1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年四月二十二日(火曜日)
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議事日程 第二十五号
昭和三十三年四月二十二日
午後一時開議
第一 日本電信電話公社法の一部を改正する法律案(内閣提出)
第二 日本開発銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出)
第三 相続税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
第四 会計法の一部を改正する法律案(第二十四回国会内閣提出参議院送付)
第五 社会福祉事業等の施設に関する措置法案(第二十六回国会参議院提出)
第六 入場税法の一部を改正する法律案(第二十六回国会本院提出)(参議院送付)
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○本日の会議に付した案件
刑法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院回付)
漁港の整備促進等に関する決議案(山村新治郎君外三名提出)
日程第一 日本電信電話公社法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第二 日本開発銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第三 相続税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第四 会計法の一部を改正する法律案(第二十四回国会内閣提出参議院送付)
日程第五 社会福祉事業等の施設に関する措置法案(第二十六回国会参議院提出)
日程第六 入場税法の一部を改正する法律案(第二十六回国会本院提出)(参議院送付)
行政書士法の一部を改正する法律案(木崎茂男君外八名提出)
国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法案(内閣提出)
外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
厚生省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
経済企画庁設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
外務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
法務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
郵政省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
農林省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
運輸省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
統計法等の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
通商産業省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
昭和三十一年度一般会計予備費使用総調書(その2)
昭和三十一年度特別会計予備費使用総調書(その2)
昭和三十一年度特別会計予算総則第十条に基く使用総調書
昭和三十一年度特別会計予算総則第十一条に基く使用総調書
昭和三十二年度一般会計予備費使用総調書(その1)
昭和三十二年度特別会計予備費使用総調書(その1)
昭和三十二年度特別会計予算総則第十三条に基く使用総調書(承諾を求めるの件)
昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書
昭和二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書
失業保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
午後四時一分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/0
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001・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) これより会議を開きます。
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002・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) お諮りいたします。参議院から刑法の一部を改正する法律案が回付されました。この際、議事日程に追加して、右回付案を議題とするに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/2
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003・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
刑法の一部を改正する法律案の参議院回付案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/3
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004・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 採決いたします。本案の参議院の修正に同意するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/4
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005・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、参議院の修正に同意するに決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/5
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006・山中貞則
○山中貞則君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、山村新治郎君外三名提出、漁港の整備促進等に関する決議案は提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/6
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007・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/7
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008・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
漁港の整備促進等に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。小泉純也君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/8
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009・小泉純也
○小泉純也君 ただいま議題となりました漁港の整備促進等に関する決議案につきまして、自由民主党並びに日本社会党を代表いたしまして、その提案の趣旨弁明をいたします。
