1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年四月八日(火曜日)
午前十一時七分開議
出席委員
委員長 福永 健司君
理事 高橋 等君 理事 保科善四郎君
理事 前田 正男君 理事 山本 正一君
理事 石橋 政嗣君 理事 受田 新吉君
安藤 覺君 大橋 忠一君
大坪 保雄君 北 れい吉君
小金 義照君 纐纈 彌三君
田村 元君 中馬 辰猪君
辻 政信君 中川 俊思君
永山 忠則君 林 唯義君
船田 中君 眞崎 勝次君
粟山 博君 飛鳥田一雄君
淡谷 悠藏君 稻村 隆一君
中村 高一君
出席国務大臣
国 務 大 臣 津島 壽一君
出席政府委員
総理府総務長官 今松 治郎君
総理府事務官
(恩給局長) 八巻淳之輔君
調達庁長官 上村健太郎君
防衛庁参事官
(長官官房長) 門叶 宗雄君
委員外の出席者
専 門 員 安倍 三郎君
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四月八日
委員大村清一君、田村元君、眞崎勝次君及び山
本粂吉君辞任につき、その補欠として安藤覺君、
中馬辰猪君、井出一太郎君及び粟山博君が議長
の指名で委員に選任された。
同日
委員中馬辰猪君、安藤覺君、大橋忠一君、永山
忠則君及び井出一太郎君辞任につき、その補欠
として田村元君、大村清一君、薄田美朝君、山
本粂吉君及び眞崎勝次君が議長の指名で委員に
選任された。
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四月七日
元満鉄社員に恩給法等適用に関する誓願(安藤
覺君紹介)(第二七一二号)
同(菊地養之輔君紹介)(第二七一三号)
同外六件(小川半次君紹介)(第二七六六号)
同(齋藤憲三君紹介)(第二八一八号)
旧軍人関係恩給の加算制復元に関する請願(河
本敏夫君紹介)(第二七一四号)
同(床次徳二君紹介)(第二七一五号)
同外一件(中曽根康弘君紹介)(第二七六七
号)
同(山本粂吉君紹介)(第二八三七号)
建設省定員外職員の身分保障等に関する請願外
一件(徳安實藏君紹介)(第二七一六号)
建国記念日制定反対に関する請願外三十三件(
辻原弘市君紹介)(第二七一七号)
同外十八件(櫻井奎夫君紹介)(第二七四四
号)
同外二十三件(中村時雄君紹介)(第二七四五
号)
同外二十三件(芳賀貢君紹介)(第二七四六
号)
同外五十二件(河野正君紹介)(第二七六九
号)
同外百三件(横路節雄君紹介)(第二七七〇
号)
恩給法等の一部を改正する法律案中一部修正に
関する請願(江崎真澄君紹介)(第二七六五
号)
恩給調整に関する請願(長井源君紹介)(第二
七六八号)
建国記念日制定に関する請願(早稻田柳右エ門
君紹介)(第二七七一号)
同(赤澤正道君紹介)(第二八一六号)
同(生田宏一君紹介)(第二八三八号)
建設省福島工事事務所臨時職員の身分保障に関
する請願(田中利勝君紹介)(第二七七二号)
内閣に部落対策審議会設置等に関する請願(竹
山裕太郎君外二名紹介)(第二七八六号)
農林省定員外職員の全員定員化に関する請願
(有田喜一君紹介)(第二八一七号)
沖縄の戦時徴用船に対する損害補償に関する請
願(床次徳二君紹介)(第二八三五号)
靖国神社の国家管掌等に関する請願(福田篤泰
君紹介)(第二八三六号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出第
九四号)
防衛庁設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出、第二十六回国会閣法第一五五号)
駐留軍関係離職者等臨時措置法案起草に関する
件
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/0
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001・福永健司
○福永委員長 これより会議を開きます。
恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
討論に入ります。討論の通告がありますので、これを許します。淡谷悠藏君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/1
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002・淡谷悠藏
○淡谷委員 ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案について、日本社会党を代表して、反対の討論を行います。
反対の第一の理由は、この法律案が、提案理由の説明にうたわれているようなこととは、非常に違っておるという点であります。上に薄く下に厚くする精神に立脚したものといってはおりますが、事実はそうじゃございません。戦没軍人の遺族、重傷病者、高年令者の処遇の向上に重点を置くという看板は掲げておりますけれども、実質においては、なお上級職業軍人の戦時中の財産権の温存にねらいを持ったものであるということは、明らかであります。なるほど、将官を現行の通り据え置いて、大佐を二割、中佐を四割、少佐を五割、大尉は七割、中尉は八割、少尉は九割というべース・アップをしたということは、これはうなずけますけれども、現実に現われた姿は、必ずしもその通りではございません。その恩給法を算定いたします基礎につきましては、上に薄く下に厚いという新しい観念は、全く取り入れられておりません。すなわち、大将は七十二万六千円、大佐は三十七万五千百円、大尉は二十三万六千三百円と、職業軍人の間にもはなはだしい階級差が設けられており、さらに准士官が十三万九千二百円、曹長または上等兵曹が十一万一千六百円、軍曹または一等兵曹が十万四千四百円、伍長または二等兵曹が十万八百円と、極端に下げられまして、兵に至っては九万円という、はなはだしい差別待遇をそのままに残しております。これで一体どこに、上に薄く下に厚くしたという実績が表われているでございましょうか。ここには、軍人を職業として戦争の指揮に当った者の遺族に比べて、赤紙で召集された一般兵士の遺族には、依然として犠牲をしい続けている戦争中の階級観念が、強く残っているといわざるを得ないのであります。こうした現実をそのままにしておいて、多少の増加率を下に厚くしたことをもって、上に薄くし下に厚くしたというならば、これはまさに国民をごまかし、兵の遺族を愚弄する悪質な、私は選挙の人気取りにすぎないものと思うのであります。しかも階級差をなくしたという傷病恩給が、その額が低過ぎて、傷病恩給関係者に不平を抱かせておることも事実であります。下級軍人に対する加算制を認めないで、生きている兵隊七十五万が大きな不満を持っておることは、まさに羊頭を掲げて狗肉を売るという言葉どころか、軍旗を掲げて骸骨を売るのたぐいであります。
