1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年四月十八日(金曜日)
午後一時四十三分開会
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委員の異動
四月十七日植竹春彦君及び紅露みつ君
辞任につき、その補欠として佐藤清一
郎君及び平島敏夫君を議長において指
名した。
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出席者は左の通り。
理事
江藤 智君
成田 一郎君
三木與吉郎君
大倉 精一君
委員
石原幹市郎君
井村 徳二君
相澤 重明君
柴谷 要君
中村 正雄君
高良 とみ君
市川 房枝君
岩間 正男君
国務大臣
運 輸 大 臣 中村三之丞君
政府委員
運輸省鉄道監督
局長 權田 良彦君
事務局側
常任委員会専門
員 古谷 善亮君
説明員
運輸省自動車局
業務部長 國友 弘康君
日本国有鉄道公
安本部長 橋本錬太郎君
東京都警視総監 川合 壽人君
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本日の会議に付した案件
○地方鉄道軌道整備法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○小委員長の報告
○運輸事情等に関する調査の件
(交通事故防止に関する件)
(大阪駅における修学旅行の学生の
事故に関する件)
(地下鉄工事による都電脱線に関す
る件)
(日本国有鉄道の予定線及び調査線
に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/0
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001・大倉精一
○理事(大倉精一君) これより運輸委員会を開会いたします。
委員の変更について報告いたします。
四月十七日植竹春彦君辞任、佐藤清一郎君補欠、紅露みつ君辞任、平島敏夫君補欠。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/1
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002・大倉精一
○理事(大倉精一君) 地方鉄道軌道整備法の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、政府より提案理由の説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/2
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003・中村三之丞
○国務大臣(中村三之丞君) ただいま議題となりました地方鉄道軌道整備法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
地方鉄道軌道整備法は、昭和二十八年施行以来天然資源の開発、産業の振興上重要な新線及び運輸が継続されなければ国民生活に著しい障害を生ずるおそれのある地方鉄道に対し補助金を交付して、民生の安定に寄与して参りました。
次に、この法律案の改正点を申し上げます。
毎年わが国は暴風、大雨その他の異常な天然現象による甚大な災害が発生しております。このため、地方鉄道もまた毎年甚大な災害を受けておりますが、これらの地方鉄道のうち、自己の資力で早急に復旧することが困難であり、かつ、その地方鉄道の運輸の休止等により民生の安定に著しく障害を来たすような場合、復旧に要する費用の一部を補助して災害復旧の促進をはかる必要がありますので、所要の改正を行わんとするものでございます。
以上、この法律案につきまして概略御説明申し上げました。
なお、法律案の提出がおくれまして恐縮でございますが、災害の発生は予測することができませんので、今回この改正を行い、もって万全の措置を講じておきたいと考えておる次第でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/3
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004・大倉精一
○理事(大倉精一君) それではこれより質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/4
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005・柴谷要
○柴谷要君 今回政府が提案をされました地方鉄道軌道整備法並びに同施行令は、最初自民党がお考えになっておりました単独立法によって、私鉄の災害復旧補助法というようなものを考え、国会に提案しようとしておった、こういう過去のいきさつがあろうかと思うのでありますが、われわれは地方鉄道軌道整備法の一部改正によって、その目的が達せられるのではないか、こういう意見を持っておりましたところ、はしなくも自民党がそれに同調してきたような形になってきたことは、まことに喜ばしい現象だと思います。そこで、本法に対しては時宜に適した処置と思いますので、本日、この法律案の成立を私としては期したいと思うが、それに先だって三点ほどお伺いいたしたいと思います。
まず第一点に、災害を受けた地方鉄道に対して従来どのような措置をとってきたか、この事例を一、二お伺いをし、第二点としては、従来の補助について、被害程度にもよるでありましょうが、最近の事例でけっこうと思いますけれども、最高最低の額を一つ教えていただきたい。それから第三点としては、三十二年度において被害をこうむりました私鉄が数カ所あろうかと思います。その額がすでに予算としてきまっておりますけれども、これら被害を受けた私鉄並びに同法改正によってこれから補助を出さなければならぬというような個所が何カ所あるか、これらの問題について三点お伺いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/5
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006・權田良彦
○政府委員(權田良彦君) お答え申し上げます。第一の、災害を受けました地方鉄道に国庫補助金を交付いたしました事例でございますが、この事例は、まず、昭和二十二年七月のキャスリン台風の際、八社に国庫補助金を交付いたしております。この総額が二千八百六十万五千円でございまする次に、昭和二十三年六月に北陸に震災がございまして、このとき三社に交付しております。この総額が四千四百四十九万四千円でございます。その次に、昭和二十三年の九月にアイオン台風がございまして、このときにも補助金を交付して、これは四社でございまして、総額が六百八十三万七千円でございます。以上は、いずれも復旧費の一部を公共事業費から交付した予算補助でございまして、法律によらないものでございます。次に、昭和二十八年の六月と七月の大水害並びに同年八月と九月の風水害に対しまして、七社に対しまして総額二千五百万円を交付しております。これは復旧費の一部を、財源としては予備費から交付いたしましたが、この場合には、このとき限りの特別立法が制定せられまして、これに基いてやったわけでございます。今回、ただいま御審議をわずらわしておりますのは、御指摘のように地方鉄道軌道整備法の一部改正によりまして恒久立法の措置を講じまして、今後こういうものに備えたい、こういう趣旨でございます。
それから次に第二点の、在来交付いたしました額でございますが、これはただいま総額は申し上げましたですが、個別には、全部は省略いたしまして、大きいものと小さいものを申し上げた方がいいかと思いますが、昭和二十二年、三年、先ほど申し上げました予算補助の際には、大体一番大きなものが、補助金といたしましては一口三千七百十九万円というのが一番大きゅうございます。それから一番小さいものは二十八万円ばかりでございます。その間に、いろいろ会社別に事情が違っております。それから昭和二十八年の分につきましては、大きいものは八百九十二万円、一口当りでございます。小さいものは百二十五万円、こういうようなことに相なっております。
それから次に、第三点に御指摘がございましたが、昭和三十二年七月に、実は御案内のように、北九州に災害がございまして、この昭和三十二年七月以降の災害を受けた地方鉄道業者に対しても、今御審議願っております法律が適用できるようにいたしたい。付則に入っておりますが、この災害の状況を申し上げますると、この際災害を受けましたのは二社でございまして、その一つは、昭和三十二年七月二十六日に島原鉄道が災害を受けました。この復旧工事の所要額は大体八千万円ぐらいと考えられております。それからもう一つは、同じく同日に山鹿温泉鉄道でございまして、復旧工事の所要額は約四千二百万円と考えられております。このものにつきましては、この法律が御可決いただきまするならば、この法律の条項に従いまして補助をいたしたいと思いますが、三十三年度の予算には一千四百万円計上してございます。この法律の適用によりまして、この災害復旧事業の範囲が、災害を受けた地方鉄道の線路施設、電線施設、運転保安施設、変電所、車両等になっておりまして、これを原形に復旧いたします工事費に対して一部の補助をいたしますので、これらを十分資料によりまして復旧工事の内容を検討いたしまして、それぞれこの法律の適用に従って補助額を決定いたしたいと考えておる次第でございます。以上お答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/6
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007・大倉精一
○理事(大倉精一君) 他に御発言ございませんか。——他に御発言もございませんようでございますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/7
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008・大倉精一
○理事(大倉精一君) 御異議ないものと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/8
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009・大倉精一
○理事(大倉精一君) 御異議ないものと認めます。
それではこれより採決に入ります。
地方鉄道軌道整備法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/9
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010・大倉精一
○理事(大倉精一君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/10
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011・大倉精一
○理事(大倉精一君) 御異議ないものと認めます。よって、さように決定いたしました。
報告書に多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされる方は、順次御署名を願います。
多数意見者署名
江藤 智 三木與吉郎
井村 徳二 成田 一郎
市川 房枝 相澤 重明
柴谷 要 中村 正雄
高良 とみ 岩間 正男発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/11
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012・大倉精一
○理事(大倉精一君) 次に、交通事故防止に関する小委員会における調査の経過について、小委員長の報告を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/12
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013・江藤智
○江藤智君 交通事故防止に関する小委員会の経過ついて中間報告をいたしたいと存じます。
去る三月六日の当委員会の決定により設けられました交通事故防止に関する小委員会の今日までの経過について中間報告をいたします。
小委員会は、三月十二日以後数回開き、ほかに一日実地視察を行いました。小委員会のうち、第二回には参考人の、第三回には運輸省自動車局長の外取締り関係官庁の、第四回には自動車局長の外労働基準局長の出席を求めて事情を聴取し、質疑を行いましたが、これらはいずれも速記を付しましたので、詳細は会議録についてごらんを願います。
以下、簡単に、順を追い小委員会の経過を申し上げます。
まず、三月十二日に第一回を開き、小委員会の運営に関し協議しました。さしあたりタクシー等、自動車による事故防止を調査事項とし、左記項目につき審査を進めることといたしました。運転者に対する労務管理、車両の整備、労働基準法の適用方、賃金問題、労働時間の適正化、交通道徳の高揚。保障制度、道路、踏切り、駐車場等及び工事関係、信号現示の方法並びに信号類似の色彩あるいは光彩の取締り。横断歩道と停止線の問題等について調査を進めることといたしました。また、実態把握のためには業者団体、労働組合より実情を聴取し、これと並行して実地の視察を行い、さらに運転者の適性検査についても調査を行い、これに関しては心理学者等より意見を聴取すること等を申し合せました。
なお、第一回の小委員会においては、山内自動車局長から事故防止対策本部の自動車部会の経過について説明を聴取いたしました。
第二回は三月二十日に開きました。この日は全国乗用自動車協会会長新倉文郎君、日本乗用自動車連合会会長代行湯城義一君、国産自動車協会会長寿原正一君及び全国旅客自動車労働組合連合会委員長伊坪福雄君からタクシー業界の実情並びに交通事故防止に対する意見を聴取いたしました。この日の各参考人の意見は、これを総合してみますと、いずれも労務管理の問題に触れており、委員の質疑もこの問題に集中されました。簡単にその要旨を申し述べますと、新倉参考人は、事故防止の角度より、車両と運転者に多大の関心を寄せることを強調し、車両はその整備につき、運転者については生活の安定を第一義とすること、従って、労使の共同、家族主義を強調しました。湯城参考人は事業運営の具体的方面より事故防止に関し言及し、交通事故防止には、ノルマを緩和することもさることながら、原因と認められるものの総合的な施策を必要とする旨をまず強調し、次いで従業員の標準作業量(一日走行キロ)、就業免許、対面交通、車両数等具体的問題に触れて事故防止に関し意見の開陳がありました。また、寿原参考人は業界で現に活動中の事故防止対策委員会の現状を中心に意見を述べ、これと関連して行政と取締りとの関連、交通道徳の向上等に言及しました。また、伊坪参考人は警視庁の交通事故白書に掲げられた数字を引用し、交通事故の原因を運転者の行為にのみ集中せず、総合的に考慮すべき旨を述べ、総合交通政策の樹立、交通道徳の向上、不安定な労働条件の解消等を力説しました。
第三回目は三月二十五日に山内自動車局長、國友業務部長、警察庁山口警備部長、内海警ら交通課長、警視庁富永交通部長の出席を求めて開きました。まず、山内自動車局長から、事故防止対策本部自動車部会のその後の経過について説明を聞きましたが、その説明の中で、給与体系の改善、走行キロの検討等、経営の実態に関する事項と労務管理に関する事項等を事故防止の対策事項としてあげたことが注意を引きました。続いて山口警備部長、富永交通部長より、それぞれ交通事故防止に対する意見を聞きましたが、結論としては、いずれも運転者をして走らざるを得ないような状態に置いている経営のあり方について検討を要するとの意見でありました。その後委員との間に質疑が重ねられましたが、そのうちのおもなものを申し上げますと、運転免許の問題、事故に対する二重処分の問題、取締りは行為者たる運転者に対してなされているが、現在の事故発生の実情より見て使用者についてもその責任を追及することの適否、経営の適正規模の問題、行政機構の問題、すなわち事業の監督と運転の取締りが別個の機関によりなされているので、その連携を欠き事故多発の原因となってはいないかという点、名義貸しの問題、事業免許基準に労働条件を加えることの適否の問題、事故原因の一要素として運転者の精神状態の問題、労働時間と事故発生率との関連性、自家用車の事故率とその取締りの問題道路工事と事故発生の関連性、交通事故防止対策本部へ提案するものとして報道されたいわゆる運輸省の対策というものについてなどでありました。
三月二十九日は土曜日にもかかわらず、天田委員長と小委員全員一行九名で十一時から警察庁及び警視庁の関係者の案内で特に自動車の交通密度の高い祝田橋、日比谷、銀座四丁目、新橋、品川、五反田の各地を通り、混雑の度合並びに交通整理、指導の実情を視察し、午後はタクシー会社の実情を見るため、志村タクシー、葵タクシー及び共進タクシーの三社を視察し、経営方針、給与問題、労務管理、休養施設等について実情を調査いたしました。
第四回目は、四月四日午後から山内自動車局長と労働省の堀労働基準局長の出席を求め、最初に山内自動車局長より、交通事故防止対策本部タクシー事故防止対策要綱について説明を聞き、引き続いて右対策要綱、タクシーに関する自動車行政及び労働基準法関係事項について両局長に質疑を行いましたが、そのおもな事項は、八時間勤務制に対する労働省の指導方針、労働時間の意義、休養施設の問題、超過勤務の場合の割増賃金の問題、就業規則の問題、不当労働行為の問題、有給休暇、健康診断の問題、タクシー運転者の勤務状況に対する労働省の調査並びに監督の実態、事故防止対策本部の防止対策要綱の取扱い実施方についての当局の所信と、これに関連して対策要綱の給与の実施方についての行政指導の方法、タクシー業に対する多元的行政監督機構、タクシー事業の免許の基準、特に基準の中に労働条件を含ませることの適否、免許の申請があった場合の事業計画の確認、一両持ち免許、陸運局及び労働基準局の要員、都内タクシー業の実態調査の必要の有無、神奈川県のサクラ・タクシー、メトロ・タクシーの件等でありました。これらの質疑に対する両局長の答弁中おもな点は次の通りであります。
まず、タクシー業の八時間労働制については、変形八時間制を認めていること、次は、労働基準局としては、監督計画を立てて監督を励行しているが、違反事件は若干あること、また、自動車局もタクシー業の実態調査に努力していること、また、自動車局としては、最低保障賃金平均一万八千円程度になるよう行政指導を行いたいこと、現行道路運送法でも免許の際、労務管理を調査し参考にする根拠条項のあること、最後に、一両持ち事業には一長一短あると思うが、今、都会地において一両持ち事業を是認する自信はないこと等であります。
その後四月八日、十四日、十五日、十七日と引き続いて小委員会を開きまして、第一回から問題となりました事項について検討を加えましたほか、四月十五日には、山内自動車局長及び杉本東京陸運局長の出席を求め、横浜のサクラ・タクシーの件、大井交通の件、秋葉原駅構内で自動車の中で運転手が死亡した東光自動車の件について報告を求めました。
以上、調査審議をしました結果、タクシー事故の防止対策については、事、事業の経営または労務管理等に及び、重大な事項を含んでおりますので、急速に結論を求めることは困難でありますが、さしあたり、政府に対し次のような要望をすることを適当と認めました。
自動車事故防止に関する要望政府は差当り次に掲げる事項に関し強力な措置を速かに講じタクシー交通事故防止に努力すべきことを要望する。
一 関係官庁(運輸、通産、建設、労働、警察、検察等)の連絡を緊密にし行政上の指導監督を一本化する常置的な体制を整えること。
二 陸運局並びに陸運事務所の予算及び人員を確保してその機能を強化し適確、敏速な処理を行うこと。
三 従来の免許基準並びに諸条件を検討し事故防止の目的を完遂できるよう改正を加えること。
四 免許事業者に対しては指導監督を充分行い一定期間を定めて改正基準に合致するよう全企業者に対しその実施方を指導すること。
五 免許事業者については一定期間終了後厳格な検査を行い、不適格業者については営業停止若しくは免許取消等必要な行政処分を行うこと。