まず、決議案を朗読いたします。
漁港の整備促進等に関する決議案
水産資源を開発し、漁業の振興を図るためには、その基本的な生産基盤である漁港を、すみやかに整備することが最も重要なる国策の一つである。
よつて、政府は、次の事項について特段の努力を払うべきである。
一 国会の承認を得た漁港整備計画に基く修築事業の早期完成を図るため所要の予算措置を講ずること。
一 第三種漁港のうち、特に重要であり、かつ、その規模が大きいものについては、特定重要港湾の例にならいその整備促進のため特別な措置を講ずること。
一 漁港行政の重要性と事業の増大とにかんがみ、これが行政機構を強制拡充すること。
右決議する。
水産業の振興を積極的にはかり、もって国民保健食糧の確保と水産物の輸出の伸張を期することは、わが国経済自立の国策遂行上最も重要なることの一つであります。これがためには、水産業の基本的生産基盤である漁港施設の整備をすみやかに実施しなければならないことは言うを待たないところでございます。しかるに、漁港整備の現状は著しく立ちおくれているため、漁港本来の経済的機能を果す上に一大支障を来たしているのが現状であります。すなわち、全国津々浦々に約二千七百に及ぶ漁港指定を見ているにもかかわらず、これが整備の面においては、去る三十年本院において決議がなされ、その後において国会の承認を経て整備計画が改正されたのでありまするが、その漁港はわずかに六百四十七港であって、全指定漁港数の二四%にすぎず、また、この計画においても、三十二年度までに完成した漁港はわずかに七十八港、工事中のもの四百一港であって、今なお未着手漁港百八十八港があるという状態であります。
なお、この整備計画の進捗度を工費の点について見ますると、全所要国費四百三十二億円中、昭和二十二年度末までに支出した国費は、その約三割、百三十六億円であって、なお二百八十六億円を残しており、本年度以降五カ年完成を期するならば、毎年五十億程度の国費を必要とするわけでございます。近年においては漁港修築予算が増大してきたとはいえ、本年度に至って初めて三十億円が確保できた程度で、この程度の予算では今後なお十カ年の長年月を要することになり、新長期経済計画にいう三十七年度までの完成のためには、今後大幅なる漁港予算の増額が要請されておる次第でございます。
次に、漁港のうち、その利用範囲が全国的なものは、現在第三種漁港として指定されており、その数百五十余港に及んでおりますが、この中には、全国の漁船が利用するとはいえ、利用度あるいは漁獲物の数量等、その程度においては相当の開きがあり、中でも遠洋漁業あるいは沖合い漁業の根拠地的性格のもので特に大規模のものがあることは、御承知の通りであります。これら大規模漁港は、当然その事業費も巨額となり、勢い地元負担の点においても過重となり、その工事に長年月を要するというのが現状であります。しかも、これらの漁港は国民蛋白食糧供給のためばかりでなく、輸出水産物の増産のため大いに貢献し、わが国水産業振興のため、まことに重要なる役割を果しておる次第でございます。
一方、港湾の面におきましては外国貿易を増進するという見地から、特定重要港湾の指定を行い、これが施設については手厚い国の負担を行なっておるのであります。このような実情にかんがみ、第三種漁港のうち特に重要なものについては、特定重要港湾の例にならって、その整備促進をはかることが至当と存ずる次第であります。
また、漁港整備の根幹をなす工事の適正な実施と、これが維持管理に関する漁港行政機構が適切でなければならないことは、言を要しないところであります。しかも、漁港修築事業、災害復旧事業、あるいは漁港局部改良事業、海岸保全事業等、近年その事業量に著しく増大してきておるのであります。これらの年々増大する業務は、旧態依然として水産庁の一課である漁港課が担当しており、かかる状況のもとでは、事務の適正かつ迅速なる処理は期しがたく、遺憾の点少しとしないのであります。この点につきましても、同様、港湾関係と対比されるのでありまして、すみやかに漁港行政機構の拡充をはかり、所期の目的達成のため遺憾なからしむべきであると存ずる次第であります。
以上三点について、政府はそれぞれ予算上あるいは法制上所要の措置を講ぜられるよう、特段の努力を要請する次第であります。
如上の趣旨をもちまして、ここに本決議案を提出いたした次第であります。こいねがわくは全会一致の御賛同をお願い申し上げ、私の趣旨説明を終る次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/9
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010・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 討論の通告があります。これを許します。淡谷悠藏君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/10
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011・淡谷悠藏
○淡谷悠藏君 ただいま提案されました決議案につき、日本社会党を代表して賛成の討論を行います。
海岸線の長いことわが国のごときは、およそ世界にその例少きものであります。従って、水産資源を開発し、漁業の振興をはかることは、国策の重要なものであるにかかわらず、その基盤をなす漁港の整備がなおざりにされ、沿岸漁業の衰退を来たしておることは、まことに遺憾にたえざるところであります沿岸漁業者にとって、この漁港の整備の進まぬことは、単に産業上の問題にとどまらず、一たんあらしにあいまするや、帰るべきところを失って生命の危険にさらされることさえしばしばなのであります。これらの漁港整備の方針の国会で承認をされたものでさえ、肝心かなめの予算措置が講ぜられないので、関係者をちょっとうれしがらせるだけで、一向にその事業の進展を見ず、あるいは事業半ばにして打ち捨てられているものも多く、かくしては、いたずらに国費の乱費に終るものというべく、少くとも、国会の承認を得た漁港整備計画に基く修築事業は、一日も早く完成を期する責任を政府は感ずべきであります。
第三種漁港のうち、特に重要であり、規模の大きいものについては、特定重要港湾の例にならって、その整備を促進するために、特別措置の法律化が必要であるとさえ痛感するものであります。わが国産業の重要基盤に対し、政府がもっと本気になり、真剣になって、これまでのおくれを取り返すことが必要なことは言うまでもありません。
本決議案に対し、簡単に賛成の趣旨を述べて、私の討論を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/11
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012・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) これにて討論は終局いたしました。
採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/12
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013・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
この際、石井国務大臣から発言を求められております。これを許します。農林大臣臨時代理、国務大臣石井光次郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/13
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014・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 漁港は水産業における重要な基本的生産基盤でありまして、漁船の保全及び稼働率の向上、漁獲物の処理能力の増強及び鮮度保持、漁業経営費の節減等について大きな役割を果しておりますので、漁業の振興をはかるためには、すみやかに漁港の整備をすることが国としても最も必要な施策の一つであることは申すまでもないことでございます。従来におきましても、漁港の整備に関することにつきまして十分努力をして参ったつもりでございまするが、種々の制約がありまして、その結果は必ずしも満足すべきものではございませんので、まことに遺憾なことだと存じております。