仮定俸給表を是正して、中尉相当額以下のものはすべて中尉相当額に引き上げ、その不均衡を是正することをわれわれは主張いたして参りました。これに対して生きている将軍たちは、既得権の侵害だとか、財産権の収奪だとかと、さかしらに憲法違反論を振り回しておりまするけれども、これは現存する自衛隊の違憲に比べましては、まことに根拠の薄いものであります。私はせめて生きている将軍たちが、かつての戦争中の覚悟を今取り返しまして、まず既得権を奉還して、表看板はどうあろうとも、実質的には兵の遺族や傷病者のために厚く報いる勇気をなおお持ちになっておることを心から希望いたします。当時の戦争は、政府や軍部みずから言っておりましたように総力戦であります。軍人たると一般市民たると戦争遂行の任務と生命の危険については、ほとんど差のない段階にまで戦争の様態が変っておりました。現実に一般市民が家を焼かれ、一家の柱となるべき人を失い、生活を破壊された人々は何十万、何百万とおります。これらの人々は、今一体何の救済を受けているでしょうか。
そうした一般市民の犠牲と軍人恩給とは性格が違うという。性格が違えばこそ明治十年、西南の役によって始まった軍人恩給は太平洋戦争の敗戦という事実によって昭和二十一年一月廃止され消滅したのであります。その後旧軍人の圧迫によりまして昭和二十八年八月新設されたわけでございまするが、この支持者は残存権利の復活であると主張いたします。しかし法律的に見ればあくまでも一度権利は消滅したのであります。新憲法下では、軍人恩給の権利の発生する根拠は全くないのであります。従って法律の形態として恩給法一本にまとめられ、法文上は公務員という概念で表現されたが、附則で旧軍人という扱いを受けているのであります。理念的にも、また戦争責任の意味においても、旧職業軍人並びに戦争犯罪人は論外でありますし、その他の軍人にしましても、赤紙一枚で天皇のために云々という、全くの旧軍国主義の思想を引く観念論ないしは感情論で扇動されて、軍人恩給は権利であり、社会保障などという恩恵を受けるのではないというようになっては、明らかに軍国主義思想の復活の温床となるべきもので、これがわれわれの反対する第三の理由であります。
しかも今度の予算編成が大詰めに近づいたところに、旧軍隊の組織をまねて編成された恩給団体は、東京九段に本部を設け、全国から集まった約二千人分旧軍人や遺族に作戦命令を下し、デモ隊が自民党本部を埋め尽し、進軍ラッパを吹き鳴らし、軍旗を押し立てて首相官邸に押しかけたという、そんな圧力に屈して、将軍金を愛すというそしりを受けたら、生きている将軍、死せる兵に何のかんばせあって相まみえるでありましょうか。文官並みにするという理由をさかしらに掲げても、文官恩給は百八十億、軍人恩給は八百五十四億、総額において財政をはなはだしく圧迫するのは軍人恩給であります。国民がひとしく受けた戦争犠牲の救済を要求せずに、軍人の決死報国の精神をあおり、日本国憲法に定められた国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有し、あるいはすべての生活部面について社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないという国民の新しい権利の主張を、何らか施しを受けるがごとき観念を持たせるということは、これこそ明治憲法の観念に支配された時代錯誤のはなはだしきものであり、また国家を誤まらしめた軍閥と旧職業軍人の悪宣伝に踊る軍国思想復活論にすぎないのであります。新憲法下の生活保障は、旧軍人としての権利ではなくて、新しい国民のそれでなければなりません。
この立場に立って一般の国民とひとしく生活を保障され、健康を保障され、さらに子女の教育を保障されたならば、既得権の上にあぐらをかこうとする特殊な人たちはともかくも、国民とともに苦しみ、ともに喜ぶ立場に賛成することをかたく私は信ずるものであります。文官恩給との不均衡を言う前に、社会保障制度から取り残されておる膨大な戦争犠牲者、低所得者階層との不均衡を取り上げなければなりません。従って無原則な軍人恩給の増額よりも、国民年金制度の実現に一歩を踏み出すことこそ急務であって、恩給費の扱いは国民年金制度に移行するための過渡的性格のものとして処理されねばならぬのであります。すでに政府においても国民年金制度の研究にとりかかっておるようでありますが、もし軍人恩給の財政圧迫が国民年金制度の実現を妨げるようになれば、旧軍人と国民の間には相剋の起ることなきも保しがたいのであります。不均衡是正、上に薄く下に厚くするということにうそがないならば、恩給法改正に当ってあくまでも全国民的な立場においてその精神を貫かなければならないのであります。これをことさらに旧軍人恩給観念を取り上げて、遺家族と傷病者の陰に隠れて軍人恩給の増額にのみ強い要求を押し切ろうとするならば、これは決して戦争処理に値するものではなく、一歩誤まれば新しい戦争準備にもなりかねないのであります。大将に比べては厚くされても何ほどにもならない恩給を実額的に上回る国民年金にかわることに、おそらく多くの旧兵士諸君の遺族は決して不満を感じないことでありましょうし、軍人恩給の観念に執着して戦争の亡霊をおびき寄せることは断じて英霊に報いるゆえんではありません。恩給増額に名をかりて軍国思想復活のきざしがすでに明らかであります。旧軍人らの恩給復活は、すでに消滅した旧陸海軍制度の部分的復活であり、再軍備政策の一環としての性格を強く持っておるのに、これをますます増強しようとすることは、将来またしても気の毒な多数の遺家族を作り出すおそれがあり、むしろ戦争処理とともに軍人恩給の問題も急速に処理して、社会保障制度を確立することこそが緊急の課題であり、真に遺族傷病者に報いるゆえんでもございます。今日の段階においては、恩給制度一般の再検討が国民を対象とした国民年金制度との関連のもとになさるべきであって、これと矛盾するような今回の政府原案に反対して私の討論を終ります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/2