六 新しく事業を免許するにあたつては免許基準並びに諸条件を明示し事業の開始にあたつてはその充足状態の確認を励行すること。
七 運転の免許については科学的に再検討し、心身技能ともに厳正な検査をなすこと。
八 タクシー事故防止は労働条件の改善にまつところが大きいので、給与その他労働条件の改善については労使の正常な団体交渉によらしめること。
九 給与制度については運転者の生活安定をはかるため特に次の諸点を重視すること。
1 固定給を主体とする給与体系を確立し刺戟的給与を廃止すること。
2 昇給制度並びに退職金制度等を設けること。
十 下車勤、ノルマの強制、事業所における休養施設以外の仮眠等は禁止すること。
十一 労働組合の組織化及び組合活動に対しては、十分な理解をもつてのぞむよう経営者を指導すること。
十二 労働基準法違反及び不当労働行為については充分な監査監督を行い根絶を期すること。
十三 日雇運転者の雇傭は禁止するとともに長期臨時運転者の扱を是正すること。
十四 事故の賠償は経営者において負担すること。
十五 自動車運転を職とするために起因する疾ぺい対策について調査検討を加えること。
十六 労働条件その他の実施状況については常時監査を励行し、定期的にこれを監督官庁に報告せしめ、一方労働者側に周知徹底させるとともにその苦情申告を認めること。
以上。
なお、この要望には掲げてありませんが、小委員会で取り上げました事項のうち、騒音防止の処置を講ずること、安全運転の支障となるおそれのある街頭照明及び広告物の取締りをすること、タクシー会社の企業内容を調査し、その適正利潤を検討すること、指導委員会の検討をすることに関しましては、特に委員中より強い希望がありましたので、これらの事項については、さらに引き続き調査審議をいたす予定であることを申し添えます。
以上、御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/13
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014・大倉精一
○理事(大倉精一君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/14
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015・大倉精一
○理事(大倉精一君) 速記を起して。
ただいまの小委員長の報告にありました要望事項を本委員会の決議として政府に申し入れることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/15
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016・大倉精一
○理事(大倉精一君) 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました。
なお、関係政府当局並びに申し入れの手続等に関しましは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/16
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017・大倉精一
○理事(大倉精一君) 御異議ないものと認め、さように決定いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/17
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018・中村三之丞
○国務大臣(中村三之丞君) ただいま事故防止対策に関する御要望、御決議になりましたその御趣旨は、私どもは現在も将来も実行をいたして御要望に沿いたい考えでございます。ことに最近は東京陸運局を初め、私は、全国の陸運局長に、まずこの会社の検査を行うという通達をする考えでございます。東京陸運局はこれを始めておるようであります。全く御趣旨は私どもの御同意を申し上げ、実行しなければならない義務を負うものであると私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/18
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019・大倉精一
○理事(大倉精一君) なお、御出席の方は、中村運輸大臣のほかに、権田鉄道監督局長、警視庁警視総監川合壽人君、警視庁交通部長富永誠美君、労働省労働基準局監督課長鈴木健二君であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/19
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020・岩間正男
○岩間正男君 当委員会でかなり何回も努力を総合したものが、ただいま大臣に手交されたことですけれども、この点について、ただいまこれについて十分な考慮をするという答弁がありましたが、私は特に今までの経営それから最近の情勢と関連して、二、三の点について大臣にただしておきたいと思う。第一の問題は、この政府の対策本部から出されました要綱、あれを見ますと、どうもこのタクシーの関係者の中で非常に大きなウエートを占める労働者の問題、この問題が非常にやはり不十分じゃないか、労働者の問題については、ほとんどこれは触れられていない。ところが、現状を見ますと これは労働者諸君の自覚的な立ち上り、また、この問題を、国民の問題をほんとうにこれは労働者として解決する、こういう問題が非常にこの問題を、事故防止を解決するためには重要な問題になっていると思うのです。ところが、あのような要綱が出されましたけれども、その要綱の中でそこが明確にならないために、ことに一番事故防止の焦点ともいうべきところの労働者の給与問題、それから労働条件の改善問題、これをどういうふうに具体的に解決するかという点について、実は明確な方針が出ていないわけであります。その点につきましては、当委員会の小委員会でも、特に新しく企業の許可をやる、その場合の基準を改正の目的に、事故防止の目的に合うように改正すべきだと思います。さらにその新しい基準によって、一定期間を設けて、これによって指導監督し、そうしてその実があがるようにする、それからそれが期間が終ったならば、その直後において、全企業に向って厳重な検査を行う、不適格者に対してはそれぞれ営業停止なり免許取り消しという処分をはっきりすべきだ、こういう点が決定されているわけなんです。この点については、大臣はまずどのようにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/20
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021・大倉精一
○理事(大倉精一君) ちょっと、なお、先ほど御報告申し上げました政府委員のほかに、運輸省の自動車局業務部長國友弘康君を追加報告いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/21
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022・中村三之丞
○国務大臣(中村三之丞君) いずれの業界を問いませず、労使関係は、私は、労働法に基いて秩序ある労使関係の正常化が行われるべきものでありまして、ことにハイヤー、タクシー業界の労働組合の発展ということは、私は望ましく、また今、御決議のところにありました通りであります。一体、私は給与の問題で、いわゆる神風タクシーの問題が起りましたときに、これを運輸省が介入すべきものではないという原則を私は立てておるのであります。これはハイヤー、タクシー界におけるところの使用者とそれから労働組合とが団体交渉でもって不当なノルマの打破に努めらるべきものであると、私は考えておるのであります。しかしながら、運輸省といたしましては、ああ問題が世論の的になり、また国会におきましてもお取り上げになっているという状態でございますから、われわれは、タクシー業を許可をいたしました運輸省として、給与の問題に注目をいたしまして、事故防止対策委員会におきましてもそれを取り上げてもらって改善するということにいたしたのであります。もとより免許に際しましては、あるいは就業規則とか、そういうものについてどう行われるか、どう行なっているかということにつきまして、免許して以来、運輸省といたしましては、これが検査もし、また注目もいたしておるのであります。従いまして、たびたび業務の改善命令をも聞かない、あるいはたびたび違反的な行動が行われるという場合におきましては、法律の命ずるところによりまして、行政処分をしていって監督いたして参りたいと思うのであります。率直に申し上げますと、従来からこういう給与の面その他につきまして、運輸行政というものが比較的ぬるかったということは、これは私は申し上げざるを得ないのでございますが、この神風タクシーという問題を動機としてしっかりやっていく。こういう方向に進んでおることは、これは御了承を願いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/22
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023・岩間正男
○岩間正男君 むろんこの問題は、労働条件、給与の問題などというのは、当事者間の主体的な問題でありますから、ここで相互の団体交渉をもって決定していくということを原則とすることは当然だと思います。しかし問題は、神風タクシーというような名で呼ばれるような事故が発生している。しかも、この問題は社会問題になっておる。また国民の人命に関する重大な問題で、それに対する行政指導が今まで非常に不十分だったということが、今までの長い検討の間にやはり明確になった。従って、この行政指導の面をもっと明確にすべきだというのが、これは当委員会のここに盛られた案の意向だというふうに考えるわけです。従いまして、今申しました、具体的に申しますと、三、四、五のような項、この項目について、やはり今後具体的に検討され、この具体策をもって進まれるお考えがありますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/23
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024・中村三之丞
○国務大臣(中村三之丞君) 具体的に御指摘になりました三、四、五につきましては、将来法律の検討というものもございましょうし、省令の改正においてもできますものは、これを実行をいたしていかなければならぬと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/24
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025・岩間正男
○岩間正男君 今、これについて十分実行されるという御意向でありますから、鋭意検討され、そして目的達成のためにやっていただきたいと思う。これを関連して実際労働者が国民のこのような世論に従いまして、自粛的に安全運転を目ざしてやりかけておるところもあるわけです。そうしますと、今までの、たとえば四百キロをこえるノルマを実は三百二十キロぐらい、そういうような基準でやっていく、こういう事態になりますと、それが労働者の給与に響いてきて、手取りが二千、三千円、ひどい場合は、もっと多額の減収という形になってくる。そこで私は問題だと思いますのは、こういうことになりますと、やろうとしても、これはなかなか生活問題でありますから、労働者は率直にこの問題を取り上げてやり得ないという事情も出てくる。ここが非常に矛盾した関係になってくるわけで、私はこれと関連してぜひお聞きしたいのですが、適正利潤の問題ですが、公共的な仕事でありますから、無制限にどこまでも今のやり方でもって、しかも、昔のあの前近代的なやり方でもってどんどんともうけて、いわば搾取の一つの形態でありますが、年間の利潤は、大体われわれが計算してみても相当なものにこれはなってくると思う。当然公共的な性格から考えて、適正利潤というものを考えて、これによってしかも、無理な走行キロを出さないような指導、それは十分にやっていくことはできるのじゃないかというわれわれは見解を持つものであります。しかも、高利にも通ずるような大きな利益を、そのまま現状のままで放任するという形では、絶対にこれは労働者のそのような自主的な立ち上りも実は実行されないというジレンマに陥っているのが実情であります。従って、大臣としてはこの適正利潤の問題を一体検討されたかどうか。検討されたとすれば、どのぐらいのところが適正利潤であるか。そうしますと、それと関連して労働者のつまりノルマという名前で呼ばれておりますこの走行キロとか、あるいは就業時間、こういうような問題がこれとの関連でこれは検討されてこなければならぬと思うのであります。従いまして、この適正利潤についての運輸省の考えをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/25
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026・中村三之丞
○国務大臣(中村三之丞君) 今、御指摘のように、今はノルマにたたかれるからむやみに走る、今度はその走行キロをある程度下げて安全をはかるというと、あるいは時と場合によって、御指摘のような減収というようなこともあるかもしれない、そこに矛盾があるとおっしゃった通りでありますから、それは私どもも認めます。それがゆえに、固定給というものを引き上げる、つまり現在普通二、三千円ぐらいの固定給のところもあります、はなはだしいのは。大体においてそれを五、六割程度のところに引き上げていく、そうして刺激的なノルマのことを打ち破っていくというところに私はこの問題の核心があると思いまして、そういう方面の指導を私どもはいたして参りたいと思うのであります。
そこで、適正利潤でございますが、これは別に特にそういうことを考えておりませんけれども、大体現在の自動車業界における利潤というものは、一割見当であるという数字は出ておるのでございます。これらの詳細の数字は、部長から御報告を申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/26
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027・岩間正男
○岩間正男君 部長からの説明もですが、われわれは今までわれわれなりの努力をして参った。しかし、これは一割などという利潤じゃないと思います。なるほど報告されたそういうものを見ますというと、一応これは帳面づらはそういうことになっておる。しかし、われわれは実態を検討したのです。なかなかそこには表面の記帳に現われないところの、たとえばエントツといわれておるような問題もあります。これは業者も容認しておる。それでそれが実は表面の記帳には漏れておる、そういう形でやみみたいに、これは業者自体の所得になっておる。そのごく一部分、わずかのものが労働者に返っておるという実態もある。従いまして、そういうものも捕捉しない限りは、ほんとうの業者の営業内容というものはつかめない。表面の報告だけでやっておりましては、非常にこれは不十分であります。そこに問題が一つ非常に大きく出ておるのでありまして、従って、私は現状においては、これは適正利潤の問題が明確になってしかも、正常な労働慣行を確立して、しかも、労働者を尊重して、労働者の生活を保障する、労働条件も改善する、こういうことをやっても、私はタクシー業者は決してこれによって打撃を受けて企業を放棄しなければならないという事態は現状では絶対に起らないと思う。つまり、もうけ過ぎておるのです。このもうけ過ぎておる形を抑制しないでおいて、そうして今の走行キロだけを下げれば、全部それは労働者の負担という格好になってきて実はその面からの矛盾で、参加しようとしても、生活に縛られておる労働者諸君は参加できないというようなところに、この問題の非常な私は、ジレンマが一つ含まれておる。こういう問題について大臣は検討されたことがあるかどうか、これについての明快な一つの解決策があるのかどうか、こういう点についてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/27
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028・中村三之丞
○国務大臣(中村三之丞君) われわれの方針は自由経済でございますから、権力をもって配当を制限するとか、そういうようなことは考えておりません。しかしながら、自動車業界によりましては、中には相当もうけておるものもあるようです。しかし、全体として、必ずしもそう外部から見るような不当な利得を持っておるものとは私は思わぬ。むしろ経営の困難なものもあると思うのです。ただそこが、その経営の困難なのをどこかに求めておるか、それを株主配当に転嫁しておるのか、運転者にその犠牲をしいておるのか、問題はそこにあると思います。従って、私どもは業界の適正な規模というものを、これを指導していきたいと思います。それから同時に、固定給を引き上げて、大体最低保障は、過般発表申し上げました一万八千円程度をやっていくというふうな改善にも努力いたしていきたいと思っておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/28
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029・相澤重明
○相澤重明君 関連質問並びに議事進行について。小委員会には運輸大臣は出席したのかしなかったのか。(「しなかった」と呼ぶ者あり)それはけしからぬ。運輸大臣はそういうことを小委員会に出てやはり言わなければならぬ。委員会にはなるべく小委員会の報告を出して、そうして小委員会の質疑が残っているものを僕は今やってもらいたいと思う。それから僕ら一般の委員は、やはり聞きたい問題がうんとあるわけです。だから、小委員会でやるものと本委員会でやるものと、ある程度区別してやってもらわなければ困るわけです、議事運営について。それから大臣はどうなんですか、大臣は小委員会の委員長の方から……、そういう委員会開催のときに今まで出席できなかった理由は何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/29
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030・中村三之丞
○国務大臣(中村三之丞君) 衆議院の方は、御要求があって私はほとんど出ましたが、こちらでは、そう出なくてもよかろうというお話のようでございましたから、まあこれは一つ……、しかし、私が進んで出るといえばよかったのでございますが、ほかのなにがございましたので、その点はどうぞ御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/30
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031・相澤重明
○相澤重明君 それでは運輸大臣の出席要求をしなかったという……、小委員会だから、それは今の、運輸大臣が出席しなかったのは了解できます。しかし進んでこれは大臣も——今、この事故防止対策については、そういう国会の内外の世論になっているのだ、だから衆議院の方でも御出席になっているのだから、参議院の方でも、委員会がある場合には、できるだけ出て 一つ親切にそういう問題については答弁をするなり、相談をしてもらいたい、これは私から特に要望しておきます。