ただいま本院におきまして議決となりました事項、すなわち、漁港整備計画に基く修築事業の早期完成をはかるための予算措置、第三種漁港のうち特に重要なものの整備促進のための特別措置及び漁港に関する行政機構の強化拡充は、いずれもきわめて緊急かつ重要なものであると存じますので、御決議の趣旨に従いまして、所期の目的を達するよう、一そうの努力をいたしたいと思っております。(拍手)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/14
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015・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 日程第一、日本電信電話公社法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。逓信委員長片島港君。
〔片島港君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/15
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016・片島港
○片島港君 ただいま議題となりました日本電信電話公社法の一部を改正する法律案につきまして、逓信委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
本法律案は、去る二月十九日内閣から提出されたものでありまして、その主眼とするところは、日本電信電話公社の経営委員会のもとに、新たに執行系統から独立した監事制度を設けて、公社の監査機能を充実し、経営の合理化をはかろうとするものでありまして、内容としては、公社に経営委員会が逓信大臣の認可を受けて任免する任期三年の役員監事二名を置き、公社の業務を監査して、その結果を経営委員会に報告し、財務諸表に添付すべき監査報告書を作成し、公社と公社総裁との利害が相反する事項については、経営委員会から選任されて公社の代表者となる等の職務に服せしめるほか、経営委員会は必要と認める事項について監事に監査を命じ得ること並びに、逓信大臣は、経営委員会に対し必要事項を監事に監査させ、その結果の報告を求めることができる旨を競走して翻ります。
逓信委員会におきましては、二月十九日本案の付託を受け、三月五日政府より提案理由の説明を聴取し、慎重審議を重ねて、四月十八日質疑を終了いたしましたが、引き続き、理事森本靖君より、自由民主党及び日本社会党の共同提案として、日本電信電話公社法制定の趣旨にかんがみ、経営委員会が行う監事の任免について逓信大臣の認可を要しないことに改めること並びに逓信大臣の経営委員会に対する監査命令に関する規定を削除することの二点につき修正案が提出されました。
かくして、委員会は討論に入り、自由民主党を代表して橋本登美三郎君、日本社会党を代表して森本靖君は、いずれも右修正案及び修正部分を除く原案に対して賛成の意見を述べられ、次いで採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決され、ここに本案の修正議決を見た次第であります。
以上、御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/16
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017・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/17
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018・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めす。よって、本案は委員長報告の通り決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/18
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019・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 日程第二、日本開発銀行法の一部を改正する法律案、日程第三、相続税法の一部を改正する法律案、日程第四、会計法の一部を改正する法律案、日程第五、社会福祉事業等の施設に関する措置法案、日程第六、入場税法の一部を改正する法律案、右五案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員長足鹿覺君
〔足鹿覺君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/19
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020・足鹿覺
○足鹿覺君 ただいま議題となりました五法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、日本開発銀行法の一部を改正する法律案について申し上げます。
この法律案は、日本開発銀行の業務の円滑な運営をはかるため、同行の借入金の限度額を自己資本の二倍とするとともに、貸付金と債務保証との合計額は自己資本の額と借入金の限度額との合計額をこえないこととしようとするものであります。
この法案は、慎重審議の後、去る四月十八日本委員会において質疑を打ち切り、討論の申し出がないので直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案の通り可決いたしました。
次に、相続税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
今回の改正は、政府の説明によれば、現行相続税の課税方式は、遺産の分割の状況により著しく税負担が異なり、農家、中小企業者等、一般に遺産の分割が困難な相続の場合に、その負担が総体的に重くなりがちである等の欠陥がありますので、特に中小財産階層に対して相続税負担の軽減をはかるため所要の改正を行おうとするものであります。
そのおもな改正の内容のまず第一は、相続税の課税方式を改めたことであります。すなわち、現行の相続税は、各相続人のそれぞれの取得財産につき五十万円を基礎控除した後の課税価格に対して累進税率を適用して計算することとなっておりますのを、今回の改正案では、遺産の総額から一定の基礎控除を行なった後の価額を法定相続人が民法の相続分に従って相続するものとした場合の相続税の総額を計算し、これを各相続人の実際の取得財産の価額に応じて配分して各人の相続税額を計算する方式を採用することとしております。
第二に、相続税の基礎控除を大幅に引き上げようというのであります。すなわち、相続税の総額を計算する場合に、百五十万円に法定相続人一人につき三十万円を加算した金額を基礎控除することとしておるのであります。
第三は、相続税の税率について、その累進度を緩和するとともに、配偶者控除及び未成年者控除についても改正を行おうとするものであります。すなわち、現行では、これら控除はそれぞれ課税価格から控除する方式をとっているのを、税額控除の方式に改めるとともに、配偶者控除については一定の限度を設け、未成年者控除については特に控除額を引き上げることとしております。
第四は、相続税の改正に即応して、贈与税の基礎控除及び税率について改正を加えることであります。すなわち、基礎控除を現行の十万円から二十万円に引き上げ、少額の贈与財産に対する税率の緩和をはかることとしておるのであります。
