここに開いておいたわけでございます。そのほか専用契約等につきましてはこの条文改正によりましての字句の整理でございます。
次に料金問題といたしましては、六十八条をこのように改正いたしまして、試行的な部分につきましては先ほど十二条の二で申し上げましたように、その方の規定でまかなえますので、ここでは必要ないから省いたということでございます。それからいたしまして、この規定によりまして加入電信あるいは団体加入電話の規定は別表とも関連いたしまして、料金は認可制度でやって参りたいというふうに考えております。
次に七十五条の改正は、団体加入電話の料金徴収上の便宜のために、このように連帯支払いの規定を追加したわけでございます。
七十七条は電報の取扱いの停止についての、加入電信が入りましたことにつきましての、あるいは地域団体加入電話の規定が入りましたことにつきましての条文整理でございます。
七十八条以下は料金の返還の規定でございますが、これも団体加入電話が入りましたために、この規定の趣旨を適用させるために、条文整理上つけ加えた規定でございます。
それから百五条の場合におきましては、これは団体加入電話の場合におきましては、構内交換電話の場合と同様に自営を認めておりますので、百五条にその規定を追加して、自営の可能な道を開いたわけでございます。
百七条は補償金の規定でございまして、これも団体加入電話ができましたために、この規定を適用するために改正いたしまして、字句の整理をやったということだけでございます。
それから第百八条の二でありますが、これは法定外契約約款の認可といたしまして、加入電信あるいは団体加入電話の規定におきましては、特殊な制度でもございますので、従来の一般的な加入電信、あるいは電報の場合は非常に事こまかに規定ができておりますけれども、この場合には、どちらかといえば主要な点だけを法律規定に盛りまして、それ以外はいわば公社の良識に待つ、公社の公益的な考えというものを十分に生かしまして、役務の提供条件を適当にきめていいように考えておりますが、その場合にも、重要な事柄は郵政省令で、郵政大臣の認可を受けてもらうようにしてもらいたいというふうなこと、それからことに試行的な場合にはいろいろとこういった大事な事柄は郵政大臣の認可を受けてもらわなければならないことにしなければならないというようなこと、そういうように考えまして、法律できめておること以外の契約約款の認可の規定を、ここに置いたわけであります。
次に百九条でございますが、これは損害賠償の規定につきまして、団体加入電話が始まりましたことによりまして、それを適用するために条文整理をしたわけでございます。あるいは電信加入というものができましたために、その電信加入者にも同じ趣旨の規定を適用するために、改正を行なっております。
次に別表のところで規定しておりますのは、先ほど申し上げましたように市外通話料というものは、団体加入電話から市外に通話する場合には、普通の市外通話の料金そのままを適用して参りますが、市内通話の部分につきましては、いわば度数制によるとか、そのほか若干特殊な料金の取り方を考えなければなりませんために、その趣旨で別表を改正してございます。
それから有線電気通信法の改正が入っておりますが、これは団体加入電話というものは、いわば公衆通信というものを、組合の中ではございますが、他人の間の通信を媒介したり、あるいは設備を提供したりという観念になってくるものですから、それは合法なものであるという当然のことを、法律の規定上明らかにいたしますために、改正をいたしております。第四条、第十条等その趣旨の規定でございます。
大体逐条的に私どもの改正いたしました趣旨はそういうことで、全般にわたりましては相当こまかくはなっておりますが、ここに表わしたわけでございます。趣旨につきましては、先般の大臣の御説明によって御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/7
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008・片島港
○片島委員長 本案について質疑の通告がありますので、これを許します。森本靖君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/8
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009・森本靖
○森本委員 この問題についての質疑応答はいずれ日を改めて、この前言った通りゆっくりやりたいと思いますが、この間の委員会でも私は言いましたけれども、どうも電気通信監理関係の説明の資料というものは非常にまずいですよ。それから今のような説明をなぜ要旨にして書いて、資料として出してもらえぬのかということを前から言っておるわけです。今度の日本電信電話公社法の一部改正にしても簡単なる提案です。これを一つにまとめて、貯金局なり保険局なりがやっているような資料にしてぜひ出してもらいたい、こう考えておるわけですから、この公衆電気通信法の一部改正についても、これだけの膨大なる条項でありますので、今言ったような説明をもっと文書的なものにしてもらいたい、実はこういうふうに考えておったわけですが、きょうは私はこの審議をやめて、そういう要望を出しておこうと思います。
それからもう一つ、これは委員長にでありますが、今回の公衆電気通信法の一部改正について、地域団体加入電請については、これは従来有線放送電話についての問題はいわゆる当委員会において取り扱ってきて参りましたので、大体各委員ともそれぞれ現場を見てその状況をよく承知していると思いますが、今回の加入電信についてはわかっておる者は一部わかっておるにいたしましても、この加入電信というものが、今回の公衆電気通信法の一部改正に応じて、そうして今後いかなる方向になっていくかということについては、従来もしばしば見学もしておりますけれども、この内容については、各委員がさらに見聞を広めるという意味においても、これは一つ委員長にお願いしておきますが、近くに中電なり国際電電もあるわけでありますので、理事会において協議の上で実際の見学をするように、これは非公式でもかまいませんが、その視察をするようなことを理事会の方においてはかってもらいたい、こういうことを委員長に要望しておいて、この質疑応答は後日に譲ることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/9