それから、これは当局と小委員長の両方に私はお尋ねしておきたいのですが、今のような自動車の発達したときには、やはり速度というものは非常に出せるようになっていると思うのです。ところが問題は、日本の道路が、そういうふうに自動車が輻湊しても十分はけ切れるかどうかというようなことと関連をしてくると思うのです。そこで都市だとか、あるいは繁華街であるとか、そういう所を通る場合に、一般の交通常識から考えて、これは先ほどのいろんな条件があるけれども、そういう所を無理をして飛ばす、こういうことに対して、神風タクシーなるものの名称が出てきたと思うのです。そこで、そういう繁華街であるとか、あるいは低速車と高速車とが競合するような場所については、運輸大臣なりあるいは警視総監は、そういう問題について速度を制限をする、あるいは自動車の速度をそういう所については出させない、こういうようなことを考えたことがあるのか。小委員会においては、そういうことを取り上げたことがあるのかないのか、その点についてまず一つお伺いしておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/31
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032・江藤智
○江藤智君 小委員会の検討の結果について、今、相澤委員から御質問があったのですが、ただいまの私の報告をもう少しよく聞いて下さったならば、その点ははっきり申し述べておるはずです。小委員会の最初に、そういうような問題については、全部羅列してあります。先ほどの報告にも載っておるのですが、そのうちでとりあえず労務管理の問題というものをまず取り上げようということになっておるのでありまして、今後、先ほどの標識の問題であるとか、道路、ことに踏切り保安設備だとか、あるいは道路の工事のやり方であるとか、または道路と車両との関係であるとか、そういうようなものは、これからさらに突き進んでいきたい、こういうことになりまして、とりあえずきょう御報告しましたのは、そのうちで労務管理を主とした面についての要望をいたしたので、今、相澤委員がおっしゃったような事柄については、今度小委員会でも取り上げていこう、こういうような方針になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/32
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033・岩間正男
○岩間正男君 むろんこれは、先ほどの大臣の御答弁によりますと、自由企業だからこれは縛ることができないということであります。しかし、交通というものは公的な、しかも、国民の人命に関する問題ですから、これについては十分に検討すべきじゃないか、そういうような意味では、労働者の給与の分は、これは大体全企業の売上げのどれくらいが適当というふうに大臣はお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/33
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034・中村三之丞
○国務大臣(中村三之丞君) 今ここに数字がございますから、部長から読み上げさせて、お答えのかわりにしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/34
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035・國友弘康
○説明員(國友弘康君) 人件費の営業経費の中で占める割合でございますが、大体四〇%から四六%ほどの数字が出ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/35
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036・岩間正男
○岩間正男君 現状はそうなっておりますか。それはどういう調査に基くのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/36
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037・國友弘康
○説明員(國友弘康君) 現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/37
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038・岩間正男
○岩間正男君 それはあなたたちの調査の仕方が非常に問題だと思う。われわれはずいぶん調べましたが、二〇%から三〇%の間、こういう格好になっておる。従って、この面の総収入の把握、全売上げの把握が非常にずさんだということが、そこではっきり資料の中に出ておる。四〇%、五〇%が労働者の賃金分として出されておるのなら、今日神風の問題は起らない。ここに非常に問題があるので、この点については、あなたたちの資料というものは、非常にこれはやはり全体の把握が不十分なものじゃないか、こういう点で私はこれは再調査してほしいと思う。少くともわれわれの調査した中には、そういう形の数字は出ておりません。平均二五%くらいのところだと思うのです。つまり非常に低いのです、全体のその稼ぎに対して。しかも、からだを削って、そうして命を縮めて働いておるというのが現在の運転手諸君の状態じゃないかと思うのです。こういう点での把握が、今言ったように四〇%、五〇%というような監督官庁が統計を持って、その上に立ってこれを指導するということになりますと、問題の実態は少しもこれは解決しないということになるのであります。こういう点について、大臣、非常に現状の把握が不十分じゃないかと私は思いますけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/38
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039・中村三之丞
○国務大臣(中村三之丞君) 今、調査の範囲、その結果は御報告申し上げますが、いわゆる神風タクシーというものが、固定給ではなくして、ノルマによってかり立てられておったというのは事実です。これは私は認めます。しかし、これを動機として今回の改善をしていきたい、このことに努力を向けたいということにつきましては、これは御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/39
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040・岩間正男
○岩間正男君 つまり私は、適正利潤の問題については、当初の委員からしばしばこれを問題にして参りました。しかし、この問題についての突っ込みが非常に足りなかった。資料も出ていない。これに対しての官庁側の答弁も、事態をほんとうに明確に把握するという努力は非常に不十分です。こういう点で、実はこの小委員会の案についても、固定給のパーセンテージをきめようかという問題も、実は先にこれは延ばされた条件が出ておるわけです。こういう点で私は、現状把握が非常に不十分なところに問題があるということを再度申し上げます。
これと関連して私はお聞きしたいのですが、大体運輸当局の指導のやり方、これは改善を要する点が非常に多いのじゃないかというふうに考える。現状のままで一体、運輸当局は、ことに陸運局あるいは陸運事務所は、これは指導し切れるのかどうか、こういう点で具体的な実例をあげますというと、どうも業者との関係が非常に深いのではないか、なれ合いが非常に多いのではないか、この問題は当委員会に指摘した通り、予算が足りない、人員も足りない、そういうことの結果、勢い業者に負わさざるを得ない、こういう一つの、これを裏づける行政面の不足が、こういう形になっておると思うのです。今まで運輸大臣としては、こういう問題について気づかれたかどうか、現状のままにおいてこのままにしておいて、現状の運輸当局をもってして一体この問題を指導し切れるかどうか、私は今のこの資料の問題とも関連してこのことを実はお聞きしたい、どうなのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/40
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041・中村三之丞
○国務大臣(中村三之丞君) 私もおっしゃるようなことを気づいております。また事実あるのです。たとえば業者から建物を建ててもらって、その中に入っておる、これは事実あるのです。これは私は極力なるべく切り離していく、今後そういうことを。今、相当切り離していっておりますが、まだあるものは私はこれを全然切り離していきたい。別にそれをしたために、情実因縁にとらわれないと思いますけれども、自然的にどうもそういうふうになることは免れませんから、国の仕事は国の経費でもってやるという建前は、私は今後貫いていきたい、過去にありますものは徐々にこれを直していきたいと思うのであります。私はこの意味におきまして、運輸行政というものがこの業界からの圧力に屈するようなことがあってはいけない、つまり運輸行政全体が外部の圧力に屈しておるというようなことであれば、これは正当な行政はできるものではございません。この点は私も就任以来努力をして参っておるのであります。特にこの点は私は注意をしております。そこで、今回の神風タクシーを動機として業界はどうするか、どう指導していくか、私は去る三月十日個々の協会の人を呼びましてまず厳重に申しました、私は非常に強い言葉で申したのであります。従って、今回これは一つの制度とか、一つの協会とかいうのにあらずして、国会のこの小委員会等のこの御意見、あるいは新聞紙等の世論というものが、つまり国会と世論というものが非常に業界を私は刺激しておるように思うのです。業界もまた、この国会並びに世論に反抗することはできない、そういうように非常に彼らは考えてきておられるようであります。これは私が過般来お目にかかり、また局長あたりからの情報を得まして、そういうふうに思うております。この機会におきまして、協会というものを全国的に一本化していくとか、あるいは人的構成を統一していく、こういうふうにして指導して参りたいと思うのでありまして、また、そういうふうに協会が一致していく方向に進んでおるようであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/41
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042・岩間正男
○岩間正男君 特にこの業界と陸運当局との関係について、大臣は今まで気づかれた部分を話されたわけでありますが、この点で、まあ当小委員会の第二項の要求が出されておるわけなのです。しかし、まだまだ大臣は実態をおつかみになっていられないのではないか。というのは、最近われわれは、これは報告をしてもらいたいのでありますが、このナンバーですね、ナンバーに対する不正、さらに封印ですね、封印が非常に乱発されておるという不正問題、こういう事態が起っておる。そしてその業者のごときは何と言っておるかというと、陸運局なんというものはどうでもなるのだ、こういうような暴言をさえ吐いておる事実がある。また陸運局のやはり指導の面が業者に目が向いておる。しかし、実際は働く主体になるところの運転手諸君にはなかなか向いていない。運転手諸君の要求というものは、ほんとうにここで考慮されておるかどうかというと、そういう格好にはなっていない。そういう事態が、これは大臣が出席されなかったのでありますが、この前、神奈川のサクラ・タクシーの事件の中で、われわれは当局の調査報告を要求しているわけです。こういう事態について、たとえば大臣は御承知でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/42
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043・中村三之丞
○国務大臣(中村三之丞君) 聞いておりますが、詳細は一つ書類によって部長から申し上げた方が的確だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/43
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044・岩間正男
○岩間正男君 簡単に話して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/44
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045・國友弘康
○説明員(國友弘康君) 簡単に申し上げます。サクラ・タクシーの件につきましては、封印の不正はございます。しかし、厳重な処分をするつもりでおりますが、ただし、現在は事業が中止状態にございますので、実際に動き出すときを見まして厳重に処分をいたしたいと存じます。
それから実は岩間先生が先ほどおっしゃいました人件費の割合でございますが、これには運転手のほかに整備要員の給料、それから一般の事務の経費等も入っておりますので、そういう点もつけ加えまして、ランクをつけて三十両、五十両というふうにバス事業を経営していないものをピック・アップして調べた結果が、配付申し上げました資料でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/45
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046・岩間正男
○岩間正男君 封印の不正がありますという御答弁でありましたが、はなはだ遺憾です。どういうことであったか、その具体例をもって、ここで述べていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/46
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047・國友弘康
○説明員(國友弘康君) 違反の事実といたしましては、営業車が修理のために休車しましたときに、そのナンバーを自家用車に付けかえまして、黄色いナンバーで営業した、こういうのが一件ございます。それから営業車が修理のために休車したときに、その黄色いナンバーを未登録車につけて営業したのが三件、それから原動機を交換して検査証の記入申請を行わなかったものが九件、それから営業車の封かんが紛失または破損したときに、自家用車の封印または未返納の封印を使用したものが二件、これだけあがっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/47
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048・岩間正男
○岩間正男君 これはどうなんです、こういうやり方、これについて陸運局、一体どこから封印が出たのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/48
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049・國友弘康
○説明員(國友弘康君) これは言語道断の話なんですが、たとえば自家用車等について使っておりました封印を持ってきて使うという状態でございまして、これは陸運当局の関知せざるところで、業者がそこいらにあるものを付けたということになるわけであります。そこいらにあるというのは、自家用車等にあるものを付けたということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/49
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050・岩間正男
○岩間正男君 何か、こんな封印なんというのは、いつでももらえるのだというので、実は労働者の前でそういうふうにやってみせている。そうすると、これはどこから封印が出てきたのか、ほかから取ったのか、あるいはもう一つは、これは疑ぐっちゃ悪いことだけれども、一体陸運当局のそういうような点の管理が厳重にいっているのかどうか、しかも、そういう問題については、これは検査されるだろうと思う。私は実際現場を見てきたのです。封印というのは、正常な場合には、なかなか正確にきちっとなっているのですが、実際はめちゃくちゃになっているのがあるわけです。こういう問題についてはどういうふうに処理されるのですか。これは実際免許をするに当って、このような不正というものは、非常にこれは重大である。先ほどの総売上げの問題にも関係している。こういう場合は、たとえば車を休んで、そうして四日なら四日間の修繕期間、別の車がナンバーを付けた。その稼働した分というのは、全部別の帳簿に入っている。休んだ車は、全然これは稼働していないということになる。そうすると、営業内容も変らざるを得ない。従って、業者の実態把握というものは、こういうところまでこれはほんとうに手が伸びなければ、これは実態を把握するということは、私は……。そういうものは等閑にしておいて、これをたな上げにしておいて、そうしてもっともらしいところだけとってきたのでは、統計はできないわけです。さらに、そういう事態に対するところの一体陸運当局の検査の責任というものはどういうことになるのか。私は陸運当局のこういう場合における責任をお聞きしたい、これは大臣にお聞きします。どういう一体お考えなのか。こういう不正が一体単にサクラ・タクシーの中にあったのか、あるいは全業者の中で行われておるのか、いわばこれは一つの前近代的な経営の中に含まれているところの一つの私は不正だと見ることができるのです。こういう形で運営されているところに、これはやはり事故が発生する原因がある、こう見ざるを得ない。これについてこういう問題を明確にやはりやる、そうして経営を近代化するという方針をとることなしには、これは労働者の生活改善をやろうとしても私はできないだろうと思う。経営のほんとうに合理的な適正な運営というものは私はできないだろうと思う。そういう点から、ほんとうに焦点になっておりますところの、事故防止の一番焦点である労働者諸君の給与の問題と関係して、この点は非常に私は見のがすことのできない問題だ、こういう点から御質問申し上げておるのでありますが、これに対する大臣の御見解並びにこういう問題に対する措置、これについてお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/50
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051・中村三之丞
○国務大臣(中村三之丞君) 先般問題になりましたもぐりの問題、今の封印の問題、これらは私は全部とは思いませんが、そういう事態、こういうけしからない違反的な、いや、むしろ悪質なものに対しましては、これはわれわれは陸運当局を鞭撻し、また指示いたしまして、根絶するということに努めることは申すまでもないことであります。しかし、これがためにタクシー業界が全部悪いんだとは私は即断もできないと思うのでございましてこの点は適切なる行政指導を行なっていく、そしてこういう悪質なものに対しましては、陸運当局を鞭撻して、私はなくなるように期したいと考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/51
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052・岩間正男
○岩間正男君 これとも関連しまして、非常に経理面で労働者の目をごまかしたり、いろいろな不正が指摘されてるんですがね、こういう面、封印の問題だけじゃなく、たとえば今具体的に戦っておる、問題を起しておるサクラ・タクシーの問題の中でこれは調査されましたか、いろいろな問題が発生してると思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/52
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053・國友弘康
○説明員(國友弘康君) 調査いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/53
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054・岩間正男
○岩間正男君 どういう結論ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/54