以上のほか、贈与税について新たに年十万円をこえ贈与が行われた場合に、これを三年間累積して課税する制度を設けるとともに、退職手当の非課税限度について、生命保険金と同様、法定相続人一人につき五十万円に引き上げることとしております。
本案は、審議の結果、去る十八日、大平委員及び石村委員提案の修正案が提出されました。その修正案の内容は配偶者に対する税額控除が税額の三分の一となっておりますのを二分の一に改めようとするものであります。
なお、この修正案に対しては、国会法第五十七条の三の規定によりまして、内閣に対して意見を求めましたところ、政府においては異議はない旨の意見が開陳せられました。
次いで質疑を終了しましたが、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしましたところ、修正案並びに修正部分を除く原案については全会一致をもってそれぞれ可決され、よって本法律案は修正議決されました。
次に、会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。
この法律案は、第二十四回国会に提出され、自来引き続き継続審査となって今国会に至ったものでありまして、そのおもなる内容は次の通りであります。
すなわち、現行の会計法におきましては、国が契約をする場合には、すべて公告して競争に付することを原則といたしておりますが、最低の落札者によっては、工事の投げ出し、竣工遅延等により完全な履行がなされない場合も予想されますので、かかる場合に備え、相手方とすべき者の申し出にかかる価格によっては、その者により契約の内容に適合した履行がされないおそれがあると認められるときは、一定の手続を経て、予定価格の制限の範囲内で、次順位の最低価格の申し出をした者を当該契約の相手方とすることができることといたしております。
本案につきましては、審議の結果、去る十八日質疑を終了し、討論の通告がありませんので直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案の通り可決いたしました。
次いで、委員長より次の附帯決議案が発議せられましたが、採決の結果、全会一致をもってこれを付すべきものと決しました。
附帯決議の案文は次の通りであります。
本改正法施行に当り「最低の価格の申出をした者」を契約の相手方としない場合は、その運用に当つては、政府は中小企業者に不利になることのないよう配慮をするべきである。
次に、社会福祉事業等の施設に関する措置法案について申し上げます。
この法律案は社会福祉法人、更生保護会等が国または地方公共団体から委託を受けて要保護者の収容その他の措置を行なっている場合におきましては、国有財産の無償貸付を受け得る道を開くようにいたそうとするものであります。すなわち、社会福祉法人が生活保護法に基き生活扶助、医療扶助、失業扶助等の保護の用に約八割以上を充てる施設として用いる場合、または児童福祉法に基き母子寮保育所、乳児院、肢体不自由児施設等のために約八割以上を充てる施設として用いる場合、並びに、更生保護会が国の委託を受けて行う更生保護の事業のために約八割以上を充てる施設として用いる場合は国有財産たる普通財産を無償で貸付し得ることといたしております。
この法案に対しましてはこれが乱用されることがないよう、次のごとき附帯決議案が委員長より発議されました。すなわち、
政府はこの法律の実施にあたつて、次の点に充分留意し、社会福祉事業等の健全な発達に資するように努むべきであるが、社会福祉事業施設等の基準に合致しないものに対してまで、この法律に規定する措置をとるようなことをしてはならない。
(1)無償貸付は被保護者等を収容する施設の用に供されている財産について行うものとし、その範囲は当該施設の運営上必要な適正規模のものに限ることとし、かつ、この法律施行の際貸付中のものを主とすること。
(2)この法律施行の際貸付中の財産に係る既往の貸付料等で未納のものについて、完納しない限り、無償貸付をしないこと。
本法案は去る四月十八日の当委員会において質疑を終了し、討論の申し出がないので直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案の通り可決いたしました。
最後に、入場税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は去る第二十六回国会で当大蔵委員会において全会一致をもって起草したもので、本院を通過以来、参議院において継続審査となっていたものでありますが、去る三月三十一日参議院において修正議決され、本院に送付されてきたのであります。
本案の内容は現在芸術的価値が高いと思われる歌舞伎、新劇等の純演劇について高率の入場税が課税されている現状にかんがみ、これら純演劇育成の見地から、政令で定めるものについては入場料金が一人一回につき三百円以下であるときはその入場税の税率を二〇%に軽減する措置を講じようとするものであります。
参議院における修正の内容は、政令で定める純演劇とあるものを、広く演劇と改めるとともに、これら演劇の入場料金が一人一回につき三百円をこえるものについて三〇%の税率を新たに設けることといたしたことであります。
本案は審議の結果、去る十八日質疑を終了し、討論の通告がありませんので直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案の通り可決いたしました。
右、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/20
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021・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 五案を一括して採決いたします。五案中、日程第三の委員長の報告は修正、他の四案の委員長の報告は可決であります。五案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/21
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022・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、五案は委員長報告の通り決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/22
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023・山中貞則
○山中貞則君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、木崎茂男君外八名提出、行政書士法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/23
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024・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/24
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025・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
行政書士法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。地方行政委員長矢尾喜三郎君。
〔矢尾喜三郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/25
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026・矢尾喜三郎
○矢尾喜三郎君 ただいま議題となりました行政書士法の一部を改正する法律案につき、地方行政委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