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003・福永健司
○福永委員長 保科善四郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/3
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004・保科善四郎
○保科委員 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております恩給法等の一部を改正する法律案に対しまして賛成の討論を行わんとするものであります。
御承知のごとくいわゆる六八勅令によりまして停止または圧縮をされました旧軍人等の恩給につきましては、政府は昭和二十八年に、不十分ではありましたが、戦没軍人の遺族並びに戦傷病者に対する補償に重点を置きましてこれが復活の措置を講じ、その後またさらに仮定俸給年額を引き上げたりあるいは公務死の範囲を拡大するなど、国家財政を考慮しつつ逐次改善の措置をとったのであります。当時社会党の左派は旧軍人の恩給の復活は再軍備の前提であるとして強く反対されました。社会党の右派は条件を付して賛成をされたのでありますが、われわれは、戦没者遺族や傷痍軍人等に対しましては、国家は恩給支給の約束をいたしており、非常な犠牲を払われたのでありますから、国家としては当然その責任を果すべき措置であると信じまして、政府の施策に全幅の賛意を表した次第であります。
今回の改正法案は臨時恩給等調査会の報告を尊重いたしまして、国家財政や経済事情等を勘案し、文官恩給に比しはなはだ不公平な取扱いを受けていました戦没軍人遺族と戦傷病者の処遇の改善並びに老齢退職公務員の処遇の向上に重点を置きまして問題の総合的解決をはかろうとするものであり、これが実施に当っては戦没軍人遺族、重傷病者、高年令者を先にいたしまして、処遇改善の対象は六十才以上の老齢者、未亡人、遺児、傷病者等とし、しかも上に薄く下に厚く赤紙応召者関係者の下級者に重きを置きまして、傷病恩給におきましては、階級制を撤廃するなど多分に社会保障的な考慮を払われている点に私は満腔の賛意を表するものであります。
去る二月中旬社会党中央委員会は、旧軍人等恩給に対する態度について発表されたのでありますが、われわれの最も了解に苦しむところは、旧軍人関係の恩給は国民年金制度へ移行さすべきものとしておりますが、文官恩給については別扱いになっておる点であります。国民年金制度の実施につきましては、政府におきましてもその用意があることをしばしば答弁しておられるのでありますから、われわれもこれを了といたしまして、そのすみやかなる実現を期待するものでありますが、国民年金制度が将来実施されましても、恩給制度はこれと関連を持ちつつも別個に存続すべきものと考えるのであります。国と特別なる使用関係にある者とそのほかの一般の者とを一緒にするわけには参りません。このことは現に国民年金制度をとっておる欧州各国の実例に徴しましてもそうなっておるのであります。ゆえにわれわれは恩給制度を国民年金制度に移行さすべきものとする社会党の主張には反対であります。のみならず、その移行に当っては文官恩給のみを別扱いにせんとする態度は全く筋の立たない公党の態度であると断ぜざるを得ません。
なお恩給制度に内在するいろいろな問題は、本法案によってもなお解決を見ざる幾多の事項があります。これらの事項につきましては去る四日の委員長の質問に対しまして、政府側を代表して今松総務長官より十分検討の上善処するという誠意ある答弁を得ておりますし、このたびの改正措置は現下の財政の許す最大限のものであるということにつきましても十分なる理解が得られますので、私はここに本法案に賛成をするものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/4
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005・福永健司
○福永委員長 これにて討論は終局いたしました。
これより採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/5
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006・福永健司
○福永委員長 起立多数。よって本案は原案の通り可決いたしました。
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007・福永健司
○福永委員長 次に防衛庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし質疑を続行いたします。飛鳥田一雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/7
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008・飛鳥田一雄
○飛鳥田委員 防衛庁設置法の一部を改正する法律案について二、三疑問とするところを伺って今後の運営についての見通しをつけたいと考えておりますのでお伺いをしたいと思います。