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055・國友弘康
○説明員(國友弘康君) 大体労働問題につきましては、小委員会のお考え方にもございますように、団体交渉で解決するのがいいと考えておるのでございますが、これにつきまして、ロック・アウト等の問題もございますし、それに関連いたしましてこれが果して道路運送法上の休止手続をとっておるかというふうな問題等もございますが、これらについて検討いたしましたが、道路運送法の休止手続等につきましては、道路運送法に規定しておりますのは、正常な状態におきます問題でございまして、ストライキのような非常の事態の場合には、休止の許可申請等はしなくていいというようなことにもなっておりますので、その点につきましては、休止等の許可申請はしなくてもよかったというふうな考え方を持っておるわけでございまして、その他会社に対しましても、陸運事務所長の方から注意を与え、さらに陸運事務所長に対しても、労使双方の意見をよく聞いて善処するようにというような指示もいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/55
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056・岩間正男
○岩間正男君 あ・の問題については、あなたたちからどういうふうに、指導されるお考えでありますか。実は私、この問題、何もこういう当事者間の問題に介入する意向などというものは全然ない。しかし、この問題が出ますというと、労働者の諸君にも非常に関心を持たせたわけです。そうしてどうしてもこれはやはり自主的にでも安全運転を始めなければやっていけない、それで業者だけの一つのノルマ調整の中でやっていたんでは、永久に神風問題は追放できない、こういう点から始まっているわけです。ところがまた、それに対して営業も非常に工合が悪いというので、私たちはその後聞いてみますというと、報告された資料、これは業者の側からも私たち事情を聴取したのでありますが、それによるというと、どんどん下ったというので、最近は前の売上げの、すごい、二分の一、三分の一というようなのが報告されてる。私たち実態を調べてみますというと、それほどでもないんですね。九千円程度が六千円程度、七千円程度くらいまで、一時そういうような切りかえの当時に起った。しかし、最近はまた向上しているというような実情が判明しておるわけです、しさいに調査してみると。ところが、業者の方の報告はどんどんこれは少くなっていった。従って、これはどうしても、これについて注意を与えたけれども、依然としてそれが行われておるので、やむを得ずロック・アウトに出たんだ、そして労働協約の問題はそのまま無視されたということになるのですが、大臣、こういう場合の、具体的に実は行政指導をいたしますと御答弁になっても、こういう問題がこれは起るかもしれない。今後起らざるを得ないという実情があると思う。こういうとき、こういうような問題をどういうように指導するかという点を具体的にお聞きしなければ、果して運輸当局はこの問題をほんとうに全責任を持って一体指導し、そして神風追放をやることができるのかどうか、一つのバロメーターになるので、そういう点をお聞きしているのでありますけれども、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/56
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057・中村三之丞
○国務大臣(中村三之丞君) 今の御指摘の会社のことは、一面において経営のよろしからざることもあると思います。しかし今、一つの争議の形に展開しておる点もあるようでございますから、これはやはり団交によって解決をしていただく、そのことについては運輸省はそういたずらに介入すべきものではないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/57
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058・大倉精一
○理事(大倉精一君) ちょっと速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/58
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059・大倉精一
○理事(大倉精一君) 速記始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/59
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060・岩間正男
○岩間正男君 今、大体何ですね、この会社の場合は、私見ましたが、相当これはひどいですね、設備状況は。私、昨日現地を見て参ったのです。ひどい状態です。これは大井の、この前ほどまでとは申しませんけれども、これはいい内容だとは言えない。大体労働者が十四日稼働、平均どのくらいもらっておるかと聞きますと、一万七千円、十四日、二十四時間、その中で、たとえばまあ休みの日にやむを得ず出勤を命ぜられて、これを断わると工合が悪いから出勤をする、結局三日続くわけです。ところが、そのときのかせぎ高というやつは全部プールされて、それが実際のかせぎ高の全体の中にあって、全体の総額として計算されるかというと、そうではない。休みの目だけは切り離して別扱いにする。そうしますと、今までの累進税率が課せられるのでありますから、これは十万円以下に対しては、この会社の場合は一一%ということになりますから、これが適用される、そうするととてもひどい格好になるのです。あるいはまたかせぎ高が足りない場合には実は多い方に報告する、会社で貸しておいたということにして、その分は俸給を支払う日に天引きをされる、こういうような例がたくさんあるわけです。こういう事態を私はほんとうに今後行政指導の面で改正することができなければ、神風追放ということは何ぼ声を大にしても、私は実があがらないのでありますから、そういう点から私は単に会社の一つの例を、何も企業者に対してわれわれは何も特別の関心を、うらみを持つとか、そういうことではありません。しかし、こういうような例がたくさんあるだろうと思う。われわれは何も労働者だけ擁護しようということではありません。しかし、こういう例がたくさんあるだろうと思う。従って、こういうような問題について、相当私ははっきりした態度で行政指導しなければ、この神風の原因というものは追及することはできない。ところが、先ほども申しましたような陸運事務所の人員が足りない、業者とはなれ合いになっておる、経済的な負担だって実は背後では行われておるのです。こういうような態勢の中で、果してこのような業者を陸運当局は取り締ることができるかどうか、私は不可能だろうと思う。ある意味ではなれ合いになっている。だから、陸運事務所はどうでもできるのだ、こういう豪語をしておる。こういう格好で業者が牛耳ってきたというところに、今までのやり方がいかに陸運当局をもなめたか、運輸省自体の政策をも全くすっぽらかしてきたかということが、はっきり出ておると思う。こういう点について、もう少し明確な、具体的な指導がされなければならぬと思う。私たちが、実はこういう抽象的な形で、そうして努力をしまして非常に不完全な中間報告でありますけれども、出しておるのも、実はそういうようなわれわれの要求が裏づけになっておるわけなんだ。単にこれだけではなくして、あなたたちがこれで、了承いたしました、努力をいたしますと、こう言ったとしても、これはほおかぶりになってしまうかもしれない。そのうちに解散でもして、ふっ飛んでしまうということでは話になりません。当委員会は継続されるそうでありますから、われわれはどこまでも努力をして、国民の不安を一掃するためには、あくまでもわれわれの職責を尽さなければならないと考えておるわけです。そういう態勢の中で、今のような問題をもっと掘り下げて、現状を把握されて、ほんとうにこの問題の焦点にメスを入れるという覚悟が、これは大臣にございませんかどうか、この点はっきりお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/60
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061・中村三之丞
○国務大臣(中村三之丞君) 私は、今おっしゃったようなことを考えるために、この三月以来、いわゆる神風タクシーの問題を取り上げておるのであります。従って、各陸運局長に対しましては、監査、検査の通達を出し、また、先ほども申すように、東京陸運局におきましては、それを始めておるのであります。ただ御了承願いたいことは、タクシー会社はたくさん全国にもございまするが、必ずしも全部悪いとは私どもは考えておりません。まじめな健全経営をし、また従業員に対する待遇等につきましても適切なものもございます。しかし、今御指摘になりましたものは、もしそうであるとしますならば、これは相当悪質なものでございまするから、われわれは、そういう悪質なものに対しましては、黙っておるというようなことはいたさないつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/61
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062・岩間正男
○岩間正男君 こういうところから正していただくということが非常に重要だと思いますので、私は、この問題について行政指導を明確にされることを要望するわけです。
次に、これは警視総監に伺いたい。警視総監に伺いたいのは、やはり今後のこういう問題の指導をするに当って、実は最近好ましからざる問題が起っておるわけです。それは、酔っぱらい運転の問題です。護送車が途中で、酔っぱらった運転手が運転をしたがために、非常な損害をかけて、自動車を三台もこわし、そのあとの処理が、酔っぱらっておったせいもあったかしれませんけれども、非常に私はこれは、国民の公僕としてのやり方としては、はなはだ不当だと思う。これについて、警視総監はどういうふうに処理をされたか。その後の経過並びにこれに対する処分のそういう問題は、やはりあなたたちが、監督の立場に立っておる人がこれをやったのでは、神風問題を何とか今後なくすのだと言われたとしても、これは私は空論になってしまうだろうと思う。しかも、あなたたちが取締りをやられたとしても、やはり運転手諸君は聞かないだろうと思うのだ、こういうようなひどい実例が出てきたのでは。従いまして、この問題は、単なるこの問題だけの問題よりも、影響するところが非常に大きいと、こういうふうに考える、こういう点から質問申し上げておるのですが、以上の点についてお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/62
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063・川合壽人
○説明員(川合壽人君) お答え申し上げます。交通警察の問題が非常に重要な折柄、去る四月十二日に、駒込警察の内勤交通をいたしております押部という巡査が、池袋警察署の管内におきまして交通事故を起して、相当な物的損害を与えました。しかも、このときに押部巡査は、夕景において茶飲み茶わん一ぱいの酒を飲んでおりましたということは、これは何とも申しわけのない、きわめて重大な過失、重大な事故を犯したものでありまして、私といたしましては、相手方に何らの過失もありませんことを思い合しまして申しわけない、かように考えているのであります。
事実の概要は、おそらく皆様十分御承知だろうと思いますので、くだくだしく申し上げませんが、当月酒を飲みましたことをちょっと申し上げますと、中仙道における交通規制の仕事がありまして、当日午前九時ごろから外勤交通と申しますが、外勤交通の巡査数名が巡査部長の指揮のもとに、交通標識を立てましたり、あるいは道路の上に区画線を引いたりして、相当疲れておりました。五時三十分ごろ仕事が終りましたものですから、担当の巡査部長は、その上司たる交通係長の許可を得まして、二級酒一本を買って参りまして、ちょうど非番に当る時刻でもありましたので、これをある部屋で自分も飲み、部下に飲ましておったのであります。さかなは何もなくて、ただ茶わん酒でもって飲んでおったのでありますが、そこへ、ちょうど押部という、内勤交通と申しますが、自動車の運転を署内においてやるべき責任の立場にある者が通り合せまして、同じ係でもあるので、どうだ、こう言って茶飲み茶わんを出しましたので、これを受けて、一ぱい、大体底まで飲んでいるようであります。そのときに、ちょうど刑事の関係でもって、池袋の管内に窃盗犯人の容疑者が現われたからこれをとりに来るようにということを、別な係長から命ぜられましたので、出かけたわけであります。行きがけは何らの事故もなく、二十五分を要して池袋の関係の所へ参りまして、刑事とともに被疑者をジープに乗せまして、帰りがけにこの事故を起したわけであります。
技術的な関係の事故の工合を申し上げますというと、速度は当時、時速十五キロであったのであります。これは十一メートルの幅員の町通りでありますので、それ以上出すことはちょっとできない状況で、きわめてのろい運転であったのでありますが、たまたま反対の方から軽自動車がやってきましたので、これを避けようとした。たまたま彼、押部は、あとから申し上げます理由によりまして、サイレンを鳴らし、非常用の赤灯をつけるために、右手をぐっと伸ばしたので、ジープでありまして、左ハンドルでありますが、そのときに、右手をぐっと伸ばそうとしましたときに、前から来ました軽自動車を避けるために、左手でもって、片手でもってハンドルを左へ切りましたので、道路の、こちらから申しまして左側におりました小トラック、これは、ミニマン商事株式会社の櫃岡という人の所有の車でありますが、この車と、それからその前に連続してとまっておりましたシルバービジョンの軽自動二輪車、それから五十八年式のトヨペットのステーションワゴン、これとちり箱、これらを傷つけてしまったのであります。これは自動車の運転の方から申しますというと、道路交通取締法の第八条違反であります。私どもの方から申しますと、勤務時間中に飲酒をしたという規律違反の問題でもあるわけであります。
そのあとでの措置もあまりよくなかった。これは、当時自動車の中に被疑者が一人おりますということと、彼が櫃岡氏その他から、何者だ、警察官であるとすれば警察手帳を見せよということを言われましたときに、ちょうど、私どもの方では、必ず制服の左の胸の所に置いてなくてはならない警察手帳を、どうしたものか、ズボンの左のポケットの方へ入れておりましたことを彼が忘れておりまして、手帳は署に忘れてきたということを申したので、ますます疑いを深くしまして、その近辺に集まりました人からも、かなりきつい言葉でもってののしられ出したのであります。被疑者のこともありますし、本人は東北の生まれで——福島県でありますが、福島県出身の者で、口も重いし、非常にあわててしまいまして、ろくなあいさつもできなくなって、ちょうどそこへ参りましたパトカーと、それから刑事その他の勧めによって君はまず署の方へ帰れということでその現場を引き揚げたわけであります。当時、この触接をしました直後に、彼、もとより運転の技術は相当なものでありますので、衝突をいたしましたときに、すぐ下車をして前の車を見まするというと、衝突しました車の後部のガソリン・タンクからいたくガソリンが漏れておりまして、ジープはたまたまエンジンがかかっておりますので、これは引火してはいかぬということで、二メートルほどうしろにぐっと下げたわけであります。この行為が、実は櫃岡氏その他から見まするというと、逃げるのじゃないかということを非常に疑われたわけでありますが、車の性質といい、当時のいろいろな状況からしてとうてい逃げるというふうなことはできない状況であります。この点はたちまち櫃岡氏も了解をしてくれたのでありますが、本人の逆上の模様は、かなり酒を飲んでおったという自責の観念と、やじうまその他から、にせ警察官ではないかということを言われましたりしたり、手帳がすぐに見つからなかったというふうなことからしても、非常に上ってしまいまして、適当な措置をとっておらない点も申しわけないと思っております。
いずれにしましても、これは私どもの指導も不十分でありますし、本人の行為は法規にも違反しておりますし、私どもの内部規定からもきわめて遺憾なことでありますので、近いうちに厳重な懲戒処分をしたい、かように考えておりますし、私どもの交通にタッチしますところの係官、特に現実にハンドルを握りますところの交通の係官に対しましては、直ちに一斉指令を発しまして、このようなことがないようにということを戒めたようなわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/63
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064・岩間正男
○岩間正男君 いろいろと御報告があったのでありますが、まあ部下をいたわられるということは、総監としてはある程度当然かもしらぬけれども、しかし、この問題は非常に世論が動いていると思う。私はやっぱり冷厳公正にこの問題を見たいと思いますのは、実はやはり事故の問題と深い関係があるからであります。私、お聞きしたいのですが、今お話しになりました茶飲み茶わん一ぱいの酒を飲んでだいぶんめいていした、これは警官諸君というのは、こういうふうに一ぱいくらいの酒で私、酔えるのかどうかわかりませんが、しかし、この点で問題にしたいのは、あそこに酔っぱらいの測定器がありますな、警視庁に、この前見せていただきました。富永さんに見せていただきましたあれでおはかりになりましたか、あなた、これはぜひ聞いておきたい、この警官の酔っぱらいのメートルの程度、これはどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/64
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065・川合壽人
○説明員(川合壽人君) 押部巡査はそのときにはめいてい測定器にはかけておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/65
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066・岩間正男
○岩間正男君 これは酔っぱらい運転の場合は、非常にあなたたちはあそこでは厳重にやっておるということをお聞きしたのです。酔っぱらい事故というのは非常にパーセンテージも多いでしょう。事故の中で占める酔っぱらい運転による事故というのは非常に多い。従って、わざわざ測定器まであり、一般の場合には酔っぱらい測定器にみんなかかるわけです。ところが、警察官がやった場合にかけなかった、茶わん酒一ばいだと言われても私は了解できないのですね、果して一ぱいなのか。私も酒を飲みます。しかし、茶わん酒一ぱいくらいでこれくらいになった覚えはない。しかし、その警官よりは強いのかもしらぬけれども、少くとも科学的な機械があるのに、あなたたちなぜこれをされなかったのか、この点がおかしい、警官だからいいのですか、その点を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/66
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067・川合壽人
○説明員(川合壽人君) 弁解めいてきますが、本人はかねては相当酒の強い方でありまして、飲ませれば一升くらい飲むというたぐいの男であります。それでめいていして、めいてい運転という言葉が法規のうちにありますが、飲酒をしておったことは確かでありますが、本人がめいていをしておったということは、これはないのであります。しんは確かにしっかりしておりまして、確かにその技術上から申しますというと、まずい操作をやっておりますが、それが彼が酒のために全然腕もにぶり、精神ももうろうとしておったとは、これは考えられません。しかし、一般の実際に調べて云々ということになりますと、やや弁解めいて参りますが、彼が酒を飲んでおったということは、これはもう一ぱいの茶わん酒でも、はっきりと同僚も、それから監督者も知っておりますので、この点につきましては、どの程度のめいてい度であったかということは、内部ではっきりしておりますので、あえて測定器にかけなかったわけでありますので、本人が何か新聞記者に、なめた程度だというふうなことを言って、なおさら誤解を招いたように聞いておりますが、われわれとしましては、やはり一合の酒でも飲んだということになりますれば、その意味における厳重な処断をいたさなくちゃなるまい、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/67