本法案は、木崎茂男君外八名の提出にかかるものでありまして、去る昭和二十六年制定された行政書士法のその後の運用状況にかんがみ、従来任意設立とされていた行政書士会及びその連合会を義務設立とし、その自主的指導力を強化するとともに、業として行政書士の職務を行う者は必ずこれに加入すべきものとして、その職務執行の適正化をはかろうとするものであります。
本案は四月十八日本委員会に付託、本二十二日本崎委員より提案理由の説明を聴取し、直ちに審議を行いましたが、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決しました。
右、ご報告いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/26
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027・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/27
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028・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/28
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029・山中貞則
○山中貞則君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法案、内閣提出、参議院送付、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案、右両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/29
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030・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/30
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031・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法案、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事平岡忠次郎君。
〔平岡忠次郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/31
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032・平岡忠次郎
○平岡忠次郎君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法案について申し上げます。
この法律案は、別途今国会に提出され、さきに両院を通過いたしました国家公務員共済組合法の長期給付に関する規定の施行に必要な経過措置を定め、あわせて関係法律の整理を行おうとするものであります。
次に、この法律案のおもなる内容について申し上げます。
まず、原則として改正前の共済組合員期間及び恩給公務員期間を改正後の新組合員期間に通算することとし、旧共済組合員期間及び恩給公務員期間について改正前の法令の規定を基礎として計算した金額と、新組合員期間について改正後の長期給付の規定を基礎として計算した金額との合計額をもって、改正後の長期給付の支給額といたしております。
次に、恩給公務員であった者については、年金の最短所要年限が延長され、また、旧組合員であった者及び恩給公務員であった者について、ともに退職年金の若年停止年令が引き上げられることに伴う所要の経過措置を講ずるほか、新たに長期給付の適用を受ける恩給公務員とその他の一般恩給公務員との間の人事交流に支障を来たさないよう調整規定を設ける等、所要の経過措置を講ずるとともに、関係法律につき所要の改正を加えることといたしておるのであります。
本案につきましては、大平委員より修正案が提出いたされております。修正案の内容は次の通りであります。すなわち、国家公務員共済組合法により、組合員期間十年以上二十年未満で死亡した者の遺族にも新たに遺族年金を支給することとなったのでありますが、原案では、右の組合員期間の計算について改正法施行後の期間のみに限っておりますのを、修正案では、これに改正法施行前の期間も算入しようとするものであります。
本案並びに修正案につきましては審議の結果、本二十二日質疑を終了し、討論の通告がありませんので直ちに採決いたしましたところ、修正案並びに修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決され、よって本案は修正議決すべきものと決しました。
次に、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案について申し上げます。
この法案は、わが国における外国為替の売買粗塩の変動の幅の制限に関する管理法の規定が必要以上に制限されておりますので、最近における外国為替に関する海外の動向にかんがみ、不適当と思われる規定を削除整理するとともに、現行法においては質問検査の対象が外国為替公認銀行と両替商に限定されておりますので、このほか、内外の貿易業者、保険業者、海運業者等、この法律の適用を受ける取引を営業とする者をも質問検査の対象に加えようとするものであります。
本案につきましては、本日質疑を終了し、討論の申し出がないので直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案の通り可決いたしました。
以上、御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/32
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033・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 両案を一括して、採決いたします。国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法案の委員長の報告は修正、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案の委員長の報告は可決であります。両案は員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/33
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034・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告の通り決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/34
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035・山中貞則
○山中貞則君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、厚生省設置法の一部を改正する法律案、経済企画庁設置法の一部を改正する法律案、外務省設置法の一部を改正する法律案、法務省設置法の一部を改正する法律案、郵政省設置法の一部を改正する法律案、農林省設置法の一部を改正する法律案、運輸省設置法の一部を改正する法律案、参議院送付、統計法等の一部を改正する法律案、通商産業省設置法の一部を改正する法律案、右九案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/35
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036・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/36
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037・益谷秀次