まず第一に伺いたいと思いますことは、調達庁が防衛庁に移管をせられます場合の職員の待遇の問題であります。従来調達庁職員は一般職でありますが、防衛庁の職員は特別職であります。この調達庁が防衛庁に移管をせられました後も、調達庁の職員の方々は当然一般職として取り扱われていくものだと考えますが、もし一般職でありますならば、今まで全国調達庁職員労働組合という組合を結成してやってこられましたが、当然このことは可能であると思いますが、この点についてどうお考えになりますか。また防衛庁長官は、もし全調達の組合結成がそのまま続けられていくことを当然だとお考えになりますならば、この全調達とどういう労使関係をとっていかれるのか、また防衛庁に移管をいたしましたために特別今までより以上の弾圧的な処置にお出になる意図があるかどうか、こういう点を防衛庁長官にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/8
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009・津島壽一
○津島国務大臣 お答えいたします。調達庁が防衛庁の外局として本法において発足いたしました場合の職員の身分、給与、待遇等の問題についての御質問であったと思います。仰せになりますように、防衛本庁の職員は自衛隊法によって規律される特別職であります。しかして一方調達庁の職員は法律の改正後におきましても、従来通り一般職たる身分を保持、継続する考えでございます。従いまして給与の面その他待遇諸般については現状と何ら変更を見ない、そういう方針で処理したいと思います。なお具体的に職員組合の問題について御質疑がありましたが、この点につきましても如上の方針に即応いたしまして、従来通りそういった組合またそれに伴う諸種の問題を処理する考えでございまして、一言にして申しますれば、現状を何ら変更を生じない、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/9
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010・飛鳥田一雄
○飛鳥田委員 そういたしますと、将来も調達庁の職員が一般職であるということに変りはない、この点について何らかの変更を加える意図をお持ちにならないというふうに伺ってよろしゆうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/10
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011・津島壽一
○津島国務大臣 御質問の通りでございまして、一般職たる身分は今後にわたって変更いたしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/11
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012・飛鳥田一雄
○飛鳥田委員 そういたしますと防衛庁職員は特別職であり、調達庁の職員は一般職である、こういうふうになって参りますが、この二つの関連をどういうふうに考えられるのか。たとえば防衛庁の機関となったのちの調達庁職員に、防衛本庁の職員の人事交流、こういったものが行われるのでありますか。行われようと考えていらっしゃるのか、こういう点も伺わしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/12
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013・津島壽一
○津島国務大臣 今後の防衛本庁と調達庁との人事の交流の問題でございます。これは適材適所、また本人の希望等を考慮いたしまして、執務の運行上非常にそれが適当であると思います場合は人事の交流をはかりたいと思います。この事実は、すでに現在においても行なっておるところでございまして、ただその身分関係は、調達庁の職員たる間は、今申しましたような一般職の適用がある、こういうことははっきり実行したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/13
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014・飛鳥田一雄
○飛鳥田委員 非常に御明快なお話でよくわかりますが、そういたしますと、調達庁のごく末端——下部と申しますか、地方に調達局が七局ありますし、さらに地方調達事務所というのが三十カ所くらいあります。こういう職員の中には都道府県庁から移管された職員なども約五百名くらいおられるそうであります。こうした下部、末端の方々についても同様に考えてよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/14
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015・津島壽一
○津島国務大臣 私の申し上げましたことは調達庁職員全体に関連してのお答えでございまして、従って中央たると、また仰せの地方に勤務するものたるとは、ただいままで申し上げたことを適用したい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/15
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016・飛鳥田一雄
○飛鳥田委員 調達庁では、非現業の官庁ではありますけれども、業務の内容が現業以上のものが多うございますので、職員の代表の方々が人事院に対し、給与の一二%調整という行政措置の要求を出しておる、こういう話を私たちは聞いております。こうした面からも調達庁職員と防衛本庁職員との間の差別待遇というものがあるのではなかろうか、こういう心配を持っておられる向きもありますが、こうした点でも調達庁職員と防衛本庁の職員との差別待遇というものをなさらないというお心持でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/16