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010・片島港
○片島委員長 ただいまの御要望の通り善処いたします。
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011・片島港
○片島委員長 次に電気通信に関する件について調査を進めます。発言の申し出がありますので、これを許します。松前重義君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/11
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012・松前重義
○松前委員 昨日の午後靱副総裁からも答弁がありましたが、工作工場の問題であります。この問題につきましては昨日椎熊委員からの質問、私の質問等におきまして、靱副総裁の御発言の中に、多少ニュアンスの違った御答弁があったのであります。従ってそれに対しまして、きょうは総裁がお見えになっておりますから、電電公社としての統一した御認識の土に立った御答弁を願いたいと思うのであります。
その一は、工作工場の問題を考えるときに、その考える前提といたしまして、まず電電公社の技術の研究というものが通信研究所でやられておる、それからまた技師長室に調査調もある、こういうわけで、教育は学園でやっておるということで、大体教育は万全を期しておるというようなお話であった、これは椎熊委員の質問に対して答えられたことであります。私ども考えるのに、必ずしも万全でなくて、むしろこの製造工業との間のつながり、すなわち生産技術というような面をある程度体得しなければ、保守その他において完璧を得ることは困難ではないか、それらを工作工場との門に相当密接な関連を持たしめなければならないのではないか、こういうような質問に対しましては、どうも確実な御答弁は得られなかったわけでございますが、これらの技術の保存、育成、強化というような方正面から、大体どういう御意見をお持ちであるか。わけてもこの生産技術の問題とのつながり、そうしてそれを通じての保守との関連性、その他のことを、工作工場の問題は別といたしまして、一応御意見を聞かしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/12
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013・梶井剛
○梶井説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。公社といたしましては、学園というものを持っておりまして、そこで養成をいたしております。特に鈴鹿学園のごときは、設備を全部いたしまして、それについて十分な成果を得るように訓練はいたしております。また研究所はみずから試作工場を持っておりますために、いろいろな新しい考案に対して適切な装置を作り得る力を持っております。そういう意味で、教育と申しますか、あるいは訓練と申しますか、そういうことに対してはできるだけの方法を尽しておるわけであります。しかし一面において今お話の生産技術ということになりますと、これは製造ということになりますので、こういう通信機材のような複雑なものにつきましては、それの生産がいかなる方法によってやられたかということを知っているということは、それを使う人にとりましても必要なことであります。従って保守と申しまするか、設備を十分に性能を発揮し得るようにこれを保全していくという立場から申しますると、生産技術のある程度の知識を持っておることは必要だと思います。そういう意味におきまして、工作工場が、これはすでに使われたものを修理する際に一応解体いたしまして、そして分解してその部品の悪いところを取りかえていくというわけでありますから、生産技術にある程度関連を持っているわけであります。そういう意味で、保全の仕事といたしまして、工作工場が生産技術を修得する上においての一つの道であるということは明らかに言えると思います。でありまするから、学園における訓練ばかりでなく、工作工場を保守、保全の意味におきまして、かような生産技術の一部分でも修得するということに役立てるという意味におきましては、私どもは全く同感であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/13
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014・松前重義
○松前委員 それにつきましては電電公社の統一ある御答弁は、私どもの考えておったところと大体同じでございます。そのほか、昨日は原委員からも、電電公社の公共企業体としての体制から、いろいろな科学教育その他に対しても多少の外面的活動をやったらどうか。すなわち国民教育の一端としても多少考えてもらったらどうかというような広い意見も出ました。そのほか、各委員からそれぞれ地方的な問題についての工作工場整理統合に関するいろいろな心配をされておる向きの御意見が出て、質問が行われたのであります。これに対しまして、いろいろこまごま質問を申し上げるのもどうかと思いまして、一言ここで電電公社としてのお態度を明確にしていただきたいと思いまするのは、今後これらの問題は労働組合といたしましては、相当な配置転換や、あるいはその他のいろいろな点から心配をいたす向きが多いし、そういう点から見て、問題は公社内においてある程度これをこなしていただく必要つがあるのじゃないかということを痛切に感じた次第であります。でありまするから、私はちょっとお尋ねをいたしまするが、この諸問題に関して現在直接この仕事と関連性を持ち、しかもこれに対して相当な心配をいたしておりまする労働組合と公社当局との間に、誠意を持ったお話し合いが願えるかどうか、またそういうお態度をおとりになるかどうか、あるものは団体交渉で、あるものは話し合いによってこれらの問題をまとめる、大体団体交渉によってこれを解決する、こういうようなお態度をおとりになるかどうか、この点につきまして総裁から一つ御意思を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/14