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
厚生省設置法の一部を改正する法律案、経済企画庁設置法の一部を改正する法律案、外務省設置法の一部を改正する法律案、法務省設置法の一部を改正する法律案、郵政省設置法の一部を改正する法律案、農林省設置法の一部を改正する法律案、運輸省設置法の一部を改正する法律案、統計法等の一部を改正する法律案、通商産業省設置法の一部を改正する法律案、右九案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員長福永健司君。
〔福永健司君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/37
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038・福永健司
○福永健司君 議題九法案の内閣委員会における審査につき御報告申し上げます。
まず、厚生省設置法の一部を改正する法律案の要旨の第一は、公衆衛生行政のより積極的、効率的運営処理を期して、厚生省の内部部局のうち、公衆衛生局を予防局及び環境衛生局の二局に分けることであり、第二は、地方支分部局のうち、復員関係事務の縮減により、本年五月十六日以降復員連絡局及び同支部を廃止すること、並びに、未帰還者の引き揚げ状況等にかんがみて、本年十一月十六日以降、舞鶴地方引揚援護局を廃止することであります。
〔議長退席、副議長着席〕
本法案は、二月十日本委員会に付託となり、十一日提案理由の説明を聴取し、本日質疑を終了いたしましたところ、公衆衛生行政、特に環境衛生行政の一そうの向上増進をはかる必要のあることは認めるが、この際は行政機構簡素化の見地から、局の新設はこれを見合せることとし、施行期日を公布の日に改める旨の自社共同提案にかかる修正案が保科委員より提出され、討論を行わず採決の結果、本案は全会一致をもって修正案の通り修正議決すべきものと決しました。
次に、経済企画庁設置法の一部を改正する法律案は、経済企画庁の任務と権限を明確にするため、経済全般の運営の基本方針及び毎年度の経済計画大綱の策定に関する事務を明示し、あわせて、これらの事務を一その適確に遂行するため、調査局の機能の充実をはかるとともに、新たに内部部局として経済研究局を設置し、また、特別の職として参与三人以内を置くこととしております。
本案は、二月十五日本委員会に付託され、十八日政府より説明を聞き、本日質疑を終了、保科委員より、行政機構簡素化の見地から経済研究局の新設を取りやめ、附属機関として経済研究所を設置するほか、総合計画局及び総合開発局の名称変更についてはこれを従前の通りとする旨の自社共同提案にかかる修正案が提出され、討論を行わず採決の結果、全会一致をもって修正案の通り修正議決すべきものと決しました。
次に、外務省設置法の一部を改正する法律案は、アジア局の事務の増大に伴い、次長一名を置くとともに、海外経済協力に関する事務を経済局において一元的に総括処理するため、経済局の所掌事務に所要の改正を加え、また、国際協力局の事務が大半国際連合に関するものとなっている現状にかんがみ、国際協力局の名称を国際連合局に改めるほか、関西に外務省の出先機関として外務省大阪連絡事務所を設置することとしております。
本案は、二月二十日本委員会に付託、二十一日政府より提案理由の説明を聴取し、本日質疑を終了、保科委員より、行政機構簡素化の見地から次長の新設を取りやめるとともに、施行期日を公布の日に改める旨の自社共同提案にかかる修正案が提出され、討論を行わず採決の結果、全会一致をもって修正案の通り修正議決すべきものと決しました。
次に、法務省設置法の一部を改正する法律案は、司法制度等に関する法令案の作成及び調査等の事務の増大とその重要性にかんがみ、新たに法務大臣官房に司法法制調査部を設けるとともに、法務大臣において必要があると認める場合には法務研修所の支所を置くことができることとし、また、法務大臣の管理のもとに三婦人補導院を設置すること、及び、入国管理事務所の出張所の名称及び位置を法務省令で定めるものとするほか、東京拘置所の位置を東京都豊島区に改めようとするものであります。
本案は、二月二十一日本委員会に付託され、二十八日政府より提案理由の説明を聞き、本日質疑を終了、保科委員より、入国管理事務所の出張所の名称及び位置を法務省令で定めるものとすることについては現行通り法律で定めることとし、施行期日を公布の日に改める旨の自社共同提案にかかる修正案が提出され、討論を行わず採決の結果、全会一致をもって修正案の通り修正議決すべきものと決しました。
次に、郵政省設置法の一部を改正する法律案の要旨の第一は、電気通信ないし電波に関する行政事務の質的及び量的の発展に対応するよう郵政省を逓信省に改めることであります。第二は、有線電気通信設備等に対する監督指導及び助長を適切に行うため、電気通信監理官二人を廃止し、新たに電務局を設置することであります。第三は、電波行政の基本的な問題について、企画の重要性が特に高まってきたこと等の事情から、行政能率の向上と責任体制の明確化をはかるため、電波監理局を電波局と改め、次長二人を廃止し、同局に企画部、放送部及び無線部の三部を新設することであります。第四は、行政事務の総合調整について一そう適確を期するため、大臣官房に新たに官房長を置くことであります。
本案は、去る三月七日本委員会に付託され、政府の説明を聞き、質疑を行い、本日保科委員より、行政機構簡素化の見地から、大臣官房に官房長を置くことを取りやめる、電務局設置の要否はさらに研究を要するものとして、この際は設置を見合わせる。また、施行期日を公布の日とする旨の自社共同提案にかかる修正案が提出され、討論を行わず採決の結果、全会一致をもって修正案の通り修正議決すべきものと決定いたしました。
次に、農林省設置法の一部を改正する法律案の要旨の第一は、今国会において成立した食糧管理特別会計法の一部を改正する法律による措置に対応して、食糧管理業務の経理の万全を期するため、食糧庁に経理部を新設すること、第二は、輸出品検査法の施行に伴い、農林省の所掌事務にかかる指定貨物について民間の指定検査機関の行う検査を適正ならしめるため、輸出品検査所をしてこれが指導監督を行わしめること、第三は、畜産事業の急激な進展に伴い、種畜牧場をして、家畜家禽等の飼養管理、改良増殖並びに草地の改良に関する調査研究を行わしめることであります。
本案は、三月十一日本委員会に付託、政府の説明を聞き、本日質疑を終了いたしたのでありますが、行政機構はできるだけこれを縮小する見地から、食糧庁に経理部を設置することに関連して、従来総務部に置いている調査官二人を一人とすることについての政府の同意を確認した後、討論を行わず採決の結果、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。
次に、運輸省設置法の一部を改正する法律案の要旨の第一は、海運行政の能率化をはかるため、海運調整部を廃止して、海運局に次長一人を置くこと、第二は、航空局の事務運営の適正化をはかるため、監理部を技術部の所掌事務について一部再配分を行うこと、第三は、原子力船に関する試験研究を強化するため、日本原子力研究所東海研究所に運輸技術研究所の支所を置くことであります。
本案は、三月十二日本委員会に付託、政府の説明を聞き、本日質疑終了、討論を行わず採決の結果、原案の通り可決すべきものと決定いたしました。
次に、統計法等の一部を改正する法律案の要旨は、統計官の資格要件を、現在統計法に規定されている統計主事の資格要件と同じものとして、これを統計法に明記しようとするものであります。
本案は、二月十五日本委員会に予備付託、十八日政府の説明を聞き、三月七日本付託となり、本日質疑終了、討論を行わず採決の結果、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。