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017・上村健太郎
○上村政府委員 私からお答え申し上げます。調達庁職員と防衛庁職員とは、特別職と一般職の関係がございますので、給与の基礎その他につきましては違いまするけれども、差別待遇をしていただかないようにお願いをいたし、またそのように了承を得ております。調整の問題につきましては、以前と変りなく人事院にお願いをいたし、人事院において目下検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/17
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018・飛鳥田一雄
○飛鳥田委員 今の差別待遇をしないということについてお願いをし、了承を得ていると、こういうお答えでしたが、防衛庁長官は了承をお与えになっていらっしゃるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/18
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019・津島壽一
○津島国務大臣 調達庁職員につきましては、私は御質問の中に触れなかったかと思いますが、多年非常にむずかしい仕事を担当しておる、また将来においてもこの仕事が非常に困難であるということを想像しておる。今日までずいぶん苦心努力をされた方々でございまして、私はその担当大臣としては非常に敬意を表し、できるだけのことをしたいという考え方でおります。今の給与の問題につきましては、調達庁長官からお答えした通りに私としてやっていきたい、こういう意味でいろいろ苦慮いたしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/19
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020・飛鳥田一雄
○飛鳥田委員 私がこんなことをしつこく伺いますのは、調達庁はかつて一万二千名近くも職員がおられたわけです。それが毎年々々首切りになり、そうして減員になって参りました。こういうふうにどんどん年次を経るごとに減っていく、こういうことは現在働いている人々にも非常な不安を与えるわけです。そういう不安が一刻も早く解消するようにという心持で実はいろいろなことを申し上げてみたわけであります。今後こういった身分上の不安あるいは首切りの強制措置、こういうようなことが起らないように御努力をいただけるものかどうか、非常に先のことだからわからぬとおっしゃられればそれきりでありますが、一つ長官の御決意のほどを伺わせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/20
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021・津島壽一
○津島国務大臣 お答えいたします。仰せの通りです。調達庁は多年非常な苦労をした、そういったような状態でございます。しかしながら現在の情勢といたしましては漸次減員の傾向にある、仕事の縮小というような趨勢をたどっていくというようなことでございますが、三十三年度においても百三十五人の減員を見ておる。しかしながらこれらの方々に対しては、自分の仕事の能力、またその場所等に応じて今後においても十分なる仕事の機会を与えるように、私は十分努力いたしたいと思っておる次第でございまして、これには関係官庁その他の方面特に防衛本庁においては、この点について十分協力いたして御趣旨にありましたような点について十分今後措置をいたしたい、こう考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/21
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022・飛鳥田一雄
○飛鳥田委員 職員の身分の関係については大体わかりました。そこで最後に一、二防衛庁に移りました場合の調達庁の性格について伺っておきたいと思います。防衛庁に調達庁が移管をせられますが、調達庁が今までやって参りました行為というものは米軍のための調達行為であります。決して自衛隊そのものに対する調達行為ではありません。ところが防衛庁にこれが移管をせられますと、調達庁は防衛機構の一機関である、あるいは一環であるというような考え方が出てくるのではなかろうか、こういう感じがいたすのであります。すなわち防衛庁の付属機関となります以上は、防衛庁そのものに左右され、日本の防衛機構の一環に性格を変更されていくんではないかという懸念を感ずるのでありますが、一体そうした懸念が真実であるのかどうか、かりに機構的には移りましても、従来と変りない仕事をやっていくものであるかどうか、この点について調達庁の根本的な性格を伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/22
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023・津島壽一
○津島国務大臣 お答えいたします。防衛庁と調達庁はその規律される法律の根拠は異なっております。その意味におきましてかりに外局とするような組織上の変更がございましても、調達庁はその根拠法に基いた仕事をやるわけでございまして、その間はっきりとした区別、職能の分野があるのでございます。もちろん一つの庁の外局となるといった場合に、長官のもとにこれが事務の上で統合されるということは当然のことでございます。しかしながらその仕事の分野においては截然たる区別をもって、きわめて公正に法規の命ずるところに従って厳正に処置をいたしたい、従ってその職能の紛淆はやらさないつもりでございます。ただ便宜といたしましては、一つの長官のもとに統合されるということによって利益のあるものはもちろんこれを活用する、こういうことでございまして、御懸念の点は実際の運営においてはないと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/23