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015・梶井剛
○梶井説明員 昨年の団体交渉におきまして、公社がオートメーションを進めていくに従って公社の人々の職種転換が必要になり、また配置転換が必要になる、そういう場合におきましては組合と十分協議の上で物事を進めていくということに相なっております。今度の工作工場の問題につきましては、これはオートメーションという意味では全然ありませんでして、工作工場の現在の姿が、ある意味におきましては改善を必要とするのじゃないだろうかという考えのもとに、われわれは研究をいたしまして一つの案を得たのであります。しかしこれに伴いまして、やはりオートメーションの場合と同じように配置転換がある程度必要であります。でありますから、こういうときには一応われわれといたしましては組合の人々と十分に話し合いをいたしまして、そうして了解を得るに努めたいという考えを持っております。ただいたずらに一方的に、われわれの案を作ったからして、これを何でもかでも強行するという考えでは毛頭ありません。そういう意味におきまして、今すでに協議を進めているのでありますが、一回二回の協議で結論に到達しようというわけでありませんで、十分納得のいくように協議を進めまして、そうして取りまとめて参りたいという考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/15
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016・松前重義
○松前委員 だいぶ誠意あるお態度を承わりましたけれども、問題は、昨日各委員から要望並びに質問等がございましたが、その大勢は、総裁はおいでにならなかったのでありますけれども、大体この配置というものに対しまして、少くとも現在のままの形以外にこれをうんと生かす道があり、むしろその方面に生かす道は相当に展開されるのではないか、こういうふうな意見が多かったのでございます。従いましてここで要望いたしたいのは、この問題を解決するに対しまして、労働組合との間に話し合いあるいは団交によりまして円満な解決、満足すべき解決を得られることができますように、特に一つ御尽力を願いたいと思うのであります。しこりが残らぬように、せっかく順調に行っている通信事業でございますから、どうか一つその点特に御留意を願いたいと思うのであります。円満なる妥結を得まするように特に御留意を願いたいと思うのでありますが、これに対しまして総裁の御意見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/16
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017・梶井剛
○梶井説明員 昨日の御討議に欠席いたしまして、まことに済みませんでしたが、御意見のありましたところは副総裁から十分伺いました。ただいまお話のありましたような生産技術を修得する上において、工作工場をもっと活用すればいいじゃないかというような御説に対しましても私は同感でありまして、今後この問題の解決につきましては私どもはできるだけ努力いたしまして、そして組合の人々も十分に納得されるようにいたしたいという考えでおりますから、さよう御了承を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/17
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018・片島港
○片島委員長 原茂君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/18
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019・原茂
○原(茂)委員 ただいま総裁の御答弁をいただきまして、ある程度私どもも満足をしたわけですが、基本的に一点だけお伺いしておきたいのは、工作工場の将来について現在までの経緯を見ますと、いろいろ自動化等も進むに従ってだんだん縮小され、しまいにはこれがなくなる、あるいはそういうような予想といいますか、一応の悪い考え方もできるわけですが、これは総裁として将来、ただいまお話のありましたような積極的な面への転用、生産技術の修得もあるでしょうし、昨日は副総裁からお聞き願ったかどうか知りませんが、特にもっと積極的な理化学教育の面に非常に大きく寄与するチャンスがあるので、こういう面にも思い切った考慮を払っていただく必要があると特に強く要望しておきましたが、それらを含めて、将来この工作工場に対してはもう少し基本的に考えを一つ新たにして、これをなくさないのだ、あるいは現在の段階では自動化の進むにつれてやはりだんだんに縮小せざるを得ないのだ、こういうことになるのか、この点は今はっきり御答弁が願えると思うのですが、基本的なそういう見通し、お考えについて一つ将来の展望をお聞きしたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/19
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020・梶井剛