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068・岩間正男
○岩間正男君 私はその点やっぱり国民は納得しないだろうと思うのですよ。ほかのは厳重にやっぱり酔いの程度というのは測定器にかけたり、ゴム風船をかがされたり——運転手の間では、きのうゴム風船をかがされたというのは通り言葉になっておる。ところが、あなたたち自身で、同僚が見ていたからめいていの度合がわかる、こういうことでありますけれども、これは非常にやはり私は手落ちじゃないか。その次にお聞きしたいのは、これと関連して、免許証がなくて運転した。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/68
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069・川合壽人
○説明員(川合壽人君) 持っておりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/69
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070・岩間正男
○岩間正男君 それは私は新聞記事を見たのですが、置き忘れたというふうに言っておるのであります。これはどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/70
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071・川合壽人
○説明員(川合壽人君) 持っておったのであります。置場所を何かど忘れをしておった。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/71
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072・岩間正男
○岩間正男君 そうですか。しかし、茶わん酒一ぱいで、あなたが今お話のように、めいていによってこの事故を起したのじゃない……。そのくらいの人が自分の免許証をどこに入れているか、そんなことがわからなくなったりしたら、これは精神錯乱じゃないか。これはあとで工合悪いから、免許証を入れたということを言われても、邪推じゃないけれども、国民はどうも納得しないと思うのですがね、国民の気持になって。これはどうなんですか。警察の者は免許証がなくても運転するということが許されるという事態になれは、何の面目あって一体交通事故を調査する、取り締ることができるかどうかと私は言いたい。事、重大ですよ。この点はどういうふうにしてあとで認知されたのですか。これは入れたのだというふうに一方的に言われても、証拠も何もない。しかし、あなたのお話では茶わん酒一ぱいだと言っている。一升くらい飲める酒豪だ、酒豪が茶わん酒一ぱいでとてもめいていするわけがない。めいていによって事故の原因になったのではないというお話ですから、そうすると、これはどうもつじつま合わぬですよ。見せろというときに出せなかった。あとでどこから出したか知らぬけれども、免許証は発見された。それはどこか別な所に入っておった、それがわからなかったと言う。これでは私はなかなかそれは事実なのかどうかわかりませんけれども、これは納得できないのじゃないか、こういう点はいかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/72
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073・川合壽人
○説明員(川合壽人君) 車からおりましたときに腕をつかまれましたので、警察の者だから逃げないよということを言いましたら、すぐに手帳を出せ、こう言われておるわけであります。それで規定の通りに、左の乳部にあります手帳を探したのでありますが、どういうかげんですか、本人はそのときに限って免許証も、それから警察手帳も、制服のズボンの左うしろのポケットに入れておいたのを失念したのであります。これがまあ酔っぱらっておるためにそうじゃないかと言われればそうでありますが、われわれ、やはりその失念するということは間々あることでありまして、何かの都合で彼はズボンに入れておったものだと考えているのでありますが、そのときには上ったものですから、署に忘れてきたということを直感をして、署に置いてきたということを言ったので、疑いを深めたのでありますが、これは警察署に帰るやいなや、すぐに見つけておりまして、何らその間に作為をしたわけじゃありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/73
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074・岩間正男
○岩間正男君 失念の自由までわれわれは奪おうとも考えていない。人間は忘れる自由を持っておるわけですから、そのことについて論議しようとは思いませんけれども、なかなかこれは納得できないのじゃないか。しかし、すぐにこれは、普通の場合、事故が起ってすぐ調べるのが普通だと思うのです、交通取締りで。これはいつ調べたのですか。この事故を起してからいつ調べたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/74
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075・川合壽人
○説明員(川合壽人君) 先ほども申し上げました通り、事故を起しました車はジープでありまして、池袋署管内で緊急逮捕をいたしました某被疑者を乗っけておったわけであります。そこで、このいろいろなトラブルのさなかに被疑者が逃亡するというふうなことがあっては非常に困るので、その点、警察官としては、駒込警察署の幹部も、それから担当の池袋警察署の者も、それから現場にはせつけましたパトカーの者たちが非常に心配をして、本人がなおまだ若干うわずっておる点がありましたので、これを警察署へ被疑者と一緒に連れて帰ったわけでありますが、そのあとに残りました刑事及び直ちにその現場にかけつけましたところの駒込警察署の監督者によりまして、ちょうど一時間三十分ほど経まして現場の検証は全部済んだのであります。ただ櫃岡氏以下に対する弁明は、当時まわりにあまりにもたくさんの人たちが蝟集してきておったので、了解を得る上において時間をとっておるということは、これは私ども非常に済まないと思ったのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/75
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076・岩間正男
○岩間正男君 このような調査も、これは警察の場合は異例として、ずいぶんあとで一時間半後に行われた、こういうことです。なるほど、自転車犯人を護送する途中であるからというような口実でありますけれども、それならそれでなおここのところは綱紀の粛正をやらなければならない、こういうことでなかなか私は了解できないというふうに国民は考えるだろうと思います。
それからまあ百十万円もの新車がこわされたというのですが、この補償は、これはどうなったのですか。どういうふうな方法によって補償されたか、これは善後処置について、この点をお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/76
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077・川合壽人
○説明員(川合壽人君) 被害車両は自家用小型貨物自動四輪車のトヨペット五十七年型でありましてこれは後部のヴァンパー、シャーシー、フェンダー、両側の窓ガラスと窓ワク、前部の左側フェンダーとヴァンパー、概算二十五万円くらいだと認定をしておるのであります。次の自家用小型乗用自動四輪車、これは概算三万円くらいの損害、軽自動二輪車が概算二万円ぐらいの損害、ほかに塵芥箱が二千円くらいの損害であると考えたのでありますが、この賠償の問題につきましては、警察側の全面的の過失でありますので、目下駒込の警察署としまして被害者と賠償の価格その他につきまして折衝を始めておりますが、この種の事故につきましては、一般の社会的な慣習もありますし、被害者の御希望に沿うように今後すみやかな将来に努力をしたい、かように考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/77
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078・岩間正男
○岩間正男君 こういう賠償はこれはすぐにやらなくちゃならない問題じゃないかと思う。これは受けた方からいえば、困りますよ。そうしてあとで今検討中などというので二月も三月も、ひどい場合は半年、一年というようなことで延ばされたら、これは非常な打撃です、業者は。しかも、それが取締りの本家である警官によって、警察によってそのような被害を受けたということで問題は非常に深刻だと私は考える。こういうような処理については、警視総監みずからこれは出ていって、私はこういうものは処理すべきじゃないか、こういうふうに考える。
それからこの問題について全般的にお聞きをしたいのでありますが、事故追放の一番もとである、そうしてその取締りの任に当っている警視庁の中でこういうことが起ったということは非常に私は残念に思う。これはこれで全部警視庁を推しはかるという過酷なことをしようとは思いませんが、与えた影響は非常に私は大きいと思います。従って、これについての処理の仕方、こういう事態が起ってしまったからでありますが、起したことに対する責任の問題、起ってからの処理の問題の点で、やはりまだ私は適正を欠いたものがあるのじゃないかと思います。第一に、ただいまお聞きしますというと、当人は懲戒処分というようなことらしいのでありますが、こういう形でこれは綱紀の粛正が保てるかどうかということが第一点、第二の問題は、これに対するやはり関係者あるいは警視総監としては、今言ったような親心を持って部下の問題を考えておる、そういう一体の考えに立つところの警視総監であるならば、一体どういうふうにこれに対する責任をお感じになっていられるのか。また、こういうような機会を通じて国民に——単にこれは当事者にだけ謝罪するというようなことでは、あなたの立場はこれは明らかでないと思います。少くともこれに対してあなたの責任を明確にし、これに対する一体国民に謝罪をされるというようなことは、当然の私は立場だと思いますが、こういうことは、どのような手段で達成されるか。そうして今後運輸省あるいは労働省と並んで、そうして特にわれわれがうたっておりますところのこの指導の一本化、常置的に体制をほんとうに固めて、これによって神風を、お互いに協力して国民的の課題として全面的にこれを追放する目的の方にこれは進んでいくということ、この当面の目的から考えるとき、今後やはり警視庁の態度というものは、非常に私は重要な問題と考えます。こういう観点からこれは質問申し上げているのでありまして、この問題だけを単独にどうだこうだと言って追及するというよりも、今、言ったような一つの大きな今当面した問題との関係で私は質問を申し上げているのでありまして、この点で警視総監のまあお考えをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/78
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079・川合壽人
○説明員(川合壽人君) 冒頭に申しました通り、交通問題が非常にやかましくなっておりますし、社会的にも非常に重要な段階になっておりますときに、しかも、警視庁としましては、火災の問題と飲酒についての問題については、一年に数回の指示、注意を与えているにもかかわらず、このような事故を起したということにつきましては、私どもも衷心責任を感じているのであります。本人だけの問題につきましては、これは今も申し上げました通り、法規の違反と内部関係の規律の問題がありまして、現在駒込警察署長及び担当の方面本部長のところで調べているのでありますが、警察署長としましては、さしあたっては、次長を連れまして翌日関係の被害者の宅を訪問し、なお、署員を集めて厳重に注意を与えているようであります。私どもの方では、先ほども申します通り、この種の事案につきましては、一年に数回出しているのでありますが、この事件の直後に一そう厳重な指示を与えているわけであります。私のことにつきましては、これは今、現在警察庁の方ともいろいろお話をし、私自身にも考えるところがありますが、現在におきまして、それをどういう方法で表明するかということは申し上げかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/79
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080・岩間正男
○岩間正男君 特にお聞きしますがやはり自分を責めるに厳で他に対して寛容ということが、私は、非常にこれは望ましいのじゃないか。従って、あなたたちの問題——部内問題だからといって、これを国民が納得しないような形で処理されることは、非常にやはり公正を害します。同時に運転手諸君なんかの違反に対しては、しばしば冷酷な、恩情のない処理などというものをわれわれは耳にすることがある。やはりこういうことではまずいと思いますので、むしろそういうような他の部外の一般の、あるいは関係者がそういうような違反を起した場合には、もっと懇切指導に当る、そうして部内においては峻厳な態度を持すということが、当然私は行政上のコツじゃないかと思うのですが、そういう点については、はっきりそういう態度を今後とられるように、あなたの所管内の仕事を明確に進められる、かようなお考えがあるかどうか、この点をお伺いしておきます。これで終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/80
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081・川合壽人
○説明員(川合壽人君) 交通の問題に限らず、一般の刑事犯罪その他につきましても同様でありますが、今、岩間さんのおっしゃる通り、自己を律するにきびしくして、他を遇するには寛にということは、これは私どもの最近のいろいろな施策の上からも大いに留意すべき信条であると考えておるのであります。交通の問題につきましても、街頭で一年に数万件のいろいろな事案があるのでありますが、内容がきわめて千種万態でありまして、ちょうど運輸省でもいろいろお困りだと思いますが、私どもの方でも街頭において瞬間的に事柄をきめなくちゃならぬ立場にありますので、よほど慎重にやらなくてはいかぬ。むしろ従来私どもの方の弊でありましたところの、何かその場で事件として検察庁にお送りして、それで事を済ますというような態度をやめまして、でき得べくんば指導あるいはいろいろな注意、啓蒙というふうな方面にいきたいと考えておるのであります。内部を律するに厳なる点におきましては、これは絶対に方針をゆるめない方針であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/81
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082・柴谷要
○柴谷要君 岩間委員からいろいろ質問されましたので内容は明らかになって参りましたが、一つ、どうしても扱いに疎漏があったんじゃないか、ということは、事故が発生をして本人は車からおり、後退をさせた、そこまでは一応、これは事故の起きた自動車の方からガソリンが漏れておるし、エンジンがかかっておるから危険だというので、これはとっさの処置としては認められると思う。ところが、その事故現場に事故を起した押部警官を置かないで署に連れ帰ったということは、これは一般事故の例のときにこれを考えてみますときに、運転手がかりに逃亡した、こういうことになると逮捕状を出してこれを逮捕いたします。これは従来のしきたりで警視庁は必ずやっておる。ところが、現場に置かないで警官を署にいち早く帰したというのは、これは警視総監、当時の同車されておった人の処置としては、これは非常にまずかったと思うのですが、あなたのお考えはいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/82
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083・川合壽人
○説明員(川合壽人君) この点、お説の通りでありまして、本人がもしも他の用務でおったのであれば、これはおそらくいかに周囲がやかましくなりましても現場におったろうと思うのでありますが、いかんせん被疑者を伴うておりましたので、その点が警察署の方べ早く送り届けまして、これが緊急逮捕の人物でありましたので、直ちに正式の逮捕令状を請求せんならぬというふうな考えが先に立ったものじゃないかと思うのであります。しかし、これはお説の通り、やはり当該本人を事件が解決するまで、実地検証その他に立ち会わせるために置いておくということが、これは本則でありまして、この点におきましての当時ついておりました刑事二人及びパトカーの諸君の思いやりはかえってあだをなしたものであると考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/83
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084・柴谷要
○柴谷要君 これは警察官であるからということでより一そう新聞にも出、問題にもなったのですが、やはり一般事故の扱いと同じような厳格な事故調査というものは行わなきゃならぬと思います。ただし、この押部巡査がいかに酒豪とはいえ、飲酒家とはいえ、当時一日の仕事をやらせ、しかも、疲労だから慰労をしてやろうということで上司が酒を飲ませているわけですね。本人が自発的に買ってきてこっそり飲んだという性格ではないと思う、御説明によりますと。そうなりますと、これは押部巡査に一ぱい飲ました係長なり、あるいはその上役があるとすれば、この人の手落ちも私はあると思う。むしろそれを知らずに、それでは緊急逮捕だから、君、出動しろと言っても、当時押部警官に一ぱい飲ましておるから、少し状況を見なければ出せぬ、こういうふうな疲労に対する慰労をするぐらいな気持の上司であるならば、当然他の係長から言われましても、そのときになぜ押部巡査をそのような勤務につけたか、ここにも多少の上司の気の配り方が私は足りなかったのじゃないか。それからまあ押部巡査自身としましても、私は下級官僚の観念というものは大体似通っておると思う。上司から命令が出ればいち早くその職につこうという忠実な気持は、下級官吏は非常に強いと思う。そういう観念で上役からそれ出動しろということで、上司の命令だということで、これを守って出かけられた押部警官こそ、私は不幸をしょった人間だと思って同情しているのです。ところが、先ほど聞きますというと、懲戒だと、こう言われる。処分はけっこうでしょうが、それはあなたのお気持の済むように処分されることはけっこうだと思いますが、しかし、当時の下僚の押部巡査の気持等も十分聞かれた上で、それこそ、何といいますか、名処置をあなたがなさることでないと、さらに、これは単なる厳重な処置をしたから、あるいは軽い処分をしたからというだけでは、今後の事故の問題は処理されていかないと思います。この点は、苦労をなさっております総監のことでありますから、これは十分お考えなさってのことだと思いますが、とにかく、当時の状況を厳格に調べられまして、適切なる手を打たれるように私は要望いたしまして、質問を終っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/84
