1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年四月十八日(金曜日)
午前十時四十五分開議
出席委員
委員長 町村 金五君
理事 高橋 禎一君 理事 林 博君
理事 福井 盛太君 理事 三田村武夫君
理事 青野 武一君 理事 菊地養之輔君
犬養 健君 小島 徹三君
小林かなえ君 徳安 實藏君
中村 梅吉君 長井 源君
横川 重次君 佐竹 晴記君
出席国務大臣
法 務 大 臣 唐澤 俊樹君
出席政府委員
検 事
(民事局長心
得) 平賀 健太君
委員外の出席者
専 門 員 小木 貞一君
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四月十七日
委員久野忠治君辞任につき、その補欠として林
唯義君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員林唯義君辞任につき、その補欠として久野
忠治君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
企業担保法案(内閣提出第七〇号)(参議院送
付)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805206X02819580418/0
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001・町村金五
○町村委員長 これより会議を開きます。
企業担保法案を議題といたします。
質疑を続行いたします。長井源君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805206X02819580418/1
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002・長井源
○長井委員 簡単にお尋ねをいたしておきます。きのう参考人からもいろいろ意見を聞いたのですが、総財産を一括と見るか個々の集合と見るかという問題なんですが、これはそこには一括競売というような言葉もありますし、きのうもいわゆるのれんの問題がこの中に入ってきたのでありますが、これは、政府の方では、一括財産というものを個々の集合体と見ておるのか、あるいは一括して総財産とし、それから便宜いろいろな有体動産その他を区分することは中ではできるかもしれないが、全体として一つのものと見るのか、この点をはっきりいたしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805206X02819580418/2
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003・平賀健太
○平賀政府委員 この法案におきます総財産の考え方は、これを有機的な一体として見るという考え方でございます。ただ、一体としてこれを一つの物と見るわけではありませんが、企業を構成しておりますところの一体の財産だ、そういうふうに考えております。その一体性の現われは、実行段階において一括競売とかいう形で現われてくるという仕組みでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805206X02819580418/3
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004・長井源
○長井委員 そうすると、営業権の問題などもその中に含まれてくるのですが、これは他に関係もありまして、研究を要するものだと思うのですけれども、結局、一括と見れば、ちょっとそのものだけを取り出して評価することは困難かもしれないけれども、きのうも興業銀行の日高さんが言うておりましたが、やっぱり実際問題として営業権というようなものも一括財産の中に入ってくるということになるのではないかと思うが、この見通しはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805206X02819580418/4
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005・平賀健太
○平賀政府委員 営業権と申しますか、信用と申しますか、これは、実際総財産を担保にします場合には、その会社の信用度というものがやはり基礎になって、企業担保権でよかろうということになるわけでございますから、その関係ではいわゆる信用というものがやはり債権者の方にとりましては重大な関心の対象になるわけでございますが、しかし、いよいよこの企業担保権が、見込みが違って、実行されるというような場合においては、営業権とかそういう信用あるいはグッドウイルと申しますか、そういうようなものはこの総財産の中には含まれない。要するに、それは、そういうものが含まれるとしますと、商法なんかがやはり対象に入ってこなくちゃならぬことになりますので、この最後の実行の段階ではそれはオミットされるということにならざるを得ないのではないか、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805206X02819580418/5
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006・長井源
○長井委員 そうしますと、担保に提供するときに営業譲渡の予約をいたしておるというようなことがありましたら、それは有効とみなされますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805206X02819580418/6
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007・平賀健太
○平賀政府委員 営業譲渡の予約と申しますと、それは、企業担保権の設定契約と並びまして、一定の事由が発生した場合には営業譲渡をする、そういう予約をすることは不可能ではないと思うのでありますけれども、これは企業担保権の設定契約とは別個のものであろうというふうに考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805206X02819580418/7
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008・長井源
○長井委員 私の質問はこれだけでございますが、最後に希望を申し上げておきます。この企業担保権はきわめて画期的な立法でありまして、従来の法律観念と混淆するようなところもありそうに思うわけです。なお、この実施がもし当を得ないということになりますると、第三者その他に思わざる損害をこうむらしめるということも予想されますので、いずれこれを実施した上で不都合なところは改正することに相なるとは思いますけれども、実施の段階に当っては、慎重にこれを検討をして、経済界の実情にも適合し、かつ法律の観念においてもいたずらなる紛淆を起さない、こういうような特別なる注意を希望いたしまして、私の質問を終りといたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805206X02819580418/8
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009・町村金五
○町村委員長 他に御質疑はございませんか。——御質疑がなければ、質疑はこれにて終局いたしました。
討論の通告がありませんので、直ちに採決に入ります。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805206X02819580418/9
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010・町村金五
○町村委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決いたしました。
なお、本案についての委員会の報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805206X02819580418/10
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011・町村金五
○町村委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。
これにて散会いたします。
午前十時五十二分散会
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805206X02819580418/11
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