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024・飛鳥田一雄
○飛鳥田委員 もし今お答えをいただきましたようなことでありますと、そこで疑問が出てくるのでありますが、調達庁も防衛庁も総理府の外局であります。調達庁を防衛庁の機関とするということは結局調達庁の性格が総理府の二重の外局になるような感じがするのでありますが、この点はどうお考えになるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/24
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025・上村健太郎
○上村政府委員 現在調達庁も防衛庁も並びまして総理府の外局でございますが、本法案の成立によりまして、調達庁は総理府の外局である防衛庁に置かれる機関ということになります。両者の相違しますところは、おのおのの行政機関の長の権限によって明白になっておりまして、従いまして、二重の外局というような観念とはやや異なりまして、独自の任務権限を持った機関が防衛庁に置かれる、一人の大臣の下に指揮、運営されるということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/25
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026・飛鳥田一雄
○飛鳥田委員 調達庁の性格はわかりました。そこで私たちはこんなふうに考えておるのです。調達業務というものは、どこの官庁にもみなあるわけです。おのおの官庁が思い思いに自分のの省、局、こういうものの調達を行なっていく、こういうことは非常にもったいない、浪費の部分が出るのじゃなかろうか、こう考えてみますと、官庁の統一調達というような意味のことが将来計画されるような可能性もあり、そういうこともいいことじゃなかろうか、こんなふうに考えられるわけです。また日本の国土開発などという問題も相当問題になっておりますが、日本の国土開発調達というようなことも一まとめにやってみたらどうだろうか、こういうようなことも考えられるのでありますが、防衛庁長官は、将来調達庁を御自分の指揮下にあるものとして、そういった官庁統一調達業務を行うとか、国土開発調達を行うとか、非常にスケールの大きな、国家的というと今のは国家的でないのかといっておしかりを受けるかもしれませんが、国家的の大きな業務を行うものに育てていくというようなお考えは持っていらっしゃるかどうか、将来の防衛庁の行方として御意見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/26
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027・津島壽一
○津島国務大臣 官庁の物資の調達問題について御意見があったようでございます。これは行政機構の改革と申しますか、行政の事務能率、経費の節約といったような部面から多年研究されてきた問題だと私は承知しております。問題の調達庁を今後どういったように、今後の処理をどうするかという問題は、十分検討しなければならぬと思うのであります。先ほど申し上げましたように、駐留軍の設備提供その他の業務がだんだん減少の傾向にある場合、しかも非常に十分な訓練、経験を持った方々がおるわけでございます。そういったその知識経験を活用すべく、同時に行政事務の能率も上るといったような部面にこれをどう活用するかという問題は、お説のごとく私は非常に関心を持つべき問題であると思います。ただ今どういう方向に持っていくかということについては、考慮はいたしておりますが、ここで具体的にこういった方針に向けていこうということを申し上げる段階に至っておりませんが、御指摘の点については十分検討を加えたい、こう存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/27
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028・飛鳥田一雄
○飛鳥田委員 最後に質問というよりは要望を申し上げておきます。調達庁の職員の方々は、防衛庁に移りますことによって、何か軍隊的な統率を受けるのではなかろうかというような、いわれもないとあなたの方ではおっしゃると思いますが、そういう不安を持っております。また労働組合の皆さん方も、今までと違った状態が出やしないか、こういう不安を持っておられます。一つ長官の方から、積極的にそういう不安を打破するような態度をとっていただきたい。すなわち調達庁の労働組合の方々、職員組合の方々が団体交渉等、こういうようなことを長官と折衝をしたいような場合には、長官の方から進んで話し合う態度を持っていただきたい、こういうふうに私たちは考えております。労働組合に対する弾圧もない、労働組合は今まで通りにやってよろしいというお答えでありましたから、さらに一歩進んで、そういう十分に話し合う態度をとっていただきますようにお願いをしたいと思います。これは私の要望でありますから、お答えはいただかなくてもけっこうなんでありますが、もしお考えがありましたら、伺わせていただいて、私の質問を終りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/28
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029・津島壽一
○津島国務大臣 ただいまの御要望は十分その趣旨に沿って今後本案が成立した暁においては、調達庁職員に対しても所信を千分伝えたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/29