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085・川合壽人
○説明員(川合壽人君) 大へん親切なるお言葉で、私ども実際仕事をやる者として感服をするのでありますが、警察署の中は係がたくさん分れておりまして、酒を慰労のために飲ませた交通係の巡査部長あるいは監督者と、それから刑事関係でもって全然別な部屋で仕事をやっておりましてある情報によって、内勤交通に向って車を出してくれということを言いました者との系統が全然違っておりますので、この点ちょっと申し上げておきます。
それからお説の通り、こまかくなりますが、押部巡査としては、上司のせっかくのふるまい酒を飲んだのでありますので、いかに酒が強いとはいいながら、係の違う監督者からまた出てくれということを言われましたときに、実は自分は一ぱいふるまわれているということを言うのが、フランクで大へんよろしいと思うのでありますが、本人は非常に酒に自信もありますし、もちろん運転については非常に自信がありますし、現に先ほど申し上げます通り、池袋まで二十五分の距離を何らの事故もなく走っていって被疑者を受け取って乗っけて帰ってきておるというありさまでありますので、この点につきましては、今のお説のように、少しでも酒を飲んだ者は、いかに腕が確かであり、また酒量が相当ありましても、これを虚心たんかいに、飲みましたから御勘弁願います、ということの心情がほしいということはよく私肝に銘じて、将来も実行したい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/85
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086・大倉精一
○理事(大倉精一君) それでは本件は、これによって質疑を終了したものと認めます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/86
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087・大倉精一
○理事(大倉精一君) 次に、修学旅行中の学生の大阪駅における事故に関する件並びに都電脱線事故に関する件を問題に供します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/87
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088・柴谷要
○柴谷要君 私は、修学旅行中の女子学生が大阪駅において転落死亡したという不祥事件が発生をいたしましたこの問題について二、三国鉄当局にお伺いをしたいと思います。
当時新聞に伝えられておりますのは、修学旅行用の専用列車であった、こういうふうに新聞が伝えております。専用列車であるとするならば、一般客はこれに列に入るということはあり得なかったと思うのでありますが、修学旅行中の学生並びに、割り込んできたかどうか知りませんが、一般客がこれに並んでおった、こういう新聞報道をしておりますが、この点について、明確に国鉄当局から御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/88
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089・大倉精一
○理事(大倉精一君) なお、出席されておる方は、国鉄の公安本部長橋本錬太郎君並びに樺田鉄道監督局長であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/89
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090・橋本錬太郎
○説明員(橋本錬太郎君) ただいまのお尋ねの点について、わかっている範囲におきまして御説明申し上げます。大阪駅におきます女子学生の転落死事故の起きましたのは、昭和三十三年四月十一日十時六分ごろでございます。発生の場所は、大阪駅の三番ホームです。関係の列車は二百三十五列車、十三両編成で、大阪から小郡へ参る汽車であります。死亡された方は、東京都豊島区の十文字高校の生徒の三年生、小沢桂子、十七才。当時の状況といたしましては、四月十一日九時四十分ごろ、十文字高校の生徒二百十名が団体客としてこのホームに参りまして、割り当てられました三号車、五号車、六号車の車に分散乗車すべく、それぞれ予定の乗車位置に並んで列車を待っておりました。なくなられた小沢桂子は五号車に乗るために、その後部からの乗車位置に位置しておりました。なお、このホームには、女学生の団体の到着する以前から、五号車の後部乗車予定位置付近に、男子が五名、女子が三名の一組と申しますか、の男女がこの列車に乗車しようといたしまして位置を取っておりました。十時六分ごろ、この二百三十五列車がホームに進入して参ったのでありますが、この列車がまだ停車しないうちに、この男女の六人の者も、それから女子学生の列も乗車口の方へ追いかけまして移動し、この六人のうちの男子の二名がまず五号車の後部のデッキに飛び乗りまして、そのころ、ほとんど時を同じくいたしまして、ただいまの小沢桂子が列車とホームの間に転落いたしまして両足と右上膊部を轢断されたのであります。直ちに済生会病院に収容いたしたのでございますが、不幸にも同日の十一時三十分になくなったのであります。この事故の原因について、ただいま調査いたしておりますが、この問題になっておりまする男女六人のうち列車に飛び乗ったところの男子二名がこの女子学生の列の中に割り込んだものであるかどうか、あるいは六人組の者と女子学生とが同時に移動して飛び乗ったのであるかどうか、あるいは飛び乗る際に、この女子学生等に対して衝撃を与えたものであるかどうかということにつきまして、ただいま綿密な調査をいたしておるわけであります。かような状況のもとに当該事件が発生したのでございまして、概要はこのようになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/90
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091・柴谷要
○柴谷要君 これは、ただいまの説明によりますというと、修学旅行用の専用列車ではなくて、普通列車の中に専用車三両を求めた、こういうようなんですね。普通列車の中に三号車、五号車、六号車というものを専用車に指定をした、こういうただいまの御答弁でございましたね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/91
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092・橋本錬太郎
○説明員(橋本錬太郎君) ただいま申し上げましたように、二百二十五列車は普通の列車でございます。それから学生の修学旅行の団体には三車を指定いたしましたが、専用させるということではなかったものではなかろうかというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/92
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093・柴谷要
○柴谷要君 私のお尋ねしたいのは、専用したかしないかということが問題だったのですが、今、一般車に混乗したというのですね。混乗さしたということですね。そうすると、この新聞の専用車というのは、まず第一誤まりです。これは報道の誤まりです。これは専用車であるとするならば、とにかく女学生の並んでおります列に一般客が入るということはあり得ない。また、そのような駅の整理ではないと私は思う。ところが、今言ったように混乗だとなれば、学生も並び、一般客も並ぶことは当然だと思うので、この疑問は解けましたから、次の状態をお尋ねしたいと思います。当時、ホームの整理は乗客係何名を配置してあったか、それから公安係何名に警備をさしておったか、これをおつかみになっておったら知らしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/93
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094・橋本錬太郎
○説明員(橋本錬太郎君) この当時、この三番ホームには運転係一名と乗客係五名が配置されております。それから公安職員は同時刻ごろ四名出動いたしておりますが、この列車の到着のころは、九番線並びに十番線の方で、急行あるいは準急列車の警戒に当っておったということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/94
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095・柴谷要
○柴谷要君 運転係一名、乗客係三名、公安四名ということになると、平時のホーム警備としては万全だったと思います。ところが、このように列車が入ってきて進行中に乗り込んでおる、こういうことを制止することができなかったかどうか、とにかく列車が完全に停止をしてから乗車を願いますということは、駅では厳重にやらしておるはずなんですが、これが徹底をしなかったのか、それとも乗客の——大阪というのは特殊なケースで乗客が駅員の制止も聞かないでこういう無謀なことをやるようになったのか、この点は本社の方でどう握られておりますか、その点一つお尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/95
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096・橋本錬太郎
○説明員(橋本錬太郎君) 当該列車は平素は大体五割程度の乗車率であるというふうになっておりますが、当日はこの団体の旅客等もございまして、七割程度の乗車率であったと思います。それで乗車の直前まで学生の方は列を作って待っておりましたので、ごく停車の直前にこうした混乱と申しますか、事態が起きましたので、当時係員としては、こういう事態を予想して、こうした問題を未然に防止できれば非常によかったと思いますが、そういう事態に平素はなっておらなかった、また当日も、さしてそう混乱を起すような状況ではなかったというように考えられるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/96
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097・柴谷要
○柴谷要君 大体五割から七割ぐらいの乗車率だとすれば、そう先を急いで乗り込まなくても、十分座席があてがわれるはずでありますし、そういう列車の状態でありながら、こういったような、修学旅行を最も楽しみとし、かつ愉快に旅行しなければならないというこの旅行の中における不祥事ということは、まことに遺憾だと思うのです。実はこれをめぐりまして大阪の曽根崎署の調査によりますと、御本人の過失だということで事件を一たん処理をしてみたものの大阪鉄道管理局公安課と検察庁との意見が、どうも割り込み乗車によるところのいわゆる転落死と、この疑いがあるということで調査を始められたということでありますけれども、当時、この公安課の方の疑いありという意見を出したのは、当時、このホームにおった公安官四名のうちの諸君からそのような疑いがあるということを公安課に報告をしたものか、それとも独自の判断で公安課が検察庁とそのような疑いがあるということで調査を今日進めておられるのか、この点を知る範囲で一つ答弁を願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/97
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098・橋本錬太郎
○説明員(橋本錬太郎君) 本件につきましては、大阪鉄道公安室といたしましても非常に重視いたしまして、当該のホームにおりました公安職員のみならず、公安室として十分ただいま調査をしておるわけでありまして、同じホームにおりました——乗車位置におった女子高校生約四名と、それからその三組の男女のお客さん、旅客をそれぞれただいま調査しているような状況でございまして、これに対しましては、警察側も十分御協力いたしておるのでありまして、公安と警察とただいま共同で調査をしておる現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/98
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099・柴谷要
○柴谷要君 これはまあ文部委員会等でも十分議論をしてもらうつもりでおるのですが、最近の修学旅行は非常に短時日の間にたくさんの所を見せようというので、非常に無理な修学旅行計画を組んでいるようです。ところが私は、これはもちろん国鉄にも、もう少し親切心を発揮してもらいたいと思いますことは、今、言ったように七割の乗車率の列車に、なぜ十文字高校の女子生に対して二両なり三両きちんと人員だけの専用車を設けてやることができなかったのか、学校当局からそういう申し出がなかったのか、この点一つ御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/99
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100・橋本錬太郎
○説明員(橋本錬太郎君) この乗車以前に大阪駅の係員と学校との間に、団体乗車についての号車指定のお話し合いがまとまりまして、それでこの三両を指定したということになっております。なお、一両抜けておりますのは、間に二等車が入っておったということでありますが、全体としてそういう今御指摘の通りに、込まない状況でございましたから、そうしたトラブルを避けるような措置を講ずればなおベターであったかと思うのでありますが、駅としては、号車指定をあらかじめ学校側と打ち合せた上で秩序正しく乗っていただけるという確信のもとに措置をされたと思うのでございまして、この点は、そうした事態のもとでも、なおかつ、こうした不幸な事件が起きたということは、まことに御同情にたえない次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/100
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101・柴谷要
○柴谷要君 特にこういう問題をめぐって、混雑した列車であるならば専用車を指定するということになっておりますけれども、特に短かい期間にたくさんの所を回らせるという無理な修学旅行の計画も立てているようですから、国鉄はこれらの問題について十分に一つ、学校からの申し入れがあった場合に、親切な取扱いをして、こういうことが駅構内において発生しないように十分な配慮を一つ今後願いたいと思う。それと同時に、こういったような原因不明な不幸な事態については、国鉄としては、大体見舞といってごく僅少な見舞しか差し上げておらないようでございますけれども、このような事態に対して、今、本庁としてはどういうふうに御遺族の方々を慰労するというお考えをお持ち合せになっておられるか。それは総裁、副総裁と相談をしなければという御答弁になろうと思うけれども、今日まあ規定によって出せるとか、その範囲とか、あるいは特別の不幸な事態であるから、特別なものということを考えておられるかどうか、この点もう一つ知る範囲に御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/101
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102・橋本錬太郎
○説明員(橋本錬太郎君) 先ほど申し上げましたように、本件の事態の原因につきまして、ただいま警察当局とも共同いたしまして、綿密に関係者その他を調べております段階でございまするから、そうしたものがまた少しはっきりいたしましたら、国鉄といたしまして必要な慰労の措置を講ずるのがほんとうじゃなかろうか、かように考えるのでございますが、今後のこうした事態の防止につきましては、私ども初め関係職員一同、今後十分一つ注意をし、事態の再発を防止したいという考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/102
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103・高良とみ
○高良とみ君 関連してちょっと。これは国鉄総裁なり、あるいは監督局長に伺ってもいいのですが、まあ今回のような非常な不祥事は、これは御注意なさると思うのです。両方にも落度があったかもしれませんが、まあ今までは、多少は、プラット・ホームから墜落死とか、あるいは押されて落ちたというようなこともないではないのです。そこで、今後の国鉄の設備について、それはこの列車にはこれだけ乗ると思っていても、案外団体などがどやどやと来て、婦人や子供が押し出されることがしばしばあるのです。そういうときに、ホームにいる係が、とっさの処置として、私どもよく考えるのは、せめて細い白いひもでも、あるいは鎖のようなものでもさっと引いて、そうして込むのを整理するというようなことを見たことがないわけですう今のお話で、柴谷委員は、それだけの公安員とホームの要員で十分というように伺うのですが、ホームの数だって九つも十もあるのに、そこに出ているのが四人か五人であるということでは、とてもそれでは、こういう所で込んできたら収拾がつかないと思う。大阪の駅の実情も多少は知っておりますけれども、東京でも上野、新宿あるいは東京駅なども、ときどき目に余るような混雑状態になるのです。そこで、一つの御相談なのでありますが、外国の大きな駅では、乗客がある数だけホームに出ると、鉄の網戸やドアが自然に締ってしまう。それから余った人は、地下鉄の、あるいはこういう省線のようなもののホームでも、その鎖の、あるいは針金の締った外に、道路にあふれても待っている、それで決して無理なことをしない、そこで、プラット・ホームにいる人は静かに乗車できる、プラット・ホームは、国鉄からすれば、あるいは私鉄もでありますが、自分たちの業務の大事な所なのでありまして、その点でホームをもっと大事な所として、大衆の混雑に供しないというお考えがあるでしょうか。それからそれに対する施策は、私ども考えまするのに、もう少し、やむを得なければ、込む所はある期間を通して、針金のラインを引いてもいい、鎖を引いてもいい、そうしてこの群集を駅の外で処理するということについて御研究になったことがあるのですか、監督局長あたりから一つお話を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/103
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104・權田良彦