○梶井説明員 最近の電信電話の技術の進歩が、欧米各国においても見られるように非常にユニット構成になっております。あらゆるものが小さなユニットに分けられまして、そして故障が起きましたときには、その故障の起きたユニットだけを取りかえてしまうという方法によりまして保守がされております。でありますから、勢い今日までの技術のようにあらゆる面を修理しないのであります。でありますから電話機一つにいたしましても、電話機そのものを全部解体してそれを修理するというのでなくて、そのうちの悪いユニットだけを取りかえて、あとの部分を生かしていくというような修理の方法でありますために、修理の手数が非常に簡単になってきております。そういう意味におきまして今後工作工場のなすべき仕事のやり方というものは、だんだん変って参る。それが非常に進歩して参りますと、全部解体するものは一つもなくなり、みんなユニット取りかえということになるから、作業が非常に簡単化してしまうということは言い得ると思います。しかしそれにいたしましても、工作工場が無用になるのではないのでありまして、やはりそういうようなユニットの取りかえというようなことに対しましても、一応取りかえましてさらにそれを試験して、これは現場に持っていって十分に役に立つということを確かめてから保全の方へ渡すわけでありますから、そういう意味におきまして工作工場が全然なくなるという心配は私はないと思います。それと同時に現在事業がだんだん伸びて参っております。従ってその事業が拡大されるに従って、修理される量がある程度ふえると考えなければなとりません。そういう意味におきましてある意味においては簡単化し、ある意味においては数量を増すというような、お互いに相殺するような働きをなすようなことになりますので、現在の工作工場が将来において全廃されるというようなことはまずないだろうという予想をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/20
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021・森本靖
○森本委員 きのうこの委員会において相当論議をいたしましたが、総裁が、おらぬので、私は特に委員部の方に連絡をして総裁を呼んでもらうように言いましたが、ちょうどエチオピアの方を御案内するということでおられぬので、おそらくきのう総裁が出席しておったら早く済んだだろう、半日国会がこの審議について損をしただろうというように考えるわけで、さすがに総裁だけのことはあるというようなことを考えるわけであります。
そこで先ほどの松前委員と総裁との質疑応答において、私は一応けっこうだというように考えますけれども、なおいろいろ問題をあらゆる観点から総合して考えた場合に若干の心配がありますので、一つ今後ともこの問題については、総裁がただいま申されましたように、おそらく職員側も誠意を持って交渉するだろうと思いますし、公社側も誠意を持って交渉いたしまして、円満なる妥結がなされた後においてこれを施行するというように、一つ十分に御配慮を願いたい、私はその点についてそう考えるわけですが、総裁は一言そうだということならけっこうであります。どうでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/21
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022・梶井剛
○梶井説明員 まことに申しわけない昨日の欠席でありましたが、あえて弁明するわけではありませんが、エチオピアの国は日本に非常に関心を持っておりまして、日本からできるだけ人を援助してもらいたい。またエチオピアの青年を日本で教育してもらいたいということで、あらゆる施設を熱心に見られましたので、つい私も欠席をしたわけであります。
ただいまの御質問のように、私がこの問題を十分組合と話し合って解決をはかりたいということを申しておりますので、そういうふうに十分協議した上でなければ、直ちにそれを強行するというような態度はとらないつもりであります。従って組合とは今後ともたび重なって話し合いを続けたいという考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/22
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023・森本靖
○森本委員 それでけっこうでございますが、私が老婆心ながら言っておりますのは、そういうふうに話を重ね重ねて円満なる話をつけて、その後において円満に実行するようにお願いをしたい、こういうことですから、そういう方向でよろしいという総裁の口ぶりでありますので、私はそう解釈をして一応私の質問を打ち切ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/23
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024・片島港
○片島委員長 お諮りいたします。日本放送協会昭和三十一年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書につきましては、審査の便宜上次の諸君を参考人として本件審査中随時説明を聴取したいと思います。すなわち日本放送協会会長野村秀雄君、副会長小松繁君、理事溝上けい君、理事稲葉駿作君、理事前田義徳君、経理局長首藤憲太郎君、企画局長春日由三君、以上七名であります。これらの諸君を参考人として本件審査申出席、説明を願うことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/24
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025・片島港
○片島委員長 御異議なきものと認めます。さよう決します。
次会は明後七日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時五十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804816X01019580305/25
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