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030・福永健司
○福永委員長 これにて本案についての質疑は終了いたしました。本案に対し前田正男君より修正案が提出されております。この際前田正男君提出の修正案を議題とし、提出者よりその趣旨説明を求めます。前田正男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/30
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031・前田正男
○前田(正)委員 この際修正案を提出いたしたいと思います。まず修正案の案文を朗読いたします。
防衛庁設置法の一部を改正する法律案に対する修正案
防衛庁設置法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
附則第一項中「昭和三十二年」を「昭和三十三年」に改める。
附則第五項中別表第一の改正に関する部分を次のように改める。
別表第一に備考として次のように加える。
備考 調達庁は、防衛庁に置かれるものとする。
附則第六項中「三、二七二人」を「三、一三七人」に改める。
附則第十一項中「及び第四十九条第四項」を「、第四十九条第四項及び第百条の二
」に改める。
この際修正案の理由及び概要について御説明申し上げます。
この法律案は、当初昭和三十二年八月一日をもって施行日とすることといたしておりましたが、同日までに審議を終了しないままに今日に至っておりますので、施行日に関する規定及びその他の法律の改正に関する規定について若干の技術的修正を必要とすることとなった次第であります。
まず第一に、原案で昭和三十二年八月一日を施行日ときめておりますのを、昭和三十三年八月一日をもって施行日とすることといたしました。
次に、第二に、国家行政組織法別表第一の改正に関する規定について経済企画庁設置法の一部改正の審議を考慮して所要の修正を加えました。
第三に、行政機関職員定員法の改正に関する規定について、別に同法の一部改正により調達庁の定員が三千二百七十二人から三千百三十七人に改められることになっておりますので、この法律においても所要の修正を加えようとするわけであります。
第四に修正いたしました点は、この法律案の附則第十一項中の自衛隊法の一部改正に関する部分であります。すなわち別に自衛隊法の一部改正により、新たに同法に付加されることになりました第百条の二中、防衛庁の付属機関という文句を他の同様の文句と同じく防衛庁本庁の付属機関に改めるための修正であります。
以上をもちまして、防衛庁設置法の一部を改正する法律案に関する修正案の理由及び概要の説明を申し上げた次第であります。何とぞ御賛成をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/31
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032・福永健司
○福永委員長 修正案についての趣旨説明は終了いたしました。これより原案及び修正案を一括して討論に入るのでありますが、別段討論の通告もありませんので、直ちに採決いたします。
まず前田正男君提出の修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/32
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033・福永健司
○福永委員長 起立多数。よって前田正男君提出の修正案は可決いたしました。
次に、ただいま可決いたしました修正案の修正部分を除く原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/33
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034・福永健司
○福永委員長 起立多数。よって、防衛庁設置法の一部を改正する法律案は修正案通り修正議決いたしました。
ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり]発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/34
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035・福永健司
○福永委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように取り計らいます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/35
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036・福永健司
○福永委員長 この際、お諮りいたします。
第二十七回国会より継続審査となっております石橋政嗣君外二十三名提出の駐留軍関係離職者等臨時措置法案につきまして、成規の手続をもつて撤回の申し出がありますが、本案はすでに委員会の議題といたしておりますので、衆議院規則第三十六条によりまして、本案の撤回を許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/36
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037・福永健司
○福永委員長 御異議なしと認めます。よって本案の撤回を許可するに決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/37
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038・福永健司