○政府委員(權田良彦君) まあこの事件は非常に遺憾な事件でありまして、私ども十分、国鉄、私鉄に注意させたいと思っておりますが、今、お話のようなことは、なかなかごもっともな点もございます。で、私の知っております範囲でも、一時綱を引きまして整理をした事例もございます。しかし、これはなかなか、そのときの状況にもよりますが、この引く位置あるいは時期、その場所によりまして危険なときもございます。足をすくわれたり、押されるとかえってそれが大きな混雑になるというようなことで、また、これは応用できるときもございますし、まあそういう、なかなか現実に合してはむずかしいこともございます。また今お話しになりましたように、外国でやっておりますように、ホームの中には一定数以上入れないと、で、そこで整理をして、大体もう定員通りすわって乗って出ていく、こういうことは理想でございまするけれども、やはりある多客期と申しますかお客さんの非常に多いときには、どうしてもやはり立っていただいてもお乗り願わないと、なかなか輸送力がこれについていかない。従ってまあ輸送力を整備増強いたしますことは、もうこれの根本でございましてぜひそういたさなければいけませんが、しかし現状では、直ちにホームの入場数を列車に合して押えてしまうということは、現実にはなかなか実行ができない場合が多いかと思うのです。それは輸送力の問題外にも、外国等と違いましてこの多客期には列車回数が非常にひんぱんでございますので、日本の場合には五分置きに列車が来るとか、十分置きに出るとか、電車のごときは二分くらいで出ていくとか、これは整理するとかえって駅の外から一斉になだれ込んできて、通路その他で危険が起るという場合もございますので、しかしそれはまあほどほどにいろいろなことを組み合して考えなければならぬ。なかなか示唆に富んだ有益な御意見でございまして、その点については、実は特にゴールデン・ウィークも近くなっておりまして、こういう貴重な犠牲が出ましたことでありますので、こういうことの二度とないように、今おっしゃいましたような停車場内の整理あるいは車内の整理、これについてその駅その駅で国私鉄を通じて細心の注意を払っていただいて、また国民の側におかれても、今回の事件のようなのは明らかにあせってお乗りになってこの押し合いがあったと思われますので、列車それ自体はそれほど込んだものとは思えないのでございますので、白線も引いてございますから、まあ交通道徳と申しますか、公衆道徳と申しますか、一列に静粛にお乗りになった方がかえって早いのでございますから、そういう交通訓練もしていただくと同時に、今申し上げましたようないろいろな手は打つべきことは全部打って、こういうことのなういよに、実は私としてはこの点を国鉄、私鉄に通達を、この事件にかんがみていたしておる次第でございます。以上お答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/104
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105・大倉精一
○理事(大倉精一君) 私から関連をして、この際一言だけ質問いたしたいと思うのですけれども、ホームにおける事故あるいは列車の事故ですね、これは事故が起ってからこうだというのは私は手おくれだと思うので、われわれ日常の間において、そういう危険な状態を身近に非常に見ておるわけです。一、二の例を申し上げますと、東横線の横浜のホーム出入口の階段なんか、実に殺人的な混雑が起るのです。かつて京都において跨線橋の階段で大へんな惨事が起ったことがある。ときに私はあそこへ行くとちょいちょい思い出すのですがね、だれか一人あそこですべったらどういう結果になるか。これはがらがら、がらがらといって大へんな惨事が起る。東横線は渋谷あたりは非常にりっぱな施設をおやりになっておるのですけれども、あそこは旧態依然とした設備で、ちょっと事故が起ったら大へんなことになる。
それからもう一つは、電車の自動開閉ドアーはこれも非常にけっこうですが、私は二、三まことに戦慄すべき状態を見たのですけれども、それはこの混雑したときにあっという間にオーバーのすそをはさまれて、それを知らずに発車してそうして非常な惨事が起る寸前に食いとめた、ということを三回ばかり私見ております。こういうような電車の車両の施設に対しても、関心を払わなければならぬと思うのですが、こういう点についてどういう関心を払っておられるのか。関心を持っておられるとするならば、どういうふうな対策をお考えになっておるか。もしあったらこの機会にお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/105
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106・權田良彦
○政府委員(權田良彦君) 今お話のございましたように、私どももそういう場所を見ておりますが、これも御指摘のようにいろいろ改善を要する点があると思うのです。まあ桜木町の問題については、これはラッシュ・アワーの時間はやはり相当こう押して参ります。しかし、あそこは今整理の方法として私の承知しておりますのは、この上り下りの方向別とホーム別に縄が張ってあるのでございまして、おり口が左へ取ってございますので、おりるのと乗るのとを、現在の設備を最大に使うための工夫は十分いたしておりますけれども、その設備それ自体は完全であるかといえば御指摘の点がございます。従って将来設備上のそういう問題について、特にこの上下の差のあります階段で、ラッシュ・アワー等でどっと押し寄せてくるものについては、さらに設備の整備が必要かと思うのです。
また電車のドアにつきましても特に冬なんかオーバーを着ておられまして、オーバーがはさまれて引きずられたということも耳にいたしております。設備上は現在の電車のドアーにつきましては、御承知の通りにゴムのバッファーが入っておりまして、手の指をはさまれたとか、オーバーがはさまれたときには、これは抜けるような構造上の工夫はこらしてございまするけれども、数の多い電車の中にはままそのバッファーの働きがにぶくて、なかなか抜くのに困難だというようなものがあり得る場合もございます。従って、これは構造上は車両の整備にふだん十分監視をしてもらいたい点でございまするが、そういう一応の構造上の安全性は、設計及び実施の際に見ておるわけでありまして、不備なものは十分日ごろ注意して直してもらいたいと思っております。特に一般に通勤時のホーム上の整理ということは非常に問題でございます。特にこの一ころは見切り発車と申しまして、ある一定の時間が参りますると、次の電車が押しかけて参りまして、なおホームも混雑しますので、逆に整理上これを先に出してしまうというようなこともいたしておりました。これは非常に危険でもございますので、ただいまではこのドアーの締まったのを確認してから発車をさしておる。そのためには国鉄においてもこのいろいろ臨時の方の応援も得てやっておるようでございます。これは実施以来相当になりますが、以前に比べますと成績は良好でございます。またホームに上る数がうまく押えられておりますのは、この近所では渋谷の地下鉄でございます。これは渋谷の駅は非常に構造上も上下の立体が多うございまして混雑いたしますので、これは朝の時間に合せまして改札の手前で、定員通りはいきませんけれども、安全に、危なくなくて乗れる最小限度のあれで列を切っておりまして、しかもこれも地下鉄の車両を増結いたしまして相当な編成でやっておりまして、これは整理に非常に初め人を使いましたが、今は何と申しますか、乗客の方も御協力下さいまして相当朝のあの通勤がスムーズにいっておるようでございます。従いまして、設備上も考え、運用上も、それからいろいろの案内の仕組みもやり方も考えるということは、もう御指摘の通りでございまして、今後とも一そう私どもとしても、こういうことについて国有鉄道、私鉄を通じて十分指導して参りたいと存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/106
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107・大倉精一
○理事(大倉精一君) なお、ただいま磯崎営業局長が出席になりましたかう報告いたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/107
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108・柴谷要
○柴谷要君 大へん時間が過ぎましたので、次の問題に入る前に、大臣並びに国鉄に要望をしておきたいと思うのです。というのは楽しかるべき修学旅行がこのような悲惨な状態になりますととは、多年にわたってはぐくまれた御両親はさぞかし悲歎にくれていると思うのです。その原因たるやいろいろあろうかと思いますけれども、御両親の談として新聞に載っておりますことを聞きますと、非常に無理な日程であったということを両親は認められているようでありますので、運輸大臣は文部大臣にこのことをしかと伝えて、旅行中にこういうような事故の起きないように、無理な修学旅行の予定を組まないように、運輸大臣から文部大臣に十分な注意をしていただくように、私から要望しておきたいと思うのであります。
それから国鉄当局に対しましては、そのような上からの、政府からの何と言いますか指示がありましても、なかなか地方へ出まするとあれも見たいとれも見たいというので、子供の元気にまかして相当無理な行程で旅行をされると思うんです。で、今のようないわゆる混雑しておらない列車等の場合には、特に修学旅行の生徒については特段と国鉄は配慮して、専用車等を与えて旅行のできるように、この列車の編成なり乗車効率から考えますと、決して指定のできない状態ではなかったと私どもは見ますだけに、一そう国鉄当局も親切心をもってこれに対処してもらいたい。
それから特に、最近は乗車等については非常に規律が確立されつつあるようでありますけれども、土地に暗いというような関係上、まあ田舎の方から上京されますと、とかくホームの所で戸惑いがちで、事故の発生等もあると思うので、十分駅側においても整理並びに警備等に当っては、特に公安官等を十分に配置をして、このような事故の起きないように、一つ国鉄当局としても配慮してもらうということを、二点要望いたしまして、次の問題に入りたいと思います。
次は、地下鉄工事をめぐって最近ひんぴんとして発生しておりまする事故について、お尋ねをして参りたいと存じます。
さきに、日比谷における道路沈下、あるいは赤坂見付付近におきまするところの自動車事故の問題、あるいは新宿区四谷二丁目におきまする都電の脱線、今月十一日並びに十五日二回にわたりまして脱線事故を起し、しかも負傷者を出すというような、まことに芳ばしくない問題が起きておりますが、この地下鉄工事をめぐって、またいろいろ神風タクシーの問題をめぐって世論を聞いてみますと、どうも地下鉄工事は横暴だと、こういう声が非常に強く上っております。特に、近代的工事と誇っておりまするところの日本の地下工事にしては、あまりにもお粗末な、原始的なような仕事をやっておる。たとえば四谷二丁目付近の状態を見ますると、板敷きでこれをくぎづけにし針金でゆわえておる。ところが一日三万台からの自転車、自動車、電車等が通りまする、非常に混雑いたしまする場所に、ああいったような板敷きの針金どめというような路面にしておくために、非常に事故が発生しておるということが、果して地下鉄工事を許可するときに、運輸省はそのようなことを十分承知の上で許可をされておるかどうか、その点からまずお尋ねをして参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/108
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109・權田良彦
○政府委員(權田良彦君) この東京、大阪等の大都市の交通難を緩和いたしますには、何をおいても地下高速鉄道を至急に増強しなければならないということは、もうすでによく御承知の通りでありまして、ために東京におきましても在来よりその速度を増して今、地下鉄の建設を促進いたしておりますが、そのために御指摘のようないろいろな問題が起りますので、私どもも十分注意をいたしておるところでございます。
で、今の御質問の点でございますが、工事施行の認可はその基本的な工事設計に対して認可をいたしまするので、工事施行の際の細部のそういう問題につきましては、これは工事施行者の判断にまかされておるわけでありまして、まあ法律的に申しますると、ただいまの板張り個所、あるいはそれのとめ方というようなものは、実は施行認可の範囲に属しておりません。あと営団と工事施行者の間で十分打ち合せまして、いろいろ事故のないように注意すべきは当然でございまするが、またそういうふうにいたしておりまするけれども、交通に対しては普通の道路と違って、支障を与えることも事実でございます。
で、今お話のございました、四月十一日及び四月十五日に新宿の四谷の先で起りました、本線路車両脱線というのは、これは続いて起りましたので、私どもの方でも十分それを調査してみたのでございます。調査してみますると、この工事の実施のやり方でございますが、この地下鉄のトンネル部分の泥を取って穴を作って、それを板敷きにする、そこは営団の方の工事請負人がやっておるわけであります。その板敷きの上にまくら木を敷きまして、都電の線路をそれへつけるということは、これは東京都の方で交通局が直営工事でいたしておるわけであります。その間、両者は当然工事上十分打ち合せした結果、遺憾のないようにいたしまして、その後見張り監査もいたすのでありますが、この起りました場所を調べてみますると、ちょうどこの事故の起りました所は、同じ電車で起っておるのであります。六千二百八十六号というこれは多分昭和二十七年ごろ作りました、まだ新しい車でありますが、この車だけがそこで脱線しておる。ほかの電車は脱線しておらぬ。この電車も朝から始業しておりまして、この事故の起ります時間までには八回以上もそこを通っておるのでありますが、このときにたまたま起っておるのであります。調べてみますると、一つは、この場所の線路の幅、軌条間隔が本来千三百七十二ミリメートルなければならないのでありますが、千三百四十二ミリメートルになっているのであります。三十ミミ軌間が狭くなっている。従って軌条が狭くなっておりますので、浮び上るおそれがあるわけであります。この狭くなった原因をいろいろ調べてみますると、あの場所がちょうどそこに、地下鉄の空気を入れかえする穴があいている部分がありまして、横断路との関係から、自動車がそこを横断する回数が多くなる。従って軌道敷に対しては自動車が直角に軌道を押す力がよけい他の部分より働く、そのために軌道が中へ押されておるということがわかったのでありまして、従ってこの点に今後こういうことが起らぬように、そこの軌間を十分保持し、これを常時見張りをする必要があるということがわかったのであります。
もう一つは、同じ電車が起しておりまして、ほかの電車は起しておりませんので、この電車を調べましたところが、今申し上げましたように二十七年ごろの車でありまして、この車輪の下の方のこれがだんだん減って参りますので、これが標準のときと、ここまでなら使用してもよろしいという限度があるのでありますが、その使用限度まではいっておりませんけれども、この標準から見ますとだいぶ減っておるのであります。従ってこの乗り上げるチャンスがここで起ってくるわけであります。もう一つが、何回か通ってこの軌間に浮き上るというのは、ちょうどラッシュのときには幸か不幸かたくさんお乗りになりますので車が重い。ちょうどこの時間すいておるのでありまして、多くても三十人くらいしかお乗りになっていない。そうすると車が軽いものでありますから、今申し上げました原因で浮き上る。実はからの車を試運転さしてみたのでありますが、この車で果して浮き上るのであります。ラッシュ・アワーに起らなかったのは、重いもんで割り込んでいくので、幸か不幸かたくさん乗った方が安全だということになったのであります。原因がこれだけはっきりいたしましたので、この場合には地下鉄工事そのものの遺漏というよりは、要するに、たまたまここに空気穴がある関係で、ここへどうしても自動車が線路を横断すると、従ってその部分の線路が縮まることの予防と、それの見張り、それからこういう使用限度までいっておりませんけれども、標準限度から摩耗がある程度いっておるものにつきましてはこれを直す、こういうことによってここでは起らないということが技術的にわかったわけであります。
従いまして私どもといたしましては、実は東京都及び営団の責任者を招致いたしまして、こういう点も十分指摘いたしまして、今後遺憾のないようにということは厳重に通達してございます。なお、今後御指摘のように、今柴谷先生がおっしゃったように、この地下鉄はどうしても今後工事が多くなります。従いまして東京都内において路面交通もこれだけ混雑しておるときでありますから、この工事の実際の施行に当っては、極力営団と緊密な連絡となお督励いたしまして、こういう事故の起らぬようにいたしたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/109
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110・柴谷要
○柴谷要君 都電の脱線については、今監督局長から詳細な御説明がありましたのでわかりましたが、私は浅草から新橋までの地下鉄工事の当時から東京にいるのですけれども、あの当時の工事進行状態は、それは今日のような比ではありませんけれども、今日ほど道路を地下鉄工事のためにふさがれて非常に困難しているときはないと思う。特に公共事業であるから多少のことは無理はあってもがまんをしてくれ、こういうような行き方ではいけないと思う。特に最近は事故という問題をめぐっては非常に神経過敏になってやっているのですが、たとえば私どもが車で通ってみまして工事施行者の方でどうも少し行き過ぎがあるような感じがする。当然手を入れておけば大丈夫なものを、まあまあほんとうに事故でも起るまではほうっておくという形も出てきておる、このことは非常に遺憾だと思う。特にまあ隧道の上張りの板までは工事施行者がやるけれども、その上は東京都が引き受けてやったと、こういうお話でございますが、その東京都自体がみずからの電車の運転をするし、その道路は東京都の道路であり、そこに日々走る自動車等が数多くあることは十分承知しておるにもかかわらず、そうしてまあ一日に二回ほど私はあすこを通るのでありますけれども、実に毎日々々状態が変っておるのです。きのうは向うの板がはねたり、あるいはきょうは手前の板がはねるというように、おそらくは板のはねない日はないぐらいな状態になっておる。それのみならず、そこを通るたびに釘のために自動車がパンクをしたり、あるいは鉄線が自動車の横腹にからみついたり非常に危険な状態なんです。こういう状態を運輸省が十分監督をして、そういう危険な状態を取り除くということはあってしかるべきだと思う。施行許可の中に、当然この路面の使用については厳格な規定を入れてしかるべきだと私は思うのです、しかるべきだと思う。これらの問題をめぐっては、運輸省としても十分やっておられるようでありますけれども、施行許可の中に入れて、今後各所にこの地下鉄工事が行われると思うので、これが事故の起らないうちに十分な監督をしていただくように、特に要望しておきたいと思う。時間が参りましたので、私はこの程度でやめたいと思いますけれども、最近東京都におきまするこれらの問題は、どうも運輸省の監督は都の方には及ばないように思う。ですからもっと都の関係者に厳重な注意を与えるとともに、一つこういうことの二度と起きないように運輸省としても監督をしてもらいたいということを要望して、この問題についての質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/110
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111・高良とみ
○高良とみ君 関連して。今柴谷委員の言われた通り、全く東京の道路は掘っくり返しとっくり返しなんですが、今の電車が故障するばかりでなく、自動車だって波の上を越えているようなんです。これについてその道路の監は、監督局長に伺いますが、これは公安委員なんか、それについては現場の視察とか、それからそれについて神経を使っておるのですか、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/111
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112・權田良彦