次に、通商産業省設置法の一部を改正する法律案の要旨の第一は、輸出振興に関する行政体制を強化するため通商局に振興部を新設するとともに、従来特許庁の附属機関でありました意匠奨励審議会を本省の附属機関とすること、第二は、軽工業局にアルコール事業部を設置すること、第三は、金沢繊維製品検査所高岡支所を本所に昇格させること、第四は、特許庁に工業所有権研修所を設置することであります。
本案は、二月十八日本委員会に予備付託、政府の説明を聞き、質疑を行い、四月四日本付託となり、本日、保科委員より、行政機構簡素化の見地から、軽工業局にアルコール事業部を設置することはこれを取りやめる旨の、自社両党の共同提案にかかる修正案が提出され、討論を行わず採決の結果、全会一致をもって修正案の通り修正議決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/38
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039・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 九案を一括して採決いたします。九案中、農林省設置法の一部を改正する法律案、運輸省設置法の一部を改正する法律案及び統計法等の一部を改正する法律案の委員長の報告は可決、他の六案の委員長の報告は修正であります。九案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/39
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040・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、九案は委員長報告の通り決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/40
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041・山中貞則
○山中貞則君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、昭和三十一年度一般会計予備費使用総調書(その2)、昭和三十一年度特別会計予備費使用総調書(その2)、昭和三十一年度特別会計予算総則第十条に基く使用総調書、昭和三十一年度特別会計予算総則第十一条に基く使用総調書、昭和三十二年度一般会計予備費使用総調書(その1)、昭和三十二年度特別会計予備費使用総調書(その1)、昭和三十二年度特別会計予算総則第十三条に基く使用総調書(以上承諾を求めるの件)、昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書、右九件を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/41
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042・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 山中君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/42
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043・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
昭和三十一年度一般会計予備費使用総調書(その2)外六件(承諾を求めるの件)、昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書、右九件を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。決算委員長坂本泰良君。
〔坂本泰良君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/43
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044・坂本泰良
○坂本泰良君 ただいま議題となりました昭和三十一年度一般会計予備費使用総調書(その2)(承諾を求めるの件)外八件について、決算委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
まず、承諾を求める七件は、去る二月十八日本院に提出せられ、同日当委員会に付託せられたのでありまして、委員会は、三月四日政府当局よりその説明を聴取いたしました後、四月八日、十八日の両日にわたり、その内容について慎重に審議いたしたのであります。
次に、その概要について申し上げますと、昭和三十一年度一般会計予備費の予算額は八十億円でありまして、このうち、財政法第三十五条の規定により、昭和三十一年四月十九日から同年十二月二十八日までの間に使用を決定いたしました五十六億六千六百余万円につきましては、第二十六回国会において承諾を与えましたが、その後、昭和三十二年一月十一日から同年三月三十日までの間におきまして、二十三億三千余万円を使用決定しております。そのおもな事項は、河川等災害復旧事業に必要な経費、農業施設災害復旧事業に必要な経費、退官退職手当の不足を補うために必要な経費等であります。
次に、昭和三十一年度各特別会計予備費の予算総額は七百十九億百余万円でありまして、このうち、昭和三十一年五月三十一日から同年十二月二十八日までの間に使用を決定いたしました二億六千四百余万円については、第二十六回国会において承諾を与えましたが、その後、昭和三十二年一月八日から同年三月二十九日までの間におきまして、二十八億五千八百余万円の使用を決定しております。そのおもな事項は、失業保険特別会計における失業保険給付に必要な経費、郵政事業特別会計における退官退職手当等の不足に必要な経費等であります。
次に、昭和三十一年度特別会計予算総則第十条及び第十一条の規定に基き、予備費使用の例に準じて予算を超過して使用いたしました特別会計は、厚生保険、国立病院、木船再保険及び郵政事業の四特別会計でありまして、その内訳は、厚生保険特別会計において使用しました日雇健康保険給付に必要な経費三億円、国立病院特別会計において使用しました診療患者の増加に伴い必要な経費六百余万円、木船再保険特別会計において使用しました再保険金支払いに必要な経費一千余万円及び郵政事業特別会計において使用しました業務量の増加等に必要な経費六十三億三千五百万円であります。
次に、昭和三十二年度一般会計予備費の予算額は八十億円でありまして、このうち、昭和三十二年五月十五日から同年十二月二十七日までの間において、五十九億四百余万円の使用を決定しております。そのおもな事項は、河川等災害復旧事業に必要な経費、農業施設災害復旧事業に必要な経費、退官退職手当の不足を補うために必要な経費、南極観測船宗谷の改造に必要な経費等であります。
次に、昭和三十二年度各特別会計予備費の予算総額は七百二十一億七千九百余万円でありまして、このうち、昭和三十二年六月二十五日から同年十二月二十七日までの間において使用を決定いたしました金額は三百六億四千二百余万円であります。そのおもな事項は、食糧管理特別会計における昭和三十二年産米の買い入れ数量増加に伴い必要な経費、外国為替資金特別会計における国際通貨基金から外貨買い入れに伴う手数料に必要な経費等であります。
次に、昭和三十二年度特別会計予算総則第十三条の規定に基き、予備費使用の例に準じて予算を超過して使用いたしましたものは、特別鉱害復旧特別会計でありまして、特別鉱害復旧事業に必要な経費七千五百万円であります。
以上が各議案の大要であります。
本件に関する審議の詳細につきましては速記録に譲りたいと存じます。
本日審議を終了し、直ちに採決に入ったのでありますが、その際、自由民主党關谷委員から、右はいずれも承諾を与えるべき旨の動議が提出されまして、採決の結果、全会一致をもって關谷委員の動議の通り議決いたした次第であります。
次に、昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書、同年度国有財産無償貸付状況総計算書につきましてはいずれも昭和三十一年二月、第二十四回国会に政府より提出せられまして、決算委員会は同年三月政府よりその概要を、また、会計検査院より同じく検査の概要を聴取したのであります。