○福永委員長 駐留軍関係離職者等臨時措置法案起草に関する件について、議事を進めます。本件につきましては過日の理事会の協議の結果、駐留軍関係離職者等臨時措置法案は両党の間で調整することになっており、保科理事及び石橋理事の間でお打ち合せを願っていたのでありますが、両君お打ち合せの結果、本日両君より草案が提出された次第であります。本草案の朗読はこれを省略し、会議録に譲ることといたします。本草案について、保科善四郎君よりその説明を求めます。保科善四郎君。
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—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/38
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039・保科善四郎
○保科委員 駐留軍関係離職者等臨時措置法案について申し上げます。
御承知のごとく、駐留軍関係労務者中の大部分の者が、長期にわたり、言語、風俗、習慣等の異なる特殊な環境の中で、連合国または米国等に対するわが国の義務履行に協力して参っているのでありますが、昨年岸総理が渡米の際、国策として米駐留軍の早期撤退を申し入れ、日米双方が合意したいわゆる岸・アイク共同声明以来、多数の関係労務者が、特定の地域において、自己の意思によらないで、突発的に離職を余儀なくされている一方、その転職が非常に困難である国内情勢等にかんがみまして、これらの者の生活の安定に資するため、特別の措置を講じようとするのが本案の趣旨であります。
その要旨を御説明申上げますと、第一に、駐留軍関係離職者等の対策について連絡調整をはかるため、総理府に中央駐留軍関係離職者等対策協議会を設置することであります。
第二に、都道府県が、都道府県駐留軍関係離職者等対策協議会を設置したときは、政令の定めるところにより、経費の一部を国が補助することができるといたすことであります。
第三に、関係離職者等の職業訓練のため必要に応じ、一般職業訓練所または総合職業訓練所の設置等の措置が講ぜられるものとし、これに要する経費は国がこれを負担することとし、さらに在職中から必要な知識技能を授けるための特別措置を講ずることができるといたすことであります。
第四に、返還国有財産のうち、関係離職者の住宅に供することを適当と認めるもの及びその他の国有財産で住宅の用に供されていたものは、必要がある場合には、関係離職者の就職を容易にするため、臨時居住施設の用に供するよう配慮されなければならないといたすことであります。
第五に、関係離職者が所有する株式または出資資金額の合計額が、その資本または出資総額の二分の一以上の法人及び従業員の過半数が駐留軍関係離職者である法人に対しましては、米駐留軍から返還された国有の財産を、通常の条件よりも有利な条件で譲渡または貸付をすることができるといたすことであります。
第六に、関係離職者の経営する事業等が円滑に運営されるようにするため、関係行政機関はその事業に必要な融資のあっせんに努めなければならないといたすことであります。
第七に、昭和三十二年六月二十二日において政府雇用の関係労務者であった者が、同日以後において米駐留軍の撤退等によって離職を余儀なくされ、または業務上死亡した場合には、政令の定めるところにより、離職者または遺族に対して特別給付金を支給することができるといたしております。
その他本法は、公布の日から施行し、満五年をもって失効するといたしているほか関係法律に所要の改正を加えております。
なお、本案施行に要する経費は、本年度予算に織り込み済みであります。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/39
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040・福永健司
○福永委員長 この際本草案について内閣の意見を承わることにいたします。今松総務長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/40
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041・今松治郎
○今松政府委員 ただいま御提案の法律案につきましては、昨年九月十四日閣議において決定しました離職者の措置に対する閣議決定の線に沿ったものでありまして、この法案が成立いたしましたならば、政府といたしましては十分にその趣旨を尊重して実行に移したいと思います。賛成であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/41
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042・福永健司
○福永委員長 お諮りいたします。本草案を委員会の成案とし、委員会提出の法律案といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/42
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043・福永健司
○福永委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決定いたしました。
なお本法律案に関する提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/43
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044・福永健司
○福永委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決定いたしました。
次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時五十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804889X02819580408/44
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