○政府委員(權田良彦君) この地下鉄の工事施行認可に当りましては、陸運局経由運輸大臣に出て参りまするけれども、私どもといたしましては、これは当然そういういろいろな道路との関連もございまするので、当然各関係方面と緊密に打ち合せをするわけでございます。ことに現在の東京都の地下鉄工事につきましては、道路を使用いたします関係で、この営団の方から建設省関係にも、同じ工事施行認可につきましては、実施設計のいろいろ伺いを出すのであります。従いましてこれらを勘案しまして、結局運輸省と建設省と東京都というものが、これについて打ち合せをするわけであります。その点については、建設省はこの道路の関係以外に都市計画の関係、東京都におきましても道路管理者としての関係で、並びに都市計画部の関係で十分に内容は見るわけであります。で、工事設計自体はそういう格好において認可されますが、認可を受けますと、今度これ実際の工事は大体土建業者が請け負いいたしますので、今度請負契約に基いて営団がいろいろ監督をいたしますが、この実施に当っては結局東京都の交通局と営団と、それから東京都の道路関係というものが十分協議をいたしまして、細部の実施に入るわけでありまして、そういう細部の構造そのものについては、設計認可では押えておりませんけれども、そういう施工について今両先生から御指摘がございました通り、特に道路交通の混雑しておりますこの東京都内でありますから、できるだけ工事期間中に他の迷惑が少くなるようには、十分今後とも指導監督して参りたい。特に最近こういう問題も起っておりますので、実はそういう関係者を呼びまして、いろいろ私どもの気がつきましたことは十分指示を与えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/112
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113・高良とみ
○高良とみ君 もう一つ。そうすると、これは陸運局を通して許可の認可の申請が出た、するとやはり陸運局もこれの監督の責任もあると考えてよろしいのですか。
そしてね、まあ運輸省の監督局が、それを御監督になってやられるのはいいのですけれども、実際に下請の土建屋さんの手に都民の足がまかされているというような形なんですよ。これについてそういうことがあったときにお呼びになるのはけっこうですけれども、私どももう少し公安委員や警察が、これは事故の原因であり、交通事故を起し得る可能性があるということに対しては、起らない前にもう少し公安委員なんかも活動なさった方がわれわれ都民としては助かると思うのですが、そうはいかないのですか。
そこで伺いたいのは、私ども、監督指導の一本化ということをおっしゃっていますけれども、事ごとにそれが現われるわけで、東京都の交通局といわれます。けれども、果してそれだけでいいものか。そうしてああいう泥を吐き出したり、あるいはもう日中でもずいぶん工事を進めていますが、それは夜にしろとか、そういう許可の実施……、一体許可を受けたら実施をどういうふうにやっても、それでどこまで行っても道はでこぼこでもよいというふうになっておるわけなんです、実際。これはもう少し現場の監督というようなものの所在がどこにあるのか、ちょっと伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/113
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114・權田良彦
○政府委員(權田良彦君) 実際の工事については、現場の監督は道路管理者がいたしております。従ってその工事請負人についてのそういういろいろな実際のやり方については、道路管理者が道路に支障のないようにいろいろ監督しているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/114
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115・高良とみ
○高良とみ君 そうすると区それから都庁ということですが、区役所がそれだけの監督する権限はあるかもしれませんが、実際そういう手をもってここは千代田区、ここは新宿区、何区というふうなところの、区が実際にやれますか。私どもはまあ寡聞にして区というものはそれだけの力がないということも知っていますし、都はすぐに現場をどうするということができないので、私の言うような警察、公安委員というのは、この工事期間中はこのバスはこれこれ、これこれのあそこを通るバスなんかは、もっと道路を変えろというような指導がほしいと思うのですが、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/115
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116・權田良彦
○政府委員(權田良彦君) これはそういう工事自体については、道路管理者としての東京都の建設局なりがやっておりまするし、それからまたそういう支障があって一時交通を停止するとか、あるいは通過車両を制限するとか、あるいは一方交通をするとか、そろいうことは東京都の公安委員会、警察の方でやっておられるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/116
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117・高良とみ
○高良とみ君 それは、行われてないということですね、現場では。
要するにそれが行われてないということをあなたは言っておるのですが、まあ今後とも一つ御研究願いまして、あそこらにもつと重大な事故が起らないうちに——あそこのみではないのです。東京都ではこれからますます地下鉄が掘っくり返されていくと、いかにこういう答申を尊重するにしましても、実際はまだ困難だろうと思うのです。ぜひ一つこれはあなたにも、運輸大臣にもこれはお願いしておきたいのですが、もともとが審議会の中間報告なり要望なるものは、やはり人命尊重の項も大事でありますから、地下鉄は交通緩和をするとか、今泥を掘っくり返しひっくり返して、自動車がひっくり返ろうが電車がひっくり返ろうががまんしろと言われるなら、その通路はバスをほかの方に回すなり何なり、適宜な処置がないと市民としても困るわけです。ぜひもう少し人命尊重が徹底いたしますように要望事項としても御指導を願いたい、御激励願いたいということを重ねてお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/117
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118・成田一郎
○成田一郎君 運輸大臣にちょっとお伺いしたいのですが、毎年国鉄の予定線というものが何本か新しくきまるわけです。これが例年四月中に審議会を開いておきめを願っておるように聞いておるのですが、ことしもやはりそういうようなことで御進行になりますか。
と申しますのは、その予定線がきまることを非常に希望する側から言いますと、なるべく早くおきめを願いたい。こういう希望の者が多いのですが、どんな御予定ですか、大臣に一つお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/118
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119・中村三之丞
○国務大臣(中村三之丞君) 鉄道建設審議会は毎年四月下旬のように記憶いたしております。しかし御承知のような事態でございますので、これをしばらく延期をいたしまして、政局安定の後にやりたい、こういう考えでございます。しかし、調査線はもうわかっております。それから、あるいはそのほかの線につきましても原案は持っておるのでございまして、これは私はきのうも衆議院の運輸委員会でも申しましたごとく、別に秘密のものでもございませんから、こういう点はこうだということは、いつでも申し上げておるのでございます。ただそれが建設審議会を通過するかしないかは、これは政局安定後でございまして、どうぞその点は御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/119
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120・成田一郎
○成田一郎君 今の大臣のお答え、よくわかります。ただそういう希望のあるということだけを、私の方からは申し上げておきたいと思うのです。
それからもう一点は、今の調査線ですか、いずれ審議会でないときまりませんが、何か運輸省の方でその候補者といいますか、予定線になりそうなものとして準備しておられるようなものについて、衆議院の委員会で何か御発表になったということを聞いておりますが、きょうでなくてもいいですが、この次の委員会のときに、その予定線の候補者で衆議院で御発表になったものを、この委員会で局長からでよろしゅうございますから、ここで発表さしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/120
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121・中村三之丞
○国務大臣(中村三之丞君) それは去る三月七日と記憶いたしまするが、中居委員からこの新線についていろいろ御質問がございました。そのときに鉄道監督局長がまあいろいろ申し上げました中に、大体こういう線を一つの候補者として考えているということで数線が載っているわけです。これはいつでも御要求によって、局長から答弁をいたしましても差しつかえないものでございます。
ただ申し上げておきますが、これがほんとうに全体を見てのことでございまするから、いずれは何事もきまりまするのは建設審議会である、ということを一つ御了承を願っておきます。私の方ではきまらないのでございますかう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/121
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122・成田一郎
○成田一郎君 今ちょっと監督局長からきょう話していただけますか。この次でもいいのです。今材料をお持ちですか。この次の委員会に発表してもらうか、資料としていただくか、どちらかにお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/122
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123・大倉精一
○理事(大倉精一君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/123
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124・大倉精一
○理事(大倉精一君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/124
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125・成田一郎
○成田一郎君 今の調査の線の予定のものが数の多いことは私も聞いております。ただ、今大臣のお話で三月の七日に衆議院の委員会で述べられた程度の、予定線の予定線です、調査線の予定線ですね。ところがそれに入っているのはよろしいが、入っておらないものは非常にこれ相当のあれを起しているわけですから、数多いことはかまいません。それにも入ってこないと、関係者としては非常な関心事ですから、そこは多いことはどうでもいい。そういうことを一つお話を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/125
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126・中村三之丞
○国務大臣(中村三之丞君) 三月七日には例示をしてあるのでございますから、そのほかは私の記憶では四十何線あるそうでございます。これは適当の機会に監督局長からお答え申し上げるということは一向差しつかえございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/126
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127・柴谷要
○柴谷要君 関連して監督局長に頼んでおきたいのですが、建設線となって着工しているものと、それから建設線には指定したけれども、まだ工事にかかっていないもの、それから調査線に指定したもので調査が始まっているもの、こういうもの。それから要望線が八十何個線あるわけです。こういうものを簡単でよろしゅうございますから、資料をもらって、次回に一つ委員会で御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/127
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128・大倉精一
○理事(大倉精一君) ただいまの成田君並びに柴谷君の御要望の資料を御提出願います。
速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/128
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129・大倉精一
○理事(大倉精一君) 速記を起して。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/129
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130・相澤重明
○相澤重明君 議事進行について。運輸大臣に先に確認をしておきたいのですが、運輸大臣は、参議院の運輸委員会における交通事故特別対策委員会の小委員会に出席をすることは、呼ばれた場合には出席する、呼ばれなければわからない、こういう最初お話があったのですが、小委員会に出席を求められた場合に出席をする、こういうことは確認できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/130
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131・中村三之丞
○国務大臣(中村三之丞君) 私は公務の上においては、いかなる所に御要求下さいましても参ります。現に衆議院には、もっとも毎回には参りませんでしたけれども、都合をつけまして二、三回参っております。参議院におきましても、これは私が参るということは当然の義務であろうと思っております。しかし、ただ御了解願いたいのは、ほかの委員会があったりする場合は、一つその点は御了承を願いたいと思うのですが、私も繰り合して参りますが、そういうほかの点とかち合った場合は、あるいは御了承を願わなければならぬこともございまするが、私はむしろここの小委員会で私に出てこいと言われなかったのは、不思議に思っているくらいで、非常に御寛大なことで、私は喜びはしませんが、どういうことかと不思議に思っておったくらいでございます。これは率直に申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/131
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132・相澤重明
○相澤重明君 これは小委員長に一つ聞いておかなければいかぬのですが、小委員会としてはそういう考え方は今までなかったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/132
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133・江藤智
○江藤智君 先ほど報告をいたしました通りに、とにかくたくさんのテーマを拾って、そのうちでとりあえず労働条件その他の問題に集中して、実情把握その他に非常に努力をした、その間に運輸大臣を呼ぼうというような声も一、二ありました。しかしとにかくこういう情勢ですから、要望事項の中間報告まで早くこぎつけたいというので、実は四回と言いましたけれども、四回半くらい議論をまとめるのに努力したわけなんです。これをまとめて本委員会に報告して、しかる後に運輸大臣その他に出ていただいて、皆で一つこれを質問なり何なりをしよう、こういうような方針に小委員会としては意見がまとまったものですから、特にお忙しい運輸大臣にその過程において出てくれと、こういう要求はしなかったわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/133
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134・相澤重明
○相澤重明君 今の神風タクシーという問題については、国民は非常に大きな関心を持っているわけなんです。従って衆参の運輸委員会における取扱い方については、どういうふうに一体答えが出るだろうか、あるいはまた当局はどういう行政指導をするだろうか、こういうふうに非常に関心を持たれている。従って、小委員会をなるべく数多く持っていただいて、それにはやはり政府は積極的に出て、そうしてこれらの問題になっている点を早く国民に解明をして、安心をさせなければいかぬと思う。こういう点について、今運輸大臣と小委員長の方にお伺いしたのですが、両者ともそういう積極的な意思のあるということを私は認めて、非常に喜んでいるわけなんです。
そこで、委員長に要望があるわけです。本日の運輸委員会を見ると、これは交通事故防止対策の小委員だけしか出ていない、小委員でない者は私きりしか出ていない、こういう形で運輸委員会をやられては困る。やはり小委員でやるべきものは小委員でやってもらいたい。で、委員会として審議をするようなものは、やっぱり委員会として審議をするように私はやってもらいたい。そうでないと、小委員の諸君が小委員会でやるべきことを本委員会に持ってこられたら、大体本委員のものは発言ができやしない、何も。こういう議事運営というものはきわめて私はまずいと思う。この点について、委員長は、今の小委員会は運輸大臣なり小委員長が積極的に持っていくように、これは一つ委員長から両者に言っておいてもらいたい。それがないと今のようなこういう運営になってしまって、今のようにだれ一人としてほかの委員はいない。そういうことでは委員会にならぬ。本来委員会というのは定足数をもってわれわれは委員会を開催する。こういう考え方に立っておるわけだ。こういうことは、やっぱり、今のような議事運営をしておるからして、結局ほかの委員は帰ってしまっておる、こういうことになる。そうしてまた、われわれとしては、緊急にやりたい問題もたくさんあるし、小委員の皆さんの専門的にやったことをなお聞かなければならぬ問題があるのに、われわれ委員は質問する時間がない。それで、総選挙が近いというので浮足立って、委員も出席もできないということでは困る。やっぱり委員会を開く限りにおいては、その委員が真剣に討議のできるような議事運営というものを、私ははかってもらいたい。私は先ほど午後から見て、きょうは交通事故対策の小委員会だと実は思っておったくらいです。そういうわけで、これは今まで運輸大臣の出席が求められなかったために、きょうは運輸大臣に対する質問というものは各委員から多く出た。こういうことから考えて、小委員会をたくさんやってもらって、政府が親切に小委員会で答弁してもらって、そうして早く、この問題が国民の前に関心を持たれておることですから、明らかになるようにしてもらいたい。こういうことを要望しておきます。議事運営ですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/134
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135・大倉精一
○理事(大倉精一君) 相澤君の意見は十分尊重することにし、また委員長にもそういうように申し伝えることにいたします。
速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102813830X02019580418/135
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136・大倉精一
○理事(大倉精一君) 速記をつけて。
本日は、これをもって散会いたします。
午後四時四十六分散会
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