まず、昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書について御説明申し上げます。
昭和二十九年度中に増加しました国有財産は、行政財産、普通財産合せて総額七千二百七十五億余円であり、また同じく減少しました国有財産は総額五百六十六億余円でありまして、差引六千七百九億余円の増加となっております。これを前年度末現在額七千五百九十三億余円に加算いたしますと一兆四千三百三億余円となり、これが昭和二十九年度末現在の国有財産の総額であります。
次に、昭和二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書について御説明いたしますと、国有財産法第二十二条並びに同条を準用する第十九条及び第二十六条の規定により地方公共団体等に無償で貸し付けてある国有財産の本年度中に増加した総額は一億三千四百余万円であり、減少した総額は一億二千三百余万円でありますので、差引千百余万円の純増加となっております。これを前年度末現在額一億八千九百余万金に加算しますと二億余万円となり、これが昭和二十九年度末現在において無償貸付をしている国有財産の総額であります。
以上が右二件の大要でありまして、本委員会は政府並びに会計検査院より説明を聴取した後、審議に入りましたが、その詳細につきましては速記録について御承知願いたいと存じます。
本委員会は、本二十二日審議を終了した後、討論を省略して採決しました結果、右計算書二件をいずれも是認すべきものと議決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/44
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045・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) これより採決に入ります。
まず、昭和三十一年度一般会計予備費使用総調書(その2)外六件(承諾を求めるの件)を一括して採決いたします。七件は委員長報告の通り承諾を与えるに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/45
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046・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、七件とも委員長報告の通り承諾を与えるに決しました。
次に、昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書、及び昭和二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書の両件を一括して採決いたします。両件の委員長の報告はいずれも是認すべきものと決したものであります。両件は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/46
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047・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、両件とも委員長報告の通り決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/47
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048・山中貞則
○山中貞則君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、失業保険法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/48
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049・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 山中君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/49
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050・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
失業保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。社会労働委員会理事田中正巳君。
〔田中正巳君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/50
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051・田中正巳
○田中正巳君 ただいま議題となりました失業保険法の一部を改正する法律案につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
現在、雇用労働者五人未満の事業所は約百十万、労働者数約二百二十万人と推定されるのでありますが、このうち、失業保険に加入している事業所は約四万、被保険者数は約九万人であり、大多数の小規模事業主に雇用される労働者は、まだ失業保険制度の恩典に浴していないわけであります。これらの労働者を失業保険の被保険者とし、その福祉の増進をはかることは強く要請されるところでありますが、一挙に強制適用とすることは現状から見て困難でありますので、現行法上の任意加入制度の活用により強制適用の基盤を醸成するため所要の規定を整備いたそうとするのが、本法案提出の理由であります。
以下、その内容を簡単に御説明申し上げますと、第一は五人未満の労働者を雇用する事業主に雇用される被保険者に対し、保険料及び保険金算定の基礎となる賃金について、新たに特定賃金月額の制度を設けて、事務の簡素化をはかるとともに、小規模事業主の納める保険料について年四回の納期とする特例を設けることといたしたことであります。第二は、失業保険事務組合の制度を設け、団体により被保険者の資格得喪の届出、保険料の納付、その他失業保険に関する事項を処理することといたしたことであり、第三は適用促進のため、遡及適用にかかる保険料等に関する延納及び分割納付制度を設け、また、遡及適用の期間の短縮をはかること等であります。
本案は、去る四月七日本委員会に付託せられ、同十五日石田労働大臣より提案理由の説明を聴取した後、慎重なる審査を続けたのでありますが、本委員会は、本二十二日質疑を終了し、討論を行わないで採決に入りましたところ、本案は全会一致をもって原案の通り可決すべきものと議決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/51
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052・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/52
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053・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/53
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054・杉山元治郎
○副議長(杉山元治郎君) 本日はこれにて散会いたします。
午後五時八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102805254X03319580422/54
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